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特許7357198作業システム、補正方法、及び評価システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】作業システム、補正方法、及び評価システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20230929BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
H05K13/00 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019090085
(22)【出願日】2019-05-10
(65)【公開番号】P2020188075
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡村 浩志
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-205957(JP,A)
【文献】特開2002-026596(JP,A)
【文献】国際公開第2015/193985(WO,A1)
【文献】特開2012-242313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の作業を行う作業部を含む可動体及び前記可動体を移動可能に保持する保持部材を備える作業装置と、
前記保持部材に設けられた基準体を検出する検出部による前記基準体の検出強度に基づいて、前記作業装置の保守に関する情報を評価する評価部と、を備える、
作業システム。
【請求項2】
前記可動体は、前記作業部と、前記作業部を移動可能に保持する軸部材と、を含む、
請求項1に記載の作業システム。
【請求項3】
前記評価部は、前記基準体を備えるリニアスケールについての異常の有無を示す状態情報を評価する、
請求項1又は2に記載の作業システム。
【請求項4】
前記作業装置は、前記可動体の動作を補正する補正処理を行う制御部を備え、
前記評価部は、前記補正処理における補正量を示す補正量情報を評価する、
請求項1~3のいずれかに記載の作業システム。
【請求項5】
前記作業装置は、前記可動体の動作を補正する補正処理を行う制御部を備え、
前記評価部は、前記制御部による前記補正処理を行う時期を示す補正時期情報を評価する、
請求項1~4のいずれかに記載の作業システム。
【請求項6】
前記検出部は、前記可動体に設けられ、前記基準体として前記保持部材の長手方向に沿って設けられた目盛から位置情報を取得する、
請求項1~5のいずれかに記載の作業システム。
【請求項7】
前記評価部は、前記検出部による前記基準体の検出強度の時間経過に伴う変化に基づいて、前記可動体及び前記保持部材を備える前記作業装置の保守に関する情報を評価する、
請求項1~6のいずれかに記載の作業システム。
【請求項8】
所定の作業を行う作業部を含む可動体と、
前記可動体を移動可能に保持する保持部材と、
前記保持部材に設けられた基準体を検出する検出部による前記基準体の検出強度に基づいて、前記可動体の動作を補正する補正処理を行う制御部と、を備える、
業システム。
【請求項9】
所定の作業を行う作業部を含む可動体と、前記可動体を移動可能に保持する保持部材を備える作業装置の補正方法であって、
前記保持部材に設けられた基準体を検出する検出部による前記基準体の検出強度に基づいて、前記可動体の動作を補正する補正処理を行う、
補正方法。
【請求項10】
所定の作業を行う作業部を含む可動体、前記可動体を移動可能に保持する保持部材を備える作業装置の評価システムであって、
前記保持部材に設けられた基準体を検出する検出部による前記基準体の検出強度に基づいて、前記作業装置の保守に関する情報を評価する評価部を備える、
評価システム。
【請求項11】
目盛及び前記目盛から位置情報を取得する検出部を有するリニアスケールから、前記目盛と前記検出部との距離情報に関する情報と前記位置情報との両方を取得する取得部を備える、
評価システム。
【請求項12】
請求項11に記載の評価システムを備える、
作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業システム、補正方法、及び評価システムに関する。より詳細には、本開示は、所定の作業を行う作業部を備える作業システム、補正方法、及び評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回路基板等に電子部品を挿入・装着する電子部品実装機(作業装置)が記載されている。特許文献1に記載の電子部品実装機では、熱膨張係数の異なる2種のリニアスケールを用い、両リニアスケール間の検出位置の差分を検出することにより、実装手段(作業部)を位置決めするためのオフセット値を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-246792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような電子部品実装機では、当該電子部品実装機の状態を評価可能であることが望まれている。
【0005】
本開示の目的は、作業装置の状態を評価することができる作業システム、補正方法、及び評価システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る作業システムは、作業装置と、評価部と、を備える。前記作業装置は、可動体及び保持部材を備える。前記可動体は、所定の作業を行う作業部を含む。前記保持部材は、前記可動体を移動可能に保持する。前記評価部は、前記保持部材に設けられた基準体を検出する検出部による前記基準体の検出強度に基づいて、前記作業装置の保守に関する情報を評価する
本開示の別の一態様に係る作業システムは、可動体と、保持部材と、制御部と、を備える。前記可動体は、所定の作業を行う作業部を含む。前記保持部材は、前記可動体を移動可能に保持する。前記制御部は、前記保持部材に設けられた基準体を検出する検出部による前記基準体の検出強度に基づいて、前記可動体の動作を補正する補正処理を行う。
【0007】
本開示の一態様に係る補正方法は、可動体、保持部材を備える作業装置の補正方法である。前記可動体は、所定の作業を行う作業部を含む。前記保持部材は、前記可動体を移動可能に保持する。前補正方法では、前記保持部材に設けられた基準体を検出する検出部による前記基準体の検出強度に基づいて、前記可動体の動作を補正する補正処理を行う。
【0008】
本開示の一態様に係る評価システムは、可動体、保持部材を備える作業装置の評価システムである。前記可動体は、所定の作業を行う作業部を含む。前記保持部材は、前記可動体を移動可能に保持する。前記評価システムは、評価部を備える。前記評価部は、前記保持部材に設けられた基準体を検出する検出部による前記基準体の検出強度に基づいて、前記作業装置の保守に関する情報を評価する。
【0009】
本開示の一態様に係る評価システムは、取得部を備える。前記取得部は、目盛及び前記目盛から位置情報を取得する検出部を有するリニアスケールから、前記目盛と前記検出部との距離情報に関する情報と前記位置情報との両方を取得する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、作業装置の状態を評価することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る作業システム及び評価システムのブロック図である。
図2図2は、同上の作業システムの構成を示す概略図である。
図3図3は、同上の作業システムを模式的に表した図である。
図4図4は、図3のA1-A2断面図である。
図5図5は、図3のB1-B2断面図である。
図6図6A及び図6Bは、同上の作業システムにおける可動体の位置座標と当該位置座標での読取り強度との関係を示す図である。
図7図7は、同上の作業システム及び評価システムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る作業システム及び評価システムについて、図面を参照して説明する。
【0013】
以下の実施形態等において参照する図2図3図4、及び図5は、いずれも模式的な図である。したがって、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0014】
(実施形態)
(1)概要
以下、実施形態に係る作業システム1及び評価システム10の概要について、図1及び図2を参照して説明する。
【0015】
本実施形態に係る作業システム1は、所定の作業を行うためのシステムである。本開示でいう「所定の作業」は、製品の製造に際して実行される作業対象物に対する種々の作業を含み、例えば、実装、塗装、印刷、プレス、切削、溶着及び撮影等の作業を含む。本開示でいう「作業対象物」は、作業システム1により加工等の作業が施される物であって、例えば、第1対象物7に対して第2対象物8を実装する作業の場合には、第1対象物7が作業対象物となる。本実施形態では、所定の作業は、例えば、第1対象物7に第2対象物8を実装する実装作業である。つまり、本実施形態では、作業システム1は、第1対象物7に第2対象物8を実装する表面実装機(チップマウンター)である。
【0016】
第1対象物7は、例えば、矩形状のプリント基板(以下、「基板7」ともいう)である。第2対象物8は、例えば、コンデンサ、抵抗、インダクタ、トランス、IC(Integrated Circuit)、コネクタ、又はスイッチ等の電子部品(以下、「部品8」ともいう)である。なお、部品8は、上記の電子部品に限らず、基板7に対して実装可能であれば他の部品であってもよい。
【0017】
本実施形態に係る作業システム1は、図1及び図2に示すように、作業装置6と、評価部111と、を備える。作業装置6は、可動体5、保持部材2、及び取得部12を有する。可動体5は、所定の作業を行う作業部4を含む。保持部材2は、可動体5を移動可能に保持する。取得部12は、第1情報を取得する。第1情報は、可動体5に設けられた基準点と保持部材2に設けられた基準体との距離情報に関する情報である。評価部111は、第1情報の時間経過に伴う変化に基づいて第2情報を評価する。第2情報は、作業装置6の保守に関する情報である。本実施形態に係る評価システム10は、作業装置6を評価するためのシステムである。評価システム10は、評価部111を備える。本実施形態では、基準点は、例えば、後述するリニアスケール12の検出部122である。また、本実施形態では、基準体は、例えば、リニアスケール12の目盛121である。
【0018】
本開示でいう「距離情報に関する情報」は、基準点と基準体との距離に応じて変化する情報(データ)全般を含む。一例として、距離情報に関する情報は、距離そのものの情報の他、強度(電界強度、光強度(反射強度)、磁束密度)の情報、補正データ(リニアスケール12の感度等の補正データ)、測距センサ(光学式、接触式を含む)の検出結果等であってもよい。本実施形態では、距離情報に関する情報(第1情報)は、例えば、光の反射強度の情報である。
【0019】
本実施形態に係る作業システム1では、取得部12は、可動体5に設けられた基準点と保持部材2に設けられた基準体との距離情報に関する情報を取得している。そして、評価部111は、取得部12が取得した情報(第1情報)の時間経過に伴う変化に基づいて作業装置6の保守に関する情報(第2情報)を評価している。つまり、評価部111は、可動体5と保持部材2との位置関係について評価することができ、結果的に作業装置6の状態を評価することができる。
【0020】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る作業システム1及び評価システム10の詳細について、図1図5を参照して説明する。
【0021】
(2.1)作業システムの構造
まず、本実施形態に係る作業システム1の構造について、図1図5を参照して説明する。以下の説明では、可動体5の移動方向をY軸方向、作業部4の移動方向をX軸方向、可動体5の移動方向及び作業部4の移動方向の両方と直交する方向をZ軸方向と規定する。ただし、これらの方向は、作業装置6の使用方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0022】
本実施形態に係る作業システム1は、図1及び図2に示すように、作業装置6を備える。
【0023】
作業装置6は、図2図5に示すように、可動体5と、一対の保持部材2と、を有する。可動体5は、作業部4と、一対の軸部材3と、を含む。
【0024】
一対の保持部材2の各々は、例えば、Y軸方向に長い部材(Yビーム)である。一対の保持部材2は、X軸方向において所定の間隔を空けた状態で並んでいる。一対の保持部材2のうち一方の保持部材2は、X軸方向における一対の軸部材3の各々の一端部を保持し、一対の保持部材2のうち他方の保持部材2は、X軸方向における一対の軸部材3の各々の他端部を保持している。一対の保持部材2は、一対の軸部材3がY軸方向に沿って移動可能な状態で一対の軸部材3を保持している。つまり、一対の保持部材2は、可動体5がY軸方向に沿って移動可能な状態で可動体5を保持している。一対の保持部材2の各々は、図4及び図5に示すように、一対のベース9のうち対応するベース9に取り付けられる。一対のベース9の各々は、Z軸方向に沿って縦長に延びている。一対のベース9は、X軸方向に所定の間隔を空けた状態で並んでいる。作業装置6は、一対のベース9を介して床面に固定される。
【0025】
作業部4は、例えば、第1対象物7に第2対象物8を実装するための実装部(以下、「実装部4」ともいう)である。つまり、作業部4は、所定の作業として、第1対象物7に第2対象物8を実装する実装作業を行う。実装部4は、吸着ノズル41を含む。実装部4は、吸着ノズル41がZ軸方向に沿って移動可能な状態で吸着ノズル41を保持する。そのため、吸着ノズル41は、基板7に対して部品8を実装する場合には、基板7に近づく向き、及び基板7から離れる向きに移動可能である。また、吸着ノズル41は、部品8を吸着する場合には、部品8を供給する部品供給部(例えば、テープフィーダ)に近づく向き、及び部品供給部から離れる向きに移動可能である。吸着ノズル41は、部品8を吸着する吸着状態と、部品8の吸着状態を解除する解除状態と、を切替可能である。
【0026】
一対の軸部材3の各々は、例えば、X軸方向に長い部材(Xビーム)である。一対の軸部材3は、Y軸方向に所定の間隔を空けた状態で並んでいる。一対の軸部材3は、実装部4がX軸方向に沿って移動可能な状態で実装部4を保持している。
【0027】
このような作業装置6では、図3における実線で示すように、一対の保持部材2に対して可動体5が正規の位置に取り付けられる場合もあれば、図3における二点鎖線で示すように、一対の保持部材2に対して可動体5が歪んだ状態で取り付けられる場合もある。一対の保持部材2に対して可動体5が歪んだ状態で取り付けられている場合、一対の保持部材2に対して可動体5が正規の位置に取り付けられている場合と同じように可動体5を動作させても、正規の実装位置に部品8を実装できない可能性がある。そのため、このような場合には、後述するように、可動体5の目標位置を補正する必要がある。
【0028】
(2.2)作業システムの構成
次に、本実施形態に係る作業システム1の構成について、図1を参照して説明する。
【0029】
本実施形態に係る作業システム1は、図1に示すように、制御部11と、取得部12と、を備える。また、作業システム1は、第1駆動部13と、第2駆動部14と、記憶部15と、第1リニアモータ16と、第2リニアモータ17と、を更に備える。本実施形態では、取得部12は作業装置6に含まれる。つまり、作業装置6は、取得部12を備える。
【0030】
制御部11は、第1駆動部13及び第2駆動部14を各別に制御する。具体的には、制御部11は、実装部4の吸着ノズル41が目標位置に到達するように、第1駆動部13に対して第1制御信号を出力し、第2駆動部14に対して第2制御信号を出力する。本実施形態では、目標位置は、第1対象物7における第2対象物8の実装位置である。第1制御信号には、目標位置の位置情報のうちX軸方向の位置情報が含まれている。第2制御信号には、目標位置の位置情報のうちY軸方向の位置情報が含まれている。つまり、制御部11は、作業装置6の動作を制御する。
【0031】
制御部11は、更に、作業装置6の動作を補正する補正処理を行う。制御部11は、補正処理において、第1補正と第2補正との少なくとも一方を行う。第1補正では、制御部11は、可動体5と保持部材2との位置関係によって生じる可動体5の目標位置(実装位置)のずれを補正する。制御部11は、可動体5と保持部材2との間のクリアランスC1(図5参照)の変化量の絶対値が所定値以上になったときに第1補正を行う。第2補正では、制御部11は、作業装置6の稼働に伴って発生する熱による熱膨張によって生じる可動体5の目標位置のずれをリアルタイムに補正する。したがって、可動体5と保持部材2との位置関係が変化したり(歪みが生じたり)、可動体5と保持部材2との少なくとも一方に熱膨張が生じた場合でも、第1補正と第2補正との少なくとも一方により基板7に対する部品8の実装精度を高めることができる。
【0032】
制御部11は、評価部111を有する。評価部111は、取得部12が取得した第1情報の時間経過に伴う変化に基づいて第2情報を評価する。第2情報は、作業装置6の保守に関する情報である。第2情報は、例えば、可動体5と保持部材2との位置関係を調整する時期を示す調整時期情報を含む。つまり、評価部111は、取得部12が取得した第1情報の変化から、可動体5と保持部材2との位置関係を調整する時期について評価する。
【0033】
ここで、第2情報には、制御部11の補正処理における補正量を示す補正量情報が含まれていてもよい。本開示でいう「補正量」には、X軸方向における可動体5の補正量(ずれ量)と、Y軸方向における可動体5の補正量(ずれ量)と、の少なくとも一方が含まれる。補正量は、例えば、可動体5と保持部材2との間のクリアランスC1の変化量に基づいて求められる。そして、評価部111が補正量情報について評価することにより、可動体5の目標位置が正しく補正されているか否かを判断することができる。具体的には、評価部111は、取得部12が取得した可動体5の実際の実装位置のデータと、補正量を加味した可動体5の目標位置のデータと、を比較し、両者が一致していれば正しく補正されていると判断する。本開示でいう「一致する」には、2つのデータが完全に一致する場合だけでなく、2つのデータの差分が所定範囲内に収まっている場合も含まれる。
【0034】
また、第2情報には、制御部11が補正処理を行う時期を示す補正時期情報が含まれていてもよい。この場合において、補正時期情報は、制御部11が今後行う予定である補正処理についての時期である第1時期であってもよいし、制御部11が既に行った補正処理についての時期である第2時期であってもよい。また、補正時期情報は、第1時期と第2時期との両方を含んでいてもよい。これにより、制御部11の補正処理の時期についてユーザに知らせることができる。
【0035】
制御部11は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。そして、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部11(評価部111を含む)の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0036】
本実施形態では、評価システム10は、評価部111を有する制御部11で構成されている。つまり、本実施形態では、評価システム10は、評価部111を備える。
【0037】
取得部12は、第1情報を取得する。第1情報は、可動体5に設けられた基準点と保持部材2に設けられた基準体との距離情報に関する情報である。取得部12は、例えば、光学式で、かつ反射型のリニアスケール(以下、「リニアスケール12」ともいう)である。リニアスケール12は、図2図4及び図5に示すように、目盛121と、検出部122と、を有する。目盛121は、図4に示すように、保持部材2の長手方向(Y軸方向)に沿って設けられており、基準体として機能する。図4では、目盛121は、Y軸方向における保持部材2の全長に亘って設けられているが、少なくとも可動体5の可動範囲内に設けられていればよい。目盛121は、例えば、ベース9に取り付けられる。目盛121には、その長手方向に沿って所定の間隔でスリット1211が設けられている。検出部122は、図2図4及び図5に示すように、可動体5に設けられており、基準点として機能する。
【0038】
目盛121と検出部122との間には、クリアランスC1(図5参照)が設けられている。クリアランスC1は、一例として、0.4mm±0.1mmである。検出部122は、発光素子と、受光素子と、を有する。リニアスケール12では、発光素子から照射された光は、目盛121においてスリット1211が設けられている位置では目盛121を通過し、スリット1211が設けられていない位置では目盛121にて反射する。検出部122は、例えば、受光素子で受光した反射光のパルス数(個数)によって、初期位置(原点位置)に対する相対位置を検出する。つまり、検出部122は、目盛121で反射した反射光のパルス数に基づいて可動体5の位置情報を取得する。
【0039】
また、検出部122は、目盛121で反射した光の強度(以下、「反射強度」ともいう)を更に取得する。つまり、取得部12は、第1情報として光の反射強度を取得する。言い換えると、第1情報は、検出部122による目盛121の検出強度を含む。本実施形態では、検出強度は、光の反射強度である。なお、第1情報についてはビッグデータとして活用してもよい。
【0040】
ここで、リニアスケール12は、インクリメンタル方式のリニアスケールであってもよいし、アブソリュート方式のリニアスケールであってもよい。また、インクリメンタル方式のリニアスケールをマルチトラック化することにより、保持部材2に対する可動体5の移動方向を検出することもできる。
【0041】
また、本実施形態では、図5に示すように、一対の保持部材2の各々に対してリニアスケール12が設けられているが、一対の保持部材2のうち少なくとも一方の保持部材2に対してリニアスケール12が設けられていればよい。これにより、少なくとも一方の保持部材2と可動体5との位置関係から作業装置6の状態を評価することができる。
【0042】
第1駆動部13は、第1リニアモータ16と一対一に対応しており、制御部11からの第1制御信号に基づいて第1駆動信号を作成し、作成した第1駆動信号を第1リニアモータ16に出力する。第1リニアモータ16は、第1駆動部13からの第1駆動信号に従ってX軸方向に沿って移動する。その結果、第1リニアモータ16からの駆動力によって実装部4もX軸方向に沿って移動し、吸着ノズル41がX軸方向における目標位置に到達する。
【0043】
第2駆動部14は、第2リニアモータ17と一対一に対応しており、制御部11からの第2制御信号に基づいて第2駆動信号を作成し、作成した第2駆動信号を第2リニアモータ17に出力する。第2リニアモータ17は、第2駆動部14からの第2駆動信号に従ってY軸方向に沿って移動する。その結果、第2リニアモータ17からの駆動力によって可動体5(軸部材3)もY軸方向に沿って移動し、吸着ノズル41がY軸方向における目標位置に到達する。
【0044】
記憶部15は、ROM(ReadOnly Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部15は、部品8の名称データと、基板7における部品8の実装位置(目標位置)データと、を紐付けて記憶する。したがって、制御部11は、基板7に実装される部品8が選択されると、選択された部品8の実装位置データを記憶部15から読み出す。そして、制御部11は、記憶部15から読み出した実装位置データを第1駆動部13及び第2駆動部14に出力する。制御部11は、実装位置データのうち、X軸方向の実装位置データを第1駆動部13に出力し、Y軸方向の実装位置データを第2駆動部14に出力する。さらに、記憶部15は、リニアスケール12(の検出部122)から送られてくる可動体5の位置座標のデータと、各位置座標における読取り強度(ゲイン強度)のデータと、を紐付けて記憶する。本実施形態では、読取り強度は、目盛121で反射した光の反射強度である。制御部11は、可動体5の位置座標ごとに読取り強度のデータを記憶部15から読み出すことができる。
【0045】
図6A及び図6Bは、可動体5の位置座標(X座標、Y座標)と各位置座標における読取り強度との関係を示すグラフである。図6Aは、作業システム1を設置した初期状態におけるグラフであり、図6Bは、作業システム1を設置してから3年経過時におけるグラフである。
【0046】
表1及び表2は、可動体5の位置座標と各位置座標における読取り強度との関係を示す表である。表1は、作業システム1を設置した初期状態における表であり、表2は、作業システム1を設置してから3年経過時における表である。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
図6A及び表1から、例えば、可動体5のX軸方向の座標であるX座標が0で、かつY軸方向の座標であるY座標が4の場合、読取り強度は1dBである。また、図6A及び表1から、可動体5のX座標が3で、かつY座標が1の場合、読取り強度は4dBである。
【0050】
一方、図6B及び表2から、例えば、可動体5のX座標が0で、かつY座標が4の場合、読取り強度は5dBである。この場合、読取り強度が1dBから5dBに増加しているため、可動体5のX座標が0で、かつY座標が4の位置では、X軸方向における可動体5と保持部材2との間のクリアランスC1が小さくなっていることが分かる。また、図6B及び表2から、可動体5のX座標が3で、かつY座標が1の場合、読取り強度は1dBである。この場合、読取り強度が4dBから1dBに減少しているため、可動体5のX座標が3で、かつY座標が1の位置では、X軸方向における可動体5と保持部材2との間のクリアランスC1が大きくなっていることが分かる。
【0051】
(3)動作
次に、本実施形態に係る作業システム1の動作について、図7を参照して説明する。なお、以下に説明する動作は、一対の保持部材2に対して可動体5がY軸方向に沿って移動する際にリアルタイムに行われるが、ここでは可動体5が目標位置(実装位置)に到達した時点での動作を例に説明する。
【0052】
可動体5が目標位置(実装位置)に到達すると、取得部12は、可動体5の位置情報と第1情報とを取得する(ステップS1)。具体的には、取得部12は、第1情報として、目盛121で反射した反射光の光強度(反射強度)を取得する。評価部111は、作業システム1の設置時に取得した反射強度を記憶部15から読み出し、今回取得した反射強度との差分を求める(ステップS2)。そして、評価部111は、上記差分と予め設定した閾値とを比較する(ステップS3)。評価部111は、上記差分が閾値以下であれば(ステップS3:No)、可動体5と保持部材2との位置関係、つまりクリアランスC1が正常であると判断する。一方、評価部111は、上記差分が閾値よりも大きければ(ステップS3:Yes)、可動体5と保持部材2との位置関係、つまりクリアランスC1が正常でなく、可動体5と保持部材2との位置関係を補正する時期であると判断(評価)する(ステップS4)。この場合において、評価部111は、可動体5と保持部材2との位置関係を補正する時期であることを表示部に表示してもよいし、音声出力部(例えばスピーカ)から音声にて出力してもよい。また、評価部111は、表示部による表示と音声出力部による音声出力との両方を行ってもよい。
【0053】
本実施形態に係る作業システム1では、取得部12は、可動体5と保持部材2との距離情報に関する情報である反射強度(第1情報)を取得している。そして、評価部111は、取得部12が取得した反射強度の時間経過に伴う変化に基づいて、可動体5と保持部材2との間のクリアランスC1が正常か否かを判断(評価)している。そのため、評価部111は、可動体5と保持部材2との間のクリアランスC1の状態から、作業装置6の状態を評価することができる。
【0054】
ところで、可動体5と保持部材2との間のクリアランスC1を検出するリニアスケール12についても時間経過に伴って検出精度が低下するため、リニアスケール12についても異常の有無を検出するように構成されていることが好ましい。つまり、第2情報には、取得部(リニアスケール)12についての異常の有無を示す状態情報が含まれていることが好ましい。この場合、評価部111は、Y軸方向における可動体5の目標位置(実装位置)のデータと、リニアスケール12の検出部122が検出したY軸方向における可動体5の位置座標のデータとを比較する。そして、評価部111は、両者の差分が所定範囲内に収まっていなければ、リニアスケール12が異常であると判断する。この場合、評価部111は、リニアスケール12を交換すべきことを表示部に表示してもよいし、音声出力部(例えばスピーカ)から音声にて出力してもよい。また、評価部111は、表示部による表示と音声出力部による音声出力との両方を行ってもよい。さらに、評価部111は、上記差分が所定範囲内に収まっている場合でも、上記差分の大きさに応じてリニアスケール12を交換する時期について評価してもよい。つまり、第2情報には、取得部(リニアスケール)12を交換する時期を示す交換時期情報が含まれていてもよい。これにより、取得部12を交換する時期についてユーザに知らせることができる。
【0055】
また、発光素子と受光素子との少なくとも一方がグリス等によって汚れている場合を想定する。この場合、突発的に発生した異常であるため、検出部122が検出する反射強度が急激に変化することになる。つまり、この場合には、反射強度の差分が閾値以上になる。そのため、評価部111は、反射強度の差分が閾値以上になった場合には、リニアスケール12の異常であると判断し、リニアスケール12のメンテナンスをユーザに促すように、表示部にその旨を表示したり、音声出力部(例えばスピーカ)から音声にて出力することが好ましい。これにより、リニアスケール12に突発的な異常が発生した場合でも、ユーザに速やかに対処させることができる。この場合においても、評価部111は、表示部による表示と音声出力部による音声出力との両方を行ってもよい。
【0056】
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、作業システム1及び評価システム10と同様の機能は、保守方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0057】
一態様に係る保守方法は、可動体5、保持部材2、及び取得部12を有する作業装置6の保守方法である。可動体5は、所定の作業を行う作業部4を含む。保持部材2は、可動体5を移動可能に保持する。取得部12は、第1情報を取得する。第1情報は、可動体5に設けられた基準点と保持部材2に設けられた基準体との距離情報に関する情報である。保守方法では、第1情報の時間経過に伴う変化に基づいて第2情報を評価する。第2情報は、作業装置6の保守に関する情報である。
【0058】
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0059】
本開示における作業システム1及び評価システム10は、例えば、制御部11に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における作業システム1及び評価システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0060】
また、作業システム1の複数の構成要素が、1つの筐体内に集約されていることは作業システム1に必須の構成ではなく、作業システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、作業システム1の少なくとも一部の機能(例えば、制御部11)がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0061】
上述の実施形態では、リニアスケール12が光学式で、かつ反射型のリニアスケールであるが、リニアスケール12は、例えば、光学式で、かつ透過型のリニアスケールであってもよい。この場合、目盛121を挟んで両側に発光素子と受光素子とをそれぞれ配置する。そして、検出部122は、目盛121に設けられたスリット1211を通して受光素子が受光する透過光のパルス数によって初期位置(原点位置)に対する相対位置を検出する。
【0062】
また、リニアスケール12は、磁気式のリニアスケールであってもよい。この場合、目盛121は、その長手方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁されている。そして、検出部122は、目盛121の長手方向に沿って移動する際に検出したN極及びS極の個数から、初期位置(原点位置)に対する相対位置を検出する。
【0063】
さらに、リニアスケール12は、電磁誘導式のリニアスケールであってもよい。この場合、目盛121には、その長手方向に沿って等間隔に複数のスケールコイルが配置されている。一方、検出部122は、励磁コイルと、検出コイルと、を有する。このリニアスケール12では、励磁コイルに電流を流すと磁束が発生し、目盛121に設けられた複数のスケールコイルのうち対向するスケールコイルに起電流が発生する。この起電流は、対向する検出コイルに起電流を発生させる。そして、検出部122は、検出コイルに発生する起電流の位相から、初期位置(原点位置)に対する相対位置を検出する。
【0064】
これらの場合においても、リニアスケール12はインクリメンタル方式のリニアスケールであってもよいし、アブソリュート方式のリニアスケールであってもよい。また、インクリメンタル方式のリニアスケールをマルチトラック化することにより、保持部材2に対する可動体5の移動方向を検出することもできる。
【0065】
上述の実施形態では、評価システム10は、制御部11で構成されており、評価部111を備えているが、評価システム10は、例えば、取得部12を備えていてもよい。この場合、取得部12は、Y軸方向における可動体5の位置情報と第1情報との両方を取得するように構成されていることが好ましい。この場合、取得部12は、第1情報として、保持部材2に設けられたリニアスケールの目盛と可動体5に設けられたリニアスケールの検出部との距離に関する情報を取得することにより、作業装置6の状態について評価することができる。
【0066】
上述の実施形態では、距離情報に関する情報が光の反射強度(反射光の光強度)であるが、距離情報に関する情報は光の反射強度に限定されない。例えば、リニアスケール12が磁気式のリニアスケールの場合には、距離情報に関する情報は、例えば、電界強度である。また、リニアスケール12が電磁誘導式のリニアスケールの場合には、距離情報に関する情報は、例えば、磁束密度である。さらに、距離情報に関する情報は、距離そのものの情報であってもよい。また、距離情報に関する情報は、例えば、リニアスケール12の感度等の補正データであってもよい。
【0067】
上述の実施形態では、リニアスケール12によって可動体5と保持部材2との間のクリアランスC1を検出しているが、例えば、測距センサによってクリアランスC1を検出してもよい。測距センサは、光学式であってもよいし、接触式であってもよい。この場合、距離情報に関する情報は、例えば、測距センサの検出結果である。
【0068】
上述の実施形態では、可動体5は、保持部材2の長手方向に沿って直線的に移動しているが、可動体5は、例えば、保持部材2に対して回転するように構成されていてもよい。つまり、可動体5は、円盤であってもよい。この場合、取得部12は、例えば、ロータリーエンコーダで構成されていることが好ましい。
【0069】
上述の実施形態では、作業装置6の歪み(可動体5と保持部材2との間のクリアランスC1)を検出しているが、例えば、フィーダ(部品供給部)の歪みを検出してもよい。
【0070】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る作業システム(1)は、作業装置(6)と、評価部(111)と、を備える。作業装置(6)は、可動体(5)、保持部材(2)、及び取得部(12)を有する。可動体(5)は、所定の作業を行う作業部(4)を含む。保持部材(2)は、可動体(5)を移動可能に保持する。取得部(12)は、第1情報を取得する。第1情報は、可動体(5)に設けられた基準点(一例として検出部122)と保持部材(2)に設けられた基準体(一例として目盛121)との距離情報に関する情報である。評価部(111)は、第1情報の時間経過に伴う変化に基づいて第2情報を評価する。第2情報は、作業装置(6)の保守に関する情報である。
【0071】
この態様によれば、第1情報に基づいて作業装置(6)の状態を評価することができる。
【0072】
第2の態様に係る作業システム(1)では、第1の態様において、可動体(5)は、作業部(4)と、作業部(4)を移動可能に保持する軸部材(3)と、を含む。
【0073】
この態様によれば、第1情報に基づいて作業装置(6)の状態を評価することができる。
【0074】
第3の態様に係る作業システム(1)では、第1又は2の態様において、第2情報は、可動体(5)と保持部材(2)との位置関係を調整する時期を示す調整時期情報を含む。
【0075】
この態様によれば、可動体(5)と保持部材(2)との位置関係の調整時期について評価することができる。
【0076】
第4の態様に係る作業システム(1)では、第1~3のいずれかの態様において、第2情報は、取得部(12)についての異常の有無を示す状態情報を含む。
【0077】
この態様によれば、取得部(12)の異常の有無について評価することができる。
【0078】
第5の態様に係る作業システム(1)では、第1~4のいずれかの態様において、第2情報は、取得部(12)を交換する時期を示す交換時期情報を含む。
【0079】
この態様によれば、取得部(12)の交換時期について評価することができる。
【0080】
第6の態様に係る作業システム(1)は、第1~5のいずれかの態様において、作業装置(6)の動作を制御する制御部(11)を更に備える。制御部(11)は、作業装置(6)の動作を補正する補正処理を行うように構成されている。第2情報は、補正処理における補正量を示す補正量情報を含む。評価部(111)は、補正量情報を評価する。
【0081】
この態様によれば、補正処理における補正量について評価することができる。
【0082】
第7の態様に係る作業システム(1)は、第1~6のいずれかの態様において、作業装置(6)の動作を制御する制御部(11)を更に備える。制御部(11)は、作業装置(6)の動作を補正する補正処理を行うように構成されている。第2情報は、補正処理を行う時期を示す補正時期情報を含む。
【0083】
この態様によれば、補正時期について評価することができる。
【0084】
第8の態様に係る作業システム(1)では、第1~7のいずれかの態様において、取得部(12)は、リニアスケール(12)である。リニアスケール(12)は、目盛(121)と、検出部(122)と、を有する。目盛(121)は、基準体として保持部材(2)の長手方向に沿って設けられている。検出部(122)は、基準点として可動体(5)に設けられ、目盛(121)から位置情報を取得する。第1情報は、検出部(122)による目盛(121)の検出強度を含む。
【0085】
この態様によれば、検出部(122)による目盛(121)の検出強度に基づいて作業装置(6)の状態を評価することができる。
【0086】
第9の態様に係る保守方法は、可動体(5)、保持部材(2)、及び取得部(12)を有する作業装置(6)の保守方法である。可動体(5)は、所定の作業を行う作業部(4)を含む。保持部材(2)は、可動体(5)を移動可能に保持する。取得部(12)は、第1情報を取得する。第1情報は、可動体(5)に設けられた基準点(一例として検出部122)と保持部材(2)に設けられた基準体(一例として目盛121)との距離情報に関する情報である。保守方法では、第1情報の時間経過に伴う変化に基づいて第2情報を評価する。第2情報は、作業装置(6)の保守に関する情報である。
【0087】
この態様によれば、第1情報に基づいて作業装置(6)の状態を評価することができる。
【0088】
第10の態様に係る評価システム(10)は、可動体(5)、保持部材(2)、及び取得部(12)を有する作業装置(6)の評価システム(10)である。可動体(5)は、所定の作業を行う作業部(4)を含む。保持部材(2)は、可動体(5)を移動可能に保持する。取得部(12)は、第1情報を取得する。第1情報は、可動体(5)に設けられた基準点(一例として検出部122)と保持部材(2)に設けられた基準体(一例として目盛121)との距離情報に関する情報である。評価システム(10)は、評価部(111)を備える。評価部(111)は、第1情報の時間経過に伴う変化に基づいて第2情報を評価する。第2情報は、作業装置(6)の保守に関する情報である。
【0089】
この態様によれば、第1情報に基づいて作業装置(6)の状態を評価することができる。
【0090】
第11の態様に係る評価システム(10)は、取得部(12)を備える。取得部(12)は、目盛(121)及び目盛(121)から位置情報を取得する検出部(122)を有するリニアスケール(12)から、目盛(121)と検出部(122)との距離情報に関する情報と位置情報との両方を取得する。
【0091】
この態様によれば、目盛(121)と検出部(122)との距離情報に関する情報に基づいて作業装置(6)の状態を評価することができる。
【0092】
第12の態様に係る作業システム(1)は、第11の態様に係る評価システム(10)を備える。
【0093】
この態様によれば、目盛(121)と検出部(122)との距離情報に関する情報に基づいて作業装置(6)の状態を評価することができる。
【0094】
第2~8の態様に係る構成については、作業システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 作業システム
2 保持部材
3 軸部材
4 作業部
5 可動体
6 作業装置
10 評価システム
11 制御部
12 取得部(リニアスケール)
111 評価部
121 目盛(基準体)
122 検出部(基準点)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7