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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】物品清掃装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/02 20060101AFI20230929BHJP
   B08B 5/04 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
B08B1/02
B08B5/04 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022070475
(22)【出願日】2022-04-22
(62)【分割の表示】P 2018034646の分割
【原出願日】2018-02-28
(65)【公開番号】P2022090032
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000158781
【氏名又は名称】紀伊産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167900
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 仁
(72)【発明者】
【氏名】小松 昭太
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 直之
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-009404(JP,A)
【文献】特開平10-043703(JP,A)
【文献】国際公開第2017/155074(WO,A1)
【文献】特開昭64-089388(JP,A)
【文献】特開2010-105106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/02
B08B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の側面を有する対象物の表面を清掃する物品清掃装置であって、
前記対象物の側面を保持することによって、前記対象物を空中にて保持する側面保持手段と、
前記側面保持手段にて保持された前記対象物の保持面とは異なる他の側面を清掃する清掃手段と、
前記物品清掃装置を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記側面保持手段に前記対象物を保持させる側面保持制御部と、
前記側面保持手段にて保持された前記対象物を前記清掃手段に清掃させる清掃制御部とを備えることを特徴とする物品清掃装置。
【請求項2】
請求項1に記載された物品清掃装置において、
前記側面保持手段は、前記対象物の側面を挟持することによって、前記対象物を保持することを特徴とする物品清掃装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された物品清掃装置において、
前記側面保持手段にて保持された前記対象物の保持面とは異なる他の側面を保持することによって、前記対象物を空中にて保持する他側面保持手段と、
前記側面保持手段にて保持されていた前記対象物の保持面を清掃する保持面清掃手段とを備え、
前記制御手段は、
前記側面保持手段にて保持されていた前記対象物を前記他側面保持手段に保持させる他側面保持制御部と、
前記側面保持手段にて保持されていた対象物の保持面を前記保持面清掃手段に清掃させる保持面清掃制御部とを備えることを特徴とする物品清掃装置。
【請求項4】
請求項3に記載された物品清掃装置において、
前記側面保持手段および前記他側面保持手段は、
前記対象物を保持するチャックと、
前記チャックを前記対象物に向かって進退させるスライダとを備え、
前記側面保持手段のスライダは、当該側面保持手段のチャックに対して鉛直上方側に位置し、前記他側面保持手段のスライダは、当該他側面保持手段のチャックに対して鉛直下方側に位置するように配置されることを特徴とする物品清掃装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4に記載された物品清掃装置において、
前記対象物の表面を密に清掃する密清掃手段と、
前記密清掃手段にて前記対象物の表面を清掃する前に粗く清掃する粗清掃手段を備えることを特徴とする物品清掃装置。
【請求項6】
請求項5に記載された物品清掃装置において、
前記粗清掃手段は、前記対象物の上面を最初に清掃し、前記密清掃手段は、前記清掃手段または前記保持面清掃手段にて前記対象物の上面とは異なる他の面を清掃した後、前記対象物の上面を最後に清掃することを特徴とする物品清掃装置。
【請求項7】
請求項6に記載された物品清掃装置において、
前記密清掃手段は、
前記対象物の上面を清掃する布製の布清掃具と、
前記布清掃具を前記対象物の上面に沿って摺動させる摺動機構とを備え、
前記制御手段は、
前記摺動機構にて前記布清掃具を前記対象物の上面に沿って摺動させることによって、前記対象物の上面を密に清掃する密清掃制御部を備えることを特徴とする物品清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト等の対象物を清掃する物品清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンパクト等の容器に内容物を自動的に装填し、最終製品を製造する装填装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された自動組立装置は、コンパクトの蓋を自動的に開蓋する容器開蓋装置や、化粧料を充填した中皿をコンパクトに組み込む中皿組込装置や、中皿に充填された化粧料の上にフィルムを載置するフィルム載置装置や、コンパクトを梱包するカートニング装置などを備えている。そして、これらの装置に対してコンパクトを搬送することによって、最終製品を製造している。
ところで、化粧料を充填した中皿は、その上面、側面、および底面に化粧料などの汚れが付着していることがあり、このような汚れは、コンパクトに組み込む前に清掃しておくことが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された自動組立装置では、中皿は、中皿供給コンベヤにて搬送されているので、その上面、側面、および底面を清掃しにくいという問題がある。特に、中皿の底面は、中皿供給コンベヤの搬送路と面接触しているので、上面や側面と比較して清掃しにくいという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、対象物の表面を容易に清掃することができる物品清掃装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の物品清掃装置は、複数の側面を有する対象物の表面を清掃する物品清掃装置であって、対象物の側面を保持することによって、対象物を空中にて保持する側面保持手段と、側面保持手段にて保持された対象物の保持面とは異なる他の側面を清掃する清掃手段と、物品清掃装置を制御する制御手段とを備え、制御手段は、側面保持手段に対象物を保持させる側面保持制御部と、側面保持手段にて保持された対象物を清掃手段に清掃させる清掃制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、物品清掃装置は、側面保持手段に対象物の側面を空中にて保持させた後、側面保持手段にて保持された対象物の保持面とは異なる他の側面を清掃手段に清掃させるので、例えば、対象物の上面や、底面や、保持面とは異なる側面を容易に清掃することができる。
【0008】
本発明では、側面保持手段は、対象物の側面を挟持することによって、対象物を保持することが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、側面保持手段は、対象物の側面を挟持することによって、対象物を保持するので、対象物を確実に保持することができ、清掃手段にて効率よく清掃することができる。
【0010】
本発明では、側面保持手段にて保持された対象物の保持面とは異なる他の側面を保持することによって、対象物を空中にて保持する他側面保持手段と、側面保持手段にて保持されていた対象物の保持面を清掃する保持面清掃手段とを備え、制御手段は、側面保持手段にて保持されていた対象物を他側面保持手段に保持させる他側面保持制御部と、側面保持手段にて保持されていた対象物の保持面を保持面清掃手段に清掃させる保持面清掃制御部とを備えることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、物品清掃装置は、側面保持手段にて保持されていた対象物を他側面保持手段に空中にて保持させた後、側面保持手段にて保持されていた対象物の保持面を保持面清掃手段に清掃させるので、対象物の全ての表面を清掃することができる。
【0012】
本発明では、側面保持手段および他側面保持手段は、対象物を保持するチャックと、チャックを対象物に向かって進退させるスライダとを備え、側面保持手段のスライダは、この側面保持手段のチャックに対して鉛直上方側に位置し、他側面保持手段のスライダは、この他側面保持手段のチャックに対して鉛直下方側に位置するように配置されることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、側面保持手段のスライダは、この側面保持手段のチャックに対して鉛直上方側に位置し、他側面保持手段のスライダは、この他側面保持手段のチャックに対して鉛直下方側に位置するように配置されているので、側面保持手段および他側面保持手段を互いに接触させることなく側面保持手段のチャックおよび他側面保持手段のチャックを進退させることができる。換言すれば、側面保持手段および他側面保持手段は、対象物を同時に保持することができるので、他側面保持手段は、側面保持手段にて保持された対象物を床面などに置くことなく空中にて保持して受け取ることができる。
【0014】
本発明では、対象物の表面を密に清掃する密清掃手段と、密清掃手段にて対象物の表面を清掃する前に粗く清掃する粗清掃手段を備えることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、物品清掃装置は、粗清掃手段にて対象物の表面を粗く清掃した後、密清掃手段にて対象物の表面を密に清掃することができるので、対象物の表面を確実に清掃することができる。
【0016】
本発明では、粗清掃手段は、対象物の上面を最初に清掃し、密清掃手段は、清掃手段または保持面清掃手段にて対象物の上面とは異なる他の面を清掃した後、対象物の上面を最後に清掃することが好ましい。
【0017】
ここで、化粧料を充填した中皿の上面は、使用者の目に留まりやすく汚れの目立つ部位であるので、最も丁寧に清掃することが望ましい。仮に中皿の側面や底面を清掃する前に中皿の上面を清掃するとすれば、中皿の側面や底面を清掃したときに中皿の上面に汚れが付着してしまうおそれがある。また、仮に中皿の側面や底面を清掃した後に中皿の上面を清掃するとすれば、清掃後の中皿の側面や底面に中皿の上面の汚れが付着してしまうおそれがある。
【0018】
本発明によれば、粗清掃手段は、対象物の上面を最初に清掃し、密清掃手段は、清掃手段または保持面清掃手段にて対象物の上面とは異なる他の面を清掃した後、対象物の上面を最後に清掃するので、中皿の側面や底面を清掃したときに中皿の上面に汚れが付着してしまうおそれや、清掃後の中皿の側面や底面に中皿の上面の汚れが付着してしまうおそれを取り除くことができるとともに、中皿の上面を最も丁寧に清掃することができる。
【0019】
本発明では、密清掃手段は、対象物の上面を清掃する布製の布清掃具と、布清掃具を対象物の上面に沿って摺動させる摺動機構とを備え、制御手段は、摺動機構にて布清掃具を対象物の上面に沿って摺動させることによって、対象物の上面を密に清掃する密清掃制御部を備えることが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、物品清掃装置は、摺動機構にて布清掃具を対象物の上面に沿って摺動させることによって、対象物の上面を密に清掃するので、対象物の上面を磨くようにして清掃することができ、例えば、ブラシなどを用いて対象物の表面を清掃する場合と比較して丁寧に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】閉蓋状態としたコンパクトを示す上面図および側面図
図2】開蓋状態としたコンパクトを示す上面図および側面図
図3】コンパクトの装填装置を示す上面図
図4】中皿清掃装置の外観を示す上面図
図5】中皿コンベアおよび第1インデックスの拡大上面図
図6】中皿コンベアを搬送方向の手前側から見た図
図7】中皿コンベアおよび第1インデックスの腕部の拡大図
図8】中皿コンベアにて搬送された中皿を第1インデックスにて保持している状態を示す図
図9】第1インデックスの腕部および底面清掃機構の拡大図
図10】底面清掃機構にて中皿の底面を清掃している状態を示す図
図11】第1インデックスの腕部および平行側面清掃機構の拡大図
図12】平行側面清掃機構にて中皿の両側面を清掃している状態を示す図
図13】第2インデックスおよび中皿送出機構の拡大上面図
図14】第1インデックスの腕部および第2インデックスの腕部の拡大斜視図
図15】第1インデックスにて搬送された中皿を第2インデックスにて保持している状態を示す図
図16】第2インデックスの腕部および傾斜側面清掃機構の拡大上面図
図17】上面密清掃機構の拡大上面図
図18】第2インデックスおよび上面密清掃機構の拡大側面図
図19】摩擦清掃機の要部を拡大した上面図
図20】摩擦清掃機にて中皿の上面および不織布を擦り合わせている状態を示す図
図21】中皿送出機構の拡大上面図
図22】中皿送出機構の拡大側面図
図23】集塵機構の外観斜視図
図24】第2インデックスを回転させた状態を示す集塵機構の外観斜視図
図25】中皿清掃装置の概略構成を示すブロック図
図26】中皿清掃装置の制御方法を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態のコンパクトの装填装置は、化粧料を充填した中皿と、ブラシとを容器に装填することによって、最終製品としてのコンパクトを製造する装置である。まず、このコンパクトについて説明する。
【0023】
図1は、閉蓋状態としたコンパクトを示す上面図および側面図である。図2は、開蓋状態としたコンパクトを示す上面図および側面図である。具体的には、図1(A)および図2(A)は、コンパクトの上面図であり、図1(B)および図2(B)は、コンパクトの側面図である。
コンパクト100は、図1および図2に示すように、容器20と、この容器20に装填された中皿DおよびブラシBとを備えている(図2(A)参照)。
【0024】
容器20は、容器本体201と、容器本体201を蓋する蓋部材202とを備えている。
容器本体201は、化粧料C1を充填した中皿Dを収容する収容部201Aと、ブラシBを収容する収容部201Bとを備えている。
蓋部材202は、矩形板状のミラーMと、このミラーMを収容する収容部202Aとを備えている。
【0025】
また、容器20は、容器本体201の一端および蓋部材202の一端を回動自在に接続するヒンジ部203と、容器本体201の他端および蓋部材202の他端を開閉自在に係合するフック部204とを有している。この容器20は、ヒンジ部203を回動させてフック部204を係合して閉蓋状態とすることによって、全体略直方体状となる。
【0026】
図3は、コンパクトの装填装置を示す上面図である。具体的には、図3は、コンパクトの装填装置1を鉛直上方側から見た模式図である。なお、図3では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
コンパクトの装填装置1は、図3に示すように、複数の容器20を収容したパレット2を所定方向(X軸方向)に沿って搬送することによって、複数の容器20を搬送するコンベアVを備えている。
【0027】
また、コンパクトの装填装置1は、容器供給装置3と、ラベル貼付装置4と、容器移載装置5と、容器開蓋装置6と、中皿清掃装置7と、中皿装填装置8と、ブラシ装填装置9と、パレット調整装置10と、容器排出装置11とを備え、これらの装置3~11は、コンベアVの上流側から下流側に向かって配設されている。
なお、コンベアVおよび装置3~11は、ガラス板を嵌め込まれたフレームにて密閉された領域の内部に収納されている(図示略)。作業者は、コンベアVおよび装置3~11の近傍にそれぞれ配設された扉を開くことによって、コンベアVおよび装置3~11のメンテナンス等を実施できる。
【0028】
コンベアVは、6個の容器20を供給したパレット2を所定方向(X軸方向)に沿って搬送することによって、容器20を搬送する。
コンベアVは、パレット2を+X軸方向に搬送することによって、容器20を搬送する往路用コンベアV1と、往路用コンベアV1と平行に配設されるとともに、パレット2を-X軸方向に搬送することによって、パレット2を往路用コンベアV1の上流側に搬送する復路用コンベアV2とを備えている。
【0029】
また、コンベアVは、復路用コンベアV2にて往路用コンベアV1の上流側に搬送されてきたパレット2を往路用コンベアV1に送り出す往路用送出機構(図示略)と、往路用コンベアV1にて復路用コンベアV2の上流側に搬送されてきたパレット2を復路用コンベアV2に送り出す復路用送出機構(図示略)とを備えている。
【0030】
したがって、コンベアVは、パレット2を往路用コンベアV1にて+X軸方向に搬送した後、復路用送出機構にて復路用コンベアV2に送り出し、復路用コンベアV2にて-X軸方向に搬送した後、往路用送出機構にて往路用コンベアV1に再び送り出すので、パレット2をZ軸まわりに回転させるように巡回させて搬送する。
【0031】
容器供給装置3は、作業者によってメインコンベア33に載置された容器20をラベル貼付装置4に搬送する。ここで、作業者は、閉蓋状態の容器本体201を鉛直上方側とし、蓋部材202を鉛直下方側とし、表裏反転させた容器20を容器供給装置3に載置する。
【0032】
ラベル貼付装置4は、-Y軸方向に向かって容器20を搬送する搬送路41と、搬送路41にて搬送されている容器20に対して鉛直上方側からラベルを貼り付ける貼付機構42とを備えている。ここで、容器20は、表裏反転しているので、ラベル貼付装置4は、容器本体201にラベルを貼り付けている。
容器移載装置5は、搬送路41を介して+X軸方向に向かって搬送されている容器20をパレット2に移載する。具体的には、容器移載装置5は、6個の容器20をパレット2に移載する。
なお、容器20は、ラベル貼付装置4にてラベルを貼り付けられた後、容器移載装置5にてパレット2に移載される前、換言すれば搬送路41を介して+X軸方向に向かって搬送されているときに、閉蓋状態の容器本体201を鉛直下方側とし、蓋部材202を鉛直上方側とするように反転させている。
【0033】
容器開蓋装置6は、パレット2に供給された容器20のフック部204の係合を解除した後、ヒンジ部203を回動させることによって、容器20を開蓋する。
中皿清掃装置7は、中皿Dを鉛直上方側から把持する第1インデックス71と、中皿Dを鉛直下方側から把持する第2インデックス72とを備え、第1インデックス71および第2インデックス72に把持された中皿Dの底面、各側面、および上面(周縁部)の6面を清掃する。この中皿清掃装置7については後に詳細に説明する。
【0034】
中皿装填装置8は、中皿清掃装置7にて清掃された中皿Dを容器開蓋装置6にて開蓋状態とした容器20のそれぞれに装填する。具体的には、中皿装填装置8は、容器20の収容部201Aにホットメルト接着剤を塗布した後、化粧料C1を充填した中皿Dを装填する。
ブラシ装填装置9は、ブラシBを載置する載置台91と、載置台91に載置されたブラシBを容器20に装填する装填機構92を備えている。この装填機構92は、中皿装填装置8にて中皿Dを装填した容器20のそれぞれにブラシBを装填する。具体的には、ブラシ装填装置9は、容器20の収容部201BにブラシBを装填する。
【0035】
パレット調整装置10は、容器20の大きさに合わせてパレット2の調整を実施する。ここで、パレット2は、6個の容器20を収容できるとともに、その収容幅を調整できるようになっている。パレット調整装置10は、このパレット2の収容幅の調整を実施する。
容器排出装置11は、容器20を排出する排出路111と、容器20をパレット2から排出路111に移載する移載機構112とを備え、この移載機構112にて容器20をパレット2から排出路111に移載して排出する。
【0036】
<中皿清掃装置>
図4は、中皿清掃装置の外観を示す上面図である。
中皿清掃装置7は、図4に示すように、+Y軸方向側に向かって中皿Dを搬送する中皿コンベア70と、中皿コンベア70にて搬送された中皿Dを保持するとともに、この中皿Dを紙面反時計回りに搬送する第1インデックス71と、第1インデックス71にて搬送された中皿Dを保持するとともに、この中皿Dを紙面反時計回りに搬送する第2インデックス72と、第2インデックス72にて搬送された中皿Dを-X軸方向側に向かって送り出す中皿送出機構73とを備えている。
なお、中皿清掃装置7は、ガラス板を嵌め込まれたフレームFLにて密閉された領域の内部に収納されている。作業者は、中皿清掃装置7の近傍にそれぞれ配設された扉を開くことによって、中皿清掃装置7のメンテナンス等を実施できる。
【0037】
この中皿清掃装置7は、側面を有する対象物としての中皿Dの表面を清掃する物品清掃装置である。
なお、本実施形態では、側面を有する対象物として中皿Dを例示して説明するが、対象物は、側面を有していればよく、本発明は、どのような対象物に適用してもよい。
【0038】
図5は、中皿コンベアおよび第1インデックスの拡大上面図である。
中皿コンベア70は、図5に示すように、中皿Dを載置するとともに、+Y軸方向側に移動することによって、+Y軸方向側に向かって中皿Dを搬送する搬送路701と、搬送路701に載置された中皿Dの上面を粗く清掃する上面粗清掃機構702と、搬送路701にて搬送された中皿Dを静止させるストッパ703とを備えている。
【0039】
図6は、中皿コンベアを搬送方向の手前側から見た図である。換言すれば、図6は、中皿コンベア70を-Y軸方向側から見た図である。
上面粗清掃機構702は、図6に示すように、中皿Dの上面に当接することによって、中皿Dの上面を粗く清掃するウレタン702Aと、ウレタン702Aを支持する直方体状のボックス702Bと、ボックス702BをX軸方向に沿ってスライドさせるボックススライダ702Cとを備えている。このボックススライダ702Cは、ボックス702Bをスライドさせることによって、中皿Dの上面に対するウレタン702Aの位置を調整する。
【0040】
ウレタン702Aは、Y軸方向に沿って延在する複数の凸部702A1および凹部702A2を有し、この凸部702A1を中皿Dの上面に当接させるようにしてボックス702Bの底面に取り付けられている。
【0041】
ボックス702Bは、中空状の本体部702B1と、本体部702B1の+X軸方向側に+Z軸方向側に向かって突出するように設けられた集塵パイプ702B2とを備えている。
本体部702B1は、その底面に形成された複数の開孔702B3(図5参照)を有し、各開孔702B3は、ウレタン702Aの凹部702A2と対応する位置に形成されている。
集塵パイプ702B2は、集塵機(図示略)に接続されている。この集塵機は、集塵パイプ702B2を介して本体部702B1の内部の空気を吸引することによって、本体部702B1の内部の集塵を実施する。
【0042】
したがって、中皿コンベア70は、搬送路701にて+Y軸方向側に向かって中皿Dを搬送するので、上面粗清掃機構702は、ウレタン702Aを中皿Dの上面に当接させることによって、中皿Dの上面を擦るようにして粗く清掃することができる。
また、上面粗清掃機構702は、集塵パイプ702B2に接続された集塵機にて集塵パイプ702B2を介して本体部702B1の内部の空気を吸引することによって、ウレタン702Aの凹部702A2と、ボックス702Bの本体部702B1の開孔702B3とを介して中皿Dの上面を吸引して粗く清掃することができる。
【0043】
第1インデックス71は、図5に示すように、中心軸O回りに回転自在に設けられた円盤部711と、円盤部711から径方向に沿って延出する4つの腕部712と、円盤部711の-Y軸方向側に設けられた底面清掃機構713と、円盤部711の+X軸方向側に設けられるとともに、中皿Dの互いに平行となる両側面を清掃する平行側面清掃機構714とを備えている。
【0044】
円盤部711は、中心軸O回りに回転する出力軸を有するモータ(図示略)と、中心軸Oに沿って昇降するロッドを有するエアシリンダ(図示略)とに接続されている。モータは、中心軸O回りに円盤部711を紙面反時計回りに回転させる。具体的には、モータは、円盤部711を90度ごと間欠的に回転させる。エアシリンダは、中心軸Oに沿って円盤部711を昇降させる。具体的には、エアシリンダは、モータにて円盤部711を回転させる前に円盤部711を上昇させ、モータにて円盤部711を回転させた後に円盤部711を下降させる。
なお、本実施形態では、第1インデックス71は、モータおよびエアシリンダを備え、モータおよびエアシリンダにて円盤部711を回転・昇降させているが、これとは異なる機構を採用し、円盤部711を回転・昇降させてもよく、例えば、エアシリンダを用いることなく円盤部711を昇降させてもよい。
【0045】
図7は、中皿コンベアおよび第1インデックスの腕部の拡大図である。具体的には、図7(A)は、中皿コンベア70および第1インデックス71の腕部712の拡大上面図であり、図7(B)は、中皿コンベア70および第1インデックス71の腕部712を+Y軸方向側から見た拡大側面図である。
腕部712は、図7に示すように、中皿Dを保持するチャック712Aと、チャック712Aを腕部712の延在方向に沿って(中皿Dに向かって)進退させるスライダ712Bとを備えている。
チャック712Aは、中皿Dの傾斜した側面に当接する傾斜爪部712A1と、中皿Dの傾斜した側面と対向する側面に当接する対向爪部712A2とを有している。
【0046】
図8は、中皿コンベアにて搬送された中皿を第1インデックスにて保持している状態を示す図である。具体的には、図8(A)は、中皿コンベア70および第1インデックス71の腕部712の拡大上面図であり、図8(B)は、中皿コンベア70および第1インデックス71の腕部712を+Y軸方向側から見た拡大側面図である。
【0047】
第1インデックス71は、モータにて円盤部711を90度ごと間欠的に回転させることによって、ストッパ703にて静止させられた中皿Dの上方位置に腕部712を静止させる。そして、第1インデックス71は、エアシリンダにて円盤部711を下降させた後、図8(B)の矢印に示すように、傾斜爪部712A1および対向爪部712A2を中皿Dに向かって進出させることによって、チャック712Aにて中皿Dを保持する。
【0048】
このように、本実施形態では、第1インデックス71は、中皿D(対象物)の側面を保持することによって、中皿Dを保持する側面保持手段として機能する。また、第1インデックス71は、中皿Dの側面を挟持することによって、中皿Dを保持している。具体的には、第1インデックス71は、中皿Dを保持するチャック712Aと、チャック712Aを中皿Dに向かって進退させるスライダ712Bとを備え、スライダ712Bは、チャック712Aに対して鉛直上方側に位置するように配置されている。
【0049】
なお、本実施形態では、第1インデックス71は、中皿Dの側面を挟持することによって、中皿Dを保持しているが、例えば、中皿Dの1つの側面のみを吸引することなどによって、中皿Dを保持してもよい。要するに、側面保持手段は、中皿Dの側面を保持することによって、中皿Dを保持すればよい。
また、本実施形態では、スライダ712Bは、チャック712Aに対して鉛直上方側に位置するように配置されているが、これとは異なる位置に配置されていてもよい。
【0050】
次に、第1インデックス71は、エアシリンダにて円盤部711を上昇させた後、モータにて円盤部711を90度ごと間欠的に回転させることによって、図5に示すように、底面清掃機構713の上方位置にチャック712Aにて中皿Dを保持した腕部712を静止させる。そして、第1インデックス71は、エアシリンダにて円盤部711を下降させる。
【0051】
図9は、第1インデックスの腕部および底面清掃機構の拡大図である。具体的には、図9(A)は、第1インデックス71の腕部712および底面清掃機構713の拡大上面図であり、図9(B)は、第1インデックス71の腕部712および底面清掃機構713を+X軸方向側から見た拡大側面図である。
底面清掃機構713は、図9に示すように、中皿Dの底面に当接することによって、中皿Dの底面を清掃する清掃具713Aと、清掃具713Aを収容する直方体状のボックス713Bと、ボックス713BをY軸方向に沿ってスライドさせるボックススライダ713Cとを備えている。このボックススライダ713Cは、ボックス713Bをスライドさせることによって、中皿Dの底面に対して清掃具713Aを移動させる。
【0052】
清掃具713Aは、X軸回りに回転自在となるようにボックス713Bに支持されたローラブラシ713A1と、ローラブラシ713A1の回転軸の+X軸方向側の端部を覆うようにしてボックス713Bに取り付けられた中空状のサブボックス713A2と、サブボックス713A2に固定されたモータ713A3と、ローラブラシ713A1の回転軸およびモータ713A3の出力軸に掛け回されたベルト713A4とを備えている。
【0053】
ボックス713Bは、上面側に開口を有する箱状の本体部713B1と、本体部713B1の-Y軸方向側に+X軸方向側に向かって突出するように設けられた集塵パイプ713B2とを備えている。
集塵パイプ713B2は、集塵機(図示略)に接続されている。この集塵機は、集塵パイプ713B2を介して本体部713B1の内部の空気を吸引することによって、本体部713B1の内部の集塵を実施する。
【0054】
図10は、底面清掃機構にて中皿の底面を清掃している状態を示す図である。具体的には、図10(A)は、第1インデックス71の腕部712および底面清掃機構713の拡大上面図であり、図10(B)は、第1インデックス71の腕部712および底面清掃機構713を+X軸方向側から見た拡大側面図である。
底面清掃機構713は、図10に示すように、モータ713A3の出力軸を回転させることによって、ベルト713A4を介してローラブラシ713A1の回転軸を回転させた状態において、ボックススライダ713Cにてボックス713Bを+Y軸方向に向かってスライドさせることによって、中皿Dの底面に対して清掃具713Aを移動させる(図中矢印参照)。これによって、清掃具713Aは、中皿Dの底面にローラブラシ713A1を当接させて中皿Dの底面を清掃する。
【0055】
このように、本実施形態では、底面清掃機構713は、第1インデックス71にて保持された中皿Dの保持面(チャック712Aにて保持された中皿Dの側面)とは異なる面(中皿Dの底面)を清掃する清掃手段として機能する。
【0056】
次に、第1インデックス71は、エアシリンダにて円盤部711を上昇させた後、モータにて円盤部711を90度ごと間欠的に回転させることによって、図5に示すように、平行側面清掃機構714の上方位置にチャック712Aにて中皿Dを保持した腕部712を静止させる。そして、第1インデックス71は、エアシリンダにて円盤部711を下降させる。
【0057】
図11は、第1インデックスの腕部および平行側面清掃機構の拡大図である。具体的には、図11(A)は、第1インデックス71の腕部712および平行側面清掃機構714の拡大上面図であり、図11(B)は、第1インデックス71の腕部712および平行側面清掃機構714を+X軸方向側から見た拡大側面図である。
平行側面清掃機構714は、図11に示すように、中皿Dの互いに平行となる両側面に当接することによって、中皿Dの両側面を清掃する一対の清掃具714Aと、各清掃具714Aの一部を収容する直方体状のボックス714Bと、各清掃具714AをY軸方向に沿ってスライドさせる一対の清掃具スライダ714Cとを備えている。各清掃具スライダ714Cは、各清掃具714Aをスライドさせることによって、中皿Dの両側面の位置に合わせて各清掃具714Aの位置を調整する。
【0058】
各清掃具714Aは、各清掃具スライダ714Cに固定されたベース714A0と、X軸回りに回転自在となるようにベース714A0に支持されたローラブラシ714A1と、ローラブラシ714A1の回転軸の+X軸方向側の端部を覆うようにしてベース714A0に取り付けられた中空状のサブボックス714A2と、サブボックス714A2に固定されたモータ714A3と、ローラブラシ714A1の回転軸およびモータ714A3の出力軸に掛け回されたベルト714A4とを備えている。
【0059】
ボックス714Bは、上面側に開口を有する箱状の本体部714B1と、本体部714B1の中央に+X軸方向側に向かって突出するように設けられた集塵パイプ714B2とを備えている。
集塵パイプ714B2は、集塵機(図示略)に接続されている。この集塵機は、集塵パイプ714B2を介して本体部714B1の内部の空気を吸引することによって、本体部714B1の内部の集塵を実施する。
【0060】
また、平行側面清掃機構714は、ボックス714Bおよび各清掃具スライダ714Cを-Z軸方向側から支持するとともに、ボックス714Bおよび各清掃具スライダ714CをZ軸方向に沿って昇降させる昇降機(図示略)を備えている。
【0061】
図12は、平行側面清掃機構にて中皿の両側面を清掃している状態を示す図である。
平行側面清掃機構714は、図12に示すように、モータ714A3の出力軸を回転させることによって、ベルト714A4を介してローラブラシ714A1の回転軸を回転させた状態において、昇降機にて各清掃具714Aを+Z軸方向に向かって上昇させることによって、中皿Dの両側面に対して各清掃具714Aを移動させる(図中矢印参照)。これによって、各清掃具714Aは、中皿Dの両側面にローラブラシ714A1を当接させて中皿Dの両側面を清掃する。
【0062】
このように、本実施形態では、平行側面清掃機構714は、第1インデックス71にて保持された中皿Dの保持面(チャック712Aにて保持された中皿Dの側面)とは異なる面(中皿Dの互いに平行となる両側面)を清掃する清掃手段として機能する。
【0063】
図13は、第2インデックスおよび中皿送出機構の拡大上面図である。
第2インデックス72は、図13に示すように、中心軸O回りに回転自在に設けられた円盤部721と、円盤部721から径方向に沿って延出する4つの腕部722と、円盤部721の+X軸方向側に設けられるとともに、中皿Dの傾斜した側面および中皿Dの傾斜した側面と対向する側面を清掃する傾斜側面清掃機構723と、円盤部721の+Y軸方向側に設けられるとともに、中皿Dの上面を密に清掃する上面密清掃機構724とを備えている。また、第2インデックス72は、円盤部721および腕部722の下方位置に設けられるとともに、傾斜側面清掃機構723および上面密清掃機構724による中皿Dの清掃に起因して落下する化粧料などを集塵する集塵機構725を備えている。
【0064】
円盤部721は、中心軸O回りに回転する出力軸を有するモータ(図示略)と、中心軸Oに沿って昇降するロッドを有するエアシリンダ(図示略)とに接続されている。モータは、中心軸O回りに円盤部721を紙面反時計回りに回転させる。具体的には、モータは、円盤部721を90度ごと間欠的に回転させる。エアシリンダは、中心軸Oに沿って円盤部721を昇降させる。具体的には、エアシリンダは、モータにて円盤部721を回転させる前に円盤部721を下降させ、モータにて円盤部721を回転させた後に円盤部721を上昇させる。
なお、本実施形態では、第2インデックス72は、モータおよびエアシリンダを備え、モータおよびエアシリンダにて円盤部721を回転・昇降させているが、これとは異なる機構を採用し、円盤部721を回転・昇降させてもよく、例えば、エアシリンダを用いることなく円盤部721を昇降させてもよい。
【0065】
図14は、第1インデックスの腕部および第2インデックスの腕部の拡大斜視図である。
第2インデックス72の腕部722は、図14に示すように、中皿Dの側面に当接する爪部を有し、中皿Dを保持するチャック722Aと、チャック722Aを腕部722の延在方向と直交する方向に沿って(中皿Dに向かって)進退させるスライダ722Bとを備えている。
【0066】
図15は、第1インデックスにて搬送された中皿を第2インデックスにて保持している状態を示す図である。具体的には、図15(A)は、第1インデックス71にて搬送された中皿Dを第2インデックス72にて保持する前の状態を示す図であり、図15(B)は、第1インデックス71にて搬送された中皿Dを第2インデックス72にて保持した後の状態を示す図である。
【0067】
第2インデックス72は、モータにて円盤部721を90度ごと間欠的に回転させることによって、第1インデックス71にて搬送された中皿Dの下方位置に腕部722を静止させる。そして、第2インデックス72は、図15(A)に示すように、エアシリンダにて円盤部721を上昇させた後、チャック722Aの爪部を中皿Dに向かって進出させることによって(図中矢印)、チャック722Aにて中皿Dを保持する。その後、第1インデックス71は、図15(B)に示すように、チャック712Aの爪部を中皿Dに対して後退させることによって(図中矢印)、中皿Dを解放する。
【0068】
このように、本実施形態では、第2インデックス72は、第1インデックス71にて保持された中皿Dの保持面(チャック712Aにて保持された中皿Dの側面)とは異なる他の側面(中皿Dの互いに平行となる両側面)を保持することによって、中皿Dを保持する他側面保持手段として機能する。また、第2インデックス72は、中皿Dの側面を挟持することによって、中皿Dを保持している。具体的には、第2インデックス72は、中皿Dを保持するチャック722Aと、チャック722Aを中皿Dに向かって進退させるスライダ722Bとを備え、スライダ722Bは、チャック722Aに対して鉛直下方側に位置するように配置されている。
【0069】
なお、本実施形態では、第2インデックス72は、中皿Dの側面を挟持することによって、中皿Dを保持しているが、例えば、中皿Dの1つの側面のみを吸引することなどによって、中皿Dを保持してもよい。要するに、他側面保持手段は、中皿Dの側面を保持することによって、中皿Dを保持すればよい。
また、本実施形態では、スライダ722Bは、チャック722Aに対して鉛直下方側に位置するように配置されているが、これとは異なる位置に配置されていてもよい。
【0070】
次に、第2インデックス72は、エアシリンダにて円盤部721を下降させた後、モータにて円盤部721を90度ごと間欠的に回転させることによって、図13に示すように、傾斜側面清掃機構723の下方位置にチャック722Aにて中皿Dを保持した腕部722を静止させる。そして、第2インデックス72は、エアシリンダにて円盤部721を上昇させる。
【0071】
ここで、第1インデックス71は、前述したように、エアシリンダにて円盤部711を上昇させた後、モータにて円盤部711を90度ごと間欠的に回転させることによって、図5に示すように、底面清掃機構713の上方位置にチャック712Aにて中皿Dを保持した腕部712を静止させる。そして、第1インデックス71は、エアシリンダにて円盤部711を下降させる。
換言すれば、第1インデックス71および第2インデックス72は、互いに同期して90度ごと間欠的に回転するとともに、互いに同期して昇降するようになっている。
【0072】
図16は、第2インデックスの腕部および傾斜側面清掃機構の拡大上面図である。
傾斜側面清掃機構723は、図16に示すように、中皿Dの傾斜した側面に当接することによって、中皿Dの傾斜した側面を清掃する清掃具723Aと、中皿Dの傾斜した側面と対向する側面に当接することによって、中皿Dの傾斜した側面と対向する側面を清掃する清掃具723Bと、清掃具723Aを中皿Dの傾斜した側面と直交する方向に沿ってスライドさせる清掃具スライダ723Cと、清掃具723BをX軸方向に沿ってスライドさせる清掃具スライダ723Dとを備えている。各清掃具スライダ723C,723Dは、各清掃具723A,723Bをスライドさせることによって、中皿Dの両側面の位置に合わせて各清掃具723A,723Bの位置を調整する。
【0073】
ここで、清掃具スライダ723Cは、Z軸回りに回動自在となっている。例えば、清掃具723AをX軸方向に沿ってスライドさせるように清掃具スライダ723Cを回動させることによって、傾斜側面清掃機構723は、底面矩形状の中皿を清掃することができるように設定することができる。
なお、本実施形態では、清掃具スライダ723CをZ軸回りに回動自在としているが、他の清掃具スライダ714C,723DをZ軸回りに回動自在としてもよい。
【0074】
清掃具723Aは、清掃具スライダ723Cに固定されたベース723A0と、中皿Dの傾斜した側面と平行する水平軸回りに回転自在となるようにベース723A0に支持されたローラブラシ723A1と、ローラブラシ723A1の回転軸の-Y軸方向側の端部を覆うようにしてベース723A0に取り付けられた中空状のサブボックス723A2と、サブボックス723A2に固定されたモータ723A3と、ローラブラシ723A1の回転軸およびモータ723A3の出力軸に掛け回されたベルト723A4とを備えている。
【0075】
清掃具723Bは、清掃具スライダ723Dに固定されたベース723B0と、Y軸回りに回転自在となるようにベース723B0に支持されたローラブラシ723B1と、ローラブラシ723B1の回転軸の-Y軸方向側の端部を覆うようにしてベース723B0に取り付けられた中空状のサブボックス723B2と、サブボックス723B2に固定されたモータ723B3と、ローラブラシ723B1の回転軸およびモータ723B3の出力軸に掛け回されたベルト723B4とを備えている。
【0076】
また、傾斜側面清掃機構723は、各清掃具スライダ723C,723Dを+Z軸方向側から支持するとともに、各清掃具スライダ723C,723DをZ軸方向に沿って昇降させる昇降機(図示略)を備えている。
傾斜側面清掃機構723は、前述した平行側面清掃機構714と同様に、モータ723A3,723B3の出力軸を回転させることによって、ベルト723A4,723B4を介してローラブラシ723A1,723B1の回転軸を回転させた状態において、昇降機にて各清掃具723A,723Bを-Z軸方向に向かって下降させることによって、中皿Dの両側面に対して各清掃具723A,723Bを移動させる。これによって、各清掃具723A,723Bは、中皿Dの傾斜した側面および中皿Dの傾斜した側面と対向する側面にローラブラシ723A1,723B1を当接させて中皿Dの傾斜した側面および中皿Dの傾斜した側面と対向する側面を清掃する。
【0077】
このように、本実施形態では、傾斜側面清掃機構723は、第1インデックス71にて保持されていた中皿Dの保持面(チャック712Aにて保持された中皿Dの側面)を清掃する保持面清掃手段として機能する。
【0078】
次に、第2インデックス72は、エアシリンダにて円盤部721を下降させた後、モータにて円盤部721を90度ごと間欠的に回転させることによって、図13に示すように、上面密清掃機構724の下方位置にチャック722Aにて中皿Dを保持した腕部722を静止させる。そして、第2インデックス72は、エアシリンダにて円盤部721を上昇させる。
【0079】
図17は、上面密清掃機構の拡大上面図である。図18は、第2インデックスおよび上面密清掃機構の拡大側面図である。具体的には、図17は、上面密清掃機構724を+Z軸方向側から見た図であり、図18は、第2インデックス72および上面密清掃機構724を+Y軸方向側から見た図である。
上面密清掃機構724は、図17および図18に示すように、第2インデックス72の+Z軸方向側に設けられたベース724Aと、ベース724AのX軸方向の両側に設けられるとともに、Y軸回りに回転自在に支持された一対の巻取ローラ724Bと、ベース724AのX軸方向の両側に設けられるとともに、各巻取ローラ724Bを回転させる一対のモータ724Cと、一対の巻取ローラ724Bに掛け回された帯状の不織布724Dと、中皿Dの上面に不織布724Dを介して当接し、中皿Dの上面および不織布724Dを擦り合わせる摩擦清掃機724Eとを備えている。
【0080】
ベース724Aは、X軸方向を長手方向とする矩形板状のベース本体724A1と、-Z軸方向側に向かって延出するようにベース本体724A1に固定された2つのプレート724A2と、各プレート724A2の間に固定されたプレート724A3とを備えている。
各巻取ローラ724Bは、ベース724Aの-Y軸方向側に設けられた歯車724B1を備えている。各歯車724B1は、各モータ724Cの出力軸724C1に接続されている。したがって、各モータ724Cは、出力軸724C1を回転させることによって、各歯車724B1を介して各巻取ローラ724Bを回転させる。
不織布724Dは、-X軸方向側に設けられた巻取ローラ724Bの近傍に設けられた変動ローラ724Fと、変動ローラ724Fの+X軸方向側に設けられた3個の固定ローラ724Gとを経由して-X軸方向側に設けられた巻取ローラ724Bから+X軸方向側に設けられた巻取ローラ724Bに巻き取られる。
【0081】
変動ローラ724Fは、図18に示すように、ベース724Aに一端を回動自在に支持された棒状体724F1と、棒状体724F1の他端に回転自在となるように設けられたローラ本体724F2とを備えている。この変動ローラ724Fは、棒状体724F1の位置を調整することによって、不織布724Dの張力を調整する。具体的には、変動ローラ724Fは、棒状体724F1を反時計回りに回動させることによって、不織布724Dの張力を大きくすることができ、棒状体724F1を図中実線の位置まで回動させることによって、不織布724Dの張力を最大とすることができる。また、変動ローラ724Fは、棒状体724F1を時計回りに回動させることによって、不織布724Dの張力を小さくすることができ、棒状体724F1を図中二点鎖線の位置まで回動させることによって、不織布724Dの張力を最小とすることができる。
各固定ローラ724Gは、ベース724Aの各プレート724A2に回転自在となるように固定されている。
【0082】
摩擦清掃機724Eは、図17および図18に示すように、中皿Dの上面に不織布724Dを介して当接し、中皿Dの上面および不織布724Dを擦り合わせる摺動機構724Hと、Z軸方向に沿って進退自在となるように、摺動機構724Hを支持するとともに、ベース724Aのプレート724A3に固定された支持機構724E1とを備えている。この支持機構724E1は、Z軸方向に沿って摺動機構724Hを進退させることによって、中皿Dの上面に対する摺動機構724Hの位置を調整することができる。
【0083】
図19は、摩擦清掃機の要部を拡大した上面図である。
摺動機構724Hは、図19に示すように、支持機構724E1にて支持された矩形板状の基部724H1と、Y軸方向に延在するように基部724H1に固定されたガイドレール724H2と、ガイドレール724H2に取り付けられるとともに、ガイドレール724H2に沿って移動する移動体724H3と、移動体724H3に固定されるとともに、中皿Dの上面に不織布724Dを介して当接する矩形板状の当接板724H4とを備えている。
【0084】
また、摺動機構724Hは、基部724H1の-Y軸方向側に固定されたモータ724H5と、モータ724H5の出力軸に同心状となるように固定された円盤724H6に対して一端を回動自在に固定されるとともに、移動体724H3の-Y軸方向側の端部に他端を回転自在に固定されるシャフト724H7とを備えている。
【0085】
図20は、摩擦清掃機にて中皿の上面および不織布を擦り合わせている状態を示す図である。
モータ724H5に固定されたシャフト724H7の一端の中心軸は、モータ724H5の出力軸に対して偏心している。したがって、モータ724H5の出力軸を回転させると、シャフト724H7の一端は、図20に示すように、モータ724H5の出力軸の周囲を回転することになる(図中矢印参照)。そして、シャフト724H7は、モータ724H5の出力軸の回転に伴ってガイドレール724H2に沿って進退することになり、当接板724H4は、シャフト724H7および移動体724H3を介してY軸方向に沿って進退することになる。したがって、摺動機構724Hは、中皿Dの上面に不織布724Dを介して当接板724H4を当接させて中皿Dの上面および不織布724Dを擦り合わせることができる。
【0086】
このように、本実施形態では、上面密清掃機構724は、中皿Dの表面を密に清掃する密清掃手段として機能する。また、本実施形態では、前述した上面粗清掃機構702は、上面密清掃機構724にて中皿Dの表面を清掃する前に粗く清掃する粗清掃手段として機能する。
なお、本実施形態では、中皿清掃装置7は、上面粗清掃機構702および上面密清掃機構724の双方を備えているが、いずれか一方のみを備えていてもよく、中皿Dの上面を清掃しない場合には、双方を備えていなくてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、上面粗清掃機構702は、中皿Dの上面を最初に清掃し、上面密清掃機構724は、底面清掃機構713、平行側面清掃機構714、および傾斜側面清掃機構723にて中皿Dの上面とは異なる他の面を清掃した後、中皿Dの上面を最後に清掃しているが、これとは異なる順序で中皿Dの表面を清掃してもよい。
また、上面密清掃機構724は、中皿Dの上面を清掃する布製の布清掃具(不織布724D)と、この布清掃具を中皿Dの上面に沿って摺動させる摺動機構724Hとを備えているが、中皿Dの表面を密に清掃することができれば、これとは異なる構成を採用してもよい。
【0088】
次に、第2インデックス72は、エアシリンダにて円盤部721を下降させた後、モータにて円盤部721を90度ごと間欠的に回転させることによって、図13に示すように、中皿送出機構73の下方位置にチャック722Aにて中皿Dを保持した腕部722を静止させる。そして、第2インデックス72は、エアシリンダにて円盤部721を上昇させる。
【0089】
図21は、中皿送出機構の拡大上面図である。図22は、中皿送出機構の拡大側面図である。具体的には、図21は、中皿送出機構73を+Z軸方向側から見た図であり、図22は、中皿送出機構73を+Y軸方向側から見た図である。
中皿送出機構73は、図21および図22に示すように、矩形板状のベース731と、ベース731の3箇所に固定されたローラ732と、各ローラ732のうち、+Z軸方向側に固定されたローラ732を回転させるモータ733と、各ローラ732に掛け回されたベルト734と、-X軸方向側に向かって中皿Dを搬送するベルトコンベア735とを備えている。
【0090】
ベルト734は、その外周面に所定の距離を隔てて設けられたXZ平面視L字状の複数のフック734Aを備えている。このベルト734は、+Z軸方向側に固定されたローラ732をモータ733にて回転させることによって、第1インデックス71および第2インデックス72の回転と同期して間欠的に回転するようになっている。
具体的には、第2インデックス72の円盤部721を回転させることによって、中皿送出機構73の下方位置にチャック722Aにて中皿Dを保持した腕部722を静止させた後、モータ733は、ベルト734を回転させることによって、フック734Aを中皿Dの下方位置に移動させる。その後、第2インデックス72は、チャック722Aの爪部を中皿Dに対して後退させることによって、中皿Dを解放する。これによって、中皿Dは、ベルト734のフック734Aの上面に載置されることになる。そして、モータ733は、ベルト734を回転させることによって、中皿Dを載置したフック734Aをベルトコンベア735の上方位置に移動させる。
【0091】
ベルトコンベア735は、中皿Dを載置する搬送路735Aと、搬送路735Aに所定の距離を隔てて設けられた凸部735Bとを有している。ベルトコンベア735は、搬送路735Aを-X軸方向側に向かって移動させることによって、ベルト734のフック734Aの上面に載置された中皿Dを凸部735Bにて押し出し、第2インデックス72にて搬送された中皿Dを-X軸方向側に向かって搬送する。
【0092】
図23は、集塵機構の外観斜視図である。
集塵機構725は、図22および図23に示すように、傾斜側面清掃機構723および上面密清掃機構724による中皿Dの清掃に起因して落下する化粧料などを集塵する有底円筒状の集塵ボックス725Aと、集塵ボックス725Aの底面に当接するとともに、集塵ボックス725Aの底面に落下した化粧料などを集める矩形板状のスクレイパ725Bと、スクレイパ725Bを第2インデックス72の腕部722に取り付けるとともに、スクレイパ725Bの長手方向と平行な軸を回動軸として回動自在にスクレイパ725Bを支持する回動支持部725Cとを備えている。
【0093】
図24は、第2インデックスを回転させた状態を示す集塵機構の外観斜視図である。
スクレイパ725Bは、回動支持部725Cを介して第2インデックス72の腕部722に取り付けられているので、図24に示すように、第2インデックス72の回転に伴って集塵ボックス725Aの底面に沿って回転することになる(図中矢印参照)。ここで、回動支持部725Cは、スクレイパ725Bの自重にてスクレイパ725Bを集塵ボックス725Aの底面に当接させるべく自由に回動できるようにスクレイパ725Bを支持している。
したがって、スクレイパ725Bは、傾斜側面清掃機構723および上面密清掃機構724による中皿Dの清掃に起因して落下する化粧料などを掃くようにして集めることができる。
【0094】
また、集塵機構725は、集塵ボックス725Aの底面(-Z軸方向側の面)に取り付けられた集塵パイプ725Dを備え、集塵ボックス725Aは、集塵パイプ725Dの取り付け位置に形成された複数の開孔725A1を有している。
集塵パイプ725Dは、集塵機(図示略)に接続されている。この集塵機は、集塵ボックス725Aの開孔725A1および集塵パイプ725Dを介して集塵ボックス725Aの内部の空気を吸引することによって、スクレイパ725Bにて集められた化粧料などの集塵を実施する。
【0095】
図25は、中皿清掃装置の概略構成を示すブロック図である。
中皿清掃装置7は、前述したように、第1インデックス71、第2インデックス72、および中皿送出機構73を備えている他、図25に示すように、中皿清掃装置7の全体を制御する制御手段74を備えている。
制御手段74は、CPU(Central Processing Unit)や、メモリなどによって構成され、このメモリに記憶された所定のプログラムに従って情報処理を実行する。この制御手段74は、中皿保持制御部741と、中皿清掃制御部742と、搬送制御部743とを備えている。
【0096】
中皿保持制御部741は、第1インデックス71のチャック712Aの進退と、第2インデックス72のチャック722Aの進退とを制御することによって、中皿Dの保持および解放を制御する。
中皿清掃制御部742は、底面清掃機構713、平行側面清掃機構714、傾斜側面清掃機構723、および上面密清掃機構724を制御することによって、中皿Dの表面を清掃する。
搬送制御部743は、第1インデックス71の回転および昇降と、第2インデックス72の回転および昇降と、中皿送出機構73のベルト734の回転とを制御することによって、中皿Dを中皿コンベア70からベルトコンベア735まで搬送する。
【0097】
図26は、中皿清掃装置の制御方法を示すフローチャートである。
中皿清掃装置7にて中皿Dの表面を清掃する場合には、制御手段74は、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、図26に示すように、ステップST1~ST5を実行する。
まず、中皿保持制御部741は、中皿Dの保持および解放を実行する(ステップST1:中皿保持・解放ステップ)。具体的には、中皿保持制御部741は、前述したように、中皿コンベア70にて搬送された中皿Dを第1インデックス71に保持させる。また、中皿保持制御部741は、前述したように、第1インデックス71にて搬送された中皿Dを第2インデックス72に保持させた後、第1インデックス71に解放させる。さらに、中皿保持制御部741は、前述したように、中皿Dを第2インデックス72に解放させる。
【0098】
また、中皿清掃制御部742は、中皿Dの表面の清掃を実行する(ステップST2:中皿清掃ステップ)。具体的には、中皿清掃制御部742は、前述したように、底面清掃機構713に中皿Dの底面を清掃させる。また、中皿清掃制御部742は、前述したように、平行側面清掃機構714に中皿Dの互いに平行となる両側面を清掃させる。また、中皿清掃制御部742は、前述したように、傾斜側面清掃機構723に中皿Dの傾斜した側面および中皿Dの傾斜した側面と対向する側面を清掃させる。さらに、中皿清掃制御部742は、前述したように、上面密清掃機構724に中皿Dの上面を密に清掃させる。
なお、制御手段74は、ステップST1およびステップST2を略同時に実行する。
【0099】
次に、制御手段74は、中皿Dの保持および解放を完了したか否かを判定する(ステップST3:中皿保持・解放判定ステップ)。
制御手段74は、ステップST3にて中皿Dの保持および解放を完了したと判定された場合には、中皿Dの清掃を完了したか否かを判定する(ステップST4:中皿清掃判定ステップ)。
制御手段74は、ステップST3にて中皿Dの保持および解放を完了していないと判定された場合、およびステップST4にて中皿Dの清掃を完了していないと判定された場合には、ステップST3の処理を再び実行する。
【0100】
なお、本実施形態では、制御手段74は、ステップST3にて中皿Dの保持および解放を完了したか否かを判定し、ステップST4にて中皿Dの清掃を完了したか否かを判定し、これらの処理を完了していないと判定した場合には、次の処理を実行することなく、ステップST3の処理を再び実行しているが、例えば、所定の時間を経過したか否かを判定し、所定の時間を経過したと判定した場合に次の処理を実行するようにしてもよい。
【0101】
搬送制御部743は、ステップST4にて中皿Dの清掃を完了したと判定した場合には、第1インデックス71の回転および昇降と、第2インデックス72の回転および昇降と、中皿送出機構73のベルト734の回転とを制御することによって、中皿Dを搬送する(ステップST5:中皿搬送ステップ)。その後、制御手段74は、ステップST1を再び実行する。
【0102】
このように、本実施形態では、中皿保持制御部741は、第1インデックス71に中皿Dを保持させる側面保持制御部として機能し、中皿清掃制御部742は、第1インデックス71にて保持された中皿Dを底面清掃機構713および平行側面清掃機構714に清掃させる清掃制御部として機能する。
また、本実施形態では、中皿保持制御部741は、第1インデックス71にて保持されていた中皿Dを第2インデックス72に保持させる他側面保持制御部として機能し、中皿清掃制御部742は、第2インデックス72にて保持された中皿Dを傾斜側面清掃機構723に清掃させる保持面清掃制御部として機能する。
さらに、本実施形態では、中皿清掃制御部742は、摺動機構724Hにて不織布724Dを中皿Dの上面に沿って摺動させることによって、中皿Dの上面を密に清掃する密清掃制御部として機能する。
【0103】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)中皿清掃装置7は、第1インデックス71に中皿Dの側面を保持させた後、第1インデックス71にて保持された中皿Dの保持面とは異なる面を底面清掃機構713および平行側面清掃機構714に清掃させるので、中皿Dの底面や、保持面とは異なる側面を容易に清掃することができる。
(2)第1インデックス71は、中皿Dの側面を挟持することによって、中皿Dを保持するので、中皿Dを確実に保持することができ、底面清掃機構713および平行側面清掃機構714にて効率よく清掃することができる。
(3)中皿清掃装置7は、第1インデックス71にて保持されていた中皿Dを第2インデックス72に保持させた後、第1インデックス71にて保持されていた中皿Dの保持面を
傾斜側面清掃機構723に清掃させるので、中皿Dの全ての表面を清掃することができる。
【0104】
(4)第1インデックス71のスライダ712Bは、この第1インデックス71のチャック712Aに対して鉛直上方側に位置し、第2インデックス72のスライダ722Bは、この第2インデックス72のチャック722Aに対して鉛直下方側に位置するように配置されているので、第1インデックス71および第2インデックス72を互いに接触させることなく第1インデックス71のチャック712Aおよび第2インデックス72のチャック722Aを進退させることができる。換言すれば、第1インデックス71および第2インデックス72は、中皿Dを同時に保持することができるので、第2インデックス72は、第1インデックス71にて保持された中皿Dを床面などに置くことなく空中にて保持して受け取ることができる。
【0105】
(5)中皿清掃装置7は、上面粗清掃機構702にて中皿Dの表面を粗く清掃した後、上面密清掃機構724にて中皿Dの表面を密に清掃することができるので、中皿Dの表面を確実に清掃することができる。
(6)上面粗清掃機構702は、中皿Dの上面を最初に清掃し、上面密清掃機構724は、底面清掃機構713、平行側面清掃機構714、および傾斜側面清掃機構723にて中皿Dの上面とは異なる他の面を清掃した後、中皿Dの上面を最後に清掃するので、中皿Dの側面や底面を清掃したときに中皿Dの上面に汚れが付着してしまうおそれや、清掃後の中皿Dの側面や底面に中皿Dの上面の汚れが付着してしまうおそれを取り除くことができるとともに、中皿Dの上面を最も丁寧に清掃することができる。
(7)中皿清掃装置7は、摺動機構724Hにて不織布724Dを中皿Dの上面に沿って摺動させることによって、中皿Dの上面を密に清掃するので、中皿Dの上面を磨くようにして清掃することができ、例えば、ブラシなどを用いて中皿Dの表面を清掃する場合と比較して丁寧に清掃することができる。
【0106】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、コンパクトの装填装置1に中皿清掃装置7を採用していたが、これ以外の装置に本発明の物品清掃装置を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本発明は、コンパクト等の対象物を清掃する物品清掃装置に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0108】
1 コンパクトの装填装置
2 パレット
7 中皿清掃装置
70 中皿コンベア
71 第1インデックス(側面保持手段)
72 第2インデックス(他側面保持手段)
73 中皿送出機構
74 制御手段
702 上面粗清掃機構(粗清掃手段)
712A チャック
712B スライダ
713 底面清掃機構(清掃手段)
714 平行側面清掃機構(清掃手段)
722A チャック
722B スライダ
723 傾斜側面清掃機構(保持面清掃手段)
724 上面密清掃機構(密清掃手段)
724D 不織布(布清掃具)
724H 摺動機構
741 中皿保持制御部(側面保持制御部,他側面保持制御部)
742 中皿清掃制御部(清掃制御部,保持面清掃制御部,密清掃制御部)
743 搬送制御部
D 中皿
図1
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