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特許7357110基板処理制御方法、基板処理装置、基板処理方法、及びコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】基板処理制御方法、基板処理装置、基板処理方法、及びコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20230928BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230928BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20230928BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20230928BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
B05D3/00 B
B41J2/01 203
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022079926
(22)【出願日】2022-05-16
(65)【公開番号】P2022177813
(43)【公開日】2022-12-01
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0063981
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム,サン ホン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ヨン ソク
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-209672(JP,A)
【文献】特開2008-221672(JP,A)
【文献】特開2004-314361(JP,A)
【文献】特開2003-053957(JP,A)
【文献】米国特許第04524364(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00-21/00
B05D 1/00- 7/26
B41J 2/01- 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理制御方法において、
ヘッドユニットと相対位置が変化する基板に前記ヘッドユニットのノズルから液滴を吐出することで基板を処理するために設定される処理条件で、収集された参照データに基づいて、前記ノズルから吐出される前記液滴の落下位置変化量が一定になる収束吐出回次を予測する段階と、
前記収束吐出回次以前の吐出回次を、事前設定された吐出回次として決定する段階と、
前記ノズルが吐出する前記液滴の吐出回次の中で前記事前設定された吐出回次まで前記ノズルの吐出タイミングに補正値を適用して補正する段階と、を含み、
前記参照データは、
一定の速度で移動する基板に前記ヘッドユニットが前記液滴を同一時間間隔に少なくとも複数回吐出して前記液滴の前記落下位置変化量を前記液滴の吐出回次毎に収集した情報を含み、
前記補正値は、
前記事前設定された吐出回次に対して前記吐出タイミングが遅くなるようにする補正値である基板処理制御方法。
【請求項2】
基板処理制御方法において、
ヘッドユニットと相対位置が変化する基板に前記ヘッドユニットのノズルから液滴を吐出することで基板を処理するために設定される処理条件で、収集された参照データに基づいて、前記ノズルから吐出される前記液滴の落下位置変化量が一定になる収束吐出回次を予測する段階と、
前記収束吐出回次以前の吐出回次を、事前設定された吐出回次として決定する段階と、
前記ノズルが吐出する前記液滴の吐出回次の中で前記事前設定された吐出回次まで前記ノズルの吐出タイミングに補正値を適用して補正する段階と、を含み、
前記参照データは、
基板の移送速度、液滴の落下距離、液滴の落下速度、液滴の量、そして液滴の重さの中で少なくとも1つ以上の実験条件にしたがう前記落下位置変化量に関する情報を含み、
前記補正値は、
前記事前設定された吐出回次に対して前記吐出タイミングが遅くなるようにする補正値である基板処理制御方法。
【請求項3】
前記処理条件に設定された前記基板の移送速度が大きいほど、前記収束吐出回次が小さくなることと予測する請求項に記載の基板処理制御方法。
【請求項4】
前記処理条件に設定された前記液滴の落下距離が大きいほど、前記収束吐出回次が大きくなることと予測する請求項1または2に記載の基板処理制御方法。
【請求項5】
前記事前設定された吐出回次が複数回存在する場合、前記収束吐出回次で遠い吐出回次であるほど、前記補正値を大きく適用する請求項に記載の基板処理制御方法。
【請求項6】
前記処理条件に設定された前記液滴の落下速度が大きいほど、前記補正値を小さく適用する請求項に記載の基板処理制御方法。
【請求項7】
前記処理条件に設定された前記液滴の重さが大きいほど、前記補正値を小さく適用する請求項に記載の基板処理制御方法。
【請求項8】
前記処理条件に設定された前記液滴の量が多くほど、前記補正値を小さく適用する請求項に記載の基板処理制御方法。
【請求項9】
前記処理条件に設定された前記基板の移送速度が大きいほど、前記補正値を大きく適用する請求項に記載の基板処理制御方法。
【請求項10】
前記処理条件に設定された前記液滴の落下距離が大きいほど、前記補正値を大きく適用する請求項に記載の基板処理制御方法。
【請求項11】
基板を処理する装置において、
基板を移動させる移送ユニットと、
前記移送ユニットが一定の速度移動させる前記基板にインクを液滴に吐出するヘッドユニットと、
前記移送ユニット、そして前記ヘッドユニットを制御する制御器と、を含み、
前記ヘッドユニットは、
少なくとも1つ以上のノズルが形成されたヘッドと、
前記ヘッド内に具備され、前記液滴の吐出動作を具現する吐出部材と、を含み、
前記制御器は、
得された参照データを記憶するデータ格納部と、
前記基板を処理するための処理条件を受信する条件受信部と、
前記参照データ及び前記処理条件に基づいて、前記ノズルが吐出する前記液滴の落下位置変化量が一定になる収束吐出回次を予測する予測部と、
前記予測部が予測した前記収束吐出回次以前に遂行される初期吐出回次に対する液滴吐出タイミングの補正値を算出する補正部と、を含み、
前記参照データは、
一定の速度で移動する基板に前記ヘッドユニットが前記液滴を同一時間間隔に少なくとも複数回吐出して前記液滴の前記落下位置変化量を前記液滴の吐出回次毎に収集した情報を含み、
前記補正値は、
前記事前設定された吐出回次に対して前記吐出タイミングが遅くなるようにする補正値である、基板処理装置。
【請求項12】
前記予測部は、
前記処理条件に設定された前記基板の前記一定の速度が大きいほど、そして前記液滴の落下距離が小さいほど、前記収束吐出回次が小さくなることと予測する請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記補正部は、
前記初期吐出回次で吐出される前記液滴吐出タイミングが遅くなるようにする前記補正値を算出する請求項11又は請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記補正部は、
前記初期吐出回次が複数回存在する場合、前記収束吐出回次に遠い前記初期吐出回次であるほど、前記液滴吐出タイミングがさらに遅くなるようにする前記補正値を算出する請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記補正部は、
前記処理条件に設定された前記吐出部材の圧力が大きいほど、前記液滴の重さが大きいほど、前記液滴の量が多くほど、前記液滴吐出タイミングの前記補正値を小さく算出し、
前記処理条件に設定された前記基板の前記一定の速度が大きいほど、前記液滴の落下距離が大きいほど、前記補正値を大きく算出する請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項16】
1つ以上のプロセッサによって実行可能、前記1つ以上のプロセッサに以下の動作を遂行するようにする命令を含む、コンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラムであって、
前記動作は、
既に取得された参照データを受信する動作と、
基板を処理するための処理条件を受信する動作と、
前記参照データ及び前記処理条件に基づいて、一定の速度移動する前記基板にヘッドユニットがインク液滴を複数回吐出する場合、インク液滴の落下位置変化量が一定になる収束吐出回次を予測する動作と、
前記収束吐出回次より前に遂行される初期吐出回次に対する前記ヘッドユニットの液滴吐出タイミングの補正値を算出する動作と、
前記補正値に基づいて前記ヘッドユニットを制御する動作と、を含み、
前記参照データは、
基板の移送速度、インク液滴の落下距離、インク液滴の落下速度、インク液滴の量、そしてインク液滴の重さの中で少なくとも1つ以上の設定条件にしたがう前記落下位置変化量に関する情報を含み、
前記収束吐出回次を予測する動作は、
前記処理条件に設定された、基板の移送速度が大きいほど、基板と前記ヘッドユニットとの間の距離が小さいほど、前記収束吐出回次が小さくなることと予測し、
前記補正値を算出する動作は、
前記初期吐出回次で吐出される前記液滴吐出タイミングが遅くなるようにする前記補正値を算出し、
前記処理条件に設定された、インク液滴の落下速度が大きいほど、インク液滴の量が大きいほど、インク液滴の重さが大きいほど、基板の移送速度が遅いほど、基板と前記ヘッドユニットとの間の距離が小さいほど、前記補正値を小さく算出するコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記ヘッドユニットが吐出するインク液滴のボリュームが0plより大きく、6.7pl以下である場合、前記動作を遂行する請求項16に記載のコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理制御方法、基板処理装置、基板処理方法、及び基板処理のためのコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、高解像度を有する液晶ディスプレー素子、有機ELディスプレー素子等のようなディスプレー素子の製造が要求されている。高解像度を有するディスプレー素子を製造するためにはガラス等の基板上に単位面積当たりさらに多いピクセルを形成しなければならなく、このように密かに配置されるピクセルの各々にインク液滴を正確な位置に、そして正確な量を吐出することが重要である。インクジェットヘッドが吐出するインク液滴の弾着位置が望む位置と一致するようにする弾着位置補正が必須である。
【0003】
一般的にインク液滴の弾着位置を補正するためにマークが表示された基板上にインク液滴を吐出し、マークとインク液滴との間のズレ量を検出する。そして、検出されたズレ量を利用して液滴吐出ヘッドの相対位置を補正するか、又は液滴吐出タイミングを補正する。このような補正方法は一般的に基板処理装置の機械的精度、液滴の温度変化のような要因によるズレ量を補正するのに焦点が当てられている。
【0004】
一方、インク液滴の吐出は、一方向に、そして一定の速度に移動される基板上にインクジェットヘッドがインク液滴を複数回反復吐出して行われる。一速度に移動する基板がインクジェットヘッドの下領域に進入するようになれば、基板とインクジェットヘッドとの間には横気流が発生する。このような横気流は基板上に吐出された液滴の弾着位置に影響を与える。また、高解像度を有するディスプレー素子を製造するためには小さいサイズの液滴を基板上に吐出することが要求される。しかし、液滴のサイズが小さくなるほど、先に説明した横気流に影響をさらに大きく受けて弾着位置の変動率は大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国特許公開第10-2018-0102500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は基板を効率的に処理することができる基板処理制御方法、基板処理装置、基板処理方法、及びコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラムを提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的はインク液滴を望む位置に適切に吐出することができる基板処理制御方法、基板処理方法、基板処理装置、及びコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラムを提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は基板上に吐出されたインク液滴の間の間隔の均一性を改善することができる基板処理制御方法、基板処理装置、基板処理方法、及びコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラムを提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は基板とヘッドとの間で発生する横気流によるインク液滴の落下位置変動で、基板上に吐出されたインク液滴の間の間隔の均一性が悪化されることを最小化することができる基板処理制御方法、基板処理装置、基板処理方法、及びコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラムを提供することにある。
【0010】
本発明の目的はここに制限されなく、言及されないその他の目的は下の記載から通常の技術者が明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は基板処理制御方法を提供する。基板処理制御方法は、基板処理制御方法において、ヘッドユニットと相対位置が変化する基板に前記ヘッドユニットのノズルが液滴を吐出し、前記ノズルが吐出する前記液滴の吐出回次の中で事前設定された吐出回次まで前記ノズルの吐出タイミングに補正値を適用することができる。
【0012】
一実施形態によれば、前記方法は、前記基板を処理するために設定される処理条件で、予め収集された参照データに基づいて前記ノズルから吐出される前記液滴の落下位置変化量が一定になる収束吐出回次を予測する段階、及び前記収束吐出回次以前の吐出回次を、前記事前設定された吐出回次で決定する段階を含むことができる。
【0013】
一実施形態によれば、前記参照データは、一速度に移動する基板に前記ヘッドユニットが前記液滴を同一時間間隔に少なくとも複数回吐出して前記液滴の前記落下位置変化量を前記液滴の吐出回次毎に収集した情報を含むことができる。
【0014】
一実施形態によれば、前記参照データは、基板の移送速度、液滴の落下距離、液滴の落下速度、液滴の量、そして液滴の重さの中で少なくとも1つ以上の実験条件にしたがう前記落下位置変化量に関する情報を含むことができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記処理条件に設定された前記基板の移送速度が大きいほど、前記収束吐出回次が小さくなることと予測することができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記処理条件に設定された前記液滴の落下距離が大きいほど、前記収束吐出回次が大きくなることと予測することができる。
【0017】
一実施形態によれば、前記補正値は、前記事前設定された吐出回次に対して前記吐出タイミングが遅くなるようにする補正値であり得る。
【0018】
一実施形態によれば、前記事前設定された吐出回次が複数回存在する場合、前記収束吐出回次から遠い吐出回次であるほど、前記補正値を大きく適用することができる。
【0019】
一実施形態によれば、前記処理条件に設定された前記液滴の落下速度が大きいほど、前記補正値を小さく適用することができる。
【0020】
一実施形態によれば、前記処理条件に設定された前記液滴の重さが大きいほど、前記補正値を小さく適用することができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記処理条件に設定された前記液滴の量が多くほど、前記補正値を小さく適用することができる。
【0022】
一実施形態によれば、前記処理条件に設定された前記基板の移送速度が大きいほど、前記補正値を大きく適用することができる。
【0023】
一実施形態によれば、前記処理条件に設定された前記液滴の落下距離が大きいほど、前記補正値を大きく適用することができる。
【0024】
また、本発明は基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、基板を移動させる移送ユニットと、前記移送ユニットが一速度に移動させる前記基板にインクを液滴で吐出するヘッドユニットと、前記移送ユニット、そして前記ヘッドユニットを制御する制御器と、を含み、前記ヘッドユニットは、少なくとも1つ以上のノズルが形成されたヘッドと、及び前記ヘッド内に具備され、前記液滴の吐出動作を具現する吐出部材と、を含み、前記制御器は、既に取得された参照データを記憶するデータ格納部と、前記基板を処理するための処理条件を受信する条件受信部と、前記参照データ及び前記処理条件に基づいて、前記ノズルが吐出する前記液滴の落下位置変化量が一定になる収束吐出回次を予測する予測部と、前記予測部が予測した前記収束吐出回次以前に遂行される初期吐出回次に対する液滴吐出タイミングの補正値を算出する補正部と、を含むことができる。
【0025】
一実施形態によれば、前記予測部は、前記処理条件に設定された前記基板の前記一速度が大きいほど、そして前記液滴の落下距離が小さいほど、前記収束吐出回次が小さくなることと予測することができる。
【0026】
一実施形態によれば、前記補正部は、前記初期吐出回次で吐出される前記液滴吐出タイミングが遅くなるようにする前記補正値を算出することができる。
【0027】
一実施形態によれば、前記補正部は、前記初期吐出回次が複数回存在する場合、前記収束吐出回次に遠い前記初期吐出回次であるほど、前記液滴吐出タイミングがさらに遅くなるようにする前記補正値を算出することができる。
【0028】
一実施形態によれば、前記補正部は、前記処理条件に設定された前記吐出部材の圧力が大きいほど、前記液滴の重さが大きいほど、前記液滴の量が多くほど、前記液滴吐出タイミングの前記補正値を小さく算出することができる。
【0029】
一実施形態によれば、前記補正部は、前記処理条件に設定された前記基板の前記一速度が大きいほど、前記液滴の落下距離が大きいほど、前記補正値を大きく算出することができる。
【0030】
また、本発明は基板を処理する方法を提供する。基板処理方法は、一速度に移動する前記基板にヘッドユニットが液滴を複数回吐出し、前記液滴の吐出回次の中で第1吐出回次での前記ヘッドユニットの前記液滴の吐出タイミングは、前記第1吐出回次より遅い第2吐出回次での前記ヘッドユニットの前記液滴の吐出タイミングと互いに異なることができる。
【0031】
一実施形態によれば、前記第1吐出回次での前記ヘッドユニットの前記液滴の吐出タイミングは、前記第2吐出回次での前記ヘッドユニットの前記液滴の吐出タイミングより遅いことができる。
【0032】
また、本発明は、1つ以上のプロセッサによって実行可能し、前記1つ以上のプロセッサによって以下の動作を遂行するようにする命令を含む、コンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラムを提供する。前記動作は、既に取得された参照データを受信する動作と、基板を処理するための処理条件を受信する動作と、前記参照データ及び前記処理条件に基づいて、一速度に移動する前記基板にヘッドユニットがインク液滴を複数回吐出する場合、インク液滴の落下位置変化量が一定になる収束吐出回次を予測する動作と、前記収束吐出回次より前に遂行される初期吐出回次に対する前記ヘッドユニットの液滴吐出タイミングの補正値を算出する動作と、前記補正値に基づいて前記ヘッドユニットを制御する動作と、を含む、前記参照データは、基板の移送速度、インク液滴の落下距離、インク液滴の落下速度、インク液滴の量、そしてインク液滴の重さの中で少なくとも1つ以上の設定条件にしたがう前記落下位置変化量に関する情報を含み、前記収束吐出回次を予測する動作は、前記処理条件に設定された、基板の移送速度が大きいほど、基板と前記ヘッドとの間の距離が小さいほど、前記収束吐出回次が小さくなることと予測し、前記補正値を算出する動作は、前記初期吐出回次で吐出される前記液滴吐出タイミングが遅くなるようにする前記補正値を算出し、前記処理条件に設定された、インク液滴の落下速度が大きいほど、インク液滴の量が大きいほど、インク液滴の重さが大きいほど、基板の移送速度が遅いほど、基板と前記ヘッドとの間の距離が小さいほど、前記補正値を小さく算出する、コンピュータ読出し媒体に格納されることができる。
【0033】
一実施形態によれば、前記ヘッドユニットが吐出するインク液滴のボリュームが6.7pl以下である場合、前記動作を遂行することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施形態によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0035】
また、本発明の一実施形態によれば、インク液滴を望む位置に適切に吐出することができる。
【0036】
また、本発明の一実施形態によれば、基板上に吐出されたインク液滴の間の間隔の均一性を改善することができる。
【0037】
また、本発明の一実施形態によれば、基板とヘッドとの間で発生する横気流によるインク液滴の落下位置変動で、基板上に吐出されたインク液滴の間に間隔の均一性が悪化されることを最小化することができる。
【0038】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることではなく、言及されない効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を示す図面である。
図2図1のヘッドが有するノズルプレートの形状を示す図面である。
図3図1のヘッドユニットが有するヘッド、インク貯蔵部材、吐出部材、そしてヘッドを概略的に示す図面である。
図4図1の制御器の機能構成を説明するための図面である。
図5図1の基板処理装置が基板に液滴を吐出する方法を説明するための図面である。
図6図1の基板処理装置が基板に液滴を吐出する方法を説明するための図面である。
図7図1の基板処理装置が基板に液滴を吐出する方法を説明するための図面である。
図8】本発明の一実施形態による基板処理制御方法を示す図面である。
図9】ヘッド、そして基板の間に横気流が発生する形状を示す図面である。
図10】ヘッド、そして基板の間に横気流が発生する形状を示す図面である。
図11図8の参照データを獲得する段階で、ヘッドユニットの吐出部材に印加される液滴吐出信号を示すグラフである。
図12図8の参照データを獲得する段階で、上部から見た液滴の吐出時点のノズル位置、そして基板上に吐出された液滴の弾着位置の間の間隔を測定した形状を示す図面である。
図13図8の参照データを獲得する段階で、基板の上の液滴吐出が同一時間間隔に複数回成された場合、上部から見た液滴の吐出時点のノズル位置、そして基板上に吐出された液滴の弾着位置の間の間隔を測定した形状を示す図面である。
図14】初期吐出回次で液滴吐出タイミングを補正した形状を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面の全体に亘って同一な符号を使用する。
【0041】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0042】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0043】
第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的として使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま、第1構成要素は第2構成要素と称されることができ、類似に第2構成要素も第1構成要素と称されることができる。
【0044】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されて”あるか、或いは“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されるべきである。反面に、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されて”いるか、或いは“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、即ち“~間に”と“すぐ~間に”又は“~に隣接する”と“~に直接隣接する“等も同様に解析されなければならない。
【0045】
異なるように定義されない限り、技術的であるか、或いは科学的な用語を含んで、ここで使用されるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されることと同一な意味である。一般的に使用される事前に定義されていることと同一の用語は関連技術の文脈の上に有する意味と一致する意味であることと解析されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的であるか、或いは過度に形式的な意味として解釈されない。
【0046】
以下では、図1乃至図14を参照して本発明の実施形態に対して説明する。
【0047】
図1は本発明の一実施形態による基板処理装置を示す図面である。図1を参照すれば、本発明の一実施形態による基板処理装置100は基板S上にインクのような処理液を供給して基板を処理するインクジェット装置であり得る。基板Sは被処理物である第1基板S1、そして第1基板S1上に吐出されるインク液滴の位置、タイミング等を補正するために利用されるダミー基板である第2基板S2を含むことができる。また、基板Sはガラス(Glass)であり得る。基板処理装置100は基板S上にインク液滴を吐出して基板Sに対するプリンティング工程を遂行することができる。
【0048】
基板処理装置100はプリンティング部10、メンテナンス部20、ジェントリー30、ヘッドユニット40、ノズルアラインメント部50、第4ビジョン部60、移送ユニット70、そして制御器80を含むことができる。
【0049】
プリンティング部10は上部から見る時、その長さ方向が第1方向Xであり得る。以下では、上部から見る時、第1方向Xと垂直になる方向を第2方向Yとし、第1の方向X及び第2方向Yに垂直になる方向を第3方向Zとする。第3方向Zは地面に垂直になる方向であり得る。また、第1方向Xは後述する第1基板S1が移送ユニット70によって移送される方向であり得る。プリンティング部10では後述するヘッドユニット40が第1基板S1にインクを吐出することによって第1基板S1に対するプリンティング工程が行われることができる。
【0050】
また、プリンティング部10で移送される第1基板S1は浮上された状態を維持することができる。したがって、プリンティング部10では第1基板S1を移送する時、第1基板S1を浮上させることができる浮上ステージが具備されることができる。浮上ステージは第1基板S1の下面にエア(Air)を供給して第1基板S1が浮上されるようにすることができる。
【0051】
移送ユニット70はプリンティング部10では第1基板S1の一側又は両側を把持して、第1基板S1を第1方向Xに沿って移動させることができる。移送ユニット70は真空吸引方式に第1基板S1の縁領域の下面を把持することができる。移送ユニット70はプリンティング部10の長さ方向に沿って具備されるガイドレールに沿って移動することができる。即ち、移送ユニット70は浮上ステージの一側又は両側に沿って具備されるガイドレール及び第1基板S1の一側面又は両側面を把持した状態でガイドレールに沿って滑るグリッパー等を含むことができる。
【0052】
また、メンテナンス部20にもプリンティング部10に提供される移送ユニット70と同一又は類似な構造及び/又は機能を有する移送ユニットが提供されて、メンテナンス部20で第2基板S2を第1方向Xに沿って移動させることができる。
【0053】
メンテナンス部20では主に、後述するヘッドユニット40に対するメンテナンスが行われることができる。例えば、メンテナンス部20ではヘッドユニット40の状態を確認するか、又はヘッドユニット40に対する洗浄が遂行されることができる。メンテナンス部20は上部から見る時、その長さ方向が第1方向Xであり得る。また、メンテナンス部20はプリンティング部10と並べて配置されることができる。例えば、メンテナンス部20とプリンティング部10は第2方向Yに沿って並べて配列されることができる。
【0054】
また、メンテナンス部20の場合にも後述するヘッドユニット40が吐出するインク液滴の弾着位置補正、インク液滴のボリューム調節、インク吐出量制御等のためのインク液滴吐出が行われるので、メンテナンス部20はプリンティング部10と同一又は類似な工程環境を有することができる。
【0055】
ジェントリー30は後述するヘッドユニット40又は後述する第4ビジョン部60が直線往復移動をできるように具備されることができることである。ジェントリー30は第1ジェントリー31、第2ジェントリー32、そして第3ジェントリー33を含むことができる。第1ジェントリー31と第2ジェントリー32はプリンティング部10及びメンテナンス部20に沿って延長される構造を有するように具備されることができる。また、第1ジェントリー31と第2ジェントリー32は第1方向Xに沿って互いに離隔されて配置されることができる。即ち、第1ジェントリー31と第2ジェントリー32は後述するヘッドユニット40が第2方向Yに沿って移動できるようにプリンティング部10及びメンテナンス部20が配置される第2方向Yに沿って延長される構造を有するように具備されることができる。
【0056】
また、第3ジェントリー33はプリンティング部10を第2方向Yに沿って延長される構造を有するように具備されることができる。即ち、第3ジェントリー33は第4ビジョン部60が第2方向Yに沿って移動できるように延長される構造を有するように具備されることができる。第4ビジョン部60は第3ジェントリー33に沿って往復移動しながら、後述するヘッドユニット40がメンテナンス部20で吐出するインク液滴の弾着位置、インク液滴のボリューム等を確認することができるイメージを獲得することができる。例えば、ヘッドユニット40はメンテナンス部20に提供されることができるキャリブレーションボード、例えば第2基板S2にインク液滴を吐出することができる。第2基板S2は第4ビジョン部60の下部領域に移動され、第4ビジョン部60はインク液滴が吐出された第2基板S2のイメージを獲得することができる。第4ビジョン部60が獲得したイメージは制御器80に伝達されることができる。第4ビジョン部60はイメージ獲得モジュールを含むカメラであり得る。
【0057】
図2図1のヘッドが有するノズルプレートの形状を示す図面であり、図3図1のヘッドユニットが有するヘッド、インク貯蔵部材、吐出部材、そしてヘッドを概略的に示す図面である。
【0058】
図1乃至図3を参照すれば、ヘッドユニット40は基板Sにインク液滴を吐出することができる。ヘッドユニットは基板Sにインク液滴を吐出して基板Sに対するプリンティング工程を遂行することができる。例えば、ヘッドユニット40は第2方向Yに沿って往復移動しながら、基板Sにインク液滴を吐出して基板Sに対するプリンティング工程を遂行することができる。
【0059】
ヘッドユニット40はインク貯蔵部材41、ヘッド42、吐出部材43、ヘッドフレーム44、ヘッドインターフェイスボード45、第1ビジョン部46、そして第2ビジョン部48を含むことができる。ヘッドユニット40は上述した移送ユニット70が一速度に移動させる基板Sにインク(Ink)を液滴(Droplet)形態で吐出することができる。
【0060】
インク貯蔵部材41はヘッドユニット40が基板Sに吐出するインクを貯蔵することができる。インク貯蔵部材41はリザーバー(Reservoir)と指称されてもよい。インク貯蔵部材41は基板Sに吐出されるインクの固化を防止することができる流動装置(図示せず)を含むことができる。流動装置(図示せず)はインク貯蔵部材41内に貯蔵されたインクを流動させてインクの固化を防止することができる。
【0061】
ヘッド42は複数に提供されることができる。複数のヘッド42は第1方向Xに沿って並べて配列されることができる。複数のヘッド42はヘッドフレーム44に嵌合することができる。また、ヘッド42には少なくとも1つ以上のノズル42bが形成されたノズルプレート41aを含むことができる。ノズル42bではインク液滴が吐出されることができる。
【0062】
インク貯蔵部材41とヘッド42との間には吐出部材43が提供されることができる。例えば、インク貯蔵部材41からヘッド42にインクを供給する供給配管上には吐出部材43が提供されることができる。吐出部材43は圧電素子であり得る。例えば、吐出部材43はピエゾ素子であってもよい。吐出部材43は制御器80から液滴吐出信号が伝達されて、ヘッドユニット40の液吐出動作を具現することができる。
【0063】
図3では吐出部材43がヘッド42とインク貯蔵部材41との間の供給配管上に設置されることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、吐出部材43はヘッド42又はヘッドフレーム44に具備されることができる。インク貯蔵部材41からヘッド42ヘのインク伝達は窒素のような非活性ガスの圧力によって行われ、ヘッド42又はヘッドフレーム44内に具備される吐出部材43は制御器80から電気的信号、例えば液滴吐出信号に基づいてヘッドユニット40の液吐出動作を具現することができる。
【0064】
第1ビジョン部46と第2ビジョン部48はヘッドフレーム44に設置されることができる。また、上部から見る時、第1ビジョン部46と第2ビジョン部48はヘッド42の一側に結合されることができる。第1ビジョン部46と第2ビジョン部48はヘッドユニット40が基板Sに吐出するインク液滴の弾着位置、そしてインク液滴のボリューム等を確認することができるイメージを獲得することができる。例えば、ヘッドユニット40がプリンティング部10に提供される基板Sにインク液滴を吐出すれば、第1ビジョン部46と第2ビジョン部48は基板Sを撮像し、撮像されたイメージは制御器80に伝達されることができる。ユーザは制御器80に伝達された第1ビジョン部46と第2ビジョン部48が撮像したイメージを通じて基板Sに吐出されたインク液滴の弾着位置、又はインク液滴のボリューム等を確認することができる。第1ビジョン部46と第2ビジョン部48は第1方向Xに沿って並べて配置されることができる。第1ビジョン部46と第2ビジョン部48はヘッド42が吐出するインク液滴を確認することができるカメラであり得る。
【0065】
ヘッド42はヘッドフレーム44を媒介で第1ジェントリー31と第2ジェントリー32に移動可能に結合されることができる。例えば、ヘッド42は第1ジェントリー31と第2ジェントリー32の長さ方向である第2方向Yに沿って移動可能に提供されることができる。また、ヘッド42は第1ジェントリー31と第2ジェントリー32の長さ方向である第2方向Yに沿ってプリンティング部10、そしてメンテナンス部20の間を直線往復移動することができる。
【0066】
図1を参照すれば、ノズルアラインメント部50はメンテナンス部20に提供されることができる。ノズルアラインメント部50は上部から見る時、第1ジェントリー31と第2ジェントリー32との間に提供されることができる。したがって、ノズルアラインメント部50はヘッド42に形成されたノズル42bの状態を確認することができる。例えば、ノズルアラインメント部50は移動レール52、そして第3ビジョン部54を含むことができる。移動レール52はその長さ方向が第1方向Xであり得る。第3ビジョン部54は移動レール52の長さ方向である第1方向Xに沿って直線往復移動することができる。第3ビジョン部54は移動レール52の長さ方向に沿って移動しながら、ヘッド42のノズル42bを撮像することができる。
【0067】
制御器80は基板処理装置100を制御することができる。制御器80は基板処理装置100が基板Sに対するプリンティング工程を遂行できるように基板処理装置100を制御することができる。また、制御器80は基板処理装置100のヘッドユニット40が基板Sにインク液滴を吐出して基板S、例えば第1基板S1に対するプリンティング工程を遂行できるようにヘッドユニット40を制御することができる。また、制御器80は基板処理装置100がヘッドユニット40に対するメンテナンスを遂行できるように基板処理装置100を制御することができる。
【0068】
また、制御器80は基板処理装置100の制御を実行する1つ以上のプロセッサ、そしてこのようなプロセッサに基板処理装置100を制御するための動作を遂行するようにする命令を含む、コンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラムで構成されることができる。また、制御器80はオペレータが基板処理装置100を管理するためにコマンド入力操作等を行うキーボードや、基板処理装置100の稼動状況を可視化して表示するディスプレー等で成されるユーザインターフェイスを具備することができる。また、ユーザインターフェイス及び格納部はプロセッサに接続されていることができる。
【0069】
図4図1の制御器の機能構成を説明するための図面である。図4を参照すれば、制御器80はデータ格納部81、条件受信部82、予測部83、そして補正部84を含むことができる。
【0070】
データ格納部81は後述する参照データを獲得する段階(S01)で獲得された参照データを記憶することができる。データ格納部81は既に取得された参照データを記憶することができる。データ格納部81はフラッシュメモリ、ハードディスク、カードタイプメモリ、RAM、SRAM、ROM、EEPROM、PROM、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクの中で少なくとも1つ以上の格納媒体で提供されることができる。
【0071】
条件受信部82は基板Sを処理するための処理条件を受信することができる。基板Sを処理するための処理条件は、ヘッド42と基板Sとの間の距離(インク液滴の落下距離)、基板Sの移送速度(ヘッド42と基板Sの相対速度)、インク液滴の吐出速度(吐出部材43が発生させる圧力)、インク液滴の重さ(インクの種類又はインク液滴の単位体積当たり重さ)、インク液滴の量(インク液滴のボリューム)等があり得る。条件受信部82はオペレータ(ユーザ)が入力(設定)する前記処理条件を受信することができる。
【0072】
予測部83は先に説明したデータ格納部81に記憶された参照データ、そして条件受信部82が受信した処理条件に基づいてヘッドユニット40がインク液滴を複数回吐出する場合、液滴の落下位置変動率が一定になる収束吐出回次を予測することができる。例えば、予測部83は後述する収束吐出回次を予測する段階(S02)を遂行することができる。
【0073】
補正部84は事前設定された吐出回次までヘッドユニット40のインク液滴吐出タイミングに適用される補正値を算出することができる。例えば、補正部84は後述する予測部83が予測した収束吐出回次より以前に遂行される初期吐出回次に対する液滴吐出タイミングの補正値を算出する段階(S03)及び補正値に基づいてヘッドユニット40を制御する段階(S04)を遂行することができる。
【0074】
参照データを獲得する段階(S01)、収束吐出回次を予測する段階(S02)、液滴吐出タイミングの補正値を算出する段階(S03)、補正値に基づいてヘッドユニット40を制御する段階(S04)に対する詳細な説明は後述する。
【0075】
図5図6、そして図7図1の基板処理装置が基板に液滴を吐出する方法を説明するための図面である。図5乃至図7を参照すれば、ヘッドユニット40は一定の速度に移動する第1基板S1にインク液滴を吐出して第1基板S1に対するプリンティング工程を遂行する。
【0076】
図5に図示されたように第1基板S1は移送ユニット70によって一定の速度に第1方向Xに沿って移動されることができる。この時、ヘッドユニット40の位置は固定されることができる。第1基板S1が移送ユニット70によってヘッドユニット40の下領域に進入するようになれば、制御器80はヘッドユニット40がインク液滴を第1基板S1に吐出できるように液滴吐出信号を発生させることができる。液滴吐出信号はヘッドユニット40の吐出部材43に伝達されることができる。吐出部材43が液滴吐出信号が伝達されれば、ヘッドユニット40は第1基板S1の上面にインク液滴を吐出することができる。また、液滴吐出信号は同一時間間隔内で複数回繰り返して吐出部材43に伝達されることができる。
【0077】
図6に図示されたように第1基板S1がヘッドユニット40の下部領域を通過すれば、ヘッドユニット40は第2方向Yに沿ってその位置が変更されることができる。例えば、制御器80はヘッドユニット40の位置を変更させる位置変更信号を発生させることができる。制御器80が位置変更信号を発生させれば、ヘッドユニット40は第1ジェントリー31、そして第2ジェントリー32に沿ってその位置が変更されることができる。
【0078】
図7に図示されたように第1基板S1は位置が変更されたヘッドユニット40の下部領域に再び進入することができる。第1基板S1は移送ユニット70によって一定の速度に第1方向Xに沿って移動することができる。この時、ヘッドユニット40の位置は固定されることができる。第1基板S1が移送ユニット70によってヘッドユニット40の下領域に進入するようになれば、制御器80はヘッドユニット40がインク液滴を第1基板S1に吐出できるように液滴吐出信号を発生させることができる。液滴吐出信号はヘッドユニット40の吐出部材43に伝達されることができる。吐出部材43が液滴吐出信号が伝達されれば、ヘッドユニット40は第1基板S1の上面にインク液滴を吐出することができる。また、液滴吐出信号は同一時間間隔内で複数回繰り返して吐出部材43に伝達されることができる。
【0079】
以下では、本発明の一実施形態による基板処理制御方法に対して詳細に説明する。図8は本発明の一実施形態による基板処理制御方法を示す図面である。図8を参照すれば、本発明の一実施形態による基板処理制御方法は、参照データを獲得する段階(S01)、収束吐出回次を予測する段階(S02)、補正値を算出する段階(S03)、そして補正値に基づいてヘッドユニット40を制御する段階(S04)を含むことができる。
【0080】
参照データを獲得する段階(S01)で獲得する参照データは、収束吐出回次を予測する段階(S02)で収束吐出回次を予測するための根拠として利用されるデータであり得る。図9、そして図10に図示されたように一定の速度に移動する基板Sがヘッド42の下部領域に進入するようになれば、基板Sの上面とヘッド42の下面との間には横気流が発生するようになる。このような横気流はヘッド42に形成されたノズル42bから吐出されるインク液滴Dの落下運動に影響を与える。例えば、横気流はインク液滴Dの弾着位置に影響を与える。参照データは、インク液滴Dの落下位置変化量Gに関する情報を含むことができる。
【0081】
参照データを獲得する段階(S01)には基板Sが一速度、そして一方向に一定に移動することができる。参照データを獲得する段階(S01)はダミー基板である、第2基板S2を利用して遂行されることができる。これと異なりに、参照データを獲得する段階(S01)はシミュレーションを通じて行ってもよい。そして、図11に図示されたように制御器80は、液滴吐出信号を時間間隔が同一の一周期(t(k))内で、一時点(t-k-1)に発生させることができる。したがって、ヘッドユニット40は、一速度に移動する基板Sに同一時間間隔にインク液滴を複数回吐出することができる。
【0082】
図12図8の参照データを獲得する段階で、上部から見た液滴の吐出時点のノズル位置、そして基板上に吐出された液滴の弾着位置の間の間隔を測定した形状を示す図面である。上部から見る時、ヘッドユニット40がインク液滴Dを吐出する時、インク液滴Dを吐出するノズル42bの位置SP(以下、“吐出位置”とする)、そしてインク液滴Dが実際に基板Sに弾着された位置DP(以下、“弾着位置”とする)は一致しなく、一定の間隔G(以下、“落下位置変化量”とする)が発生する。これは基板Sが一速度に移動し、また先に説明した横気流がインク液滴Dの落下運動に影響を与えるためである。
【0083】
図13図8の参照データを獲得する段階で、基板の上の液滴吐出が同一時間間隔に複数回成された場合、上部から見た液滴の吐出時点のノズル位置、そして基板上に吐出された液滴の弾着位置の間の間隔を測定した形状を示す図面である。図13を参照すれば、図13ではインク液滴Dの吐出回次にしたがう吐出位置SP1、SP2、SP3、…、そして弾着位置DP1、DP2、DP3、…の間の落下位置変化量G1、G2、G3、…の変化を示している。
【0084】
下の表1は、一条件で吐出位置SP及び弾着位置DPの間の落下位置変化量Gを吐出回次毎に測定した実験例である。
【0085】
【表1】
【0086】
下の表2は、他の条件で吐出位置SP及び弾着位置DPの間の落下位置変化量Gを吐出回次毎に測定した実験例である。
【0087】
【表2】
【0088】
上の表1、そして表2から分かるように、落下位置変化量Gは変わる。これは、落下位置変化量Gが基板Sの移動のみならず、インク液滴Dの落下運動が先に説明した横気流に影響を受けるためである。また、一定吐出回次(表1、そして表2では4回次)に至ると、落下位置変化量Gが一定になることを分かる。以下では、落下位置変化量Gが一定になる吐出回次を収束吐出回次とする。また、以下では、収束吐出回次以前に遂行される吐出回次を初期吐出回次とする。落下位置変化量Gは初期吐出回次から収束吐出回次までだんだん大きくなった後、収束吐出回次の後からは落下位置変化量Gが一定になる。これは、収束吐出回次の後には基板Sとヘッド42との間で形成された横気流が一定の速度に流れる、所謂横気流の速度が安定されるためである。参照データを獲得する段階(S01)で獲得される参照データは、実験条件に応じる落下位置変化量に関する情報を含むことができる。実験条件は基板Sの移送速度、インク液滴Dの落下距離(ヘッド42の下面と基板Sの上面との間の距離)、インク液滴Dの落下速度(吐出部材43が印加する圧力)、インク液滴Dの重さ(インクの種類、単位ボリューム当たりインク液滴Dの重さ)、インク液滴Dの量(インク液滴Dのボリューム、単位回次当たり吐出されるインクの量)の中で少なくとも1つ以上の設定条件に応じる落下位置変動量に関する情報を含むことができる。参照データを獲得する段階(S01)は上述した実験条件を異なるようにして少なくとも1回以上、好ましくは2回以上遂行されることができる。
【0089】
収束吐出回次を予測する段階(S02)には上述した落下位置変化量Gが一定になる収束吐出回次を予測することができる。収束吐出回次の予測は、上述した少なくとも1つ以上の参照データと、そして条件受信部82に入力された基板Sを処理するために設定される処理条件に基づいて収束吐出回次を予測することができる。
【0090】
収束吐出回次は基板Sとヘッド42との間の横気流が安定化される時間と連関がある。例えば、予測部83は横気流が安定化される時間が長くなれば、収束吐出回次は大きくなり、横気流が安定化される時間が短くなれば、収束吐出回次は小さくなることと予測されることができる。例えば、処理条件に設定された基板Sの移送速度が大きい場合、基板Sとヘッド42との間の横気流の安定化は速やかに進行されることができる。したがって、予測部83は処理条件に設定された基板Sの移送速度が大きいほど、収束吐出回次が小さくなることと予測することができる。また、処理条件に設定された液滴の落下距離が大きいほど、基板Sとヘッド42との間に存在する気流のボリュームが大きくなる。即ち、基板Sとヘッド42との間の気流の量が大きくなるので、横気流の安定化はさらに長い時間がかかることができる。したがって、予測部83は処理条件に設定されたインク液滴Dの落下距離が大きいほど、収束吐出回次が大きくなることと予測することができる。また、予測部83はインク液滴Dの吐出時間間隔が長くなるほど、収束吐出回次が小さくなることと予測することができる。
【0091】
また、インク液滴Dが非常に小さいボリューム(例えば、6.7pl以下のボリューム)を有する場合、インク液滴Dの落下速度、インク液滴Dの重さは横気流の変動に大きい影響を与えないので、これらの処理条件は収束吐出回次の予測で無視されることができる。
【0092】
補正値を算出する段階(S03)には、収束吐出回次より以前に遂行される初期吐出回次の液滴吐出タイミングを補正する補正値を算出することができる。収束吐出回次以後にはインク液滴Dの落下位置変化量Gが一定であるためである。例えば、補正値を算出する段階(S03)には、補正部84が図14に図示されたように収束吐出回次(例えば、4回次)より前に遂行される初期吐出回次(例えば、1回次乃至3回次)での液滴吐出タイミングが遅くなるようにする補正値を算出することができる。初期吐出回次で液滴吐出タイミングが遅くなれば、その時間くらい基板Sの移動がさらに行われる。したがって、収束吐出回次以後で吐出されるインク液滴D、そして初期吐出回次で吐出されるインク液滴Dの間の間隔の均一性を改善することができるようになる。
【0093】
また、初期吐出回次が複数回存在する場合、補正部84は収束吐出回次で遠い初期吐出回次であるほど、液滴吐出タイミングがさらに遅くなるようにする補正値を算出することができる。例えば、1回次では第1時間C1くらい液滴吐出タイミングを遅延させ、2回次では第2時間C2くらい液滴吐出タイミングを遅延させ、3回次では第3時間C3くらい液滴吐出タイミングを遅延させる補正値を算出することができる。第1時間C1は第2時間C2より長い時間であり、第2時間C2は第3時間C3より長い時間であり得る。
【0094】
また、落下位置変化量Gは、インク液滴Dが横気流に影響を受ける時間及び横気流の速度に影響を受ける。インク液滴Dが横気流に影響を受ける時間が長いほど、そして横気流の速度が大きいほど、落下位置変化量Gのサイズはさらに大きくなる。
【0095】
したがって、補正部84は処理条件に設定されたインク液滴Dの落下速度が大きい場合には、インク液滴Dが横気流に影響を受ける時間が小さくなるので、初期吐出段階で適用される液滴吐出タイミングを遅延させる補正値を小さく算出することができる。これと類似に、補正部84は処理条件に設定されたインク液滴Dの重さが大きい場合には、インク液滴Dの落下速度が速くなり、インク液滴Dが横気流に影響を受ける時間が少なくなるので、初期吐出段階で適用される液滴吐出タイミングを遅延させる補正値を小さく算出することができる。
【0096】
また、補正部84は処理条件に設定された基板Sの移送速度が大きい場合には、横気流の速度が大きくなるので、初期吐出段階で適用される液滴吐出タイミングを遅延させる補正値を大きく算出することができる。補正部84は処理条件に設定されたインク液滴Dの落下距離が大きいほど、インク液滴Dが横気流の速度の影響を受ける時間が長くなるので、初期吐出段階で適用される液滴吐出タイミングを遅延させる補正値を大きく算出することができる。
【0097】
補正値に基づいてヘッドユニット40を制御する段階(S04)には、補正値算出段階(S03)で算出された補正値に基づいてヘッドユニット40の初期吐出回次での液滴吐出タイミングを遅延させることができる。
【0098】
一般的に、インク液滴Dの弾着位置DPを管理するために、ヘッドユニット40に対するキャリブレーション(Calibration)が遂行される。一般的なキャリブレーションはヘッドユニット40の機械的精度、インクの温度等の調節に焦点が合っている。最近、高解像度の液晶ディスプレー素子の製造が要求されながら、ガラス(Glass)等の基板Sに吐出されるインク液滴Dのボリュームも非常に小さくなる。例えば、基板Sに吐出されるインク液滴Dのボリュームが6.7pl以下に小さくなる。インク液滴Dのボリュームが非常に小さくなることに連れ、基板Sとヘッド42との間に形成される横気流がインク液滴Dの落下運動に及ぶ影響はさらに大きくなる。
【0099】
本発明の一実施形態によれば、インク液滴Dのボリュームが非常に小さくなることに応じるインク液滴Dの落下運動変化に基づいて、ヘッドユニット40の液滴吐出タイミングを補正する。本発明は、基板Sとヘッド42との間の横気流が安定化される時点その後液滴吐出回次である、収束吐出回次を参照データから予測し、予測された束吐出回次以前に遂行される初期吐出回次に対して液滴吐出タイミングを遅延させる補正を遂行する。また、液滴吐出タイミングを遅延させる補正値のサイズをインク液滴Dの落下速度、インク液滴Dの落下距離、インク液滴Dの重さ、基板Sの移送速度に基づいて算出する。即ち、本発明の一実施形態によれば、インク液滴Dを望む位置に適切に弾着されるようになり、基板S上に吐出されるインク液滴Dの間に間隔の均一性を改善できるようにする。また、上述した実施形態は、ヘッド42と基板Sとの間の間隔が臨界範囲内であり、ヘッド42がインク液滴Dを吐出する場合に適用されることができる。臨界間隔の上限はヘッド42の下部領域に基板Sが移動する時、ヘッド42の下面と基板Sの上面との間にインク液滴Dの落下運動に影響を及ぶ横気流が発生する間隔であり得る。臨界間隔の下限はヘッド42の下部領域に基板Sが移動される時、横気流が発生され、基板Sに吐出されたインク液滴Dがヘッド42の下面と接触されない間隔であり得る。
【0100】
上述した例では基板Sに対するプリンティング工程の時、基板Sが移送ユニット70によって移送され、ヘッドユニット40の位置は固定されることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、プリンティング工程の時、基板Sの位置は固定され、ヘッドユニット40の位置が変化されてもよい。即ち、基板Sが移動することは基板Sとヘッドユニット40の相対的な位置が変化する概念として理解されるべきである。
【0101】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲、及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される様々な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むことと解析されなければならない。
【符号の説明】
【0102】
100基板処理装置
10プリンティング部
20メンテナンス部
30ジェントリー
40ヘッドユニット
70移送ユニット
80制御器
81データ格納部
82条件受信部
83予測部
84補正部
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