(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ポータブル電子デバイスのための熱管理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
G06F1/20 A
G06F1/20 C
(21)【出願番号】P 2021569891
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(86)【国際出願番号】 US2020034696
(87)【国際公開番号】W WO2020243169
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-17
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロヘナ, ギレルモ パディン
(72)【発明者】
【氏名】ゴディル, モハメッド アミン
(72)【発明者】
【氏名】クテリ, アンソニー
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0377328(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0144568(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0132171(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル電子デバイスであって、
支持構造と、
前記支持構造内または前記支持構造上に配置される電子コンポーネントと、
前記電子コンポーネントと熱的に結合される熱交換器であって、前記熱交換器は、流体入口ポートおよび流体出口ポートを備える、熱交換器と、
前記熱交換器の前記流体入口ポートに流動的に接続される第1の導管であって、前記第1の導管は、前記熱交換器に、第1の温度において液体を伝達するように構成される、第1の導管と、
前記熱交換器の前記流体出口ポートに流動的に接続される第2の導管であって、前記第2の導管は、前記熱交換器から離れるように、前記第1の温度と異なる第2の温度において前記液体を伝達するように構成される、第2の導管と、
前記液体中の空気の量を低減させるように構成されるアキュムレータであって、前記アキュムレータは、
前記液体の少なくとも一部を保持するように構成されるコンテナと、
液体媒体の体積にかかわらず、前記液体の最上レベルに留まるように構成される閉鎖デバイスと、
前記閉鎖デバイスと結合され、前記閉鎖デバイスを前記液体の最上レベルに維持するばねと
を含む、アキュムレータと
を備える、ウェアラブル電子デバイス。
【請求項2】
前記第1の導管および/または前記第2の導管と流体連通するポンプをさらに備える、請求項1に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項3】
前記ポンプは、圧電ポンプおよび遠心ポンプのうちの少なくとも1つを備える、請求項2に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項4】
前記ポンプを駆動するように構成されるモータをさらに備える、請求項2に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項5】
前記モータは、パンケーキ型モータを備える、請求項4に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項6】
前記液体は、水およびプロピレングリコールを備える、請求項1に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項7】
前記アキュムレータは、圧力レギュレータを備える、請求項1に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項8】
前記アキュムレータは、圧力チャンバを備える、請求項1に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項9】
前記第1の導管または前記第2の導管と流体連通するラジエータをさらに備え、前記ラジエータは、フィンを有し、それによって、前記液体中の熱は、前記液体から前記ラジエータに伝導され、前記ラジエータ内の熱は、前記ラジエータから前記ラジエータを囲繞する空気に伝導される、請求項1に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項10】
アキュムレータと流体連通する一方向弁をさらに備える、請求項9に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項11】
前記電子コンポーネントは、第1の電子コンポーネントであり、前記熱交換器は、第1の熱交換器であり、前記ウェアラブル電子デバイスは、
第2の電子コンポーネントと、
第2の熱交換器と、
第3の導管であって、前記第3の導管は、前記第2の熱交換器の流体入口ポートに流動的に接続され、前記第3の導管は、前記第2の熱交換器に、第3の温度において前記液体を伝達するように構成される、第3の導管と、
前記第2の熱交換器の流体出口ポートに流動的に接続される第4の導管であって、前記第4の導管は、前記第2の熱交換器から離れるように、前記第3の温度と異なる第4の温度において前記液体を伝達するように構成される、第4の導管と
をさらに備える、請求項1に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項12】
前記第3の導管は、前記第2の熱交換器の流体入口ポートと前記第1の熱交換器の第2の流体出口ポートとの間の流体連通を提供する、請求項11に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項13】
前記第4の導管は、前記第2の熱交換器の流体出口ポートと前記第1の熱交換器の第2の流体入口ポートとの間の流体連通を提供する、請求項12に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項14】
前記第2の熱交換器の第2の流体出口ポートと前記第2の熱交換器の第2の流体入口ポートとの間に延在する第5の導管をさらに備える、請求項12に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項15】
前記第1および第2の導管は、前記
熱交換器とラジエータとの間に延在する、請求項1に記載のウェアラブル電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、35U.S.C.§119(e)下、2019年5月28日に出願された、米国仮出願第62/853,613号の優先権の利益を主張する。本優先権書類のそれぞれの開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本分野は、ポータブル電子デバイスのための熱管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
種々のタイプのポータブル電子デバイスでは、オンボード電子機器、電力供給源(例えば、バッテリ)、または熱源として作用する、他の電子コンポーネントによって発生される、熱を十分に消散させることは、困難であり得る。電子デバイス内の熱の消散を改良することが、望ましくあり得る。
【0004】
例えば、いくつかの実施形態では、現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、仮想現実および/または拡張現実体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、それらが、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張として、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0005】
いくつかのVRまたはARシステムは、ユーザに不快であり得る、またはシステムのコンポーネントを損傷させ得る、熱負荷を受け得る、ポータブル電子デバイスを含み得る。故に、VRまたはARシステムと併用されるものを含む、ポータブル(例えば、ウェアラブル)電子デバイスのための改良された熱ソリューションの継続した必要性が残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される種々の実施形態は、ウェアラブルVRまたはARシステム等のためのウェアラブルまたはポータブル電子デバイスのための熱管理システムに関する。種々のタイプのウェアラブル電子デバイスは、熱を発生させる、プロセッサおよび他のコンポーネントを含む。そのような熱発生は、電子デバイスの温度を増加させ得、これは、ユーザにとって不快感を発生させ得、および/または電子デバイスの動作に悪影響を及ぼし得る。本明細書に開示される種々の実施形態は、液体導管を含む、液体冷却装置と、ユーザ体験および/またはデバイス動作を改良するように、熱をデバイスから除去するように構成される、熱交換器とを含む、熱管理システムを含む。
【0007】
一実施形態では、ウェアラブル電子デバイスが、開示される。ウェアラブル電子デバイスは、支持構造を含むことができる。ウェアラブル電子デバイスは、支持構造内または上に配置される、電子コンポーネントを含むことができる。ウェアラブル電子デバイスは、電子コンポーネントと熱的に結合される、熱交換器要素であって、流体入口ポートおよび流体出口ポートを備える、熱交換器要素を含むことができる。ウェアラブル電子デバイスは、熱交換器の流体入口ポートに流動的に接続される、第1の導管であって、熱交換器に、第1の温度において液体を伝達するように構成される、第1の導管を含むことができる。ウェアラブル電子デバイスは、熱交換器の流体出口ポートに流動的に接続される、第2の導管であって、熱交換器から離れるように、第1の温度と異なる第2の温度において液体を伝達するように構成される、第2の導管を含むことができる。
【0008】
別の実施形態では、ポータブルデバイスのための冷却システムが、開示される。冷却システムは、熱発生要素と、熱伝導システムとを含むことができる。熱伝導システムは、熱発生要素に隣接して配置される、熱交換器と、ラジエータと、ラジエータに隣接して配置される、ファンと、熱交換器およびラジエータと流体連通する、熱伝導回路と、熱伝導回路と流体連通する、ポンプとを含むことができる。冷却システムは、ファンおよびポンプのうちの少なくとも1つと結合される、出力シャフトを有する、モータを含むことができる。
【0009】
本明細書に説明される主題の1つ以上の実装の詳細は、付随の図面および下記の説明に記載される。他の特徴、側面、および利点は、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。本概要または以下の詳細な説明のいずれも、本発明の主題の範囲を定義または限定することを主張するものではない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ウェアラブル電子デバイスであって、
支持構造と、
前記支持構造内または前記支持構造上に配置される電子コンポーネントと、
前記電子コンポーネントと熱的に結合される熱交換器要素であって、前記熱交換器要素は、流体入口ポートおよび流体出口ポートを備える、熱交換器要素と、
前記熱交換器の流体入口ポートに流動的に接続される第1の導管であって、前記第1の導管は、前記熱交換器に、第1の温度において液体を伝達するように構成される、第1の導管と、
前記熱交換器の流体出口ポートに流動的に接続される第2の導管であって、前記第2の導管は、前記熱交換器から離れるように、前記第1の温度と異なる第2の温度において液体を伝達するように構成される、第2の導管と
を備える、ウェアラブル電子デバイス。
(項目2)
前記第1の導管および/または前記第2の導管と流体連通するポンプをさらに備える、項目1に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目3)
前記ポンプは、再生ポンプを備える、項目2に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目4)
前記ポンプは、圧電ポンプおよび遠心ポンプのうちの少なくとも1つを備える、項目2に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目5)
前記ポンプを駆動するように構成されるモータをさらに備える、項目2-4のいずれか1項に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目6)
前記モータは、パンケーキ型モータを備える、項目5に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目7)
前記液体は、水およびプロピレングリコールを備える、項目1-6のいずれか1項に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目8)
前記液体中の空気の量を低減させるように構成されるアキュムレータをさらに備える、項目1-7のいずれか1項に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目9)
前記アキュムレータは、液体熱伝導媒体の少なくとも一部を保持するように構成されるコンテナと、前記熱伝導媒体の体積にかかわらず、前記液体熱伝導媒体の最上レベルに留まるように構成される閉鎖デバイスとを備える、項目8に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目10)
前記アキュムレータは、圧力レギュレータを備える、項目9に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目11)
前記アキュムレータは、圧力チャンバを備える、項目9に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目12)
前記閉鎖デバイスと結合され、前記閉鎖デバイスを前記液体熱伝導媒体の最上レベルに維持するばねをさらに備える、項目9に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目13)
前記第1の導管または前記第2の導管と流体連通するラジエータをさらに備え、前記ラジエータは、フィンを有し、それによって、前記液体中の熱は、前記液体から前記ラジエータに伝導され、前記ラジエータ内の熱は、前記ラジエータから前記ラジエータを囲繞する空気に伝導される、項目1-12のいずれか1項に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目14)
アキュムレータと流体連通する一方向弁をさらに備える、項目13に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目15)
前記電子コンポーネントは、第1の電子コンポーネントであり、前記熱交換器は、第1の熱交換器であり、前記ウェアラブル電子デバイスはさらに、
第2の電子コンポーネントと、
第2の熱交換器と、
第3の導管であって、前記第3の導管は、前記第2の熱交換器の流体入口ポートに流動的に接続され、前記第3の導管は、前記第2の熱交換器に、第3の温度において液体を伝達するように構成される、第3の導管と、
前記第2の熱交換器の流体出口ポートに流動的に接続される第4の導管であって、前記第4の導管は、前記第2の熱交換器から離れるように、前記第3の温度と異なる第4の温度において液体を伝達するように構成される、第4の導管と
を備える、項目1-14のいずれか1項に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目16)
前記第1および第2の導管は、ラジエータの第1および第2のポートに流動的に接続され、前記第3および第4の導管は、前記ラジエータの第3および第4のポートに流動的に接続される、項目15に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目17)
前記第3の導管は、前記第2の熱交換器の流体入口ポートと前記第1の熱交換器の第2の流体出口ポートとの間の流体連通を提供する、項目15に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目18)
前記第4の導管は、前記第2の熱交換器の流体出口ポートと前記第1の熱交換器の第2の流体入口ポートとの間の流体連通を提供する、項目17に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目19)
前記第2の熱交換器の第2の流体出口ポートと前記第2の熱交換器の第2の流体入口ポートとの間に延在する第5の導管をさらに備える、項目17-18のいずれか1項に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目20)
前記第1および第2の導管は、前記第1の熱交換器とラジエータとの間に延在する、項目1-19のいずれか1項に記載のウェアラブル電子デバイス。
(項目21)
ポータブルデバイスのための冷却システムであって、
熱発生要素と、
熱伝導システムであって、
前記熱発生要素に隣接して配置される熱交換器と、
ラジエータと、
前記ラジエータに隣接して配置されるファンと、
前記熱交換器および前記ラジエータと流体連通する熱伝導回路と、
前記熱伝導回路と流体連通するポンプと
を備える、熱伝導システムと、
前記ファンおよび前記ポンプのうちの少なくとも1つと結合される出力シャフトを有するモータと
を備える、冷却システム。
(項目22)
前記モータの出力シャフトは、前記ファンおよび前記ポンプと結合され、前記ラジエータにわたって気流を発生させるために前記ファンを回転させ、同時に、前記熱交換器および前記ラジエータを通して液体を流動させるために前記ポンプを回転させる、項目21に記載の冷却システム。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、人物によって視認される、ある仮想現実オブジェクトおよびある物理的オブジェクトを伴う、拡張現実シナリオの例証を描写する。
【0011】
【
図2A】
図2A-2Dは、種々の実施形態による、ウェアラブルシステムの実施例を図式的に図示する。
【
図2B】
図2A-2Dは、種々の実施形態による、ウェアラブルシステムの実施例を図式的に図示する。
【
図2C】
図2A-2Dは、種々の実施形態による、ウェアラブルシステムの実施例を図式的に図示する。
【
図2D】
図2A-2Dは、種々の実施形態による、ウェアラブルシステムの実施例を図式的に図示する。
【0012】
【
図3A】
図3A-3Cは、種々の実施形態による、頭部搭載型コンポーネントおよびローカル処理およびデータモジュールを図示する。
【
図3B】
図3A-3Cは、種々の実施形態による、頭部搭載型コンポーネントおよびローカル処理およびデータモジュールを図示する。
【
図3C】
図3A-3Cは、種々の実施形態による、頭部搭載型コンポーネントおよびローカル処理およびデータモジュールを図示する。
【0013】
【
図4】
図4は、一実施形態による、熱管理システムの概略システム視像である。
【0014】
【
図5】
図5は、別の実施形態による、熱管理システムの概略システム視像である。
【0015】
【
図6】
図6は、
図5に示されるアキュムレータの概略図である。
【0016】
【
図7】
図7は、種々の実施形態による、システムを冷却液体で充填するために使用される、熱管理システムの一部を示す、概略系統図である。
【0017】
図面全体を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に説明される例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に開示される種々の実施形態は、ポータブル(例えば、ウェアラブル)電子デバイスに関する。例えば、
図1では、拡張現実場面4が、描写されており、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、およびコンクリートプラットフォーム1120を特徴とする、実世界公園状設定6が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、実世界プラットフォーム1120上に立っているロボット像1110と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ2とが「見える」と知覚するが、これらの要素2、1110は、実世界には存在しない。少なくとも要素2、1110は、少なくとも部分的に、本明細書に開示されるポータブル(例えば、ウェアラブル)電子デバイスによって、ユーザに提供されることができる。結論から述べると、ヒトの視知覚系は、非常に複雑であって、他の仮想または実世界画像要素の中で仮想画像要素の中で快適で、自然な感覚で、かつ豊かな提示を促進する、VRまたはAR技術を生産することは、困難である。
【0019】
例えば、頭部装着型ARディスプレイ(またはヘルメット搭載型ディスプレイまたはスマートグラス)は、典型的には、ユーザの頭部に少なくとも緩く結合され、したがって、ユーザの頭部が移動すると、移動し得る。ユーザの頭部の運動が、ディスプレイシステムによって検出される場合、表示されているデータは、頭部姿勢の変化を考慮するように更新されることができる。
【0020】
実施例として、頭部装着型ディスプレイを装着するユーザが、ディスプレイ上の3次元(3-D)オブジェクトの仮想表現を視認し、3-Dオブジェクトが現れる面積の周囲を歩き回る場合、その3-Dオブジェクトは、視点毎に再レンダリングされ、彼らが、実空間を占有するオブジェクトの周囲を歩き回っているような知覚をユーザに与えることができる。頭部装着型ディスプレイが、仮想空間内に複数のオブジェクト(例えば、豊かな仮想世界)を提示するために使用される場合、頭部の姿勢の測定(例えば、ユーザの頭部の場所および配向)が、ユーザの動的に変化する頭部場所および配向に合致するように場面を再レンダリングし、仮想空間内への没入感の増加を提供するために使用されることができる。
【0021】
ARシステムでは、頭部の姿勢の検出または計算は、ユーザにとって意味をなす様式において、ディスプレイシステムが実世界内の空間を占有するように現れるように、仮想オブジェクトをレンダリングすることを促進することができる。加えて、ユーザの頭部またはARシステムと連動したハンドヘルドデバイス(「トーテム」とも称され得る)、触知デバイス、または他の実際の物理的オブジェクト等の実オブジェクトの位置および/または配向の検出もまた、ディスプレイシステムが、ディスプレイ情報をユーザに提示し、ユーザが、ARシステムのある側面と効率的に相互作用することを可能にすることを促進し得る。ユーザの頭部が、実世界内で動き回るにつれて、仮想オブジェクトは、仮想オブジェクトが実世界に対して安定したまま現れるように、頭部の姿勢の関数として再レンダリングされ得る。少なくともAR用途に関して、物理的オブジェクトと空間的に連動した仮想オブジェクトの設置(例えば、2または3次元において物理的オブジェクトに空間的に近接して現れるように提示される)は、些細な問題ではあり得ない。例えば、頭部の移動が、周囲環境の視点からの仮想オブジェクトの設置を有意に複雑にし得る。これは、視点が周囲環境の画像として捕捉され、次いで、エンドユーザに投影または表示されるかどうか、またはエンドユーザが周囲環境の視点を直接知覚するかどうかに当てはまる。例えば、頭部の移動は、エンドユーザの視野を変化させる可能性が高く、これは、種々の仮想オブジェクトがエンドユーザの視野に表示される場所に対する更新を要求する可能性が高いであろう。加えて、頭部移動は、多種多様な範囲および速度で生じ得る。頭部移動速度は、異なる頭部移動間においてだけではなく、単一頭部移動の範囲内またはそれを横断して変動し得る。例えば、頭部移動速度は、最初に、始点から増加し得(例えば、線形または非線形)、終点に到達するにつれて、減少し得、頭部移動の始点と終点との間のある場所で最大速度を得る。高速頭部移動は、特定の表示または投影技術の能力さえ超え、均一および/または平滑運動としてエンドユーザに現れる画像をレンダリングし得る。
【0022】
頭部追跡正確度および待ち時間(例えば、ユーザがその頭部を移動させてから、画像が更新され、ユーザに表示されるまでの経過時間)は、VRおよびARシステムにとって課題となっている。特に、ユーザの視野の実質的部分を仮想要素で充填する、ディスプレイシステムに関して、頭部追跡の正確度が高く、頭部運動の最初の検出からディスプレイによってユーザの視覚系に送達される光の更新までの全体的システム待ち時間が非常に短い場合、有利である。待ち時間が長い場合、システムは、ユーザの前庭と視感覚系との間に不整合をもたらし、乗り物酔いまたは3D酔いにつながり得る、ユーザ知覚シナリオを生成させ得る。システム待ち時間が長い場合、仮想オブジェクトの見掛け場所は、高速頭部運動の間、不安定に現れ得る。
【0023】
頭部装着型ディスプレイシステムに加え、他のディスプレイシステムもまた、正確かつ短い待ち時間の頭部の姿勢検出から恩恵を受け得る。これらとして、ディスプレイが、ユーザの身体に装着されず、例えば、壁または他の表面上に搭載される、頭部追跡型ディスプレイシステムが挙げられる。頭部追跡型ディスプレイは、場面上に窓のように作用し得、ユーザがその頭部を「窓」に対して移動させるにつれて、場面は、ユーザの変化する視点に合致するように、再レンダリングされる。他のシステムとして、頭部装着型ディスプレイが光を実世界上に投影する、頭部装着型投影システムが挙げられる。
【0024】
加えて、現実的拡張現実体験を提供するために、ARシステムは、ユーザと相互作用するように設計されてもよい。例えば、複数のユーザが、仮想ボールおよび/または他の仮想オブジェクトを用いて、ボールゲームをプレーしてもよい。1人のユーザが、仮想ボールを「キャッチ」し、ボールを別のユーザに投げ返してもよい。別の実施形態では、第1のユーザは、仮想ボールを打つためのトーテム(例えば、ARシステムに通信可能に結合される実際のバット)を提供されてもよい。他の実施形態では、仮想ユーザインターフェースは、ユーザが多くのオプションのうちの1つを選択することを可能にするために、ARユーザに提示されてもよい。ユーザは、トーテム、触知デバイス、ウェアラブルコンポーネントを使用し、または単に、仮想画面をタッチし、システムと相互作用してもよい。
【0025】
ユーザの頭部の姿勢および配向を検出すること、および空間内の実オブジェクトの物理的場所を検出することは、ARシステムが、仮想コンテンツを効果的かつ享受可能な様式で表示することを可能にする。しかしながら、これらの能力は、ARシステムにとって重要であるが、達成することが困難である。換言すると、ARシステムは、実オブジェクト(例えば、ユーザの頭部、トーテム、触知デバイス、ウェアラブルコンポーネント、ユーザの手等)の物理的場所を認識し、実オブジェクトの物理的座標をユーザに表示されている1つ以上の仮想オブジェクトに対応する仮想座標に相関させなければならない。これは、概して、1つ以上のオブジェクトの位置および配向を高速レートで追跡する非常に正確なセンサおよびセンサ認識システムを要求する。現在のアプローチは、満足のゆく速度または精度規格において位置特定を行わない。
【0026】
したがって、ARおよびVRデバイスのコンテキストにおいて、より優れた位置特定システムの必要がある。さらに、ユーザの持続的および/または高速移動は、種々の他の問題をそのようなARおよび/またはVRデバイスの電気、熱、および/または機械的システムの中に導入し得る。加えて、プロセッサおよび他の熱発生コンポーネントの使用は、ユーザに不快となり得る、または別様に、システムの性能を低減させ得る。例えば、プロセッサおよび他の熱源は、ユーザの皮膚の近くのヘッドセット内に位置し得、これはシステムの動作の間、ユーザにとって不快感を発生させ得る。故に、ARおよびVRデバイスのための改良された熱管理システムを提供することが、重要であり得る。
【0027】
図2A-2Dを参照すると、いくつかの一般的コンポーネントオプションが、図示される。
図2A-2Dの議論に従う、詳細な説明の部分では、種々のシステム、サブシステム、およびコンポーネントが、ヒトVRおよび/またはARのための高品質かつ快適に知覚されるディスプレイシステムを提供する目的に対処するために提示される。
【0028】
図2Aに示されるように、ARシステムユーザ60は、ユーザの眼の正面に位置付けられるディスプレイシステム62に結合されるフレーム64構造を特徴とする、頭部搭載型コンポーネント58を装着するように描写される。スピーカ66が、描写される構成においてフレーム64に結合され、ユーザの外耳道に隣接して位置付けられる(一実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供する)。ディスプレイ62は、有線導線または無線コネクティビティ等によって、ローカル処理およびデータモジュール70に動作可能に結合68され、これは、フレーム64に固定して取り付けられる、
図2Bの実施形態に示されるように、ヘルメットまたは帽子80に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、
図2Cの実施形態に示されるように、リュック式構成においてユーザ60の胴体82に除去可能に取り付けられる、または
図2Dの実施形態に示されるように、ベルト結合式構成においてユーザ60の腰部84に除去可能に取り付けられる等、種々の構成において搭載されてもよい。
【0029】
ローカル処理およびデータモジュール70は、電力効率の良いプロセッサまたはコントローラおよびフラッシュメモリ等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープ等、フレーム64に動作可能に結合され得る、センサから捕捉されるデータ、および/またはb)可能性として、処理または読出後にディスプレイ62への通過のために、遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74を使用して入手および/または処理され得るデータの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール70は、有線または無線通信リンク等を介して、遠隔モジュール72、74が、相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール70へのリソースとして利用可能であるように、これらの遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合76、78されてもよい。
【0030】
一実施形態では、遠隔処理モジュール72は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上の比較的に高性能なプロセッサまたはコントローラを備えてもよい。一実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、比較的に大規模なデジタルデータ記憶設備を備えてもよく、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。一実施形態では、全てのデータが、記憶されてもよく、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、任意の遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にしてもよい。
【0031】
図3Aおよび3Bは、頭部搭載型コンポーネント58Aおよびローカル処理およびデータモジュール70の一実施形態を図示する。
図3Aはまた、ARまたはVR体験の間、システムを操作するように構成される、ハンドヘルドコントローラ71を図示する。
図3Cは、
図3Bに示されるコンポーネント58Aの概略斜視断面図である。別様に注記されない限り、
図3Aの特徴は、
図1-2Dの同様に付番されたコンポーネントと同一である、または概して、それに類似し得る。
図3A-3Bに示されるデバイスは、Magic Leap, Inc.(Planation, Florida)によって販売されている、Magic Leap Oneシステムを図示する。しかしながら、本明細書に開示される実施形態は、任意のタイプのポータブル(例えば、ウェアラブル)電子デバイスと併用されることができる。頭部搭載型コンポーネント58Aのフレーム64Aは、支持構造101の一部であってもよい。支持構造101は、1つ以上の空洞59をその中に備えてもよい。種々のタイプの電子コンポーネント、電力供給源、および他のデバイスが、支持構造101上または内に、例えば、1つ以上の空洞59内に搭載されてもよい。本明細書に解説されるように、支持構造101上または内のこれらのデバイスは、熱を発生させ得る、例えば、熱源として作用し得る。これらのデバイスによって発生された熱は、ユーザにとって不快となり得る、または別様に、システムの動作に悪影響を及ぼし得る。故に、頭部搭載型コンポーネント58Aのための改良された熱消散技法の継続した必要性が残っている。同様に、種々の実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール70の電子コンポーネントも、熱を発生させ得る、これは、ユーザにとって不快となり得る、または別様に、システムの動作に悪影響を及ぼし得る。本明細書に開示される実施形態は、故に、頭部搭載型コンポーネント58A、ローカル処理およびデータモジュール70、または両方内の熱消散を改良するために使用されることができる。実際、本明細書に開示される実施形態は、任意の好適なタイプのポータブル(例えば、ウェアラブル)電子デバイスのために使用されることができる。
(熱管理システムの実施例)
【0032】
図4は、一実施形態による、熱管理システム100の概略システム視像である。熱管理システム100は、頭部搭載型コンポーネント58または58Aの支持構造101内または上に配置されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、熱管理システム100は、エンクロージャ101の1つ以上の空洞59内に配置されることができる。他の実施形態では、熱管理システム100は、ローカル処理およびデータモジュール70内または上に、ハンドヘルドコントローラ71内または上に、および/または任意の他の好適なタイプのポータブル(例えば、ウェアラブル)電子デバイス上に配置されることができる。上記に解説されるように、種々の熱源(電子コンポーネント102a、102b等)が、支持構造101内または上に、例えば、1つ以上の空洞59内に配置され得る。電子コンポーネント102a、102bは、熱を発生させ、これは、ユーザを不快にさせる、または別様に、システム性能に悪影響を及ぼし得る。電子コンポーネント102a、102bは、熱を発生させる、任意のタイプのコンポーネントまたはデバイスであることができる。例えば、電子コンポーネント102a、102bは、プロセッサ、光学エミッタ(例えば、発光ダイオード、またはLED)、プロジェクタ、電力供給源、または熱を発生させる、任意の他のタイプのコンポーネントを備えることができる。2つの電子コンポーネント102a、102bが、
図4に示されるが、任意の数の電子コンポーネントは、支持構造101と結合されてもよいことを理解されたい。
【0033】
熱を電子コンポーネント102a、102bから離れるように伝達するために、電子コンポーネント102a、102bは、対応する第1および第2の熱交換器要素103a、103bと熱的に結合されることができる。例えば、電子コンポーネント102aは、熱接着剤(例えば、熱界面材料、すなわち、TIM)等の熱伝導性媒体を用いて、第1の熱交換器要素103aに熱的に取り付けられることができる。電子コンポーネント102bは、熱伝導性媒体(TIM等)を用いて、第2の熱交換器要素103bに熱的に取り付けられることができる。第1および第2の熱交換器103a、103bは、熱を、電子コンポーネント102a、102bから、熱を電子コンポーネント102a、102bおよび熱交換器103a、103bから離れるように伝達する、液体冷却システムに伝導するように構成される、空洞構造またはチャンバを含むことができる。例えば、種々の実施形態では、第1および第2の熱交換器103a、103bは、流体間の熱伝導の面積を増加または最大限にするように構成される、巻線チャネル、空洞、またはピン等の内部幾何学形状を含むことができる。
【0034】
図4に示されるように、第1および第2の熱交換器103a、103bは、熱交換器103a、103bによって集熱された熱エネルギーを外側環境(例えば、周囲空気)に消散させるように構成される、集熱ラジエータ106と流体連通することができる。いくつかの実施形態では、集熱ラジエータ106は、装着されると、ユーザの頭部の背面側またはその近くに位置するように、支持構造101上に位置付けられることができる。第1の導管104aは、第1の熱交換器103aの第1の流体入口ポート105aを集熱ラジエータ106の対応する第1のポート114aに流動的に接続することができる。導管104a、104bは、いくつかの実施形態では、エンクロージャ101内または上に、例えば、1つ以上の空洞59内に配置されてもよい。他の実施形態では、導管104a、104bは、少なくとも部分的に、外側環境に暴露されてもよい。第2の導管104bは、第1の熱交換器103aの第1の流体出口ポート105bを集熱ラジエータ106の対応する第2のポート114bに流動的に接続することができる。第3の導管104cは、第2の熱交換器103bの第1の流体入口ポート105cを集熱ラジエータ106の対応する第3のポート114cに流動的に接続することができる。第4の導管104dは、第2の熱交換器103bの第1の流体出口ポート105dを集熱ラジエータ106の対応する第4のポート114dに流動的に接続することができる。
【0035】
集熱ラジエータ106は、第1および第2の熱交換器要素103a、103bから集熱された熱を外側環境、例えば、空気に伝導するように構成される、内部パイプまたは導管を備えることができる。例えば、集熱ラジエータ106は、空気に暴露される表面積を増加させ、それによって、外側環境への熱消散を改良する(例えば、支持構造101内の開口部を用いて)、複数のピンまたはフィン115を備えることができる。集熱ラジエータ106はまた、充填ポート107aおよび通気口107bを含むことができる。集熱ラジエータ106は、冷却流体を充填ポート107aに供給することによって、冷却流体または冷却剤で充填されることができる。通気口107b(いくつかの実施形態では、一方向通気口を備えることができる)は、充填の間、空気が集熱ラジエータ106から逃散することを可能にするように構成されることができる。ラジエータ106が、冷却流体で充填された後、充填ポート107aおよび通気口107bは、シールまたは別様に閉鎖されることができる。
図5-6に関連して下記に解説されるように、アキュムレータもまた、システムの流体経路に沿って提供され、ガスまたは気泡が冷却液体中に形成されることを防止することができる。いくつかの実施形態では、ファン116が、提供され、集熱ラジエータ106から離れるような熱消散を改良するために、フィン115にわたる気流を加速させてもよい。種々の実施形態では、ファン116は、エンクロージャ101内または上に、例えば、1つ以上の空洞59内に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、空気は、空洞59の中に吸気ポートを通して流動することができ、熱をコンポーネントから離れるように出口ポートを通して伝達することができる。他の実施形態では、ファンは、熱管理システム100内に提供されなくてもよい。いくつかの実施形態では、集熱ラジエータ106またはその一部(例えば、ラジエータ106のフィン115)は、熱がユーザから離れるように伝導され得るように、ユーザの身体から離れるように(例えば、ユーザの頭部から離れるように)配向されることができる。種々の実施形態では、フィン115は、周囲空気に暴露され、冷却を向上させることができる。いくつかの実施形態では、支持ブロック119等のフィン115に対向する熱管理システムの部分は、ユーザの身体をラジエータ106によって集熱された熱から断熱するように選択されることができる。
【0036】
さらに、
図6に関連して下記に解説および例証されるように、ポンプと、ポンプを駆動する、モータもまた、提供されてもよい(
図4に図示せず)。モータは、好適な電子機器によって、アクティブ化され、ポンプを駆動することができ、これは、ひいては、液体を導管104a-104dおよび熱交換器要素103a、103bを通して駆動することができる。いくつかの実施形態では、モータの出力シャフトは、ファン116およびポンプと結合され、ラジエータ106にわたって気流を発生させるために、ファン116を回転させ、同時に、熱交換器103aまたは103bおよびラジエータ106を通して液体を流動させるために、ポンプを回転させることができる。いくつかの実施形態では、クラッチ機構または切替機構が、ファン116およびポンプが共通モータシャフトおよびモータを共有するとき、本システムが、ファン116およびポンプを別個に駆動し得るように、提供されることができる。いくつかの実施形態では、ファン116およびポンプはそれぞれ、ファン116およびポンプを別個に駆動するために、関連付けられるモータを有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ラジエータ106は、拡大された表面積(例えば、フィンまたはピン)にわたって、能動的または強制空気流等の能動的冷却シンクを備えることができる。
【0037】
図4に示される熱管理システム100は、平衡熱システムの実施例である。例えば、
図4に示されるように、第1の熱経路117a(例えば、導管104a、104bを含む)は、熱を第1の熱交換器要素103aから集熱ラジエータ106に伝達することができる。第2の熱経路117b(例えば、導管104c、104dを含む)は、熱を第2の熱交換器要素103bから集熱ラジエータ106に伝達することができる。
図4では、第1および第2の熱経路117a、117bは、少なくとも部分的に、ある場合には、完全に、相互から熱的に独立または隔離される。経路117bは、少なくとも、それとそれらがそれぞれ結合される、ラジエータ106と熱交換器要素との間の経路117aから独立することができる。これは、各電子コンポーネント102a、102bから除去されるべき熱の量が、独立して、対処されることを可能にするという利点を提供することができる。例えば、
図4では、第1の熱交換器要素103aによって集熱され、ラジエータ106に伝導される、熱の量は、第2の熱交換器要素103bによって集熱され、ラジエータ106に伝導される、熱の量から独立し得る。
【0038】
動作の間、ポンプ(
図4に図示せず、
図5参照)は、液体(例えば、冷却剤)を、熱管理システム100内で、第1の導管104aに沿って、第1の熱交換器要素103aに、第1の流体入口105aを経由して駆動することができる。液体は、第1の熱交換器要素103a内で、第2の導管104bに、第1の流体出口105a(および第1の熱交換器要素103a内の任意の付加的導管または管類)を経由してルーティングされることができる。したがって、冷たい、すなわち、低温液体は、第1の温度において、第1の熱交換器要素103aに、第1の導管104aに沿って、供給されることができる。電子コンポーネント102a(熱源として作用し得る)によって発生された熱は、液体の温度を第1の温度を上回る第2の温度まで増加させ得る。
図4の熱源は、電子コンポーネント102aを含むが、他の実施形態では、熱源は、望ましくない熱エネルギーを発生させる、任意の他の好適なデバイスまたはシステムを備えることができることを理解されたい。第2の温度における、結果として生じる、温かい、すなわち、高温液体は、第1の熱交換器要素103aから離れるように、集熱ラジエータ106に、第2の導管104bに沿って伝達されることができる。冷却液体は、任意の好適なタイプの冷却剤を備えることができ、例えば、水およびプロピレングリコールを備える、溶液を含む。熱管理システム100内のポンプは、物理的または機能的にのいずれかにおいて、集熱ラジエータ106の中に統合されることができる。例えば、ポンプは、一実施形態では、支持ブロック119内に格納されることができる、または下記に議論されるシステム200に関連して図示されるように、別個に格納されることができる。
【0039】
同様に、上記に議論されるポンプ(または別のポンプ)は、液体(例えば、冷却剤)を、第3の導管104cに沿って、第2の熱交換器要素103bに、第2の熱交換器要素103bの流体入口105cを経由して駆動することができる。液体は、第2の熱交換器要素103b内で、第4の導管104dに、流体出口105d(および第2の熱交換器要素103b内の任意の付加的導管または管類)を経由してルーティングされることができる。したがって、冷たい、すなわち、低温液体は、第1の温度において、第2の熱交換器要素103bに、第3の導管104cに沿って供給されることができる。電子コンポーネント102b(熱源として作用し得る)によって発生された熱は、液体の温度を第1の温度を上回る第2の温度まで増加させることができる。第2の温度における結果として生じる、暖かい、すなわち、高温液体は、第2の熱交換器要素103bから離れるように、集熱ラジエータ106に、第4の導管104dに沿って伝達されることができる。
【0040】
第2の温度における暖かい、すなわち、高温液体は、集熱ラジエータ106内の1つ以上の導管を通して通過し得る。暖かい、すなわち、高温液体からの熱エネルギーは、ラジエータ106のフィン115に、フィン115から、空気に伝導されることができる。上記に解説されるように、いくつかの実施形態では、ファン116は、フィン115にわたる気流を加速させることによって、フィン115からの熱の消散を向上させ得る。
【0041】
有益なこととして、
図4に示される熱管理システム100は、ユーザ快適性およびシステム性能を維持するように、温度を実質的に低減させることができる。例えば、熱管理システム100は、頭部搭載型コンポーネント58、58Aの表面温度を所定の最大温度閾値を下回るレベルに維持することができる。いくつかの実施形態では、頭部搭載型コンポーネント58、58Aの表面温度は、所定の最大温度閾値の少なくとも10℃下回る温度に維持されることができる。いくつかの実施形態では、頭部搭載型コンポーネント58、58Aの表面温度は、所定の最大温度閾値の少なくとも12℃下回る温度に維持されることができる。いくつかの実施形態では、頭部搭載型コンポーネント58、58Aの表面温度は、例えば、システム100が熱消散を改良するためにファンを含むとき、所定の最大温度閾値の少なくとも18℃下回る温度に維持されることができる。故に、種々の実施形態では、頭部搭載型コンポーネント58、58Aの表面温度は、所定の最大閾値温度の10℃~25℃下回る範囲内の温度に維持されることができる。いくつかの実施形態では、熱管理システム100は、温度を周囲温度を若干上回る温度、例えば、周囲温度(例えば、室温)を1℃~5℃上回る温度まで低減させることができる。種々の実施形態では、熱管理システム100は、熱ループがエネルギー中立に近いまたはほぼエネルギー中立であるように、熱発生コンポーネント(コンポーネント102a、102b等)によって生産された熱エネルギーとほぼ等しい熱エネルギーを消散させるように構成されることができる。
【0042】
さらに、熱管理システム100は、有利なこととして、ポータブル(例えば、ウェアラブル)電子デバイスにおいて使用するために好適な小形状因子で提供されることができる。
【0043】
図5は、別の実施形態による、熱管理システム200の概略システム視像である。別様に注記されない限り、
図5のコンポーネントは、概して、
図4の参照番号に対して100増分された参照番号を伴う、
図4の同様に付番されたコンポーネントに類似する、またはそれと同一であり得る。例えば、
図4と同様に、
図5の熱管理システム200は、電子コンポーネント202a、202b等の熱源から離れるように、熱エネルギーを伝導するように構成される、液体冷却システムを備えることができる。しかしながら、平衡熱システムを図示する、
図4の実施形態と異なり、
図5の実施形態は、不平衡熱システムを図示する。
【0044】
図5に示されるように、第1および第2の熱経路217a、217bは、相互から独立または隔離されなくてもよい。むしろ、
図5に示されるように、熱経路217a、217bは、第1の熱交換器要素203aから集熱された一部の熱エネルギーが第2の熱交換器要素203bに第2の熱経路217bを経由して伝導され得るように、相互に直列であってもよい。同様に、第2の熱交換器要素203bからの一部の熱エネルギーは、第2の熱経路217bによって、第1の熱交換器要素203aに戻るように伝導されることができる。有益なこととして、種々の実施形態では、
図5に示される不平衡システム200は、熱負荷が対称ではない、状況において好ましくあり得る。
図5の不平衡システム200では、例えば、冷却液体は、ラジエータ206に伝導される前に、最初に、より大きい熱負荷に結合される、熱交換器203aに、次いで、第2の熱交換器203bにルーティングされることができる。対照的に、その中で各熱源(例えば、各コンポーネント102a/202a、102b/202b)の熱負荷がほぼ同一である、平衡負荷に関しては、
図4の平衡システム100を利用することが望ましくあり得る。
【0045】
図5に示されるシステム200は、モータ218によって駆動される、ポンプ209を含むことができる。ポンプ209は、再生ポンプ等の任意の好適なタイプのポンプを備えることができる。他の実施形態では、圧電ポンプまたは遠心ポンプが、使用されることができる。モータ218は、任意の好適なタイプのモータを備えることができる。いくつかの実施形態では、例えば、モータ218は、パンケーキ型モータを備えることができ、これは、支持構造101の小形状因子内に嵌合するように、比較的に薄くあることができる。いくつかの実施形態では、モータ218の出力シャフトは、ファン216およびポンプ209と結合され、ラジエータ206にわたって気流を発生させるために、ファン216を回転させ、同時に、熱交換器203aまたは203bおよびラジエータ206を通して液体を流動させるために、ポンプ209を回転させることができる。いくつかの実施形態では、クラッチ機構または切替機構が、本システムが、ファン216およびポンプ209が共通モータシャフトおよびモータ218を共有するとき、ファン216およびポンプ209を別個に駆動し得るように提供されることができる。いくつかの実施形態では、ファン216およびポンプ209はそれぞれ、ファン216およびポンプ209を別個に駆動するために、関連付けられるモータを有してもよい。ポンプ209は、液体を、冷却液体の圧力を調整し、適切な液体体積を維持し、熱サイクルの間、液体蒸発によって作成された空気ポケットを回避するように構成される、アキュムレータ208に駆動することができる。下記の
図6において解説されるように、アキュムレータ208は、冷却剤液体の蒸発から生じる、空気の量を制御(例えば、低減または排除)することができる。例えば、下記に解説されるように、圧力レギュレータまたは他のデバイスが、液体を圧縮し、蒸発に起因して作成された任意の空隙または空所を回避するために使用されることができる。
【0046】
液体(比較的に温かいまたは高温であり得る)は、集熱ラジエータ206に伝導されることができる。液体からの熱エネルギーは、フィン215を用いて、環境に消散されることができる。種々の実施形態では、ラジエータ206内の内部構造(例えば、バッフル)は、熱消散を改良するために、表面積をさらに増加させることができる。上記に解説されるように、いくつかの実施形態では、ファン216は、熱消散を改良するために、気流を加速させるために使用されることができる。他の実施形態では、ファンは、提供されなくてもよい。
図4と同様に、充填ポート207aおよび通気口207bが、提供されることができる。いったん熱が、集熱ラジエータ206によって消散されると、比較的に冷たい液体は、第1の導管204aに沿って、第1の熱交換器要素203aの第1の流体入口205aに伝導されることができる。電子コンポーネント202aからの少なくとも一部の熱エネルギーは、液体の温度を増加させるように、冷却液体に第1の熱交換器要素203aから伝導されることができる。液体は、次いで、第3の導管204cに沿って、第2の熱交換器要素203bに伝達されることができる。第1の熱交換器203aから離れるように伝達される、第3の導管204c内の液体は、第1の導管204aに沿って熱交換器203aに伝達される液体より温かくあり得るが、温度の増加は、第2の熱交換器要素203bに第3の導管204cから進入する液体が比較的に冷たいように、比較的にわずかであり得る。
【0047】
電子コンポーネント202bからの熱エネルギーは、液体に伝導され、例えば、液体の温度を増加させ得る。第2の熱交換器要素203b内に第3の導管204cから通過する液体は、流体出口ポートから第2の熱交換器を退出することができ、第5の導管204eに進入することができ、これは、第2の熱交換器203bの流体入口ポート要素の中に戻るようにループする。液体は、第2の熱交換器要素203bから離れるように、第4の導管204dを経由して伝達されることができる。第4の導管内の液体は、第2の熱交換器要素203bによって液体に伝導される熱エネルギーに照らして、第3の導管204cによって第2の熱交換器要素203bに伝達される液体より温かくあり得る。液体は、第1の熱交換器要素203aに第2の熱経路217bから再進入することができる。電子コンポーネント202aおよび第1の熱交換器要素203aからの熱エネルギーは、液体の温度をさらに増加させ得る。結果として生じる、暖かい、すなわち、高温液体は、第2の導管204bによって、集熱ラジエータ206に戻るように伝達されることができる。高温液体は、ポンプ209およびアキュムレータ208を通して通過する前に、少なくとも部分的に、ラジエータ206によって冷却されることができる。液体は、加えて、ポンプ209およびアキュムレータ208を通して通過後、ラジエータ206によって、冷却されることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネント202aは、電子コンポーネント202bより熱を発生させ得る(またはより高温であり得る)。より高温のコンポーネント202aを第1の上流熱交換器要素203aに熱的に結合することは、第2の熱交換器要素203bによってよりも多くの熱エネルギーが、第1の熱交換器要素203aによって除去され得るため、熱消散を改良することができ、これは、システム200が、効果的様式において、第1および第2のコンポーネント202a、202bの両方を冷却することを可能にし得る。同様に、VRまたはARデバイスが、使用されるべき電子コンポーネント202aまたは202bを選択するように構成される、または電子コンポーネント202a、202bのための相対的処理負荷を選択するように構成される場合、システム200は、熱エネルギーが、第2の熱交換器要素203bによってよりも第1の熱交換器要素203aによって効率的に消散され得るため、コンポーネント202bより高い処理負荷をコンポーネント202a上に適用するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1の上流熱交換器要素203aは、各熱交換器要素203a、203bが、ほぼ同一量の熱エネルギー(または所定の相対的量の熱エネルギー)を除去するように構成され得るように、第2の熱交換器要素203bより小さく作製されることができる(またはより少ない熱を除去するように作製されることができる)。他の実施形態では、熱交換器要素203a、203bは、ほぼ同一熱消散能力またはサイズを有することができる。
【0049】
図6は、
図5のアキュムレータ208の概略図である。
図6に示されるが、アキュムレータ208はまた、
図4に示されるシステム100と併用されることができる。熱管理システム100または200が、頭部搭載型コンポーネント58、58Aの支持構造101内に配置されるとき、ユーザは、気泡が液体から変位され得るように移動してもよい。さらに、システム100または200の内側の液体の加熱は、空気またはガスの蒸発およびさらなる変位につながり得る。システム100または200を通して通過する、空気の量を限定または制御する(例えば、防止する)ことが、望ましくあり得る。
【0050】
図6のアキュムレータ208は、それを通して液体がポンプ209から伝達される、圧力チャンバ210を含むことができる。キャップ212が、ばね211または他の変形可能要素を用いて、圧力チャンバ210と摺動可能に係合されることができる。アキュムレータ208は、空気がアキュムレータ208の中に入ることを可能にするが、空気が逃散することを可能にしない、一方向通気口または弁等の弁213を備えることができる。液体が、蒸発するにつれて、または空気またはガスが、液体から別様に変位されるにつれて、外側環境からの空気が、弁213に進入し、キャップ212を用いて、液体および空気を圧縮し、蒸発または移動から生じる、任意の空所または間隙を補償する。種々の実施形態では、液体の蒸発の量は、デバイス208が点検されるべきときを予測するように測定されることができる。
【0051】
図7は、種々の実施形態による、システム300を冷却液体で充填するために使用される、熱管理システム300の一部を示す、概略系統図である。別様に注記されない限り、
図7のコンポーネントは、概して、
図5の参照番号に対して100増分された参照番号を伴う、
図5の同様に付番されたコンポーネントに類似する、またはそれと同一であり得る。例えば、
図5と同様に、システム300は、リザーバおよび圧力チャンバと、ポンプ309と、ラジエータ306とを含み得る、アキュムレータ308を含むことができる。第1の弁V1は、アキュムレータ308への液体の流動を選択的に制御することができる。第2の弁V2は、ポンプ309への液体の流動を選択的に制御することができる。第3の弁V3は、アキュムレータ308とポンプ309との間の液体の流動を選択的に制御することができる。
【0052】
種々の実施形態では、熱管理システム300(および/またはシステム100、200)は、第1および第2の弁V1、V2を開放構成に設置することによって、かつ第3の弁V3を閉鎖構成に設置することによって、冷却液体で充填されることができる。冷却剤液体は、第2の弁V2を通して、ポンプ309の中に、充填ポート(充填ポート107a、207aに類似する)を経由して供給されることができる。通気口(通気口107b、207bに類似する)は、冷却剤で充填される開放リザーバ内に浸されることができる。システム300に供給されている冷却剤液体の圧力は、空気を通気口を通して押し出すことができる。第3の弁V3は、開放され、液体がアキュムレータ308とポンプ309との間を通過することを可能にすることができ、付加的冷却剤液体は、所望に応じて、追加されることができる。システム300を試験するために、第1および第2の弁V1、V2は、閉鎖されることができ、ポンプ309は、アクティブ化され、システム300を起動することができる。気泡が、観察される場合、またはポンプ309が、キャビテーションを被る場合、付加的液体が、本明細書に解説されるように、供給されることができる。
(付加的考慮点)
【0053】
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写される任意のプロセス、方法、およびアルゴリズムは、具体的かつ特定のコンピュータ命令を実行するように構成される、1つ以上の物理的コンピューティングシステム、ハードウェアコンピュータプロセッサ、特定用途向け回路、および/または電子ハードウェアによって実行される、コードモジュールにおいて具現化され、それによって完全または部分的に自動化され得る。例えば、コンピューティングシステムは、具体的コンピュータ命令とともにプログラムされた汎用コンピュータ(例えば、サーバ)または専用コンピュータ、専用回路等を含むことができる。コードモジュールは、実行可能プログラムにコンパイルおよびリンクされ得る、動的リンクライブラリ内にインストールされ得る、またはインタープリタ型プログラミング言語において書き込まれ得る。いくつかの実装では、特定の動作および方法が、所与の機能に特有の回路によって実施され得る。
【0054】
さらに、本開示の機能性のある実装は、十分に数学的、コンピュータ的、または技術的に複雑であるため、(適切な特殊化された実行可能命令を利用する)特定用途向けハードウェアまたは1つ以上の物理的コンピューティングデバイスは、例えば、関与する計算の量または複雑性に起因して、または結果を実質的にリアルタイムで提供するために、機能性を実施する必要があり得る。例えば、ビデオは、多くのフレームを含み、各フレームは、数百万のピクセルを有し得、具体的にプログラムされたコンピュータハードウェアは、商業的に妥当な時間量において所望の画像処理タスクまたは用途を提供するようにビデオデータを処理する必要がある。
【0055】
コードモジュールまたは任意のタイプのデータは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、光学ディスク、揮発性または不揮発性記憶装置、同一物の組み合わせ、および/または同等物を含む、物理的コンピュータ記憶装置等の任意のタイプの非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。本方法およびモジュール(またはデータ)はまた、無線ベースおよび有線/ケーブルベースの媒体を含む、種々のコンピュータ可読伝送媒体上で生成されたデータ信号として(例えば、搬送波または他のアナログまたはデジタル伝搬信号の一部として)伝送され得、種々の形態(例えば、単一または多重化アナログ信号の一部として、または複数の離散デジタルパケットまたはフレームとして)をとり得る。開示されるプロセスまたはプロセスステップの結果は、任意のタイプの非一過性有形コンピュータ記憶装置内に持続的または別様に記憶され得る、またはコンピュータ可読伝送媒体を介して通信され得る。
【0056】
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写されるフロー図における任意のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、プロセスにおいて具体的機能(例えば、論理または算術)またはステップを実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードモジュール、セグメント、またはコードの一部を潜在的に表すものとして理解されたい。種々のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、組み合わせられる、再配列される、本明細書に提供される例証的実施例に追加される、そこから削除される、修正される、または別様にそこから変更されることができる。いくつかの実施形態では、付加的または異なるコンピューティングシステムまたはコードモジュールが、本明細書に説明される機能性のいくつかまたは全てを実施し得る。本明細書に説明される方法およびプロセスはまた、いずれの特定のシーケンスにも限定されず、それに関連するブロック、ステップ、または状態は、適切な他のシーケンスで、例えば、連続して、並行して、またはある他の様式で実施されることができる。タスクまたはイベントが、開示される例示的実施形態に追加される、またはそこから除去され得る。さらに、本明細書に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、例証目的のためであり、全ての実装においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。説明されるプログラムコンポーネント、方法、およびシステムは、概して、単一のコンピュータ製品においてともに統合される、または複数のコンピュータ製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。多くの実装変形例が、可能である。
【0057】
本プロセス、方法、およびシステムは、ネットワーク(または分散)コンピューティング環境において実装され得る。ネットワーク環境は、企業全体コンピュータネットワーク、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、クラウドコンピューティングネットワーク、クラウドソースコンピューティングネットワーク、インターネット、およびワールドワイドウェブを含む。ネットワークは、有線または無線ネットワークまたは任意の他のタイプの通信ネットワークであり得る。
【0058】
本発明は、対象デバイスを使用して実施され得る方法を含む。本方法は、そのような好適なデバイスを提供する行為を含んでもよい。そのような提供は、エンドユーザによって実施されてもよい。換言すると、「提供する」行為は、単に、エンドユーザが、本主題の方法において必要なデバイスを取得する、それにアクセスする、それに接近する、それを位置付ける、それを設定する、それをアクティブ化する、それに電源を入れる、または別様にそれを提供するように作用することを要求する。本明細書に列挙される方法は、論理的に可能な列挙されたイベントの任意の順序およびイベントの列挙された順序で行われてもよい。
【0059】
本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されない。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。本開示に説明される実装の種々の修正が、当業者に容易に明白であり得、本明細書に定義される一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の実装に適用され得る。したがって、請求項は、本明細書に示される実装に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0060】
別個の実装の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実装における組み合わせにおいて実装されることができる。逆に、単一の実装の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実装において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることができる。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0061】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図される。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを合意することを意図されない。用語「~を備える(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(having)」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。本明細書で具体的に定義されないことを除いて、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、請求項の妥当性を維持されながら、可能な限り広義に一般的に理解される意味として与えられるべきである。
【0062】
本明細書で使用されるように、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す語句は、単一の要素を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。ある実施例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、およびA、B、およびCを網羅することが意図される。語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」等の接続文は、別様に具体的に記載されない限り、概して、項目、用語等がX、Y、またはZのうちの少なくとも1つであり得ることを伝えるために使用されるような文脈で別様に理解される。したがって、そのような接続文は、概して、ある実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在するように要求することを示唆することを意図されない。
【0063】
同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実装において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実装におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。