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特許7356916潤滑剤ポンプの構造部品としての組立ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】潤滑剤ポンプの構造部品としての組立ユニット
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/16 20060101AFI20230928BHJP
   F04B 23/00 20060101ALI20230928BHJP
   F04B 53/22 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
F04B53/16 A
F04B23/00 B
F04B53/22
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020004083
(22)【出願日】2020-01-15
(65)【公開番号】P2020112160
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】19152025.3
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521506319
【氏名又は名称】グルーネフェルト-ベーカ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】ケッペル ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴィットマン ヨハネス
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-201169(JP,A)
【文献】特開平06-280740(JP,A)
【文献】特開2006-145028(JP,A)
【文献】実開昭63-119998(JP,U)
【文献】実開昭53-125903(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 9/04
F04B 23/00
F04B 53/16
F04B 53/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造部品としての組立ユニット(21)と、前記組立ユニット(21)が収容されたポンプハウジング(20)とを含み、
前記組立ユニット(21)は、
基板(11)と、
導入された直線運動によって動力与えられるポンプ部品(13)を内部に有し、前記基板(11)に固定して取り付けられた少なくとも1つのポンプ部品ハウジング(12)と、
を備え、
さらに、前記ポンプ部品ハウジング(12)の外部において、前記ポンプ部品(13)に対する固定の相対位置に偏心体(18)を有する偏心装置(14)を組み立て可能にするために、偏心固定手段(17)を有し、
前記偏心固定手段(17)は、前記基板上(11)に設けられている
ことを特徴とする潤滑剤ポンプ
【請求項2】
前記偏心固定手段(17)は、特定の配置で提供され、締結ボルト(28)を受け入れるように形成されたボアホールを備えることによって、前記偏心装置(14)の雌ねじ穴を介して、前記ポンプ部品ハウジング(12)に対する所定の相対位置に前記偏心装置(14)を固定できるようにした
ことを特徴とする請求項1の潤滑剤ポンプ
【請求項3】
前記ポンプ部品ハウジング(12)に対して固定の相対位置に配置された前記偏心装置(14)も有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑剤ポンプ
【請求項4】
前記偏心装置(14)の前記偏心体(18)の回転軸は、基板(11)の平面に垂直である
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の潤滑剤ポンプ
【請求項5】
前記基板(11)は金属で形成され、前記基板(11)の厚さは1.5mm~10mmである
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の潤滑剤ポンプ
【請求項6】
前記基板(11)は金属製であり、ポンピング作動時に前記偏心体(18)によって加えられる最大圧縮力Fmaxを吸収するように形成されており、この力Fmaxの影響下で、前記偏心装置(14)の中心軸と遠位点の前記ポンプ部品(13)との間の距離の変化は、100μm未満である
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の潤滑剤ポンプ。
【請求項7】
前記組立ユニット(21)は、前記基板(11)に接続され、トルクロック方式で前記偏心装置(14)に結合された駆動装置(19)をさらに有する
ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の潤滑剤ポンプ。
【請求項8】
前記基板(11)は、長方形の基本形状を有し、前記長方形の長辺は、前記ポンプ部品ハウジング(12)に挿入された前記ポンプ部品(13)の長手方向の延長部に平行である
ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の潤滑剤ポンプ。
【請求項9】
前記ポンプハウジング(20)は、全体的にまたは部分的にプラスチックハウジングとして形成されている
ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の潤滑剤ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の特徴を有する潤滑剤ポンプの構造部品としての組立ユニット、および請求項11に記載の特徴を有する潤滑剤ポンプの構造部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
円周方向の偏心体を備えた偏心装置によって加圧され、ポンプ部品としてのピストンの直線運動によって潤滑剤を送達する少なくとも1つのポンプ部品を備えた潤滑剤ポンプは、当該技術分野で周知されている。ただし、このような潤滑剤ポンプは通常、構造が比較的複雑であり、特定の用途分野や特定の潤滑ニーズによって異なることがよくある。潤滑剤ポンプは、1つまたは複数の潤滑ポイントに潤滑剤を供給するために、例えば、建設機械、農業機械、大型貨物車、鉱業システム、産業システムまたは風力発電システムに使用されている。通常、潤滑剤ポンプの様々な部品は、金属で形成されたハウジングに対して固定されており、偏心装置とポンプ部品との間に生じる力は、前述のハウジングを介して吸収される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来技術に対処する本発明の目的は、潤滑剤ポンプの構造に関して、異なる概念を提案しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、潤滑剤ポンプの構造部品としての組立ユニットによって達成することができる。本発明の組立ユニットは、基板と、導入された直線運動によって動力を与えられるポンプ部品を有し、基板に固定して取り付けた少なくとも1つのポンプ部品ハウジングとを備え、さらに、偏心固定具を有して、ポンプ部品ハウジングに挿入されたポンプ部品に対する固定相対位置に円周偏心具を設けた偏心装置を組み立て可能にしている。
【0005】
また、本発明の目的は、次のステップを含む方法によって達成することができる。すなわち、本発明の方法は、ポンプ部品ハウジングが固定され、或いはこのハウジングが事前に一体に形成されている基板を提供することと、基板に設けられ、好ましくはボアホールとして形成された偏心固定具に偏心装置を固定することとを含んでいる。
【0006】
本発明における有利な展開は、請求範囲の従属項に記載されている。
【0007】
本発明における重要なポイントは、基板を提供するとともに、ポンプ部品の軸受支持体も提供することである。この軸受支持体は、ポンプ部品ハウジングとして形成され、および/または指定され、基板に対してポンプ部品を締結し、および/または固定する役割を果たしている。また、基板に対向しており、ポンプ部品で指定された範囲内で移動可能なのは、ポンプ部品に含まれる潤滑剤ピストンであり、この潤滑剤ピストンは、ポンプ部品の範囲内で直線運動を実行し、ポンプ部品による潤滑剤のポンピングプロセスを引き起こすことができる。
【0008】
好ましい構成としては、潤滑剤ピストンは、基板の平面に平行な軸上で直線的に往復運動することができる。さらに、好ましい構成としては、基板は、実質的に長方形の平面板として形成される。
【0009】
本発明の基板は、偏心固定具をさらに備える。これによって、円周方向偏心体が回転運動を維持できるように、円周方向偏心体を備えた偏心装置を固定することができる。好ましい構成としては、偏心装置の円周偏心体の回転軸は、基板の平面に垂直である。
【0010】
本発明で提案された基板により、潤滑剤ポンプは、中央部品から外側に向かってモジュラー方式で構造化されることが可能になる。他の利点としては、偏心装置の円周偏心体とポンプ部品との間に生じる力が基板を介して直接かつ即座に吸収されるので、ポンプ部品の駆動力をハウジングなど任意の外部手段を介して伝達する必要がないことである。これにより、材料の選択や幾何学的な構成から生産技術の面での節約の可能性まで、部品ハウジングの構造と設計に関して全く新しい可能性が生まれている。例えば、プラスチック部品を簡単に使用したり、部品ハウジング全体をプラスチックで形成したりすることができる。
【0011】
少なくとも実質的ではないが、さらに別の利点としては、偏心固定具および/または偏心装置の中心軸に対して、ポンプ部品の軸受支持体および/またはポンプ部品ハウジングの間隔は、高精度で特定することができる。なお、必要に応じて、ポジショナーを使用することも可能である。また、複数の個々の部品を結合する際に従来存在していた公差の積み重ね、ポンプ部品ハウジングおよび/またはポンプ部品と偏心体軸の軸受け支持体との間の間隔における全体的な大きな変動は、観測することができる。特に、ここで言う公差は、ハウジングからの影響を受けずに済み、従来技術による許容誤差の積み上げを回避することにより、ポンプによる液体配送の精度が大幅に向上される。
【0012】
本発明で提案されている基板の技術的概念は、トポロジー的配置とその機能の両方に関して中央基板とも呼ばれ、全く新しい構造的可能性を切り開いている。このような組立ユニットは、より多くの数で事前に組み立てられるので、製造労力を削減することが可能となる。さらに、ポンプ部品と偏心装置の相対的な位置付けは、より精密的に行うことができる。このように、力を即座に伝達することで、様々な形状のハウジングを考慮することができ、この点でも材料と製造のコストを削減することが可能となる。ここに、本発明に係る組立ユニットと、組立ユニットが収容されたポンプハウジングとを含む潤滑剤ポンプも特許請求されている。有利な構成としては、ポンプハウジングが完全にまたは部分的にプラスチックで構成されていてもよい。特に、組立ユニットが適切な方法で固定されていて、二つの部分または複数の部分から構成されるプラスチックハウジングを検討することもできる。
【0013】
このように、軸受け支持体および/またはポンプ部品ハウジングを基板に固定することができる。例えば、はんだ付け、プレス、リベット、ネジ止め、基板への圧着、または基板への接続が可能であるが、その他の一般的な結合技術も利用可能である。一方、ポンプ部品および/または基板と一体化したポンプ部品ハウジングのために軸受け支持体を形成することも可能である。このような配置は、例えば、鋳造法を使用すれば実現することができるが、特に3D印刷型の添加物製造方法を利用することも可能である。
【0014】
有利な構成としては、偏心固定具は、締結ボルトを受け入れるように形成された複数のボアホール、特に3つのボアホールを備えてもよい。これにより、締結ボルトを介してポンプハウジングに対する固定の相対位置に偏心装置を固定することができる。ここで、締結ボルトは、偏心装置の固定部品、例えば軸受ワッシャのそれぞれの雌ねじ付きボアホールに係合することが可能である。ボアホールの壁は、特に強化され、例えば硬化され、コーティングが施されてもよいし、軸受けブッシュが前述のボアホールに挿入されてもよい。
【0015】
特に好ましい構成としては、組立ユニットは、組立用の部品として事前に形成され、ポンプハウジングに対して固定の相対位置に配置された偏心装置をさらに含む。本発明における1つの好ましい実施形態では、基板は金属で形成され、1.5mm~10mmの厚さを有する。
【0016】
さらに好ましい構成としては、基板は金属から形成され、ポンプ作動中に偏心体によって加えられる最大圧縮力Fmaxを吸収するように形成されている。この力Fmaxの影響下で、偏心体の中心軸と遠位点におけるポンプ部品との間の距離の変化が100μm未満であり、好ましくは20μm未満である。言い換えれば、この力Fmaxの適用により、これら2つの参考点は、最大で100μm未満、好ましくは20μm未満で離れるように相互に分離されている。なお、従来技術においては、偏心装置とポンプ部品との間に力の伝達は発生しておらず、力はしばしばハウジング部品または中間部品を介して伝達されたため、好ましくない公差条件のある程度の積み重ねは、このような許容範囲に関して、避けられなかった。さらに、力の伝達はこのような方法では即時ではなかったので、ここでの力適用によって、被加圧部品が互いに対してずれることは、本発明の場合よりも発生しがちであった。
【0017】
好ましい構成としては、組立ユニットは、基板に接続され、トルクロック方式で偏心装置に結合された駆動装置をさらに備える。駆動装置は、例えば、任意の適切なギアリングを介して、またはギアリングなしで偏心装置に連結された電気モーターまたは油圧モーターを備えてもよい。さらに、例えば、駆動装置は、偏心装置上のウォームホイールに係合するギアウォームに連結された駆動軸を備えた電気モーターを備えてもよい。
【0018】
一つの可能な、通常は好ましい構成としては、特に一つのみのポンプ部品を有した場合に、基板は、実質的に長方形の基本形状を有する。ここで、長方形の長辺は、ポンプハウジングに挿入されたポンプ部品の長手方向延長部と平行である。複数のポンプ部品が偏心装置の軸に対して半径方向に並んで配置されている場合、推奨すべきなのは、少なくともほぼ円形セグメントの輪郭形状を有する基板、または円形ディスクを定義する基板などである。
【0019】
潤滑剤に浮遊する組立ユニットを提供することは理論的には考えられるが、好ましい構成としては、ポンプ部品ハウジング12が、例えば潤滑剤カートリッジからの潤滑剤供給と協働し、潤滑剤が潤滑剤排出ラインおよび/または潤滑剤排出チャネルを介して排出されることである。これにより、偏心装置を潤滑剤リザーバの外側に配置することが可能となる。従って、ポンプハウジングのデッドスペースが減少される。初めて潤滑剤を充填する場合、従来のデッドスペースのように潤滑剤を充填する必要がないため、これは、使用される潤滑剤の削減につながる。なお、ポンプ作動時に、潤滑剤容器の全容量、特に潤滑剤カートリッジの全容量を使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る組立ユニットの実施形態を示す側面図である。
図2】上から見たときの、図1の組立ユニットを示す斜視図である。
図3】下から斜めに見たときの、図1の組立ユニットを示す斜視図である。
図4】本発明に係る潤滑剤ポンプの実施形態を示す概略図である。
図5】本発明の原理に基づく概略図であって、本発明に係る組立ユニットの変形例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、添付の図面を参照しながら例示的な実施形態を説明することによって、本発明におけるさらなる特徴および利点を詳細に説明する。
【0022】
本実施形態では平面であって、長方形の形状で一定の厚さを有する接地基板11上に、ポンプ部品13に軸受支持を提供するための軸受が最初から形成されている。ポンプ部品13用の軸受は、ここでは特にポンプ部品ハウジング12として形成されている。ポンプ部品ハウジング12内で、ポンプ部品13は隙間なく保持されている。基板11内には、偏心固定具17がさらに設けられ、これは、偏心装置14の駆動軸15が回転可能に支持されるボアホールとして特別的に形成される。
【0023】
本実施形態において、偏心装置14は、前述の駆動軸と、駆動軸15に固定的に結合された偏心体18とを有する。偏心体18は、基板11に対して静止している軸受ワッシャ22上に摺動可能に載置されており、偏心体23と、アンダーカット24が形成された偏心ワッシャ25とを含むこともできる。
【0024】
ピストンとして形成された伝達手段16は、偏心体18の引張力および圧縮力をポンプ部品ハウジング12に収容されたポンプ部品13に伝達する。このため、ピストンとして形成された伝達手段16は、 一方で、偏心体18の外面に当接し、他方で偏心ワッシャ25のアンダーカット24に係合する端面部26を有する。その結果、偏心装置14の引張力および圧縮力は、ピストンとして形成された伝達手段16に伝達され、伝達手段16は、偏心体18の回転時に直線的に往復運動させられる。この直線往復運動は、伝達手段16を介してポンプ部品のピストンに伝達される。なお、伝達手段16は、ポンプ部品のピストンの一体化部分であってもよい。ピストンとして形成された伝達手段16の長手方向の延長部は、駆動軸15によって規定される軸Aに平行であると同時に、基板11の平面にも平行である。
【0025】
ポンプ部品ハウジング12と偏心装置14の軸受ワッシャ22の両方は、締結ボルト27、28を介して基板11に固定されている。図2および図3は、それぞれ上からの角度および下からの角度で、図1の実施形態を示している。
【0026】
図4は、本発明に係る潤滑剤ポンプの実施形態を概略図で示している。図1図3に示す組立ユニット21は、トルクロック方式で駆動軸15に取り付けられた駆動装置19をさらに備える。駆動装置19を含む組立ユニット21は、2つの部分で形成されたポンプハウジング20に収容されている。偏心装置14とポンプ部品13との間に作用する力は、基板11を介して完全に伝達されるので、ポンプハウジング20は、例えば、プラスチックハウジングとして形成されてもよい。 ポンプ部品ハウジング12に収容されたポンプ部品13は、潤滑剤カートリッジ27として形成された容器から送達される潤滑剤を得る。好ましい構成としては、潤滑剤カートリッジ27は外部からポンプハウジング20に取り付けられ、潤滑剤供給源(図示せず)が潤滑剤カートリッジ27からポンプ部品ハウジング12に取り付けられる。
【0027】
図5は、部分断面の概略図であり、本発明に係る組立ユニットの変形例を示している。明らかに、基板11上における軸受ワッシャ22とポンプ部品ハウジング12との組立が、構造部品の相互位置を正確に固定している。必要に応じ、位置調整装置であるポジショナーは、上記の組み立てに使用されてもよい。締結ボルト28を挿入するために形成された基板11のボアホールは、ポンプ部品ハウジング12に対する偏心配置14の相対位置を決定している。ここで、基板11の締結ボルト28のためのボアホールに対応して、それぞれの雌ねじボアホールが、偏心装置14の軸受ワッシャ22に設けられている。軸受ワッシャ22は、その突起がそれぞれの凹部に進入することができ、半径方向の隙間が軸受ワッシャ22の突起32と基板11の凹部31との間に位置する。
【0028】
ここまで説明してきた潤滑剤ポンプの組立概念は、様々な要件に関して容易に調整が可能で、用途が非常に広い潤滑油ポンプを製作するのに役立っている。この場合、組立ユニット21の最も重要な部品の組み合わせにより、組立作業の労力を大幅に削減することができる。
【0029】
さらに、偏心装置14とポンプ部品13との間に作用する関連の力は、中央に配置された基板11によって即座に吸収されるため、外部構造、例えばポンプハウジング20は、この力伝達機能を確保する必要性がなくなり、製造労力を削減し、潤滑剤ポンプの形成と構造に関する自由度を高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0030】
11 基板
12 ポンプ部品ハウジング
13 ポンプ部品
14 偏心装置
15 駆動軸
16 伝達手段
17 偏心固定具
18 偏心体
19 駆動装置
20 ポンプハウジング
21 組立ユニット
22 軸受ワッシャ
23 偏心体
24 アンダーカット
25 偏心ワッシャ
26 端面部
27 締結ボルト
28 締結ボルト
29 潤滑剤カートリッジ
30 潤滑剤ポンプ
31 凹部(基板)
32 凸部(基板)
図1
図2
図3
図4
図5