(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】原位置水質浄化装置
(51)【国際特許分類】
C02F 3/10 20230101AFI20230929BHJP
C02F 3/28 20230101ALI20230929BHJP
【FI】
C02F3/10 Z
C02F3/28 A
(21)【出願番号】P 2020029275
(22)【出願日】2020-02-25
【審査請求日】2023-01-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第25回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会における企業展での配布パンフレット
(73)【特許権者】
【識別番号】506332605
【氏名又は名称】基礎地盤コンサルタンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】片寄 武彦
(72)【発明者】
【氏名】打木 弘一
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-216758(JP,A)
【文献】特開2002-18461(JP,A)
【文献】特開平9-150139(JP,A)
【文献】特開平7-96289(JP,A)
【文献】特開2009-50818(JP,A)
【文献】特開2012-61431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09C 1/10
C02F 3/02-3/10、3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原位置において汚染物質により汚染された水の水質を浄化する原位置水質浄化装置であって、
少なくとも一部にメッシュ部材が配された容器体と、
前記容器体中に配される複数の微生物固定化担体と、
前記容器体の下方側に配され、前記微生物固定化担体に対して水中での浮遊力を付与する浮遊力付与手段と、からなることを特徴とする原位置水質浄化装置。
【請求項2】
前記浮遊力付与手段が気体を吐出することを特徴とする請求項1に記載の原位置水質浄化装置。
【請求項3】
前記浮遊力付与手段が水流を発生させることを特徴とする請求項1に記載の原位置水質浄化装置。
【請求項4】
前記浮遊力付与手段の鉛直方向上方にフィン部材が配されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の原位置水質浄化装置。
【請求項5】
前記フィン部材の姿勢を調整する調整機構が設けられることを特徴とする請求項4に記載の原位置水質浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水などの水質をその場所(in situ)で浄化する原位置水質浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガソリンスタンド跡地や工場跡地等を再利用する場合において、ガソリン、燃料油及び機械油などの油類の漏洩によって敷地内外の土壌や地下水が汚染されてしまっていることが問題となってきた。
【0003】
このような油汚染土壌をそのまま放置すると、土壌に混入している油分が揮発して周囲に拡散し、周辺環境に害を及ぼすことが考えられるとともに、雨水等によって土壌中の油分が離脱した場合には、地下水等に混入して周辺地域において水質を汚染する原因ともなる。
【0004】
上記のように汚染された地下水の浄化方法としては、微生物により浄化を行うバイオレメディエーション(生物処理)などの方法が知られている。例えば、特許文献1(特開2008-229579号公報)には、汚染領域または汚染領域の近傍に土壌下部の透水層下部に達する注入井戸と揚水井戸を設け、嫌気性微生物及び嫌気性微生物を活性させる栄養源を注入井戸に注入し、揚水井戸から揚水した地下水を地上において貯留槽に貯留し、この貯留槽の前記地下水を、制御弁を介して曝気槽に流入させ、曝気槽に具備された散気管から空気による曝気を行い、前記曝気によって曝気槽を好気状態とするとともに好気性微生物を芽胞形成させて、後段の培養槽に具備された加温手段により好気性微生物を発芽させ、発芽した好気性微生物を再度前記注入井戸に注入させる工程を繰り返す地下水の浄化方法が提案されている。
【文献】特開2008-229579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係る従来技術においては、(1)揚水井戸から地下水を地上に揚水するためのエネルギー、(2)地下水を曝気槽に具備された空気による曝気を行う際のエネルギー、及び、(3)培養槽の加温手段により好気性微生物を発芽させ、これを再度注入井戸に注入するためのエネルギーが必要となり、地下水浄化のために投入する総エネルギーが大きくなり、多大なコストがかかる、という課題があった。
【0006】
また、前記従来技術では、栄養源供給槽、微生物供給槽、微生物培養槽、貯留槽、曝気槽などの各種の容器槽や、ヒータ、配管、バルブなどの部品が必要となり、設備コストが大きい、という課題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような問題点を解決するために、本発明に係る原位置水質浄化装置は、原位置において汚染物質により汚染された水の水質を浄化する原位置水質浄化装置であって、少なくとも一部にメッシュ部材が配された容器体と、前記容器体中に配される複数の微生物固定化担体と、前記容器体の下方側に配され、前記微生物固定化担体に対して水中での浮遊力を付与する浮遊力付与手段と、からなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る原位置水質浄化装置は、前記浮遊力付与手段が気体を吐出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る原位置水質浄化装置は、前記浮遊力付与手段が水流を発生させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る原位置水質浄化装置は、前記浮遊力付与手段の鉛直方向上方にフィン部材が配されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る原位置水質浄化装置は、前記フィン部材の姿勢を調整する調整機構が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る原位置水質浄化装置は、微生物固定化担体を浮遊させる浮遊力付与手段を駆動するためのエネルギーを投入するだけで、汚染水の水質浄化を行うことが可能となるので、このような本発明に係る原位置水質浄化装置によれば、エネルギー効率が高くコストを抑制することができる。
【0013】
また、本発明に係る原位置水質浄化装置は、容器体、複数の微生物固定化担体、及び浮遊力付与手段を実現する部品のみから構成することができ、装置を非常に安価に構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る原位置水質浄化装置1の主要部斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る原位置水質浄化装置1の動作状況を示す斜視図である。
【
図3】フィン部材70とその姿勢調整機構の効果を説明する図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る原位置水質浄化装置1の動作状況を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る原位置水質浄化装置1の主要部斜視図である。また、
図2は本発明の第1実施形態に係る原位置水質浄化装置1の動作状況を示す斜視図である。実際の原位置水質浄化装置1では、複数の微生物固定化担体3は、容器体20内に充填されるが、図示の都合上、
図1では微生物固定化担体3は容器体20と独立して示されている。
図1の点線で囲まれた複数の微生物固定化担体3は、実際には容器体20内に充填され用いられる。
【0016】
汚染された土壌や地下水の浄化には、その場所(in situ)で浄化する方法(原位置浄化)や、汚染された土壌を掘り出して(on situ)浄化する方法などがある。本発明に係る原位置水質浄化装置1は、前者の方法により地下水の水質を浄化することを目的としている。
【0017】
原位置浄化は、地下水を地上に取水することなく原位置で水質を浄化できるので、on situによる浄化に比べてコストが安くすることができる。また、原位置浄化は、汚染が広範囲にわたる場合の浄化にも適している。
【0018】
以下の実施形態においては、本発明に係る原位置水質浄化装置1によって、ボーリング孔H内に湧いた水の水質を浄化することを例に説明を行うが、本発明に係る原位置水質浄化装置1は、ボーリング孔H内の水の水質浄化以外にも、池、沼、湖、河川などの水質浄化にも用い得る。また、本発明に係る原位置水質浄化装置1は、ピットやタンクに貯留された水の水質浄化にも利用し得る。
【0019】
本発明に係る原位置水質浄化装置1において、水質浄化は生物的手法(微生物処理)を用いるものである。このために、本実施形態では、細孔を有する微生物固定化担体3が用いられる。微生物固定化担体3は、微生物固定化担体3の表面上及び細孔内に微生物を付着させるためのものである。このような微生物としては、好気性微生物、嫌気性微生物の双方が含まれる。
【0020】
微生物固定化担体3に付着させる微生物としては、原位置の環境に元々存在する微生物とすることができる。さらに、本発明では、微生物固定化担体3に人為的に付着させた微生物を用いるようにすることもできる。
【0021】
微生物固定化担体3には複数の細孔が形成されることが望ましく、該細孔は、複数の細孔同士が連通した連通細孔、各細孔が独立している(連通していない)独立細孔等である。また、微生物固定化担体3の細孔径(平均細孔径)は、特に制限されるものではないが、例えば、5~800μmの範囲が好ましく、20~400μmの範囲がより好ましく、20~200μmの範囲がより好ましい。
【0022】
微生物固定化担体3を構成する材料は特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、熱可塑性ポリウレタン等のポリウレタン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン等のプラスチック材料が挙げられる。
【0023】
本発明で用いる微生物固定化担体3は、微生物固定化担体3を水に浸けたときにその比重が略1となるように設定されている必要がある。このため、微生物固定化担体3の形態は、スポンジ状であることが好ましい。スポンジ状の微生物固定化担体3の比重は、より詳細には、水中を適度に流動できるようにすることから0.9以上1.1以下が好ましい。これにより後述する浮遊力付与手段により、微生物固定化担体3が水中で浮遊力を受けたとき、浮沈しつつ流動することができる。
【0024】
なお、微生物固定化担体3にバイオフィルム等が付着し、上記の範囲の比重より重くなり浮遊しにくくなったら、微生物固定化担体3を新品に交換することが好ましい。
【0025】
微生物固定化担体3の形状は、細孔を有していれば特に制限されるものではないが、例えば、球状、キューブ状、ペレット状、筒状等が挙げられる。本実施形態では、微生物固定化担体3としてキューブ状のものを想定している。
【0026】
微生物固定化担体3の大きさは、特に制限されるものではないが、容器体20の一部を構成するメッシュ円筒部材30の編み目の寸法以上のものとする。これにより、メッシュ円筒部材30内に充填される微生物固定化担体3が、メッシュ円筒部材30外へと散逸することを防止できる。また、容器体20に充填する微生物固定化担体3の個数は、特に制限はないが、各微生物固定化担体3の水中での流動性の観点から、容器体20の容積の1/10~1/5程度を占有する個数が望ましい。
【0027】
本発明に係る原位置水質浄化装置1において、容器体20は、鉛直方向の上方部を構成する蓋部材23と、同下方部を構成する底部材50と、その中間に配されるメッシュ円筒部材30とを有している。本実施形態においては、容器体20は略円筒状をなしているが、容器体20の形状がこれに限定されるものではない。ただし、容器体20の形状としては、充填される微生物固定化担体3が循環・浮遊・浮沈しやすいものが好ましい。この意味で、本実施形態のように、容器体20が略円筒状で鉛直方向に長手方向を有するものは好ましい。
【0028】
蓋部材23、メッシュ円筒部材30、底部材50は、水に浸けられても経年劣化しにくい材料で構成されることが好ましく、ステンレスなどの金属材料、ポリオレフィン、PETなどのプラスチック材料により構成することができる。
【0029】
容器体20には、上記のような複数の微生物固定化担体3が充填されており、本発明に係る原位置水質浄化装置1においては、容器体20が地下水水位以下となるように配されて用いられる。このようにするために、不図示の吊下手段により、容器体20を地表から吊り下げるようにしておくことが好ましい。また、容器体20はフロートなどで吊り下げるようにしておくこともできる。
【0030】
容器体20のメッシュ円筒部材30は、メッシュを有する網部材で構成されており、この部材の編み目を通して、地下水が自由に容器体20内外を往来する。一方、容器体20内の微生物固定化担体3は容器体20外へと出て行くことはない。
【0031】
地上には、電源コード6から商用電源が入力され駆動する空気ポンプ5から、チューブ部材55に空気が供給される。容器体20の上部における蓋部材23には貫通孔25が設けられており、この貫通孔25にはチューブ部材55が挿通されている。
【0032】
貫通孔25に挿通されているチューブ部材55の端部は、第1実施形態における浮遊力付与手段の主要部を構成する気泡吐出部材60に接続されている。気泡吐出部材60は、底部材50の上に載置されている。
【0033】
浮遊力付与手段は、微生物固定化担体3に対して浮遊力を付与するものである。気泡吐出部材60としてはエアーストーンを用いることができ、気泡吐出部材60はチューブ部材55から供給される空気に基づく気泡を発生させる。
【0034】
この気泡吐出部材60から発生した気泡により、微生物固定化担体3が浮き沈みしたり、流動したりする。ここで、微生物固定化担体3は、水の比重とほぼ同じ1とされているので、気泡が水中を上昇する際のエネルギーで、微生物固定化担体3を浮遊させることができる。これにより、微生物固定化担体3は、汚染した水に接触しやすくなり、効果的に水質浄化を進行させることができる。
【0035】
また、気泡吐出部材60から気泡を発生させるためのエネルギーは、それほど大きいものではない。従って、本発明に係る原位置水質浄化装置1は、浮遊力付与手段を駆動するためのエネルギーを投入するだけで、汚染水の水質浄化を行うことが可能となる。このような本発明によれば、水質浄化を、エネルギー効率高く、さらにコストを抑制して実現することができる。
【0036】
なお、浮遊力付与手段は、要は微生物固定化担体3に対して浮遊力を付与するものであれば、どのようなものであっても構わない。本実施形態では、気泡吐出部材60で発生させた気泡によって、微生物固定化担体3に対して浮遊力を付与するようにしているが、微生物固定化担体3に浮遊力を付与するために水勢や水流を利用することもできる。
【0037】
また、気泡吐出部材60で発生させた気泡によって、微生物固定化担体3に対して浮遊力を付与することは必ずしも常時行っておく必要はない。例えば、1時間に数分程度、微生物固定化担体3に対して浮遊力を付与するような間欠動作とすることもできる。このような間欠動作によれば、エネルギー効率をより高めることができる。
【0038】
また、本実施形態では、空気ポンプ5から供給される空気により、気泡吐出部材60で気泡を発生させるようにしているが、気泡吐出部材60に対して空気ボンベから空気を供給するように構成することもできる。この場合も、間欠動作させることで空気ボンベのガス充填頻度を低減させることででき、エネルギー効率を高めることができる。
【0039】
また、気泡吐出部材60に対して供給する気体は空気に限定されるものでもない。例えば、酸素ボンベを用いて酸素を供給するようにしてもよいし、窒素ボンベを用いて窒素を供給するようにしてもよい。微生物固定化担体3の表面や細孔内に付着させる微生物として、好気性微生物のものを想定するのであれば前者を用いるとよいし、嫌気性微生物のものを想定するのであれば後者を用いるとよい。
【0040】
本発明に係る原位置水質浄化装置1においては、浮遊力付与手段を構成する気泡吐出部材60の鉛直上方には、板状のフィン部材70が配されている。フィン部材70に対して上昇する気泡があたり、気泡の流れがコントロールされるようになっている。
【0041】
このフィン部材70の両端には軸部材77が延出しており、底部材50における軸部材支点74を中心として、軸部材77は回転するようになっている。この軸部材77の回転に伴い、フィン部材70も、図中X-Yの方向に回動し姿勢を変更することができるようになっている。これにより、フィン部材70の姿勢は変更することができ、従って、容器体20内における気泡の流れを所望のものとすることができる。軸部材支点74と軸部材77との間の摩擦は、調整したフィン部材70の姿勢が仮固定できる程度のものとすることが好ましい。
【0042】
なお、本実施形態では、フィン部材70の姿勢調整機構として、軸部材支点74と軸部材77とからなるものを例としたが、フィン部材70の姿勢調整機構が特にこのような機構にのみ制限されるものではない。
【0043】
本発明において、フィン部材70を設け、さらに軸部材支点74、軸部材77からなるフィン部材70の姿勢を調整する機構を設ける効果について
図3に基づいて説明する。
図3において、点線で示す矢印は、容器体20内における気泡や水勢などに基づく水の流れを模式的に示している。
【0044】
図3(A)はフィン部材70が設けられておらず、気泡吐出部材60から吐出される気泡の流れを制御できない場合を示している。この場合、例えば容器体20の中心部では上昇する水の流れが発生し、メッシュ円筒部材30近傍で下降する水の流れが発生すると、微生物固定化担体3が上方で固まってしまい、浮遊しないことがある。
【0045】
一方、
図3(B)はフィン部材70とその姿勢調整機構を有している場合で、これによれば、フィン部材70の姿勢を調整することで、例えば、上下で循環するような水の流れを作ることができ、微生物固定化担体3を効率よく上下方向に撹拌させることができる。
【0046】
容器体20の水の流れは、容器体20が設置される環境、容器体20内の形状、気泡吐出部材60から吐出される気泡の勢い、或いは、容器体20に充填する微生物固定化担体3の個数などに依存する。そこで、本発明に係る原位置水質浄化装置1においては、姿勢調整機構でフィン部材70を適宜調整することで、微生物固定化担体3が好適に循環・浮遊・浮沈させて、微生物固定化担体3を水に接触しやすくして、効果的に水質浄化を行うようにしている。
【0047】
以上、本発明に係る原位置水質浄化装置1は、微生物固定化担体3を浮遊させる浮遊力付与手段を駆動するためのエネルギーを投入するだけで、汚染水の水質浄化を行うことが可能となるので、このような本発明に係る原位置水質浄化装置1によれば、エネルギー効率が高くコストを抑制することができる。
【0048】
また、本発明に係る原位置水質浄化装置1は、容器体20、複数の微生物固定化担体3、及び浮遊力付与手段を実現する部品のみから構成することができ、装置を非常に安価に構築することが可能となる。
【0049】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図4は本発明の第2実施形態に係る原位置水質浄化装置1の動作状況を示す斜視図である。以下、先の実施形態との相違する点を中心に説明を行う。
【0050】
第1実施形態に係る原位置水質浄化装置1においては、浮遊力付与手段として気泡吐出部材60を用いて気泡の上昇により水の流れを作り、微生物固定化担体3を浮遊させるようにしていた。
【0051】
これに対して、第2実施形態に係る原位置水質浄化装置1においては、水中ポンプ8によって直接的に水流を作るようにしている。本実施形態では、地上に設置されている変圧器7で、電源コード8から供給される商用電源電圧を変換し、水中の水中ポンプ8に供給する。水中ポンプ8内のファン(不図示)がこれにより駆動されることで、底部材50に載置される水中ポンプ8から、上方向への水流が発声する。このような水流によって、微生物固定化担体3を循環・浮遊・浮沈させて、微生物固定化担体3を水に接触しやすくし効果的に水質浄化を行う。
【0052】
このような第2実施形態に係る原位置水質浄化装置1によっても、先の実施形態と同様の効果を享受することができる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・原位置水質浄化装置
3・・・微生物固定化担体
5・・・空気ポンプ(浮遊力付与手段)
6・・・電源コード
7・・・変圧器
8・・・電源コード
20・・・容器体
23・・・蓋部材
25・・・貫通孔
30・・・メッシュ円筒部材
50・・・底部材
55・・・チューブ部材
60・・・気泡吐出部材(浮遊力付与手段)
70・・・フィン部材
74・・・軸部材支点(姿勢調整機構)
77・・・軸部材(姿勢調整機構)
80・・・水中ポンプ(浮遊力付与手段)
81・・・給電コード
H・・・ボーリング孔
L・・・地下水水位