(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】球技映像解析装置、球技映像解析方法、及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20230929BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20230929BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
H04N7/18 K
A63B69/00 A
A63B71/06 T
(21)【出願番号】P 2021074233
(22)【出願日】2021-04-26
【審査請求日】2022-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 純子
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/262336(WO,A1)
【文献】特開2002-248188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
A63B 69/00
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2台の撮像装置がそれぞれ撮像する第1の動画及び第2の動画を受信する通信インタフェースと、
前記第1の動画及び前記第2の動画に
基づき、球技用の移動体に対するアクションを行う人物の識別処理を行い、その識別処理により特定した人物に対応付けて前記アクションの検出処理と前記移動体の追跡処理とを順次実行するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記識別処理が完了すると、第1の音の出力を開始し、前記追跡処理が完了すると、前記第1の音の出力を停止する、
球技映像解析装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記人物の識別が完了するまで、前記第1の音を出力させない、
請求項1に記載の球技映像解析装置。
【請求項3】
前記第1の音は、識別した前記人物に予め割り当てられているテーマ曲である、
請求項1又は2に記載の球技映像解析装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1の音の出力を開始してから所定期間内に前記アクションを検出できない場合、第2の音を出力させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の球技映像解析装置。
【請求項5】
2台の撮像装置がそれぞれ撮像する第1の動画及び第2の動画を受信する通信インタフェースと、
前記第1の動画及び前記第2の動画に
基づき、球技用の移動体に対するアクションを行う人物の識別処理を行い、その識別処理により特定した人物に対応付けて前記アクションの検出処理と前記移動体の追跡処理とを順次実行するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記識別処理が完了すると、光の出力を開始し、前記追跡処理が完了すると、前記光の出力を停止する、
球技映像解析装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記人物の識別が完了するまで、前記光を出力させない、
請求項5に記載の球技映像解析装置。
【請求項7】
前記光は、識別した前記人物に予め割り当てられている色またはパターン画像である、
請求項5又は6に記載の球技映像解析装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記光の出力を開始してから所定期間内に
前記検出処理によるアクションを検出できない場合、前記光を点滅させる、
請求項5から7のいずれか1項に記載の球技映像解析装置。
【請求項9】
装置において、
2台の撮像装置がそれぞれ撮像する第1の動画及び第2の動画を受信し、
前記第1の動画及び前記第2の動画に基づき、球技用の移動体に対するアクションを行う人物の識別処理を行い、その識別処理により特定した人物に対応付けて前記アクションの検出処理と前記移動体の追跡処理とを順次実行する球技映像解析方法であって、
前記識別処理が完了すると、第1の音の出力を開始し、前記追跡処理が完了すると、前記第1の音の出力を停止する、
球技映像解析方法。
【請求項10】
コンピュータに、
2台の撮像装置がそれぞれ撮像する第1の動画及び第2の動画を受信させ、
前記第1の動画及び前記第2の動画に基づき、球技用の移動体に対するアクションを行う人物の識別処理を行わせ、その識別処理により特定した人物に対応付けて前記アクションの検出処理と前記移動体の追跡処理とを順次実行させるコンピュータプログラムであって、
前記識別処理が完了すると、第1の音の出力を開始させ、前記追跡処理が完了すると、前記第1の音の出力を停止させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、球技映像解析装置、球技映像解析方法、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バレーボール分析ソフトウェアとして「Data Volley」が市販され、このソフトウェアに精通したアナリストの主観的判断に基づいて、チームの選手の状況をデータ化する技術が知られている。近年では、アナリストの操作に頼ることなく、コートを見下ろす四隅にそれぞれカメラを設置し、これら4台のカメラを同期させてプレーを撮影した映像を取り込み、ボールの動きを追跡して、当該ボールの3次元の位置情報を求め、同時に選手の背番号やプレーに含まれるアクションの種類(サーブ、レセプション、ディグ、トス、アタック、ブロック)に関する解析データを出力する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、身近に存在する携帯端末(例えばスマートフォン又はタブレット)が備えるカメラで選手の練習(例えば、バレーボールのサーブ練習)を撮像し、当該撮像した映像を解析装置へ送信し、解析装置は、受信した映像に基づいて選手の練習の内容を解析するシステムが検討されている。解析装置が選手のアクションを適切に検出するためには、解析装置においてアクションの検出が可能な状況になってから、選手にアクションを開始してもらうことが好ましい。しかし、選手は、解析装置がアクションの検出が可能な状況であるか否かを認識できない。
【0005】
本開示の目的は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、解析装置においてアクションの検出が可能な状況であることを選手に認識させることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る球技映像解析装置は、2台の撮像装置がそれぞれ撮像する第1の動画及び第2の動画を受信する通信インタフェースと、前記第1の動画及び前記第2の動画に基づき、球技用の移動体に対するアクションを行う人物の識別処理を行い、その識別処理により特定した人物に対応付けて前記アクションの検出処理と前記移動体の追跡処理とを順次実行するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記識別処理が完了すると、第1の音の出力を開始し、前記追跡処理が完了すると、前記第1の音の出力を停止する、構成とする。
【0007】
本開示の一態様に係る球技映像解析装置は、2台の撮像装置がそれぞれ撮像する第1の動画及び第2の動画を受信する通信インタフェースと、前記第1の動画及び前記第2の動画に基づき、球技用の移動体に対するアクションを行う人物の識別処理を行い、その識別処理により特定した人物に対応付けて前記アクションの検出処理と前記移動体の追跡処理とを順次実行するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記識別処理が完了すると、光の出力を開始し、前記追跡処理が完了すると、前記光の出力を停止する、構成とする。
【0008】
本開示の一態様に係る球技映像解析方法は、装置において、2台の撮像装置がそれぞれ撮像する第1の動画及び第2の動画を受信し、前記第1の動画及び前記第2の動画に基づき、球技用の移動体に対するアクションを行う人物の識別処理を行い、その識別処理により特定した人物に対応付けて前記アクションの検出処理と前記移動体の追跡処理とを順次実行する球技映像解析方法であって、前記識別処理が完了すると、第1の音の出力を開始し、前記追跡処理が完了すると、前記第1の音の出力を停止する、構成とする。
【0009】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、2台の撮像装置がそれぞれ撮像する第1の動画及び第2の動画を受信させ、前記第1の動画及び前記第2の動画に基づき、球技用の移動体に対するアクションを行う人物の識別処理を行わせ、その識別処理により特定した人物に対応付けて前記アクションの検出処理と前記移動体の追跡処理とを順次実行させるコンピュータプログラムであって、前記識別処理が完了すると、第1の音の出力を開始させ、前記追跡処理が完了すると、前記第1の音の出力を停止させる、構成とする。
【0010】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、解析装置においてアクションを行ってもよいタイミングを選手ごとに認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態に係る球技映像解析システムの構成例を示す図
【
図3】本実施の形態に係る球技映像解析装置の構成例を示すブロック図
【
図4】本実施の形態に係る携帯端末の構成例を示すブロック図
【
図5】球技映像解析システムが選手Aと選手Bのサーブを解析する処理の例を説明するための図
【
図6】サーブ促進前期間及びサーブ検出期間を説明するための図
【
図7】球技映像解析装置がサーブ検出に失敗した場合の処理の例を説明するための図
【
図8】球技映像解析装置が実行する処理の一例を示すフローチャート
【
図9】選手のテーマ曲の出力に代えて、選手に割り当てられた色を点灯させる変形例を説明するための図
【
図10】ビープ音の出力に代えて、選手に割り当てられた色を点滅させる変形例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0014】
(本実施の形態)
<球技映像解析システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る球技映像解析システム10の構成例を示す図である。
図2は、ボールの位置の特定方法を説明するための図である。
【0015】
球技映像解析システム10は、球技を撮影した映像を解析し、当該球技に用いられる移動体の軌跡を解析するシステムである。本実施の形態では、球技の1つであるバレーボールを例に説明する。ただし、球技映像解析システム10は、バレーボールに限らず、サッカー、野球、卓球、バスケットボール、テニス、ラグビー、アメリカンフットボール、ラクロス、バドミントン、又はアイスホッケー等、様々な球技に適用可能である。また、球技映像解析システム10が対象とする移動体は、典型的にはボールである。ただし、球技映像解析システム10が対象とする移動体は、ボールに限らず、例えばバドミントンのシャトル又はアイスホッケーのパックといった「球」の概念に当てはまらない形状のものであってもよい。
【0016】
球技映像解析システム10は、第1の携帯端末20A、第2の携帯端末20B、表示端末30、及び、球技映像解析装置100を備える。第1の携帯端末20A、第2の携帯端末20B、表示端末30、及び、球技映像解析装置100は、通信ネットワークNを通じて互いに情報を送受信できる。通信ネットワークNは、例えば、無線通信網(無線LAN(Local Area Network)、LTE、4G、5G等)、インターネット網、又は、それらの組み合わせによって構成されてよい。
【0017】
第1の携帯端末20A及び第2の携帯端末20Bは、カメラ及びスピーカを備える無線通信端末である。第1の携帯端末20A及び第2の携帯端末20Bの例は、携帯電話、スマートフォン、タブレット又はモバイルPC等である。
【0018】
第1の携帯端末20A及び第2の携帯端末20Bは、球技を行う人物(以下「選手」という)のアクションを撮影する。本実施の形態では、選手のアクションの1つであるバレーボールのサーブを例に説明する。ただし、選手のアクションは、バレーボールのサーブに限らず、ディグ、レセプション、トス、アタック、ブロック等であってもよい。あるいは、球技を行う人物のアクションは、バレーボール以外の上記スポーツにおける特定のアクションであってもよい。
【0019】
第1の携帯端末20A及び第2の携帯端末20Bは、例えば、選手のサーブの練習を、互いに異なる方向から動画で撮影し、それぞれ、第1の動画123A(
図3参照)及び第2の動画123B(
図3参照)を生成する。例えば、
図1に示すように、第1の携帯端末20Aは選手を右後方から撮影し、第2の携帯端末20Bは選手を左後方から撮影する。
【0020】
第1の携帯端末20A及び第2の携帯端末20Bは、それぞれ、生成した第1の動画123A及び第2の動画123Bを、通信ネットワークNを通じて、球技映像解析装置100に送信する。
【0021】
表示端末30は、球技映像解析装置100による解析結果を表示する。表示端末30の例として、携帯電話、スマートフォン、タブレット又はモバイルPC等が挙げられる。表示端末30は、第3の携帯端末と読み替えられてもよい。なお、解析結果を表示する表示端末30を別途設ける構成を例示したが、第1の携帯端末20A、又は、第2の携帯端末20Bのいずれかを、解析結果を表示する端末として利用してもよい。
【0022】
球技映像解析装置100は、第1の携帯端末20A及び第2の携帯端末20Bからそれぞれ受信した第1の動画123A及び第2の動画123Bに基づいて、3次元空間におけるボールの移動軌跡を解析する。3次元空間におけるボールの移動軌跡は、ボールの3次元座標を時系列に並べることで生成できる。
【0023】
時刻tのボールの3次元座標は、
図2に示すように、第1の動画123Aの中の時刻tのフレーム画像F1と、第2の動画123Bの中の時刻tのフレーム画像F2から算出できる。すなわち、
図2に示すように、第1の携帯端末20A(撮像装置207(
図4参照))の位置U1からフレーム画像F1におけるボールの位置B1へ伸ばしたベクトルV1と、第2の携帯端末20B(撮像装置207(
図4参照))の位置U2からフレーム画像F2におけるボールの位置B2へ伸ばしたベクトルV2との交点が、ボールの3次元座標Paとなる。
【0024】
<球技映像解析装置の構成>
図3は、本実施の形態に係る球技映像解析装置100の構成例を示すブロック図である。
【0025】
球技映像解析装置100は、プロセッサ101、メモリ102、通信I/F(Interface)103、入力I/F104、出力I/F105、及び、ストレージ106を備える。
【0026】
メモリ102は、球技映像解析装置100が取り扱うプログラム及びデータ等を記憶する。メモリ102は、ROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含んでよい。
【0027】
プロセッサ101は、他の構成要素102~106と協働しながら種々の処理を実行することにより、本実施の形態の球技映像解析装置100が提供する機能を実現する。例えば、プロセッサ101は、メモリ102からプログラムを読み出して実行することにより、本実施の形態の球技映像解析装置100が提供する機能を実現する。したがって、本実施の形態において球技映像解析装置100を主体として説明する処理は、球技映像解析装置100が備えるプロセッサ101を主体とする処理に読み替えられてよい。また、プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、コントローラ、制御部、制御装置、制御回路といった他の用語に読み替えられてよい。
【0028】
通信I/F103は、球技映像解析装置100を通信ネットワークNに接続するためのインタフェースである。通信I/F103は、無線信号を送受信する無線通信I/F、及び、有線ケーブルが接続される有線通信I/Fのうちの少なくとも1つを含んでよい。無線通信I/Fが対応する通信方式の例として、Wi-Fi、LTE、4G、5Gが挙げられる。有線通信I/Fが対応する通信方式の例として、Ethernet(登録商標)が挙げられる。
【0029】
入力I/F104は、球技映像解析装置100に入力装置(図示しない)を接続するためのインタフェースである。入力装置の例として、キーボード、マウス、タッチパネル、マイク等が挙げられる。
【0030】
出力I/F105は、球技映像解析装置100に出力装置(図示しない)を接続するためのインタフェースである。出力装置の例として、ディスプレイ、スピーカ等が挙げられる。
【0031】
ストレージ106は、不揮発性記憶媒体の一例であり、球技映像解析装置100が取り扱うプログラム及びデータ等を格納する。ストレージ106の例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリが挙げられる。
【0032】
例えば、ストレージ106は、情報又はデータとして、選手ID121、顔特徴情報122、第1の動画123A、第2の動画123B、テーマ曲124、及び、解析結果情報125を格納する。なお、これらの情報又はデータの少なくとも一部は、メモリ102に格納されてもよい。
【0033】
選手ID121は、選手を一意に識別する情報である。選手ID121には、選手の氏名等が対応付けられてよい。
【0034】
顔特徴情報122は、選手の顔の特徴を示す情報である。顔特徴情報122は、後述するように選手の顔認証に用いられる。顔特徴情報122には、当該顔特徴情報が示す選手の選手ID121が対応付けられてよい。
【0035】
第1の動画123Aは、第1の携帯端末20Aから送信された、選手のサーブの練習を撮像した動画である。第2の動画123Bは、第2の携帯端末20Bから送信された、選手のサーブの練習を撮像した動画である。球技映像解析装置100は、第1の動画123A及び第2の動画123Bに、当該第1の動画123A及び第2の動画123Bに撮像されている選手の選手IDを対応付けてよい。
【0036】
テーマ曲124は、選手ごとに異なる音楽データである。テーマ曲124の利用態様については後述する。テーマ曲124には、当該テーマ曲124が割り当てられている選手の選手IDが対応付けられてよい。なお、テーマ曲124は、球技映像解析装置100ではなく、後述する携帯端末20に格納されてもよい。この場合、テーマ曲を再生するときは、球技映像解析装置100が選手IDを携帯端末20に通知し、選手IDの通知を受けた携帯端末20が、その選手IDと対応付けたテーマ曲を識別して再生することができる。また、球技映像解析装置100には、テーマ曲に関する音楽データの格納することなく、テーマ曲IDをのみを格納し、球技映像解析装置100がテーマ曲IDを携帯端末20に通知し、テーマ曲IDの通知を受けた携帯端末20が、そのテーマ曲IDに対応するテーマ曲を識別して再生することができる。これにより、球技映像解析装置100から携帯端末20にテーマ曲124の音楽データを送信する場合と比べて、通信データ量又は通信料を削減できる。
【0037】
解析結果情報125は、第1の動画123A及び第2の動画123Bに基づくサーブの解析結果を示す情報である。解析結果情報125には、例えば、サーブのボールの移動軌跡を示す情報、手で打たれたボールが手から離れた瞬間のボールの高さ及び速度を示す情報、及び、ボールがネット上を通過する瞬間のボールの高さ及び速度を示す情報が含まれてよい。
【0038】
<携帯端末の構成>
図4は、本実施の形態に係る携帯端末20の構成例を示すブロック図である。本実施の形態の説明において、第1の携帯端末20A及び第2の携帯端末20Bを区別しないで説明する場合、単に携帯端末20と称する場合がある。
【0039】
携帯端末20は、プロセッサ201、メモリ202、無線通信I/F203、入力装置204、表示装置205、音出力装置206、撮像装置207、発光装置208、及び、ストレージ209を備える。
【0040】
メモリ202は、携帯端末20が取り扱うプログラム及びデータ等を記憶する。メモリは202、ROM及びRAMを含んでよい。
【0041】
プロセッサ201は、他の構成要素202~209と協働しながら種々の処理を実行することにより、本実施の形態の携帯端末20が提供する機能を実現する。例えば、プロセッサ201は、メモリ202からプログラムを読み出して実行することにより、本実施の形態の携帯端末20が提供する機能を実現してよい。したがって、本実施の形態において携帯端末20を主体として説明する処理は、携帯端末20が備えるプロセッサ201を主体とする処理に読み替えられてよい。また、プロセッサ201は、CPU、コントローラ、制御部、制御装置、制御回路といった他の用語に読み替えられてよい。
【0042】
無線通信I/F203は、携帯端末20を通信ネットワークNに接続し、無線信号を送受信するためのインタフェースである。無線通信I/F203が対応する通信方式の例として、Wi-Fi、LTE、4G、5G、Bluetoothが挙げられる。
【0043】
入力装置204は、ユーザから携帯端末20への入力操作を受け付ける装置である。入力装置204の例として、タッチパネル、ボタン、マイク等が挙げられる。
【0044】
表示装置205は、画像を表示するための装置である。表示装置205の例として、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。
【0045】
音出力装置206は、音を出力するための装置である。音出力装置206の例として、スピーカ、ヘッドフォン等が挙げられる。なお、携帯端末20は、音出力装置206を備えなくてもよい。
【0046】
撮像装置207は、画像を撮像するための装置である。撮像装置207は、動画及び静止画のいずれも撮像できてよい。撮像装置207は、カメラと読み替えられてもよい。
【0047】
発光装置208は、様々な色の光を様々な発光パターン(例えば点灯、点滅)で発光するための装置である。発光装置208の例として、LED(Light Emitting Diode)が挙げられる。なお、携帯端末20は、発光装置208を備えなくてもよい。
【0048】
ストレージ209は、不揮発性記憶媒体の一例であり、携帯端末20が取り扱うプログラム及びデータ等を格納する。なお、ストレージ209は、球技映像解析装置100にて格納されている選手ID121と対応付けられたテーマ曲124を格納してもよい。この場合、携帯端末20のストレージ209に、容量の大きなテーマ曲に対応する音楽データを格納することで、テーマ曲124を再生する際のデータ通信量を削減する効果が得られる。ストレージ209の例として、フラッシュメモリが挙げられる。
【0049】
<球技映像解析システムの動作例>
図5は、球技映像解析システム10が選手Aと選手Bのサーブを解析する処理の例を説明するための図である。
図5において、tは時刻を示す(
図6、
図7、
図9、
図10も同様)。
【0050】
球技映像解析システム10は、例えば、選手Aと選手Bのサーブを次のように解析する。
【0051】
(S11)選手Aが、携帯端末20の撮像装置207の前に立つ。
(S12)携帯端末20は、撮像装置207にて選手Aの顔画像を撮像し、当該顔画像を球技映像解析装置100へ送信する。
(S13)球技映像解析装置100は、選手識別処理を実行する。例えば、球技映像解析装置100は、携帯端末20から受信した顔画像を各顔特徴情報と照合することにより、顔画像に映っている選手が選手Aであることを特定し、当該選手Aの選手IDを特定する。
(S14)球技映像解析装置100は、サーブ検出処理を実行する。例えば、球技映像解析装置100は、第1の携帯端末20A及び第2の携帯端末20Bからそれぞれストリーミングで送信される第1の動画123A及び第2の動画123Bを解析し、選手Aのサーブを検出する。
(S15)選手Aがサーブを打つと、サーブ検出処理によってサーブが検出される。
(S16)球技映像解析装置100は、ボール追跡処理を実行する。例えば、球技映像解析装置100は、第1の携帯端末20A及び第2の携帯端末20Bからそれぞれストリーミングで送信される第1の動画123A及び第2の動画123Bから選手Aが打ったサーブのボールの3次元座標を追跡し、解析結果情報125を生成する。球技映像解析装置100は、当該解析結果情報125に、ステップS13で特定した選手Aの選手IDを対応付けて管理する。
(S17)球技映像解析装置100による選手Aのボール追跡処理が完了した後、選手Bが携帯端末20の撮像装置207の前に立つ。
(S18)携帯端末20は、撮像装置207にて選手Bの顔画像を撮像し、当該顔画像を球技映像解析装置100へ送信する。
(S19)球技映像解析装置100は、上記のステップS13と同様に、選手識別処理を実行し、選手Bの選手IDを特定する。
(S20)球技映像解析装置100は、上記のステップS14と同様に、サーブ検出処理を実行し、選手Bのサーブを検出する。
(S21)選手Bがサーブを打つと、サーブ検出処理によってサーブが検出される。
【0052】
球技映像解析システム10は、上述の処理を繰り返すことにより、各選手のサーブの解析結果情報125を生成及び管理することができる。
【0053】
ここで、選手は、選手識別処理が完了したタイミング(上記のステップS13(又はステップS19)が完了したタイミング)がわからないと、いつサーブを打ち始めてよいかわからない。
【0054】
また、ボール追跡処理が完了したタイミング(上記のステップS16が完了したタイミング)がわからないと、次の選手(上記では選手B)は、いつ前の選手(上記では選手A)と交代してよいかわからない。
【0055】
そこで、本実施の形態の球技映像解析装置100は、選手の識別を完了したタイミングから、当該選手が打ったサーブのサーブ検出及びボールの追跡を完了するタイミングまでの間、当該選手に割り当てられたテーマ曲124を携帯端末20の音出力装置206から出力させる。例えば、
図5に示すように、球技映像解析装置100は、ステップS13において選手Aの選手IDを特定したタイミングで、当該選手ID(つまり選手A)に割り当てられているテーマ曲124(つまり選手Aのテーマ曲124)を、携帯端末20から出力させる。なお、球技映像解析装置100は、選手の識別を完了する以前において、携帯端末20から音を出力させなくてよい。これにより、選手Aは、当該選手Aのテーマ曲124が聞こえたら、サーブを打ち始めてよいことがわかる。
【0056】
加えて、
図5に示すように、球技映像解析装置100は、ステップS16において選手Aのサーブの検出及びボールの追跡が完了したタイミングで、携帯端末20に、選手Aのテーマ曲124の出力を停止させる。これにより、選手Aは、当該選手Aのテーマ曲124が聞こえなくなったら、先ほど打ったサーブの解析が完了したと認識できる。加えて、選手Bは、選手Aのテーマ曲124が聞こえなくなったら、携帯端末20の撮像装置207の前に立てばよいことがわかる。
【0057】
また、テーマ曲124が選手ごとに異なるため、選手は、当該選手に割り当てられたテーマ曲124が聞こえたら、自分が正しく識別されたと認識できる。別言すると、選手は、当該選手に割り当てられたものとは異なるテーマ曲124が聞こえたら、自分が正しく識別されなかったと認識できる。これにより、サーブを打った選手と異なる選手の選手IDが誤って解析結果情報125に対応付けられてしまうことを防止できる。なお、確実の選手を識別できるように、テーマ曲124の再生する直前に、選手名を音声で出力するようにすると、スムーズに選手を誘導することができる。
【0058】
なお、例えば、ステップS11にて選手Aが撮像装置27の前に立ったにも関わらず、選手Bのテーマ曲124が聞こえてきた場合、ステップS15において、選手Aに代えて選手Bがサーブを打ってもよい。これにより、ステップS16のボール追跡処理において、誤って識別された選手Bの選手ID121を、選手Bが打ったサーブの解析結果情報125に対応付けることができる。つまり、選手ごとに異なるテーマ曲124を出力することにより、顔認証が誤った場合にも、選手側で簡単に対処することができ、各選手のサーブの練習及び解析を効率的に行うことができる。
【0059】
図6は、サーブ促進前期間及びサーブ検出期間を説明するための図である。なお、サーブ促進前期間は第1の閾値と、サーブ検出期間は第2の閾値と読み替えられてもよい。
【0060】
球技映像解析装置100は、サーブ検出期間(例えば30秒)と、当該サーブ検出期間よりも短いサーブ促進前期間(例えば20秒)とを予め設定してよい。球技映像解析装置100は、選手を識別してから状態通知のためのタイマーを開始し、当該タイマーがサーブ検出期間を超えた場合、サーブ検出処理をいったん終了してよい。
【0061】
加えて、球技映像解析装置100は、タイマーがサーブ促進前期間を超えた場合、
図6に示すように、選手Aのテーマ曲124に代えて、ビープ音を携帯端末20から出力させてよい。これにより、選手Aは、ビープ音を聞いて、サーブ検出期間がもうすぐ終わることを認識できる。ビープ音が出力されている間に選手Aがサーブを打ち、球技映像解析装置100がサーブを検出した場合、球技映像解析装置100は、携帯端末20に、ビープ音の出力を停止させ、選手Aのテーマ曲124を出力させてよい。この選手Aのテーマ曲124は、選手Aが打ったサーブのボール追跡処理が完了するまで出力されてよい。
【0062】
なお、タイマーがサーブ促進前期間を超えた場合に出力される音は、ビープ音に限られない。例えば、ビープ音に代えて、いずれの選手とも異なる所定の曲を出力してもよい。あるいは、ビープ音に代えて、選手のテーマ曲124の再生速度を上げて出力してもよい。また、選手のテーマ曲124は第1の音と、ビープ音は第2の音と読み替られてもよい。
【0063】
図7は、球技映像解析装置100がサーブ検出に失敗した場合の処理の例を説明するための図である。
【0064】
図7に示すように、選手Aのテーマ曲124が出力されている間に選手Aがサーブを打ったものの、球技映像解析装置100がサーブの検出に失敗した場合、タイマーがサーブ促進前期間を超えるので、携帯端末20からビープ音が出力される。これにより、選手Aは、球技映像解析装置100がサーブの検出に失敗したことを認識でき、サーブを打ち直すことができる。打ち直したサーブが検出された場合、
図6の場合と同様、ビープ音が停止され、選手Aのテーマ曲124が出力されてよい。これにより、選手Aは、打ち直したサーブが検出されたことを認識できる。
【0065】
<球技映像解析装置の処理>
図8は、球技映像解析装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。上記にて
図5、
図6、
図7を参照して説明した処理は、
図8に示す当該処理が実行されることにより実現されてよい。
【0066】
球技映像解析装置100(プロセッサ101)は、携帯端末20から送信された顔画像に基づき選手識別処理を実行し、当該顔画像に映っている選手の選手ID121を特定する(S101)。なお、選手識別処理は、球技映像解析装置100とは別の装置で実行されてもよい。
【0067】
球技映像解析装置100は、選手識別処理が選手ID121の特定を完了したか否かを判定する(S102)。球技映像解析装置100は、選手識別処理が選手ID121の特定をまだ完了していない場合(S102:NO)、ステップS101の処理に戻り、選手識別処理が選手ID121の特定を完了した場合(S102:YES)、次のステップS103の処理に進む。
【0068】
球技映像解析装置100は、状態通知のためのタイマーを開始する(S103)。球技映像解析装置100は、ステップS101にて特定した選手ID121に割り当てられているテーマ曲124を、携帯端末20に出力させる(S104)。これにより、選手は、選手識別処理が完了し、サーブを打ち始めてよいことを認識できる。
【0069】
球技映像解析装置100は、第1の携帯端末20及び第2の携帯端末20からそれぞれ受信する第1の動画123A及び第2の動画123Bを用いてサーブ検出処理を実行する(S105)。
【0070】
球技映像解析装置100は、サーブ検出処理がサーブを検出できたか否かを判定する(S106)。球技映像解析装置100は、サーブ検出処理がサーブをまだ検出できていない場合(S106:NO)、ステップS107の処理に進み、サーブ検出処理がサーブを検出した場合(S106:YES)、ステップS110の処理に進む。
【0071】
まず、サーブ検出処理がサーブをまだ検出てきていない場合(S106がNOの場合)について説明する。
【0072】
球技映像解析装置100は、タイマーが予め定められたサーブ促進前期間(例えば20秒)を超えたか否かを判定する(S107)。
【0073】
タイマーがまだサーブ促進前期間を超えていない場合(S107:NO)、球技映像解析装置100は、ステップS105の処理に戻る。
【0074】
タイマーがサーブ促進前期間を超えた場合(S107:YES)、球技映像解析装置100は、ビープ音を携帯端末20に出力させる(S108)。このとき、携帯端末20は、選手のテーマ曲124を出力中である場合、当該選手のテーマ曲124を停止し、ビープ音を出力してよい。携帯端末20は、ビープ音を出力中である場合、当該ビープ音の出力を継続してよい。これにより、選手は、ビープ音を聞いて、サーブ検出期間がもうすぐ終了することを認識できる。
【0075】
球技映像解析装置100は、タイマーが予め定められたサーブ検出期間(例えば30秒)を超えたか否かを判定する(S109)。
【0076】
タイマーがまだサーブ検出期間を超えていない場合(S109:NO)、球技映像解析装置100は、ステップS105の処理に戻る。タイマーがサーブ検出期間を超えた場合(S109:YES)、球技映像解析装置100は、ステップS115の処理に進む。
【0077】
次に、サーブを検出できた場合(S106がYESの場合)について説明する。
【0078】
球技映像解析装置100は、タイマーをリセットして開始する(S110)。
【0079】
球技映像解析装置100は、ステップS101にて特定した選手IDに割り当てられているテーマ曲124を、携帯端末20に出力させる(S111)。このとき、携帯端末20は、選手のテーマ曲124を出力中である場合、当該選手のテーマ曲124の出力を継続してよい。携帯端末20は、ビープ音を出力中である場合、当該ビープ音を停止し、選手のテーマ曲124を出力してよい。このように、ビープ音から選手のテーマ曲124に切り替えることにより、選手は、
図7にて説明したように、打ち直したサーブの検出が成功したことを認識できる。
【0080】
球技映像解析装置100は、第1の動画123A及び第2の動画123Bを用いてボール追跡処理を実行する(S112)。
【0081】
球技映像解析装置100は、ボール追跡処理が完了したか否かを判定する(S113)。球技映像解析装置100は、ボール追跡処理が完了した場合(S113:YES)、ステップS115の処理に進む。
【0082】
球技映像解析装置100は、ボール追跡処理がまだ完了していない場合(S113:NO)、タイマーが予め定められたボール追跡期間を超えたか否かを判定する(S114)。なお、ボール追跡期間は第3の閾値と読み替えられてもよい。
【0083】
タイマーがまだボール追跡期間を超えていない場合(S114:NO)、球技映像解析装置100は、ステップS112の処理に戻る。タイマーがボール追跡期間を超えた場合(S114:YES)、球技映像解析装置100は、ステップS115の処理に進む。
【0084】
球技映像解析装置100は、携帯端末20に音の出力を停止させ(S115)、本処理を終了する。これにより、ステップS101にて識別した選手が打ったサーブのボール追跡が完了し、当該選手の選手IDが対応付けられた解析結果情報125が生成される。
【0085】
そして、球技映像解析装置100は、またステップS101から処理を開始する。このように、球技映像解析装置100は、
図8に示す処理を繰り返すことにより、各選手のサーブの解析結果情報125を生成することができる。
【0086】
<変形例>
図9は、選手のテーマ曲124の出力に代えて、選手に割り当てられた色を点灯させる変形例を説明するための図である。
図10は、ビープ音の出力に代えて、選手に割り当てられた色を点滅させる変形例を説明するための図である。
【0087】
球技映像解析装置100は、
図5にて説明した選手のテーマ曲124の出力に代えて(又は選手のテーマ曲124の出力と共に)、
図9に示すように、携帯端末20の発光装置208を、選手識別処理にて識別された選手に割り当てられた色の光にて点灯させてよい。また、球技映像解析装置100は、選手識別処理を行っている間、携帯端末20の発光装置208を消灯させ、選手識別処理が完了した後に発光装置208を点灯させてよい。これにより、選手は、携帯端末20の発光装置208が当該選手に割り当てられた色で点灯したことを見て、サーブを打ち始めてよいことを認識できる。
【0088】
なお、複数の色を発光できるLEDランプ等を携帯端末20の所定の出力端子に接続することで、発光装置208を構成することができる。また、携帯端末20のタッチパネル等の表示装置205を、選手に割り当てられた色の光にて点灯させてもよい。また、選手を識別できるものであれば、単色の色に限られず、表示装置205の画面に、多様なパターン画像(複数の配色、模様、アイコン、選手写真などを含む)を表示してもよい。さらに、点灯の開始時などに、選手名を音声で出力することにより、スムーズに選手を誘導することができる。
【0089】
また、球技映像解析装置100は、
図10にて説明したビープ音の出力に代えて(又はビープ音の出力と共に)、
図10に示すように、携帯端末20の発光装置208を、選手識別処理にて識別された選手に割り当てられた色にて点滅させてよい。これにより、選手は、携帯端末20の発光装置208が当該選手に割り当てられた色で点滅したことを見て、サーブ検出期間がもうすぐ終わることを認識できる。なお、球技映像解析装置100は、色の点滅に代えて、いずれの選手に割り当てられた色とも異なる所定の色(つまりサーブ促進前期間を超えたことを示す所定の色)で、携帯端末20の発光装置208を点灯させてもよい。
【0090】
上述では、選手が交代でサーブを打つ場合の球技映像解析装置100の動作例について説明した。しかし、球技映像解析装置100は、同じ選手がサーブを打ち続ける場合にも対応できてよい。この場合、球技映像解析装置100は、最初に一回だけ選手の選手識別処理を行って選手IDを特定し、以降の選手識別処理(例えば
図5での選手Bの選手識別(ステップS19))を行わなくてよい。そして、球技映像解析装置100は、識別した選手のテーマ曲124を出力し、その間に打たれたサーブのサーブ検出処理及びボール追跡処理が終了したタイミングで、いったん当該選手のテーマ曲124の出力を停止し、次のサーブ検出処理及びボール追跡処理の準備が整ったタイミングで当該選手のテーマ曲124の出力を開始(再開)してよい。これにより、選手が連続してサーブを打って、球技映像解析装置100によるサーブ検出処理及びボール追跡処理が間に合わなくなったり、打ったサーブの検出漏れが発生したりすることを抑制できる。
【0091】
また、球技映像解析装置100は、同じ選手がサーブを打ち続ける場合のモードと、選手が交代でサーブを打つ場合のモードとを切り替える設定を備えてよい。選手は、携帯端末20を通じて、球技映像解析装置100のこれらのモードの切り替えを設定できてよい。
【0092】
(本開示のまとめ)
本開示の内容は以下のように表現できる。
【0093】
<表現1>
球技映像解析装置100は、2台の撮像装置207がそれぞれ撮像する第1の動画123A及び第2の動画123Bを受信する通信インタフェース103と、第1の動画123A及び第2の動画123Bに基づく球技用の移動体(例えばボール)に対する人物(例えば選手)のアクション(例えばサーブ)の検出が可能であることを示す第1の音(例えばテーマ曲124)を出力させるプロセッサ101と、を備える。
これにより、人物は、第1の音が聞こえた場合に、移動体に対するアクションを開始してよいことを認識できる。すなわち、第1の音の出力により、球技映像解析装置100がアクションの検出が可能な状況であることを人物に認識させることができる。
【0094】
<表現2>
表現1に記載の球技映像解析装置100において、プロセッサ101は、人物を識別した後、第1の音の出力を開始してよい。
これにより、人物は、第1の音が聞こえた場合に、当該人物の識別が完了したことを認識できる。
【0095】
<表現3>
表現2に記載の球技映像解析装置100において、プロセッサ101は、人物の識別が完了するまで、第1の音を出力させなくてよい。
これにより、人物は、第1の音が聞こえない場合、当該人物の識別が完了していないことを認識できる。
【0096】
<表現4>
表現2又は3に記載の球技映像解析装置100において、第1の音は、識別した人物に予め割り当てられているテーマ曲であってよい。
これにより、人物は、当該人物に割り当てられたテーマ曲が聞こえた場合に、当該人物の識別が完了し、移動体に対するアクションを開始してよいことを認識できる。
【0097】
<表現5>
表現2から4のいずれか1つに記載の球技映像解析装置100において、プロセッサ101は、第1の音の出力を開始してから所定期間(例えばサーブ促進前期間)内にアクションを検出できない場合、第2の音(例えばビープ音)を出力させてよい。
これにより、球技映像解析装置100は、第2の音を人物に聞かせて、人物にアクションの実行を促すことができる。
【0098】
<表現6>
表現2から5のいずれか1つに記載の球技映像解析装置100において、プロセッサ101は、移動体の追跡処理が完了するまで第1の音の出力を継続させてよい。
これにより、人物は、第1の音が聞こえている間、移動体の追跡処理が行われていることを認識できる。
【0099】
<表現7>
球技映像解析装置100は、2台の撮像装置207がそれぞれ撮像する第1の動画123A及び第2の動画123Bを受信する通信インタフェース103と、第1の動画123A及び第2の動画123Bに基づく球技用の移動体(例えばボール)に対する人物(例えば選手)のアクション(例えばサーブ)の検出が可能であることを示す光を出力させるプロセッサ101と、を備える。
これにより、人物は、光の出力が見えた場合に、移動体に対するアクションを開始してよいことを認識できる。すなわち、光の出力により、球技映像解析装置100がアクションの検出が可能な状況であることを人物に認識させることができる。
【0100】
<表現8>
表現7に記載の球技映像解析装置100において、プロセッサ101は、人物を識別した後、光の出力を開始してよい。
これにより、人物は、光の出力が見えた場合に、当該人物の識別が完了したことを認識できる。
【0101】
<表現9>
表現8に記載の球技映像解析装置100において、プロセッサ101は、人物の識別が完了するまで、光を出力させなくてよい。
これにより、人物は、光の出力が見えない場合、当該人物の識別が完了していないことを認識できる。
【0102】
<表現10>
表現8又は9に記載の球技映像解析装置100において、光は、識別した人物に予め割り当てられている色またはパターン画像であってよい。
これにより、人物は、当該人物に割り当てられた色の光が見えた場合に、当該人物の識別が完了し、移動体に対するアクションを開始してよいことを認識できる。
【0103】
<表現11>
表現8から10のいずれか1項に記載の球技映像解析装置100において、プロセッサ101は、光の出力を開始してから所定期間(例えばサーブ促進前期間)内にアクションを検出できない場合、光を点滅させてよい。
これにより、球技映像解析装置100は、光の点滅を人物に見せて、人物にアクションの実行を促すことができる。
【0104】
<表現12>
球技映像解析方法として、人物(例えば選手)を識別し、識別した人物に割り当てられている第1の音(例えばテーマ曲124)を出力し、2台の撮像装置207がそれぞれ撮像する第1の動画123A及び第2の動画123Bを受信し、第1の動画123A及び第2の動画123Bに基づいて、球技用の移動体(例えばボール)に対する識別した人物のアクション(例えばサーブ)を解析する。
これにより、人物は、第1の音が聞こえた場合に、移動体に対するアクションを開始してよいことを認識できる。すなわち、第1の音の出力により、球技映像解析装置100がアクションの検出が可能な状況であることを人物に認識させることができる。
【0105】
<表現13>
コンピュータプログラムは、人物(例えば選手0を識別し、識別した人物に割り当てられている第1の音(例えばテーマ曲124)を出力し、2台の撮像装置207がそれぞれ撮像する第1の動画123A及び第2の動画123Bを受信し、第1の動画123A及び第2の動画123Bに基づいて、球技用の移動体(例えばボール)に対する識別した人物のアクションを解析する、ことをコンピュータに実行させる。
これにより、人物は、第1の音が聞こえた場合に、移動体に対するアクションを開始してよいことを認識できる。すなわち、第1の音の出力により、球技映像解析装置100がアクションの検出が可能な状況であることを人物に認識させることができる。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本開示の技術は、移動体を用いるスポーツの解析に有用である。
【符号の説明】
【0108】
10 球技映像解析システム
100 球技映像解析装置
101 プロセッサ
102 メモリ
103 通信I/F
104 入力I/F
105 出力I/F
106 ストレージ
121 選手ID
122 顔特徴情報
123A 第1の動画
123B 第2の動画
124 テーマ曲
125 解析結果情報
20 携帯端末
20A 第1の携帯端末
20B 第2の携帯端末
201 プロセッサ
202 メモリ
203 通信I/F
204 入力装置
205 表示装置
206 音出力装置
207 撮像装置
208 発光装置
209 ストレージ