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特許7356995コンテンツをクリッピングし、視認快適性を増加させるためのディスプレイシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】コンテンツをクリッピングし、視認快適性を増加させるためのディスプレイシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 15/30 20110101AFI20230928BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20230928BHJP
   H04N 13/344 20180101ALI20230928BHJP
   H04N 13/359 20180101ALI20230928BHJP
【FI】
G06T15/30
G06T19/00 F
H04N13/344
H04N13/359
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020547409
(86)(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 US2019022349
(87)【国際公開番号】W WO2019178409
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】62/642,761
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シュワッブ, ブライアン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ハンド, ランダル イー.
(72)【発明者】
【氏名】ブラスカンプ, ビョルン, ニコラース, セルヴァティウス
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0316196(US,A1)
【文献】国際公開第2017/165848(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/057618(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 15/00 - 19/20
H04N 13/00 - 13/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、前記ディスプレイシステムは、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータ記憶媒体であって、前記1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置するかどうかを決定することと、
前記ディスプレイシステムのユーザの眼の輻輳・開散運動点が前記融合喪失ゾーン内にあるかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記融合喪失ゾーン内に位置すると決定され、前記輻輳・開散運動点が前記融合喪失ゾーン内に位置すると決定される場合、前記仮想オブジェクトを前記融合喪失ゾーン内に表示することを控えることと、
前記仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定することと、
前記ユーザの前記輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置する場合、および、前記ユーザの前記輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にある場合、前記ユーザへの前記仮想オブジェクトの表示を限定することと
を含む動作を実施させる、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と
を備える、ディスプレイシステム。
【請求項2】
前記仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置するかどうかを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから融合喪失閾値距離未満に位置するかどうかを決定することを含む、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項3】
前記ユーザの眼の輻輳・開散運動点が前記融合喪失ゾーン内にあるかどうかを決定することは、前記輻輳・開散運動点が前記ユーザから融合喪失閾値距離未満の距離にあるかどうかを決定することを含む、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項4】
前記ユーザの眼の輻輳・開散運動点が前記融合喪失ゾーン内にあるかどうかを決定することは、前記ユーザが融合喪失閾値輻輳・開散運動角度未満の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定することを含み、前記輻輳・開散運動角度は、前記点から前記ユーザの第1の眼まで延在する第1の線と、前記点から前記ユーザの第2の眼まで延在する第2の線とによって定義される、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項5】
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満に位置するかどうかを決定することを含む、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項6】
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回って位置するかどうかを決定することを含む、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項7】
前記ユーザの前記輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定することは、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満であるかどうかを決定することを含み、前記輻輳・開散運動距離は、前記ユーザからの前記輻輳・開散運動点の距離である、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項8】
前記ユーザの前記輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定することは、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回るかどうかを決定することを含み、前記輻輳・開散運動距離は、前記ユーザからの前記輻輳・開散運動点の距離である、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項9】
前記ユーザの前記輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定することは、
前記ユーザが前記仮想オブジェクトに輻輳しているかどうかを決定すること
を含む、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項10】
冷却周期にわたって仮想コンテンツの表示を中止した後、前記仮想オブジェクトを再表示することをさらに含み、前記仮想コンテンツを再表示することは、仮想コンテンツを前記融合喪失ゾーン外の場所に表示することを含む、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項11】
波面発散の量の変動に伴って前記仮想オブジェクトを形成する光を出力するように構成される光学系をさらに備える、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項12】
表示を限定することは、
前記仮想オブジェクトへの前記ユーザの暴露時間を決定することであって、前記暴露時間は、仮想コンテンツが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に持続的に位置する間の前記仮想コンテンツへの前記ユーザの暴露の持続時間である、ことと、
暴露時間閾値を超えた後、前記仮想オブジェクトを前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えることと
を含む、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項13】
前記仮想オブジェクトを前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えることは、視認者の片眼への前記仮想オブジェクトの表示を停止する一方、前記仮想オブジェクトを前記視認者の他方の眼に表示し続けることを含む、請求項12に記載のディスプレイシステム。
【請求項14】
前記仮想オブジェクトを遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離内に表示することを控えることは、前記仮想オブジェクトの表示を視認者の眼間で交互させることによって、前記視認者の各眼への前記仮想オブジェクトの表示を断続的に停止することを含む、請求項12に記載のディスプレイシステム。
【請求項15】
前記動作は、
前記仮想オブジェクトが、ユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定することと、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、前記暴露時間閾値を設定することであって、世界内コンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値を超える、ことと
をさらに含む、請求項12に記載のディスプレイシステム。
【請求項16】
前記光学系は、導波管のスタックを備え、前記導波管の異なるものは、異なる量の波面発散を伴う光を出力する、請求項11に記載のディスプレイシステム。
【請求項17】
視認者への出力のために、画像情報を含む光を前記光学系の中に指向するための投影システムをさらに備える、請求項11に記載のディスプレイシステム。
【請求項18】
前記投影システムは、光源と、前記光源からの光を変調させるように構成される空間光変調器とを備える、請求項17に記載のディスプレイシステム。
【請求項19】
視認者の眼の配向を決定するためのセンサをさらに備え、前記ディスプレイシステムは、前記センサからの情報に基づいて、前記輻輳・開散運動点を決定するように構成される、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項20】
前記センサは、前記視認者の眼を結像するように構成される内向きに面したカメラを備える、請求項19に記載のディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、その全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、2018年3月14日に出願された、米国仮出願第62/642,761号の優先権の利益を主張する。
【0002】
(参照による組み込み)
本願は、参照することによって、以下の特許出願、すなわち、2014年11月27日に出願され、2015年7月23日に米国特許公開第2015/0205126号として公開された、米国特許出願第14/555,585号、2015年4月18日に出願され、2015年10月22日に米国特許公開第2015/0302652号として公開された、米国特許出願第14/690,401号、2014年3月14日に出願された、米国特許出願第14/212,961号(2016年8月16日に発行された、現米国特許第9,417,452号)、および2014年7月14日に出願され、2015年10月29日に米国特許公開第2015/0309263号として公開された、米国特許出願第14/331,218号のそれぞれの全体を組み込む。
【0003】
本願はまた、参照することによって、以下の特許出願および刊行物、すなわち、2017年3月24日に出願され、2017年9月20日に米国特許公開第2017/0276,948号として公開された、米国特許出願第15/469,369号、「DEPTH PLANE SELECTION AND RENDER CAMERA POSITIONING IN AUGMENTED REALITY DISPLAY SYSTEMS」と題され、2018年1月17日に出願された、米国特許出願第62/618,559号(弁理士整理番号MLEAP.175PR)、および「DEPTH PLANE SELECTION AND RENDER CAMERA POSITIONING IN AUGMENTED REALITY DISPLAY SYSTEMS」と題され、2019年1月17日に出願された、米国特許出願第16/250,931号(弁理士整理番号MLEAP.175)、および2018年2月8日に公開された、米国特許公開第2018/0039,083号のそれぞれの全体を組み込む。
【0004】
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0005】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、すなわち、そのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実、すなわち、「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツが、実世界内のオブジェクトによって遮断される、または別様にそれと相互作用するように知覚され得る。
【0006】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写されており、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物を特徴とする、実世界公園状設定20と、コンクリートプラットフォーム30とが見える。これらのアイテムに加えて、AR技術のユーザはまた、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40、およびマルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚するが、これらの要素40、50は、実世界には存在しないという点で、「仮想」である。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生成は、困難である。
【0007】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムが、仮想オブジェクトを表示するために提供される。ディスプレイシステムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、種々の動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体とを備える。動作は、仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置するかどうかを決定するステップと、ユーザが融合喪失ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定するステップと、仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置すると決定され、ユーザが融合喪失ゾーン内の点に輻輳している場合、仮想オブジェクトを融合喪失ゾーン内に表示することを控えるステップとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法が、仮想オブジェクトを表示するように構成される、ディスプレイデバイスを動作させるために提供される。本方法は、仮想オブジェクトがディスプレイシステムのユーザの融合喪失ゾーン内に位置することを決定するステップと、仮想オブジェクトを融合喪失ゾーン内に表示することを控えるステップを含む。
【0010】
ある他の実施形態では、ディスプレイシステムが、仮想オブジェクトを表示するために提供される。ディスプレイシステムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、種々の動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体とを備える。動作は、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定するステップと、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて遠近調節(accommodation)-輻輳・開散運動(vergence)不整合閾値を設定するステップと、仮想オブジェクトの場所が、仮想オブジェクトのための遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有するかどうかを決定するステップと、仮想オブジェクトの場所の遠近調節-輻輳・開散運動不整合が仮想オブジェクトのための遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える場合、ユーザへの仮想オブジェクトの表示を限定するステップとを含む。
【0011】
さらに他の実施形態では、方法が、仮想オブジェクトを表示するように構成される、ディスプレイデバイスを動作させるために提供される。本方法は、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定するステップと、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を設定するステップと、仮想オブジェクトの場所が、仮想オブジェクトのための遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有するかどうかを決定するステップと、仮想オブジェクトの場所の遠近調節-輻輳・開散運動不整合が仮想オブジェクトのための遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える場合、ユーザへの仮想オブジェクトの表示を限定するステップとを含む。
【0012】
ある他の実施形態では、ディスプレイシステムが、仮想オブジェクトを表示するために提供される。ディスプレイシステムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、種々の動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体とを備える。動作は、仮想オブジェクトがユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定するステップと、仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定に応答して、(i)仮想オブジェクトがユーザの両眼に表示される、双眼提示モードと、(ii)仮想オブジェクトがユーザの片眼のみに表示される、単眼提示モードとの間で切り替えるステップとを含む。
【0013】
ある他の実施形態では、方法が、仮想オブジェクトを表示するように構成される、頭部搭載型ディスプレイデバイスを動作させるために提供される。本方法は、仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の後の第2の推定値を取得するステップと、少なくとも、仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第2の推定値に基づいて、仮想オブジェクトがユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界に交差していることを決定するステップと、仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定に応答して、(i)仮想オブジェクトがユーザの両眼に表示される、双眼提示モードと、(ii)仮想オブジェクトがユーザの片眼のみに表示される、単眼提示モードとの間で切り替えるステップとを含む。
【0014】
ある他の実施形態では、ディスプレイシステムが、仮想オブジェクトを表示するために提供される。ディスプレイシステムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、種々の動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体とを備える。動作は、仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼視野(FOV)内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあるかどうかを決定するステップと、ユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差しているかどうかを決定するステップと、仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼FOV内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることの決定およびユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることの決定に応答して、仮想オブジェクトをユーザに提示する2つの異なるモード間で切り替えるステップとを含む。
【0015】
ある他の実施形態では、方法が、仮想オブジェクトを表示するように構成される、頭部搭載型ディスプレイデバイスを動作させるために提供される。本方法は、仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼視野(FOV)内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることを決定するステップと、ユーザの輻輳・開散運動点の第1の推定値およびユーザの輻輳・開散運動点の後の第2の推定値を取得するステップと、少なくとも、ユーザの輻輳・開散運動点の第1の推定値およびユーザの輻輳・開散運動点の第2の推定値に基づいて、ユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることを決定するステップと、仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼FOV内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることの決定およびユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることの決定に応答して、仮想オブジェクトをユーザに提示する2つの異なるモード間で切り替えるステップとを含む。
【0016】
ある他の実施形態では、ディスプレイシステムが、仮想オブジェクトを表示するために提供される。ディスプレイシステムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、種々の動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体とを備える。動作は、仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼視野(FOV)内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあるかどうかを決定するステップと、ユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差しているかどうかを決定するステップと、仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼FOV内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることの決定およびユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることの決定に応答して、仮想オブジェクトをユーザに提示する2つの異なるモード間で切り替えるステップとを含む。
【0017】
ある他の実施形態では、方法が、仮想オブジェクトを表示するように構成される、頭部搭載型ディスプレイデバイスを動作させるために提供される。本方法は、仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼視野(FOV)内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることを決定するステップと、ユーザの輻輳・開散運動点の第1の推定値およびユーザの輻輳・開散運動点の後の第2の推定値を取得するステップと、少なくとも、ユーザの輻輳・開散運動点の第1の推定値およびユーザの輻輳・開散運動点の第2の推定値に基づいて、ユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることを決定するステップと、仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼FOV内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることの決定およびユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることの決定に応答して、仮想オブジェクトをユーザに提示する2つの異なるモード間で切り替えるステップとを含む。
【0018】
実施形態の付加的実施例が、下記に提供される。
【0019】
1.仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、
仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置するかどうかを決定するステップと、
ユーザが融合喪失ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定するステップと、
仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置すると決定され、ユーザが融合喪失ゾーン内の点に輻輳している場合、仮想オブジェクトを融合喪失ゾーン内に表示することを控えるステップと、
を含む、動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と、
を備える、ディスプレイシステム。
【0020】
2.仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置するかどうかを決定するステップは、仮想オブジェクトがディスプレイシステムのユーザから融合喪失閾値距離未満に位置するかどうかを決定するステップを含む、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0021】
3.ユーザが融合喪失ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定するステップは、ユーザが融合喪失閾値距離未満の距離に輻輳しているかどうかを決定するステップを含む、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0022】
4.ユーザが融合喪失ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定するステップは、ユーザが融合喪失閾値輻輳・開散運動角度未満の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定するステップを含む、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0023】
5.動作はさらに、
仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定するステップと、
ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定するステップと、
仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置する、および
ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にある、
場合、ユーザへの仮想オブジェクトの表示を限定するステップと、
を含む、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0024】
6.仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定するステップは、仮想オブジェクトがユーザから近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満に位置するかどうかを決定するステップを含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0025】
7.遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離は、15cmである、実施例6に記載のディスプレイシステム。
【0026】
8.仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定するステップは、仮想オブジェクトがユーザから遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回って位置するかどうかを決定するステップを含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0027】
9.仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定するステップはさらに、仮想オブジェクトがユーザから近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満に位置するかどうかを決定するステップを含む、実施例8に記載のディスプレイシステム。
【0028】
10.ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定するステップは、ユーザの輻輳・開散運動距離が近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満であるかどうかを決定するステップを含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0029】
11.融合喪失閾値距離は、10cmである、実施例10に記載のディスプレイシステム。
【0030】
12.ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定するステップは、ユーザの輻輳・開散運動距離が遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回るかどうかを決定するステップを含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0031】
13.ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定するステップはさらに、ユーザの輻輳・開散運動距離が近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満であるかどうかを決定するステップを含む、実施例12に記載のディスプレイシステム。
【0032】
14.ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定するステップは、
ユーザが仮想オブジェクトに輻輳しているかどうかを決定するステップを含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0033】
15.ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定するステップは、ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度の所定の範囲内の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定するステップを含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0034】
16.ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度の所定の範囲外の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定するステップは、ユーザが最小遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度未満の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定するステップを含む、実施例15に記載のディスプレイシステム。
【0035】
17.ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度の所定の範囲外の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定するステップは、ユーザが最大遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度を上回る輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定するステップを含む、実施例15に記載のディスプレイシステム。
【0036】
18.ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定するステップは、ユーザの輻輳・開散運動距離が遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性距離の所定の範囲内にあるかどうかを決定するステップを含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0037】
19.ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定するステップは、ユーザの輻輳・開散運動距離が最小遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性距離未満であるかどうかを決定するステップを含む、実施例18に記載のディスプレイシステム。
【0038】
20.ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定するステップは、ユーザの輻輳・開散運動距離が最大遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性距離を上回るかどうかを決定するステップを含む、実施例18に記載のディスプレイシステム。
【0039】
21.冷却周期にわたって仮想コンテンツの表示を中止した後、仮想コンテンツを再表示するステップをさらに含み、仮想コンテンツを再表示するステップは、仮想コンテンツを融合喪失ゾーン外の場所に表示するステップを含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0040】
22.動作はさらに、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズを設定するステップであって、世界内コンテンツに関する関連付けられた遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズは、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズを超える、ステップと、
を含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0041】
23.表示を限定するステップは、
仮想オブジェクトへのユーザの暴露時間を決定するステップであって、暴露時間は、仮想コンテンツが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に持続的に位置する間の仮想コンテンツへのユーザの暴露の持続時間である、ステップと、
暴露時間閾値を超えた後、仮想オブジェクトを遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えるステップと、
を含む、実施例5に記載のディスプレイシステム。
【0042】
24.仮想オブジェクトを遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えるステップは、視認者の片眼への仮想オブジェクトの表示を停止する一方、仮想オブジェクトを視認者の他方の眼に表示し続けるステップを含む、実施例23に記載のディスプレイシステム。
【0043】
25.仮想オブジェクトを遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離内に表示することを控えるステップは、仮想オブジェクトの表示を視認者の眼間で交互させることによって、視認者の各眼への仮想オブジェクトの表示を断続的に停止するステップを含む、実施例23に記載のディスプレイシステム。
【0044】
26.動作はさらに、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、暴露時間閾値を設定するステップであって、世界内コンテンツのための関連付けられた暴露時間閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値を超える、ステップと、
を含む、実施例23に記載のディスプレイシステム。
【0045】
27.波面発散の量の変動に伴って仮想オブジェクトを形成する光を出力するように構成される、光学系をさらに備える、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0046】
28.光学系は、導波管のスタックを備え、導波管の異なるものは、異なる量の波面発散を伴う光を出力する、実施例27に記載のディスプレイシステム。
【0047】
29.視認者への出力のために、画像情報を含む光を光学系の中に指向するための投影システムをさらに備える、実施例27に記載のディスプレイシステム。
【0048】
30.投影システムは、光源と、光源からの光を変調させるように構成される、空間光変調器とを備える、実施例27に記載のディスプレイシステム。
【0049】
31.視認者の眼の配向を決定するためのセンサをさらに備え、ディスプレイシステムは、センサからの情報に基づいて、固視点を決定するように構成される、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0050】
32.センサは、視認者の眼を結像するように構成される、内向きに面したカメラを備える、実施例31に記載のディスプレイシステム。
【0051】
33.仮想オブジェクトを融合喪失ゾーン内に表示することを控えるステップは、視認者の片眼への仮想オブジェクトの表示を停止する一方、仮想オブジェクトを視認者の他方の眼に表示し続けるステップを含む、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0052】
34.仮想オブジェクトを融合喪失ゾーン内に表示することを控えるステップは、仮想オブジェクトの表示を視認者の眼間で交互させることによって、視認者の各眼への仮想オブジェクトの表示を断続的に停止するステップを含む、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0053】
35.仮想オブジェクトを表示するように構成される、ディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、
仮想オブジェクトがディスプレイシステムのユーザの融合喪失ゾーン内に位置することを決定するステップと、
仮想オブジェクトを融合喪失ゾーン内に表示することを控えるステップと、
を含む、方法。
【0054】
36.仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置することを決定するステップは、仮想オブジェクトがユーザから融合喪失閾値距離未満に位置することを決定するステップを含む、実施例35に記載の方法。
【0055】
37.
仮想オブジェクトがユーザの遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置することを決定するステップと、
ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定するステップと、
ユーザへの仮想オブジェクトの表示を限定するステップと、
をさらに含む、実施例35に記載の方法。
【0056】
38.仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置することを決定するステップは、仮想オブジェクトがユーザから近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満に位置することを決定するステップを含む、実施例37に記載の方法。
【0057】
39.仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置することを決定するステップは、仮想オブジェクトがユーザから遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回って位置することを決定するステップを含む、実施例37に記載の方法。
【0058】
40.仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置することを決定するステップはさらに、仮想オブジェクトがユーザから近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満に位置することを決定するステップを含む、実施例39に記載の方法。
【0059】
41.ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定するステップは、ユーザの輻輳・開散運動距離が近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満であることを決定するステップを含む、実施例37に記載の方法。
【0060】
42.ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定するステップは、ユーザの輻輳・開散運動距離が遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回ることを決定するステップを含む、実施例37に記載の方法。
【0061】
43.ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定するステップはさらに、ユーザの輻輳・開散運動距離が近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満であることを決定するステップを含む、実施例42に記載の方法。
【0062】
44.ユーザの輻輳・開散運動点が遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定するステップは、
ユーザが仮想オブジェクトに輻輳していることを決定するステップを含む、実施例37に記載の方法。
【0063】
45.冷却周期にわたって仮想コンテンツの表示を中止した後、仮想コンテンツを再表示するステップをさらに含み、仮想コンテンツを再表示するステップは、仮想コンテンツを融合喪失ゾーン外の場所に表示するステップを含む、実施例37に記載の方法。
【0064】
46.仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズを設定するステップであって、世界内コンテンツに関する関連付けられた遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズは、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズを超える、ステップと、
をさらに含む、実施例37に記載の方法。
【0065】
47.表示を限定するステップは、
仮想オブジェクトへのユーザの暴露時間を決定するステップであって、暴露時間は、仮想コンテンツが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に持続的に位置する間の仮想コンテンツへのユーザの暴露の持続時間である、ステップと、
暴露時間閾値を超えた後、仮想オブジェクトを遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えるステップと、
を含む、実施例37に記載の方法。
【0066】
48.動作はさらに、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、暴露時間閾値を設定するステップであって、世界内コンテンツのための関連付けられた暴露時間閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値を超える、ステップと、
を含む、実施例47に記載の方法。
【0067】
49.仮想オブジェクトを遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えるステップは、視認者の片眼への仮想オブジェクトの表示を停止する一方、仮想オブジェクトを視認者の他方の眼に表示し続けるステップを含む、実施例47に記載の方法。
【0068】
50.仮想オブジェクトを遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えるステップは、仮想オブジェクトの表示を視認者の眼間で交互させることによって、視認者の各眼への仮想オブジェクトの表示を断続的に停止するステップを含む、実施例47に記載の方法。
【0069】
51.仮想オブジェクトを融合喪失ゾーン内に表示することを控えるステップは、視認者の片眼への仮想オブジェクトの表示を停止する一方、仮想オブジェクトを視認者の他方の眼に表示し続けるステップを含む、実施例35に記載の方法。
【0070】
52.仮想オブジェクトを遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えるステップは、仮想オブジェクトの表示を視認者の眼間で交互させることによって、視認者の各眼への仮想オブジェクトの表示を断続的に停止するステップを含む、実施例35に記載の方法。
【0071】
53.仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を設定するステップと、
仮想オブジェクトの場所が、仮想オブジェクトのための遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有するかどうかを決定するステップと、
仮想オブジェクトの場所の遠近調節-輻輳・開散運動不整合が仮想オブジェクトのための遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える場合、ユーザへの仮想オブジェクトの表示を限定するステップと、
を含む、動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と、
を備える、ディスプレイシステム。
【0072】
54.遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値は、ユーザからの距離であって、世界内コンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値より大きく、仮想オブジェクトの場所の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、場所が遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離よりディスプレイシステムのユーザに近いとき、仮想オブジェクトのための遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える、実施例53に記載のディスプレイシステム。
【0073】
55.動作はさらに、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、仮想オブジェクトのための暴露時間閾値を設定するステップであって、世界内コンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値を超える、ステップを含み、
仮想オブジェクトの表示を限定するステップは、
仮想オブジェクトへのユーザの暴露時間を決定するステップであって、暴露時間は、仮想コンテンツが、遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離によって定義された境界を有する、遠近調節-輻輳・開散運動不整合ゾーン内に持続的に位置する間の仮想コンテンツへのユーザの暴露の持続時間である、ステップと、
暴露時間閾値を超えた後、仮想オブジェクトを表示することを控えるステップと、
を含む、実施例53に記載のディスプレイシステム。
【0074】
56.仮想オブジェクトを表示するように構成される、ディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を設定するステップと、
仮想オブジェクトの場所が、仮想オブジェクトのための遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有することを決定するステップと、
ユーザへの仮想オブジェクトの表示を限定するステップと、
を含む、方法。
【0075】
57.遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値は、ユーザからの距離であって、世界内コンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値より大きく、仮想オブジェクトの場所の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、場所が遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離よりディスプレイシステムのユーザに近いとき、仮想オブジェクトのための遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える、実施例56に記載の方法。
【0076】
58.仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、仮想オブジェクトのための暴露時間閾値を設定するステップであって、世界内コンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値を超える、ステップをさらに含み、
仮想オブジェクトの表示を限定するステップは、
仮想オブジェクトへのユーザの暴露時間を決定するステップであって、暴露時間は、仮想コンテンツが、遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離によって定義された境界を有する、遠近調節-輻輳・開散運動不整合ゾーン内に持続的に位置する間の仮想コンテンツへのユーザの暴露の持続時間である、ステップと、
暴露時間閾値を超えた後、仮想オブジェクトを表示することを控えるステップと、
を含む、実施例56に記載の方法。
【0077】
59.仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、
仮想オブジェクトがユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定に応答して、(i)仮想オブジェクトがユーザの両眼に表示される、双眼提示モードと、(ii)仮想オブジェクトがユーザの片眼のみに表示される、単眼提示モードとの間で切り替えるステップと、
を含む、動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と、
を備える、ディスプレイシステム。
【0078】
60.動作はさらに、
仮想オブジェクトに対応するコンテンツのタイプを識別するステップと、
少なくとも部分的に、仮想オブジェクトに対応するコンテンツの識別されたタイプに基づいて、ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の特定の境界を決定するステップであって、仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定するステップは、仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の特定の境界に交差しているかどうかを決定するステップを含む、ステップと、
を含む、実施例59に記載のディスプレイシステム。
【0079】
61.動作はさらに、
ユーザの両眼のうち、ユーザの特定の眼を選択するステップであって、仮想オブジェクトは、単眼提示モードでは、ユーザの特定の眼のみに表示される、ステップを含む、実施例59に記載のディスプレイシステム。
【0080】
62.動作はさらに、
ユーザの利眼であるユーザの眼を決定するステップであって、ユーザの両眼のうち、ユーザの特定の眼を選択するステップは、少なくとも部分的に、ユーザの利眼であるユーザの眼を決定するステップに基づいて、ユーザの両眼のうち、ユーザの特定の眼を選択するステップを含む、ステップを含む、実施例61に記載のディスプレイシステム。
【0081】
63.動作はさらに、
仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの左部分またはユーザの双眼FOVの右部分内に位置するかどうかを決定するステップであって、ユーザの両眼のうち、ユーザの特定の眼を選択するステップは、少なくとも部分的に、仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの左部分またはユーザの双眼FOVの右部分内に位置するかどうかを決定するステップに基づいて、ユーザの両眼のうち、ユーザの特定の眼を選択するステップを含む、ステップを含む、実施例61に記載のディスプレイシステム。
【0082】
64.動作はさらに、
同一仮想場面内の仮想オブジェクトと1つ以上の他の仮想オブジェクトとの間の距離を決定するステップであって、ユーザの両眼のうち、ユーザの特定の眼を選択するステップは、少なくとも部分的に、同一仮想場面内の仮想オブジェクトと1つ以上の他の仮想オブジェクトとの間の距離を決定するステップに基づいて、ユーザの両眼のうち、ユーザの特定の眼を選択するステップを含む、ステップを含む、実施例61に記載のディスプレイシステム。
【0083】
65.動作はさらに、
仮想オブジェクトの複製バージョンが同一仮想場面内に存在するかどうかを決定するステップであって、ユーザの両眼のうち、ユーザの特定の眼を選択するステップは、少なくとも部分的に、仮想オブジェクトの複製バージョンが同一仮想場面内に存在するかどうかを決定するステップに基づいて、ユーザの両眼のうち、ユーザの特定の眼を選択するステップを含む、ステップを含む、実施例61に記載のディスプレイシステム。
【0084】
66.(i)仮想オブジェクトがユーザの両眼に表示される、双眼提示モードと、(ii)仮想オブジェクトがユーザの片眼のみに表示される、単眼提示モードとの間で切り替えるステップは、
(i)仮想オブジェクトが第1のレベルの明度でユーザの各眼に表示される、双眼提示モードと、(ii)仮想オブジェクトが第2のレベルの明度でユーザの片眼のみに表示される、単眼提示モードとの間で切り替えるステップであって、第2のレベルの明度は、第1のレベルの明度を上回る、ステップを含む、実施例59に記載のディスプレイシステム。
【0085】
67.動作はさらに、
同一仮想場面内の仮想オブジェクトと別の仮想オブジェクトとの間の距離が閾値距離未満であるかどうかを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定および同一仮想場面内の仮想オブジェクトと他の仮想オブジェクトとの間の距離が閾値距離未満であることの決定に応答して、(i)他の仮想オブジェクトがユーザの両眼に表示される、双眼提示モードと、(ii)他の仮想オブジェクトがユーザの片眼のみに表示される、単眼提示モードとの間で切り替えるステップと、
を含む、実施例59に記載のディスプレイシステム。
【0086】
68.動作はさらに、
別の仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定するステップと、
他の仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定に応答して、かつ仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることを決定するステップから独立して、
(i)他の仮想オブジェクトがユーザの両眼に表示される、双眼提示モードと、(ii)他の仮想オブジェクトがユーザの片眼のみに表示される、単眼提示モードとの間で切り替えるステップと、
を含む、実施例59に記載のディスプレイシステム。
【0087】
69.仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定するステップは、仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンと遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性ゾーンとの間の境界に交差しているかどうかを決定するステップを含む、実施例59に記載のディスプレイシステム。
【0088】
70.仮想オブジェクトを表示するように構成される、頭部搭載型ディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、
仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の後の第2の推定値を取得するステップと、
少なくとも、仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第2の推定値に基づいて、仮想オブジェクトがユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界に交差していることを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定に応答して、(i)仮想オブジェクトがユーザの両眼に表示される、双眼提示モードと、(ii)仮想オブジェクトがユーザの片眼のみに表示される、単眼提示モードとの間で切り替えるステップと、
を含む、方法。
【0089】
71.仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、
仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼視野(FOV)内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあるかどうかを決定するステップと、
ユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差しているかどうかを決定するステップと、
仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼FOV内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることの決定およびユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることの決定に応答して、仮想オブジェクトをユーザに提示する2つの異なるモード間で切り替えるステップと、
を含む、動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と、
を備える、ディスプレイシステム。
【0090】
72.仮想オブジェクトを表示するように構成される、頭部搭載型ディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、
仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼視野(FOV)内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることを決定するステップと、
ユーザの輻輳・開散運動点の第1の推定値およびユーザの輻輳・開散運動点の後の第2の推定値を取得するステップと、
少なくとも、ユーザの輻輳・開散運動点の第1の推定値およびユーザの輻輳・開散運動点の第2の推定値に基づいて、ユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることを決定するステップと、
仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼FOV内の場所がユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることの決定およびユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることの決定に応答して、仮想オブジェクトをユーザに提示する2つの異なるモード間で切り替えるステップと、
を含む、方法。
【0091】
73.仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、
仮想オブジェクトに対応するコンテンツのタイプを識別するステップと、
少なくとも部分的に、仮想オブジェクトに対応するコンテンツの識別されたタイプに基づいて、ユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界を決定するステップと、
ユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差しているかどうかを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVのゾーン間の決定された境界に交差していることの決定に応答して、コンテンツの識別されたタイプと関連付けられたタイマの開始とリセットとの間で切り替えるステップと、
コンテンツの識別されたタイプと関連付けられたタイマが切れたかどうかを決定するステップと、
コンテンツの識別されたタイプと関連付けられたタイマが切れたことの決定に応答して、コンテンツの識別されたタイプに従って、仮想オブジェクトを修正するステップと、
を含む、動作を実施させる、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と、
を備える、ディスプレイシステム。
【0092】
74.仮想オブジェクトを表示するように構成される、頭部搭載型ディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、
仮想オブジェクトに対応するコンテンツのタイプを識別するステップと、
少なくとも部分的に、仮想オブジェクトに対応するコンテンツの識別されたタイプに基づいて、ユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界を決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の後の第2の推定値を取得するステップと、
少なくとも、仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第2の推定値に基づいて、仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の決定された境界に交差していることを決定するステップと、
仮想オブジェクトがユーザの双眼FOVのゾーン間の決定された境界に交差していることの決定に応答して、コンテンツの識別されたタイプと関連付けられたタイマの開始とリセットとの間で切り替えるステップと、
を含む、方法。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、前記ディスプレイシステムは、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータ記憶媒体であって、前記1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置するかどうかを決定することと、
前記ユーザが前記融合喪失ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記融合喪失ゾーン内に位置すると決定され、前記ユーザが前記融合喪失ゾーン内の点に輻輳している場合、前記仮想オブジェクトを前記融合喪失ゾーン内に表示することを控えることと
を含む動作を実施させる、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と
を備える、ディスプレイシステム。
(項目2)
前記仮想オブジェクトが融合喪失ゾーン内に位置するかどうかを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ディスプレイシステムのユーザから融合喪失閾値距離未満に位置するかどうかを決定することを含む、項目1に記載のディスプレイシステム。
(項目3)
前記ユーザが前記融合喪失ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定することは、前記ユーザが融合喪失閾値距離未満の距離に輻輳しているかどうかを決定することを含む、項目1に記載のディスプレイシステム。
(項目4)
前記ユーザが前記融合喪失ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定することは、前記ユーザが融合喪失閾値輻輳・開散運動角度未満の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定することを含む、項目1に記載のディスプレイシステム。
(項目5)
前記動作はさらに、
前記仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定することと、
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置する場合、および、前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にある場合、ユーザへの前記仮想オブジェクトの表示を限定することと
を含む、項目1に記載のディスプレイシステム。
(項目6)
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満に位置するかどうかを決定することを含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目7)
前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離は、15cmである、項目6に記載のディスプレイシステム。
(項目8)
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回って位置するかどうかを決定することを含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目9)
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置するかどうかを決定することはさらに、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満に位置するかどうかを決定することを含む、項目8に記載のディスプレイシステム。
(項目10)
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定することは、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満であるかどうかを決定することを含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目11)
前記融合喪失閾値距離は、10cmである、項目10に記載のディスプレイシステム。
(項目12)
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定することは、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回るかどうかを決定することを含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目13)
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定することはさらに、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満であるかどうかを決定することを含む、項目12に記載のディスプレイシステム。
(項目14)
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあるかどうかを決定することは、
前記ユーザが前記仮想オブジェクトに輻輳しているかどうかを決定すること
を含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目15)
前記ユーザが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定することは、前記ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度の所定の範囲内の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定することを含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目16)
前記ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度の所定の範囲外の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定することは、前記ユーザが最小遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度未満の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定することを含む、項目15に記載のディスプレイシステム。
(項目17)
前記ユーザが遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度の所定の範囲外の輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定することは、前記ユーザが最大遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性角度を上回る輻輳・開散運動角度に対応する点に輻輳しているかどうかを決定することを含む、項目15に記載のディスプレイシステム。
(項目18)
前記ユーザが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定することは、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性距離の所定の範囲内にあるかどうかを決定することを含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目19)
前記ユーザが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定することは、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が最小遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性距離未満であるかどうかを決定することを含む、項目18に記載のディスプレイシステム。
(項目20)
前記ユーザが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内の点に輻輳しているかどうかを決定することは、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が最大遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性距離を上回るかどうかを決定することを含む、項目18に記載のディスプレイシステム。
(項目21)
冷却周期にわたって前記仮想コンテンツの表示を中止した後、前記仮想コンテンツを再表示することをさらに含み、前記仮想コンテンツを再表示することは、仮想コンテンツを前記融合喪失ゾーン外の場所に表示することを含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目22)
前記動作はさらに、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定することと、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズを設定することであって、世界内コンテンツに関する関連付けられた遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズは、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズを超える、ことと
を含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目23)
表示を限定することは、
前記仮想オブジェクトへの前記ユーザの暴露時間を決定することであって、前記暴露時間は、前記仮想コンテンツが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に持続的に位置する間の前記仮想コンテンツへの前記ユーザの暴露の持続時間である、ことと、
暴露時間閾値を超えた後、前記仮想オブジェクトを前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えることと
を含む、項目5に記載のディスプレイシステム。
(項目24)
前記仮想オブジェクトを前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えることは、前記視認者の片眼への前記仮想オブジェクトの表示を停止する一方、仮想オブジェクトを前記視認者の他方の眼に表示し続けることを含む、項目23に記載のディスプレイシステム。
(項目25)
前記仮想オブジェクトを前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離内に表示することを控えることは、前記仮想オブジェクトの表示を前記視認者の眼間で交互させることによって、前記視認者の各眼への前記仮想オブジェクトの表示を断続的に停止することを含む、項目23に記載のディスプレイシステム。
(項目26)
前記動作はさらに、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定することと、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、前記暴露時間閾値を設定することであって、世界内コンテンツのための関連付けられた暴露時間閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値を超える、ことと
を含む、項目23に記載のディスプレイシステム。
(項目27)
波面発散の量の変動に伴って前記仮想オブジェクトを形成する光を出力するように構成される光学系をさらに備える、項目1に記載のディスプレイシステム。
(項目28)
前記光学系は、導波管のスタックを備え、前記導波管の異なるものは、異なる量の波面発散を伴う光を出力する、項目27に記載のディスプレイシステム。
(項目29)
前記視認者への出力のために、画像情報を含む光を前記光学系の中に指向するための投影システムをさらに備える、項目27に記載のディスプレイシステム。
(項目30)
前記投影システムは、光源と、前記光源からの光を変調させるように構成される空間光変調器とを備える、項目27に記載のディスプレイシステム。
(項目31)
前記視認者の眼の配向を決定するためのセンサをさらに備え、前記ディスプレイシステムは、前記センサからの情報に基づいて、固視点を決定するように構成される、項目1に記載のディスプレイシステム。
(項目32)
前記センサは、前記視認者の眼を結像するように構成される内向きに面したカメラを備える、項目31に記載のディスプレイシステム。
(項目33)
前記仮想オブジェクトを前記融合喪失ゾーン内に表示することを控えることは、前記視認者の片眼への前記仮想オブジェクトの表示を停止する一方、仮想オブジェクトを前記視認者の他方の眼に表示し続けることを含む、項目1に記載のディスプレイシステム。
(項目34)
前記仮想オブジェクトを前記融合喪失ゾーン内に表示することを控えることは、前記仮想オブジェクトの表示を前記視認者の眼間で交互させることによって、前記視認者の各眼への前記仮想オブジェクトの表示を断続的に停止することを含む、項目1に記載のディスプレイシステム。
(項目35)
仮想オブジェクトを表示するように構成されるディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、前記方法は、
前記仮想オブジェクトが前記ディスプレイシステムのユーザの融合喪失ゾーン内に位置することを決定することと、
前記仮想オブジェクトを前記融合喪失ゾーン内に表示することを控えることと
を含む、方法。
(項目36)
前記仮想オブジェクトが前記融合喪失ゾーン内に位置することを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから融合喪失閾値距離未満に位置することを決定することを含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記仮想オブジェクトが前記ユーザの遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置することを決定することと、
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定することと、
ユーザへの前記仮想オブジェクトの表示を限定することと
をさらに含む、項目35に記載の方法。
(項目38)
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置することを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満に位置することを決定することを含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置することを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回って位置することを決定することを含む、項目37に記載の方法。
(項目40)
前記仮想オブジェクトが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に位置することを決定することはさらに、前記仮想オブジェクトが前記ユーザから近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満に位置することを決定することを含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定することは、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満であることを決定することを含む、項目37に記載の方法。
(項目42)
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定することは、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が遠方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離を上回ることを決定することを含む、項目37に記載の方法。
(項目43)
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定することはさらに、前記ユーザの輻輳・開散運動距離が近方の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンの遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離未満であることを決定することを含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内にあることを決定することは、
前記ユーザが前記仮想オブジェクトに輻輳していることを決定すること
を含む、項目37に記載の方法。
(項目45)
冷却周期にわたって前記仮想コンテンツの表示を中止した後、前記仮想コンテンツを再表示することをさらに含み、前記仮想コンテンツを再表示することは、仮想コンテンツを前記融合喪失ゾーン外の場所に表示することを含む、項目37に記載の方法。
(項目46)
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定することと、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズを設定することであって、世界内コンテンツに関する関連付けられた遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズは、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンのサイズを超える、ことと
をさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目47)
表示を限定することは、
前記仮想オブジェクトへの前記ユーザの暴露時間を決定することであって、前記暴露時間は、前記仮想コンテンツが前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に持続的に位置する間の前記仮想コンテンツへの前記ユーザの暴露の持続時間である、ことと、
暴露時間閾値を超えた後、前記仮想オブジェクトを前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えることと
を含む、項目37に記載の方法。
(項目48)
前記動作はさらに、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定することと、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、前記暴露時間閾値を設定することであって、世界内コンテンツのための関連付けられた暴露時間閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値を超える、ことと
を含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記仮想オブジェクトを前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えることは、前記視認者の片眼への前記仮想オブジェクトの表示を停止する一方、仮想オブジェクトを前記視認者の他方の眼に表示し続けることを含む、項目47に記載の方法。
(項目50)
前記仮想オブジェクトを前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えることは、前記仮想オブジェクトの表示を前記視認者の眼間で交互させることによって、前記視認者の各眼への前記仮想オブジェクトの表示を断続的に停止することを含む、項目47に記載の方法。
(項目51)
前記仮想オブジェクトを前記融合喪失ゾーン内に表示することを控えることは、前記視認者の片眼への前記仮想オブジェクトの表示を停止する一方、仮想オブジェクトを前記視認者の他方の眼に表示し続けることを含む、項目35に記載の方法。
(項目52)
前記仮想オブジェクトを前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーン内に表示することを控えることは、前記仮想オブジェクトの表示を前記視認者の眼間で交互させることによって、前記視認者の各眼への前記仮想オブジェクトの表示を断続的に停止することを含む、項目35に記載の方法。
(項目53)
仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、前記ディスプレイシステムは、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータ記憶媒体であって、前記1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定することと、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を設定することと、
前記仮想オブジェクトの場所が、前記仮想オブジェクトのための前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有するかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトの場所の前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合が前記仮想オブジェクトのための前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える場合、ユーザへの前記仮想オブジェクトの表示を限定することと
を含む動作を実施させる、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と
を備える、ディスプレイシステム。
(項目54)
前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値は、前記ユーザからの距離であり、世界内コンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値より大きく、前記仮想オブジェクトの場所の前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、前記場所が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離より前記ディスプレイシステムのユーザに近いとき、前記仮想オブジェクトのための前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える、項目53に記載のディスプレイシステム。
(項目55)
前記動作はさらに、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、前記仮想オブジェクトのための暴露時間閾値を設定することであって、世界内コンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値を超える、こと
を含み、
前記仮想オブジェクトの表示を限定することは、
前記仮想オブジェクトへの前記ユーザの暴露時間を決定することであって、前記暴露時間は、前記仮想コンテンツが、前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離によって定義された境界を有する遠近調節-輻輳・開散運動不整合ゾーン内に持続的に位置する間の前記仮想コンテンツへの前記ユーザの暴露の持続時間である、ことと、
前記暴露時間閾値を超えた後、前記仮想オブジェクトを表示することを控えることと
を含む、項目53に記載のディスプレイシステム。
(項目56)
仮想オブジェクトを表示するように構成されるディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、前記方法は、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかを決定することと、
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を設定することと、
前記仮想オブジェクトの場所が、前記仮想オブジェクトのための前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有することを決定することと、
ユーザへの前記仮想オブジェクトの表示を限定することと
を含む、方法。
(項目57)
前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値は、前記ユーザからの距離であり、世界内コンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値より大きく、前記仮想オブジェクトの場所の前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、前記場所が前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離より前記ディスプレイシステムのユーザに近いとき、前記仮想オブジェクトのための前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値を超える、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、前記仮想オブジェクトのための暴露時間閾値を設定することであって、世界内コンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値は、ユーザにロックされたコンテンツに関する関連付けられた暴露時間閾値を超える、こと
をさらに含み、
前記仮想オブジェクトの表示を限定することは、
前記仮想オブジェクトへの前記ユーザの暴露時間を決定することであって、前記暴露時間は、前記仮想コンテンツが、前記遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離によって定義された境界を有する遠近調節-輻輳・開散運動不整合ゾーン内に持続的に位置する間の前記仮想コンテンツへの前記ユーザの暴露の持続時間である、ことと、
前記暴露時間閾値を超えた後、前記仮想オブジェクトを表示することを控えることと
を含む、項目56に記載の方法。
(項目59)
仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、前記ディスプレイシステムは、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータ記憶媒体であって、前記1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記仮想オブジェクトがユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定に応答して、(i)前記仮想オブジェクトが前記ユーザの両眼に表示される双眼提示モードと、(ii)前記仮想オブジェクトが前記ユーザの片眼のみに表示される単眼提示モードとの間で切り替えることと
を含む動作を実施させる、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と
を備える、ディスプレイシステム。
(項目60)
前記動作はさらに、
前記仮想オブジェクトに対応するコンテンツのタイプを識別することと、
少なくとも部分的に、前記仮想オブジェクトに対応するコンテンツの識別されたタイプに基づいて、前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の特定の境界を決定することであって、前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定することは、前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の特定の境界に交差しているかどうかを決定することを含む、ことと
を含む、項目59に記載のディスプレイシステム。
(項目61)
前記動作はさらに、前記ユーザの両眼のうち、前記ユーザの特定の眼を選択することであって、前記仮想オブジェクトは、前記単眼提示モードでは、前記ユーザの特定の眼のみに表示される、こと
を含む、項目59に記載のディスプレイシステム。
(項目62)
前記動作はさらに、
前記ユーザの利眼である前記ユーザの眼を決定することであって、前記ユーザの両眼のうちの前記ユーザの特定の眼を選択することは、少なくとも部分的に、前記ユーザの利眼である前記ユーザの眼を決定することに基づいて、前記ユーザの両眼のうちの前記ユーザの特定の眼を選択することを含む、こと
を含む、項目61に記載のディスプレイシステム。
(項目63)
前記動作はさらに、
前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの左部分または前記ユーザの双眼FOVの右部分内に位置するかどうかを決定することであって、前記ユーザの両眼のうちの前記ユーザの特定の眼を選択することは、少なくとも部分的に、前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの左部分または前記ユーザの双眼FOVの右部分内に位置するかどうかを決定することに基づいて、前記ユーザの両眼のうちの前記ユーザの特定の眼を選択することを含む、こと
を含む、項目61に記載のディスプレイシステム。
(項目64)
前記動作はさらに、
同一仮想場面内の前記仮想オブジェクトと1つ以上の他の仮想オブジェクトとの間の距離を決定することであって、前記ユーザの両眼のうちの前記ユーザの特定の眼を選択することは、少なくとも部分的に、同一仮想場面内の前記仮想オブジェクトと1つ以上の他の仮想オブジェクトとの間の距離を決定することに基づいて、前記ユーザの両眼のうちの前記ユーザの特定の眼を選択することを含む、こと
を含む、項目61に記載のディスプレイシステム。
(項目65)
前記動作はさらに、
前記仮想オブジェクトの複製バージョンが同一仮想場面内に存在するかどうかを決定することであって、前記ユーザの両眼のうちの前記ユーザの特定の眼を選択することは、少なくとも部分的に、前記仮想オブジェクトの複製バージョンが同一仮想場面内に存在するかどうかを決定することに基づいて、前記ユーザの両眼のうちの前記ユーザの特定の眼を選択することを含む、こと
を含む、項目61に記載のディスプレイシステム。
(項目66)
(i)前記仮想オブジェクトが前記ユーザの両眼に表示される前記双眼提示モードと、(ii)前記仮想オブジェクトが前記ユーザの片眼のみに表示される前記単眼提示モードとの間で切り替えることは、
(i)前記仮想オブジェクトが第1のレベルの明度で前記ユーザの各眼に表示される双眼提示モードと、(ii)前記仮想オブジェクトが第2のレベルの明度で前記ユーザの片眼のみに表示される単眼提示モードとの間で切り替えることであって、前記第2のレベルの明度は、前記第1のレベルの明度を上回る、こと
を含む、項目59に記載のディスプレイシステム。
(項目67)
前記動作はさらに、
同一仮想場面内の前記仮想オブジェクトと別の仮想オブジェクトとの間の距離が閾値距離未満であるかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定および同一仮想場面内の前記仮想オブジェクトと前記他の仮想オブジェクトとの間の距離が前記閾値距離未満であることの決定に応答して、(i)前記他の仮想オブジェクトが前記ユーザの両眼に表示される双眼提示モードと、(ii)前記他の仮想オブジェクトが前記ユーザの片眼のみに表示される単眼提示モードとの間で切り替えることと
を含む、項目59に記載のディスプレイシステム。
(項目68)
前記動作はさらに、
別の仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定することと、
前記他の仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定に応答して、かつ前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることを決定することから独立して、(i)前記他の仮想オブジェクトが前記ユーザの両眼に表示される双眼提示モードと、(ii)前記他の仮想オブジェクトが前記ユーザの片眼のみに表示される単眼提示モードとの間で切り替えることと
を含む、項目59に記載のディスプレイシステム。
(項目69)
前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定することは、前記仮想オブジェクトが遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンと遠近調節-輻輳・開散運動不整合快適性ゾーンとの間の境界に交差しているかどうかを決定することを含む、項目59に記載のディスプレイシステム。
(項目70)
仮想オブジェクトを表示するように構成される頭部搭載型ディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、前記方法は、
前記仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および前記仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の後の第2の推定値を取得することと、
少なくとも、前記仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および前記仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第2の推定値に基づいて、前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界に交差していることを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定に応答して、(i)前記仮想オブジェクトが前記ユーザの両眼に表示される双眼提示モードと、(ii)前記仮想オブジェクトが前記ユーザの片眼のみに表示される単眼提示モードとの間で切り替えることと
を含む、方法。
(項目71)
仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、前記ディスプレイシステムは、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータ記憶媒体であって、前記1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼視野(FOV)内の場所が前記ユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあるかどうかを決定することと、
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差しているかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトが知覚されることになる前記ユーザの双眼FOV内の場所が前記ユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることの決定および前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることの決定に応答して、前記仮想オブジェクトをユーザに提示する2つの異なるモード間で切り替えることと
を含む動作を実施させる、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と
を備える、ディスプレイシステム。
(項目72)
仮想オブジェクトを表示するように構成される頭部搭載型ディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、前記方法は、
前記仮想オブジェクトが知覚されることになるユーザの双眼視野(FOV)内の場所が前記ユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることを決定することと、
前記ユーザの輻輳・開散運動点の第1の推定値および前記ユーザの輻輳・開散運動点の後の第2の推定値を取得することと、
少なくとも、前記ユーザの輻輳・開散運動点の第1の推定値および前記ユーザの輻輳・開散運動点の第2の推定値に基づいて、前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることを決定することと、
前記仮想オブジェクトが知覚されることになる前記ユーザの双眼FOV内の場所が前記ユーザの双眼FOVの快適性ゾーン外にあることの決定および前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差していることの決定に応答して、前記仮想オブジェクトをユーザに提示する2つの異なるモード間で切り替えることと
を含む、方法。
(項目73)
仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、前記ディスプレイシステムは、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータ記憶媒体であって、前記1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記仮想オブジェクトに対応するコンテンツのタイプを識別することと、
少なくとも部分的に、前記仮想オブジェクトに対応するコンテンツの識別されたタイプに基づいて、ユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界を決定することと、
前記ユーザの輻輳・開散運動点が前記仮想オブジェクトに対して定義された距離閾値に交差しているかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVのゾーン間の決定された境界に交差していることの決定に応答して、コンテンツの識別されたタイプと関連付けられたタイマの開始とリセットとの間で切り替えることと、
前記コンテンツの識別されたタイプと関連付けられたタイマが切れたかどうかを決定することと、
前記コンテンツの識別されたタイプと関連付けられたタイマが切れたことの決定に応答して、コンテンツの識別されたタイプに従って、前記仮想オブジェクトを修正することと
を含む動作を実施させる、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と
を備える、ディスプレイシステム。
(項目74)
仮想オブジェクトを表示するように構成される頭部搭載型ディスプレイデバイスを動作させるための方法であって、前記方法は、
前記仮想オブジェクトに対応するコンテンツのタイプを識別することと、
少なくとも部分的に、前記仮想オブジェクトに対応するコンテンツの識別されたタイプに基づいて、ユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界を決定することと、
仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および前記仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の後の第2の推定値を取得することと、
少なくとも、前記仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第1の推定値および前記仮想オブジェクトがユーザによって知覚されることになる場所の第2の推定値に基づいて、前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の決定された境界に交差していることを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVのゾーン間の決定された境界に交差していることの決定に応答して、コンテンツの識別されたタイプと関連付けられたタイマの開始とリセットとの間で切り替えることと
を含む、方法。
(項目75)
仮想オブジェクトを表示するためのディスプレイシステムであって、前記ディスプレイシステムは、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータ記憶媒体であって、前記1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記仮想オブジェクトがユーザの双眼視野(FOV)の異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定することと、
前記仮想オブジェクトが前記ユーザの双眼FOVの異なるゾーン間の境界に交差していることの決定に応答して、(i)前記仮想オブジェクトが前記ユーザの両眼に表示される双眼提示モードと、(ii)前記仮想オブジェクトが前記ユーザの片眼のみに表示される単眼提示モードとの間で切り替えることと
を含む動作を実施させる、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と
を備える、ディスプレイシステム。
【図面の簡単な説明】
【0093】
図1図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0094】
図2図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0095】
図3図3A-3Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0096】
図4A図4Aは、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現を図示する。
【0097】
図4B図4Bは、一対のユーザの眼の異なる遠近調節状態および輻輳・開散運動状態の実施例を図示する。
【0098】
図4C図4Cは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の実施例を図示する。
【0099】
図4D図4Dは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の別の実施例を図示する。
【0100】
図5図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0101】
図6図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0102】
図7図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0103】
図8図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0104】
図9A図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0105】
図9B図9Bは、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図を図示する。
【0106】
図9C図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0107】
図9D図9Dは、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0108】
図10図10は、単一深度平面ディスプレイシステムに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合のプロットの実施例を図示する。
【0109】
図11A図11Aは、2深度平面ディスプレイシステムおよび1深度ディスプレイシステムに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合のプロットの実施例を図示する。
【0110】
図11B図11Bは、2深度平面ディスプレイシステムに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合のプロットの別の実施例を図示する。
【0111】
図11C図11Cは、図11Bの2深度構成の別の表現を図示する。
【0112】
図12A図12Aは、視認者に対する遠近調節-輻輳・開散運動不整合(AVM)不快感ゾーンおよび融合喪失ゾーンの上下概略図の実施例を図示する。
【0113】
図12B図12Bは、視認者に対する遠近調節-輻輳・開散運動不整合(AVM)不快感ゾーンおよび融合喪失ゾーンの上下概略図の別の実施例を図示する。
【0114】
図12C図12Cは、視認者の単眼視野を考慮した、AVM不快感ゾーンの上下概略図の実施例を図示する。
【0115】
図12D図12Dは、光学無限遠を包含する、AVM不快感ゾーンの上下概略図の実施例を図示する。
【0116】
図12E図12Eは、AVM不快感ゾーンおよび快適性ゾーンの上下概略図の実施例を図示する。
【0117】
図13A図13Aは、仮想オブジェクトの表示をクリッピングすべきかどうかを決定するための例示的プロセスのフローチャートを図示する。
【0118】
図13B図13Bは、仮想オブジェクトの表示をクリッピングすべきかどうかを決定するための別の例示的プロセスのフローチャートを図示する。
【0119】
図13C図13Cは、仮想オブジェクトの表示をクリッピングすべきかどうかを決定するためのさらに別の例示的プロセスのフローチャートを図示する。
【0120】
図14図14は、視認者に対する複数の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンおよび融合喪失ゾーンの上下概略図の実施例を図示する。
【0121】
図15図15は、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、仮想オブジェクトの表示をクリッピングすべきかどうかを決定するための例示的プロセスのフローチャートを図示する。
【0122】
図16図16は、別個のアプリケーションがその独自のクリッピング機能を規定する場合における、仮想オブジェクトの表示をクリッピングすべきかどうかを決定するための例示的プロセスのフローチャートを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0123】
仮想および拡張ディスプレイシステムは、種々の画像コンテンツを提供し得、その充実度は、長時間にわたってシステムによって提示されるコンテンツを視認するユーザの能力に伴って増加し得る。例えば、拡張現実ディスプレイシステムは、従来のディスプレイ(例えば、コンピュータモニタ、スマートフォンディスプレイ等)と単一デバイスを置換する潜在性をもたらし、また、そうでなければ利用可能ではないコンテンツを提供することによって、世界のユーザの知覚を拡張し得る。
【0124】
本明細書に説明されるように、ディスプレイシステムは、輻輳・開散運動キューおよび遠近調節キューの両方を利用して、表示される仮想コンテンツを奥行感とともに提示し得る。輻輳・開散運動キューは、仮想オブジェクトの若干異なるビューをユーザの各眼に提示することによって生成されてもよい。遠近調節キューは、それらの若干異なるビューを形成する、光の波面発散から導出されてもよい。輻輳・開散運動キューは、眼を回転させ、例えば、眼が仮想オブジェクト上に収束する、特定の輻輳・開散運動状態をとらせる。遠近調節キューは、眼の水晶体に、仮想オブジェクトの集束された画像を眼の網膜上に提供する、特定の形状をとらせ得る。したがって、特定の輻輳・開散運動キューは、眼に特定の輻輳・開散運動状態をとらせ得(例えば、特定の方向に回転させ、オブジェクト上に収束させることによって)、特定の遠近調節キューは、眼に特定の遠近調節状態をとらせ得る(例えば、眼の水晶体の形状を変化させることによって)。眼が収束する、空間内の点は、輻輳・開散運動点または固視点とも称され得る。
【0125】
空間内の実オブジェクトは、特定の輻輳・開散運動キューが、特定の輻輳・開散運動距離と相関され得、特定の遠近調節キューが、同様に、視認者から離れた特定の遠近調節距離と相関され得るように、視認者からの光学またはz-軸に沿ったその距離に基づいて変動する、整合された輻輳・開散運動および遠近調節キューを提供することを理解されたい。遠近調節状態および輻輳・開散運動状態は、異なる刺激によって生じ得るため、輻輳・開散運動キューが、特定のオブジェクトが視認者から特定の距離にあることを示し得る一方、遠近調節キューが、本オブジェクトが、異なる位置、すなわち、異なる距離に位置することを示し得る、遠近調節-輻輳・開散運動不整合(AVM)を有することが、可能性として考えられる。仮想オブジェクトを表示するときの遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、仮想オブジェクトに関する輻輳・開散運動と遠近調節距離との間のジオプタの差異として定義され得る。
【0126】
ヒト視覚系は、あるレベルの遠近調節-輻輳・開散運動不整合に耐性があることが見出されている。その結果、不整合耐性内では、一実施例では、遠近調節キューは、同一のままであり得る一方、輻輳・開散運動キューは、限定された量だけ変動し、それによって、仮想オブジェクトの知覚される深度を変動させ得る。いくつかの実施形態では、輻輳・開散運動キューは、持続的に変動し得る一方、遠近調節キューは、離散ステップにおいて変動し、遠近調節と輻輳・開散運動との間の不整合は、不整合耐性レベルを下回って維持される。遠近調節-輻輳・開散運動不整合耐性の実施例は、0.75ジオプタまたはそれ未満、0.66ジオプタまたはそれ未満、0.5ジオプタまたはそれ未満、0.33ジオプタまたはそれ未満、または0.25ジオプタまたはそれ未満を含む。不整合耐性が、ディスプレイシステムのためにデフォルト値としてプログラムされてもよく、および/または異なる視認者のために変動してもよい(例えば、視認者によって選択可能であって、および/または較正に基づいて視認者のために選択されてもよい)ことを理解されたい。
【0127】
遠近調節キューに関して、特定の量の波面発散が、特定の深度平面と関連付けられることを理解されたい。すなわち、ディスプレイシステムによって出力された光の波面発散は、z-軸に沿った特定の深度における実オブジェクトから生じる光の波面発散に対応する。その結果、波面発散、したがって、遠近調節キューを変化させることは、ディスプレイシステムが仮想オブジェクトを提示する深度平面を切り替えることを伴うと理解され得る。いくつかの実施形態では、深度平面は、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を容認可能耐性レベルを下回って維持するために切り替えられてもよい。各深度平面は、その深度平面から生じるように現れる光に関する対応する波面発散を伴う、公称焦点深度を有し得る。しかしながら、遠近調節-輻輳・開散運動不整合耐性に起因して、コンテンツは、輻輳・開散運動キューが、仮想オブジェクトが深度平面より視認者により近いまたはそこからより遠い知覚を提供するために利用され得ても、その深度平面「上」に表示され得る(すなわち、その深度平面に対応する波面発散を伴う)。特定の深度平面が利用され得る距離の外側境界は、遠近調節-輻輳・開散運動不整合によって決定され、これは、本明細書に開示されるように、ジオプタの単位で測定され得る。いくつかの実施形態では、最遠深度平面は、光学無限遠の遠近調節-輻輳・開散運動不整合耐性内にあり得、次の最遠深度平面は、最遠深度平面の遠近調節-輻輳・開散運動不整合耐性によって作り出される体積の遠近調節-輻輳・開散運動不整合耐性内にあり得る等となる。ある他の実施形態では、基準深度平面(例えば、最近深度平面)は、視認者からの選択された距離であってもよく、Z-軸上の1つ以上の他の深度平面の位置は、その基準深度平面の遠近調節-輻輳・開散運動不整合耐性内にあるように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、単一深度平面(基準深度平面のみ)が、利用されてもよい。
【0128】
実践的および/または技術的制約に起因して、ディスプレイシステムは、波面発散を変動させ、および/またはある量の波面発散、特に、視認者に近い距離におけるオブジェクトと関連付けられた比較的に大量の波面発散、または最遠深度平面が視認者に近く、システムが、したがって、大量の波面発散を提供するように構成される、システム内の光学無限遠に近接する、またはそこにあるオブジェクトと関連付けられた少量の波面発散を提示する、その能力において限定され得ることを理解されたい。その結果、ディスプレイシステムの異なる遠近調節キューを提示する能力は、異なる輻輳・開散運動キューを提示する、その能力を超え得る。視認者からのある距離では、遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、容認可能耐性、または閾値、レベルを超え、したがって、視認者不快感を生じさせ得る。これらの距離は、視認者の周囲の体積またはゾーンの境界を定義すると理解され得ることを理解されたい。例えば、ゾーンは、ゾーン内の任意の位置におけるオブジェクトの遠近調節-輻輳・開散運動不整合が、視認者のAVM閾値または遠近調節-輻輳・開散運動不整合耐性を超える、AVM不快感ゾーンと理解され得る。いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーン外の任意の点における遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、遠近調節-輻輳・開散運動不整合耐性内に留まる。いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーンの境界は、視認者から一定距離を有する、表面によって定義されてもよい。ある他の実施形態では、表面は、視認者の視線の方向に応じて、視認者から可変距離を有してもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムが近距離における仮想オブジェクトのために十分に高レベルの波面発散を提供しない、シナリオに関して、近方のAVM不快感ゾーンは、視認者に近接する体積として提示され得る。ある他の実施例では、ディスプレイシステムが遠距離における仮想オブジェクトために十分に低レベルの波面発散を提供しない、シナリオに関して、遠方のAVM不快感ゾーンは、光学無限遠に近接し、それを包含する、体積として提示され得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、近くおよび遠方のAVM不快感ゾーンの両方を有し得、1つのAVM不快感ゾーンは、視認者に近接し、別のAVM不快感ゾーンは、光学無限遠を包含する。
【0130】
加えて、理論によって限定されるわけではないが、ヒト視覚系は、限定された時間量にわたって、閾値レベルを超える遠近調節-輻輳・開散運動不整合に耐性があり得ると考えられるが、本耐性は、視認者の融合喪失ゾーン内の距離まで延在し得ないことが見出されている。融合喪失ゾーン(LoF)は、視認者に、典型的には、その眼を意識的に歪ませない限り、それらの距離(すなわち、融合喪失ゾーン内)のオブジェクトの重なりが見えるように、ヒト視覚系が各眼によって見られる画像を組み合わせない(またはヒト視覚系が各眼によって見られる画像を組み合わせることを可能にするために、視認者がその眼を歪ませなければならない)、視認者に近い距離を含むことを理解されたい。実際、比較的に高遠近調節-輻輳・開散運動不整合によって生じる視認者不快感は、融合喪失(すなわち、二重視覚)と結合されるとき、増幅され得る。下記にさらに詳細に説明されるように、融合喪失ゾーンはまた、LoFゾーンが、画像融合につながらない、視認者輻輳・開散運動角度と関連付けられた3次元空間内の点を含むように、輻輳・開散運動角度の観点から定義されることができる。視認距離と視認者輻輳・開散運動角度との間の三角法関係を前提として、比較的に広視認者輻輳・開散運動角度は、比較的に近い視認距離と同様に、双眼画像融合への妨げと見なされ得る。いずれの場合も、LoFゾーンの外側境界に沿った3次元空間内の各点は、少なくともいくつかの実施例では、個別の視認位置および配向のための「収束近点」(NPC)(すなわち、双眼の融合された単一視の最近点)を表すと見なされ得る。例えば、ヒト視覚系は、外側境界内では、各眼によって見られる画像を組み合わせなくてもよい一方、各眼外側境界の外側では、各眼によって見られる画像を組み合わせる。外側境界は、視認者から固定距離にあってもよい、または視認者の視線の方向に応じて、可変距離にあってもよい。
【0131】
また、視認者に表示される仮想コンテンツは、いくつかの実施形態では、ユーザにロックされたコンテンツおよび世界内コンテンツを含んでもよいことを理解されたい。ユーザにロックされたコンテンツは、視認者が、その頭部を移動させる、または目を逸らすことによって、コンテンツを回避することができないように、視認者の視野内にロックされた仮想コンテンツを含む。例えば、ユーザにロックされたコンテンツは、視認者に追従し、視認者の視野内に留まる、通知(例えば、広告、ユーザインターフェースオブジェクト等)を含んでもよい。すなわち、それらは、外部環境に対して定位置にアンカされず、ディスプレイシステムを利用するとき、回避され得ない。他方では、世界内コンテンツは、周囲環境、周囲環境内のあるオブジェクトにアンカされる、仮想コンテンツ、または視認者の視野内の視認者に厳格にアンカされない、その他のコンテンツである。その結果、視認者は、その頭部を移動させる、方向転換させる等によって、世界内コンテンツのそのビューを変化させ、および/またはそれが見えることを回避してもよい。理論によって限定されるわけではないが、視認者は、世界内コンテンツよりユーザにロックされたコンテンツに関して、遠近調節-輻輳・開散運動不整合に敏感であり得ると考えられる。仮想コンテンツは、仮想オブジェクトとも称され得、両用語は、本明細書では、同義的に使用されることを理解されたい。
【0132】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、視認者がAVM不快感ゾーン内の点に輻輳しているかどうか(例えば、AVM不快感ゾーンが視認者に近接するインスタンスでは、AVM閾値距離未満において、またはAVM不快感ゾーンが光学無限遠を包含するとき、AVM閾値距離を上回って)および/またはオブジェクトがAVM不快感ゾーン内に位置付けられているかどうか(例えば、AVM不快感ゾーンが視認者に近接する場合、遠近調節-輻輳・開散運動不整合(AVM)閾値距離未満において、またはAVM不快感ゾーンが光学無限遠を包含するとき、AVM閾値距離を上回って)を決定するステップを含む、分析を使用して、仮想オブジェクトの表示を修正するように構成されてもよい(すなわち、仮想オブジェクトを「クリッピング」するため)。仮想オブジェクトの表示を修正するステップは、本明細書に説明されるように、例えば、(片眼または両眼内における)仮想オブジェクトの表示を停止するステップ、オブジェクトの位置を変化させるステップ(例えば、オブジェクトを視認者から離れるように移動させることによって)等を含んでもよい。加えて、または代替として、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがLoFゾーン内に位置付けられているかどうかを決定するように構成されてもよい(例えば、視認者から融合喪失(LoF)閾値距離未満において)。仮想オブジェクトがLoFゾーン内にある場合、システムは、そのオブジェクトの表示をクリッピングするように構成されてもよい。仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内にあるが、LoFゾーン外にある場合、システムは、そのオブジェクトの表示を限定するステップに関する所定のアクションを行うように構成されてもよい。例えば、所定のアクションは、オブジェクトがAVM不快感ゾーン内に表示される時間量を限定するステップ、次いで、そのオブジェクトの表示を停止またはフェードアウトさせるステップ、および/またはオブジェクトをAVM不快感ゾーン外に移動させるステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、所定の冷却周期後、ディスプレイシステムは、再び、クリッピングされた仮想オブジェクトを表示するように構成されてもよい。仮想オブジェクトおよびその位置は、再び、本明細書に開示されるように、分析され、再びクリッピングされるべきであるかどうかを決定してもよいことを理解されたい。
【0133】
いくつかの実施形態では、オブジェクトがAVM不快感ゾーン内に表示され得る、時間量は、例えば、1秒またはそれ未満、10秒またはそれ未満、30秒またはそれ未満、3分またはそれ未満、および/または可変ユーザまたはシステム選択時間量に限定される。視認者がAVM不快感ゾーン内のコンテンツに暴露される、時間量は、暴露時間と称され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、暴露時間は、冷却周期を決定するために利用されてもよい。例えば、冷却周期の持続時間は、暴露時間の持続時間に伴って増加し得る。いくつかの実施形態では、冷却周期は、3秒以上、5秒以上、または10秒以上であってもよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーンのサイズは、表示されているコンテンツのタイプに応じて、変動し得る。例えば、ユーザにロックされたコンテンツは、世界内コンテンツより小さいAVM不快感ゾーンを有し得る。その結果、ディスプレイシステムは、上記およびさらに下記に議論されるクリッピングのための分析を実施する前に、表示されているコンテンツのタイプを決定し、したがって、適切なAVM不快感ゾーン境界を決定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツまたは世界内コンテンツを構成するかどうかに応じて、AVM閾値距離を変動させることに加えて、またはその代替として、オブジェクトへの暴露のための時間限界も、コンテンツタイプに基づいて、変動され得る。例えば、ユーザにロックされたコンテンツは、世界内コンテンツ(例えば、10秒またはそれ未満)より短い暴露時間限界(例えば、1秒またはそれ未満)を有し得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはさらに、視認者が、実際に、仮想オブジェクトに輻輳しているかどうか(例えば、輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトの場所に対応するかどうか)を決定するように構成されてもよい。システムが、視認者が仮想オブジェクトに輻輳していないと決定する場合、オブジェクトは、クリッピングされない。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがユーザの視野内にあるかどうかを決定し、視野外にある場合、そのオブジェクトの表示に対処しないように構成されてもよい。有利には、AVM不快感ゾーン内の全てのコンテンツをクリッピングするのではなく、オブジェクトのクリッピングを、視認者が実際にAVM不快感ゾーン内に輻輳している(例えば、視認者に近接するAVM不快感ゾーンに関しては、AVM閾値距離未満において、または光学無限遠を包含するAVM不快感ゾーンに関しては、AVM閾値距離を上回って)状況に限定することによって、より現実的体験およびより多くの機能性が、提供され得る。例えば、視認者に比較的に近いオブジェクトは、視認者不快感を増加させずに、提示され得る。
【0136】
クリッピング分析は、ユーザに表示される種々の仮想オブジェクト、例えば、ユーザの視野内の仮想オブジェクトのために、順次または並行して行われてもよいことを理解されたい。
【0137】
ここで、図面を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。別様に具体的に示されない限り、図面は、概略であって、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。
【0138】
例示的ディスプレイシステム
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。ユーザの眼は、離間されており、空間内の実オブジェクトを見ているとき、各眼は、オブジェクトの若干異なるビューを有し、オブジェクトの画像を各眼の網膜上の異なる場所に形成し得ることを理解されたい。これは、両眼視差と称され得、ヒト視覚系によって、深度の知覚を提供するために利用され得る。従来のディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが所望の深度における実オブジェクトであるように各眼によって見えるであろう仮想オブジェクトのビューに対応する、眼210、220毎に1つの同一仮想オブジェクトの若干異なるビューを伴う2つの明確に異なる画像190、200を提示することによって、両眼視差をシミュレートする。これらの画像は、ユーザの視覚系が深度の知覚を導出するために解釈し得る、両眼キューを提供する。
【0139】
図2を継続して参照すると、画像190、200は、z-軸上で距離230だけ眼210、220から離間される。z-軸は、その眼が視認者の直前の光学無限遠におけるオブジェクトを固視している状態の視認者の光学軸と平行である。画像190、200は、平坦であって、眼210、220から固定距離にある。それぞれ、眼210、220に提示される画像内の仮想オブジェクトの若干異なるビューに基づいて、眼は、必然的に、オブジェクトの画像が眼のそれぞれの網膜上の対応する点に来て、単一両眼視を維持するように回転し得る。本回転は、眼210、220のそれぞれの視線を仮想オブジェクトが存在するように知覚される空間内の点上に収束させ得る。その結果、3次元画像の提供は、従来、ユーザの眼210、220の輻輳・開散運動を操作し得、ヒト視覚系が深度の知覚を提供するように解釈する、両眼キューを提供することを伴う。
【0140】
しかしながら、深度の現実的かつ快適な知覚の生成は、困難である。眼からの異なる距離におけるオブジェクトからの光は、異なる発散量を伴う波面を有することを理解されたい。図3A-3Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。図3A-3Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。逆に言えば、距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼210との間の距離の減少に伴って増加する。単眼210のみが、例証を明確にするために、図3A-3Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得る。
【0141】
図3A-3Cを継続して参照すると、視認者の眼が固視しているオブジェクトからの光は、異なる波面発散度を有し得る。異なる波面発散量に起因して、光は、眼の水晶体によって異なるように集束され得、これは、ひいては、水晶体に、異なる形状をとり、集束された画像を眼の網膜上に形成することを要求し得る。集束された画像が、網膜上に形成されない場合、結果として生じる網膜ぼけは、集束された画像が網膜上に形成されるまで、眼の水晶体の形状に変化を生じさせる、遠近調節のためのキューとして作用する。例えば、遠近調節のためのキューは、眼の水晶体を囲繞する毛様筋の弛緩または収縮を誘起し、それによって、水晶体を保持する提靭帯に印加される力を変調し、したがって、固視されているオブジェクトの網膜ぼけが排除または最小限にされるまで、眼の水晶体の形状を変化させ、それによって、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成し得る。眼の水晶体が形状を変化させるプロセスは、遠近調節と称され得、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成するために要求される眼の水晶体の形状は、遠近調節状態と称され得る。
【0142】
ここで図4Aを参照すると、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現が、図示される。オブジェクトを固視するための眼の移動は、眼にオブジェクトからの光を受光させ、光は、画像を眼の網膜のそれぞれ上に形成する。網膜上に形成される画像内の網膜ぼけの存在は、遠近調節のためのキューを提供し得、網膜上の画像の相対的場所は、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。遠近調節するためのキューは、遠近調節を生じさせ、眼の水晶体がオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成する特定の遠近調節状態をとる結果をもたらす。一方、輻輳・開散運動のためのキューは、各眼の各網膜上に形成される画像が単一両眼視を維持する対応する網膜点にあるように、輻輳・開散運動移動(眼の回転)を生じさせる。これらの位置では、眼は、特定の輻輳・開散運動状態をとっていると言え得る。図4Aを継続して参照すると、遠近調節は、眼が特定の遠近調節状態を達成するプロセスであると理解され得、輻輳・開散運動は、眼が特定の輻輳・開散運動状態を達成するプロセスであると理解され得る。図4Aに示されるように、眼の遠近調節および輻輳・開散運動状態は、ユーザが別のオブジェクトを固視する場合、変化し得る。例えば、遠近調節された状態は、ユーザがz-軸上の異なる深度における新しいオブジェクトを固視する場合、変化し得る。
【0143】
理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動および遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」であると知覚し得ると考えられる。前述のように、2つの眼の相互に対する輻輳・開散運動移動(例えば、瞳孔が相互に向かって、またはそこから移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体の遠近調節と密接に関連付けられる。通常条件下では、眼の水晶体の形状を変化させ、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、自動的に、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、同一距離まで輻輳・開散運動における整合する変化を生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動における変化は、通常条件下、水晶体形状における整合する変化を誘起するであろう。
【0144】
ここで図4Bを参照すると、眼の異なる遠近調節および輻輳・開散運動状態の実施例が、図示される。対の眼222aは、光学無限遠におけるオブジェクトを固視する一方、対の眼222bは、光学無限遠未満におけるオブジェクト221を固視する。着目すべきこととして、各対の眼の輻輳・開散運動状態は、異なり、対の眼222aは、まっすぐ指向される一方、対の眼222は、オブジェクト221上に収束する。各対の眼222aおよび222bを形成する眼の遠近調節状態もまた、水晶体210a、220aの異なる形状によって表されるように異なる。
【0145】
望ましくないことに、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くのユーザは、これらのディスプレイにおける遠近調節と輻輳・開散運動状態との間の不整合に起因して、そのような従来のシステムを不快であると見出す、または奥行感を全く知覚しない場合がある。前述のように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、若干異なる画像を各眼に提供することによって、場面を表示する。そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供し、眼の輻輳・開散運動状態に変化を生じさせるが、それらの眼の遠近調節状態に対応する変化を伴わないため、多くの視認者にとって不快である。むしろ、画像は、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態において視認するように、ディスプレイによって眼から固定距離に示される。そのような配列は、遠近調節状態における整合する変化を伴わずに輻輳・開散運動状態に変化を生じさせることによって、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に逆らう。本不整合は、視認者不快感を生じさせると考えられる。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供する、ディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0146】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、異なる提示は、輻輳・開散運動のためのキューおよび遠近調節するための整合するキューの両方を提供し、それによって、生理学的に容認可能な遠近調節-輻輳・開散運動整合を提供してもよい。
【0147】
図4Bを継続して参照すると、眼210、220からの空間内の異なる距離に対応する、2深度平面240が、図示される。所与の深度平面240に関して、輻輳・開散運動キューが、眼210、220毎に適切に異なる視点の画像を表示することによって提供されてもよい。加えて、所与の深度平面240に関して、各眼210、220に提供される画像を形成する光は、その深度平面240の距離におけるある点によって生成されたライトフィールドに対応する波面発散を有してもよい。
【0148】
図示される実施形態では、点221を含有する、深度平面240のz-軸に沿った距離は、1mである。本明細書で使用されるように、z-軸に沿った距離または深度は、ユーザの眼の瞳孔に位置するゼロ点を用いて測定されてもよい。したがって1mの深度に位置する深度平面240は、眼が光学無限遠に向かって指向された状態のそれらの眼の光学軸上のユーザの眼の瞳孔から1m離れた距離に対応する。近似値として、z-軸に沿った深度または距離は、ユーザの眼の正面のディスプレイ(例えば、導波管の表面)から測定され、デバイスとユーザの眼の瞳孔との間の距離に関する値が加えられてもよい。その値は、瞳距離と呼ばれ、ユーザの眼の瞳孔と眼の正面のユーザによって装着されるディスプレイとの間の距離に対応し得る。実際は、瞳距離に関する値は、概して、全ての視認者に関して使用される、正規化された値であってもよい。例えば、瞳距離は、20mmであると仮定され得、1mの深度における深度平面は、ディスプレイの正面の980mmの距離にあり得る。
【0149】
ここで図4Cおよび4Dを参照すると、整合遠近調節-輻輳・開散運動距離および不整合遠近調節-輻輳・開散運動距離の実施例が、それぞれ、図示される。図4Cに図示されるように、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの画像を各眼210、220に提供してもよい。画像は、眼210、220に、眼が深度平面240上の点15上に収束する、輻輳・開散運動状態をとらせ得る。加えて、画像は、その深度平面240における実オブジェクトに対応する波面曲率を有する光によって形成され得る。その結果、眼210、220は、画像がそれらの眼の網膜上に合焦する、遠近調節状態をとる。したがって、ユーザは、仮想オブジェクトを深度平面240上の点15にあるように知覚し得る。
【0150】
眼210、220の遠近調節および輻輳・開散運動状態のそれぞれは、z-軸上の特定の距離と関連付けられることを理解されたい。例えば、眼210、220からの特定の距離におけるオブジェクトは、それらの眼に、オブジェクトの距離に基づいて、特定の遠近調節状態をとらせる。特定の遠近調節状態と関連付けられた距離は、遠近調節距離Aと称され得る。同様に、特定の輻輳・開散運動状態における眼と関連付けられた特定の輻輳・開散運動距離Vまたは相互に対する位置が、存在する。遠近調節距離および輻輳・開散運動距離が整合する場合、遠近調節と輻輳・開散運動との間の関係は、生理学的に容認可能と言え得る。これは、視認者のために最も快適なシナリオであると見なされる。
【0151】
しかしながら、立体視ディスプレイでは、遠近調節距離および輻輳・開散運動距離は、常時、整合しない場合がある。例えば、図4Dに図示されるように、眼210、220に表示される画像は、深度平面240に対応する波面発散を伴って表示され得、眼210、220は、その深度平面上の点15a、15bが合焦する、特定の遠近調節状態をとり得る。しかしながら、眼210、220に表示される画像は、眼210、220を深度平面240上に位置しない点15に収束させる、輻輳・開散運動するためのキューを提供し得る。その結果、遠近調節距離は、いくつかの実施形態では、眼210、220の瞳孔から深度平面240までの距離に対応する一方、輻輳・開散運動距離は、眼210、220の瞳孔から点15までのより大きい距離に対応する。遠近調節距離は、輻輳・開散運動距離と異なる。その結果、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が、存在する。そのような不整合は、望ましくないと見なされ、不快感をユーザに生じさせ得る。不整合は、距離(例えば、V-A)に対応し、ジオプタを使用して特徴付けられ得ることを理解されたい。
【0152】
いくつかの実施形態では、眼210、220の瞳孔以外の参照点も、同一参照点が遠近調節距離および輻輳・開散運動距離のために利用される限り、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を決定するために利用されてもよいことを理解されたい。例えば、距離は、角膜から深度平面、網膜から深度平面、接眼レンズ(例えば、ディスプレイデバイスの導波管)から深度平面まで等で測定され得る。
【0153】
理論によって限定されるわけではないが、ユーザは、不整合自体が有意な不快感を生じさせずに、依然として、最大約0.25ジオプタ、最大約0.33ジオプタ、最大約0.5ジオプタ、最大約0.66ジオプタ、および最大約0.75ジオプタの遠近調節-輻輳・開散運動不整合を生理学的に容認可能であると知覚し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム250、図6)は、約0.75ジオプタまたはそれ未満の遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有する、画像を視認者に提示する。ある他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.66ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.50ジオプタまたはそれ未満である。他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.33ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.1ジオプタまたはそれ未満を含む、約0.25ジオプタまたはそれ未満である。
【0154】
図5は、波面発散を修正することによって、3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされた光770を受光し、その光をユーザの眼210に出力するように構成される、導波管270を含む。導波管270は、所望の深度平面240上のある点によって生成されたライトフィールドの波面発散に対応する定義された波面発散量を伴って光650を出力してもよい。いくつかの実施形態では、同一量の波面発散が、その深度平面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼は、類似導波管からの画像情報を提供され得るように図示されるであろう。
【0155】
いくつかの実施形態では、単一導波管が、単一または限定数の深度平面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成されてもよく、および/または導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成されてもよい。その結果、いくつかの実施形態では、導波管の複数またはスタックが、異なる深度平面のための異なる波面発散量を提供し、および/または異なる範囲の波長の光を出力するために利用されてもよい。本明細書で使用されるように、深度平面は、平面または湾曲表面の輪郭に追従してもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、有利には、簡略化のために、深度平面は、平坦表面の輪郭に追従し得る。
【0156】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260はまた、接眼レンズとも称され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、輻輳・開散運動するための実質的に連続キューおよび遠近調節するための複数の離散キューを提供するように構成されてもよい。輻輳・開散運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼のそれぞれに表示することによって提供されてもよく、遠近調節のためのキューは、選択可能な離散量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供されてもよい。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、波面発散の各離散レベルは、特定の深度平面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定の1つによって提供されてもよい。
【0158】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を伴って画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。導波管の主要表面は、その間に導波管の厚さが延在する、導波管の比較的に大面積表面に対応することを理解されたい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、特定の導波管と関連付けられる深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよい。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0159】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400はそれぞれ、それぞれ対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のために画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるような異なる原色)の光を含み得ることを理解されたい。
【0160】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器に指向され、それによって修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実施形態では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられるものの中に出力するように構成される、共通投影システム内の異なる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入された光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。本概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であってもよく、画像は、深度平面上の画像であってもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過させるように構成され得ることを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向し得ることを理解されたい。
【0162】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光モジュール540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスであってもよい、または、有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(図9D)の一部であってもよい。
【0163】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部表面および主要底部表面およびそれらの主要上部表面と主要底部表面との間に延在する縁を伴って、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、各個別の導波管内で伝搬する光を導波管から再指向し、画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、光の外部結合光学要素はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内を伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部主要表面および/または底部主要表面に配置されてもよい、および/または導波管270、280、290、300、310の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、モノリシックな材料片であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、その材料片の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0164】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるものとして解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方を通して通過させる。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるものとして解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0165】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的ではないまたは電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であり得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられる深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットは、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0167】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、具体的角度で光を出力するように構成され得る、体積または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であってもよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)を形成する、回折特徴である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して導波管を通して移動し続けるように、十分に低い回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射するいくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一なパターンの出射放出となる。
【0169】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であり得る。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に一致するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに一致しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0170】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、その光が眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(図9D)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0171】
ここで図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられる深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビームを形成する)において眼210に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0172】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。図8は、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示する。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられる3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得る、および/または色収差を減少させ得る。
【0173】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられる複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される、深度平面毎に提供されてもよい。各深度平面と関連付けられる導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、複数の原色が、同一導波管によって出力されてもよい。
【0174】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられる他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0175】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、視認者によってその所与の色として知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含すると理解されるであろうことを理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0176】
いくつかの実施形態では、光源530(図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0177】
ここで図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つまたはそれを上回る異なる波長または1つまたはそれを上回る異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(図6)に対応してもよく、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0178】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられる内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射型偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、それらの個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過型偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過させながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するように、波長選択的である。それらの個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、それらの個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置され得ることを理解されたい。
【0179】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、光が別の内部結合光学要素を通して通過することなく、その光を受光するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受光するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受光しないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0180】
各導波管はまた、関連付けられる光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられる導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられる導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられる導波管670、680、690内の上部および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0181】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690のうちの直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率に対して0.05またはそれを上回る、または0.10またはそれを下回る。有利には、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部主要表面と底部主要表面との間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含み得ることを理解されたい。
【0182】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なり得る、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、上記の種々の屈折率関係を保持しながら、異なり得る。
【0183】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0184】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられる内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0185】
例えば、内部結合光学要素700は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を偏向させるように構成されてもよい。透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0186】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光をその対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0187】
ここで図9Bを参照すると、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。上記のように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0188】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散し、いくつかの実施形態では、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成され得、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させてもよいことを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。OPEに再び衝突することに応じて、残りの光の別の部分は、EPEに再指向され、その部分の残りの部分は、導波管を辿ってさらに伝搬し続ける等である。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部は、ユーザに向かって導波管から外に指向され、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突光の別の部分は、導波管から外に指向される等である。その結果、内部結合された光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0189】
故に、図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受光する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に衝突し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合した光も受光する。
【0190】
図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられる光分散要素730、740、750および関連付けられる外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0191】
図9Dは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得る、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60は、図6のシステム250であって、図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイ70の一部であってもよい。
【0192】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、接眼レンズと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカも、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステム60はまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60はさらに、ユーザの周囲の世界のオブジェクト、刺激、人々、動物、場所、または他の側面を検出するように構成される、1つ以上の外向きに指向される環境センサ112を含んでもよい。例えば、環境センサ112は、例えば、ユーザ90の通常の視野の少なくとも一部に類似する画像を捕捉するように、外向きに面して位置し得る、1つ以上のカメラを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等)上に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを入手するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0193】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホン内に埋設される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。随意に、ローカル処理およびデータモジュール140は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る))から捕捉されたデータ、および/またはb)可能性として処理または読出後にディスプレイ70への通過のための遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して取得および/または処理されたデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンクを介して等、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0194】
図9Dを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよく、例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含む。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る、デジタルデータ記憶設備を備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に生成するための情報を提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュール内で行われ、遠隔モジュールからの完全に自律的使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む、外部システム(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、情報をそこから受信してもよい。
【0195】
仮想オブジェクトをクリッピングする
本明細書に議論されるように、いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、不整合であって、本不整合が快適なレベルを超える、遠近調節および輻輳・開散運動キューとともに、仮想オブジェクトを表示することが可能性として考えられ得る。本明細書の実施形態は、不整合の任意の特定の原因に限定されないが、図10-11Bが、いくつかの不整合が生じ得る様子の実施例として提供される。加えて、いくつかの実施形態では、容認不可能な遠近調節-輻輳・開散運動不整合が生じると理解される距離は、視認者の視線方向に応じて変動し得ることを理解されたい。図10-11Bは、視認者がその視線を真っ直ぐに指向していることから生じる、不整合の実施例を提供する。
【0196】
ある場合には、遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、ディスプレイシステムが遠近調節および輻輳・開散運動のうちの一方のために提供し得る、キューの範囲が、輻輳・開散運動および遠近調節の他方のためのキューの範囲を超えるために生じ得る。例えば、ディスプレイシステムは、比較的に少数の可能性として考えられる遠近調節キューおよびより多数の可能性として考えられる輻輳・開散運動キューを有し得る。図10は、単一深度平面ディスプレイシステムに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合のプロットの実施例を図示する。そのようなディスプレイシステムは、単一深度平面に対応する波面発散を伴う光を出力し、したがって、単一遠近調節キューを提供すると理解され得る。点線は、視認者から異なる(仮想)距離における遠近調節-輻輳・開散運動不整合を示す。水平軸は、視認者からの距離に対応し、垂直軸は、本明細書では、AVMとも称される、遠近調節-輻輳・開散運動不整合に対応する。図示される実施例では、単一深度平面は、2mに位置付けられ、その距離における仮想オブジェクトは、ゼロのAVMを有する。2mを上回る距離(例えば、z=2m~z=光学無限遠)では、遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、0.5ジオプタを下回ったままである。より近い距離では、不整合は、増加し、1m未満の視認者からの距離では、不整合は、不快感を伴わずに生理学的に耐えられると考えられるものを超え得る。その結果、1m未満の距離では、視認者不快感は、単に、その距離において画像コンテンツを視認することからも予期され得る。単一深度平面ディスプレイシステムの他の実施例は、第US2018/0039083号および第US2017/0276948号(その全開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0197】
コンテンツをより多数の深度平面上に提供することが可能なシステムを利用することは、可能性として考えられる遠近調節キューの数を増加させ、それによって、視認者不快感が予期され得る距離の範囲を減少させることができることを理解されたい。図11Aは、2深度平面ディスプレイシステムおよび1深度ディスプレイシステムに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合のプロットの実施例を図示する。実線は、2深度平面システムを示し、点線は、単一深度平面システムを示す。視認者からの大距離における遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、2深度平面システムに関してはより少なく、2深度平面システムは、依然として、容認可能不整合値を維持しながら、コンテンツが視認者により近い距離に表示されることを可能にすることを理解されたい。いくつかの実施形態では、最遠深度平面は、光学無限遠の容認可能不整合値以内であってもよい。本明細書に議論されるように、容認可能不整合は、約0.75ジオプタまたはそれ未満、約0.66ジオプタまたはそれ未満、約0.5ジオプタまたはそれ未満、約0.33ジオプタまたはそれ未満、または約0.25ジオプタまたはそれ未満であってもよい。図示されるように、容認可能不整合は、0.33ジオプタであってもよい。いくつかの実施形態では、最遠深度平面は、0.33ジオプタ(ユーザから3mに対応する)に設定されてもよく、より近い第2の深度平面は、容認可能不整合の2倍と等しい値、例えば、0.33ジオプタ×2、すなわち、0.66ジオプタだけ最遠深度平面から内向きに設定されてもよい。その結果、より近い、第2の深度平面は、いくつかの実施形態では、1ジオプタに設定されてもよい。
【0198】
図11Aを継続して参照すると、右から左への実線のプロットに沿って進むと(ユーザの眼からの距離の減少に伴って)、遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、0.33ジオプタの不整合値が観察されるまで上昇する。その結果、0.33ジオプタにおける最遠深度平面の図示される設置を前提として、1.2mの距離から無限遠までの仮想オブジェクトのための画像コンテンツは、本範囲内の全ての画像コンテンツが容認可能不整合内にあるため、著しい不快感を伴わずに、同一深度平面(ユーザの眼から0.33ジオプタまたは3mに設定される)上に表示され得る。1.2mより近い距離における仮想オブジェクトに関して、図示されるように、第2の深度平面が、提供されてもよい。前述のように、第2の深度平面は、1ジオプタにあってもよい。
【0199】
0.33ジオプタの容認可能不整合によって表される距離は、深度平面がユーザのより近くに設置されるほど、より小さくなることを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、仮想オブジェクトを1ジオプタ深度平面から0.33ジオプタの分離によって提供される最小距離より近くに表示することが望ましくあり得る。図示されるように、0.75mまたはそれ未満の距離では、容認可能不整合値は、0.33ジオプタを上回って増加する。その結果、1つ以上の付加的深度平面が、画像コンテンツをより近い距離に表示するために提供されてもよい。例えば、第3の深度平面(図示せず)が、画像コンテンツを0.75mより近い距離に表示するように形成されてもよい。深度平面はそれぞれ、容認可能不整合の2倍またはそれ未満だけ最近傍深度平面から分離されることを理解されたい。したがって、望ましくないことに、大遠近調節-輻輳・開散運動不整合(AVM)が深度平面を異なる距離に設定することによって生じる、距離の範囲を変化させることが、可能性として考えられる。例えば、いくつかの実施形態では、閾値を超える、AVMは、最近傍深度平面(または単一深度平面)が視認者から十分に遠くに離れるとき、視認者に近接し得る。ある他の実施形態では、閾値を超える、AVMは、最遠深度平面(または単一深度平面)が視認者に十分に近いとき、視認者から離れた、例えば、光学無限遠に近接する距離において生じ得る。
【0200】
ここで図11Bを参照すると、2深度平面ディスプレイシステムに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合のプロットの別の実施例が、図示される。本実施例では、視認者に対して最内のまたは近接した深度平面は、0.5m(2ジオプタ)に設定され、視認者から最外のまたは最遠の深度平面は、1.5メートル(0.66ジオプタ)に設定され、AVM閾値は、0.66ジオプタである。いくつかの実施形態では、最内深度平面より近い距離におけるAVM閾値は、最内深度平面より遠い距離におけるAVM閾値より高い値に設定される。例えば、最内深度平面より近い距離におけるAVM閾値は、視認者から0.37mまたはより近い距離まで、観察されるAVMが不快感に関する閾値を超えないように、0.75ジオプタであってもよい。
【0201】
図11Cは、図11Bの2深度平面構成の別の表現を図示し、最内深度平面は、視認者から0.5mに設定され、最外深度平面は、視認者から1.5mに設定される。図示されるように、0.66ジオプタのAVM耐性を前提として、最外深度平面は、光学無限遠から2×0.66ジオプタ(1.32ジオプタ)であって、最内深度平面は、最外深度平面から2×0.66ジオプタ(1.32ジオプタ)である。最内深度平面より視認者に近い距離では、AVM耐性は、0.75ジオプタであってもよく、これは、視認者から0.37mの距離に対応する。したがって、いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーンは、視認者から0.37mにおける点と交差する境界によって形成される、体積を包含すると理解され得る。加えて、視認者は、視認者から0.1mにおける点と交差する境界を伴う、LoFゾーンを有し得る。より一般的には、いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーンの境界は、最内深度平面からのAVM耐性に基づいて設定されてもよいことを理解されたい。
【0202】
再び図11Bを参照すると、右から左に進むと、遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、0.75ジオプタの不整合値が観察されるまで上昇する。その結果、0.33ジオプタにおける最遠深度平面の例証される設置を前提として、1.2mの距離~無限遠における仮想オブジェクトのための画像コンテンツは、本範囲内の全ての画像コンテンツが容認可能不整合内にあるため、相当な不快感を伴わずに、同一深度平面(ユーザの眼から0.33ジオプタまたは3mに設定される)上に表示され得る。1.2mより近い距離における仮想オブジェクトに関して、図示されるように、第2の深度平面が、提供されてもよい。上記に述べられたように、第2の深度平面は、1ジオプタにあってもよい。
【0203】
図10-11Bから明白であるように、視認者不快感の潜在性は、ディスプレイシステムによって提供される最近または最遠の深度平面が置かれる場所に応じて、視認者までの距離の減少または視認者からの距離の増加に伴って、増加し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、有限数の深度平面を有してもよく、視認者の最近傍の深度平面は、視認者から特定の距離に設定される。ディスプレイシステムは、仮想コンテンツに関する特定の遠近調節キューを本深度平面に提供してもよい。輻輳・開散運動キューは、各眼に提供される画像を変化させるによって提供され得るため、ディスプレイシステムは、多数の輻輳・開散運動キューを視認者に最近の深度平面の距離より近い距離に提供することが可能であり得る。その結果、ディスプレイシステムは、単一遠近調節キューを近距離に提供するが、深度平面からの距離の増加に伴って、輻輳・開散運動および遠近調節距離をますます発散させる、多数の輻輳・開散運動キューを、視認者の方向に、または視認者から離れるように提供してもよい。すなわち、AVMは、コンテンツが視認者に近いほど増加し得、また、コンテンツが視認者に対して(深度平面から)遠いほど増加し得る。視認者に近いある距離では、輻輳・開散運動および遠近調節距離間の差異は、視認者快適性のための閾値、すなわち、AVM閾値を超える。加えて、最遠深度平面がある場所に応じて、視認者から離れたある距離では、輻輳・開散運動および遠近調節距離間の差異はまた、視認者快適性のためのAVM閾値を超え得る。したがって、AVM閾値は、視認者から距離として、例えば、視認者の眼からの距離として表され得ることを理解されたい。視認者が、その頭部および/または眼を回転させるにつれて、これらの距離は、表面を定義するようにマッピングされ得、これは、視認者の周囲の体積を定義する。例えば、AVMが視認快適性のための閾値を超える、連続的体積内の距離は、AVM不快感ゾーンを定義し得る。加えて、本明細書に議論されるように、視認者はまた、近距離では、その左および右眼によって見られるオブジェクトの画像を融合させことができない、または少なくとも、過度の眼精疲労を体験せずに、近距離において、その左および右眼によって見られるオブジェクトの画像を融合させることができなくあり得る。視認者に対するこれらの近距離によって定義された体積は、融合喪失ゾーン(LoFゾーン)と称され得る。
【0204】
AVM不快感ゾーンおよびLoFゾーンの表現の実施例は、図12Aに示される。図12Aは、視認者に対する遠近調節-輻輳・開散運動不整合(AVM)不快感ゾーンおよび融合喪失(LoF)ゾーンの上下概略図を図示する。視認者に近いこれらのゾーン内のコンテンツは、図10-11Cに関して上記に説明されるように、快適なレベルを超えるAVMに起因して、不快感を生じさせ得るが、そのようなコンテンツは、それにもかかわらず、他の理由から、視認者への提示のために望ましくあり得ることを理解されたい。例えば、そのようなコンテンツは、場面の自然性を保存するために場面内に存在し得る。単に、コンテンツをクリッピングすることは、視認者の没入感および現実性を減少させ得る。例えば、コンテンツは、視認者の頭部の近くを移動する、仮想オブジェクト(例えば、視認者の頭部の近く飛んでいる仮想蝶、視認者の近くで落下する葉等)、仮想ゴーグル上の仮想「泥」または「埃」、接眼レンズまたは仮想ゴーグル内の仮想「亀裂」、ユーザの腕/手と関連付けられ、ユーザがその顔に近づけ得る、仮想銃器または他のオブジェクト、ユーザの肩上の仮想スキー板等を含み得る。しかしながら、本仮想コンテンツの全部または一部は、AVMが望ましくない視認者不快感を生じさせる距離を含む、視認者に対して近距離に提示され得る。いくつかの実施形態では、容認不可能な遠近調節-輻輳・開散運動不整合(すなわち、視認者の眼によって輻輳されている、AVM不快感ゾーン内のコンテンツ)を生じさせると決定される、コンテンツの表示は、そのような視認者不快感に対して保護するように修正される。
【0205】
本明細書に議論されるように、AVMの決定は、遠近調節および輻輳・開散運動距離間の不整合の決定に依拠することを理解されたい。不整合は、視認者が輻輳しており、仮想オブジェクトに遠近調節している場所に生じる。その結果、不整合は、典型的には、そのようなオブジェクトと関連付けられた輻輳・開散運動または遠近調節距離が存在し得ないため、視認者が輻輳していない仮想オブジェクトに関しては、生じることが予期されない。換言すると、好ましくは、仮想オブジェクトの表示の任意の修正は、AVM不快感ゾーン内にあり、そして視認者の眼によって輻輳されていることの両方である、それらのオブジェクトに関してのみ生じる。理論によって限定されるわけではないが、コンテンツがAVM不快感ゾーン内にある場合でも、視認者は、AVM不快感ゾーン内のコンテンツに輻輳していない限り、不快感を体験しないと考えられる。いくつかの実施形態では、視認者が、AVM不快感ゾーン内の点に輻輳していない場合、不快感に関するAVM閾値を超えず、遠近調節-輻輳・開散運動不整合に起因するコンテンツの修正が必要ないと仮定される。加えて、または代替として、いくつかの実施形態では、視認者が、特定のコンテンツに輻輳していない場合、AVM不快感ゾーン内にある場合でも、不快感に関するAVM閾値は、該当せず、そのコンテンツの修正は、不必要であると仮定される。
【0206】
加えて、AVM不快感ゾーン内にあって、視認者がそれに輻輳している場合でも、修正が実施されない、あるコンテンツのタイプが存在し得る。例えば、「オクルージョンコンテンツ」は、好ましくは、そうでなければ修正のための基準を満たす場合でも、修正されない。オクルージョンコンテンツは、他の仮想コンテンツまたは実オブジェクトをオクルードまたは遮断する、コンテンツを含むことを理解されたい。そのようなコンテンツの実施例は、仮想壁または他の障害物を含む。そのようなコンテンツの表示を防止することは、望ましくないことに、場面内への視認者の没入感を低減させ、および/または望ましくないことに、視認者に他のコンテンツまたは実オブジェクトが見えることを可能にし得、これは、ゲーム内で不公平な優位性を提供し得る。いくつかの実施形態では、そのようなコンテンツは、視認不快感を生じさせ得る場合でも、修正されない。例えば、コンテンツは、視認者不快感を生じさせると決定するように分析される場合でも、修正されない。より好ましくは、コンテンツは、「オクルージョンコンテンツ」であると決定され、単に、本明細書に開示されるように、修正のために分析されない。
【0207】
図12Aを継続して参照すると、視認者90は、ディスプレイ70を支持する、ディスプレイシステムフレーム80を装着しているように示される。視認者90の眼は、光学z-軸上の点15(固視点)に輻輳している。点15は、AVM不快感ゾーン1000の外側境界に位置する。本明細書に議論されるように、AVM不快感ゾーン1000内に表示される仮想オブジェクトは、視認快適性のための閾値を超えるAVMを有する。いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーン1000内のAVMは、0.25ジオプタを超える。ある他の実施形態では、AVM不快感ゾーン1000内のAVMは、0.33ジオプタを超える。さらに他の実施形態では、AVM不快感ゾーン1000内のAVMは、0.5ジオプタ、0.66ジオプタ、または0.75ジオプタを超える。
【0208】
図12Aを継続して参照すると、LoFゾーン1010は、AVM不快感ゾーン1000内に置かれる。いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーン1000は、円形または球状外側境界を有し、視認者の眼90間の中点から約15cmの半径を伴う。中点からAVM不快感ゾーン1000の外側境界までの距離は、遠近調節-輻輳・開散運動不整合閾値距離(AVM閾値距離)と称され得る。いくつかの実施形態では、LoFゾーン1010は、円形または球状外側境界を有し、同一中点から約10cmの半径を伴う。中点からLoFゾーン1010の外側境界までの距離は、融合喪失閾値距離(LoF閾値距離)と称され得る。ゾーン1000、1010の境界の図示される形状は、実施例であって、ゾーンは、他の形状をとる、外側境界を有してもよいことを理解されたい。例えば、そのような境界は、外向きに円錐形状に延在してもよい(例えば、視野または動眼視野に類似する様式において)、または少なくとも1つの理論的または経験的単視軌跡の形状をとってもよい。そのような実施形態では、AVM不快感ゾーン1000の外側境界は、変動し得、その場合、AVM閾値距離もまた、視認者の眼が指向される方向に応じて、変動し得る。同様に、そのような実施形態では、LoFゾーン1010の外側境界は、変動し得、その場合、LoF閾値距離もまた、視認者の眼が指向される方向に応じて、変動し得る。さらに、LoFゾーン1010が輻輳・開散運動角度の観点から定義される(すなわち、LoFゾーン1010が、比較的に広視認者輻輳・開散運動角度と関連付けられた3次元空間内の点を含むように)実施例では、外側境界の幾何学形状は、視認距離と視認者輻輳・開散運動角度との間の三角法関係によって変動し得ることを理解されたい。図12Aのコンテキスト内では、点15と関連付けられた輻輳・開散運動角度は、(i)点15から視認者90の右眼まで延在するように描写される線と、(ii)点15から視認者90の左眼まで延在するように描写される線との間に形成される、角度に対応し得る。3次元空間内の任意の他の点と関連付けられた輻輳・開散運動角度も同様に、個別の点から視認者90の左および右眼まで延在する光線の交点に形成される角度に対応し得る。
【0209】
図12Bは、視認者に対する遠近調節-輻輳・開散運動不整合(AVM)不快感ゾーンおよび融合喪失ゾーンの上下概略図の別の実施例を図示する。本明細書に議論されるように、AVM不快感ゾーン1000およびLoFゾーン1010の一方または両方の境界は、概して、理論的または経験的単視軌跡の輪郭に追従し得る。例えば、LoFゾーン1010の境界1012は、各眼210、220の網膜上の対応する場所上に投影される、16A、16B、16C等の複数の点を含んでもよい。本実施例では、点16Aにおける眼210および眼220から外向きに延在する光線の交点によって形成される、角度は、16Bにおける眼210および眼220から外向きに延在する光線の交点によって形成される、角度と実質的に等しくあり得、これは、ひいては、点16Cにおける眼210および眼220から外向きに延在する光線の交点によって形成される、角度と実質的に等しくあり得る。すなわち、LoFゾーン1010の境界1012に沿って位置付けられる全ての点は、実質的に同一視認者輻輳・開散運動角度と関連付けられ得る。各眼210、220の網膜上の対応する場所上に投影されない、点は、融合され得ず、視認者90によって単一点と見なされ得ない。例えば、境界1012より視認者90に近い点(すなわち、点16A、16B、16Cと関連付けられたものを上回る輻輳・開散運動角度と関連付けられた点)は、視認者90によって単一点と見なされ得ない。しかしながら、ヒト視覚系は、各網膜の正確に対応する場所上に投影されない点に関して、限定された耐性を有することを理解されたい。すなわち、依然として、眼210、220の網膜の正確に対応する場所上に投影されない場合でも、ヒト視覚系によって適切に融合される、単視軌跡の正面および背後の点の範囲が存在する。そのような点の範囲は、時として、「Panumの融合面積(「Panum’s fusional area」または「Panum’s area of fusion」)」とも称される。その結果、いくつかの環境では、境界1012は、単視軌跡より視認者の近くにあり得る。例えば、理論的または経験的単視軌跡は、境界1012と1002との間にあってもよい。
【0210】
本明細書に議論されるように、AVM不快感ゾーン1000は、仮想コンテンツの遠近調節-輻輳・開散運動不整合レベルが視認者の遠近調節-輻輳・開散運動不整合耐性を超える、体積であり得る。したがって、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が、例えば、単眼視の発生に起因して生じ得ない、ユーザの視野の部分が存在することを理解されたい。図12Cは、視認者の単眼視野を考慮した、AVM不快感ゾーンの上下概略図の実施例を図示する。図12Cに示されるAVM不快感ゾーン1000の一般的形状およびサイズは、図12Bに図示されるAVM不快感ゾーンに類似し得るが、AVM不快感ゾーン1000は、単眼視領域MおよびMの中に延在しない。単眼視領域MおよびMは、コンテンツが一方のみの眼によって見られる、視認者の視野の周辺部分に対応する。例えば、単眼視領域Mは、視認者90の左眼210のみがコンテンツを見ることが可能である一方、視認者の右眼220が、本部分または体積内でコンテンツを見ることが不可能である、視野または体積の部分であり得る。他方では、単眼改定領域Mは、視認者90の右眼220のみが、コンテンツを見ることが可能である一方、視認者の左眼210が、本部分または体積内でコンテンツを見ることが不可能である、視野または体積の部分であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、仮想コンテンツをクリッピングするように構成される、ディスプレイシステムは、単眼視領域MおよびM内に表示されるコンテンツをクリッピングしないように構成されてもよく、例えば、本コンテンツは、AVM不快感ゾーン1000外にあると見なされ得る。同様に、片眼にのみ表示されるコンテンツは、容認不可能な遠近調節-輻輳・開散運動不整合を誘起せず、したがって、ディスプレイシステムによってクリッピングされないであろうことを理解されたい。いくつかの実施例では、AVM不快感ゾーン1000と単眼視領域Mとの間の境界線は、視認者90の視野(FOV)の中心の50~60度左に配向されてもよく、AVM不快感ゾーン1000と単眼視領域Mとの間の境界線は、視認者90のFOVの中心の50~60度右に配向されてもよい。
【0211】
図12Cを継続して参照すると、AVM不快感ゾーン1000は、視認者90の鼻に直接隣接する体積Mを除外してもよい。本体積M内のコンテンツは、両眼210、220によって見られ得るが、視認者90による意識的な努力を用いても、それらの眼に近すぎて、そのコンテンツ上に収束させるために十分に回転させることが物理的に不可能であることを理解されたい。したがって、そのコンテンツ上で輻輳・開散運動が存在しないため、ディスプレイシステムは、容認不可能な遠近調節-輻輳・開散運動不整合が体積M内で生じないであろうと仮定するように構成されてもよい。
【0212】
本明細書に議論されるように、AVM不快感ゾーンの場所は、AVM閾値距離(異なる視認者に関して変動し得る)およびディスプレイシステムによって提供される深度平面の場所に依存する。その結果、いくつかの実施形態では、最遠深度平面が視認者に十分に近い場合、ディスプレイシステムは、視認者に近いオブジェクトに対応する波面発散を提供し得るが、視認者から遠方のオブジェクト、例えば、光学無限遠にある、または光学無限遠に近接する、オブジェクトに対応する、波面発散の量を提供し得ない。したがって、いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーンは、光学無限遠を包含し得る。加えて、いくつかの実施形態では、最近深度平面が、視認者から十分に遠くにある場合、別のAVM不快感ゾーンが、視認者に近接して提示され得る。
【0213】
図12Dは、光学無限遠を包含する、AVM不快感ゾーンの上下概略図の実施例を図示する。本実施例では、ディスプレイシステムによって提供される最遠深度平面は、遠方のAVM不快感ゾーン1020の境界1022未満の距離にある。しかしながら、本深度平面は、境界1022の距離においてAVM閾値を超えるほど、視認者90に十分に近い。その結果、境界1022を上回る距離に提供されるコンテンツは、遠方のAVM不快感ゾーン1020内にある。いくつかの実施形態では、最近深度平面が、AVM閾値が深度平面とLoFゾーン1010の境界1012との間の距離に関して超えないほど視認者90に十分に近い場合、ディスプレイシステムは、遠方のAVM不快感ゾーン1020およびLoFゾーン1010のみを含み得る。
【0214】
ある他の実施形態では、ディスプレイシステムは、遠方のAVM不快感ゾーン1020および近方のAVM不快感ゾーン1000の両方を含み得る。これは、例えば、ディスプレイシステムによって提供される最近深度平面が、仮想コンテンツがLoFゾーン1010に到達する前にAVM閾値を超えるほど視認者90から十分に遠い距離にある場合に生じ得る。視認者90の近傍のAVM閾値を超える距離は、近方のAVM不快感ゾーン1000の境界1002を定義する。いくつかの実施形態では、境界1002と1022との間の体積は、AVM閾値を超えない、AVM快適性ゾーン1030と理解され得る。ある他の実施形態では、AVM不快感ゾーン1000が存在しない場合、AVM快適性ゾーン1030は、LoFゾーン1010の境界1012とAVM不快感ゾーン1020の境界1022との間に延在すると理解され得る。いくつかの実装では、境界1022は、それに対して境界1002が対応する、AVM閾値と異なる、AVM閾値に対応してもよい。そのような実装のうちの少なくともいくつかでは、それに対して境界1022が対応する、AVM閾値はまた、それに対して境界1012が対応する、AVM値と異なり得る。
【0215】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、仮想コンテンツを単一深度平面上に提供するように構成されてもよいことを理解されたい。視認者からの単一深度平面の距離に応じて、そのようなディスプレイシステムは、近方のAVM不快感ゾーン1000および遠方のAVM不快感ゾーン1020の一方または両方を含み得る。
【0216】
図12Dを継続して参照すると、単眼視ゾーンMおよびMを除外する、視認者90に可視の周囲世界の体積は、視認者の双眼視野(FOV)と見なされ得る(すなわち、視認者の眼のそれぞれに可視/知覚可能)ことを理解されたい。双眼視野は、AVM快適性ゾーン1030およびAVM不快感ゾーン1000および/または1020に分割可能と理解され得る。視認者は、不快感を全く体験せずに、LoFゾーン1010に対応する距離において各眼によって見られる画像を組み合わせることが不可能であり得るが、双眼FOVはまた、LoFゾーン1010内に位置するオブジェクトが、依然として、視認者の眼のそれぞれに容易に可視/知覚可能であるため、LoFゾーン1010を包含すると理解され得る。図12A-12Dから明白であるように、視認者の周囲の体積は、広義には、AVM閾値を超えたゾーンおよびAVM閾値を超えないゾーンに分割され得る。すなわち、視認者の周囲の体積は、AVM不快感ゾーンおよびAVM快適性ゾーン(単に、快適性ゾーンとも称される)に分割されてもよい。図12Eは、AVM不快感および快適性ゾーンの上下概略図の実施例を図示する。図示されるように、AVM不快感ゾーンは、左から右に上向きに延在する対角線斜線によって示される。AVM不快感ゾーンは、ゾーン1000、1010、および1020を含むと見なされ得る。加えて、図示されるように、右から左に上向きに延在する対角線斜線によって示される、快適性ゾーンは、ゾーン1000、1010、および1020外の体積を含むと見なされ得る。いくつかの実施形態では、快適性ゾーンは、ゾーン1000および1020と単眼視領域MおよびMとの間の体積を含み得る。換言すると、快適性ゾーン内の仮想オブジェクトは、AVM閾値を超えない一方、AVM不快感ゾーン内の仮想オブジェクトは、AVM閾値を超える。したがって、いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが快適性ゾーン内にあるかどうかを決定し、仮想オブジェクトがその快適性ゾーン内にある場合、クリッピングを回避するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトがAVM閾値を超えている、またはAVM不快感ゾーン内にあるかどうかを決定するステップは、仮想オブジェクトが快適性ゾーン内にあるかどうかを決定するステップを含んでもよい。仮想オブジェクトがゾーン快適性内にある場合、ディスプレイシステムは、AVM閾値を超えない、または仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内にないことを意味すると、その結果を解釈するように構成されてもよい。
【0217】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、AVM不快感ゾーン1000、1020および/またはLoFゾーン1010に対する仮想オブジェクトの場所に基づいて、仮想オブジェクトをクリッピングするように構成されてもよい。図13Aは、仮想オブジェクトの表示をクリッピングすべきかどうかを決定するための例示的プロセスのフローチャートを図示する。図13Aのプロセスまたは本明細書に開示される他のプロセスのいずれかは、ディスプレイシステムによって実施されてもよく、これは、プロセスの種々のアクションを実施するための命令を含有するソフトウェアを記憶する、コンピュータ記憶媒体を有し得る。例えば、ディスプレイシステムは、ディスプレイシステム60(図9D)であってもよく、これは、処理ハードウェアと、コンピュータ記憶媒体上に記憶されるソフトウェアとを含み得、随意に、処理するための情報を1つ以上のコンピュータの遠隔システムに提供し、例えば、システムのローカル部分への処理をオフロードし、遠隔システムからの情報を受信し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、ソフトウェアをプロセスを実施するための命令とともに記憶するための(例えば、ローカル処理およびデータモジュール140、遠隔処理モジュール150、および/または遠隔データリポジトリ160内に)コンピュータ記憶媒体を有する、(例えば、ローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150内に)1つ以上のプロセッサを有する、仮想または拡張現実ディスプレイシステムであってもよい。
【0218】
図13Aを継続して参照すると、ディスプレイシステムは、1つ以上の仮想オブジェクトをディスプレイシステムに既知の1つ以上の場所に表示してもよい、または表示するように準備される。ブロック2030では、ディスプレイシステムは、ユーザがAVM不快感ゾーン内にある点を固視しているかどうかを決定し得る。固視点が、AVM不快感ゾーン内にない場合、AVM耐性を超えず、アクションは、仮想オブジェクトをクリッピングするために行われないと仮定され得る。しかしながら、固視点がAVM不快感ゾーン内にある場合、ディスプレイシステムは、ブロック2020において、特定の仮想オブジェクトまたは仮想コンテンツを分析し、仮想コンテンツがAVM不快感ゾーン内にあるかどうかことを決定し得る。仮想コンテンツがAVM不快感ゾーン内にない場合、その仮想コンテンツのクリッピングは、実施されない。仮想コンテンツがAVM不快感ゾーン内にある場合、いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、ブロック2022において、所定のアクション(例えば、クリッピングアクション)を実施し得る。所定のアクションは、AVM不快感ゾーン内にある仮想コンテンツによって生じる可能性として考えられる視認者不快感に対処するように設計される。図13Aは、いくつかの実施形態の一般的概要を提供することを理解されたい。本図および本明細書で議論される他の図に関して、本図の種々のブロックに関する付加的詳細は、本明細書に説明される他の図内の同様に付番されたブロックの説明に見出され得る。
【0219】
ここで図13Bを参照すると、ディスプレイシステムはまた、ユーザがLoFゾーン内を固視しているかどうかまたはLoFゾーン内に仮想コンテンツが存在するかどうかを考慮し得る。ブロック230では、ディスプレイシステムは、ユーザがAVM不快感ゾーン内の点を固視しているかどうかを決定する。該当しない場合、さらなるアクション(例えば、クリッピングアクション)は、行われ得ない。該当する場合、プロセスは、ブロック2070に進む。ブロック2070では、ディスプレイシステムは、ユーザがLoFゾーン内を固視しているかどうかを決定する。該当しない場合、プロセスは、ブロック2020に進み、ディスプレイシステムは、仮想コンテンツがAVM不快感ゾーン内にあるかどうかを決定する。該当しない場合、クリッピングアクションは、行われない。該当する場合、所定のアクションが、ブロック2050において行われ、AVM不快感ゾーン内にある仮想コンテンツに対処する。
【0220】
ブロック2070に戻ると、ユーザがLoFゾーン内を固視している場合、プロセスは、ブロック2020に進む。ブロック2020では、ディスプレイシステムは、表示されたまたは表示されることになる仮想コンテンツがLoFゾーン内にあるかどうかを決定する。該当する場合、プロセスは、ブロック2080に進み、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトを表示することを控える。プロセスは、次いで、再び、開始してもよい。本明細書に議論されるように、本明細書に開示される種々のブロックは、例証に関連して図示および議論されたものと異なるシーケンスで実施されてもよいことを理解されたい。例えば、(図13Aおよび13Bを含む、本明細書の種々の図内の)ブロック2020および2030の順序は、逆転されてもよい。別の実施例として、ブロック2070および2040の順序もまた、逆転されてもよい。
【0221】
ここで図13Cを参照すると、いくつかの実施形態による、プロセスに関する付加的詳細が、提供される。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトの個々のものが、分析され、その仮想オブジェクトをクリッピングする、またはその表示を修正するかどうかを決定する。ブロック2010では、場面内の表示された(または表示されることになる)仮想オブジェクトが、分析のために選択される。いくつかの実施形態では、選択は、特定の基準に基づいて行われてもよい。例えば、ユーザの視野内の仮想オブジェクトのみが、いくつかの実施形態では、選択されてもよい。ある他の実施形態では、選択された仮想オブジェクトは、視認者の眼の輻輳・開散運動点に近接する仮想オブジェクトであってもよい。
【0222】
ブロック2020では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内(例えば、視認者からAVM閾値距離未満の距離内であって、AVM閾値距離は、視認者の眼が固視している方向に基づいて決定される)に位置するかどうかを決定する。AVM不快感ゾーンサイズおよび形状は、異なる輻輳・開散運動キューおよび遠近調節キューを提供するディスプレイシステムの能力に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーンのサイズおよび形状は、ディスプレイシステムの上記の能力と、例えば、図10-11Cに関して議論されるように、視認者に関して予期されるAVM耐性とに基づいて事前に設定された値であってもよい。ある他の実施形態では、AVM不快感ゾーンのサイズおよび形状は、ディスプレイシステムの能力に加え、視認者のAVM耐性に基づいて、個々のユーザのために設定されてもよい。
【0223】
仮想オブジェクトが、AVM不快感ゾーン(例えば、AVM不快感ゾーンが、それぞれ、近方のAVM不快感ゾーンまたは遠方のAVM不快感ゾーンであるかどうかに応じて、ユーザに対する関連AVM閾値距離未満であるかまたはそれよりも大きい)内に位置しない場合、プロセスは、ブロック2090に進み、仮想オブジェクトは、表示される、または表示され続ける。仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン(例えば、関連AVM閾値距離未満であるかまたはそれよりも大きい)内に位置する場合、プロセスは、ブロック2030に進む。ブロック2030では、ディスプレイシステムは、ユーザがAVM不快感ゾーン内の固視点に輻輳しているかどうかを決定する(例えば、輻輳・開散運動距離は、関連AVM閾値距離未満であるかまたはそれよりも大きい)。例えば、ディスプレイシステムは、眼のユーザの輻輳・開散運動点およびユーザからの本輻輳・開散運動点の距離を決定する。本距離は、輻輳・開散運動距離と称され得る。輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離未満ではない場合(近方のAVM不快感ゾーン1000、図12A-12Dが存在する場合)または輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離を上回らない場合(遠方のAVM不快感ゾーン1020、図12Dが存在する場合)、プロセスは、ブロック2090に進み、仮想オブジェクトは、表示される、または表示され続ける。他方では、輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離未満である場合(近方のAVM不快感ゾーン1000、図12A-12Dが存在する場合)または輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離を上回る場合(遠方のAVM不快感ゾーン1020、図12Dが存在する場合)、プロセスは、ブロック2040に継続する。いくつかの実施形態では、輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離未満である場合(近方のAVM不快感ゾーン1000、図12A-12Dが存在する場合)または輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離を上回る場合(遠方のAVM不快感ゾーン1020、図12Dが存在する場合)、プロセスは、直接、ブロック2030からブロック2050に進む。輻輳・開散運動距離を決定するための方法の実施例は、「DEPTH PLANE SELECTION AND RENDER CAMERA POSITIONING IN AUGMENTED REALITY DISPLAY SYSTEMS」と題され、2018年1月17日に出願された、米国特許出願第62/618,559号(弁理士整理番号MLEAP.175PR)(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出され得る。輻輳・開散運動距離を決定するための方法の付加的実施例は、2017年3月24日に出願され、2017年9月20日に米国特許公開第2017/0276948号として公開された、米国特許出願第15/469,369号(その全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
【0224】
いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーンは、輻輳・開散運動角度の観点から定義されてもよい。いくつかの実施形態では、異なる輻輳・開散運動角度は、AVM不快感ゾーンの境界が特定の輻輳・開散運動角度と関連付けられ得るように、視認者からの異なる距離と関連付けられてもよい。例えば、AVM不快感ゾーンの内側境界(視認者に最近の境界)は、第1の不快感輻輳・開散運動角度と関連付けられてもよく、AVM不快感ゾーンの外側境界(視認者から最遠の境界)は、第2の不快感輻輳・開散運動角度と関連付けられてもよい。したがって、ディスプレイシステムは、視認者の眼の輻輳・開散運動角度が第1および第2の不快感輻輳・開散運動角度によって定義された範囲内にあるかどうかを決定することによって、視認者がAVM不快感ゾーン内にマージしているかどうかを決定するように構成されてもよい。これらの輻輳・開散運動角度はまた、視認者からの距離と関連付けられ、本明細書に議論されるように、視認者がAVM不快感ゾーン内に輻輳しているかどうかを決定するステップは、視認者の輻輳・開散運動距離がAVM不快感ゾーンの境界の距離によって定義された距離の範囲内にあるかどうかを決定するステップを含んでもよいことを理解されたい。
【0225】
加えて、AVM不快感ゾーンの外側は、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が快適な耐性内にある、AVM快適性ゾーンであり得る。本AVM快適性ゾーンもまた、輻輳・開散運動角度によって定義されてもよく、最大AVM快適性角度は、内側境界(視認者に最近)を定義し、最小AVM快適性角度は、外側境界(視認者から最遠)を定義し、その間には、AVM快適性ゾーンが存在する。したがって、いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、視認者の眼の輻輳・開散運動角度がAVM快適性角度の所定の範囲内にあるかどうかを決定することによって、視認者がAVM快適性ゾーン内に輻輳している(したがって、AVM不快感ゾーン内に輻輳していない)かどうかを決定するように構成されてもよい。AVM不快感ゾーンと同様に、これらの快適性輻輳・開散運動角度は、視認者からの距離と関連付けられ、いくつかの実施形態では、視認者がAVM快適性ゾーン内に輻輳しているかどうかを決定するステップは、視認者の輻輳・開散運動距離がAVM快適性ゾーンの境界の距離によって定義された距離の範囲内にあるかどうかを決定するステップを含んでもよいことを理解されたい。
【0226】
図13を継続して参照すると、ブロック2040では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがLoFゾーン(例えば、ユーザからLoF閾値距離未満である距離)内にあるかどうかを決定する。いくつかの実施形態では、LoFゾーンのサイズおよび形状は、視認者に概して適用可能であると決定されている、設定値であってもよい。いくつかの実施形態では、LoFゾーンのサイズおよび形状は、例えば、試験画像を表示し、例えば、ユーザの眼を結像することにより、またはオブジェクトの重なりが観察されることの入力をユーザから受信することにより、融合喪失が生じる仮想距離を決定することによって、特定の視認者のために較正されてもよい。したがって、これらの実施形態では、視認者の所与の視線方向のためのLoF閾値距離は、特定の視認者のために決定された収束近点(NPC)(すなわち、双眼の融合された単一視の最近点)と見なされ得る。LoF閾値距離が設定値である、少なくともいくつかの実施形態に関して、LoF閾値距離は、平均NPC値または1つ以上の母集団に関して決定されたNPC値を表し得るということになる。LoFゾーン(例えば、LoFゾーン1010)は、主に、ユーザから閾値距離(LoF閾値距離)未満の3次元空間の部分を包含するように本明細書に説明されるが、LoFゾーンは、ユーザ輻輳・開散運動の角度(すなわち、収束角度)が閾値LoF輻輳・開散運動角度を上回る、3次元空間の部分を表してもよいことを理解されたい。したがって、いくつかの実施例では、(ブロック2040において)ディスプレイシステムは、ユーザが仮想オブジェクトを固視/それに輻輳することになる場合、ユーザ輻輳・開散運動の角度が閾値輻輳・開散運動角度より高くなるであろうように、仮想オブジェクトがユーザに対する3次元空間内の場所にあるかどうかを決定する。さらに、これらの実施例では、閾値輻輳・開散運動角度は、LoF閾値距離が、設定値であるかまたは特定の視認者のために較正されるかのいずれかであるように上記に説明されたものと同様に、設定値であり得るかまたは特定の視認者のために較正され得る。
【0227】
仮想オブジェクトが、LoFゾーン内のLoF閾値距離未満である距離(または上記に説明される様式において、閾値輻輳・開散運動角度を満たす場所)にある場合、プロセスは、ブロック2070に進む。他方では、仮想オブジェクトが、LoFゾーン外(例えば、LoF閾値距離未満ではない距離)にある場合、プロセスは、ブロック2050に進む。ブロック2050では、所定のアクションが、AVMが視認者のために快適なレベルを超える場所にある仮想オブジェクトに対処するように行われる。上記に述べられたように、いくつかの実施形態では、プロセスは、輻輳・開散運動距離がAVM不快感ゾーン(例えば、それぞれ、近方のおよび遠方のAVM不快感ゾーンからの適用可能なAVM閾値距離未満であるかまたはそれよりも大きい)内にあることの決定に応答して、直接、ブロック2030からブロック2050に進んでもよい。ブロック2050のための可能性として考えられる所定のアクションは、例えば、視認者への仮想オブジェクトの表示を直ちに中止する、視認者への仮想オブジェクトの表示をフェードアウトさせる、仮想オブジェクトをAVM不快感ゾーン外に移動させる、または別様に、視認者のAVM不快感ゾーン内の仮想オブジェクトへの暴露を限定することを含む。図16を参照して(具体的には、図16のブロック4060を参照して)下記にさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、ブロック2050のための可能性として考えられる所定のアクションはまた、メッセージを1つ以上の付加的所定のアクションの実行を呼び出すためのアプリケーションに送信するステップを含んでもよい。いくつかの実装では、ブロック2050のための可能性として考えられる所定のアクションは、図15および16を参照して下記に説明されるように、タイマの設定、リセット、評価、および/またはそれへの応答と関連付けられた動作のうちの1つ以上のものを実行することを含んでもよい。仮想オブジェクトがまだ提示されていない状況に関して、ブロック2050のための可能性として考えられる所定のアクションはさらに、例えば、仮想オブジェクトの表示を進めることを控えることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、暴露は、他方の眼に表示されるコンテンツを修正せずに、片眼に表示されるコンテンツを修正することによって、限定される。例えば、オブジェクトは、片眼に表示され得るが、他方の眼には表示されない、またはディスプレイは、各眼への仮想オブジェクトの表示を交互してもよい。好ましくは、各眼へのオブジェクトの表示は、視認者が両眼への仮想オブジェクトの表示によって生じる不快感から「回復」するために十分なレートで交互される。いくつかの実施形態では、改変は、視認者に知覚可能なレートで生じる。例えば、オブジェクトの表示および表示の停止は、ヒト視覚系のフリッカ融合閾値未満のレートで生じ得る。いくつかの実施形態では、各眼における改変のレートは、60回/秒未満であって、約30回/秒未満を含む。
【0228】
ある他の実施形態では、コンテンツは、片眼にのみ表示される。例えば、コンテンツの表示を視認者の2つの眼間で交互するのではなく、眼の一方へのコンテンツの表示は、単に、例えば、本明細書でさらに議論されるように、「冷却」周期にわたって停止される。冷却周期は、視認者がコンテンツによって生じ得る不快感から「回復」することを可能にするために十分に長くあり得る。
【0229】
いくつかの実施形態では、所定のアクションは、それにわたって視認者がAVM不快感ゾーン内の仮想オブジェクトに持続的に暴露される、持続時間を計時することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、許容される暴露持続時間は、例えば、1秒またはそれ未満、10秒またはそれ未満、30秒またはそれ未満、3分またはそれ未満、および/または可変ユーザまたはシステム選択時間量であってもよい。許容される暴露持続時間が経過した後、AVM不快感ゾーン内の仮想オブジェクトへの暴露は、停止または限定されてもよい。上記に述べられたように、本暴露の停止または限定は、単に、仮想オブジェクトの表示を中止する、仮想オブジェクトをフェードアウトさせる、仮想オブジェクトをAVM不快感ゾーン外に移動させる、片眼または両眼への仮想オブジェクトの表示を修正すること等を含んでもよい。
【0230】
いくつかの実施形態では、所定のアクションが、仮想オブジェクトおよび/または仮想オブジェクトを表示させるアプリケーションの識別と一致するように実施されてもよい。例えば、仮想オブジェクトが飛んでいるエンティティである場面では、仮想オブジェクトをAVM不快感ゾーン外に移動させることは、それぞれ、近方のまたは遠方のAVM不快感ゾーン外の距離にユーザから離れるように飛んでいるまたはユーザに向かって飛んでいる仮想オブジェクトを示すことを含んでもよい。その結果、所定のアクションは、仮想オブジェクトを表示させるアプリケーションに応じて変動し得、アプリケーション自体によって決定されてもよく、アプリケーションはまた、行われる特定のアクションを決定付ける。いくつかの実施形態では、さらに本明細書に説明されるように、アプリケーションによって提供される所定のアクションが、視認者のAVM不快感ゾーン内の仮想オブジェクトへの暴露に対処するために十分であると決定されない場合、ディスプレイシステムは、アプリケーションをオーバライドし、視認者の暴露を十分に限定するための別の所定のアクションを行なってもよい。
【0231】
いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトの表示を停止後または仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン外に移動された後、かつ「冷却」周期が経過した後、仮想オブジェクトは、再表示される、AVM不快感ゾーン内に戻るように移動することを可能にされる、または単に、表示のために適格であると見なされてもよい。いくつかの実施形態では、冷却周期は、3秒以上、5秒以上、または10秒以上であってもよい。いくつかの実施形態では、冷却周期は、可変であってもよく、暴露持続時間の関数であってもよい。例えば、より長い許容される暴露持続時間を伴うコンテンツに関して、冷却周期は、対応して、より短い暴露持続時間を伴うコンテンツより長くてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、世界内コンテンツに関する冷却周期は、ユーザにロックされたコンテンツに関する冷却周期より短くてもよい。
【0232】
所定のアクションがブロック2050において行われた後、プロセスは、ブロック2060に進んでもよい。ブロック2060では、次の仮想オブジェクトは、クリッピング分析のために選択され、プロセスは、次いで、再び、ブロック2020に進む。分析されるべき次の仮想オブジェクトは、直近の分析されたものと異なる仮想オブジェクトであってもよいことを理解されたい。しかしながら、ある場合には、次の仮想オブジェクトは、同一仮想オブジェクトであってもよい。例えば、次の仮想オブジェクトは、依然として、前に分析された仮想オブジェクトによって満たされている、基準に基づいて選択され得る、または表示されている1つのみの仮想オブジェクトが存在し得ることが可能性として考えられる。
【0233】
再び図13Cのブロック2040を参照すると、仮想オブジェクトがLoFゾーン内(例えば、ユーザからLoF閾値距離未満である距離)にあると決定される場合、プロセスは、ブロック2070に進む。ブロック2070では、ディスプレイシステムは、ユーザがLoFゾーン内の点を固視しているかどうか(例えば、ユーザがLoF閾値距離未満である輻輳・開散運動距離を有するかどうか)を決定する。ブロック2070のために利用されるユーザ輻輳・開散運動距離値は、ブロック2030のために利用される同一ユーザ輻輳・開散運動距離値であってもよい、またはディスプレイシステムは、ユーザ輻輳・開散運動距離の新しい決定を行なってもよいことを理解されたい。LoFゾーンが、ユーザ輻輳・開散運動の角度(すなわち、収束角度)が閾値輻輳・開散運動角度を上回る(ブロック2070において)、3次元空間の部分を表す、実施形態に関して、ディスプレイシステムは、ユーザ輻輳・開散運動角度が閾値LoF輻輳・開散運動角度を上回るかどうかを決定するということになる。
【0234】
ユーザが、LoFゾーン外の点を固視している場合(例えば、輻輳・開散運動距離がLoF閾値距離未満ではない、またはユーザ輻輳・開散運動角度が閾値LoF輻輳・開散運動角度を上回らない場合)、プロセスは、ブロック2090に進み、仮想オブジェクトは、表示される、または表示され続ける。ユーザの固視点がLoFゾーン内にある場合(例えば、輻輳・開散運動距離がLoF閾値距離未満である場合)(またはユーザ輻輳・開散運動角度が閾値LoF輻輳・開散運動角度を上回る場合)、プロセスは、ブロック2080に進み、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトを表示することを控える。ユーザ輻輳・開散運動距離が、実際、LoF閾値距離未満であることのブロック2070における決定は、事実上、仮想オブジェクトおよびユーザ輻輳・開散運動の両方がLoFゾーン(例えば、上記に説明される図12AのLoFゾーン1010)内に位置付けられる場所に対応することを示すということになる。仮想オブジェクトを表示することを控えることは、両眼への仮想オブジェクトの表示を完全に停止または防止する、または、仮想オブジェクトの表示を断続的に停止または防止する(例えば、一度に片眼に)ことを含んでもよい。例えば、ディスプレイシステムは、片眼における仮想オブジェクトの表示を停止し得るが、他方の眼にオブジェクトを表示し続ける、またはディスプレイは、各眼への仮想オブジェクトの停止および表示を交互してもよい。いくつかの実施形態では、各眼へのオブジェクトの表示の停止および開始(例えば、フリッカ)は、フリッカ融合閾値未満のレートで生じる(例えば、オブジェクトの表示を停止および開始するレートは、60回以下/秒であってもよい)。いくつかの実装では、ブロック2080は、図15および16を参照して下記に説明されるように、タイマの設定、リセット、評価、および/またはそれへの応答と関連付けられた動作のうちの1つ以上のものを実行することを含んでもよい。そのような実装では、システムは、1つ以上のタイマが切れることに応答してのみ、仮想オブジェクトの表示を控える動作を実行してもよい。ブロック2080またはブロック2090後、プロセスは、次いで、ブロック2060に進み、仮想オブジェクトのさらなる選択が、本明細書に議論されるように、クリッピングのために分析される。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトがユーザからLoF閾値距離未満ではないというブロック2040における決定に応答して、プロセスは、直接、ブロック2050に進む前に、ブロック2070またはそれに類似する別のブロックに進んでもよい。
【0235】
図13Cを継続して参照すると、種々のブロック2020、2030、2040、2070の順序は、図示されるものから変動され得ることを理解されたい。例えば、ブロック2020、2030が実施される順序は、逆転されてもよい。加えて、ブロック2040、2070が実施される順序もまた、逆転されてもよい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。さらに、図13に図示される個々のブロックは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスにおいて実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップは、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、プロセスは、2つ以上の独立して実行可能なプロセスに分割されてもよい。いくつかの実装では、システムは、相互から独立して、ブロック2010、2020、2030、2050、2060、および2090を含む、第1のプロセス(例えば、プロセスは、直接、ブロック2030からブロック2050またはブロック2090のいずれかに進んでもよい)と、ブロック2010、2040、2050、2060、2070、2080、および2090を含む、第2のプロセス(例えば、プロセスは、直接、ブロック2010からブロック2040に進んでもよく、直接、ブロック2040からブロック2070またはブロック2050のいずれかに進んでもよい)とを実行してもよい。このように、システムは、並行して、AVMおよびLoFベースの評価を実施してもよい。いくつかの実施形態では、システムは、第1および第2のプロセスのうちの1つのみを実施してもよい。さらに、図16を参照して下記にさらに詳細に説明されるであろうように、このように、本明細書に説明されるプロセス(例えば、図13A-13C、15、16等のプロセス)のうちの1つ以上のものを分割および/または拡張させることは、あるプロセスがソフトウェアアーキテクチャ内の異なる層において実行されることを可能にし得る。
【0236】
また、いくつかの実施形態では、ユーザの固視点(例えば、ユーザの輻輳・開散運動距離)がAVM閾値距離未満であるかどうかを決定することの代替として、またはそれに加え、ブロック2030は、ユーザが仮想オブジェクトに輻輳しているかどうかに関する決定を含んでもよい。ユーザが仮想オブジェクトに輻輳していない場合、プロセスは、ブロック2090に進み、仮想オブジェクトが、表示される。ユーザが仮想オブジェクトに輻輳している場合、プロセスは、ブロック2040に進む。いくつかの実施例では、プロセスは、ユーザが仮想オブジェクトから離れた閾値距離未満に位置する3次元空間内の点に輻輳しているかどうかに関する決定を含んでもよい。これらの実施例では、システムは、ユーザの輻輳・開散運動点から仮想オブジェクト(またはその一部)までのユークリッド距離を決定し、決定されたユークリッド距離と閾値を比較し、ブロック2040またはブロック2090に進むべきかどうかを決定してもよい。加えて、ユーザの眼の一方が閉鎖される場合、ディスプレイシステムは、ブロック2030および2070において、ディスプレイシステムが、輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離未満ではないまたは輻輳・開散運動距離がLoF閾値距離未満ではない結果を提供するように、輻輳・開散運動距離を登録しないようにプログラムされてもよい。いくつかの実装では、システムは、ユーザの眼の一方(または両方)が閉鎖されたかどうかを能動的に決定してもよく、ユーザの眼の一方(または両方)が、実際、閉鎖されたことの決定に応答して、ブロック2090に進むように移行してもよい。
【0237】
説明を容易にするために、ディスプレイシステムは、種々のアクションを実施する、または種々の決定を行うように本明細書で議論される。これらの種々のアクションを実施する、またはこれらの種々の決定を行うことは、ディスプレイシステムの1つ以上のプロセッサを使用して算出を実施する、および/または種々のアクションを実施する、または種々の決定を行う際、外部算出リソースを利用することを含んでもよいことを理解されたい。
【0238】
理論によって限定されるわけではないが、視認者は、世界内コンテンツよりユーザにロックされたコンテンツに関して、遠近調節-輻輳・開散運動不整合に対してより感度を有し得ると考えられる。さらに、長時間の暴露周期後、一部のユーザは、ユーザにロックされたコンテンツのある部分が方向感覚を失わせるおよび/または不快であることを見出し得る。その結果、世界内コンテンツに関するAVM閾値距離は、ユーザにロックされたコンテンツに関する対応するAVM閾値距離より大きくあり得る。これらの差異は、ユーザにロックされたコンテンツおよび世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーンのサイズにおける差異として表され得る。加えて、本明細書に開示されるように、コンテンツがオクルージョンコンテンツである場合、そのコンテンツは、いくつかの実施形態では、AVM不快感ゾーンを有していないように取り扱われてもよい。
【0239】
ここで図14を参照すると、視認者に対する複数の遠近調節-輻輳・開散運動不整合不快感ゾーンおよび融合喪失ゾーンの上下概略図の実施例が、図示される。図14は、図12Aに類似するが、2つの近方のAVM不快感ゾーンが、図示される。AVM不快感ゾーン1010aは、ユーザにロックされたコンテンツに関するAVM不快感ゾーンであって、AVM不快感ゾーン1010bは、世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーンである。AVM不快感ゾーン1010bは、AVM不快感ゾーン1010aに完全に重複し、これは、世界内コンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合に対する視認者の予期されるより大きな耐性に起因して、AVM不快感ゾーン1010bを越えて延在する。いくつかの実施形態では、異なる融合喪失(LoF)ゾーンもまた、異なるコンテンツタイプ(例えば、ユーザにロックされたコンテンツ、世界内コンテンツ等)に関して提供され得る。したがって、図14および15を参照して本明細書に説明される技法のうちの1つ以上のもの(例えば、AVM不快感ゾーン1010aおよび1010b等に関連する)は、AVM関連ルールを施行するコンテキスト内にのみ適用され得ず、また、LoF関連ルールを施行するコンテキスト内にも適用されてもよい。遠方のAVM不快感ゾーン1020(図12D)も同様に、2つのAVM不快感ゾーンに分岐され得、世界内コンテンツに関する遠方の世界内AVM不快感ゾーンは、遠方のAVM不快感ゾーン1020の全体を包含し、ユーザにロックされたコンテンツに関する遠方のユーザにロックされたAVM不快感ゾーンは、遠方のAVM不快感ゾーン1020の全体未満を包含することを理解されたい。
【0240】
いくつかの実施形態では、ユーザにロックされたコンテンツと比較して世界内コンテンツに関する遠近調節-輻輳・開散運動不整合に対する視認者のより大きい耐性は、AVM不快感ゾーン内に位置する世界内コンテンツへのより長い許容される暴露持続時間として露見し得る。その結果、いくつかの実施形態では、より長い許容される暴露持続時間が、世界内コンテンツに関するより大きいAVM不快感ゾーンに加えられ得る、またはコンテンツの両タイプに関するAVM不快感ゾーンは、類似すると仮定され得、許容される暴露持続時間のみが、2つのタイプのコンテンツ間で変動する。本明細書に議論されるように、許容される暴露持続時間の実施例は、1秒またはそれ未満、10秒またはそれ未満、30秒またはそれ未満、3分またはそれ未満、および/または可変ユーザまたはシステム選択時間量を含む。これらの値は、世界内およびユーザにロックされたコンテンツの両方に適用されてもよいが、世界内コンテンツに関して許容される暴露持続時間は、好ましくは、ユーザにロックされたコンテンツに関する許容される暴露持続時間より長い。
【0241】
異なるコンテンツのタイプに対する視認者感度における差異に起因して、クリッピング分析はまた、コンテンツタイプを考慮し得る。図15は、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかまたは世界内コンテンツであるかに基づいて、仮想オブジェクトの表示をクリッピングすべきかどうかを決定するための例示的プロセスのフローチャートを図示する。プロセスは、ディスプレイシステムによって実施されてもよく、これは、プロセスの種々のアクションを実施するための命令を含有するソフトウェアを記憶する、コンピュータ記憶媒体を有してもよい。例えば、ディスプレイシステムは、ディスプレイシステム60(図9D)であってもよく、これは、処理ハードウェアと、コンピュータ記憶媒体上に記憶されるソフトウェアとを含み得、随意に、プロセスのための情報を1つ以上のコンピュータの外部システムに提供し、例えば、処理を外部システムにオフロードし、外部システムからの情報を受信し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、図15のプロセスを実施するための命令とともにソフトウェアを記憶するためのコンピュータ記憶媒体を有する、1つ以上のプロセッサを有する、仮想現実ディスプレイシステムであってもよい。
【0242】
ブロック2010では、本明細書に議論されるように、場面からの仮想オブジェクトが、クリッピング分析のために選択される。ブロック3010では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかどうかを決定する。本決定は、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツに関する基準を満たすかどうかに応じて行われてもよい。そのような基準の実施例は、視認者が、その頭部を移動させる、または目を逸らすことによって、コンテンツを回避することが不可能であるように、仮想オブジェクトが視認者の視野内にロックされていることを含む。上記の基準に加えて、またはその代替として使用され得る、基準の他の実施例は、仮想オブジェクトが、ユーザにロックされたコンテンツとして排他的に提示される広告、ユーザインターフェースオブジェクト、または他のタイプのオブジェクトであるかどうかを決定することを含む。いくつかの実装では、仮想オブジェクトは、「世界内」または「ユーザにロックされた」コンテンツのいずれかとしてすでに規定されていてもよい。そのような実装では、ブロック3010において、ディスプレイシステムは、単に、コンテンツタイプに関する選択された仮想オブジェクトと関連付けて維持される情報にアクセスし、それを分析してもよい。
【0243】
仮想オブジェクトが、ユーザにロックされたコンテンツであると決定される場合、プロセスは、ブロック3020に進む。仮想オブジェクトが、ユーザにロックされたコンテンツではない場合、プロセスは、ブロック3080に進み、これは、ブロック3020およびその後続ブロックの議論後に議論されるであろう。
【0244】
再び図15を参照すると、ブロック3020では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内にあるかどうか(例えば、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離が、それぞれ、近方および遠方のAVM不快感ゾーンのためのユーザにロックされたコンテンツに関するAVM閾値距離未満かまたはそれよりも大きいか)を決定する。ブロック3020は、ブロック2020に類似し、ブロック2020に関する議論は、ブロック3020に完全に適用されるが、決定のために使用される、AVM不快感ゾーン形状およびサイズ(例えば、閾値距離)は、ユーザにロックされたコンテンツに関するAVM不快感ゾーン形状およびサイズ(例えば、閾値距離)である(例えば、仮想オブジェクトが上記に説明される図14のユーザにロックされたコンテンツに関するAVM不快感ゾーン1010a内に位置付けられるかどうかに関する決定において使用されるように)。仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がユーザにロックされたコンテンツに関するAVM閾値距離未満ではない場合(近方のAVM不快感ゾーン1000、図12A-12Dが存在する場合)または仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がユーザにロックされたコンテンツに関するAVM閾値距離を上回らない場合(遠方のAVM不快感ゾーン1020、図12Dが存在する場合)、仮想オブジェクトをクリッピングするためのアクションは、行われず、プロセスは、ブロック2060に進み、次の仮想オブジェクトが、クリッピング分析のために選択され、プロセスは、次いで、再び、ブロック3010に進む。図15に明示的に示されないが、いくつかの実施例では、プロセスは、ブロック3020からブロックに進み、タイマリセットが、最終的にブロック2060および/またはブロック2010に進む前に、実施される。関連がある例示的タイマは、ブロック3040-3060を参照して下記にさらに詳細に説明される。仮想オブジェクトとユーザとの間の距離が、ユーザにロックされたコンテンツに関するAVM閾値距離未満である場合、プロセスは、ブロック3030に進む。
【0245】
ブロック3030では、ディスプレイシステムは、ユーザの固視点がユーザにロックされたコンテンツに関するAVM不快感ゾーン内にあるかどうか(例えば、近方のAVM不快感ゾーン1000、図12A-12Dが存在する場合、ユーザの輻輳・開散運動距離がユーザにロックされたコンテンツに関するAVM閾値距離未満であるかどうか、または遠方のAVM不快感ゾーン1020、図12Dが存在する場合、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がユーザにロックされたコンテンツに関するAVM閾値距離を上回るかどうか)を決定する。ブロック3030は、ブロック2030に類似し、ブロック2030(図13A-13C)に関する議論は、ブロック3030に完全に適用されるが、決定のために使用される、AVM不快感ゾーン形状およびサイズ(例えば、AVM閾値距離)は、ユーザにロックされたコンテンツに関するAVM不快感ゾーン形状およびサイズ(例えば、AVM閾値距離)である。固視点がユーザにロックされたコンテンツに関するAVM不快感ゾーン外にある場合(例えば、近方のAVM不快感ゾーンの場合に、輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離未満ではない場合、または遠方のAVM不快感ゾーンの場合に、輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離を上回らない場合)、仮想オブジェクトをクリッピングするためのアクションは、行われず、プロセスは、ブロック2060に進み、次の仮想オブジェクトのためのクリッピング分析を繰り返す。図15に明示的に示されないが、いくつかの実施例では、プロセスは、ブロック3030からブロックに進み、タイマリセットが、最終的にブロック2060および/またはブロック2010に進む前に、実施される。固視点がユーザにロックされたコンテンツに関するAVM不快感ゾーンの内側にある場合(例えば、近方のAVM不快感ゾーンの場合に、輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離未満である場合、または遠方のAVM不快感ゾーンの場合に、輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離を上回る場合)、プロセスは、ブロック3040に進む。
【0246】
ブロック3040では、ディスプレイシステムは、タイマが仮想オブジェクトへのユーザ暴露時間を追跡するために起動しているかどうかを決定する。タイマは、ユーザにロックされたコンテンツへの許容される暴露持続時間の経過後に切れるように設定されてもよい。本暴露時間は、輻輳・開散運動距離がAVM不快感ゾーン(例えば、近方のAVM不快感ゾーンに関してはAVM閾値距離未満または遠方のAVM不快感ゾーンに関してはAVM閾値距離を上回る)内にある間および仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内(例えば、近方のAVM不快感ゾーンに関してはユーザにロックされたコンテンツに関するAVM閾値距離未満である、または遠方のAVM不快感ゾーンに関してはAVM閾値距離を上回る、ユーザからの距離内)にある間の、ユーザが仮想オブジェクトに持続的に暴露される時間量であることを理解されたい。輻輳・開散運動距離変化がAVM不快感ゾーンから外に移動する(例えば、近方のAVM不快感ゾーンに関してはAVM閾値距離を上回って、または遠方のAVM不快感ゾーンに関してはAVM閾値距離未満で進む)、またはオブジェクトがAVM不快感ゾーン外に移動する場合、タイマは、リセットされるであろう。
【0247】
ブロック3040では、タイマが起動していない場合、プロセスは、ブロック3050に進む。ブロック3050では、タイマが、開始され、ユーザにロックされるコンテンツへの許容される暴露持続時間と等しい持続時間にわたって起動するように設定される。上記に述べられたように、ユーザにロックされたコンテンツは、世界内コンテンツ(例えば、10秒またはそれ未満)より短い暴露時間限界(例えば、1秒またはそれ未満、2秒またはそれ未満等)を有し得る。所与の許容される暴露持続時間は、約1秒またはそれを上回り得るため、本時間枠内において、仮想オブジェクトが移動し得る、またはユーザの輻輳・開散運動が変化し得ることが可能性として考えられる。その結果、タイマが起動している間、プロセスは、ブロック3020に戻り、タイマが切れるまで、ブロック3020からブロック3060に持続的にループしてもよい。タイマが、ブロック3040において、起動している場合、プロセスは、ブロック3060に進む。
【0248】
ブロック3060では、ディスプレイシステムは、タイマが切れたかどうかを決定するように構成されてもよく、その時点で、許容される暴露持続時間は、経過したことになる。タイマが切れていない場合、プロセスは、ブロック3020に戻る。タイマが切れた場合、プロセスは、ブロック3070に進む。
【0249】
ブロック3070では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトによって表されるユーザにロックされたコンテンツのために規定された所定のアクションを行う。所定のアクションは、ブロック2050(図13)に関して議論されたものに類似してもよい。例えば、所定のアクションは、仮想オブジェクトの表示を停止する、仮想オブジェクトをユーザにロックされたコンテンツに関するAVM不快感ゾーン外に移動させる、片眼または両眼への仮想オブジェクトの表示をフリッカまたは交互させる、冷却周期が通過した後、コンテンツを再表示することを含んでもよい。所定のアクションが行われた後、プロセスは、ブロック2060に進む。図15に明示的に示されないが、いくつかの実施例では、プロセスは、ブロック3070からブロックに進み、タイマリセットが、最終的にブロック2060および/またはブロック2010に進む前に、実施される。ブロック2060では、場面からの次の仮想オブジェクトが、クリッピング分析のために選択され、プロセスは、繰り返される。
【0250】
ここでブロック3010に戻ると、ディスプレイシステムが、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツではないことを決定する場合、プロセスは、ブロック3080に進む。いくつかの実施例では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが世界内コンテンツであることの決定に応答して、ブロック3080に進む。仮想オブジェクトが世界内コンテンツであるかどうかに関するそのような決定は、仮想オブジェクトがユーザにロックされたコンテンツであるかどうかに関する決定(例えば、ブロック3010)の代わりに、またはそれに加え、行われてもよい。ブロック3080では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーン内にあるかどうか(例えば、近方のAVM不快感ゾーンの場合に、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がAVM閾値距離未満であるかどうか、または遠方のAVM不快感ゾーンの場合に、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がAVM閾値距離を上回るかどうか)を決定してもよい。ブロック3080は、ブロック2020に類似し、ブロック2020に関する議論は、ブロック3080に完全に適用されるが、決定のために使用される、AVM不快感ゾーン(例えば、AVM閾値距離)のサイズおよび形状は、世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーンの前述の形状(例えば、AVM閾値距離)(例えば、仮想オブジェクトが上記に説明される図14の世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーン1010b内に位置付けられるかどうかに関する決定)である。仮想オブジェクトが世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーン外にある場合(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がAVM閾値距離未満ではない場合、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がAVM閾値距離を上回らない場合)、仮想オブジェクトをクリッピングするためのアクションは、行われず、プロセスは、ブロック2060に進む。本明細書に議論されるように、ブロック2060では、次の仮想オブジェクトが、クリッピング分析のために選択され、プロセスは、次いで、再び、ブロック3010に進む。図15に明示的に示されないが、いくつかの実施例では、プロセスは、ブロック3080からブロックに進み、タイマリセットが、最終的にブロック2060および/またはブロック2010に進む前に、実施される。関連がある例示的タイマは、ブロック3100-3120を参照して下記にさらに詳細に説明される。表示されることになる仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内にある場合(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離が世界内コンテンツに関するAVM閾値距離未満である場合、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がAVM閾値距離を上回る場合)、プロセスは、ブロック3090に進む。
【0251】
いくつかの実施形態では、ブロック3080において、仮想オブジェクトが世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーン内にあるかどうか(例えば、近方のAVM不快感ゾーンの場合には、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がAVM閾値距離未満であるかどうか、または遠方のAVM不快感ゾーンの場合には、仮想オブジェクトとユーザとの間の距離がAVM閾値距離を上回るかどうか)を決定する前に、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが世界内コンテンツであるかどうかを確認してもよい。例えば、システムは、仮想オブジェクトが世界内コンテンツに関する基準を満たすかどうかを決定してもよい。基準の実施例は、仮想オブジェクトが周囲環境にアンカされる、またはユーザにアンカされるかどうかを決定することを含む。例えば、オブジェクトの移動が、ユーザに対して追跡され、ユーザにアンカされるか(したがって、ユーザに対して移動しない)またはユーザにアンカされないかどうかを決定してもよい。仮想オブジェクトがユーザにアンカされない場合、ユーザにロックされたコンテンツではない、したがって、世界内コンテンツであると決定されてもよい。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトは、そのコンテンツタイプを識別するために、それに割り当てられた識別子を有してもよい。
【0252】
図15を継続して参照すると、図示されるプロセスは、次に、ブロック3090、3100、3110、3120、3130、および2060のうちの1つ以上のものを通して進んでもよい。ブロック3090、3100、3110、3120、3130、および2060は、それぞれ、ブロック3030、2040、3050、3060、3070、および2060に類似することを理解されたい。ブロック3030、2040、3050、3060、3070、および2060に関する本明細書の議論は、それぞれ、ブロック3090、3100、3110、3120、3130、および2060に完全に適用されるが、以下の例外を伴い、すなわち、ブロック3090に関するAVM不快感ゾーンのサイズおよび形状は、世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーンサイズまたは形状である(例えば、AVM閾値の距離ブロック3090は、世界内コンテンツに関するAVM閾値距離である)、ブロック3110の所定の時間周期(許容される暴露持続時間)は、世界内コンテンツに関するその所定の時間周期または許容される暴露持続時間である、およびブロック3130の所定のアクションは、世界内コンテンツに関して規定されたアクションを含むことを伴う。いくつかの実施形態では、ブロック3070および3130の可能性として考えられる所定のアクションは、類似する。
【0253】
なお、明確にするために、ブロック3090、3100、3110、3120、3130、および2060は、下記に簡単に議論される。ブロック3090では、ディスプレイシステムは、ユーザの固視点が世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーン内にあるかどうか(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、輻輳・開散運動距離が世界内コンテンツに関するAVM閾値距離未満であるかどうか、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、輻輳・開散運動距離が世界内コンテンツに関するAVM閾値距離を上回るかどうか)を決定する。固視点が世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーン外にある場合(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、輻輳・開散運動距離が世界内コンテンツに関するAVM閾値距離未満ではない場合、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、輻輳・開散運動距離が世界内コンテンツに関するAVM閾値距離を上回らない場合)、仮想オブジェクトをクリッピングするためのアクションは、行われず、プロセスは、ブロック2060に進む(次の仮想オブジェクトのためのクリッピング分析を繰り返すために)。図15に明示的に示されないが、いくつかの実施例では、プロセスは、ブロック3090からブロックに進み、タイマリセットが、最終的にブロック2060および/またはブロック2010に進む前に、実施される。輻輳・開散運動距離が世界内コンテンツに関するAVM不快感ゾーン内にある場合(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、輻輳・開散運動距離が世界内コンテンツに関するAVM閾値距離未満である場合、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、輻輳・開散運動距離が世界内コンテンツに関するAVM閾値距離を上回る場合)、プロセスは、ブロック3100に進む。
【0254】
ブロック3100では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトへのユーザ暴露時間を追跡するためのタイマが起動しているかどうかを決定する。タイマは、世界内コンテンツへの許容される暴露持続時間の経過後に切れるように設定されてもよい。タイマが起動していない場合、プロセスは、ブロック3110に進む。ブロック3110では、タイマが、開始され、世界内コンテンツへの許容される暴露持続時間と等しい持続時間にわたって起動するように設定される。タイマが起動している間、プロセスは、ブロック3080に戻り、タイマが切れるまで、ブロック3080からブロック3120に持続的にループしてもよい。タイマが、ブロック3100において、起動している場合、プロセスは、ブロック3120に進む。
【0255】
ブロック3120では、ディスプレイシステムは、タイマが切れたかどうか、すなわち、許容される暴露持続時間が経過したかどうかを決定するように構成されてもよい。タイマが切れていない場合、プロセスは、ブロック3080に戻る。タイマが切れた場合、プロセスは、ブロック3130に進む。
【0256】
ブロック3130では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトによって表される世界内コンテンツに関して規定された所定のアクションを行う。所定のアクションは、ブロック2050(図13)に関して議論されるものに類似してもよい。そのような所定のアクションの実施例は、仮想オブジェクトの表示を中止する、仮想オブジェクトをフェードアウトさせる、仮想オブジェクトをAVM不快感ゾーン外に移動させる、片眼または両眼への仮想オブジェクトの表示を修正または交互させること等を含む。
【0257】
所定のアクションが行われた後、プロセスは、ブロック2060に進む。図15に明示的に示されないが、いくつかの実施例では、プロセスは、ブロック3130からブロックに進み、タイマリセットが、最終的にブロック2060および/またはブロック2010に進む前に、実施される。ブロック2060では、場面からの次の仮想オブジェクトが、クリッピング分析のために選択され、プロセスは、繰り返される。図15に図示される具体的ブロックは、本発明のいくつかの実施形態による、コンテンツタイプに基づいて、仮想オブジェクトの提示を修正するかどうかおよびその方法を決定するための特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。さらに、図15に図示される個々のブロックは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0258】
ここで図16を参照すると、別個のアプリケーション(例えば、ビデオゲーム、ストリーミングメディアプレーヤ、またはディスプレイシステム上で起動する他のアプリケーション)がその独自のクリッピング機能を規定する場合に、仮想オブジェクトの表示をクリッピングすべきかどうかを決定するための、例示的プロセス4000のフローチャートが、図示される。そのような場合、ディスプレイシステムは、アプリケーションにクリッピング機能を実行するための命令を送信する、ソフトウェアを含有してもよい。本クリッピング機能は、アプリケーションに応じて変動し得、ディスプレイシステムを通した出力のためにアプリケーションによって提供されるコンテンツへのユーザ暴露を限定する役割を果たし得る。しかしながら、特定のアプリケーションおよびクリッピング機能から独立して、ディスプレイシステムは、プロセス4000を行うように構成されてもよい。すなわち、プロセス4000およびそのようなクリッピング機能は、ディスプレイシステムまたはディスプレイシステムと通信する別のコンピューティングデバイスと関連付けられたソフトウェアアーキテクチャの異なる層において実行されてもよい。さらに、いくつかの実装では、特定のアプリケーションおよびクリッピング機能から独立して、ディスプレイシステムは、図13のブロック2010、2040、2060、2070、2080、および2090を参照して上記に説明されるもののうちの1つ以上のもの等の1つ以上のLoFベースの評価を行うように構成されてもよい。このように、LoFベースのコンテンツ限定ルールが、大域的に施行されてもよい(例えば、ディスプレイシステムは、図13のブロック2060を参照して上記に説明される1つ以上の動作を実行し、アプリケーション生成コンテンツの提示を修正してもよい)一方、AVMベースのコンテンツ限定ルールが、少なくとも部分的に、アプリケーションにおいてローカルで施行されてもよい(例えば、アプリケーションによって規定された機能は、図13のブロック2050を参照して上記に説明される1つ以上の動作を含み、アプリケーションが生成し、ディスプレイシステムを通した出力を提供する、コンテンツを修正してもよい)。しかしながら、いくつかの実施形態では、AVMベースのコンテンツ限定ルールは、ディスプレイシステムが、アプリケーションがそのようなルールをローカルで適正に施行することができないことを決定する場合、少なくとも部分的に、大域的に施行されてもよい。
【0259】
ブロック2030では、ディスプレイシステムは、ユーザの固視点がAVM不快感ゾーン内にあるかどうか(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、ユーザの輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離未満であるかどうか、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、ユーザの輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離未満を上回るかどうか)を決定する。固視点がAVM不快感ゾーン外にある場合(例えば、近方のAVM不快感ゾーンに関しては、輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離未満ではない場合、または遠方のAVM不快感ゾーンに関しては、輻輳・開散運動距離がAVM閾値距離を上回らない場合)、仮想オブジェクトをクリッピングするためのさらなるアクションは、必要とされず、プロセスは、ブロック4020に進む。ディスプレイシステムは、許容される暴露持続時間が経過したかどうかを決定するためのタイマを含んでもよいことを理解されたい。許容される暴露持続時間は、ユーザがAVM不快感ゾーン内の点に輻輳している(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、AVM閾値距離未満、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、AVM閾値距離を上回る距離に輻輳している)、時間周期に関するため、ブロック4020では、本タイマは、ユーザがAVM閾値距離内のコンテンツに輻輳していないため、リセットされてもよい。プロセスは、次いで、ブロック2030に戻ってもよい。
【0260】
再びブロック2030を参照すると、ユーザの固視点がAVM不快感ゾーン内にある場合(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、ユーザの輻輳・開散運動距離が、AVM閾値距離未満である、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、AVM閾値距離を上回る場合)、プロセスは、ブロック4030に進む。随意に、いくつかの実施形態では、ブロック4030に進む前に、プロセスは、ブロック2030からブロック4025に進んでもよく、ディスプレイシステムは、表示されることになるコンテンツがAVM不快感ゾーン内にあるかどうかを決定する。該当しない場合、プロセスは、ブロック4020に進む。表示されることになるコンテンツがAVM不快感ゾーン内にある場合、プロセスは、次いで、ブロック4030に進む。
【0261】
ブロック4030では、ディスプレイシステムは、タイマが起動しているかどうかを決定し、タイマは、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内にあるとき(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、仮想オブジェクトがAVM閾値距離未満にあるとき、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、仮想オブジェクトがAVM閾値距離を上回るとき)、仮想オブジェクトへのユーザ暴露時間を追跡する。タイマが起動していない場合、プロセスは、ブロック4040に進む。ブロック4040では、タイマが、開始され、その仮想オブジェクトのための許容される暴露持続時間にわたって起動するように設定される。タイマが起動している間、プロセスは、ブロック2030に戻り、タイマが切れるまで、ブロック2030からブロック4050に持続的にループしてもよい。
【0262】
ブロック4050では、ディスプレイシステムは、タイマが切れたかどうか、すなわち、許容される暴露持続時間が経過したかどうかを決定するように構成されてもよい。タイマが切れていない場合、プロセスは、ブロック2030に戻る。タイマが切れた場合、プロセスは、ブロック4060に進む。いくつかの実施形態では、ブロック4020、4030、4040、および4050は、ディスプレイシステムが、例えば、高速移動(例えば、サッカード、マイクロサッカード)の間、事実上、ユーザの眼のわずかな移動をフィルタリングし、眼が3次元空間内の場所を固視していることの決定に応じて、固視点を更新することを可能にする役割を果たし得る。このように、ディスプレイシステムは、閾値持続時間未満にわたって点を固視する、眼の移動を無視し、および/または不随意的眼移動(例えば、瞬目)を無視し、したがって、ユーザがAVM不快感ゾーン(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、ユーザから離れたAVM閾値距離未満、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、AVM閾値距離を上回る)内に位置する3次元空間内の点を固視していることの決定に応答してのみ、ブロック4060に進むように構成されてもよい。いくつかの実装では、ブロック4020、4030、4040、および4050の一部または全部は、プロセス4000から除外されてもよい。
【0263】
ブロック4060では、ディスプレイシステムは、ディスプレイシステム上で現在起動されているアプリケーションに、クリッピング機能の実行を呼び出すためのメッセージを送信するように構成される。本明細書に議論されるように、可能性として考えられるクリッピング機能の実施例は、仮想オブジェクトの表示を中止する、仮想オブジェクトをフェードアウトさせる、仮想オブジェクトをAVM不快感ゾーン外に移動させること等を含む。実際、上記に述べられたように、ブロック4060と関連付けられた動作の少なくとも一部は、ブロック2050、3070、および/または3130を参照して上記に説明されるもの等の所定のアクションの実施例を表してもよい。いくつかの実施形態では、上記に述べられたメッセージは、アプリケーションプログラマブルインターフェース(API)を通して、アプリケーションに通信される。いくつかの実施例では、APIを通して通信される、そのようなメッセージは、機能呼び出しのものであってもよい。APIを通して呼び出され、続いて、アプリケーションによって実行される、機能は、図13および15を参照して上記に説明される1つ以上の動作に対応してもよい。いくつかの実施形態では、アプリケーションによって実行される機能は、任意の仮想オブジェクトがユーザの視野内にあるかどうかを決定するための1つ以上の動作を含んでもよい。このように、ディスプレイシステムは、ユーザの視野内およびAVM不快感ゾーン(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、ユーザから離れたAVM閾値距離未満、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、ユーザから離れたAVM閾値距離を上回る)内に位置すると決定された仮想オブジェクトのみを表示することを控え得る。ある他の実施形態では、アプリケーションによって実行される機能は、AVM不快感ゾーン(例えば、近方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、ユーザから離れたAVM閾値距離未満、または遠方のAVM不快感ゾーンが存在する場合には、ユーザから離れたAVM閾値距離を上回る)内に位置すると決定された全ての仮想オブジェクトを表示することを無差別的に控えるための1つ以上の動作を含んでもよい。いくつかの実装では、メッセージは、ユーザの輻輳・開散運動距離を示すタイムスタンプ付き情報を含んでもよい。これらの実装のうちの少なくともいくつかでは、アプリケーションはさらに、そのような情報を活用して、表示されることになる仮想オブジェクトおよび表示されないことになる仮想オブジェクトを識別してもよいということになる。上記に述べられたように、いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、アプリケーションのアクティビティを監視し、アプリケーションがクリッピング機能の実行を呼び出すための発行されたメッセージに十分に応答したかどうかを決定してもよく、発行されたメッセージに対するアプリケーションの応答が不十分であると決定される場合、付加的アクションを行なってもよい。すなわち、コンテンツをクリッピングまたは別様に修正するための1つ以上の動作は、大域的に、またはブロック4060に続いて、アプリケーションによって規定された機能がコンテンツを適正にクリッピングまたは別様に修正することに失敗する場合、ディスプレイシステムのソフトウェアアーキテクチャ内の階層的に上位の層において実行されてもよい(すなわち、アプリケーションをバイパスするように)。
【0264】
図16に図示される具体的ブロックは、本発明のいくつかの実施形態による、別個のアプリケーションがその独自のクリッピング機能を規定する場合、仮想オブジェクトの提示を修正するかどうかおよびその方法を決定するための特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。さらに、図16に図示される個々のブロックは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0265】
加えて、再び、図12A-18を参照すると、比較または別様に決定を行うために利用される種々の値は、変動し得ることを理解されたい。例えば、AVM閾値距離および許容される暴露持続時間に関する値は、コンテンツを提供する、または場面内のコンテンツ修正のためのルールを確立する、アプリケーションまたはプログラムに応じて、変動し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、例えば、コンテンツのその独自のカテゴリ化またはその独自のコンテンツパラメータを伴う、プログラムまたはアプリケーションに起因して、それぞれ、AVM不快感ゾーンのサイズおよび/または許容される暴露持続時間を確立する関連付けられた距離を有する、ユーザコンテンツの異なるタイプを識別するように構成されてもよい。例えば、ディスプレイシステムは、それぞれ、異なる識別子および個別のAVM不快感ゾーンサイズおよび/または許容される暴露持続時間を伴う、複数の世界内コンテンツタイプを認識し得る。加えて、または代替として、ディスプレイシステムは、それぞれ、異なる識別子および個別のAVM不快感ゾーンサイズおよび/または許容される暴露持続時間を伴う、複数のユーザにロックされたコンテンツタイプを認識し得る。いくつかの実施形態では、世界内コンテンツおよびユーザにロックされたコンテンツのそれぞれの1つのタイプのみが存在し得るが、AVM不快感ゾーンサイズおよび/または許容される暴露持続時間は、それにもかかわらず、変動し、異なるアプリケーションによって設定された異なる値を有し得る。したがって、本明細書に開示される種々のプロセスおよびフローチャートでは、AVM不快感ゾーンサイズおよび形状、AVM閾値距離、および/またはコンテンツへの暴露に関する時間周期は、分析されている仮想オブジェクトと、コンテンツタイプ、関連付けられたAVMゾーンサイズおよび形状、および暴露持続時間とを定義する、プログラムまたはアプリケーションとに応じて、変動し得る。例えば、アプリケーションに応じて、ディスプレイシステムは、メモリ内に記憶される、コンテンツの異なるタイプに関する異なるAVM閾値距離および許容される暴露持続時間を有し得る。その結果、異なるコンテンツのタイプに関するAVMサイズ形状、AVM閾値距離、および許容される暴露持続時間のための値は、場面内の分析のために選択された仮想オブジェクトに基づいて、動的に変動し、更新され得る。
【0266】
加えて、本明細書に議論されるように、AVM閾値を超える場合、ディスプレイシステムは、コンテンツを視認者の片方のみの眼に提示する(例えば、両眼へのコンテンツの提示から片方のみの眼へのコンテンツの提示、すなわち、仮想コンテンツの双眼提示から仮想コンテンツの単眼提示に切り替える)ように構成されてもよい。例えば、再び、図13A-13Cおよび15-16を参照すると、ブロック2050、3070、3130、4060において所定のアクションを行う、またはブロック2080において仮想オブジェクトを表示することを控えることは、仮想コンテンツを片方のみの眼に提示することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、仮想オブジェクトを片眼に提示するかどうかの評価は、仮想オブジェクト毎に実施される。例えば、複数の仮想オブジェクトが視認者に提示される場合、各仮想オブジェクトは、AVM閾値を超える場所であると知覚されることになるかどうか、その結果、仮想オブジェクトを片方のみの眼に提示するかどうかに関して評価される。場面内の第1のセットの1つ以上の仮想オブジェクトが、AVM閾値を超える(例えば、AVM快適性ゾーン外の)場所にあると知覚されると決定される一方、場面内の第2のセットの1つ以上の仮想オブジェクトが、AVM閾値を超えない(例えば、AVM快適性ゾーン内の)場所にあると知覚されると決定される、状況において、ディスプレイシステムは、いくつかの実施形態では、第1のセットの1つ以上のオブジェクトをユーザに単眼的に提示し、第2のセットの1つ以上のオブジェクトをユーザに双眼的に提示するように構成され得るということになる。以下の議論では、単眼コンテンツは、形式上、両眼に提示され、次いで、AVM閾値を超えることに応答して、片眼に提示された、仮想コンテンツまたは仮想オブジェクトを指すために使用され得る。
【0267】
いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内にあるかどうかを決定するために、仮想オブジェクトの知覚される場所が、追跡または推定されてもよく、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが視認者の単眼視野の異なるゾーン間の境界に交差しているかどうかを決定するように構成されてもよい。例えば、ディスプレイシステムは、第1の瞬間において、仮想オブジェクトの知覚される場所、後に、第2の瞬間において、仮想オブジェクトの知覚される場所を推定し得る。仮想オブジェクトが、最初に、快適性ゾーン内にあると仮定して、仮想オブジェクトがゾーン間の境界に交差している場合、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーンの中に交差していることを意味すると、これを解釈し得る。
【0268】
ある他の実施形態では、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内にあるかどうかを決定するために、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが快適性ゾーン外の場所にあるかどうかおよび視認者の輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対する距離閾値に交差しているかどうか(例えば、ユーザの輻輳・開散運動点が、視認者が仮想オブジェクトを「見ている」と言え得るように、仮想オブジェクトに十分に近いかどうか)を決定するように構成されてもよい。仮想オブジェクトが快適性ゾーン外の場所にある場合および視認者の輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対する閾値距離に交差している場合、ディスプレイシステムは、補正アクションがディスプレイシステムによって行われるべきように、仮想オブジェクトが、現在AVM不快感ゾーン内に位置し、視認者が、その仮想オブジェクトを視認していることを意味すると、これを解釈し得る。
【0269】
本明細書に議論されるように、異なるコンテンツのタイプ(例えば、ユーザにロックされたコンテンツまたは世界内コンテンツ)は、異なる関連付けられたAVM不快感ゾーンを有し得る。その結果、異なるコンテンツのタイプは、その関連付けられたAVM不快感ゾーンのための異なる境界を有し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトのコンテンツタイプを決定し、関連付けられたAVM不快感ゾーンの境界を決定するように構成されてもよい。そのような異なる境界の実施例は、図14および15を参照して上記に説明されるように、世界内およびユーザにロックされたコンテンツに関するAVM不快感ゾーンの境界を含む。仮想オブジェクトは、最初に、快適性ゾーン内にあると仮定して、仮想オブジェクトがゾーン間の境界に交差している場合、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーンの中に交差していることを意味すると、これを解釈し得る。加えて、ディスプレイシステムは、ユーザの輻輳・開散運動点が仮想オブジェクトに対する距離閾値に交差しているかどうかを決定するように構成されてもよい。該当する場合、ディスプレイシステムは、視認者がAVM不快感ゾーン内の仮想オブジェクトを見ていることを意味すると、これを解釈し得る。
【0270】
仮想オブジェクトが、AVM不快感ゾーン内にあって、アクションを要求するかどうかを決定するための上記の種々のスキームの結果として、ディスプレイシステムは、所定のアクションが実行され、AVM不快感ゾーン内の仮想オブジェクトの存在を軽減させるべきであると結論付け得る。所定のアクションは、本明細書で議論される所定のアクションのいずれかであってもよいことを理解されたい。例えば、ディスプレイシステムは、視認者の眼の一方内における仮想オブジェクトの提示を中止するように構成されてもよい、すなわち、ディスプレイシステムは、双眼提示モード(仮想オブジェクトが視認者の両眼に提示される)から単眼提示モード(仮想オブジェクトが視認者の片眼に提示される)に遷移するように構成されてもよい。
【0271】
仮想オブジェクトが両眼に提示される場合、続いて、仮想オブジェクトが対向眼にのみ提示されるように、眼への仮想オブジェクトの提示を中止することは、提示される画像の知覚される明度における低減、したがって、仮想オブジェクトの知覚される明度における低減を生じさせ得る。理論によって限定されるわけではないが、これは、画像の双眼総和に起因すると考えられる、すなわち、画像の知覚される明度は、ヒト視覚系により、左および右眼内の画像の総和によって決定されると考えられる。眼への画像の提示を中止することは、総和がより少なくなるように、事実上、画像をその眼から排除し、それによって、知覚される明度における低減を生じさせる。
【0272】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、視認者への仮想オブジェクトの単眼提示の画像の輝度を増加させることによって、知覚される明度における低減を軽減させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトを一方の眼に提示するとき、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの提示される画像の輝度を、視認者が片眼に提示される仮想オブジェクトの画像を両眼に提示される仮想オブジェクトと実質的に同一明度を有するように知覚するほど十分なレベルまで増加させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、片眼に提示される仮想オブジェクトの知覚される明度は、両眼に提示されるときの仮想オブジェクトの知覚される明度の30%以内、20%以内、または10%以内である。
【0273】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、特定の眼への単眼コンテンツの提示を優先するようにデフォルト設定またはバイアスされるように構成されてもよい。例えば、デフォルトとして、単眼コンテンツは、ユーザの利眼に提示されてもよい。そのような実施形態では、ディスプレイシステムは、利眼である視認者の眼のインジケーションを、メモリ内に記憶している、またはそこにアクセスすることが可能であってもよい。本パラメータは、ユーザによって入力される、ユーザ選択可能パラメータであってもよいことを理解されたい。ある他の実施形態では、ディスプレイシステムは、例えば、較正ルーチンの間にシステムによって実施される、および/またはシステムの動作の間にリアルタイムでシステムによって実施される、1つ以上の試験/評価に基づいて、利眼であるユーザの眼を決定してもよい。理論によって限定されるわけではないが、ヒト視覚系は、いくつかのシナリオでは、利眼からの情報の処理を優先し、利眼ではない眼からの視覚的情報は、いくつかのインスタンスでは、抑制され得ると考えられる。有利には、利眼への単眼コンテンツの提示は、視認者に、より高い視力で知覚される、視覚的情報を提供し、その情報の抑制を軽減させ得ると考えられる。眼優位性、抑制、および両眼闘争を含む、視覚処理に関する付加的詳細は、第US2017/0365101号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0274】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、静的単眼コンテンツを移動させる、または別様にその視覚的性質を変化させるように構成されてもよい。理論によって限定されるわけではないが、静的仮想オブジェクトは、視認者によって知覚されないように消滅し得る、またはディスプレイシステムがその単眼コンテンツを持続的に提示する場合でも、断続的に消失および再出現するように見え得ると考えられる。これは、視覚系が、他方の眼に提示される動的コンテンツを優先して、静的コンテンツを無視する、両眼闘争、または運動誘発盲目(MIB)および運動誘発眼球間抑制等の他の現象に起因し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、単眼コンテンツが静的であるかどうかを決定することによって、表示される単眼コンテンツのそのような消失に対して保護するように構成されてもよい。単眼コンテンツが、静的であると決定される場合、ディスプレイシステムは、そのそうでなければ静的仮想コンテンツの移動を生じさせる(例えば、単眼コンテンツを定位置で発振するように現れさせる、単眼コンテンツによって投じられる仮想陰影内に移動をもたらすように、仮想場面内の1つ以上の仮想光源の位置を調節する等)、他の性質を変化させる(例えば、単眼コンテンツを知覚される明度および/またはサイズにおいて発振させる)、または別様に、ユーザに単眼刺激(例えば、時間的変動する刺激)を提示するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、ユーザによるそのような単眼コンテンツの不随意的知覚抑制を防止するように、単眼コンテンツ内に1つ以上の所定のアニメーションシーケンスを呼び出すように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、ユーザにロックされたコンテンツを静的コンテンツとして取り扱うように構成されてもよい。そのような実装のうちの少なくともいくつかでは、ディスプレイシステムは、そのようなコンテンツをユーザに単眼的に提示するとき、ユーザのFOVに対するコンテンツの位置が、ユーザがその頭部を移動させるにつれて変化し得るように、ユーザにロックされたコンテンツをユーザから「ロック解除」するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、ディスプレイシステムは、そのようなコンテンツをユーザに単眼的に提示するとき、そのようなコンテンツがユーザに緩くのみテザリングされるように、ユーザにロックされたコンテンツの挙動を調節するように構成されてもよい。両眼闘争、運動誘発盲目(MIB)、および運動誘発眼球間抑制に関する付加的詳細は、第US2017/0365,101号(その全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0275】
単眼コンテンツを提供するとき、ディスプレイシステムは、その単眼コンテンツを提示される眼に関する決定を行なってもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、その中に仮想オブジェクトがその単眼コンテンツによって表される、視野の側が位置する眼に、単眼コンテンツを提示するように構成されてもよい。例えば、ユーザの視野の右側の仮想オブジェクトは、右眼への単眼コンテンツとして提示され得る一方、視野の左側の仮想コンテンツは、左眼への単眼コンテンツとして提示され得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが視野の右または左側にあるかどうかを決定し、仮想オブジェクトが単眼コンテンツとして提示されるべき場合、その上に仮想オブジェクトが位置する、視野の側に対応する眼に、単眼コンテンツを提示するように構成されてもよい。
【0276】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、ユーザの視線の方向を決定し、単眼コンテンツを提示されるであろう眼を決定するように構成されてもよい。例えば、ユーザの視線が視野の左側に指向される場合、単眼コンテンツは、左眼上に提示され得、ユーザの視線が視野の右側に指向される場合、単眼コンテンツは、右眼に提示され得る。
【0277】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、ユーザの視野の異なる側への提示のための異なる仮想オブジェクト、例えば、視野の左側の1つの仮想オブジェクトと、右側の第2の仮想オブジェクトとを有してもよい。そのようなインスタンスでは、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン内にあるかどうかを決定するように構成されてもよい。それらがAVM不快感ゾーン内にある場合、ディスプレイシステムはさらに、仮想オブジェクトの両方を単眼的に同一眼に提示するかどうかに関する決定を行うように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、デフォルトとして、仮想オブジェクトの両方を単眼的に同一眼に提示してもよい。ある他の実施形態では、視野(FOV)の異なる側に提示されることになる第1および第2の仮想オブジェクトに関して、ディスプレイシステムは、以下の条件のうちの1つ以上のものが満たされるかどうかを決定するように構成されてもよい。例えば、ディスプレイシステムは、下記の条件のうちの任意の1つまたは全ての存在を評価するように構成されてもよい。これらの条件のいずれかが満たされる場合、ディスプレイシステムは、第1および第2の仮想オブジェクトを単眼的に同一眼に提示するように構成されてもよい。
・第1および第2の仮想オブジェクトが、所定の閾値分離値より仮想空間内で相互に近い。
・第1および第2の仮想オブジェクトが、仮想オブジェクト/アセットのライブラリからの同一仮想オブジェクトまたはアセットの複製または異なるインスタンスである(例えば、仮想場面の床上の2つの同じまたはほぼ同じカードボードボックスアセット)、または少なくとも外観が類似する(例えば、サイズ、形状、および色が類似する)。理論によって限定されるわけではないが、ヒト視覚系は、異なる眼に提示されている同一オブジェクトであるかのように、類似して見える仮想オブジェクトをともに融合させるように試みるであろうと考えられる。第1および第2の仮想オブジェクトの両方を同一眼に提示することは、オブジェクトを融合させるそのような試みを回避する。
【0278】
いくつかの実施形態では、第1または第2の仮想オブジェクトは、外観が類似するが、異なる深度に提示されることになる。例えば、第1の仮想オブジェクトは、AVM不快感ゾーン内にあり得る一方、第2の仮想オブジェクトは、AVM不快感ゾーン外にあり得る、またはその逆である。なお、ディスプレイシステムは、第1および第2の仮想オブジェクトを単眼的に同一眼に提示し、ヒト視覚系による第1および第2の仮想オブジェクトを融合させる試みに対して保護するように構成されてもよい。
【0279】
ある他の実施形態では、いくつかの状況下において、ディスプレイシステムは、第1の仮想オブジェクトをその対応する眼(第1の仮想オブジェクトと同一視野側の眼)に、および第2の仮想オブジェクトをその対応する眼(第2の仮想オブジェクトと同一視野側の眼)に提示するように構成されてもよい。したがって、視野(FOV)の異なる側に提示されることになる2つの仮想オブジェクトに関して、ディスプレイシステムは、以下の条件のうちの1つ以上のものが満たされるかどうかを決定するように構成されてもよい。ディスプレイシステムは、下記の条件のうちの1つのみの存在または下記の条件の複数のものの存在を決定するように構成されてもよい。これらの条件のいずれかが満たされる場合、ディスプレイシステムは、第1の仮想オブジェクトを単眼的にユーザの眼のうちの対応する一方に提示し、第2の仮想オブジェクトを単眼的にユーザの眼のうちの対応する他方の眼に提示するように構成されてもよい。
・2つの仮想オブジェクトが、閾値分離値より遠く離れている。
・仮想オブジェクトの一方または両方が、ユーザの双眼FOV外にある(例えば、仮想オブジェクトのうちの少なくとも1つが、図12DのMまたはM内にある)。例えば、第1の仮想オブジェクトが、ユーザの左眼の単眼FOV(M)内に位置付けられ、第2の仮想オブジェクトが、ユーザの右眼の単眼FOV(M)内に位置付けられる場合、ディスプレイシステムは、同時に、(i)第1の仮想オブジェクトを単眼的にユーザの左眼に提示し、(ii)第2の仮想オブジェクトを単眼的にユーザの右眼に提示するように構成されてもよい。
【0280】
仮想オブジェクトの単眼提示への切替後、視認者は、単眼コンテンツがその眼に提示されている間、単眼コンテンツを受光している眼を偶発的に閉鎖し得ることを理解されたい。典型的には、仮想コンテンツが、両眼に提供される場合、片眼を閉鎖することは、そのコンテンツの消失をもたらさないであろう。しかしながら、片眼に提供される単眼コンテンツは、その眼が閉鎖される場合、消失を被りやすくなり得る。本単眼コンテンツの消失を回避するために、ディスプレイシステムは、眼が閉鎖された、または閉鎖していることの検出に応じて、視認者の他方の眼への単眼コンテンツの提示に偏移するように構成されてもよい。カメラアセンブリ630(図6)等の1つ以上のカメラが、眼を結像し、眼が閉鎖している、閉鎖された、または開放しているかどうかを決定するために利用されてもよいことを理解されたい。
【0281】
例えば、システムが、コンテンツを単眼的にユーザの左眼に提示している(かつコンテンツをユーザの右眼に提示しない)間、ユーザがその左眼を閉鎖した、または閉鎖していることを決定する場合、システムは、コンテンツをユーザの右眼に提示し始めてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、コンテンツを左眼に提示し続け、したがって、コンテンツを同時に両眼に提示してもよい。しかしながら、コンテンツの提示は、事実上、開放している眼にのみ到達し、その結果、コンテンツが両眼に指向されるときでも、AVM閾値を超えない。そのような実施形態では、ディスプレイシステムは、最終的に、その眼が少なくとも閾値時間量にわたって閉鎖されていることが決定されると、ユーザの閉鎖された眼へのコンテンツの提示を停止してもよく、その後、システムは、コンテンツをユーザの他方の開放している眼のみに提示する。
【0282】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、コンテンツを片眼に提示してもよく、ユーザがその眼を閉鎖した、または閉鎖していると決定されると、コンテンツをその眼(例えば、ユーザの左眼)に提示することを停止してもよい。代わりに、ディスプレイシステムは、ユーザの他方の眼(例えば、右眼)へのみの単眼コンテンツの提示に偏移するように構成されてもよい。
【0283】
単眼コンテンツの提示が、第1の眼の閉鎖に応答して、第1の眼から他方の眼に偏移される、実施形態のいずれかでは、ディスプレイシステムは、システムが、ユーザが第1の眼を開放した、または開放していることを決定することに応じて、コンテンツを単眼的に第1の眼に提示することに直ちに戻ってもよい(かつ他方の眼への単眼コンテンツの提示を停止する)ことを理解されたい。
【0284】
仮想コンテンツの双眼から単眼提示への切替は、視認者に可視であり得る。本切替をマスクするために、いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、上記に議論されるように、単眼提示への切替が適切であるかどうかを決定し、次いで、単眼提示への切替を行う前に、マスクイベントが生じることを待機するように構成されてもよい。したがって、単眼提示への切替は、マスクイベントの間に生じ得る。マスクイベントの実施例は、単眼提示への切り替えの視認者の知覚能力を減少させる、瞬目、サッカード、または他の眼球イベントを含む。例えば、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーンの中に交差していることを決定し、次いで、単眼提示への切替を行う前に、マスクイベントが生じることを待機してもよい。同様に、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトがAVM不快感ゾーン外で交差していることを決定し得、マスクイベントの発生に応じて、仮想オブジェクトの単眼から双眼提示に切り替えてもよい。マスクイベントに関する付加的詳細は、第US2017/0276948号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0285】
本明細書に説明される、および/または図に描写されるプロセス、方法、およびアルゴリズムはそれぞれ、具体的かつ特定のコンピュータ命令を実行するように構成される、1つ以上の物理的コンピューティングシステム、ハードウェアコンピュータプロセッサ、特定用途向け回路、および/または電子ハードウェアによって実行される、コードモジュールにおいて具現化され、それによって完全または部分的に自動化され得ることを理解されたい。例えば、コンピューティングシステムは、具体的コンピュータ命令とともにプログラムされた汎用コンピュータ(例えば、サーバ)または専用コンピュータ、専用回路等を含むことができる。コードモジュールは、実行可能プログラムにコンパイルおよびリンクされ得る、動的リンクライブラリ内にインストールされ得る、または解釈されるプログラミング言語において書き込まれ得る。いくつかの実装では、特定の動作および方法が、所与の機能に特有の回路によって実施され得る。
【0286】
さらに、本開示の機能性のある実装は、十分に数学的、コンピュータ的、または技術的に複雑であるため、(適切な特殊化された実行可能命令を利用する)特定用途向けハードウェアまたは1つまたはそれを上回る物理的コンピューティングデバイスは、例えば、関与する計算の量または複雑性に起因して、または結果を実質的にリアルタイムで提供するために、機能性を実施する必要があり得る。例えば、ビデオは、多くのフレームを含み、各フレームは、数百万のピクセルを有し得、具体的にプログラムされたコンピュータハードウェアは、商業的に妥当な時間量において所望の画像処理タスクまたは用途を提供するようにビデオデータを処理する必要がある。
【0287】
コードモジュールまたは任意のタイプのデータは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、光学ディスク、揮発性または不揮発性記憶装置、同一物の組み合わせ、および/または同等物を含む、物理的コンピュータ記憶装置等の任意のタイプの非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。いくつかの実施形態では、非一過性コンピュータ可読媒体は、ローカル処理およびデータモジュール(140)、遠隔処理モジュール(150)、および遠隔データリポジトリ(160)のうちの1つ以上のものの一部であってもよい。本方法およびモジュール(またはデータ)はまた、無線ベースおよび有線/ケーブルベースの媒体を含む、種々のコンピュータ可読伝送媒体上で生成されたデータ信号として(例えば、搬送波または他のアナログまたはデジタル伝搬信号の一部として)伝送され得、種々の形態(例えば、単一または多重化アナログ信号の一部として、または複数の離散デジタルパケットまたはフレームとして)をとり得る。開示されるプロセスまたはプロセスステップの結果は、任意のタイプの非一過性有形コンピュータ記憶装置内に持続的または別様に記憶され得る、またはコンピュータ可読伝送媒体を介して通信され得る。
【0288】
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写されるフロー図における任意のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、プロセスにおいて具体的機能(例えば、論理または算術)またはステップを実装するための1つまたはそれを上回る実行可能命令を含む、コードモジュール、セグメント、またはコードの一部を潜在的に表すものとして理解されたい。種々のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、組み合わせられる、再配列される、追加される、削除される、修正される、または別様に本明細書に提供される例証的実施例から変更されてもよい。いくつかの実施形態では、付加的または異なるコンピューティングシステムまたはコードモジュールが、本明細書に説明される機能性のいくつかまたは全てを実施し得る。本明細書に説明される方法およびプロセスはまた、任意の特定のシーケンスに限定されず、それに関連するブロック、ステップ、または状態は、適切な他のシーケンスで、例えば、連続して、並行して、またはある他の様式で実施されることができる。タスクまたはイベントが、開示される例示的実施形態に追加される、またはそれから除去され得る。さらに、本明細書に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、例証を目的とし、全ての実施形態においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。説明されるプログラムコンポーネント、方法、およびシステムは、概して、単一のコンピュータ製品においてともに統合される、または複数のコンピュータ製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0289】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに行われ得ることが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証と見なされるべきである。
【0290】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0291】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0292】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件付き用語は、別様に具体的に記述されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることを意図していることを理解されたい。したがって、そのような条件付き用語は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態のためにいかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力またはプロンプトの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるものであるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを合意することを意図していない。用語「~を備える(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(having)」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないことを認識されたい。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されていない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のうちのいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実装において再配列される、または再順序付けられてもよい。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態において種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品にともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合には、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0293】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図しておらず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16