(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】電気式油田コンテナパッケージ
(51)【国際特許分類】
F04B 41/06 20060101AFI20230928BHJP
F04D 25/16 20060101ALI20230928BHJP
F04D 29/60 20060101ALI20230928BHJP
F04D 29/58 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
F04B41/06
F04D25/16
F04D29/60 H
F04D29/58 P
F04D29/58 M
(21)【出願番号】P 2022526768
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019062017
(87)【国際公開番号】W WO2021101507
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】507189747
【氏名又は名称】サルエアー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・アール・カールソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ランダル
(72)【発明者】
【氏名】フリードマー・ランペール
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-211119(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129366(WO,A1)
【文献】特表2008-505701(JP,A)
【文献】特開2005-264938(JP,A)
【文献】特開2008-111417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 41/06
F04D 25/16
F04D 29/60
F04D 29/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型コンテナパッケージであって、
前記可搬型コンテナパッケージの一端に配設された第1の冷却器、および
第1の方向に向けられた第1の電気モータ、
を備える第1の空気圧縮機と、
前記可搬型コンテナパッケージの前記一端と反対側の端に配設された第2の冷却器、および
前記第1の方向と反対の第2の方向に向けられた第2の電気モータ、
を備える第2の空気圧縮機と、
前記第1の空気圧縮機のための空気流を受け入れるように構成された、前記コンテナパッケージの一方の側部に設けられた第1の通気孔と、
前記第2の空気圧縮機のための空気流を受け入れるように構成された、前記コンテナパッケージの前記一方の側部の反対側の側部に設けられた第2の通気孔と、
前記第1の通気孔を通じて第1の空気流を受け入れ、前記第1の空気流を前記第2の空気圧縮機に供給するように構成された第1の空気入口と、
前記第2の通気孔を通じて第2の空気流を受け入れ、前記第2の空気流を前記第1の空気圧縮機に供給するように構成された第2の空気入口と、
を備える可搬型コンテナパッケージ。
【請求項2】
前記第1の空気圧縮機および前記第2の空気圧縮機が並置構成で配置される、請求項1に記載の可搬型コンテナパッケージ。
【請求項3】
前記可搬型コンテナパッケージ内の前記第1の空気圧縮機と前記第2の空気圧縮機との間に配設されたバッフルをさらに備え、前記バッフルが前記第1の空気圧縮機と前記第2の空気圧縮機とを分離する、請求項1に記載の可搬型コンテナパッケージ。
【請求項4】
前記第1の空気圧縮機に接続された第1の内蔵コンピュータと、前記第2の空気圧縮機に接続された第2の内蔵コンピュータと、をさらに備え、前記第1の内蔵コンピュータおよび前記第2の内蔵コンピュータが、ネットワークを通じて管理装置から命令を受け取り、前記ネットワークを通じて前記管理装置に測定結果を提供するように構成されている、請求項1に記載の可搬型コンテナパッケージ。
【請求項5】
前記可搬型コンテナパッケージのフットプリントが実質的に矩形である、請求項1に記載の可搬型コンテナパッケージ。
【請求項6】
前記第1の冷却器および前記第2の冷却器が分割冷却器である、請求項1に記載の可搬型コンテナパッケージ。
【請求項7】
システムであって、
可搬型コンテナパッケージ内に設置された第1の空気圧縮機であって、
前記可搬型コンテナパッケージの一端に配設された第1の冷却器、および
第1の方向に向けられた第1の電気モータ、
を備える第1の空気圧縮機と、
前記可搬型コンテナパッケージ内に設置された第2の空気圧縮機であって、
前記可搬型コンテナパッケージの前記一端と反対側の端に配設された第2の冷却器、および
前記第1の方向と反対の第2の方向に向けられた第2の電気モータ、
を備える第2の空気圧縮機と、
前記第1の空気圧縮機のための空気流を受け入れるように構成された、前記コンテナパッケージの一方の側部に設けられた第1の通気孔と、
前記第2の空気圧縮機のための空気流を受け入れるように構成された、前記コンテナパッケージの前記一方の側部の反対側の側部に設けられた第2の通気孔と、
前記第1の通気孔を通じて第1の空気流を受け入れ、前記第1の空気流を前記第2の空気圧縮機に供給するように構成された第1の空気入口と、
前記第2の通気孔を通じて第2の空気流を受け入れ、前記第2の空気流を前記第1の空気圧縮機に供給するように構成された第2の空気入口と、
を備えるシステム。
【請求項8】
前記第1の空気圧縮機および前記第2の空気圧縮機が並置構成で配置される、請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記可搬型コンテナパッケージ内の前記第1の空気圧縮機と前記第2の空気圧縮機との間に配設されたバッフルをさらに備え、前記バッフルが前記第1の空気圧縮機と前記第2の空気圧縮機とを分離する、請求項
7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の空気圧縮機に接続された第1の内蔵コンピュータと、前記第2の空気圧縮機に接続された第2の内蔵コンピュータと、をさらに備え、前記第1の内蔵コンピュータおよび前記第2の内蔵コンピュータが、ネットワークを通じて管理装置から命令を受け取り、前記ネットワークを通じて前記管理装置に測定結果を提供するように構成されている、請求項
7に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の冷却器および前記第2の冷却器が分割冷却器である、請求項
7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概略的には可搬型空気圧縮機に関し、より具体的には、可搬型空気圧縮機を伴う電気式油田コンテナパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術には、油田や海洋掘削用途で利用される高流量のディーゼル駆動圧縮機パッケージがある。油田および海洋掘削用途は、多量の圧縮空気を必要とし、それは現在、そのようなディーゼル駆動圧縮機パッケージの大きなアレイを設置することによって対処されており、パッケージは、運送のために設けられる個々の可搬型ディーゼル駆動圧縮機を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、油田および海洋掘削現場は、それらの場所に起因して固有の騒音および空間の制約を有する。海洋掘削現場や遠隔の油田は、そのような可搬型空気圧縮機を配置するための空間が限られていることがある。さらに、空気圧縮機が動作の間に過剰な熱を生成し得るのに伴い、限られた空間の制約のために、熱管理も問題となり得る。
【0004】
加えて、そのような可搬型空気圧縮機には保守管理費用およびダウンタイムが関心事となる。油田および海洋掘削現場は遠隔地にあり得るため、そのような可搬型空気圧縮機に利用できる保守管理が限られ、しばしば、時間のかかるプロセス、およびそのような空気圧縮機に対して保守管理を行う必要性から生じ得るダウンタイムが、結果的に油またはガスの生産の減少または損失を生じさせ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、油田および海洋用途に適する、標準化されたコンテナフットプリント内でパッケージされた電動式高流量圧縮機のシステムである。パッケージ式の解決法は、1つのコンテナ内にパッケージされた複数の独立した空気圧縮機を伴う。
【0006】
複数の空気圧縮機を備える提案される可搬型コンテナパッケージを通じて、例示的な実装形態は、関連技術のディーゼル圧縮機システムの諸態様に対処することができる。ディーゼルエンジンを電気モータに置き換えることにより、熱負荷および騒音レベルを低減し、ディーゼルエンジンに伴う保守管理費用およびダウンタイムをなくす。本明細書に記載されるように空気圧縮機を互いの反対方向に向けることと併せた電気モータ実装は、ディーゼルエンジン実装と比較して向上した信頼性ならびにより高い出力密度をもたらす。可搬型コンテナのフットプリントと、そのフットプリント内への複数の圧縮機システムの配置とを通じて、関連技術のディーゼル圧縮機の解決法よりも40~100%多い流量を達成することが可能である。
【0007】
本開示の態様は、可搬型コンテナパッケージを伴い、この可搬型コンテナパッケージは、可搬型コンテナパッケージの一端に配設された第1の冷却器および第1の方向に向けられた第1の電気モータを伴う、第1の空気圧縮機と、可搬型コンテナパッケージの上記一端と反対側の端に配設された第2の冷却器および第1の方向と反対の第2の方向に向けられた第2の電気モータを伴う、第2の空気圧縮機と、を含むことができる。
【0008】
本開示の態様は、システムを伴い、このシステムは、可搬型コンテナパッケージ内に設置された第1の空気圧縮機であって、可搬型コンテナパッケージの一端に配設された第1の冷却器および第1の方向に向けられた第1の電気モータを含む、第1の空気圧縮機と、可搬型コンテナパッケージ内に設置された第2の空気圧縮機であって、可搬型コンテナパッケージの上記一端と反対側の端に配設された第2の冷却器および第1の方向と反対の第2の方向に向けられた第2の電気モータを伴う、第2の空気圧縮機と、を伴う。
【0009】
本開示の様々な特徴を実施する一般的なアーキテクチャについて、次いで図面を参照しながら説明する。図面および関連する説明は、本開示の例示的な実装形態を説明するために提供され、本開示の範囲を制限するためではない。図面を通じて、参照される要素間の対応関係を示すために参照番号が再使用される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実装形態に係る空気圧縮機を例示する図である。
【
図2】一実装形態に係る圧縮機冷却システムを例示する図である。
【
図3】一実装形態に係る、コンテナパッケージに一体化された複数の空気圧縮機を例示する図である。
【
図4】別の実装形態に係る、1つまたは複数のバッフルをさらに伴う空気圧縮機システムの簡略ブロック図である。
【
図5】一実装形態に係る可搬型コンテナパッケージを例示する図である。
【
図6】一実装形態に係る、管理装置にネットワーク接続された複数の可搬型コンテナパッケージを伴うシステムを例示する図である。
【
図7】一実装形態で使用するのに適した例示的なコンピュータデバイスを有するコンピューティング環境を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本願の図および例示的な実装形態のさらなる詳細を提供する。図と図の間の重複する要素の参照番号および説明は、明瞭のために省略される。説明を通じて使用される用語は、例として提供され、制限的であることは意図されない。例えば、用語「自動的な」の使用は、本願の実装形態を実施する当業者の求める実装に応じて、完全に自動的な実装、またはユーザもしくはオペレータが実装の特定の態様を制御する半自動的な実装を伴い得る。さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」等の順序を表す用語は、詳細な説明および特許請求の範囲において、単に標識の目的で使用されることがあり、記載される動作または項目が記載される順番で発生することを言及することに制限されるべきでない。動作または項目は、本願の範囲から逸脱することなく、異なる順番に順序付けられてよく、または並行にもしくは動的に行われてよい。
【0012】
本明細書に記載される例示的な実装形態は、可搬型コンテナフットプリント(例えば標準的な輸送コンテナ)内に収容される可搬型圧縮機パッケージを伴い、多数の産業にわたる使用に適する。可搬型コンテナは、標準的な輸送および取り扱いの方法ならびに認可に対応するように設計される。それぞれの可搬型圧縮機パッケージは、複数の独立した圧縮機システムを収容する。それら複数のシステムからの流れが組み合わされて、高流量の圧縮空気を送出する。それぞれの独立した圧縮機システムは、主電気モータであって、圧縮機エアエンド、空気/油分離システム、電動ファンを含む冷却/潤滑システム、空気排出システム、空気取込システム、機械制御システムおよび電気制御システムを駆動するための主電気モータを収容する。
【0013】
独立したシステムの向きは、冷却空気流、温度、騒音、および性能を管理し、最適化するように配置される。さらに、内部空気流を管理するために内部バッフルシステムが使用されてよい。
【0014】
電気制御システムは、すべての独立したシステムを単一のユーザインターフェースから動作させるように設計される。加えて、制御システムは、流れおよびエネルギー使用を最適に制御するために、設備内の複数の圧縮機を制御し、順序設定することが可能である。さらに、制御システムは、設備内の複数の機械を管理するために必要とされるオペレータの数を減らすために、遠隔から制御され得る。
【0015】
図1は、例示的な実装形態による空気圧縮機の例示的な構成を示す。空気圧縮機の例示的な構成要素は、これらに限定されないが、エンジンモータ19、圧縮機冷却システム15、レシーバタンク16、および計器パネル/内蔵コンピュータ1を含むことができ、これらは電気系統によって相互接続することができる。求められる実装に応じて、圧縮機は、指定される要件を満たすように雑音の放出を低減するための消音材を備えることもできる。
【0016】
圧縮機冷却システム15は、放熱体、高容量ファン、およびサーモスタットなどの構成要素を伴い得る。高容量ファンは、放熱体を通じて空気を引き込み、エンジンモータ19を求められる動作温度に保つ。同じファンが、圧縮機冷却システム15内の流体も冷却する。放熱体を通過する間に、ファン空気は、圧縮機流体冷却器も通過する。空気が冷却器を通過するのに伴い、圧縮熱が流体から取り除かれる。同じファンが、エンジン吸気供給も冷却する。放熱体を通過する間に、ファン空気は、空気対空気後置冷却器を通過する。空気が空気対空気後置冷却器を通過するのに伴い、エンジンモータ19から熱が取り除かれる。
【0017】
空気圧縮機の例示的な実装形態では、流体が、圧縮機ユニットに注入され、ロータが回転するのに伴って空気と直接混ざり合い、空気を圧縮する。流体流は、いくつかの機能を有する。冷媒として、流体流は、圧縮熱に通常伴う空気温度の上昇を制御する。流体流はさらに、ロータとステータとの間、またロータ自体の間の隙間経路を封止する。流体流は、ロータ間の潤滑膜としても機能して、一方のロータが他方のロータを直接駆動することを可能にする。
【0018】
空気/流体混合物が圧縮機ユニットから排出された後、流体は空気から分離される。この時、空気は、後置冷却器および水分離器(備わっている場合)を通り、次いでサービスラインに流れ、一方で流体は再注入に備えて冷却されている。
【0019】
空気圧縮機の例示的な実装形態では、空気圧縮機は、圧縮された空気/流体混合物をレシーバタンク16内に排出する。レシーバタンク16は、一次流体分離器として機能すること、圧縮機流体貯蔵サンプの役割を果たすこと、および最後の流体分離器を収納することを含むいくつかの機能を有する。
【0020】
圧縮された空気/流体混合物は、レシーバタンク16に入り、タンク側壁に当たるように導かれる。方向の変化および速度の低下により、流体の大きな液滴が分離して、レシーバタンクの底部に落下する。圧縮された空気が分離器を通って流れるのに伴い、圧縮された空気中に残っているわずかな割合の流体が、最後の分離器要素の表面に溜まる。要素の表面に溜まる流体が増えるにつれて、流体は、分離器の底部に降下する。戻りライン(または掃気管)が、分離器要素の底部から空気圧縮機の入口領域に至る。分離器要素の底部に溜まる流体は、分離器要素の周囲のエリアと圧縮機入口との間の圧力差により、圧縮機に戻される。
【0021】
図2は、例示的な実装形態による圧縮機冷却システムの例示図を示す。圧縮機冷却システム15は、十分な潤滑を提供すると共に、圧縮機の適正な動作温度を維持するように構成される。冷却システム15の例示的な構成要素は、ファンシステム(図示せず)に加えて、圧縮機流体フィルタ21、温度弁22、止め弁23、冷却器24、および分離器タンク25を伴い得る。矢印は、圧縮機冷却システム内の流体流の方向の例を示している。
【0022】
例示的な空気圧縮機では、冷媒および潤滑剤として流体がシステム内で使用される。流体は、レシーバタンク16に収納される。始動時、流体の温度は冷たい。流体は、最も抵抗が少ない経路を取り、温度弁22に流れる。流体は、まず温度弁22に入り、次いで圧縮機ユニットに流れ、冷却器24を迂回する。圧縮機が動作し続けるにつれて、流体の温度が上昇し、温度弁要素が移動し始める。そのことが、流体の一部を強制的に流体冷却器に向かわせる。冷却器は、エンジンファンと共に動作する放熱体タイプである。ファンは、冷却器を通じて空気を引き込んで、流体から圧縮熱を取り除く。冷却器から、流体は、温度弁に返送される。流体の温度が弁の設定点に達する前は、冷却された流体が、より暖かい流体と混合される。流体の温度が、特定の求められる実装(例えば230°F(110°C)など)に達すると、温度要素は完全に移動して、すべての流体を冷却器24に流れさせる。温度弁22は圧力逃がし弁を内蔵しており、これは、冷却器が詰まったり凍ったりした場合に、流体が冷却器24を迂回することを可能にする。これは、潤滑のために流体が圧縮機に提供され続けることを保証する助けとなる。流体が温度弁22を通過した後、流体は次いで主流体フィルタ21を通って導かれる。そこで、流体は、空気圧縮機の圧縮室および軸受け内に注入するのに備えて濾過される。フィルタ21は、交換可能な要素と、フィルタ要素が詰まって交換を必要とするとき、または流体の粘度が適切な流量に対して高すぎるときでも流体が流れることを可能にする内蔵バイパス弁とを有する。流体が適正に濾過された後、流体は次いで圧縮機ユニットへと流れ、そこで、圧縮室を潤滑、封止、冷却すると共に、軸受けおよび歯車を潤滑する。
【0023】
流体止め弁23は、圧縮機ユニットへの流体供給を遮断する遮断時に機能する。流体止め弁23は、圧縮機排出からの圧力信号によって開に保持される。遮断時、圧力信号は失われ、流体止め弁23が閉じて、圧縮機ユニットを冷却システムから切り離す。
【0024】
上記の説明は空気圧縮機の例示的な構成および構成要素を説明しているが、空気圧縮機の構成要素および構成は、求められる実装に適用するために変更され得る。
【0025】
図3は、例示的な実装形態による、コンテナパッケージに一体化された複数の空気圧縮機の例を示す。具体的には、
図3は、例示的な実装形態による、複数の空気圧縮機を一体化した可搬型コンテナパッケージの例示的な上面図を示す。油田および油田掘削設備の使用に適する構成を提供しつつ、関連技術の空気圧縮機システムの課題に対処するために、本明細書に記載される例示的な実装形態は、
図1および
図2に示されるような空気圧縮機システムの様々な構成要素を、並置構成で可搬型コンテナパッケージ300に一体化する。例示的な実装形態では、空気圧縮機システムは、空気入口システム32、モータ30、および圧縮機冷却系31のレイアウトが、並置構成において互いと反対の向き/方向になるように構成される。そのような構成を通じて、各空気圧縮機システムの空気取込は、モータ30の向き方向に沿って、かつ圧縮機冷却系31の方へ流れる。
【0026】
図3に示される例示的な構成では、モータ30は、可搬型コンテナパッケージ内の圧縮機のサイズを低減するために、関連技術のディーゼルエンジンに代えて電気モータである。電気モータ30の使用により、熱負荷および空気圧縮機の騒音レベルが低減し、ディーゼルエンジンに伴う保守管理費用およびダウンタイムがなくなる。可搬型コンテナパッケージ内のサイズの低減をさらに助けるために、分割冷却器システムが圧縮機冷却系31に利用され、各冷却系31は、コンテナパッケージ300の互いに反対側の端に一体化される。この構成を通じて、1つのみのディーゼル単独エンジンシステムをコンテナ内に一体化する関連技術の空気圧縮機システムと対照的に、複数の空気圧縮機を可搬型コンテナパッケージ内にコンパクトに一体化することができる。複数の空気圧縮機がコンテナパッケージ内に一体化されるため、それにより、コンテナパッケージ内に一体化された空気圧縮機システムの出力密度を増大することができ、一方で、複数の空気入口システム32のレイアウトおよび向きを通じて、関連技術のディーゼル圧縮機の解決法よりも40~100%多い流量が得られる。
【0027】
図4は、別の例示的な実装形態による、空気圧縮機を含み、さらに1つまたは複数のバッフルを伴う可搬型コンテナパッケージ400の簡略ブロック図を示す。空気圧縮機を含む可搬型コンテナパッケージ400の例示的な構成では、コンテナパッケージ400の一端の方に向けられた第1の空気圧縮機と、第1の空気圧縮機と並置構成で配置され、コンテナパッケージ400の反対側の端の方に向けられた第2の空気圧縮機とがある。
図4に示されるように、第1の空気圧縮機の向きは、冷却器403-1が可搬型コンテナパッケージ400の一端に配設され、電気モータ401-1がそれに応じた向きとされるような向きとされる。第1の空気圧縮機をコンテナパッケージ400内に一体化するために、空気圧縮機のフットプリントを減らすべく、電気モータ401-1および分割冷却器403-1が、ファンと共に利用される。求められる実装に応じて、分割冷却器403-1および403-2は、空気冷却の代わりに、水冷却を容易にする水冷却器の形態であることも可能である。
【0028】
同様に、第2の空気圧縮機は、第1の空気圧縮機の反対方向に向けられており、それにより、分割冷却器403-2がコンテナパッケージ400の反対側の端に配設され、電気モータ401-2も同様の向きとされる。
【0029】
例示的な実装形態では、第1の空気圧縮機は、冷却空気流が、矢印402-1によって示される方向に一方の側からコンテナ400を通って第1の空気圧縮機内に提供されるように、空気入口から空気を取り込む。第2の空気圧縮機は、冷却空気流が矢印402-2によって示される方向に第2の空気圧縮機内に提供されるよう、冷却空気流が、第1の空気圧縮機の入口の反対側からコンテナ400を通って提供されるように、空気入口から空気を取り込む。さらに、
図4の太い矢印および白抜きの矢印によって示されるように、追加的な空気入口404-1および404-2を利用して、一次空気入口から空気を引き込んで、反対側の空気圧縮機に提供することができる。
【0030】
空気圧縮機ユニット同士を分離するために、1つまたは複数のバッフル405がコンテナ400の内部に設けられて、空気流が空気入口404-1、404-2の外側で空気圧縮機間を横切らないようにすることができる。1つまたは複数のバッフル405は、コンテナの中に配設されて空気圧縮機を分離する任意種の物理的障壁(例えば、コンテナパッケージ400と同じ材料で作られた金属製の壁)であり得、求められる実装に従って任意の材料で作られ得る。
【0031】
図5は、例示的な実装形態による、可搬型コンテナパッケージの例示的な外観図を示す。
図5に示されるように、可搬型コンテナパッケージのフットプリントは、実質的に矩形の標準化されたコンテナフットプリントを伴うことができ、複数の空気圧縮機による空気取込を容易にするために、1つまたは複数の通気孔500が、可搬型コンテナパッケージの外部にわたって配設されている。可搬型コンテナパッケージの各側部は、可搬型コンテナパッケージ自体の構造に一体化され得る、または求められる実装によっては取り外し可能であり得る、通気孔を含むことができる。
【0032】
図5に示されるように可搬型コンテナパッケージの中に複数の空気圧縮機を一体化することにより、本明細書に記載される例示的な実装形態は、油田や石油掘削装置などの空間が限られている環境で使用するために、可搬型かつ積み重ね可能とすることができる。複数の空気圧縮機は、それにより、輸送、保管、および使用のために互いの上に重ねることができ、トラックや船などの標準的な運送方法を通じて運送することができる。円筒形コンテナなどのコンテナパッケージの他の形状(例えば、輸送トラックに一体化される)も、求められる実装に従って利用され得、本開示はそれに限定されない。
【0033】
図6は、例示的な実装形態による、管理装置にネットワーク接続された複数の可搬型コンテナパッケージを伴うシステムを示す。複数の空気圧縮機601と一体化された1つまたは複数の可搬型コンテナパッケージは、空気圧縮機601の対応する内蔵コンピュータを通じて、管理装置602に接続されているネットワーク600(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN))と通信可能に結合される。管理装置602は、データベース603を管理し、このデータベースは、可搬型コンテナパッケージ601の各々にある空気圧縮機から収集された履歴データを収容しており、また、可搬型コンテナパッケージ601に収容されている空気圧縮機各々の遠隔制御を容易にする。代替の例示的な実装形態では、空気圧縮機からのデータが、空気圧縮機または企業リソース計画システムなどのシステムからのデータを取り込む独自仕様データベースなどの中央リポジトリまたは中央データベースに記憶されることが可能であり、管理装置602は、中央リポジトリまたは中央データベースのデータにアクセスする、またはそこからデータを取り出すことができる。
【0034】
図7は、
図6に示される管理装置602、または
図1に示される内蔵コンピュータ1など、一部の例示的な実装形態で使用するのに適する例示的なコンピュータデバイスを有する、例示的なコンピューティング環境を示す。コンピューティング環境700内のコンピュータデバイス705は、1つまたは複数の処理ユニット、コア、またはプロセッサ710、メモリ715(例えば、RAM、ROM、および/またはその他)、内部ストレージ720(例えば、磁気、光学、ソリッドステートストレージ、および/または有機)、および/またはI/Oインターフェース725を含むことができ、これらはいずれも、情報を通信するために通信機構もしくはバス730上に結合されるか、またはコンピュータデバイス705に埋め込まれ得る。I/Oインターフェース725はまた、求められる実装に応じて、カメラから画像を受け取る、またはプロジェクタもしくはディスプレイに画像を提供するように構成される。
【0035】
コンピュータデバイス705は、入力/ユーザインターフェース735および出力デバイス/インターフェース740に通信的に結合され得る。入力/ユーザインターフェース735および出力デバイス/インターフェース740のいずれか一方または両方は、有線または無線インターフェースであり得、取り外し可能であり得る。入力/ユーザインターフェース735は、入力を提供するために使用することができる任意のデバイス、構成要素、センサ、または物理的もしくは仮想的なインターフェース(例えば、ボタン、タッチ画面インターフェース、キーボード、ポインティング/カーソルコントロール、マイクロフォン、カメラ、点字、動きセンサ、光学リーダ、および/またはその他)を含んでよい。出力デバイス/インターフェース740は、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカ、点字等を含んでよい。一部の例示的な実装形態では、入力/ユーザインターフェース735および出力デバイス/インターフェース740は、コンピュータデバイス705と共に埋め込まれる、またはそれに物理的に結合され得る。他の例示的な実装形態では、他のコンピュータデバイスが、入力/ユーザインターフェース735および出力デバイス/インターフェース740として機能する、またはそれらの機能をコンピュータデバイス705に提供してよい。
【0036】
コンピュータデバイス705の例は、これらに限定されないが、高移動性のデバイス(例えば、スマートフォン、車両や他の機械内のデバイス、人間および動物によって携行されるデバイス等)、モバイルデバイス(例えば、タブレット、ノートブック、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、携帯型テレビ、無線機等)、ならびに可動性のために設計されていないデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、他のコンピュータ、情報キオスク、1つまたは複数のプロセッサが埋め込まれたおよび/またはそれに結合されたテレビ、無線機等)を含んでもよい。
【0037】
コンピュータデバイス705は、同じまたは異なる構成の1つまたは複数のコンピュータデバイスを含む、任意数のネットワーク接続された構成要素、デバイス、システムと通信するために、外部ストレージ745およびネットワーク750に(例えばI/Oインターフェース725を介して)通信可能に結合され得る。コンピュータデバイス705または接続されたコンピュータデバイスは、サーバ、クライアント、シン(thin)サーバ、一般的な機械、特殊目的機械、または別の呼称として機能している、またはそれらのサービスを提供している、またはそのようなものとして呼ばれ得る。
【0038】
I/Oインターフェース725は、これらに限定されないが、コンピューティング環境700内の少なくともすべての接続された構成要素、デバイス、およびネットワークに、および/またはそれらから情報を通信するために、任意の通信またはI/Oプロトコルもしくは標準を使用する有線および/または無線インターフェース(例えば、Ethernet(登録商標)、802.11x、ユニバーサルシステムバス、WiMax(登録商標)、モデム、セルラーネットワークプロトコル等)を含み得る。ネットワーク750は、任意のネットワークまたはネットワークの組み合わせ(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、電話ネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク等)であり得る。
【0039】
コンピュータデバイス705は、一時的媒体および非一時的媒体を含むコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体を使用する、および/またはそれを使用して通信することができる。一時的媒体は、伝送媒体(例えば、金属ケーブル、光ファイバー)、信号、搬送波等を含む。非一時的な媒体は、磁気媒体(例えば、ディスクおよびテープ)、光学媒体(例えば、CD-ROM、デジタルビデオディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、ソリッドステート媒体(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ)、および他の不揮発性のストレージまたはメモリメモリを含む。
【0040】
コンピュータデバイス705は、一部の例示的なコンピューティング環境において、技術、方法、アプリケーション、プロセス、またはコンピュータ実行可能命令を実装するために使用することができる。コンピュータ実行可能命令は、一時的媒体から取り出され、非一時的媒体に記憶され、非一時的媒体から取り出され得る。実行可能命令は、任意のプログラミング、スクリプティング、および機械言語(例えば、C、C++、C#、Java(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Python(登録商標)、Perl、JavaScript(登録商標)、およびその他)の1つまたは複数を元にすることができる。
【0041】
プロセッサ710は、ネイティブ環境または仮想環境で、任意のオペレーティングシステム(OS)(図示せず)の下で実行することができる。1つまたは複数のアプリケーションが展開され得、それには、論理ユニット760、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)ユニット765、入力ユニット770、出力ユニット775、およびこれら種々のユニットが互いと、OSと、および他のアプリケーション(図示せず)と通信するためのユニット間通信機構795が含まれる。記載されるこれらのユニットおよび要素は、設計、機能、構成、または実装を変えることができ、ここで提供される説明に限定されない。プロセッサ710は、中央演算処理装置(CPU)などのハードウェアプロセッサ、またはハードウェアユニットとソフトウェアユニットの組み合わせの形態であり得る。
【0042】
一部の例示的な実装形態では、情報または実行命令がAPIユニット765によって受け取られると、それは、1つまたは複数の他のユニット(例えば、論理ユニット760、入力ユニット770、出力ユニット775)に通信されてよい。一部の事例では、論理ユニット760は、ユニット間の情報の流れを制御し、上記に説明された一部の例示的な実装形態では、APIユニット765、入力ユニット770、出力ユニット775によって提供されるサービスを誘導するように構成されてよい。例えば、1つまたは複数のプロセスまたは実装の流れが、単独で、またはAPIユニット765と併せて、論理ユニット760によって制御されてよい。入力ユニット770は、例示的な実装形態に記載された計算のための入力を取得するように構成されてよく、出力ユニット775は、例示的な実装形態に記載された計算に基づいて出力を提供するように構成されてよい。
【0043】
プロセッサ710は、空気圧縮機の対応する内蔵コンピュータへの命令の通信を通じて、空気圧縮機を遠隔から制御するように構成され得る。そのような命令は、求められる実装に従って、これらに限定されないが、電源切断、電源投入、保守管理モードの作動等を含み得る。
【0044】
本発明は、様々な変更および代替の形態が可能であるが、その特定の実施形態が、例として図面に示され、本明細書において詳細に説明された。しかし、本明細書における特定の実施形態の説明は、本発明を開示される特定の形態に制限する意図はないことが理解されるべきである。
【0045】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータ内の動作のアルゴリズムおよび記号的表現として提示される。それらのアルゴリズム的な説明および記号的表現は、データ処理分野の当業者が自身の革新の本質を他の当業者に伝えるために使用する手段である。アルゴリズムは、所望の終了状態または結果につながる、一連の定義されたステップである。例示的な実装形態では、実行されるステップは、有形の結果を達成するための有形の数量の物理的操作を必要とする。
【0046】
特に断らない限り、論述から明らかなように、説明を通じて、「処理する」、「演算する」、「計算する」、「判定する」、「表示する」等の用語を利用する論述は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内で物理的(電子的)数量として表されたデータを操作し、それを、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタもしくは他の情報記憶デバイス、送信デバイス、または表示デバイス内で同様に物理的数量として表される他のデータに変換する、コンピュータシステムまたは他の情報処理デバイスの動作およびプロセスを含み得ることが認識される。
【0047】
例示的な実装形態は、本発明における動作を行うための装置にも関し得る。この装置は、必要とされる目的のために特別に構築されてよく、または、それは1つまたは複数のコンピュータプログラムによって選択的に作動または再構成される1つまたは複数の汎用コンピュータを含んでよい。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体またはコンピュータ可読信号媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、これらに限定されないが、光ディスク、磁気ディスク、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートデバイスおよびドライブ、または電子情報を記憶するのに適した任意の他の種類の有形の、または非一時的な媒体などの有形媒体を伴い得る。コンピュータ可読信号媒体は、搬送波などの媒体を含み得る。本明細書に提示されるアルゴリズムおよび表示は、本質的にどの特定のコンピュータまたは他の装置にも関係しない。コンピュータプログラムは、求められる実装の動作を行う命令を伴う純粋なソフトウェア実装を伴い得る。
【0048】
様々な汎用システムが、本明細書の例に従ってプログラムおよびモジュールと共に使用されてよく、または求められる方法ステップを行うためにより特殊化された装置を構築することが利便であると判明することもある。加えて、例示的な実装形態は、どの特定のプログラミング言語を参照しても記載されない。本明細書に記載される例示的な実装形態の教示を実施するために各種のプログラミング言語が使用されてよいことが認識されよう。プログラミング言語の命令は、1つまたは複数の処理デバイス、例えば中央演算処理装置(CPU)、プロセッサ、またはコントローラ、によって実行されてよい。
【0049】
当技術分野で知られるように、上記に記載される動作は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアの何らかの組み合わせによって行われ得る。例示的な実装形態の様々な態様は、回路および論理デバイス(ハードウェア)を使用して実施されてよいが、他の態様は、機械可読媒体(ソフトウェア)に記憶された命令を使用して実装されてよく、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに本願の実装形態を実行するための方法を行わせる。さらに、本願の一部の例示的な実装形態は、ハードウェアのみで行われてよく、それに対し、他の例示的な実装形態は、ソフトウェアのみで行われてよい。さらに、記載される様々な機能は、単一のユニット内で行われ得、または任意数の方式で複数の構成要素にわたって分散され得る。ソフトウェアによって行われる場合、方法は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令に基づいて汎用コンピュータなどのプロセッサによって実行されてよい。求められる場合、命令は、圧縮形態および/または暗号化形態で媒体に記憶することができる。
【0050】
上述の詳細な説明は、図、略図、および例の使用を介して、デバイスおよび/またはプロセスの様々な例示的な実装形態を述べた。そのような図、略図、および例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのような図または例における各機能および/または動作は、幅広い構造によって個々におよび/または集合的に実施されてよい。特定の例示的な実装形態が記載されたが、それらの実装は単に例として提示されたものであり、保護の範囲を制限することは意図されない。実際、本明細書に記載される新規の方法および装置は、各種の他の形態で具現化されてよい。さらに、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムの形態の様々な省略、置換、および変更は、保護の主旨から逸脱することなくなされ得る。添付の特許請求の範囲およびそれに相当するものは、保護の範囲および主旨内に該当するそのような形態または変更を包含することが意図される。