(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】多機能ランチベルト
(51)【国際特許分類】
A45C 11/20 20060101AFI20230929BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
A45C11/20 Z
B65D85/50 100
(21)【出願番号】P 2019159186
(22)【出願日】2019-08-31
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】308042001
【氏名又は名称】見延 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100110814
【氏名又は名称】高島 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】見延 浩
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-165781(JP,A)
【文献】特開2006-006864(JP,A)
【文献】特開2011-078373(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0122599(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/20-11/26
B65D 85/50
B65D 65/10
B65D 75/00
A23L 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物である複数の食品容器又は複数の個分け食品を重ねた状態でまとめて固定するためのランチベルトにおいて、
前記被包装物を包むための柔軟性を有する帯状の第一の包装部材(4)と、
前記第一の包装部材(4)の側縁に前記第一の包装部材(4)と一体に設けられ、シート状の食材又はシート状の小物を包むことができる第二の包装部材(3,12)と、
前記第二の包装部材と一体に設けられ、前記第二の包装部材と協働して、前記シート状の食材又はシート状の小物を包むカバー部材(3a,3d,12a)と、
を備え、
前記第二の包装部材及び前記カバー部材は、前記被包装物を包んだ前記第一の包装部材の外側に巻き付けられる柔軟性を有し、かつ、前記第一の包装部材に対して展開及び折り畳みが可能であり、
前記第二の包装部材及び前記カバー部材を前記第一の包装部材の外側に巻き付けた状態で保持する保持手段(2,10)を有すること、
を特徴とする多機能ランチベルト。
【請求項2】
前記第一の包装部材(4)と一体に形成され、前記第一の包装部材(4)とともに前記被包装物を包むことができる柔軟性を有し、前記第一の包装部材(4)と協働して前記被包装物を包装する第二の包装部材(3,12)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の多機能ランチベルト。
【請求項3】
前記第一の包装部材及び前記第二の包装部材の少なくとも一方が、前記
カバー部材(3a,3b)と協働して、
シート状の食材又はシート状の小物を包装できるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多機能ランチベルト。
【請求項4】
前記カバー部材(3a,3b,3c,3d)が、前記第一の包装部材(4)及び/又は前記第二の包装部材(3)とともに袋状部材を形成することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の多機能ランチベルト。
【請求項5】
前記カバー部材(3d)が、袋状に形成された袋状部材であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の多機能ランチベルト。
【請求項6】
前記第一の包装部材(4)、カバー部材(3a,3b,3c,3d)及び前記第二の包装部材(12)が、互いに分離可能及び/又は接合可能であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の多機能ランチベルト。
【請求項7】
前記第一の包装部材(4)、前記第二の包装部材(3,12)及び前記カバー部材(3a,3b,3c,3d)の少なくとも一つが、本体と、この本体の両側に張り出し、前記本体側に折畳み可能な袖部分とを有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の多機能ランチベルト。
【請求項8】
前記袖部分が、折り畳むことで、のし袋を含む一定形態の包みとして利用可能とするものであることを特徴とする請求項7に記載の多機能ランチベルト。
【請求項9】
前記第一の包装部材(4)及び前記第二の包装部材(3,12)の少なくとも一つが、食材を加工できるまな板又は食品を載置できるテーブル又はランチシートとして機能することを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の多機能ランチベルト。
【請求項10】
まな板、テーブル又はランチシートとして機能する前記第一の包装部材及び前記第二の包装部材が、シリコン、ゴム又は紙を主体とする複合材で形成されていることを特徴とする請求項9に記載の多機能ランチベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は弁当箱を含む複数の食品容器又はおにぎりやパン、サンドイッチ、餅を含む個分け食品などの被包装物を重ねた状態でまとめて固定するためのランチベルトの改良に関し、単に前記被包装物をまとめて固定するだけに留まらず、食品又は食材の包装や食品、食材の加工も可能にする多機能のランチベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のランチベルトは、複数に分割された食品容器などを積層状態にして一体に固定することが可能な幅細い丸いリング状のベルト、又は紐状のベルトが一般的である。現在、この種のランチベルトとしては、シリコン製ゴムベルトや布とゴムが一体に織り込まれた伸縮ベルトが主流である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平02-050219
【文献】特開2009-165781
【0004】
例えば、特許文献1の
図4には、二段に重ねた食品容器をシリコン製のゴムベルトでまとめて固定する食品容器固定用ベルトが開示されている。また、特許文献2には、弁当箱容器固定ベルトの間に小さいたれ瓶を入れるランチベルトが開示されており、特許文献3には、固定ベルトに取り外し可能な携帯用爪楊枝入れを設けたランチベルトが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献に記載の伸縮するランチベルトは、使用に際し、長方形、又は四角形、又は俵型などの形状の食品容器を積層状態にして固定するには便利だが、丸型又は三角型の食品容器を固定するには適さなかった。
【0006】
また例えば、後巻きのおにぎり用の海苔や後入れの具材などは、別の包装シートに包んで持参するか、別の包装容器に入れて持参するか、シートに包んでランチベルトで一緒に巻いて固定する必要があった。さらに、具材の中には、切ったり形を整えたり、別に持参した小型のまな板などの上でこれらの調理を行い、端材は別に持参したごみ袋に廃棄する必要があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、上記した従来のランチベルトでは留めることが困難であった形状の食品容器を、積層状態にして一体に固定することを可能にするとともに、まな板を持参することなく、ランチベルトの上で食材を切ったり形を整えるなどの簡単な加工を行ったり、おにぎりやサンドイッチなどの食品を載せたりできる多機能ランチベルトの提供、さらには袋を設けて端材などの廃棄物をその中に処理できる多機能ランチベルトの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の多機能ランチベルトは、例えば、伸縮可能なシリコン製ゴムベルト又は布とゴムが一体に織り込まれた素材からなる紐状又は幅が狭いランチベルトの幅を広くして、シート形状にしたベルトで包み込む又は巻き付けることで、通常では留めるのが困難な形状、例えば丸型又は三角型の被包装物を、積層状態にしてまとめて固定させることを特徴とする。また、シート形状に広げた多機能ランチベルトで、海苔やシート状調味料などの食材、シート状の手拭や保冷剤などの小物を挟んで収納することで、これらを食品容器等と一緒に持ち運ぶことができるようにしたことを特徴とする。
【0009】
具体的に請求項1に記載の発明は、被包装物である複数の食品容器又は複数の個分け食品を重ねた状態でまとめて固定するためのランチベルトにおいて、前記被包装物を包むための柔軟性を有する帯状の第一の包装部材(4)と、前記第一の包装部材(4)の側縁に前記第一の包装部材(4)と一体に設けられ、シート状の食材又はシート状の小物を包むことができる第二の包装部材(12)と、前記第二の包装部材と一体に設けられ、前記第二の包装部材と協働して、前記シート状の食材又はシート状の小物を包むカバー部材(12a)と、を備え、前記第二の包装部材及び前記カバー部材は、前記被包装物を包んだ前記第一の包装部材の外側に巻き付けられる柔軟性を有し、かつ、前記第一の包装部材に対して展開及び折り畳みが可能であり、前記第二の包装部材及び前記カバー部材を前記第一の包装部材の外側に巻き付けた状態で保持する保持手段(2,10)を有する構成としてある。
【0010】
この明細書において用語「包装」は、弁当箱、おにぎり、サンドイッチなどの被包装物やシート状の食材又はシート状の小物を包む場合や、袋状部材に収容する場合、前記第一の包装部材や前記第二の包装部材と前記カバー部材とで、前記被包装物やシート状食材、シート状の小物をその両面から挟んで包装する場合も含む概念である。
このように構成することで、通常では留めるのが困難な形状の被包装物であっても、重ねた状態で包み込んでまとめて固定することができる。また、前記第二の包装部材とカバー部材は、海苔やライスシートなどのシート状食材、手拭や保冷剤などのシート状の小物を第一の包装部材と協働して包装することで、一つにまとめて固定することができる。
【0011】
請求項2に記載するように、前記第一の包装部材(4)と一体に形成され、前記第一の包装部材(4)とともに前記食品容器を包むことができる柔軟性を有する第二の包装部材(3,12)を設け、第一の包装部材(4)と第二の包装部材(3,12)との協働によって被包装物を包装するようにしてもよい。また、請求項3に記載するように、前記第一の包装部材及び前記第二の包装部材の少なくとも一方を、前記カバー部材(3a,3b)と協働してシート状食材や小物を包装できるように構成してもよい。
また、請求項4に記載するように、前記カバー部材(3a,3b,3c,3d)を、前記第一の包装部材(4)及び/又は前記第二の包装部材(3)とともに袋状部材を形成するように構成してもよい。さらに請求項5に記載するように、前記カバー部材(3c,3d)を、袋状に形成された袋状部材としてもよい。
【0012】
前記第二の包装部材は、前記第一の包装部材に対して展開・折り畳みできるように設ける。また、前記カバー部材は、前記第一の包装部材又は前記第二の包装部材に対して展開・折り畳みできるように設ける。この場合、請求項6に記載するように、前記第一の包装部材(4)、カバー部材(3a,3b,3c,3d)及び前記第二の包装部材(12)が、互いに分離可能及び/又は接合可能としてもよい。
このようにすることで、第一の包装部材、第二の包装部材及びカバー部材を組み合わせて袋状部材(例えばゴミ袋)を形成することができる。さらに、第一又は第二の包装部材からこのゴミ袋を分離可能とすることで、前記ゴミ袋を第一又は第二の包装部材から切り離して廃棄することが可能になる。
前記袋状部材は、前記第一の包装部材又は前記第二の包装部材の隅部に設けてもよい。このようにすることで、前記黒状部材を例えばゴミ袋として利用する場合に、まな板等として機能する前記第一の包装部材又は前記第二の包装部材からの廃棄物を、取りこぼすことなく簡単に前記ゴミ袋に投入することが可能になる。
【0013】
請求項7に記載するように、前記第一の包装部材(4)、前記第二の包装部材(3,12)及び前記カバー部材(3a,3b,3c,3d)の少なくとも一つが、本体と、この本体の両側に張り出し、前記本体側に折畳み可能な袖部分とを有する構成としてもよい。この場合、請求項8に記載するように、前記袖部分が、折り畳むことで、のし袋を含む一定形態の包みとして利用可能である構成としてもよい。
【0014】
請求項9に記載するように、前記第一の包装部材(4)及び前記第二の包装部材(3,12)の少なくとも一つが、食材を加工できるまな板又は食品を載置できるテーブル又はランチシートとして利用することが可能である。そして、このような用途に使用する場合は、請求項10に記載するように、前記第一の包装部材及び前記第二の包装部材の少なくとも一つを、シリコン、ゴム又は紙を主体とする複合材で形成するとよい。これら材料で前記第一の包装部材及び前記第二の包装部材の少なくとも一方にある程度の剛性を持たせることで、まな板、テーブル又はランチシートとして利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
この発明の前記多機能ランチベルトは、長方形、四角形、俵型などの食品容器はもちろん、従来の紐状又は幅が狭いランチベルトでは留めることが難しかった丸型、三角型、その他の不定形状の容器をまとめて固定することが可能になる。また、まな板やテーブル又はランチシート、廃棄物回収用の袋などを一体に設けることで、食材を加工したり、食品を載せたり、端材を廃棄するなどの多機能のランチベルトを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1(a)は、本発明の第一の実施形態にかかるランチベルトの説明図である。
符号1は、本発明の第一の実施形態にかかる多機能ランチベルトである。このランチベルト1は、弁当箱を含む食品容器やパン、サンドイッチ及び餅を含む個分け食品などの被包装物6を、複数段重ねてまとめて固定できる第一の包装部材4を有している。
この第一の包装部材4は、複数段重ねた被包装物6の幅よりも広幅で伸縮性を有する帯材の部材で形成されている。第一の包装部材4の幅Hは、被包装物6を重ねる段数にもよる(図示の例では二段である)が、例えば四段程度に重ねた被包装物6の幅に合わせておけば、四段に重ねた被包装物6の固定に使用できるほか、二段又は三段に重ねた被包装物6の固定にも使用することができる。
【0017】
第一の包装部材4(後述の第二の包装部材3,12を含む)の材料としては、伸縮性によって複数段に重ねた被包装物6をまとめて固定することができるものであればよく、ビニールなどの樹脂、シリコンなどのゴム、伸縮性のある布材又は編み材、防水加工された紙、紙の両面を防水フィルムで被覆したものなどを挙げることができる。また、これらの複合材であってもよい。
【0018】
例えばシリコンなどのある程度の硬さを有する部材を用いることで、展開状態の第一の包装部材4や後述の第二の包装部材3,12をまな板やテーブル又はランチシートとして利用することが可能になり、これら包装部材の上で食材を加工したり、おにぎりやサンドイッチなどの食品を載せたりすることができる。
【0019】
符号3は、第一の包装部材4の一側縁に設けられた第二の包装部材、符号3aは、第二の包装部材3の一側縁に設けられ、第二の包装部材3に折り畳み・展開自在なフィルム状のカバー部材である。第二の包装部材3は、第一の包装部材4の外側を覆うのもので、第一の包装部材4で食品容器などを包装する際に、第一の包装部材4に従って変形できる材料で形成されていればよく、ビニールなどの樹脂、シリコンなどのゴム、伸縮性のある布材又は編み材、防水加工された紙、紙の両面を防水フィルムで被覆したもの、またはこれらの複合材であってもよい。
第二の包装部材3は、折り畳み・展開可能に形成することで、海苔やライスシートなどのシート状食材、手拭や保冷剤などのシート状の小物を包装することが可能である。ば
図1(a)の例のように、シリコンで形成された第二の包装部材3に折り畳み・展開自在なフィルム状のカバー部材3aを設けて、カバー部材3aと第二の包装部材3との間に前記シート状食材やシート状の小物の小物を包装することができる。
また、符号2は、第一の包装部材4の両端に設けられた保持手段である。この保持手段4は、被包装物6を第一の包装部材4及び第二の包装部材3で巻いた後に、第一の包装部材4及び第二の包装部材3が展開しないようにするためのものある。保持手段2としてはボタンや面ファスナーなどを用いることができる。
なお、
図1(a)の例の変形例として、カバー部材3aを第一の包装部材4の一側縁に設け、第二の包装部材3をカバー部材3aの一側に設けるようにしてもよい。また、保持手段2は第二の包装部材3の両端に設けてもよい。
【0020】
図1(b)の例では、折り畳み・展開自在なフィルム状のカバー部材3bを第一の包装部材4の他側に設けていて、カバー部材3bと第一の包装部材4及び第一の包装部材4に折り畳んだ第二の包装部材3との間に前記シート状食材やシート状の小物を包装できるようになっている。
また、
図1(c)の例では、シリコンで形成された第一の包装部材4にフィルム状のカバー部材3cを貼りつけて、第一の包装部材4とカバー部材3cとで袋状のランチベルト1を形成している。そして、この袋の中にシート状食材やシート状の小物を収容できるようになっている。
【0021】
図2は、
図1(a)第二の包装部材3の上にカバー部材3aを折り畳み、さらに第二の包装部材3を第一の包装部材4に重ねた状態を示す手順の説明図である。この実施形態においても
図1(b)や(c)も同様の形態とすることも可能である。
まず、
図2(a)のように、第二の包装部材3の上に海苔などのシート状食材やシート状の小物11を置き、カバー部材3aを矢印Iの方向に折り畳む。次いで、(b)に示すように、カバー部材3aとの間に海苔などのシート状食材やシート状の小物11を挟み込んだ第二の包装部材3を、矢印II方向に折り畳む。これにより、
図2(c)のような形態となる。
【0022】
本発明は、長方形や正方形などの被包装物に限らず、円形や三角形、その他の不定形状の被包装物の固定に適している。
例えば、
図3(a)のように円形の被包装物7を二段に重ねたもの、同(b)のように三角形の被包装物8を二段に重ねたもの、同(c)のように四角形の被包装物9を二段に重ねたものも固定することが可能である。
【0023】
図4(a)は、
図1(a)のランチベルト1を使って円形の被包装物7を巻いて固定した状態を示す斜視図、
図4(b)は、
図1(a)のランチベルト1を使って三角形の被包装物8を包んで固定した状態を示す斜視図、
図4(c)は、
図1(a)のランチベルト1を使って四角形の被包装物9を包んで固定した状態を示す斜視図である。いずれの例においても、保持手段2を使って第一の包装部材4及び第二の包装部材3が展開しないように固定する。表側に第二の包装部材3又はカバー部材3aが位置するように、ランチベルト1で被包装物7,8,9を巻いて固定するとよい。
なお、
図1(b)(c)のランチベルト1においても、同様にして被包装物7,8,9を包むことができる。
【0024】
図5は、本発明の別の実施形態で、先の実施形態では、スナップや面ファスナーなどの保持手段2で固定していたのに対し、この実施形態では、ゴムや布製の紐又はベルトなどの保持手段10を、第一の包装部材4に設けた状態を示す斜視図である。なお、
図5では、
図1(b)に示したランチベルト1を用いた場合を図示しているが、
図1(a)(c)に示したランチベルト1にも保持手段10は適用が可能である。
【0025】
図6は別の実施形態にかかるランチベルトの斜視図で、紙や樹脂フィルムなどの変形自在な材料で袋状に形成された袋部材3dを第一の包装部材4の一端に取り付けたものである。袋部材3dは、食材又は小物などを収納する収納袋や、廃棄物を収容するごみ袋として使用することができる。図示の例のように、第一の包装部材4のコーナー部分に袋部材3dを設けることで、まな板として使用した第一の包装部材4の上から廃棄物を、取りこぼし無く袋部材3dに廃棄することが容易になる。
この実施形態のランチベルト1においては、
図7(a)のように、第一の包装部材4の上に被包装物6を載せた後、
図7(b)のように被包装物6を第一の包装部材4で包み込み、
図7(c)のように保持手段10で留めて固定する。
【0026】
図8(a)(b)及び
図9は本発明のさらに別の実施形態のランチベルトの説明図である。この実施形態のランチベルト1は、
図1(c)の例と同様に、第一の包装部材4にフィルム状のカバー部材3cを貼りつけて袋状に形成しているが、第一の包装部材4の一端側にカバー部材3cを貼りつけない部分を残している。この実施形態では、第一の包装部材4とは別体に形成された矩形状の別の第二の包装部材12を準備する。第二の包装部材12には二条の切り目13,13aを形成する。そして、
図8(b)に示すように、二条の切り目13,13aに第一の包装部材4の前記一端を差し込み、第一の包装部材4と第二の包装部材12とを一体にする。
この実施形態では、例えば第二の包装部材12は、食材を加工できるまな板又は食品を載置できるテーブル又はランチシートとして使用できるようにしてもよい。そして、加工後に出た端材やその他のゴミなどを第一の包装部材4とカバー部材3cとで形成された袋の中に廃棄できるようにしてもよい。
【0027】
この実施形態では、
図9に示すように、前記袋に加工後に出た端材やその他のゴミなどを入れて、持ち帰ることができる。ランチベルト1の全体を使い捨て可能な材料で形成することで、そのまま廃棄することができる。
【0028】
図10は、
図8の実施形態のさらに別の実施形態で、(a)はランチベルト1の展開平面図、(b)は同底面図、(c)は展開状態において袋状のカバー部材3cを膨らませた状態の斜視図である。
菱形8角形状に形成された第二の包装部材12の両側は、中央に向けて折り畳み自在な袖部12aとして形成されている。第二の包装部材12の一端には、第一の包装部材4とカバー部材3cとで、
図1(c)と同様の袋状部材が形成されている。
図11は、このランチベルト1を用いた被包装物6の包装の手順を説明するためのもので、まず(a)に示すように、
図10(a)の展開状態のランチベルト1における第二の包装部材12の上に、複数段に重ねた被包装物6を置く。
次に(b)に示すように、両側の袖部12a,12aを折り畳んで被包装物6を両側から包み、さらに第二の包装部材12の端部を被包装物6側に折り畳んで、第一の包装部材4とカバー部材3cとで形成された前記袋状部材を被包装物6に巻き付けることで、(c)に示すような形態となる。
【0029】
この実施形態のランチベルト1は、もともとは祝儀袋や香典袋などののし袋で、のし袋として使用した後にランチベルトとして利用できるようになっている。
図12は、
図10のランチベルト1をのし袋として利用する形態を説明する図である。
この場合の初期形態は、
図10(a)に示すとおりである。まず、
図12(a)に示すように袖部12aの両端の一部を内側に折り畳み、次いで(b)に示すように両側の袖部12aを第二の包装部材12の上に折り畳む。このときの状態を反対側(底面側)から見た図が(c)である。そして、第一の包装部材4及びカバー部材3cから形成される袋状部材を第二の包装部材12の上に折り畳み、第二の包装部材12の一端をその上に折り畳むこことで、(d)に示すようなのし袋が形成される。
のし袋は一回の使用で廃棄されるのが通常であるが、ある程度高級なのし袋については、この実施形態のように形成することで、使用後にランチベルトとして利用することが可能である。
なお、必ずしもカバー部材3cや前記袋状部材は必要ではなく、例えば第一の包装部材4単独でのし袋を構成するようにしてもよい。また、前記第一の包装部材4以外の第二の包装部材3,12やカバー部材3a,3b,3c,3dに袖部を形成して、のし袋を構成できるようにしてもよい。
【0030】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の説明に限定されるものではない。
例えば、本発明の好適な実施形態においても
図1(a)や(b)も、
図9同様の形態にすることが可能である。
また、カバー部材3a,3b,3c,3dは一つであることを前提に説明しているが、複数設けてもよい。この場合、第一の包装部材4又は第二の包装部材3,12にカバー部材3a,3b,3c,3dを複数設けてもよいし、第一の包装部材4及び第二の包装部材3,12のそれぞれにカバー部材3a,3b,3c,3dを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の第一の実施形態にかかるランチベルトの説明図である。
【
図2】
図1(a)第二の包装部材3の上にカバー部材3aを折り畳み、さらに第二の包装部材3を第一の包装部材4に重ねた状態を示す手順の説明図である。
【
図4】
図4(a)は、
図1(a)のランチベルト1を使って被包装物7を巻いて固定した状態を示す斜視図、
図4(b)は、
図1(a)のランチベルト1を使って被包装物8を包んで固定した状態を示す斜視図、
図4(c)は、
図1(a)のランチベルト1を使って被包装物9を包んで固定した状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明の別の実施形態で、ゴムや布製の紐又はベルトなどの保持手段10を、第一の包装部材4に設けた状態を示す斜視図である。
【
図6】別の実施形態にかかるランチベルトの斜視図である。
【
図7】
図6のランチベルトによる包装の手順を示す手順の説明図である。
【
図8】本発明のさらに別の実施形態のランチベルトの説明図である。
【
図9】本発明のさらに別の実施形態のランチベルトの説明図である。
【
図10】
図8の実施形態のさらに別の実施形態で、(a)はランチベルト1の展開平面図、(b)は同底面図、(c)は展開状態において袋状のカバー部材3cを膨らませた状態の斜視図である。
【
図11】
図10のランチベルトを用いた被包装物の包装の手順を説明するため図である。
【
図12】
図10のランチベルト1をのし袋として利用する形態を説明する図である。
【符号の説明】
【0032】
1 多機能ランチベルト
2 保持手段
3,12 第二の包装部材
3a,3b,3c カバー部材
4 第一の包装部材
6 被包装物
7 円形の被包装物
8 三角形の被包装物
9 四角形の被包装物
10 保持手段
11 シート状の食材又は小物
13,13a, 穴
12a 袖部