(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】分散型電源システムおよび分散型電源装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/14 20060101AFI20230928BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20230928BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20230928BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230928BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20230928BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20230928BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H02J3/14 130
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J7/00 B
H02J7/00 303E
H02J7/34 B
H02J7/35 K
H02J13/00 311R
(21)【出願番号】P 2020013198
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2022-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伴野 卓也
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-170925(JP,A)
【文献】特開2019-068512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00 - 5/00
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 13/00
H01M 10/42 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統および負荷に接続される分散型電源ユニットと、
前記分散型電源ユニットに接続される蓄電池と、
電力需要を減少させるように要求する下げデマンドレスポンス指令の受信に応じて、前記分散型電源ユニットの出力を前記下げデマンドレスポンス指令の受信タイミングの前の出力以上に設定するとともに、前記蓄電池を放電させて、前記電力系統へ電力を供給させる充放電制御部と、
を備え
、
前記充放電制御部は、
過去の前記下げデマンドレスポンス指令の受信日時に基づいて将来の前記下げデマンドレスポンス指令の発生を予測し、前記下げデマンドレスポンス指令の予測結果に従って、所定の基準SOCを設定し、
前記下げデマンドレスポンス指令の受信に応じたデマンドレスポンスの対応を行っていないとき、前記蓄電池のSOCが前記基準SOCに維持されるように前記蓄電池の充放電を制御する、分散型電源装置。
【請求項2】
電力系統および負荷に接続される分散型電源ユニットと、
前記分散型電源ユニットに接続される蓄電池と、
電力需要を増加させるように要求する上げデマンドレスポンス指令の受信に応じて、前記分散型電源ユニットの出力を前記上げデマンドレスポンス指令の受信タイミングの前の出力未満に設定するとともに、前記電力系統の電力を前記蓄電池に充電させる充放電制御部と、
を備え
、
前記充放電制御部は、
過去の前記上げデマンドレスポンス指令の受信日時に基づいて将来の前記上げデマンドレスポンス指令の発生を予測し、前記上げデマンドレスポンス指令の予測結果に従って、所定の基準SOCを設定し、
前記上げデマンドレスポンス指令の受信に応じたデマンドレスポンスの対応を行っていないとき、前記蓄電池のSOCが前記基準SOCに維持されるように前記蓄電池の充放電を制御する、分散型電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散型電源システムおよび分散型電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、家屋などの建物(すなわち、需要家)には、燃料電池などの分散型電源装置が設置されることがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電力の供給者側だけでなく電力の需要家側においても電力の需給調整に貢献できるデマンドレスポンスが検討されている。例えば、各需要家の分散型電源装置を束ねて管理するアグリゲータは、電力需要を減少させるよう要求する下げデマンドレスポンス指令を電力会社などから受信すると、管理下の各分散型電源装置の出力を上昇させ、余剰電力を電力系統に供給させる。また、アグリゲータは、電力需要を増加させるよう要求する上げデマンドレスポンス指令を電力会社などから受信すると、管理下の各分散型電源装置の出力を低下させることで相対的に負荷を増大させ、電力系統の電力を負荷で消費させる。
【0005】
しかし、分散型電源装置は、発電所などと比べ、出力が低いため、需給調整の能力が比較的低い。このため、各分散型電源装置の稼働状況や負荷の状況によっては、需給調整に十分に対応できないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、需給調整の能力を向上させることが可能な分散型電源システムおよび分散型電源装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の分散型電源装置は、電力系統および負荷に接続される分散型電源ユニットと、分散型電源ユニットに接続される蓄電池と、電力需要を減少させるように要求する下げデマンドレスポンス指令の受信に応じて、分散型電源ユニットの出力を下げデマンドレスポンス指令の受信タイミングの前の出力以上に設定するとともに、蓄電池を放電させて、電力系統へ電力を供給させる充放電制御部と、を備え、充放電制御部は、過去の下げデマンドレスポンス指令の受信日時に基づいて将来の下げデマンドレスポンス指令の発生を予測し、下げデマンドレスポンス指令の予測結果に従って、所定の基準SOCを設定し、下げデマンドレスポンス指令の受信に応じたデマンドレスポンスの対応を行っていないとき、蓄電池のSOCが基準SOCに維持されるように蓄電池の充放電を制御する。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の分散型電源装置は、電力系統および負荷に接続される分散型電源ユニットと、分散型電源ユニットに接続される蓄電池と、電力需要を増加させるように要求する上げデマンドレスポンス指令の受信に応じて、分散型電源ユニットの出力を上げデマンドレスポンス指令の受信タイミングの前の出力未満に設定するとともに、電力系統の電力を蓄電池に充電させる充放電制御部と、を備え、充放電制御部は、過去の上げデマンドレスポンス指令の受信日時に基づいて将来の上げデマンドレスポンス指令の発生を予測し、上げデマンドレスポンス指令の予測結果に従って、所定の基準SOCを設定し、上げデマンドレスポンス指令の受信に応じたデマンドレスポンスの対応を行っていないとき、蓄電池のSOCが基準SOCに維持されるように蓄電池の充放電を制御する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、需給調整の能力を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る分散型電源システムの構成を示す概略図である。
【
図2】分散型電源装置の詳細を説明する概略図である。
【
図3】デマンドレスポンス指令を受信したときの充放電制御部の動作を説明する図である。
【
図4】デマンド制御部の動作の一例を説明する図である。
【
図5】デマンド制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。
【
図6】分散型電源装置における充放電制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。
【
図7】充放電制御部における下げDR対応処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図8】充放電制御部における上げDR対応処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態の態様について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る分散型電源システム1の構成を示す概略図である。分散型電源システム1は、電力会社10、複数のアグリゲータ12A、12B、複数の分散型電源装置14A、14B、14Cを含む。以後、複数のアグリゲータ12A、12Bを総称してアグリゲータ12と呼ぶ場合がある。また、複数の分散型電源装置14A、14B、14Cを総称して分散型電源装置14と呼ぶ場合がある。
【0018】
アグリゲータ12は、例えば、会社などの営利団体であってもよいし、非営利団体であってもよいし、地方公共団体などであってもよい。アグリゲータ12は、アグリゲータ12が所属する地域の電力系統を管理する電力会社10に対応する。なお、
図1では、電力会社10に対応する2個のアグリゲータ12A、12Bを例示しているが、電力会社10に対応するアグリゲータ12の数は、1個または3個以上であってもよい。
【0019】
アグリゲータ12は、建物(需要家)ごとに設置される複数の分散型電源装置14を束ねて管理する。例えば、
図1に示すように、アグリゲータ12Aは、3個の分散型電源装置14A、14B、14Cを管理する。なお、説明の便宜上、アグリゲータ12が管理する分散型電源装置14の数を3個としたが、アグリゲータ12が管理する分散型電源装置14の数は、1個、2個または4個以上であってもよい。
【0020】
アグリゲータ12は、例えば、管理下の分散型電源装置14の出力の合計が所定出力以上である旨の条件等を満たすことでアグリゲータ12として認可される。
【0021】
分散型電源装置14は、例えば、家屋などの建物ごとに設けられる。以後、家屋などの建物を、需要家と呼ぶ場合がある。なお、分散型電源装置14は、複数の建物に亘って設けられてもよい。この場合、アグリゲータ12は、複数の建物に亘って設けられた分散型電源装置14を管理してもよい。
【0022】
分散型電源装置14は、分散型電源ユニット16を含む。分散型電源ユニット16は、例えば、燃料電池ユニットとするが、この例に限らない。例えば、分散型電源ユニット16は、その出力を調整可能な、太陽光発電装置、風力発電装置、水力発電機、地熱発電機、太陽熱発電機および大気中熱発電機等の再生可能エネルギー発電設備であってもよいし、内燃力発電機等であってもよい。
【0023】
アグリゲータ12は、デマンド制御部20を含む。デマンド制御部20は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。
【0024】
電力会社10は、電力系統全体の需要が増大すると、電力需要を減少させるよう要求する下げデマンドレスポンス指令をアグリゲータ12に送信する。アグリゲータ12のデマンド制御部20は、下げデマンドレスポンス指令を受信すると、管理下の分散型電源装置14に下げデマンドレスポンス指令を送信する。これにより、デマンド制御部20は、管理下の分散型電源装置14の出力を増大させ、余剰電力を創出させて電力系統へ出力させる。
【0025】
また、電力会社10は、電力系統全体の余剰電力が増大すると、電力需要を増加させるよう要求する上げデマンドレスポンス指令をアグリゲータ12に送信する。アグリゲータ12のデマンド制御部20は、上げデマンドレスポンス指令を受信すると、管理下の分散型電源装置14に上げデマンドレスポンス指令を送信する。これにより、デマンド制御部20は、管理下の分散型電源装置14の出力を減少させ、相対的に増加した負荷によって電力系統の余剰電力を消費させる。
【0026】
このように、アグリゲータ12は、管理下の各分散型電源装置14の出力を調整することで、電力会社10から要求される需給調整に対応する役割を担う。なお、下げデマンドレスポンスおよび上げデマンドレスポンスを総称して、単にデマンドレスポンスと呼ぶ場合がある。また、デマンドレスポンスをDRと呼ぶ場合がある。デマンドレスポンスは、電力の供給者側(電力会社10側)だけでなく、電力の需要家側(例えば、アグリゲータ12側)においても電力の需給調整に貢献できる仕組みである。
【0027】
ところで、分散型電源装置14は、発電所などと比べて、出力が低いため、需給調整の能力が比較的低い。このため、各分散型電源装置14の稼働状況や負荷の状況によっては、需給調整に十分に対応できないおそれがある。
【0028】
そこで、本実施形態の分散型電源システム1の分散型電源装置14は、蓄電池18を含んでいる。
【0029】
蓄電池18は、充電および放電が可能な二次電池である。蓄電池18は、分散型電源ユニット16に対応付けられて設けられる。つまり、分散型電源装置14では、1の分散型電源ユニット16に対して1の蓄電池18が対応するように、分散型電源ユニット16と蓄電池18とが関連付けられて接続されている。蓄電池18は、例えば、分散型電源装置14に内蔵されてもよいし、分散型電源装置14の筐体外に設けられてもよい。また、蓄電池18は、新規の分散型電源装置14に予め搭載されてもよいし、既存の分散型電源装置14に後付けで設置されてもよい。
【0030】
なお、分散型電源ユニット16に対応する蓄電池18は、アグリゲータ12の管理下で繋がっていればよい。1の分散型電源ユニット16に対して1の蓄電池18が設けられる態様に限らず、例えば、1の分散型電源ユニット16に対して複数の蓄電池18が設けられてもよいし、複数の分散型電源ユニット16に対して1の蓄電池18が設けられてもよい。
【0031】
また、本実施形態のデマンド制御部20は、デマンドレスポンス指令の受信に応じて分散型電源装置14の出力を増減させることに加え、分散型電源装置14に蓄電池18の充放電も行わせる。この点については、後に詳述する。
【0032】
図2は、分散型電源装置14の詳細を説明する概略図である。分散型電源システム1が適用される建物30には、分散型電源装置14の他、分電盤32、コンセント34および負荷36が設けられる。
【0033】
分電盤32は、電力系統38に接続される。コンセント34は、分電盤32に接続される。なお、複数のコンセント34が分電盤32に接続されてもよい。コンセント34には、負荷36が接続される。
【0034】
分散型電源装置14は、分電盤32に接続される。なお、分散型電源装置14は、コンセント34を通じて分電盤32に接続されてもよい。また、コンセント34は、屋内に配置される屋内コンセントに限らず、屋外に配置される屋外コンセントであってもよい。負荷36には、電力系統38および分散型電源装置14から電力が供給される。
【0035】
分電盤32には、消費電力検出部40が設けられる。消費電力検出部40は、負荷36で消費される消費電力を検出する。なお、複数の負荷36が分電盤32に接続されている場合、消費電力検出部40は、複数の負荷36の総消費電力を検出してもよい。
【0036】
分散型電源装置14は、分散型電源ユニット16および蓄電池18の他、パワーコンディショナ50、第1DC/DCコンバータ52、第2DC/DCコンバータ54、通信部56および分散型電源制御部58を含む。
【0037】
パワーコンディショナ50は、分電盤32に接続される。分散型電源ユニット16は、第1DC/DCコンバータ52を通じてパワーコンディショナ50に接続される。蓄電池18は、第2DC/DCコンバータ54を通じてパワーコンディショナ50に接続される。
【0038】
パワーコンディショナ50は、電力系統38側の交流電力と、分散型電源ユニット16側および蓄電池18側の直流電力との間の電力変換を行う。第1DC/DCコンバータ52は、パワーコンディショナ50側の直流電圧と分散型電源ユニット16側の直流電圧との間の電圧変換を行う。第2DC/DCコンバータ54は、パワーコンディショナ50側の直流電圧と蓄電池18側の直流電圧との間の電圧変換を行う。
【0039】
通信部56は、分散型電源装置14の外部と無線または有線により通信することができる。通信部56は、例えば、アグリゲータ12と通信することができる。
【0040】
分散型電源制御部58は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。
【0041】
分散型電源制御部58は、通信部56を通じて、アグリゲータ12からデマンドレスポンス指令(下げデマンドレスポンス指令または上げデマンドレスポンス指令)を受信することができる。分散型電源制御部58は、デマンドレスポンス指令を受信すると、そのデマンドレスポンス指令で要求されるデマンドレスポンスに対応する。
【0042】
後に詳述するが、分散型電源制御部58は、下げデマンドレスポンス指令の受信に応じて、分散型電源ユニット16の出力を下げデマンドレスポンス指令の受信タイミングの前(例えば、直前)の出力以上に設定するとともに、蓄電池18を放電させる。また、分散型電源制御部58は、上げデマンドレスポンス指令の受信に応じて、分散型電源ユニット16の出力を上げデマンドレスポンス指令の受信タイミングの前(例えば、直前)の出力未満に設定するとともに、蓄電池18を充電させる。なお、上記の直前とは、例えば、分散型電源ユニット16における今回の出力制御タイミングに対して前回の出力制御タイミングを示す。
【0043】
以下、デマンドレスポンスに対応しているときを、デマンドレスポンス時と呼ぶ場合がある。また、デマンドレスポンス指令を受信しておらず、デマンドレスポンス指令に対応していないときを、通常時と呼ぶ場合がある。
【0044】
分散型電源制御部58は、通常時、分散型電源ユニット16の出力を負荷36に追従して変化させて負荷36の電力を賄う負荷追従制御を行う。
【0045】
また、分散型電源制御部58は、プログラムを実行することで充放電制御部60として機能する。充放電制御部60は、通常時、蓄電池18のSOC(State Of Charge)が大凡所定の基準SOCに維持されるように蓄電池18の充放電を制御する。
【0046】
充放電制御部60は、基準SOCを任意の値に設定することができる。基準SOCは、例えば、中央値(50%)に設定される。基準SOCを中央値に設定することで、下げデマンドレスポンスを受信した場合には、蓄電池18を十分に放電させることができるとともに、上げデマンドレスポンスを受信した場合には、蓄電池18を十分に充電させることができる。
【0047】
なお、基準SOCは、中央値に限らない。例えば、基準SOCは、デマンドレスポンス時に充電または放電ができる程度に、中央値より高く設定されてもよいし、中央値より低く設定されてもよい。
【0048】
充放電制御部60は、蓄電池18のSOCが自然放電などで基準SOCより小さくなると、第2DC/DCコンバータ54の蓄電池18側の電圧を相対的に下げることで蓄電池18を充電させ、蓄電池18のSOCを基準SOCより上昇させる。蓄電池18のSOCは、自然放電と充電とが繰り返されることで基準SOCに維持される。
【0049】
なお、充放電制御部60は、1の基準SOCに維持されるように蓄電池18の充放電を制御する態様に限らない。例えば、充放電制御部60は、基準SOCに代えて、上閾値および下閾値を設定してもよい。そして、充放電制御部60は、蓄電池18のSOCが自然放電によって下閾値未満となったら充電を開始させ、蓄電池18のSOCが上閾値以上となったら充電を終了させてもよい。
【0050】
また、充放電制御部60は、自然放電に限らず、第2DC/DCコンバータ54の電圧を制御することで蓄電池18を積極的に放電させ、蓄電池18のSOCを基準SOCに維持させてもよい。
【0051】
図3は、デマンドレスポンス指令を受信したときの充放電制御部60の動作を説明する図である。ここでは、分散型電源ユニット16の定格出力が500Wであり、蓄電池18の定格容量が500Wであり、負荷36による消費電力が200Wであるとして説明する。なお、潮流は、電力系統38と建物30(需要家)との間の電力の供給方向を示し、順潮流は、電力系統38から建物30に電力が供給されることを示し、逆潮流は、建物30から電力系統38に電力が供給されることを示す。
【0052】
まず、通常時では、負荷追従制御が行われるため、分散型電源ユニット16の出力は、負荷36の200Wに対応して200Wとなっている。この際、蓄電池18については、基準SOCが維持されて、充電および放電のいずれも行われておらず、充放電電力が0Wとなっているとする。また、この際、順潮流および逆潮流が発生せず、潮流が0Wであるとする。
【0053】
また、分散型電源ユニット16の定格出力が500Wであり、分散型電源ユニット16の現在の出力が200Wであるため、分散型電源ユニット16の現在の余剰能力(余剰能力=定格出力-現在の出力)は、300Wとなっている。
【0054】
ここで、充放電制御部60は、下げデマンドレスポンス指令を、通信部56を通じてアグリゲータ12から受信したとする。下げデマンドレスポンス指令には、電力需要の下げ幅の要求値を示す下げ要求値が含まれる。下げデマンドレスポンス指令を受信した充放電制御部60は、負荷36での消費電力に加え、さらに電力を生成させて余剰電力を創出し、余剰電力を電力系統38に逆潮流させるように制御する。
【0055】
例えば、充放電制御部60は、電力需要を200Wだけ減少させることを要求する下げデマンドレスポンス指令(下げ要求値が200Wの下げデマンドレスポンス指令)をアグリゲータ12から受信したとする。この場合、分散型電源ユニット16の現在の余剰能力は、300Wであり、下げ要求値(200W)以上ある。このため、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の出力を、現在の出力(200W)に下げ要求値(200W)を加算した出力(400W)に上昇させる。そうすると、変更後の出力(400W)から負荷の消費電力(200W)を減算した電力(200W)を逆潮流させて電力系統38に供給することができる。
【0056】
これに対し、例えば、充放電制御部60は、電力需要を700Wだけ減少させることを要求する下げデマンドレスポンス指令(下げ要求値が700Wの下げデマンドレスポンス指令)をアグリゲータ12から受信したとする。この場合、分散型電源ユニット16の現在の余剰能力が300Wしかなく、分散型電源ユニット16のみでは、下げ要求値の700Wの電力を創出できない。
【0057】
そこで、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の出力を定格出力(500W)に上昇させつつ、さらに、不足分の電力を蓄電池18から放電させる。この際、充放電制御部60は、下げ要求値(700W)から分散型電源ユニット16の余剰能力(300W)を減算した電力(400W)を蓄電池18から放電させる。そうすると、分散型電源ユニット16の余剰能力(300W)に蓄電池18の放電電力(400W)を加算した電力(700W)を逆潮流させて電力系統38に供給することができる。
【0058】
このように、蓄電池18の放電を併用することで、負荷36での消費電力を賄いつつ、分散型電源ユニット16の定格出力以上の電力を電力系統38に供給することができる。つまり、下げデマンドレスポンス指令に対して、下げ要求値通りに適切に対応することができる。
【0059】
また、充放電制御部60は、上げデマンドレスポンス指令を、通信部56を通じてアグリゲータ12から受信したとする。上げデマンドレスポンス指令には、電力需要の上げ幅の要求値を示す上げ要求値が含まれる。上げデマンドレスポンス指令を受信した充放電制御部60は、上げ要求値分だけ電力系統38の電力を順潮流させるように制御する。
【0060】
例えば、充放電制御部60は、通常時において、電力需要を200Wだけ増加させることを要求する上げデマンドレスポンス指令(上げ要求値が200Wの上げデマンドレスポンス指令)をアグリゲータ12から受信したとする。この場合、現在の負荷36での消費電力(200W)が上げ要求値(200W)と等しくなっている。このため、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の出力を0Wに低下させる(分散型電源ユニット16を停止させる)。そうすると、現在の負荷36での消費電力(200W)から変更後の出力(0W)を減算した電力(200W)を電力系統38から順潮流させて建物30内で消費することができる。
【0061】
これに対し、例えば、充放電制御部60は、電力需要を700Wだけ増加させることを要求する上げデマンドレスポンス指令(上げ要求値が700Wの上げデマンドレスポンス指令)をアグリゲータ12から受信したとする。この場合、現在の負荷36が200Wしかなく、現在の負荷36のみでは、上げ要求値の700Wの電力を消費しきれない。
【0062】
そこで、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の出力を0Wに低下させつつ、さらに、蓄電池18を充電させて蓄電池18を負荷36のように機能させることで過剰分の電力を蓄電池18で消費させる。この際、充放電制御部60は、上げ要求値(700W)から現在の負荷36での消費電力(200W)を減算した電力(500W)を蓄電池18に充電させる。そうすると、現在の負荷36での消費電力(200W)に蓄電池18の充電電力(500W)を加算した電力(700W)を順潮流させて建物30内で消費することができる。
【0063】
このように、蓄電池18の充電を併用することで、現在の負荷36での消費電力以上の電力系統38の電力を建物30内で消費することができる。つまり、上げデマンドレスポンス指令に対して、上げ要求値通りに適切に対応することができる。
【0064】
上述のように、充放電制御部60は、デマンドレスポンス指令を受信すると、分散型電源ユニット16の出力の変更および蓄電池18の充放電(すなわち、デマンドレスポンスの実行)を開始する。そして、充放電制御部60は、デマンドレスポンス指令で指定された期間(需給調整期間)に亘ってデマンドレスポンスの実行を継続し、その需給調整期間が経過すると、デマンドレスポンスの実行を終了する。デマンドレスポンスの実行が終了すると、分散型電源制御部58は、元の負荷追従制御に戻る。
【0065】
ところで、デマンドレスポンスの開始から終了までの需給調整期間は、例えば、数時間におよぶことがある。このため、上述のように蓄電池18を併用してデマンドレスポンスに対応した場合、蓄電池18の容量によっては、下げデマンドレスポンスの需給調整期間が、蓄電池18が完全に放電されるまでの放電時間よりも長くなることがある。また、上げデマンドレスポンスの需給調整期間が、蓄電池18が満充電となるまでの充電時間よりも長くなることがある。
【0066】
そこで、アグリゲータ12のデマンド制御部20は、デマンドレスポンスに対応する分散型電源装置14を、時間に従って排他的かつ順番にシフトさせる。
【0067】
図4は、デマンド制御部20の動作の一例を説明する図である。
図4では、需給調整期間が1時間30分であるとする。
【0068】
図4で示すように、デマンド制御部20は、例えば、デマンドレスポンスの開始時刻となると、分散型電源装置14Aに需給調整を開始させる。デマンドレスポンスの開始から30分が経過すると、デマンド制御部20は、分散型電源装置14Aによる需給調整を終了させ、その後、分散型電源装置14Bによる需給調整を開始させる。デマンドレスポンスの開始から1時間が経過すると、デマンド制御部20は、分散型電源装置14Bによる需給調整を終了させ、その後、分散型電源装置14Cによる需給調整を開始させる。そして、デマンドレスポンスの開始から1時間30分が経過すると、デマンド制御部20は、分散型電源装置14Cによる需給調整を終了させる。
【0069】
このように、デマンド制御部20は、30分が経過するごとに、需給調整を行う分散型電源装置14を切り替えていく。需給調整を行う分散型電源装置14が切り替えられると、充放電を行う蓄電池18が実質的に切り替わる。
【0070】
つまり、デマンド制御部20は、下げデマンドレスポンス指令で指示される需給調整期間において、放電させる蓄電池18を排他的に順次切り替えることができる。これにより、例えば、分散型電源装置14Aに対応する蓄電池18が30分で完全に放電されたとしても、その後、分散型電源装置14Bに切り替わることで、分散型電源装置14Bに対応する蓄電池18を放電させることができる。その結果、下げデマンドレスポンスの開始から終了に亘って、下げ要求値通りの需給調整を継続させることが可能となる。
【0071】
同様に、デマンド制御部20は、上げデマンドレスポンス指令で指示される需給調整期間において、充電させる蓄電池18を排他的に順次切り替えることができる。これにより、例えば、分散型電源装置14Aに対応する蓄電池18が30分で満充電となったとしても、その後、分散型電源装置14Bに切り替わることで、分散型電源装置14Bに対応する蓄電池18を充電させることができる。その結果、上げデマンドレスポンスの開始から終了に亘って、上げ要求値通りの需給調整を継続させることが可能となる。
【0072】
なお、
図4では、30分毎に分散型電源装置14を切り替える例を挙げていた。しかし、分散型電源装置14の切り替えタイミングは30分に限らず、30分より短くてもよいし、30分より長くてもよい。また、
図4では、分散型電源装置14A、14B、14Cの順に切り替える例を挙げていた。しかし、分散型電源装置14の順番は、この例に限らず、例えば、分散型電源装置14B、14C、14Aの順などであってもよい。
【0073】
また、
図4では、分割された需給調整期間の各々において需給調整に対応させる分散型電源装置14の数は、1個ずつである例を挙げていた。しかし、例えば、需給調整期間が短時間である場合などでは、複数の分散型電源装置14を並列して需給調整に対応させてもよい。例えば、需給調整期間が1時間で分散型電源装置14が4個ある場合、始めの30分を2個の分散型電源装置14で需給調整を行い、後の30分を残りの2個の分散型電源装置14に需給調整を行ってもよい。この態様では、個々の分散型電源装置14の蓄電池18が負担する放電量(または充電量)を抑えることができる。
【0074】
図5は、デマンド制御部20の動作の流れを説明するフローチャートである。デマンド制御部20は、下げデマンドレスポンス指令または上げデマンドレスポンス指令を、電力会社10から受信するまで待機する(S100におけるNO)。
【0075】
下げデマンドレスポンス指令または上げデマンドレスポンス指令を受信すると(S100におけるYES)、デマンド制御部20は、どの順番でどの分散型電源装置14に需給調整を実行させるかを示すスケジュールを設定する(S110)。例えば、デマンド制御部20は、30分ごとに、分散型電源装置14A、14B、14Cの順番で切り替えるスケジュールを設定する。
【0076】
次に、デマンド制御部20は、設定されたスケジュールに従って、各分散型電源装置14に下げデマンドレスポンス指令または上げデマンドレスポンス指令を送信する(S120)。これにより、設定されたスケジュールに従ったタイミングで、各分散型電源装置14が需給調整を行う。
【0077】
図6は、分散型電源装置14における充放電制御部60の動作の流れを説明するフローチャートである。充放電制御部60は、所定制御周期で発生する割り込みタイミングごとに
図2の一連の処理を繰り返す。
【0078】
まず、充放電制御部60は、下げデマンドレスポンス指令を受信したか否かを判断する(S200)。下げデマンドレスポンス指令を受信した場合(S200におけるYES)、充放電制御部60は、下げデマンドレスポンス指令に従って需給調整を行う処理である下げDR対応処理を行う(S210)。下げDR対応処理の流れについては、後述する。
【0079】
下げデマンドレスポンス指令を受信していない場合(S200におけるNO)、充放電制御部60は、上げデマンドレスポンス指令を受信したか否かを判断する(S220)。上げデマンドレスポンス指令を受信した場合(S220におけるYES)、充放電制御部60は、上げデマンドレスポンス指令に従って需給調整を行う処理である上げDR対応処理を行う(S230)。上げDR対応処理の流れについては、後述する。
【0080】
上げデマンドレスポンス指令を受信していない場合(S220におけるNO)、充放電制御部60は、通常時であるとみなし、基準SOCを設定する(S240)。例えば、充放電制御部60は、基準SOCを中央値(50%)に設定する。
【0081】
次に、充放電制御部60は、蓄電池18の端子電圧などに基づいて、蓄電池18の現在のSOCを導出する(S250)。
【0082】
次に、充放電制御部60は、現在のSOCが基準SOC以上であるか否かを判断する(S260)。現在のSOCが基準SOC以上である場合(S260におけるYES)、充放電制御部60は、一連の処理を終了する。
【0083】
現在のSOCが基準SOC未満である場合(S260におけるNO)、充放電制御部60は、蓄電池18を充電させ(S270)、一連の処理を終了する。なお、充放電制御部60は、充電が開始されていなければ、充電を開始させ、既に充電が開始されていれば、充電を継続させる。これにより、蓄電池18のSOCが基準SOCに維持される。
【0084】
図7は、充放電制御部60における下げDR対応処理(S210)の流れを説明するフローチャートである。
【0085】
まず、充放電制御部60は、消費電力検出部40から負荷36の現在の消費電力を取得する(S300)。次に、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の現在の余剰能力を導出する(S310)。具体的には、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の定格出力から現在の出力を減算して現在の余剰能力を導出する(余剰能力=定格出力-現在の出力)。
【0086】
次に、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の現在の余剰能力が、今回の下げデマンドレスポンス指令における下げ要求値以上であるか否かを判断する(S320)。
【0087】
分散型電源ユニット16の現在の余剰能力が下げ要求値以上である場合(S320におけるYES)、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16における新たな出力を導出する(S330)。具体的には、充放電制御部60は、現在の消費電力に下げ要求値を加算して新たな出力とする(出力=負荷36の現在の消費電力+下げ要求値)。その後、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の出力を、導出された出力に変更させ(S340)、一連の処理を終了する。
【0088】
分散型電源ユニット16の現在の余剰能力が下げ要求値未満である場合(S320におけるNO)、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の出力を定格出力に変更させる(S350)。次に、充放電制御部60は、蓄電池18の放電電力を導出する(S360)。具体的には、充放電制御部60は、下げ要求値から、ステップS310で導出された現在の余剰能力を減算して放電電力を導出する(放電電力=下げ要求値-現在の余剰能力)。その後、充放電制御部60は、導出された放電電力分の放電を蓄電池18に行わせ(S370)、一連の処理を終了する。これにより、下げ要求値通りの電力を電力系統38に供給することができる。
【0089】
図8は、充放電制御部60における上げDR対応処理(S230)の流れを説明するフローチャートである。
【0090】
まず、充放電制御部60は、消費電力検出部40から負荷36の現在の消費電力を取得する(S400)。
【0091】
次に、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の現在の消費電力が、今回の上げデマンドレスポンス指令における上げ要求値以上であるか否かを判断する(S410)。
【0092】
分散型電源ユニット16の現在の消費電力が上げ要求値以上である場合(S410におけるYES)、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16における新たな出力を導出する(S420)。具体的には、充放電制御部60は、現在の消費電力から上げ要求値を減算して新たな出力とする(出力=負荷36の現在の消費電力-上げ要求値)。その後、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の出力を、導出された出力に変更させ(S430)、一連の処理を終了する。
【0093】
分散型電源ユニット16の現在の消費電力が上げ要求値未満である場合(S410におけるNO)、充放電制御部60は、分散型電源ユニット16の出力をゼロに変更させる(S440)。次に、充放電制御部60は、蓄電池18の充電電力を導出する(S450)。具体的には、充放電制御部60は、上げ要求値から現在の消費電力を減算して充電電力を導出する(充電電力=上げ要求値-負荷36の現在の消費電力)。その後、充放電制御部60は、導出された充電電力分の充電を蓄電池18に行わせ(S460)、一連の処理を終了する。これにより、上げ要求値通りの電力系統38の電力を消費することができる。
【0094】
以上のように、本実施形態の分散型電源システム1では、下げデマンドレスポンス指令の受信に応じて、分散型電源ユニット16の出力が下げデマンドレスポンス指令の受信タイミングの前の出力以上に設定されるとともに、蓄電池18が放電されて、電力系統38へ電力が供給される。これにより、本実施形態の分散型電源システム1では、分散型電源ユニット16の定格出力以上の電力を電力系統38に供給することができる。
【0095】
また、本実施形態の分散型電源システム1では、上げデマンドレスポンス指令の受信に応じて、分散型電源ユニット16の出力が上げデマンドレスポンス指令の受信タイミングの前の出力未満に設定されるとともに、蓄電池18が充電されて、電力系統38の電力が消費される。これにより、本実施形態の分散型電源システム1では、現在の負荷36以上の電力系統38の電力を消費することができる。
【0096】
したがって、本実施形態の分散型電源システム1によれば、需給調整の能力を向上させることが可能となる。
【0097】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0098】
例えば、充放電制御部60は、以下のようにして基準SOCを設定してもよい。充放電制御部60は、過去に受信したデマンドレスポンス指令を受信日時と関連付けて記憶する。充放電制御部60は、過去のデマンドレスポンス指令の受信日時に基づいて、将来のデマンドレスポンス指令の発生を予測する。例えば、充放電制御部60は、過去の下げデマンドレスポンス指令の受信日時の一年後には、下げデマンドレスポンス指令の発生確率が高いと予測する。なお、将来のデマンドレスポンス指令の発生の予測は、受信日時だけに限らず、例えば、その受信日時における天気または気温、天気予報、予想気温など、他の情報を考慮して行われてもよい。
【0099】
そして、充放電制御部60は、将来のデマンドレスポンス指令の予測結果に従って基準SOCを決定する。例えば、充放電制御部60は、近い将来において下げデマンドレスポンス指令の発生確率が高いと予測された場合、基準SOCを中央値より高く設定してもよい。また、充放電制御部60は、近い将来において上げデマンドレスポンス指令の発生確率が高いと予測された場合、基準SOCを中央値より低く設定してもよい。
【0100】
このようにして基準SOCを設定すると、将来のデマンドレスポンスに備えて蓄電池18のSOCを調整することができ、予測通りにデマンドレスポンスが発生した場合に、適切に蓄電池18を充電または放電させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、分散型電源システムおよび分散型電源装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 分散型電源システム
14 分散型電源装置
16 分散型電源ユニット
18 蓄電池
20 デマンド制御部
36 負荷
38 電力系統
60 充放電制御部