(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20230929BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20230929BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H04N25/70
H01L27/146 E
(21)【出願番号】P 2019006980
(22)【出願日】2019-01-18
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2018014386
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018024166
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】磯野 俊介
(72)【発明者】
【氏名】仲順 秋男
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/169231(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/159362(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/169757(WO,A1)
【文献】特開2016-033977(JP,A)
【文献】特開2013-069711(JP,A)
【文献】特開昭61-024274(JP,A)
【文献】特開2014-060315(JP,A)
【文献】特開昭57-045272(JP,A)
【文献】特開2017-175004(JP,A)
【文献】国際公開第2015/115553(WO,A1)
【文献】特開2011-035038(JP,A)
【文献】特開2010-278105(JP,A)
【文献】特開2010-040621(JP,A)
【文献】国際公開第2014/103150(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が配列される画素領域と、前記画素領域に隣接する周辺領域とを有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記画素領域および前記周辺領域を覆う絶縁層と、
前記画素領域において前記絶縁層上に位置する第1電極と、
前記第1電極を覆う光電変換層と、
前記光電変換層を覆う第2電極と、
前記第2電極を覆い、前記画素領域および前記周辺領域において前記絶縁層上または前記第2電極上に位置する第1層と、
を備え、
前記周辺領域における前記第1層の厚みは、前記画素領域における前記第1層の厚みよりも大きく、
前記周辺領域における前記第1層の上面は、前記画素領域における前記第1層の上面よりも上方に位置
し、
前記第1層は、
前記絶縁層上または前記第2電極上に位置し、それぞれが前記画素領域および前記周辺領域を覆い、それぞれが絶縁性の材料を含む、少なくとも1つの層と、
前記少なくとも1つの層上に位置し、前記画素領域および前記周辺領域を覆うマイクロレンズを構成する層と、
前記マイクロレンズを構成する層上に位置し、前記周辺領域のみを覆い、絶縁性の材料を含む保護膜と
を含む、
撮像装置。
【請求項2】
前記周辺領域であって平面視において前記光電変換層と重ならない領域における前記第1層の厚みは、前記画素領域における前記第1層の厚みよりも大きい、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数の画素は、入射光の強度を検出するための画素である、
請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1電極に電気的に接続され、前記第1電極からの信号を検出する検出回路をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1電極に電気的に接続されたゲートを有する増幅トランジスタをさらに備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記周辺領域における前記第1層の上面は、前記画素領域における前記複数の画素の上面よりも上方に位置する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記
少なくとも1つの層は、複数の層を含む、
請求項
1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記
少なくとも1つの層は、カラーフィルタを構成する層を含む、
請求項
1から7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記
保護膜は、複数の層を含む、
請求項
1から8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記光電変換層は、前記周辺領域に延伸して配置され、
前記
保護膜は、平面視において前記光電変換層と重なる、
請求項
1から9のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記
保護膜の厚さは、前記光電変換層の厚さよりも大きい、
請求項
1から10のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記
保護膜は、波長400nm以上600nm以下の領域における光の透過率が20%以下である、
請求項
1から11のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記
保護膜の厚さは、3μm以上20μm以下である、
請求項
1から12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記周辺領域における前記第1層の上面は、前記マイクロレンズの上面よりも上方に位置する、
請求項1から
13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記
保護膜の厚さは、前記マイクロレンズの厚さよりも大きい、
請求項
1から14のいずれか一項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、有機膜積層型の撮像装置が開示されている。有機膜積層型の撮像装置は、有機半導体材料からなる光電変換膜、いわゆる、有機膜が半導体基板上に積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像装置において、膜剥がれ等の不具合の発生を低減することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る撮像装置は、複数の画素が配列される画素領域と、前記画素領域に隣接する周辺領域とを有する半導体基板と、前記半導体基板の前記画素領域および前記周辺領域を覆う絶縁層と、前記画素領域において前記絶縁層上に位置する第1電極と、前記第1電極を覆う光電変換層と、前記光電変換層を覆う第2電極と、前記第2電極を覆い、前記画素領域および前記周辺領域において前記絶縁層上または前記第2電極上に位置する第1層とを備え、前記周辺領域における前記第1層の厚みは、前記画素領域における前記第1層の厚みよりも大きく、前記周辺領域における前記第1層の上面は、前記画素領域における前記第1層の上面よりも上方に位置し、前記第1層は、前記絶縁層上または前記第2電極上に位置し、それぞれが前記画素領域および前記周辺領域を覆い、それぞれが絶縁性の材料を含む、少なくとも1つの層と、前記少なくとも1つの層上に位置し、前記画素領域および前記周辺領域を覆うマイクロレンズを構成する層と、前記マイクロレンズを構成する層上に位置し、前記周辺領域のみを覆い、絶縁性の材料を含む保護膜とを含む。
【0006】
なお、本開示の包括的または具体的な態様は、素子、デバイス、または装置で実現されてもよい。また、本開示の包括的または具体的な態様は、素子、デバイス、および装置の任意の組み合わせによって実現されてもよい。開示された実施形態の追加的な効果および利点は、明細書および図面から明らかになる。効果および/または利点は、明細書および図面に開示の様々な実施形態または特徴によって個々に提供され、これらの1つ以上を得るために全てを必要とはしない。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、膜剥がれ等の不具合の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る撮像装置の平面構造の一例を説明する図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線における概略断面図である。
【
図3】
図3は、本開示の撮像装置を備えるカメラシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本発明者らの知見)
有機膜積層型の撮像装置では、光電変換層が有機半導体材料から構成されている。光電変換層は、真空蒸着により形成される。真空蒸着では、光電変換層のパターンを形成する場合、光電変換層を形成する位置が開口したメタルマスクなどのシャドウマスクを用いる。メタルマスクに異物が付着していた場合、光電変換層を形成する際に、その異物がウェハに転写されることがある。
【0010】
従来の半導体装置の製造に用いられるエッチング、アッシングおよび薬液洗浄を用いると、光電変換層中の有機半導体材料が分解してしまう可能性がある。そのため、マスクからウェハに転写された異物を、エッチング、アッシングおよび薬液洗浄によって取り除くことが難しい。したがって、有機積層型の撮像装置では、光電変換層以外の領域に異物が残存することがある。
【0011】
その結果、撮像装置の表面に異物による凹凸が形成されると、後工程において、異物が脱離してしまい、膜剥がれ等の不具合が生じる場合がある。
【0012】
特許文献1に記載の撮像装置では、画素領域から周辺領域にかけてカラーフィルタの上にオーバーコート層が形成されている。なお、この画素領域は、平面視において光電変換層が位置している領域である。また、特許文献1に記載の撮像装置では、周辺領域の最上面は、画素領域の最上面と同じ高さである、または、画素領域の最上面よりも低い。特許文献1の撮像装置では、周辺領域に異物が付着した場合、異物による凹凸をオーバーコート層によって完全に覆い、撮像装置の最上面を平坦化することが難しい。つまり、撮像装置の表面に異物による凹凸が形成され、膜剥がれ等不具合が生じる場合がある。
【0013】
上記課題に鑑み鋭意検討した結果、発明者らは、異物の付着し易い周辺領域に、膜厚の大きい保護膜を形成することにより、異物による凹凸を平坦化できることを見出した。これにより、画素の特性を損なうことなく、膜剥がれ等の不具合の発生を低減できることを見出した。
【0014】
本開示の一態様の概要は、以下の通りである。
【0015】
[項目1]
複数の画素が配列される画素領域と、前記画素領域に隣接する周辺領域とを有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記画素領域および前記周辺領域を覆う絶縁層と、
前記画素領域において前記絶縁層上に位置する第1電極と、
前記第1電極を覆う光電変換層と、
前記光電変換層を覆う第2電極と、
前記第2電極を覆い、前記画素領域および前記周辺領域において前記絶縁層上または前 記第2電極上に位置する第1層と、
を備え、
前記周辺領域における前記第1層の厚みは、前記画素領域における前記第1層の厚みよりも大きく、
前記周辺領域における前記第1層の上面は、前記画素領域における前記第1層の上面よりも上方に位置する、
撮像装置。
【0016】
[項目2]
前記周辺領域であって平面視において前記光電変換層と重ならない領域における前記第1層の厚みは、前記画素領域における前記第1層の厚みよりも大きい、
項目1に記載の撮像装置。
【0017】
[項目3]
前記複数の画素は、入射光の強度を検出するための画素である、
項目1または2に記載の撮像装置。
【0018】
[項目4]
前記第1電極に電気的に接続され、前記第1電極からの信号を検出する検出回路をさらに備える、
項目1から3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0019】
[項目5]
前記第1電極に電気的に接続されたゲートを有する増幅トランジスタをさらに備える、
項目1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0020】
[項目6]
前記周辺領域における前記第1層の上面は、前記画素領域における前記複数の画素の上面よりも上方に位置する、
項目1から5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0021】
[項目7]
前記第1層は、
前記画素領域および前記周辺領域を覆う第2層と、
前記第2層上に位置し、前記周辺領域のみを覆う第3層と
を含む、
項目1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0022】
[項目8]
前記第2層は、複数の層を含む、
項目7に記載の撮像装置。
【0023】
[項目9]
前記第2層は、カラーフィルタを構成する層を含む、
項目7または8に記載の撮像装置。
【0024】
[項目10]
前記第3層は、複数の層を含む、
項目7から9のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0025】
[項目11]
前記光電変換層は、前記周辺領域に延伸して配置され、
前記第3層は、平面視において前記光電変換層と重なる、
項目7から10のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0026】
[項目12]
前記第3層の厚さは、前記光電変換層の厚さよりも大きい、
項目7から11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0027】
[項目13]
前記第3層は、波長400nm以上600nm以下の領域における光の透過率が20%以下である、
項目7から12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0028】
[項目14]
前記第3層の厚さは、3μm以上20μm以下である、
項目7から13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0029】
[項目15]
前記第2層は、マイクロレンズを構成する層を含む、
項目7から9のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0030】
[項目16]
前記画素領域において前記第2電極の上方に位置するマイクロレンズをさらに備え、
前記周辺領域における前記第1層の上面は、前記マイクロレンズの上面よりも上方に位置する、
項目1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0031】
[項目17]
前記画素領域において前記第2電極の上方に位置するマイクロレンズをさらに備え、
前記第3層の厚さは、前記マイクロレンズの厚さよりも大きい、
項目7から14のいずれか一項に記載の撮像装置。
【0032】
また、本開示の一態様の概要は、以下の通りである。
【0033】
本開示の一態様に係る撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に複数の画素が行列状に配置された画素部と、平面視において前記画素部の周辺に配置され、周辺回路を含む周辺部と、前記画素部および前記周辺部のうち前記周辺部のみの上方に選択的に配置された保護膜と、を備え、前記複数の画素のそれぞれは、下部電極と、前記下部電極に対向する上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に位置する光電変換層と、を備える光電変換部を備え、前記保護膜の上面は、前記画素部の上面よりも上方に位置する。
【0034】
上記構成によれば、保護膜が周辺部のみの上方を選択的に覆うことにより、異物の付着により生じる、周辺部の上面の凹凸を平坦化することができる。これにより、膜剥がれ等の不具合の発生を低減することができる。また、上記構成によれば、保護膜が周辺部のみの上方を選択的に覆うため、画素の特性に影響を与えにくい。
【0035】
例えば、本開示の一態様に係る撮像装置では、前記光電変換部は、平面視において、前記保護膜と重なる位置まで延在してもよい。
【0036】
上記構成によれば、光電変換部の周縁部が保護膜に覆われることにより、上部電極、光電変換層、下部電極および絶縁層の間の密着性を向上させることができる。
【0037】
また、本開示の一態様に係る撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に位置し、下部電極と、前記下部電極に対向する上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に位置する光電変換層と、を備える光電変換部と、を備える撮像装置であって、前記撮像装置は、第1領域と、前記第1領域を囲む第2領域と、を有し、前記光電変換部は、平面視において前記第1領域と、前記第2領域と、を覆い、前記撮像装置は、平面視において前記第2領域と重なる保護膜を備え、前記保護膜の上面は、前記第1領域における撮像装置の上面よりも上方に位置する。
【0038】
上記構成によれば、異物の付着により生じる、第2領域の上面の凹凸を平坦化することができるため、後工程での不具合の発生を低減することができる。また、上記構成によれば、光電変換部の周縁部が保護膜で覆われるため、上部電極、光電変換層、下部電極および絶縁層の間の密着性を向上させることができる。
【0039】
例えば、本開示の一態様に係る撮像装置では、前記保護膜の厚さは、前記光電変換層の厚さよりも大きくてもよい。
【0040】
上記構成によれば、異物の付着により生じる、周辺部の上面の凹凸を平坦化することができる。これにより、膜剥がれ等の不具合の発生を低減することができる。
【0041】
例えば、本開示の一態様に係る撮像装置は、さらに、前記光電変換部の上方に位置するマイクロレンズを備え、前記保護膜の厚さは、前記マイクロレンズの厚さよりも大きくてもよい。
【0042】
上記構成によれば、異物の付着により生じる、周辺部の上面の凹凸を平坦化することができる。これにより、膜剥がれ等の不具合の発生を低減することができる。
【0043】
本開示の一態様に係る撮像装置では、前記保護膜は、波長400nm以上600nm以下の領域における光の透過率が20%以下であってもよい。
【0044】
上記構成によれば、周辺部に配置された回路に入射する光の影響を低減することができる。
【0045】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態を詳細に説明する。
【0046】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、重複する説明については省略または簡略化することがある。
【0047】
また、図面に示す各種の要素は、本開示の理解のために模式的に示したにすぎず、寸法比および外観などは実物とは異なり得る。
【0048】
なお、本明細書において、撮像装置の受光側を「上方」とし、受光側と反対側を「下方」とする。各部材の「上面」、「下面」についても同様に、撮像装置の受光側の面を「上面」とし、受光側と反対側の面を「下面」とする。なお、「上方」、「下方」、「上面」および「下面」などの用語は、あくまでも部材間の相互の配置を指定するために用いており、撮像装置の使用時における姿勢を限定する意図ではない。
【0049】
本開示の一態様に係る撮像装置は、光を電気信号に変換する、すなわち光電変換を行う光電変換層を上層に有し、光電変換部にて得られた電気信号を外部に取り出すシリコンベースのCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路を含む信号処理回路部を下層に有する。このように、本開示の一態様に係る撮像装置では、光電変換部と信号処理回路部とが積層されているため、それらは独立に設計可能となる。
【0050】
(実施の形態)
本実施の形態に係る撮像装置の全体構成について、
図1および
図2を用いて説明する。
【0051】
図1は、本実施の形態に係る撮像装置100の平面構造の一例を説明する図である。
図2は、
図1のII-II線における概略断面図である。
【0052】
図1および
図2に示すように、撮像装置100は、半導体基板1と、半導体基板1上に形成された画素部30および周辺部40を備える。画素部30には、入射光の強度を検出するための複数の画素20が行列状に配置される。周辺部40は、平面視において画素部30の周辺に配置され、周辺回路を含む。また、撮像装置100は、画素部30および周辺部40のうち、周辺部40のみのZ軸方向のプラス側(以下、上方)に保護膜50を備える。なお、複数の画素20とは別に、輝度のゼロ点の基準を取るために使用されるOB画素(ダミー画素とも呼ぶ)を周辺部40に配置してもよい。また、
図2では省略されているが、OB画素上には遮光膜が形成されてもよい。半導体基板1の表面において、画素部30が配置される領域を画素領域と呼び、周辺部40が配置される領域を周辺領域と呼ぶこともある。
【0053】
このとき、保護膜50の上方の主面(以下、上面)は、画素部30の上面よりも上方に位置する。
【0054】
有機積層型の撮像装置では、例えば、真空蒸着により光電変換層を形成する。光電変換層のパターンを形成する場合、光電変換層を形成する位置が開口したメタルマスクなどのシャドウマスクを用いる。このマスクに異物が付着していた場合、周辺部において、ウェハに異物が転写されてしまうことがある。そのため、従来の有機積層型の撮像装置では、周辺部の上面に異物由来の凹凸が形成されることがある。周辺部の上面に凹凸が形成されると、後工程において、外力が加わった場合に、ウェハから異物が脱離することがある。ウェハから異物が脱離すると、異物を挟んで隣接する層同士の密着性が低下する、または、密着性が低下することによる層間剥離が生じる可能性がある。本実施の形態では、保護膜50が周辺部40のみの上方を覆うことにより、異物の付着により生じる、周辺部40の上面の凹凸を平坦化することができる。これにより、膜剥がれ等の不具合の発生を低減することができる。
【0055】
また、
図2に示すように、複数の画素20のそれぞれは、下部電極3と、下部電極3に対向する上部電極5と、下部電極3と上部電極5との間に位置する光電変換層4と、を備える光電変換部11を備える。本実施の形態では、周辺部40にダミー画素を設けており、平面視において、ダミー画素は保護膜50と重なる。つまり、光電変換部11は、平面視において、保護膜50と重なる位置まで延在している。より具体的には、光電変換部11は、画素部30から周辺部40に向かって延伸し、保護膜50と重なる。このとき、光電変換部11のうち周縁にある部分は、保護膜50に覆われる。このように、光電変換部11の周縁部が保護膜50に覆われることにより、上部電極5、光電変換層4、下部電極3および絶縁層2の間の密着性を向上させることができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、光電変換部11が平面視において保護膜50と重なる位置まで延在して配置される例を示したが、光電変換部11は、平面視において保護膜50と重なる位置まで延在して配置されなくてもよい。例えば、光電変換部11が画素部30内に配置される場合、光電変換部11は平面視において保護膜50と重ならない。このとき、上部電極5が光電変換部11よりも外側に延在する場合、つまり平面視において光電変換層4および画素部30よりも上部電極5の面積が大きい場合、保護膜50は、上部電極5と平面視において重なる。光電変換層に用いられる有機半導体材料は、下部電極3、絶縁層2および上部電極5との密着力が小さい。そのため、光電変換層4全体を上部電極5で覆うことにより、上部電極5、光電変換層4、下部電極3および絶縁層2の間の密着性を向上させることができる。さらに、上部電極5の周縁部が平面視において保護膜50と重なることにより、上部電極5、光電変換層4、下部電極3および絶縁層2の間の密着性をより向上させることができる。
【0057】
画素部30においては、各画素20に対応して、半導体基板1および絶縁層2の界面をまたぐように検出回路12が構成されている。絶縁層2のZ軸方向のプラス側(以下、上方とする)の主面、つまり、上面には、下部電極3が形成されている。下部電極3は、対応する検出回路12と、接続部13を介して接続されている。
【0058】
なお、本実施の形態では、光電変換部11が保護膜50と重なる位置まで延在して配置される。このとき、周辺部40においても、下部電極3は、対応する回路14と、接続部13を介して接続されている。このように周辺部40に配置された光電変換部11および回路14は、例えば、輝度のゼロ点などの基準を取るために使用される。
【0059】
複数の画素20は、半導体基板1上に2次元に配置されることにより、画素部30を形成している。図示はしないが、複数の画素20は、行方向および列方向に配置されている。なお、
図1において、X軸方向が行方向であり、Y軸方向が列方向である。複数の画素20は、各画素20の中心が正方格子の格子点上に位置するように配置されてもよく、三角格子、六角格子などの格子点上に位置するように配置されてもよい。なお、複数の画素20は、1次元に配列されてもよい。この場合、撮像装置をラインセンサとして利用することができる。複数の画素20は、入射光を受光し、入射光の強度を検出するための画素である。
【0060】
下部電極3は、光電変換層4で生成された電荷を捕集するための電極である。下部電極3は、例えば、窒化チタン(TiN)などの金属材料からなる。下部電極3は、銅(Cu)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)または、それらの化合物で構成されてもよい。また、複数の下部電極3は、それぞれの膜厚が均一であり、かつ、上面が平坦化されている。
【0061】
下部電極3は、絶縁層2の上面に、行方向および列方向に2次元に配置される。このとき、複数の下部電極3は、絶縁層2の上面に、例えば、マトリックス状に配置され、互いに一定の間隔を有している。なお、複数の画素20がマトリックス状に配置される場合、複数の下部電極3は、画素20の配置に合わせてマトリックス状に配置される。複数の画素20が1次元に配置される場合、複数の下部電極3は、画素20の配置に合わせて1次元に配置される。
【0062】
検出回路12は、複数の下部電極3の各々に対応して設けられており、対応する下部電極3によって捕集された信号電荷を検出し、電荷に応じた信号電圧を出力する。検出回路12は、例えば、MOS(Metal Oxide Semiconductor)回路あるいはTFT(Thin Film Transistor)回路などで構成されている。検出回路12は、例えば、下部電極3にゲートが接続された増幅トランジスタを含み、増幅トランジスタは、信号電荷の量に応じた信号電圧を出力する。検出回路12は、絶縁層2の内部などに設けられた遮光層(図示を省略)により遮光されている。
【0063】
接続部13は、各画素20の下部電極3と、対応する検出回路12とを電気的に接続する。接続部13は、例えば、銅(Cu)、タングステン(W)などの導電性材料を絶縁層2に埋め込むことにより形成される。
【0064】
絶縁層2は、半導体基板1上に形成され、複数の構成層2a、2b、2c、2dおよび2e(以下、2a~2e)を含む。ここで、半導体基板1は、例えば、シリコン(Si)などから構成される。複数の構成層2a~2eは、例えば、二酸化シリコン(SiO
2)などから構成される。各構成層2a~2eには、配線およびコンタクトプラグなどを含む配線層などが配置されている。なお、絶縁層2内の構成層の層数は、任意に設定可能であり、
図2に示す5層の構成層2a~2eの例に限定されない。
【0065】
また、周辺部40において、複数の接続部15、配線17、および周辺回路の一部を構成するトランジスタ16は、絶縁層2中に配置される。
【0066】
下部電極3が配置された構成層2eの上面に、光電変換層4が積層される。さらに、光電変換層4の上面に、上部電極5、緩衝層6、および封止層7が順に積層されている。封止層7の上面には、各画素20に対応した透過波長域のカラーフィルタ8が形成される。さらに、カラーフィルタ8の上面に、平坦化層9を介してマイクロレンズ10が形成されている。画素部30では、各画素20に対応して曲面を有するマイクロレンズ10が形成されている。マイクロレンズ10の材料層が、平坦な層として周辺部40に形成されてもよい。この場合、画素部30で各画素20に対応して形成されたマイクロレンズ10と、周辺部40に形成されたマイクロレンズ10の材料層とは、連続した1つの層である。各画素20内でのマイクロレンズ10の厚さは、例えば0.1μm以上3μm以下であってもよい。各画素20内でのマイクロレンズ10の厚さは、例えば0.5μm以上2μm以下であってもよい。上部電極5上に積層された、緩衝層6、封止層7、カラーフィルタ8、平坦化層9、およびマイクロレンズ10のそれぞれは、絶縁性の材料を含む層であってもよい。
【0067】
なお、隣接する下部電極3同士の間隙には、絶縁層2の構成層が位置している。
【0068】
光電変換層4は、受光した光の強さに応じて電荷を発生する光電変換材料で構成された層である。光電変換層4は、下部電極3と上部電極5とに挟持されている。光電変換材料は、例えば、有機半導体材料であり、p型有機半導体およびn型有機半導体の少なくとも一方を含む。
【0069】
なお、光電変換層4は、画素部30において、膜厚が均一であることが望ましい。光電変換層4の厚さは、例えば0.1μm以上2μm以下であってもよい。光電変換層4の厚さは、例えば0.3μm以上1μm以下であってもよい。
【0070】
本実施の形態では、上部電極5は、光電変換層4に対して光が入射する側に配置されている。上部電極5は、下部電極3に対向する電極である。上部電極5は、光を光電変換層4に入射させるために、透過性を有するとよい。上部電極5の材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明酸化物導電材料を用いてもよい。
【0071】
保護膜50は、画素部30および周辺部40のうち周辺部40のみの上方に配置される。保護膜50は、周辺部40において、少なくとも光電変換層4が位置していない領域と平面視で重なるように配置されればよい。保護膜50は、周辺部40の全体と平面視で重なるように配置されてもよい。保護膜50は絶縁性の材料を含む層であってもよい。保護膜50は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、アクリル系樹脂、ポリイミド、UV接着剤、エポキシ樹脂を用いて形成される。保護膜50は、1種類の材料から構成されてもよく、2種類以上の材料から構成されてもよい。また、保護膜50は、単層膜であってもよく、積層膜であってもよい。
【0072】
保護膜50は、成膜法、リソグラフィー法、または、これらのいずれかとエッチング法との組み合わせによって形成されてもよい。例えば、保護膜50は、画素部30および周辺部40の全体に亘って成膜された後、画素部30と平面視で重なる部分をエッチングすることにより、周辺部40のみの上方に形成されてもよい。また、例えば、保護膜50がポリイミドなどの感光性材料により構成される場合は、エッチングを行わず、リソグラフィーのみで形成されてもよい。より具体的には、保護膜50は、周辺部40の上面にのみ感光性材料を塗布し、露光することにより、周辺部40のみの上方に形成されてもよい。これにより、より簡便に、保護膜50を所望の位置に形成することができる。
【0073】
上記のように、本実施の形態では、保護膜50は、周辺部40のみの上方に形成される。したがって、保護膜50は、画素部30および周辺部40に亘って連続する1つの層とは異なる。例えば、カラーフィルタ8、平坦化層9またはマイクロレンズ10の材料層は、連続する1つの層の例としてそれぞれ挙げられる。連続する1つの層について、マイクロレンズ10の材料層を例に説明する。まず、マイクロレンズ10の材料層が画素部30および周辺部40の全体に亘って連続する層として形成される。その後に、画素部30においては、この層が各画素20に対応して曲面状に突出した部分を有するように形成される。本開示では、マイクロレンズ10およびマイクロレンズ10の材料層を、連続する1つの層にあると表現する。
【0074】
なお、本実施の形態では、周辺部40の上方にのみ選択的に形成された保護膜50を、画素部30および周辺部40に亘って連続する層とは別に設けた。しかし、保護膜50と、画素部30および周辺部40に亘って連続する層とは、連続する一つの層であってもよい。すなわち、画素部30および周辺部40に亘って連続する層であって、周辺部40に対応する部分の厚みが画素部30に対応する部分の厚みよりも大きい層を設けてもよい。また、このような連続する一つの層の周辺部40における上面は、画素部30における上面よりも上方に位置していてもよい。このような構成であっても同様の効果を得ることができる。
【0075】
なお、保護膜50は、反射率の小さい材料から構成されてもよい。保護膜50の反射率が低いと、撮像装置に入射した光が保護膜50の表面で反射されにくくなる。そのため、ゴーストの発生を低減することができる。このとき、保護膜50は、光の反射率が低く、かつ、光の透過率が高い層であってもよく、光の反射率が低く、かつ、光の透過率が低い層であってもよい。
【0076】
保護膜50は、例えば、高屈折率および低屈折率の層を複数層積層させて構成されてもよく、樹脂にフィラーなどの粒子を混合して構成されてもよく、樹脂に顔料などを混合して構成されてもよい。
【0077】
なお、保護膜50は、上記構成例に限られない。設計に応じて、保護膜50の光の透過率を調整することができる。これにより、周辺部40に配置された回路に入射する光の影響を低減することができる。このとき、保護膜50は、例えば、波長380nm以上780nm以下の可視光領域における光の透過率が小さくてもよい。ここで、光の透過率が小さいとは、光の透過率が50%未満である場合をいう。より具体的には、保護膜50は、波長400nm以上600nmの領域における光の透過率が20%以下であってもよい。
【0078】
なお、保護膜50は、遮光層としての機能を有してもよい。これにより、周辺部40に配置された回路に対する光の影響をより低減することができる。また、保護膜50が位置する領域をオプティカルブラック領域としても用いることができる。これにより、オプティカルブラック領域を設けるために遮光層を設ける工程を省略することができるため、製造効率を向上させることができる。
【0079】
保護膜50の上面は、画素部30の上面よりも上方に位置する。ここで画素部30の上面は、例えばマイクロレンズ10の上面であってもよい。本実施の形態では、撮像装置100は、カラーフィルタ8およびマイクロレンズ10を備える例を示しているが、これに限られない。本開示に係る撮像装置は、例えば、カラーフィルタ8またはマイクロレンズ10を備えてもよく、カラーフィルタ8およびマイクロレンズ10を備えなくてもよい。カラーフィルタ8またはマイクロレンズ10を備えない場合、画素部30の上面は、例えば平坦化層9の上面であってもよい。
【0080】
このとき、保護膜50の厚さは、光電変換層4の厚さよりも大きい。本実施の形態に係る撮像装置100のように、さらに、光電変換部11の上方に位置するマイクロレンズ10を備える場合には、保護膜50の厚さは、マイクロレンズ10の厚さよりも大きい。より具体的には、保護膜50の厚さは、数μm以上数十μm以下であるとよい。保護膜50の厚さは、例えば3μm以上20μm以下であってもよい。保護膜50の厚さは、例えば3μm以上10μm以下であってもよい。あるいは、保護膜50の厚さは、例えば5μm以上であってもよい。異物の大きさは約1~10μmであるため、保護膜50の厚さが5μm以上であれば異物を十分にカバーすることができ、膜剥がれ等の不具合を低減することができる。
【0081】
なお、本実施の形態において、下部電極3は第1電極を例示する。上部電極5は第2電極を例示する。緩衝層6から保護膜50までの複数の層全体は、第1層を例示する。緩衝層6から保護膜50までの層のうち、緩衝層6からマイクロレンズを構成する層10までの層全体は第2層を例示する。保護膜50は第3層を例示する。
【0082】
本実施の形態に係る撮像装置100は、上記構造を有することにより、周辺部40内に存在する異物を保護膜50で覆う。これによって、周辺部40の表面に異物が露出すること、および、周辺部40の上面に凹凸が形成されることを低減することが可能となる。つまり、周辺部40内に存在する異物を覆い、かつ、周辺部40の表面を平坦化することができる。このように、保護膜50は画素部30を覆わず、周辺部40のみを覆う。仮に保護膜50が画素部30の一部を覆う場合、保護膜50に覆われた画素20と覆われていない画素20とで画素特性に差が生じる可能性がある。しかし、保護膜50が周辺部40の上方のみに形成されることにより、画素特性に影響を与えにくい。また、周辺部40の表面が平坦化されるため、膜剥がれ等の不具合を低減することができる。また、入射光が周辺部40の上面で乱反射することも低減することができるため、ゴーストの発生を低減することができる。
【0083】
保護膜50を周辺部40の全体に配置した場合、周辺部40の全体に亘って表面が平坦化されるため、周辺部40の表面での乱反射を低減することが可能となる。これにより、フレアなどの発生を低減することができるため、撮像装置の光学特性を向上することが可能となる。
【0084】
なお、光電変換部11の周縁部が保護膜50に覆われる場合、
図2に示す画素部30に位置する領域を第1領域と称し、周辺部40に位置する領域を第2領域と称してもよい。第2領域は、保護膜50と平面視で重なる領域であり、光電変換部11の周縁部と平面視で重なる領域である。光電変換部11の周縁部は、輝度のゼロ点などの基準を取るために使用される。このとき、撮像装置は、半導体基板1と、半導体基板1上に位置し、下部電極3と、下部電極3に対向する上部電極5と、下部電極3と上部電極5との間に位置する光電変換層4と、を備える光電変換部11と、を備える撮像装置であって、撮像装置は、第1領域と、第1領域を囲む第2領域と、を有し、光電変換部11は、平面視において第1領域と、第2領域と、を覆い、撮像装置は、平面視において第2領域と重なる保護膜50を備え、保護膜50の上面は、第1領域における撮像装置の上面よりも上方に位置する。
【0085】
以上、本開示の撮像装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の形態や、上記実施の形態に対して本開示の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示に係る撮像装置を内蔵した各種機器も本開示の範囲に含まれる。
【0086】
なお、上記実施の形態では、撮像装置について説明したが、本開示に係る撮像装置はカメラシステムに利用されてもよい。
【0087】
図3は、本開示の撮像装置を備えるカメラシステムの一例を示す図である。ここでは、実施の形態に係る撮像装置100を備えたカメラシステム200について説明する。
【0088】
カメラシステム200は、レンズ光学系201と、撮像装置100と、システムコントローラ202と、カメラ信号処理部203とを備えている。レンズ光学系201は、例えば、オートフォーカス用レンズ、ズーム用レンズおよび絞りを含んでいる。レンズ光学系201は、撮像装置100の撮像面に光を集光する。システムコントローラ202は、例えば、マイクロコンピュータによって実現され得る。カメラ信号処理部203は、撮像装置100で撮像したデータを信号処理し、画像またはデータとして出力する信号処理回路として機能する。カメラ信号処理部203例えば、ガンマ補正、色補間処理、空間補間処理、およびホワイトバランスなどの処理を行う。カメラ信号処理部203は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)などによって実現され得る。
【0089】
本開示の一態様に係る撮像装置は、膜剥がれ等の不具合の発生を低減することができる。したがって、このような撮像装置100を用いることにより、カメラシステム200は、歩留まり良く製造される。
【0090】
本開示に係る撮像装置は、デジタルスチルカメラ、医療用カメラ、監視用カメラ、車載用カメラ、デジタル一眼レフカメラ、デジタルミラーレス一眼カメラ等、様々なカメラシステムおよびセンサシステムへの利用が可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 半導体基板
2 絶縁層
2a、2b、2c、2d、2e 構成層
3 下部電極
4 光電変換層
5 上部電極
6 緩衝層
7 封止層
8 カラーフィルタ
9 平坦化層
10 マイクロレンズを構成する層
11 光電変換部
12 検出回路
13 接続部
14 回路
15 接続部
16 トランジスタ
17 配線
20 画素
30 画素部
40 周辺部
50 保護膜
100 撮像装置
200 カメラシステム
201 レンズ光学系
202 システムコントローラ
203 カメラ信号処理部