(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】情報出力装置、検知システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/20 20170101AFI20230929BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20230929BHJP
G06T 1/40 20060101ALI20230929BHJP
G06T 3/00 20060101ALI20230929BHJP
G06T 9/40 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
G06T7/20 300Z
G06T1/00
G06T1/40
G06T3/00
G06T9/40
(21)【出願番号】P 2018187793
(22)【出願日】2018-10-02
【審査請求日】2021-06-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 啓
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】木方 庸輔
【審判官】渡辺 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-167796(JP,A)
【文献】特開2014-154068(JP,A)
【文献】特開2009-238399(JP,A)
【文献】特開2007-88835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00-1/40, 3/00-9/40,
F24F 11/00-11/89,
H05B 39/00-38/10, 45/00-45/59, 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ装置に設けられる情報出力装置であって、
環境空間に関する検知結果を、検知情報として取得する取得部と、
互いに異なる複数種類の態様から、出力先の用途に応じた態様を決定
し、前記検知情報を、決定された態様に関する出力情報に変換する変換部と、
前記出力情報を前記出力先に出力する出力部と、
前記複数種類の態様と複数の用途との対応関係に関する設定を受け付ける受付部と、
を備え、
前記複数種類の態様は、前記環境空間に対する人の進入、前記環境空間からの人の退出、人の移動、人の滞在、人の移動方向、人の活動量、人数、人の混雑度、特定の人物の有無、人の位置および前記環境空間の明るさのうち、複数を含む、
情報出力装置。
【請求項2】
前記変換部は、前記態様に基づいた所定の条件を適用して、前記検知情報を前記出力情報に変換し、
前記出力情報は、前記所定の条件に関する判定結果を含む、
請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記出力情報は、前記出力先である機器に対して前記態様に応じた制御を指示するための制御情報を含む、
請求項1又は2に記載の情報出力装置。
【請求項4】
前記制御情報は、前記機器の種類に応じて異なる情報である、
請求項3に記載の情報出力装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記出力先の用途に応じて異なる通信媒体、又は前記出力先の用途に応じて異なる通信規格で、前記出力情報を出力する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報出力装置。
【請求項6】
前記検知情報とは、前記環境空間の撮像により得られる画像情報である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報出力装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報出力装置と、
前記環境空間に対する検知を実行し、前記検知結果を前記情報出力装置に送出する検知部と、
を備える、
検知システム。
【請求項8】
センサ装置に設けられる情報出力装置の制御方法であって、
環境空間に関する検知結果を、検知情報として取得する取得ステップと、
互いに異なる複数種類の態様から、出力先の用途に応じた態様を決定
し、前記検知情報を、決定された態様に関する出力情報に変換する変換ステップと、
前記出力情報を前記出力先に出力する出力ステップと、
前記複数種類の態様と複数の用途との対応関係に関する設定を受け付ける受付ステップと、
を含み、
前記複数種類の態様は、前記環境空間に対する人の進入、前記環境空間からの人の退出、人の移動、人の滞在、人の移動方向、人の活動量、人数、人の混雑度、特定の人物の有無、人の位置および前記環境空間の明るさのうち、複数を含む、
制御方法。
【請求項9】
コンピュータシステムに請求項8に記載の制御方法を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、情報出力装置、検知システム、制御方法、及びプログラムに関する。本開示は、より詳細には、環境空間に関する検知結果を取得する情報出力装置、当該情報出力装置を備えた検知システム、情報出力装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサ管理システムが記載されている。このセンサ管理システムは、センサ装置とセンサ管理装置とを備えている。センサ装置の例は、カメラであることが記載されている。センサ管理装置は、カメラの用途を変更する場合、用途変更信号を、カメラへ送信する。カメラは、その用途変更信号に基づいてデータを取得する。例えば、マーケティング情報取得用に棚を撮影していたカメラが、迷子探し用の撮影を指示する用途変更信号を取得すると、カメラ自らの向きを変更して通路を撮影したり画角を広げて通路を含む範囲を撮影したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のセンサ管理装置は、その入力先であるカメラから取得する情報自体を、用途に応じて変更するものである。そのため、カメラから取得する情報を、より様々な用途に適用する場合には、カメラだけでは補えない可能性がある。その結果、設置されるカメラの数(すなわち検知結果の数)が増加する可能性がある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、より様々な用途に対して適用可能としつつ、取得する検知結果の数の増加を抑制することができる、情報出力装置、検知システム、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報出力装置は、センサ装置に設けられる。前記情報出力装置は、取得部と、変換部と、出力部と、受付部と、を備える。前記取得部は、環境空間に関する検知結果を、検知情報として取得する。前記変換部は、互いに異なる複数種類の態様から、出力先の用途に応じた態様を決定し、前記検知情報を、決定された態様に関する出力情報に変換する。前記出力部は、前記出力情報を前記出力先に出力する。前記受付部は、前記複数種類の態様と複数の用途との対応関係に関する設定を受け付ける。前記複数種類の態様は、前記環境空間に対する人の進入、前記環境空間からの人の退出、人の移動、人の滞在、人の移動方向、人の活動量、人数、人の混雑度、特定の人物の有無、人の位置および前記環境空間の明るさのうち、複数を含む。
【0007】
本開示の一態様に係る検知システムは、上記の情報出力装置と、検知部と、を備える。前記検知部は、前記環境空間に対する検知を実行し、前記検知情報を前記情報出力装置に送出する。
【0008】
本開示の一態様に係る制御方法は、センサ装置に設けられる情報出力装置の制御方法である。前記制御方法は、取得ステップと、変換ステップと、出力ステップと、受付ステッ
プと、を含む。前記取得ステップにて、環境空間に関する検知結果を、検知情報として取得する。前記変換ステップにて、互いに異なる複数種類の態様から、出力先の用途に応じた態様を決定し、前記検知情報を、決定された態様に関する出力情報に変換する。前記出力ステップにて、前記出力情報を前記出力先に出力する。前記受付ステップにて、前記複数種類の態様と複数の用途との対応関係に関する設定を受け付ける。前記複数種類の態様は、前記環境空間に対する人の進入、前記環境空間からの人の退出、人の移動、人の滞在、人の移動方向、人の活動量、人数、人の混雑度、特定の人物の有無、人の位置および前記環境空間の明るさのうち、複数を含む。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに上記の制御方法を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、より様々な用途に対して適用可能としつつ、取得する検知結果の数の増加を抑制することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る検知システムを備えた管理システムのシステム構成図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態に係る情報出力装置のブロック構成図である。
【
図3】
図3は、同上の検知システムにおける動作を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)概要
本実施形態に係る検知システム100は、
図2に示すように、情報出力装置1と、検知部3と、を備えている。検知部3は、環境空間SP1(
図1参照)に対する検知を実行し、検知情報を情報出力装置1に送出する。
【0013】
また本実施形態に係る情報出力装置1は、
図2に示すように、取得部11と、変換部12と、出力部13と、を備えている。取得部11は、環境空間SP1に関する検知結果を、検知情報として取得するように構成されている。ここで言う「検知結果」とは、検知対象である環境空間SP1に対して、検知部3が行った検知の結果である。検知部3は、一例として、環境空間SP1を撮像する撮像部であることを想定する。したがって、検知情報とは、環境空間SP1を撮像することより得られる画像情報である。画像情報は、例えば、静止画の情報であるが、動画(映像)の情報でもよい。
【0014】
変換部12は、検知情報を、出力先OT1(
図1参照)の用途に応じた態様に関する出力情報に変換する。出力部13は、出力情報を出力先OT1に出力する。以下では、出力先OT1が1又は複数の照明機器4であることを想定する。つまり、ここで言う「用途」とは、照明制御を含む。照明制御に応じた「態様」に関する出力情報は、環境空間SP1内における人の在、不在(又は進入、退出)を示す情報であってもよいし、人の在、不在を判定した上で照明機器4を実際に制御するための制御情報であってもよい。制御情報は、例えば、点灯のオン、オフ、調光率、又は色温度等を含む。
【0015】
出力先OT1は、照明機器4に加えて、他の機器(例えば空調機器)を含んでもよい。言い換えると「用途」は、照明制御に加えて、他の機器制御(例えば空調制御)を含んでもよい。空調制御に応じた「態様」に関する出力情報は、環境空間SP1内における人の数を示す情報であってもよいし、人の数を閾値と比較判定した上で空調機器を実際に制御するための制御情報(設定温度を上げ下げする等)であってもよい。
【0016】
実際の使用形態における出力先OT1が必ずしも複数種類であることは必須ではない。出力先OT1は、実際の使用形態では、照明機器4のみであってもよいし(
図1参照)、空調機器のみであってもよいし、照明機器4及び空調機器の両方でもよい。
【0017】
以下では、検知システム100は、情報出力装置1と検知部3とが1つの筐体に収容又は保持された、画像センサ装置200であることを想定する(
図2参照)。ただし、情報出力装置1と検知部3とが、別々の筐体で構成され、互いに離れて配置されてもよい。例えば、情報出力装置1の機能は、検知部3とは別に設置された、1つ又は複数のサーバ装置内にあってもよい。
【0018】
また以下では、複数の画像センサ装置200、及び複数の照明機器4等によって管理システム500が構成されていることを想定する。管理システム500は、例えば、オフィスビル全体の照明機器4等を管理する照明制御システムとして適用される。環境空間SP1は、オフィスビル内の会議室の1室に相当してもよく、その場合、会議室には、1つ又は複数の画像センサ装置200が設置されている。管理システム500は、オフィスビル以外に、テナントビル、マンション、公共施設、学校、病院、工場、駅、空港、若しくは介護施設等に適用されてもよい。
【0019】
この構成によれば、情報出力装置1の変換部12が検知情報を出力先OT1の用途に応じた態様に関する出力情報に変換し、変換された出力情報が出力先OT1に出力される。そのため、より様々な用途に対して適用可能としつつ、(検知部3から)取得する検知結果の数の増加を抑制することができる。
【0020】
(2)詳細
次に、本実施形態に係る検知システム100(画像センサ装置200)を備えた、管理システム500についてより詳細に説明する。
【0021】
(2.1)管理システムの全体構成
まず、管理システム500の全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
【0022】
管理システム500は、上述した複数(
図1では1つ)の画像センサ装置200、及び複数の照明機器4に加えて、制御ユニット6、監視装置7、及び管理サーバ8を備えている(
図1参照)。また管理システム500は、複数(
図1では1つ)の第1センサ装置301、複数(
図1では1つ)の第2センサ装置302、複数(
図1では1つ)の伝送アダプタ5を、更に備えている。
【0023】
制御ユニット6は、例えばオフィスビル内における複数の環境空間SP1に配置されている照明機器4を制御するように構成されている。環境空間SP1は、オフィスビルにおいてフロア単位で区画された空間でもよいし、ロビー、廊下、階段、事務室、会議室、及び食堂等の単位で区画された空間でもよい。
【0024】
制御ユニット6は、伝送線L1を介して、各環境空間SP1内における、画像センサ装置200、第1センサ装置301、及び第2センサ装置302と通信可能に接続されている。具体的には、制御ユニット6とこれらのセンサ装置とは、伝送線L1を介して時分割多重伝送方式により通信する。時分割多重伝送方式の通信プロトコルとしては、例えば、NMAST(登録商標)の通信規格を採用することができる。第1センサ装置301は、例えば各環境空間SP1内の天井面に取り付けられ、照度を検知する明るさセンサ装置である。第2センサ装置302は、同様に各環境空間SP1内の天井面に取り付けられ、人の動きを検知する熱線センサ装置である。第1センサ装置301及び第2センサ装置302は、本開示において必須ではなく、適宜に省略されてもよいし、温湿度センサ装置等の、別のセンサ装置であってもよい。画像センサ装置200については、後述する。
【0025】
また制御ユニット6は、例えばオフィスビルの管理室等に設置されており、通信線L2を介して、各環境空間SP1内における伝送アダプタ5と通信可能に接続されている。伝送アダプタ5は、通信線L3を介して、環境空間SP1内における複数の照明機器4と通信可能に接続されている。言い換えると、照明機器4は、通信機能を有した照明機器4Aを含む。制御ユニット6は、中継器となる伝送アダプタ5を介して、複数の照明機器4Aに対して点灯(点滅点灯も含む)、消灯、調光制御、及び調色制御を行う。制御ユニット6は、画像センサ装置200、第1センサ装置301、及び第2センサ装置302から受信する電気信号に基づいて、照明機器4Aを制御するための制御信号を生成し、伝送アダプタ5に送出する。
【0026】
伝送アダプタ5は、例えば各環境空間SP1内の天井面に取り付けられている。伝送アダプタ5は、上位(制御ユニット6)からの制御信号を、下位(照明機器4A)へ送信する制御信号に変換するように構成されている。伝送アダプタ5は、自身の配下にある照明機器4Aの識別情報を記憶しており、受信した制御信号に基づいて、配下の一部又は全部の照明機器4Aに対して、照明制御を行うための制御信号を送出する。
【0027】
伝送アダプタ5は、設定用のリモートコントローラからの赤外線信号を受信する機能を更に有することが望ましい。この場合、伝送アダプタ5は、当該信号に基づいて、配下の一部又は全部の照明機器4Aに対して、照明制御を行うための制御信号を送出することが望ましい。
【0028】
伝送線L1には、上述したセンサ装置以外に、壁スイッチ(不図示)が接続されている。環境空間SP1を利用するユーザが環境空間SP1に設置されている壁スイッチを操作することで、その操作内容が伝送線L1を介して制御ユニット6に送信される。要するに、ユーザは、壁スイッチを操作して、環境空間SP1内の複数の照明機器4に対して点灯、消灯、調光、及び調色を行える。
【0029】
ところで、環境空間SP1内の照明機器4は、通信機能を有した照明機器4A以外に、通信機能を有していない1又は複数の照明機器4Bも含み得る。このような通信機能を有していない照明機器4Bは、分電盤9内に設置された複数のリモコンリレーとそれぞれ接続されて、リモコンリレーの開閉制御により、電力供給と遮断(点灯と消灯)が切り替えられてもよい。具体的には、伝送線L1には、分電盤9内におけるリレー制御装置が接続されていてもよい。リレー制御装置は、分電盤9内において、複数のリモコンリレーと通信可能に接続されている。制御ユニット6は、伝送線L1を介して、特定のリモコンリレーの開閉制御を行うようにリレー制御装置に制御信号を送信することで、通信機能を有していない照明機器4Bの点灯、及び消灯が可能である。
【0030】
監視装置7及び管理サーバ8はいずれも、例えばオフィスビルの管理室等に設置されており、信号線L4を介して、制御ユニット6と通信可能に接続されている。監視装置7及び管理サーバ8と制御ユニット6との間の通信方式は、例えば、有線通信であり、通信プロトコルには、例えばEthernet(登録商標)等が用いられる。なお、通信方式は、無線通信でもよい。
【0031】
監視装置7は、例えば、液晶ディスプレイ、及びパーソナルコンピュータにより構成される。オフィスビルを管理する者(以下、管理者と呼ぶ)は、監視装置7の液晶ディスプレイに表示される管理画面を通じて、各環境空間SP1に対応する複数の照明機器4の使用電力量等を監視可能である。管理サーバ8は、オフィスビル全体の照明機器4の管理するサーバ装置である。管理サーバ8は、オフィスビル内の照明機器4の運転スケジュール等を管理してもよい。
【0032】
(2.2)画像センサ装置(検知システム)
次に、画像センサ装置200の全体構成について、
図2を参照しながら説明する。画像センサ装置200は、情報出力装置1と検知部3とを備えている。
【0033】
検知部3は、環境空間SP1に対する検知を実行し、検知情報を情報出力装置1に送出するように構成されている。検知部3は、上述の通り一例として撮像部に相当する。具体的には、検知部3は、検知の対象空間である環境空間SP1を撮影するためのカメラであり、例えば環境空間SP1内の天井に設置されている。検知部3は、魚眼レンズと、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサ等の撮像素子を有している。検知部3は、撮像した画像情報を情報出力装置1へ送出可能に接続されている。
【0034】
情報出力装置1は、
図2に示すように、制御部10、記憶部15、及び通信部16等を備えている。
【0035】
通信部16は、伝送線L1を介して、制御ユニット6と有線による通信を行うための通信インタフェースを含んでいる。通信部16は、出力情報を制御ユニット6へ送信する。
【0036】
記憶部15は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部15は、制御部10における画像処理及び変換処理等で用いられる参照画像の情報、履歴情報、及び設定情報等を記憶している。
【0037】
制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコントローラにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコントローラが制御部10として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコントローラのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。制御部10は、通信部16等を制御するように構成されている。
【0038】
制御部10は、
図2に示すように、取得部11、変換部12、出力部13、及び受付部14を有している。言い換えると制御部10は、取得部11としての機能、変換部12としての機能、出力部13としての機能、及び受付部14としての機能を有している。
【0039】
取得部11は、検知部3から、環境空間SP1に関する検知結果(ここでは画像情報)を、検知情報として取得する。以下では、検知情報を、単に「画像」と呼ぶこともある。
【0040】
変換部12は、画像(検知情報)を、出力先OT1の用途に応じた態様に関する出力情報に変換する。言い換えると、変換部12は、画像から、出力先OT1の用途に応じた情報を抽出する。ここでは、変換部12は、その態様に基づいた所定の条件を適用して出力情報に変換する。所定の条件は、各用途に対して、1つ又は複数含み得る。所定の条件は、記憶部15(又は制御部10のメモリでもよい)に予め記憶されている。
【0041】
所定の条件は、一例として、次の第1条件~第8条件を含み得るが、これらに限定されない。第1条件は、環境空間SP1内に人が進入した(又は退出した)ことである。第2条件は、環境空間SP1内で人等の移動体が移動中にあることである。第2条件は、単純な人等の移動状態の有無以外に、移動方向(ベクトル)の特定に関する条件でもよいし、作業中の人の活動量が一定量であるといった条件でもよい。第3条件は、環境空間SP1内に人が一定時間以上滞在中にあることである。第4条件は、環境空間SP1内に居る人の数が一定数以上であることである。第5条件は、環境空間SP1内において、複数の人が集中的に在している区画があれば、その集中の度合い(混雑度)が一定の度数以上であることである。第6条件は、環境空間SP1内に進入した人が、特定の人物(又は不審者)であること(個人の特定)である。第7条件は、環境空間SP1内の照度(明るさ)が所定値以上であることである。第8条件は、人が環境空間SP1内の特定の区画に位置すること(位置情報)である。
【0042】
上述した条件は、閾値に関して逆の条件でもよく、例えば、照度が所定値未満であること、という条件が設定されてもよい。また上述した条件における数値(人数や混雑度、照度等)は、瞬時値以外にも、平均値又は変化量等でもよい。
【0043】
実際の使用形態において、第1条件~第8条件等のうちのいずれか1つ以上が、所定の条件として適用されるように、予め設定可能であることが望ましい。例えば、管理者は、監視装置7を用いて、制御ユニット6を経由して画像センサ装置200に対して、各用途にそれぞれ対応する条件を設定可能であることが望ましい。例えば照明制御に対しては第1条件及び第7条件が対応付けされてもよい。他の用途として、例えば空調制御に対しては第1条件及び第4条件が対応付けされてもよい。また他の用途として、例えばLPS(Local Positioning system)制御に対しては第8条件が対応付けされてもよい。なお、所定の条件に関して、上述した第1条件~第8条件以外の別の条件が、後から追加的に設定可能であってもよい。例えば情報出力装置1のソフトウェアのアップデートによって、別の条件が追加されてもよい。
【0044】
また条件の設定に関する操作を受け付けるディップスイッチ等の操作部、又はリモートコントローラから条件の設定に関する信号を受信する受信部が、画像センサ装置200の筐体に設けられてもよい。
【0045】
要するに、変換部12は、互いに異なる複数種類の態様(例えば上述の条件)から、出力先OT1の用途に応じた態様を決定して、検知情報を出力情報に変換する。本実施形態では、受付部14が、上述した監視装置7、操作部、及び受信部等から、どの用途にどの条件が対応付けされるかという設定を受け付ける。言い換えると、受付部14は、複数種類の態様と複数の用途との対応関係に関する設定を受け付ける。記憶部15は、受付部14で受け付けた設定の内容(対応関係)を記憶する。変換部12は、記憶部15に記憶される設定の内容に基づいて、出力先OT1の用途に応じた態様を決定する。そのため、各用途に対して、より適切に出力情報への変換を行うことができる。
【0046】
変換部12は、基本機能として、画像処理の機能と変換処理の機能とを有している。例えば、変換部12は、取得部11を介して、検知部3から撮影した画像を所定の時間間隔(サンプリング間隔)で順次取得する機能を有してもよい。変換部12は、連続的に取得された画像間の差分画像を作成する機能を有してもよい。変換部12は、記憶部15に予め記憶されている参照画像と、検知部3から取得した画像とを比較する機能を有してもよい。参照画像は、例えば人の不在時に撮像された環境空間SP1の画像でもよいし、所定の照度環境の状態にある環境空間SP1の画像でもよい。
【0047】
変換部12は、環境空間SP1に対して設定された感度値と、上記差分画像とを基に、上記差分画像を2値化した2値化画像を作成することで、人等の移動体の存否、活動量、人数、及び位置情報等を決定する機能を有してもよい。感度値は、差分画像を2値化する際の基準となる閾値(背景差分閾値)である。2値化画像は、例えば、白色の画素値と、黒色の画素値とから構成される。変換部12は、取得した画像における画素の画素値が背景差分閾値以上である場合には当該画素値の画素を白色とし、画素値が背景差分閾値未満である場合には当該画素値の画素を黒色とする。環境空間SP1を天井側から見た平面視の画像領域を、複数の区画(例えば1つの区画が8×8画素)に分割し、複数の区画のそれぞれについて、当該区画に含まれる画素の平均値と背景差分閾値とを比較し、環境空間SP1の2値化画像を作成してもよい。
【0048】
また変換部12は、取得した画像に映っている人の顔画像に基づいて、環境空間SP1に居る人が、予め登録されている特定の人(例えば社員)であるかを決定する機能を有してもよい。変換部12は、記憶部15に予め記憶されている参照用の情報群(複数の顔画像)をサーチして、取得した画像内の人に該当すると判断される顔画像があれば、当該顔画像に対応付けされた個人名、所属名等を含む情報を生成してもよい。参照用の情報群は、監視装置7又は管理サーバ8から定期的にアップデートされてもよい。
【0049】
上述した変換部12のこれらの機能は、予め設定されている所定の条件に応じて実行され得る。
【0050】
変換部12は、取得した画像情報から、例えば「人が会議室に入室(退室)した」、「会議室に居る人の数は5人以上である」、「会議室の特定の区画(位置)に人に居る」及び「社員Aさんが会議室に居る」等の情報を1つ以上含んだ出力情報に変換する。つまり、出力情報は、所定の条件に関する判定結果を含む。出力情報は、出力部13から通信部16を介して制御ユニット6に出力されて、制御ユニット6で実際の制御コマンド(制御情報)に変換された後、出力先OT1である照明機器4に送信される。
【0051】
本実施形態では、出力情報内の判定結果と制御情報とが対応付けされたデータが、用途ごとに、制御ユニット6の記憶部内に予め登録されている。用途が照明制御であれば、例えば「人が会議室に入室した」という判定結果は、照明機器4を点灯(オン)する制御情報に、「人が会議室から退室した」という判定結果は、照明機器4を消灯(オフ)する制御情報に、それぞれ対応付けられている。また「会議室の特定の区画に人に居る」という判定結果は、当該区画に位置する照明機器4のみの点灯をオンにする制御情報と対応付けられている。一方、用途が空調制御であれば、「人が会議室入室(退室)した」という判定結果は、空調機器の空調をオン(オフ)にする制御情報と対応付けられている。
【0052】
制御ユニット6は、出力情報の送信元である画像センサ装置200を特定し、当該画像センサ装置200が設置されている環境空間SP1内の照明機器4に対して、該当する制御情報を含んだ制御信号を送信する。
【0053】
(2.3)動作説明
以下に、管理システム500の動作について
図3のフローチャート図を参照しながら説明する。なお、使用形態は、一例として、用途が照明制御のみである場合を想定する。
【0054】
例えば、複数の環境空間SP1のうちの1つである会議室に、社員のAさんが入室したとする(ST1)。
【0055】
画像センサ装置200は、画像処理及び変換処理を実行し、撮像した画像(画像情報)から、照明制御の用途に応じた態様に関する「人が会議室に入室した」及び「照度は所定値未満である」という情報を含んだ出力情報に変換する(ST2)。画像センサ装置200は、出力情報を、制御ユニット6に送出する。
【0056】
制御ユニット6は、画像センサ装置200から受信した出力情報(入室情報及び照度情報)に基づき、照明機器4を点灯させるための制御信号を、会議室の照明機器4を支配下とする伝送アダプタ5に送信する。その結果、制御信号は、伝送アダプタ5を経て、会議室全体の照明機器4に送信され、会議室全体の照明機器4が点灯する(ST3)。なお、日中等で照度が所定値以上であれば、制御ユニット6は、たとえ人の入室があったとしても、会議室の照明機器4を消灯状態に維持してもよいし、一部の照明機器4だけ点灯(間引き点灯)させてもよい。
【0057】
続いて社員のAさんは、入室後椅子等に着座し、ある区画に滞在中にあるとする(ST4)。
【0058】
画像センサ装置200は、続いて、撮像した画像(画像情報)から、「人は会議室のある区画に滞在中」という情報を含んだ出力情報に変換し(ST5)、制御ユニット6に送出する。
【0059】
制御ユニット6は、受信した出力情報(滞在中の区画情報)に基づき、例えば、該当する区画の照明機器4のみ調光率100%の点灯を維持し、他の周辺の区画の照明機器4を調光率50%程度で、点灯するように制御信号を送信してもよい(ST6)。なお、出力情報が、人が移動中にあるという情報(移動情報)を含んでいる場合、制御ユニット6は、照明機器4を調光率30%程度で点灯するように制御信号を送信してもよい。
【0060】
その後、社員のAさんが、会議室から退出したとする(ST7)。
【0061】
画像センサ装置200は、撮像した画像(画像情報)から、「人が会議室から退室した」という情報を含んだ出力情報に変換し(ST8)、制御ユニット6に送出する。
【0062】
制御ユニット6は、受信した出力情報(退室情報)に基づき、例えば、会議室全ての照明機器4を消灯させるための制御信号を送信する(ST9)。
【0063】
このように本実施形態の画像センサ装置200では、変換部12が検知情報を出力先OT1の用途に応じた態様に関する出力情報に変換する。そのため、より様々な用途に対して適用可能としつつ、取得する検知結果の数の増加を抑制することができる。特に、画像センサ装置200が取得する検知結果の数の増加が抑制されることで、検知部3等の天井面に設置されるセンサ装置の数の増加も抑制され得る。したがって、環境空間SP1の外観上の見栄え(美観)が損なわれる可能性も低減できる。
【0064】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る情報出力装置1と同様の機能は、情報出力装置1の制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。また検知システム100(画像センサ装置200)と同様の機能は、検知システム100の制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0065】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
【0066】
本開示における情報出力装置1の制御部10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0067】
また、情報出力装置1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは情報出力装置1に必須の構成ではなく、情報出力装置1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。同様に、検知システム100(画像センサ装置200)も、1つの筐体内に集約されていることは検知システム100に必須の構成ではない。さらに、情報出力装置1又は検知システム100の少なくとも一部の機能、例えば、変換部12の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0068】
反対に、上述した基本例の画像センサ装置200のように、検知部3及び情報出力装置1の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0069】
(3.1)変形例1(照明制御以外の様々な用途)
基本例では、一例として、用途が照明制御のみの使用形態であった。言い換えると、管理システム500は、複数の照明機器4を含む照明制御システムを管理するものである。しかし、管理システム500は、照明制御システムの代わりに、又は照明制御システムに加えて、空調制御システム、セキュリティシステム、LPS制御システム及び統合管理システム等のうちの少なくとも1つのシステムを管理してもよい。
【0070】
空調制御システムは、例えば、複数の空調機器を含み、複数の空調機器のオン、オフ制御や、風量調節、温度調節、湿度調整等を行う。セキュリティシステムは、例えば、複数の警報装置及び監視装置等を含み、オフィスビル内における不審者の侵入を検知して警報音の鳴動、及び警備会社等への通報を行う。LPS制御システムは、例えば、人の位置情報から、会議室、事務室の使用状況を管理し、各室の空き状況等を社員に通知する。統合管理システムは、オフィスビル内の様々な機器の稼動状況を監視するシステムであり、一例として、オフィスビル内の人の混雑具合等を管理する機能を有する。
【0071】
基本例で説明した通り、情報出力装置1は、出力先OT1の用途に応じた態様に関する出力情報に変換する変換部12を備えているため、環境空間SP1の、例えば1つの共通の画像から、様々な用途に見合った情報を提供可能である。
【0072】
管理システム500が空調制御システムを含む場合、画像センサ装置200は、検知部3からの画像情報を、「会議室に居る人の数は5人以上である」(人数情報)を含む出力情報に変換し、空調制御システムの制御ユニットに送信してもよい。空調制御システムの制御ユニットは、受信した出力情報から、会議室の空調機器の温度を例えば1℃下げるための制御信号を、会議室の空調機器に送信してもよい。また出力情報が「人の活動量が一定量以上である」(活動量情報)を含む場合も、空調制御システムの制御ユニットは、受信した出力情報から、会議室の空調機器の温度を例えば1℃下げるための制御信号を、会議室の空調機器に送信してもよい。
【0073】
管理システム500がセキュリティシステムを含む場合、画像センサ装置200は、検知部3からの画像情報を、「社員Aさんが会議室に居る」(個人の特定情報)を含む出力情報に変換し、セキュリティシステムの制御ユニットに送信してもよい。セキュリティシステムの制御ユニットは、受信した出力情報から、不審者ではない旨を、監視装置に送信する。もし特定情報が、該当する社員情報が存在しないことを示す場合、つまり不審者の可能性が高い場合、セキュリティシステムの制御ユニットは、その旨を監視装置に送信する。その結果、オフィスビルの安全が確保されることになる。
【0074】
情報出力装置1は、種々のシステム間で同時に共用することも可能である。例えば、管理システム500が、照明制御システムと空調制御システムの両方を含む場合、画像センサ装置200は、検知部3からの画像情報を、「人が会議室に入室した」という入室情報を含む出力情報に変換し、それらの制御ユニットに送信してもよい。この場合、これらの制御ユニットは、それぞれ、照明機器4及び空調機器のオン制御信号を送信してもよい。
【0075】
空調制御システム、セキュリティシステム、LPS制御システム及び統合管理システム等の制御ユニットに関して、基本例の制御ユニット6と共通でもよいし、各システムで異なる制御ユニットが1又は複数台設けられてもよい。つまり、画像センサ装置200は、制御ユニット6に出力情報を送信し、制御ユニット6側で照明機器4や空調機器等に制御信号を振り分けて送信してもよいし、画像センサ装置200が、用途別に出力情報を振り分けて、対象の制御ユニットに送信してもよい。基本例の監視装置7についても、管理者は、1台の監視装置7を用いて、集中的に複数のシステムの監視を行えてもよいし、各システムで異なる監視装置が1又は複数台設けられてもよい。
【0076】
ところで、画像センサ装置200は、どの用途に使用されるかを選択するための動作モード選択機能を有していることが望ましい。動作モードは、照明制御モード、空調制御モード、セキュリティモード等である。管理者は、画像センサ装置200の筐体にある複数のスイッチ等の操作部への操作によって、又は監視装置7からの設定によってモード選択が行えてもよい。受付部14は、例えば、照明制御モードから空調制御モードへの切替操作を受け付けると、変換部12は、照明制御で適用されていた第1条件及び第7条件から、空調制御で適用される第1条件及び第4条件に切り替える。照明制御モードと空調制御モードの両方を同時に選択することも可能である。この場合、変換部12は、第1条件、第4条件、及び第7条件を適用する。
【0077】
(3.2)変形例2(制御情報の生成)
基本例では、情報出力装置1の出力情報は、入退室情報、人数情報、個人の特定情報、及び活動量情報等を含み、直接的な機器の制御情報を含んでいない。そして、制御ユニット6が、出力先OT1である機器に対して態様に応じた制御を指示するための制御情報を生成している。
【0078】
しかし、情報出力装置1が、出力先OT1である機器に対して態様に応じた制御を指示するための制御情報も生成してもよい。すなわち、情報出力装置1の出力情報は、制御情報を含んでもよい。この場合、制御情報を生成する構成が情報出力装置1の外部にない場合に対応可能である。例えば、制御ユニット6が設けられていなくても、情報出力装置1が、直接的に照明機器4に出力情報を送信して、照明機器4のオン、オフ制御が可能である。
【0079】
情報出力装置1の変換部12が、入退室情報、人数情報、個人の特定情報、及び活動量情報等までの情報の変換に留めるか、制御情報まで変換を行うかについて、設置現場にて変更可能であることが望ましい。具体的には、変形例1の動作モード選択機能と同様に、画像センサ装置200の筐体にあるスイッチ等の操作部、又は監視装置7からの設定によって変更可能であることが望ましい。
【0080】
特に、制御情報は、機器の種類に応じて異なる情報であることが好ましい。出力先OT1である機器が複数種類(照明機器4、及び空調機器等)ある場合であっても、各種類に応じた制御情報を出力可能である。
【0081】
なお、本変形例のように情報出力装置1が制御情報まで変換する場合、「入室(退室)した」という同一の情報でも、生成される制御コマンド(制御情報)は、用途又は環境空間SP1に依存して異なる。例えば「入室(退室)した」という情報は、照明用途では照明機器の点灯をオン制御するコマンドに変換されるが、セキュリティ用途では人の侵入を通知するコマンドに変換され得る。
【0082】
(3.3)その他の変形例
基本例では、出力先OT1の用途が照明制御のみである。これに対して、用途が複数ある場合、情報出力装置1の出力部13は、出力先OT1の用途に応じて異なる通信媒体で、出力情報を出力してもよい。例えば、照明用途では有線通信により、空調用途では無線通信により、出力情報が送信されてもよい。言い換えると、通信部16は、複数種類の通信インタフェースを有してもよい。
【0083】
あるいは、情報出力装置1の出力部13は、出力先OT1の用途に応じて異なる通信規格で、出力情報を出力してもよい。例えば、照明用途ではWi-Fi(登録商標)により、空調用途では特定小電力無線により、出力情報が送信されてもよい。
【0084】
基本例では、制御ユニット6が出力先OT1である機器の制御を指示するための制御情報を生成しているが、その機能の一部又は全部が、管理サーバ8で行われてもよい。
【0085】
基本例及び変形例1等における「個人の特定(情報)」に関して、情報出力装置1の出力部13は、個人情報を含むような出力の態様と、個人情報を含まないような出力の態様とを、区別してそれぞれ出力可能であってもよい。例えば、各用途に応じて、個人情報に関する出力詳細レベルを、人数だけに留める第1レベル、所属部門名までに留める第2レベル、画像情報を出力する第3レベル、及び個人名まで特定して出力する第4レベル等から適宜に選択して設定可能であってもよい。この例の場合、第1レベルが、個人情報を含まない出力の態様であり、第2~第4レベルが、個人情報を含むような出力の態様に相当する。具体的には、出力部13は、例えばセキュリティ用途では不審者を特定する画像情報(第3レベル)を出力する一方で、照明制御用途では個人を特定できない情報(この部屋に何人の人がいる程度の情報:第1レベル)を出力してもよい。
【0086】
基本例では、検知部3は撮像部であり、検知情報は画像情報であるが、特に限定されない。例えば検知部3はマイクロフォン等の集音部であり、検知情報は音情報でもよい。情報出力装置1は、音情報(音声、足音、ドアの開閉音等)を、人の入退室、人数、位置等の情報を含む出力情報に変換してもよい。
【0087】
基本例では、情報出力装置1は、入力先が1つで画像情報のみ、すなわち1種類の入力情報のみを取得して、出力情報に変換している。しかし、情報出力装置1は、複数の入力先から、2種類以上の入力情報を取得して、出力情報に変換してもよい。例えば、情報出力装置1は、検知部3からの画像情報に加えて、検知部3とは異なる別の検知部(センサ)から、上述した音情報、温湿度情報、照度情報、及びCO2等の大気中の物質濃度情報等のうちの少なくとも1つを取得して出力情報に変換してもよい。照度情報は、画像処理で得られた照度はなく、第1センサ装置301の受光素子で実際に受光して測定された照度を含み得る。出力情報は、例えば、画像情報から得られる「入室があった」、及び物質濃度情報から得られる「CO2濃度が一定値以上である」という2つの情報を含んでもよい。制御ユニット6は、受信した出力情報に基づき、会議室の空調機器(例えば換気扇)に対して換気を行うように制御してもよい。
【0088】
基本例では、情報出力装置1は、1つの画像領域の全体を用いて出力情報に変換している。しかし、用途に応じて、共通の1つの画像領域のうち異なる区画領域を用いて出力情報に変換してもよい。例えば、同じ1つの画像であっても、照明用途では右半分の区画領域を、空調用途では左半分の区画領域を、それぞれ用いて出力情報に変換してもよい。
【0089】
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る情報出力装置(1)は、取得部(11)と、変換部(12)と、出力部(13)と、を備える。取得部(11)は、環境空間(SP1)に関する検知結果を、検知情報として取得する。変換部(12)は、検知情報を、出力先(OT1)の用途に応じた態様に関する出力情報に変換する。出力部(13)は、出力情報を出力先(OT1)に出力する。第1の態様によれば、変換部(12)が検知情報を出力先(OT1)の用途に応じた態様に関する出力情報に変換するため、より様々な用途に対して適用可能としつつ、取得する検知結果の数の増加を抑制することができる。
【0090】
第2の態様に係る情報出力装置(1)に関して、第1の態様において、変換部(12)は、態様に基づいた所定の条件を適用して、検知情報を出力情報に変換することが好ましい。出力情報は、所定の条件に関する判定結果を含むことが好ましい。第2の態様によれば、機器(例えば照明機器4)の制御を指示するための制御情報を生成する構成が情報出力装置(1)の外部にある場合に対応可能である。
【0091】
第3の態様に係る情報出力装置(1)に関して、第1又は第2の態様において、出力情報は、出力先(OT1)である機器(例えば照明機器4)に対して態様に応じた制御を指示するための制御情報を含むことが好ましい。第3の態様によれば、例えば、機器の制御を指示するための制御情報を生成する構成が情報出力装置(1)の外部にない場合に対応可能である。
【0092】
第4の態様に係る情報出力装置(1)に関して、第3の態様において、制御情報は、機器の種類に応じて異なる情報であることが好ましい。第4の態様によれば、出力先(OT1)である機器が複数種類ある場合であっても、各種類に応じた制御情報を出力可能である。
【0093】
第5の態様に係る情報出力装置(1)に関して、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、出力部(13)は、出力先(OT1)の用途に応じて異なる通信媒体、又は出力先(OT1)の用途に応じて異なる通信規格で、出力情報を出力することが好ましい。第5の態様によれば、通信媒体や通信規格が異なる場合にも、出力情報の出力が可能である。
【0094】
第6の態様に係る情報出力装置(1)に関して、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、変換部(12)は、互いに異なる複数種類の態様から、出力先(OT1)の用途に応じた態様を決定して、検知情報を出力情報に変換することが好ましい。第6の態様によれば、各用途に対して、より適切に出力情報への変換を行うことができる。
【0095】
第7の態様に係る情報出力装置(1)は、第6の態様において、受付部(14)と、記憶部(15)と、を、更に備えることが好ましい。受付部(14)は、複数種類の態様と複数の用途との対応関係に関する設定を受け付ける。記憶部(15)は、受付部(14)で受け付けた設定の内容を記憶する。変換部(12)は、記憶部(15)に記憶される設定の内容に基づいて、出力先(OT1)の用途に応じた態様を決定する。第7の態様によれば、受付部(14)を介して、用途に応じた態様に関する設定の変更等が可能となる。
【0096】
第8の態様に係る情報出力装置(1)に関して、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、検知情報とは、環境空間(SP1)の撮像により得られる画像情報であることが好ましい。第8の態様によれば、画像情報を、出力先(OT1)の用途に応じた態様に関する出力情報に変換して出力することができる。
【0097】
第9の態様に係る検知システム(100)は、第1~第8の態様のいずれか1つにおける情報出力装置(1)と、検知部(3)と、を備える。検知部(3)は、環境空間(SP1)に対する検知を実行し、検知結果を情報出力装置(1)に送出する。第9の態様によれば、より様々な用途に対して適用可能としつつ、取得する検知結果の数の増加を抑制することが可能な情報出力装置(1)を備えた検知システム(100)を提供できる。
【0098】
第10の態様に係る制御方法は、情報出力装置(1)の制御方法である。制御方法は、取得ステップと、変換ステップと、出力ステップと、を含む。取得ステップにて、環境空間(SP1)に関する検知結果を、検知情報として取得する。変換ステップにて、検知情報を、出力先(OT1)の用途に応じた態様に関する出力情報に変換する。出力ステップにて、出力情報を出力先(OT1)に出力する。第10の態様によれば、より様々な用途に対して適用可能としつつ、取得する検知結果の数の増加を抑制することが可能な制御方法を提供できる。
【0099】
第11の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、第10の態様における制御方法を実行させる。第11の態様によれば、より様々な用途に対して適用可能としつつ、取得する検知結果の数の増加を抑制することが可能な機能を提供できる。
【0100】
第2~8の態様に係る構成については、情報出力装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 情報出力装置
11 取得部
12 変換部
13 出力部
14 受付部
15 記憶部
3 検知部
4 照明機器(機器)
100 検知システム
OT1 出力先
SP1 環境空間