(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】ポイント事業者支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0226 20230101AFI20230929BHJP
G06Q 30/0208 20230101ALI20230929BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20230929BHJP
【FI】
G06Q30/0226
G06Q30/0208
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2022079110
(22)【出願日】2022-05-12
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】520185650
【氏名又は名称】デジタルバード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097548
【氏名又は名称】保立 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小川 博文
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-174071(JP,A)
【文献】特開2007-199785(JP,A)
【文献】特開2004-078342(JP,A)
【文献】特開2004-342036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売促進又は従業員の仕事に対するインセンティブ向上のために商品又はサービスの購入において対価額の全部又は一部として使用できるポイント
(それ自体が受益者によって購入されるものを除く)を受益者に対して発行する複数の異なるポイント事業者を支援するポイント事業者支援システムであって、
記憶部と、
支援サーバとを
備えており、
支援サーバ及び記憶部は、ポイントが発行された各受益者が操作する端末である各受益者端末に対してネットワークを介して接続されており、
記憶部には、対象品情報マスタファイルと、保有ポイント情報ファイルとが記憶されており、
対象品情報マスタファイルは、ポイントを使用して購入することができる商品又はサービスである対象品の情報を記憶したファイルであり、
保有ポイント情報ファイルは、各受益者特定情報で特定される各受益者が保有するポイントのポイント残高を記録したファイルであり、
支援サーバは、各ポイント事業者が発行したポイントを使用して購入することができる複数の対象品を紹介した対象品紹介ページを受益者端末に対して表示させるサーバであって、複数の対象品の情報が表示された受益者端末において選択された対象品についてポイントを使用した購入申し込みを受け付けるポイント使用申請受付プログラムが実装されており、
対象品紹介ページは、各ポイント事業者によって各受益者端末に提供されたアクセス情報によって各受益者端末に表示されるページであって、対象品情報マスタファイルから抽出された各対象品の情報が掲載されるページであるとともに、ポイント事業者ごとに異なる対象品を抽出して対象品情報を掲載することが可能なページであり、
ポイント使用申請受付プログラムは、ポイントを使用して対象品の購入申し込みがされた際に当該使用に係るポイントの値を保有ポイント情報ファイルにおける当該受益者についてのポイント残高から減額して当該ポイント残高を更新するプログラムであることを特徴とするポイント事業者支援システム。
【請求項2】
前記記憶部には、前記各ポイント事業者が発行するポイントに関する情報を記録したポイント情報ファイルが記憶されており、
ポイント情報ファイルには、各ポイント事業者が発行するポイントの通貨に対する変換率が記録されており、
前記ポイント使用申請受付プログラムは、使用されるポイントについての変換率をポイント情報ファイルから取得し、前記使用に係るポイントの値に変換率を掛け合わせた金額を算出し、当該金額を前記選択された対象品についての対価額の全部又は一部とするプログラムであり、
ポイント情報ファイルに記録された変換率は、各ポイント事業者において異なる率とされ得るものであることを特徴とする請求項1記載のポイント事業者支援システム。
【請求項3】
前記記憶部には、前記各ポイント事業者が発行するポイントに関する情報を記録したポイント情報ファイルが記憶されており、
ポイント情報ファイルには、各ポイント事業者が発行するポイントの通貨に対する変換率が記録されており、
前記対象品情報マスタファイル又は前記対象品情報マスタファイルから対象品の情報が抽出されて記録されている前記記憶部上の対象品情報個別ファイルには、各対象品の対価額が記録されており、
前記アクセス情報は受益者特定情報を含んでおり、
前記支援サーバに実装された対象品紹介ページ表示プログラムは、前記アクセス情報に含まれる受益者特定情報に従って当該受益者のポイント残高を前記保有ポイント情報ファイルから取得するとともに、当該受益者に対して発行されたポイントの変換率をポイント情報ファイルから取得するプログラムであって、取得したポイント残高に対して変換率を掛けて変換額を算出し、対象品の対価額が変換額以下である対象品を前記対象品情報マスタファイル又は対象品情報個別ファイルから抽出し、抽出された対象品の情報を前記対象品紹介ページに組み込むプログラムであることを特徴とする請求項1記載のポイント事業者支援システム。
【請求項4】
前記記憶部には、前記各ポイント事業者がポイントを発行するポイントに関する情報を記録したポイント情報ファイルが記憶されており、
ポイント情報ファイルには、各ポイント事業者が発行するポイントの通貨に対する変換率が記録されており、
前記対象品情報マスタファイル又は前記対象品情報マスタファイルから対象品の情報が抽出されて記録されている前記記憶部上の対象品情報個別ファイルには、各対象品の対価額が記録されており、
前記アクセス情報は受益者特定情報を含んでおり、
前記支援サーバに実装された対象品紹介ページ表示プログラムは、前記アクセス情報に含まれる受益者特定情報に従って当該受益者のポイント残高を前記保有ポイント情報ファイルから取得するとともに、当該受益者に対して発行されたポイントの変換率をポイント情報ファイルから取得するプログラムであって、取得したポイント残高に対して変換率を掛けて変換額を算出するプログラムであり、対価額が変換額を超えている対象品については当該対象品の対価額と変換額との差額が前記対象品紹介ページに表示されるようにするプログラムであり、
前記ポイント使用申請受付プログラムは、対価額が変換額を超えている対象品が選択された際、当該差額を決済するための差額決済モジュールを含んでいることを特徴とする請求項1記載のポイント事業者支援システム。
【請求項5】
前記対象品紹介ページ表示プログラムは、対価額が変換額を超えている対象品について当該対価額を表示しないプログラムであることを特徴とする請求項4記載のポイント事業者支援システム。
【請求項6】
前記ポイント情報ファイルに記録された変換率は、各ポイント事業者において異なる率とされ得るものであることを特徴とする請求項3、4又は5記載のポイント事業者支援システム。
【請求項7】
前記支援サーバは、ポイント発行記録プログラムを実装しており、
ポイント発行記録プログラムは、前記ポイント事業者が管理する端末又はサーバから、受益者特定情報を取得可能な情報と当該受益者について新たに発行するポイント値とが送信された際に実行されるプログラムであって、前記保有ポイント情報ファイルにおいて当該ポイント値を当該受益者のポイント残高に加算してポイント残高を更新するプログラムであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のポイント事業者支援システム。
【請求項8】
前記支援サーバは、前記各受益者端末に対し、保有するポイントを他者に贈呈するためのポイント贈呈ページを提供するサーバであり、
ポイント贈呈ページは、ポイントの贈り主としての受益者を特定する贈り主特定情報と、被贈呈者としての受益者を特定する被贈呈者特定情報と、贈呈するポイントの値である贈呈ポイント値とを取得可能なページであって、
前記支援サーバには、ポイント贈呈記録プログラムが実装されており、
ポイント贈呈記録プログラムは、ポイント贈呈ページで取得された被贈呈者特定情報に従って被贈呈者としての受益者特定情報を取得し、取得された被贈呈者としての受益者特定情報に従って前記保有ポイント情報ファイルにおいて当該受益者について贈呈ポイント値をポイント残高に加算するとともに、取得された贈り主としての受益者特定情報に従って前記保有ポイント情報ファイルにおいて当該受益者について贈呈ポイント値をポイント残高から減額して当該ポイント残高を更新するプログラムであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のポイント事業者支援システム。
【請求項9】
前記記憶部には、各受益者の情報を記録した受益者情報ファイルが記憶されており、
前記各受益者は雇用主に雇用された従業員であって、受益者情報ファイルには各受益者の雇用主に関する情報が記録されており、
前記保有ポイント情報ファイルに記録されたポイント残高は、雇用主から発行されたポイントの残高であり、
前記ポイント贈呈記録プログラムは、受益者情報ファイルにおける記録に従い、前記贈り主として受益者と前記被贈呈者としての受益者とが同一の雇用主に雇用されている場合に限り、前記保有ポイント情報ファイルにおける贈呈ポイント値の加算及び減算を行うプログラムであることを特徴とする請求項8記載のポイント事業者支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、商品又はサービスの購入において対価額の全部又は一部として使用できるポイントを受益者に対して発行するポイント事業者を支援するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品又はサービスの購入において対価額の全部又は一部として使用できるポイントを受益者に対して発行することは、販売促進の目的で種々の業種において広く行われている。例えばクレジットカードのサービスでは、クレジットカードを使用した決済額に応じて顧客(カード所有者)に対してポイントが発行され、ポイントが貯まると、ポイント残高に応じた商品又はサービスと交換することができるプロモーションが以前から広く行われている。
また、航空会社のような顧客輸送系の業種においても、利用距離に応じてポイント(マイレージ)が発行され、ポイント残高に応じた商品又はサービスと交換できるようになっている。
【0003】
さらに、量販店やスーパーマーケット等の物販店においても、顧客の囲い込みの観点から、購入額に応じたポイントが発行されるようになっており、発行されたポイントは、次回以降の購入の際の減額分として使用できるようになっている。
以下、この明細書において、ポイントを使用することで減額された価格(0円もあり得る)で購入することができる商品又はサービスを「対象品」と呼ぶ。また、ポイントを発行する事業者をポイント事業者と呼ぶ。また、ポイントが発行されて付与される対象者は、ポイント事業者にとっての顧客の場合が多いが、そうでない場合もあるので、広く「受益者」と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようにポイントを発行して受益者に恩恵を付与するポイント事業者にとっては、より多くのポイントを発行した方が、プロモーション(販売促進)としてはより効果的であるといえる。しかし一方、ポイント事業者の本音としては、ポイント残高の総量(全ての受益者に発行したポイントの残高の合計)をあまり多くしたくないという面もある。
【0006】
即ち、上記のようなポイント発行によるプロモーションにおいて、ポイントが使用された際の費用(当該ポイント使用分にかかる対象品の代金)は、当該ポイントを発行したポイント事業者が負う。したがって、発行されたポイントは、ポイント事業者にとっての負債とみなすことができる。このため、発行済みポイントの総量は、ポイント事業者のバランスシート(貸借対照表)において負債として計上される。このため、ポイント事業者にとっては、ポイント残高の総量が多くなると負債が大きいという印象を与え、財務状況について悪い印象を与えかねない。このため、ポイントは盛んに発行してプロモーションとはするものの、各顧客においてポイント残高があまり大きくならないうちに使って欲しいというのが本音である。
【0007】
しかしながら、ポイントが発行された受益者にとっては、ポイント残高が少ないうちは、ポイントを使用して取得したいと思う対象品が無い場合が多く、ある程度までポイントが貯まってから対象品との交換をしようと思う場合が多い。このため、ポイント残高の総量がどうしても多くなる傾向がある。
【0008】
ポイントが対象品の購入の際の値引きとして付与される場合は、差額を現金(又はクレジットカード等)で払うことにより高額の対象品が入手できるので、ポイントの使用が促進される面はある。しかしながら、このようなポイントは、そのポイントを発行した店舗(又はその店舗と同一経営者の他の店舗)に通常は限られる。この場合、その店舗において特に入手したい対象品がない場合、ポイントが使用されずに貯まっていってしまい、やはりポイント残高の総量は大きくなり易い。
【0009】
上記のような問題は、比較的小規模の事業者がポイント発行によるプロモーションを行おうとした場合に顕著である。小規模の商店の経営者のような事業者がポイント発行によるプロモーションを行った場合、当該店舗でポイントを購入して使用できる対象品の品数が多くないので、せっかく発行されたポイントも使われずに死蔵されてしまい、店舗側では大きな債務として残ってしまい易い。
商店街におけるプロモーションでは、商店街ポイントのように加盟店であればどのお店でも使えるものとしてポイントが発行される場合もある。このような場合には、対象品の品数は多くなるものの、自分のお店で発行したポイントが同業のライバルのお店で使われてしまう事態となると、ライバル店での購入費の一部を負担している形になるので、好ましい事態とはいえない。
【0010】
この点は、大手ポイント事業者によって展開されている共通ポイントの場合も同様である。共通ポイントの場合、加盟店はポイント発行の際(商品又はサービスを販売した際)、発行ポイントに応じた手数料を支払っている。発行されたポイントが他の店舗で使用された場合、当該使用がされた店舗の事業者に対して減額分を補填するが、この補填の減資は発行店舗の手数料となっている。発行店舗としては、ポイントが使用される店舗を制限することができないため、ライバルの店舗でポイントが使用されてもそのまま指をくわえて見ているしかない。
【0011】
本願の発明は、このようなポイントの事業に関する種々の課題を解決するために為されたものであり、受益者によるポイントの使用が促進できてポイント事業者におけるポイント残高の増大を抑制することができるようにし、またポイントを発行したポイント事業者の意向に沿って対象品を制限することができるようにした有益な技術構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この明細書において、ポイント事業者支援システムの発明が開示される。開示された発明に係るポイント事業者支援システムは、販売促進又は従業員の仕事に対するインセンティブ向上のために商品又はサービスの購入において対価額の全部又は一部として使用できるポイント(それ自体が受益者によって購入されるものを除く)を受益者に対して発行する複数の異なるポイント事業者を支援するシステムである。
このシステムは、記憶部と、支援サーバとを備えている。
支援サーバ及び記憶部は、ポイントが発行された各受益者が操作する端末である各受益者端末に対してネットワークを介して接続されている。
記憶部には、対象品情報マスタファイルと、保有ポイント情報ファイルとが記憶されている。
対象品情報マスタファイルは、ポイントを使用して購入することができる商品又はサービスである対象品の情報を記憶したファイルである。
保有ポイント情報ファイルは、各受益者特定情報で特定される各受益者が保有するポイントのポイント残高を記録したファイルである。
支援サーバは、各ポイント事業者が発行したポイントを使用して購入することができる複数の対象品を紹介した対象品紹介ページを受益者端末に対して表示させるサーバであって、複数の対象品の情報が表示された受益者端末において選択された対象品についてポイントを使用した購入申し込みを受け付けるポイント使用申請受付プログラムが実装されている。
対象品紹介ページは、各ポイント事業者によって各受益者端末に提供されたアクセス情報によって各受益者端末に表示されるページであって、対象品情報マスタファイルから抽出された各対象品の情報が掲載されるページであるとともに、ポイント事業者ごとに異なる対象品を抽出して対象品情報を掲載することが可能なページである。
ポイント使用申請受付プログラムは、ポイントを使用して対象品の購入申し込みがされた際に当該使用に係るポイントの値を保有ポイント情報ファイルにおける当該受益者についてのポイント残高から減額して当該ポイント残高を更新するプログラムである。
また、このポイント事業者支援システムは、
記憶部には、各ポイント事業者が発行するポイントに関する情報を記録したポイント情報ファイルが記憶されており、
ポイント情報ファイルには、各ポイント事業者が発行するポイントの通貨に対する変換率が記録されており、
ポイント使用申請受付プログラムは、使用されるポイントについての変換率をポイント情報ファイルから取得し、使用に係るポイントの値に変換率を掛け合わせた金額を算出し、当該金額を前記選択された対象品についての対価額の全部又は一部とするプログラムであり、
ポイント情報ファイルに記録された変換率は、各ポイント事業者において異なる率とされ得るものである
という構成を持ち得る。
また、このポイント事業者支援システムは、
記憶部には、各ポイント事業者が発行するポイントに関する情報を記録したポイント情報ファイルが記憶されており、
ポイント情報ファイルには、各ポイント事業者が発行するポイントの通貨に対する変換率が記録されており、
対象品情報マスタファイル又は対象品情報マスタファイルから対象品の情報が抽出されて記録されている記憶部上の対象品情報個別ファイルには、各対象品の対価額が記録されており、
アクセス情報は受益者特定情報を含んでおり、
支援サーバに実装された対象品紹介ページ表示プログラムは、アクセス情報に含まれる受益者特定情報に従って当該受益者のポイント残高を保有ポイント情報ファイルから取得するとともに、当該受益者に対して発行されたポイントの変換率をポイント情報ファイルから取得するプログラムであって、取得したポイント残高に対して変換率を掛けて変換額を算出し、対象品の対価額が変換額以下である対象品を対象品情報マスタファイル又は対象品情報個別ファイルから抽出し、抽出された対象品の情報を対象品紹介ページに組み込むプログラムである
という構成を持ち得る。
また、このポイント事業者支援システムは、
記憶部には、各ポイント事業者がポイントを発行するポイントに関する情報を記録したポイント情報ファイルが記憶されており、
ポイント情報ファイルには、各ポイント事業者が発行するポイントの通貨に対する変換率が記録されており、
対象品情報マスタファイル又は対象品情報マスタファイルから対象品の情報が抽出されて記録されている記憶部上の対象品情報個別ファイルには、各対象品の対価額が記録されており、
アクセス情報は受益者特定情報を含んでおり、
支援サーバに実装された対象品紹介ページ表示プログラムは、アクセス情報に含まれる受益者特定情報に従って当該受益者のポイント残高を保有ポイント情報ファイルから取得するとともに、当該受益者に対して発行されたポイントの変換率をポイント情報ファイルから取得するプログラムであって、取得したポイント残高に対して変換率を掛けて変換額を算出するプログラムであり、対価額が変換額を超えている対象品については当該対象品の対価額と変換額との差額が対象品紹介ページに表示されるようにするプログラムであり、
ポイント使用申請受付プログラムは、対価額が変換額を超えている対象品が選択された際、当該差額を決済するための差額決済モジュールを含んでいる
という構成を持ち得る。
また、このポイント事業者支援システムにおいて、
ポイント情報ファイルに記録された変換率は、各ポイント事業者において異なる率とされ得る。
また、このポイント事業者支援システムは、
支援サーバは、ポイント発行記録プログラムを実装しており、
ポイント発行記録プログラムは、各ポイント事業者が管理する端末又はサーバから、受益者特定情報を取得可能な情報と当該受益者について新たに発行するポイント値とが送信された際に実行されるプログラムであって、保有ポイント情報ファイルにおいて当該ポイント値を当該受益者のポイント残高に加算してポイント残高を更新するプログラムである
という構成を持ち得る。
また、このポイント事業者支援システムは、
支援サーバは、各受益者端末に対し、保有するポイントを他者に贈呈するためのポイント贈呈ページを提供するサーバであり、
ポイント贈呈ページは、ポイントの贈り主としての受益者を特定する贈り主特定情報と、被贈呈者としての受益者を特定可能な情報である被贈呈者特定情報と、贈呈するポイントの値である贈呈ポイント値とを取得可能なページであって、
支援サーバには、ポイント贈呈記録プログラムが実装されており、
ポイント贈呈記録プログラムは、ポイント贈呈ページで取得された被贈呈者特定情報に従って被贈呈者としての受益者特定情報を取得し、取得された被贈呈者としての受益者特定情報に従って保有ポイント情報ファイルにおいて当該受益者について贈呈ポイント値をポイント残高に加算するとともに、取得された贈り主としての受益者特定情報に従って保有ポイント情報ファイルにおいて当該受益者について贈呈ポイント値をポイント残高から減額して当該ポイント残高を更新するプログラムである
という構成を持ち得る。
また、このポイント事業者支援システムは、
記憶部には、各受益者の情報を記録した受益者情報ファイルが記憶されており、
各受益者は雇用主に雇用された従業員であって、受益者情報ファイルには各受益者の雇用主に関する情報が記録されており、
保有ポイント情報ファイルに記録されたポイント残高は、雇用主から発行されたポイントの残高であり、
ポイント贈呈記録プログラムは、受益者情報ファイルにおける記録に従い、贈り主として受益者と被贈呈者としての受益者とが同一の雇用主に雇用されている場合に限り、保有ポイント情報ファイルにおける贈呈ポイント値の加算及び減算を行うプログラムである
という構成を持ち得る。
【発明の効果】
【0013】
以下に説明する通り、各ポイント事業者において実施されているポイントスキームの受益者に対し、支援サーバにより対象品紹介ページが提供され、対象品紹介ページからポイントの使用申請を行って対象品を取得することができるので、各受益者は、より多くの対象品の中から選んでポイントを使用することができるようになる。このためポイントの消費が促進され、各ポイント事業者において債務として多く溜まるのを防止することができる。
この点は、特に小規模のポイント事業者にとっては有利である。小規模のポイント事業者にとっては、対象品の紹介ページを提供するサーバを自社で構築して管理することが難しかったり煩雑であったりする場合が多いが、本願発明の支援システムを利用することでそのような問題が避けられる。そして、より多くの対象品を用意して使用申請を受け付けることも小規模のポイント事業者にとっては困難な場合が多いが、この問題も本願発明の支援システムを利用することで解消する。
その上、対象品紹介ページは、ポイント事業者ごとに異なる対象品の情報を対象品情報マスタファイルから抽出して掲載することができるので、対象品情報マスタファイルが共通の技術プラットフォームを成すものとして構築しておくことで、各ポイント事業者が自らの方針に沿って任意の対象品群の情報を対象品紹介ページに掲載することができる。このため、自らにとって好ましくない対象品を除外したり、自らの事業における商品又はサービスと関連する対象品のみを掲載したりすることができ、自らのポイント事業をより有意義に展開するのに役立つ。
また、ポイント情報ファイルに各ポイント事業者が発行するポイントの通貨に対する変換率が記録されていて、ポイント使用申請受付プログラムが、使用に係るポイントの値に変換率を掛け合わせた金額を算出し、当該金額を選択された対象品についての対価額の全部又は一部とするプログラムであって、ポイント情報ファイルに記録された変換率は、各ポイント事業者において異なる率とされ得るものである構成によれば、支援システムを利用した対象品の取得をどの程度促すかについて各ポイント事業者における方針に沿って決定することができる。このため、ポイントスキームの趣旨に沿った支援をシステムから受けることができる。
また、対価額が変換額を超えている対象品については当該対象品の対価額と変換額との差額が対象品紹介ページ表示プログラムにより対象品紹介ページに表示され、対価額が変換額を超えている対象品が選択された際、当該差額を決済するための差額決済モジュールをポイント使用申請受付プログラムが含んでいる構成によれば、ポイント残高の多寡によらずに多くの対象品が紹介されるので、欲しいと思う対象品が見つかり易く、この点でポイントの消費をより促進する効果が得られる。
この際、対価額と変換額との差額をシステム側対象品紹介ページに表示しつつ対価額自体は表示しない構成によれば、ギフト価格が相手方(受益者)に知られてしまうのは良くないという趣旨に沿った構成となる。
また、受益者間でポイントの授受が行える構成によれば、ポイントを贈り物として贈呈することができるようになるので、ポイントを特に必要としない受益者から必要とする受益者への贈呈によりポイントの消費がより促進されることになるので、好適である。
この際、同一雇用主に雇用されている従業員間に限りポイントの授受が行えるようにしておくと、従業員のインセンティブ向上や従業員間の人間関係の円滑化に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係るポイント事業者支援システムの概略図である。
【
図2】ポイント事業者情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
【
図3】ポイント情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
【
図4】受益者情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
【
図5】ある保有ポイント情報ファイルの一例を示した概略図である。
【
図6】受益者情報ファイルや保有ポイント情報ファイルに対する情報の記録について示した概略図である。
【
図7】受益者情報ファイルや保有ポイント情報ファイルに対する情報の記録について示した概略図である。
【
図8】受益者情報ファイルや保有ポイント情報ファイルに対する情報の記録について示した概略図である。
【
図9】受益者情報ファイルや保有ポイント情報ファイルに対する情報の記録について示した概略図である。
【
図10】受益者情報ファイルや保有ポイント情報ファイルに対する情報の記録について示した概略図である。
【
図11】受益者情報ファイルや保有ポイント情報ファイルに対する情報の記録について示した概略図である。
【
図12】対象品ジャンル情報マスタファイルの構造の一例を示した概略図である。
【
図13】対象品情報マスタファイルの構造の一例を示した概略図である。
【
図14】ジャンルや対象品の選択について示した概略図である。
【
図15】ポイント事業者サイトに含まれるジャンル選択ページの一例を示した概略図である。
【
図16】対象品掲載選択ページの一例を示した概略図である。
【
図17】既存ページ経由でシステム側対象品紹介ページが閲覧される例を示した概略図である。
【
図18】残高以下表示プログラムの概略を示したフローチャートである。
【
図19】全表示プログラムの概略を示したフローチャートである。
【
図20】既存ページを経由せずにシステム側対象品紹介ページを閲覧するための構成について示した概略図である。
【
図21】ポイントを使用した対象品の取得のための技術プラットフォームについて示した概略図である。
【
図22】使用申請ページの一例について示した概略図である。
【
図23】ポイント減算モジュールの概略を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、実施形態に係るポイント事業者支援システムの概略図である。
図1に示すポイント事業者支援システムは、対象品の購入において対価額の全部又は一部として使用できるポイントを受益者に対して発行するポイント事業者を支援するシステムである。対象品の対価額の全部についてポイントが使用されるケースは、保有ポイントの一部又は全部と対象品との交換に相当する。以下の説明では、このような保有ポイントと対象品との交換の場合も、「対象品の購入」の概念に含める。また、各ポイント事業者がポイント発行して受益者に使用させるスキーム(枠組み)を、以下、ポイントスキームという。ポイント事業者の支援は、ポイントスキームの支援であるといえる。
【0016】
実施形態のポイント事業者支援システムは、複数の異なる事業者を支援するシステムとなっている。ポイント事業者としては、種々の業界や業種の事業者が想定される。例えば、クレジットカードを使用した決済額に応じてポイントを発行し、ポイントが貯まったらポイント残高に応じて対象品と交換できるサービスを提供しているクレジットカード会社が該当する。また、航空会社等のようにサービスの利用量に応じてポイント発行し、ポイントが貯まったらポイント残高に応じて対象品と交換できるサービスを提供しているサービス提供会社も該当する。
【0017】
さらに、ポイントを初期的な取引開始を誘導するためのプレゼントとして顧客に提供しているような場合も、ポイント事業者に該当する。例えば、種々のネットショッピングサイトでは会員登録をした後にショッピングが行えるようにしている場合が多いが、会員登録を多くするため、会員登録の時点でポイントを発行するプロモーションを実施している業者がある。このような業者もポイント事業者に該当する。また、何らかのアンケートに答えてもらったお礼にポイントを発行する場合があるが、このような場合も、ポイント事業者に該当する。これらの場合、発行されたポイントが当該ポイント事業者が販売する対象品について使用できる場合もあるが、特に商品やサービスを提供する会社ではなくて、当該ポイント事業者との直接的な取引ではポイントは使用されない場合もある。
【0018】
いずれにしても、実施形態のポイント事業者支援システム(以下、支援システムと略称する。)は、このような各種の異なる複数のポイント事業者に対して支援サービスを提供する技術構成となっている。
図1に示すように、支援システムは、支援サーバ1と、記憶部2とを備えている。
【0019】
支援サーバ1は、ネットワークの一例としてのインターネット9上のサーバであり、従ってウェブサーバとして機能するサーバである。支援サーバ1は、各ポイント事業者に対して支援サービスを提供する事業者(以下、支援業者という。)によって運営・管理されている。
図1に示すように、支援サーバ1には支援業者における担当者が操作する管理用端末(以下、支援業者管理用端末という。)100が接続されている。支援業者管理用端末100は、特別のアクセス権限で支援サーバ1にアクセスできるようになっている。
【0020】
図1に示すように、この実施形態では、記憶部2は支援サーバ1に備えられており、ハードディスク等の記憶装置である。但し、記憶部2は、支援サーバ1とは別の場所に設けられていても良く、ストレージサーバのように他のサーバ上のものであっても良い。また、記憶部2は1個のみから成るものである必要はなく、複数のハードウェアによって記憶部2が構成されていてもよく、それらハードウェアが異なる場所にあっても良い。また、支援サーバ1についても、1個のサーバのみによって構成されている必要はなく、複数のサーバによって全体として支援サーバ1の機能が実現されている場合もあり得る。
【0021】
記憶部2には、支援サービス提供のためのファイル群が記憶されている。具体的には、ポイント事業者情報ファイル21、ポイント情報ファイル22、保有ポイント情報ファイル23、対象品情報マスタファイル24、個別対象品情報ファイル25、受益者情報ファイル26等が、記憶部2に記憶されている。
【0022】
図2は、ポイント事業者情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。ポイント事業者情報ファイル21は、支援サービスの提供先としてのポイント事業者の情報を記録したファイルである。
図2に示すように、ポイント事業者情報ファイル21は、「事業者ID」、「事業者名」、「本社住所」、「担当者名」、「担当部署名」などのフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。「事業者ID」は、各ポイント事業者を一意に識別するIDが記録されるフィールドである。
【0023】
図3は、ポイント情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。ポイント情報ファイル22は、実施形態のポイント事業者支援システムによって支援がされているポイントスキームの情報を記録したデータベースファイルである。
図3に示すように、ポイント情報ファイル22は、「ポイントID」、「ポイント名称」、「ポイント種別」、「事業者ID」、「事業者名」、「変換率」などのフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルとなっている。
【0024】
「事業者ID」は、ポイント事業者情報ファイル21における情報と同じ情報が記録される。
「ポイントID」は、各ポイントスキームを特定するIDである。通常、事業者IDを使用したIDが使用される(例えば事業者IDに枝番を追加)。ポイント事業者によっては異なる二つ以上のポイントスキームを採用している場合があり、同じ事業者IDに対して二以上のポイントIDが対応している場合がある。例えば、顧客に対して恩恵を与えるポイントスキームと自社の社員に対して福利厚生として恩恵を与えるポイントスキームとを採用している場合があり、この場合には、それぞれ異なるポイントIDが与えられてポイント情報ファイル22に記録される。
「ポイント名称」は、ポイント事業者がポイントスキームについて独自の名前を付けている場合にその名前が記録されるフィールドである。独自の名前が付けられていない場合、支援業者が付けている共通の名前が「ポイント名称」に記録される。
【0025】
「ポイント種別」は、ポイントスキームのタイプを特定する情報が記録されるフィールドである。この実施形態では、交換型、減額型、福利厚生型、贈呈型の四つのタイプが設定できるようになっている。
交換型は、クレジットカード会社や航空会社等のように自社の会員登録されている顧客に対して利用量に応じてポイントを発行し、貯まったポイントに応じて対象品と交換できるようにしているポイントスキームである。各対象品について必要なポイント値が決まっており、ポイント残高がそのポイントに達しないと取得できないというスキームである。
減額型は、利用量に応じてポイントが発行されて貯まるものであるものの、対象品の対価の一部としても使用できるようにしているスキームである。減額型は、量販店等で採用されているスキームであり、次回以降の購入の際に減額分として使用できるポイントを発行するスキームである。減額分としてポイントを使用すると、その分だけポイント残高は減少する。
【0026】
福利厚生型は、雇用主が従業員に対して福利厚生等の趣旨で発行するポイントである。福利厚生型の場合、発行されたポイントは使用に伴って減少するだけであり、基本的にはその後の追加はない。
贈呈型は、ある者が別の者に贈呈することを前提としたポイントスキームである。この実施形態では、このタイプのポイントスキームではポイントは雇用主が各従業員に発行するものである特に、贈呈者及び被贈呈者が同一の雇用主に雇用される従業員である場合に限りポイントの贈呈ができる仕組みも採用できるようになっている。
「ポイント種別」には、このような種別を特定する情報(例えば1~4の数値)が記録される。
【0027】
「変換率」は、実施形態のシステムの特徴点を成す重要な値が記録されるフィールドである。変換率は、ポイントを使用して対象品を購入する際にポイントが通貨(金額)に変換される比率を意味する。変換率は、1又は1未満の小数点の数値データが記録される。変換率は金額に変換する際の倍数を意味し、変換率が1である場合、1ポイント=1円として変換がされる。変換率が0.8の場合、1ポイント=0.8円として変換がされる。変換後の金額において1円未満が生じる場合には四捨五入されるが、切り上げ又は切り捨ての場合もある。
このようなポイント情報ファイル22の各フィールドの情報は、各ポイント事業者が支援業者と契約して支援サービスを受ける際に支援業者に伝えられ、支援業者における担当者が支援業者管理用端末100を使用してポイント情報ファイル22に記録する。
【0028】
図4は、受益者情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。受益者情報ファイル26は、ポイントの各受益者の情報を記録したデータベースファイルである。
図4に示すように、受益者情報ファイル26は、「グローバル受益者ID」、「受益者ID」、「パスワード」、「氏名」、「住所」、「電話番号」、「メールアドレス」、「保有ポイント情報ファイル名」等のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。尚、受益者情報ファイル26は、各ポイントスキームについて(各ポイントIDについて)作成されて記憶部2に記憶される。例えば、ポイントIDに規定の文字を付加したファイル名とし、ポイントIDで識別可能なファイルとされる。
【0029】
「グローバル受益者ID」は、この支援システムにおいてポイントの発行や使用が支援される全てのポイント受益者を識別するためのIDが記録されるフィールドである。一方、「受益者ID」は、各ポイントスキームにおけるIDであり、各ポイントスキームにおいてユニークな(一意に識別できる)IDである。グローバル受益者IDは、例えばポイントIDとそのポイントIDで特定されるポイントスキームにおけ受益者IDとを組み合わせ生成される。
【0030】
また、「保有ポイント情報ファイル名」は、当該受益者が保有するポイントの情報を記録した保有ポイント情報ファイル23のファイル名を記録したフィールドである。保有ポイント情報ファイル23は、例えばポイントIDと受益者IDとを使用したファイル名とされ、ポイントIDごと且つ受益者IDごとに作成される。
【0031】
図5は、ある保有ポイント情報ファイルの一例を示した概略図である。
図5に示すように、保有ポイント情報ファイル23は、「記録日」、「発行ポイント値」、「発行分残高」、「ポイント残高」などのフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。
「記録日」は、当該レコードに情報を記録した日付が記録されるフィールドである。
「記録区分」は、当該レコードの記録の種別を区別するためのフィールドである。種別は、ポイントの発行か使用かの種別であり、例えば発行の場合には1、使用の場合には2が記録される。
「発行ポイント値」は、記録の区分が1(ポイント発行)の場合に当該発行されたポイントの値が記録されるフィールドである。
【0032】
「発行分残高」は、このレコードの記録区分が1(ポイント発行)の場合であって、このレコードに記録された分の現在のポイント残高が記録されるフィールドである。レコードが追加されて「発行ポイント値」が記録された時点では、「発行分残高」は「発行ポイント値」と同じ値が記録されるが、その後のポイントの使用や使用期限の到来の際に減算され、「発行分残高」の値は減少する。
「使用ポイント値」は、記録区分が2(ポイント使用)の場合に記録されるフィールドであり、使用されたポイントの値が記録されるフィールドである。
「ポイント残高」は、この受益者のポイント残高が記録されるフィールドであり、最後のレコードの「ポイント残高」の値が当該受益者が保有しているポイントの残高となる。この値は、全てのレコードの「発行分残高」の値を合計した値と一致する。
【0033】
このような受益者情報ファイル26や保有ポイント情報ファイル23における各情報は、各ポイント事業者が管理・運営するサーバ又は端末から送信されて記録されるか、支援業者管理用端末100から送信されて記録される。以下、この点について説明する。
図6~
図11は、受益者情報ファイルや保有ポイント情報ファイルに対する情報の記録について示した概略図である。このうち、
図6は、ポイント事業者が管理・運営するサーバ3によって記録される構成例が示されている。以下、ポイント事業者が管理・運営するサーバ3を被支援者サーバといい、被支援者サーバ3上の記憶部31を被支援者記憶部という。
【0034】
図6において、あるポイント事業者は、クレジットカード会社や航空会社のように例えば自社サービスの利用量に応じてポイントを発行しているとする。この場合、被支援者記憶部31には、当該ポイントスキームにおける受益者(当該ポイント事業者における顧客)の情報を記録した被支援者受益者情報ファイル311や、各受益者の保有ポイントの情報を記録した被支援者保有ポイント情報ファイル312が記憶されている。そして、被支援者サーバ3には、ポイント発行記録プログラム32が実装されている。
【0035】
図6において、ある店舗端末(例えばクレジットカードが利用される店舗における端末)41は、被支援者サーバ3にアクセスし、サービス利用の送信をする。この際、被支援者サーバ3上のポイント発行記録プログラム32が実行され、ポイント発行の処理が行われる。即ち、サービスを利用した受益者の受益者ID及び発行ポイント値(又はサービス利用量)が送信され、被支援者記憶部31上の当該受益者についての被支援者保有ポイント情報ファイル312に発行ポイント値が記録されてポイント残高が更新される。被支援者保有ポイント情報ファイル312は、記録されているレコードが当該ポイント事業者における顧客に限れているのみで、それ以外は、
図5の保有ポイント情報ファイル23と基本的に同じ構造である。被支援者サーバ3上のポイント発行記録プログラム32は、被支援者保有ポイント情報ファイル312に新規レコードを追加し、「記録日」にプログラムの実行日を記録し、「発行ポイント値」と「発行分残高」に送信された発行ポイント値をそれぞれ記録し、「ポイント残高」には一つ前のレコードの「ポイント残高」の値に発行ポイント値を加算した値を記録する。
【0036】
図6において、被支援者サーバ3又は支援サーバ1には、ミラーリングプログラム33が実装されている。例えば、被支援者サーバ3は、上記のように被支援者保有ポイント情報ファイル312を更新した際、支援サーバ1上のミラーリングプログラム33を実行し、記憶部2上の保有ポイント情報ファイル23を同じように更新する。被支援者サーバ3にミラーリングプログラム33が実装されている場合、被支援者サーバ3は記憶部2上の保有ポイント情報ファイル23に対して特別のアクセス権限が与えられ、ファイル更新が許可される。
【0037】
図7には、別の構成として、ポイント事業者が特に被支援者サーバを用意していない場合の例が示されている。この例は、ポイント事業者がポイントスキームについての管理を支援業者に委託している場合が該当する。この場合には、支援サーバ1に実装されているポイント発行記録プログラム11が使用される。
同様に、サービス利用量に応じたポイントが発行される場合を例にすると、店舗端末41は、サービスの利用がされた場合、支援サーバ1にアクセスし、支援サーバ1上のポイント発行記録プログラム11を実行させる。この際、店舗端末41は、受益者ID及び発行ポイント値に加え、当該ポイントスキームについてのポイントIDを支援サーバ1に送信する。支援サーバ1上のポイント発行記録プログラム11は、ポイントIDと受益者IDとから当該受益者についての保有ポイント情報ファイル23を開き、新規レコードを追加して「記録日」、「発行ポイント値」、「発行分残高」、「ポイント残高」を同様にそれぞれ記録する。
【0038】
図6や
図7は、商品やサービスを購入した際にその購入額に応じてポイントが発行される例であるが、別の例として、ある行為を行った場合に対して(御礼又は見返りとして)ポイントが発行される場合もある。このような場合の構成例が、
図8に示されている。
ある行為を行った場合にポイントが発行される例は、そのような行為が将来的な販売に寄与する場合であり、販売促進の一環として行われる例が典型的である。例えば、ウェブサイト上で会員制で商品又はサービスを販売している場合に、購入はしないが会員登録を行った場合に御礼としてポイントを発行する場合が挙げられる。この他、SNSにおけるお友達登録や動画配信サービスにおける視聴者(フォロワー)登録の御礼としてポイントが発行される場合があり得る。
【0039】
このようなインターネット上の行為に起因してポイントが発行される場合、
図8に示すように、行為者は自らの端末(スマホ又はPC)42でサーバ43にアクセスし、ポイント発行の対象となる行為をする。以下、ポイント発行の対象となる行為をする際にアクセスがされるサーバ43を、起因サーバという。
ウェブサイトでの会員登録の場合を例にすると、起因サーバ43は、会員登録プログラム431が実装されたサーバである。会員登録プログラム431は、起因サーバ43上の記録部430に記憶された会員情報ファイル432に個人情報を記録して会員登録を行うプログラムである。
【0040】
この場合、起因サーバ43には、ポイント発行のためにプログラム(以下、ポイント発行用プログラム)433が会員登録プログラム431のサブルーチンとして実装される。ポイント発行用プログラム433は、会員登録の際に送信された個人情報と、御礼として発行するポイント値と、ポイントIDとを支援サーバ1に送信し、支援サーバ1上のポイント発行記録プログラム11を実行するプログラムである。この場合、支援サーバ1上の記憶部2には、会員登録を行った者について保有ポイント情報ファイル23が作成され、送信されたポイント値を最初のレコードに記録する。即ち、送信されたポイント値を「発行ポイント値」、「発行分残高」、「ポイント残高」にそれぞれ記録する。
【0041】
このようなポイント発行の例は、上記以外にも種々のものがあり、インターネット上の行為としては例えばウェブサイト上でのアンケートに回答してもらったお礼等があり得る。また、インターネット上の行為以外でも、例えばフィットネスクラブのような会員制のサービスにおいて会員となってもらったお礼としてポイント発行がされる場合があり得る。この場合には、会員登録を行うポイント事業者の端末が支援サーバ1にアクセスしてポイント発行記録プログラム11が実行される。
【0042】
さらに、販売促進の目的で商品に付けられる景品(おまけ)のような形でポイント発行がされる場合があり得る。この場合の構成例しては、アクセス情報を記録したカードが商品に付属した形として店舗で並べられる構成があり得る。カードには、支援サーバ1へのアクセス情報がQRコード(登録商標)のような二次元コードシンボル等の形で印刷されており、購入者が自信の端末(スマホ等)で読み取って支援サーバ1にアクセスし、個人情報を送信してポイント発行を受ける構成とされる。尚、店頭に展示した状態で二次元シンボルコードが外から視認される状態であると、購入せずに二次元シンボルコードを読み取る不正があり得るので、不透明の包装がされた状態でカードは商品に付属される。
【0043】
図9及び
図10には、さらに別の態様のポイント発行の構成が示されている。
図9や
図10に示された態様は、上述した各種販売促進のための構成とは異なり、従業員の仕事に対するインセンティブ向上の目的でポイントスキームを採用する雇用主のための構成となっている。
このうち、
図9には、雇用主が従業員に福利厚生としてポイントを発行することでインセンティブとする構成が示されている。雇用主は、ポイント発行に関して支援会社と契約する。この契約は、各従業員に発行するポイント値の合計とその合計に対して雇用主が支援会社に支払う対価が含まれる。雇用主における担当部署(例えば会社の総務部)には、ポイント事業者管理用端末6が設けられている。雇用主における担当者には、ポイントを発行する各従業員の従業員ID及び氏名と、各従業員に発行するポイント値等の情報が伝えられている。また、ポイント事業者管理用端末6には、支援サーバ1に対してポイント発行者としてのアクセス権限が与えられる。
【0044】
担当者は、ポイント事業者管理用端末6を操作して支援サーバ1にアクセスし、ポイント発行記録プログラム11を動作させる。この際、受益者IDとして従業員IDが使用され、この福利厚生用のポイントスキームについてポイントIDが与えられ、それらによりファイル名が生成されて各保有ポイント情報ファイル23のファイル名とされる。各保有ポイント情報ファイル23において、最初のレコードの「発行ポイント値」、「発行分残高」、「ポイント残高」は、雇用主から伝えられたポイント値が記録される。これにより、各従業員にポイントが発行された状態となる。
【0045】
上記の例では、ポイント事業者管理用端末6を使用して各従業員にポイントが発行されたが、支援業者管理用端末100が使用されることもある。この場合は、ポイントを発行する各従業員のIDや発行するポイント値等の情報が雇用主から支援業者に伝えられ、支援業者における担当者が支援業者管理用端末100を操作して各従業員にポイントを発行する。
【0046】
図10には、インセンティブを高めるために行われるポイント発行の別の構成として、従業員が別の従業員に対してポイントを贈呈する形でポイントが付与される構成が示されている。ポイントの発行者は雇用主であるので、ポイントの費用(代金)は、雇用主が負担する。各従業員には、他の任意の従業員に対して贈呈するポイント値の枠が与えられる。つまり、
図7の態様では雇用主が各従業員に直接的にポイントを発行する態様であったが、
図8では、雇用主から与えられた枠内(発行されたポイントの枠内)で従業員が他の従業員にポイントを
贈呈する態様ということができる。以下、このようなポイントスキームを相互ポイントという。
この構成では、雇用主は、他の従業員に対して贈呈するポイントの枠として各従業員にポイントを発行する。この構成は、
図9に示す場合と同様で、ポイント事業者管理用端末6又は支援業者管理用端末100が使用されてポイント発行記録プログラム11が実行される。発行されたポイントは、自分では使用することができず、他の従業員
に贈呈することができるのみである。
【0047】
図10に示す態様において、記憶部2には、相互ポイントのスキームを採用しているポイント事業者における従業員情報ファイル46が記憶される。従業員情報ファイル46は、この態様における受益者情報ファイルということができる。従業員情報ファイル46には、ポイントの授受が許容されている従業員の従業員IDや従業員名などが記録されている。そして、従業員情報ファイル46の各レコードには、雇用主から発行された贈呈枠としてのポイント残高(以下、贈呈枠残高)が記録されている。
【0048】
図10の態様では、各従業員には、他の従業員にポイントを贈呈するためのウェブサイト(以下、従業員間ポイント授受サイト)が提供される。即ち、
図10に示すように、従業員間ポイント授受サイトは、従業員間ポイント授受ページ44を含む。各従業員は、職場の端末又は自身のスマートフォンなどの端末(以下、従業員端末と総称する。)7を使用し、支援サーバ1にアクセスする。各従業員には、従業員間ポイント授受サイトにログインするためのID及びパスワードが電子メール等で通知される。
図10に示すように、従業員間ポイント授受ページ44は、ポイントを贈呈したい相手(以下、贈呈先従業員という。)を特定するための情報を入力する贈呈先入力欄441と、贈呈するポイント値を入力する贈呈ポイント値入力欄442とを有している。この例では、贈呈先入力欄441は、従業員IDを入力するか部署名と氏名とを入力する欄となっている。
【0049】
従業員間ポイント授受ページに設けられたOKボタン443には、確認ページがリンクしており、確認ページは、入力された情報で特定される従業員の氏名や部署名と贈呈ポイント値とを確認的に表示するページとなっている。確認ページに設けられた送信ボタンは、支援サーバ1上のポイント贈呈記録プログラム(不図示)の実行ボタンとなっている。送信ボタンは、このポイントスキームにおけるポイントIDと、受益者IDとしての従業員IDと、発行ポイント値とを引数にしてポイント贈呈記録プログラムを実行するようになっており、ポイント贈呈記録プログラムは、当該従業員IDについて既に保有ポイント情報ファイル23が作成されているかどうか判断し、作成されていなければ、保有ポイント情報ファイル23を新たに作成する。即ち、送信されたポイントIDと従業員IDとによりファイル名を生成して保有ポイント情報ファイル23のファイル名として保有ポイント情報ファイル23を作成する。そして、最初のレコードの「発行ポイント値」、「発行分残高」、「ポイント残高」に送信された贈呈ポイント値をそれぞれ記録する。
【0050】
尚、当該従業員IDについて既に保有ポイント情報ファイル23が作成されている場合、ポイント贈呈記録プログラムは、レコードを追加してポイント残高を更新する。即ち、追加されたレコードの「発行ポイント値」及び「発行分残高」に送信された発行ポイント値を記録し、一つ前のレコードの「ポイント残高」の値に送信された発行ポイント値を加算して追加レコードの「ポイント残高」に記録する。
このように、被贈呈者としての従業員についてポイント発行を記録した後、ポイント贈呈記録プログラムは、従業員情報ファイル46において贈り主としての従業員について贈呈枠残高を発行ポイント値の分だけ減額して更新する。
尚、ポイント贈呈記録プログラムは、贈呈分のポイントの記録の際、送信された発行ポイント値が贈呈枠残高以下であるかどうか判断し、贈呈枠残高以下でない場合、エラーメッセージを返信して記録を行わずに終了する。
【0051】
このような構成は、受益者間でのポイントの贈呈を可能にするための構成ということができるが、上記構成は、特に、贈り主と被贈呈者とが同一の雇用主に雇用されている場合に限りポイントの贈呈が行われるということができる。即ち、ポイント発行記録プログラム11は、ログインの際に保持された従業員ID(贈り主のID)と贈呈先の従業員IDの双方が従業員情報ファイル46に記録されていることを確認した後(同一の雇用主に雇用されていることを確認した後)、上記保有ポイント情報ファイル23への記録を行い、確認できない場合には記録を行わない。
【0052】
上述した各態様は、ポイント発行記録プログラム11が実行される時点で発行先について何らかのIDが存在しており、受益者IDとしてそのIDを流用する態様であった。この他、ポイント発行記録の際に受益者IDが新規に設定されてその受益者IDを使用したファイル名で保有ポイント情報ファイル23が生成される場合もある。以下、この態様について説明する。
【0053】
図11は、ポイント発行記録の際に受益者IDが新規に設定される例について示した概略図である。
図11の例は、アンケートの回答が送信された場合のサンクスページの例となっており、スマホ47でアンケート回答を送信したサンクスページの例となっている。
この例では、被支援者サーバ3は、アンケート回答を受信するサーバであり、例えばスマホ47によりアンケートに回答する。アンケート回答の送信が完了すると、スマホ47には、ポイント事業者サーバ3からサンクスページが送信される。
【0054】
図11(1)に示すように、サンクスページでは、お礼としてポイントが贈呈される旨と、ポイントを取得する場合には、メールアドレスや氏名等の個人情報の登録が必要である旨が示されている。アンケートの回答の時点では、年齢や性別、職業などの情報は送信するものの、個人が特定される情報は送信されない。そして、ポイントの取得をしようとした場合、個人を特定する情報の送信が必要となる。
図11に示すように、サンクスページには、登録ボタン471が設けられている。登録ボタン471は、ポイント事業者サーバ3ではなく支援サーバ1にアクセスするためのボタンとなっており、支援サーバ1によって提供される登録ページを表示するためのボタンとなっている。登録ボタン471を押すと、
図11(2)示す登録ページがスマホ47に表示される。
【0055】
図11(2)に示すように、登録ページでは、個人情報入力欄472が設けられており、入力される個人情報にはメールアドレスが含まれる。登録ページに設けられたOKボタン473には確認ページがリンクしており、確認ページは、入力された各情報を確認のために表示するページであり、送信ボタンが設けられている。
送信ボタンは、支援サーバ1に実装された受益者登録プログラム12の実行ボタンとなっている。送信ボタンは、入力された各情報に加え、このポイントスキームで発行されるポイント値とこのポイントスキームにおけるポイントIDとを引数にして受益者登録プログラム12を実行するボタンとなっている。
【0056】
受益者登録プログラム12は、受益者ID及びパスワードを新規に生成し、受益者情報ファイル26に新規レコードを追加して記録するプログラムとなっている。この際、追加したレコードには、送信された個人情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス)を記録する。そして、受益者登録プログラム12は、渡されたポイントIDと生成した受益者IDによりファイル名を生成して保有ポイント情報ファイル23を新たに作成し、記憶部2に記憶する。その後、受益者ID、ポイントID及び発行ポイント値を引数にしてポイント発行記録プログラム11をサブルーチンとして実行する。これにより、アンケート回答をした者が受益者として登録され、ポイントが発行された状態となる。
【0057】
尚、支援サーバ1には、受益者登録通知プログラム(不図示)が実装されており、受益者登録プログラム12は、ポイント発行記録プログラム11を実行した後、サブルーチンとして受益者登録通知プログラムを実行する。受益者登録通知プログラムは、受益者ID及びパスワードを電子メールで受益者に通知するプログラムである。送信先のメールアドレスは、登録ページで入力されたメールアドレスであり、受益者情報ファイル26に記録したメールアドレスである。
【0058】
尚、アンケート回答のような行為でポイントが発行される場合、同じ者が複数回回答し、メールアドレスを変えるなどしてポイントの発行を複数回受ける不正があり得る。これを避けるには、アンケート回答を行う端末がスマートフォンであれば端末識別番号を認識して同じ端末識別番号では2回以上回答できない構成とすれば良いし、PCであればMACアドレスやIPアドレスで識別して2回以上回答できない構成とすれば良い。
また、上記のように受益者IDが新規に生成された登録される構成は、ポイントスキームにおいて何らかIDが既に付与されている場合であっても、そのIDとは別にIDを付与して管理する必要がある場合、上記のように受益者IDを新規に設定して受益者情報ファイル26に記録し、またそれを使用したファイル名で保有ポイント情報ファイル23を生成する場合があり得る。
【0059】
次に、このようにして発行されて記録されるポイントを使用するための構成について説明する。
上述したように、実施形態のポイント業者支援システムは、異なるポイント業者の異なるポイントスキームについて共通した技術プラットフォーム(技術基盤)で支援を行うシステムとなっている。この点は、ポイントの使用の局面においても鮮明になっている。即ち、実施形態のシステムは、対象品についての情報を共通した技術プラットフォームで提供し、またポイントを使用した対象品の購入の申請を共通した技術プラットフォームで受け付ける構成となっている。
【0060】
まず、対象品の紹介のための技術プラットフォームについて説明する。
この実施形態では、対象品の紹介は、ウェブサイトで行われる。即ち、対象品を紹介する情報はウェブページに掲載され、受益者が操作する端末(以下、受益者端末)5からのアクセスにより受益者端末5に送信されて表示される。以下、このウェブページを対象品紹介ページという。
【0061】
実施形態の構成において重要なことは、対象品紹介ページがポイント事業者ごとに構築され、ポイント事業者ごとに異なるページとして各受益者端末5に表示されることが可能になっている点である。ポイント事業者は、支援業者における顧客に相当するので、対象品紹介ページがポイント事業者ごとにカスタマイズされる、と表現することもできる。
カスタマイズされた対象品紹介ページを提供する技術プラットフォームを構成するものとして、記憶部2には、対象品ジャンル情報マスタファイル27及び対象品情報マスタファイル24が記憶されている。
【0062】
図12は、対象品ジャンル情報マスタファイルの構造の一例を示した概略図である。対象品ジャンル情報マスタファイル27は、各ポイント事業者がカスタマイズして各対象品紹介ページを構築する際に選択できる全ての対象品のジャンルについての情報を記録したデータベースファイルである。交換品ジャンル情報マスタファイル27は、
図10に示すように、「ジャンルID」、「ジャンル名」の各フィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルとなっている。
【0063】
図13は、対象品情報マスタファイルの構造の一例を示した概略図である。対象品情報マスタファイル24は、各ポイント事業者がカスタマイズして各対象品紹介ページを構築する際に選択できる全ての対象品の情報を記録したデータベースファイルである。
図13に示すように、対象品情報マスタファイル24は、「対象品ID」、「品名」、「ジャンルID」、「ジャンル名」、「提供元ID」、「紹介テキスト」、「イメージファイルURL」、「対価額」等のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。
【0064】
「対象品ID」は、全ての対象品を一意に識別する情報が記録されるフィールドである。
「提供元ID」は、当該対象品を提供する事業者(企業又は個人)を特定する情報が記録されるフィールドである。図示は省略するが、記憶部2には、提供元の事業者の情報を記録したデータベースファイルである提供元情報ファイルが記憶されており、提供元IDが事業者名などとともに記録されている。各対象品は、支援業者が仕入れて受益者に提供する形となっているので、提供元は、支援業者にとっての仕入れ先に相当している。
「紹介テキスト」は、当該対象品を紹介するテキスト情報が記録されたフィールドであり、「イメージファイルURL」は、当該対象品の紹介用のイメージファイルを取得するための情報(パス及びファイル名)が記録されたフィールドである。
「対価額」は、当該対象品の対価額が記録されるフィールドである。対価額は、後述するように、ポイントが通貨(金額)に変換された際にその額と対比される情報である。
【0065】
一方、このような対象品ジャンル情報マスタファイル27、対象品情報マスタファイル24に対して、ポイント事業者ごとの対象品ジャンル情報個別ファイル271、対象品情報個別ファイル25が記憶部2に記憶されている。各対象品ジャンル情報個別ファイル271は、対象品ジャンル情報マスタファイル27に登録されているジャンルの中から各ポイント事業者が選択したジャンルが記録されるデータベースファイルである。各対象品情報個別ファイル25は、対象品情報マスタファイル24に登録されている対象品の中から各ポイント事業者が選択した対象品の情報が記録されるデータベースファイルである。これの点について、
図14を使用して説明する。
図14は、ジャンルや対象品の選択について示した概略図である。
【0066】
図14において、支援業者には、各ポイント事業者におけるジャンルや対象品の選択情報が提供される。この情報提供は、オフライン即ち選択情報を印刷した紙を送付することで行われる場合もあるし、選択情報を記録したファイルをメール送信することで行われる場合もある。これらに加え、支援サーバ1によって提供される選択用のウェブページ(以下、対象品選択ページ)により送信される場合もある。
【0067】
選択情報が対象品選択ページにより送信される場合、各ポイント事業者には管理用の端末(以下、ポイント事業者管理用端末という。)6が設けられる。記憶部2には、ポイント事業者用のウェブサイト(以下、ポイント事業者サイト)の各ページを提供するためのHTMLファイルが記憶されており、この一つが対象品選択ページである。
各ポイント事業者には、ポイント事業者サイトにアクセスするためのID及びパスワードが発行され、ポイント事業者管理用端末6においてこれらが入力されて送信されると、ポイント事業者としてログインがされ、ポイント事業者サイトの各ページの閲覧が可能となる。
【0068】
対象品の選択は、対象品のジャンルを指定してから行われる。
図15は、ポイント事業者サイトに含まれるジャンル選択ページの一例を示した概略図である。
図15に示すように、ジャンル選択ページには、ジャンル選択欄62が設けられている。ジャンル選択欄62は、この例ではチェックボックスとなっている。
ジャンル選択欄62において各ジャンル名を表記した部分の横には、「全選択」の表記と、「カスタマイズ」の表記がされたラジオボタンが設けられている。これらのラジオボタンは、チェックボックスにチェックが入れられた場合、いずれかを選択可能となる。
「全選択」は、当該ジャンルにおいて登録されている全ての対象品を選択するボタンである。「カスタマイズ」は、幾つか選んだ上で対象品とするボタンである。
【0069】
各ジャンルにおいて、「カスタマイズ」と表記されたラジオボタンの横には、編集ボタン64が設けられている。編集ボタン64には、対象品選択ページがリンクしている。カスタマイズを選択すると、当該ジャンルの編集ボタン64が実行可能となる。編集ボタン64は、当該ジャンルについての対象品掲載選択ページを新たにウインドウを追加して表示するボタンである。
図16は、対象品掲載選択ページの一例を示した概略図である。
【0070】
図16に示すように、対象品掲載選択ページは、選択されたジャンルにおいて対象品情報マスタファイル24に記録されている全ての対象品の情報を表示するページである。この際、対象品についてのイメージ(写真やイラスト)や紹介テキストが表示されるようになっている。また、各対象品についての対価額も併せてされるようになっている。
図16に示す対象品掲載選択ページにおいて、各対象品の品名はハイパーリンクとなっており、その対象品の詳細をテキストで表示するページがリンクしている。
そして、
図16に示すように、各対象品の表示欄には、「採用」「否採用」を選択する採否欄(この例ではラジオボタン)66が設けられている。また、対象品選択ページには、OKボタン65が設けられている。OKボタン67には、採用が選択された対象品の対象品IDを配列変数に一時的に保存するコードが記述されている。OKボタン67を押すと、選択された対象品の対象品IDが配列変数に保存され、対象品掲載選択ページが閉じられる。支援サーバ1には、対象品登録プログラム13が実装されており、ジャンル選択ページに設けられた登録ボタン65は、対象品登録プログラム13の実行ボタンとなっている。
【0071】
対象品登録プログラム13は、まず、ログインの際に保持された事業者IDでポイント事業者情報ファイル21を検索し、当該ポイント事業者が実施しているポイントスキームのポイントIDを取得するようプログラミングされている。あるポイント事業者が二以上のポイントスキームを実施している場合にはポイントスキーム選択ページをポイント事業者管理用端末6に表示し、一つを選択させて当該ポイントスキームのポイントIDを取得してする。
対象品登録プログラム13は、その上で、選択されたポイントIDについての対象品情報個別ファイル25が記憶部2に記憶されているかどうか判断し(当該ポイントファイル名を使用した対象品情報個別ファイル25があるか判断し)、記憶されていなければ、新規に対象品情報個別ファイル25を生成する。
【0072】
その上で、対象品登録プログラム13は、ジャンル選択ページで全選択が選択されている場合には、対象品情報マスタファイル24においてジャンルIDが一致する全てのレコードをコピーして対象品情報個別ファイル25に記録(転記)する。また、カスタマイズが選択されている場合には、当該ジャンルで採用が選択された各対象品の対象品IDを配列変数から読み出し、各対象品IDで対象品情報マスタファイル24を順次検索して一致するレコードを対象品情報個別ファイル25に記録する。このような処理が行われるよう、対象品登録プログラム13はプログラミングされている。
【0073】
このように対象品の選択情報がオフライン又はオンラインで支援業者に伝えられ、選択された対象品の情報が各対象品情報個別ファイル25に記録される。
図14に示すように、各対象品情報個別ファイル25は、対象品情報マスタファイル24の全て又は一部のレコードをコピーしたレコードから成るデータベースファイルとなる。
【0074】
このようにして各対象品情報個別ファイル25に記録された対象品の情報は、ポイント事業者ごとに対象品の紹介のために利用される。以下、この点について説明する。
各対象品情報個別ファイル25に記録されている各対象品の情報は、支援サーバ1によって提供されるウェブページに掲載されて、対象品の紹介とされる。以下、支援サーバ1によって提供される対象品紹介用のページをシステム側対象品紹介ページという。
システム側対象品紹介ページは、各ポイント事業者において既に稼働しているウェブページ(以下、既存ページという。)経由で閲覧される場合と、直接的に閲覧される場合とがある。一例として、既存ページ経由で閲覧される場合について説明する。
【0075】
図17は、既存ページ経由でシステム側対象品紹介ページが閲覧される例を示した概略図である。
図17は、既存ページがフィットネスクラブのウェブページの例となっている。
図17では、受益者端末5はスマホとなっているが、PCの場合も当然にあり得る。
例えば、あるフィットネスクラブが、入会して会員になった場合に御礼としてポイントが発行され、月会費を払って会員を継続すると月々ポイントが発行されるポイントスキームを採用しているとする。また、施設の利用のたびにポイントが別に発行される場合もある。このようなポイントスキームを実施しているフィットネスクラブは、貯まったポイントを使用してウェア等の用品を購入できるサービスを提供している。ポイントの使用は、フィットネスクラブ内のショップ(実店舗)で行えるが、フィットネスクラブ自身が運営するウェブサイトでも行えるようにしている場合もある。
図17の例は、このような場合のウェブサイトが受益者端末5に表示された例となっている。
【0076】
図17(1)に示すように、既存ページ81には、ポイントスキームについて説明したテキストがあり、ポイントを使用して直営ショップ(このフィットネスクラブが経営しているウェブショップ)で購入できるウェア等の対象品を紹介したページのリンクボタン810が設けられている。それとともに、直営ショップ以外でも種々の商品やサービスと交換できる旨を説明したテキストがあり、「直営ショップ以外でポイントを使う」と表記されたボタン811がある。このボタン811が、システム側対象品紹介ページへのリンクボタン(以下、システム側対象品紹介ページリンクボタン)となっている。
【0077】
ボタン811を押すと、
図17(2)に示すシステム側対象品紹介ページにジャンプする。
図17(2)に示すように、システム側対象品紹介ページ82は、対象品のジャンルを選択するジャンル選択欄821や、選択されたジャンルにおいて交換可能な対象品の名称や説明テキスト、写真等を表示する対象品紹介欄822を有している。尚、対象品がサービスの場合、サービスの利用券の写真やサービスを受けている状況の写真などが対象品紹介欄に表示される。
【0078】
上記の例は、既存ページ81とシステム側対象品紹介ページ82とが別のサイトである旨を明記している例である。この場合には、システム側対象品紹介ページ82は、複数のポイント事業者について共通した同様のページとされる。以下、共通したシステム側対象品紹介ページ82を共通ページと呼ぶ。システム側対象品紹介ページリンクボタン811は、共通ページ82へのリンクボタンとされる。
【0079】
上記以外に、システム側対象品紹介ページがポイント事業者のサイトの一部であるようにページが構築される場合もあり得る。以下、この構成を仮想同一サイトと呼ぶ。仮想同一サイトの場合には、システム側対象品紹介ページのデザインもカスタマイズされ、既存ページと共通したデザインが採用される。以下、カスタマイズされたシステム側対象品紹介ページを、カスタマイズページと呼ぶ。したがって、
【0080】
図1に示すように、支援サーバ1上の記憶部2には、共通ページ82を表示するHTMLファイル(以下、共通ページ表示ファイル)101と、カスタマイズを選択している各ポイント事業者用のカスタマイズ紹介ページを表示する各HTMLファイル(以下、カスタマイズページ表示ファイル)102とが記憶される。より具体的なシステム構成としては、記憶部2には、ポイント事業者ごとにそれぞれディレクトリ(パス)が作成され、各ポイント事業者についての対象品ジャンル情報個別ファイル271及び対象品情報個別ファイル25と、カスタマイズを選択しているポイント事業者の場合にはカスタマイズページ表示ファイル102とが記憶される。共通ページ表示ファイル101は、別の共用のディレクトリに記憶される。
【0081】
いずれの種類のシステム側対象品紹介ページの場合も、ページに掲載される対象品の情報は、対象品情報個別ファイル25に登録されている対象品とされる。例えば、カスタマイズを選択しているポイント事業者の場合、既存ページ81に貼られたシステム側対象品紹介ページリンクボタン811は、当該ポイント事業者のディレクトリに記憶されたカスタマイズページ表示ファイル102を表示するコードが埋め込まれる。このカスタマイズ表示ファイルには、当該ディレクトリに記憶されている対象品情報個別ファイル25から情報を取得してページを構築するスクリプトが埋め込まれる。カスタマイズを選択していないポイント事業者の場合、既存ページ81に貼られたシステム側対象品紹介ページリンクボタンは、共用のディレクトリから共通ページファイル101を取得し、当該ポイント事業者のディレクトリに記憶された対象品情報個別ファイル25から各対象品の情報を取得するようスクリプトを書き換えてページを構築するコードが埋め込まれる。
【0082】
いずれにしても、受益者が受益者端末5上で既存ページ81を表示している状態でシステム側対象品紹介ページリンクボタン811を押すと、受益者端末5には、システム側対象品紹介ページが表示され、受益者はポイントを使用してどのような商品又はサービスを購入することができるか知ることができる。
このようなシステム側対象品紹介ページの表示において重要なことは、システム側対象品紹介ページが表示される際、支援サーバ1に対するログイン情報として受益者ID及びポイントIDが渡される点である。以下、この点について説明する。
【0083】
上述した既存ページ81において、少なくともシステム側対象品紹介ページボタン811を押す際には、当該既存ページ81においてログインがされていることが前提となっている。ここでのログインは、既存ページ81が含まれるポイント事業者のウェブサイトでのログインではあるが、ここでのログインIDは、受益者IDに兼用されるIDとなっている。例えば、前述したフィットネスクラブの例でいうと、入会の際に会員IDが発行され、会員IDは、このフィットネスクラブの各会員が受益者情報ファイル26に記録される際の受益者IDとして兼用される。したがって、各会員について作成される保有ポイント情報ファイル23は、会員IDとこのフィットネスクラブにおけるポイントスキームIDとを組み合わせたファイル名とされる。
【0084】
上述したシステム側対象品紹介ページボタン811に埋め込まれたコードは、上記のように共通ページファイル101又はカスタマズページファイル102を取得して表示するコードであることに加え、既存ページ81のセッション変数から受益者IDを取得して支援サーバ1に送信し、支援サーバ1におけるセッション変数に可能するコードとなっている。また、システム側対象品紹介ページボタン811には、定数としてのポイントIDも埋め込まれており、ポイントIDも支援サーバ1に送信され、セッション変数に格納される。
【0085】
このように支援サーバ1に送信される受益者ID及びポイントIDは、システム側対象品紹介ページ82の構築に利用される。以下、この点について説明する。
図17(2)に示すように、システム側対象品紹介ページ82には、表示モード選択欄823が設けられている。表示モード選択欄823は、当該ポイントスキームにおいて対象品となっているもののうちその時点の保有ポイント(ポイント残高)で取得できる対象品のみを表示するモード(以下、保有ポイントモードという。)か、当該ポイントスキームにおける全ての対象品を表示するモード(以下、全表示モードという。)かを選択する欄となっている。デフォルト(初期値)は、保有ポイントモードであり、
図17(2)は保有ポイントモードでの表示状態の一例を示している。
【0086】
表示モード選択欄823で全表示モードが表示されると、各対象品の情報が表示されているフレームに埋め込まれたスクリプトにより表示が切り替わり、全ての対象品を表示する状態となる。この状態が
図17(3)に示されている。
支援サーバ1には、システム側対象品紹介ページ82に連動するプログラムとして、保有ポイントモードで対象品情報の表示を行う残高以下表示プログラム14と、全表示モードで対象品情報の表示を行う全表示プログラム15とが実装されている。システム側対象品紹介ページ82において対象品をリスト表示するフレームに埋め込まれたスクリプトは、表示モード選択欄823において選択されている値に従い、残高以下表示プログラム14、全表示プログラム15のいずれかを実行するよう記述されている。尚、システム側対象品紹介ページ82には再表示ボタン(符号省略)が設けられており、このボタンにも、表示モード選択欄823での選択に従って表示を行うスクリプトが埋め込まれている。
【0087】
まず、残高以下表示プログラム14について、
図18を参照して説明する。
図18は、残高以下表示プログラムの概略を示したフローチャートである。
図18に示すように、残高以下表示プログラム14は、変数から受益者IDとポイントIDとを読み出し、それらに従って当該受益者についての保有ポイント情報ファイル23を開く。そして、最後のレコードのポイント残高を取得する。その上で、ポイントIDでポイント情報ファイル22を検索し、ポイントIDが一致するレコードの変換率を取得する。そして、ポイント残高に変換率を掛け算した額を算出する。この額は、当該ポイント残高の価値を通貨(金額)に換算した値であり、以下、変換額と呼ぶ。
【0088】
残高以下表示プログラム14は、次に、ポイントIDに従って当該ポイントスキームに係る対象品情報個別ファイル25を開く。そして、最初のレコードから順に「対価額」のフィールドの値を取得し、変換額以下であるかどうか判断する。変換額以下であれば、そのレコードの「対象品ID」、「品名」、「紹介テキスト」、「イメージファイルURL」の値を配列変数に格納する。また、対価額と変換額との差額を計算し、それを変換率で割り算して使用後ポイント残高を算出し、配列変数に格納する。使用後ポイント残高は、その対象品の取得のためにポイントを使用した場合の使用後のポイント残高である。また、対価額を変換率で割り算した値(対価額に相当するポイント値、以下、相当ポイント値という。)も配列変数に格納する。これらの処理を全てのレコードについて行い、対価額が変換額以下である全てのレコードを対象品ID,品名、紹介テキスト、イメージファイルURL、使用後ポイント残高を配列変数に格納する。
【0089】
次に、残高以下表示プログラム14は、配列変数に従って各対象品の品名、イメージファイル及び紹介テキストを組み込み、フレーム内に並べて表示する。その際、貼り付けた品名やイメージファイルには、対象品IDを含む状態で選択用スクリプトを組み込んでおく。さらに、相当ポイント値及び使用後ポイント残高も適宜の位置に組み込む。配列変数に格納されている全ての対象品について処理が終了すると、残高以下表示プログラム14が終了である。
図17(2)において、受益者端末(スマホ)5の画面を下方にスクロールすると、ブラウザの機能により他の対象品の情報が順次表示される。
【0090】
次に、全表示プログラム15について
図19を参照して説明する。
図19は、全表示プログラムの概略を示したフローチャートである。
全表示プログラム15も、上記と同様、変数から受益者IDとポイントIDとを読み出し、それらに従って当該受益者についての保有ポイント情報ファイル23を開いて最後のレコードのポイント残高を取得し、ポイント情報ファイル22から取得した変換率を掛け算して変換額を算出する。次に、対象品情報個別ファイル25の最初のレコードにおいて、「ポイントID」、「品名」、「紹介テキスト」、「イメージファイルURL」、「対価額」の値を取得する。その上で、対価額が変換額以下であるかどうか判断し、対価額以下ではない場合、その差額を算出する。対価額以下である場合、差額を0とする。各フィールドの値及び算出した差額をそれぞれ配列変数に格納する。また、相当ポイント値も配列変数に格納する。
【0091】
全表示プログラム15は、この処理を対象品情報個別ファイル25における全てのレコードについて行い、それぞれ配列変数に格納する。次に、全表示プログラム15は、配列変数に従って各対象品の品名、イメージファイル及び紹介テキストを組み込み、フレーム内に並べてリスト表示するとともに、貼り付けた品名やイメージファイルには、対象品IDを含む状態で選択用スクリプトを組み込む。この際、変数から読み出した差額及び相当ポイント値も併せて表示する。
図17(3)においても同様に、受益者端末(スマホ)5の画面を下にスクロールすると、他の対象品の情報が順次表示される。
尚、全表示プログラム15は、差額についての注記をシステム側対象品紹介ページ82内に組み込むようプログラミングされている。即ち、差額0でない場合は、当該対象品を取得するには差額の支払いが必要である旨の注記である。全ての対象品についての表示及び注記の表示が行われると、全表示プログラム15は終了である。
【0092】
以上のシステム側対象品紹介ページ82は、既存ページ81を経由して閲覧される場合の構成であったが、システム側対象品紹介ページ82は、受益者端末5から直接的に閲覧される場合もある。この構成は、受益者ID及びポイントIDが予め受益者端末5に提供され、それを送信しつつシステム側対象品紹介ページ82のURLを実行する構成とされる。以下、この構成の一例について説明する。
【0093】
図20は、既存ページを経由せずにシステム側対象品紹介ページを閲覧するための構成について示した概略図である。
図20の例は、システム側対象品紹介ページ82のURLが電子メールに組み込まれて受益者端末5に送信される例である。
このうち、
図20(A)に示す例では、雇用主が従業員に対して福利厚生としてポイントを発行したので、使って欲しい旨を伝えるメールとなっている。そして、メール本文には、システム側対象品紹介ページ82を表示するためのURL(ハイパーリンク)83が組み込まれており、ここには、当該ポイントスキームにおけるポイントIDと、ポイント発行先の従業員の従業員IDが受益者IDとしてURL83に組み込まれている。この例ではパスワードもURL83に組み込まれているが、パスワードがこのメールの本文又は別メールで通知され、ログイン時に入力する場合もある。いずれにしても、URL83を実行すると、支援サーバ1に対してログインがされて受益者IDとポイントIDが保持され、システム側対象品紹介ページ82が受益者端末5に表示される。このような電子メールは、前述したポイント発行記録プログラム11のサブルーチンとして実装されたメール送信モジュールによって送信される。
【0094】
また、
図20(B)に示す例では、相互ポイントが発行された旨が電子メールで伝えられる例となっている。同様に、メール本文には、システム側対象品紹介ページ82を表示するためのURL84が組み込まれており、ここには、当該ポイントスキームにおけるポイントIDと、相互ポイントの贈呈先の従業員の従業員IDが受益者IDとして組み込まれ、パスワードも組み込まれている。また、相互ポイントの発行であるので、発行申請をした従業員(ポイントの贈り主)の従業員ID、部署名、氏名等が併せてメール本文に組み込まれる。このような電子メールは、前述したポイント発行記録プログラム11のサブルーチンとして実装されたメール送信モジュールによって送信される。
【0095】
次に、このようにしていずれかのモードで対象品の情報が表示されるシステム側対象品紹介ページ82において、対象品を選択してポイントの使用申請をするための構成(技術プラットフォーム)について、以下に説明する。
図21は、ポイントを使用した対象品の取得のための技術プラットフォームについて示した概略図である。
図21に示すように、支援サーバ1は、各受益者端末5に対して使用申請ページ85を提供(ホスト)するサーバとなっている。前述した残高以下表示プログラム14や全表示プログラム15が組み込む選択用スクリプトは、使用申請ページ85を受益者端末5に表示するスクリプトとなっている。
【0096】
図22は、使用申請ページの一例について示した概略図である。このうち
図22(A)は、対価額が変換額より小さい場合即ちポイント残がある対象品が選択された例となっており、
図22(B)は、対価額が変換額よりも大きく、残額を決済する(別途支払う)必要がある対象品が選択された例となっている。いずれの場合も、選択用スクリプトは、選択された対象品の対象品IDが変数に保持された状態で使用申請ページ85が表示されるようプログラミングされる。また、選択用スクリプトは、対価額が変換額よりも小さい場合には使用後のポイント残高を変数に格納し、要決済額として0を変数に格納する。また、対価額が変換額よりも大きい場合には、使用後のポイント残高として0を変数に格納し、要決済額としてその差額を変数に格納する。さらに、対価額と変換額が一致する場合には、使用後のポイント残高としての変数、要決済額としての変数にいずれも0を格納する。
【0097】
図22(A)に示すように、対価額が変換額よりも小さい対象品が選択された場合、選択された対象品が確認的に表示されるとともに、相当ポイント値及び使用後ポイント残高も確認的に表示される。また、
図22(B)に示すように、対価額が変換額よりも小さい対象品が選択された場合、選択された対象品が確認的に表示されるとともに、相当ポイント値及び要決済額(差額)も確認的に表示される。
尚、不図示ではあるが、使用申請ページ85には、配送先表示欄も含まれている。選択用スクリプトは、受益者IDで受益者情報ファイル26を検索し、当該受益者の住所を取得し、配送先表示欄に表示するようプログラミングされている。配送先表示欄は、変更可能となっており、登録住所以外に配送する場合には変更の入力が可能である。
【0098】
いずれの場合も、使用申請ページ85には、送信ボタン851が設けられている。支援サーバ1には、ポイント使用申請受付プログラム16が実装されており、送信ボタンは、ポイント使用申請受付プログラム16の実行ボタンとなっている。送信ボタン851には、受益者ID、ポイントID、対象品ID、相当ポイント値、使用後ポイント残高及び要決済額を引数にしてポイント使用申請受付プログラム16を実行するコードが埋め込まれている。
【0099】
ポイント使用申請受付プログラム16は、要決済額が0でない場合、まず、サブルーチンとして支援サーバ1に実装されている差額決済モジュールを実行する。差額決済モジュールは、要決済額を決済するためのモジュールであり、クレジットカードその他の決済方法で残額を決済するためのモジュールである。この部分は、通常のネットショッピングサイトにおけるものと同様にできるので、詳細な説明は省略する。
【0100】
差額決済モジュールから正常終了が戻されなかった場合、ポイント使用申請受付プログラム16は、保有ポイント情報ファイル23への記録は行わず、エラーメッセージを受益者端末5に表示して終了する。差額決済モジュールから正常に決済が完了した旨の戻り値が戻された場合又は要決済額が0の場合、ポイント使用申請受付プログラム16は、ポイント減算モジュールを実行する。ポイント減算モジュールも、ポイント使用申請受付プログラム16のサブルーチンとして実装されているモジュールである。
【0101】
図23は、ポイント減算モジュールの概略を示したフローチャートである。
図23に示すように、ポイント減算モジュールは、セッション変数から受益者ID及びポイントIDを読み出し、この受益者についての保有ポイント情報ファイル23を開く、そして、最初のレコードから順に「発行分残高」の値を確認する。発行分残高がゼロより大きい値である場合、ポイント減算モジュールは、発行分残高と相当ポイント値とを比較し、発行分残高が相当ポイント値以上であれば、発行分残高から相当ポイント値を減算する。そして、当該レコードの「発行分残高」の値を減算後の値で上書きし、ポイント減算モジュールは終了する。
【0102】
発行分残高が相当ポイント値より小さい場合、当該レコードの「発行分残高」の値を0で上書きするとともに、その差額で相当ポイント値を更新する(即ち、変数としての相当ポイント値を差額で更新する)。そして、次のレコードの「発行分残高」の値を読み込み、同様の処理をする。これを繰り返し、相当ポイント値が発行分残高よりも小さくなった場合、発行分残高と相当ポイント値との差分で「発行分残高」の値を更新し、ポイント減算モジュールは終了する。
ポイント減算モジュールが終了すると、ポイント使用申請受付プログラム16は、保有ポイント情報ファイル23に最後のレコードを追加し、「ポイント残高」のフィールドに使用後ポイント残高を記録する。この値は、更新した各レコードの「発行分残高」の値を合計した値に一致する。
【0103】
支援サーバ1には配送依頼プログラムが実装されており、ポイント減算モジュールを実行した後、ポイント使用申請受付プログラム16は、配送依頼プログラムを実行する。配送依頼プログラムは、配送先表示欄に表示されている住所に対象品IDで特定される対象品を配送するためのプログラムであり、記憶部2に記憶されている配送伝票ファイルに新規レコードを追加して配送依頼をするプログラムである。
【0104】
尚、各保有ポイント情報ファイル23に記録されているポイント残高は、上記のようにポイント使用の際にポイント減算モジュールによって減少する他、使用期限の到来によっても減少する。使用期限の到来に伴ってポイント残高を減少させるプログラムとして、支援サーバ1には、ポイント消滅プログラム(不図示)が実装されている。
【0105】
ポイント消滅プログラムは、1日1回決まった時刻に自動実行されるプログラムである。ポイント消滅プログラムは、記憶部2に記憶されている全ての保有ポイント情報ファイル23について実行される。ポイント消滅プログラムは、保有ポイント情報ファイル23を開き、最初のレコードの「使用期限日」の値を読み込む。そして、「使用期限日」の値がプログラムの実行日を過ぎている場合、「発行分残高」の値を読み込む。「発行分残高」の値がゼロでなければ、「発行分残高」をゼロで上書きする。この処理を最後のレコードまで行った後、最初のレコードから「発行分残高」の値を順次読み込んで加算していき、発行分残高の合計を算出する。そして、最後のレコードの後に新規レコードを追加し、記録区分に2(減算)を記録するとともに、算出された合計を「ポイント残高」に記録する。
これで、一つの保有ポイント情報ファイル23についての処理は終了であり、他の全ての保有ポイント情報ファイル23についても同様に処理を行う。
【0106】
次に、このような実施形態のポイント事業者支援システムの全体の動作について、説明する。
各ポイント事業者は、支援業者とポイント事業に関して契約を結ぶ。各ポイント事業者の情報はポイント事業者情報ファイル21に記録される。また、支援の対象である各ポイントスキームに対してポイントIDが発行され、ポイント情報ファイル22に記録される。さらに、各ポイント事業者と支援業者は、ポイントの変換率について取決めを行う。取り決められた変換率は、ポイント情報ファイル22に記録される。
【0107】
各ポイント事業者は、自らのポイントスキームにおける対象品の選択を行う。即ち、対象品情報マスタファイル24から、任意の対象品が選ばれて抽出され、各対象品情報個別ファイル25が作成される。対象品の選択情報は、ポイント事業者における担当者が支援業者に紙(郵送)や電子メールで伝えたり、ポイント事業者管理用端末6が操作されて支援サーバ1へのアクセスがされて送信されたりする。後者の場合、ポイント事業者サイトにアクセスがされ、ジャンルが選択された後、カスタマイズがされて任意の対象品が選択され、対象品情報個別ファイル25に記録がされる。
【0108】
各ポイントスキームにおいて、それぞれの態様にてポイントの発行がされる。例えば、利用量に応じたポイントが発行されるスキームでは、利用のたびにポイントが発行され、被支援者保有ポイント情報ファイル312においてポイント残高が更新される。そして、被支援者サーバ3上又は支援サーバ1上のミラーリングプログラム33が実行され、記憶部2上の保有ポイント情報ファイル23も更新される。
【0109】
また、インターネット上の行為に起因してポイントが発行される態様では、起因サーバ43により支援サーバ1上のポイント発行記録プログラム11が実行され、保有ポイント情報ファイル23に発行ポイント値が記録されてポイント残高が更新される。
さらに、従業員に対する福利厚生としてポイントを発行する場合、ポイント事業者管理用端末6又は支援業者管理用端末100が支援サーバ1にアクセスし、ポイント発行記録プログラム11を動作させる。また、従業員相互にポイントを贈呈するスキームである場合、各従業員は、従業員端末7を操作して従業員間ポイント授受サイトにアクセスし、贈呈先従業員を特定する入力と贈呈するポイント値の入力をして送信ボタンを押し、ポイント贈呈記録プログラムを実行してポイント贈呈を保有ポイント情報ファイル23に記録させる。
尚、福利厚生としてのポイント発行や相互ポイントの発行の場合、ポイント発行がされた旨が電子メールで当該発行先の従業員に通知される。
【0110】
また、販売促進の目的で商品に付けられる景品としてポイント発行がされる態様では、購入者が自身の端末を操作して支援サーバ1にアクセスし、ポイント発行記録プログラム11が実行され、保有ポイント情報ファイル23が新規に作成されて発行ポイント値がポイント残高として記録される。この場合、購入者は個人情報を入力して受益者登録を行う。
【0111】
このようにして各ポイントスキームにおいてポイントが発行され、保有ポイント情報ファイル23のポイント残高が更新される。そして、各受益者は、受益者端末5を操作して対象品紹介ページを閲覧する。例えば、購入量に応じたポイントが発行されている受益者が当該ポイントスキームのサービスにおけるウェブページ(既存ページ81)を受益者端末5で閲覧した後、システム側対象品紹介ページリンクボタン811を押し、システム側対象品紹介ページ82を閲覧する。そして、取得したいと思った対象品があったら、その対象品の品名又はイメージを表示している部分を押し、選択用スクリプトを実行させる。これにより、使用申請ページ85が受益者端末5に表示されるので、受益者は、内容を確認し、送信ボタン851を押す。これにより、ポイント使用申請受付プログラム16が実行される。
【0112】
ポイント使用申請受付プログラム16は、ポイント減算モジュールを実行し、当該受益者についての保有ポイント情報ファイル23においてポイント減算処理をする。即ち、古いレコードの順から相当ポイント値の分だけポイントを減少させる。そして、レコードが追加されて使用後ポイント残高が「ポイント残高」のフィールドに記録される。その後、ポイント使用受付プログラムは、サブルーチンとして、配送依頼プログラムを実行する。
【0113】
また、受益者は、取得したいと思った対象品がなかった場合、システム側対象品紹介ページ82を全表示モードに切り替える。そして、差額分の支払いが必要ではあるものの取得したいと思った対象品があった場合、当該対象品の表示箇所(品名又はイメージ)を押し、使用申請ページ85を表示する。そして、内容を確認して送信ボタン851を押すと、ポイント使用申請受付プログラム16が実行される。ポイント使用申請受付プログラム16は、まず、差額決済モジュールを実行する。差額決済モジュールから正常に決済が終了した旨の戻り値が返されたら、ポイント使用申請受付プログラム16は、ポイント減算モジュールを実行する。この場合は、ポイント減算モジュールは、「発行分残高」に0より大きい値が記録されている場合には全てゼロにする処理を行った後、レコードを追加して「ポイント残高」に0を記録する。その上で、ポイント使用申請受付プログラム16は、サブルーチンとして差額決済モジュールを実行し、さらに配送依頼プログラムを実行する。
【0114】
また、ある受益者については、ポイントが発行された旨の電子メールを受益者端末5で受け取り、そこに記載されているURLを実行してシステム側対象品紹介ページ82を閲覧する。この場合も、同様にいずれかのモードで閲覧し、任意の対象品を選択して使用申請ページ85を表示し、使用申請をする。差額がある場合には、差額決済モジュールに従って決済をする。
【0115】
このようにポイントの使用申請がされてポイントが使用されると、それに伴って保有ポイント情報ファイル23における最後のレコードのポイント残高の値は減少するが、ポイント残高は、ポイントの使用期限の到来によっても減少する。即ち、1日1回、支援サーバ1上のポイント消滅プログラムが実行され、各保有ポイント情報ファイル23の各レコードにおいて、「使用期限日」がプログラムの実行日を過ぎており、「発行分残高」が0でないレコードについて「発行分残高」を0にする処理を行う。そして、各レコードの「発行分残高」の値を合計し、新規のレコードを追加して「ポイント残高」に合計値を記録する。
【0116】
このような動作に係る実施形態のポイント事業者支援システムによれば、各ポイント事業者において実施されているポイントスキームの受益者に対し、支援サーバ1により対象品紹介ページが提供され、対象品紹介ページからポイントの使用申請を行って対象品を取得することができるので、各受益者は、より多くの対象品の中から選んでポイントを使用することができるようになる。このためポイントの消費が促進され、各ポイント事業者において債務として多く溜まるのを防止することができる。
【0117】
この点は、特に小規模のポイント事業者にとっては有利である。小規模のポイント事業者にとっては、対象品の紹介ページを提供するサーバを自社で構築して管理することが難しかったり煩雑であったりする場合が多いが、実施形態の支援システムを利用することでそのような問題が避けられる。そして、より多くの対象品を用意して使用申請を受け付けることも小規模のポイント事業者にとっては困難な場合が多いが、この問題も実施形態の支援システムを利用することで解消する。
【0118】
その上、対象品紹介ページは、ポイント事業者ごとに異なる対象品の情報を対象品情報マスタファイル24から抽出して掲載することができるので、対象品情報マスタファイル24が共通の技術プラットフォームを成すものとして構築しておくことで、各ポイント事業者が自らの方針に沿って任意の対象品群の情報を対象品紹介ページに掲載することができる。このため、自らにとって好ましくない対象品を除外したり、自らの事業における商品又はサービスと関連する対象品のみを掲載したりすることができ、自らのポイント事業をより有意義に展開するのに役立つ。
【0119】
上記の点について幾つか例を挙げて説明すると、対象品情報マスタファイル24には、各種の対象品の情報が豊富に掲載されているので、全てを掲載してしまうと、自らの商品又はサービスと競合するものが混ざってしまう場合があり得る。端的には、ライバル会社の商品又はサービスが掲載されてしまう状態である。
【0120】
また別の例としては、例えばフィットネスクラブのような健康を標榜する企業がアルコール飲料などを対象品として紹介することは好ましくない場合があるし、おもちゃが子供服などのチャイルド向けの商品を扱っている企業が成人男性向けのアダルト商品を対象品にするのは明らかに好ましくない。このような各種の事情で、各ポイント事業者は、対象品情報マスタファイル24から一定の対象品を除外した上で対象品を紹介することができる。
【0121】
また、上記実施形態では、各ポイント事業者により発行されるポイントについて通貨との変換率が設定されており、変換率は、各ポイント事業者において異なるものとし得るので、支援システムを利用した対象品の取得をどの程度促すかについて各ポイント事業者における方針に沿って決定することができる。このため、ポイントスキームの趣旨に沿った支援をシステムから受けることができる。
【0122】
より具体的に説明すると、例えばあるポイント事業者が物販業を営む事業者である場合、自分のところのお店(実店舗又はインターネット上の仮想店舗)で出来ればポイントを使用して欲しいので、自分のお店での変換率に比べて支援システムにおける変換率を低く設定することがあり得る。一方、社員に対する福利厚生としてポイントを発行する場合、そのような配慮はないので、高い変換率(例えば1ポイント=1円)とし得る。このようなことから、ポイント情報ファイル22の各レコードに記録された「変換率」の値は異なるものとなり得る。
【0123】
尚、ポイント残高に変換率を掛けた変換額よりも対価額が高い対象品についてもシステム側対象品紹介ページ82に掲載してポイント使用による取得を可能にする構成は、ポイント残高の多寡によらずに多くの対象品が紹介されるので、欲しいと思う対象品が見つかり易く、この点でポイントの消費をより促進する効果が得られる。
この構成において、対価額と変換額との差額をシステム側対象品紹介ページ82に表示し、対価額自体は表示しない構成は、対象品の価格自体は不明にしつつ必要な追加金額を受益者がわかるようにした構成であり、この点で意義がある。つまり、実施形態におけるポイントの発行とポイントを使用した対象品の取得は、ポイント事業者による受益者へのギフト(贈り物)としての趣旨があり、その趣旨では、ギフト価格が相手方(受益者)に知られてしまうのは良くないことである。上記構成は、この趣旨に沿った構成であるといえる。
【0124】
上述した実施形態において、対象品情報マスタファイル24に加えて対象品情報個別ファイル25が作成されて使用されたが、これは必須ではない。対象品情報個別ファイル25が無くとも対象品情報マスタファイル24から対象品の情報を直接抽出してシステム側対象品紹介ページ82に掲載することができる。この際、例えばポイント事業者ごとに異なる抽出条件を設定しておき、その条件に従って対象品情報を抽出すれば、ポイント事業者によって異なる対象品情報がシステム側対象品紹介ページ82に掲載されることになる。異なる抽出条件とは、例えばあるジャンルのみを抽出する条件とし、そのジャンルがポイント事業者によって異なるようにしたり、あるジャンルは抽出しないようにしてそのジャンルがポイント事業者によって異なるようにしたりする条件である。
【0125】
また、従業員間ポイント授受の構成は、ポイントが発行された者が他の者に当該ポイントを贈呈する構成の一例である。但し、上記構成では、ポイントの発行者が雇用主であり、従業員のインセンティブ向上のために授受が行われる構成であるため、同一雇用主に雇用されている従業員間の授受に限定した構成とされた。ポイントの授受については、このような構成ではなく、ポイントの授受(贈呈)を一般的に許容する構成であっても良い。即ち、保有ポイントの使用について、対象品の購入のためではなく他人(友人や知人等)に贈呈する分としての使用を許容する構成であっても良い。この構成では、対象品の選択の代わりにポイント贈呈先の受益者を特定する情報(氏名やメールアドレス)などを入力して送信させ、贈呈元(贈り主)におけるポイントの減少と贈呈先(被贈呈者)におけるポイントの増加とをポイント使用申請受付プログラム16が行うよう構成され、同一雇用主に雇用された従業員間に限定されない構成とされる。
上記のようにポイントを贈り物として贈呈することができるようにする構成によれば、ポイントを特に必要としない受益者から必要とする受益者への贈呈によりポイントの消費がより促進されることになるので、この点で好適である。
【0126】
上記実施形態において、一人の受益者に対して複数の異なるポイントスキームにおいてポイントが発行されることがあり得る。例えば、クレジットカード会社からポイントを発行されている受益者がフィットネスクラブの会員になってフィットネスクラブからもポイントが発行されることがあり得る。この場合、一人の受益者があるポイントスキームにおいてシステム側対象品紹介ページ82を閲覧して対象品を選んでポイントを使用し、同じ受益者が別のポイントスキームにおいてシステム側対象品紹介ページ82を閲覧して対象品を選んでポイントを使用する場合がある。
このような場合、当該受益者としては、それぞれのポイントスキームで発行されたポイントを合算して使用できた方がより高額の対象品を取得できるので、望ましい。これを実現するための構成として、
図4に示す受益者情報ファイルにおける「グローバル受益者ID」のフィールドが存在している。
【0127】
グローバル受益者IDは、グローバル受益者登録によって受益者情報ファイル26に記録される。具体的には、支援サーバ1は各受益者端末5に対してグローバル受益者登録ページをホストする。あるポイントスキームで発行されたポイントを使用すべく受益者端末5で支援サーバ1にログインした際、グローバル受益者登録ページを受益者端末5に表示することが可能となる。グローバル受益者情報登録ページでは、ログインの際に保持した受益者IDについてグローバル受益者として登録される旨のテキストが表示される他、他のポイントスキームで発行されたポイントについてのポイント名称(ポイントスキームの名称)、受益者ID及びパスワードを入力する欄が設けられる。
【0128】
支援サーバ1には、グローバル受益者登録プログラムが実装され、グローバル受益者登録ページに設けられた送信ボタンにより実行される。グローバル受益者登録プログラムは、ログインの際に保持されたポイントIDで当該ポイントスキームにおける受益者情報ファイル26を開き、受益者IDで検索する。そして、グローバル受益者IDを自動生成して「グローバル受益者ID」のフィールドに記録する。そして、グローバル受益者登録ページで他のポイントスキームの情報が入力されていれば、ポイント名称でポイント情報ファイル22を検索してポイントIDを取得し、当該ポイントスキームにおける受益者情報ファイル26を開く。そして、入力された受益者ID及びパスワードが一致するレコードが当該受益者情報ファイル26にあれば、そのレコードの「グローバル受益者ID」に生成したグローバル受益者IDを記録する。さらに別のポイントスキームについて入力されていれば、受益者IDとパスワードが一致する限り、同様に記録する。
【0129】
このようにグローバル受益者IDを記録しておくと、複数の異なるポイントスキームにおいて発行されたポイントを合算して使用することが可能となる。例えば、システム側対象品紹介ページ82には、「グローバル受益者としてのポイントを見る」というようなグローバルボタンが設けられ、グローバルボタンは、支援サーバ1上のグローバルポイント表示プログラムの実行ボタンとされる。グローバルポイント表示プログラムは、ログインの際に保持された受益者IDで受益者情報ファイル26を検索してグローバル受益者IDを取得する。そして、各受益者情報ファイル26をグローバル受益者IDで検索して一致するレコードがあれば、保有ポイント情報ファイル名を取得して保有ポイント情報ファイルを開き、最後のレコードのポイント残高を取得する。これを全ての受益者情報ファイル26について行い、取得したポイント残高を合計し、グローバルポイント残高として受益者端末に表示するとともに変数に格納する。
【0130】
グローバルポイント表示プログラムが実行された場合、残高以下表示プログラム14や全表示プログラム15は、グローバルポイント残高の値でポイント残高を更新した上で実行される。ポイント使用申請受付プログラム16も同様である。尚、ポイント減算モジュールに対しては、どの保有ポイント情報ファイル23から(どのポイントスキームで発行されたポイントのポイント残高)から優先的にポイント減算を行うかが予め与えられる。例えば、ポイント情報ファイル22に記録されたレコードの順で行うようにポイント減算モジュールがコーディングされる。
【0131】
このような構成によりグローバルポイント残高(合算したポイント残高)の使用が可能となるが、実際には、このようなポイントの使用を許可しないポイント事業者もあり得る。即ち、他のポイント事業者が選択している対象品群については自分のところでは選択していない対象品が存在する場合があり、意図しない対象品についてポイントが使用されることがあり得るからである。したがって、ある受益者情報ファイル26におけるグローバル受益者としての登録(グローバル受益者IDの記録)は、当該ポイントスキームを実施しているポイント事業者が許可する場合(許可することを支援業者との間で契約している場合)に限られる。
【0132】
また、グローバルポイント残高を使用した対象品の取得については、当該グローバルポイント残高に含まれる各ポイントを発行した各ポイント事業者が共通して選択している対象品群に限る、とすることもできる。この場合には、残高以下表示プログラム14や全表示プログラム15は、グローバル受益者IDで各受益者情報ファイル26を検索して一致するレコードがある受益者情報ファイル26についてポイントIDを取得する(ファイル名の一部として設けられているポイントIDを取得する)。そして、各ポイントIDに従って各対象品情報個別ファイル25を開き、全ての対象品情報個別ファイル25に記録されて対象品IDについてのみ対象品情報を抽出してシステム側対象品紹介ページ82に組み込むようプログラミングされる。
【0133】
尚、上記実施形態において、保有ポイント情報ファイル23は受益者ごとに作成されて記憶部2に記憶されたが、複数又はすべての受益者について一つの保有ポイント情報ファイルとすることもできる。この場合は、保有ポイント情報ファイルの各レコードにはポイントID及び受益者IDが記録される。ポイントの記録やポイント残高の更新等の際には、ポイントIDと受益者IDで検索をし、双方が一致するレコードについて行う。この構成における「最後のレコード」は、ポイントIDと受益者IDが一致するレコードのうち最も後に記録されたレコードということになる。
【符号の説明】
【0134】
1 支援サーバ
11 ポイント発行記録プログラム
12 受益者登録プログラム
13 対象品登録プログラム
14 残高以下表示プログラム
15 全表示プログラム
16 ポイント使用申請受付プログラム
100 支援業者管理用端末
2 記憶部
23 保有ポイント情報ファイル
24 対象品情報マスタファイル
25 対象品情報個別ファイル
26 受益者情報ファイル
3 被支援者サーバ
31 記憶部
311 被支援者保有ポイント情報ファイル
41 店舗端末
5 受益者端末
6 ポイント事業者管理用端末
7 従業員端末
81 既存ページ
82 システム側対象品紹介ページ
9 インターネット
【要約】
【課題】 受益者によるポイントの使用を促進し、またポイントを発行したポイント事業者の意向に沿って対象品を制限することができるようにする。
【解決手段】 受益者端末5は、ポイント事業者によって提供されたアクセス情報によりインターネット9を介して支援サーバ1にアクセスし、ポイント事業者が発行したポイントを使用して購入することができる複数の対象品を紹介した対象品紹介ページ82を支援サーバ1に送信させて表示させる。受益者が対象品を選択して送信すると、支援サーバ1上のポイント使用申請受付プログラム16が、使用ポイント値を保有ポイント情報ファイル23において減額してポイント残高を更新する。各対象品紹介ページ82は、対象品情報マスタファイル24から抽出された各対象品の情報が掲載されるページであるとともに、ポイント事業者ごとに異なる対象品を抽出して対象品情報を掲載することが可能なページである。
【選択図】
図1