(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】磁場遮蔽シートおよびこの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01Q 7/04 20060101AFI20230929BHJP
【FI】
H01Q7/04
(21)【出願番号】P 2021575510
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(86)【国際出願番号】 KR2020007848
(87)【国際公開番号】W WO2020256409
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0072105
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0072106
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0073631
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504394744
【氏名又は名称】アモセンス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AMOSENSE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Cheonan the fourth Local Industrial Complex) 19-1 Block, 90, 4sandan 5-gil, jiksan-eup, Seobuk-gu Cheonan-si, Chungcheongnam-do 31040, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン キル ジャ
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0148988(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0068280(US,A1)
【文献】特表2012-527813(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0051570(KR,A)
【文献】特開2009-200174(JP,A)
【文献】特開2011-134959(JP,A)
【文献】特表2018-537840(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0044391(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
H01F 27/33-27/42
H02J 50/00-50/90
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に所定の面積を有する中空部および前記中空部を囲むパターン部を含むアンテナ用磁場遮蔽シートであって、
非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシートで形成されるシート本体;
前記シート本体のうち前記パターン部と対応する領域に形成される複数個の貫通部;および
前記貫通部から延長形成される多数のクラック;を含
み、
前記複数個の貫通部と前記多数のクラックのそれぞれは、前記シート本体の全領域のうち、前記アンテナの前記パターン部と対応する前記シート本体の前記領域に局所的に形成されることで、前記シート本体の全領域は、分離されることなく2000以上の透磁率を有し得る、磁場遮蔽シート。
【請求項2】
前記貫通部は幅より長さがさらに長く形成される、請求項1に記載の磁場遮蔽シート。
【請求項3】
前記複数個の貫通部は互いに間隔をあけて離隔配置される、請求項1に記載の磁場遮蔽シート。
【請求項4】
前記貫通部は前記パターン部と対応する領域に形成される第1部分と前記第1部分から前記アンテナの中空部と対応する領域に延びる第2部分を含む、請求項1に記載の磁場遮蔽シート。
【請求項5】
前記複数個の貫通部は前記第2部分を通じて連結される、請求項4に記載の磁場遮蔽シート。
【請求項6】
前記複数個の貫通部はそれぞれの第2部分が前記アンテナの中空部の中心点で互いに連結されるように形成される、請求項4に記載の磁場遮蔽シート。
【請求項7】
前記シート本体は複数個の前記リボンシートが少なくとも2層以上積層された多層シートであり、前記シート本体は上部面と下部面のうち少なくともいずれか一面に接着層を媒介として付着された保護フィルムを含む、請求項1に記載の磁場遮蔽シート。
【請求項8】
前記磁場遮蔽シートは全体の厚さが55μm~85μmである、請求項1に記載の磁場遮蔽シート。
【請求項9】
前記複数個の貫通部は、
前記シート本体の幅方向または長さ方向に対して垂直な方向に形成される第1貫通部;
前記シート本体の幅方向または長さ方向に対して平行な方向に形成される第2貫通部;
前記シート本体の幅方向または長さ方向に対して一定角度傾くように形成される第3貫通部;および
所定の曲率を有する弧の形状で形成される第4貫通部;のうち少なくとも1種以上を含む、請求項1に記載の磁場遮蔽シート。
【請求項10】
中央部に所定の面積を有する中空部および前記中空部を囲むパターン部を含むアンテナ用磁場遮蔽シートであって、
非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシートが接着層を媒介として2層~3層で積層された多層シートで形成されるシート本体;
前記シート本体のうち前記パターン部と対応する配置領域に貫通形成され、幅よりも長さがさらに長い長さを有する複数個の貫通部;および
前記貫通部から延長形成される多数のクラック;を含み、
前記複数個の貫通部それぞれは幅が0.1mm~0.4mmである線形に形成され、
前記複数個の貫通部は全体の個数が4個~16個であり、互いに連結されないように形成され、
前記複数個の貫通部と前記多数のクラックのそれぞれは、前記シート本体の全領域のうち、前記アンテナの前記パターン部と対応する前記シート本体の前記
配置領域に局所的に形成されることで、前記シート本体の全領域は、分離されることなく2000以上の透磁率を有し得る、磁場遮蔽シート。
【請求項11】
中央部に所定の面積を有する中空部および前記中空部を囲むパターン部を含む無線電力受信用アンテナ;および
前記無線電力受信用アンテナの一面に配置される請求項1~請求項10のいずれか一項に記載された磁場遮蔽シート;を含む、無線電力受信モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載された無線電力受信モジュールを含む、携帯端末機器。
【請求項13】
中央部に所定の面積を有する中空部および前記中空部を囲むパターン部を含むアンテナ用磁場遮蔽シートの製造方法であって、
熱処理された非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシートで形成された第1面積のシート本体を準備する段階;
前記シート本体の内側領域に所定の幅と長さを有する
複数個の貫通部を形成しながら、前記
複数個の貫通部から延びる多数のクラックを形成できるように前記シート本体を1次打ち抜きをする段階;および
前記
複数個の貫通部を含んで前記第1面積より相対的に狭い第2面積を有する遮蔽シートを形成できるように前記シート本体を2次打ち抜きをする段階;を含み、
前記シート本体を1次打ち抜きをする段階において、前記複数個の貫通部と前記多数のクラックは、前記シート本体の全領域のうち、前記アンテナの前記パターン部と対応する前記シート本体
の領域に局所的に形成されることで、前記シート本体の全領域は、分離されることなく2000以上の透磁率を有し得る、磁場遮蔽シートの製造方法。
【請求項14】
前記
複数個の貫通部は前記シート本体のうち前記アンテナのパターン部と対応する
前記領域に貫通形成される、請求項13に記載の磁場遮蔽シートの製造方法。
【請求項15】
前記1次打ち抜きをする段階は、前記貫通部の縁を形成するためのリング状の縁刃と前記縁刃を通じて前記シート本体から切開された切開片を加圧して分離できるように前記縁刃の内側領域に形成される分離部材を含む金型を通じて遂行される、請求項13に記載の磁場遮蔽シートの製造方法。
【請求項16】
前記シート本体を2次打ち抜きをする段階は、前記遮蔽シートが前記シート本体から分離され得るように前記第2面積を規定する外郭縁を前記シート本体に形成する段階である、請求項13に記載の磁場遮蔽シートの製造方法。
【請求項17】
前記シート本体を準備する段階は、
複数個の前記リボンシートが第1接着層を媒介として多層で積層された多層シートを形成する段階;および
基材の両面に接着剤が塗布された第2接着層を媒介として前記多層シートの下部面に保護フィルムを付着する段階を含み、
前記外郭縁は前記多層シートおよび第2接着層を貫通するように形成される、請求項16に記載の磁場遮蔽シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁場遮蔽シートおよびこの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信(NFC)および無線充電は本質的に非接触式伝送方式である。このような非接触式伝送方式は磁場を送出したり受信するアンテナと、磁場を円滑に送信したり受信できるようにアンテナの一面に配置される磁場遮蔽シートを通じて具現される。
【0003】
通常的に磁場遮蔽シートとしては非晶質リボンシート、フェライトシート、またはポリマーシートのような磁性材質からなるシートが使われる。
【0004】
一方、磁場遮蔽シートは渦電流(Eddy Current)による損失を大きく減らしたりシート自体の柔軟性を改善できるように多数のピースに分離形成された形態のシートが活用されている。
【0005】
一例として、前記磁場遮蔽シートはフレーク工程を通じて多数個のピースに分離形成され得る。このようなフレーク工程は外面に複数の凹凸または球状のボールが形成された金属ローラと、コムローラを通じて遂行され得る。
【0006】
すなわち、前記金属ローラとコムローラが対向配置された状態で金属ローラおよびコムローラの間に磁場遮蔽シートを複数回通過させると、磁場遮蔽シートは多数個のピースに分離形成され得る。
【0007】
これに伴い、多数個のピースに分離形成された磁場遮蔽シートを製造するためにはシート自体を複数個のピースに分離するための別途のフレーク工程が伴われるため、生産単価を増加させる問題がある。
【0008】
一方、一対のローラを通じて遂行されるフレーク工程で磁場遮蔽シートは、一対のローラの間を通過するためシートの全体面積が一対のローラを通じて加圧される。これに伴い、フレーク工程を通じて生産された磁場遮蔽シートはシート全体が複数個のピースに分離形成され得、かない。
【0009】
また、従来のフレーク工程を通じて複数個のピースに分離形成された磁場遮蔽シートは、フレーク工程が複数回遂行されないと均一な特性を有することができない。
【0010】
しかし、フレーク工程が繰り返し遂行されるほど互いに分離されたピースのサイズは小さくなるが、分離されたピースの全体の個数は増加する。これに伴い、フレーク工程が繰り返し遂行されるほど遮蔽シート自体の抵抗は増加するため、渦電流による影響を減らすことはできるものの、遮蔽シートの透磁率は1500以下に低下する問題がある。
【0011】
このため、遮蔽シート自体の抵抗を増加させながらも2000以上の高透磁率を有する磁場遮蔽シートを具現するためには、磁場遮蔽シートの全体の厚さを増加させなければならない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前記のような点を勘案して案出したもので、全体面積のうち一部領域にのみ局部的に貫通部およびこれによって誘発されたクラックを形成することによって、非常に薄い厚さを有しながらも2000以上の高透磁率を具現できる磁場遮蔽シートおよびこの製造方法を提供することにその目的がある。
【0013】
また、本発明は別途のフレーク工程を遂行せずとも、全体面積のうちアンテナと対応する領域にクラックを選択的に形成できる磁場遮蔽シートの製造方法を提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した目的を達成するために、本発明は中央部に所定の面積を有する中空部および前記中空部を囲むパターン部を含むアンテナ用磁場遮蔽シートであって、非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシートで形成されるシート本体;前記シート本体のうち前記パターン部と対応する領域に形成される複数個の貫通部;および前記貫通部から延長形成される多数のクラック;を含む磁場遮蔽シートを提供する。
【0015】
また、前記貫通部は幅より長さがより長く形成され得る。
【0016】
また、前記複数個の貫通部は互いに間隔をあけて離隔配置され得る。
【0017】
また、前記貫通部は前記パターン部と対応する領域に形成される第1部分と前記第1部分から前記アンテナの中空部と対応する領域に延びる第2部分を含むことができる。この時、前記複数個の貫通部は前記第2部分を通じて連結され得る。
【0018】
また、前記複数個の貫通部はそれぞれの第2部分が前記アンテナの中空部の中心点で互いに連結されるように形成され得る。
【0019】
また、前記シート本体は複数個の前記リボンシートが少なくとも2層以上積層された多層シートであり得、前記シート本体は上部面と下部面のうち少なくともいずれか一面に接着層を媒介として付着された保護フィルムを含むことができる。
【0020】
また、前記磁場遮蔽シートは全体の厚さが55μm~85μmであり得る。
【0021】
また、前記複数個の貫通部は、前記シート本体の幅方向または長さ方向に対して垂直な方向に形成される第1貫通部;前記シート本体の幅方向または長さ方向に対して平行な方向に形成される第2貫通部;前記シート本体の幅方向または長さ方向に対して一定角度傾くように形成される第3貫通部;および所定の曲率を有する弧の形状で形成される第4貫通部;のうち少なくとも1種以上を含むことができる。
【0022】
一方、本発明は中央部に所定の面積を有する中空部および前記中空部を囲むパターン部を含むアンテナ用磁場遮蔽シートであって、非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシートが接着層を媒介として2層~3層で積層された多層シートで形成されるシート本体;前記シート本体のうち前記パターン部と対応する配置領域に貫通形成され、幅よりも長さがさらに長い長さを有する線形に形成される複数個の貫通部;および前記貫通部から前記シート本体側に延長形成される多数のクラック;を含み、前記複数個の貫通部それぞれは幅が0.1mm~0.4mmである線形に形成され、前記複数個の貫通部は全体の個数が4個~16個であり、互いに連結されないように形成される磁場遮蔽シートを提供する。
【0023】
また、本発明は中央部に所定の面積を有する中空部および前記中空部を囲むパターン部を含むアンテナ用磁場遮蔽シートであって、非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシートで形成されるシート本体;前記シート本体のうち前記アンテナの中空部と対応する対応領域に形成される複数個の貫通部;および前記貫通部から延長形成される多数のクラック;を含む磁場遮蔽シートを提供する。
【0024】
このような場合、前記複数個の貫通部は前記対応領域の中心点を囲むように配置され得、前記対応領域のうち前記対応領域の中心点を含む一部領域は前記複数個の貫通部から延びた多数のクラックを通じて複数個のピースに分離形成され得る。
【0025】
さらに、本発明は中央部に所定の面積を有する中空部および前記中空部を囲むパターン部を含む無線電力受信用アンテナ;および前記無線電力受信用アンテナの一面に配置される前述した磁場遮蔽シート;を含む無線電力受信モジュールを提供する。
【0026】
また、前述した無線電力受信モジュールは携帯端末機器に適用され得る。
【0027】
一方、本発明は中央部に所定の面積を有する中空部および前記中空部を囲むパターン部を含むアンテナ用磁場遮蔽シートの製造方法であって、熱処理された非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシートで形成された第1面積のシート本体を準備する段階;前記シート本体の内側領域に所定の幅と長さを有する貫通部を形成しながら、前記貫通部から延びる多数のクラックを形成できるように前記シート本体を1次打ち抜きをする段階;および前記貫通部を含んで前記第1面積より相対的に狭い第2面積を有する遮蔽シートを形成できるように前記シート本体を2次打ち抜きをする段階;を含む磁場遮蔽シートの製造方法を提供する。
【0028】
一例として、前記貫通部は前記アンテナのパターン部が配置される配置領域に貫通形成され得る。
【0029】
他の例として、前記貫通部は前記アンテナの中空部と対応する対応領域に貫通形成され得る。
【0030】
また、前記シート本体を1次打ち抜きをする段階は、前記貫通部の縁を形成するためのリング状の縁刃と前記縁刃を通じて前記シート本体から切開された切開片を加圧して分離できるように前記縁刃の内側領域に形成される分離部材を含む金型を通じて遂行され得る。
【0031】
また、前記シート本体を2次打ち抜きをする段階は、前記遮蔽シートが前記シート本体から分離され得るように前記第2面積を規定する外郭縁を前記シート本体に形成する段階であり得る。
【0032】
また、前記シート本体を準備する段階は、複数個の前記リボンシートが第1接着層を媒介として多層で積層された多層シートを形成する段階;および基材の両面に接着剤が塗布された第2接着層を媒介として前記多層シートの下部面に保護フィルムを付着する段階を含むことができ、前記外郭縁は前記多層シートおよび第2接着層を貫通するように形成され得る。
【発明の効果】
【0033】
本発明によると、非常に薄い厚さを有しながらも2000以上の高透磁率を有する磁場遮蔽シートを具現することができる。
【0034】
また、本発明によると、別途のフレーク工程を遂行せずとも、全体面積のうちアンテナと対応する面積や磁束が集中する一部領域にクラックを選択的に形成することができる。これを通じて、設計条件および要求仕様を満足する遮蔽シートを簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートを示した図面である。
【0036】
【
図2】
図1でアンテナのパターン部と対応する配置領域に形成され得る貫通部および貫通部から誘発されたクラックを概念的に示した図面である。
【0037】
【
図3】
図1でアンテナのパターン部と対応する配置領域に形成され得る他の形態の貫通部および貫通部から誘発されたクラックを概念的に示した図面である。
【0038】
【
図4】
図1でアンテナのパターン部と対応する配置領域に形成され得る多様な形態の貫通部およびこれから誘発されたクラックを概念的に示した図面である。
【0039】
【
図5】本発明の他の実施例に係る磁場遮蔽シートを示した図面である。
【0040】
【
図6】
図5でアンテナの中空部と対応する対応領域を拡大した図面であって、貫通部および貫通部から誘発されたクラックを概念的に示した図面である。
【0041】
【
図7】
図5でアンテナの中空部と対応する対応領域に形成され得る他の形態の貫通部および貫通部から誘発されたクラックを概念的に示した図面である。
【0042】
【
図8】
図5でアンテナの中空部と対応する対応領域に形成され得る多様な形態の貫通部およびこれから誘発されたクラックを概念的に示した図面である。
【0043】
【
図9】本発明に係る磁場遮蔽シートの細部構成を示した断面図である。
【0044】
【
図10】本発明の一実施例に係る無線電力受信モジュールであって、
図1の磁場遮蔽シートが適用された無線電力受信モジュールを示した図面である。
【0045】
【
図11】本発明の他の実施例に係る無線電力受信モジュールであって、
図5の磁場遮蔽シートが適用された無線電力受信モジュールを示した図面である。
【0046】
【
図12】本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートの製造方法を示したフローチャートである。
【0047】
【
図13】本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートの製造方法で1次打ち抜きをする段階に使われ得る金型の一形態を概念的に示した図面である。
【0048】
【
図14a】
図13に適用され得る金型を示した平面図であって、1次打ち抜き用上部金型の平面図である。
【
図14b】
図13に適用され得る金型を示した平面図であって、1次打ち抜き用下部金型の平面図である。
【0049】
【
図15a】
図13に適用され得る金型の他の形態を示した平面図であって、1次打ち抜き用上部金型の平面図である。
【
図15b】
図13に適用され得る金型の他の形態を示した平面図であって、1次打ち抜き用下部金型の平面図である。
【0050】
【
図16】
図13に適用され得る1次打ち抜き用上部金型のさらに他の形態を示した平面図である。
【0051】
【
図17】本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートの製造方法で2次打ち抜きをする段階に使われ得る金型の一形態を示した平面図である。
【0052】
【
図18a】
図14aおよび
図14bの金型を利用して1次打ち抜きが完了した状態の多層シートを示した平面図である。
【
図18b】
図18aを
図17の金型を利用して2次打ち抜きが完了した状態の多層シートを示した平面図である。
【0053】
【
図19a】
図15aおよび
図15bの金型を利用して1次打ち抜きが完了した状態の多層シートを示した平面図である。
【
図19b】
図19aを
図17の金型を利用して2次打ち抜きが完了した状態の多層シートを示した平面図である。
【0054】
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明に関わらない部分は省略したし、明細書全体を通じて同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付加する。
【0056】
本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’は
図1および
図5に図示された通り、シート本体110、貫通部120、120’およびクラック130を含む。
【0057】
前記シート本体110はアンテナ211、212から発生する磁場を遮蔽できるように磁性を有する材質からなり得る。
【0058】
ここで、前記アンテナ211、212は中央部に所定の面積を有する中空部Eと前記中空部Eを所定のターン数で囲むように形成されたパターン部Pを含むことができる。
【0059】
このような場合、前記アンテナ211、212は回路基板(210、
図10および
図11参照)の少なくとも一面に所定の面積を有する中空部Eが形成されるようにパターン部Pがパターン形成されたアンテナパターンでもよく、中央部に所定の面積を有する中空部Eが形成されるように所定の線径を有する導電性部材が複数回巻線されてパターン部Pを形成する平板型のコイルであってもよい。
【0060】
また、前記アンテナ211、212は無線電力を送信したり受信する無線電力伝送用アンテナ211であってもよく、マグネチック決済のためのMSTアンテナであってもよく、近距離通信のためのNFCアンテナ212であってもよい。
【0061】
併せて、前記アンテナ211、212は前述した無線電力伝送用アンテナ212、MSTアンテナおよびNFCアンテナ212のうち二つ以上を含むコンボ型で構成されてもよい。
【0062】
この時、前記シート本体110は前記貫通部120、120’とともに、前記貫通部120、120’からクラック130が形成され得るように金属性分を含む材質で形成され得る。
【0063】
一例として、前記シート本体110は
図9に図示された通り、非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシート111aであり得る。
【0064】
このようなシート本体110は単層のリボンシート111aで形成されてもよいが、前記シート本体110は複数個のリボンシート111aが第1接着層111bを媒介として多層で積層された多層シートであってもよい。このような場合、前記多層シートは複数個のリボンシート111aが2層~3層で積層された多層シートであり得る。しかし、前記多層シートの全体の積層数はこれに限定するものではなく、設計条件に応じて多層シートの全体の積層数は適切に変更され得る。
【0065】
また、前記シート本体110は非晶質合金のリボンシートとナノ結晶粒合金のリボンシートが組み合わせられたハイブリッドシートであってもよい。
【0066】
この時、前記シート本体110の上部面と下部面のうち少なくともいずれか一面には、保護フィルム113が第2接着層112を媒介として付着され得る。
【0067】
これに伴い、前記シート本体110が前記貫通部120、120’から延びたクラック130を含んでも、前記シート本体110は前記保護フィルム113を通じて板状の形態を維持することができる。
【0068】
ここで、前記シート本体110の上部面と下部面のうち少なくとも一面に付着される保護フィルム113は除去可能なリリースフィルムであり得る。これを通じて、前記シート本体110から前記保護フィルム113を除去すると前記シート本体110と保護フィルム113の間に配置された第2接着層112が外部に露出され得るため、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’は前記第2接着層112を利用して他の部品に付着され得る。
【0069】
この時、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’は、
図2、
図3、
図6および
図7に図示された通り、前記シート本体110の内側領域に形成された貫通部120、120’と、前記貫通部120、120’から延長形成された多数のクラック130を含むことができる。
【0070】
一例として、貫通部120、120’は前記シート本体110を貫通するように形成され得、前記多数のクラック130は前記貫通部120、120’から前記シート本体110の内側に延びるように形成され得る。
【0071】
このような場合、前記貫通部120、120’から形成された多数のクラック130は互いに連結されてもよく、連結されなくてもよい。また、前記多数のクラック130のうち一部のクラックのみが互いに連結されてもよい。
【0072】
ここで、前述した通り、前記保護フィルム113が前記シート本体110の少なくとも一面に付着された場合、前記貫通部120、120’は前記シート本体110とともに保護フィルム113をすべて貫通するように形成されてもよい。
【0073】
また、前記多数のクラック130は前記貫通部120、120’が前記シート本体110に形成される過程で、前記シート本体110に加えられる外力を通じて前記貫通部120、120’から誘発されて形成されたものであり得る。
【0074】
これに伴い、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’は、前記シート本体110に形成された貫通部120、120’および多数のクラック130を通じて全体的な抵抗が増加し得るため、渦電流による影響が減らされ得る。
【0075】
すなわち、前記シート本体110に形成された貫通部120、120’および多数のクラック130は渦電流を減少させることができる渦電流低減手段として機能することができる。
【0076】
ここで、前記貫通部120、120’は所定の幅と長さを有するように形成され得、一つ以上の適切な個数で形成され得る。また、前記貫通部120、120’は幅よりも長さがさらに長い長さを有するように形成され得る。併せて、前記多数のクラック130は全体の個数が前記貫通部120、120’の全体の個数より相対的にさらに多い個数であり得る。
【0077】
非制限的な一例として、前記貫通部120、120’は幅よりも長さがさらに長い長さを有する線形に形成され得る。
【0078】
この時、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’は、前記貫通部120、120’および多数のクラック130が前記シート本体110の全体面積のうち一部の面積に対して局部的に形成され得る。
【0079】
すなわち、前記貫通部120、120’および多数のクラック130は、無線電力を送信したり受信するアンテナ211との配置関係を考慮して前記シート本体110の全体面積のうち一部の面積に対して局部的に形成され得る。
【0080】
一例として、前記貫通部120および多数のクラック130は
図2および
図3に図示された通り、前記シート本体110の全体面積のうち前記アンテナ211のパターン部Pが配置される配置領域A1に形成され得る。このような場合、前記貫通部120は前記配置領域A1とともに前記配置領域A1からアンテナ211の中空部E側に延びる部分をさらに含んでもよい。
【0081】
他の例として、前記貫通部120’および多数のクラック130は
図6および
図7に図示された通り、前記シート本体110の全体面積のうち磁束が集中する一部の面積A2にのみ形成されてもよい。
【0082】
これを通じて、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’は、全体面積のうち前記アンテナ211のパターン部Pが配置される一部の面積または前記アンテナ211の中空部Eと対応する一部の面積にのみ部分的に貫通部120、120’および多数のクラック130が形成されるため、シート自体の全体的な抵抗を増加させて渦電流による影響を最小化しながらも非常に薄い厚さで2000以上の高透磁率を有することができる。
【0083】
非制限的な一例として、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’は、全体の厚さが55μm~85μmである非常に薄い厚さでも2000以上の高透磁率を有することができる。
【0084】
これによって、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’は、非常に薄い厚さを通じて薄型化を具現しながらも前記アンテナ211、212のインダクタンスを増加させることができる。
【0085】
具体的には、
図1および
図10に図示された通り、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100の一面に前記アンテナ211が配置される場合、前記貫通部120および前記貫通部120から延びた多数のクラック130は、前記シート本体110の全体面積のうち前記アンテナ211のパターン部Pが配置される配置領域A1に形成され得る。
【0086】
このような場合、前記貫通部120は前記アンテナのパターン部Pが配置される配置領域A1に形成される第1部分121と前記第1部分121から前記アンテナの中空部Eと対応する位置まで延びる第2部分122をさらに含むことができ、前記多数のクラック130は前記第2部分122から形成された部分を含むことができる。
【0087】
非制限的な一例として、
図2および
図3に図示された通り、前記貫通部120は前記配置領域A1に複数個で形成され得、前記配置領域A1に形成された複数個の貫通部120は互いに間隔をあけて離隔配置され得、前記多数のクラック130は複数個の貫通部120からそれぞれ延長形成され得る。
【0088】
この時、
図2に図示された通り、前記複数個の貫通部120は前記アンテナ211の中空部Eの中心点を基準として放射状に形成され得、前記複数個の貫通部120は互いに連結されないように形成され得る。
【0089】
また、
図3に図示された通り、前記複数個の貫通部120は前記アンテナの中空部Eの中心点を基準として放射状に形成され得、前記複数個の貫通部120は少なくとも一部が前記アンテナの中空部Eと対応する領域で互いに連結されるように形成され得る。
【0090】
このような場合、前記複数個の貫通部120は前記第2部分122が前記アンテナの中空部Eと対応する領域に形成され得、複数個の第2部分122はアンテナの中空部Eの中心点で互いに連結されるように形成され得る。
【0091】
これを通じて、前記複数個の貫通部120は前記第2部分122を通じて連結されて一つの貫通部として形成され得る。ここで、前記アンテナの中空部Eと対応する位置で前記第2部分122を通じて連結された中心点を含む一部の面積は、前記第2部分122からそれぞれ延びたクラック130を通じて複数個のピースに分離されてもよい。
【0092】
これに伴い、前記アンテナの中空部Eと対応する領域内で中空部Eの中心点を含む一部の面積は、従来のフレーク工程を通じて分離形成されたシートと類似する形態で形成され得る。
【0093】
本実施例で、前記貫通部120の幅は0.1mm~0.4mmであり得、前記シート本体110に形成される貫通部120の全体の個数は4個~16個であり得る。
【0094】
これは、前記貫通部120の幅が0.4mmを超過すると、前記シート本体110に形成された貫通部120を通じて漏洩する磁場の量が増加して遮蔽シートとしての性能が低下し得る。
【0095】
反面、前記貫通部120の幅が0.1mm未満であると、前記シート本体110に貫通部120を形成する工程が難しいため生産性が低下し得る。
【0096】
また、前記シート本体110に形成される貫通部120の全体の個数が4個~16以下の場合と比較する時、前記シート本体110に形成される貫通部120の全体の個数を17個以上に形成すると、前記貫通部120の全体の個数が増加するほどシート自体の抵抗は増加するが追加的な渦電流低減効果は微小であり、2000以上の高透磁率を具現し難い問題がある。
【0097】
反面、前記シート本体110に形成される貫通部120の全体の個数が4個~16以下の場合と比較する時、前記シート本体110に形成される貫通部120の全体の個数を4個未満に形成すると、2000以上の高透磁率を具現するには有利であるが、シート自体の抵抗が充分でないため渦電流損失による特性の劣化が発生し得る。
【0098】
代案として、
図5および
図11に図示された通り、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100’の一面に前記アンテナ211が配置される場合、前記貫通部120’および前記貫通部120’から延びた多数のクラック130は前記シート本体110の全体面積のうち前記アンテナ211の中空部Eと対応する対応領域A2に形成され得る。
【0099】
非制限的な一例として、
図6および
図7に図示された通り、前記貫通部120’は前記対応領域A2に複数個で形成され得、前記対応領域A2に形成された複数個の貫通部120’は互いに間隔をあけて離隔配置され得、前記多数のクラック130は複数個の貫通部120’からそれぞれ延長形成され得る。
【0100】
この時、
図6に図示された通り、前記複数個の貫通部120’は前記対応領域A2の中心点を基準として放射状に形成され得る。このような場合、前記対応領域A2の全体面積のうち前記対応領域の中心点を含む一部領域A2’は前記複数個の貫通部120’からそれぞれ延びたクラック130を通じて複数個のピースに分離され得る。
【0101】
また、
図7に図示された通り、前記複数個の貫通部120’は前記対応領域A2の中心点を基準として放射状に形成され得、前記複数個の貫通部120’は少なくとも一部が互いに連結されるように形成され得る。
【0102】
このような場合、前記複数個の貫通部120’は一端部が前記対応領域A2の中心点で互いに連結され得る。これを通じて、前記複数個の貫通部120’は互いに連結されて一つの貫通部として形成され得る。ここで、前記対応領域A2の全体面積のうち前記複数個の貫通部120’が互いに連結された中心点を含む一部領域A2’は、一端が互いに連結された複数個の貫通部120’からそれぞれ延びたクラック130を通じて複数個のピースに分離されてもよい。
【0103】
これを通じて、前記対応領域A2の全体面積のうち中心点を含む一部の面積は、前記複数個の貫通部120’から延びた多数のクラック130を通じて複数個のピースに分離されることによって、従来のフレーク工程を通じて分離形成されたシートと類似する形態で形成され得る。
【0104】
本実施例で、前記貫通部120’の幅は0.1mm~0.4mmであり得る。
【0105】
これは、前記貫通部120’の幅が0.4mmを超過すると、前記シート本体110に形成された貫通部120’を通じて漏洩する磁場の量が増加して遮蔽シートとしての性能が低下し得る。
【0106】
反面、前記貫通部120’の幅が0.1mm未満であると、前記シート本体110に貫通部120’を形成する工程が難しいため生産性が低下し得る。
【0107】
しかし、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’で前記貫通部120、120’の配置形態はこれに限定するものではなく、前記配置領域A1または対応領域A2内に形成されるのであれば、前記貫通部120、120’は多様な方式で形成され得る。
【0108】
すなわち、前記複数個の貫通部120は
図4の(a)~(f)に図示された通り、第1貫通部120a、第2貫通部120b、第3貫通部120cおよび第4貫通部120dのうち少なくとも1種以上を含む貫通部で形成され得、前記複数個の貫通部120は前述した配置領域A1に多様な方式で形成され得る。
【0109】
また、前記複数個の貫通部120’は
図8の(a)~(f)に図示された通り、第1貫通部120a’、第2貫通部120b’および第3貫通部120c’のうち少なくとも1種以上を含む貫通部で形成され得、前記複数個の貫通部120’は前述した対応領域A2に多様な方式で形成され得る。
【0110】
ここで、前記第1貫通部120a、120a’は前記シート本体110の幅方向または長さ方向に対して垂直な方向に形成された線形の貫通部であり得、前記第2貫通部120b、120b’は前記シート本体110の幅方向または長さ方向に対して平行な方向に形成された線形の貫通部であり得る。
【0111】
また、前記第3貫通部120c、120c’は前記シート本体110の幅方向または長さ方向に対して一定角度傾くように形成された線形の貫通部であり得、前記第4貫通部120dは所定の曲率を有する弧の形状で形成される曲線状の貫通部であり得る。
【0112】
しかし、前記複数個の貫通部120、120’の形成方式はこれに限定するものではなく、
図4の(a)~(f)に図示された形態の貫通部120の形成方式は
図5の貫通部120’の形成方式に適用され得、
図8の(a)~(f)に図示された形態の貫通部120’の形成方式は
図1の貫通部120の形成方式に適用されてもよい。
【0113】
前述した本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シート100、100’は、無線電力伝送のための無線電力受信モジュール200、200’で具現され得る。
【0114】
すなわち、前記無線電力受信モジュール200、200’は
図10および
図11に図示された通り、無線電力受信のための無線電力受信用アンテナ211と、前記無線電力受信用アンテナ211の一面に配置される磁場遮蔽シート100、100’を含むことができる。
【0115】
ここで、
図10および
図11に図示された前記無線電力受信モジュール200、200’を構成する磁場遮蔽シート100、100’は、
図1~
図9に図示された磁場遮蔽シート100、100’であり得る。
【0116】
このような無線電力受信モジュール200、200’はアンテナが前記無線電力受信用アンテナ211のみで構成されてもよいが、互いに異なる機能を遂行する多様なアンテナをさらに含むことができる。
【0117】
一例として、前記無線電力受信モジュール200、200’は無線電力受信用アンテナ211以外に、マグネチック決済のためのMSTアンテナおよび近距離通信のためのNFCアンテナ212のうち少なくともいずれか一つをさらに含むことができる。
【0118】
これに加え、前記無線電力受信モジュール200、200’は携帯電話、タブレットPCなどのような携帯端末機器に適用され得る。
【0119】
一方、前述した磁場遮蔽シート100、100’は下記の製造方法を通じて製造され得る。
【0120】
すなわち、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートの製造方法は
図12に図示された通り、第1面積のシート本体Mを準備する段階(S1)、前記シート本体Mを1次打ち抜きをする段階(S2)および前記シート本体Mを2次打ち抜きをする段階(S3)を含むことができる。
【0121】
前記第1面積のシート本体Mを準備する段階(S1)は、使い道および用途に合わせて所定の大きさで切断して最終製品である遮蔽シート300、300’を製造するための準備段階であり得る。ここで、前記遮蔽シート300は前述した磁場遮蔽シート100、100’であり得る。
【0122】
すなわち、前記遮蔽シート300は
図20に図示された通り、第2面積のシート本体110を含むことができ、
図18bおよび
図19bに図示された通り、前記第1面積のシート本体Mを1次打ち抜きをする段階(S2)および前記第1面積のシート本体Mを2次打ち抜きをする段階(S3)を通じて、前記第2面積のシート本体110側に前述した貫通部120、120’およびクラック130が形成され得る。
【0123】
これに対する具体的な内容は後述することにする。
【0124】
このようなシート本体Mは第1面積を有する板状のシートであり得、磁性を有する材質からなり得る。
【0125】
この時、前記第1面積のシート本体Mは、前記第1面積のシート本体Mに貫通部120、120’を形成する過程で外力によって前記貫通部120、120’から多数のクラック130が誘発されるように金属性分を含む材質で形成され得、熱処理が遂行されたシートであり得る。
【0126】
一例として、前記第1面積のシート本体Mは非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含むリボンシート111aであり得る。
【0127】
ここで、前記第1面積のシート本体Mは単層のリボンシート111aで形成されてもよいが、複数個のリボンシート111aが第1接着層111bを媒介として多層で積層された多層シートであり得、非晶質合金のリボンシートとナノ結晶粒合金のリボンシートが組み合わせられたハイブリッドシートであってもよい。
【0128】
非制限的な一例として、前記第1面積のシート本体Mは最終製品である遮蔽シート300を構成する第2面積のシート本体110が多層シートで構成されるように、非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち少なくとも1種以上を含む複数個のリボンシート111aが第1接着層111bを媒介として積層された多層シートであり得る。
【0129】
また、前記第1面積のシート本体Mを構成するそれぞれのリボンシート111aは熱処理されたリボンシートであり得、前記第1面積のシート本体Mの上部面と下部面のうち少なくとも一面に第2接着層112を媒介として保護フィルム113が付着された状態であり得る。
【0130】
好ましくは、前記保護フィルム113は前記第1面積のシート本体Mの上部面と下部面にそれぞれ付着され得る。
【0131】
すなわち、前記第1面積のシート本体Mを準備する段階(S1)は、複数個のリボンシート111aを第1接着層111bを媒介として積層して多層で形成された第1面積の多層シートを形成する段階および基材の両面に接着剤が塗布された第2接着層112を媒介として前記多層シートの上部面と下部面のうち少なくとも一面に保護フィルム113を付着する段階を含むことができる。
【0132】
ここで、前記第1面積のシート本体Mに付着される保護フィルム113は除去可能なリリースフィルムであり得る。
【0133】
これを通じて、後述する2次打ち抜きをする段階(S3)を通じて前記第1面積を有するシート本体M側に第2面積を規定する外郭縁Lを形成すると、前記第2面積を有する遮蔽シート300、300’は一面に前記第接着層112が露出された状態で前記第1面積のシート本体Mから分離され得る。
【0134】
これに伴い、前記第1面積のシート本体Mから分離された遮蔽シート300、300’は、一面に形成された第2接着層112を利用して他の部品に付着され得る。
【0135】
非制限的な一例として、
図13の拡大図に図示された通り、前記第2面積のシート本体Mは上部面と下部面に第2接着層112を媒介としてそれぞれ付着された一対の保護フィルム113を含むことができる。このような場合、前記第2接着層112は基材の両面に接着剤が塗布されたものであり得る。
【0136】
しかし、本発明はこれに限定するものではなく、前記保護フィルム113は前記第1面積のシート本体110の上部面と下部面のうちいずれか一面にのみ第2接着層112を媒介として付着され得、前記第2接着層112は液状またはゲル状の接着剤であってもよい。
【0137】
前記第1面積のシート本体Mを1次打ち抜きをする段階(S2)は、前記第1面積のシート本体Mの内側領域に所定の幅と長さを有する貫通部120、120’を形成しながら、前記貫通部120、120’から延びる多数のクラック130を形成する段階であり得る。ここで、前記貫通部120、120’は所定の幅と長さを有する線形の貫通部であり得る。
【0138】
すなわち、前記第1面積のシート本体Mを1次打ち抜きをする段階(S2)は、後述する第1面積のシート本体Mを2次打ち抜きをする段階(S3)を通じて規定される外郭縁Lの内側領域に貫通部120、120’を形成する段階であり得、前記貫通部120、120’とともに前記貫通部120、120’から誘発された多数のクラック130を同時に形成する段階であり得る。
【0139】
このような第1面積のシート本体を1次打ち抜きをする段階(S1)は、
図13に図示された打ち抜き装置を利用して遂行され得る。
【0140】
一例として、前記打ち抜き装置は一面に所定の高さで突出形成された複数個の突出部12が備えられる1次打ち抜き用上部金型10と、前記1次打ち抜き用上部金型10の下部に配置されて前記複数個の突出部12と対応する位置に貫通形成される複数個の開口ホール22が備えられる1次打ち抜き用下部金型20および前記1次打ち抜き用上部金型10の移動方向を案内する複数個のガイドバーGを含むことができる。
【0141】
このような場合、前記複数個の突出部12および複数個の開口ホール22は前述した貫通部120、120’と対応する形状を有することができる。
【0142】
一例として、前記複数個の突出部12および複数個の開口ホール22は所定の幅と長さを有する線形に形成され得、一つ以上の適切な個数で形成され得る。また、前記複数個の突出部12および複数個の開口ホール22は幅よりも長さがさらに長い長さを有するように形成され得る。
【0143】
また、前記複数個の突出部12および複数個の開口ホール22それぞれは
図14aおよび
図14bに図示された通り、互いに間隔をあけて離隔配置され得、仮想の中心点を基準として放射状に配置され得る。
【0144】
この時、前記1次打ち抜き用上部金型10側には前記ガイドバーGが通過できる第1ガイドホールH1がそれぞれ形成され得、前記第1面積のシート本体M側には前記ガイドバーGが通過できる少なくとも一つの第2ガイドホールH2が貫通形成され得る。
【0145】
これに伴い、前記1次打ち抜き用上部金型10は前記ガイドバーGが前記第1ガイドホールH1に差し込まれると前記ガイドバーGに沿って移動方向が案内され得、前記第1面積のシート本体Mは前記ガイドバーGが前記第2ガイドホールH2に差し込まれると流動が防止され得る。
【0146】
これを通じて、前記第1面積のシート本体Mは、少なくとも一つの第2ガイドホールH2に前記ガイドバーGが差し込まれた状態で前記1次打ち抜き用上部金型10および1次打ち抜き用下部金型20の間に位置するように配置され得、前記1次打ち抜き用上部金型10の移動を通じて一面が加圧され得る。
【0147】
これに伴い、1次打ち抜き工程時、前記1次打ち抜き用上部金型10が下降すると前記突出部12は前記第1面積のシート本体Mを加圧することができ、前記第1面積のシート本体M側には前記突出部12の加圧を通じて前記突出部12と対応する位置に貫通部120、120’が形成され得る。
【0148】
併せて、前記貫通部120、120’の縁側には、前記貫通部120、120’を形成するために前記突出部12から伝達される加圧力を通じて誘発された多数のクラック130が形成され得る。
【0149】
すなわち、
図14a~
図14bに図示された形態の1次打ち抜き用上部金型10および1次打ち抜き用下部金型20を利用して1次打ち抜き工程を遂行すると、前記第1面積のシート本体Mの内側領域には前記突出部12と対応する位置に所定の幅と長さを有する貫通部120、120’が形成され得る。
【0150】
このような場合、前記第1面積のシート本体Mの内側領域には、前記1次打ち抜き用上部金型10および1次打ち抜き用下部金型20にそれぞれ備えられる突出部12および開口ホール22のサイズにより
図18aに図示された形態の貫通部120が形成されてもよく、
図19aに形態の貫通部120’が形成されてもよい。
【0151】
併せて、
図18aに図示された形態の貫通部120の周囲には
図2に図示された形態のクラック130が前記貫通部120から誘発されて形成され得、
図19aに図示された形態の貫通部120’の周囲には
図6に図示された形態のクラック130が前記貫通部120’から誘発されて形成され得る。
【0152】
ここで、前記貫通部120を形成しながら前記第1面積のシート本体Mから分離された切開片は、前記開口ホール22を通じて下部に落下することができる。
【0153】
このように本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートの製造方法は、所定の幅と長さを有する貫通部120、120’を形成する打ち抜き過程で貫通部120、120’から誘発された多数個のクラック130を形成できるため、最終製品である遮蔽シート300の全体面積のうち一部領域にのみ局部的に貫通部およびこれによって誘発されたクラックを形成することができる。
【0154】
これに伴い、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートの製造方法を利用すると、設計条件および要求仕様を満足する遮蔽シートを簡便に製造することができる。
【0155】
これを通じて、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートの製造方法を通じて生産された遮蔽シート300は、非常に薄い厚さを有しながらも2000以上の高透磁率を具現することができる。
【0156】
併せて、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートの製造方法を通じて生産された遮蔽シート300は、前記貫通部120、120’および貫通部120、120’から誘発されたクラック130を通じて全体的な抵抗が増加し得るため、渦電流による損失を低減することができ、Q値を高めてアンテナの伝送効率を増加させることができる。
【0157】
このような場合、前記1次打ち抜き用上部金型10の突出部12および前記1次打ち抜き用下部金型20の開口ホール22は、最終製品である遮蔽シート300に形成される貫通部120、120’の形状により適切に変更され得る。
【0158】
一例として、前記1次打ち抜き用上部金型10’の突出部12’および前記1次打ち抜き用下部金型20’の開口ホール22’は、
図15aおよび
図15bに図示された形態で形成され得る。
【0159】
すなわち、前記複数個の突出部12’および複数個の開口ホール22’は前記1次打ち抜き用上部金型10’および1次打ち抜き用下部金型20’の内部領域に複数個で備えられ得、一端が互いに連結されて一つで構成され得る。
【0160】
また、前記複数個の突出部12’および複数個の開口ホール22’それぞれは互いに間隔をあけて離隔配置され得、仮想の中心点を基準として放射状に配置され得、前記複数個の突出部12’および複数個の開口ホール22’それぞれは少なくとも一部が互いに連結され得る。
【0161】
これに伴い、
図15aおよび
図15bに図示された形態の1次打ち抜き用上部金型10’および1次打ち抜き用下部金型20’を利用して1次打ち抜き工程を遂行すると、前記第1面積のシート本体Mの内側領域には前記突出部12’と対応する位置に所定の幅と長さを有する貫通部120、120’が形成され得る。
【0162】
このような場合、前記第1面積のシート本体Mの内側領域には、前記1次打ち抜き用上部金型10’および1次打ち抜き用下部金型20’にそれぞれ備えられる突出部12’および開口ホール22’のサイズにより、
図3に図示された形態の貫通部120と前記貫通部120から誘発された多数のクラック130が形成されてもよく、
図7に図示された形態の貫通部120’と前記貫通部120’から誘発された多数のクラック130が形成されてもよい。
【0163】
併せて、図面に図示してはいないが、前記1次打ち抜き用上部金型10、10’の突出部12、12’および前記1次打ち抜き用下部金型20、20’の開口ホール22、22’は、最終製品である遮蔽シート300に形成される貫通部の形態により適切に変更され得る。すなわち、前記1次打ち抜き用上部金型10、10’の突出部12、12’および前記1次打ち抜き用下部金型20、20’の開口ホール22、22’は、
図4および
図8に図示された多様な形態の貫通部120、120’と対応するように構成され得る。
【0164】
一例として、前記複数個の突出部12、12’および複数個の開口ホール22、22’それぞれは仮想の中心点を基準として放射状に配置されてもよく、前記第1面積のシート本体Mの幅方向または長さ方向と垂直または平行に配置されてもよい。
【0165】
また、前記複数個の突出部12、12’および複数個の開口ホール22、22’それぞれは前記第1面積のシート本体Mの幅方向または長さ方向に対して一定角度傾くように配置されてもよく、所定の長さを有する弧の形状で形成されてもよい。
【0166】
併せて、前記複数個の突出部12、12’および複数個の開口ホール22、22’それぞれは、前述した4つの方式のうち少なくとも2つの方式が互いに組み合わせられた形態であってもよい。
【0167】
これを通じて、前記第1面積のシート本体Mから打ち抜き工程を通じて打ち抜かれた遮蔽シート300には、
図4および
図8に図示された形態の多様な貫通部120、120’およびクラック130が形成され得る。
【0168】
一方、前記第1面積のシート本体を1次打ち抜きをする段階(S1)に使われる1次打ち抜き用上部金型10”は、前記第1面積のシート本体Mに前記貫通部120を形成する過程で前記第1面積のシート本体Mから分離された切開片Cを前記第1面積のシート本体Mから除去できるように構成されてもよい。
【0169】
すなわち、前述した1次打ち抜き用上部金型10、10’で突出部12、12’は、
図16に図示された形態に変更され得る。
【0170】
具体的には、
図16に図示された通り、1次打ち抜き用上部金型10”は一面から突出形成されるリング状の縁刃12”と前記縁刃12”の内側に突出形成される分離部材14を含むことができる。
【0171】
ここで、前記分離部材14は所定の幅と長さを有する面状に形成され得、前記分離部材14の幅と長さは前記縁刃12”の幅と長さより相対的に小さい大きさであり得る。また、前記分離部材14は前記縁刃12”の内側底面から一定の高さ突出するように形成され得、前記分離部材14の突出高さは前記縁刃12”の高さと同一であるか前記縁刃12”より相対的に低い高さであり得る。
【0172】
併せて、前記縁刃12”は前記貫通部120、120’と対応する大きさであり得る。
【0173】
これに伴い、1次打ち抜き工程時、前述した1次打ち抜き用上部金型10”を第1面積のシート本体Mに加圧すると、前記縁刃12”は所定の幅と長さを有する貫通部120、120’を形成することができ、前記分離部材14は前記貫通部120、120’を形成するために前記縁刃12”を通じて前記第1面積のシート本体Mから切開された切開片を下方に加圧することができる。
【0174】
これを通じて、前記縁刃12”を通じて前記第1面積のシート本体Mから切開された切開片は前記分離部材14を通じて前記第1面積のシート本体Mから分離され得、前記第1面積のシート本体Mから分離された切開片は前記1次打ち抜き用下部金型20の開口ホール22、22’を通じて下部に落下することができる。
【0175】
これによって、前述した1次打ち抜き用上部金型10”を利用すると、前記貫通部120、120’を形成する過程で前記縁刃12”を通じて前記第1面積のシート本体Mから切開された切開片を別途に分離する必要なく、1次打ち抜き過程で前記切開片Cが簡便に除去され得る。
【0176】
これに伴い、前述した1次打ち抜き用上部金型10”を利用すると、シート本体Mの内側に貫通部120、120’およびクラック130を形成する加工と前記貫通部120、120’を形成する過程で生成される不要な切開片の除去作業が共に遂行され得る。
【0177】
これを通じて、前述した1次打ち抜き用上部金型10”を利用すると、前記貫通部120、120’およびクラック130を含む遮蔽シート300を製造しても全体工程を簡素化させることができることによって生産単価を減らすことができる長所がある。
【0178】
前記第1面積のシート本体を2次打ち抜きをする段階(S3)は、前記シート本体Mの第1面積より相対的に狭い第2面積を有する遮蔽シート300を前記第1面積のシート本体Mから形成する段階であり得る。
【0179】
すなわち、前記第1面積のシート本体を2次打ち抜きをする段階(S3)は、最終製品である遮蔽シート300の大きさに前記第1面積のシート本体Mを加工する段階であり得、前記第1面積のシート本体Mから第2面積を有する前記遮蔽シート300の外郭縁Lを形成する段階であり得、最終製品である遮蔽シート300が前記外郭縁Lに沿って前記第1面積のシート本体Mから分離され得るように加工する段階であり得る。
【0180】
このような場合、前記外郭縁Lは前記1次打ち抜き用上部金型10を通じて形成された貫通部120、120’を含むように前記第1面積のシート本体Mから形成され得る。
【0181】
具体的には、前記第1面積のシート本体を2次打ち抜きをする段階(S3)は、
図17に図示された2次打ち抜き用金型30を利用して遂行され得る。
【0182】
すなわち、前記2次打ち抜き用金型30は一面に所定の高さで突出形成された少なくとも一つの外郭縁用刃32を含むことができ、前記外郭縁用刃32は内部が空いているリング状に形成され得る。
【0183】
また、前記2次打ち抜き用金型30は前述した1次打ち抜き用上部金型10と同様に、ガイドバーGを通じて移動が案内されるように前記ガイドバーGが通過する第1ガイドホールH1を含むことができる。
【0184】
これに伴い、前記1次打ち抜き用上部金型10、10’、10”を通じて貫通部120、120’およびこれから誘発されたクラック130が形成された第1面積のシート本体M側に前記2次打ち抜き用金型30を加圧すると、前記第1面積のシート本体M側には
図18bおよび
図19bに図示された通り、前記外郭縁用刃32を通じて前記複数個の貫通部120、120’を囲んで第2面積を規定する外郭縁Lが形成され得る。
【0185】
これを通じて、前記外郭縁Lを通じて規定された第2面積を有する部分を前記第1面積のシート本体Mから分離すれば、最終製品である遮蔽シート300は前記第1面積のシート本体Mから製造され得る。
【0186】
この時、前記第1面積のシート本体を2次打ち抜きをする段階(S3)で前記第1面積のシート本体Mは前述した通り、シート本体Mの上部面と下部面に第2接着層112a、112bを媒介としてそれぞれ付着された一対の保護フィルム113a、113bを含むことができ、前記2次打ち抜き用金型30を通じて形成された外郭縁Lは前記第1面積のシート本体Mおよび第2接着層112a、112bをすべて貫通するように形成され得、前記外郭縁Lは前記第1面積のシート本体Mの下部面に付着される保護フィルム113b側には形成されないことができる。
【0187】
すなわち、
図20に図示された通り、前記外郭縁Lは第1面積のシート本体M、第2接着層112a、112bおよびシート本体Mの上部面に付着された保護フィルム113aを貫通しながら、前記シート本体Mの下部面に付着された保護フィルム113bは貫通しないように形成され得る。
【0188】
これに伴い、本発明の一実施例に係る磁場遮蔽シートの製造方法を通じて、第1面積を有する一つのシート本体Mに第2面積を有する複数個の遮蔽シート300を形成した場合、前記第1面積のシート本体Mの下部面に付着された保護フィルム113bは、一面に第2面積を有する前記複数個の遮蔽シート300が付着された状態を維持するトレイとしての役割を遂行することができる。
【0189】
また、前記第1面積のシート本体Mから第2面積を有する遮蔽シート300を個別的に分離すれば、前記第1面積のシート本体Mから分離された第2面積の遮蔽シート300は一面に第2接着層112bが外部に露出され得る。
【0190】
これによって、使用者は前記第1面積のシート本体Mから前記第2面積の遮蔽シート300を個別的に分離した後、外部に露出した第2接着層112bを利用して他の部品に前記遮蔽シート300を付着したり、前記遮蔽シート300に他の部品を付着することができる。
【0191】
しかし、前述した外郭縁Lの形成方式はこれに限定するものではなく、前記第1面積のシート本体を2次打ち抜きをする段階(S3)で形成される外郭縁Lは前記第1面積のシート本体Mから遮蔽シート300が完全に分離され得るように形成されてもよい。
【0192】
すなわち、前記2次打ち抜き用金型30を通じて形成される外郭縁Lは、前記第1面積のシート本体M、第2接着層112a、112bおよび第1面積のシート本体Mの上部面および下部面に付着された一対の保護フィルム113a、113bをすべて貫通するように形成されてもよい。
【0193】
一方、前記第1面積のシート本体を1次打ち抜きをする段階(S2)で形成される貫通部120、120’は前述した通り、最終製品である遮蔽シート300の全体面積のうち一部の面積にのみ部分的に形成され得る。
【0194】
一例として、前記貫通部120は
図18bに図示された通り、最終製品である遮蔽シート300の全体面積のうち前記アンテナ211のパターン部Pが配置される一部の面積に形成され得、前記アンテナ211のパターン部Pが配置される一部の面積は前述した配置領域A1であり得る。
【0195】
これを通じて、前記第1面積のシート本体Mから分離された遮蔽シート300は、前記遮蔽シート300の全体面積のうち前記アンテナ211のパターン部Pと対応する一部の面積に対してのみ前記貫通部120とともに前記貫通部120から誘発されたクラック130が形成され得る。
【0196】
このような場合、前記アンテナ211のパターン部Pと対応する一部の面積に対して形成される貫通部120は前述した通り、
図2~
図4に図示された多様な方式で形成され得る。
【0197】
他の例として、前記第1面積のシート本体を1次打ち抜きをする段階(S2)で形成される貫通部120’は
図19bに図示された通り、最終製品である遮蔽シート300の全体面積のうち磁束が集中する一部の面積にのみ形成され得、前記磁束が集中する一部領域は前述した通り、前記アンテナ211の中空部Eと対応する対応領域A2であり得る。
【0198】
これを通じて、前記第1面積のシート本体Mから分離された遮蔽シート300は、前記遮蔽シート300の全体面積のうち前記アンテナ211の中空部Eと対応する一部の面積に対してのみ前記貫通部120’とともに前記貫通部120’から誘発されたクラック130が形成され得る。
【0199】
このような場合、前記アンテナ211の中空部Eと対応する一部の面積に対して形成される貫通部120’は前述した通り、
図6~
図8に図示された多様な方式で形成され得る。
【0200】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これも本発明の思想範囲内に含まれるものと言える。