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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】充電制御方法、装置及び充電対象機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20230928BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230928BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230928BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20230928BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20230928BHJP
【FI】
H02J7/10 B
H02J7/10 H
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H02J7/04 A
H02J50/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020513605
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-30
(86)【国際出願番号】 CN2018122847
(87)【国際公開番号】W WO2020124595
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2020-03-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェイ
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】高野 洋
【審判官】猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-7643(JP,A)
【文献】特開平8-203563(JP,A)
【文献】国際公開第2012/127775(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42-10/48
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電対象機器に適用される充電制御方法であって、
前記方法は、
前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行うステップであって、Kは以上の正の整数であるステップと、
前記K段階各定電流充電段階について、それぞれ第iの定電流充電段階(iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数である。)に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを第iの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するステップ及び第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するステップであって、前記第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、前記第iの定電流充電段階の予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、かつ前記第iの定電流充電段階の予め設定された電圧は第i+1の定電流充電段階の予め設定された電圧と同じであるステップと、
第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するステップと、を含む、
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項2】
前記K段階各定電流充電段階について、それぞれ第iの定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第iの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するステップは、
前のK-1段階における第iの定電流充電段階では、第iの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第iの予め設定された電圧まで充電するステップであって、iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数であり、第i+1の予め設定された電流は、前記第iの予め設定された電流より小さいステップと、
第Kの定電流充電段階では、第Kの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第Kの予め設定された電圧まで充電するステップであって、前記第Kの予め設定された電流は、第K-1の予め設定された電流より小さく、前記第Kの予め設定された電圧は、前記充電カットオフ電圧であるステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電制御方法。
【請求項3】
前記方法は、
各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の充電制御方法。
【請求項4】
前記各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップの後に、前記方法は、
前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の充電制御方法。
【請求項5】
充電対象機器に適用される充電制御方法であって、
前記方法は、
前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行うステップであって、Kは以上の正の整数であるステップと、
前記K段階各定電流充電段階について、それぞれ第iの定電流充電段階(iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数である。)に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するステップ及び第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するステップであって、前記第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、前記第iの定電流充電段階の予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きいステップと、
第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するステップと、
第iの定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップと、を含み、
前記第iの定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップの後に、前記方法は、
前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記第iの予め設定された電圧に基づいて前記バッテリを定電圧充電するステップと、
前記バッテリの電流が第i+1の予め設定された電流に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、前記第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項6】
前記方法は、
各定電流充電段階内の前記バッテリに入った電流を検出するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の充電制御方法。
【請求項7】
前記充電対象機器の充電モードは、無線充電モードと有線充電モードとを含み、前記方法は、
前記充電モードを選択することによって、無線充電モード又は有線充電モードで前記バッテリを充電するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の充電制御方法。
【請求項8】
充電対象機器に適用される充電制御装置であって、
前記充電制御装置は、充電ユニットと、制御ユニットと、を含み、
前記充電ユニットは、前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行うように構成され、Kは以上の正の整数であり、
前記充電ユニットは、さらに、前記K段階各定電流充電段階について、それぞれ第iの定電流充電段階(iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数である。)に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを第iの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するように構成され、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するように構成され、前記第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、前記第iの定電流充電段階の予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、かつ前記第iの定電流充電段階の予め設定された電圧は第i+1の定電流充電段階の予め設定された電圧と同じであり、
前記制御ユニットは、第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するように構成される、
ことを特徴とする充電制御装置。
【請求項9】
前記充電ユニットは、具体的には、前のK-1段階における第iの定電流充電段階では、第iの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第iの予め設定された電圧まで充電し、iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数であり、第i+1の予め設定された電流は、前記第iの予め設定された電流より小さく、第Kの定電流充電段階では、第Kの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第Kの予め設定された電圧まで充電し、前記第Kの予め設定された電流は、第K-1の予め設定された電流より小さく、前記第Kの予め設定された電圧は、前記充電カットオフ電圧である、
ことを特徴とする請求項8に記載の充電制御装置。
【請求項10】
前記充電制御装置は、検出ユニットをさらに含み、
前記検出ユニットは、具体的には、各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するように構成される、
ことを特徴とする請求項9に記載の充電制御装置。
【請求項11】
第iの定電流充電段階について、前記制御ユニットは、さらに、検出ユニットによって前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するように構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載の充電制御装置。
【請求項12】
充電対象機器に適用される充電制御装置であって、
前記充電制御装置は、充電ユニットと、制御ユニットと、を含み、
前記充電ユニットは、前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行うように構成され、Kは以上の正の整数であり、
前記充電ユニットは、さらに、前記K段階各定電流充電段階について、それぞれ第iの定電流充電段階(iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数である。)に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを第iの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するように構成され、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するように構成され、前記第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、前記第iの定電流充電段階の予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、
前記制御ユニットは、第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するように構成され、
第iの定電流充電段階について、前記充電ユニットは、さらに、検出ユニットによって前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記第iの予め設定された電圧に基づいて前記バッテリを定電圧充電するように構成され、
前記制御ユニットは、さらに、検出ユニットによって前記バッテリの電流が第i+1の予め設定された電流に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、前記第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するように構成される、
ことを特徴とする充電制御装置。
【請求項13】
前記検出ユニットは、さらに、各定電流充電段階内の前記バッテリに入った電流を検出するように構成される、
ことを特徴とする請求項12に記載の充電制御装置。
【請求項14】
前記充電対象機器の充電モードは、無線充電モードと有線充電モードとを含み、前記制御ユニットは、さらに、前記充電モードを選択することによって、前記充電対象機器を制御して無線充電モード又は有線充電モードで前記バッテリを充電するように構成される、
ことを特徴とする請求項8~13のいずれかに記載の充電制御装置。
【請求項15】
充電対象機器であって、
バッテリと、
充電制御装置と、を含み、
前記充電制御装置は、
前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行い、Kは以上の正の整数であり、
前記K段階各定電流充電段階について、それぞれ第iの定電流充電段階(iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数である。)に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを第iの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電し、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを常に定電流充電して、前記バッテリを第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電し、前記第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、前記第iの定電流充電段階の予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、かつ前記第iの定電流充電段階の予め設定された電圧は第i+1の定電流充電段階の予め設定された電圧と同じであり、
第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するように構成される、
ことを特徴とする充電対象機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、充電技術の分野に関し、特に、充電制御方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子機器の充電フローは、トリクル、定電流、定電圧充電段階に分けることができる。既存の充電フローによれば、バッテリの電圧定電流充電電圧ポイントに達したことを検出した後、定電圧充電に入り、充電カットオフ条件が満たされるまで定電圧充電段階に維持された後、充電が終了する。定電圧充電段階全体の充電電圧がバッテリの定格電圧を超えることはない。このように、定電圧充電時間が長くなるため、全体の充電時間が長くなりすぎ、時間が無駄になり、且つ充電速度が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、本出願の実施例は、定電圧充電プロセスを取り除くことによって、充電時間を節約し、充電速度を向上させる充電制御方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供することが期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施例の技術案は、以下のように実現することができる。
第1の側面において、本出願の実施例は、充電対象機器に適用される充電制御方法を提供し、前記方法は、
前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行うステップであって、Kは1以上の正の整数であるステップと、
前記K段階における各定電流充電段階について、それぞれ当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するステップであって、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きいステップと、
第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するステップと、を含む。
【0005】
上記の技術案において、前記K段階における各定電流充電段階について、それぞれ当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するステップは、
前のK-1段階内における第iの定電流充電段階では、第iの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第iの予め設定された電圧まで充電するステップであって、iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数であり、第i+1の予め設定された電流は、前記第iの予め設定された電流より小さいステップと、
第Kの定電流充電段階では、第Kの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第Kの予め設定された電圧まで充電するステップであって、前記第Kの予め設定された電流は、第K-1の予め設定された電流より小さく、前記第Kの予め設定された電圧は、前記充電カットオフ電圧であるステップと、を含む。
【0006】
上記の技術案において、前記第iの予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きい。
【0007】
上記の技術案において、前記K段階における各定電流充電段階について、前記方法は、
各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップをさらに含む。
【0008】
上記の技術案において、第iの定電流充電段階について、前記各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップの後に、前記方法は、
前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するステップをさらに含む。
【0009】
上記の技術案において、第iの定電流充電段階について、前記各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップの後に、前記方法は、
前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記第iの予め設定された電圧に基づいて前記バッテリを定電圧充電するステップと、
前記バッテリの電流が第i+1の予め設定された電流に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、前記第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するステップと、をさらに含む。
【0010】
上記の技術案において、前記バッテリの電流が第i+1の予め設定された電流に等しいことが検出された前に、前記方法は、
各定電流充電段階内の前記バッテリの電流を検出するステップをさらに含む。
【0011】
上記の技術案において、前記充電対象機器の充電モードは、無線充電モードと有線充電モードとを含み、前記方法は、
前記充電モードを選択することによって、前記充電対象機器を無線充電モード又は有線充電モードで前記バッテリに充電するように制御するステップをさらに含む。
【0012】
上記の技術案において、前記バッテリは、単一セル構造のバッテリとN個のセル構造のバッテリとを含み、Nは、1より大きい正の整数である。
【0013】
第2において、本出願の実施例は、充電対象機器に適用される充電制御装置を提供し、
前記充電制御装置は、充電ユニットと、検出ユニットと、制御ユニットとを含み、
前記充電ユニットは、前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行うように構成され、Kは1以上の正の整数であり、
前記充電ユニットは、さらに、前記K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するように構成され、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、
前記制御ユニットは、第Kの定電流充電段階で、前記検出ユニットによって前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するように構成される。
【0014】
上記の技術案において、前記充電ユニットは、具体的には、前のK-1段階内における第iの定電流充電段階では、第iの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第iの予め設定された電圧まで充電し、iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数であり、第i+1の予め設定された電流は、前記第iの予め設定された電流より小さく、第Kの定電流充電段階では、第Kの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第Kの予め設定された電圧まで充電するように構成され、前記第Kの予め設定された電流は、第K-1の予め設定された電流より小さく、前記第Kの予め設定された電圧は、前記充電カットオフ電圧である。
【0015】
上記の技術案において、前記第iの予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きい。
【0016】
上記の技術案において、前記検出ユニットは、具体的には、各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するように構成される。
【0017】
上記の技術案において、第iの定電流充電段階について、前記制御ユニットは、さらに、前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するように構成される。
【0018】
上記の技術案において、第iの定電流充電段階について、前記充電ユニットは、さらに、前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記第iの予め設定された電圧に基づいて前記バッテリを定電圧充電するように構成され、
前記制御ユニットは、さらに、前記バッテリの電流が第i+1の予め設定された電流に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、前記第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するように構成される。
【0019】
上記の技術案において、前記検出ユニットは、さらに、各定電流充電段階内の前記バッテリの電流を検出するように構成される。
【0020】
上記の技術案において、前記充電対象機器の充電モードは、無線充電モードと有線充電モードとを含み、前記制御ユニットは、さらに、前記充電モードを選択することによって、前記充電対象機器を制御して無線充電モード又は有線充電モードで前記バッテリに充電するように構成される。
【0021】
上記の技術案において、前記バッテリは、単一セル構造のバッテリとN個のセル構造のバッテリとを含み、Nは、1より大きい正の整数である。
【0022】
第3の側面において、本出願の実施例は、充電制御装置を提供し、前記充電制御装置は、メモリとプロセッサとを含み、
前記メモリは、前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムが実行される場合に、第1の側面のいずれかに記載の方法のステップを実行するために用いられる。
【0023】
第4の側面において、本出願の実施例は、充電制御プログラムが記憶されているコンピュータ記憶媒体を提供し、前記充電制御プログラムが、少なくとも一つのプロセッサによって実行される場合に、第1の態様のいずれかに記載の方法のステップを実現する。
【0024】
第5の側面において、本出願の実施例は、充電対象機器を提供し、前記充電対象機器は、少なくとも第2の側面のいずれかに記載の充電制御装置、又は第3の側面に記載の充電制御装置を含む。
【発明の効果】
【0025】
本出願の実施例は、充電制御方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供し、当該方法は、充電対象機器に適用され、前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行い、Kは1以上の正の整数であり、K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電し、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止し、当該充電プロセスは、多段階式定電流充電を採用し、第Kの定電流充電段階後に前記バッテリへの充電を停止し、すなわち定電圧充電段階を取り除くことによって、充電時間の節約と充電速度の向上を図る目的を達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】関連技術案における階段式充電技術の概略構成図である。
図2】本出願の実施例により提供される充電対象機器の構成の概略構成図である。
図3】本出願の実施例により提供される充電制御方法の概略フローチャートである。
図4】本出願の実施例により提供される充電制御技術の概略構成図である。
図5】本出願の実施例により提供される別の充電制御技術の概略構成図である。
図6】本出願の実施例により提供される充電制御装置の構成の概略構成図である。
図7】本出願の実施例により提供される充電制御装置の具体的なハードウェアの概略構成図である。
図8】本出願の実施例により提供される別の充電対象機器の構成の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本出願の実施例の特徴及び技術的内容をより詳細に理解するために、以下、図面を組み合わせて本出願の実施例の実現を詳細に説明し、添付の図面は、本出願の実施例を限定するためのものではなく、添付の図面を参照して説明するためのものである。
【0028】
充電技術の急速な発展に伴い、現在は主に有線充電技術と無線充電技術に分けられる。ユーザが充電対象機器に充電する場合、充電ケーブルを介して充電対象機器と充電機器(例えば異なるタイプのアダプタなど)を接続し、充電対象機器の充電を実現することを、有線充電技術と称する。しかしながら、充電ケーブルが紛失した場合、又はユーザが充電対象機器と充電機器との間に一定の距離を置きたがる場合、無線充電技術によって充電対象機器に充電することができる。無線充電技術は、無線エネルギー伝送技術に由来し、無線充電原理に応じて、無線充電モードは、主に、電磁誘導式(又は磁気結合式)、無線電波式、電磁共振式などに分けられる。充電対象機器が電磁誘導式の無線充電技術を採用することを例として、充電対象機器と充電機器(例えば無線充電ベース)との間には磁場によってエネルギーを転送し、両者間には充電ケーブルで接続する必要がなく、充電対象機器に充電することを実現することもできる。
【0029】
有線充電技術であっても、無線充電技術であっても、現在の充電フローでは、通常、定電流(Constant Current、CC)充電段階と定電圧(Constant Voltage、CV)充電段階が含まれている。しかしながら、定電圧充電は、充電時間が比較的に長い充電段階であり、充電における定電圧充電時間を効果的に短縮できれば、充電対象機器内のバッテリの充電時間を大幅に向上させることができることは、現在の肝心な問題であり、本出願の実施例で解決する必要がある技術問題であることを理解されたい。
【0030】
関連技術案では、従来の充電フローは、まず、定電流充電電流を採用して制限電圧まで充電し、且つ制限電圧が充電対象機器内のバッテリの定格電圧を超えないようにし、その後、制限電圧で定電圧充電を行うことで、充電プロセス全体の充電電圧がバッテリの定格電圧を超えないようにする。定電圧充電時間が長いため、充電プロセス全体の充電時間が長くなる。
【0031】
充電時間を短縮するために、階段式充電技術は、急速充電技術案として普及している。既存の階段式充電技術は、依然として定電圧充電段階を保持し、当該充電原理は、充電対象機器の充電中に、まず、第1の充電電流で定電流充電を行い、バッテリを第1の制限電圧まで充電し、その後、第1の充電電流を第2の充電電流まで低減して、第2の充電電流で定電流充電を行い、バッテリを第2の制限電圧まで充電し、充電電流を徐々に低下し、以上のステップを繰り返し、第nの充電電流定電流充電を行い、バッテリを第nの制限電圧(ただし、第nの制限電圧はバッテリの定格電圧を超えない)まで充電する場合、最後に、充電電流がバッテリのカットオフ電流まで低下するまで、第nの制限電圧で定電圧充電を行い、nは1以上の正の整数である。
【0032】
図1を参照すると、関連技術案における階段式充電技術の概略構成図を示す。図1に示すように、横座標は時間(T)を表示し、縦座標は充電電流(I)を表示する。まず、第1の充電電流I1で定電流充電を行い、第1の充電時間tを経過した後、バッテリを第1の制限電圧Vまで充電し、その後、充電電流を第1の充電電流Iから第2の充電電流Iまで低減して、次に第2の充電電流Iで定電流充電を行い、第2の充電時間tを経過した後、バッテリを第2の制限電圧Vまで充電し、充電電流を徐々に低下し、以上のステップを繰り返し、第nの充電電流Iで定電流充電を行い、バッテリを第nの制限電圧V(即ち、充電カットオフ電圧Vend)まで充電した後、充電電流が充電カットオフ電流Iendまで低下するまで、第nの制限電圧Vで定電圧充電を行い、この第nの制限電圧Vは、いずれもバッテリの定格電圧を超えない。
【0033】
関連技術案では、階段式充電技術が提出されているが、充電中に定電圧充電段階が依然として保持され、定電圧充電段階全体の充電電圧は、バッテリの定格電圧を超えないため、充電対象機器の充電時間の短縮をさらに向上させる余地がある。
【0034】
上記内容に基づいて、本出願の実施例は、充電対象機器に適用される充電制御方法を提供し、当該方法は、前記充電対象機器の充電中に、まず、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行い、Kは1以上の正の整数であり、K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電し、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、最後の第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止し、当該充電プロセスは、多段階式定電流充電を採用し、定電圧充電段階を取り除くことによって、充電時間の節約と充電速度の向上を図る目的を達することができる。
【0035】
なお、充電対象機器は、端末を指すことができ、当該端末は、有線回線(公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network、PSTN)、デジタルユーザ回線(DigitalSubscriber Line、DSL)、デジタルケーブル、直接ケーブル接続、及び/又は別のデータ接続/ネットワーク)、及び/又は無線インターフェース(例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)、ハンドヘルドデジタルビデオ放送(Digital Video Broadcasting Handheld、DVB-H)ネットワークなどのデジタルテレビネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調-周波数変調(AmplitudeModulation-Frequency Modulation、AM-FM)放送受信機、及び/又は別の通信端末の無線インターフェース)によって接続されて、通信信号を受信/送信する機器を含むことができるが、これらに限定されない。無線インターフェースを介して通信する端末は、「無線通信端末」、「無線端末」、及び/又は「モバイル端末」と呼ぶことができ、ここのモバイル端末は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、ポータブルメディアプレーヤー(Portable Media Player、PMP)、ナビゲーションデバイスなどのモバイル端末機器を含むが、これらに限定されなく、デジタルテレビ、デスクトップコンピュータなどの固定式端末機器をさらに含むことができる。また、本出願の実施例に使用される充電対象機器は、モバイルバッテリをさらに含むことができ、当該モバイルバッテリは、受信された充電エネルギーを記憶して、他の電子機器にエネルギーを提供することができる。本出願の実施例では、具体的には限定しない。
【0036】
図2を参照すると、本出願の実施例により提供される充電対象機器の構成の概略構成図を示す。図2に示すように、充電対象機器20は、無線充電受信ユニット201と、有線充電接続ユニット202と、充電管理ユニット203と、制御ユニット204と、検出ユニット205と、バッテリ206とを含む。当業者は、図2に示す充電対象機器20の構成構造は、充電対象機器に対する構造を限定しなく、充電対象機器は、図示よりも多く又は少ないコンポーネントを含むことができ、又はあるコンポーネントを組み合わせることができ、又は異なるコンポーネントを配置することができることを理解されたい。
【0037】
なお、いくつかの実施例では、無線充電受信ユニット201及び有線充電接続ユニット202は、充電対象機器20に同時に含まれなくてもよい。充電対象機器20が無線充電モードのみをサポートする場合、充電対象機器20には、無線充電受信ユニット201のみを含むことができ、充電対象機器20が有線充電モードのみをサポートする場合、充電対象機器20には、有線充電接続ユニット202のみを含むことができ、充電対象機器20が無線充電モード及び有線充電モードを同時にサポートする場合、充電対象機器20には、無線充電受信ユニット201及び有線充電接続ユニット202を同時に含むことができるが、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0038】
なお、外部の有線充電機器(アダプタなど)は、充電ケーブルを介して充電対象機器20と有線接続を確立することができ、具体的には、外部の有線充電機器は、充電ケーブルを介して有線充電接続ユニット202に接続され、両者は、充電ハンドシェイクプロトコルで互いに通信する。外部の無線充電機器(無線充電ベースなど)は、電磁誘導によって充電対象機器20と無線接続を確立することができ、具体的には、外部の無線充電機器は、その内部の無線充電送信ユニットと無線充電受信ユニット201とを介して電磁誘導によって無線接続を確立して、無線通信を行う。
【0039】
いくつかの実施例では、無線通信の方式は、ブルートゥース通信、ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity、WiFi)通信、高キャリア周波数に基づく近距離無線通信、光通信、超音波通信、超広帯域通信、及びモバイル通信などを含むが、これらに限定されない。本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0040】
いくつかの実施例では、無線充電受信ユニット201は、受信コイルとAC/DC変換ユニットとを含み、受信コイルを介して無線充電機器によって送信された無線充電信号を交流に変換し、AC/DC変換ユニットによって当該交流に対して整流及び/又はフィルタリングなどの操作を行い、当該交流を安定した直流に変換して、バッテリ206の充電に提供する。
【0041】
いくつかの実施例では、有線充電接続ユニット202は、有線充電機器に接続され、有線充電機器によって出力された直流電圧及び直流電流を受信して、バッテリ206の充電に提供するためのユニバーサルシリアルバスUSBインターフェースを含む。
【0042】
いくつかの実施例では、充電管理ユニット203は、無線充電受信ユニット201によって出力された直流を昇圧又は降圧処理し、第1の出力電圧及び第1の出力電流を取得し、当該第1の出力電圧及び第1の出力電流がバッテリ206の充電要求を満たす場合、バッテリ206に直接に印加されて充電することができる。
【0043】
いくつかの実施例では、充電管理ユニット203は、さらに、有線充電接続ユニット202によって出力された直流を昇圧又は降圧処理し、第2の出力電圧及び第2の出力電流を取得し、当該第2の出力電圧及び第2の出力電流がバッテリ206の充電要求を満たす場合、バッテリ206に直接に印加されて充電することができる。
【0044】
いくつかの実施例では、充電管理ユニット203は、電圧変換ユニットを含むことができ、電圧変換ユニットは、昇圧式(Boost)変換回路、降圧式(Buck)変換回路、昇圧降圧式(Buck-Boost)変換回路、LDO電圧安定回路であってもよく、チャージポンプ(Charge Pump)回路であってもよく、さらに直接充電電路などであってもよいが、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0045】
いくつかの実施例では、制御ユニット204は、無線充電モードであると決定された場合、充電管理ユニット203と無線充電受信ユニット201との間の経路導通を制御するために用いられ、有線充電モードである決定された場合、充電管理ユニット203と有線充電接続ユニット202との間の経路導通を制御するためにも用いられる。
【0046】
いくつかの実施例では、制御ユニット204は、充電対象機器20内の独立したマイクロ制御ユニット(Microcontroller Unit、MCU)であってもよく、これにより、制御の信頼性を向上させることができる。いくつかの実施例では、制御ユニット204は、充電対象機器20内のアプリケーションプロセッサ(Application Processor、AP)であってもよく、これにより、ハードウェアコストを節約することができる。本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0047】
検出ユニット205は、バッテリ206のバッテリ電圧及び/又はバッテリ電流を検出するために用いられる。バッテリ電圧及びバッテリ電流は、充電管理ユニット203とバッテリ206との間の電圧値及び/又は電流値、すなわち充電管理ユニット203の出力電圧及び/又は出力電流を指すことができる。
【0048】
いくつかの実施例では、検出ユニット205は、電圧検出ユニット及び電流検出ユニットを含むことができる。電圧検出ユニットは、バッテリ電圧をサンプリングし、サンプリングした後のバッテリ電圧値を制御ユニット204に送信する。いくつかの実施例では、電圧検出ユニットは、直列に電圧分割の方式によってバッテリ電圧をサンプリングすることができる。電流検出ユニットは、バッテリ電流をサンプリングし、サンプリングした後の電流値を制御ユニット204に送信する。いくつかの実施例では、電流検出ユニットは、電流検出抵抗及び検流計によってバッテリ電流をサンプリングして検出することができる。
【0049】
制御ユニット204は、さらに、無線充電機器と通信し、検出ユニット205によって検出された電圧値及び/又は電流値を無線充電機器にフィードバックする。これにより、無線充電機器は、当該フィードバックされた電圧値及び/又は電流値に基づいて、無線充電機器の送信電力を調整して、バッテリ電圧値及び/又はバッテリ電流値がバッテリ206に必要な充電電圧値及び/又は充電電流値とマッチングするようにすることができる。
【0050】
図2に示す充電対象機器に基づいて、以下、図面を合わせて本出願の各実施例を詳細に説明する。
【0051】
図3を参照すると、本出願の実施例により提供される充電対象機器に適用される充電制御方法を示し、当該方法は、以下のようなステップを含むことができる。
S301:前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行い、Kは1以上の正の整数である。
S302:前記K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電し、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きい。
S303:第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止する。
【0052】
なお、充電対象機器の充電プロセスは、複数の定電流充電段階に分けられることができ、定電流充電段階の数はKで表示することができる。Kは1以上の正の整数である、例えばKは、5に設定することができるが、実際の応用では、Kは、実際の状況(例えばバッテリの体系及び採用する材料など)に応じて具体的に設定するが、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0053】
なお、第Kの予め設定された電圧は、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧、すなわち充電対象機器内のバッテリの充電カットオフ電圧を表示する。このように、最後の一つの定電流充電段階において、バッテリの電圧が前記バッテリの充電カットオフ電圧に等しいことが検出された場合、前記バッテリへの充電を直接に停止する。
【0054】
本出願の実施例では、前記充電対象機器の充電中に、まず、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行い、Kは1以上の正の整数であり、K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電し、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、最後の第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止し、当該充電プロセスが多段階式定電流充電であり、多段階式定電流充電の最後の一つの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧に等しい場合、バッテリへの充電を直接に停止する。つまり、当該充電プロセスは、さらに、定電圧充電段階を取り除くことによって、充電時間を大幅に節約するとともに、充電速度をさらに向上させる。
【0055】
いくつかの実施例では、前記K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するステップは、
前のK-1段階における第iの定電流充電段階では、第iの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第iの予め設定された電圧まで充電するステップであって、iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数であり、第i+1の予め設定された電流は、前記第iの予め設定された電流より小さいステップと、
第Kの定電流充電段階では、第Kの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第Kの予め設定された電圧まで充電するステップであって、前記第Kの予め設定された電流は、第K-1の予め設定された電流より小さく、前記第Kの予め設定された電圧は、前記充電カットオフ電圧であるステップと、を含む。
【0056】
さらに、いくつかの実施例では、前記K段階における各定電流充電段階について、前記方法は、
各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップをさらに含む。
【0057】
なお、充電対象機器には、検出ユニット(例えば図2に示す検出ユニット205)が含まれている。当該検出ユニットは、一般に検出回路に直列に接続され、被検出回路に流れる電流及び/又は電圧を測定する。本出願の実施例では、検出ユニットは、抵抗式(例えば電流検出抵抗)であってもよいし、磁気デバイス(例えばカレントトランス、計器用トランス、ロゴスキーコイル、ホールセンサ)であってもよいし、トランジスタ(例えば、ドレインからソースへのオン抵抗(RDS(ON))、比率式)であってもよいが、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0058】
なお、各定電流充電段階(例えば第iの定電流充電段階)に対して、第iの予め設定された電流及び第iの予め設定された電圧は、第iの定電流充電段階において充電対象機器によって予め設置された電流値及び電圧値をそれぞれ表示する。大電流が定電流充電を行う場合、充電停止後に充電電圧が落ち込むため、iが増加すると伴い、充電電流は短縮され、すなわち第i+1の予め設定された電流は、前記第iの予め設定された電流より小さい。例えば、仮にKの値が5であると、第1の定電流充電段階について、第1の予め設定された電流はX(アンペア)であり、第1の予め設定された電圧はY1(ボルト)であり、第2の定電流充電段階について、第2の当該予め設定された電流はX-△A1であり、第2の予め設定された電圧はY2(ボルト)であり、第3の当該定電流充電段階について、第3の予め設定された電流はX-△A1-△A2であり、第3の予め設定された電圧はY3(ボルト)であり、第4の当該定電流充電段階について、第4の予め設定された電流はX-△A1-△A2-△A3であり、第4の予め設定された電圧はY4(ボルト)であり、第5の当該定電流充電段階について、第5の予め設定された電流はX-△A1-△A2-△A3-△A4であり、第5の予め設定された電圧はY5(ボルト)であるが、実際の応用では、第iの予め設定された電流及び第iの予め設定された電圧は、実際の状況(例えばバッテリの体系及び採用する材料など)に応じて具体的に設定し、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0059】
本出願の実施例では、第1の予め設定された電流Xは、3より大きい値であってもよく、例えば、4Aであってもよい。第2の予め設定された電流から第5の予め設定された電流は、徐々に低下する電流であり、すなわち後の段階の電流は、前の段階の電流より小さい。例えば、△A1、△A2、△A3、及び△A4は、0.5~1の値であってもよい。いくつかの実施例では、第1の予め設定された電圧Y1、第2の予め設定された電圧Y2、第3の予め設定された電圧Y3、第4の予め設定された電圧Y4、及び第5の予め設定された電圧Y2は、バッテリの定格電圧、又はバッテリの定格電圧より大きいものとすることができる。例えば、仮定バッテリの定格電圧はV0である場合、Y1からY5は、V0+ΔVに等しくてもよく、ΔVは、0.05~0.5の値であってもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、K個の定電流充電段階について、各定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は同じであってもよいし、異なるものであってもよく、各定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、バッテリの定格電圧より大きくてもよい。このように、バッテリに過電圧充電を行うことができることによって、充電時間を最大限に圧縮し、充電期間を節約することができる。
【0061】
図4を参照すると、本出願の実施例により提供される充電制御技術の概略構成図を示す。図4に示すように、横座標は時間(T)を表示し、縦座標は充電電流(I)を表示する。仮に充電対象機器がK個の定電流充電段階を有すると、まず、第1の定電流充電段階であり、第1の予め設定された電流I1で定電流充電を行い、第1の充電時間tを経過した後、バッテリを第1の予め設定された電圧Vまで充電し、その後、充電電流を第1の予め設定された電流Iから第2の予め設定された電流Iまで低減し、第2の定電流充電段階に進み、その後、第2の予め設定された電流Iで定電流充電を行い、第2の充電時間tを経過した後、バッテリを第2の予め設定された電圧Vまで充電し、充電電流を徐々に低下し、以上のステップを繰り返し、充電電流が第iの予め設定された電流Iまで低減した場合、第iの定電流充電段階に進み、第iの予め設定された電流Iで定電流充電を行い、第i充電時間tを経過した後、バッテリを第iの予め設定された電圧Vまで充電し、最後の一つの定電流充電段階、すなわち第Kの定電流充電段階に入った場合、この時に第Kの予め設定された電流Iで定電流充電を行い、バッテリを第Kの予め設定された電圧V(即充電截至電圧Vend)まで充電した後、バッテリへの充電を停止することができる。
【0062】
いくつかの実施例では、前記第iの予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きい。
【0063】
なお、充電対象機器の充電中に、第iの予め設定された電圧は、バッテリの第iの定電流充電段階の予め設定された電圧を表示し、各定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は同じであってもよいし、異なるものであってもよいが、本出願の実施例では具体的に限定しない。本出願の実施例では、第iの予め設定された電圧は、バッテリの定格電圧より大きくてもよく、バッテリに過電圧充電を行うことによって、充電時間を最大限に圧縮し、定電圧充電の期間を短縮することができ、これにより、関連技術に比較して、充電時間を大幅に節約することもでき、充電効率を向上させることができる。
【0064】
いくつかの実施例では、第iの予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧に予め設定された電圧差を加えた値に設置することができる。ここで、予め設定された電圧差ΔVは0.05Vであってもよいし、0.5Vであってもよく、一般に、ΔVは、0.05V~0.5Vで値を取ることができ、実際の応用では、実際の状況に応じて具体的に設定し、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0065】
いくつかの実施例では、第iの定電流充電段階について、前記各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップの後に、前記方法は、
前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するステップをさらに含む。
【0066】
なお、第iの定電流充電段階について、第iの予め設定された電流で前記充電対象機器内のバッテリに対して定電流充電を行い、前記バッテリを第iの予め設定された電圧まで充電し、バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、第iの定電流充電段階が完了したことを表示し、この時に第i+1の定電流充電段階に進み、その後、第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電する。このように、第i+1の定電流充電段階について、第i+1の予め設定された電流で前記充電対象機器内のバッテリに対して定電流充電を行って、前記バッテリを第i+1の予め設定された電圧まで充電し、以上のステップを繰り返し、バッテリの電圧が第K-1の予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、第K-1の定電流充電段階が完了したことを表示し、この時に第Kの定電流充電段階に進み、その後、第Kの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電し、第Kの定電流充電段階において、第Kの予め設定された電流で前記充電対象機器内のバッテリに対して定電流充電を行い、前記バッテリを第Kの予め設定された電圧まで充電(すなわち前記バッテリの充電カットオフ電圧)し、この時にバッテリの電圧が第Kの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止する。
【0067】
いくつかの実施例では、第iの定電流充電段階について、前記各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するステップの後に、前記方法は、
前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記第iの予め設定された電圧に基づいて前記バッテリを定電圧充電するステップと、
前記バッテリの電流が第i+1の予め設定された電流に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、前記第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するステップと、をさらに含む。
【0068】
さらに、いくつかの実施例では、前記バッテリの電流が第i+1の予め設定された電流に等しいことが検出された前に、前記方法は、
各定電流充電段階内の前記バッテリの電流を検出するステップをさらに含む。
【0069】
なお、分けられた複数の定電流充電段階について、各定電流充電段階と次の定電流充電段階との間には、定電圧充電によって連結され、このように、充電電流の急激な低下を回避することができる。電流の急変はある程度でバッテリの材料に衝撃を与えるため、バッテリの損傷を容易にし、バッテリの耐用性を低下させることによって、バッテリの使用の寿命を短縮するため、第iの定電流充電段階と第i+1の定電流充電段階との間には定電圧充電によって連結することができ、充電電流の急変を回避するだけでなく、充電時間のさらなる節約と充電速度の向上を図る目的を達することができる。
【0070】
図5を参照すると、本出願の実施例により提供される別の充電制御技術の概略構成図を示す。図5に示すように、横座標は時間(T)を表示し、縦座標は充電電流(I)を表示する。仮に充電対象機器がK個の定電流充電段階を有すると、まず、第1の定電流充電段階であり、第1の予め設定された電流I1で定電流充電を行い、バッテリを第1の予め設定された電圧Vまで充電し、次に第1の予め設定された電圧Vでバッテリを定電圧充電し、第1の充電時間tを経過した後、バッテリの電流が第2の予め設定された電流Iに等しいことが検出された場合、前記充電対象機器は第2の定電流充電段階に進み、その後、第2の予め設定された電流Iで定電流充電を行い、バッテリを第2の予め設定された電圧Vまで充電し、次に第2の予め設定された電圧Vでバッテリを定電圧充電し、第2の充電時間tを経過した後、バッテリの電流が第3の予め設定された電流Iに等しいことが検出された場合、前記充電対象機器は第3の定電流充電段階に進み、以上のステップを繰り返し、前記充電対象機器が第iの定電流充電段階に進む場合、第iの予め設定された電流Iで定電流充電を行い、バッテリを第iの予め設定された電圧Vまで充電し、次に第iの予め設定された電圧Vでバッテリを定電圧充電し、第i充電時間tを経過した後、バッテリの電流が第i+1の予め設定された電流Ii+1に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器は第i+1の定電流充電段階に進み、最後の一つの定電流充電段階に進み、すなわち充電対象機器が第Kの定電流充電段階に進む場合、第Kの予め設定された電流Iで定電流充電を行い、バッテリの電圧が第Kの予め設定された電圧Vに等しい(すなわちバッテリの充電截至電圧Vend)ことが検出された後、バッテリに充電することを停止することができ、当該充電プロセスは、定電圧充電段階を取り除くことによって、充電時間の節約と充電速度の向上を図る目的を達することができる。
【0071】
いくつかの実施例では、前記充電対象機器の充電モードは、無線充電モードと有線充電モードとを含み、前記方法は、
前記充電モードを選択することによって、前記充電対象機器を制御して無線充電モード又は有線充電モードで前記バッテリに充電するステップをさらに含む。
【0072】
なお、本出願の実施例の充電制御方法は、充電対象機器に適用される無線充電モードであってもよいし、充電対象機器に適用される有線充電モードであってもよい。充電モードを選択することによって、充電対象機器が無線充電モード又は有線充電モードで前記バッテリに充電することができ、当該充電中で多段階式定電流充電を採用するとともに、定電圧充電段階を取り除くことによって、充電時間の節約と充電速度の向上を図る目的を達することができる。
【0073】
いくつかの実施例では、前記バッテリは、単一セル構造のバッテリとN個のセル構造のバッテリとを含み、Nは、1より大きい正の整数である。
【0074】
なお、バッテリが複数のセルである場合、上記の充電制御方法では、各セルの電圧のいずれかが現在の定電流充電段階に対応する予め設定された電圧に達したか否かをモニタリングする必要がある。いずれかのセルの電圧が現在の定電流充電段階に対応する予め設定された電圧に達した場合、隣接する次の定電流充電段階に進む必要があり、又は、いくつかの実施例では、既に現在の定電流充電段階に対応する予め設定された電圧に達したセルに対応する充電経路を切断し、現在の定電流充電段階に対応する予め設定された電圧に達していないセルを継続的に充電することもできる。すなわち、複数のセルについて、各セルは、上記の充電制御方法に従って独立して充電操作を行うことができる。
【0075】
上記の実施例は、充電対象機器に適用される充電制御方法を提供し、前記充電対象機器の充電中に、充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行い、Kは1以上の正の整数であり、前記K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電し、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するステップと;当該充電中で多段階式定電流充電を採用し、さらに、定電圧充電段階を取り除くことによって、充電時間を大幅に節約するとともに、充電速度を向上させる。
【0076】
前述した図3に示す技術案と同じの発明の技術思想に基づいて、図6を参照すると、本出願の実施例により提供される充電制御装置60の構成を示す。充電ユニット601と、検出ユニット602と、制御ユニット603とを含むことができ、
前記充電ユニット601は、前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行うように構成され、Kは1以上の正の整数である。
前記充電ユニット601は、さらに、前記K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するように構成され、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きい。
前記制御ユニット603は、第Kの定電流充電段階で、前記検出ユニット602によって前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するように構成される。
【0077】
上記の技術案において、前記充電ユニット601は、具体的には、前のK-1段階における第iの定電流充電段階では、第iの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第iの予め設定された電圧まで充電し、iは、1以上であり、且つK-1以下の正の整数であり、第i+1の予め設定された電流は、前記第iの予め設定された電流より小さく、第Kの定電流充電段階では、第Kの予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電して、前記バッテリを第Kの予め設定された電圧まで充電するように構成され、前記第Kの予め設定された電流は、第K-1の予め設定された電流より小さく、前記第Kの予め設定された電圧は、前記充電カットオフ電圧である。
【0078】
上記の技術案において、前記第iの予め設定された電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きい。
【0079】
上記の技術案において、前記検出ユニット602は、具体的には、各定電流充電段階内の前記バッテリの電圧を検出するように構成される。
【0080】
上記の技術案において、第iの定電流充電段階について、前記制御ユニット603は、さらに、前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するように構成される。
【0081】
上記の技術案において、第iの定電流充電段階について、前記充電ユニット601は、さらに、前記バッテリの電圧が第iの予め設定された電圧に等しいことが検出された場合、前記第iの予め設定された電圧に基づいて前記バッテリを定電圧充電するように構成され、
前記制御ユニット603は、さらに、前記バッテリの電流が第i+1の予め設定された電流に等しいことが検出された場合、前記充電対象機器を制御して第i+1の定電流充電段階に入り、前記第i+1の予め設定された電流で前記バッテリを定電流充電するように構成される。
【0082】
上記の技術案において、前記検出ユニット602は、さらに、各定電流充電段階内の前記バッテリの電流を検出するように構成される。
【0083】
上記の技術案において、前記充電対象機器の充電モードは、無線充電モードと有線充電モードとを含み、前記制御ユニット603は、さらに、前記充電モードを選択することによって、前記充電対象機器を制御して無線充電モード又は有線充電モードで前記バッテリに充電するように構成される。
【0084】
上記の技術案において、前記バッテリは、単一セル構造のバッテリとN個のセル構造のバッテリとを含み、Nは、1より大きい正の整数である。
【0085】
本実施例では、「ユニット」は、回路の一部、プロセッサの一部、プログラム又はソフトウェアなどの一部であってもよいし、モジュールであってもよいし、非モジュール化されてもよいことを理解されたい。本実施例における各構成要素は、一つの処理ユニットに統合されてもよいし、各ユニットが物理的に別々に存在してもよいし、二つ以上のユニットが一つのユニットに統合されてもよい。上記の統合されたユニットは、ハードウェアの形式で実現されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現されてもよい。
【0086】
前記統合されたユニットは、独立した製品として販売又は使用されることではなく、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現される場合、一つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができ、このような理解に基づいて、本実施例の技術案は本質上、言い換えれば従来技術に貢献した部分は或いは当該技術案の全部又は一部は、ソフトウェア製品の形式で具現でき、当該コンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体に記憶され、一台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器など)又はProcessor(プロセッサ)に本実施例の前記方法の全部又は一部のステップを実行するための複数の命令を含む。前述の記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、読み出し専用記憶装置(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又はコンパクトディスクなどの各種のプログラムコードが記憶できる媒体を含む。
【0087】
したがって、本実施例は、充電制御プログラムが記憶されているコンピュータ記憶媒体を提供し、前記充電制御プログラムが、少なくとも一つのプロセッサによって実行される場合に、前述の図3に示す技術案の前記方法のステップを実現する。
【0088】
上記の充電制御装置60の構成及びコンピュータ記憶媒体に基づいて、図7を参照すると、本出願の実施例により提供される充電制御装置60の具体的なハードウェアの構成例を示し、ネットワークインターフェース701と、メモリ702と、プロセッサ703を含むことができ、各コンポーネントは、バスシステム704によって結合されてもよい。バスシステム704は、これらのコンポーネント間の接続通信を実現するために用いられることを理解されたい。バスシステム704は、データバスを含む以外に、電源バス、制御バス、及び状態信号バスをさらに含む。しかしながら、説明を明確にするために、図7の様々なバスを、すべてバスシステム704として表記する。ネットワークインターフェース701は、他の外部のネットワーク要素と情報を送受信するプロセス中に、信号の受信及び送信を行うように構成され、
メモリ702は、プロセッサ703で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成され、
プロセッサ703は、前記コンピュータプログラムを実行する場合に、
前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行うステップであって、Kは1以上の正の整数であるステップと、
前記K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電するステップであって、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きいステップと、
第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止するステップと、を実行する。
【0089】
本出願の実施例におけるメモリ702は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであっても良く、又は揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両者を含むことができることが理解できる。その中、不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(Programmable ROM、PROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(Erasable PROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)であってもよい。制限的でなく例示的な説明により、多くの形態のRAMは利用可能であり、例えばスタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM、SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(Dynamic RAM、DRAM)、同期型ランダムアクセスメモリ(Synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレート同期動的ランダムアクセスメモリ(Double Data Rate SDRAM、DDRSDRAM)、強化型同期動的ランダムアクセスメモリ(Enhanced SDRAM、ESDRAM)、同期リンク動的ランダムアクセスメモリ(Synchlink DRAM、SLDRAM)とダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus RAM、DRRAM)であってもよい。本明細書に説明されるシステムと方法のメモリ702は、これら、及びいずれかの他の適切なタイプのメモリを含むことを主旨しているが、これらに限定されない。
【0090】
プロセッサ703は、集積回路チップである可能性があり、信号処理能力を備えている。実現過程において、上記方法の各ステップは、プロセッサ703におけるハードウェアの集積論理回路、又はソフトウェア形式の命令により完了されてもよい。上記のプロセッサ703は汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、現場でプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。本出願の実施例に開示された各方法、ステップ及び論理ブロック図を実現、又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであっても良く、又は該プロセッサはいずれかの通常のプロセッサなどであっても良い。本発明の実施例に開示された方法を結合するステップは、ハードウェア復号プロセッサによって実行して完成され、又は復号プロセッサにおけるハードウェアモジュール及びソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行して完成されるように具現することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ又は電気的消去可能プログラマブルメモリ、レジスタなどの本分野における成熟した記憶媒体に位置してもよい。当該記憶媒質はメモリ702に位置し、プロセッサ703はメモリ702における情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて上記方法のステップを完成する。
【0091】
本明細書で説明されるこれらの実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、又はそれらの組み合わせによって実現されることができることを理解されたい。ハードウェアの実現に対して、処理ユニットは、一つ又は複数の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASIC)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing、DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSP Device、DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device、PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本出願の前記機能を実行するための他の電子ユニット又はその組み合わせを実現することができる。
【0092】
ソフトウェア実現に関して、本明細書の前記機能を実行するモジュール(例えばプロセス、関数など)によって本明細書の前記技術を実現することができる。ソフトウェアコードは、メモリに記憶され、プロセッサによって実行されることができる。メモリは、プロセッサ内又はプロセッサ外部で実現することができる。
【0093】
選択可能に、別の実施例として、プロセッサ703は、さらに、前記コンピュータプログラムを実行する場合に、前述の図3に示す技術案の前記方法のステップを実行するように構成される。
【0094】
図8を参照すると、本出願の実施例により提供される充電対象機器80の概略構成図を示す。図8に示すように、充電対象機器80は、少なくとも前述の実施例のいずれかに記載の充電制御装置60を含む。
【0095】
なお、本出願の実施例に記載される技術案の間には、矛盾することがない場合、任意に組み合わせることができる。
【0096】
以上は、単に本発明の具体的な実施形態であるが、本発明の保護範囲はこれに限定されず、当業者にとって、本発明に開示された技術範囲において容易に想到しうる変化又は置換は、本発明の保護範囲に含まれるべきである。このため、本発明の保護範囲は請求項の範囲の保護範囲を基準とすべきである。
【0097】
工業上の利用可能性
本出願の実施例では、当該方法は、充電対象機器に適用され、前記充電対象機器の充電中に、前記充電対象機器内のバッテリに対してK段階の定電流充電を行い、Kは1以上の正の整数であり、K段階における各定電流充電段階について、当該定電流充電段階に対応する予め設定された電流に従って前記バッテリをそれぞれ定電流充電して、前記バッテリを当該定電流充電段階に対応する予め設定された電圧まで充電し、第Kの定電流充電段階に対応する予め設定された電圧は、充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は、前記バッテリの定格電圧より大きく、第Kの定電流充電段階において、前記バッテリの電圧が前記充電カットオフ電圧に達したことが検出された場合、前記バッテリへの充電を停止し、当該充電プロセスは、多段階式定電流充電を採用し、第Kの定電流充電段階後に前記バッテリへの充電を停止し、すなわち定電圧充電段階を取り除くことによって、充電時間を節約し、充電速度を向上させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8