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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】テープガイド管理システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022507047
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2020010329
(87)【国際公開番号】W WO2021181522
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 正隆
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/109892(WO,A1)
【文献】特開2006-108322(JP,A)
【文献】特開2019-091771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着され、前記キャリアテープから前記部品を露出させることが可能なテープガイドを管理するシステムであって、
前記テープガイドごとに設けられ、個体識別情報を示すタグと、
前記タグから前記個体識別情報を読み込むタグリーダと、
前記個体識別情報と前記テープガイドの管理情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記管理情報に基づいて、前記テープガイドの管理を行う管理装置と、
を備え
前記管理情報は、前記テープガイドの使用履歴を含み、
前記使用履歴は、前記テープガイドにおいて前記キャリアテープから前記部品を露出させる露出処理が実行された露出処理回数及び前記露出処理の成否度合いを含み、
前記管理装置は、
前記露出処理が行われる場合に、前記記憶部に記憶される該テープガイドの前記個体識別情報に対応する前記使用履歴を更新する更新部と、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記成否度合いを前記記憶部から読み出す読出部と、
前記読出部により読み出した前記成否度合いとしての前記露出処理が失敗した失敗回数又は失敗率が第二閾値以上である場合に、該個体識別情報の前記テープガイドの使用を制限する使用制限部と、
を有する、テープガイド管理システム。
【請求項2】
部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着され、前記キャリアテープから前記部品を露出させることが可能なテープガイドを管理するシステムであって、
前記テープガイドごとに設けられ、個体識別情報を示すタグと、
前記タグから前記個体識別情報を読み込むタグリーダと、
前記個体識別情報と前記テープガイドの管理情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記管理情報に基づいて、前記テープガイドの管理を行う管理装置と、
を備え
前記管理情報は、前記テープガイドの使用履歴を含み、
前記使用履歴は、前記テープガイドにおいて前記キャリアテープから前記部品を露出させる露出処理が実行された露出処理回数及び前記露出処理の成否度合いを含み、
前記管理装置は、
前記記憶部に記憶されている前記使用履歴に基づいて、前記テープガイドの使用を制御する使用制御部と、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記成否度合いを前記記憶部から読み出す読出部と、
前記読出部により読み出した前記成否度合いとしての前記露出処理が失敗した失敗回数又は失敗率が第二閾値以上である場合に、該個体識別情報の前記テープガイドの使用を制限する使用制限部と、
を有する、テープガイド管理システム。
【請求項3】
部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着され、前記キャリアテープから前記部品を露出させることが可能なテープガイドを管理するシステムであって、
前記テープガイドごとに設けられ、個体識別情報を示すタグと、
前記タグから前記個体識別情報を読み込むタグリーダと、
前記個体識別情報と前記テープガイドの管理情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記管理情報に基づいて、前記テープガイドの管理を行う管理装置と、
を備え
前記管理情報は、前記テープガイドの使用履歴を含み、
前記使用履歴は、前記テープガイドが前記部品を露出させる前記キャリアテープの種類ごと又は前記テープガイドが装着される前記テープフィーダの種類ごとの、前記テープガイドにおいて前記キャリアテープから前記部品を露出させる露出処理が実行された露出処理回数及び前記露出処理の成否度合いを含み、
前記管理装置は、前記露出処理が行われる場合に、前記記憶部に記憶される該テープガイドの前記個体識別情報に対応する前記使用履歴を更新する更新部を有する、テープガイド管理システム。
【請求項4】
部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着され、前記キャリアテープから前記部品を露出させることが可能なテープガイドを管理するシステムであって、
前記テープガイドごとに設けられ、個体識別情報を示すタグと、
前記タグから前記個体識別情報を読み込むタグリーダと、
前記個体識別情報と前記テープガイドの管理情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記管理情報に基づいて、前記テープガイドの管理を行う管理装置と、
を備え
前記管理情報は、前記テープガイドの使用履歴を含み、
前記使用履歴は、前記テープガイドが前記部品を露出させる前記キャリアテープの種類ごと又は前記テープガイドが装着される前記テープフィーダの種類ごとの、前記テープガイドにおいて前記キャリアテープから前記部品を露出させる露出処理が実行された露出処理回数及び前記露出処理の成否度合いを含み、
前記管理装置は、前記記憶部に記憶されている前記使用履歴に基づいて、前記テープガイドの使用を制御する使用制御部を有する、テープガイド管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記成否度合いを前記記憶部から読み出す読出部と、
前記読出部により読み出した前記成否度合いとしての前記露出処理が失敗した失敗回数又は失敗率が第三閾値以上である場合に、該成否度合いに対応する前記キャリアテープの種類又は前記テープフィーダの種類に対する該個体識別情報の前記テープガイドの使用を制限する使用制限部と、
を有する、請求項3又は4に記載されたテープガイド管理システム。
【請求項6】
部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着され、前記キャリアテープから前記部品を露出させることが可能なテープガイドを管理するシステムであって、
前記テープガイドごとに設けられ、個体識別情報を示すタグと、
前記タグから前記個体識別情報を読み込むタグリーダと、
前記個体識別情報と前記テープガイドの管理情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記管理情報に基づいて、前記テープガイドの管理を行う管理装置と、
を備え
前記管理情報は、前記テープガイドの使用履歴を含み、
前記使用履歴は、前記テープガイドにおいて前記キャリアテープから前記部品を露出させる露出処理が実行された露出処理回数及び前記露出処理の成否度合いを含み、
前記管理装置は、
前記露出処理が行われる場合に、前記記憶部に記憶される該テープガイドの前記個体識別情報に対応する前記使用履歴を更新する更新部と、
前記テープガイドの種類ごとに前記成否度合いを集計する成否集計部と、
前記成否集計部により集計された前記成否度合いに基づいて、前記テープガイドの種類ごとの前記キャリアテープ又は前記テープフィーダとのマッチング度合いを示す第二案内を作業者に対して行う第二案内制御部と、
を有する、テープガイド管理システム。
【請求項7】
部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着され、前記キャリアテープから前記部品を露出させることが可能なテープガイドを管理するシステムであって、
前記テープガイドごとに設けられ、個体識別情報を示すタグと、
前記タグから前記個体識別情報を読み込むタグリーダと、
前記個体識別情報と前記テープガイドの管理情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記管理情報に基づいて、前記テープガイドの管理を行う管理装置と、
を備え
前記管理情報は、前記テープガイドの使用履歴を含み、
前記使用履歴は、前記テープガイドにおいて前記キャリアテープから前記部品を露出させる露出処理が実行された露出処理回数及び前記露出処理の成否度合いを含み、
前記管理装置は、
前記記憶部に記憶されている前記使用履歴に基づいて、前記テープガイドの使用を制御する使用制御部と、
前記テープガイドの種類ごとに前記成否度合いを集計する成否集計部と、
前記成否集計部により集計された前記成否度合いに基づいて、前記テープガイドの種類ごとの前記キャリアテープ又は前記テープフィーダとのマッチング度合いを示す第二案内を作業者に対して行う第二案内制御部と、
を有する、テープガイド管理システム。
【請求項8】
前記マッチング度合いは、前記露出処理が成功した成功回数と失敗した失敗回数との割合である、請求項6又は7に記載されたテープガイド管理システム。
【請求項9】
前記管理装置は、前記記憶部に記憶されている前記使用履歴に基づいて、前記テープガイドの点検又は交換を促す第一案内を作業者に対して行う第一案内制御部を有する、請求項1乃至8の何れか一項に記載されたテープガイド管理システム。
【請求項10】
前記第一案内制御部は、前記使用履歴としての前記露出処理回数又は前記露出処理が失敗した失敗回数若しくは失敗率が第一閾値以上となった場合に、前記第一案内を作業者に対して行う、請求項に記載されたテープガイド管理システム。
【請求項11】
部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着され、前記キャリアテープから前記部品を露出させることが可能なテープガイドを管理するシステムであって、
前記テープガイドごとに設けられ、個体識別情報を示すタグと、
前記タグから前記個体識別情報を読み込むタグリーダと、
前記個体識別情報と前記テープガイドの管理情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記管理情報に基づいて、前記テープガイドの管理を行う管理装置と、
を備え
前記タグリーダによる前記タグからの前記個体識別情報の読み込みは、前記テープガイドが前記テープフィーダに装着されかつ前記テープフィーダに対して前記キャリアテープを巻回するリールがセットされた状態で行われるベリファイ作業時に行われる、テープガイド管理システム。
【請求項12】
前記管理情報は、前記テープガイドの使用履歴を含み、
前記管理装置は、前記タグリーダによる前記個体識別情報の読み込みが行われた際に、前記記憶部に記憶されている前記使用履歴を読み出して、該使用履歴に基づいて該テープガイドの使用を制御する、請求項11に記載されたテープガイド管理システム。
【請求項13】
前記テープフィーダは、
前記キャリアテープのテープ端が挿入される挿入部と、前記挿入部に前記テープ端が挿入された前記キャリアテープを送る送り部と、を有するオートローディングフィーダである、請求項1乃至12の何れか一項に記載されたテープガイド管理システム。
【請求項14】
前記タグリーダは、作業者により持ち運び可能なハンディタイプのリーダであり、又は、前記テープフィーダのフィーダ本体に取り付けられ若しくは前記テープガイドを保管する管理倉庫に設けられたリーダである、請求項1乃至13の何れか一項に記載されたテープガイド管理システム。
【請求項15】
前記テープガイドを保管する管理倉庫を備え、
前記管理情報は、前記テープガイドの所在情報を含み、
前記管理装置は、前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記管理情報に基づいて、前記管理倉庫に対する前記テープガイドの入庫及び出庫を管理する入出庫管理部を有する、請求項1乃至14の何れか一項に記載されたテープガイド管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、テープガイド管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テープガイドに付された識別コードを取得するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。テープガイドは、部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着される。テープガイドは、テープフィーダで送られるキャリアテープから部品を露出させる部品露出部を有している。部品露出部は、例えば、先端部でキャリアテープのカバーテープをベーステープから剥離するカッタ部材である。
【0003】
テープガイドは、キャリアテープの種類や部品の種類に応じて複数種類設けられている。すなわち、部品露出部は、キャリアテープの種類や部品の種類に対応した形状に形成されている。テープガイドに付される識別コードは、そのテープガイドの種類に応じて設定されている。この識別コードは、例えば、二列のコードであって、「白-白」、「白-黒」、及び「黒-白」の三種類に対応している。
【0004】
上記のシステムにおいて、識別コードが読み取られると、その識別コードとテープフィーダのシリアルIDとの比較照合が行われる。そして、その照合が一致しない場合は、そのテープフィーダに装着されたテープガイドが、そのテープフィーダによって送られるキャリアテープに対応しないとして、作業者に対する警告が発せられ、そのテープガイドの交換が促される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開2013/157107号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、テープガイドは、部品露出部でキャリアテープに接してそのキャリアテープから部品を露出させるものであるので、キャリアテープとの接触に起因して形状変化等が生じ易い消耗品である。このため、テープガイドの使用期間が長くなり或いはテープ剥離の回数が多くなると、部品露出部の形状の経年変化などに起因して、テープガイドの部品露出処理に影響が出るおそれがある。しかしながら、上記のシステムでは、テープガイドの種類に応じてテープフィーダとの照合がとられるだけであるので、テープガイド個々の管理がなされていない。
【0007】
本明細書は、テープガイドの個別管理を行うことが可能なテープガイド管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着され、前記キャリアテープから前記部品を露出させることが可能なテープガイドを管理するシステムであって、前記テープガイドごとに設けられ、個体識別情報を示すタグと、前記タグから前記個体識別情報を読み込むタグリーダと、前記個体識別情報と前記テープガイドの管理情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記タグリーダにより読み込まれた前記個体識別情報に対応する前記管理情報に基づいて、前記テープガイドの管理を行う管理装置と、を備える、テープガイド管理システムを開示する。
【0009】
本開示によれば、テープフィーダに装着されるテープガイド個々の個別使用を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るテープガイド管理システムの構成図である。
図2】部品装着機の平面図である。
図3】キャリアテープの上面図である。
図4】キャリアテープの図3に示すIV-IVで切断した際の断面図である。
図5】部品装着機に装着されるテープフィーダの側面図である。
図6】テープフィーダに装着されるテープガイドの斜視図である。
図7】記憶部に記憶されるテープガイドの個体識別情報と管理情報との一例の関係を表した図である。
図8】テープガイドの個体識別情報を用いた照合のために実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
図9】テープガイドの個体識別情報を用いた使用履歴の更新のために実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
図10】テープガイドの個体識別情報を用いた点検又は交換の案内のために実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
図11】テープガイドの個体識別情報を用いた使用制限の実行のために実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
図12】テープガイドの個体識別情報を用いたテープガイドの種類とキャリアテープの種類又はテープフィーダの種類とのマッチング度合いの案内のために実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
図13】一変形形態に係るテープガイド管理システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.テープガイド管理システムの概略構成
本実施形態のテープガイド管理システム1は、部品が収容されるキャリアテープを送るテープフィーダに装着されるテープガイドを管理するシステムである。テープガイド管理システム1は、図1に示す如く、部品装着機10と、タグリーダ20と、ホストコンピュータ30と、を備えている。部品装着機10とホストコンピュータ30とは、互いに通信接続されている。また、タグリーダ20とホストコンピュータ30とは、互いに通信接続されている。
【0012】
2.部品装着機の概略構成
部品装着機10は、基板への部品の装着を行う装置である。部品装着機10は、図2に示す如く、基板搬送部11と、部品供給部12と、部品移載部13と、リール保持部14と、制御部15と、を備えている。以下、部品が送られる水平な搬送方向(図2における上下方向)をX軸方向とし、X軸方向に直交する、基板が搬送される水平な搬送方向(図2における左右方向)をY軸方向とし、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(図2において紙面裏表方向)をZ軸方向とする。
【0013】
基板搬送部11は、基板2をY軸方向に順次搬送するベルトコンベアなどである。部品供給部12は、基板2に装着される電子部品などの部品3を後述の部品移載位置Psに供給する。部品供給部12は、後に詳述するテープフィーダ50と、そのテープフィーダ50が着脱可能に装着される複数のスロット12aと、を有している。各スロット12aはそれぞれ、Y軸方向に並んで配置されている。各スロット12aには、互いを識別するためのスロット番号が設定されている。部品供給部12は、テープフィーダ50を用いてリール90に巻回されたキャリアテープ80をX軸方向に送り移動させて、そのキャリアテープ80に収容されている部品3をテープフィーダ50の先端側に位置する部品移載位置Psまで搬送する。
【0014】
部品移載部13は、吸着ノズル(図示せず)が着脱可能に装着される装着ヘッド13aを有している。装着ヘッド13aは、X軸方向及びY軸方向に移動可能であると共に、Z軸方向に昇降可能である。部品3は、負圧などを用いて吸着ノズルに吸着される。装着ヘッド13aは、部品移載位置Psに供給された部品3を吸着ノズルにより吸着し、その後、その部品3を基板搬送部11で所定の装着位置に位置決めされている基板2まで位置移動させて、吸着ノズルによる部品の吸着を解除してその部品3を基板2に取り付ける。
【0015】
リール保持部14は、キャリアテープ80が巻回されたリール90を交換可能に保持する部位である。尚、リール保持部14は、キャリアテープ80の送り方向であるX軸方向に並べて二つのリール90を配置できるものであってもよい。
【0016】
制御部15は、部品装着機10(具体的には、基板搬送部11、部品供給部12、及び部品移載部13)の動作を制御する部位である。制御部15は、CPUやメモリを有しており、予め定められたプログラムに従って各種制御処理を実行する。
【0017】
3.キャリアテープ及びリールの構成
キャリアテープ80は、部品3を収容するテープである。キャリアテープ80は、部品3の大きさや形状などに対応して複数種類用意されている。キャリアテープ80は、図3及び図4に示す如く、ベーステープ81と、カバーテープ82と、ボトムテープ83と、からなる。
【0018】
ベーステープ81は、キャリアテープ80の基部となるテープである。ベーステープ81には、部品収容部81aと、送り穴81bと、が設けられている。部品収容部81aは、部品3を収容する空間を形成する部位である。部品収容部81aは、ベーステープ81のテープ幅方向中央部に設けられている。部品収容部81aは、テープ長手方向に所定ピッチ間隔をあけて設けられている。送り穴81bは、キャリアテープ80をX軸方向に送るための貫通穴である。送り穴81bは、ベーステープのテープ幅方向端部に設けられている。送り穴81bは、テープ長手方向に所定ピッチ間隔をあけて設けられている。
【0019】
カバーテープ82は、ベーステープ81の部品収容部81aの開口を閉じるテープである。カバーテープ82は、接着剤によりベーステープ81のテープ幅方向の両端部の上面に接着されている。ボトムテープ83は、部品収容部81aに収容された部品3の脱落を防止するテープである。ボトムテープ83は、接着剤によりベーステープ81の下面に接着されている。
【0020】
リール90は、キャリアテープ80が巻回される円盤状の部材である。尚、リール90は、キャリアテープ80の大きさや形状などに対応して複数種類用意されていてよい。リール90は、リール保持部14に交換可能にかつ回転可能に保持される。リール90は、リール保持部14に回転可能に保持される。テープフィーダ50は、スロット12aに装着された状態で、リール保持部14に保持されているリール90からキャリアテープ80を引き出すことが可能である。
【0021】
4.テープフィーダの構成
テープフィーダ50は、キャリアテープ80をX軸方向に送ることにより部品3を部品移載位置Psに供給する装置である。テープフィーダ50は、キャリアテープ80の大きさや形状などに対応して複数種類用意されている。テープフィーダ50は、部品供給部12のスロット12aに装着される。テープフィーダ50は、挿入部にテープ端が挿入されたキャリアテープ80を送り部により部品移載位置Psまで送ることが可能なオートローディングフィーダである。
【0022】
テープフィーダ50は、図5に示す如く、フィーダ本体51と、第一送り部52と、第二送り部53と、テープ押さえ部54と、テープガイド60と、制御部55と、を有している。
【0023】
フィーダ本体51は、扁平な箱形状に形成されている。フィーダ本体51は、挿入部51aと、搬送路51bと、を有している。挿入部51aは、搬送対象であるキャリアテープ80のテープ端が挿入される部位である。搬送路51bは、挿入部51aにテープ端が挿入されたキャリアテープ80を下側から支持するレールである。挿入部51aにテープ端が挿入されたキャリアテープ80は、テープ押さえ部54により搬送路51bの上面に押し付けられる。
【0024】
第一送り部52は、挿入部51aにテープ端が挿入されたキャリアテープ80を搬送路51bに沿ってX軸方向に部品移載位置Ps近傍まで送る部位である。第一送り部52は、一対のスプロケット52a,52bと、モータ52cと、を有している。
【0025】
スプロケット52a,52bはそれぞれ、キャリアテープ80の送り穴81bに係合する歯を有する回転部材である。スプロケット52a,52bはそれぞれ、フィーダ本体51に回転可能に支承されている。一対のスプロケット52a,52bは、テープ搬送方向であるY軸方向に離間して配置されている。スプロケット52a,52bはそれぞれ、その歯が搬送路51bの上面から上方へ僅かに飛び出るように搬送路51bの下方に配置されている。
【0026】
モータ52cは、スプロケット52a,52bを回転させるステッピングモータである。モータ52cは、減速機を介して各スプロケット52a,52bに連結されている。モータ52cは、スプロケット52a,52bをキャリアテープ80の部品収容部81aのピッチ間隔分ずつ回転させてキャリアテープ80をX軸方向に送る。挿入部51aにテープ端が挿入されたキャリアテープ80の送り穴81bにスプロケット52a,52bの歯が係合した状態でモータ52cが駆動されると、そのキャリアテープ80がX軸方向に部品移載位置Ps近傍まで送り出される。
【0027】
第二送り部53は、部品移載位置Ps近傍まで送られたキャリアテープ80をテープガイド60により上方及びテープ幅方向への移動を規制した状態でX軸方向に更に送ってその部品移載位置Psに引き込む部位である。第二送り部53は、一対のスプロケット53a,53bと、モータ53cと、を有している。
【0028】
スプロケット53a,53bはそれぞれ、キャリアテープ80の送り穴81bに係合する歯を有する部位である。スプロケット53a,53bはそれぞれ、フィーダ本体51に回転可能に支承されている。一対のスプロケット53a,53bは、テープ搬送方向であるY軸方向に離間して配置されている。スプロケット53a,53bはそれぞれ、その歯がテープガイド60の搬送面から上方へ僅かに飛び出るようにその搬送面の下方に配置されている。
【0029】
モータ53cは、スプロケット53a,53bを回転させるステッピングモータである。モータ53cは、減速機を介して各スプロケット53a,53bに連結されている。モータ53cは、スプロケット53a,53bをキャリアテープ80の部品収容部81aのピッチ間隔分ずつ回転させてキャリアテープ80をX軸方向に送る。テープ端が部品移載位置Ps近傍に達したキャリアテープ80の送り穴81bにスプロケット53a,53bの歯が係合した状態でモータ53cが駆動されると、そのキャリアテープ80がX軸方向に部品移載位置Psに引き込まれる。
【0030】
5.テープガイドの構成
テープガイド60は、搬送路51b上で搬送されるキャリアテープ80をガイドしながらそのキャリアテープ80内の部品3を部品移載位置Psに供給する部材である。テープガイド60は、テープフィーダ50に装着され、テープフィーダ50に対して着脱可能である。テープガイド60は、キャリアテープ80の大きさや形状などに対応して複数種類用意されている。
【0031】
テープガイド60は、搬送路51bのX軸方向下流側に配置されている。テープガイド60は、キャリアテープ80の上面を押さえることが可能であると共に、キャリアテープ80のベーステープ81の部品収容部81aから部品3を露出させることが可能である。テープガイド60は、フィーダ本体51に対して下方に付勢され押圧されており、キャリアテープ80のテープ厚が変わってもそのキャリアテープ80の上面を押さえることで、そのキャリアテープ80の浮き上がりを防止して送り穴81bへのスプロケット53a,53bの係合を確実なものとすることが可能である。
【0032】
テープガイド60は、図6に示す如く、ガイド部61を有している。ガイド部61は、キャリアテープ80をガイドする部位である。ガイド部61は、X軸方向に沿って延びており、断面U字状に形成されている。ガイド部61は、上壁部62と、一対の側壁部63と、を有している。上壁部62は、キャリアテープ80の上方への移動を規制してキャリアテープ80の浮き上がりを防止する機能を有している。また、一対の側壁部63はそれぞれ、キャリアテープ80のテープ幅方向への移動を規制する機能を有している。
【0033】
テープガイド60は、部品露出部64を有している。部品露出部64は、ベーステープ81の部品収容部81a内の部品3を露出させる部位である。部品露出部64は、部品移載位置Psの直前でキャリアテープ80のベーステープ81からカバーテープ82を剥離することで、部品3を露出させる。
【0034】
部品露出部64は、舌部64aと、刃部64bと、を有している。舌部64aは、キャリアテープ80の搬送中にベーステープ81とカバーテープ82との間に挿入される部位である。刃部64bは、ベーステープ81とカバーテープ82との接着箇所に挿入されて、ベーステープ81からカバーテープ82を部分的に剥離する部位である。
【0035】
テープガイド60のガイド部61の上壁部62には、開口部62aが設けられている。開口部62aは、上壁部62の一部が切り欠かれることにより形成されている。舌部64aは、開口部62aを介して外部に露出するように配置されている。舌部64aは、X軸方向に沿って延びるように形成されている。舌部64aは、板状に形成されており、板面が水平になるように配置されている。舌部64aは、X軸方向の下流側端部でガイド部61に溶接などで固定されている。舌部64aは、先端部をX軸方向上流側に向けた状態で配置されている。
【0036】
舌部64aは、キャリアテープ80のテープ幅方向において所定幅を有している。この所定幅は、キャリアテープ80のテープ幅よりも小さくなるように設定されている。舌部64aは、キャリアテープ80の幅方向においてベーステープ81にカバーテープ82が接着されているそのテープ幅方向両端部のうち一方のテープ幅方向端部側(具体的には、送り孔86が設けられた側とは反対側)に偏るように配置されている。舌部64aは、先端部が山型でかつ一方のテープ幅方向端部に偏るように形成されている。舌部64aは、先端部がベーステープ81の部品収容部81aの真上に位置するように配置されている。
【0037】
刃部64bは、舌部64aの先端のうちテープ幅方向の何れか偏った箇所に設けられている。刃部64bは、キャリアテープ80のベーステープ81にカバーテープ82が接着されているテープ幅方向両端部のうち一方のテープ幅方向端部側(具体的には、送り穴81bが設けられた側とは反対側)に対応して設けられている。刃部64bは、キャリアテープ80の一方のテープ幅方向端部でベーステープ81とカバーテープ82との間に挿入されて、カバーテープ82を部分的にベーステープ81から剥離して、部品移載位置Psでベーステープ81の部品収容部81a内の部品3を露出させる。
【0038】
テープガイド60は、また、折返部65を備えている。折返部65は、ベーステープ81からカバーテープ82のテープ幅方向一端部が剥離された後、そのカバーテープ82の剥離側のテープ幅方向一端部を立ち上げて折り返す部位である。折返部65は、舌部64aよりもテープ搬送方向X下流側に配置されていると共に、部品移載位置PsよりもX軸方向上流側に配置されている。折返部65は、板状に形成されており、X軸方向上流側からX軸方向下流側にかけて幅が大きくなるように形成されている。折返部65は、開口部62aの一部を塞ぐように形成配置されている。
【0039】
制御部55は、テープフィーダ50の動作を制御する部位である。具体的には、制御部55は、テープフィーダ50のフィーダ本体51の各所に配置されたセンサなどの検知結果(具体的には、キャリアテープ80の有無)に基づいて、モータ52c,53cの駆動を制御する。制御部55は、CPUやメモリを有しており、予め定められたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0040】
リール90には、リール90を識別するための個体識別情報を示すリールタグ90aが付されている。このリールタグ90aは、シールに印字された状態でリール90に貼付されている。リールタグ90aは、例えば、リール90に巻回されるキャリアテープ80に収容される部品3のコード(例えば、製造メーカ等が設定する部品の型番などであってよい。以下、部品コードと称す。)をそのリール90に関連付けて登録する際に付与される。リールタグ90aの示す個体識別情報は、例えば、バーコードなどの一次元コードや二次元コードである。この個体識別情報は、リール90個々の情報であって、例えば、リール90の大きさやリール幅などで区別された種類、シリアル番号、製造元などの情報を含む。
【0041】
また、テープフィーダ50には、テープフィーダ50を識別するための個体識別情報を示すフィーダタグ50aが付されている。フィーダタグ50aは、シールに印字された状態でテープフィーダ50に貼付されている。フィーダタグ50aの示す個体識別情報は、例えば、バーコードなどの一次元コードや二次元コードである。この個体識別情報は、テープフィーダ50個々の情報であって、例えば、テープフィーダ50の大きさや幅などで区別された種類、シリアル番号、製造元などを含む。
【0042】
更に、テープガイド60には、テープフィーダ50を識別するための個体識別情報を示すテープガイドタグ60aが付されている。テープガイドタグ60aは、シールに印字された状態でテープガイド60に貼付されている。テープガイドタグ60aの示す個体識別情報は、例えば、バーコードなどの一次元コードや二次元コードである。この個体識別情報は、テープガイド60個々の情報であって、例えば、テープガイド60の大きさやテープ対応幅などで区別された種類、シリアル番号、製造元などを含む。
【0043】
6.タグリーダの構成
タグリーダ20は、上記した各タグ50a,60a,90aから個体識別情報を読み込む装置である。特に、タグリーダ20は、テープガイドタグ60aから個体識別情報を読み込むことが可能である。タグリーダ20は、テープガイド60をテープフィーダ50に対して着脱する作業を行う工場などに設置されている。タグリーダ20は、作業者により持ち運び可能なハンディタイプのリーダであり、又は、テープフィーダ50のフィーダ本体51に取り付けられ若しくはテープガイド60を保管する管理倉庫に設けられたリーダである。
【0044】
タグリーダ20は、図1に示す如く、タグ読み取り部21と、制御部22と、表示部23と、通信部24と、を備えている。
【0045】
タグ読み取り部21は、タグ50a,60a,90aから個体識別情報を示すバーコードや二次元コードなどのコードを読み取る部位である。タグ読み取り部21は、制御部22に接続されている。タグ読み取り部21で読み取られたコードは、制御部22に供給される。
【0046】
制御部22は、タグ読み取り部21から供給されたコードに基づいて各種制御を実行する部位である。制御部22は、CPUやメモリを有しており、予め定められたプログラムに従って各種処理を実行する。制御部22は、通信部24に接続されている。通信部24は、例えば無線LANや有線LANなどによりホストコンピュータ30と通信可能な部位である。制御部22は、タグ読み取り部21からコードが供給された場合に、コード読み取りが行われたことを検知すると共に、その読み取ったコードを通信部24を介してホストコンピュータ30へ向けて送信させる。
【0047】
制御部22は、特にベリファイ作業時において読み取られたコードを通信部24から送信させる。尚、ベリファイ作業とは、フィーダタグ50a、テープガイドタグ60a、及びリールタグ90aの各コードを連続して或いは個別に読み取って、テープフィーダ50とテープガイド60とリール90とが例えば部品装着機10内で正しい対応関係で準備されているか否かをチェックする作業のことである。
【0048】
ベリファイ作業は、例えば、テープフィーダ50にテープガイド60が装着されかつそのテープフィーダに対してキャリアテープ80を巻回するリール90がセットされた状態、具体的には、テープガイド60が装着されたテープフィーダ50が部品装着機10のスロット12aに装着されかつキャリアテープ80を巻回するリール90が部品装着機10のリール保持部14に保持された状態で行われる。
【0049】
表示部23は、作業者に視認させることが可能な表示装置である。表示部23は、制御部22に接続されている。表示部23は、制御部22からの指示に従って各種の画面表示を行う。
【0050】
7.ホストコンピュータの構成
ホストコンピュータ30は、管理対象である部品装着機10の制御を行うことが可能であると共に、部品装着機10に装着されるテープガイド60などの装着部材(具体的には、テープフィーダ50、テープガイド60、及びリール90)を管理することが可能な管理装置である。ホストコンピュータ30は、CPUやメモリ,制御回路を有しており、予め定められたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0051】
ホストコンピュータ30は、図1に示す如く、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、表示部34と、を備えている。制御部31は、更新部31aと、使用制御部31bと、第一案内制御部31cと、読出部31dと、使用制限部31eと、成否集計部31fと、第二案内制御部31gと、を有している。
【0052】
記憶部32は、例えば、部品装着機10などを制御するための制御プログラム、基板2を生産するためのジョブデータD1、並びに、部品装着機10、テープフィーダ50、及びテープガイド60などを管理するための管理データD2などを記憶している。制御部31は、記憶部32から制御プログラムを読み込んで実行し、部品装着機10を制御すると共に、特にテープガイド60を管理することが可能である。通信部33は、タグリーダ20の通信部24と通信可能な部位である。表示部34は、作業者に視認させることが可能な表示装置である。表示部34は、制御部31からの指示に従って各種の画面表示を行う。
【0053】
ジョブデータD1は、例えば、部品装着機10により基板2に装着する部品3が存在するスロット12aの位置や順番及び基板2の生産枚数などの生産計画などを定めたデータである。ホストコンピュータ30は、ジョブデータD1を部品装着機10に送信する。部品装着機10は、ホストコンピュータ30からのジョブデータD1に従って基板2に複数の部品3を順番に装着する。
【0054】
また、部品装着機10は、スロット12aに装着されているテープフィーダ50から、供給可能な部品3の部品コード、供給可能な部品3の最大数、供給した(使用した)部品3の数などの部品情報を取得することが可能であると共に、その部品情報をスロット12aのスロット番号及びテープフィーダ50又はリール90の個体識別情報と関連付けてホストコンピュータ30へ送信することが可能である。ホストコンピュータ30は、部品装着機10からの部品情報を受信すると、その部品情報をテープフィーダ50又はリール90の個体識別情報に関連付けて記憶部32に記憶させる。
【0055】
また、部品装着機10は、スロット12aに装着されているテープフィーダ50から、テープガイド60の部品露出部64で部品3の露出処理が行われた際に、その部品露出処理が行われた旨及びその部品露出処理が成功したか失敗したかの成否を示す情報を取得することが可能であると共に、その情報をテープフィーダ50又はテープガイド60の個体識別情報と関連付けてホストコンピュータ30に向けて送信することが可能である。ホストコンピュータ30は、部品装着機10からの情報を受信すると、後に詳述する如く、制御部31の更新部31aにその情報に基づいて記憶部32に記憶される情報の更新処理を実行させる。
【0056】
ホストコンピュータ30は、スロット12aに装着されているテープフィーダ50又はリール保持部14に保持されているリール90において部品切れが生じる部品切れ時刻などを演算可能である。例えば、ホストコンピュータ30は、部品3の残数、生産する基板2の一枚当たりに使用する部品3の数、基板2の生産速度、部品3の減少率などに基づいて、上記の部品切れ時刻を演算する。
【0057】
また、管理データD2は、例えば、部品装着機10のスロット12aにテープフィーダ50が装着されているか否かを示すデータ、リール保持部14にリール90が配置されているか否かを示すデータなどを含んでいる。また、管理データD2は、部品装着機10の装着部材ごとにその装着部材に対応可能な部材種類を示すデータを含んでよい。例えば、テープフィーダ50ごとにそのテープフィーダ50に装着可能なテープガイド60の種類及びそのテープフィーダ50に対応可能なリール90の種類を示すデータを含んでよい。
【0058】
ホストコンピュータ30は、部品装着機10のスロット番号と、部品装着機10のスロット12aに装着されているテープフィーダ50の個体識別情報と、そのテープフィーダ50に装着されているテープガイド60の個体識別情報と、そのテープフィーダ50に対応するリール保持部14に保持されているリール90の個体識別情報と、そのリール90に巻回されているキャリアテープ80に収容されている部品3の部品コードを含む部品情報と、を互いに関連付けて管理データD2として記憶部32に記憶している。
【0059】
ホストコンピュータ30の制御部31は、タグリーダ20から供給されるコードを通信部33で受信すると、その受信したコードが示す個体識別情報を用いて、部品装着機10の各装着部材(具体的には、テープフィーダ50、テープガイド60、及びリール90)が適切に装着されているか否かの照合を行う。そして、制御部31は、タグリーダ20で個体識別情報が読み込まれた装着部材の照合結果をタグリーダ20に通知する。
【0060】
タグリーダ20の制御部22は、その照合結果を受信すると、その照合結果が正常であるときは、その正常の旨や部品装着機10における各装着部材の関連性を表示部23に表示させ、一方、その照合結果が異常であるときは、照合エラーの旨や部品装着機10において誤装着された装着部材を表示部23に表示させる。
【0061】
また、管理データD2は、図7に示す如く、特にテープフィーダ50に装着されるテープガイド60の管理情報を含む。このテープガイド60の管理情報は、テープガイド60の使用履歴やテープガイド60の所在情報を示すデータを少なくとも含む。また、この管理情報は、テープガイド60の製造元を示す情報を含んでよい。
【0062】
使用履歴としては、テープガイド60がテープフィーダ50に装着された装着回数や部品露出部64で部品露出処理が行われた露出処理回数などの使用回数が含まれると共に、更には、その露出処理回数に対するその部品露出処理の成否度合い(例えば、成功回数や成功率又は失敗回数や失敗率)などが含まれる。
【0063】
尚、使用履歴は、そのテープガイド60の使用開始や点検終了からの使用履歴であってよい。また、使用履歴は、そのテープガイド60が装着されていたテープフィーダ50が複数ある場合は、そのテープガイド60が装着されるテープフィーダ50ごとに定められていてよい。或いは、使用履歴は、そのテープガイド60が装着されていたテープフィーダ50の種類が複数ある場合は、そのテープガイド60が装着されるテープフィーダ50の種類ごとに定められていてよい。
【0064】
また、使用履歴は、テープガイド60の製造年月日などの製造時やその製造後使用可能期間(例えば1年や3年など)などの情報を含んでよい。また、テープガイドタグ60a内の情報には、そのテープガイド60の個体識別情報がタグリーダ20によって読み取られた読込年月日、或いは、そのテープガイド60が個別に密閉された袋や箱から使用可能に取り出された取出年月日などの使用開始時、そのテープガイド60の使用開始からの使用可能期間などの情報が含まれてよい。尚、製造後使用可能期間又は使用開始後使用可能期間は、通常使用環境下でテープガイド60により部品露出処理が適切に行われなくなると予想される期間に定められていてよい。
【0065】
また、所在情報は、工場内でそのテープガイド60が使用されている部品装着機10の識別情報や位置、管理倉庫でそのテープガイド60が保管されている保管位置、そのテープガイド60が運搬されている運搬車の位置などの所在位置を含む。
【0066】
8.テープガイド管理システムの動作及び効果
テープガイド管理システム1において、ベリファイ作業時など(図8に示すステップS101)に、タグリーダ20によりテープフィーダ50のフィーダタグ50a、テープガイド60のテープガイドタグ60a、又はリール90のリールタグ90aから個体識別情報を示すコードが読み取られると、その読み取られたコードは、ホストコンピュータ30に送信される。
【0067】
ホストコンピュータ30の制御部31は、タグリーダ20からのコードを受信すると(ステップS102)、読出部31dにて記憶部32からそのコードが示す個体識別情報と関連付けられている管理データD2を読み出し(ステップS103)、使用制御部31bにてその読み出した管理データD2に従ってその個体識別情報が読み込まれた装着部材の照合を行う(ステップS104)。そして、制御部31は、その照合結果を通信部33を介してタグリーダ20に通知する(ステップS105)。
【0068】
タグリーダ20の制御部22は、ホストコンピュータ30からの照合結果を受信すると、その照合結果が正常であるときは、その正常の旨や更には部品装着機10における各装着部材の関連性を表示部23に表示させ、一方、その照合結果が異常であるときは、照合エラーの旨や更には部品装着機10において誤装着された装着部材を表示部23に表示させる。
【0069】
かかるエラー表示が行われると、作業者は、誤装着された装着部材の交換や修理を促されて、照合エラーに対処することが可能となる。従って、上記したタグリーダ20とホストコンピュータ30との連係により、誤装着された装着部材が部品装着機10に装着された状態に維持されるのを防止することができる。
【0070】
また、ホストコンピュータ30の制御部31は、部品装着機10側(具体的には、テープフィーダ50)から送信される、部品露出部64での部品露出処理が行われた旨及びその部品露出処理の成否を示す情報を受信する(図9に示すステップS111)と、読出部31dにて記憶部32に管理データD2として記憶されているその部品装着機10の装着部材の使用履歴を読み出して(ステップS112)、更新部31aにてその使用履歴を更新する処理を実行する(ステップS113)。
【0071】
例えば、制御部31の更新部31aは、記憶部32に記憶されているそのテープガイド60による部品露出処理回数を“1”だけインクリメントすると共に、その部品露出処理が失敗していた場合は、記憶部32に記憶されているそのテープガイド60による部品露出処理の失敗回数を“1”だけインクリメントする。更に、露出処理回数や失敗回数をインクリメントした場合は、記憶部32に記憶されているそのテープガイド60による部品露出処理の失敗率を演算する。尚、この失敗率とは、テープガイド60による部品露出処理が行われた露出処理回数のうちその部品露出処理が失敗した失敗回数が占める割合のことである。
【0072】
尚、上記の使用履歴(特に、失敗回数及び失敗率)の更新は、その更新時点でそのテープガイド60が装着されているテープフィーダ50に対して或いはそのテープフィーダ50の種類に対してのみ行われればよく、そのテープガイド60が装着されていないテープフィーダ50に対して或いはそのテープフィーダ50の種類に対しては行われなくてもよい。
【0073】
ホストコンピュータ30の記憶部32は、テープガイド60ごとに或いはテープガイド60の種類ごとに、使用が制限されるべきと設定された下限の使用制限回数、使用制限失敗回数、又は使用制限失敗率を使用制限閾値として記憶していると共に、テープガイド60の点検時期や交換時期などを作業者に案内すべき使用回数として設定された案内設定回数を記憶している。尚、案内設定回数は、テープガイド60による部品露出処理が適切に行われなくなると予想される下限回数であって、上記の使用制限回数よりも少なくなるように設定されている。
【0074】
制御部31は、上記のベリファイ作業時又は上記の更新処理時、読出部31dにて記憶部32に記憶されている対応のテープガイド60の個体識別情報に関連付けられている使用履歴を読み出して(図10に示すステップS121及び図11に示すステップS131)、使用制御部31bにてその使用履歴に基づいてそのテープガイド60の使用を制御する。使用制御部31bは、この使用制御をテープガイド60ごとに実行する。
【0075】
具体的には、使用制御部31bは、テープガイド60による使用回数と案内設定回数とを比較してその使用回数がその案内設定回数以上となるか否かを判別する(ステップS122)。また、その使用回数と使用制限回数とを比較してその使用回数がその使用制限回数以上であるか否かを判別すると共に、そのテープガイド60による部品露出処理の失敗回数又は失敗率と使用制限失敗回数又は使用制限失敗率とを比較してその失敗回数がその使用制限失敗回数以上である又はその失敗率がその使用制限失敗率以上であるか否かを判別する(ステップS132)。そして、使用制御部31bは、上記の判別結果に基づいてそのテープガイド60の使用を制御する。
【0076】
例えば、制御部31は、テープガイド60の使用回数が案内設定回数未満であるときは、そのテープガイド60について作業者に対する点検や交換の案内処理を行わない。一方、テープガイド60の使用回数が案内設定回数以上となったときは、第一案内制御部31cにてそのテープガイド60について作業者に対する点検や交換の案内処理を行う(ステップS123)。
【0077】
上記の案内処理としては、例えば、部品装着機10に設けられた表示装置(図示せず)、タグリーダ20の表示部23、又はホストコンピュータ30の表示部34に、そのテープガイド60の点検時期などが到来することを作業者に知らせる表示を行わせることであって、その到来自体とその到来時期とを表示させることである。
【0078】
上記の案内処理によれば、テープガイド60個々についてそのテープガイド60による部品露出処理が適切に行われなくなる前に、作業者にそのテープガイド60の点検や交換を促すことができる。作業者は、テープガイド60の点検や交換が促された場合、テープフィーダ50に装着されるテープガイド60を点検し又は交換する。このため、テープフィーダ50に装着されるテープガイド60を常に最適な状態に維持させることができ、部品装着機10でのテープガイド60を用いた適切な部品露出処理を確保することができる。これにより、テープガイド60による部品露出処理を“成功”に導き易くして、生産効率が低下するのを抑えることができる。
【0079】
また、制御部31は、テープガイド60の使用回数が使用制限回数未満でありかつテープガイド60による部品露出処理の失敗回数又は失敗率が使用制限失敗回数又は使用制限失敗率未満であるときは、そのテープガイド60の使用を制限することなく許可する。一方、テープガイド60の使用回数が使用制限回数以上であり、又は、テープガイド60による部品露出処理の失敗回数若しくは失敗率が使用制限失敗回数又は使用制限失敗率以上であるときは、使用制限部31eにてそのテープガイド60の使用を制限する(ステップS133)。
【0080】
この使用制限としては、例えば、部品装着機10に対してそのテープガイド60による部品露出処理を禁止するように要求することやその禁止に加えて又はその禁止に代えて作業者にそのテープガイド60による部品露出処理を行わないように促す表示を行わせることである。
【0081】
上記の使用制限によれば、テープガイド60ごとに、使用回数や部品露出処理の成否度合いが所定の使用制限条件を満たさなくなったテープガイド60の使用を制限し又は更にはその使用を制限するように作業者に促すことができる。作業者は、テープガイド60の使用が制限された場合、テープフィーダ50に装着されるテープガイド60を点検し又は交換して、テープフィーダ50による部品3の供給を再開させることができる。このため、部品露出処理を実行させるうえで最適な状態を維持できないテープガイド60の使用を排除でき、部品装着機10でのテープガイド60を用いた適切な部品露出処理を維持することが可能である。これにより、テープガイド60による部品露出処理を“成功”に導き易くして、生産効率が低下するのを抑えることができる。
【0082】
尚、上記したテープガイド60の使用制限は、そのテープガイド60が装着され得るすべてのテープフィーダ50のうち使用制限の条件(特に、失敗回数や失敗率に関する条件)が満たされるテープフィーダ50に対するものだけであってもよいし、又は、そのテープガイド60が装着され得るテープフィーダ50の全種類のうち使用制限の条件(特に、失敗回数や失敗率に関する条件)が満たされるテープフィーダ50の種類に対するものだけであってもよい。
【0083】
上記の如くテープガイド60の使用制限が特定のテープフィーダ50に対するものだけであれば、使用制限の条件を満たさないテープフィーダ50又はその種類に対するテープガイド60の使用は許可され、テープガイド60の使用が限定的ではあるが継続される。このため、テープガイド60が無駄に廃棄されるのを防止することができ、テープガイド60の使用を効率的なものとすることができ、テープガイド60の廃棄を考慮してテープガイド60の所持数(すなわち、在庫数)が多くなるのを抑えることができる。
【0084】
尚、テープガイド60の交換開始時や交換完了後に作業者によりホストコンピュータ30などに設けられた操作部に対して所定操作が行われることで、制御部31がテープガイド60の使用制限や使用再開を実行するものであってもよい。
【0085】
また、ホストコンピュータ30の制御部31は、成否集計部31fにてテープガイド60の種類ごとに部品露出処理の成否度合いを集計することが可能である。具体的には、制御部31は、まず、記憶部32に管理データD2として記憶されている、すべてのテープガイド60の個体識別情報と関連付けられたそのテープガイド60の使用履歴を読み出す(図12に示すステップS141)。そして、成否集計部31fにて、テープガイド60の種類ごとにその使用履歴を纏めて、そのテープガイド60の種類ごとに部品露出処理の成否度合いを集計する(ステップS142)。
【0086】
上記の成否度合いは、種類が同じすべてのテープガイド60の各露出処理回数を総計した総露出処理回数における部品露出処理が成功した総成功回数と失敗した総失敗回数との割合のことである。この成否度合いは、例えば、上記の総露出処理回数に対して、それらのテープガイド60の各失敗回数を総計した総失敗回数が占める割合である総失敗率又は逆にそれらのテープガイド60の各成功回数を総計した総成功回数が占める割合である総成功率のことである。また、この成否度合いは、テープフィーダ50が部品露出処理を行ったキャリアテープ80の種類ごとに又はテープガイド60が装着されるテープフィーダ50の種類ごとに分けて集計されるものであってよい。
【0087】
制御部31は、上記の如くテープガイド60の種類ごとに部品露出処理の成否度合いを集計すると、第二案内制御部31gにてその集計結果に基づいたテープガイド60の種類とキャリアテープ80(特にその種類)又はテープフィーダ50(特にその種類)とのマッチング度合いを示す案内を作業者に対して行う(ステップS143)。例えば、第二案内制御部31gは、表示部34などにそのマッチング度合いを表示させる。かかる処理が行われると、表示部34に、テープガイド60の種類とキャリアテープ80又はテープフィーダ50とのマッチング度合いが表示される。
【0088】
尚、案内されるマッチング度合いとは、集計結果である総失敗率自体や総成功率自体であってもよいし、それらの総失敗率や総成功率を例えば「優」、「良」、「可」、「不可」の四段階で示したものであってもよい。
【0089】
作業者は、上記の如く案内されたマッチング度合いを見て、テープガイド60の種類ごとに相性が良い又は逆に相性が悪いキャリアテープ80又はテープフィーダ50を把握することが可能である。この場合、作業者は、特定のキャリアテープ80やテープフィーダ50に対して相性の悪いテープガイド60の使用を排除することができ、特定のキャリアテープ80やテープフィーダ50に対して相性の良いテープガイド60のみを使用させることができる。このため、部品装着機10においてテープフィーダ50に装着されるテープガイド60にキャリアテープ80に対する部品露出処理を実行させるうえで、そのテープガイド60の適正使用を確保することができる。
【0090】
このように、テープガイド管理システム1は、部品3が収容されるキャリアテープ80を送るテープフィーダ50に装着され、キャリアテープ80から部品3を露出させることが可能なテープガイド60を管理する。テープガイド管理システム1は、テープガイド60ごとに設けられ、個体識別情報を示すテープガイドタグ60aと、テープガイドタグ60aから個体識別情報を読み込むタグリーダ20と、個体識別情報と管理データD2としてのテープガイド60の管理情報とを関連付けて記憶する記憶部32と、タグリーダ20により読み込まれた個体識別情報に対応する管理情報に基づいて、テープガイド60の管理を行うホストコンピュータ30と、を備える。
【0091】
この構成によれば、テープフィーダ50に装着されるテープガイド60個々の個別使用を管理することができる。
【0092】
また、テープガイド管理システム1において、テープガイド60の上記管理情報は、テープガイド60の使用履歴を含み、ホストコンピュータ30の制御部31は、テープガイド60においてキャリアテープ80から部品3を露出させる部品露出処理が行われる場合に、記憶部32に記憶されるそのテープガイド60の個体識別情報に対応する使用履歴を更新する。この構成によれば、テープガイド60個々の使用履歴を個体識別情報に対応させて蓄積することができる。
【0093】
また、テープガイド管理システム1において、テープガイド60の上記管理情報は、テープガイド60の使用履歴を含み、ホストコンピュータ30の制御部31は、記憶部32に記憶されている使用履歴に基づいて、テープガイド60の使用を制御する。この構成によれば、テープガイド60の使用履歴に従ってその適正使用を図ることができる。
【0094】
また、テープガイド管理システム1において、ホストコンピュータ30の制御部31は、記憶部32に記憶されている使用履歴に基づいて、テープガイド60の点検又は交換を促す案内を作業者に対して行う。この構成によれば、テープガイド個々について部品露出処理が適切に行われなくなる前に、作業者にそのテープガイド60の点検や交換を促すことができので、テープフィーダ50に装着されるテープガイド60を常に最適な状態に維持させることができる。
【0095】
また、テープガイド管理システム1において、ホストコンピュータ30の制御部31は、使用履歴としての使用回数が案内設定回数以上となった場合に、テープガイド60の点検又は交換を促す案内を作業者に対して行い、又は、使用履歴としての部品露出処理が失敗した失敗回数が使用制限失敗回数以上になった若しくは失敗率が使用制限失敗率以上となった場合に、そのテープガイド60による部品露出処理を行わないように促す案内を作業者に対して行う。この構成によれば、テープガイド個々について部品露出処理が適切に行われなくなる前に、作業者にそのテープガイド60の点検や交換を促すことができので、テープフィーダ50に装着されるテープガイド60を常に最適な状態に維持させることができる。
【0096】
また、テープガイド管理システム1において、使用履歴は、部品露出処理が実行された露出処理回数及び部品露出処理の成否度合いを含む。この構成によれば、露出処理回数及びその成否度合いを更新し或いはその露出処理回数及びその成否度合いに基づいてテープガイド60の使用を制御することができる。
【0097】
また、テープガイド管理システム1において、ホストコンピュータ30の制御部31は、タグリーダ20により読み込まれた個体識別情報に対応する成否度合いを記憶部32から読み出して、その成否度合いとしての部品露出処理が失敗した失敗回数又は失敗率が使用制限失敗回数以上又は使用制限失敗率以上である場合に、その個体識別情報のテープガイド60の使用を制限する。この構成によれば、部品露出処理の失敗回数又は失敗率が高くなったテープガイド60の使用を制限するので、部品露出処理を実行させるうえで最適な状態を維持できないテープガイド60の使用を排除でき、部品装着機10でのテープガイド60を用いた適切な部品露出処理を維持することができる。
【0098】
また、テープガイド管理システム1において、使用履歴は、テープガイド60が部品3を露出させるキャリアテープ80の種類ごと又はテープガイド60が装着されるテープフィーダ50の種類ごとの露出処理回数及び前記成否度合いを含む。この構成によれば、キャリアテープ80の種類ごと又はテープフィーダ50の種類ごとのテープガイド60の露出処理回数及びその成否度合いを更新し或いはその露出処理回数及びその成否度合いに基づいてテープガイド60の使用を制御することができる。
【0099】
また、テープガイド管理システム1において、ホストコンピュータ30の制御部31は、タグリーダ20により読み込まれた個体識別情報に対応する成否度合いを記憶部32から読み出して、その成否度合いとしての部品露出処理が失敗した失敗回数又は失敗率が使用制限失敗回数以上又は使用制限失敗率以上である場合に、その成否度合いに対応するキャリアテープの種類又はテープフィーダの種類に対するその個体識別情報のテープガイド60の使用を制限する。この構成によれば、特定種類のキャリアテープ80又はテープフィーダ50に対する部品露出処理の失敗回数又は失敗率が高くなったテープガイド60の使用を制限するので、部品露出処理を実行させるうえで最適な状態を維持できないテープガイド60の使用を排除でき、部品装着機10でのテープガイド60を用いた適切な部品露出処理を維持することができる。
【0100】
また、テープガイド管理システム1において、ホストコンピュータ30の制御部31は、テープガイド60の種類ごとに成否度合いを集計して、その集計された成否度合いに基づいて、テープガイドの種類ごとのキャリアテープ又はテープフィーダとのマッチング度合いを示す案内を作業者に対して行う。この構成によれば、作業者に、テープガイド60の種類ごとに相性が良い又は逆に相性が悪いキャリアテープ80又はテープフィーダ50を示すことができるので、部品装着機10においてテープフィーダ50に装着されるテープガイド60にキャリアテープ80に対する部品露出処理を実行させるうえで、そのテープガイド60の適正使用を確保することができる。
【0101】
また、テープガイド管理システム1において、マッチング度合いは、部品露出処理が成功した成功回数と失敗した失敗回数との割合である。この構成によれば、作業者に、テープガイド60による部品露出処理が成功した成功回数と失敗した失敗回数との割合を示すことができる。
【0102】
また、テープガイド管理システム1において、テープフィーダ50は、キャリアテープ80のテープ端が挿入される挿入部51aと、挿入部51aにテープ端が挿入されたキャリアテープ80を部品移載位置Psまで送る送り部52,53と、を有するオートローディングフィーダである。この構成によれば、テープガイド60の個別管理を、テープフィーダ50とテープガイド60とリール90(ひいてはキャリアテープ80)との配置位置関係がシビアなオートローディングフィーダに適用することができる。
【0103】
また、テープガイド管理システム1において、タグリーダ20は、作業者により持ち運び可能なハンディタイプのリーダであり、又は、テープフィーダ50のフィーダ本体51に取り付けられ若しくはテープガイド60を保管する管理倉庫に設けられたリーダである。この構成によれば、適材箇所でテープガイド60の個別識別情報を読み込んで、そのテープガイド60の個別管理を行うことができる。
【0104】
また、テープガイド管理システム1において、タグリーダ20によるテープガイドタグ60aからの個体識別情報の読み込みは、テープガイド60がテープフィーダ50に装着されかつテープフィーダ50に対してキャリアテープ80を巻回するリール90がセットされた状態で行われるベリファイ作業時に行われる。この構成によれば、ベリファイ作業時にテープガイド60の個体識別情報と関連付けられた管理データD2を読み出すことができる。
【0105】
また、テープガイド管理システム1において、テープガイド60の上記管理情報は、テープガイド60の使用履歴を含み、ホストコンピュータ30の制御部31は、タグリーダ20による個体識別情報の読み込みが行われた際に、記憶部32に記憶されている使用履歴を読み出して、その使用履歴に基づいてそのテープガイド60の使用を制御する。この構成によれば、個体識別情報の読み込み時に記憶部から読み出されるテープガイド60の使用履歴に従ってその適正使用を図ることができる。
【0106】
尚、上記の実施形態においては、テープガイドタグ60aが特許請求の範囲に記載した「タグ」に相当する。ホストコンピュータ30が特許請求の範囲に記載した「管理装置」に相当する。ホストコンピュータ30の制御部31が特許請求の範囲に記載した「更新部」、「使用制御部」、「第一案内制御部」、「読出部」、「使用制限部」、「成否集計部」、及び「第二案内制御部」に相当する。
【0107】
9.変形態様
ところで、上記の実施形態においては、ホストコンピュータ30の制御部31が、部品装着機10でのテープガイド60の使用についてテープガイド60個々の個別管理を行うこととしている。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、図13に示す如く、テープガイド60が複数の保管棚を有する管理倉庫70で保管されるとき或いは複数の管理倉庫70のうちの何れかで保管されるときは、テープガイド60ごとに管理倉庫70に対する入庫及び出庫を管理するものに適用することとしてもよい。
【0108】
例えば、管理倉庫70の入庫口及び出庫口にタグリーダ20を配置したうえで、テープガイド60が入庫されるごと及び出庫されるごとに、そのタグリーダ20がテープガイド60のテープガイドタグ60aから個体識別情報を読み込み、ホストコンピュータ30の制御部31が、その読み込まれた個体識別情報に関連付けられた所在位置を記憶部32から読み出し、制御部31の入出庫管理部31hがその所在位置を更新することとしてもよい。
【0109】
かかる変形形態によれば、記憶部32内の所在位置の情報を管理倉庫70に対するテープガイド60の入庫及び出庫に従って更新することができ、管理倉庫70に対するテープガイド70の入庫及び出庫を管理することができる。このため、管理倉庫70でのテープガイド60の所持数を把握し易くすることができ、これにより、工場内のテープガイド60の所持数の最適化を図ることができる。また、記憶部32内の所在位置を作業者に案内することができれば、テープガイド60ごとに管理走行70での所在位置を作業者に容易に確認させることが可能となる。
【符号の説明】
【0110】
1:テープガイド管理システム、2:基板、3:部品、10:部品装着機、20:タグリーダ、22:制御部、30:ホストコンピュータ(管理装置)、31:制御部、31a:更新部、31b:使用制御部、31c:第一案内制御部、31d:読出部、31e:使用制限部、31f:成否集計部、31g:第二案内制御部、32:記憶部、50:テープフィーダ、50a:フィーダタグ、60:テープガイド、60a:テープガイドタグ、64:部品露出部、70:管理倉庫、80:キャリアテープ、90:リール、90a:リールタグ。
図1
図2
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図13