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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230929BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20230929BHJP
   F21W 111/023 20060101ALN20230929BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230929BHJP
【FI】
F21S2/00 437
F21S8/08 200
F21S2/00 433
F21S2/00 438
F21W111:023
F21Y115:10 500
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019061433
(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公開番号】P2020161405
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】棚橋 理
(72)【発明者】
【氏名】村上 忠史
(72)【発明者】
【氏名】阿南 真一
(72)【発明者】
【氏名】関井 広行
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-109104(JP,A)
【文献】特開2006-108116(JP,A)
【文献】特開2017-116790(JP,A)
【文献】特開2013-073114(JP,A)
【文献】特開2007-225788(JP,A)
【文献】特開2001-332112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 8/08
F21W 111/023
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源が発する光が入射する第1端面、前記第1端面の反対側に位置する第2端面であって前記第1端面に対して傾斜した傾斜面を含む第2端面、及び、前記第1端面に入射した光を反射する反射構造が設けられた主面を有する導光体と、
前記第2端面に光学的に密着する光吸収材とを備え、
前記光吸収材は、前記第2端面の全部、及び、前記主面の前記第2端面側の端部を覆い、
前記第2端面には、不規則な凹凸が形成される
照明装置。
【請求項2】
光源と、
前記光源が発する光が入射する第1端面、前記第1端面の反対側に位置する第2端面であって前記第1端面に対して傾斜した傾斜面を含む第2端面、及び、前記第1端面に入射した光を反射する反射構造が設けられた主面を有する導光体と、
前記第2端面に光学的に密着する光吸収材とを備え、
前記第2端面には、不規則な凹凸が形成される
照明装置。
【請求項3】
前記第2端面は、複数の前記傾斜面を含む
請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光吸収材の屈折率と前記導光体の屈折率との比は、0.9以上1.1以下である
請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記導光体は、アクリル樹脂によって形成され、
前記光吸収材の屈折率は、1.4以上1.6以下である
請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1端面には、前記主面と交差する方向に沿う断面V字状の溝が複数並んで設けられる
請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
さらに、前記主面に対向する反射板を備える
請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記反射構造は、複数の凹部を含み、
前記主面における前記複数の凹部の密度は、前記光源から遠い領域ほど大きい
請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
光源と、
前記光源が発する光が入射する第1端面、前記第1端面の反対側に位置する第2端面であって前記第1端面に対して傾斜した傾斜面を含む第2端面、及び、前記第1端面に入射した光を反射する反射構造が設けられた主面を有する導光体と、
前記第2端面に光学的に密着する光吸収材とを備え、
前記反射構造は、複数の凹部を含み、
前記主面における前記複数の凹部の密度は、前記第1端面及び前記第2端面が並ぶ方向における中央部において最も小さく、当該方向において中央部から離れるほど大きい
照明装置。
【請求項10】
前記反射構造は、複数の凹部を含み、
前記複数の凹部のそれぞれは、前記主面に対して傾斜した側面を含み、
前記複数の凹部の前記側面の傾斜角は、前記主面の前記光源から遠い場所に位置する凹部の前記側面ほど大きい
請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項11】
光源と、
前記光源が発する光が入射する第1端面、前記第1端面の反対側に位置する第2端面であって前記第1端面に対して傾斜した傾斜面を含む第2端面、及び、前記第1端面に入射した光を反射する反射構造が設けられた主面を有する導光体と、
前記第2端面に光学的に密着する光吸収材とを備え、
前記反射構造は、複数の凹部を含み、
前記複数の凹部のそれぞれは、前記主面に対して傾斜した側面を含み、
前記複数の凹部の前記側面の傾斜角は、前記主面のうち前記第1端面及び前記第2端面が並ぶ方向における中央部において最も小さく、前記主面のうち当該方向において中央部から離れるほど大きい
照明装置。
【請求項12】
前記反射構造は、長溝状の凹部を複数含み、
前記長溝状の凹部の長手方向は、前記主面に沿う第1方向であって前記第1端面及び前記第2端面が並ぶ第2方向に垂直な第1方向に沿う
請求項1~11のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光体を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(Light Emitting Diode)を用いた光源が普及しつつある。例えば、特許文献1には、2本の導光棒からなる導光体の両端部にLED素子を対向配置した線状光源装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-35885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、配光の乱れを抑制することができる照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る照明装置は、光源と、前記光源が発する光が入射する第1端面、前記第1端面の反対側に位置する第2端面であって前記第1端面に対して傾斜した傾斜面を含む第2端面、及び、前記第1端面に入射した光を反射する反射構造が設けられた主面を有する導光体と、前記第2端面に光学的に密着する光吸収材とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の照明装置は、配光の乱れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態に係る照明装置の外観斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る照明装置の内部構造を示す図である。
図3図3は、実施の形態に係る照明装置の配光特性を模式的に示す図である。
図4A図4Aは、導光体の第2端面の形状の変形例を示す第1の図である。
図4B図4Bは、導光体の第2端面の形状の変形例を示す第2の図である。
図4C図4Cは、導光体の第2端面の形状の変形例を示す第3の図である。
図4D図4Dは、導光体の第2端面の形状の変形例を示す第4の図である。
図5A図5Aは、光吸収材の配置の変形例を示す第1の図である。
図5B図5Bは、光吸収材の配置の変形例を示す第2の図である。
図6図6は、導光体の第1端面の形状の変形例を示す図である。
図7図7は、複数の凹部が不均一な密度で配置された導光体の一例を示す図である。
図8図8は、複数の凹部が不均一な密度で配置された導光体の別の一例を示す図である。
図9図9は、複数の凹部の形状が当該凹部の位置に応じて異なる導光体の一例を示す図である。
図10図10は、複数の凹部の形状が当該凹部の位置に応じて異なる導光体の別の一例を示す図である。
図11図11は、長溝状の複数の凹部を有する導光体の一例を示す図である。
図12図12は、円錐形状の凹部、及び、長溝状の凹部の両方を有する導光体の一例を示す図である。
図13図13は、円錐形状の凹部、及び、長溝状の凹部の両方を有する導光体の配光特性を模式的に示す図である。
図14図14は、側端面が傾斜面である導光体の一例を示す図である。
図15図15は、反射板を備える照明装置の内部構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0009】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。また、下記の実施の形態において、「ほぼ」または「略」の表現には、製造誤差や寸法公差等を含むという意味もある。
【0010】
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸方向は、照明装置の高さ方向として説明される。Z軸+側は、上側(上方)と表現され、Z軸-側は、下側(下方)と表現される場合がある。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面上において、互いに直交する方向である。以下の実施の形態において、平面視とは、Z軸方向から見ることを意味する。
【0011】
(実施の形態)
[照明装置]
以下、実施の形態に係る照明装置について説明する。図1は、実施の形態に係る照明装置の外観斜視図である。
【0012】
図1に示されるように、実施の形態に係る照明装置10は、長尺平板状のポールライトであり、本体部11と、本体部11の上端部に設けられた発光部12とを備える。発光部12の高さは、地上から50cm~70cmの位置である。照明装置10は、発光部12の周辺であって、発光部12よりも下方を照明するような配光特性を有する。発光部12よりも上方に光が発せられると、照明装置10の周辺を通る人がまぶしく感じてしまうためである。
【0013】
次に、このような配光特性を実現するための照明装置10の内部構造について説明する。図2は、照明装置10の内部構造を示す図である。図2の(a)は、照明装置10の内部構造をX軸方向から見た図であり、図2の(b)は、照明装置10の内部構造をY軸方向から見た図である。図2に示されるように、照明装置10は、光源20と、導光体30と、光吸収材40とを備える。
【0014】
[光源]
光源20は、導光体30の上方に位置し、導光体30の第1端面31に向けて光を発する発光モジュールである。光源20は、基板21と、発光素子22とを有する。
【0015】
基板21は、図中のX軸方向に長い長尺矩形状の基板である。基板21の長手方向は、X軸方向であり、基板21の短手方向は、Y軸方向である。基板21は、導光体30の第1端面31に平行に配置される。なお、基板21の形状は、特に限定されない。
【0016】
基板21は、具体的には、樹脂基板、セラミック基板、または、メタルベース基板等のリジッド基板である。
【0017】
基板21のうち複数の発光素子22が実装された主面である実装面は、導光体30の第1端面31に対向する。複数の発光素子22は、基板21の長手方向に沿って一列に並んで配置される。
【0018】
発光素子22は、白色光を発する表面実装型(Surface Mount Device:SMD型)のLED素子である。表面実装型のLED素子とは、樹脂成型されたキャビティの中にLEDチップを実装し、かつ、当該キャビティ内に蛍光体含有樹脂を封入したパッケージ型のLED素子である。発光素子22は、発光素子22の下方に位置する導光体30の第1端面31に向けて、例えば、昼光色~電球色(色温度2600K以上7100K以下)の白色光を発する。
【0019】
なお、光源20は、ケーブル(図示せず)によって、本体部11内の電源回路(図示せず)と電気的に接続され、電源回路から供給される電力を用いて光を発する。
【0020】
[導光体]
導光体30は、Y軸方向から見た形状が矩形の平板状の光学部材であり、言い換えれば、導光板である。導光体30は、透明の部材であるが、透光性を有する部材であればよい。導光体30は、例えば、アクリルによって形成されるが、ポリカーボネートまたはガラスなどによって形成されてもよい。
【0021】
導光体30は、第1端面31、第2端面32、第1主面33、及び、第2主面34を有する。
【0022】
第1端面31は、光源20が発する光が入射する端面であり、例えば、平面である。第2端面32は、第1端面31の反対側に位置する端面(つまり、第1端面31と背向する端面)である。第2端面32は、第1端面31に対して傾斜した傾斜面を含む。第2端面32は、全部が単一の傾斜面であり、傾斜面は、例えば、第2主面34よりも第1主面33が下方に出っ張るように傾斜した平面である。第2端面32は、第1主面33(または第2主面34)と直交せず、第2端面32と第1主面33(または第2主面34)とがなす角度は、例えば、5°程度である。このように第2端面32が傾斜面を含んでいれば、第2端面32が第1端面と平行である場合よりも第2端面32における光の全反射に起因する配光の乱れ(詳細については後述)を抑制することができる。
【0023】
第1主面33は、第1端面31に入射した光を反射する反射構造が設けられた主面である。第1主面33には、反射構造として、円錐形状または円錐台形状の微細な凹部35が多数設けられている。図中では、説明のために凹部35が大きく図示されているが、実際には微細である。ここでの円錐形状または円錐台形状は、製造ばらつきなどを含めて実質的に円錐形状または円錐台形状であることを意味し、厳密な意味の円錐形状または円錐台形状を意味しない。このような凹部35によれば、図3のAのような下方への配光特性が実現される。図3は、照明装置10の配光特性を模式的に示す図である。図3の(a)は、照明装置10をX軸方向から見た図であり、図3の(b)は、照明装置10をY軸方向から見た図である。
【0024】
第2主面34は、第1主面33と反対側に位置する主面(つまり、第1主面33と背向する主面)である。第2主面34は平面である。第2主面34には、反射構造が設けられていないが、第1主面33同様に、反射構造として、円錐形状または円錐台形状の微細な凹部35が多数設けられていてもよい。
【0025】
[光吸収材]
第1主面33に設けられた複数の凹部35は、第1端面31に入射した光源20からの光を反射し、この結果、図3のAのような配光特性が実現される。このとき、第1端面31に入射した光源20からの光が第2端面32において反射し、導光体30の内部に戻って複数の凹部35によって反射されると、配光の乱れ(設計上、意図しない領域へ光が出射されること)の原因となる。上述のように照明装置10がローポールライトである場合、配光の乱れにより図3の領域Bに光が出射されると、照明装置10の周辺を通行する人は、まぶしく感じてしまう。
【0026】
このような配光の乱れを抑制するために、第2端面32は光吸収材40によって覆われている。光吸収材40は、第2端面32に光学的に密着し、第2端面32における光の全反射を抑制する。光吸収材40は、具体的には、第2端面32の全部を覆うように、第2端面32に光学的に密着する。光吸収材40は、塗装、樹脂充填、接着、インサート成形、または2色成形などの手法により、第2端面32に光学的に密着する。光吸収材40がテープ状の部材である場合、光吸収材40は、このようなテープの貼り付けによって第2端面32に光学的に密着する。
【0027】
光吸収材40は、例えば、導光体30と実質的に同一の屈折率を有する材料を母材として、当該母材にカーボンなどの光吸収機能を有する添加物(例えば、黒色の添加物)が添加されることによって形成される。光吸収材40の屈折率が導光体と実質的に同一の屈折率を有することは必須ではなく、光吸収材40の屈折率と導光体30の屈折率との比が、0.9以上1.1以下であれば、第2端面32における光の全反射を抑制する一定の効果が得られる。導光体30がアクリル樹脂によって形成される場合、光吸収材40の屈折率は、例えば、1.4以上1.6以下である。また、光吸収材40の母材の屈折率が上述の範囲にあれば、添加物は必ずしも黒色に限定されることはなく、例えばそれが白色の添加物で添加物自体に拡散反射の特性がある場合でも、第2端面32における全反射の影響は低減できることから、導光体30から特定方向へ出射されるグレア光を抑制できる。
【0028】
[第2端面の形状の変形例]
以下、第2端面32における光の全反射を抑制するための第2端面32の形状の変形例について説明する。図4A図4Dは、第2端面32の形状の変形例を示す図である。
【0029】
図4Aに示される第2端面32aは、全部が単一の傾斜面であり、傾斜面は、例えば、第1主面33よりも第2主面34が下方に出っ張るように傾斜した平面である。第2端面32aは、第1主面33(または第2主面34)と直交せず、第2端面32aと第1主面33(または第2主面34)とがなす角度は、例えば、5°程度である。
【0030】
このような第2端面32aによれば、第2端面32aにおける光の全反射の影響を抑制することができる。
【0031】
また、図4Bに示される第2端面32bは、2つの傾斜面を含み、X軸方向から見た場合の形状がV字状である。このように、2つの傾斜面を含む第2端面32bによれば、第2端面32bにおける光の全反射の影響をさらに抑制することができる。
【0032】
また、図4Cに示される第2端面32cは、3つ以上(具体的には、4つ)の傾斜面を含み、X軸方向から見た場合の形状が2つのVが連なった形状である。このように、3つ以上の傾斜面を含む第2端面32cによれば、第2端面32bにおける光の全反射の影響をさらに抑制することができる。
【0033】
また、図4Dに示される第2端面32dには、シボ加工、または、サンブラスト処理などにより不規則な凹凸が設けられている。このような不規則な凹凸の中には、第1端面31に対して傾斜する傾斜面が含まれている。このように不規則な凹凸を含む第2端面32dによれば、第2端面32dにおける光の全反射の影響をさらに抑制することができる。
【0034】
[光吸収材の配置の変形例]
以下、光吸収材40の配置の変形例について説明する。図5A及び図5Bは、光吸収材40の配置の変形例を示す図である。
【0035】
図5Aに示されるように、光吸収材40aは、第2端面32の全部を覆いつつ、第1主面33または第2主面34に達していてもよい。つまり、光吸収材40aは、第2端面32の全部、及び、第1主面33または第2主面34の第2端面32側の端部を覆っていてもよい。これにより、第2端面32を確実に光吸収材40aで覆うことができるため、第2端面32における光の全反射をさらに抑制することができる。
【0036】
また、図5Bに示されるように、光吸収材40bは、第2端面32の全部を覆いつつ、第1主面33及び第2主面34に達していてもよい。つまり、光吸収材40aは、第2端面32の全部、第1主面33の第2端面32側の端部、第2主面34の第2端面32側の端部を覆っていてもよい。これにより、第2端面32を確実に光吸収材40bで覆うことができるため、第2端面32における光の全反射をさらに抑制することができる。
【0037】
なお、このような光吸収材40の配置は、第2端面32a、第2端面32b、第2端面32c、及び、第2端面32dと組み合わされてもよい。
【0038】
[第1端面の形状の変形例]
以下、第1端面31の形状の変形例について説明する。図6は、第1端面31の形状の変形例を示す図である。図6の(a)は、導光体30aをX軸方向から見た図であり、図6の(b)は、導光体30aをY軸方向から見た図である。
【0039】
図6に示される導光体30aの第1端面31aには、Y軸方向(言い換えれば、第1主面33に垂直に交差する方向)に沿う断面V字状の溝が、X軸方向に複数並んで設けられる。このような第1端面31aの形状によれば、導光体30aから広い範囲に光を出射できる。つまり、導光体30aは、広角配光を有する照明装置10を実現できる。
【0040】
このような第1端面31aの形状によれば、第2端面32に到達して反射する光も広がるため、グレアが大きくなる場合がある。しかしながら、光吸収材40によって第2端面32における反射光が低減されれば、広角配光とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0041】
なお、このように第1端面31aが平面でない場合、第2端面32に含まれる傾斜面は、第1端面31aの頂部を通る平面(図6のC-C線を通る平面)に対して傾斜していればよい。
【0042】
[凹部の密度1]
複数の凹部35の密度は、例えば、均一であるが、不均一であってもよい。図7は、複数の凹部35が不均一な密度で配置された導光体の一例を示す図である。
【0043】
図7に示される導光体30bの第1主面33における複数の凹部35の(単位面積あたりの)密度は、Z軸方向において光源20から遠い領域ほど大きい。言い換えれば、複数の凹部35の密度は、光源20に近い領域で最も小さく、光源20から離れるほど大きくなる。複数の凹部35の密度は、線形に増加してもよいし、非線形に増加してもよい。
【0044】
このような導光体30bは、正面(つまり、Y軸方向)から見た導光体30bの発光面輝度を均一に近づけることができる。
【0045】
導光体30bにおいては、第2端面32の周辺の複数の凹部35の密度が高いため、第2端面32において反射する光に起因するグレアが大きくなる場合がある。しかしながら、光吸収材40によって第2端面32における反射光が低減されれば、正面から見た発光面輝度の均一化とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0046】
[凹部の密度2]
また、図8は、複数の凹部35が不均一な密度で配置された導光体の別の一例を示す図である。
【0047】
図8に示される導光体30cの第1主面33における複数の凹部35の(単位面積あたりの)密度は、Z軸方向(第1端面31及び第2端面32が並ぶ方向)における中央部において最も小さく、Z軸方向において中央部から離れるほど大きい。第1主面33のZ軸方向における複数の凹部35の密度は、線形に変化してもよいし、非線形に変化してもよい。
【0048】
このような導光体30cは、側方(つまり、X軸方向)から見た導光体30bの発光面輝度を均一に近づけることができる。
【0049】
導光体30cにおいては、第2端面32の周辺の複数の凹部35の密度が高いため、第2端面32において反射する光に起因するグレアが大きくなる場合がある。しかしながら、光吸収材40によって第2端面32における反射光が低減されれば、側方から見た発光面輝度の均一化とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0050】
[凹部の形状1]
複数の凹部35の形状は、例えば、全て同一であるが、全て同一でなくてもよい。図9は、複数の凹部35の形状が当該凹部35の位置に応じて異なる導光体の一例を示す図である。図9の(a)は、導光体30dをX軸方向から見た図であり、図9の(b)は、導光体30dをY軸方向から見た図である。
【0051】
図9に示される導光体30dの第1主面33に設けられた複数の凹部35のそれぞれは、円錐形状であるが、第1主面33に対する凹部35の側面36の角度θが、凹部35の位置に応じて異なる。具体的には、複数の凹部35の側面36の傾斜角θは、Z軸方向において第1主面33の光源20から遠い場所に位置する凹部35の側面36ほど大きい。
【0052】
このような導光体30dは、正面(つまり、Y軸方向)から見た導光体30dの発光面輝度を均一に近づけることができる。
【0053】
導光体30dにおいては、第2端面32の周辺の複数の凹部35の側面36の傾斜角θが大きいため、第2端面32において反射する光に起因するグレアが大きくなる場合がある。しかしながら、光吸収材40によって第2端面32における反射光が低減されれば、正面から見た発光面輝度の均一化とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0054】
[凹部の形状2]
また、図10は、複数の凹部35の形状が当該凹部35の位置に応じて異なる導光体の別の一例を示す図である。図10の(a)は、導光体30eをX軸方向から見た図であり、図10の(b)は、導光体30eをY軸方向から見た図である。
【0055】
図10に示される導光体30eの第1主面33に設けられた複数の凹部35のそれぞれは、円錐形状であるが、第1主面33に対する凹部35の側面36の角度θが、凹部35の位置に応じて異なる。具体的には、複数の凹部35の側面36の傾斜角θは、第1主面33のうちZ軸方向(第1端面31及び第2端面32が並ぶ方向)における中央部において最も小さく、第1主面33のうちZ軸方向において中央部から離れるほど大きい。
【0056】
このような導光体30eは、側方(つまり、X軸方向)から見た導光体30eの発光面輝度を均一に近づけることができる。
【0057】
導光体30eにおいては、第2端面32の周辺の複数の凹部35の側面36の傾斜角θが大きいため、第2端面32において反射する光に起因するグレアが大きくなる場合がある。しかしながら、光吸収材40によって第2端面32における反射光が低減されれば、側方から見た発光面輝度の均一化とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0058】
[凹部の形状3]
また、複数の凹部35の形状は、円錐形状または円錐台形状に限定されない。図11は、長溝状の複数の凹部を有する導光体の一例を示す図である。図11の(a)は、導光体30fをX軸方向から見た図であり、図11の(b)は、導光体30fをY軸方向から見た図である。
【0059】
図11に示される導光体30fの第1主面33には、長溝状の複数の凹部37が設けられる。長溝状の凹部37の長手方向は、X軸方向に沿う。X軸方向は、言い換えれば、第1主面33に沿う第1方向であって第1端面31及び第2端面32が並ぶ第2方向(Z軸方向)に垂直な第1方向である。長溝状の凹部37の断面形状は、V字状である。
【0060】
このような長溝状の凹部37(プリズム)は、光源20側(第1端面31側)を向く側面38(言い換えれば、制御面)の面積が大きいため、光制御効率が高く、配光制御性に優れている。一方で、第2端面32側を向く側面38の面積も大きいため、第2端面32において反射する光に起因するグレアが大きくなる場合がある。しかしながら、光吸収材40によって第2端面32における反射光が低減されれば、配光制御性の向上とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0061】
[凹部の形状4]
また、導光体30の第1主面33に設けられる複数の凹部には、凹部35及び凹部37の両方が含まれてもよい。図12は、円錐形状の凹部35、及び、長溝状の凹部37の両方を有する導光体の一例を示す図である。図12の(a)は、導光体30gをX軸方向から見た図であり、図12の(b)は、導光体30gをY軸方向から見た図である。
【0062】
図12に示される導光体30gでは、第1主面33のうち第1端面31寄りの領域には凹部35が設けられ、第1主面33のうち第2端面32寄りの領域には、凹部37が設けられる。このような導光体30gによれば、図13に示されるようにX軸方向に広く、かつ、Y軸-側に強い配光特性を実現することができる。図13は、導光体30gの配光特性を模式的に示す図である。図13の(a)は、導光体30gをX軸方向から見た図であり、図13の(b)は、導光体30gをY軸方向から見た図である。なお、また、第1主面33に対する凹部35の側面36の角度θと、第1主面33に対する凹部37の側面38の角度ηとの関係は、例えば、θ>ηである。なお、第1主面33に対する凹部37の側面38の角度ηは、θ>ηを満たす範囲で、Z軸方向において第1主面33の光源20から遠い場所に位置する凹部37の側面38ほど大きい。
【0063】
[側端面の形状]
ところで、導光体30の側端面(Y軸方向において並ぶ2つの端面)は、例えば、第1主面33(または第2主面)に対して90°の角度をなす平面である。しかしながら、側端面は、第1主面33に対して傾斜していてもよい。図14は、このような側端面が傾斜面である導光体の一例を示す図である。図14の(a)は、導光体30hをX軸方向から見た図であり、図14の(b)は、導光体30hをY軸方向から見た図であり、図14の(c)は、導光体30hをZ軸方向から見た図である。
【0064】
図14に示されるように、導光体30hの側端面39L及び側端面39Rのそれぞれは、第1主面33(または第2主面34)に対して90°-φ(φ>0)の角度で傾斜している。ここで、φは、例えば、1°<φ<10°である。このような導光体30hは、導光版30よりもX軸方向に広い配光特性を実現することができる。
【0065】
[反射板]
照明装置10は、さらに、第1主面33に対向する反射板を備えてもよい。図15は、このような反射板を備える照明装置の内部構造を示す図である。図15の(a)は、照明装置10aをX軸方向から見た図であり、図15の(b)は、照明装置10aをY軸方向から見た図である。
【0066】
図15に示される照明装置10aは、第1主面33に対向する反射板50を備える。反射板50は、例えば、アルミニウム等の金属材料によって形成され、第1主面33に対向する面が鏡面である。なお、反射板50は、金属膜を付加した樹脂材料でもよく、また白色樹脂材料、または、白色塗装した金属材料によって形成されてもよい。
【0067】
このように反射板50を備える照明装置10aは、片側(図15の例ではY軸-側)にのみ効率的に光を反射することができる。なお、反射板50は、第2端面32において反射して導光体30内に戻ってくる光も反射してしまうため、第2端面32における光の反射に起因するグレアが大きくなる場合がある。しかしながら、光吸収材40によって第2端面32における反射光が低減されれば、グレアを低減することができる。なお、反射板50は、第2主面34に対向するように配置されてもよい。
【0068】
[効果等]
以上説明したように、照明装置10は、光源20と、光源20が発する光が入射する第1端面31、第1端面31の反対側に位置する第2端面32であって第1端面31に対して傾斜した傾斜面を含む第2端面32、及び、第1端面31に入射した光を反射する反射構造が設けられた第1主面33を有する導光体30と、第2端面32に光学的に密着する光吸収材40とを備える。
【0069】
このような照明装置10は、光吸収材40によって第2端面32における光の全反射が抑制されるため、配光の乱れを抑制することができる。
【0070】
また、例えば、光吸収材40は、第2端面32の全部、及び、第1主面33の第2端面32側の端部を覆う。
【0071】
このような照明装置10は、第2端面32を確実に光吸収材40aで覆うことができるため、第2端面32における光の全反射をさらに抑制することができる。
【0072】
また、例えば、第2端面32bなどは、複数の傾斜面を含む。
【0073】
このような第2端面32bが適用された照明装置10は、複数の傾斜面を含む第2端面32bにより、第2端面32bにおける光の全反射をさらに抑制することができる。
【0074】
また、例えば、第2端面32dには、不規則な凹凸が形成される。
【0075】
このような第2端面32dが適用された照明装置10は、不規則な凹凸が形成された第2端面32dにより、第2端面32bにおける光の全反射をさらに抑制することができる。
【0076】
また、例えば、光吸収材40の屈折率と導光体30の屈折率との比は、0.9以上1.1以下である。
【0077】
このような照明装置10は、第2端面32と光吸収材40との屈折率差を小さくすることで、第2端面32bにおける光の全反射をさらに抑制することができる。
【0078】
また、例えば、導光体30は、アクリル樹脂によって形成され、光吸収材40の屈折率は、1.4以上1.6以下である。
【0079】
このような照明装置10は、第2端面32と光吸収材40との屈折率差を小さくすることで、第2端面32bにおける光の全反射をさらに抑制することができる。
【0080】
また、例えば、導光体30aにおいては、第1端面31aには、第1主面33と交差する方向に沿う断面V字状の溝が複数並んで設けられる。
【0081】
このような導光体30aによれば、広角配光とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0082】
また、例えば、照明装置10aは、さらに、第1主面33に対向する反射板50を備える。
【0083】
このような照明装置10aは、片側にのみ効率的に光を反射しつつ、グレアを低減することができる。
【0084】
また、例えば、導光体30bにおいては、反射構造は、複数の凹部35を含み、第1主面33における複数の凹部35の密度は、光源20から遠い領域ほど大きい。
【0085】
このような導光体30bによれば、正面から見た発光面輝度の均一化とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0086】
また、例えば、導光体30cにおいては、反射構造は、複数の凹部35を含み、第1主面33における複数の凹部35の密度は、第1端面31及び第2端面32が並ぶ方向における中央部において最も小さく、当該方向において中央部から離れるほど大きい。
【0087】
このような導光体30cによれば、側方から見た発光面輝度の均一化とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0088】
また、例えば、導光体30dにおいては、反射構造は、複数の凹部35を含み、複数の凹部35のそれぞれは、第1主面33に対して傾斜した側面36を含む。複数の凹部35の側面36の傾斜角θは、第1主面33の光源20から遠い場所に位置する凹部35の側面36ほど大きい。
【0089】
このような導光体30dによれば、正面から見た発光面輝度の均一化とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0090】
また、例えば、導光体30eにおいては、反射構造は、複数の凹部35を含み、複数の凹部35のそれぞれは、第1主面33に対して傾斜した側面36を含む。複数の凹部35の側面36の傾斜角θは、第1主面33のうち第1端面31及び第2端面32が並ぶ方向における中央部において最も小さく、第1主面33のうち当該方向において中央部から離れるほど大きい。上記実施の形態では、第1端面31及び第2端面32が並ぶ方向は、Z軸方向である。
【0091】
このような導光体30eによれば、側方から見た発光面輝度の均一化とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0092】
また、例えば、導光体30fにおいては、反射構造は、長溝状の凹部37を複数含み、長溝状の凹部37の長手方向は、第1主面33に沿う第1方向であって第1端面31及び第2端面32が並ぶ第2方向に垂直な第1方向に沿う。第1方向は、上記実施の形態ではX軸方向であり、第2方向は、上記実施の形態ではZ軸方向である。
【0093】
このような導光体30fによれば、配光制御性の向上とグレアの低減とを両立した照明装置10が実現される。
【0094】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0095】
上記実施の形態では、照明装置としてポールライトが例示されたが、本発明は、その他の照明装置として実現されてもよい。例えば、本発明は、住宅などの壁の下方に設置され、ユーザの足元を照らすフットライトとして実現されてもよいし、導光体を用いたその他の照明装置として実現されてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態では、光源として、いわゆるSMD型の発光モジュールが用いられたが、光源の具体的態様は特に限定されるものではない。例えば、光源として、COB(Chip On Board)型の発光モジュールが用いられてもよい。また、光源として、有機EL素子(OLED)または無機EL素子等のLED以外の固体発光素子を含む発光モジュールが用いられてもよい。
【0097】
また、上記実施の形態では、導光体として平面視形状が矩形の導光板が例示されたが、照明装置にはその他の形状の導光板が用いられてもよいし、棒状の導光体などが用いられてもよい。
【0098】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
10、10a 照明装置
20 光源
30、30a~30h 導光体
31、31a 第1端面
32、32a~32d 第2端面
33 第1主面
35、37 凹部
36、38 側面
40、40a、40b 光吸収材
50 反射板
θ 傾斜角
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15