IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電磁継電器 図1
  • 特許-電磁継電器 図2
  • 特許-電磁継電器 図3
  • 特許-電磁継電器 図4
  • 特許-電磁継電器 図5
  • 特許-電磁継電器 図6
  • 特許-電磁継電器 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/44 20060101AFI20230929BHJP
   H01F 7/06 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
H01H50/44 B
H01F7/06 C
H01F7/06 L
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018141600
(22)【出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2020017499
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 良介
(72)【発明者】
【氏名】小玉 和広
(72)【発明者】
【氏名】木本 進弥
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/102518(WO,A1)
【文献】特開平11-117839(JP,A)
【文献】特開2015-220181(JP,A)
【文献】特開2001-035336(JP,A)
【文献】特開2012-199178(JP,A)
【文献】実開昭55-071437(JP,U)
【文献】実開平03-041904(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0068475(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00 - 45/14
H01H 50/00 - 50/92
H01F 7/06 - 7/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁石装置と、
接点装置と、を備え、
前記電磁石装置は、
コイルボビンと、
前記コイルボビンに巻かれているコイルと、
前記コイルが発生する磁束の経路の一部を形成する継鉄と、を有し、
前記コイルボビンは、前記コイルの一端側に設けられ、隙間を空けて対向し、電気絶縁性を有する複数のフランジ部を有し、
前記接点装置は、
固定接点と、
可動接点を含み、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する可動接触子と、を有し、
前記電磁石装置は、前記閉位置または前記開位置に前記可動接触子を移動させ、
前記複数のフランジ部は、
前記コイルの下方に設けられる第1フランジ部と、
前記第1フランジ部の下方に設けられた第2フランジ部と、を含み、
前記コイルは、前記可動接触子から見て前記第1フランジ部の外縁よりも内側にあり、
前記第2フランジ部と対向する、前記第1フランジ部の面は、前記コイルと接触しない
電磁継電器。
【請求項2】
前記第2フランジ部の外縁は、上面視で、少なくとも一部が前記第1フランジ部の外縁よりも外側にある
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
前記複数のフランジ部は、前記コイルボビンと一体に構成されている、
請求項1又は2に記載の電磁継電器。
【請求項4】
電気絶縁性を有し、前記コイルの上方に設けられ、隙間を空けて対向する第3フランジ部及び第4フランジ部を、更に備え、
前記第4フランジ部は、前記第3フランジ部の上方に設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記第3フランジ部及び前記第4フランジ部は、前記コイルボビンと一体に構成されている、
請求項4に記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記複数のフランジ部のうち、いずれか一のフランジ部は、前記コイルボビンの回転を制限する
請求項1~5のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項7】
前記第2フランジ部は、前記複数のフランジ部のうち、最下方に設けられ、
前記一のフランジ部は、前記第2フランジ部である、
請求項6に記載の電磁継電器。
【請求項8】
前記第1フランジ部は、前記コイルと電気的に接続されるコイル端子を保持する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項9】
前記第2フランジ部と対向する、前記第1フランジ部の面は、前記継鉄と接触していない、
請求項1~8のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項10】
前記接点装置は、
前記コイルに挿入され、前記可動接触子を移動させるシャフトを更に有する、
請求項1~9のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項11】
前記電磁石装置は、前記可動接触子を移動させる前記シャフトを駆動する、
請求項10に記載の電磁継電器。
【請求項12】
前記コイルは、上面視で前記第2フランジ部の外縁よりも内側にある、
請求項1~11のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項13】
前記第1フランジ部は、上面視で、前記継鉄から離れている、
請求項1~12のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電磁継電器に関し、より詳細にはコイルボビンを有する電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、接点装置の可動接触子を移動させる電磁石装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された電磁石装置は、励磁用巻線(コイル)への通電に伴い電磁力を生じさせる。電磁石装置は、励磁用巻線が巻装されたコイルボビンと、コイルボビンを包囲する継鉄とを備えている。継鉄は、励磁用巻線により生じる磁束を通す磁路を形成する。電磁石装置は、電磁力により可動鉄芯を移動可能に構成している。可動鉄芯は、可動軸(シャフト)の一端に固定している。電磁石装置は、可動鉄芯の移動により、可動軸の他端側に設けた可動接触子を可動させることができる。電磁石装置は、可動接触子の移動により、固定接点と、可動接触子の可動接点とを接離することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-232668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電磁石装置において、コイルと継鉄との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離を確保する必要がある。
【0006】
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、その目的は、コイルと継鉄との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離の延長を図ることができる電磁継電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る電磁継電器は、電磁石装置と、接点装置と、を備える。前記電磁石装置は、コイルボビンと、コイルと、継鉄と、を有する。前記コイルボビンは、複数のフランジ部を有する。前記コイルは、前記コイルボビンに巻かれている。前記継鉄は、前記コイルが発生する磁束の経路の一部を形成する。前記複数のフランジ部は、電気絶縁性を有し、前記コイルの一端側に設けられ、隙間を空けて対向し、電気絶縁性を有する。前記接点装置は、固定接点と、可動接触子と、を有している。前記可動接触子は、可動接点を含み、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する。前記電磁石装置は、前記閉位置または前記開位置に前記可動接触子を移動させる。前記複数のフランジ部は、第1フランジ部と、第2フランジ部と、を含む。前記第1フランジ部は、前記コイルの下方に設けられる。前記第2フランジ部は、前記第1フランジ部の下方に設けられている。前記コイルは、前記可動接触子から見て前記第1フランジ部の外縁よりも内側にある。前記第2フランジ部と対向する、前記第1フランジ部の面は、コイルと接触しない。
【発明の効果】
【0009】
本開示では、コイルと継鉄との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離の延長を図ることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1Aは、本開示の一実施形態に係る電磁石装置を備えた電磁継電器の斜視図である。図1Bは、同上の電磁継電器の別方向から見た斜視図である。
図2図2は、図1AのX1-X1断面図である。
図3図3は、図1AのX2-X2断面図である。
図4図4は、図3における第1フランジ部及び第2フランジ部の部分拡大図である。
図5図5は、図2における第1フランジ部及び第2フランジ部の部分拡大図である。
図6図6は、図2における第3フランジ部及び第4フランジ部の部分拡大図である。
図7図7は、第1変形例の電磁石装置を備える電磁継電器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されることなく、この実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態及び変形例において、説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る電磁石装置10、及び電磁継電器100について、図1図6を参照して説明する。
【0013】
(1)構成
(1.1)全体構成
本実施形態に係る電磁継電器100は、接点装置1と、電磁石装置10とを備えている。接点装置1は、一対の固定端子31,32と、可動接触子8とを有する(図2及び図3参照)。各固定端子31,32は、固定接点311,321を保持する。可動接触子8は、一対の可動接点81,82を保持する。
【0014】
電磁石装置10は、可動子13及びコイル14を有している(図2及び図3参照)。電磁石装置10は、コイル14への通電時にコイル14で生じる磁界によって可動子13を吸引する。可動子13の吸引に伴って、可動接触子8が開位置から閉位置に移動する。本開示でいう「開位置」は、可動接点81,82が固定接点311,321から離れるときの可動接触子8の位置である。本開示でいう「閉位置」は、可動接点81,82が固定接点311,321に接触するときの可動接触子8の位置である。
【0015】
また、本実施形態では、可動子13は、直線L上に配置され、直線Lに沿って直進往復移動するように構成されている(図2及び図3参照)。コイル14は、直線Lの周りに巻かれた導線(電線)にて構成されている。つまり、直線Lは、コイル14の中心軸に相当する。
【0016】
本実施形態では、接点装置1が、図1A及び図1Bに示すように電磁石装置10と共に電磁継電器100を構成する場合を例として説明する。本実施形態においては、電磁継電器100が電気自動車に搭載される場合を例とする。この場合において、走行用のバッテリから負荷(例えば、インバータ)への直流電力の供給路上に、接点装置1(固定端子31,32)が電気的に接続される。
【0017】
(1.2)接点装置
次に、接点装置1の構成について説明する。
【0018】
接点装置1は、図2及び図3に示すように、一対の固定端子31,32、可動接触子8、筐体4及びフランジ5を備える。接点装置1は、更に、第1ヨーク6、第2ヨーク7、2つのカプセルヨーク23,24、2つの消弧用磁石(永久磁石)25,26、絶縁板41及びカバー50を備える。固定端子31は固定接点311を、固定端子32は固定接点321を、それぞれ保持している。可動接触子8は、導電性を有する金属材料からなる板状の部材である。可動接触子8は、一対の可動接点81,82を保持する。
【0019】
以下では、説明のために固定接点311,321と可動接点81,82との対向方向を上下方向と定義し、可動接点81,82から見て固定接点311,321側を上方と定義する。さらに、一対の固定端子31,32(一対の固定接点311,321)の並んでいる方向を左右方向と定義し、固定端子31から見て固定端子32側を右方と定義する。つまり、以下では、図2の上下左右を上下左右として説明する。また、以下では、上下方向及び左右方向の両方に直交する方向(図2の紙面に直交する方向)を、前後方向として説明する。ただし、これらの方向は接点装置1及び電磁継電器100の使用形態を限定する趣旨ではない。
【0020】
一方の固定接点311は一方の固定端子31の一端部に保持されており、他方の固定接点321は他方の固定端子32の一端部に保持されている。
【0021】
一対の固定端子31,32は、左右方向に並ぶように配置されている(図2参照)。一対の固定端子31,32の各々は、導電性の金属材料からなる。一対の固定端子31,32は、一対の固定接点311,321に外部回路(バッテリ及び負荷)を接続するための端子として機能する。本実施形態では、一例として銅(Cu)で形成された固定端子31,32を用いることとするが、固定端子31,32を銅製に限定する趣旨ではなく、固定端子31,32は銅以外の導電性材料で形成されていてもよい。
【0022】
一対の固定端子31,32の各々は、上下方向に直交する平面内での断面形状が円形状となる円柱状に形成されている。ここでは、一対の固定端子31,32の各々は、上端部(他端部)側の径が下端部(一端部)側の径よりも大きく、正面視がT字状となるように構成されている。一対の固定端子31,32は、筐体4の上面から一部(他端部)が突出した状態で、筐体4に保持される。具体的には、一対の固定端子31,32の各々は、筐体4の上壁に形成されている開口孔を貫通した状態で、筐体4に固定されている。
【0023】
可動接触子8は、上下方向に厚みを有し、かつ前後方向よりも左右方向に長い板状に形成されている。可動接触子8は、その長手方向(左右方向)の両端部を一対の固定接点311,321に対向させるように、一対の固定端子31,32の下方に配置されている(図2参照)。可動接触子8のうち、一対の固定接点311,321に対向する部位には、一対の可動接点81,82が設けられている(図2参照)。
【0024】
可動接触子8は、筐体4に収納されている。可動接触子8は電磁石装置10によって上下方向に移動される。これにより、可動接触子8は、閉位置と開位置との間で移動することになる。図2及び図3は、可動接触子8が閉位置に位置する状態を示しており、この状態では、可動接触子8に保持されている一対の可動接点81,82が、それぞれ対応する固定接点311,321に接触する。一方、可動接触子8が開位置に位置する状態では、可動接触子8に保持されている一対の可動接点81,82が、それぞれ対応する固定接点311,321から離れる。
【0025】
したがって、可動接触子8が閉位置にあるとき、一対の固定端子31,32間は可動接触子8を介して短絡する。例えば、可動接触子8が閉位置にあれば、可動接点81,82が固定接点311,321に接触するので、固定端子31は、固定接点311、可動接点81、可動接触子8、可動接点82及び固定接点321を介して、固定端子32と電気的に接続される。そのため、バッテリ及び負荷の一方に固定端子31が電気的に接続され、他方に固定端子32が電気的に接続されていれば、可動接触子8が閉位置にあるときに、接点装置1はバッテリから負荷への直流電力の供給路を形成する。
【0026】
ここで、可動接点81,82は、可動接触子8に保持されていればよい。そのため、可動接点81,82は、可動接触子8の一部が打ち出されるなどして可動接触子8と一体に構成されていてもよいし、可動接触子8とは別部材からなり、例えば溶接等により、可動接触子8に固定されていてもよい。同様に、固定接点311,321は、固定端子31,32に保持されていればよい。そのため、固定接点311,321は、固定端子31,32と一体に構成されていてもよいし、固定端子31,32とは別部材からなり、例えば溶接等により、固定端子31,32に固定されていてもよい。
【0027】
可動接触子8は、中央部位に貫通孔83を有している。本実施形態では、貫通孔83は、可動接触子8における一対の可動接点81,82の中間に形成されている。貫通孔83は、可動接触子8を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔83は、後述するシャフト15を通すための孔である。
【0028】
第1ヨーク6は、磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。第1ヨーク6は、シャフト15の先端部(上端部)に固定されている。シャフト15は、可動接触子8の貫通孔83を通して可動接触子8を貫通しており、シャフト15の先端部(上端部)は、可動接触子8の上面から上方に突出する。そのため、第1ヨーク6は、可動接触子8の上方に位置する(図2参照)。具体的には、第1ヨーク6は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と同一側に位置している。また、第1ヨーク6は、筐体4に固定されてもよい。すなわち第1ヨーク6は固定接点311、321に対して相対的に固定されていてもよい。
【0029】
第2ヨーク7は、磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。第2ヨーク7は、可動接触子8の下面に固定されている(図2参照)。具体的には、第2ヨーク7は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8の上下方向の面のうち可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と反対側の面に固定されている(位置している)。これにより、第2ヨーク7は、可動接触子8の上下方向の移動に伴って上下方向に移動する。すなわち第2ヨーク7は、固定接点311、321に対して相対的に移動する。
【0030】
第2ヨーク7は、中央部位に貫通孔71を有している。本実施形態では、貫通孔71は、可動接触子8の貫通孔83に対応する位置に形成されている。貫通孔71は、第2ヨーク7を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔71は、シャフト15及び後述する接圧ばね17を通すための孔である。
【0031】
第2ヨーク7は、前後方向の両端部に、上方に突出する一対の突出部72,73(図2参照)を有している。言い換えれば、第2ヨーク7の上面における前後方向の両端部には、可動接触子8が開位置から閉位置へと移動する向き(本実施形態では上方)と同じ向きに突出する突出部72,73が形成されている。
【0032】
このような形状によれば、一対の突出部72,73のうちの前方の突出部72の先端面(上端面)は、第1ヨーク6の前端部に、後方の突出部73の先端面(上端面)は、第1ヨーク6の後端部にそれぞれ突き合わされる。したがって、可動接触子8を電流が流れた場合には、第1ヨーク6及び第2ヨーク7で形成される磁路を通る磁束が生じる。このとき、例えば、第1ヨーク6の前端部及び突出部73の先端面がN極、第1ヨーク6の後端部及び突出部72の先端面がS極となることで、第1ヨーク6と第2ヨーク7との間に吸引力が作用する。
【0033】
カプセルヨーク23,24は、磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26の磁束が通る磁気回路を形成する。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26を保持する。カプセルヨーク23,24は、前後方向の両側から筐体4を囲むように、筐体4に対して前後方向の両側に配置されている。
【0034】
消弧用磁石25,26は、左右方向において互いに同極(例えばN極)が対向するように、又は異極が対向するように配置されている。消弧用磁石25,26は、筐体4に対して左右方向の両側に配置されている。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26ごと筐体4を囲んでいる。消弧用磁石25,26は、可動接触子8の移動方向の一方から見て、固定接点311と固定接点321とが並ぶ方向に配置されている。可動接触子8が閉位置から開位置へと移動すると、固定接点311と可動接点81との間、及び固定接点321と可動接点82との間で、放電電流(アーク)が生じる。消弧用磁石25,26は、固定接点311と可動接点81との間、及び固定接点321と可動接点82との間で、それぞれ生じたアークを引き延ばす。なお、消弧用磁石25,26は、可動接触子8の移動方向の一方から見て、固定接点311と固定接点321とが並ぶ方向に対して直交する方向に配置されてもよい。この場合、消弧用磁石25,26は、互いに同極(例えばN極)が対向するように配置される。
【0035】
筐体4は、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)等のセラミック製である。筐体4は、前後方向よりも左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。筐体4の下面は開口している。筐体4は、一対の固定接点311,321と、可動接触子8と、第1ヨーク6と、第2ヨーク7と、を収容する。筐体4の上面には、一対の固定端子31,32を通すための一対の開口孔が形成されている。一対の開口孔は、それぞれ円形状に形成されており、筐体4の上壁を厚み方向(上下方向)に貫通している。一方の開口孔には固定端子31が通され、他方の開口孔には固定端子32が通されている。一対の固定端子31,32と筐体4とは、ろう付けによって結合される。
【0036】
筐体4は、一対の固定接点311,321と、可動接触子8とを収容する箱状に形成されていればよく、本実施形態のような中空の直方体状に限らず、例えば中空の楕円筒状や、中空の多角柱状などであってもよい。つまり、ここでいう箱状は、内部に一対の固定接点311,321と、可動接触子8とを収容する空間を有する形状全般を意味しており、直方体状に限定する趣旨ではない。筐体4は、セラミック製に限らず、例えば、ガラス又は樹脂等の絶縁材料にて形成されていてもよいし、金属製であってもよい。筐体4は、磁気により磁性体とならない非磁性材料からなることが好ましい。
【0037】
フランジ5は、非磁性の金属材料で形成されている。非磁性の金属材料は、例えば、SUS304等のオーステナイト系ステンレスである。フランジ5は、左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。フランジ5の上面及び下面は開口している。
【0038】
例えば、フランジ5は、筐体4と電磁石装置10との間に配置される(図2及び図3参照)。フランジ5は、筐体4、及び電磁石装置10の後述する継鉄上板111に対して気密接合されている。これにより、筐体4及びフランジ5と、継鉄上板111で囲まれた接点装置1の内部空間を、気密空間とすることができる。フランジ5は、非磁性でなくともよく、例えば、42アロイ等の鉄を主成分とする合金であってもよい。
【0039】
絶縁板41は、合成樹脂製であって電気絶縁性を有する。絶縁板41は、矩形板状に形成されている。絶縁板41は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と反対側に位置している。絶縁板41は、可動接触子8と固定接点311、321間から発生したアークによる短絡を防止する。
【0040】
絶縁板41は、中央部位に貫通孔42を有している。本実施形態では、貫通孔42は、可動接触子8の貫通孔83に対応する位置に形成されている。貫通孔42は、絶縁板41を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔42は、シャフト15を通すための孔である。
【0041】
カバー50は、非磁性体材料で、前後方向よりも左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。カバー50は、固定端子31のかしめ部35及び固定端子32のかしめ部36を露出させ、筐体4を覆うように配置される。カバー50の前面51は、段差形状に形成されている(図1A参照)。また、カバー50には、カプセルヨーク23,24及び消弧用磁石25,26が保持されている。
【0042】
接点装置1は、バスバー21,22を、更に備えている。
【0043】
バスバー21,22は、導電性を有する金属材料(例えば、銅又は銅合金)にて構成されている。本実施形態では、バスバー21,22は、一例として銅にて構成されている。バスバー21,22は、帯板状に形成されている。本実施形態では、バスバー21,22は、金属板に折り曲げ加工を施すことで形成されている。バスバー21の一端部は、例えば固定端子31に電気的に接続される。バスバー21の他端部は、例えば走行用のバッテリに電気的に接続される。バスバー22の一端部は、例えば固定端子32に電気的に接続される。バスバー22の他端部は、例えば負荷に電気的に接続される。
【0044】
バスバー21は、固定端子31と機械的に接続される(図2参照)。具体的には、バスバー21は、固定端子31のかしめ部35にて固定端子31とかしめ結合されている。
【0045】
バスバー22は、固定端子32と機械的に接続される(図2参照)。具体的には、バスバー22は、固定端子32のかしめ部36にて固定端子32とかしめ結合されている。
【0046】
(1.3)電磁石装置
次に、電磁石装置10の構成について説明する。
【0047】
電磁石装置10は、接点装置1の可動接触子8に移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と反対側に位置しており、電磁石装置10で発生した駆動力で可動接触子8を移動させるように構成されている。
【0048】
電磁石装置10は、図2及び図3に示すように、固定子12と、可動子13と、コイル14と、シャフト15と、を有している。電磁石装置10は、コイル14への通電時にコイル14で生じる磁界によって固定子12に可動子13を吸引し、可動子13を固定子12に向けて移動させる。シャフト15は、可動子13に固定されており、可動子13の移動に伴って可動接触子8を移動させる。つまり、電磁石装置10は、可動接触子8をコイル14の軸方向に移動させるシャフト15を駆動することにより、可動接触子8を移動させる。
【0049】
電磁石装置10は、固定子12、可動子13、コイル14、及びシャフト15の他に、継鉄上板111を含む継鉄11と、筒体16と、接圧ばね17と、復帰ばね18と、コイルボビン19と、を有している。
【0050】
固定子12は、継鉄上板111の中央部から可動子13に向けて突出する形の円筒状に形成された固定鉄心である。固定子12は、磁性材料からなる。固定子12の一端部は継鉄上板111に固定されている。
【0051】
可動子13は、円柱状に形成された可動鉄心である。可動子13は、磁性材料からなる。可動子13は、固定子12に対向させるように配置されている。可動子13は、固定子12に対して可動接触子8と反対側に配置されている。可動子13は、上下方向に移動可能に構成されている。可動子13は、その一端面が固定子12に接触した励磁位置(図2及び図3参照)と、その一端面が固定子12から離れた非励磁位置との間で移動する。本開示でいう「励磁位置」は、コイル14の通電時における可動子13の位置である。また、本開示でいう「非励磁位置」は、コイル14の非通電時における可動子13の位置である。
【0052】
筒体16は、一端面が開口した有底円筒状に形成されている。筒体16は、非磁性材料からなる。筒体16は、固定子12及び可動子13を上下方向に並んだ状態で収納している。固定子12の一端部は、筒体16の開口から突出している。筒体16の開口周部は、継鉄上板111に接合される。これにより、筒体16は、可動子13の移動方向を上下方向に制限し、かつ可動子13の非励磁位置を規定する。筒体16は、継鉄上板111の下面に気密接合されている。これにより、例えば、電磁石装置10の継鉄上板111に貫通孔が形成されていても、接点装置1の筐体4、フランジ5及び電磁石装置10の継鉄上板111で囲まれた接点装置1の内部空間の気密性を確保することができる。
【0053】
コイルボビン19は、合成樹脂製であり、電気絶縁性を有する。コイルボビン19は、軸部190を有する。
【0054】
軸部190は、中心軸が可動接触子8の移動方向に沿った円筒状に形成されている。軸部190には、コイル14が巻かれている。言い換えれば、コイル14は、コイルボビン19の軸部190の外周面に電線(例えば銅線)を巻き付けることで構成されている。
【0055】
コイル14は、その中心軸に沿った軸方向を上下方向と一致させる向きで配置されている。つまり、コイル14の軸方向は、可動接触子8、可動子13、及びシャフト15の移動方向と一致する。コイル14は、第1巻線と第2巻線とを有する。
【0056】
第1巻線は、可動接触子8の移動方向の一方(上方)から見て、電線が軸部190の外周面に巻き付けられることで構成されている。第1巻線は、一端部がコイル端子141に巻き付けられることでコイル端子141と電気的に接続され、他端部がコイル端子142に巻き付けられることでコイル端子142と電気的に接続されている。
【0057】
第2巻線は、可動接触子8の移動方向の一方(上方)から見て、電線が軸部190の外周面に巻き付けられることで構成されている。第2巻線は、一端部がコイル端子141に巻き付けられることでコイル端子141と電気的に接続され、他端部がコイル端子143に巻き付けられることでコイル端子143と電気的に接続されている。
【0058】
筒体16は、軸部190の内側を通るように配置されている。つまり、コイル14の内側に、固定子12と可動子13とが配置されている。したがって、固定子12と可動子13とは、コイル14が発生する磁界によって磁化される。
【0059】
継鉄11は、枠状に形成されており、コイル14を囲むように配置されている。継鉄11は、磁性材料からなる。継鉄11は、固定子12及び可動子13と共に、コイル14の通電時に生じる磁束が通る経路(磁気回路)の一部を形成する。
【0060】
継鉄11は、継鉄上板111と、本体部112と、を有する。
【0061】
本体部112は、前後方向から見て略U字状に形成されており、一対の継鉄側板113,114及び継鉄下板115を有する。一対の継鉄側板113,114は、固定接点311と固定接点321とが並ぶ方向(左右方向)に対向する。継鉄下板115は、一対の継鉄側板113,114それぞれの下端部同士を繋ぐように形成されている。
【0062】
継鉄上板111は、矩形板状に形成されている。継鉄上板111は、一対の継鉄側板113,114それぞれの上端部同士を連結するように配置されている。継鉄上板111と継鉄下板115とは、可動接触子8の移動方向(上下方向)に対向する。
【0063】
コイル14は、継鉄上板111と本体部112(一対の継鉄側板113,114及び継鉄下板115とで囲まれる空間に配置されている。
【0064】
継鉄下板115の中央部には、貫通孔1151が形成されている。貫通孔1151には、ブッシュ116が貫通している。ブッシュ116は、円筒状に形成されている。ブッシュ116は、磁性材料からなる。ブッシュ116は、コイルボビン19の軸部190の内側において、軸部190と筒体16との間に位置し、筒体16を介して可動子13を囲む。ブッシュ116は、継鉄11、固定子12、及び可動子13と共に、コイル14が発生する磁束の経路の一部を形成する。
【0065】
接圧ばね17は、可動接触子8と絶縁板41との間に配置されている。接圧ばね17は、可動接触子8を固定接点311,321の方向に向けて付勢するコイルばねである(図2参照)。
【0066】
復帰ばね18は、少なくとも一部が固定子12の内側に配置されている。復帰ばね18は、可動子13を非励磁位置へ付勢するコイルばねである。復帰ばね18の一端は可動子13の一端面に接続され、復帰ばね18の他端は継鉄上板111に接続されている(図2参照)。
【0067】
シャフト15は、非磁性材料からなる。シャフト15は、上下方向に延びた丸棒状に形成されている。シャフト15は、貫通孔83、貫通孔71、接圧ばね17の内側、貫通孔42、継鉄上板111の中央部に形成された貫通孔、固定子12の内側、及び復帰ばね18の内側を通って、その下端部が可動子13に固定されている。シャフト15の先端部には、第1ヨーク6が固定されている。シャフト15は、電磁石装置10で発生した駆動力を、接点装置1へ伝達する。
【0068】
ここで、シャフト15が、可動接触子8の貫通孔83の内周面と接触している場合、シャフト15と可動接触子8とが電気的に接続されて略同電位となる。この場合、シャフト15、可動子13、筒体16、及びブッシュ116等を介して、可動接触子8と継鉄11(継鉄上板111、本体部112)とが電気的に接続されて同電位となる。したがって、可動接触子8が閉位置にあって一対の固定接点311,321と接触し、可動接触子8とコイル端子141~143が接続される回路との間に電位差が生じている場合、継鉄11とコイル端子141~143が接続される回路との間にも電位差が生じることとなる。
【0069】
コイルボビン19は、軸部190の他に、複数のフランジ部を有する。複数のフランジ部は、第1フランジ部191と、第2フランジ部192と、を含む。第1フランジ部191及び第2フランジ部192は、コイル14の軸方向(上下方向)におけるコイル14の一端側(本実施形態では下端側)に設けられている。第1フランジ部191及び第2フランジ部192は、軸部190の外周面から、コイル14の軸方向と直交する方向に突出するように形成されている。ここでいう「直交」とは、コイル14の軸方向と、第1フランジ部191及び第2フランジ部192の突出方向とのなす角が、厳密に直角である場合に限らず、直角から誤差の範囲でずれていてもよい。
【0070】
第2フランジ部192は、コイル14の軸方向において、第1フランジ部191に対してコイル14と反対側(下側)に設けられている。言い換えれば、第1フランジ部191は、コイル14の軸方向において、第2フランジ部192よりもコイル14側に設けられている。
【0071】
第1フランジ部191と第2フランジ部192とは、コイル14の軸方向において、互いに離れて形成されている。つまり、第1フランジ部191と第2フランジ部192とは、コイル14の軸方向において隙間を空けて対向している。また、第1フランジ部191及び第2フランジ部192は、軸部190から突出している。したがって、第1フランジ部191及び第2フランジ部192は、軸部190の一部を介して繋がっている(連結)している。
【0072】
本実施形態では、複数のフランジ部(第1フランジ部191及び第2フランジ部192)は、コイルボビン19の一部である。つまり、複数のフランジ部(第1フランジ部191及び第2フランジ部192)は、コイルボビン19と一体に構成されている。したがって、複数のフランジ部(第1フランジ部191及び第2フランジ部192)は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有する。
【0073】
第1フランジ部191は、コイル14の軸方向から見た外形が矩形状である。第1フランジ部191は、一対の継鉄側板113,114が対向する方向(左右方向)の寸法が、一対の継鉄側板113,114との間の寸法よりも短い(図2参照)。第1フランジ部191は、一対の継鉄側板113,114が対向する方向において、一対の継鉄側板113,114の両方との間に空間がある。言い換えれば、第1フランジ部191は、コイル14の軸方向と直交する方向において、継鉄11から離れている。
【0074】
第1フランジ部191は、コイル14の軸方向におけるコイル14の一端(下端)の位置を決めている。本実施形態では、第1フランジ部191におけるコイル14側の面(上面)は、コイル14の軸方向におけるコイル14の一端(下端)と接触している。
【0075】
第1フランジ部191は、インサート成形により、コイル端子141~143を保持している。コイル端子141~143は、それぞれL字状に形成されている。コイル端子141~143は、それぞれ、コイル14と電気的に接続される一端部が第1フランジ部191の前端から突出して上方に延びており、他端部が第1フランジ部191の後端から突出している(図1A及び図1B参照)。コイル端子141~143は、一対の継鉄側板113,114が対向する方向(左右方向)に並んでいる。なお、中央のコイル端子142は、軸部190の内側空間を避けるために、第1フランジ部191内において曲がっている。
【0076】
第2フランジ部192は、第1フランジ部191の下側に設けられている。言い換えれば、第2フランジ部192は、コイル14の軸方向において、第1フランジ部191よりもコイル14から離れた位置に設けられている。つまり、第2フランジ部192は、複数のフランジ部(第1フランジ部191、第2フランジ部192)のうち、コイル14の軸方向においてコイル14から最も離れた位置に設けられている。本実施形態では、第2フランジ部192は、軸部190の下端部から突出するように形成されている。
【0077】
第2フランジ部192は、コイル14の軸方向から見た第2フランジ部192の外形は、中央部が円形であり、中央部から一対の継鉄側板113,114が対向する方向に矩形状に延びている。コイル14の軸方向から見て、第2フランジ部192の外形は、継鉄下板115の外形と略同じである。コイルボビン19は、コイル14の軸方向において、第2フランジ部192が継鉄下板115と重なるように配置されている。
【0078】
一対の継鉄側板113,114が対向する方向(左右方向)において、第2フランジ部192の寸法は、第1フランジ部191の寸法よりも長い(図2参照)。一対の継鉄側板113,114が対向する方向(左右方向)において、第2フランジ部192と一対の継鉄側板113,114の両方との間の寸法は、第1フランジ部191と一対の継鉄側板113,114の両方との間の寸法よりも短い。つまり、第2フランジ部192は、コイル14の軸方向と直交する方向において、少なくとも一部が第1フランジ部191よりも突出している。具体的には、第2フランジ部192は、コイル14の軸方向と直交する方向において、第1フランジ部191よりも継鉄11が存在する側に突出している。
【0079】
本実施形態では、第2フランジ部192における一対の継鉄側板113,114が対向する方向の両端部は、一対の継鉄側板113,114と近接している。これにより、第2フランジ部192は、コイルボビン19の回転を制限する。ここでいうコイルボビン19の回転とは、コイルボビン19の中心軸(コイル14の中心軸)を回転軸とした回転である。第2フランジ部192は、コイル14の軸方向と直交する方向の端部(一対の継鉄側板113,114が対向する方向の端部)が、継鉄11と接触することにより、コイルボビン19の回転を制限する。なお、第2フランジ部192は、コイル14の軸方向と直交する方向の端部(一対の継鉄側板113,114が対向する方向の端部)が継鉄11と接触するように設けられていてもよい。
【0080】
また、コイルボビン19は、複数のフランジ部(第1フランジ部191及び第2フランジ部192)の他に、第3フランジ部193と、第4フランジ部194と、を更に有する。第3フランジ部193及び第4フランジ部194は、コイル14の軸方向(上下方向)におけるコイル14の他端側(本実施形態では上端側)に設けられている。つまり、第3フランジ部193及び第4フランジ部194は、コイル14に対して、第1フランジ部191及び第2フランジ部192と反対側に設けられている。第3フランジ部193及び第4フランジ部194は、軸部190の外周面から、コイル14の軸方向と直交する方向に突出するように形成されている。ここでいう「直交」とは、コイル14の軸方向と、第3フランジ部193及び第4フランジ部194の突出方向とのなす角が、厳密に直角である場合に限らず、直角から誤差の範囲でずれていてもよい。
【0081】
第4フランジ部194は、コイル14の軸方向において、第3フランジ部193に対してコイル14と反対側(上側)に設けられている。言い換えれば、第3フランジ部193は、コイル14の軸方向において、第4フランジ部194よりもコイル14側に設けられている。
【0082】
第3フランジ部193と第4フランジ部194とは、コイル14の軸方向において、互いに離れて形成されている。つまり、第3フランジ部193と第4フランジ部194とは、コイル14の軸方向において隙間を空けて対向している。また、第3フランジ部193及び第4フランジ部194は、軸部190から突出している。したがって、第3フランジ部193及び第4フランジ部194は、軸部190の一部を介して繋がっている(連結)している。
【0083】
本実施形態では、第3フランジ部193及び第4フランジ部194)は、コイルボビン19の一部である。つまり、第3フランジ部193及び第4フランジ部194)は、コイルボビン19と一体に構成されている。したがって、第3フランジ部193及び第4フランジ部194は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有する。
【0084】
第3フランジ部193は、コイル14の軸方向から見た外形が円形である。第3フランジ部193は、一対の継鉄側板113,114が対向する方向(左右方向)の寸法が、一対の継鉄側板113,114との間の寸法よりも短い(図2参照)。第3フランジ部193は、一対の継鉄側板113,114が対向する方向において、一対の継鉄側板113,114の両方との間に空間がある。言い換えれば、第3フランジ部193は、コイル14の軸方向と直交する方向において、継鉄11から離れている。
【0085】
第3フランジ部193は、コイル14の軸方向におけるコイル14の他端(上端)の位置を決めている。本実施形態では、第3フランジ部193におけるコイル14側の面(下面)は、コイル14の軸方向におけるコイル14の他端(上端)と接触している。つまり、コイル14は、コイル14の軸方向において、第1フランジ部191と第3フランジ部193とで挟まれるように配置されている。
【0086】
第4フランジ部194は、第3フランジ部193の上側に設けられている。言い換えれば、第4フランジ部194は、コイル14の軸方向において、第3フランジ部193よりもコイル14から離れた位置に設けられている。本実施形態では、第4フランジ部194は、軸部190の上端部から突出するように形成されている。
【0087】
第4フランジ部194は、コイル14の軸方向から見た外形が円形である。コイル14の軸方向から見て、第4フランジ部194の外形は、第3フランジ部193の外形と略同じである。したがって、第3フランジ部193と同様に、第4フランジ部194は、一対の継鉄側板113,114が対向する方向(左右方向)の寸法が、一対の継鉄側板113,114との間の寸法よりも短い(図2参照)。第4フランジ部194は、一対の継鉄側板113,114が対向する方向において、一対の継鉄側板113,114の両方との間に空間がある。言い換えれば、第4フランジ部194は、コイル14の軸方向と直交する方向において、継鉄11から離れている。
【0088】
(2)動作
次に、上述した構成を備えた電磁継電器100の動作について簡単に説明する。
【0089】
コイル14に通電されていないとき(非通電時)には、可動子13と固定子12との間に磁気吸引力が生じないため、可動子13は、復帰ばね18のばね力によって非励磁位置に位置する。このとき、シャフト15は、下方に引き下げられている。可動接触子8は、シャフト15にて上方への移動が規制される。これにより、可動接触子8は、その可動範囲における下端位置である開位置に位置する。そのため、一対の可動接点81,82は一対の固定接点311,321から離れることになり、接点装置1は開状態となる。この状態では、一対の固定端子31,32間は非導通である。
【0090】
一方、コイル14における第1巻線と第2巻線の両方の巻線に通電されると、コイル14(第1巻線と第2巻線)の内側に磁束が発生する。これにより、固定子12及び可動子13が磁化されて、可動子13と固定子12との間に磁気吸引力が発生する。したがって、可動子13は、復帰ばね18のばね力に抗して上方に引き寄せられ励磁位置に移動する。このとき、シャフト15が上方に押し上げられるため、可動接触子8は、シャフト15による上方への移動規制が解除される。そして、接圧ばね17が可動接触子8を上方に付勢することで、可動接触子8は、その可動範囲における上端位置である閉位置に移動する。そのため、一対の可動接点81,82が一対の固定接点311,321に接触することになり、接点装置1は閉状態となる。この状態では、接点装置1は閉状態にあるので、一対の固定端子31,32間は導通する。
【0091】
コイル14(第1巻線と第2巻線)を非通電とすることで、接点装置1が閉状態から開状態となる。
【0092】
このように、電磁石装置10は、コイル14の通電状態の切り替えにより可動子13に作用する吸引力を制御し、可動子13を上下方向に移動させることにより、接点装置1の開状態と閉状態とを切り替えるための駆動力を発生する。本実施形態では、電磁継電器100は、コイル14に通電されていないときには、可動接触子8が開位置に位置する、いわゆるノーマリオフタイプである。そのため、可動子13が非励磁位置に位置するときに接点装置1が開状態となり、可動子13が励磁位置に位置するときに接点装置1が閉状態となる。
【0093】
(3)利点
電磁石装置10が第1フランジ部191~第4フランジ部194を有することによる利点について参照して説明する。
【0094】
上述したように、継鉄11は、シャフト15等を介して可動接触子8と電気的に接続されて略同電位となる。一方、コイル14に印加される電圧は、可動接触子8に印加される電圧よりも低い。そのため、コイル14と継鉄11との間を電気的な絶縁距離を確保する必要がある。
【0095】
本実施形態の電磁石装置10では、第1フランジ部191~第4フランジ部194により、コイル14と継鉄11との間における電気絶縁体(コイルボビン19)の表面に沿った絶縁距離の延長を図ることができる。
【0096】
コイル14と継鉄11との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離のうち、最短距離を沿面距離という。ここでいう沿面距離とは、2つの導電体間における電気絶縁体の表面に沿った最短距離を意味する。
【0097】
コイル14は、コイル端子141~143それぞれの一端部に巻き付けられることにより、コイル端子141~143それぞれと電気的に接続されている。コイル端子141~143それぞれの一端部は、第1フランジ部191の前端部から突出している(図1A参照)。また、継鉄11における継鉄下板115は、中央部が前方に突出している。したがって、本実施形態の電磁石装置10では、第1フランジ部191及び第2フランジ部192の表面に沿った、コイル端子142と継鉄下板115との間の最短距離が沿面距離となる(図4の矢印A1参照)。なお、図1Bに示すように、第1フランジ部191の後端部から突出したコイル端子142の他端部は、第1フランジ部191における左右方向の中央部からずれている。したがって、第1フランジ部191の後端部から突出したコイル端子142の他端部142bと継鉄下板115との間の最短距離は、第1フランジ部191の前端部から突出したコイル端子142の一端部142aと継鉄下板115との間の最短距離(沿面距離)よりも長い。
【0098】
第1フランジ部191と第2フランジ部192とは、コイル14の軸方向において隙間を空けて対向している。この隙間により、沿面距離は、第1フランジ部191の下面、及び第2フランジ部192の上面それぞれに沿った距離が含まれることとなる。これにより、本実施形態の電磁石装置10では、コイル14の軸方向におけるコイル14の一端側において、コイルボビン19のフランジ部が1つである構成に比べて、コイル14と継鉄11との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離(沿面距離)が長くなる。
【0099】
また、図2に示すように、一対の継鉄側板113,114が対向する方向において、第2フランジ部192は、第1フランジ部191よりも突出している。したがって、第1フランジ部191は、一対の継鉄側板113,114が対向する方向において、一対の継鉄側板113,114の両方との間に空間がある。第1フランジ部191の端部と継鉄側板114(又は113)との間の空間最短距離は、コイル14と継鉄側板114(又は113)との間の沿面距離として見なされない距離以上に設定されている。そのため、コイル14の一端側(下端側)において、コイル14と継鉄側板114(又は113)との間における電気絶縁体の表面に沿った最短距離、すなわち沿面距離は、第1フランジ部191の下面、及び第2フランジ部192の上面それぞれに沿った距離が含まれることとなる(図5の矢印A2参照)。したがって、コイル14の軸方向におけるコイル14の一端側において、コイルボビン19のフランジ部が1つである構成に比べて、コイル14と継鉄側板114(又は113)との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離が長くなる。
【0100】
また、図2に示すように、一対の継鉄側板113,114が対向する方向において、第3フランジ部193及び第4フランジ部194は、一対の継鉄側板113,114の両方との間に空間がある。第3フランジ部193及び第4フランジ部194それぞれの端部と継鉄側板114(又は113)との間の空間最短距離は、コイル14と継鉄側板114(又は113)との間の沿面距離として見なされない距離以上に設定されている。そのため、コイル14の他端側(上端側)において、コイル14と継鉄側板114(又は113)との間における電気絶縁体の表面に沿った最短距離、すなわち沿面距離は、第3フランジ部193の上面、及び第4フランジ部194の下面それぞれに沿った距離が含まれることとなる(図6の矢印A3参照)。したがって、コイル14の軸方向におけるコイル14の他端側において、コイルボビン19のフランジ部が1つである構成に比べて、コイル14と継鉄上板111との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離が長くなる。
【0101】
また、本実施形態の電磁石装置10では、一対の継鉄側板113,114が対向する方向において、第2フランジ部192は、一対の継鉄側板113,114の両方に近接している。これにより、第2フランジ部192は、継鉄11の一部と接触することによって、コイルボビン19の中心軸を回転軸としたコイルボビン19の回転を制限することができる。第2フランジ部192は、コイル14の軸方向においてコイル14から最も離れた位置に設けられているため、継鉄11に接触しても絶縁距離に与える影響は小さい。
【0102】
(4)変形例
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0103】
(4.1)第1変形例
上記実施形態の電磁石装置10では、コイルボビン19は、コイル14の軸方向におけるコイル14の両端側に、第1フランジ部191及び第2フランジ部192と、第3フランジ部193及び第4フランジ部194を備えていたが、これに限らない。
【0104】
図7に示すように、コイルボビン19は、第4フランジ部194が省略されていてもよい。つまり、コイルボビン19は、コイル14の軸方向において、コイル14に対して、第1フランジ部191及び第2フランジ部192と反対側に、1つのフランジ部(第3フランジ部193)のみが設けられている。第3フランジ部193は、コイルボビン19の上端よりもコイル14側に設けられている。したがって、コイル14と継鉄上板111との間における電気絶縁体の表面に沿った最短距離に、第3フランジ部193の上面に沿った距離が含まれることとなり、絶縁距離を確保することができる。
【0105】
(4.2)その他の変形例
上記実施形態では、コイル14の軸方向において、コイル14の一端側に2つのフランジ部(第1フランジ部191、第2フランジ部192)が設けられているが、さらに多くのフランジ部が設けられていてもよい。例えば、コイル14の軸方向において、第1フランジ部191と第2フランジ部192との間に別のフランジ部が、第1フランジ部191及び第2フランジ部192と隙間を空けて対向するように設けられていてもよい。
【0106】
また、コイル14の軸方向におけるコイル14の他端側に、第3フランジ部193及び第4フランジ部194の他に、別のフランジ部が設けられていてもよい。例えば、コイル14の軸方向において、第3フランジ部193と第4フランジ部194との間に別のフランジ部が、第3フランジ部193及び第4フランジ部194と隙間を空けて対向するように設けられていてもよい。
【0107】
上記実施形態では、第1フランジ部191及び第2フランジ部192は、コイルボビン19と一体に構成されているが、この構成に限らない。第1フランジ部191及び第2フランジ部192は、コイルボビン19と別部材で構成され、コイルボビン19に連結されていてもよい。また、第3フランジ部193及び第4フランジ部194は、コイルボビン19と一体に構成されているが、この構成に限らない。第3フランジ部193及び第4フランジ部194は、コイルボビン19と別部材で構成され、コイルボビン19に連結されていてもよい。
【0108】
上記実施形態では、第2フランジ部192は、継鉄11と接触することにより、コイルボビン19の回転を制限するように構成されていたが、この構成に限らない。第2フランジ部192は、継鉄11とは異なる部材と接触することにより、コイルボビン19の回転を制限するように構成されていてもよい。また、コイル14の一端側(下端側)において、第2フランジ部192とは異なるフランジ部が、コイルボビン19回転を制限するように構成されていてもよい。例えば、第1フランジ部191が、継鉄11とは異なる電気絶縁部材と接触することにより、コイルボビン19の回転を制限するように構成されていてもよい。また、コイル14の他端側(上端側)に設けられた少なくとも1つのフランジ部(第3フランジ部193、第4フランジ部194)が、コイルボビン19の回転を制限するように構成されていてもよい。
【0109】
上記実施形態において、電磁継電器100は、ノーマリオフタイプの電磁継電器としたが、ノーマリオンタイプの電磁継電器であってもよい。
【0110】
上記実施形態において、接点装置1の可動接触子8に保持される可動接点の数は2つであるが、この構成に限定されない。可動接触子8に保持される可動接点の数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。同様に、接点装置1の固定端子(及び固定接点)の数も2つに限らず、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0111】
上記実施形態に係る電磁継電器100は、ホルダ無タイプの電磁継電器であるが、この構成に限らず、ホルダ付タイプの電磁継電器であってもよい。ここで、ホルダは、例えば左右方向の両面が開口した矩形筒状であって、可動接触子8がホルダを左右方向に貫通するように、ホルダが可動接触子8と組み合わされる。ホルダの下壁と可動接触子8との間に接圧ばね17が配置される。つまり、可動接触子8の左右方向の中央部がホルダにて保持される。ホルダにはシャフト15の上端部が固定されている。コイル14に通電されると、シャフト15が上方に押し上げられるため、ホルダが上方へ移動する。この移動に伴って、可動接触子8は、上方へ移動し、一対の可動接点81,82を一対の固定接点311,321に接触する閉位置に位置させる。
【0112】
上記実施形態の接点装置1は、プランジャタイプの接点装置としたが、ヒンジタイプの接点装置であってもよい。
【0113】
上記実施形態のバスバーは、固定端子31,32にかしめ結合されることで固定端子31,32と機械的に接続されるとしたが、ねじ止めにより固定端子31,32と機械的に接続されてもよい。
【0114】
上記実施形態の接点装置1において、第1ヨーク6、第2ヨーク7、消弧用磁石25,26及びカプセルヨーク23,24は必須の構成ではない。
【0115】
(まとめ)
第1態様に係る電磁石装置(10)は、コイルボビン(19)と、コイル(14)と、継鉄(11)と、複数のフランジ部と、を備える。コイル(14)は、コイルボビン(19)に巻かれている。継鉄(11)は、コイル(14)が発生する磁束の経路の一部を形成する。複数のフランジ部は、電気絶縁性を有し、コイル(14)の軸方向におけるコイル(14)の一端側に設けられ、軸方向において隙間を空けて対向する。複数のフランジ部は、第1フランジ部(191)と、第2フランジ部(192)と、を含む。第2フランジ部(192)は、軸方向において、第1フランジ部(191)に対してコイル(14)と反対側に設けられている。
【0116】
この態様によれば、コイル(14)と継鉄(11)との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離の延長を図ることができる。
【0117】
第2態様に係る電磁石装置(10)では、第1態様において、第2フランジ部(192)は、軸方向と直交する方向において、少なくとも一部が第1フランジ部(191)よりも突出している。
【0118】
この態様によれば、コイル(14)と継鉄(11)との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離の延長を図ることができる。
【0119】
第3態様に係る電磁石装置(10)では、第1又は第2態様において、複数のフランジ部は、コイルボビン(19)と一体に構成されている。
【0120】
この態様によれば、コイルボビン(19)及び複数のフランジ部の構成の簡略化を図ることができる。
【0121】
第4態様に係る電磁石装置(10)は、第1~第3態様のいずれかにおいて、少なくとも第3フランジ部(193)及び第4フランジ部(194)を更に備える。第3フランジ部(193)及び第4フランジ部(194)は、電気絶縁性を有し、軸方向におけるコイル(14)の他端側に設けられ、軸方向において隙間を空けて対向する。第4フランジ部(194)は、軸方向において、第3フランジ部(193)に対してコイル(14)と反対側に設けられている。
【0122】
この態様によれば、コイル(14)と継鉄(11)との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離の延長を図ることができる。
【0123】
第5態様に係る電磁石装置(10)では、第4態様において、第3フランジ部(193)及び第4フランジ部(194)は、コイルボビン(19)と一体に構成されている。
【0124】
この構成によれば、コイルボビン(19)、第3フランジ部(193)、及び第4フランジ部(194)の構成の簡略化を図ることができる。
【0125】
第6態様に係る電磁石装置(10)では、第1~第5態様のいずれかにおいて、複数のフランジ部のうち、いずれか一のフランジ部は、コイルボビン(19)の回転を制限する。
【0126】
この構成によれば、コイルボビン(19)の回転を制限することができる。
【0127】
第7態様に係る電磁石装置(10)では、第6態様において、第2フランジ部(192)は、複数のフランジ部のうち、軸方向においてコイル(14)から最も離れた位置に設けられている。一のフランジ部は、第2フランジ部(192)である。
【0128】
この態様によれば、第2フランジ部(192)が、コイルボビン(19)の回転を制限する機能を兼用することができる。
【0129】
第8態様に係る電磁石装置(10)では、第1~第7態様のいずれかにおいて、第1フランジ部(191)は、コイル(14)と電気的に接続されるコイル(14)端子を保持する。
【0130】
この態様によれば、コイル(14)端子と継鉄(11)との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離の延長を図ることができる。
【0131】
第9態様に係る電磁継電器は、第1~第8態様のいずれかの電磁石装置(10)と、固定接点(311,321)と、可動接触子(8)と、を備える。可動接触子(8)は、可動接点(81,82)を有し、可動接点(81,82)が固定接点(311,321)に接触する閉位置と可動接点(81,82)が固定接点(311,321)から離れる開位置との間で移動する。電磁石装置(10)は、可動接触子(8)を移動させる。
【0132】
この態様によれば、電磁石装置(10)において、コイル(14)と継鉄(11)との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離の延長を図ることができる。
【0133】
第10態様に係る電磁継電器は、第9態様において、電磁石装置(10)は、可動接触子(8)を前記軸方向に移動させるシャフト(15)を駆動する。
【0134】
この態様によれば、コイル(14)と継鉄(11)との間における電気絶縁体の表面に沿った絶縁距離の延長を図ることができる。
【符号の説明】
【0135】
10 電磁石装置
11 継鉄
14 コイル
15 シャフト
19 コイルボビン
191 第1フランジ部
192 第2フランジ部
193 第3フランジ部
194 第4フランジ部
311,321 固定接点
81,82 可動接点
8 可動接触子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7