(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】木船のウロコ状外板のための横方向支持装置
(51)【国際特許分類】
B63B 73/60 20200101AFI20230929BHJP
F16M 11/12 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
B63B73/60
F16M11/12 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022103262
(22)【出願日】2022-06-28
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】202111260712.3
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509136264
【氏名又は名称】武漢理工大学
【氏名又は名称原語表記】Wuhan University of Technology
【住所又は居所原語表記】122 Luoshi Road,Hongshan District Wuhan,Hubei 430070 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 薇
(72)【発明者】
【氏名】陳 鄭喬
(72)【発明者】
【氏名】曾 青松
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111717335(CN,A)
【文献】米国特許第4468150(US,A)
【文献】特開2003-72671(JP,A)
【文献】特開平11-301571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 73/60
F16M 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に固定される台座及び台座に取り付けられる形状追従支持構造を備え、
前記形状追従支持構造は形状追従ブラケット及び形状追従ブラケットに取り付けられて木船の外板を支持するための外板サポートを含み、前記形状追従ブラケットは角度調節機構によって順に接続される多段の支持環を含み、その第1段の支持環は底部環で、他の支持環は本体環であり、底部環はピッチ調節機構によって台座に取り付けられ、前記外板サポートは本体環に取り付けられ、隣接する2つの支持環は取り外し可能な固定バーによって接続され、外板サポートは、ピッチ調節機構によって形状追従ブラケット全体のピッチ角度を調整し、角度調節機構によって形状追従ブラケットの全体形状を木船の横断面型線形状に類似するように調整することによって、最適支持状態になり、形状追従ブラケットの全体形状は固定バーによって固定され、隣接する本体環間の角度調節機構は本体角度調節機構であり、前記本体角度調節機構は大ギヤ、リンク及び小ギヤを含み、各本体環内に1つの小ギヤが設けられ、隣接する2つ毎の本体環間に1つの大ギヤが設けられ、前記大ギヤとその上下両側の隣接する小ギヤは噛み合って接続され、
前記小ギヤはギヤ軸に回転可能に取り付けられ、ギヤ軸は対応する本体環内に取り付けられ、小ギヤは、各小ギヤとそれに噛み合っている大ギヤとの間に1つのリンクが設けられ、前記リンクの一端が小ギヤのギヤ軸に固定接続され、他端が回転対偶によって大ギヤに接続されることによって、大ギヤ周りに公転可能になり、前記大ギヤにそのリンクとの相対位置を固定するためのロック装置が設けられ、前記大ギヤのギヤ軸端部に固定及び調節を容易にする調節孔が設けられることを特徴とする、木船のウロコ状外板のための横方向支持装置。
【請求項2】
前記底部環と隣接する本体環との間の角度調節機構は、底部リンク及び底部大ギヤを含む底部角度調節機構であり、前記底部大ギヤが底部環内に固着され、底部リンクの上端が隣接する本体環内の小ギヤのギヤ軸に固定され、底部リンクの下端が回転対偶によって底部大ギヤに接続されることによって、隣接する本体環内の小ギヤは底部大ギヤ周りに公転可能になり、前記底部大ギヤにもそのリンクとの相対位置を固定するためのロック装置が設けられ、前記底部大ギヤのギヤ軸端部に固定及び調節を容易にする調節孔が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の木船のウロコ状外板のための横方向支持装置。
【請求項3】
前記ロック装置は円錐形ロックリング及びロックナットを含み、前記円錐形ロックリングはリンク及び底部リンクに設けられ、円錐形ロックリングは対応する大ギヤ又は底部大ギヤのギヤ軸に嵌着され、円錐形ロックリングに収縮及び加圧を容易にする変形スリットが開設され、円錐形ロックリングの外側にロックナットに適合するねじ山が設けられ、ロックナットを円錐形ロックリングに締め付けることよって、円錐形ロックリングが加圧されて変形してリンクとギヤ軸との相対位置又は底部リンクとギヤ軸との相対位置がロックされることを特徴とする、請求項2に記載の木船のウロコ状外板のための横方向支持装置。
【請求項4】
前記固定バーに複数の長孔が設けられ、前記支持環において対応するねじ孔が設けられ、ボルトによって固定バーが底部環と第1段の本体環との間及び隣接する二段の本体環の間に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の木船のウロコ状外板のための横方向支持装置。
【請求項5】
前記形状追従ブラケットは、応力分布を改善し支持荷重を高めるための張力係留機構をさらに含み、前記張力係留機構は弾性コード、及び前記弾性コードを接続するためのヒンジ継手を含み、いずれの支持環内にもいくつかの係留点が設けられ、前記ヒンジ継手は装置の受力状況に応じて各支持環内部の対応する係留点に設けられ、前記弾性コードは前記ヒンジ継手によって隣接する支持環を接続することを特徴とする、請求項1に記載の木船のウロコ状外板のための横方向支持装置。
【請求項6】
各段の支持環内にいずれも4つの係留点が設けられ、全ての大ギヤ及び小ギヤの位置する平面は形状追従ブラケットが湾曲調整を行う形状追従調整平面と定義され、形状追従調整平面の支持環と交差する底部に第1係留点が設けられ、各支持環の外板サポートに近い底部内壁に形状追従調整平面に垂直な横ロッドが設けられ、前記横ロッドの中部に第2係留点が設けられ、形状追従調整平面両側の対称な支持環内壁の頂部に第3係留点及び第4係留点がそれぞれ設けられ、4つの係留点が四面体の4つの頂点を構成し、隣接する支持環の4つの係留点は弾性コードによって接続されることを特徴とする、請求項5に記載の木船のウロコ状外板のための横方向支持装置。
【請求項7】
前記外板サポートは伸縮ロッド、及び支持される木船外板に接触する支持プレートを含み、前記伸縮ロッドはヒンジ座によって形状追従ブラケットの湾曲した外側壁の本体環に取り付けられ、前記支持プレートは自在継手によって伸縮ロッドの伸縮端部に取り付けられることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の木船のウロコ状外板のための横方向支持装置。
【請求項8】
前記ヒンジ座は、取付盤である回転装置によって支持環に取り付けられ、前記取付盤は回転対偶によって支持環に取り付けられ、且つ前記取付盤にその位置をロックできるロックボルトが設けられることを特徴とする、請求項7に記載の木船のウロコ状外板のための横方向支持装置。
【請求項9】
前記ピッチ調節機構はヒンジ台及び複数の底部伸縮ロッドを含み、前記底部環が前記ヒンジ台によって前記台座に取り付けられ、前記底部伸縮ロッドの一端が台座にヒンジ接続され、他端が底部環の中部又は上部にヒンジ接続され、複数の底部伸縮ロッドは底部環の周囲に分布し、複数の底部伸縮ロッドの伸縮運動によって底部環がヒンジ台周りに回転するように駆動され、ピッチ角度が調整されることを特徴とする、請求項8に記載の木船のウロコ状外板のための横方向支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は木船研究の分野のものであり、木船の船体保守と整備技術に関し、具体的には木船(古代沈没船)のウロコ状外板のための横方向支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶は海上の交通手段であり、造船技術と海上交通は互いに促進し、造船技術水準は海上交通の発展程度の重要な体現の1つであり、そこで、水中から発掘された木船又は土の中から出てきた木船は珍しい実物資料として、最も直感的に、忠実に当時の船舶技術の水準を反映することができ、古代の造船技術を研究するための重要な根拠であり、多大な研究価値を有する。木船の船殻は通常、長尺状の外板を繋ぎ合わせたものであり、具体的な繋ぎ合わせ方式によって、一般的には単層板による順次積み上げ、単層板によるウロコ状重ね合わせ、多層板による順次積み上げ及び多層板によるウロコ状重ね合わせという4つの形がある。
【0003】
しかし、水中から発掘された木船又は土の中から出てきた木船の保護に臨んでいる時、年代が古いに加えて、対応する保護技術も不十分であるため、通常足場のようなものを採用する従来の支持技術では、木船の船殻に対する効果的な支持、保護及び修復が困難であり、木船外板の脱落が極めて発生しやすく、ひいては木船の外板に二次的なダメージがもたらされることがある。一方、船体支持装置の分野において、「開示番号CN11296007Aの船体建造における高安定性の昇降調節用支持装置」のような船体支持装置は既に多く存在しているが、これらの支持装置は基本的に現代の船舶に向けて、その建造過程で支持及び固定の役割を果たすものであり、古代の木船、特に船殻にウロコ状重ね合わせの構造を採用した古代の木船の場合、従来の船体支持装置でも効果的に支持及び保護することが困難である。したがって、古代の木船船殻のための支持装置を発明することは、古代の木船の研究及び保護に重要な促進的意義がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の船体支持装置が木船の外板を効果的に支持及び保護できないという問題に対して設計された、支持角度が調節自在な、木船外板を横方向に支持する支持装置を主な目的とし、木船の各外板を意図的に支持及び保護することができるとともに、様々な輪郭タイプの木船の横方向支持要求を満たすこともできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は次のように実現される。
【0006】
木船のウロコ状外板のための横方向支持装置であって、地面に固定される台座及び台座に取り付けられる形状追従支持構造を備え、
前記形状追従支持構造は形状追従ブラケット及び形状追従ブラケットに取り付けられて木船の外板を支持するための外板サポートを含み、前記形状追従ブラケットは角度調節機構によって順に接続される多段の支持環を含み、その第1段の支持環は底部環で、他の支持環は本体環であり、底部環はピッチ調節機構によって台座に取り付けられ、前記外板サポートは本体環に取り付けられ、隣接する2つの支持環は取り外し可能な固定バーによって接続され、外板サポートは、ピッチ調節機構によって形状追従ブラケット全体のピッチ角度を調整し、角度調節機構によって形状追従ブラケットの全体形状を木船の横断面型線形状に類似するように調整することによって、最適支持状態になり、形状追従ブラケットの全体形状は固定バーによって固定されている。
【0007】
さらに、隣接する本体環間の角度調節機構は本体角度調節機構であり、前記本体角度調節機構は大ギヤ、リンク及び小ギヤを含み、各本体環内に1つの小ギヤが設けられ、隣接する2つ毎の本体環間に1つの大ギヤが設けられ、前記大ギヤとその上下両側の隣接する小ギヤは噛み合って接続され、
前記小ギヤはギヤ軸に回転可能に取り付けられ、ギヤ軸は対応する本体環内に取り付けられ、小ギヤは、各小ギヤとそれに噛み合っている大ギヤとの間に1つのリンクが設けられ、前記リンクの一端が小ギヤのギヤ軸に固定接続され、他端が回転対偶によって大ギヤに接続されることによって、大ギヤ周りに公転可能になり、前記大ギヤにそのリンクとの相対位置を固定するためのロック装置が設けられる。
【0008】
前記底部環と隣接する本体環との間の角度調節機構は、底部リンク及び底部大ギヤを含む底部角度調節機構であり、前記底部大ギヤが底部環内に固着され、底部リンクの上端が隣接する本体環内の小ギヤのギヤ軸に固定され、底部リンクの下端が回転対偶によって底部大ギヤに接続されることによって、隣接する本体環内の小ギヤは底部大ギヤ周りに公転可能になり、前記底部大ギヤにもそのリンクとの相対位置を固定するためのロック装置が設けられる。
【0009】
前記ロック装置は円錐形ロックリング及びロックナットを含み、前記円錐形ロックリングはリンク及び底部リンクに設けられ、円錐形ロックリングは対応する大ギヤ又は底部大ギヤのギヤ軸に嵌着され、円錐形ロックリングに収縮及び加圧を容易にする変形スリットが開設され、円錐形ロックリングの外側にロックナットに適合するねじ山が設けられ、ロックナットを円錐形ロックリングに締め付けることよって、円錐形ロックリングが加圧されて変形してリンクとギヤ軸との相対位置又は底部リンクとギヤ軸との相対位置がロックされる。
【0010】
前記固定バーに複数の長孔が設けられ、前記支持環において対応するねじ孔が設けられ、ボルトによって固定バーが底部環と第1段の本体環との間及び隣接する二段の本体環の間に取り外し可能に取り付けられる。
【0011】
さらに、前記支持環は同じ直径の円筒状管であり、前記円筒状管の頂部において形状追従ブラケットに近くて湾曲可能な内側に相互の衝突を防止するノッチが設けられ、本体環の円筒状管のノッチ下方の管壁に下向きの突起構造が設けられる。
【0012】
さらに、前記底部大ギヤ及び大ギヤの軸端部に固定及び調節を容易にする調節孔が設けられる。
【0013】
さらに、前記形状追従ブラケットは、応力分布を改善し支持荷重を高めるための張力係留機構をさらに含み、前記張力係留機構は弾性コード、及び前記弾性コードを接続するためのヒンジ継手を含み、いずれの支持環内にもいくつかの係留点が設けられ、前記ヒンジ継手は装置の受力状況に応じて各支持環内部の対応する係留点に設けられ、前記弾性コードは前記ヒンジ継手によって隣接する支持環を接続する。
【0014】
さらに、各段の支持環内にいずれも4つの係留点が設けられ、全ての大ギヤ及び小ギヤの位置する平面は形状追従ブラケットが湾曲調整を行う形状追従調整平面と定義され、形状追従調整平面の支持環と交差する底部に第1係留点が設けられ、各支持環の外板サポートに近い底部内壁に形状追従調整平面に垂直な横ロッドが設けられ、前記横ロッドの中部に第2係留点が設けられ、形状追従調整平面両側の対称な支持環内壁の頂部に第3係留点及び第4係留点がそれぞれ設けられ、4つの係留点が四面体の4つの頂点を構成し、隣接する支持環の4つの係留点は弾性コードによって接続される。
【0015】
さらに、前記外板サポートは伸縮ロッド、及び支持される木船外板に接触する支持プレートを含み、前記伸縮ロッドはヒンジ座によって形状追従ブラケットの湾曲した外側壁の本体環に取り付けられ、前記支持プレートは自在継手によって伸縮ロッドの伸縮端部に取り付けられる。
【0016】
さらに、前記ヒンジ座は、取付盤である回転装置によって支持環に取り付けられ、前記取付盤は回転対偶によって支持環に取り付けられ、且つ前記取付盤にその位置をロックできるロックボルトが設けられる。
【0017】
さらに、前記ピッチ調節機構はヒンジ台及び複数の底部伸縮ロッドを含み、前記底部環が前記ヒンジ台によって前記台座に取り付けられ、前記底部伸縮ロッドの一端が台座にヒンジ接続され、他端が底部環の中部又は上部にヒンジ接続され、複数の底部伸縮ロッドは底部環の周囲に分布し、複数の底部伸縮ロッドの伸縮運動によって底部環がヒンジ台周りに回転するように駆動され、ピッチ角度が調整される。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の有益な効果を有する。
【0019】
本発明は木船のウロコ状外板のための横方向支持装置を提供し、それは敷地面積が小さく、簡単に実装できるだけでなく、支持角度が柔軟に調節可能であり、木船の各外板を意図的に保護でき、また、異なる形状及び製造プロセスの様々な木船外板における横向支持要求を満たすこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の全体構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の内部構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の台座及び底部支持環の構造模式図である。
【
図5】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の外板サポートの構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の小ギヤとリンクとの接続関係模式図である。
【
図7】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の本体角度調節機構の構造模式図である。
【
図8】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の本体環と本体角度調節機構との取付関係模式図である。
【
図9】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の中部支持環の構造模式図である。
【
図10】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の中部支持環の側面図である。
【
図11】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の1号中部支持環のA1号係留点における構造模式図である。
【
図12】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の1号中部支持環のB1号係留点における構造模式図である。
【
図13】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の1号中部支持環のC1号係留点における構造示意図である。
【
図14】本発明の実施例で提供される横方向支持装置の弾性コードの接続関係模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において図面と実施例を関連付けて本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0022】
図1に示すように、本発明は木船のウロコ状外板のための横方向支持装置を提供し、地面に固定される台座5及び台座5に取り付けられる形状追従支持構造を備え、前記形状追従支持構造は形状追従ブラケット及び形状追従ブラケットに取り付けられて木船の外板を支持するための外板サポート7を含み、前記形状追従ブラケットは角度調節機構2によって順に接続される多段の支持環を含み、その第1段の支持環は底部支持環4で、他の支持環は本体環であり、本体環は中部支持環3と頂部支持環6に分けられ、底部支持環4はピッチ調節機構によって台座5に取り付けられ、前記外板サポート7は本体環に取り付けられ、隣接する2つの支持環は取り外し可能な固定バー8によって接続され、外板サポート7は、ピッチ調節機構によって形状追従ブラケット全体のピッチ角度を調整し、角度調節機構2によって形状追従ブラケットの全体形状を木船の横断面型線形状に類似するように調整することによって、最適支持状態になり、形状追従ブラケットの全体形状は固定バー8によって固定される。具体的には以下のとおりである。
【0023】
図2及び
図3に示すように、前記角度調節機構2は主に、前記形状追従支持構造内に設けられて互いに噛み合うギヤ群からなり、前記支持環内部に設けられる小ギヤ及び前記小ギヤ間に設けられる大ギヤを含み、前記小ギヤと前記大ギヤはリンクによって接続され、対応するギヤを回転することで支持環間の角度が調節され、また、前記ギヤ群内の各ギヤの中心軸はいずれも互いに平行であり、それにより、支持環同士は角度調節時に同一の平面内にあることが確保される。
【0024】
図4に示すように、本実施例において、前記底部支持環4の本体構造は良好な耐荷重効果を有する長円柱形の管状構造とし、それに応じて前記台座5におけるピッチ調節機構はヒンジ台51及び複数の底部伸縮ロッド52を含み、前記底部支持環4は前記ヒンジ台51によって前記台座5に回転可能に取り付けられ、前記底部伸縮ロッド52の一端が台座5にヒンジ接続され、他端が底部支持環4の中部又は上部にヒンジ接続され、複数の底部伸縮ロッド52は底部環の周囲に分布し、複数の底部伸縮ロッド52の伸縮運動によって底部支持環4がヒンジ台51周りに回転するように駆動され、ピッチ角度が調整される。
【0025】
図3から
図8に示すように、前記中部支持環3の本体構造は前記底部支持環4と同じ直径の短円柱形の管状構造であり、1号中部支持環31は底部角度調節機構によって前記底部支持環4に接続され、具体的には、前記底部角度調節機構は底部大ギヤ21、1号小ギヤ22、1号ギヤ軸23及び固定軸20を含み、前記固定軸20は前記底部支持環4の上部エッジの内壁に溶接され、前記底部大ギヤ21は前記固定軸20によって前記底部支持環4内に固着され、底部大ギヤ21と固定軸20は偏心して設けられる。前記底部大ギヤ21の歯部が底部支持環4の外面に露出可能とされ、前記1号ギヤ軸23が1号中部支持環31の内部に取り付けられ、前記固定軸20と平行であり、前記1号小ギヤ22が軸受によって前記1号ギヤ軸23に取り付けられ、前記底部大ギヤ21が前記1号中部支持環31内の1号小ギヤ22と互いに噛み合い、1号小ギヤ22は、前記底部大ギヤ21と1号小ギヤ22との間に底部リンク271がさらに設けられ、前記底部リンク271の上端が前記1号ギヤ軸23に固定され、下端が回転対偶によって前記底部大ギヤ21に接続されることによって、底部大ギヤ21周りに公転可能になり、それにより、1号中部支持環31と底部支持環4との相対角度が調整される。前記底部リンク271の前記底部大ギヤ21に接続される一端に前記底部大ギヤ21と底部リンク271との相対位置を固定するためのロック装置がさらに設けられる。該ロック装置は底部リンク271と底部大ギヤ21との相対角度をロックすることで、1号中部支持環31と底部支持環4との相対角度を固定するためのものである。
【0026】
前記ロック装置は円錐形ロックリング29及びロックナット28を含み、前記円錐形ロックリング29は前記底部リンク271に設けられ、円錐形ロックリング29は前記底部大ギヤ21の軸又は軸心に嵌着され、円錐形ロックリング29に収縮及び加圧を容易にする変形スリットが開設され、円錐形ロックリング29の外側にロックナット28に適合するねじ山が設けられ、ロックナット28を円錐形ロックリング29に締め付けることによって、円錐形ロックリング29が加圧されて変形し、それにより、底部リンク271と前記底部大ギヤ21との相対角度がロックされる。前記ロックナット28を緩めた時、前記底部大ギヤ21と前記底部リンク271は回転可能に接続され、前記1号小ギヤ22は回転する際に、前記底部大ギヤ21の軸心周りに公転し、それにより前記底部支持環4と前記1号中部支持環31との角度を調節することができ、前記ロックナット28を締めた時、前記底部大ギヤ21と底部リンク271は固定接続され、それにより、前記底部支持環4と前記1号中部支持環31との角度を固定することができる。
【0027】
指摘すべきことは、前記底部大ギヤ21は多くとも上半部分の歯のみが動作しているため、前記底部大ギヤ21は半分にのみ歯が付いた欠歯ギヤを採用してもよいが、前記底部大ギヤ21の軸線ができる限り前記底部支持環4と前記1号中部支持環31との中間に配置可能にするために、好ましい実施例としては、前記固定軸20は前記底部大ギヤ21の軸孔内に設けられておらず、前記底部大ギヤ21の非動作部のスポーク部分を通り抜けて、それを前記支持環に固着しており、それにより、前記底部大ギヤ21とその隣接する本体環における1号小ギヤ22との噛み合いがさらに容易になり、前記底部支持環4と前記1号中部支持環31はさらに広い角度調節範囲を有することが可能になる。
【0028】
同様に、隣接する本体環同士も本体角度調節機構によって接続され、前記本体角度調節機構は前記各本体環内に設けられる小ギヤ、及び隣接する2つの本体環間に設けられて前記小ギヤと噛み合う大ギヤを含み、各小ギヤとそれに噛み合う大ギヤとの間にも1つの中部リンク272が設けられ、前記中部リンク272は前記底部リンク271と同じ構造であり、その一端にもロック装置が設けられる。
【0029】
以下において1号中部支持環31間の2号中部支持環32の角度調節構造を例にして本体角度調節機構の構造を説明する。具体的には、
図8に示すように、前記1号中部支持環31の上部に2号中部支持環32が設けられ、前記2号中部支持環32の構造は前記1号中部支持環31の構造とほぼ同じであり、1号中部支持環31と前記2号中部支持環32との間に設けられる本体角度調節機構は、2号ギヤ軸25、2号小ギヤ24及び中部リンク272を含む。同様に、前記2号ギヤ軸25は前記2号中部支持環32の内部に固着され、前記2号ギヤ軸25の軸線は前記1号ギヤ軸23と平行であり、前記2号小ギヤ24は前記2号ギヤ軸25に(例えば軸受が)回転可能に取り付けられ、前記1号中部支持環31と前記2号中部支持環32との間に1つの大ギヤ26がさらに設けられ、本実施例において、大ギヤ26は両側とも固定ギヤ軸が設けられ、前記大ギヤ26は、同時に前記1号中部支持環31及び前記2号中部支持環32における小ギヤとそれぞれ噛み合うことができる程度、基準ピッチ円が大きい。前記大ギヤ26と2号小ギヤ24、1号小ギヤ22との間に中部リンク272がそれぞれ設けられ、そのうち、下部の中部リンク272の下端が1号中部支持環31内の1号ギヤ軸23に固定され、上端が大ギヤ26の片側のギヤ軸に回転可能に接続され、且つロック装置によってロック可能である。上部の中部リンク272の上端が2号中部支持環32内の2号ギヤ軸に固定され、下端が大ギヤ26の他側のギヤ軸に回転可能に接続され、且つロック装置によってロック可能である。このように1号小ギヤ22及び2号小ギヤ24はそれぞれ大ギヤ26周りに公転し、相対角度を調整するとともに、対応する角度をロックすることができ、ロック方式は上記で詳細に説明されている。
【0030】
以降同様にして、他の本体環間の本体角度調節機構は完全に同じであり、木船の型深さ及び船体側部におけるウロコ状外板の重ね合わせ段数上の実際の要求に応じて、同様な方式で対応する数の本体環を順につなぎ合わせることができる。
【0031】
図7に示すように、好ましい実施例として、前記底部大ギヤ21及び前記大ギヤ26のギヤ軸端部は両方とも調節を容易にする内孔が設けられ、好ましい実施例として、前記内孔は六角形孔であり、本体角度調節機構の固定及び調節を容易にするためには、六角レンチ工具を底部大ギヤ21又は前記大ギヤ26の六角形孔内に挿入してそれを静止させ、その後ロックナット28を緩め、横方向支持装置が支持を行っている状態で、六角回転工具によって前記大ギヤ26を回し押力を補助的に加えれば、支持環間の角度をより容易に調節でき、角度の調整が完了した後、六角レンチ工具を再度静止させ、続いてロックナット28を締め、それにより、支持環間の角度固定がさらに容易になる。
【0032】
説明すべきことは、前記支持環間の間隙が大きいほど又はギヤの基準ピッチ円の半径が大きいほど、前記本体環の角度の調節可能範囲が広くなり、その歯の数が多いほど、角度を調節可能な精度が高くなるが、構造が複雑になるため、歯の数は実際の要求に応じて選択する。
【0033】
本実施例において、最頂部の本体環は頂部支持環6であり、前記頂部支持環6は最末端の支持環として、装置全体に対して頂部を密封するためのものであり、前記頂部支持環6は頂部が密封された円柱筒状構造であり、その内部構造及び接続方式は他の支持環と完全同じであり、異なるのは頂部支持環6の頂部に頂部密封板が設けられるところである。
【0034】
単なる円筒形管状構造の支持環は一定程度、木船外板1の支持角度を調節できるが、調節角度がすこし大きくなると、隣接する2つの支持環は互いに衝突しやすくなり、支持装置全体の角度調節範囲が限られる。したがって、好ましい実施例として、本発明は各支持環において湾曲時に干渉が生じやすい側に相互の衝突を防止するノッチが開設され、ノッチ下方の側壁に下向きの突起構造が設けられ、突出した側壁の形状は開設されたノッチの形状に対応するが、開設されたノッチの大きさより僅かに小さくなり、支持環が相対回転して木船外板1を支持する時、前記支持環から突出した側壁は一定程度、その対応するノッチ内部に伸びることができ、それにより、支持環構造全体の強度が確保されるとともに、前記支持環間の角度調節範囲も大幅に拡大する。
【0035】
図9から
図14に示すように、ギヤ及びリンクの応力負担を軽減するために、前記支持環内部に張力係留機構がさらに設けられ、前記張力係留機構は弾性コード91、及び前記弾性コード91の接続を容易にするためのヒンジ継手93を含み、前記ヒンジ継手93は装置の受力状況に応じて各支持環内部の対応する係留点に設けられ、そのうち、前記本体環における係留点は位置及び数が全て同じであり、前記弾性コード91は前記ヒンジ継手93によって隣接する支持環を順に接続する。各段の支持環内にいずれも4つの係留点が設けられ、全ての小ギヤ及び大ギヤの位置する平面は形状追従調整平面として定義され、具体的には、1号中部支持環31を例にし、前記形状追従調整平面の前記1号中部支持環31と交差する底部、即ち前記1号中部支持環31の下向きに突出した側壁の下部にA1号係留点911が設けられ、前記A1号係留点911の向う側、即ち前記1号中部支持環31の外板サポート7に近い側の底部に前記形状追従調整平面に垂直な横ロッド92が設けられ、前記横ロッド92は具体的に、前記1号中部支持環31の内壁下部に溶接され、前記B1号係留点912におけるヒンジ継手93は前記横ロッド92の中部に設けられ、前記1号中部支持環31及び前記形状追従調整平面の対称な両側内壁の上部にC1号係留点913及びD1号係留点914がそれぞれ設けられ、且つ前記C1号係留点913とD1号係留点914との連結線が前記大ギヤ26の中心軸と平行であり、上記任意の2つの係留点間の距離は同じであり、それにより、単一の支持環における4つの係留点の2つずつの連結線は1つの正四面体を構成することができ、さらに構造全体がより安定化し、受力がより均等になる。各係留点に4つのヒンジ継手93が設けられ、そのうち、左右方向の2つのヒンジ継手93はそれぞれ弾性コード91によって水平方向の最も近い2つの係留点におけるヒンジ継手93に可動に接続され、上下方向の2つのヒンジ継手93はそれぞれ弾性コード91によって垂直方向の最も近い2つの係留点におけるヒンジ継手93に可動に接続され、前記弾性コード91は両端にバックル53が設けられた強力ばねを採用し、取付時にいずれも引っ張られている状態にある。
【0036】
本体環における係留点間の具体的な接続関係は
図14に示すとおりである。
【0037】
2号中部支持環32内の前記A2号係留点915は垂直方向において弾性コード91によって1号中部支持環31内のA1号係留点911及び3号中部支持環内のA3号係留点919にそれぞれ接続され、前記A2号係留点915は水平方向においては弾性コード91によって1号中部支持環31内のC1号係留点913及びD1号係留点914にそれぞれ接続される。
【0038】
2号中部支持環32内の前記B2号係留点916は垂直方向において弾性コード91によって1号中部支持環31内のB1号係留点912及びB3号係留点920にそれぞれ接続され、2号中部支持環32内の前記B2号係留点916は水平方向においては弾性コード91によって1号中部支持環31内のD1号係留点914及びC1号係留点913にそれぞれ接続される。
【0039】
2号中部支持環32内の前記C2号係留点917は垂直方向において弾性コード91によって1号中部支持環31内のC1号係留点913及びC3号係留点921にそれぞれ接続され、前記C2号係留点917は水平方向においては弾性コード91によって3号中部支持環内のA3号係留点919及びB3号係留点920にそれぞれ接続される。
【0040】
2号中部支持環32内の前記D2号係留点918は垂直方向において弾性コード91によって1号中部支持環31内のD1号係留点914及びD3号係留点922にそれぞれ接続され、前記D2号係留点918は水平方向においては弾性コード91によって3号中部支持環内のB3号係留点920及びA3号係留点919にそれぞれ接続される。
【0041】
同様に、前記底部支持環4及び前記頂部支持環6の内部にも4つの係留点が設けられ、その係留点位置は前記本体環における前記係留点と一致し、前記底部支持環4、頂部支持環6及び前記本体環も、弾性コード91によって同様な方式で接続される。
【0042】
前記形状追従支持構造が直立のままで安定した円筒型支柱を形成した時、前記弾性コード91はいずれも引っ張られており、且つ各弾性コード91の引張応力はほぼ同じであり、示される角度調節機構2は主な受圧部材となり、前記形状追従支持構造は初期の平衡状態にある。前記形状追従支持構造が一定角度湾曲して木船外板1を支持している時、湾曲した内側の弾性コード91は収縮され、それに応じて外側の木船外板1に近い弾性コード91は引っ張られ、それによりギヤ歯及びリンク27上の大量の湾曲応力を弾性コード91上の引張応力に変換し、ヒンジ継手93によって応力を支持環の他の部位に分散させ、それによって、前記角度調節機構2は主な受力部材でなくなり、本支持装置の荷重支持能力が大幅に増強する。また、前記形状追従支持構造の湾曲につれて、隣接する支持環間の引っ張られた弾性コード91の応力差により、前記形状追従支持構造全体で1つの上向きの予応力が形成され、それにより、木船外板1の一部の重力が相殺され、木船外板1が安定して支持される。
【0043】
前記支持環間の角度をより安定して固定するために、前記支持環に固定バー8がさらに設けられ、具体的には、前記固定バー8はステンレス材で製造され、その両端にボルト設置用の長孔が複数開設され、それに応じて支持環にも対応するねじ孔が開設され、前記固定バー8の両端がボルトによって隣接する2つの支持環の外壁にそれぞれ固定されることによって、前記固定バー8は前記支持環間の角度の変化につれて微調整可能になり、それにより隣接する支持環間の角度をさらに安定して固定することができる。
【0044】
図5に示すように、前記外板サポート7は木船外板1を直接支持するためのものであり、その具体的な数は前記木船外板1の数によって決定され、取付位置は木船外板1の大きさ及び間隔距離に応じて対応する本体環の外壁に設定され、前記外板サポート7は主に外板支持ロッド71及び支持プレート72からなり、具体的には、前記外板支持ロッド71は空気圧伸縮ロッドを含むが、これに限定されず、前記空気圧伸縮ロッドの一端に1つの三角形ヒンジ座75が設けられ、それに応じて前記支持環に前記ヒンジ座75の取付を容易にする回転装置がさらに設けられ、前記回転装置は円柱状の取付盤73であり、前記ヒンジ座75はボルトによって前記取付盤73の端面上に固定され、前記取付盤73の底部が前記支持環の前記B2号係留点916に近い側の外壁に溶接され、また、前記取付盤73の端面は360°回転することもでき、取付盤73の側面にロックボルト74が設けられ、前記ロックボルト74を締めることで前記取付盤73の回転をロックすることができ、前記ヒンジ座75及び取付盤73によって前記空気圧伸縮ロッドの角度を調節することができ、前記支持プレート72は球面自在継手76によって前記空気圧伸縮ロッドの他端に可動に設けられ、球面自在継手76を調節することで前記支持プレート72の方位をさらに調整することができ、それによって、前記支持プレート72は前記木船外板1にさらに適合するようになる。
【0045】
さらに、ウロコ状重ね合わせのような構造を採用する木船外板1について、各外板は順に重ね合わせられる時にその構造の一部が外へ突出して、ウロコ状の段差外板を形成するため、本実施例では、前記支持プレート72の構造全体の横断面がL字形を呈するように、前記支持プレート72の支持面にさらに側板が設けられ、動作時、前記支持プレート72の側板をウロコ状木船外板1の突出部に突き当てることで、各外板をより効果的に支持及び保持することができるとともに、木船外板1の脱出及び変位も回避される。
【0046】
本発明の実装手順及び使用方法は以下のとおりである。
【0047】
図3に示すように、使用前、まず前記底部支持環4、中部支持環3及び前記頂部支持環6をその内部のギヤ群によって順につなぎ合わせて全体形状が直線円筒状の支柱として形成し、その小ギヤと大ギヤ26を前記リンクによって接続し、隣接する支持環を弾性コード91によって接続し、その後、前記外板サポート7を対応する支持環外壁に取り付け、前記リンク27におけるロックナット28を緩めると、小ギヤと大ギヤ26は相対回転可能になる。
【0048】
続いて木船の外郭に基づいて形状追従ブラケットの曲線形状を決定して各本体環を所要の調節角度で調節し、具体的には、まず小ギヤ上下両側の大ギヤ26におけるロック装置を緩め、その後、対応する六角レンチ工具を小ギヤ下方の前記大ギヤ26の六角孔内に挿入して静止状態にし、その後、前記大ギヤ26の接線方向に沿って押力を加えて該小ギヤの位置する本体環を押し動かし、小ギヤ及びその位置する本体環を前記大ギヤ26の中心軸回りに公転させ、形状追従ブラケットの該箇所での角度を調整し、所要の角度に調整した後、前記ロックナット28を締めてリンクと大ギヤとの相対角度をロックし、それによって、前記小ギヤと前記大ギヤ26が相対的に固定するようにし、次に前記固定バー8を使用して隣接する支持環間の相対角度をロックし、その後、前記底部支持環4を一定角度回転させ、前記底部伸縮ロッド52で支持を行い、それにより、支持装置全体を立てて木船の外郭に類似する曲線管状の支柱として形成し、最後に前記外板サポート7を調節することで前記支持プレート72と前記木船外板1を密着させ、張力係留機構9の予応力の作用下で木船外板1に対する効果的な支持を実現する。
【0049】
説明すべきことは、上記実装工程は本発明の唯一の実装方式ではなく、木船が大きく、木船外板1が多い場合、本体環及び頂部支持環6を優先して組み立ててから、前記底部支持環4に取り付けてもよい点である。
【0050】
使用において、実際の状況に応じて微調整する必要がある場合、前記外板支持ロッド71の長さ及び前記支持プレート72の角度を調節することで微調整の目的を達成することができる。隣接する二段の支持環間の角度を調節する必要がある場合、まず対応する前記固定バー8を取り外し、その後、工具を使用して対応する前記ロックナット28を緩め、ギヤ同士は前記管状支柱が元のままに維持されるように噛み合い、そして六角レンチを対応する前記大ギヤ26の六角孔内に挿入し、六角レンチを回して補助的に押力を加えて前記大ギヤ26を自転させ、それと互いに固定される前記小ギヤを連動して回転させ、最後に前記ロックナット28を締めて前記固定バー8を改めて取り付け、それにより、角度調整の目的が達成される。
【0051】
以上の実施形態は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の技術的解決手段に対して行われる様々な組合せ、修正又は等価置換は、いずれも本発明の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱するものでなく、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとすることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0052】
図中、1-木船外板、2-角度調節機構、3-中部支持環、4-底部支持環、5-台座、6-頂部支持環、7-外板サポート、8-固定バー、9-張力係留機構、20-固定軸、21-底部大ギヤ、22-1号小ギヤ、23-1号ギヤ軸、24-2号小ギヤ、25-2号ギヤ軸、26-大ギヤ、271-底部リンク、272-中部リンク、28-ロックナット、29-円錐形ロックリング、31-1号中部支持環、32-2号中部支持環、51-ヒンジ台、52-底部伸縮ロッド、71-外板支持ロッド、72-支持プレート、73-取付盤、74-ロックボルト、75-ヒンジ座、76-球面自在継手、91-弾性コード、92-横ロッド、93-ヒンジ継手、911-A1号係留点、912-B1号係留点、913-C1号係留点、914-D1号係留点、915-A2号係留点、916-B2号係留点、917-C2号係留点、918-D2号係留点、919-A3号係留点、920-B3号係留点、921-C3号係留点、922-D3号係留点。