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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】分解可搬型膜濾過装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20230101AFI20230928BHJP
   B01D 65/06 20060101ALI20230928BHJP
   C02F 1/50 20230101ALI20230928BHJP
   C02F 1/76 20230101ALI20230928BHJP
【FI】
C02F1/44 A
B01D65/06
C02F1/50 510A
C02F1/50 520A
C02F1/50 531P
C02F1/50 550C
C02F1/50 560E
C02F1/76 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022077878
(22)【出願日】2022-05-11
(62)【分割の表示】P 2017249449の分割
【原出願日】2017-12-26
(65)【公開番号】P2022097630
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000147291
【氏名又は名称】株式会社清水合金製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081293
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 哲男
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-179243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/44
B01D 53/00
61/00-71/82
C02F 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上ユニット及び下ユニットを接合して枠体を構成し、浄水ライン及び排水ラインを前記上ユニット側に集約配置し、原水ラインを前記下ユニット側に配置し、前記上ユニット及び前記下ユニットのそれぞれに配管ユニットを設け、
前記上ユニット及び前記下ユニットに跨って前記枠体内に着脱自在に膜モジュールを設け、
前記浄水ライン及び前記排水ラインが前記上ユニット側で前記膜モジュールに接続され、
前記原水ラインが前記下ユニット側で前記膜モジュールに接続され、
前記下ユニット側に次亜注入装置を設け、前記浄水ラインを接続した前記上ユニット側の配管ユニットと前記次亜注入装置とを次亜ラインで接続すると共に、前記上ユニット及び前記下ユニットを接合して前記枠体を構成する際には、前記上ユニット及び前記下ユニットの次亜ラインのみを接合したことを特徴とする分解可搬型膜濾過装置。
【請求項2】
前記原水ラインが前記下ユニット側の前記配管ユニットに接続して、該下ユニット側の配管ユニットが前記膜モジュールの下端側の接続部に接続し、
前記上ユニット側の配管ユニットが前記膜モジュールの上端側の接続部に接続した
請求項1に記載の分解可搬型膜濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分解して搬送することができ、組立も簡単に行うことができる分解可搬型膜濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日本全国の水道普及率は、平成23年には97.5%に達し、国民皆水道が略実現している。その一方で、我国の人口は平成22年をピークに減少に転じ、この人口減少に歩を合わせて全国の市町村面積の約半分を占める過疎地域の多くでは、少子高齢化による限界集落化が進んでいる。
【0003】
水道事業は原則として水道料金で事業の運営経費をまかなう必要があるが、このような限界集落化が進んだ小規模集落では、水道利用者数の減少に伴って水道料金収入が激減し、事業効率が悪化している。小規模集落であっても衛生的な飲料水・生活用水の確保は必
要不可欠であるが、このような小規模集落は険しい山間に点在し、浄水施設から遠く離れているため、既存施設の老朽化に伴う更新はおろか、既存施設の維持ですら経済的に困難になりつつある。
【0004】
また、これらの小規模集落における一日当たりの所要水量は10(m/日)以下と極少量であり、従来の給水手法とは異なる新たな給水手法が求められている。
【0005】
新たな給水手法の一つとして、定置型の小規模な水量を対象にした浄水装置が提案されており、このような浄水装置として、特許文献1には、膜モジュールを用いた浄水装置が提案されている。
【0006】
特許文献1の浄水装置は、特許文献1の図面(図14乃至19)に示されているように、幅1400(mm)×奥行1000(mm)×高さ1985(mm)の直方体のフレーム内に、原水を供給する原水供給手段と、供給された原水を浄化する膜モジュールと、消毒用の次亜塩素酸ナトリウム(以下、次亜という。)を収納する薬液タンクと、膜モジュールで浄化した水に薬液タンクから薬液を送液するポンプと、前記各構成部材を連結する管路と、管路に設けた電動バルブと、原水供給手段、ポンプ、電動バルブの作動を制御して装置を運転する制御手段等を収能してユニット化するとともに、フレームの底部にはキャスターを設けている。
【0007】
これにより、この浄水装置は、浄水装置として必要な構成部材をユニット化して一体に搬送することができ、所要の場所に設置すると5~8(m/hr)の給水能力で浄水を供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2014-57926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述のように、限界集落化が進んだ小規模集落は険しい山間に点在しているために道路事情が悪く、特に浄水装置を設置する取水源付近においては、例え軽自動車であっても進入可能な道路は設けられておらず、細い山道を徒歩で接近する必要がある場合が大半である。
【0010】
従って、特許文献1の浄水装置をこのような取水源付近に設置しようした場合、車両が進入できる地点まで浄水装置を小型トラック等で輸送し、以後は、索道などを仮設して搬入するか、或いは、人力で搬送可能な重量に構成部材を分解し、細い山道を人力で搬入する必要がある。
【0011】
索道等を仮設して搬入すると索道等の仮設に伴って設置工期が長くなるだけでなく、設置経費も大幅に上昇することになる。また、人力で搬送可能な重量に構成部材を分解して搬入するとしても、取水源付近の設置現地は一般に狭隘で作業性が悪いため、分解して搬入した構成部材の組立及び配管等の位置調整は、非常に困難な作業となる。
【0012】
さらに、浄水装置の浄水能力が、本来、小規模集落で必要な浄水能力である10(m/日)を大幅に上回ると装置の大型化を招き、搬入時、設置時の困難性をより大きなものにするとともに、流量を絞って運用することにより、装置の運用経費の上昇を招くことになる。
【0013】
本発明は以上の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、所要の浄水能力を満足する程度に小型に構成されるとともに、搬送が可能なユニット毎に分解が可能であり、また、分解したユニットの組立、配管等の位置調整を設置現場で容易に行うことができる分解可搬型膜濾過装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、上ユニット及び下ユニットを接合して枠体を構成し、浄水ライン及び排水ラインを上ユニット側に集約配置し、原水ラインを下ユニット側に配置し、上ユニット及び下ユニットのそれぞれに配管ユニットを設け、上ユニット及び下ユニットに跨って枠体内に着脱自在に膜モジュールを設け、浄水ライン及び排水ラインが上ユニット側で膜モジュールに接続され、原水ラインが下ユニット側で膜モジュールに接続され、下ユニット側に次亜注入装置を設け、浄水ラインを接続した上ユニット側の配管ユニットと次亜注入装置とを次亜ラインで接続すると共に、上ユニット及び下ユニットを接合して枠体を構成する際には、上ユニット及び下ユニットの次亜ラインのみを接合したことを特徴とする分解可搬型膜濾過装置である。
【0016】
請求項に係る発明は、原水ラインが下ユニット側の配管ユニットに接続して、この下ユニット側の配管ユニットが膜モジュールの下端側の接続部に接続し、上ユニット側の配管ユニットが膜モジュールの上端側の接続部に接続した分解可搬型膜濾過装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によると、上ユニット及び下ユニットのそれぞれに配管ユニットを設け、この上ユニット及び下ユニットを接合して枠体を構成し、この枠体に着脱自在に設けた膜モジュールに浄水ラインと排水ラインを上ユニット及び下ユニットの何れか側に集約配置しているので、上ユニット及び下ユニットを接合して枠体を構成する際に、主要なラインについては面倒な接続作業と位置調整を行う必要がなく、膜濾過装置の組立作業が容易となる。
【0018】
請求項に係る発明によると、次亜注入装置を下ユニット側に設け、浄水ラインを接続した配管ユニットと次亜注入装置とを次亜ラインで接続すると共に、上ユニット及び下ユニットを接合して枠体を構成する際には、上ユニット及び下ユニットの次亜ラインのみを接合するので、上ユニット及び下ユニット間のラインの接続箇所を最少化して膜濾過装置を構成することができ、設置現場における装置の組立、配管等の位置調整が極めて容易になる。
【0019】
また、次亜注入装置が、膜モジュールで濾過処理された濾過水に、配管ユニットを通過する間に次亜を注入することにより、安全な浄水を外部に給水することができると共に、逆洗タンクに貯留する逆洗用の濾過水に次亜を注入し、逆洗水に含まれる残留塩素の酸化力により濾過膜表面や濾過膜細孔内に付着した有機物を効果的に分解、除去し、濾過膜の濾過能力を回復することができる。
【0020】
請求項に係る発明によると、下ユニットに原水ラインに接続した配管ユニットを設けたので、この配管ユニットの膜モジュール接合用の接続部を介して縦置きした膜モジュールの下端から原水を膜モジュール内に供給して濾過処理することができる。
【0021】
また、縦置きした膜モジュールの下端から原水を供給する構成なので、膜モジュールに収納された濾過膜の逆洗時に、膜モジュールの下端からエアを供給してエアスクラビング洗浄を行い、効果的に濾過膜表面から懸濁物を剥離洗浄させて、濾過能力を回復させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明における分解可搬型膜濾過装置の一実施形態を説明する模式図である。
図2図1の分解可搬型膜濾過装置の給水工程を説明する模式図である。
図3図1の分解可搬型膜濾過装置の逆洗水貯留工程を説明する模式図である。
図4図1の分解可搬型膜濾過装置の逆洗工程を説明する模式図である。
図5図1の分解可搬型膜濾過装置の上ユニットと下ユニットの基本的な構成例を示す図である。
図6図1の分解可搬型膜濾過装置の上ユニットを下ユニットに載置固定した際の膜モジュール接部の位置関係を示す図である。
図7図1の分解可搬型膜濾過装置の実装例の構成を説明する図面である。
図8図1の分解可搬型膜濾過装置の実装例の正面図である。
図9図1の分解可搬型膜濾過装置の実装例の右側面図である。
図10図1の分解可搬型膜濾過装置の実装例の左側面図である。
図11図1の分解可搬型膜濾過装置の実装例の背面図である。
図12】本発明における分解可搬型膜濾過装置の他の実施形態を説明する模式図である。
図13図12の分解可搬型膜濾過装置の実装例の構成を説明する図面である。
図14図12の分解可搬型膜濾過装置の実装例の正面図である。
図15図12の分解可搬型膜濾過装置の実装例の右側面図である。
図16図12の分解可搬型膜濾過装置の実装例の左側面図である。
図17図12の分解可搬型膜濾過装置の実装例の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明における分解可搬型膜濾過装置及び膜濾過装置の分解搬送・組立方法について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の分解可搬型膜濾過装置の一実施形態の模式図である。図1によると、分解可搬型膜濾過装置11は、大別すると、上ユニット12と、下ユニット13と、膜モジュール14と制御盤15とから構成されている。
【0024】
上ユニット12と下ユニット13は枠体ユニットであり、上ユニット12を下ユニット13の上部に載置固定して枠体16を構成する。本実施例では、枠体16(上ユニット12、下ユニット13)は、強度、剛性、対腐食性等を考慮してステンレス鋼(SUS)のL型材を接合して製作しているが、枠体の素材はこれに限定されるものではなく、例えば、ステンレス製板材に補強用の型材を接合して製作してもよい。
【0025】
また、図1に示すように、上ユニット12の上部と下ユニット13の底部には、それぞれ横配管ユニット18、19が配置され、この横配管ユニット18、19に接続された膜モジュール接合用の接続部20、21が膜モジュール配置用の空間部22を隔てて対向配置されている。
【0026】
横配管ユニット18は、上ユニット12の上部で水平方向に配置された管路であり、接続部20を介して膜モジュール14の図示しない浄水流出口と接続され、膜モジュール14から浄水を取出すとともに、膜モジュール14へ逆洗水を供給する。
【0027】
横配管ユニット19は、下ユニット13の底部で水平方向に配置した管路であり、接続部21を介して膜モジュール14の図示しない原水流入口と接続され、膜モジュール14に原水を供給する。
【0028】
接続部20、21は、膜モジュール14の図示しない浄水流出口と原水流入口を着脱自在に接続できる部位であり、膜モジュール14の交換や、分解可搬型膜濾過装置11の搬送時に膜モジュール14の取外しを行うことができる。
【0029】
上ユニット12内には、前述した横配管ユニット18とこの横配管ユニット18に接続された接合部20の他に、逆洗タンク24、横配管ユニット18に接続した浄水ライン25、逆洗タンク流入ライン26、逆洗ライン27、膜モジュール14に接続した排水ライン28、次亜注入部29を介して横配管ユニット18に次亜を注入する次亜ライン30aが配置されている。すなわち、分解可搬型膜濾過装置11では、横配管ユニット18に接続した浄水ライン25と膜モジュール14に接続した排水ライン28を上ユニット12に集約して配置している。
【0030】
逆洗タンク24は、膜モジュール14内に収納した濾過膜を逆洗洗浄する逆洗水を貯留するためのタンクであり、膜モジュール14が濾過処理した浄水を逆洗水として貯留する。本実施例では、逆洗タンク24として、容量20(L)のポリエチレン製円筒形タンクを使用している。
【0031】
浄水ライン25は、膜モジュール14で濾過処理した浄水を分解可搬型膜濾過装置11の外部に給水するための管路であり、横配管ユニット18と浄水供給口32との間を接続し、管路の途中に浄水の流れを制御する電動バルブ33を設けている。
【0032】
逆洗タンク流入ライン26は、膜モジュール14で濾過処理した浄水を逆洗タンク24に送水するための管路であり、横配管ユニット18と逆洗タンク24との間を接続し、管路の途中に浄水の流れを制御する電動バルブ34を設けている。
【0033】
逆洗ライン27は、逆洗タンク24から膜モジュール14に逆洗水を供給するための管路であり、逆洗タンク24と横配管ユニット18との間を接続し、管路の途中に逆洗ポンプ35と、逆洗タンク24側から横配管ユニット18側へのみ逆洗水の通過を許容する逆止弁36と、逆洗水の流れを制御する電動バルブ37とを設けている。なお、本実施例では、逆洗ポンプ35には、出力0.4(kW)の陸上型ポンプを使用している。
【0034】
排水ライン28は、膜モジュール14内に収納した濾過膜を逆洗洗浄した排水を膜濾過装置の外部に排水するための管路であり、膜モジュール14の排水流出口40と排水取出し口41との間を接続し、管路の途中に排水の流れを制御する電動バルブ42を設けている。
【0035】
次亜ライン30aは、次亜注入部29を介して横配管ユニット18に接続されており、後述する次亜注入装置47から供給される消毒用の次亜を横配管ユニット18内を流れる浄水に供給するための管路である。次亜注入部29手前の次亜ライン30aには、次亜注入部29側への次亜の通過のみを許容する逆止弁44が設けられている。なお、次亜ライン30aは、ユニオン継手43により後述する次亜ライン30bと接合されて次亜ライン30を構成する。
【0036】
下ユニット13内には、横配管ユニット19と横配管ユニット19に接続された接部21の他に、次亜注入装置47、コンプレッサ48、横配管ユニット19に接続した原水ライン49、エア供給ライン50が配置されている。
【0037】
次亜注入装置47は、上ユニット12内の横配管ユニット18内を流れる浄水に次亜注入部29を介して消毒用の次亜を注入する装置であり、次亜注入ポンプ51と次亜タンク52を有している。次亜注入装置47には次亜ライン30bが取付けられており、次亜ライン30bは、ユニオン継手43により上ユニット12内の次亜ライン30aと接合されて次亜ライン30を構成し、次亜注入装置47から次亜を次亜注入部29に供給する。
【0038】
本実施例では、次亜注入ポンプ51としてφ4×20(W)のダイアフラム式定量ポンプを使用し、次亜タンク52として容量5(L)のポリエチレン製角形タンクを使用している。
【0039】
コンプレッサ48は、膜モジュール14に収納された濾過膜を逆洗水で逆洗する際に、同時にエアスクラビング洗浄するエアを膜モジュール14に供給する。本実施例では、コンプレッサ48として、出力0.088(kW)のオイルフリー式レシプロコンプレッサを使用している。
【0040】
原水ライン49は、濾過処理する原水を膜モジュール14に供給する管路であり、原水取入口53と横配管ユニット19との間を接続し、管路の途中には原水に含まれるゴミを除去するストレーナ54と、膜モジュール14への原水の通過のみを許容する逆止弁55を設けている。本実施例では、ストレーナ54として、目開き寸法が200(μm)のディスク型ストレーナを使用している。
【0041】
このように、原水ライン49を下ユニット13に配置し、横配管ユニット19を介して縦置きした膜モジュール14の下端から原水を供給するように構成しているので、膜モジュール14に収納された濾過膜を逆洗洗浄する際に、膜モジュール14の下端からエアを供給してエアスクラビング洗浄を行うことができる。
【0042】
なお、本例では、上述した上ユニット12内の横配管ユニット18、浄水ライン25、逆洗タンク流入ライン26、逆洗ライン27、排水ライン28、また、下ユニット13内の横配管ユニット19、原水ライン49には、内径16AのHIVP管(耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管)を使用している。
【0043】
膜モジュール14は、内部にMF(精密濾過)膜又はUF(限外濾過)膜からなる濾過膜を収納しており、デッドエンド方式により固液分離を行って原水に含まれる一般細菌、病原菌、懸濁物質(SS)などを濾過除去する。本実施例では、分解可搬型膜濾過装置11の目標浄水量が10(m/日)程度であることを考慮し、膜モジュール14として、膜面積が7(m)のPVDF(ポリフッ化ビニリデン)製のUF膜(限外濾過膜)を収納した小型の膜モジュールを使用している。
【0044】
膜モジュール14は、上ユニット12内の横配管ユニット18に接続した接続部20と
下ユニット13内の横配管ユニット19に接続した接続部21に着脱自在に接続され、図示しない浄水流出口を上側に、同様に図示しない原水流入口を下側にした縦置き状態で、上ユニット12と下ユニット13の間を縦通して分解可搬型膜濾過装置11内に配置されている。
【0045】
制御盤15は、分解可搬型膜濾過装置11を自動的に運転するための装置であり、PLC(Programmable Logic Controller)を使用したシーケンス制御により、予め設定した時間間隔毎に膜モジュール14の逆洗洗浄とエアスクラビング洗浄を行い、膜濾過装置の濾過処理能力を回復させている。この膜濾過装置では、デッドエンド濾過方式(全量濾過)により濾過処理を行っているため、膜モジュール14に収納された濾過膜表面に濾過対象物質が堆積するので、定期的に膜モジュール14に収納された濾過膜の逆洗洗浄とエアスクラビング洗浄を行って、堆積した濾過対象物質を除去し、濾過膜の濾過能力を回復させることが不可欠である。
【0046】
このため、制御盤15は、制御シーケンス、及び逆洗タンク24の内部に設置した図示しない水位計からの信号に基づき、逆洗ポンプ35、次亜注入ポンプ51、取水ポンプ57の作動と停止を制御するとともに、これらの制御に伴って電動バルブ33、34、37、42の開閉を制御している。
【0047】
また、この分解可搬型膜濾過装置11では、原水取入口53に取水ライン56を接続し、この取水ライン56の先端に取付けた取水ポンプ57を取水源58に投入して原水を取水している。
【0048】
以上のように、本実施形態における分解可搬型膜濾過装置11では、上ユニット12と下ユニット13との間を縦通するラインは次亜ライン30だけであり、この他の主要なラインは上ユニット12内又は下ユニット13内に集約されている。このため、上ユニット12を下ユニット13に載置固定した際に接続が必要なラインは次亜ライン30のみであり、他の主要なラインについては面倒な接続作業と位置調整を行う必要がない。
【0049】
これに加え、上ユニット12内の次亜ライン30aと下ユニット13内の次亜ライン30bとは、ユニオン継手43により接続されるので、上側ソケット(上ユニット側次亜ライン30aの下端部に設けたユニオン鍔部を有するソケット)と下側ソケット(下ユニット側次亜ライン30bの上端部に設けたユニオンねじ部を有するソケット)とは対向した状態となり、本発明の分離可搬型濾過装置の様に、分離した枠体を用いても配管接続における位置決めが容易となるだけでなく、上側ソケットと下側ソケットの接続と分離は、両者にまたがるユニオンナットを回すだけで簡単に行うことができる。
【0050】
続いて、分解可搬型膜濾過装置11の運転方法と効果を説明する。分解可搬型膜濾過装置11の運転工程には、給水工程、逆洗水貯留工程及び逆洗工程の3工程がある。以下、図面により各工程を説明するが、図中、実線で示す管路は原水や濾過水等が流れていることを示し、破線で示す管路は原水や濾過水等が流れていないことを示す。また、白色で表現された電動バルブは開状態であることを示し、黒色で表現された電動バルブは閉状態であることを示す。
【0051】
図2は、分解可搬型膜濾過装置11の給水工程を示している。給水工程は、取水源58から取水した原水を濾過処理し、清潔で安全な浄水として膜濾過装置外に給水する工程である。取水ポンプ57が取水源58から取水した原水は、加圧されて取水ライン56を介して膜濾過装置内に供給され、原水ライン49に設けたストレーナ54で原水中に含まれるゴミが除去された後、横配管ユニット19を経由して膜モジュール14に供給される。
【0052】
この給水工程においては、浄水ライン25に設けた電動バルブ33を開状態とし、逆洗タンク流入ライン26に設けた電動バルブ34、逆洗ライン27に設けた電動バルブ37及び排水ライン28に設けた電動バルブ42を閉状態とする。また、次亜注入装置47の次亜注入ポンプ51は作動して次亜注入部29に次亜を供給するが、逆洗ポンプ35とコンプレッサ48は停止している。
【0053】
膜モジュール14で濾過処理され、原水に含まれる一般細菌、病原菌、懸濁物質(SS)などが除去された濾過水は、横配管ユニット18を通過する間に次亜注入部29で次亜が注入され、安全な浄水として浄水ライン25を介して膜濾過装置の外部に給水され、図示しない配水池や水槽に貯留される。この給水工程での分解可搬型膜濾過装置11の運転は、配水池や水槽に設けた水位計からの信号に基づいて制御盤15により制御され、配水池や水槽に設けた水位計が満水を検知すると取水ポンプ57の作動が停止され、水面が一定レベルまで低下すると取水ポンプ57の作動が再開される。
【0054】
分離分解可搬型膜濾過装置11では、膜モジュール14においてデッドエンド濾過方式により原水の濾過処理を行っているため、給水工程が一定時間経過する毎に膜モジュール14内に収納された濾過膜を逆洗洗浄する必要があり、この逆洗洗浄の実行は制御盤15により制御される。本実施例では、膜濾過装置の運転30分毎に1回逆洗洗浄とエアスクラビング洗浄を行うように制御されている。従って、所定の時間が経過すると、逆洗洗浄を行う準備として、逆洗タンク24に膜モジュール14で濾過処理した後に次亜注入部29から次亜が注入された浄水を逆洗水として逆洗タンク24に貯留する逆洗水貯留工程に移行する。
【0055】
逆洗水貯留工程では、図3に示すように、逆洗タンク流入ライン26に設けた電動バルブ34を開状態とするとともに、浄水ライン25に設けた電動バルブ33と逆洗ライン27に設けた電動バルブ37及び排水ライン28に設けた電動バルブ42を閉状態とする。また、次亜注入装置47の次亜注入ポンプ51を作動させて次亜注入部29に次亜を供給するが、逆洗ポンプ35とコンプレッサ48は停止している。
【0056】
この結果、膜モジュール14で濾過処理された後に次亜注入部29で次亜が注入された浄水は、逆洗タンク流入ライン26を介して逆洗タンク24に流れ込み、逆洗水として貯留される。この逆洗水の貯留は、逆洗タンク24内に配置した図示しない水位計が満水状態を検知するまで行われる。
【0057】
逆洗タンク24が満水となったことを逆洗タンク24内に設けた水位計が検知すると逆洗水貯留工程は終了し、直ちに、膜モジュール14に収納された濾過膜の2次側から1次側に逆洗水を通水させ、濾過膜表面や膜細孔内に付着した汚染物質を除去する逆洗工程へと移行する。
【0058】
逆洗工程では、図4に示すように、取水ポンプ57と次亜注入装置47の次亜注入ポンプ51の作動を停止するとともに、逆洗ライン27に設けた電動バルブ37、排水ライン28に設けた電動バルブ42を開状態とし、逆洗タンク流入ライン26に設けた電動バルブ34、浄水ライン25に設けた電動バルブ33を閉状態とする。
【0059】
その後、逆洗ポンプ35を作動させ、電動バルブ37を開状態としたことにより逆洗タンク24から流下する逆洗水を加圧し、逆洗ライン27と横配管ユニット18を介して膜モジュール14の2次側から供給して収納された濾過膜の逆洗洗浄を行う。同時にコンプレッサ48を作動させ、エア供給ライン50を介してエアを膜モジュール14の1次側から供給し、収納された濾過膜のエアスクラビング洗浄を行う。このように、逆洗水による濾過膜の逆洗洗浄とエアスクラビング洗浄を行うため、フィルタ表面やフィルタ細孔内に
付着した汚染物質を効果的に除去することができる。
【0060】
前述したように、逆洗水貯留工程において逆洗タンク24に貯留する濾過水に次亜を注入しているため、逆洗工程で使用する逆洗水には所定濃度の次亜が含まれており、単に清浄水を用いて逆洗洗浄した場合とは異なり、逆洗水に含まれる残留塩素の酸化力により濾過膜表面や濾過膜細孔内に付着したフミン質や微生物由来のタンパク質等の有機物を効果的に分解、除去し、濾過膜の濾過能力を回復させることができる。また、逆洗タンク24に次亜を含んだ逆洗水を貯留することにより、逆洗タンク24内のカビ、藻類の発生を効果的に抑制することができる。
【0061】
膜モジュール14内を逆洗洗浄した後の排水とエアスクラビング洗浄したエアは、排水ライン28を介して膜濾過装置の外部に排水される。この逆洗工程は、逆洗タンク24内に設けた水位計が、逆洗タンク24内に貯留した逆洗水の水面がタンクの底部に達したことを検知するまで続けられる。
【0062】
なお、逆洗工程を終了する時点は、上記のように、逆洗タンク24内に設けた水位計が逆洗タンク24内に貯留した逆洗水の水面が底部に達したことを検知した時点としても良いし、逆洗洗浄が所定時間経過した時点としても良い。
【0063】
逆洗工程が終了した後は、直ちに給水工程に移行しても良いが、図示しない圧力計で計測した膜モジュール14の1次側と2次側の間の差圧が逆洗工程を行っても基準値を超えている場合には、差圧が基準値内に収まるまでの間、逆洗水貯留工程と逆洗工程を複数回繰り返しても良い。
【0064】
分解可搬型膜濾過装置11の運転においては、逆洗工程の直前に逆洗水貯留工程を設け、逆洗タンク24への貯留完了後、直ちに逆洗工程に移行することにより、逆洗タンク24内に逆洗水が貯留する時間を最短化し、逆洗タンク24の側面や底面への結露の発生を抑制している。
【0065】
以上の各工程を制御盤15の制御によって繰り返すことにより、分解可搬型膜濾過装置11は、自動的に浄水を供給し続けることができる。
【0066】
分解可搬型膜濾過装置11の上ユニット12と下ユニット13の基本的な構成例を図5に示す。図5に示すように、上ユニット12の上部には横配管ユニット18が配置され、この横配管ユニット18には、膜モジュール接合用の接続部20が下向きに接続されている。また、下ユニット13の底部には横配管ユニット19が配置され、この横配管ユニット19には、膜モジュール接合用の接続部21が上向きに接続されている。そして、膜モジュール接合用の接続部20、21は、膜モジュール配置用の空間部22を隔て対抗するように、それぞれ上ユニット12内と下ユニット13内に配置されている。
【0067】
このため、上ユニット12を下ユニット13に載置すると、図6に示すように、膜モジュール接合用の接続部20、21の位置関係は、膜モジュール14を縦置き状態で取付け可能な関係となり、上ユニット12を下ユニット13に載置する作業以外には何らの調整作業等を必要としないので、設置現地における膜濾過装置の据え付け作業の負担を大幅に軽減することができる。
【0068】
次いで、以上のように構成した分解可搬型膜濾過装置11の実装例を説明する。図7に示すように、分解可搬型膜濾過装置11は、上ユニット12と、下ユニット13と、膜モジュール14と、制御盤15とから構成され、設置現場でこれらを組み立てて使用する。図8には組立てた状態の分解可搬型膜濾過装置11の正面図を、図9には右側面図を、図10には左側面図を、図11には背面図を示すが、これらの図からも分かるように、上ユニット12を下ユニット13に載置固定し、膜モジュール14を枠体16内に縦置き配置しているので、分解可搬型膜濾過装置11の設置スペースは下ユニット13の底面が占めるスペースとなり、設置スペースを最小化して膜濾過装置を構成することができる。なお、上ユニット12を下ユニット13に載置固定する際の固定手段は、上ユニット12と下ユニット13とをボルト止めする等の任意の固定手段を用いることができる。
【0069】
分解可搬型膜濾過装置11を分解して搬送する場合には、少なくとも図7に示す構成単位に分解するが、必要により上ユニット12内及び下ユニット13内に配置された構成部品、例えば、逆洗タンク24、逆洗ポンプ35、次亜注入装置47、コンプレッサ48等を取り外してもよい。上ユニット12と下ユニット13の分解は、上ユニット12と下ユニット13との固定手段を取り外すとともに、ユニオン継手43を緩めて次亜ライン30aと次亜ライン30bとを切り離せば、簡単に行うことができる。
【0070】
次いて、本発明の他の実施形態である分解可搬型膜濾過装置61について説明する。なお、説明にあたっては、前述した分解可搬型膜濾過装置11と共通する部分には同一の符号を付して説明は省略し、構成等が異なる部分についてのみを説明する。
【0071】
図12に示すように、分解可搬型膜濾過装置61は、前述の分解可搬型膜濾過装置11と同様に、上ユニット62と、下ユニット63と、膜モジュール14と制御盤15とから成る。
【0072】
上ユニット62と下ユニット63は枠体ユニットであり、上ユニット62を下ユニット63の上部に載置固定して枠体64を構成する。本実施例でも、枠体64(上ユニット62、下ユニット63)は、ステンレス鋼(SUS)のL型材を接合して製作しているが、枠体の素材はこれに限定されるものではない。
【0073】
分解可搬型膜濾過装置61と前述した分解可搬型膜濾過装置11との差異は、分解可搬型膜濾過装置11では、浄水ライン25と排水ライン28を上ユニット13内に集約配置していたのに対し、分解可搬型膜濾過装置61では、浄水ライン25と排水ライン28を下ユニット63内に集約配置した点にある。
【0074】
このため、上ユニット62には、横配管ユニット18と横配管ユニット18に接続された接部20の他、逆洗タンク24、横配管ユニット18に接続された浄水ライン25a、逆洗タンク流入ライン26、逆洗ライン27aと逆洗ライン27c、膜モジュール14に接続された排水ライン28a、次亜注入部29を介して横配管ユニット18に次亜を注入する次亜ライン30aが配置されている。これらに加え、上ユニット62には、コンプレッサ48とエア供給ライン50aが配置されている。
【0075】
また、下ユニット63には、逆洗ポンプ35と逆止弁36と電動バルブ37を設けた逆洗ライン27b、浄水ライン25b、排水ライン28b、逆止弁57を設けたエア供給ライン50bが配置されている。これらに加え、原水ライン49には、分解可搬型膜濾過装置11では膜濾過装置外に配置していた取水ポンプ65を設けている。
【0076】
図12に示すように、分解可搬型膜濾過装置61の浄水ライン25、逆洗ライン27、排水ライン28、次亜ライン30、エア供給ライン50は、上ユニット62と下ユニット63との間で分離されている。従って、分解可搬型膜濾過装置61の組立てに当たっては、上ユニット62を下ユニット63に載置固定した後、これらの分離されているラインを接続する必要がある。
【0077】
すなわち、浄水ライン25aと浄水ライン25bをユニオン継手67で接合して浄水ライン25を、逆洗ライン27aと逆洗ライン27bをユニオン継手68で、また、逆洗ライン27bと逆洗ライン27cをユニオン継手69で接合して逆洗ライン27を、排水ライン28aと排水ライン28bをユニオン継手70で接合して排水ライン28を、次亜ライン30aと次亜ライン30bをユニオン継手43で接合して次亜ライン30を、エア供給ライン50aとエア供給ライン50bをユニオン継手71で接合してエア供給ライン50を構成する。
【0078】
このように、ラインの接続にユニオン継手を使用しているため、前述したように、上側ソケットと下側ソケットとは対向した状態となって各配管接続における位置決めが容易となるだけでなく、上側ソケットと下側ソケットの接続と分離は、両者にまたがるユニオンナットを回すだけで簡単に行うことができる。なお、ラインの接続手段はユニオン継手に限られるものではなく、その他の任意の手段によることもできる。
【0079】
また、図12から明らかなように、分解可搬型膜濾過装置61の全体的な構成は分解可搬型膜濾過装置11の全体的な構成と同じであるため、分解可搬型膜濾過装置61の運転方法と効果の説明は省略する。
【0080】
次いで、以上のように構成した分解可搬型膜濾過装置61の実装例を説明する。図13に示すように、分解可搬型膜ろ過装置61は、上ユニット62と、下ユニット63と、膜モジュール14と、制御盤15とから構成され、設置現場でこれらを組み立てて使用する。図14には組立てた状態の分解可搬型膜濾過装置61の正面図を、図15には右側面図を、図16には左側面図を、図17には背面図を示すが、分解可搬型膜濾過装置11と同様に、上ユニット62を下ユニット63に載置固定し、膜モジュール14を枠体64内に縦置き配置しているので、分解可搬型水処理装置61の設置スペースは下ユニット63の底面が占めるスペースとなり、設置スペースを最小化して膜濾過装置を構成することができる。
【0081】
上ユニット62を下ユニット63に載置固定して分解可搬型膜濾過装置61を組み立てる際には、上ユニット62に配置された各ラインと下ユニット63に配置された各ラインをユニオン継手で接合するだけであり、各ラインの位置調整を行うことなく装置内部の配管系を簡単に構成することができる。
【0082】
また、分解可搬型膜濾過装置61を分解して搬送する場合には、少なくとも図13に示す構成単位に分解するが、必要により上ユニット62内及び下ユニット63内に配置された構成部品、例えば、逆洗タンク24、逆洗ポンプ35、次亜注入装置47、コンプレッサ48等を取り外してもよい。上ユニット62と下ユニット63の分解は、上ユニット62と下ユニット63との固定手段を取り外すとともに、ユニオン継手43、67、68、69、70、71を緩めて上ユニット62内に配置されたラインと下ユニット63内に配置されたラインとを切り離すことにより、上ユニット62と下ユニット63を簡単に分解することができる。
【0083】
分解可搬型膜濾過装置61では、原水ポンプ65を含めて膜濾過装置の運転に必要な構成部品が全て枠体内に配置されているので、装置の管理が容易であるとともに、装置を設置する際には取水源内に取水ポンプを水没させる必要がなく、取水ラインの先端が取水源に投入できれば良いため、取水源の選択幅が大きい。
【0084】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る分解可搬型膜濾過装置によれば、所要の浄水能力を有する膜濾過装置を小型に構成することができるとともに、搬送時には搬送が可能なユニット毎に分解が可能であり、また、設置現場での搬送したユニットの組立、配管等の位置調整を容易に行うことができるので、過疎化等により人口が減少した小規模集落の水道施設用の浄水装置としての利用価値は極めて大きいものがある。
【符号の説明】
【0085】
11、61 分解可搬型膜濾過装置
12、62 上ユニット
13、63 下ユニット
14 膜モジュール
15 制御盤
16、64 枠体
18 横配管ユニット(上ユニット側)
19 横配管ユニット(下ユニット側)
20、21 膜モジュール接合用の接続部
22 膜モジュール配置用の空間部
24 逆洗タンク
25 浄水ライン
26 逆洗タンク流入ライン
27 逆洗ライン
28 排水ライン
30 次亜ライン
47 次亜注入装置
49 原水ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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