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特許7357216点灯装置、防災照明器具、及び防災照明システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】点灯装置、防災照明器具、及び防災照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/20 20200101AFI20230929BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20230929BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20230929BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230929BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230929BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230929BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230929BHJP
【FI】
H05B47/20
H05B47/165
F21S9/02 200
F21V23/00 140
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019130653
(22)【出願日】2019-07-12
(65)【公開番号】P2021015742
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩司
(72)【発明者】
【氏名】小西 洋史
(72)【発明者】
【氏名】受田 高明
(72)【発明者】
【氏名】本多 由明
(72)【発明者】
【氏名】八木 佐奈
(72)【発明者】
【氏名】重松 大輝
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0062055(US,A1)
【文献】特開2010-111356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
F21S 9/02
F21V 23/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源の停止時に電池から供給される非常用電力で光源を点灯させる非常点灯を実行する点灯回路と、
制御信号を前記点灯回路に出力することで前記点灯回路を制御する制御回路と、
前記制御回路の異常を検出する異常検出回路と、を備え、
前記制御回路は、出力レベルを少なくとも第1レベル、及び前記第1レベルより高い第2レベルに切替可能な前記制御信号を出力し、前記制御回路の異常時には前記制御信号の少なくとも一部を前記第1レベルとし、
前記点灯回路は、前記第1レベルの前記制御信号を受け取ると、前記非常点灯を実行し、前記第2レベルの前記制御信号を受け取ると、前記非常点灯を実行せず、
少なくとも前記外部電源の停止時に、前記異常検出回路が前記制御回路の異常を検出すれば、前記制御回路は、前記制御信号の少なくとも一部の前記出力レベルが前記第1レベルになるように前記制御信号を制御し、
前記異常検出回路は、前記制御信号の前記出力レベルと前記制御回路内のデータで示される出力レベルとを比較し、前記制御信号の前記出力レベルが、前記制御回路内のデータで示される出力レベルと異なれば、前記制御回路の異常を検出する
点灯装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記制御回路の異常時には、前記第1レベルと前記第2レベルとを交互に繰り返す前記制御信号を出力する
請求項1の点灯装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記制御信号を出力する出力端を有し、
前記出力端は、抵抗を介してグランドに接続されている
請求項1又は2の点灯装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の点灯装置と、
前記点灯装置の出力によって点灯する光源と、
前記点灯装置に前記光源を点灯させるための非常用電力を供給する電池と、
前記点灯装置、前記光源、及び前記電池が取り付けられる本体と、を備える
ことを特徴とする防災照明器具。
【請求項5】
請求項4記載の複数の防災照明器具を備える
ことを特徴とする防災照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯装置、防災照明器具、及び防災照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の従来の非常用照明装置は、常用点灯回路、充電回路、インバータ回路、及び制御ユニットを備える。
【0003】
常用点灯回路は、商用電源から入力された電力をインバータ回路に供給し、インバータ回路が光源に点灯電力を供給する。
【0004】
充電回路は、常用点灯モードのときには、商用電源から入力された電力をバッテリに充電する。一方、商用電源の停電等の非常時には、点灯制御部は、充電回路に動作指令を出力してバッテリの充電電力をインバータ回路に供給させる。バッテリの充電電力を供給されたインバータ回路は、光源に点灯電力を供給する。したがって、商用電源が停電した場合であっても、光源の点灯を継続できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-84780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、非常用照明装置などの防災照明器具では、制御回路(点灯制御部)が、停電時の点灯回路(充電回路、及びインバータ回路)を制御する。しかしながら、制御回路に異常が発生すると、制御回路は点灯回路を制御できなくなる。この結果、停電時に制御回路に異常が発生すると、光源が点灯しない可能性があった。
【0007】
本開示の目的は、停電時に制御回路に異常が発生しても、光源を点灯させることができる点灯装置、防災照明器具、及び防災照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る点灯装置は、点灯回路と、制御回路と、前記制御回路の異常を検出する異常検出回路と、を備える。前記点灯回路は、外部電源の停止時に電池から供給される非常用電力で光源を点灯させる非常点灯を実行する。前記制御回路は、制御信号を前記点灯回路に出力することで前記点灯回路を制御する。前記制御回路は、出力レベルを少なくとも第1レベル、及び前記第1レベルより高い第2レベルに切替可能な前記制御信号を出力し、前記制御回路の異常時には前記制御信号の少なくとも一部を前記第1レベルとする。前記点灯回路は、前記第1レベルの前記制御信号を受け取ると、前記非常点灯を実行し、前記第2レベルの前記制御信号を受け取ると、前記非常点灯を実行しない。少なくとも前記外部電源の停止時に、前記異常検出回路が前記制御回路の異常を検出すれば、前記制御回路は、前記制御信号の少なくとも一部の前記出力レベルが前記第1レベルになるように前記制御信号を制御する。前記異常検出回路は、前記制御信号の前記出力レベルと前記制御回路内のデータで示される出力レベルとを比較し、前記制御信号の前記出力レベルが、前記制御回路内のデータで示される出力レベルと異なれば、前記制御回路の異常を検出する。
【0009】
本開示の一態様に係る防災照明器具は、上述の点灯装置と、前記点灯装置の出力によって点灯する光源と、前記点灯装置に前記光源を点灯させるための非常用電力を供給する電池と、本体と、を備える。前記本体は、前記点灯装置、前記光源、及び前記電池が取り付けられる。
【0010】
本開示の一態様に係る防災照明システムは、上述の複数の防災照明器具を備える。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本開示は、停電時に制御回路に異常が発生しても、光源を点灯させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施形態に係る点灯装置を備える防災照明器具の構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上の点灯装置が備える直流電源回路の構成を示す回路図である。
図3図3は、同上の点灯装置が備える点灯回路の第1具体例を示す回路図である。
図4図4は、同上の第1具体例の動作を説明するための図である。
図5図5は、同上の点灯装置が備える点灯回路の第2具体例を示す回路図である。
図6図6は、同上の第2具体例の動作を説明するための図である。
図7図7は、同上の点灯装置が備える制御回路の出力端を示す構成図である。
図8図8Aは、同上の防災照明器具の上面図である。図8Bは、同上の防災照明器具の下面図である。図8Cは、同上の防災照明器具の側面図である。
図9図9は、本開示の実施形態に係る防災照明システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
(1)防災照明器具の概略
実施形態に係る防災照明器具1は、建物の屋内の天井に設けられた埋込孔に埋め込まれる、埋込型の非常灯である。ただし、防災照明器具は埋込型の非常灯に限定されない。防災照明器具は、天井に直付けされる露出型の非常灯であってもよいし、誘導灯などの非常灯以外の防災照明器具であってもかまわない。
【0015】
以下の実施形態は、一般に点灯装置、防災照明器具、及び防災照明システムに関する。より詳細に、以下の実施形態は、非常時に光源を点灯させる点灯装置、防災照明器具、及び防災照明システムに関する。
【0016】
図1は、本実施形態の防災照明器具1のブロック構成を示す。防災照明器具1は、光源2と、電池3と、点灯装置4と、を備える。
【0017】
光源2は、複数の固体発光素子を有する。例えば、光源2は、複数の固体発光素子として複数のLED(Light Emitting Diode)が直列接続されたLEDアレイを有している。なお、光源2は、固体発光素子としてLEDを有する構成に限らない。光源2は、例えば、有機EL(Organic Electro Luminescence、OEL)、又は半導体レーザダイオード(Laser Diode、LD)などの他の固体発光素子を有していてもよい。
【0018】
電池3は、充電可能な蓄電池(二次電池)であり、非常電源に相当する。電池3は、特定の種類の二次電池に限定されないが、電池3は、例えばニッケル・水素電池、又はニッケル・カドミウム電池であることが好ましい。そして、電池3は、停電時に、蓄電している電荷を放電することで、非常用電力を出力することができる。すなわち、停電時に電池3から供給される電力が非常用電力である。
【0019】
点灯装置4は、充電回路40と、点灯回路41と、制御回路42とを備える。点灯装置4は、報知回路43(報知部)をさらに備えることが好ましい。また、点灯装置4は、直流電源回路45と、停電検出回路46と、受信部47と、モニタランプ48と、押釦スイッチ49とをさらに備えることが好ましい。本実施形態の点灯装置4は、3つの押釦スイッチ49を備えており、3つの押釦スイッチ49を区別する場合、押釦スイッチ49A、49B、49Cとそれぞれ称す。
【0020】
直流電源回路45は、例えば、フライバックコンバータなどのスイッチング電源回路で構成され、外部電源(例えば、商用の電力系統)9から供給される交流電圧を、当該交流電圧の実効値よりも低い直流電圧に変換することが好ましい。充電回路40は、外部電源9から給電されているときに動作し、直流電源回路45から電池3へ充電電流を流すように構成されることが好ましい。点灯回路41は、電池3から供給される直流電流を定電流化して光源2に供給するように構成されることが好ましい。停電検出回路46は、直流電源回路45の出力電圧から外部電源9の停電を検出して制御回路42に通知するように構成される。外部電源9は、100V系又は200V系の商用電力系統である。
【0021】
モニタランプ48は、例えば、緑色光を放射する発光ダイオードで構成される。受信部47は、赤外線を通信媒体とする無線信号を受信し、受信した無線信号から送信フレームを復調して制御回路42に渡すように構成される。この無線信号は、定期点検、及びユーザ点検などの点検を行う点検者などによって操作されるワイヤレス送信器から送信される。
【0022】
なお、定期点検は、法令で定められた期間ごとに実施され、点灯回路41を強制的に動作させ、電池3を規定の時間以上放電させて、光源2による床面照度を確保できているか否かを確認することを目的とする。ユーザ点検は、点灯回路41を強制的に動作させ、電池3を短時間放電させて電池3の劣化の程度を確認することを目的とする。
【0023】
報知回路43は、報知機能を有する報知部であり、例えば、単色の表示素子431と、圧電サウンダなどの発音部432と、表示素子431及び発音部432を駆動する駆動回路433とを備える。駆動回路433は、表示素子431を駆動して発光させ、発音部432を駆動して音を発音させる。なお、報知回路43は、モニタランプ48を表示素子として利用してもかまわない。
【0024】
制御回路42は、点灯制御回路421、異常検出回路422、報知制御回路423、及び点検制御回路424の各機能を有するように構成されている。
【0025】
制御回路42は、外部電源9、電池3、又は制御電源から電力を供給されることで動作する。制御回路42は、コンピュータシステムを備えることが好ましい。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御回路42としての機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリにあらかじめ記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む一ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large ScaleIntegration)、又はULSI(Ultra Large ScaleIntegration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、一つ以上のプロセッサ及び一つ以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む一ないし複数の電子回路で構成される。
【0026】
点灯制御回路421は、停電検出回路46が停電を検出していないとき、充電回路40を動作させる。また、点灯制御回路421は、停電検出回路46が停電を検出しているとき、充電回路40を停止させて、かつ、電池3から非常用電力を点灯回路41に供給させる。非常用電力を供給された点灯回路41は、非常用電力で光源2を点灯させる非常点灯を実行する。また、電池3の充電状態にかかわらず、充電回路40を停止させ、点灯回路41を動作させて光源2を定常点灯(例えば、全点灯)させる場合もある。また、充電回路40の充電量が点灯回路41への放電量より十分小さければ(例えばトリクル充電)、充電回路40を停止させず、点灯回路41を動作させて光源2を定常点灯(例えば、全点灯)させる場合もある。
【0027】
さらに、点検制御回路424は、押釦スイッチ49Aが押操作された場合、あるいは、受信部47から定期点検信号の送信フレームを受け取った場合、点検者などから定期点検の指示があったと判断する。そして、点検制御回路424は、電池3が満充電状態であれば、予め決められた規定時間に亘って、充電回路40を停止させ、かつ、点灯回路41を動作させて電池3を放電させ、定期点検を行う。点検制御回路424は、電池3が満充電状態でなければ、まず充電回路40を動作させて電池3を満充電状態にした後に、予め決められた規定時間に亘って、充電回路40を停止させ、かつ、点灯回路41を動作させて電池3を放電させ、定期点検を行う。また、点検制御回路424は、電池3が満充電状態でなければ、充電回路40を動作させて電池3を充電しながら、予め決められた規定時間に亘って、点灯回路41を動作させて電池3を放電させてもよい。また、電池3の充電状態にかかわらず、充電回路40を停止させ、点灯回路41を動作させて光源2を定常点灯(例えば、全点灯)させる場合もある。また、充電回路40の充電量が点灯回路41への放電量より十分小さければ(例えばトリクル充電)、充電回路40を停止させず、点灯回路41を動作させて光源2を定常点灯(例えば、全点灯)させる場合もある。なお、定期点検の実行時に電池3を放電させることは必須ではなく、電池3を放電させることなく実行可能な定期点検であってもよい。
【0028】
点検制御回路424は、押釦スイッチ49Bが押操作された場合は、充電回路40の動作を停止させて、電池3の放電電力を点灯回路41に供給し、点灯回路41を電池3の放電電力で数秒間動作させる非常点灯確認を行う。
【0029】
点検制御回路424は、押釦スイッチ49Cが押操作された場合、あるいは、受信部47からユーザ点検信号の送信フレームを受け取った場合、点検者などからユーザ点検の指示があったと判断する。そして、制御回路42は、充電回路40を停止させ、かつ、点灯回路41を、定期点検に比べて短時間だけ動作させて電池3を放電させ、ユーザ点検を行うように構成される。
【0030】
報知制御回路423は、報知回路43を制御する。報知制御回路423は、点検制御回路424による定期点検、非常点灯確認及びユーザ点検の各実行時期の通知、及び各点検結果などを、報知回路43に行わせる。
【0031】
報知回路43は、点検制御回路424による定期点検、非常点灯確認及びユーザ点検の各実行時期の通知、及び各点検結果を報知する。駆動回路433は、例えばいずれかの点検によって電池3の異常を検出すると、表示素子431を点灯又は点滅させることで、電池異常報知を行う。また、駆動回路433は、発音部432から音声を出力することで、電池異常報知を行ってもよい。発音部432が出力する音声は、例えば電池3の異常を通知するメッセージ「電池3の異常を検出しました。電池3の交換をお勧めします。」、又はブザー音などである。本実施形態における電池異常報知とは、電池3が異常であることを人に通知して、電池3の交換を人に促す報知をいう。
【0032】
(2)直流電源回路の具体例
図2は、直流電源回路45の具体例として、フライバックコンバータを用いた回路を示す。直流電源回路45は、整流器DB1、入力コンデンサC1、トランスTr1、インテリジェントパワーデバイスIC1、ダイオードD3、及び出力コンデンサC6を主構成として備える。
【0033】
整流器DB1は、フルブリッジ接続された複数のダイオードを有して、外部電源9の交流電圧を全波整流する。整流器DB1の出力端間には、入力コンデンサC1が接続されている。入力コンデンサC1は、整流器DB1が出力する整流電圧を平滑する。入力コンデンサC1の両端間には、トランスTr1の1次巻線N1とインテリジェントパワーデバイスIC1との直列回路が接続されている。
【0034】
図2のインテリジェントパワーデバイスIC1は、例えばパナソニック株式会社製のMIP0222である。インテリジェントパワーデバイスIC1は、Nチャネルのエンハンスメント型のパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)、及びパワーMOSFETを制御する内部回路を内蔵する。内部回路は、エラーアンプ、発振器、フリップフロップ、ゲートドライバ、及び起動用電源などを有する。なお、インテリジェントパワーデバイスIC1に内蔵されているパワーMOSFETのドレインはインテリジェントパワーデバイスIC1のドレイン端子P1に接続している。また、パワーMOSFETのソースは、インテリジェントパワーデバイスIC1のソース端子P2に接続している。内部回路は、インテリジェントパワーデバイスIC1のコントロール端子P3に接続している。
【0035】
1次巻線N1の第1端は、入力コンデンサC1の正極に接続されている。インテリジェントパワーデバイスIC1のドレイン端子P1は1次巻線N1の第2端に接続されている。インテリジェントパワーデバイスIC1のソース端子P2は入力コンデンサC1の負極に接続されている。
【0036】
1次巻線N1の両端(第1端及び第2端)間には、ダイオードD1、抵抗R1、及びコンデンサC2を有するスナバ回路が接続される。ダイオードD1のアノードは、ドレイン端子P1(1次巻線N1の第2端)に接続され、ダイオードD1のカソードは、抵抗R1を介して入力コンデンサC1の正極(1次巻線N1の第1端)に接続される。抵抗R1には、コンデンサC2が並列接続される。
【0037】
トランスTr1の2次巻線N2の両端間には、ダイオードD3と出力コンデンサC6との直列回路が接続される。ダイオードD3のアノードは2次巻線N2の第1端に接続し、ダイオードD3のカソードは出力コンデンサC6の正極に接続する。出力コンデンサC6の負極は、2次巻線N2の第2端に接続する。
【0038】
そして、インテリジェントパワーデバイスIC1のパワーMOSFETがオンすると、1次巻線N1に電流が流れ、エネルギーが蓄えられる。パワーMOSFETがオフすると、1次巻線N1に蓄えられたエネルギーが2次巻線N2からダイオードD3を通じて出力され、出力コンデンサC6の両端間に直流の常用電圧Vd1が生成される。すなわち、インテリジェントパワーデバイスIC1(のパワーMOSFET)がオンオフすることで、出力コンデンサC6の両端間に常用電圧Vd1が生成される。
【0039】
直流電源回路45は、常用電圧Vd1をフィードバックして、インテリジェントパワーデバイスIC1をスイッチング制御することで、常用電圧Vd1の値を所定値に制御する。
【0040】
具体的に、出力コンデンサC6の両端間には、抵抗R6と抵抗R7との直列回路が接続されている。抵抗R6と抵抗R7との接続点は、シャントレギュレータSR1の制御端子に接続されている。シャントレギュレータSR1のカソードは、抵抗R4と抵抗R5との直列回路を介して、出力コンデンサC6の正極に接続される。シャントレギュレータSR1のカソードと制御端子との間には、抵抗R8とコンデンサC7との直列回路が接続される。抵抗R5には、フォトカプラPC1の入力ダイオードが並列接続される。
【0041】
さらに、トランスTr1の3次巻線N3の両端間には、ダイオードD2と抵抗R2とコンデンサC3との直列回路が接続される。コンデンサC3の両端間には、フォトカプラPC1の出力トランジスタと抵抗R3とコンデンサC4との直列回路が接続される。抵抗R3とコンデンサC4との直列回路には、コンデンサC5が並列接続される。コンデンサC5の正極はスイッチング素子Q1のゲートに接続され、コンデンサC5の負極はスイッチング素子Q1のソースに接続される。
【0042】
そして、常用電圧Vd1の値がシャントレギュレータSR1内部の基準電圧を上回ると、シャントレギュレータSR1のアノード-カソード間が導通して、フォトカプラPC1の入力ダイオードに電流が流れ、フォトカプラPC1の出力トランジスタがオンする。フォトカプラPC1の出力トランジスタがオンすると、3次巻線N3の誘起電圧によって充電されたコンデンサC3の電圧がコントロール端子P3-ソース端子P2間に印加される。インテリジェントパワーデバイスIC1の内部回路は、コンデンサC3の電圧が上昇すると、直流電源回路45の出力を低減させるように、パワーMOSFETを制御する。この結果、常用電圧Vd1は、低下する方向に制御される。
【0043】
次に、常用電圧Vd1の値が基準電圧を下回ると、シャントレギュレータSR1のアノード-カソード間が遮断されて、フォトカプラPC1の入力ダイオードに電流が流れず、フォトカプラPC1の出力トランジスタがオフする。フォトカプラPC1の出力トランジスタがオフすると、コンデンサC3の電圧が低下し、インテリジェントパワーデバイスIC1の内部回路は、直流電源回路45の出力を増加させるように、パワーMOSFETを制御する。この結果、常用電圧Vd1は、上昇する方向に制御される。
【0044】
このように、直流電源回路45は、フォトカプラPC1を介して常用電圧Vd1をフィードバックして、インテリジェントパワーデバイスIC1をスイッチング制御することで、常用電圧Vd1の値を所定値に制御する。直流電源回路45は、さらに降圧機能及び力率改善機能を有することが好ましい。
【0045】
なお、直流電源回路45は、フライバックコンバータを用いた構成に限定されず、外部電源9の交流電圧を常用電圧Vd1に変換できる構成であればよい。
【0046】
(3)点灯回路の第1具体例
図3は、点灯回路41の第1具体例の回路構成を示す。点灯回路41は、切替回路41a、非常用点灯回路41b、及び電流調整回路41cを備える。なお、図3では、充電回路40は、常用電圧Vd1を入力され、逆流防止用のダイオードD10を介して電池3を充電する。
【0047】
切替回路41aは、光源2を点灯させる電源を、直流電源回路45及び電池3のいずれかに切り替える機能を有する。具体的に、切替回路41aは、トランジスタQ11~Q13、抵抗R11~R13、及びコンデンサC11、C12を備える。トランジスタQ11、Q12は、PNP型のバイポーラトランジスタである。トランジスタQ13は、NPN型のバイポーラトランジスタである。なお、トランジスタQ11、Q12は、ノーマリオンとなるデプレション型FET又はメカニカルリレーであってもよい。
【0048】
トランジスタQ11のエミッタは、出力コンデンサC6(図2参照)の正極に接続され、トランジスタQ11のコレクタは、トランジスタQ12のコレクタに接続される。トランジスタQ11のベースは、抵抗R11を介してトランジスタQ13のコレクタに接続され、トランジスタQ13のエミッタは、出力コンデンサC6(図2参照)の負極に接続される。トランジスタQ11のベースとエミッタとの間にはコンデンサC11が接続される。トランジスタQ12のベースとエミッタとの間にはコンデンサC12が接続される。トランジスタQ12のベースは、抵抗R12を介して制御回路42に接続される。トランジスタQ13のベースは、抵抗R13を介して制御回路42に接続される。
【0049】
非常用点灯回路41bは、電池電圧Vbを昇圧して、直流の非常用電圧Vd2を出力する。非常用電圧Vd2の値は、常用電圧Vd1と同じ(又はほぼ同じ)である。具体的に、非常用点灯回路41bは、トランジスタQ21、Q22、抵抗R21~R25、出力コンデンサC21、インダクタL21、ダイオードD21、及びスイッチングコントローラ411(以降、SWコントローラ411と略称する)を備える。トランジスタQ21は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFETである。トランジスタQ22は、NPN型のバイポーラトランジスタである。
【0050】
電池3の両端間には、インダクタL21とトランジスタQ21との直列回路が接続される。トランジスタQ21のドレイン-ソース間にはダイオードD21と出力コンデンサC21との直列回路が接続される。出力コンデンサC21の両端間には、抵抗R21と抵抗R22との直列回路が接続される。トランジスタQ21のゲートは抵抗R23を介してSWコントローラ411に接続される。さらに、電池3の両端間には、抵抗R24とトランジスタQ22との直列回路が接続される。トランジスタQ22のベースは抵抗R25を介して制御回路42に接続される。
【0051】
本実施形態では、SWコントローラ411の一例として、エイブリック株式会社製のS-8355を用いる。SWコントローラ411は、電池電圧Vbを動作電源とする。SWコントローラ411は、トランジスタQ22のコレクタに接続され、トランジスタQ22のコレクタ電圧Vc1がLレベルであれば、トランジスタQ21をオフ状態に維持して、電池電圧Vbの昇圧動作を停止する。SWコントローラ411は、トランジスタQ22のコレクタ電圧Vc1がHレベルであれば、トランジスタQ21をオンオフさせて、電池電圧Vbの昇圧動作を行う。昇圧動作を行うSWコントローラ411は、抵抗R21と抵抗R22との接続点の電圧を非常用電圧Vd2の検出値として取得し、非常用電圧Vd2の値が所定値となるようにトランジスタQ21をオンオフさせる。
【0052】
そして、制御回路42は、制御信号Y1及び制御信号Y2を出力し、制御信号Y1及び制御信号Y2によって切替回路41a及び非常用点灯回路41bの各動作を制御する。制御信号Y1及び制御信号Y2は、電圧値を出力レベルとし、電圧値をLレベル(第1レベル)及びHレベル(第2レベル)のいずれかに切替可能な二値の電圧信号である。制御信号Y1は、抵抗R12を介してトランジスタQ12のベースに伝達され、抵抗R25を介してトランジスタQ22のベースに伝達される。制御信号Y2は、抵抗R13を介してトランジスタQ13のベースに伝達される。なお、以降の説明では、出力レベルがLレベルである制御信号Y1、Y2を、Lレベルの制御信号Y1、Y2と称し、出力レベルがHレベルである制御信号Y1、Y2を、Hレベルの制御信号Y1、Y2と称することがある。
【0053】
図4は、制御信号Y1、Y2、及びコレクタ電圧Vc1の各波形、並びにトランジスタQ11、Q12、Q13、Q22の各状態を示すタイムチャートである。
【0054】
制御回路42は、停電検出回路46が停電を検出していない通常期間Ta1では、制御信号Y1及び制御信号Y2をそれぞれHレベルに制御する。
【0055】
制御信号Y1がHレベルであれば、トランジスタQ12はオフし、トランジスタQ22はオンする。SWコントローラ411は、トランジスタQ22のコレクタ電圧Vc1がLレベルであるので、トランジスタQ21をオフ状態に維持して、電池電圧Vbの昇圧動作を停止する。また、出力コンデンサC21の正極から光源2への電流経路は、オフ状態のトランジスタQ12によって遮断されている。
【0056】
制御信号Y2がHレベルであれば、トランジスタQ13がオンし、この結果としてトランジスタQ11がオンする。したがって、常用電圧Vd1は、トランジスタQ11を介して出力される。すなわち、切替回路41aは、停電検出回路46が停電を検出していなければ、常用電圧Vd1を出力する。
【0057】
また、制御回路42は、停電検出回路46が停電を検出している停電期間Tb1では、制御信号Y1及び制御信号Y2をそれぞれLレベルに制御する。
【0058】
制御信号Y2がLレベルであれば、トランジスタQ13がオフし、この結果としてトランジスタQ11がオフする。したがって、常用電圧Vd1による光源2への電流経路は、オフ状態のトランジスタQ11によって遮断されている。
【0059】
制御信号Y1がLレベルであれば、トランジスタQ12はオンし、トランジスタQ22はオフする。SWコントローラ411は、トランジスタQ22のコレクタ電圧Vc1がHレベルであるので、トランジスタQ21をオンオフさせて、電池電圧Vbの昇圧動作を行う。また、出力コンデンサC21の正極と光源2との間の電流経路は、オン状態のトランジスタQ12によって導通している。したがって、非常用電圧Vd2は、トランジスタQ12を介して出力される。すなわち、切替回路41aは、停電検出回路46が停電を検出していれば、非常用電圧Vd2を出力する。
【0060】
切替回路41aが出力する常用電圧Vd1又は非常用電圧Vd2は、電流調整回路41cと光源2との直列回路に印加される。なお、トランジスタQ11、Q12が同時にオン状態とならないように、トランジスタQ11、Q12の各状態が切り替わるときには、トランジスタQ11、Q12がともにオフ状態になる数msec程度の同時オフ期間を設けることが好ましい。
【0061】
電流調整回路41cは、光源2を流れる負荷電流の値を目標電流値に一致させる。具体的に、電流調整回路41cは、トランジスタQ31、Q32、抵抗R31~R33、及びシャントレギュレータSR31を備える。トランジスタQ31、Q32は、NPN型のバイポーラトランジスタである。
【0062】
切替回路41aの出力端間には、光源2とトランジスタQ31と抵抗R31との直列回路が接続される。光源2は、固体発光素子としてLED(Light Emitting Diode)を用いており、直列接続された複数のLEDを備える。隣り合う一対のLEDでは、一方のLEDのカソードが、他方のLEDのアノードに接続している。光源2は、高電位側をアノード側とし、低電位側をカソード側とする。この場合、光源2のアノード側は、トランジスタQ11、Q12の各コレクタに接続している。光源2のカソード側は、トランジスタQ31のコレクタに接続している。トランジスタQ31のエミッタは、抵抗R31を介してトランジスタQ13のエミッタに接続している。
【0063】
切替回路41aの出力端間には、さらに、抵抗R32とシャントレギュレータSR31との直列回路が接続される。抵抗R32の第1端は、光源2のアノード側に接続し、抵抗R32の第2端は、シャントレギュレータSR31のカソードに接続する。シャントレギュレータSR31のアノードは、抵抗R31を介してトランジスタQ31のエミッタに接続する。トランジスタQ31のエミッタは、シャントレギュレータSR31の制御端子に接続する。トランジスタQ31のベースは、トランジスタQ32のエミッタに接続し、トランジスタQ32のコレクタは、抵抗R33を介して光源2のアノード側に接続する。
【0064】
そして、負荷電流によって生じる抵抗R31の両端電圧がシャントレギュレータSR31内部の基準電圧(目標電流値に相当)を上回ると、シャントレギュレータSR31のアノード-カソード間が導通する。シャントレギュレータSR31のアノード-カソード間が導通すると、トランジスタQ32がオフし、トランジスタQ31がオフする。そして、抵抗R31の両端電圧がシャントレギュレータSR31内部の基準電圧を下回ると、シャントレギュレータSR31のアノード-カソード間が遮断される。シャントレギュレータSR31のアノード-カソード間が遮断されると、トランジスタQ32がオンし、トランジスタQ31がオンする。この結果、負荷電流の値は、目標電流値に一致する。
【0065】
したがって、停電検出回路46が停電を検出していなければ、光源2には常用電圧Vd1を電源とする負荷電流が流れて、光源2が点灯する。停電検出回路46が停電を検出していれば、光源2には非常用電圧Vd2を電源とする負荷電流が流れて、光源2が点灯する。電流調整回路41cは、光源2を流れる負荷電流の値を目標電流値に一致させる。
【0066】
上述のように、制御回路42が制御信号Y1及び制御信号Y2をそれぞれLレベルに制御すると、点灯回路41は、非常用電圧Vd2を電源とする負荷電流を光源2に流す。一方、制御回路42が制御信号Y1及び制御信号Y2をそれぞれHレベルに制御すると、点灯回路41は、常用電圧Vd1を電源とする負荷電流を光源2に流す。すなわち、制御回路42は、外部電源9の停電時、定期点検時、点灯点検時、及びユーザ点検時に、制御信号Y1及び制御信号Y2をそれぞれLレベルに制御する。また、制御回路42は、外部電源9の停電時、定期点検時、点灯点検時、及びユーザ点検時のいずれでもなければ、制御信号Y1及び制御信号Y2をそれぞれHレベルに制御する。
【0067】
ここで、制御回路42の異常などによって、制御信号Y1及び制御信号Y2の少なくとも一方が正常に出力されなくなる可能性がある。例えば、制御回路42の出力段の静電破壊などによって、制御信号Y1及び制御信号Y2の少なくとも一方がLレベルに固定され、Hレベルに切り換わらない異常が発生し得る。
【0068】
そこで、点灯回路41は、Lレベルの制御信号Y1及びLレベルの制御信号Y2を受け取ると、非常用電圧Vd2を電源とする負荷電流を光源2に流すように構成されている。したがって、外部電源9の停電中に制御回路42の異常によって、制御信号Y1及び制御信号Y2の少なくとも一方がLレベルに固定されたとしても、点灯回路41は、非常用電圧Vd2を電源とする負荷電流を光源2に流して、非常点灯を実行することができる。この結果、点灯装置4は、停電時に制御回路42に異常が発生しても、光源2を点灯させることができるので、フェイルセーフとなって、防災照明器具1の信頼性を向上させることができる。
【0069】
なお、制御信号Y1及び制御信号Y2は、電流値を出力レベルとする電流信号であってもよい。この場合、制御信号Y1及び制御信号Y2は、電流値をLレベル(第1レベル)及びHレベル(第2レベル)のいずれかに切替可能な二値の電流信号となる。
【0070】
(4)点灯回路の第2具体例
図5は、点灯回路41の第2具体例の回路構成を示す。点灯装置4は、制御電源44を更に備える。制御電源44は、電池電圧Vbを入力されて、制御電圧Vs1を出力する。制御電圧Vs1は、制御回路42の動作電源となる。なお、図5では、充電回路40は、常用電圧Vd1を入力され、逆流防止用のダイオードD10を介して電池3を充電する。
【0071】
点灯回路41は、電池電圧Vbを昇圧して、直流の非常用電圧Vd3を出力する。具体的に、点灯回路41は、トランジスタQ41~Q44、抵抗R41~R411、コンデンサC41~C46、インダクタL41、ダイオードD41、及びスイッチングコントローラ412(以降、SWコントローラ412と略称する)を備える。トランジスタQ41、Q43は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFETである。トランジスタQ42、Q44は、NPN型のバイポーラトランジスタである。
【0072】
コンデンサC41の両端間には、電池電圧Vbが印加される。コンデンサC41の両端間には、インダクタL41、及びトランジスタQ41の直列回路が接続される。トランジスタQ41のドレイン-ソース間には、ダイオードD41とコンデンサC42との直列回路が接続される。ダイオードD41のアノードは、トランジスタQ41のドレインに接続され、ダイオードD41のカソードは、コンデンサC42の正極に接続される。コンデンサC42の負極は、コンデンサC41の負極に接続される。コンデンサC42の両端間には、光源2と、トランジスタQ43と、抵抗R48との直列回路が接続される。光源2のアノード側は、コンデンサC42の正極に接続される。光源2のカソード側は、トランジスタQ43のドレインに接続される。トランジスタQ43のソースは、抵抗R48を介してコンデンサC42の負極に接続される。トランジスタQ43のゲートは、抵抗R49を介して制御電源44の正出力に接続され、抵抗R410を介してトランジスタQ43のソースに接続される。トランジスタQ44のコレクタ-エミッタ間には抵抗R410が接続される。トランジスタQ44のベースは、抵抗R411を介して制御回路42に接続される。トランジスタQ41のゲートは、抵抗R41を介してSWコントローラ412に接続される。トランジスタQ41のゲート-ソース間には、抵抗R42が接続される。
【0073】
抵抗R43とコンデンサC43との直列回路には、制御電圧Vs1が印加される。抵抗R43とコンデンサC43との接続点は、トランジスタQ42のコレクタに接続し、トランジスタQ42のエミッタは、コンデンサC41の負極に接続される。トランジスタQ42のベースは、抵抗R44を介して制御回路42に接続される。
【0074】
本実施形態では、SWコントローラ412の一例として、エイブリック株式会社製のS-8338を用いる。SWコントローラ412は、制御電圧Vs1が印加されたコンデンサC46の両端に接続されて、制御電圧Vs1を動作電源とする。SWコントローラ412は、トランジスタQ42のコレクタに接続され、トランジスタQ42のコレクタ電圧Vc2を監視する。SWコントローラ412は、コレクタ電圧Vc2がLレベルであれば、トランジスタQ41をオフ状態に維持して、電池電圧Vbの昇圧動作を停止する。SWコントローラ412は、コレクタ電圧Vc2がHレベルであれば、トランジスタQ42をオンオフさせて、電池電圧Vbの昇圧動作を行う。昇圧動作を行うSWコントローラ412は、抵抗R48の両端電圧を負荷電流の検出値として抵抗R47を介して取得し、負荷電流の値が目標電流値に一致するようにトランジスタQ41をオンオフさせる。
【0075】
SWコントローラ412には、抵抗R45とコンデンサC45との直列回路、コンデンサC44、及び抵抗R46が更に接続される。抵抗R45とコンデンサC45との直列回路は、SWコントローラ412の内部の誤差増幅回路の出力位相補償の素子である。コンデンサC44は、短絡保護の遅延時間設定用の素子である。抵抗R46は、発振周波数設定用の素子である。
【0076】
そして、制御回路42は、制御信号Y3を出力し、制御信号Y3によって点灯回路41の動作を制御する。制御信号Y3は、電圧値を出力レベルとし、電圧値をLレベル(第1レベル)及びHレベル(第2レベル)のいずれかに切替可能な二値の電圧信号である。制御信号Y3は、抵抗R44を介してトランジスタQ42のベースに伝達され、抵抗R411を介してトランジスタQ44のベースに伝達される。なお、以降の説明では、出力レベルがLレベルである制御信号Y3を、Lレベルの制御信号Y3と称し、出力レベルがHレベルである制御信号Y3を、Hレベルの制御信号Y3と称することがある。
【0077】
図6は、制御信号Y3、及びコレクタ電圧Vc2の各波形、並びにトランジスタQ42、Q43、Q44の各状態を示すタイムチャートである。
【0078】
制御回路42は、停電検出回路46が停電を検出していない通常期間Ta2では、制御信号Y3をHレベルに制御する。制御信号Y3がHレベルであれば、トランジスタQ42がオンして、トランジスタQ42のコレクタ電圧Vc2がLレベルになる。さらに、トランジスタQ44がオンし、トランジスタQ43がオフする。SWコントローラ412は、コレクタ電圧Vc2がLレベルであるので、トランジスタQ41をオフ状態に維持して、電池電圧Vbの昇圧動作を停止する。また、光源2からコンデンサC42の負極への電流経路は、オフ状態のトランジスタQ43によって遮断されている。したがって、通常期間Ta2では、光源2は消灯する。
【0079】
また、制御回路42は、停電検出回路46が停電を検出している停電期間Tb2では、制御信号Y3をLレベルに制御する。制御信号Y3がLレベルであれば、トランジスタQ42がオフして、トランジスタQ42のコレクタ電圧Vc2がHレベルになる。更に、トランジスタQ44がオフし、トランジスタQ43がオンする。したがって、光源2からコンデンサC42の負極への電流経路は、オン状態のトランジスタQ43によって導通する。SWコントローラ412は、コレクタ電圧Vc2がHレベルであるので、トランジスタQ41をオンオフさせて、電池電圧Vbの昇圧動作を行い、負荷電流の値を目標電流値に一致させる。この結果、停電期間Tb2では、光源2に負荷電流が流れて、光源2は点灯する。
【0080】
上述のように、制御回路42が制御信号Y3をLレベルに制御すると、点灯回路41は、非常用電圧Vd3を電源とする負荷電流を光源2に流す。一方、制御回路42が制御信号Y3をHレベルに制御すると、点灯回路41は、光源2を消灯させる。すなわち、制御回路42は、外部電源9の停電時、定期点検時、非常点灯確認時及びユーザ点検時に、制御信号Y3をLレベルに制御する。また、制御回路42は、外部電源9の停電時、定期点検時、非常点灯確認時及びユーザ点検時のいずれでもなければ、制御信号Y3をHレベルに制御する。
【0081】
ここで、制御回路42の異常などによって、制御信号Y3が正常に出力されなくなる可能性がある。例えば、制御回路42の出力段の静電破壊などによって、制御信号Y3がLレベルに固定され、Hレベルに切り換わらない異常が発生し得る。
【0082】
そこで、点灯回路41は、Lレベルの制御信号Y3を受け取ると、非常用電圧Vd3を電源とする負荷電流を光源2に流すように構成されている。したがって、外部電源9の停電中に制御回路42の異常によって、制御信号Y3の少なくとも一方がLレベルに固定されたとしても、点灯回路41は、非常用電圧Vd3を電源とする負荷電流を光源2に流すことができる。この結果、点灯装置4は、停電時に制御回路42に異常が発生しても、光源2を点灯させることができる。
【0083】
なお、制御信号Y3は、電流値を出力レベルとする電流信号であってもよい。この場合、制御信号Y3は、電流値をLレベル(第1レベル)及びHレベル(第2レベル)のいずれかに切替可能な二値の電流信号となる。
【0084】
(5)制御回路の第1の異常検知
制御回路42は、異常検出回路422を備えることが好ましい。異常検出回路422は、制御信号Y1及びY2の少なくとも一方、又は制御信号Y3の出力レベルが、制御回路42内のデータで示される出力レベルと異なれば、制御回路42の異常を検出する。制御回路42内のデータで示される出力レベルとは、制御回路42が実行するソフトウェア上で、点灯制御回路421及び点検制御回路424の各演算結果で示される制御信号Y1及びY2、又は制御信号Y3の各出力レベルである。制御回路42は、通常、このソフトウェア上の演算結果で示される出力レベルとなるように、制御信号Y1及びY2、又は制御信号Y3の実際の出力レベルを制御する。
【0085】
そして、異常検出回路422は、ソフトウェア上の演算結果で示される出力レベルと、制御回路42から実際に出力されている制御信号Y1及びY2、又は制御信号Y3の実際の出力レベルとを比較する。異常検出回路422は、ソフトウェア上の演算結果で示される出力レベルとして制御信号Y1及びY2、又は制御信号Y3がHレベルであるのに、実際に出力されている制御信号Y1及びY2の少なくとも一方、又は制御信号Y3がLレベルであれば、制御回路42の異常を検出する。
【0086】
異常検出回路422が制御回路42の異常を検出すると、制御回路42は、ソフトウェア上の演算結果で示される出力レベルに関わらず、Lレベルの制御信号Y1及びY2、又はLレベルの制御信号Y3を出力するように出力制御を行う。
【0087】
報知回路43では、異常検出回路422が制御回路42の異常を検出すると、駆動回路433は、表示素子431を点灯又は点滅させることで、制御回路42の異常を報知する。また、駆動回路433は、発音部432から音声を出力することで、制御回路42の異常を報知してもよい。発音部432が出力する音声は、例えば制御回路42の異常を通知するメッセージ「制御回路42の異常を検出しました。」、又はブザー音などである。本実施形態における制御回路42の異常報知とは、制御回路42が異常であることを人に通知して、人に対応を促す報知をいう。
【0088】
(6)制御回路の第2の異常検知
点灯装置4が図5に示す第2具体例の点灯回路41を備える場合、制御回路42は、異常検出回路422の代わりに、LレベルとHレベルとを交互に繰り返す発振信号を生成する発振回路をさらに備えてもよい。この場合、制御回路42は、制御信号Y3をHレベルにするときには、発振信号のL区間にHレベルの信号を重畳させることで、Hレベルの制御信号Y3を生成する。また、制御回路42は、制御信号Y3をLレベルにするときには、制御信号Y3の出力端をプルダウン抵抗などを介して回路グランドに接続する。
【0089】
しかしながら、制御回路42の異常時には、制御回路42は、発振信号のL区間にHレベルの信号を重畳させることができない。したがって、制御回路42の異常時には、制御回路42は、ソフトウェア上の出力パターンにしたがってHレベルの制御信号Y3を出力しようとしても、LレベルとHレベルとを交互に繰り返す制御信号Y3を出力してしまう。この結果、点灯回路41は、制御信号Y3がLレベルである期間に光源2に負荷電流を供給し、制御信号Y3がHレベルである期間には光源2に負荷電流を供給せず、光源2は点滅する。而して、外部電源9の通電時(非停電時)に制御回路42が異常になると、制御回路42は、LレベルとHレベルとを交互に繰り返す制御信号Y3を出力し、光源2は点滅する。ユーザは、外部電源9の通電時に光源2が点滅することで、制御回路42の異常を認識できる。
【0090】
(7)制御回路の出力端
制御回路42は、制御信号Y1、Y2、Y3をそれぞれ出力する3つの出力端を備える。図7は、出力端の一例として、出力端P1の構成を示す。出力端P1は、制御信号Y0の出力ポートであり、制御信号Y0は、上述の制御信号Y1、Y2、Y3のいずれかである。出力端P1は、抵抗R51を介して回路グランドG51に接続している(電気的に接続している)。さらに、出力端P1は、スイッチSW51の第1端に接続し、スイッチSW51の第2端の電位は、制御電圧Vs2の正電位になる。そして、制御回路42は、制御信号Y0をHレベルにするときは、スイッチSW51をオンし、制御信号Y0をLレベルにするときは、スイッチSW51をオフする。
【0091】
ここで、スイッチSW51がトランジスタであれば、トランジスタの静電破壊などによってトランジスタが開放故障し、制御信号Y0がLレベルに固定されることがある。また、スイッチSW51が機械リレーなどであれば、機械接点の故障などによって機械リレーが開放故障し、制御信号Y0がLレベルに固定されることがある。
【0092】
しかしながら、上述のように、制御信号Y0(制御信号Y1、Y2、Y3)がLレベルに固定されたとしても、点灯回路41は、非常用電圧Vd2又はVd3を電源とする負荷電流を光源2に流すことができる。この結果、点灯装置4は、停電時に制御回路42のスイッチSW51に開放故障が発生しても、光源2を点灯させることができる。
【0093】
(8)防災照明器具の構造
以下、点灯装置4を備える防災照明器具1の構造について、図8A図8Cを参照して説明する。本実施形態に係る防災照明器具1は、例えば、天井材や壁材などの造営材に取り付けられており、停電時に避難用の通路などに照明光を照射する。
【0094】
防災照明器具1は、図8A図8Cに示すように、本体10と、カバー11と、一対の支持具12とを備える。
【0095】
本体10は、図8A及び図8Bに示すように、1つの底面(下面)が開口した有底円筒状に形成されている。本体10の側面に一対の支持具12が取り付けられている。本体10の下端には、外向きに突出する円環状のフランジ100が形成されている。
【0096】
一対の支持具12は、図8A図8Cに示すように、長尺の板ばね状に形成されている。各支持具12は、長手方向の一端部で本体10の側面に固定され、かつ、長手方向の他端部が本体10の底面(上面)に近付く向き(上向き)にたわみ可能に構成されている。つまり、本体10は、天井に設けられた埋込孔内に挿入される一対の支持具12と、本体10の下端面に設けられているフランジ100との間で天井材を挟み込むようにして天井材に支持される。
【0097】
カバー11は、図8A図8Cに示すように、本体10のフランジ100の外径よりも大きい円盤状に形成されている。図8Bに示すように、カバー11の中央には、円形の窓孔110が設けられている。窓孔110には、光源ユニット2Uのレンズ21が貫通している。カバー11は、一対の取付ばねが取り付けられている。カバー11は、図8Cに示すように、一対の取付ばねにより、本体10の底面を閉塞する状態で本体10に保持される。
【0098】
本体10には、点灯装置4(図1参照)、光源2(図1参照)及び電池3(図1参照)が取り付けられている。より詳細には、図8Bに示すように、光源ユニット2U、電池ユニット3U、及び点灯ユニット4Uは、本体10内に収容されている。ただし、電池ユニット3Uは、本体10の底面の開口を通して抜き差し可能に本体10内に収容されている。
【0099】
光源ユニット2Uは、図8Bに示すように、LEDモジュール20及びレンズ21を備える。LEDモジュール20は、光源2が実装された基板を有し、順方向に電圧が印加されることにより、白色、昼白色又は昼光色などの白色系の照明光を放射する。レンズ21は、LEDモジュール20の前方(下方)に配置され、LEDモジュール20から放射される光を集める。
【0100】
図8Bに示す電池ユニット3Uは、複数の素電池を含む電池3(図1参照)と、電池3を収容する電池ケースとを有する。電池3は、例えば、ニッケル・水素蓄電池又はニッケル・カドミウム蓄電池である。電池ケースは、合成樹脂などの電気絶縁性を有する材料で箱形に形成されており、複数の素電池を内部に収容する。
【0101】
図8Bに示す点灯ユニット4Uは、点灯装置4(図1参照)を有する。点灯装置4のモニタランプ48から放射される光は、カバー11に設けられた第1孔111を通してカバー11の前方(下方)に出射される。受信部47は、カバー11に設けられた第2孔112を通して無線信号を受信(受光)する。報知回路43の表示素子431から放射される光は、カバー11に設けられた第3孔114を通してカバー11の前方(下方)に出射される。3つの押釦スイッチ49A、49B、49Cの各々の押釦は、カバー11に設けられた3つの操作孔113と1つずつ対向するように配置されている。
【0102】
(9)防災照明システム
図9は、本実施形態の防災照明システムB1の構成を示す。防災照明システムB1は、複数の防災照明器具1を備える。
【0103】
防災照明システムB1では、複数の防災照明器具1のそれぞれが通信機能を有する。点灯装置4は、通信線8に接続された通信回路(図示なし)をさらに備えており、通信回路は、通信線8を介して信号の送信及び信号の受信を行う。通信回路は、イーサネット(Ethernet)(登録商標)などの有線LAN(Local Area Network)、またはRS-485などの規格(例えば、IEEE 802.3、又はRS-485など)に準拠して、信号の送信及び信号の受信を行うことが好ましい。したがって、複数の防災照明器具1の各点灯装置4は通信線8を介した通信を行い、制御回路42は、他の点灯装置4との間でデータの授受を行うことができる。
【0104】
例えば、複数の点灯装置4の各報知制御回路423は、他の点灯装置4の制御回路42から、他の点灯装置4の点検タイミングに関するデータ(次の定期点検タイミング、及び遅延時間などの各データ)を取得する。したがって、複数の点灯装置4の各報知制御回路423は、自装置の定期点検タイミングが他の点灯装置4の定期点検タイミングと重複しないように、自装置の定期点検タイミングをそれぞれ設定できる。
【0105】
また、複数の点灯装置4の各報知制御回路423は、自装置の定期点検タイミングに関するデータをマルチキャスト又はブロードキャストで送信してもよい。この場合、複数の点灯装置4のそれぞれは、他の点灯装置4の定期点検タイミングの各データを容易に取得できる。
【0106】
また、複数の点灯装置4の各報知制御回路423は、定期的に他の点灯装置4に対してデータ要求をマルチキャスト又はブロードキャストで送信してもよい。データ要求を受信した報知制御回路423は、自装置の定期点検タイミングに関するデータを、データ要求の送信元の点灯装置4へ返信する。
【0107】
また、点灯装置4の通信回路は、無線通信によって信号の送信及び信号の受信を行ってもよい。例えば、通信回路は、無線LAN、BLUETOOTH(登録商標)、又はZIGBEE(登録商標)などの規格(例えば、IEEE 802.11、IEEE 802.15.1、又はIEEE 802.15.4など)に準拠して、信号の送信及び信号の受信を行う。この場合、防災照明システムには、通信線8が不要となる。
【0108】
したがって、防災照明システムB1が有する複数の点灯装置4のそれぞれは、他の点灯装置4の定期点検タイミングを把握でき、自装置の定期点検タイミングを他の点灯装置4の定期点検タイミングと重複しないようにフレキシブルに設定できる。
【0109】
(10)まとめ
上述の実施形態に係る第1の態様の点灯装置(4)は、点灯回路(41)と、制御回路(42)と、を備える。点灯回路(41)は、外部電源(9)の停止時に電池(3)から供給される非常用電力で光源(2)を点灯させる非常点灯を実行する。制御回路(42)は、制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)を点灯回路(41)に出力することで点灯回路(41)を制御する。制御回路(42)は、出力レベルを少なくとも第1レベル(Lレベル)、及び第1レベルより高い第2レベル(Hレベル)に切替可能な制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)を出力し、制御回路(42)の異常時には制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)の少なくとも一部を第1レベルとする。点灯回路(41)は、第1レベルの制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)を受け取ると、非常点灯を実行し、第2レベルの制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)を受け取ると、非常点灯を実行しない。
【0110】
上述の点灯装置(4)は、停電時に制御回路(42)に異常が発生しても、光源(2)を点灯させることができる。
【0111】
また、実施形態に係る第2の態様の点灯装置(4)は、第1の態様において、制御回路(42)の異常を検出する異常検出回路(422)を更に備えることが好ましい。少なくとも外部電源(9)の停止時に、異常検出回路(422)が制御回路(42)の異常を検出すれば、制御回路(42)は、出力レベルが第1レベルになるように制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)を制御する。
【0112】
上述の点灯装置(4)は、停電時に制御回路(42)に異常が発生しても、光源(2)を点灯させることができる。
【0113】
また、実施形態に係る第3の態様の点灯装置(4)では、第2の態様において、異常検出回路(422)は、制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)の出力レベルが、制御回路(42)内のデータで示される出力レベルと異なれば、制御回路(42)の異常を検出することが好ましい。
【0114】
上述の点灯装置(4)は、制御回路(42)の異常を容易に検出することができる。
【0115】
また、実施形態に係る第4の態様の点灯装置(4)では、第1の態様において、制御回路(42)は、制御回路(42)の異常時には、第1レベルと第2レベルとを交互に繰り返す制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)を出力することが好ましい。
【0116】
上述の点灯装置(4)は、光源(2)の点滅によって、制御回路(42)の異常を報知できる。
【0117】
また、実施形態に係る第5の態様の点灯装置(4)は、第1乃至第4の態様のいずれか一つにおいて、制御回路(42)は、制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)を出力する出力端(P1)を有する。出力端(P1)は、抵抗(R51)を介してグランド(G51)に接続されていることが好ましい。
【0118】
上述の点灯装置(4)は、制御回路(42)の出力段の異常時に、第1レベルの制御信号(Y0、Y1、Y2、Y3)を出力することができる。
【0119】
また、実施形態に係る第6の態様の防災照明器具(1)は、第1乃至第5の態様のいずれか1つの点灯装置(4)と、光源(2)と、電池(3)と、本体(10)と、を備える。光源(2)は、点灯装置(4)の出力によって点灯する。電池(3)は、点灯装置(4)に光源(2)を点灯させるための非常用電力を供給する。本体(10)は、点灯装置(4)、光源(2)、及び電池(3)が取り付けられる。
【0120】
上述の防災照明器具(1)は、停電時に制御回路(42)に異常が発生しても、光源(2)を点灯させることができる。
【0121】
また、実施形態に係る第7の態様の防災照明システム(B1)は、第6の態様の複数の防災照明器具(1)を備える。
【0122】
上述の防災照明システム(B1)は、停電時に制御回路(42)に異常が発生しても、光源(2)を点灯させることができる。
【符号の説明】
【0123】
1 防災照明器具
2 光源
3 電池
4 点灯装置
41 点灯回路
42 制御回路
421 点灯制御回路
422 異常検出回路
424 点検制御回路
43 報知回路
9 外部電源
10 本体
Y0、Y1、Y2、Y3 制御信号
P1 出力端
R51 抵抗
G51 回路グランド(グランド)
B1 防災照明システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9