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特許7357287熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料
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  • 特許-熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/04 20060101AFI20230929BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20230929BHJP
   C09K 5/14 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
C08L83/04
C08K3/22
C09K5/14 101E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020030913
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2021134273
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 圭一
(72)【発明者】
【氏名】山本 広志
【審査官】中落 臣諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-210305(JP,A)
【文献】特開2004-269562(JP,A)
【文献】特開昭56-000874(JP,A)
【文献】特開昭56-000834(JP,A)
【文献】特開2005-139267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L1/00-101/14
C08K3/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン成分(A)と、α化率が80%以上である多面体アルミナフィラー(B)とを含有し、
前記多面体アルミナフィラー(B)の、粒子数-粒子の面数の分布曲線は、粒子の面数が18以上40以下の位置に最大ピークを有する、
熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項2】
前記多面体アルミナフィラー(B)の熱伝導率は、30W/m・K以上である、
請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱伝導性シリコーン組成物から製造され、
前記シリコーン成分(A)から作製されたシリコーン樹脂マトリクスと、前記シリコーン樹脂マトリクス中に分散している前記多面体アルミナフィラー(B)とを含む、
熱伝導性シリコーン材料。
【請求項4】
アスカーC硬度が20以下である、
請求項に記載の熱伝導性シリコーン材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタ、コンピュータのCPU(中央演算処理装置)等の電気部品と放熱器(ヒートシンク)との間に熱伝導性材料を配置することで、電子・電気部品から発生する熱を放熱器に伝導させることが行われている。特許文献1には、シリコーンゴムにシランカップリング剤で表面処理を施した熱伝導性無機フィラーを分散させた熱伝導性シリコーンゴム組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-209618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子・電気部品の高集積化などに伴い、電子・電気部品からの発熱量は益々増大する傾向にある。また、サイズの異なる複数の電子・電気部品を一つの基板に実装する場合には各電子・電気部品が発する熱を熱伝導性材料で効率良く伝導させることも求められる。
【0005】
本発明の課題は、熱伝導性シリコーン材料の熱伝導性を高めることができる熱伝導性シリコーン組成物、及びこの熱伝導性シリコーン組成物から作製された熱伝導性シリコーン材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る熱伝導性シリコーン組成物は、シリコーン成分(A)と、α化率が80%以上である多面体アルミナフィラー(B)とを含有する。
【0007】
本発明の一態様に係る熱伝導性シリコーン材料は、前記熱伝導性シリコーン組成物から製造され、前記シリコーン成分(A)から作製されたシリコーン樹脂マトリクスと、前記シリコーン樹脂マトリクス中に分散している前記多面体アルミナフィラー(B)とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によると、熱伝導性シリコーン材料の熱伝導性を高めることができる熱伝導性シリコーン組成物、及びこの熱伝導性シリコーン組成物から作製された熱伝導性シリコーン材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる電子デバイスの概略の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態に係る熱伝導性シリコーン組成物は、熱伝導性シリコーン材料を作製するために用いられる。熱伝導性シリコーン組成物は、シリコーン成分(A)と、α化率が80%以上である多面体アルミナフィラー(B)とを含有する。
【0011】
シリコーン成分(A)は、例えば反応硬化型の液状のシリコーンゴム又はシリコーンゲルである。シリコーン成分(A)は二液型でも一液型でもよい。シリコーン成分(A)は、例えばオルガノポリシロキサンなどの反応性有機ケイ素化合物と硬化剤とを含有し、更に必要により触媒を含有する。硬化剤は、例えばオルガノハイドロジェンポリシロキサンと有機過酸化物とのうち少なくとも一方を含有する。触媒は例えば白金系触媒である。なお、シリコーン成分(A)が含有する成分が前記のみは制限されない。
【0012】
α化率が80%以上である多面体アルミナフィラー(B)は、熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗を効果的に低減しうる。これは、熱伝導性シリコーン材料中で多面体アルミナフィラー(B)の粒子同士が面接触しやすいために粒子間の熱の伝達効率が高くなりやすいからであると考えられる。また、多面体アルミナフィラー(B)は、α化率が80%以上であることで、高い熱伝導性を有しやすく、そのため、多面体アルミナフィラー(B)の粒子を通じた熱の伝達効率が更に高くなりやすいからであると考えられる。α化率は、110%以上であればより好ましく、120%以上であれば更に好ましい。
【0013】
なお、多面体アルミナフィラー(B)のα化率は、粉末X線回折装置を用いて得た多面体アルミナフィラー(B)の回折スペクトルから、2θ=25.6°の位置に現れるアルミナα相のピークの高さ(I25.6)と、2θ=46°の位置に現れるγ相、η相、χ相、κ相、θ相及びδ相のピーク高さ(I46)とから、I25.6/(I25.6+I46)×100(%)の式により、算出される。
【0014】
多面体アルミナフィラー(B)の熱伝導率は、30W/m・K以上であることが好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗が特に効果的に低減しうる。このような多面体アルミナフィラー(B)の高い熱伝導率は、多面体アルミナフィラー(B)の高いα化率によって実現できる。
【0015】
また、多面体アルミナフィラー(B)の形状は、走査型電子顕微鏡(SEM)で確認できる。電子顕微鏡で確認される多面体アルミナフィラー(B)中の粒子に例えば5以上150以下の面が確認できれば、多面体であると判断できる。
【0016】
多面体アルミナフィラー(B)の、粒子数-粒子の面数の分布曲線は、粒子の面数が8以上40以下の位置に最大ピークを有することが好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗が特に効果的に低減しうる。これは、粒子の面数が14以上25以下である場合に、粒子同士の接触の起こりやすさと接触面積の大きさとがバランスよく高くなり、それにより粒子間の熱伝導が特に起こりやすくなるためであると、考えられる。最大ピークが、粒子の面数が14以上25以下の位置にあればより好ましく、粒子の面数が14以上18以下の位置にあれば、特に好ましい。また、最大ピークが、粒子の面数が16に近い位置にあるほど好ましい。
【0017】
多面体アルミナフィラー(B)の平均粒径は、例えば1μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、多面体アルミナフィラー(B)の平均粒径は、動的光散乱法により得られる粒度分布から算出されるメディアン径(D50)である。
【0018】
多面体アルミナフィラー(B)は、シランカップリング剤で処理されていてもよい。多面体アルミナフィラー(B)がシランカップリング剤で処理されていると、熱伝導性シリコーン組成物中及び熱伝導性シリコーン材料中で多面体アルミナフィラー(B)が良好に分散しやすく、そのため熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗が低減しやすい。
【0019】
熱伝導性シリコーン組成物がシランカップリング剤を含有してもよい。この場合も、熱伝導性シリコーン組成物中及び熱伝導性シリコーン材料中で多面体アルミナフィラー(B)が良好に分散しやすく、そのため熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗が低減しやすい。
【0020】
多面体アルミナフィラー(B)の割合は熱伝導性シリコーン組成物全体に対して60体積%以上であることが好ましい。この割合が60体積%以上であれば、熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗が特に低減しやすい。多面体アルミナフィラー(B)の割合が80体積%以上であると、より好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗が更に低減しやすい。多面体アルミナフィラー(B)の割合が90体積%以下であることも好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン組成物が良好な流動性を有しやすく、かつ熱伝導性シリコーン材料が良好な柔軟性を有しやすい。
【0021】
熱伝導性シリコーン組成物は25℃で液状であることが好ましい。熱伝導性シリコーン組成物の25℃での粘度は、3000Pa・s以下であることが好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン組成物は良好な成形性を有することができ、例えばディスペンサーを用いて膜状に成形しやすくなる。また熱伝導性シリコーン組成物を脱泡しやすく、そのため熱伝導性シリコーン材料にボイドを生じにくくできる。なお、粘度は、E型回転粘度計を用いて0.3rpmの条件で測定される値である。
【0022】
熱伝導性シリコーン組成物は、多面体アルミナフィラー(B)以外のフィラーを更に含有してもよい。例えば熱伝導性シリコーン組成物は、多面体アルミナフィラー(B)以外の適宜の金属酸化物粒子、金属窒化物粒子、金属炭化物粒子、金属ほう化物粒子、及び金属単体粒子からなる群から選択される少なくとも一種を含有してもよい。
【0023】
熱伝導性シリコーン組成物は、例えば上記の成分を混練することで調製される。シリコーン成分(A)が二液型である場合には、シリコーン成分(A)における反応性有機ケイ素化合物を含む第一剤と、硬化剤を含む第二剤とからなる熱伝導性シリコーン組成物を調製し、使用時に第一剤と第二剤とを混合してもよい。この場合、多面体アルミナフィラー(B)は第一剤と第二剤とのうち少なくとも一方に含有されていればよい。
【0024】
熱伝導性シリコーン組成物から熱伝導性シリコーン材料を作製する場合、例えば熱伝導性シリコーン組成物をプレス成形、押出し成形、カレンダー成形等の適宜の方法で膜状に成形する。熱伝導性シリコーン組成物をディスペンサーで膜状に成形することも好ましい。続いて膜状の熱伝導性シリコーン組成物をその組成に応じた条件で加熱することで硬化させることで、膜状の熱伝導性シリコーン材料が得られる。
【0025】
なお、熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料の形状は膜状に限られず、適宜の形状であってよい。また、シリコーン成分(A)が常温硬化型である場合には加熱することなく熱伝導性シリコーン組成物を硬化させて熱伝導性シリコーン材料を得ることもできる。熱伝導性シリコーン材料は、シリコーン成分(A)から作製されたシリコーン樹脂マトリクスと、このシリコーン樹脂マトリクス中に分散されている多面体アルミナフィラー(B)とを備える。
【0026】
熱伝導性シリコーン材料は、多面体アルミナフィラー(B)を含有することで、低い熱抵抗を有しやすい。これは、上述のとおり、熱伝導性シリコーン材料中でフィラーの粒子同士が接触することで熱を伝達しうる経路が形成され、このとき粒子同士が面接触しやすいことで粒子間の熱の伝達効率が高くなりやすいからであると考えられる。さらに、多面体アルミナフィラー(B)は、α化率が80%以上であることで、高い熱伝導性を有しやすく、そのため、多面体アルミナフィラー(B)の粒子を通じた熱の伝達効率が更に高くなりやすいからであると考えられる。
【0027】
熱伝導性シリコーン材料にプレス圧がかけられている場合には、熱伝導性シリコーン材料のプレス圧の方向の熱抵抗が特に低くなりやすい。これは、プレス圧の方向に多面体アルミナフィラー(B)の粒子同士が接触しやすくなるためと考えられる。本実施形態では上述のように粒子同士が面接触しやすいため、プレス圧がかけられることによる熱抵抗の低減が特に生じやすく、プレス圧が小さくても熱抵抗が低減しうる。
【0028】
この熱伝導性シリコーン材料は、上記のように熱抵抗が低められることで、プレス圧1MPaの条件で直圧プレスされている状態での、プレス圧の方向の熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗は、0.8K/W以下であることが好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン材料は優れた熱伝導性を発現でき、プレス圧が低くても熱を効率良く伝達しやすい。この熱抵抗は0.7K/W以下であればより好ましく、0.6K/W以下であれば更に好ましい。
【0029】
熱伝導性シリコーン材料のアスカーC硬度は、40以下であることが好ましい。アスカーC硬度は、例えば高分子計器株式会社製のアスカーゴム硬度計C型を用いて測定される。アスカーC硬度が40以下であると、熱伝導性シリコーン材料は良好な柔軟性を有することができ、例えば反り、うねりなど種々の形状を有する面に密着させやすい。アスカーC硬度は20以下であれば更に好ましい。また、アスカーC硬度は例えば1以上である。この低いアスカーC硬度は、シリコーン成分(A)の選択、多面体アルミナフィラー(B)の粒径の選択、多面体アルミナフィラー(B)の割合の選択などによって実現可能である。
【0030】
熱伝導性シリコーン材料を備える電子デバイスの例について説明する。図1に示す電子デバイス1は、基板2、チップ部品3、ヒートスプレッダ4、ヒートシンク5及び二種の熱伝導性材料6(以下、TIM1 61及びTIM2 62という)を備える。基板2にチップ部品3が搭載されている。基板2は例えばプリント配線板である。チップ部品3は例えばトランジスタ、CPU、MPU、ドライバIC、メモリなどであるが、これらに制限されない。基板2には複数のチップ部品3が搭載されていてもよい。この場合、チップ部品3の厚みが互いに異なっていてもよい。ヒートスプレッダ4は、チップ部品3を覆うように基板2に搭載されている。チップ部品3とヒートスプレッダ4との間には隙間があり、この隙間にTIM1 61が配置されている。ヒートスプレッダ4の上にはヒートシンク5が配置されており、ヒートスプレッダ4とヒートシンク5との間にTIM2 62が配置されている。
【0031】
本実施形態における熱伝導性シリコーン材料は、上記のTIM1 61とTIM2 62とのうちいずれにも適用できる。特にTIM1 61が本実施形態に係る熱伝導性シリコーン材料であることが好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン材料にはヒートスプレッダ4によってプレス圧がかけられうる。このため、上述のように熱伝導性シリコーン材料中の多面体状のフィラーの粒子間の接触が生じやすく、これにより熱伝導性シリコーン材料の特に低い熱抵抗が実現されやすい。
【0032】
また、電子デバイス1が複数のチップ部品3を備え、かつチップ部品3の厚みが互いに異なる場合には、厚みのより大きいチップ部品3(31)とヒートスプレッダ4との間の隙間の寸法よりも、厚みのより小さいチップ部品3(32)とヒートスプレッダ4との間の隙間の寸法の方が大きくなる。このため、厚みのより小さいチップ部品32とヒートスプレッダ4との間でTIM1 61にかけられるプレス圧は、厚みのより大きいチップ部品31とヒートスプレッダ4との間でTIM1 61にかけられるプレス圧よりも小さくなりがちである。このため、TIM1 61にかけられるプレス圧は部分的に異なりやすい。しかし、本実施形態では、上記のとおり、熱伝導性シリコーン材料が多面体状のフィラーを含有するために、プレス圧がかけられることによる熱抵抗の低減が特に生じやすい。そのため熱伝導性シリコーン材料にかけられるプレス圧が部分的に異なっていても、熱伝導性シリコーン材料は全体的に低い熱抵抗を有しやすい。このため、TIM1 61が熱伝導性シリコーン材料であると、熱伝導性シリコーン材料は、チップ部品3で生じた熱をヒートスプレッダ4に効率良く伝達することができ、これにより放熱性のよい電子デバイス1が実現されやすい。
【実施例
【0033】
以下、本実施形態のより具体的な実施例について説明する。なお、本実施形態は下記の実施例のみには制限されない。
【0034】
1.組成物の調製
シリコーン成分とフィラーとを混合することで組成物を調製した。シリコーン成分の種類及びフィラーの組成は表1に示すとおりであり、シリコーン成分及びフィラーの詳細は下記のとおりである。
-TES8553:東レ・ダウコーニング製のシリコーン樹脂。品番TES8553。
-フィラー1:平均粒径50μm、α化率83%、粒子数-粒子の面数の分布曲線における最大ピークの位置での粒子の面数25、熱伝導率35w/m・Kである多面体アルミナフィラー。
-フィラー2:平均粒径50μm、α化率91%、粒子数-粒子の面数の分布曲線における最大ピークの位置での粒子の面数18、熱伝導率40w/m・Kである多面体アルミナフィラー。
-フィラー3:平均粒径50μm、α化率99%、粒子数-粒子の面数の分布曲線における最大ピークの位置での粒子の面数14、熱伝導率45w/m・Kである多面体アルミナフィラー。
-フィラー4:平均粒径50μm、α化率75%、粒子数-粒子の面数の分布曲線における最大ピークの位置での粒子の面数50、熱伝導率30w/m・Kである多面体アルミナフィラー。
-フィラー5:平均粒径50μm、α化率66%、粒子数-粒子の面数の分布曲線における最大ピークの位置での粒子の面数80、熱伝導率25w/m・Kである多面体アルミナフィラー。
-フィラー6:平均粒径50μm、α化率58%、熱伝導率20w/m・Kである、面数が多すぎて計数不能な多面体アルミナフィラー。
【0035】
2.評価
(1)熱伝導率及び熱抵抗
組成物を、加熱温度120℃、プレス圧1MPaの条件で30分間熱プレスすることで、厚み100μmのシート状のサンプルを作製した。このサンプルを二つの銅製のプレートで挟み、このプレートでサンプルをプレス圧1MPaの条件で直圧プレスした。この状態で、室温下における、プレス圧の方向のサンプルの熱伝導率及び熱抵抗を、メンターグラフィック社製のDynTIM Testerを用いて測定した。
【0036】
(2)アスカーC硬度
サンプルのアスカーC硬度を、測定装置として高分子計器株式会社製のアスカーゴム硬度計C型を用いて測定した。
【0037】
(3)粘度
組成物の粘度を、測定装置として東機産業株式会社製のE型粘度計(型番RC-215)を用い、0.3rpmの条件で測定した。
【0038】
【表1】
図1