(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット及び電動移動体
(51)【国際特許分類】
B60K 6/24 20071001AFI20230928BHJP
B60K 6/46 20071001ALI20230928BHJP
B60K 6/40 20071001ALI20230928BHJP
F16F 15/32 20060101ALI20230928BHJP
F02B 77/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B60K6/24
B60K6/46 ZHV
B60K6/40
F16F15/32 D
F02B77/00 L
(21)【出願番号】P 2021204704
(22)【出願日】2021-12-17
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】檜垣 秀一
(72)【発明者】
【氏名】高比良 拓人
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩一
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/235560(WO,A1)
【文献】特開2018-127124(JP,A)
【文献】特開2013-002364(JP,A)
【文献】特開2011-043189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20- 6/547
F16F 15/32
F02B 77/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動移動体に用いられるシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットであって、
単一の又は複数のシリンダと、対応する前記シリンダ内を圧縮方向及び膨張方向に往復移動可能に配置された単一の又は複数のピストンと、単一のクランク軸とを含むOHC点火プラグ式エンジンと、
クランク軸平行視において、前記OHC点火プラグ式エンジンと部分的に又は全体的に重なるように配置され、前記OHC点火プラグ式エンジンからの動力により、前記単一のクランク軸に対して固定された速度比で回転するロータを含み、前記電動移動体を移動させるための電力を生成する発電機とを備え、
前記OHC点火プラグ式エンジンは、さらに、
前記OHC点火プラグ式エンジンの1次慣性力を抑制する2つのOHCE1次バランサと、
前記OHC点火プラグ式エンジンの2次慣性力を抑制する1つ又は2つのOHCE2次バランサとを含み、
前記2つのOHCE1次バランサと前記1つまたは2つのOHCE2次バランサは、それぞれ、バランサ軸と、少なくとも1つのアンバランスウェイトとを含み、
前記OHC点火プラグ式エンジンは、単一のシリンダ、直列配置された複数のシリンダ又はV型配置された複数のシリンダを含み、
前記2つのOHCE1次バランサと前記1つ又は2つのOHCE2次バランサは、前記クランク軸平行視において、
下死点に位置する前記ピストンの頂面よりも、部分的に又は全体的に、より前記膨張方向に位置し、かつ、前記発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットであって、
前記ロータは、
前記単一のクランク軸と同軸に配置され、前記単一のクランク軸と共に回転するように前記単一のクランク軸に連結される、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットであって、
前記OHC点火プラグ式エンジンは、
前記単一のクランク軸を収容するクランクケースを含み、
前記2つのOHCE1次バランサのうち、1つのOHCE1次バランサは、
バランサ軸と、
前記バランサ軸の軸方向に分散して配置された複数のアンバランスウェイトとを含み、
前記複数のアンバランスウェイトのうち、少なくとも1つのアンバランスウェイトは、前記クランクケースの外に位置している、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載のシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットであって、
前記OHC点火プラグ式エンジンは、前記クランク軸平行視において、そのクランク軸線が前記シリンダの中心軸線に対してオフセットされるように構成されている、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載のシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットであって、
前記単一のクランク軸は、1つ又は複数のクランクウェブを含み、
前記2つのOHCE1次バランサの各々を駆動する1次バランサ駆動ギアは、前記OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向において、最も前記発電機に近い前記クランクウェブよりも、前記発電機から離れた位置で、前記単一のクランク軸に設けられている、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載のシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットであって、
前記単一のクランク軸は、
前記OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向に並んで配置される2つのクランクウェブと、
前記2つのクランクウェブを連結するクランクピンとを含み、
前記クランクピンは、前記2つのクランクウェブのうち、一方のクランクウェブに一体形成されている、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載のシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットであって、
前記1つ又は2つのOHCE2次バランサのうち、少なくとも1つのOHCE2次バランサを駆動する2次バランサ駆動ギアが、前記一方のクランクウェブに設けられている、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットであって、
前記一方のクランクウェブには、前記クランクピンとの接続部分を囲むように環状溝が形成されており、
前記環状溝は、前記クランクピンの表面に接続される湾曲面を含み、
前記OHC点火プラグ式エンジンは、さらに、
前記クランクピンが挿入され、前記環状溝を覆うように配置されるワッシャを含む、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット。
【請求項9】
請求項1~
8の何れか1項に記載のシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを備える電動移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動移動体に用いられるシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電動移動体に用いられるシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットが知られている。このようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、例えば、中国特許第103158565号明細書に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットにおいては、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできるとともに、エンジンの出力を高めることができ、さらには、エンジンに発生する振動を抑制することが求められている。
【0005】
本発明の目的は、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできるとともに、エンジンの出力を高めることができ、さらには、エンジンに発生する振動を抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、電動移動体に用いられる。シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、OHC点火プラグ式エンジンと、発電機とを備える。OHC点火プラグ式エンジンは、単一の又は複数のシリンダと、単一の又は複数のピストンと、単一のクランク軸とを含む。単一の又は複数のピストンは、対応するシリンダ内を圧縮方向及び膨張方向に往復移動可能に配置される。発電機は、クランク軸平行視において、OHC点火プラグ式エンジンと部分的に又は全体的に重なるように配置される。発電機は、ロータを含む。ロータは、OHC点火プラグ式エンジンからの動力により、単一のクランク軸に対して固定された速度比で回転する。発電機は、電動移動体を移動させるための電力を生成する。OHC点火プラグ式エンジンは、さらに、2つのOHCE1次バランサと、1つ又は2つのOHCE2次バランサとを含む。なお、OHCEは、OHC(オーバーヘッドカムシャフト)点火プラグ式エンジンを指している。2つのOHCE1次バランサは、OHC点火プラグ式エンジンの1次慣性力を抑制する。1つ又は2つのOHCE2次バランサは、OHC点火プラグ式エンジンの2次慣性力を抑制する。2つのOHCE1次バランサと1つ又は2つのOHCE2次バランサは、クランク軸平行視において、発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される。
【0007】
上記シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットにおいては、クランク軸平行視において、OHC点火プラグ式エンジンと部分的に又は全体的に重なるように配置される発電機が、OHC点火プラグ式エンジンからの動力により、単一のクランク軸に対して固定された速度比で回転するロータを含み、かつ、OHC点火プラグ式エンジンにおける2つのOHCE1次バランサと1つ又は2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される。そのため、上記シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできるとともに、OHC点火プラグ式エンジンの出力を高めることができ、さらには、OHC点火プラグ式エンジンに発生する振動を抑制できる。
【0008】
シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、電動移動体に用いられる。シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、電動移動体が備えるシリーズ方式のハイブリッドシステムの少なくとも一部を構成する。
【0009】
電動移動体は、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットが備える発電機によって生成される電力により移動できればよい。電動移動体は、機械的な動力により移動しない。電動移動体は、集電装置経由で電力が供給される電車等を含まない。電動移動体は、移動のための機械的な動力をアシストする電力を生成する電動自転車等を含まない。ただし、電動移動体は、機械的な動力によらず電力のみによって移動する電動移動モードを有する電動自転車等を含む。 電動移動体は、例えば、地上を移動可能である。電動移動体は、例えば、水上を移動可能である。電動移動体は、例えば、水中を移動可能である。電動移動体は、例えば、空中を移動可能である。 地上を移動可能な電動移動体は、例えば、車両である。車両は、例えば、少なくとも1つの車輪を備える。水上を移動可能な電動移動体は、例えば、船である。水中を移動可能な電動移動体は、例えば、潜水艇である。空中を移動可能な電動移動体は、例えば、ヘリコプターやUAV(Unmanned Aerial Vehicle)である。 電動移動体は、例えば、乗員が操縦することで移動可能である。電動移動体は、例えば、乗員が操縦しなくても移動可能(つまり、自動運転が可能)であってもよい。電動移動体は、操縦者が遠隔操縦することで移動可能であってもよい。 電動移動体は、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットが生成した電力を蓄えるバッテリを備えていてもよい。この場合、電動移動体が移動するための電力は、バッテリから供給されてもよい。
【0010】
OHC点火プラグ式エンジンは、オーバーヘッドカムシャフト方式の吸排気機構を備える。OHC点火プラグ式エンジンは、混合気に点火するための点火プラグを備える。つまり、OHC点火プラグ式エンジンは、ディーゼルエンジンではない。 OHC点火プラグ式エンジンの燃料としては、例えば、ガソリン、プロパンガス(LPガス)、水素、アルコール、バイオ燃料、合成燃料が挙げられる。 複数のシリンダを含むOHC点火プラグ式エンジンとしては、例えば、直列多気筒エンジン、V型多気筒エンジン、水平対向エンジンが挙げられる。 OHC点火プラグ式エンジンは、単一のクランク軸を含む。つまり、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、タンデムツインエンジンを備えていない。OHC点火プラグ式エンジンは、タンデムツインエンジンを構成しない。単一のクランク軸は、単一のクランク軸線を有するクランク軸である。つまり、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線は、1つだけである。 圧縮方向は、点火プラグによって点火される混合気を圧縮するときにピストンが動く方向である。圧縮方向は、シリンダ中心軸線に沿った方向であり、かつ、ピストンが単一のクランク軸から離れる方向である。 膨張方向は、点火プラグによって点火された混合気が爆発・膨張するときにピストンが動く方向である。膨張方向は、シリンダ中心軸線に沿った方向であり、かつ、ピストンが単一のクランク軸に近づく方向である。 OHC点火プラグ式エンジンの動力は、電動移動体を移動させるために直接用いられない。別の表現をすれば、OHC点火プラグ式エンジンの動力は、電動移動体を移動させるための機構に伝達されない。例えば、電動移動体が車両である場合、OHC点火プラグ式エンジンの動力が車輪に伝達されて、車両が走行することはない。 OHC点火プラグ式エンジンの動力は、主に発電機を駆動させるために用いられる。OHC点火プラグ式エンジンの動力は、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットにおいて発電機を駆動させる以外の用途、例えば、補機を駆動させるために用いられてもよい。補機は、例えば、OHC点火プラグ式エンジンを冷却するための冷却水を循環させる冷却ポンプである。OHC点火プラグ式エンジンの動力は、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットの外部へ機械的に出力されない。
【0011】
「発電機が、クランク軸平行視において、OHC点火プラグ式エンジンと部分的に又は全体的に重なるように配置される」とは、「OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線と平行な方向に沿ってOHC点火プラグ式エンジンの外部から発電機に向かって見たときに、発電機がOHC点火プラグ式エンジンと部分的に又は全体的に重なるように配置される」ことである。 発電機は、例えば、クランク軸平行視において、少なくとも一部がOHC点火プラグ式エンジンにおいて単一のクランク軸を収容するクランクケースと重なるように配置されていてもよい。 発電機は、例えば、クランク軸平行視において、少なくとも一部がOHC点火プラグ式エンジンにおける単一のクランク軸と重なるように配置されていてもよい。 発電機は、例えば、クランク軸平行視において、少なくとも一部がOHC点火プラグ式エンジンにおけるクランク軸線と重なるように配置されていてもよい。 ロータは、OHC点火プラグ式エンジンからの動力により、単一のクランク軸に対して固定された速度比で回転する。つまり、OHC点火プラグ式エンジンの動力により、発電機のロータが回転する。別の表現をすれば、OHC点火プラグ式エンジンは、発電機を駆動させる。発電機が駆動することにより、電動移動体を移動させるための電力が生成される。つまり、OHC点火プラグ式エンジンの動力が発電機によって電力に変換され、当該電力により、電動移動体が移動する。 「ロータが単一のクランク軸に対して固定された速度比で回転する」というのは、「ロータと単一のクランク軸の回転速度比が変化しない」ということである。ロータと単一のクランク軸の回転速度比を固定する方法は、特に限定されない。例えば、単一のクランク軸をロータの軸に固定してもよいし、ロータの軸を単一のクランク軸によって構成してもよいし、単一のクランク軸とロータの軸を、ギア比が固定された複数の歯車を介して、連結してもよい。 単一のクランク軸をロータの軸に固定するときには、単一のクランク軸をロータの軸に直接固定してもよいし、単一のクランク軸とロータの軸を、他の部材を介して、固定してもよい。単一のクランク軸をロータの軸に直接固定するときには、例えば、単一のクランク軸とロータの軸のうち、一方を他方に圧入してもよい。 単一のクランク軸とロータの軸を連結する、ギア比が固定された複数の歯車は、例えば、単一のクランク軸に設けられて単一のクランク軸と一体的に回転する歯車と、ロータの軸に設けられてロータの軸と一体的に回転する歯車とを含んでいればよい。単一のクランク軸と一体的に回転する歯車の回転は、例えば、ベルトやチェーン等の伝達部材を介して、ロータの軸と一体的に回転する歯車に伝達してもよい。 ロータの回転速度は、単一のクランク軸の回転速度と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ロータの回転方向は、単一のクランク軸の回転方向と同じであってもよいし、異なっていてもよい。 ロ
ータは、インナーロータであってもよいし、アウターロータであってもよい。 発電機は、電動移動体の移動のための電力を生成する。発電機は、電動移動体の移動のための機械的な動力を出力しない。すなわち、発電機は、電動移動体の移動のための電動機として機能しない。 発電機は、ステータを含む。ステータは、例えば、コイルを含む。ロータは、例えば、永久磁石を含む。ロータをステータに対して相対的に回転させる、つまり、永久磁石とコイルを相対的に回転させることにより、電力が発生する。つまり、発電機は、電磁誘導を利用して、電動移動体を移動させるための電力を生成する。発電機が生成する電力は、電動移動体を移動させる以外の用途、例えば、発電機を冷却するための冷却水を循環させるため、つまり、冷却ポンプを駆動するために用いられてもよい。 発電機は、例えば、ロータと、ステータと、ケースとを含む。ケースは、ロータとステータを収容する。ケースは、例えば、OHC点火プラグ式エンジンが備えるクランクケースとは別の部材である。この場合、発電機は、クランクケースの外に配置される。 発電機は、例えば、ロータと、ステータとを含み、ロータとステータを収容するケースを含まない。この場合、発電機は、例えば、クランクケース内に配置されてもよいし、クランクケースの外に配置されていてもよい。
【0012】
2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサは、それぞれ、バランサ軸と、少なくとも1つのアンバランスウェイトとを含む。 バランサ軸は、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線に平行な中心軸線を有する。バランサ軸は、当該中心軸線回りに回転可能に配置される。バランサ軸は、単一のクランク軸の回転が伝達されることにより、回転する。例えば、単一のクランク軸に設けられて単一のクランク軸と一体的に回転する歯車の回転が、バランサ軸に設けられてバランサ軸と一体的に回転する歯車に伝達されることにより、単一のクランク軸の回転がバランサ軸に伝達される。 少なくとも1つのアンバランスウェイトは、バランサ軸と一体的に回転するように、バランサ軸に設けられている。少なくとも1つのアンバランスウェイトが複数のアンバランスウェイトである場合、複数のアンバランスウェイトは、バランサ軸の中心軸線が延びる方向に分散して配置される。 OHCE2次バランサは、OHCE1次バランサよりも速い速度で回転する。OHCE2次バランサは、OHCE1次バランサの2倍の速度で回転する。OHCE2次バランサは、OHCE1次バランサと同軸に配置されない。 OHCE1次バランサは、例えば、単一のクランク軸の回転が直接伝達されるように配置される。例えば、単一のクランク軸に設けられて単一のクランク軸と一体的に回転する歯車が、OHCE1次バランサのバランサ軸に設けられて当該バランサ軸と一体的に回転する歯車と噛み合うことにより、単一のクランク軸の回転がOHCE1次バランサに直接伝達される。 OHCE2次バランサは、例えば、単一のクランク軸の回転が直接伝達されるように配置される。例えば、単一のクランク軸に設けられて単一のクランク軸と一体的に回転する歯車が、OHCE2次バランサのバランサ軸に設けられて当該バランサ軸と一体的に回転する歯車と噛み合うことにより、単一のクランク軸の回転がOHCE2次バランサに直接伝達される。 OHCE2次バランサは、例えば、単一のクランク軸の回転が伝達されることで回転する歯車を介して、単一のクランク軸の回転が伝達されるように配置される。例えば、単一のクランク軸に設けられて単一のクランク軸と一体的に回転する歯車が、OHCE1次バランサのバランサ軸に設けられて当該バランサ軸と一体的に回転する歯車と噛み合うとともに、OHCE1次バランサのバランサ軸に設けられてOHCE1次バランサのバランサ軸と一体的に回転する歯車が、OHCE2次バランサのバランサ軸に設けられて当該バランサ軸と一体的に回転する歯車と噛み合うことにより、単一のクランク軸の回転がOHCE2次バランサに伝達される。
【0013】
2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサは、例えば、クランク軸平行視において、以下の(1)又は(2)の関係を満たす。 (1)2つのOHCE1次バランサの各々は、OHCE1次バランサのバランサ軸に設けられて単一のクランク軸の回転が伝達されることにより当該OHCE1次バランサを回転させる被駆動ギアを含む。クランク軸平行視において、2つのOHCE1次バランサのうち一方のOHCE1次バランサの回転中心軸線とクランク軸線とを結ぶ線分を第1線分とし、他方のOHCE1次バランサの回転中心軸線とクランク軸線とを結ぶ線分を第2線分とする。クランク軸平行視において、一方のOHCE1次バランサを回転させる被駆動ギアの歯先円と第1線分とが交差する2つの位置のうち、第1線分が延びる方向においてクランク軸線から最も離れた位置で、当該歯先円に接する接線を第1接線とし、他方のOHCE1次バランサを回転させる被駆動ギアの歯先円と第2線分とが交差する2つの位置のうち、第2線分が延びる方向においてクランク軸線から最も離れた位置で、当該歯先円に接する接線を第2接線とする。 この場合、1つまたは2つのOHCE2次バランサは、クランク軸平行視において、第1接線と第2接線の間に配置される。 (2)2つのOHCE1次バランサの各々は、OHCE1次バランサのバランサ軸に設けられて単一のクランク軸の回転が伝達されることにより当該OHCE1次バランサを回転させる被駆動ギアを含む。クランク軸平行視において、2つのOHCE1次バランサの各々の回転中心軸線を結ぶ線分を第3線分とする。クランク軸平行視において、第3線分に直交しかつ2つのOHCE1次バランサのうち一方のOHCE1次バランサを回転させる被駆動ギアの歯先円に接する接線を第3接線とし、第3線分に直交しかつ他方のOHCE1次バランサを回転させる被駆動ギアの歯先円に接する接線を第4接線とする。 この場合、1つまたは2つのOHCE2次バランサは、クランク軸平行視において、第3接線と第4接線の間に配置される。
【0014】
「2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される」とは、「OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線と平行な方向に沿ってOHC点火プラグ式エンジンの外部から発電機に向かって見たときに、2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが発電機と部分的に又は全体的に重なるように配置される」ことである。 2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサは、クランク軸平行視において、各バランサにおけるバランサ軸の少なくとも一部が発電機と重なるように配置されていてもよい。 2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサは、クランク軸平行視において、各バランサにおけるバランサ軸の中心軸線が発電機と重なるように配置されていてもよい。 ここで、発電機がロータとステータとを収容するケースを含み、かつ、発電機がOHC点火プラグ式エンジンのクランクケースの外に配置される場合、「2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される」とは、例えば、「2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、発電機のケースに部分的に又は全体的に重なるように配置される」ことを含む。この場合、発電機のケースは、例えば、発電機のケースのうち当該ケースを他の部材(例えば、OHC点火プラグ式エンジン)に取り付ける取付部を含む。 発電機がロータとステータとを収容するケースを含まず、かつ、発電機がOHC点火プラグ式エンジンのクランクケースの外に配置される場合、「2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される」とは、例えば、「2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、発電機のロータ又はステータに部分的に又は全体的に重なるように配置される」ことを含む。 発電機がロータとステータとを収容するケースを含まず、かつ、発電機がOHC点火プラグ式エンジンのクランクケース内に配置される場合、「2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される」とは、例えば、「2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、発電機のロータ又はステータ又はクランクケースのうち発電機を収容する発電機収容部に部分的に又は全体的に重なるように配置される」ことを含む。 なお、クランク軸平行視において、各バランサにおけるバランサ軸の少なくとも一部が発電機と重なるように配置される場合や、各バランサにおけるバランサ軸の中心軸線が発電機と重なるように配置される場合についても、上記と同様である。
【0015】
本発明の一実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、例えば、以下の構成を採用する。 ロータは、単一のクランク軸と同軸に配置される。ロータは、単一のクランク軸と共に回転するように、単一のクランク軸に連結される。
【0016】
このようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にすることができる。より詳細には、以下のとおりである。 上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットでは、単一のクランク軸と同軸に配置されたロータが、単一のクランク軸に連結される。そのため、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向に、OHC点火プラグ式エンジンと発電機を近づけて配置できる。その結果、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向に、小さくできる。また、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小さくできるので、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを軽くできる。
【0017】
「ロータが単一のクランク軸とともに回転するように、ロータを単一のクランク軸に連結する」というのは、例えば、単一のクランク軸とロータの軸を固定することであってもよいし、単一のクランク軸がロータの軸を兼ねることであってもよい。「単一のクランク軸とロータの軸を固定する」というのは、例えば、単一のクランク軸とロータの軸を直接固定することであってもよいし、単一のクランク軸とロータの軸を他の部材を介して固定することであってもよい。「単一のクランク軸とロータの軸を直接固定する」というのは、例えば、単一のクランク軸とロータの軸の一方を他方に圧入することである。
【0018】
本発明の一実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、例えば、以下の構成を採用する。 OHC点火プラグ式エンジンは、単一のクランク軸を収容するクランクケースを含む。2つのOHCE1次バランサのうち、1つのOHCE1次バランサは、バランサ軸と、複数のアンバランスウェイトとを含む。複数のアンバランスウェイトは、バランサ軸の軸方向に分散して配置される。複数のアンバランスウェイトのうち、少なくとも1つのアンバランスウェイトは、クランクケースの外に位置している。
【0019】
このようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできる。より詳細には、以下のとおりである。 上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットでは、少なくとも1つのアンバランスウェイトが、クランクケースの外に位置している。そのため、クランクケースを小
さくできるので、OHC点火プラグ式エンジンを小さくできる。OHC点火プラグ式エンジンを小さくできるので、OHC点火プラグ式エンジンを軽くできる。つまり、上記シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、OHC点火プラグ式エンジンを小型かつ軽量にできるので、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできる。 なお、クランクケースの外に位置するアンバランスウェイトは、例えば、OHCE1次バランサの回転に伴って、エンジンオイルを攪拌しない。
【0020】
少なくとも1つのアンバランスウェイトは、クランクケースの外に位置していればよい。少なくとも1つのアンバランスウェイトは、例えば、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向において、クランクケースと発電機の間に位置していてもよい。このとき、少なくとも1つのアンバランスウェイトは、クランク軸方向視において、少なくとも一部がクランクケースと発電機の何れかに重なっていてもよいし、クランクケースと発電機のそれぞれに重なっていてもよい。少なくとも1つのアンバランスウェイトが、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向において、クランクケースと発電機の間に位置していれば、クランクケースと発電機の間に形成されるデッドスペースをうまく利用して、少なくとも1つのアンバランスウェイトを配置できる。
【0021】
本発明の一実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、例えば、以下の構成を採用する。 OHC点火プラグ式エンジンは、クランク軸平行視において、そのクランク軸線がシリンダの中心軸線に対してオフセットされるように構成されている。
【0022】
このようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、OHC点火プラグ式エンジンの出力を高めることができる。より詳細には、以下のとおりである。 上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットでは、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が、シリンダの中心軸線に対してオフセットされている。そのため、ピストンが膨張方向に移動するときに発生する、ピストンとシリンダの摩擦ロスを、低減できる。その結果、OHC点火プラグ式エンジンの動力を、効率よく取り出すことができる。したがって、OHC点火プラグ式エンジンの出力をより高めることができる。
【0023】
「OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線がシリンダの中心軸線に対してオフセットされる」とは、クランク軸平行視において、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線がシリンダの中心軸線上に存在しないことである。上記のようなOHC点火プラグ式エンジンでは、クランク軸平行視において、当該クランク軸線は、シリンダの中心軸線に対して、シリンダの中心軸線に直交する方向にずれた位置に存在する。
【0024】
本発明の一実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、例えば、以下の構成を採用する。 単一のクランク軸は、1つ又は複数のクランクウェブを含む。2つのOHCE1次バランサの各々を駆動する1次バランサ駆動ギアは、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向において、最も発電機に近いクランクウェブよりも、発電機から離れた位置で、単一のクランク軸に設けられている。
【0025】
このようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできるとともに、OHC点火プラグ式エンジンの出力を高めることができる。より詳細には、以下のとおりである。 上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットでは、2つのOHCE1次バランサの各々を駆動する1次バランサ駆動ギアが、単一のクランク軸に設けられている。その位置は、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向において、最も発電機に近いクランクウェブよりも、発電機から離れている。そのため、単一のクランク軸に発生する応力、すなわち、単一のクランク軸がロータを回転させることで単一のクランク軸に発生する応力と、単一のクランク軸が2つのOHCE1次バランサを回転させることで単一のクランク軸に発生する応力とを、単一のクランク軸の軸線方向、つまり、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向に、分散できる。その結果、単一のクランク軸のうちロータに接続される部分を細くできる、また、当該部分に1次バランサ駆動ギアが設けられていないので、当該部分を短くできる。したがって、単一のクランク軸を小型かつ軽量にできる。それに伴って、OHC点火プラグ式エンジンを小型かつ軽量にできる。したがって、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできる。 また、上記のような単一のクランク軸を採用することにより、単一のクランク軸の回転速度、つまり、OHC点火プラグ式エンジンのエンジン回転数を増加させることができる。その結果、OHC点火プラグ式エンジンの出力を高めることができる。
【0026】
単一のクランク軸が複数のクランクウェブを含む場合、複数のクランクウェブのうち、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向に並ぶ2つのクランクウェブの間に、1次バランサ駆動ギアが位置していてもよい。OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向において、1次バランサ駆動ギアと発電機の間に全てのクランクウェブが位置するように、1次バランサ駆動ギアが単一のクランク軸に設けられていてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、例えば、以下の構成を採用する。 単一のクランク軸は、2つのクランクウェブと、クランクピンとを含む。2つのクランクウェブは、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向に並んで配置される。クランクピンは、2つのクランクウェブを連結する。クランクピンは、2つのクランクウェブのうち、一方のクランクウェブに一体形成されている。
【0028】
このようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできる。より詳細には、以下のとおりである。 上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットでは、クランクピンが一方のクランクウェブに一体形成されている。そのため、クランクピンを一方のクランクウェブに圧入する場合と比べて、クランクピンの圧入代を一方のクランクウェブに形成する必要がなくなる。その結果、一方のクランクウェブを小さくできる。それに伴って、一方のクランクウェブを軽くできる。つまり、単一のクランク軸を小型かつ軽量にできる。それに伴って、OHC点火プラグ式エンジンを小型かつ軽量にできる。したがって、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできる。
【0029】
クランクピンは、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線に平行な中心軸線を有する。つまり、クランクピンは、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線に平行に配置される。要するに、クランクピンは、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線と平行に延びて、2つのクランクウェブを連結する。ピストンとクランクピンは、コンロッドにより、連結される。
【0030】
本発明の一実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、クランクピンが一方のクランクウェブに一体形成されている場合に、例えば、以下の構成を採用する。 1つ又は2つのOHCE2次バランサのうち、少なくとも1つのOHCE2次バランサを駆動する2次バランサ駆動ギアが、一方のクランクウェブに設けられている。
【0031】
このようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできる。より詳細には、以下のとおりである。 上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットでは、2次バランサ駆動ギアが、一方のクランクウェブに設けられている。そのため、2次バランサを駆動するためのギアを別途設けなくてもよい。その結果、OHC点火プラグ式エンジンを小型かつ軽量にできる。したがって、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできる。
【0032】
本発明の一実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、クランクピンが一方のクランクウェブに一体形成されている場合に、例えば、以下の構成を採用する。 一方のクランクウェブには、クランクピンとの接続部分を囲むように環状溝が形成されている。環状溝は、クランクピンの表面に接続される湾曲面を含む。OHC点火プラグ式エンジンは、さらに、ワッシャを含む。ワッシャには、クランクピンが挿入される。ワッシャは、環状溝を覆うように配置される。
【0033】
このようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできる。より詳細には、以下のとおりである。 上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットでは、クランクピンとの接続部分を囲むように、環状溝が一方のクランクウェブに形成されている。また、当該環状溝は、クランクピンの表面に接続される湾曲面を含む。そのため、一方のクランクウェブにおいてクランクピンとの接続部分に応力が集中するのを抑制しながら、クランクピンの軸方向長さを短くできる。クランクピンの軸方向長さを短くできるので、2つのクランクウェブをOHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向に近づけて配置できる。そのため、単一のクランク軸を小さくできる。その結果、OHC点火プラグ式エンジンを小型かつ軽量にできる。したがって、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできる。 なお、クランクピンの軸方向長さとは、クランクピンが一方のクランクウェブから突出する方向の長さである。つまり、クランクピンの軸方向長さは、クランクピンの中心軸線が延びる方向での長さである。別の表現をすれば、クランクピンの軸方向長さは、クランクピンの中心軸線がOHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線に平行である場合、OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線が延びる方向での長さである。 また、OHC点火プラグ式エンジンが一方のクランクウェブに形成された環状溝を覆うように配置されるワッシャをさらに含むことにより、例えば、ピストンと単一のクランク軸を連結するコンロッドが一方のクランクウェブと接触しながら動くことにより、コンロッドと一方のクランクウェブが摩耗するのを抑制できる。なお、コンロッドには、クランクピンが挿入される。これにより、コンロッドが単一のクランク軸に連結される。 さらに、上記のようなワッシャにより、コンロッドを単一のクランク軸に対して回転可能に支持するベアリングが環状溝内に入るのを阻止できる。ここで、ベアリングの内輪は、クランクピンに固定される。そのため、当該ベアリングを、クランクピンの軸方向において位置決めできる。
【0034】
本発明の一実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットは、例えば、以下の構成を採用する。 OHC点火プラグ式エンジンは、単一のシリンダ、直列配置された複数のシリンダ又はV型配置された複数のシリンダを含む。 2つのOHCE1次バランサと1つ又は2つのOHCE2次バランサは、クランク軸平行視において、下死点に位置するピストンの頂面よりも、部分的に又は全体的に、より膨張方向に位置し、かつ、発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される。なお、OHC点火プラグ式エンジンが直列又はV型多気筒エンジンである場合、前記「ピストンの頂面」は、複数のピストンの全ての頂面を指す。
【0035】
このようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットによれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット
を小型かつ軽量にできるとともに、OHC点火プラグ式エンジンの出力を高めることができる。より詳細には、以下のとおりである。 上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットでは、2つのOHCE1次バランサと1つ又は2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、下死点に位置するピストンの頂面よりも、部分的に又は全体的に、より膨張方向に位置し、かつ、発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される。そのため、2つのOHCE1次バランサと1つ又は2つのOHCE2次バランサを、よりコンパクトに配置できる。その結果、OHC点火プラグ式エンジンをより小型かつ軽量にできる。したがって、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットをより小型かつ軽量にできる。 また、上記のようなシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットでは、2つのOHCE1次バランサと1つ又は2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、下死点に位置するピストンの頂面よりも、部分的に又は全体的に、より膨張方向に位置する。つまり、シリンダの中心軸線が延びる方向での長さを短くできる。別の表現をすれば、ピストンが往復移動する距離を短く、つまり、ショートストロークにすることができる。そのため、OHC点火プラグ式エンジンのエンジン回転数を増加させて、OHC点火プラグ式エンジンの出力を高めることができる。
【0036】
「2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが、クランク軸平行視において、下死点に位置するピストンの頂面よりも、部分的に又は全体的に、より膨張方向に位置し、かつ、発電機に部分的に又は全体的に重なるように配置される」とは、「OHC点火プラグ式エンジンのクランク軸線に平行な方向に沿ってシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットの外部から発電機に向かって見たときに、2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサが、下死点に位置するピストンの頂面よりも、部分的に又は全体的に、より膨張方向に位置し、かつ、発電機と部分的に又は全体的に重なるように配置される」ことである。 2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサは、クランク軸平行視において、各バランサにおけるバランサ軸の少なくとも一部が、下死点に位置するピストンの頂面よりも、より膨張方向に位置し、かつ、発電機と重なるように配置されていてもよい。 2つのOHCE1次バランサと1つまたは2つのOHCE2次バランサは、クランク軸平行視において、各バランサにおけるバランサ軸の中心軸線が、下死点に位置するピストンの頂面よりも、より膨張方向に位置し、かつ、発電機と重なるように配置されていてもよい。
【0037】
本発明の一実施形態に係る電動移動体は、上記シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを備える。
【0038】
この発明の上述の目的及びその他の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面に関連して行われる以下のこの発明の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。本明細書にて使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は1つの、又は複数の関連した列挙されたアイテム(items)のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(including)」、「含む、備える(comprising)」又は「有する(having)」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び/又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループのうちの1つ又は複数を含むことができる。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。本発明の説明においては、多数の技術及び工程が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の1つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせの全てを繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び特許請求の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面又は説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを小型かつ軽量にできるとともに、OHC点火プラグ式エンジンの出力を高めることができ、さらには、OHC点火プラグ式エンジンに発生する振動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットと、それを備える電動移動体を示す図面であり、(A)はシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットを備える電動移動体を示し、(B)はシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットの側面図を示し、(C)はシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットの側面図においてOHC点火プラグ式エンジンが備えるクランクケースを取り除いた状態を示し、(D)はOHC点火プラグ式エンジンの正面図においてOHC点火プラグ式エンジンが備えるクランクケースを取り除いた状態を示す。
【
図2】
図1に示すシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニットの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、
図1及び
図2を参照しながら、本発明の実施形態に係るシリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10と、当該シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10を備える電動移動体100について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例である。本発明は、以下に説明する実施形態によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0042】
電動移動体100は、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10を備える。つまり、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10は、電動移動体100に用いられる。
【0043】
シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10は、OHC点火プラグ式エンジン20と、発電機30とを備える。なお、
図1では、OHC点火プラグ式エンジンに接続される排気管の図示は省略している。
【0044】
OHC点火プラグ式エンジン20は、単一の点火プラグ21と、単一のシリンダ22と、単一のピストン24と、単一のクランク軸26とを含む。つまり、OHC点火プラグ式エンジン20は、単気筒エンジンである。単一のピストン24は、単一のシリンダ22内を圧縮方向及び膨張方向に往復移動可能に配置される。
【0045】
OHC点火プラグ式エンジン20は、クランクケース25を含む。クランクケースは、単一のクランク軸26を収容する。
【0046】
OHC点火プラグ式エンジン20は、
図1の(D)に示すように、クランク軸平行視において、そのクランク軸線26Lが単一のシリンダ22の中心軸線22Lに対してオフセットされるように構成されている。
【0047】
図2に示すように、単一のクランク軸26は、2つのクランクウェブ261、262と、クランクピン263とを含む。2つのクランクウェブ261、262は、OHC点火プラグ式エンジン20のクランク軸線26Lが延びる方向に並んで配置される。クランクピン263は、2つのクランクウェブ261、262を連結する。クランクピン263は、2つのクランクウェブ261、262のうち、一方のクランクウェブ261に一体形成されている。
【0048】
図2に示すように、一方のクランクウェブ261には、環状溝2612が形成されている。環状溝2612は、クランクピン263と一方のクランクウェブ261の接続部分を囲むように形成されている。環状溝2612は、クランクピン263の表面に接続される湾曲面26121を含む。
【0049】
図2に示すように、OHC点火プラグ式エンジン20は、さらに、ワッシャ23を含む。ワッシャ23には、クランクピン263が挿入される。ワッシャ23は、環状溝26121を覆うように配置される。
【0050】
図1を参照して説明する。発電機30は、電動移動体100を移動させるための電力を生成する。発電機30は、クランク軸平行視において、OHC点火プラグ式エンジン20と部分的に又は全体的に重なるように配置される。発電機30は、ロータ32を含む。ロータ32は、OHC点火プラグ式エンジン20からの動力により、単一のクランク軸26に対して固定された速度比で回転する。
【0051】
図1に示すように、ロータ32は、単一のクランク軸26と同軸に配置される。ロータ32は、単一のクランク軸26と共に回転するように、単一のクランク軸26に連結される。例えば、
図2に示すように、単一のクランク軸26は、ロータ32の軸321に圧入される。
【0052】
図1の(D)に示すように、OHC点火プラグ式エンジン20は、さらに、2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと、2つのOHCE2次バランサ28A、28Bとを含む。2つのOHCE1次バランサ27A、27Bは、OHC点火プラグ式エンジン20の1次慣性力を抑制する。2つのOHCE2次バランサ28A、28Bは、OHC点火プラグ式エンジン20の2次慣性力を抑制する。2つのOHCE1次バランサ27A、27Bは、それぞれ、バランサ軸271と、アンバランスウェイト272を含む。2つのOHCE2次バランサ28A、28Bは、それぞれ、バランサ軸281と、アンバランスウェイト282を含む。
【0053】
図1の(C)に示すように、OHCE1次バランサ27Bは、バランサ軸271の軸方向に分散して配置された複数のアンバランスウェイト272を含む。複数のアンバランスウェイト272のうち、1つのアンバランスウェイト2721は、クランクケース25の外に位置している。
図1の(C)に示す例では、1つのアンバランスウェイト2721は、クランクケース25と発電機30の間に位置している。なお、図面上では、クランクケース25内に1つのアンバランスウェイト2721が位置しているように見えるが、クランクケース25において発電機30の近くに位置する端面には凹部が形成されており、当該凹部内に1つのアンバランスウェイト2721が位置している。側面視では、1つのアンバランスウェイト2721が凹部の側壁によって隠れる。
【0054】
図1の(C)に示すように、2つのOHCE1次バランサ27A、27Bの各々を駆動する1次バランサ駆動ギア264は、OHC点火プラグ式エンジン20のクランク軸線26Lが延びる方向において、最も発電機30に近いクランクウェブ261よりも、発電機30から離れた位置で、単一のクランク軸26に設けられている。1次バランサ駆動ギア264は、2つのOHCE1次バランサ27A、27Bの各々のバランサ軸271に設けられたギア2711と噛み合う。これにより、単一のクランク軸26の回転が2つのOHCE1次バランサ27A、27Bに伝達される。
【0055】
図1の(C)に示すように、2つのOHCE2次バランサ28A、28Bのうち、OHCE2次バランサ28Aを駆動する2次バランサ駆動ギア2611が、一方のクランクウェブ261に設けられている。2次バランサ駆動ギア2611は、OHCE2次
バランサ28Aのバランサ軸281に設けられたギア2811と噛み合う。これにより、一方のクランクウェブ261の回転がOHCE2次バランサ28Aに伝達される。なお、
図1の(D)に示すように、OHCE2次バランサ28Bのバランサ軸281には、ギア2812が設けられている。ギア2812は、OHCE1次バランサ27Aのバランサ軸271に設けられたギア2711と噛み合う。つまり、OHCE2次バランサ28Bは、OHCE1次バランサ27Aの回転が伝達されることにより、回転する。
【0056】
図1の(D)に示すように、2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと2つのOHCE2次バランサ28A、28Bは、クランク軸平行視において、発電機30に部分的に又は全体的に重なるように配置される。
図1の(D)に示す例では、2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと2つのOHCE2次バランサ28A、28Bは、クランク軸平行視において、下死点に位置する単一のピストン24(仮想線で示す)の頂面よりも、全体的に、より膨張方向に位置し、かつ、発電機30に部分的に又は全体的に重なるように配置される。
【0057】
上記シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10によれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10を小型かつ軽量にできるとともに、OHC点火プラグ式エンジン20の出力を高めることができ、さらには、OHC点火プラグ式エンジン20に発生する振動を抑制できる。より詳細には、以下のとおりである。 上記シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10は、OHC点火プラグ式エンジン20を備える。そのため、OHC点火プラグ式エンジン20のエンジン回転数を増加させることができる。その結果、OHC点火プラグ式エンジン20の出力を高めることができる。 OHC点火プラグ式エンジン20は、2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと、2つのOHCE2次バランサ28A、28Bとを含む。2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと2つのOHCE2次バランサ28A、28Bは、クランク軸平行視において、発電機30に部分的に又は全体的に重なるように配置される。つまり、2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと2つのOHCE2次バランサ28A、28Bは、コンパクトに配置される。そのため、OHC点火プラグ式エンジン20、さらには、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10を小さくできる。 2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと2つのOHCE2次バランサ28A、28Bがコンパクトに配置されることにより、例えば、OHC点火プラグ式エンジン20が備えるクランクケース25の大型化を回避できる。そのため、OHC点火プラグ式エンジン20、さらには、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10を軽くできる。 OHC点火プラグ式エンジン20は、2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと、2つのOHCE2次バランサ28A、28Bとを含む。これにより、OHC点火プラグ式エンジン20に発生する振動、すなわち、OHC点火プラグ式エンジン20の1次慣性力に起因する振動と、OHC点火プラグ式エンジン20の2次慣性力に起因する振動を抑制できる。 特に、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10では、発電機30のロータ32が、OHC点火プラグ式エンジン20からの動力により、単一のクランク軸26に対して固定された速度比で回転する。つまり、OHC点火プラグ式エンジン20が変速機を含んでいない。このような変速機を含んでいないOHC点火プラグ式エンジン20は、クランクケース25が小さい。そのため、OHC点火プラグ式エンジン20は、小型であり、かつ、軽量である。このような小型かつ軽量のOHC点火プラグ式エンジン20において、2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと2つのOHCE2次バランサ28A、28Bが、クランク軸平行視において、発電機30に部分的に又は全体的に重なるように、つまり、コンパクトに配置される。そして、このようにコンパクトに配置された2つのOHCE1次バランサ27A、27Bと2つのOHCE2次バランサ28A、28Bにより、OHC点火プラグ式エンジン20に発生する振動、すなわち、OHC点火プラグ式エンジン20の1次慣性力に起因する振動と、OHC点火プラグ式エンジン20の2次慣性力に起因する振動を抑制できる。 つまり、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10によれば、シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット10を小型かつ軽量にできるとともに、OHC点火プラグ式エンジン20の出力を高めることができ、さらには、OHC点火プラグ式エンジン20に発生する振動を抑制できる。
【0058】
(その他の実施形態) 本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた実施形態及び変形例は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示の思想を限定するものではない。上記の実施形態及び変形例は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得る。当該趣旨は、本明細書に開示された実施形態に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、実施形態及び変形例に跨る特徴の組み合わせ)、改良、変更を包含する。特許請求の範囲における限定事項は当該特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態及び変形例に限定されるべきではない。そのような実施形態及び変形例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」、「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。
【0059】
例えば、上記実施の形態では、2つのOHCE2次バランサが採用されているが、2つのOHCE2次バランサの代わりに、1つのOHCE2次バランサが採用されていてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 シリーズハイブリッド化エンジン駆動電力供給ユニット20 OHC点火プラグ式エンジン22 シリンダ22L 中心軸線(シリンダ)23 ワッシャ24 ピストン25 クランクケース26 単一のクランク軸26L クランク軸線261 クランクウェブ(一方のクランクウェブ)2611 2次バランサ駆動ギア2612 環状溝26121 湾曲面262 クランクウェブ263 クランクピン264 1次バランサ駆動ギア27A OHCE1次バランサ27B OHCE1次バランサ271 バランサ軸2711 ギア272 アンバランスウェイト2721 アンバランスウェイト(気中に配置)28A OHCE2次バランサ28B OHCE2次バランサ281 バランサ軸2811 ギア282 アンバランスウェイト30 発電機32 ロータ100 電動移動体