(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】錆抑制塗料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C09D 163/00 20060101AFI20230929BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20230929BHJP
C09D 5/08 20060101ALI20230929BHJP
C09D 7/20 20180101ALI20230929BHJP
【FI】
C09D163/00
C09D7/61
C09D5/08
C09D7/20
(21)【出願番号】P 2019166217
(22)【出願日】2019-09-12
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2019017884
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年12月1日~平成30年11月30日、国立研究開発法人科学技術振興機構、JST研究成果展開事業 地域産学バリュープログラム、課題番号「VP29117938394」、課題名「新規天然型アノード反応抑制剤を配合した高性能防錆塗料の開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】506242588
【氏名又は名称】株式会社イーエスティージャパン
(73)【特許権者】
【識別番号】304028346
【氏名又は名称】国立大学法人 香川大学
(73)【特許権者】
【識別番号】506347517
【氏名又は名称】DOWAエコシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161034
【氏名又は名称】奥山 知洋
(72)【発明者】
【氏名】高梨 仁志
(72)【発明者】
【氏名】掛川 寿夫
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋明
(72)【発明者】
【氏名】吉原 麗生
(72)【発明者】
【氏名】吉田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 吉基
【審査官】井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104830168(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101302398(CN,A)
【文献】国際公開第2007/015294(WO,A1)
【文献】特開平05-117558(JP,A)
【文献】特開2008-144105(JP,A)
【文献】特開平05-043212(JP,A)
【文献】特開2015-025209(JP,A)
【文献】特開2014-189418(JP,A)
【文献】特開平11-061001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
錆抑制塗料であって、
エポキシ樹脂塗料と、
ヒドロキシアパタイト粉末と、
炭酸カルシウム粉末と、
を含有し、
前記
エポキシ樹脂塗料100重量部に対し、ヒドロキシアパタイト粉末が3~10重量部、炭酸カルシウム粉末が3~20重量部配合され
、当該エポキシ樹脂塗料に錆抑制機能が付与された、錆抑制塗料。
【請求項2】
前記エポキシ樹脂塗料は、非結晶性シリカを0.1~1.0%、酸化亜鉛を0.1~1.0%、リン酸亜鉛を5~10%、二酸化チタンを5~10%、キシレンを12%、エチルベンゼンを5~10%、ブチルアルコールを5~10%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを10~15%、メチルイソブチルケトンを5~10%含有する、請求項1に記載の錆抑制塗料。
【請求項3】
前記ヒドロキシアパタイト粉末及び前記炭酸カルシウム粉末の粒径は1~10μmである、請求項1又は2に記載の錆抑制塗料。
【請求項4】
前記炭酸カルシウム粉末は非生体系由来の物質である、請求項1~3のいずれかに記載の錆抑制塗料。
【請求項5】
錆抑制塗料の製造方法であって、
エポキシ樹脂塗料と、
ヒドロキシアパタイト粉末と、
炭酸カルシウム粉末と、
を混合する際、
前記
エポキシ樹脂塗料100重量部に対し、ヒドロキシアパタイト粉末を3~10重量部、炭酸カルシウム粉末を3~20重量部配合する、錆抑制塗料の製造方法。
【請求項6】
前記エポキシ樹脂塗料は、非結晶性シリカを0.1~1.0%、酸化亜鉛を0.1~1.0%、リン酸亜鉛を5~10%、二酸化チタンを5~10%、キシレンを12%、エチルベンゼンを5~10%、ブチルアルコールを5~10%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを10~15%、メチルイソブチルケトンを5~10%含有する、請求項5に記載の錆抑制塗料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錆抑制塗料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、金属が腐食して錆が発生しないようにするための取り組みが行われている。この取り組みとしては、錆が発生してほしくない金属基材の表面に所定の塗膜を予め形成しておくという手法が知られている。例えば特許文献1には、有機系コーティング組成物において、防錆性向上のために生体系カルシウム化合物(例えばヒドロキシアパタイト(以降、HAPと称する。))を含有させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、特許文献1に記載された防錆作用を更に向上させる必要があるという知見を得た(後述の比較例3を参照)。
【0005】
本発明は、高い錆抑制効果を備える錆抑制塗料及びその関連技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、
錆抑制塗料であって、
ベース塗料と、
ヒドロキシアパタイト粉末と、
炭酸カルシウム粉末と、
を含有し、
前記ベース塗料100重量部に対し、ヒドロキシアパタイト粉末が3~10重量部、炭酸カルシウム粉末が3~20重量部配合された、錆抑制塗料である。
【0007】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記ベース塗料は、エポキシ樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料又はアクリル樹脂塗料である。
【0008】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の発明において、
前記ヒドロキシアパタイト粉末及び前記炭酸カルシウム粉末の粒径は1~10μmである。
【0009】
本発明の第4の態様は、第1~第3のいずれかの態様に記載の発明において、
前記炭酸カルシウム粉末は非生体系由来の物質である。
【0010】
本発明の第5の態様は、
錆抑制塗料の製造方法であって、
ベース塗料と、
ヒドロキシアパタイト粉末と、
炭酸カルシウム粉末と、
を混合する際、
前記ベース塗料100重量部に対し、ヒドロキシアパタイト粉末を3~10重量部、炭酸カルシウム粉末を3~20重量部配合する、錆抑制塗料の製造方法である。
【0011】
本発明の別の態様は、
錆抑制用添加物であって、
ヒドロキシアパタイト粉末と、
炭酸カルシウム粉末と、
を含有し、
前記ヒドロキシアパタイト粉末の重量に対する前記炭酸カルシウム粉末の重量が0.5~5倍である、錆抑制用添加物である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高い錆抑制効果を備える錆抑制塗料及びその関連技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、塩水噴霧試験前における、切り込みを入れた状態の試料片の状況を示す写真であり、Aは比較例1、Bは比較例2、Cは比較例3、Dは実施例1を示す。
【
図2】
図2は、
図1の状況から塩水噴霧試験を開始して120時間後の状況を示す写真である。
【
図3】
図3は、
図1の状況から塩水噴霧試験を開始して240時間後の状況を示す写真である。
【
図4】
図4は、
図1の状況から塩水噴霧試験を開始して480時間後の状況を示す写真である。
【
図5】
図5は、塩水噴霧試験を開始して600時間後における、切り込みを入れた状態の試料片の状況を示す写真であり、Aは実施例1、Bは実施例2、Cは実施例3を示す。
【
図6】
図6は、塩水噴霧試験を開始して600時間後における、切り込みを入れた状態の試料片の状況を示す写真であり、Aは比較例1、Bは比較例2、Cは比較例3、Dは比較例4、Eは比較例5、Fは比較例6、Gは比較例7を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明を行う。本明細書において「~」は所定の数値以上かつ所定の数値以下を指す。
【0015】
(錆抑制用添加物)
本実施形態の錆抑制用添加物は、水酸化燐灰石Ca5(PO4)3(OH)から構成されるヒドロキシアパタイト粉末(以降、単にHAP粉末と称する。)と、炭酸カルシウム粉末とが配合されたものである。
【0016】
本明細書における「配合」とは、その名の通り、2種以上のものを混ぜ合わせることを意味するが、「合成」を意味するものではない。詳しく言うと、本明細書における「配合」とは、炭酸カルシウム粉末と、HAP粉末とを化学的に反応させて合成するものではなく、単に粉末同士を物理的に混ぜ合わせた状態を意味する。
【0017】
なお、錆抑制用添加物は、HAP粉末の重量に対する前記炭酸カルシウム粉末の重量が0.5~5倍であるのが好ましい。HAP粉末に対して0.5倍以上ならば十分に本発明の効果を奏しつつ、HAP粉末に対して5倍以下ならばHAP粉末の機能を低下させずに済む。より好ましくは1~3倍、更に好ましくは1~1.5倍配合するのが良い。
【0018】
HAP粉末及び炭酸カルシウム粉末の粒径は1~60μmであるのが好ましく、1~10μmであるのがより好ましい。粒径が60μm以下(特に10μm以下)であれば塗膜表面が滑らかになり、塗膜強度及び剥離しにくさを表す剥離強度を十分に保てる。下限については特に制限は無いが、粒径が1μm以上だと粒子化する際の労力が軽減される。なお、本明細書における粒径とは最大粒径のことである。最大粒径の値は、所定幅のメッシュを通過するか否かを調べることにより得られる。
【0019】
炭酸カルシウム粉末は非生体系由来の物質であってもよい。この「非生体系由来」とは、炭酸カルシウムを化学的に合成して得たことを意味し、貝殻、卵の殻等を除外することを意味する。
【0020】
(錆抑制用添加物の適用例)
上記の錆抑制用添加物を適用する例としては、錆の発生を抑制すべき側(腐食抑制物側、例:金属基材の表面への塗膜形成用塗料)への添加が挙げられる。
【0021】
塗膜が形成される金属基材としては、使用される状況に応じて任意のものを使用しても構わない。例えば該金属基材としては鋼材等が挙げられる。更に、例えばステンレス材、アルミニウム合金材、異種材料をクラッドしたクラッド鋼材など、種々の材料に対して効果を有する。もちろん、これらは一例であって本発明の技術的思想はこれらに限定されるものではない。
【0022】
また、ベース塗料としては、市販のものを使用しても構わない。例えば、エポキシ系やフタル酸系の樹脂を含有する塗料の他、ウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料及びフッ素樹脂塗料などに対して上記の錆抑制用添加物を添加したうえで、該金属基材の主表面に対して塗膜を形成してもよい。
【0023】
また、ベース塗料に対し、上記以外の公知の成分(例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、防錆材、レベリング剤、消泡剤、つや消し剤、光安定剤、顔料、抗菌剤、殺虫剤、殺菌剤等々)を、用途に応じて適宜添加しても構わない。
【0024】
なお、具体的な作製手法としては、単に、ベース塗料に対して錆抑制用添加物を添加するだけでよい。場合によっては撹拌処理等を行えばよい。このようにして、上記のベース塗料を錆抑制塗料へと変化させることが可能となる。
【0025】
なお、先に述べた錆抑制用添加物とベース塗料とを混合する際に、ベース塗料100重量部に対し、HAP粉末が3~10重量部、炭酸カルシウム粉末が3~20重量部となるように配合するのが好ましい。こうして錆抑制塗料を得る。
【0026】
その後の手順としては、錆が発生し得る物質(例:金属基材)の主表面に対し、本実施形態に係る錆抑制塗料を塗布し、塗膜を形成する。この作業は、錆の抑制方法として技術的意義がある。なお、具体的な塗膜形成手法は公知の手法を採用しても構わない。
【0027】
また、先に述べた錆抑制用添加物とベース塗料とを混合する作業は、錆抑制塗料の製造方法として技術的意義がある。
【0028】
錆抑制塗料の用途としては、各種土木建築に用いられる材料若しくは機材、又は車両等その他物質への適用が考えられる。もちろん、これらは一例であって本発明の技術的思想はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0029】
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
ベース塗料としてはエポキシ樹脂塗料を使用した。エポキシ樹脂以外の含有成分を以下に示す。
・非結晶性シリカA 0.1~1.0%
・酸化亜鉛 0.1~1.0%
・リン酸亜鉛 5~10%
・二酸化チタン 5~10%
・キシレン 12%
・エチルベンゼン 5~10%
・ブチルアルコール 5~10%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10~15%
・メチルイソブチルケトン 5~10%
【0031】
また、錆抑制用添加物としては、以下のものの混合物を使用した。
・HAP粉末(焼成魚骨製)(粒径1~10μm)
・非生体系の炭酸カルシウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)(粒径1~10μm)
そして、ベース塗料100重量部に対し、HAP粉末を8重量部、炭酸カルシウム粉末を10重量部配合し、実施例1に係る錆抑制塗料を得た。なお、配合の際、化学反応が生じた様子は無かった。
【0032】
この錆抑制塗料を塩水噴霧試験(JIS Z 2371:2015)に供した。作業内容を掻い摘んで言うと、10cm×10cmのステンレス製の試験片に対し、実施例1に係る錆抑制塗料を塗布乾燥して乾燥膜厚100μmの塗膜を形成した。そして、塗膜に対してステンレスカッターを用いて、切込みがステンレス製の試験片に到達するように×印の切り込みを入れた。この切り込みを有する試験片に対し、塩水噴霧試験を実施した。
【0033】
各実施例及び各比較例の試験条件をまとめた表が以下の表1である。
【表1】
【0034】
(比較例1)
実施例1の錆抑制用添加物を使用しなかったことを除き、実施例1と同様の塩水噴霧試験を行った。
【0035】
(比較例2)
実施例1の錆抑制用添加物の代わりに、炭酸カルシウム粉末のみを10重量部配合したことを除き、実施例1と同様の塩水噴霧試験を行った。
【0036】
(比較例3)
実施例1の錆抑制用添加物の代わりに、HAP粉末のみを8重量部配合したことを除き、実施例1と同様の塩水噴霧試験を行った。
【0037】
(検討その1)
図1は、塩水噴霧試験前における、切り込みを入れた状態の試料片の状況を示す写真であり、Aは比較例1、Bは比較例2、Cは比較例3、Dは実施例1を示す。
図2は、
図1の状況から塩水噴霧試験を開始して120時間後の状況を示す写真である。
図3は、
図1の状況から塩水噴霧試験を開始して240時間後の状況を示す写真である。
図4は、
図1の状況から塩水噴霧試験を開始して480時間後の状況を示す写真である。
【0038】
図1から
図2、
図3、
図4を見ると、実施例1の場合、ほとんど錆は発生していなかった。その一方、比較例1~3の場合、切り込み部分に錆の発生が確認できた。即ち、実施例1の塗料は高い防錆効果があることが確認された。
【0039】
更に、切り込み部分から、切り込み方向に対して垂直な左右方向に各幅4mm(切り込みを中心とした幅8mm)の領域において生じた塗膜の膨れ(例えば
図4のBの破線囲い部分)の数を調査した。
その結果、A~C(すなわち比較例1~3)だと10か所以上膨れが存在したのに対し、D(すなわち実施例1)だと1~4か所しか存在しなかった。つまり本発明に関する錆抑制塗料又は錆抑制用添加物を用いることにより上記試験条件で発生する膨れの数を4か所以下に抑えられる。
【0040】
(実施例2、3)
実施例1と同様の材料及び同様の手法で塗膜を形成し且つ塩水噴霧試験を600時間実施した。ベース塗料100重量部に対してHAP粉末を8重量部配合することは実施例1と同じである。但し、ベース塗料100重量部に対する炭酸カルシウム粉末の配合量を3重量部(実施例2に相当)又は5重量部(実施例3に相当)に設定した場合の各々において試験を実施した。
【0041】
なお、上記実施例1及び上記比較例1~3に対しても塩水噴霧試験を600時間実施した。
【0042】
(比較例4)
実施例2、3におけるベース塗料100重量部に対する炭酸カルシウム粉末の配合量を1重量部に設定した以外は、実施例2、3と同様に試験を行った。
【0043】
(比較例5~7)
HAP粉末を配合しなかったことを除けば、比較例4、実施例2、3と同様に試験を行った。つまり、HAP粉末は配合せず、ベース塗料100重量部に対する炭酸カルシウム粉末の配合量を1重量部(比較例5に相当)、3重量部(比較例6に相当)、5重量部(比較例7に相当)とした。
【0044】
(検討その2)
図5は、塩水噴霧試験を開始して600時間後における、切り込みを入れた状態の試料片の状況を示す写真であり、Aは実施例1、Bは実施例2、Cは実施例3を示す。
図6は、塩水噴霧試験を開始して600時間後における、切り込みを入れた状態の試料片の状況を示す写真であり、Aは比較例1、Bは比較例2、Cは比較例3、Dは比較例4、Eは比較例5、Fは比較例6、Gは比較例7を示す。
【0045】
図5(実施例1~3)を見ると、切り込み部分の錆の発生度合いが抑えられている。特に、
図5のA(実施例1すなわち炭酸カルシウム粉末が10重量部)及びC(実施例3すなわち炭酸カルシウム粉末が5重量部)だと、切り込み部分にはほとんど錆は発生していなかった。また、
図5(実施例1~3)を見ると、
図6(比較例1~7)に比べ、切込み部分の錆幅が小さかった。
【0046】
なお、
図5のB(実施例2すなわち炭酸カルシウム粉末が3重量部)と
図6のB(比較例2すなわちHAPが0重量部且つ炭酸カルシウムが10重量部)とを比べたとき、一見、
図6のB(比較例2)の方が良好に見える。但し、
図5のBは錆が染み出した結果、変色部分が大きく見えているだけである。実際、切り込み部分から、切り込み方向に対して垂直な左右方向の剥がれ幅(図中での濃厚色部分)は、
図5のB(実施例2)の方が小さい。
【0047】
その結果、各実施例は、各比較例に比べ、高い錆抑制効果を備えることが明らかになった。