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▶ 佐野 哲弥の特許一覧

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  • 特許-プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20230928BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20230928BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
G07G1/12 361E
G07G1/00 311D
G07G1/01 301C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022034810
(22)【出願日】2022-02-16
(65)【公開番号】P2023123315
(43)【公開日】2023-09-05
【審査請求日】2022-03-23
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-17
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506141948
【氏名又は名称】佐野 哲弥
(72)【発明者】
【氏名】佐野 哲弥
【合議体】
【審判長】藤井 昇
【審判官】久島 弘太郎
【審判官】中村 則夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-101974(JP,A)
【文献】特開平8-329350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
POSレジに連動された商品情報読取装置によって、商品に付せられている商品識別コードと賞味期限又は消費期限の表示から、記憶されている商品情報を読取って計時を開始し、時間経過に応じて販売価格を変動させる構成のプログラムであって、各食品企業が商品別に設定している賞味期限又は消費期限の期間の長さに応じて、商品を幾つかのクラスに区分したうえ、当該期限までの残存期間に応じて、通常販売か、値引販売か、廃棄処分かの処理方法と、値引販売時の値引率を規定して保持した条件判断を、読取った対象商品に適用して分岐処理し、値引販売が可能な場合は、規定の値引率によって算出された値引額を、表示価格から差引いて販売価格を決定し、POSレジに反映させる構成が特徴のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPOSレジのプログラムにおいて、環境問題に配慮した食品廃棄物の削減に深く関わる、商品の賞味期限又は消費期限と表示価格からの値引に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以前より、賞味期限又は消費期限までの残存期間が間近に迫った商品に対し、個々に値引きシールを貼付する方法や、商品情報読取装置による商品情報読取後に、POSレジを通して自動で値引きするプログラムはあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-58789号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の値引システムは賞味期限又は消費期限までの残存期間に対しての値引のプログラムではあったが、表示価格の異なる商品であっても残存期間に対する一律固定の定額値引であり、表示価格に対して比例して値引額が変動する値引率による値引では無かった事である。
【0005】
それにより表示価格の高い商品においては割安感が乏しく、値引が購買動機にはなりにくく、食品廃棄物の削減には期待する程の効果は得られなかった。
【0006】
販売者としては先入先出のルールに従い、少しでも古い商品を先に売り切りたいと思う意識が強いが、これに反して、消費者の多くは敢えて賞味期限又は消費期限が間近に迫った商品を購入しようとは思わず、少しでも安く新鮮な商品を購入したがるものである。
【0007】
そのような意識の違いの中での食品廃棄物の削減には、賞味期限又は消費期限が間近に迫った商品を、積極的に購入しようと考える消費者を増さなければなりません。そのためには、当該期限が間近に迫った商品を購入した場合、それなりの見返りを与える必要があります。
【0008】
コンビニエンスストアやスーパーマーケットの商品棚には、賞味期限又は消費期限の間近に迫った商品から、期限まで期間のある商品へと、前から奥へ順番に陳列されているのが一般的ですが、多くの消費者は同じ金額を出費するなら、出来るだけ新鮮な商品を購入したいと思い、可能な限り棚の奥の商品に手を伸ばすものです。
そのため、必要以上に陳列商品への接触が増えて陳列が乱される上、商品が汚染されて新たな問題も発生してしまいます。
【0009】
さらに、一定の割合で、古い商品も買いたくないが、わざわざ陳列商品を移動してまで棚の奥から商品を取り出す事もしたくない。欲しい商品が棚の奥に有るにも拘らず、敢えて取り出す事をためらい、結果的にいずれの商品も購入しない人が少なからずおります。
【0010】
以上のような少数派の消費者を失わないためにも、賞味期限又は消費期限の間近に迫った商品の販売促進のためにも、積極的にお買い得感を消費者にアピールして購買意欲を掻き立てながら、食品廃棄の問題をも認識して頂き、当該商品を購入して頂けるシステムを構築する事が食品廃棄物の削減と販売促進の両立にとって重要と思われます。
【0011】
そこで、賞味期限又は消費期限までの残存期間に対する一律固定の定額値引ではなく、表示価格が異なっても値引による割安感が失われない、表示価格に対しての値引率による変動型の値引を、POSレジを通して即時応答で実行するプログラムを提供する。
【0012】
これにより、表示価格の高いものは、相対的に値引額が増える為、消費者にとっては賞味期限又は消費期限が間近に迫った商品への購買意欲が掻き立てられ、陳列棚の前から躊躇なく商品を購入しようとする意識が高まり、食品廃棄物の削減と販売促進の両立が期待出来る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
POSレジに連動された商品情報読取装置によって、商品に付せられている商品識別コードと賞味期限又は消費期限の表示から、記憶されている商品情報を読取って計時を開始し、各食品企業が商品別に設定している賞味期限又は消費期限の期間の長さに応じて、商品を幾つかのクラスに区分したうえ、当該期限までの残存期間に応じて、通常販売か、値引販売か、廃棄処分かの処理方法と、値引販売時の値引率を規定して保持した条件判断を、読取った対象商品に適用して分岐処理し、値引販売が可能な場合は、規定の値引率によって算出された値引額を、表示価格から差引いて販売価格を決定し、POSレジに反映させる構成が特徴のプログラムで課題を解決するが、その詳細については実施例に記載する。
【発明の効果】
【0014】
一律の定額値引では高額商品に対しての購入メリットが希薄で、食品廃棄物の削減と販売促進には期待する程の効果が見込まれないが、表示価格に対しての値引率による値引であれば、相対的に高額商品に対しての割安感が大きくなり、消費者にとっての購買動機となり得、敢えて賞味期限又は消費期限にこだわらずに、割安商品を購入しようとする消費者の増加が期待できる。
【0015】
その結果、食品廃棄物の削減が期待出来、廃棄ロスによる減益分の商品価格への上乗せも抑えられる。
【0016】
また、表示価格に対する値引率による即時応答の自動値引方式にする事は、賞味期限又は消費期限の確認作業の一部と、値引シールの貼付けや貼り替えの手間が省けて、人件費削減にもつながるうえ、消費者による値引シールの貼り替えの不正も無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】賞味期限付き商品の値引処理の手順を示すフローチャートである。(例1)
図2】賞味期限付き商品又は消費期限付き商品の値引処理の手順を示すフローチャートの一部である。(例2-1)
図3図2のフローチャートの続きである。(例2-2)
図4】賞味期限のクラス区分と残存期間に対する値引率規定表の実施例である。
図5】消費期限のクラス区分と残存期間に対する値引率規定表の実施例である。
【0018】
図1及び図2はプログラムのフローチャートの一例であり、クラス区分の追加や、薬品関係で設定されている使用期限の設定の追加など、様々に変更が出来る。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は賞味期限又は消費期限が間近に迫った商品の値引方法の一つである値引シールの貼付や一律固定の定額値引方式を見直し、レジ決済時に個々の商品に対しての値引率による即時応答の値引を行う事で、消費者と販売者の双方にとってメリットとなる販売システムの構築を目的に実施した。
【実施例
【0020】
POSレジに連動された商品情報読取装置によって、商品に付せられている商品識別コードと賞味期限又は消費期限の表示から、記憶されている商品情報を読取って計時を開始する。
【0021】
読取った商品情報から賞味期限付き商品か、消費期限付き商品か、通常販売商品かを識別し、読取った商品情報から期限付き商品においては当該期限までの残存期間を算出する。
【0022】
対象商品の場合は、各食品企業が商品別に設定している賞味期限又は消費期限の期間の長さに応じて、商品を幾つかのクラスに区分したうえ、当該期限までの残存期間に応じて、通常販売か、値引販売か、廃棄処分かの処理方法と、値引販売時の値引率を規定して保持した条件判断を、読取った対象商品に適用して分岐処理し、値引販売が可能な場合は、規定の値引率によって算出された値引額を、表示価格から差引いて販売価格を決定し、POSレジに反映させる。
【0023】
賞味期限又は消費期限付き対象商品でも、当該期限までの残存期間が規定以下の場合は廃棄処分とし、規定以上の場合や賞味期限又は消費期限の設定の無い通常販売商品については、値引きせずに通常価格で販売する。
【0024】
以上の情報処理の流れはすべてPOSレジを通して行うプログラムである。
【0025】
尚、賞味期限又は消費期限の多様な設定期間に応じた値引設定のためのクラス分けは、今回、実施例としてそれぞれ2クラスに区分したが、賞味期限設定の食品は食品類別や包装形態などによって期間が10日程度の短い食品や、2か月から3か月程度の中期設定の食品、さらには半年から3年越えの長期設定の食品まで様々あるので、さらに細分化してクラス分けしてもよいが、消費期限設定の食品においては、弁当、調理パン、惣菜、生めんなど、概ね5日以内が適用期間なので2クラスまでの分類でよい。
また、値引率においても販売者の方針や消費者の思惑など様々な事情が絡むので、適宜に変更すればよい。
図1
図2
図3
図4
図5