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特許7357162光発電力曲線をモデリングするための方法および装置、並びにそれらのコンピュータデバイスおよび記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】光発電力曲線をモデリングするための方法および装置、並びにそれらのコンピュータデバイスおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02S 50/00 20140101AFI20230928BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230928BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20230928BHJP
【FI】
H02S50/00
G06Q10/04
G06Q50/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022527701
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 SG2020050659
(87)【国際公開番号】W WO2021096432
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】201911112139.4
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522178636
【氏名又は名称】エンヴィジョン デジタル インターナショナル ピーティーイー.エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】ENVISION DIGITAL INTERNATIONAL PTE.LTD.
【住所又は居所原語表記】1 Harbourfront Avenue,#17-01 Keppel Bay Tower,Singapore 098632(SG)
(73)【特許権者】
【識別番号】522178647
【氏名又は名称】シャンハイ エンヴィジョン デジタル シーオー.,エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI ENVISION DIGITAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.15,Lane 55,Chuanhe Road China(Shanghai)Pilot Free Trade Zone Shanghai(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,レンユ
(72)【発明者】
【氏名】ドン,ジボ
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,イン
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,ヤンヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ホイ
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,チンシェン
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-179464(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1532163(KR,B1)
【文献】特開2020-171119(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104300899(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 50/00-50/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光発電曲線をモデリングするための方法であって、
特定の期間内の複数の時点で光発電データを取得すること、ここで、前記光発電データには、対応する時点での太陽光発電装置の生成電力と、対応する時点での日射量検出装置によって収集された日射量とが含まれ、前記日射量検出装置は、前記太陽光発電装置に配備され、
前記複数の時点での光発電データを、光電変換効率が異なり得る少なくとも2つの時間帯にそれぞれ対応する少なくとも2つの光発電データパケットに分割すること、
前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、前記少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応する少なくとも2つのパケット光発電力曲線を設定すること、ここで、各パケット光発電曲線は、前記生成電力と前記日射量との間の関係を表す、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、前記少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応する少なくとも2つのパケット光発電力曲線を設定する前に、
前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに対してデータクリーニングを実行して、前記少なくとも2つの光発電データパケット内の無効な光発電データを除去すること、
を更に含み、
前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、前記少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応する少なくとも2つのパケット光発電力曲線を設定することは、
前記データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットの光発電データに従って、前記少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応する少なくとも2つのパケット光発電力曲線を設定すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに対してデータクリーニングを実行することは、
前記少なくとも2つの光発電データパケット内の異常データをクリーニングして、異常データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットを取得すること、ここで、前記異常データは、前記日射量検出装置が故障した場合に生成されるデータを指し、
前記異常データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットから低関連性データを除去して、低関連性データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットを取得すること、ここで、前記低関連性データは、関連性が関連閾値よりも低い光発電データを指し、前記関連性は、対応する光発電データにおける前記生成電力と前記日射量との間の相関性を示すことを意図し、
前記低関連性データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットから局所外れ値因子アルゴリズムに基づいてそれぞれ外れ値データを除去して、前記外れ値データが除去された前記少なくとも2つの光発電データパケットを取得すること、ここで、前記外れ値データは、データ集中領域から離れた光発電データを指し、
前記外れ値データが除去された前記少なくとも2つの光発電データパケットに従って、前記データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットを取得すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記少なくとも2つの光発電データパケット内の異常データをクリーニングして、異常データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットを取得することは、
前記少なくとも2つの光発電データパケット内の欠落データをクリーニングすること、ここで、前記欠落データは、前記光発電データ内の日射量データまたは生成電力データが欠落しているデータを指し、
前記少なくとも2つの光発電データパケット内の夜間無効データをクリーニングすること、ここで、前記夜間無効データは、太陽光がない期間中に前記日射量検出装置によって取得された全てのデータを指し、
前記少なくとも2つの光発電データパケット内の超過データをクリーニングすること、ここで、前記超過データは、適切な日射量データ範囲および/または適切な電力データ範囲を超えるデータを指し、
前記少なくとも2つの光発電データパケット内のデッドナンバーをクリーニングすること、ここで、前記デッドナンバーは、時系列で4回以上現れるデータを指す、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法において、
前記異常データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットから低関連性データを除去して、低関連性データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットを取得することは、
スライドウィンドウを設定すること、ここで、前記スライドウィンドウの各々は、前記異常データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データの時間分解能をステップ長とし、各n個の光発電データをセットとすることで、時系列で前記異常データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データによって設定され、ここで、前記各n個の光発電データをデータのセットとみなし、1つの前記スライドウィンドウには前記データのセットが含まれ、前記時間分解能は、前記日射量検出装置が対応する時点で隣接する2つの光発電データを収集する最小時間間隔を指し、
各スライドウィンドウ内の光発電データのピアソン相関係数を計算すること、
前記異常データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データの相関値を計算すること、ここで、前記相関値は、中間のn-2個のピアソン相関係数の各値について、前記異常データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データが降順で配置されている複数のスライドウィンドウのピアソン相関係数を並べ替えることで解かれる平均値を指し、
相関閾値を決定すること、ここで、前記相関閾値は、前記日射量に従って前記少なくとも2つの光発電データパケットの各々を分割することで得られた複数のデータセグメントの各データセグメントに対応する相関閾値を指し、
前記相関閾値に従って、前記異常データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データをクリーニングすること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法において、
前記外れ値データが除去された前記少なくとも2つの光発電データパケットに従って、前記データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットを取得することは、
四分位範囲アルゴリズムに基づいて、前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの低関連性データから過剰クリーニングされたデータを決定すること、ここで、前記過剰クリーニングされたデータは、データ集中領域内および前記データ集中領域の周囲のプリセット領域内の光発電データであり、
前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの前記過剰クリーニングされたデータを、前記外れ値データが除去された前記少なくとも2つの光発電データパケットに復元して、前記データクリーニングを受けた前記少なくとも2つの光発電データパケットを取得すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、前記少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応する少なくとも2つのパケット光発電力曲線を設定することは、
前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに対してスプライン補間フィッティングを実行して、前記太陽光発電装置の光発電力曲線を取得すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
光発電曲線をモデリングするための装置であって、
特定の期間内の複数の時点で光発電データを取得するように構成された、取得モジュールと、ここで、前記光発電データには、対応する時点での太陽光発電装置の生成電力と、対応する時点での日射量検出装置によって収集された日射量とが含まれ、前記日射量検出装置は、前記太陽光発電装置に配備され、
前記複数の時点での光発電データを、光電変換効率が異なり得る少なくとも2つの時間帯にそれぞれ対応する少なくとも2つの光発電データパケットに分割するように構成された、パケット化モジュールと、
前記少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、前記少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応する少なくとも2つのパケット光発電力曲線を設定するように構成された、設定モジュールと、ここで、各パケット光発電曲線は、前記生成電力と前記日射量との間の関係を表す、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項9】
プロセッサとメモリを備えたコンピュータデバイスであって、
前記メモリは、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットを記憶するように構成され、これらが前記プロセッサによってロードおよび実行されると、請求項1~7のいずれかに定義された光発電曲線をモデリングするための方法を前記プロセッサが実行することを可能にする、
ことを特徴とするコンピュータデバイス。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットを記憶するように構成され、これらがプロセッサによってロードおよび実行されると、請求項1~7のいずれかに定義された光発電曲線をモデリングするための方法を前記プロセッサが実行することを可能にする、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽光発電の技術分野に関するものであり、より具体的には、光発電力曲線をモデリングするための方法および装置、並びにそれらのコンピュータデバイスおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電力網への光発電の大規模な適用により、光発電によって引き起こされる時間的変化、変動性(ボラティリティ)およびランダム性は、電力網の安全かつ安定した動作に大きな影響を及ぼし、電力網の配電の困難さを大幅に増大させる可能性がある。光発電力予測技術は、光発電網接続の品質を向上させ、電力網配電計画を最適化し、電力網の安全かつ安定した運用を促進するための基礎技術であり、電力網の安全かつ安定した運用を確保するために非常に重要である。したがって、この技術は、光発電の電力予測を行う上で非常に実用的に重要である。
【0003】
関連技術において、光発電フィールドステーションのリアルタイム日射量観測データおよび対応する実際の光発電力データに基づいて、統計的回帰法を使用して光電変換回帰方程式を設定し、これにより、日射量と光発電装置の生成電力の間の変換を示す関係曲線を取得する。
【0004】
関連技術において、全ての光発電データは日射量と生成電力の間の変換を示す関係曲線に一度フィッティングされ、その結果、フィッティング効果が悪化し、精度が低下する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、光発電曲線モデリングの精度を改善することが可能な、光発電曲線をモデリングするための方法および装置、並びにそれらのコンピュータデバイスおよび記憶媒体を提供する。技術的な解決策は、以下の通りである。
【0006】
一態様において、光発電曲線をモデリングするための方法が提供される。この方法には、次のステップが含まれる:
【0007】
特定の期間内の複数の時点で光発電データを取得すること;
【0008】
複数の時点での光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割すること、ここで、少なくとも2つの光発電データパケット内の異なるパケットは異なる期間に対応し;
【0009】
少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定すること。
【0010】
一態様では、光発電曲線をモデリングするための装置が提供される。この装置には、以下が含まれる:
【0011】
特定の期間内の複数の時点で光発電データを取得するように構成された、取得モジュール、ここで、日射量検出装置は、太陽光発電装置に配備され;
【0012】
複数の時点での光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割するように構成された、パケット化モジュール、ここで、少なくとも2つの光発電データパケット内の異なるパケットは異なる期間に対応し;
【0013】
少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定するように構成された、設定モジュール。
【0014】
オプションとして、この装置には更に:少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに対してデータクリーニングを実行して、少なくとも2つの光発電データパケット内の無効な光発電データを除去するように構成された、クリーニグモジュールが含まれ;
【0015】
設定モジュールは、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定するように構成される。
【0016】
オプションとして、光発電データには、対応する時点での太陽光発電装置の生成電力と、対応する時点での日射量検出装置によって収集された日射量とが含まれ;日射量検出装置は、太陽光発電装置に配備され;
【0017】
クリーニグモジュールには、以下が含まれる:
【0018】
少なくとも2つの光発電データパケット内の異常データをクリーニングして、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得するように構成された、第1のクリーニングサブモジュール、ここで、異常データは、日射量検出装置が故障した場合に生成されるデータを指し;
【0019】
異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットから低関連性データを除去して、低関連性データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得するように構成された、第2のクリーニングサブモジュール、ここで、低関連性データは、関連性が関連閾値よりも低い光発電データを指し、関連性は、対応する光発電データにおける生成電力と日射量との間の相関性を示すことを意図し;
【0020】
低関連性データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットから局所外れ値因子アルゴリズムに基づいてそれぞれ外れ値データを除去して、外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットを取得するように構成された、第3のクリーニングサブモジュール、ここで、外れ値データは、データ集中領域から離れた光発電データを指し;
【0021】
外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットに従って、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得するように構成された、第1の取得サブモジュール。
【0022】
オプションとして、第1のクリーニングサブモジュールは、以下のように構成される:
【0023】
少なくとも2つの光発電データパケット内の欠落データをクリーニングし、ここで、欠落データは、光発電データ内の日射量データまたは生成電力データが欠落しているデータを指し;
【0024】
少なくとも2つの光発電データパケット内の夜間無効データをクリーニングし、ここで、夜間無効データは、夜間検出中に光発電力検出装置によって取得された全てのデータを指し;
【0025】
少なくとも2つの光発電データパケット内の超過データをクリーニングし、ここで、超過データは、適切な日射量データ範囲および/または適切な電力データ範囲を超えるデータを指し;
【0026】
少なくとも2つの光発電データパケット内のデッドナンバーをクリーニングし、ここで、デッドナンバーは、時系列で4回以上現れるデータを指す。
【0027】
オプションとして、第2のクリーニングサブモジュールは、以下のように構成される:
【0028】
スライドウィンドウを設定し、ここで、スライドウィンドウの各々は、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データの時間分解能をステップ長とし、各n個の光発電データをセットとすることで、時系列で異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データによって設定され、ここで、各n個の光発電データをデータのセットとみなし、1つのスライドウィンドウにはデータのセットが含まれ;時間分解能は、日射量検出装置が対応する時点で隣接する2つの光発電データを収集する最小時間間隔を指し;
【0029】
各スライドウィンドウ内の光発電データのピアソン相関係数を計算し;
【0030】
異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データの相関値を計算し、ここで、相関値は、中間のn-2個のピアソン相関係数の各値について、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データが降順で配置されている複数のスライドウィンドウのピアソン相関係数を並べ替えることで解かれる平均値を指し;
【0031】
相関閾値を決定し、ここで、相関閾値は、日射量データセグメントに基づいて分割されたデータセグメントの各々に対応する相関閾値を指し;
【0032】
相関閾値に従って、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データをクリーニングする。
【0033】
オプションとして、第1の取得サブモジュールは、以下のように構成される:
【0034】
四分位範囲アルゴリズムに基づいて、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの低関連性データから過剰クリーニングされたデータを決定し、ここで、過剰クリーニングされたデータは、データ集中領域内およびデータ集中領域の周囲のプリセット領域内の光発電データであり;
【0035】
少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの過剰クリーニングされたデータを、外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットに復元して、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得する。
【0036】
オプションとして、設定モジュールは、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに対してスプライン補間フィッティングを実行して、太陽光発電装置の光発電力曲線を取得するように構成される。
【0037】
一態様において、コンピュータデバイスが提供される。コンピュータデバイスは、プロセッサおよびメモリを含み;ここで、メモリは、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットを記憶するように構成され、これらがプロセッサによってロードおよび実行されると、プロセッサが光発電曲線をモデリングするための方法を実行することを可能にする。
【0038】
一態様において、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。記憶媒体は、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットを記憶するように構成され、これらがプロセッサによってロードおよび実行されると、プロセッサが光発電曲線をモデリングするための方法を実行することを可能にする。
【0039】
本開示による技術的解決策は、以下の有益な効果を達成することができる:
【0040】
特定の期間内の様々な時点で取得された光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割し、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定し、光発電データが光発電曲線モデリングプロセス中の異なる期間にフィットするように、少なくとも2つの光発電データパケットのパケット光発電力曲線のそれぞれをフィッティングすることで、光発電力曲線が取得され、これにより、異なる期間の光電変換効率の違いが光発電曲線モデリングに与える影響を低減し、光発電曲線モデリングの精度を向上させる。
【0041】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はともに、例示的かつ説明的なものに過ぎず、本開示を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示と一致する実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0043】
図1】本開示の例示的な実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法のフローチャートである。
【0044】
図2】本開示の例示的な実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法のフローチャートである。
【0045】
図3】本開示の例示的な実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法におけるスライドウィンドウの概略図である。
【0046】
図4】本開示の更なる例示的な実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法のフローチャートである。
【0047】
図5】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における特定の期間内の様々な時点での光発電データの散布図である。
【0048】
図6】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における午前の光発電データの散布図である。
【0049】
図7】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における午後の光発電データの散布図である。
【0050】
図8】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における異常データの散布図である。
【0051】
図9】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における低関連性データの散布図である。
【0052】
図10】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における外れ値データの散布図である。
【0053】
図11】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における過剰クリーニングされたデータの散布図である。
【0054】
図12】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における光発電力曲線のフィッティング図である。
【0055】
図13】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための装置のブロック図である。
【0056】
図14】本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするためのコンピュータデバイスの構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
ここで、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例が添付の図面に示される。以下の説明は、別段の記載がない限り、異なる図面の同じ番号が同じまたは類似の要素を表す添付の図面を参照する。例示的な実施形態の以下の説明に記載される実施形態は、本開示と一致する全ての実施形態を表すわけではない。代わりに、これらの実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載されるような開示に関連する態様と一致する装置および方法の単なる例である。
【0058】
当然のことながら、本明細書における「複数」という用語は、2つ以上を指す。本明細書における「および/または」は、対応するオブジェクトの対応関係を説明し、3種類の関係を示す。例えば、Aおよび/またはBは、Aが単独で存在、AとBが同時に存在、Bが単独で存在を表す可能性がある。文字「/」は通常、前後の関係上のオブジェクトが「OR(または)」関係であることを示す。
【0059】
電力網への光発電の大規模なアクセスにより、光発電力予測技術に対してより高い要件が提案されている。本開示は、光発電曲線のモデリングの精度を改善することができる光起電曲線をモデリングするための方法を提供する。理解を容易にするために、本開示に含まれる幾つかの用語を以下に説明する。
【0060】
1)光発電
【0061】
光起電力効果としても知られる光発電は、太陽光発電システムの略であり、太陽電池半導体材料の光起電力効果を使用することによって太陽放射エネルギーを電気エネルギーに直接変換する新しい発電システムである。
【0062】
2)日射強度
【0063】
日射量と呼ばれる日射強度は、単位面積あたりを通過するエネルギーとして定義される。
【0064】
3)光電変換効率
【0065】
単色入射光子から電子への変換効率(IPCE)としても知られる光電変換効率は、単位時間あたりの外部回路で生成された電子の数と、単位時間あたりの入射単色光子の数との比として定義される。
【0066】
図1は、本開示の例示的な実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法のフローチャートを示す。光発電曲線をモデリングするための方法は、コンピュータデバイスによって実行される。図1に示すように、この方法には、以下のステップが含まれ得る。
【0067】
ステップ110において、特定の期間内の様々な時点での光発電データが取得される。光発電データには、対応する時点での太陽光発電装置の生成電力と、対応する時点での日射量検出装置によって収集された日射量とが含まれる。日射量検出装置は、太陽光発電装置に配備される。
【0068】
太陽光発電装置は、太陽電池を使用して太陽エネルギーを直接電気エネルギーに変換することができる発電装置を指す。太陽光発電装置の生成電力は、主に太陽光発電装置が受けることができる太陽光の日射強度の影響を受ける。日射量とも呼ばれる日射強度は、単位面積あたりの太陽光発電装置が通過するエネルギーを指す。
【0069】
光発電力は、日射量に1対1で対応する。生成電力値が検出されるたびに、それに対応する日射量値の閾値が定義される。また、日射量検出装置で検出される日射量値は、太陽光発電装置で受けられる日射量値である必要がある。
【0070】
ステップ120において、様々な時点での光発電データは、少なくとも2つの光発電データパケットに分割される。少なくとも2つの光発電データパケットの各々の光発電データに対応する時点は、自然日の期間に属し、少なくとも2つの光発電データパケットの異なるパケットは、異なる期間に対応する。
【0071】
例えば、特定の期間内の光発電データは、自然日の時点に応じて、午前および午後の2つの光発電データパケットに分割されてもよく、午前、正午、および午後などの3つの光発電データパケットに分割されてもよい。自然日とは、1日24時間を意味する。
【0072】
本開示で提案される光発電データパケットは単なる例示であり、光発電データパケットモードやパケットの数は、本開示に制限されないことに留意されたい。本開示の実施形態において、本開示は、自然日の光発電データが、その時点に応じて午前および午後の2つの光発電データパケットに分割される場合を取り上げて説明する。
【0073】
ステップ130において、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線は、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って設定され、ここで、パケット光発電力曲線は、日射量と生成電力の間の関数関係を示すことを意図している。
【0074】
本開示の実施形態において、光発電曲線電力は、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに対してそれぞれ設定される。例えば、自然日の光発電データをその時点に応じて午前および午後の2つの光発電データパケットに分割する場合、午前の光発電データに対して光発電力曲線が設定され、午後の光発電データに対して光発電力曲線が設定され、これにより、午前の光発電データおよび午後の光発電データのそれぞれに対応する2つの光発電力曲線が取得される。
【0075】
自然日の光発電データをその時点に応じて午前および午後の2つの光発電データパケットに分割する場合、午前の光発電データと午後の光発電データに対応する2つの光発電力曲線をフィッティングし、日射量をX軸とし、生成電力をY軸とする光発電力曲線を最終的に取得する。
【0076】
オプションとして、取得された光発電装置の光発電力曲線が検証され、検証された光発電力曲線が取得される。検証された光発電力曲線は、太陽光発電装置の光発電力曲線である。
【0077】
取得された光発電装置の光発電力曲線が単調であり、適切な光電変換効率を満たす場合、検証された光発電力曲線は光発電装置の光発電力曲線であり、すなわち、光発電データをフィッティングすることで得られた光発電力曲線は光発電装置の光発電力曲線である。
【0078】
取得された光発電装置の光発電力曲線が単調である、および/または光電変換効率を満たさない場合、検証された光発電力曲線は理論上の光発電力曲線であり、理論上の光発電力曲線は太陽光発電装置の光発電力曲線として取得される。
【0079】
太陽光発電産業における光電変換効率は、太陽電池の表面上で特定のエネルギーが照射される光子の数に対する太陽電池の電荷キャリアの数の比率を指す。
【0080】
オプションとして、理論上の光発電力曲線は、(0,0)、(500,Cap×(1+k)/2)、(1000,Cap)の3点の二次多項式をフィッティングすることで得られる光発電力曲線を指し、ここで、Capは光発電装置の定格容量であり、kは様々な地域の日照条件によって決定される経験的係数である。
【0081】
要約すると、本開示の実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法によって、特定の期間内の様々な時点で取得された光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割し、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定し、光発電データが光発電曲線モデリングプロセス中の異なる期間にフィットするように、少なくとも2つの光発電データパケットのパケット光発電力曲線のそれぞれをフィッティングすることで、光発電力曲線が取得され、これにより、異なる期間の光電変換効率の違いが光発電曲線モデリングに与える影響を低減し、光発電曲線モデリングの精度を向上させる。
【0082】
図2は、本開示の例示的な実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法のフローチャートを示す。光発電曲線をモデリングするための方法は、コンピュータデバイスによって実行される。図2に示すように、この方法には、以下のステップが含まれ得る。
【0083】
ステップ210において、特定の期間内の様々な時点での光発電データが取得される。光発電データには、対応する時点での太陽光発電装置の生成電力と、対応する時点で日射量検出装置によって収集された日射量とが含まれる。日射量検出装置は、太陽光発電装置に配備される。
【0084】
ステップ220において、様々な時点での光発電データは、少なくとも2つの光発電データパケットに分割される。少なくとも2つの光発電データパケットの各々の光発電データに対応する時点は、自然日のある期間に属し、少なくとも2つの光発電データパケットの異なるパケットは、異なる期間に対応する。
【0085】
ステップ210および220に関する詳細については、ステップ110および120を参照することができ、この実施形態ではこれ以上説明しない。
【0086】
ステップ230において、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データは、それぞれデータクリーニングを受けて、少なくとも2つの光発電データパケット内の無効な光発電データが除去される。
【0087】
オプションとして、機械の故障、自然災害および他の不可抗力、限られた期間の太陽光発電などのために、日射量検出装置が正常に機能しない場合、無効な光発電データが生成され得る。
【0088】
オプションとして、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに対してデータクリーニングを実行することには、S2301~S2304が含まれる。
【0089】
S2301において、少なくとも2つの光発電データパケット内の異常データがクリーニングされて、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットが取得され、ここで、異常データは、日射量検出装置が故障した場合に生成されるデータを指す。
【0090】
オプションとして、少なくとも2つの光発電データパケット内の異常なデータをクリーニングすることには、以下が含まれ得る:
【0091】
少なくとも2つの光発電データパケット内の欠落データをクリーニングすること、ここで、欠落データは、光発電データ内の日射量データまたは生成電力データが欠落しているデータを指し;
【0092】
少なくとも2つの光発電データパケット内の夜間無効データをクリーニングすること、ここで、夜間無効データは、夜間検出中に光発電力検出装置によって取得された全てのデータを指し;
【0093】
少なくとも2つの光発電データパケット内の超過データをクリーニングすること、ここで、超過データは、適切な日射量データ範囲および/または適切な電力データ範囲を超えるデータを指し;
【0094】
少なくとも2つの光発電データパケット内のデッドナンバーをクリーニングすること、ここで、デッドナンバーは、時系列で4回以上現れるデータを指す。
【0095】
オプションとして、適切な日射量範囲は、0~1200W/m2 であり、適切な電力データ範囲は、0~1.1×Capであり、ここで、Capは、太陽光発電装置の定格容量である。場合によっては、日射量検出装置によって検出される光発電データは、日射量データのみを含み、それに対応する生成電力データは検出されず;または、日射量検出装置によって検出された光発電データは、生成電力データのみを含み、それに対応する日射量データは検出されない。これらのデータは、欠落データと判断され、クリーニングされる。
【0096】
太陽の直射点が南北の回帰線間で回帰運動を続けるので、自然日の昼と夜の長さの変化が起こる。太陽光発電装置は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。日光が当たらない状態では、太陽光発電装置が動作せず、日射量検出装置で検出された夜間データは無効データになる。夜間無効データは、各自然日の昼と夜の違いに応じてクリーニングされる。
【0097】
太陽光の日射強度および太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電装置の能力は制限されている。日射量検出装置で検出された日射量データが太陽光の日射強度閾値を超えた場合、または生成電力データが太陽光発電装置の生成電力閾値を超えた場合、これらのデータは無効データと判断され、超過データがクリーニングされる。
【0098】
場合によっては、日射量検出装置の異常動作により、日射量検出装置により検出された特定の日射量データまたは生成電力データが時系列で4回以上連続して出現した場合、4回以上繰り返されたデータをデッドナンバーと判断され、デッドナンバーがクリーニングされる。
【0099】
S2302において、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットから低関連性データを除去して、低関連性データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得し、ここで、低関連性データは、関連性が関連閾値よりも低い光発電データを指し、関連性は、対応する光発電データにおける生成電力と日射量との間の相関性を示すために使用される。
【0100】
オプションとして、低関連性データが間隔を置いて削除される。このプロセスによって分割された光発電データ間隔の数は、光発電データパケットの数以上であり得る。低関連性データを削除するための関連閾値は、様々な間隔に応じて調整できる。
【0101】
オプションとして、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットから低関連性データを除去して、低関連性データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得することには、以下が含まれる:
【0102】
スライドウィンドウを設定すること、ここで、スライドウィンドウの各々は、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データの時間分解能をステップ長とし、各n個の光発電データをセットとすることで、時系列で異常データクリーニングを受けた、少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データによって設定され、ここで、各n個の光発電データをデータのセットとみなし、スライドウィンドウにはデータのセットが含まれ;時間分解能は、日射量検出装置が対応する時点で隣接する2つの光発電データを収集する最小時間間隔を指す。
【0103】
例えば、図3は、本開示の実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法におけるスライドウィンドウの概略図を示す。図3に示すように、20個の光発電データが取得される。スライドウィンドウを設定する場合、20個の光発電データが朝から夜まで収集時間順に並べ替えられる。20個の光発電データの時間分解能を10分であると想定し、つまり、10分毎に1個の光発電データが取得され、スライドウィンドウはステップ長として10分で設定される。例として8個のデータをセットとして取り上げると、1番目から8番目の光発電データを第1のセットとする場合、2番目から9番目の光発電データが第2のセットとみなされ、3番目から10番目の光発電データが3番目のセットとみなされ、以降も同様であり、各光発電データは8個のパケットで表され、各スライドウィンドウには1セットの光発電データが含まれ、各光発電データは8個のスライドウィンドウに表れる。
【0104】
各スライドウィンドウ内の光発電データのピアソン相関係数が計算される。
【0105】
ピアソン相関係数は、2つのデータセットが線上にあるか否かを評価するために使用され、また、間隔変数間の線形関係を評価するために使用され、以下の式に従って計算される:
【数1】
【0106】
上記の式において、rはピアソン相関係数であり、Nは各スライドウィンドウ内の光発電データの数であり、xi は水平座標であり、yi は垂直座標である。
【0107】
各スライドウィンドウ内の光発電データのピアソン相関係数は、上記の関係式に従って計算される。
【0108】
異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データの相関値が計算され、ここで、相関値は、中間のn-2個のピアソン相関係数の各値について、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データが降順で配置されている複数のスライドウィンドウのピアソン相関係数を並べ替えることで解かれる平均値を指す。
【0109】
上記の20個の光発電データを例として、各光発電データが8個のスライドウィンドウに表れ、次に8個のピアソン相関係数が計算される。8個のピアソン相関係数を降順で並べ替え、8個のピアソン相関係数の最大値と最小値を削除し、残りの中央の6個のピアソン相関係数を平均して、8個のスライドウィンドウに同時に表れる光発電データの相関値とみなせる平均値を取得する。
【0110】
相関閾値が決定され、ここで、相関閾値は、日射量データセグメントに基づいて分割されたデータセグメントの各々に対応する相関閾値を指す。
【0111】
オプションとして、相関閾値は、コンピュータデバイスの関連するパラメータを変更することによって調整することができる。例えば、相関閾値は、日射量データセグメントに基づいて、各データセット内のデータポイントの相関値の60%、70%などを含むことができる相関値に調整することができる。上記の説明は単なる例示であり、相関閾値の範囲は本開示において限定されない。
【0112】
相関値が計算された後、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットの光発電データポイントは、相関閾値に従ってクリーニングされ得る。
【0113】
例えば、相関閾値を超える少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データを予約してもよく、相関閾値を下回る少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データをクリーニングしてもよい。
【0114】
S2303において、低関連性データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットから局所外れ値因子アルゴリズムに基づいて外れ値データがそれぞれ除去され、外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットが取得され、ここで、外れ値データは、データ集中領域から離れた光発電データを指す。
【0115】
局所外れ値因子(LOF)アルゴリズムは、「局所到達可能密度」を計算することによるサンプルの異常度の測定器である。あるサンプルポイントの密度に対する当該サンプルポイントの周囲のサンプルポイントの平均密度の比率が1より大きい場合、当該サンプルポイントの密度は、当該サンプルポイントの周囲のサンプルの密度よりも小さく、当該ポイントが異常ポイントである可能性が高くなる。
【0116】
本開示の実施形態において、LOFアルゴリズムを使用して、異なるセグメントで低関連性データクリーニングを受けた少なくとも2つのPVデータパケット内の外れ値データを決定し、外れ値データをクリーニングすることができる。
【0117】
S2304において、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットが、外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットに従って取得される。
【0118】
オプションとして、外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケット内のデータは、特定の期間内の様々な時点での光発電データ内の有効な光発電データとして取得される。光発電力曲線は、それぞれセグメント内の有効な光発電データの各パケットに対して設定される。
【0119】
あるいは、外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットをパケット化して、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得することには、以下が含まれる:
【0120】
四分位範囲アルゴリズムに基づいて、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの低関連性データから過剰クリーニングされたデータを決定すること、ここで、過剰クリーニングされたデータは、データ集中領域内およびデータ集中領域の周囲のプリセット領域内の光発電データであり;
【0121】
少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの過剰クリーニングされたデータを、外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットに復元して、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得すること。
【0122】
四分位範囲(IQR)アルゴリズムは、様々な変数値を大きさの順に配置した後、そのシーケンスを4等分に分割し、3番目の四分位の値と1番目の四分位の値との差を計算することを目的とする。
【0123】
本開示の実施形態において、IQRアルゴリズムを使用して、異なる間隔で少なくとも2つの光発電データパケット内のデータを計算することができる。このプロセスによって分割された光発電データ間隔の数は、光発電データパケットの数以上であり得る。過剰クリーニングされたデータを決定する関連閾値は、様々な間隔に従って調整できる。
【0124】
ステップ240において、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線が、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データに従って設定される。
【0125】
オプションとして、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線は、外れ値ポイントが除去された少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データに従って設定され得る。
【0126】
あるいは、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線は、過剰クリーニングされたポイントが除去された少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データに従って設定される。
【0127】
ステップ250において、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれのパケット光発電力曲線をフィッティングして、太陽光発電装置の光発電力曲線を取得する。
【0128】
オプションとして、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれのパケット光発電力曲線はスプライン回帰フィッティングを受けて、太陽光発電装置の光発電力曲線が取得される。
【0129】
スプライン補間法は、可変スプラインを有する一連の点を通る滑らかな曲線を作成するための数学的方法である。内挿スプラインは多項式で構成され、各多項式は2つの隣接するデータポイントによって決定される。
【0130】
スプライン補間法を使用することにより、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれのパケット光発電力曲線はセグメント回帰を受けることができ、これにより、全日射量セクションにおける太陽光発電装置の光発電力曲線が取得される。スプライン補間回帰のステップは、以下の通りである:
【0131】
1)日射量に基づいて、光発電データポイントを等間隔にセグメント化する(s個の間隔、s+1個の分割ポイント);
【0132】
2)各間隔の光発電データポイントに基づいて、各間隔でn回の多項式フィッティングを実行して、セグメント化されたフィッティング方程式を設定する;
【0133】
3)スプライン回帰の特性に従って、隣接するフィッティング曲線がそれらの交差部で(n-1)次数の連続性を満たす場合に、制約方程式を設定する;
【0134】
4)ビジネスニーズに応じて、左右2つのエンドポイントで境界条件制約を設定する;
【0135】
5)ステップ2)~4)を同時に考慮して、最小平均二乗根誤差に基づいて、セグメント内のそれぞれの多項式の係数を繰り返し解き、これにより、全日射量セグメント内の光発電力曲線を取得する。
【0136】
オプションとして、最小二乗法、多項式フィッティングなどの他の曲線フィッティング法を使用して、取得された光発電力曲線が可能な限り収束するように、光発電力曲線の回帰を実行してもよい。
【0137】
要約すると、本開示の実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法によって、特定の期間内の様々な時点で取得された光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割し、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定し、光発電データが光発電曲線モデリングプロセス中の異なる期間にフィットするように、少なくとも2つの光発電データパケットのパケット光発電力曲線のそれぞれをフィッティングすることで、光発電力曲線が取得され、これにより、異なる期間の光電変換効率の違いが光発電曲線モデリングに与える影響を低減し、光発電曲線モデリングの精度を向上させる。
【0138】
図4は、本開示の例示的な実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法のフローチャートを示す。光発電曲線をモデリングするための方法は、コンピュータデバイスによって実行される。取得された光発電データを午前および午後の光発電データパケットに分割する場合を例にとると、図4に示すように、この方法には、以下のステップが含まれる。
【0139】
1)図5を参照し、光発電データが取得される。図5は、本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における、特定の期間内の様々な時点での光発電データの散布図を示す。図5に示すように、取得された光発電データには、特定の期間内の様々な時点での光発電データが含まれる。
【0140】
2)図6および図7を参照し、午前のデータと午後のデータが分離される。図6は、本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における午前の光発電データの散布図を示す。図7は、本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における午後の光発電データの散布図を示す。図6および図7に示すように、図5に示す特定の期間内の様々な時点での光発電データは、光発電データの異なる収集時間に基づいて、午前および午後の2つの光発電データパケットに分割される。
【0141】
例として、午前の光発電データパケット内の光発電データの処理を取り上げる:
【0142】
3)図8を参照し、異常データがクリーニングされる。図8は、本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における異常データの散布図を示す。図8に示すように、異常データには、欠落データ、夜間無効データ、超過データ、デッドナンバーが含まれる。
【0143】
4)図9を参照し、低関連性データがクリーニングされる。図9は、本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における低関連性データの散布図を示す。図9に示すように、低関連性データが日射量データに基づいてクリーニングされる。低関連性データとは、相関閾値を下回る光発電データを指す。相関閾値は、コンピュータデバイスの関連パラメータを変更することによって調整できる。
【0144】
5)図10を参照し、外れ値データがクリーニングされる。図10は、本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における外れ値データの散布図を示す。図10に示すように、低関連性データが除去された光発電データのデータ集中領域から離れた光起電力データがLOFアルゴリズムに基づいて計算され、クリーニングされる。
【0145】
6)図11を参照して、過剰クリーニングされたポイントが復元される。図11は、本開示の一実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における過剰クリーニングされたデータの散布図である。図11に示すように、データ集中領域の周囲のプリセット領域内の光発電データがIQRアルゴリズムに基づいて計算され、上記の部分からクリーニングされたプリセット領域内のデータが、光発電データのフィッティングベースの整合性を確保するために復元される。
【0146】
7)図12を参照し、光発電データがフィッティングされる。図12は、本開示の実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法における光発電曲線のフィッティング図を示す。図12に示すように、クリーニング後に予約された有効な光発電データポイントをスプライン補間フィッティングし、または、予約された光発電データポイントを最小二乗法などの他のフィッティング方法でフィッティングして、光発電力曲線が取得される。
【0147】
8)取得された光発電力曲線が単調であるか、または光電変換効率を満たしているかを検証するために、事後検証が実行される:
【0148】
取得された光発電装置の光発電力曲線が単調であり、適切な光電変換効率を満たす場合、検証された光発電力曲線は光発電装置の光発電力曲線であり、すなわち、光発電データをフィッティングすることで得られた光発電力曲線は光発電装置の光発電力曲線である。
【0149】
取得された光発電装置の光発電力曲線が単調である、および/または光電変換効率を満たさない場合、検証された光発電力曲線は理論上の光発電力曲線であり、理論上の光発電力曲線は太陽光発電装置の光発電力曲線として取得される。
【0150】
9)光発電力曲線が取得される。午前の光発電データパケット内の光発電データを処理して午前の光発電力曲線が取得され、午後の光発電データパケット内の光発電データを処理して午後の光発電力曲線が取得される。
【0151】
異常データをクリーニングし、低関連性データをクリーニングする各ステップは、光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割する前に実行されてもよく、または光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割した後に実行されてもよいことに留意されたい。
【0152】
本開示の実施形態において、光発電曲線をモデリングするための方法を使用して、少なくとも2つの太陽光発電装置の光発電力曲線を取得することができる。少なくとも2つの太陽光発電装置の光発電力曲線は、少なくとも2つの光発電データパケットに対応する。
【0153】
要約すると、本開示の実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための方法によって、特定の期間内の様々な時点で取得された光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割し、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定し、光発電データが光発電曲線モデリングプロセス中の異なる期間にフィットするように、少なくとも2つの光発電データパケットのグループ化光発電力曲線のそれぞれをフィッティングすることで、光発電力曲線が取得され、これにより、異なる期間の光電変換効率の違いが光発電曲線モデリングに与える影響を低減し、光発電曲線モデリングの精度を向上させる。
【0154】
図13は、本開示の例示的な実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための装置のブロック図を示す。この装置は、コンピュータデバイスの全部または一部としてソフトウェア形式で実施して、図1、2または4の対応する実施形態に示される方法のステップの全部または一部を実行することができる。図13に示されるように、この装置には、以下が含まれ得る:
【0155】
特定の期間内の様々な時点で光発電データを取得するように構成された、取得モジュール1310、ここで、光発電データには、対応する時点での太陽光発電装置の生成電力と、対応する時点での日射量検出装置によって収集された日射量とが含まれ;日射量検出装置は、太陽光発電装置に配備され;
【0156】
様々な時点での光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割するように構成された、パケット化モジュール1320、ここで、少なくとも2つの光発電データパケットの各々の光発電データに対応する時点は、自然日のある期間に属し、少なくとも2つの光発電データパケットの異なるパケットは、異なる期間に対応し;
【0157】
少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定するように構成された、設定モジュール1330、ここで、パケット光発電力曲線は、日射量と生成電力の間の関数関係を示すことを意図している。
【0158】
オプションとして、この装置には更に:少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに対してデータクリーニングを実行して、少なくとも2つの光発電データパケット内の無効な光発電データを除去するように構成された、クリーニングモジュールが含まれる。
【0159】
設定モジュール1330は、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定するように構成される。
【0160】
オプションとして、光発電データには、対応する時点での太陽光発電装置の生成電力と、対応する時点での日射量検出装置によって収集された日射量とが含まれる。日射量検出装置は、太陽光発電装置に配備される。クリーニングモジュールには、以下が含まれる:
【0161】
少なくとも2つの光発電データパケット内の異常データをクリーニングして、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得するように構成された、第1のクリーニングサブモジュール、ここで、異常データは、日射量検出装置が故障した場合に生成されるデータを指し;
【0162】
異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットから低関連性データを除去して、低関連性データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得するように構成された、第2のクリーニングサブモジュール、ここで、低関連性データは、関連性が関連閾値よりも低い光発電データを指し、関連性は、対応する光発電データにおける生成電力と日射量との間の相関性を示すために使用され;
【0163】
低関連性データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットからLOFアルゴリズムに基づいてそれぞれ外れ値データを除去して、外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットを取得するように構成された、第3のクリーニングサブモジュール、ここで、外れ値データは、データ集中領域から離れた光発電データを指し;
【0164】
外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットに従って、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得するように構成された、第1の取得サブモジュール。
【0165】
オプションとして、第1のクリーニングサブモジュールは、以下のように構成される:
【0166】
少なくとも2つの光発電データパケット内の欠落データをクリーニングし、ここで、欠落データは、光発電データ内の日射量データまたは生成電力データが欠落しているデータを指し;
【0167】
少なくとも2つの光発電データパケット内の夜間無効データをクリーニングし、ここで、夜間無効データは、夜間検出中に光発電力検出装置によって取得された全てのデータを指し;
【0168】
少なくとも2つの光発電データパケット内の超過データをクリーニングし、ここで、超過データは、適切な日射量データ範囲および/または適切な電力データ範囲を超えるデータを指し;
【0169】
少なくとも2つの光発電データパケット内のデッドナンバーをクリーニングし、ここで、デッドナンバーは、時系列で4回以上現れるデータを指す。
【0170】
オプションとして、第2のクリーニングサブモジュールは、以下のように構成される:
【0171】
スライドウィンドウを設定し、ここで、スライドウィンドウの各々は、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データの時間分解能をステップ長とし、各n個の光発電データをセットとすることで、時系列で異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データによって設定され;各n個の光発電データをデータのセットとみなし、1つのスライドウィンドウにはデータのセットが含まれ;時間分解能は、日射量検出装置が対応する時点で隣接する2つの光発電データを収集する最小時間間隔を指し;
【0172】
各スライドウィンドウ内の光発電データのピアソン相関係数を計算し;
【0173】
異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データの相関値を計算し、ここで、相関値は、中間のn-2個のピアソン相関係数の各値について、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データが降順で配置されている複数のスライドウィンドウのピアソン相関係数を並べ替えることで解かれる平均値を指し;
【0174】
相関閾値を決定し、ここで、相関閾値は、日射量データセグメントに基づいて分割されたデータセグメントの各々に対応する相関閾値を指し;
【0175】
相関閾値に従って、異常データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケット内の光発電データをクリーニングする。
【0176】
オプションとして、第1の取得サブモジュールは、以下のように構成される:
【0177】
IQRアルゴリズムに基づいて、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの低関連性データから過剰クリーニングされたデータを決定し、ここで、過剰クリーニングされたデータは、データ集中領域内およびデータ集中領域の周囲のプリセット領域内の光発電データであり;
【0178】
少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの過剰クリーニングされたデータを、外れ値データが除去された少なくとも2つの光発電データパケットに復元して、データクリーニングを受けた少なくとも2つの光発電データパケットを取得する。
【0179】
オプションとして、設定モジュール1330は、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに対してスプライン補間フィッティングを実行して、太陽光発電装置の光発電力曲線を取得するように構成される。
【0180】
要約すると、本開示の実施形態に関する光発電曲線をモデリングするための装置は、コンピュータデバイスの全部または一部としてソフトウェア形式で実施される。特定の期間内の様々な時点で取得された光発電データを少なくとも2つの光発電データパケットに分割し、少なくとも2つの光発電データパケットのそれぞれの光発電データに従って、少なくとも2つの光発電データパケットにそれぞれ対応するパケット光発電力曲線を設定し、光発電データが光発電曲線モデリングプロセス中の異なる期間にフィットするように、少なくとも2つの光発電データパケットのパケット光発電力曲線のそれぞれをフィッティングすることで、光発電力曲線が取得され、これにより、異なる期間の光電変換効率の違いが光発電曲線モデリングに与える影響を低減し、光発電曲線モデリングの精度を向上させる。
【0181】
図14は、1つの例示的な実施形態に関するコンピュータデバイス1400の概略構造図である。コンピュータデバイスは、本開示の前述の解決策において光発電曲線をモデリングすることができるコンピュータデバイスとして実装され得る。コンピュータデバイス1400は、中央処理装置(CPU)1401と、ランダムアクセスメモリ(RAM)1402および読み取り専用メモリ(ROM)1403を含むシステムメモリ1404と、システムメモリ1404とCPU1401を接続するシステムバス1405とを含む。コンピュータデバイス1400は更に、コンピュータ内の様々なコンポーネント間で情報を送信するのを助ける基本入出力システム(I/Oシステム)1406と、オペレーティングシステム1413、アプリケーション1414および他のプログラムモジュール1415を記憶するための大容量記憶装置1407とを含む。
【0182】
基本I/Oシステム1406は、情報を表示するためのディスプレイ1408と、ユーザが情報を入力するためのマウスおよびキーボードなどの入力デバイス1409とを含む。ディスプレイ1408および入力デバイス1409の両方は、システムバス1405に接続されたI/Oコントローラ1410によってCPU1401に接続される。基本I/Oシステム1406はまた、キーボード、マウス、または電子スタイラスなどの他の複数のデバイスからの入力を受信および処理するためのI/Oコントローラ1410を含み得る。同様に、I/Oコントローラ1410は更に、ディスプレイ画面、プリンタ、または他のタイプの出力デバイスへの出力を提供する。
【0183】
大容量記憶装置1407は、システムバス1405に接続された大容量記憶装置コントローラ(図示せず)によってCPU1401に接続される。大容量記憶装置1407およびそれに関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータデバイス1400に不揮発性ストレージを提供する。すなわち、大容量記憶装置1407は、ハードディスクまたはCD-ROMドライブなどのコンピュータ可読媒体(図示せず)を含み得る。
【0184】
一般性を失うことなく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、並びに取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、またはその他のソリッドステートストレージ技術;CD-ROM、DVD、またはその他の光ストレージ;および、テープカートリッジ、磁気テープ、ディスクストレージ、またはその他の磁気ストレージデバイスが含まれる。コンピュータ記憶媒体が上記に限定されないことが、当業者によって知られている。上記のシステムメモリ1404および大容量記憶装置1407は、まとめてメモリと呼ばれることがある。
【0185】
本開示の様々な実施形態によれば、コンピュータデバイスはまた、動作のために、インターネットなどのネットワークを介して、ネットワーク上のリモートコンピュータに接続され得る。すなわち、コンピュータデバイス1400は、システムバス1405に接続されたネットワークインターフェースユニット1411を介してネットワーク1412に接続されてもよく、または、ネットワークインターフェースユニット1411を用いて他のタイプのネットワークまたはリモートコンピュータシステム(図示せず)に接続されてもよい。
【0186】
メモリは、メモリに記憶された1つまたは複数のプログラムを更に含む。CPU1401は、1つまたは複数のプログラムを実行することによって、図1図2、または図4に示される方法のステップの全部または一部を実施する。
【0187】
当業者は、上記の1つまたは複数の例において、本開示の実施形態に記載される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実施できることを理解するであろう。ソフトウェアに実装される場合、その機能は、コンピュータ可読媒体に記憶され、またはコンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして送信され得る。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方が含まれる。記憶媒体は、汎用または専用のコンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であり得る。
【0188】
1つの例示的な実施形態において、上記の端末によって使用されるコンピュータソフトウェア命令を記憶するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体も提供される。その命令には、上記の光発電曲線モデリング方法を実行するために設計されたプログラムが含まれる。例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光学データストレージデバイスなどであり得る。
【0189】
本開示の他の実施形態は、本開示の明細書および実施を考慮すれば当業者には明らかであろう。本開示は、一般原則に従い、本明細書に開示されていない一般的な知識または一般的に使用される技術的手段を含む、本開示の任意の変形、使用、または適合をカバーすることを意図している。本明細書および実施形態は例示としてのみ考慮されるべきであり、本開示の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0190】
本開示は、上記で説明し、添付の図面に示した正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを理解されたい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図されている。
図1
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図14