(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】電気推進システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230928BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20230928BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20230928BHJP
H01M 10/637 20140101ALI20230928BHJP
B60L 50/60 20190101ALN20230928BHJP
B60L 53/10 20190101ALN20230928BHJP
B60L 58/27 20190101ALN20230928BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/10 L
H01M10/615
H01M10/637
B60L50/60
B60L53/10
B60L58/27
(21)【出願番号】P 2023062247
(22)【出願日】2023-04-06
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】P 2022194536
(32)【優先日】2022-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】392029742
【氏名又は名称】田中 正一
(72)【発明者】
【氏名】田中 正一
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-012853(JP,A)
【文献】特開2009-055687(JP,A)
【文献】特開2011-254673(JP,A)
【文献】特開2020-022312(JP,A)
【文献】特開2007-166779(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第115042673(CN,A)
【文献】国際公開第2021/219324(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
H01M 10/615
H01M 10/637
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
推進モータ駆動用のモータ駆動回路にモータ駆動電力を供給する高電圧バッテリと、前記高電圧バッテリに電気的に接続される変圧器と、前記変圧器のコイルに供給される電流を制御するコントローラとを備える電気推進システムにおいて、
前記変圧器は、共通の軟磁性コアに巻かれた3個以上のコイルを有
し、
前記軟磁性コア(16)は、第1磁路(101A)、第2磁路(101C)、及び第3磁路(101B)を有し、
前記第1磁路、第2磁路、及び第3磁路は、磁気的に並列に接続され、
第1コイル(8A)及び第2コイル(6A)は、前記第1磁路に巻かれ、
第3コイル(8B)及び第4コイル(6B)は、前記第2磁路に巻かれ、
第5コイル(5及び/又は7)は、前記第3磁路に巻かれ、
前記第2コイル(6A)及び前記第4コイル(6B)は直列に接続されることを特徴とする電気推進システム。
【請求項2】
前記コントローラ(30)は、一次コイルとしての前記第1コイル(8A)及び前記第3コイル(8B)に供給する一次電流を制御することにより、前記第2コイル(6A)及び前記第4コイル(6B)の合計二次電圧と、前記第5コイル(5及び/又は7)の二次電圧の一方を選択的に利用する請求項1記載の電気推進システム。
【請求項3】
推進モータ駆動用のモータ駆動回路にモータ駆動電力を供給する高電圧バッテリと、前記高電圧バッテリに電気的に接続される変圧器と、前記変圧器のコイルに供給される電流を制御するコントローラとを備える電気推進システムにおいて、
前記変圧器は、前記モータ駆動回路の一対の入力ターミナルに接続される平滑キャパシタ及び前記高電圧バッテリとともに閉ループ回路を形成するバッテリ加熱コイルを有し、
前記コントローラは、
前記高電圧バッテリの温度が所定値未満である時、前記バッテリ加熱コイルに二次電圧を誘導することにより、前記閉ループ回路に二次電流を循環させるバッテリ加熱モードをもつことを特徴とする電気推進システム。
【請求項4】
前記閉ループ回路はさらに、前記高電圧バッテリ及び前記平滑キャパシタを接続するリレーを有し、
前記コントローラは、前記リレーの開放時に、前記リレーを流れる電流を低減するための電圧を前記バッテリ加熱コイルに誘導する請求項3記載の電気推進システム。
【請求項5】
前記変圧器は、電力グリッドの電力により前記高電圧バッテリを充電するグリッド充電器に内蔵される変圧器と共通の軟磁性コアををもつ請求項3記載の電気推進システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気推進システムに関し、特に電圧変更のための変圧器をもつ電気推進システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧バッテリの電力エネルギーを用いてトラクションモータを駆動する電気推進システムとして、電気自動車(EV)が知られている。さらに、高電圧バッテリの電力エネルギーを用いて推進モータを駆動する電気推進システムとして、電気船及び電気航空機が知られている。高電圧バッテリの直流電力はモータ駆動回路により交流電力に変換されて推進モータに供給される。3相インバータは典型的なモータ駆動回路であるが、さらに昇圧チョッハ゛が追加されたモータ駆動回路も知られている。
【0003】
従来の電気推進システムは、モータ駆動回路に加えて高電圧バッテリに接続される複数のバッテリ回路をもつ。これらのバッテリ回路の運転電圧は、高電圧バッテリの定格電圧と異なるのが通常である。このため、これらのバッテリ回路はそれぞれ、電圧変更のための変圧器をもつ。
【0004】
バッテリ回路の一例として、グリッド電力により高電圧バッテリを充電するグリッド充電器が知られている。さらに、バッテリ回路の他例として、高電圧バッテリから低電圧バッテリへバッテリ電力を伝送するDCDCコンバータも知られている。
【0005】
従来の電気推進システムの一例が
図1に示される。高電圧バッテリ1は、配線箱10を通じて平滑キャパシタ2に実質的に並列接続されている。平滑キャパシタ2は、モータ駆動回路20のスイッチングノイズを吸収する。
【0006】
配線箱10は、リレー回路3、グリッド充電器11、DCDCコンバータ12、及びコントローラ30をもつ。リレー回路3は、システムリレー31及び34、プリチャージリレー32、及び抵抗器33をもつ。
【0007】
高電圧バッテリ1の正極端子B+は、システムリレー31を通じて平滑キャパシタ2の正極端子C+に接続される。高電圧バッテリ1の負極端子B-は、システムリレー34を通じて平滑キャパシタ2の負極端子C-に接続される。
【0008】
グリッド充電器11は、グリッド側コンバータ9、変圧器13、及びバッテリ側コンバータ4をもつ。変圧器13は、軟磁性コア13Aに巻かれたコイル8A及び7をもつ。グリッド側コンバータ9は、整流器93、キャパシタ92、及びオシレータ91からなる。
【0009】
整流器93は単相グリッド電圧を整流してキャパシタ92を充電する。キャパシタ92はオシレータ91に直流電力を供給し、オシレータ91は変圧器13のコイル7に高周波電圧を印加する。変圧器13のコイル8Aに誘導された二次電圧は、バッテリ側コンバータ4Aにより整流される。安全リレー35及び36を通じて高電圧バッテリ1に接続されたバッテリ側コンバータ4Aは、高電圧バッテリ1に整流電圧を印加する。
【0010】
DCDCコンバータ12は、バッテリ側コンバータ4B、変圧器14、及び整流器61からなる。変圧器14は、軟磁性コア14Aに巻かれたコイル8B及び6をもつ。安全リレー35及び36を通じて高電圧バッテリ1に接続されたバッテリ側コンバータ4Bは、コイル8Bに高周波電流を供給する。コイル6に誘導された二次電圧は整流器61により整流される。整流電圧は低電圧バッテリ60を充電する。
【0011】
他方、高電圧バッテリ1の性能改善のために、高電圧バッテリ1に交流電力を供給する変圧器をもつバッテリ加熱回路が提案されている。結局、従来の電気推進システムは、グリッド充電器、DCDCコンバータ、及びバッテリ加熱回路のような変圧器が内蔵されたバッテリ回路をもつ。けれども、これらの変圧器は電気推進システムの重量を増加させる。
【0012】
特許文献1は、グリッド充電器の変圧器をインダクタとして使用するバッテリ加熱回路を提案している。特許文献1によれば、変圧器の数を減らすことができる。しかし、特許文献1は、変圧器のコイルをインダクタとして使用するために複数の半導体パワースイッチング素子を追加する必要がある。高電圧及び大電流を扱うこれらの半導体パワースイッチング素子は高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【0014】
本発明の第1の目的は、簡素なパワースイッチング回路及び軽量な変圧器をもつ電気推進システムを提供することである。
【0015】
本発明の第1の様相によれば、推進モータを駆動する電気推進システムに付属するバッテリ回路は、共通の軟磁性コアに巻かれた3個以上のコイルを有する変圧器をもつ。これにより、電気推進システムの複数の動作モードを単一の変圧器を使用して実施することができるため、バッテリ回路は、簡素な回路構成をもつ。さらに、変圧器の合計重量を低減することができる。
【0016】
好適な態様において、この電気推進システムは、グリッド充電モード、DC-DCコンバータモード、及びバッテリ加熱モードのうちの少なくとも2つを共通の変圧器を通じて実行する。
好適な態様において、この電気推進システムは、グリッド充電モード、DC-DCコンバータモード、及びバッテリ加熱モードのすべてを共通の変圧器を通じて実行する。
【0017】
本発明の第2の様相によれば、推進モータを駆動する電気推進システムの変圧器は、高電圧バッテリに二次電流を流すためのバッテリ加熱コイルをもつ。バッテリ加熱コイル、高電圧バッテリ、及び平滑キャパシタは、二次電流が循環する閉ループ回路を形成する。平滑キャパシタは、モータ駆動回路の入力ターミナルに接続される。これにより、簡素な回路構成により、高電圧バッテリの急速加熱を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来の電気推進システムのバッテリ回路を示すブロック回路図である。
【
図2】第1実施例の電気推進システムのバッテリ回路を示すブロック回路図である。
【
図3】
図2に示されるバッテリ回路の一例を示す回路図である。
【
図4】
図2に示されるバッテリ回路の他例を示す回路図である。
【
図5】第2実施例の電気推進システムのバッテリ回路を示すブロック回路図である。
【
図6】
図5に示されるバッテリ回路の磁束和モードを示す回路図である。
【
図7】
図5に示されるバッテリ回路の磁束差モードを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の電気推進システムに付属するバッテリ回路が図面を参照して説明される。けれども、本発明の技術思想は他の公知の回路技術により実現されてもよい。さらに、本発明の電気推進システムは、電気自動車(BEV)の他に、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、バッテリ推進船(BS)、及びバッテリ推進航空機(BP)などを含む。
【0020】
第1実施例
第1実施例の電気推進システムが
図2を参照して説明される。EVのトラクションモータを駆動する3相インバータ20を備えるこの電気推進システムは、バッテリ加熱コイル5を除いて
図1に示される従来の電気推進システムと同じである。
【0021】
図2に示される電気推進システムは、高電圧バッテリ1、平滑キャパシタ2、及び配線箱10をもつ。高電圧バッテリ1は、約400Vの定格電圧をもつリチウムイオン電池である。約0.4mFの静電容量をもつフィルムキャパシタからなる平滑キャパシタ2は、モータ駆動回路20の一対の直流電源端子に接続されている。このモータ駆動回路20は3相インバータからなるが、平滑キャパシタ2の電圧を昇圧するための昇圧チョッパ回路を含むことも可能である。
【0022】
高電圧バッテリ1及び平滑キャパシタ2は、配線箱10を通じて接続されている。配線箱10は、リレー回路3、グリッド充電器11、DCDCコンバータ12、及びコントローラ30をもつ。リレー回路3は、システムリレー31及び34、プリチャージリレー32、抵抗器33、及び安全リレー35及び36をもつ。
【0023】
バッテリ1の正極端子B+は、リレー31を通じて平滑キャパシタ2の正極端子C+に接続されている。バッテリ1の負極端子B-は、リレー34及びバッテリ加熱コイル5を通じて平滑キャパシタ2の負極端子C-に接続されている。バッテリ加熱コイル5は、平滑キャパシタ2の負極端子C-とシステムリレー34とを接続している。直列接続されたリレー32及び低抵抗器33はシステムリレー31と並列に接続されている。良く知られているように、リレー32はリレー31に先行してオンされる。これにより、平滑キャパシタ2を充電する電流が低減される。
【0024】
グリッド電力を用いてバッテリ1を充電するグリッド充電器11は、グリッド側コンバータ9、変圧器13、及びバッテリ側コンバータ4Aからなる。グリッド側コンバータ9は、整流器93、キャパシタ92、及びオシレータ91からなる。
【0025】
グリッド電圧が整流器93に印加される時、グリッド充電モードが開始される。言い換えれば、グリッド充電モードは、グリッド側コンバータ9の整流器93が電気グリッドに接続された後で実行される。グリッド充電モードが開始される前に、リレー31、32、34はオフされ、リレー35及び36はオンされる。グリッド充電モードによれば、ダイオードフルブリッジからなる整流器93は単相グリッド電圧を整流してキャパシタ92を充電する。
【0026】
キャパシタ92は、Hブリッジと呼ばれるフルブリッジインバータからなるオシレータ91に直流電力を供給する。オシレータ91は、変圧器13のコイル7に高周波電流を供給する。Hブリッジ91の4つのMOSFETは、高周波電流の波形制御のためにPWM制御される。
【0027】
変圧器13は、軟磁性コア13Aに巻かれた3つのコイル5、7、及び8Aをもつ。コイル5、7、及び8Aは、軟磁性コア13Aにより磁気的に結合されている。オシレータ91がコイル7に高周波の一次電流を供給する時、整流器としてのバッテリ側コンバータ4Aは、コイル8Aに誘導された二次電圧を整流する。バッテリ側コンバータ4Aも、Hブリッジと呼ばれるフルブリッジインバータからなる。バッテリ側コンバータ4Aにより整流された電圧は、リレー35及び36を通じてバッテリ1に印加される。結局、グリッド充電器11は、グリッド電力を用いてバッテリ1を充電することができる。
【0028】
DCDCコンバータ12は、バッテリ側コンバータ4B、変圧器14、及び整流器61からなる。変圧器14は軟磁性コア14Aに巻かれたコイル8B及び6をもつ。オシレータからなるバッテリ側コンバータ4Bは高周波電圧をコイル8Bに印加する。コイル6に誘導された二次電圧は整流器61によって整流された後、低電圧バッテリ60に印加される。
【0029】
コントローラ30は、グリッド充電モードに加えてバッテリ加熱モードをもつ。このバッテリ加熱モードは、平滑キャパシタ2がプリチャージされた後で実施される。バッテリ1の温度が所定値未満である時に実施されるバッテリ加熱モードによれば、平滑キャパシタ2とバッテリ1との間を循環する高周波電流がバッテリ1を加熱する。
【0030】
このバッテリ加熱モードは2つのモードを含む。第1のバッテリ加熱モードは、バッテリ接続式バッテリ加熱モードと呼ばれる。第2のバッテリ加熱モードは、グリッド接続式バッテリ加熱モードと呼ばれる。
【0031】
まず、バッテリ接続式バッテリ加熱モードが説明される。リレー35及び36がオンされ、バッテリ1はバッテリ側コンバータ4Aにバッテリ電圧を印加する。次に、オシレータとして駆動されるバッテリ側コンバータ4Aは、コイル8Aに高周波電流を供給する。これにより、高周波の二次電圧がコイル5に誘導され、二次電流が、バッテリ1、コイル5、リレー31、平滑キャパシタ2、及びリレー34からなる閉ループ回路を循環する。
【0032】
その結果、バッテリ1はその抵抗損失により効率よく加熱される。たとえば、バッテリ1の内部抵抗が0.1オームであり、高周波電流の実効値が70Aと仮定される。その結果、バッテリ1は約490Wの抵抗損失を発生する。このバッテリ接続式バッテリ加熱モードは、推進モータが停止される期間、及び、推進モータが駆動される期間に実施されることができる。
【0033】
ただし、バッテリ加熱モードのための高周波電力とモータ駆動のための電力との合計が所定レベルを超えないように、バッテリ加熱電力は調整されるべきである。バッテリ加熱電力の制御は、バッテリ側コンバータ4AとしてのHブリッジのPWM制御により実施される。このバッテリ加熱モードは、バッテリ1の温度が所定値に達した時に終了される。
【0034】
次に、グリッド接続式バッテリ加熱モードが説明される。このグリッド接続式バッテリ加熱モードは、既述されたグリッド充電モードと同時に実施されることができる他、単独で実施されることもできる。バッテリ加熱モード及びグリッド充電モードが一緒に実施される時、バッテリ加熱電力は、バッテリ1の電流が所定値を超えないように好適に制御される。グリッド側コンバータ9のオシレータ91は、バッテリ加熱電力の制御のためにPWM制御される。
【0035】
まず、グリッド接続式バッテリ加熱モードの単独実施が説明される。リレー35及び36はオフされ、リレー31及び34はオンされる。整流器93により整流されたグリッド電力がオシレータ91に供給される。オシレータ91は一次電圧をコイル7に印加する。その結果、バッテリ加熱コイル5に二次電圧が誘導され、バッテリ1及び平滑キャパシタ2は高周波電流により加熱される。
【0036】
次に、グリッド接続式バッテリ加熱モード及びグリッド充電モードを同時に実施するケースが説明される。グリッド接続式バッテリ加熱モードが実施されている時、リレー35及び36がオンされる。
整流器93により整流されたグリッド電力はキャパシタ92に充電される。キャパシタ92から給電されたオシレータ91は高周波電流をコイル7に供給する。その結果、バッテリ加熱コイル5に誘導された高周波電圧はバッテリ1を加熱する。さらに、コイル8Aに誘導された二次電圧は、整流器としてのバッテリ側コンバータ4Aにより整流される。これにより、バッテリ1が充電される。
【0037】
図3は、
図2に示されるバッテリ側コンバータ4A、変圧器13、及びグリッド側コンバータ9の回路例を示す。
図3において、変圧器13の断面が模式的に示される。3つのコイル8A、5、及び7は、軟磁性コア13Aの中央ポールに巻かれている。コイル5の巻数は好適には1ターンである。
【0038】
この実施例の効果が説明される。まず、グリッド充電器11の変圧器13は、バッテリ1を加熱するバッテリ加熱回路の変圧器を兼ねる。さらに、グリッド充電器11のバッテリ側コンバータ4A及びグリッド側コンバータ9はそれぞれ、このバッテリ加熱回路のオシレータを兼ねる。その結果、簡素な回路追加により低温のバッテリ1を加熱することができ、バッテリ加熱回路の重量及びコストを低減することができる。
【0039】
次に、バッテリ加熱コイル5のインダクタンスによる影響が説明される。まず、リレー31及び34がオフされる時、リレー31及び34のいわゆる接点アーク問題が深刻となる。この問題は、リレー31及び34がオフされる時、コイル5に二次逆電圧を印加することにより解決される。リレー31及び34がオフされる時、バッテリ側コンバータ4Aはコイル8Aに一次逆電圧を印加する。これにより、二次逆電圧がコイル5に誘導される。この二次逆電圧の方向は、バッテリ加熱コイル5を流れる電流の方向と反対である。これにより、リレー31及び34のオフ時におけるコイル5の悪影響が抑制される。
【0040】
さらに、バッテリ加熱コイル5に二次逆電圧を誘導する技術は、プリチャージリレー32のオンにより、平滑キャパシタ2に流れる突入電流を抑制するために使用することができる。まず、リレー35及び36をオンすることにより、バッテリ側コンバータ4Aはコイル8Aに一次逆電圧を印加する。これにより、二次逆電圧がコイル5に誘導される。この二次逆電圧の方向は、平滑キャパシタ2を流れる突入電流を減らす方向である。これにより、突入電流が低減される。
【0041】
図2に示される変圧器13及び変圧器14の変形態様が
図4を参照して説明される。
図4に示される変圧器15の軟磁性コア13Aは、第1ポール101A、第2ポール101B、及び第3ポール101Cをもつ。軟磁性コア13Aはさらに、横バー101D、101E、101F、及び101Gをもつ。コイル5、7、8Aは第1ポール101Aに巻かれ、コイル6及び8Bは第3ポール101Cに巻かれている。第2ポール101Bは、コイルをもたない。
【0042】
したがって、コイル5、7、8Aの磁束は、第1ポール101A、横バー101D、第2ポール101B、及び横バー101Eにより形成される閉ループ磁路を流れる。同様に、コイル6及び8Bの磁束は、第3ポール101C、横バー101F、第2ポール101B、及び横バー101Gにより形成される閉ループ磁路を流れる。
【0043】
結局、
図4に示される変圧器15は、
図2に示される2つの変圧器13及び14と均等である。しかし、変圧器15の軟磁性コア15Aは、2つの変圧器13及び14の軟磁性コア13A及び14Aよりもコンパクトとなる。さらに付け加えれば、
図4に示されるポール101Bは、ポール101A及び101Cを囲む壁形状をもつことができる。これにより、電磁波ノイズを低減することができる。
【0044】
第2実施例
本発明の電気推進システムの第2実施例が
図5を参照して説明される。
図5に示される電気推進システムは、
図2に示される電気推進システムと類似している。けれども、この実施例は、
図2に示される2つの変圧器13及び14の代わりに一つの変圧器16を使用する。さらに、この実施例は、
図2に示される一つのコイル6の代わりに直列接続された二つのコイル6A及び6Bを使用する。
【0045】
この変圧器16は、6個のコイル5、7、8A、8B、6A、及び6Bをもつ。バッテリ側コンバータ4Aはコイル8Aに接続され、バッテリ側コンバータ4Bはコイル8Bに接続されている。直列接続された2つのコイル6A及び6Bが整流器61に接続されている。
【0046】
高電圧バッテリ1の正極端子B+は、リレー31を通じて平滑キャパシタ2の正極端子C+に接続されている。バッテリ1の負極端子B-は、リレー34及びコイル5を通じて平滑キャパシタ2の負極端子C-に接続されている。モータ駆動用の3相インバータ20が平滑キャパシタ2と並列に接続されている。直列接続されたリレー32及び低抵抗素子33がリレー31と並列に接続されている。バッテリ側コンバータ4A及び4Bは、リレー35及び36を通じてバッテリ1に接続されている。
【0047】
コイル7は、グリッド側コンバータ9を通じて電気グリッドに接続されている。グリッド側コンバータ9は、コイル7に接続されたオシレータ91、キャパシタ92、及び整流器93をもつ。グリッド電圧は整流器93により整流される。整流された直流電圧はキャパシタ92を充電する。オシレータ91は、キャパシタ92の直流電力を高周波電力に変換してコイル7に供給する。結局、グリッド側コンバータ9、コイル7、コイル8A及び8B、及びバッテリ側コンバータ4A及び4Bは、既述されたグリッド充電器を形成している。
【0048】
バッテリ1は、バッテリ側コンバータ4A及び4B、コイル8A及び8B、コイル6A及び6B、及び整流器61を通じて低電圧バッテリ6を充電する。この動作は、DCDCコンバータモードと呼ばれる。バッテリ側コンバータ4A及び4B、コイル8A及び8B、コイル6A及び6B、及び整流器61は、低電圧バッテリ6を充電するためのDCDCコンバータを形成している。直列接続されたコイル6A及び6Bに誘導された二次電圧は整流器61により整流される。整流器61は低電圧バッテリ60を充電する。12Vの定格電圧をもつ低電圧バッテリ60はコントローラ30に制御電力を供給する。
【0049】
さらに、バッテリ加熱コイルであるコイル5は、バッテリ1及び平滑キャパシタ2とともにバッテリ加熱用の閉ループ回路を形成している。コイル5に誘導された二次電圧は、この閉ループ回路に高周波電流を循環させる。
【0050】
コントローラ30により実施される動作モードが説明される。コントローラ30は、モータ駆動モード、グリッド充電モード、グリッド接続式バッテリ加熱モード、バッテリ接続式バッテリ加熱モード、及びDCDCコンバータモードをもつ。これらのモードが順番に説明される。
【0051】
まず、グリッド充電モードが説明される。まず、リレー35及び36がオンされる。ダイオードブリッジからなる整流器93が200ACVの電気グリッドに接続される時、整流器93はグリッド電圧を整流して、キャパシタ92を充電する。キャパシタ92に接続されたオシレータ91は一次コイル7に高周波電流を供給する。
【0052】
これにより、二次コイル8Aに誘導された二次電圧はバッテリ側コンバータ4Aにより整流されてバッテリ1に印加される。同様に、二次コイル8Bに誘導された二次電圧はバッテリ側コンバータ4Bにより整流されてバッテリ1に印加される。二次コイル8A及び8Bは等しい巻数値をもつ。結局、整流器としてのバッテリ側コンバータ4A及び4Bは、バッテリ1を並列に充電する。
【0053】
次に、グリッド接続式バッテリ加熱モードが説明される。このグリット゛接続式バッテリ加熱モードは、バッテリ1の温度が低く、かつ、整流器93が電気グリッドに接続される時に実施される。まず、リレー31及び34がオンされる。整流器93はグリッド電圧を整流して、キャパシタ92を充電する。キャパシタ92に接続されたオシレータ91は一次コイル7にたとえば8kHzの高周波電流を供給する。バッテリ加熱コイル5に誘導された二次電圧は、コイル5、バッテリ1、及び平滑キャパシタ2からなる閉ループ回路に高周波電流を流し、バッテリ1が加熱される。バッテリ1の温度が所定値に到達した時、このグリット゛接続式バッテリ加熱モードは終了する。
【0054】
次に、DCDCコンバータモードが説明される。まず、リレー35及び36がオンされる。このDCDCコンバータモードにおいて、バッテリ側コンバータ4A及び4Bはそれぞれ、オシレータとして動作する。バッテリ側コンバータ4Aはコイル8Aに高周波電流を供給し、バッテリ側コンバータ4Bはコイル8Bに高周波電流を供給する。コイル6A及び6Bに誘導された二次電圧の合計は、整流器61により整流されて低電圧バッテリ60に印加される。バッテリ側コンバータ4A及び4Bは、低電圧バッテリ60の電圧に応じてPWM制御される。
【0055】
次に、バッテリ接続式バッテリ加熱モードが説明される。整流器93は電気グリッドから切り離される。まず、リレー31、34、35、及び36がオンされる。オシレータとして動作するバッテリ側コンバータ4A及び4Bは、コイル8A及び8Bに高周波電流を供給し、二次電圧がバッテリ加熱コイル5に誘導される。その結果、高周波電流がバッテリ1、平滑キャパシタ2、コイル5からなる閉ループ回路を流れ、バッテリ1が加熱される。なお、バッテリ接続式バッテリ加熱モード及びモータ駆動モードを同時に実施する場合、バッテリ1を流れる最大電流が所定しきい値未満となるように、高周波電流は制限される。
【0056】
この実施例によれば、バッテリ接続式バッテリ加熱モード及びDCDCコンバータモードの両方は、バッテリ側コンバータ4A及び4Bをオシレータとして使用する。したがって、オシレータ4A及び4Bがコイル8A及び8Bに一次電流を供給する時、二次電圧が二次コイルとしてのコイル5、6A、及び6Bに誘導される。言い換えれば、バッテリ接続式バッテリ加熱モード及びDCDCコンバータモードは同時に実施される。
【0057】
しかし、バッテリ接続式バッテリ加熱モード及びDCDCコンバータモードはそれぞれ、独立実施されることが好ましい。この問題は、磁束切替型変圧器と呼ばれる特殊な変圧器16の採用により解決される。
【0058】
図6及び
図7は、変圧器16の構造を示す模式断面図である。軟磁性コア16Aは、3つのポール101A、101B、及び101Cをもち、さらに4つの横バー101D、101E、101F、及び101Gをもつ。ポール101A、横バー101D、ポール101B、及び横バー101Eは、第1閉磁気回路を形成している。ポール101C、横バー101F、ポール101B、及び横バー101Gは、第2閉磁気回路を形成している。
【0059】
実際には、磁気飽和を回避するために、これらの閉磁気回路は狭いエアギャップをもつ。横バー101D及び101Fは3つのポール101A、101B、及び101Cの上端を磁気的に短絡している。同様に、横バー101E及び101Gは3つのポール101A、101B、及び101Cの下端を磁気的に短絡している。
【0060】
コイル8A及びコイル6Aはポール101Aに巻かれ、コイル8B及びコイル6Bはポール101Cに巻かれている。言い換えれば、コイル8A及びコイル6Aは第1閉磁気回路に巻かれ、コイル8B及びコイル6Bは第2閉磁気回路に巻かれている。しかし、コイル8A、6A、8B、及び6Bは、第1閉磁気回路及び第2閉磁気回路の共通磁路であるポール101Bに巻かれない。
【0061】
直列接続されたコイル6A及び6Bは等しい巻数値をもつ。コイル8A及び8Bは等しい巻数値をもつ。コイル5及び7はポール101Bに巻かれている。好適には、コイル5の巻数値は1ターンである。変圧器16において、コイル8A及び8Bとコイル5との磁気結合は磁束和結合と呼ばれ、コイル8A及び8Bとコイル6A及び6Bとの磁気結合は磁束差結合と呼ばれる。
【0062】
図6及び
図7に示されるように、コイル8Aに接続されるバッテリ側コンバータ4Aは、2つのレグ401及び402をもつHブリッジからなる。同様に、コイル8Bに接続されるバッテリ側コンバータ4Bは、2つのレグ403及び404をもつHブリッジからなる。
【0063】
磁束和モード及び磁束差モードをもつコントローラ30は、バッテリ側コンバータ4Bからコイル8Bに供給される一次電流の方向を切り替えることにより、磁束和結合及び磁束差結合のどちらかを選択する。磁束和モードの実施により磁束和結合が選択され、磁束差モードの実施により磁束差結合が選択される。磁束和モード及び磁束差モードの両方において、バッテリ側コンバータ4Aからコイル8Aへ供給される第1の一次電流は、バッテリ側コンバータ4Bからコイル8Bへ供給される第2の一次電流と比べて等しい振幅値及び等しい周波数値をもつ。
【0064】
図6は、磁束和モードにおける電流及び磁束の流れを示す。この磁束和モードにおいて、コイル8Aに供給される第1の一次電流は、コイル8Bに供給される第2の一次電流と同じ位相をもつ。言い換えれば、第1の一次電流及び第2の一次電流は同じ波形をもつ。これにより、コイル8Aがポール101A内に形成する磁束F1は上向きとなり、コイル8Bがポール101C内に形成する磁束F2も上向きとなる。したがって、同じ波形をもつ2つの磁束F1及び磁束F2はポール101B内を下向きに流れる。
【0065】
この磁束和モードによれば、二次電圧がコイル5及びコイル7に誘導される。コイル7はオシレータ91に接続されているため、コイル7に誘導された二次電圧の影響は無視される。コイル5に誘導された二次電圧により、バッテリ加熱モードが実施される。すなわち、この磁束和モードは、バッテリ接続式バッテリ加熱モードにおいて採用される。
【0066】
さらに、この磁束和モードによれば、二次電圧がコイル6A及び6Bに誘導される。しかし、直列接続されたコイル6A及び6Bの二次電圧の合計がゼロとなるように、コイル6A及び6Bは互いに接続される。言い換えれば、コイル6Aが整流器61に印加する二次電圧は、コイル6Bが整流器61に印加する二次電圧と逆向きとなる。これにより、コイル6A及び6Bが整流器61に印加する二次電圧の合計がゼロとなり、DCDCコンバータモードは磁束和モードにおいて実施されない。
【0067】
図7は、磁束差モードにおける電流及び磁束の流れを示す。この磁束差モードにおいて、コイル8Aに供給される第1の一次電流は、コイル8Bに供給される第2の一次電流と比べて反対の位相をもつ。言い換えれば、第1の一次電流及び第2の一次電流は反対の波形をもつ。第2の一次電流の波形を反転することにより、磁束和モードから磁束差モードへの変更が実施される。この変更は、バッテリ側コンバータであるHブリッジ4BのPWM制御により簡単に実施される。
【0068】
磁束差モードにおいて、
図7に示されるレグ403は
図6に示されるレグ404と同じスイッチングパターンをもち、
図7に示されるレグ404は
図6に示されるレグ403と同じスイッチングパターンをもつ。これにより、
図7に示されるHブリッジ4Bがコイル7Bに供給する一次電流は、
図6に示されるHブリッジ4Bがコイル7Bに供給する一次電流と反対波形をもつ。
【0069】
図7に示される磁束差モードにおいて、コイル8Aに供給された第1の一次電流はポール101Aに磁束F1を形成し、コイル8Bに供給された第2の一次電流はポール101Cに磁束F2を形成する。磁束F1及び磁束F2は同じ波形をもつ。しかし、磁束F1はポール101Aを上へ向けて流れるが、磁束F2はポール101Cを下へ向けて流れる。
【0070】
結局、この磁束差モードによれば、同じ波形をもつ磁束F1及びF2がポール101B内を逆方向に流れる。これは、ポール101B内を流れる磁束の合計がゼロとなることを意味する。したがって、コイル5及びコイル7に誘導される二次電圧はそれぞれゼロとなり、バッテリ加熱モードは実施されない。
【0071】
次に、この磁束差モードにおいて、同じ方向をもつ磁束F1及び磁束F2がポール101A及び101Cを流れる。これにより、磁束F1及び磁束F2の合計は、コイル6A及び6Bにそれぞれ、二次電圧を誘導する。その結果、コイル6A及び6Bは同方向の二次電圧を整流器61に印加する。整流器61は2つのコイル6A及び6Bの二次電圧の合計を整流して低電圧バッテリ60に印加する。結局、この磁束差モードは、バッテリ1からバッテリ60へ直流電力を伝送するDCDCコンバータモードにおいて採用される。
【0072】
このDCDCコンバータモードはモータ運転モードと同時に実施されることができる。このDCDCコンバータモードにより、コイル6A及び6Bを通じて低電圧バッテリ60が充電される期間において、コイル6Aにより誘導されるコイル5の二次電圧と、コイル6Bにより誘導されるコイル5の二次電圧との和はゼロとなる。したがって、モータ駆動モードにおいて、コイル5の上記二次電圧により平滑キャパシタ2の電圧が変動することが防止される。バッテリ1を流れる放電電流が所定の最大しきい値を超えないように、バッテリ側コンバータ4A及び4BがPWM制御される。
【0073】
既述されたグリッド充電モードにおける磁束の流れが説明される。オシレータ91は一次電力をコイル7に供給する。コイル7は、コイル8A及び8Bと磁束和結合を形成する。したがって、
図6に示されるように、ポール101Bに巻かれたコイル7は、ポール101Aに磁束F1を流し、ポール101Cに磁束F2を流す。言い換えれば、コイル7が形成する磁束の半分がポール101Aを流れ、残りの半分がポール101Cを流れる。結局、整流器4A及び4Bは、並列にバッテリ1を充電する。このグリッド充電モードにおいて、直列接続されたコイル6A及び6Bの二次電圧の和はゼロとなる。したがって、DCDCコンバータモードは実施されない。
【0074】
第3実施例
本発明の電気推進システムの第3実施例が
図5を参照して説明される。ただし、この第3実施例において、コイル5は省略される。コントローラ30は、既述されたグリッド充電モード及びDCDCコンバータモードをもつ。グリッド充電モードは
図6に示される磁束和モードにより実施され、DCDCコンバータモードは
図7に示される磁束差モードにより実行される。
【0075】
結局、
図5に示される電気推進システムに付属するバッテリ回路は、
図6及び
図7に示される軟磁性コア16Aを採用することにより、グリッド充電モード及びDCDCコンバータモードをそれぞれ独立に実施することができる。このため、グリッド充電モードにおいて低電圧バッテリ60が過充電されるのを回避することができる。
【0076】
第4実施例
本発明の電気推進システムの第4実施例が
図5を参照して説明される。ただし、この第4実施例において、コイル7は省略される。コントローラ30は、既述されたバッテリ加熱モード及びDCDCコンバータモードをもつ。バッテリ加熱モードは
図6に示される磁束和モードにより実施され、DCDCコンバータモードは
図7に示される磁束差モードにより実行される。
【0077】
結局、
図5に示される電気推進システムに付属するバッテリ回路は、
図6及び
図7に示される軟磁性コア16Aを採用することにより、バッテリ加熱モード及びDCDCコンバータモードをそれぞれ独立に実施することができる。この実施例によれば、高電圧バッテリ1により低電圧バッテリ60を充電する降圧DCDCコンバータの変圧器にバッテリ加熱コイル5を追加するだけで、低温のバッテリ1を交流加熱することができる。
【0078】
既述された各実施例の変形態様において、バッテリ側コンバータ4又はバッテリ側コンバータ4A及び4Bは、システムリレー31及び34を通じて高電圧バッテリ1に接続されることができる。これにより、安全リレー35及び36を省略することができる。さらに、グリッド充電器11は、変圧器をもつ双方向性の充電器でもよい。
【要約】 (修正有)
【課題】電圧変更のための変圧器をもつ電気推進システムを提供する。
【解決手段】電気推進システムは、高電圧バッテリ1から給電されるモータ駆動回路20をもち、モータ駆動回路は、推進モータを駆動する。モータ駆動回路の一対の入力端は平滑キャパシタ2に接続される。電気推進システムはさらに、3個以上のコイルを有する変圧器13をもつバッテリ回路をもつ。変圧器は、高電圧バッテリを充電するための充電器11に内蔵され、高電圧バッテリを加熱するためのバッテリ加熱コイル5をもつ。バッテリ加熱コイルは、高電圧バッテリ及び平滑キャパシタとともに閉ループ回路を形成する。たとえば1ターンのバッテリ加熱コイルに高周波二次電圧が誘導される時、高周波電力が高電圧バッテリ及び平滑キャパシタを循環する。その結果、高電圧バッテリは加熱される。
【選択図】
図2