(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】トレーディングカードシステムおよびトレーディングカードシステムのトレーディングカード取引処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230929BHJP
G06Q 30/0282 20230101ALI20230929BHJP
G06Q 30/0283 20230101ALI20230929BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
G06Q30/0282
G06Q30/0283
(21)【出願番号】P 2022212570
(22)【出願日】2022-12-28
【審査請求日】2023-02-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520311064
【氏名又は名称】岩田 翼
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】岩田 翼
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0383303(US,A1)
【文献】特開2005-259101(JP,A)
【文献】国際公開第2022/224562(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0366495(US,A1)
【文献】”PSAについて”,[online],PSA Japan,2022年08月18日,インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20220818200815/https://www.psacard.co.jp/about>,[検索日:2023.05.09]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信媒体を介して、
鑑定依頼者が操作する第1のデータ端末と、
前記鑑定依頼者から送付されるトレーディングカード本体を読み取ることで作成される鑑定情報と前記トレーディングカード本体とがレイアウトされた状態で撮像されるデジタルトレーディングカード情報を作成する作成機能と、
前記作成機能で作成したデジタルトレーディングカード情報を特定するNFTを発行し、当該NFTを前記デジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベースに登録して管理する管理機能とを備える管理サーバと、を通信可能に接続
し、
前記管理サーバは、
前記管理サーバの管理者が前記鑑定依頼者から送付されたトレーディングカード本体を保管庫に収容するか否かに基づいて、前記デジタルトレーディングカード情報を特定する前記NFTを前記第1のデータ端末に送付するかどうかを決定することを特徴とするトレーディングカードシステム。
【請求項2】
前記管理サーバは、
前記データベースに登録された前記NFTが紐づく前記デジタルトレーディングカード情報を所定のマーケットプレイス上で公開することを特徴とする請求項1に記載のトレーディングカードシステム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記第1のデータ端末から前記トレーディングカード本体の持出連絡を受けることに基づいて、前記データベースに登録したデジタルトレーディングカード情報並びに前記NFTを消去することを特徴とする請求項1に記載のトレーディングカードシステム。
【請求項4】
前記管理サーバは、所定の仮想通貨による手数料支払いを条件に、前記所定の通信媒体を介して前記マーケットプレイス上で公開された前記NFTが紐づく前記デジタルトレーディングカード情報に対する売買要求を買い手が操作する第2のデータ端末を介して受け付け、所定の仮想通貨による売買取引を確定するサービスを提供することを特徴とする請求項
2に記載のトレーディングカードシステム。
【請求項5】
前記管理サーバは、
前記トレーディングカード本体の売買により、所有者が前記鑑定依頼者から第2のデータ端末を操作する新所有者に変更された後、前記新所有者が操作する第2のデータ端末から新たな鑑定依頼を受け付けた場合、
前記作成機能で新たに作成したデジタルトレーディングカード情報を特定する新たなNFTを発行し、前記新たなNFTを前記デジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベースに新規登録することを特徴とする請求項1に記載のトレーディングカードシステム。
【請求項6】
前記管理サーバは、
前記マーケットプレイス上で表示するデジタルトレーディングカードの取引価格を、前記所定の通信媒体に接続されるトレーディングカード本体を売買する複数の売買サーバ上で公開される販売価格を取得して相場価格を参考に、売却依頼者よりあらかじめ指定された指示に基づいて自動で調整することを特徴とする請求項
2に記載のトレーディングカードシステム。
【請求項7】
前記第1のデータ端末は、
前記管理サーバが提示する前記トレーディングカード本体の価格について、複数の取引価格態様を選択する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載のトレーディングカードシステム。
【請求項8】
前記複数の取引価格態様の1つは、トレーディングカード取引市場における価格に自動変動する取引価格を採用することを特徴とする請求項
7に記載のトレーディングカードシステム。
【請求項9】
前記複数の取引価格態様の1つは、トレーディングカード取引市場における価格に依存することなく前記トレーディングカード本体の所有者が指定する取引価格を採用することを特徴とする請求項
7に記載のトレーディングカードシステム。
【請求項10】
所定の通信媒体を介して、鑑定依頼者が操作する第1のデータ端末と、前記鑑定依頼者から送付されるトレーディングカード本体を読み取ることで作成される鑑定情報と前記トレーディングカード本体とがレイアウトされた状態で撮像されるデジタルトレーディングカード情報を作成する作成機能と、前記作成機能で作成したデジタルトレーディングカード情報を特定するNFTを発行し、当該NFTを前記デジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベースに登録して管理する管理機能とを備える管理サーバとが通信可能に接続され
、前記管理サーバは、前記管理サーバの管理者が前記鑑定依頼者から送付されたトレーディングカード本体を保管庫に収容するか否かに基づいて、前記デジタルトレーディングカード情報を特定する前記NFTを前記第1のデータ端末に送付するかどうかを決定する機能を備えるトレーディングカードシステムの
トレーディングカード取引処理方法であって、
前記管理サーバは、
前記トレーディングカード本体と、前記鑑定情報とをレイアウトして所定の透明ケースに封入したトレーディングカード本体に対する前記第1のデータ端末の鑑定依頼者から
前記保管庫に対する保管要求の可否を判定して、前記データベースに登録した前記デジタルトレーディングカード情報および前記NFTを消去する消去ステップを備えることを特徴とするトレーディングカードにおける
トレーディングカードシステムのトレーディングカード取引処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーディングカードシステムおよびトレーディングカードシステムのトレーディングカード取引処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、歴史的美術品以外にも、ブランドや希少性による付加価値が付いた様々なジャンルの光学な商品が市場に点在するようになってきた。
【0003】
その中で、1つの商品として、トレーディングカードがあり、日本においても以下の、Magic the Gathering(商品名)、デュエル・マスターズ(商品名)、ポケモンカード(商品名)「Magic the Gathering(商品名)」、「遊戯王(商品名)」、「ポケモンカード(商品名)」など、数々の商品が流行し、その一部のカードで、数百万円/枚・数千万円/枚で取引される資産価値を持つようになっている。
【0004】
特に、この種のトレーディングカードを資産として収集する愛好家は、自ら収集したトレーディングカードの価値、価値変動を把握するには、WEB上でトレーディングカードの売買を手掛けるサイトを利用している。
【0005】
また、下記特許文献1には、ノンファンジブルトークン(NFT)を、NFTとは別の対象物についての取引等の管理に利用することが記載されている。
さらに、下記特許文献2には、有体物であるリアルカードと無体物であるデジタルカードを対象物として所有権を管理することが記載されている。
【0006】
さらに、下記非特許文献である、例えばトレトク(会社名)では、Magic the Gathering(商品名)、デュエル・マスターズ(商品名)、ポケモンカード(商品名)の高価買取対象カードを閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6710401号公報
【文献】特許第6894033号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】インターネットECサイト名:トレーディングカード買取専門店トレトク URL:https://kaitori-toretoku.jp
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような希少価値を着目した物品のやり取りにおいて、トレーディングカードの資産価値は、株券や貴金属と異なり、資産的価値を認識することが困難な上に、相場が大きく変動するという特殊市場性が認められる。
一方、実は市場で価値あるものが子供時代のオモチャとして捨てられてしまうケースも頻発している。
【0010】
また、トレーディングカードは、性質上、紙とインクから構成されていることから、偽物(贋作・フェイク)の存在が後を絶たず、特に中古品売買市場(ヤフオク!、メルカリ、eBay(サービス名称)等)においては、購入検討者を不安にさせる要因となっている。
【0011】
今後、カードの資産性が認められるほど、模倣品が出回る割合とリスクも増大して行く。また、現金紙幣の印刷よりも、見分けが着きにくく、贋作製造による犯罪検挙リスクも低いことから、本課題が今後も長らく付き纏うことと想定される。
ここで、トレーディングカード市場における課題を、以下の(1)~(4)に示す。
(1)国内においてトレーディングカードの真贋やグレーディングを行う鑑定機関がない。
(2)昔遊んでいたカードの現在価値を認識されず、資産性あるものが廃棄されてしまう。
(3)贋作の流通している(二次流通市場で特に被害が多発している)。
(4)盗難が多発している。
上記収集家は、(1)の課題に対して、日本国内顧客は、米国の鑑定機関へ破損・紛失リスクを追いながら空輸するという負担を強いられている。
また、(2)の課題に対して、資産価値の判別がつかず、廃棄されてしまうケースが多発している。
さらに、(3)の課題に対して、素人は偽物を入手しても判読することができず、無駄投資により経済的損失を負ってしまう。
【0012】
また、(4)の課題に対して、カード1枚当たりの価値が上がるにつれて、盗難も多発するため、何らかの信用機関にトレーディングカードを預けなければならず、その管理コストを負担する必要がある。
【0013】
そこで、トレーディングカードの現物とは別に、トレーディングカードの内容を示すデジタル画像データを作成し、そのデジタル画像データにNFTを発行して、ブロックチェーンを利用した管理サーバ上でデジタル資産として流通させようとする試みもある。
その際、デジタル資産は、二次流通することが前提にあるため、NFTを利用することで、所有権移転に一定の証明機能を付加することも可能である。
【0014】
しかしながら、NFT利用するといっても、そのルール作りが現状では、取引形態に一貫性がなく、すでに発行されている資産価値の高いトレーディングカードを取り込んだシステムを構築することは所有者の意向もあり、現状では何らの取り決めもなされていない。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、市場で流通する現物としてのトレーディングカードに紐づくデジタル資産としてのトレーディングカードとを融合して、それぞれの取引活動を円滑に行えるシステムを構築できるトレーディングカードシステムおよびトレーディングカードシステムのトレーディングカード取引方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する本発明のトレーディングカードシステムは以下に示す構成を備える。
【0017】
所定の通信媒体を介して、鑑定依頼者が操作する第1のデータ端末と、前記鑑定依頼者から送付されるトレーディングカード本体を読み取ることで作成される鑑定情報と前記トレーディングカード本体とがレイアウトされた状態で撮像されるデジタルトレーディングカード情報を作成する作成機能と、前記作成機能で作成したデジタルトレーディングカード情報を特定するNFTを発行し、当該NFTを前記デジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベースに登録して管理する管理機能とを備える管理サーバと、を通信可能に接続し、前記管理サーバは、前記管理サーバの管理者が前記鑑定依頼者から送付されたトレーディングカード本体を保管庫に収容するか否かに基づいて、前記デジタルトレーディングカード情報を特定する前記NFTを前記第1のデータ端末に送付するかどうかを決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るトレーディングカードシステムによれば、市場で流通する現物としてのトレーディングカードに紐づくデジタル資産としてのトレーディングカードとを融合して、それぞれの取引活動を円滑に行えるシステムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本実施形態を示すトレーディングカードシステムの構成を説明するブロック図。
【
図2】
図1に示したデータ端末装置のハードウエア資源を説明するブロック図。
【
図3】
図1に示した各種サーバのハードウエア構成を説明するブロック図。
【
図4】
図1に示した鑑定サーバの構成を説明するブロック。
【
図5】
図1に示したNFT管理サーバの機能を説明するブロック図。
【
図6】本実施形態を示すトレーディングカード処理プロセスの一例を示すチャート図。
【
図7】
図4に示した印刷部が印刷してプレス加工した格付け評価シートの一例を示す図。
【
図8】本実施形態を示すトレーディングカード判定評価装置の判定評価方法を説明するフローチャート。
【
図9】本実施形態を示すトレーディングカードサービスシステムのグレーディング工程を示す図。
【
図10】本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける仮想通貨の役割を説明するブロック図。
【
図11】本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける第1のデータ端末のレーディングカード鑑定処理方法を説明するフローチャート。
【
図12】本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける鑑定サーバのレーディングカード鑑定処理方法を説明するフローチャート。
【
図13】本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける第1のデータ端末のレーディングカード鑑定処理方法を説明するフローチャート。
【
図14】本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおけるデータ端末装置のレーディングカード返却処理方法を説明するフローチャート。
【
図15】本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける鑑定サーバのレーディングカード鑑定処理方法を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
下記の実施の形態は、
図1~
図15に示すトレーディングカードシステムに関し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示すトレーディングカードシステムの構成を説明するブロック図である。なお、本実施形態では、後述する鑑定サーバ、NFT管理サーバ、TC公開サーバを単一の管理サーバとしてシステムを構成するも可能であるが、本実施形態では、各サーバの機能を明確にするため、独立したサーバとしてシステムを構築する場合を詳述する。
【0021】
図1において、200-1~200-Nはデータ端末装置で、例えばスマートフォンで構成されて、
図2に示すような各種のハードウエア資源としてタッチパネル204-1を備える。
【0022】
100はネットワークで、データ端末装置200-1~200-Nと所定のプロトコルで通信してコンテンツサーバとして機能するTC公開サーバ400に接続して、NFTが紐づくデジタルトレーディングカードを閲覧し、売買する処理を可能とする。
【0023】
500は仮想通貨による決済処理を行う仮想通貨サーバで、それぞれレートの異なる仮想通貨をブロックチェーンを利用して管理している。なお、仮想通貨による決済を行うウォレット機能を備えるデータ端末装置200-1~200-Nは、後述するタッチパネル表示部に表示する仮想通貨選択画面から、NFTが発行されたデジタルトレーディングカードの売買時に支払いに利用可能な仮想通貨を選択することができる。600は分散台帳ネットワークシステムであり、複数台のデータ処理装置とピアツーピア(P2P)で接続されてシステムを構成している。
【0024】
700はトレーディングカード公開サーバで、実取引されるトレーディングカード本体の価格を相場価格の変動を捉えて更新可能に記憶している。この取引価格は、トレーディングカードの希少価値に連動して変動するため、鑑定サーバ502はトレーディングカード本体、並びにデジタルトレーディングカードの価格決定の際に参照されて、適正な取引価格を算出するための処理に寄与する。なお、NFT管理サーバ400と、鑑定サーバ502と、TC公開サーバ700を組み合わせて1つの管理サーバとして構成することも可能である。
仮想通貨サーバ500-1は、所定の仮想通貨による手数料支払いを条件に、前記ネットワークを介して前記マーケットプレイス上で公開されたNFTが紐づくデジタルトレーディングカード情報に対する売買要求を買い手が操作する第2のデータ端末を介して受け付け、所定の仮想通貨による売買取引を確定するサービスを提供する。
【0025】
図2は、
図1に示したデータ端末装置200-1~200-Nのハードウエア資源を説明するブロック図である。以下、データ端末装置200-1を第1のデータ端末装置と、かつ、データ端末装置200-Nを第2のデータ端末装置として機能させる構成とするトレーディングカードシステムを例として実施形態を詳述する。
図2において、201は通信部で、ネットワーク100に接続されて、
図1に示した各種のサーバ装置と所定のプロトコルで通信処理を実行する。
【0026】
202はROMで、複数の仮想通貨の取引を行うためのプロトコルを記憶するとともに、入出力デバイスを制御するBIOSも記憶している。203は容量を拡張可能なRAMで、ROM202から読み出されるBIOSやアプリケーションをワークメモリ上に常駐して各種のデータ処理、サービス処理を可能としている。なお、本実施形態では、データ端末装置200-1~200-Nは仮想通貨支払い端末として機能する場合を示すが、いわゆるウォレットとして単体の端末を利用することも可能である。
【0027】
204はタッチパネル表示部で、タッチパネル204-1と、表示デバイス204-2とから構成されている。205はCPUで、内部バスに接続された上述したデバイスを総括的に制御する。なお、電源部は省略している。
【0028】
なお、RAM203は、鑑定サーバ502から通知されるデジタルトレーディングカードに対して発行されたNFTを記憶し、図示しないNFT(Non Fungible Token(以下、「NFT」)情報は、トレーディングカード本体から作成されるデジタルトレーディングカード情報であって、識別番号、カード名称、カード所有者、カード売買価格等を含む)を閲覧するアプリケーションで読み出すことが可能に構成されている。
【0029】
NFTは、例えば、ブロックチェーン・ネットワークのプラットフォームであるEtheriumの「ERC721」という規格で発行されるトークンであって、ブロックチェーン・ネットワークに記録されるデータの単位であり、画像データ、動画データ等のデジタル情報に関する商品等の固有のデジタルアセットを示すことができ、非代替性の性格を有する。なお、ブロックチェーンは、分散台帳ネットワークシステム600と称する場合がある。
【0030】
NFTはブロックチェーン上にスマートコントラクトとともに記録され、追跡可能であるため、所有者の履歴、トレーディングカード情報等の詳細及び相場価格の履歴を含む相場情報を証明することができる。
【0031】
図3は、
図1に示した各種サーバのハードウエア構成を説明するブロック図である。ここで、サーバとは、
図1に示した仮想通貨サーバ、NFT管理サーバ400、TC公開サーバ700が含まれる。
図3において、鑑定サーバ502は、通信部11、メモリ部19、CPU20を備え、通信部11は、
図1に示したネットワーク100に接続される。
【0032】
メモリ部19は、RAM12-1と、ROM12-2を備えて構成されている。14は外部メモリで、複数のHDD、メモリスロットで構成され大容量の記憶媒体として機能する。
15は表示部で、サーバ装置本体1の状態や、入力部16から入力されるコマンドを表示したり、演算処理結果、記憶情報のテーブル一覧を表示したりする。
【0033】
上記のように構成されたトレーディングカードシステムは、所定の通信媒体を介して、鑑定依頼者が操作するデータ端末装置200-1~200-Nと、鑑定依頼者から送付されるトレーディングカード本体を読み取ることで作成される鑑定情報とトレーディングカード本体とがレイアウトされた状態で撮像されるデジタルトレーディングカード情報を作成する作成機能と、作成機能で作成したデジタルトレーディングカード情報を特定するNFT(所有者、売買価格の情報を含む)を発行し、当該NFTをデジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベース101に登録して管理する管理機能を備える管理サーバと、を通信可能に接続したことを特徴とする。
【0034】
そして、鑑定サーバ502は、鑑定依頼者(トレーディングカード本体所有者)が操作するデータ端末装置200-1~200-Nから送付されたトレーディングカード本体を保管庫1000に収容するか否かに基づいて、前記デジタルトレーディングカード情報を特定するNFTをデータ端末装置200-1に送付するかどうかを決定する。
また、鑑定サーバ502は、前記データベース101に登録された前記NFTが紐づく前記デジタルトレーディングカード情報を、例えばNFT管理サーバ400が提供する所定のマーケットプレイス上で公開することを特徴とする
受け取る鑑定情報種別に基づいて、鑑定依頼者が操作するデータ端末装置200-1~200-Nに対してNFTトレーディングカードを送付する。
【0035】
また、鑑定サーバ502は、鑑定依頼者から一時的に預かる前記トレーディングカード本体を保管庫1000に収容するサービスを提供する。なお、保管庫1000は管理サーバに近接して設ける必要はなく、別途独立した貸金庫サービスを提供するようなラボ内に確保されていてもよい。ただし、当該貸金庫サービスを展開するサーバシステムとは、一定のセキュリティを担保した上で通信可能に接続可能とする。
【0036】
さらに、鑑定サーバ502は、鑑定依頼者が操作するデータ端末装置200-1~200-Nからトレーディングカード本体の持出連絡を受けることに基づいて、デジタルトレーディングカード情報の価値を証明するための第2の鑑定情報並びに所有者を特定するトークンをデータベース101から消去する。
【0037】
また、鑑定サーバ502は、後述するように、保管庫1000に収容されたデジタルトレーディングカード本体と、トレーディングカード本体から作成されたデジタルトレーディングカード情報と対にして仮想通貨による売買サービスを提供する。
【0038】
さらに、デジタルトレーディングカード情報と対にして仮想通貨による売買サービスは、NFT管理サーバ400が特定のカード売買NFTサイト上で取引を行う。
【0039】
また、鑑定サーバ502は、トレーディングカード本体の売買により所有者が変更された後、新たな鑑定依頼を受け付けた場合、第1の鑑定情報の作成に並行してトレーディングカード本体に紐づくデジタルトレーディングカード情報を作成するとともに、デジタルトレーディングカード情報の価値を証明するための第2の鑑定情報並びに所有者を特定するトークンを再発行する機能を提供する。
なお、各実施形態における発明の開示において、本発明は、以下のことを含む構成としている。
トレーディングカード本体の売買により所有者が変更された後、新たな所有者がカード本体を現物で所有すること希望した後、一定期間を経て、再度、カードを預けて来た場合、アクリル板が破損しておらず、同鑑定IDのカードが預けられた場合は、再度、チェックの上、トレーディングカード本体に紐づくデジタルトレーディングカード情報を作成するとともに、デジタルトレーディングカード情報の価値を証明するための第2の鑑定情報並びに所有者を特定するトークンを再発行する機能を提供する。
一方、新たな所有者がカード本体を現物で所有することを希望した後、何かしらの意図的な物理的破壊を行い、アクリル版からカードを取り出した場合、当該トレーディングカードは、鑑定無効になるのはもちろんのこと、再度、鑑定依頼をして来た場合、鑑定チェックを一から受け直すこととなり、仮に真贋判定や、グレーディングが以前と同様でも、以前とは別の鑑定されたカードとして扱われるため、NFT化した場合でも以前とは別のトークンIDが付与される。
【0040】
その際、鑑定サーバ502は、デジタルトレーディングカード情報の価値を証明するための第2の鑑定情報並びに所有者を特定するトークンを再発行する際、所有者の情報を消失することなく、新たな所有者の情報を追記することも可能である。
【0041】
また、鑑定サーバ502は、後述するように、第1の鑑定情報の作成に並行してトレーディングカード本体に紐づくデジタルトレーディングカード情報を作成するとともに、デジタルトレーディングカード情報の価値を証明するための第2の鑑定情報並びに所有者を特定するトークンを発行する際、トークンには、トレーディングカード本体の相場情報を参照して、新たな取引価格を記録する機能を提供するものとする。
【0042】
図4は、
図1に示した鑑定サーバ502の構成を説明するブロック図である。
【0043】
図4において、1はトレーディングカード判定評価装置で、制御部2が内部バスに接続される読取部7、AI判定部8、評価部9、作成部10、保存部18、ランク付け部12を総括的に制御する。5は通信部で、ネットワーク100を介して余地利引きシステムと通信可能に接続する処理を実行する。
3は入力部で、キーボード、マウスデバイス等で構成され、表示部4に表示される画面表示に対して数値入力やアイコン指示等を行う。
【0044】
読取部7は、真トレーディングカード7A、偽トレーディングカード7Bの表面、裏面、断面を光学的に読取り、AI判定部8にその読取った画像情報を出力する。AI判定部8は、トレーディングカードの真偽判定により積み重ねた学習結果をメモリ部8Aに蓄積している。メモリ部8Aには、
図2~
図4に示す真偽判定情報が評価されたトレーディングカード毎に識別可能に蓄積されている。メモリ部8Aには、常に最新の取引で公開となっているトレーディングカードの真偽情報も更新可能に記憶されている。
【0045】
評価部9は、一例としてパッケージのセンタリング、コーナー、エッジ、表面の状態の評価を数値化する。ランク付け部12は、評価部9の評価値の数値の相加平均値を求めて算出した数値を評価値とする。作成部10は、取引システム17から取得する評価対象のトレーディングカードの市場取引情報に基づいて算定した取引額を指標する取引画像を作成する。本例では、取引画像をQRコード(登録商標)で構成する場合を示すが、これに限定されるものではない。保存部18は作成した取引画像を保存し、再度発行指示に対応可能に構成されている。なお、取引画像をQRコード(登録商標)は、後述するNFT化されたデジタルトレーディングカード情報と同様に、鑑定された1品ものとして称号価値(鑑定済み)が保証されることとなる。
【0046】
印刷部13は、作成部10が作成した取引画像を、所定のフォーマットで評価シートと開封シールを例えば熱転写方式で所定のシール上に印刷する。ここで、開封シールは、パッケージ15が封印された状態から開封された状態に変位した場合に、剥がれることで表示内容が無効化される。
【0047】
パッケージ部14は、トレーディングカードが所定位置に配置され、評価シートと開封シールとが上部に張り付けられた後、上カバーと下カバーが張り合わされ熱圧着され密封される。このため、通常の保管状態ではトレーディングカード本体が外気に触れることはない。
【0048】
このように構成されたトレーディングカード判定評価装置において、AI判定部8は、偽のトレーディングカードから取得する特徴情報をメモリ部8Aに蓄積して学習しているため、読取部7が取引対象となる所定のトレーディングカードの画像を読み取ると、AI判定部8が読み取ったトレーディングカードの画像と、学習した最新の特徴情報とを比較して、読み取ったトレーディングカードの真贋を迅速に判定することができる。
【0049】
この際、読取部7は、トレーディングカードの表裏面および断面の画像を光学的に読み取り、それぞれが学習した最新の特徴情報との差異を検出することで、トレーディングカードの真贋判定を自動化することができる。
また、評価部9は、読み取ったトレーディングカードの劣化状態を判別する処理を所定の基準(状態パラメータ1052~1055)に従って判別する処理を行う。
これにより、ランク付け部12は、判別したトレーディングカードの劣化状態に基づいて読み取ったトレーディングカードのランクを評価する処理を行う。
【0050】
そして、作成部10は、評価したランクと取引情報とに基づいて評価画像に変換する処理を行い、認定シート情報を作成する。
【0051】
この際、トレーディングカード判定評価装置1はネットワークを介して流通するトレーディングカードの取引情報をインターネット上に接続されるサーバ装置から取得しておくものとする。なお、サーバ装置が管理する取引情報は、中古市場での取引情報も含まれているものとする。
【0052】
そして、印刷部13は、トレーディングカードの市場における当該トレーディングカードの取引情報を含む認定情報(QRコードを含む)を所定の用紙に印刷する処理を行う。
【0053】
ここで、印刷に使用する用紙は、後述するパッケージ処理により密閉されたトレーディングカードが開封されると損傷するように構成されている。いわば、偽造防止シールの原理に基づくシート材を使用するものとする。このため、再度の認定処理が実行されてパッケージに密封されない状態のトレーディングカードは、市場取引での価値は証明されない。
なお、より詳細には、コレクタ向けと、プレイヤー向けとで異なる態様としてもよい。
〔態様1〕
開封を想定していないアクリル板のもの(意図的に破損させなければ、二度と開かない。
具体的には
図4に示すTC-1のようなアクリル板に入っており、鑑定結果の紙(QRコードと一体化)は、アクリル版内部にあるめ、シール状ではなく、紙自体は偽造防止のホログラムなどの入った紙に、真贋とグレードやカード名が記載されているものを想定する。
〔態様2〕
開封が可能なもの(アクリル板ではない樹脂のもの)開けられるが、開け口が感熱式のシールで封されており、シールを剥がしてアクリル板を開けると鑑定結果の全てが無効になるものを想定する。
【0054】
なお、本実施形態では、なお、本実施形態では、日本製のトレーディングカードの場合は、言語は日本語として印刷する。また、外国製のトレーディングカード場合は、それぞれの言語に合わせたフォントを使用して書誌事項を印刷する構成を採用している。
これにより、誤ったローマ字表記となることがなくなり、トレーディングカードのコレクターの満足度も高くなる。
パッケージ部14は、印刷した評価認定シートと、トレーディングカードとを一体として透明薄板材で挟持封印するパッケージ処理を行う。
なお、印刷された評価認定シートは、所定の認定コードが付されているため、取引者が事後的に判断することができる。
【0055】
なお、トレーディングカードを開封された後においては、対戦時に出し入れ可能にトレーディングカードを密閉保管可能に収容することができる。
上述しているように、トレーディングカードのアクリル板収容体は、破損する構造を備えるため、トレーディングカードを開封された後においては、透明薄板材へ再封入しても、鑑定品としての証明も鑑定価値もなく、カードを保管する板材としての役割のみしか残らない。
【0056】
さらに、上記トレーディングカード判定評価装置1における、符号8~12を1つのアプリケーションプログラムによるソフトウエア処理に置き換える構成であってもよい。
【0057】
100は保管庫で、所定のセキュリティレベルが設定され所有者から預かるトレーディングカード本体を本人情報と、登録情報とを組み合わせた鍵情報を用いて施錠が制御されている。101はデータベースで、保管庫1000に保管されたトレーディングカード本体と紐づいて管理されるデジタルトレーディングカード情報を記憶する。なお、データベース101は、デジタルトレーディングカード情報に設定されたNFTも登録される。102はカメラで、保管庫1000に保管されたトレーディングカード本体を撮像する。
【0058】
なお、カメラ102で撮像されたデジタルトレーディングカード情報は、メモリ102Aに蓄積された後、データベース101に登録される。なお、本実施形態では、トレーディングカード本体とは別にNFTが発行されたデジタルトレーディングカードをサイト上で売買取引可能であり、TC公開サーバ700で登録されたデジタルトレーディングカード情報(所有者、取引価格、トレーディングカードのランク情報を含む)が公開される。
【0059】
トレーディングカード本体TC-1は、デジタルトレーディングカード情報TC2がデータベース101に登録された後、保管庫1000へ搬送され、指定された保管庫室に収容されて施錠される。
【0060】
図5は、
図1に示したNFT管理サーバ400の機能を説明するブロック図である。
【0061】
図4において、コントローラ部450は、第1通信部451と、第2通信部452を備え、第2通信部452は、分散台帳ネットワークシステム600との通信を制御し、第1通信部451は、ネットワーク100に接続されるデバイスとの通信を制御する。
【0062】
コントローラ部450は、利用者登録部453と、分散台帳処理部454と、利用者情報記憶部455と、コンテンツ配信部456と、購入履歴記憶部457と、コンテンツ一覧検索部458、アクセス認証部459と、コンテンツ記憶部460-1~460-Nと、を総括的に制御する。
【0063】
なお、アクセス認証部459は、TC公開サーバ700が管理する分散台帳ネットワークシステム600へのアクセスをコンテンツID、発行日時、ステータス、所有者ID、利用期限等に基づいて厳しく管理している。
【0064】
図6は、本実施形態を示すトレーディングカード処理プロセスの一例を示すチャート図である。以下、本実施形態で予定するトレーディングカード本体(現物)と、その現物を撮像して編集により作成されたデジタルトレーディングカード情報にNFTを発行して保管管理することが可能に構成されている。ここで、NFTは、TC公開サーバ700が管理する分散台帳ネットワークシステム600で管理されている。S01~S11は各ステップを示す。
【0065】
トレーディングカード本体TC-1は、所有者Aが鑑定サーバ502を管理する管理者に送付されることで、鑑定依頼を受け付けると(S01)、
図4に示したシステムにより、真贋判定された後、トレーディングカード本体の外形的程度が評価されたランク情報を含む所定のフォーマットで評価シートがプラスチックケースに封印することでパッケージ化した状態のものを保管対象となる(S02)。ここで、プラスチックケースに封印することでパッケージ化したトレーディングカード体は、保管庫1000に収容される。
【0066】
その後、カメラ102でトレーディングカード本体TC-1を撮影したデジタルトレーディングカード情報TC-2は、TC公開サーバ700でNFTが発行される。
ここで、所有者AがTC公開サーバ700から発行されたNFTがネットワーク100を介してデータ端末200-1に送付される(S04)。
【0067】
また、所有者Aが保管庫1000に収容されているトレーディングカード本体TC-1の現物を手元に回収したい場合、現物の送付依頼を鑑定サーバ502に依頼すると(S05)、鑑定サーバ502の管理者により、保管庫1000から取り出されたトレーディングカード本体TC-1が配送業者等あるいは、所有者Aが出向いて現物引き渡しがなされる(S05)。この際、鑑定サーバ502は、データベース101で管理されている当該トレーディングカード本体TC-1に基づいて作成されたデジタルトレーディングカード情報TC-2の情報を抹消する(S06)。
【0068】
一方、所有者Bは、TC公開サーバ700から提供されるデジタルトレーディングカードを公開するTC公開サーバ700を閲覧することで、興味のあるデジタルトレーディングカードの情報を確認することができる。この際、興味のあるトレーディングカード本体の所有者が、例えば所有者Aであることが判別できるものとする。
【0069】
その後、所有者Aと所有者Bとがネットワーク100を介して交渉(メール、SNS、電話その他の通信手段)して(S08、S09)、取引価格に合意が成立した場合、電子決済サーバ501による代金支払いが完了して、現物が所有者A~所有者Bとなる。具体的には、メルカリや、ヤフオクのような販売システムによる売買や、独自に展開するトレーディングカード売買システムを想定する。
【0070】
上記段落38で詳述している通り、この状態では、所有者Bは、取得したトレーディングカード本体TC-1には、デジタルトレーディングカード情報が存在していないため、新たに、鑑定サーバ502に依頼することで、上記手順に従いあらたなデジタルトレーディングカード情報が作成され、TC公開サーバ700を介してNFTが発行される。
【0071】
一方、TC公開サーバ700上では、登録されたデジタルトレーディングカード情報の一覧がだれでも閲覧できるため、デジタルトレーディングカードを収集する愛好家は、トレーディングカード本体の収集家とは、独立した取引として管理されるため、1つのトレーディングカード本体に付随するが、トレーディングカード所有者が現物を保管庫1000に預け入れている間は、独立したトレーディングカード取引が盛んに行われ、トレーディングカード取引の付加価値が格段に拡大して、資産価値の流動性を満たしながら、新たなトレーディングカードの愉しみ方を愛好家に提供することが可能となる。
これにより、鑑定されたカードは「鑑定済現物カード」もしくは「鑑定済カードおよびNFTデータ」での返却態様となる。
以下、トレーディングカードをNFTデータで所有するメリットは、(1)スペースを取らない。(2)売買時に、現物のように写メを取り、梱包して、発送するなどの手間が不要(データ書き換えのみ)となる。(3)超高額でなかなか買い手が付かないようなカードでも、複数人で権利分割して保有できる(現物カードでは、複数人で保有できない)。
(4)データ所有者が明確になるため、所有者限定のコミュニティ形成ができる。(5)(3)のケース含めて、保有者限定の本物を鑑賞する集いの会を仲間内で催すことも可能になる。
鑑定済みの現物のトレーディングカードでの保有を望む層が主にコレクター層であるならば、NFTデータでの保有希望層は、投機検討層とも言える。
【0072】
図7は、
図4に示した印刷部13が印刷してプレス加工した格付け評価シートの一例を示す図である。
【0073】
図7において、1051は格付け評価シートで、状態パラメータ1052~1055の数値を相加平均して得られる数値(カードランク)1056がランク「9.5」として印刷された状態を示す。1057はQRコードで、読み取ったトレーディングカードの市場価格を取引システム17から取得して作成される。
【0074】
これにより、トレーディングカードのQRコードを後述するトレーディングカードサービスシステムが読み取り、トレーディングカードの市場価格を認識するので、トレーディングカードのコレクターは、従来のような米国にトレーディングカードを鑑定料とともに空輸する等の費用が格段に節約され、さらに空輸における破損や紛失のリスクを回避することが出来るようになる。
【0075】
また、トレーディングカードサービスシステムが管理する市場価格と米国のPSAとの差額も一定の範囲に収束するので、トレーディングカードを収集するコレクターは、いつでも変動する市場価格を認識できる。
【0076】
なお、格付け評価シート1051には、カードのシリーズ等の名称、真贋鑑定結果、グレーディング(状態格付け)、現在資産価値、鑑定番号を含むものとする。
なお、資産価値をQRコード(登録商標)で示すことで、取引システムの読取処理が画一化されてスピーディに鑑定処理が可能となる。
【0077】
また、外部のトレーディングカード売買サイトとの連系を蜜にすることで、同じトレーディングカード本体でも、取引相場の実体を反映させて資産鑑定が可能となる。
【0078】
なお、トレーディングカードの適正な相場価格は、複数のトレーディングカード取引サイトの最新の相場価格が反映されるように、複数のトレーディングカードサイトの情報を注視して平均的な価格を算定することが望ましい。これにより、偏った取引実状が反映されてしまうことを防止できる。
【0079】
図8は、本実施形態を示すトレーディングカード判定評価装置の判定評価方法を説明するフローチャートである。なお、(1)~(15)は各ステップを示す。各ステップは、制御部2がメモリ部2aから制御プログラムを読み出して実行することで実現される。
【0080】
まず、制御部2からの読取指示に従い読取部7にセットされたトレーディングカードを読み取らせる(1)。制御部2は、読取部7からAI判定部8に出力された読み取ったトレーディングカードの画像情報に対する判定指示を行う。これに従い、AI判定部8は、読み取ったトレーディングカードの画像情報をメモリ部8Aに学習して蓄積されている真偽判定する(2)。
【0081】
ここで、前記制御部2は、AI判定部8による真偽判定結果が真状態であると判断した場合、ステップ(3)へ進み、トレーディングカードの真偽判定結果を表示部4に表示する。次に、制御部2は、評価部9に対してトレーディングカードの状態の評価開始を指示する。これの指示を受けた評価部9は、複数の状態変数(状態パラメータ1052~1055)を数値化する(4)。なお、状態パラメータは、これらすべてを開示する態様とするか、選択したいずれかの状態パラメータのみを開示するかはシステム設計により適宜決定すればよい。
【0082】
次に、制御部2は、ランク付け部12に対してトレーディングカードのランク付けの開始を指示する。これの指示を受けたランク付け部12は、状態パラメータ1052~1055の相加平均を演算してカードランク56を確定する(5)。
【0083】
次に、制御部2は、作成部10に対してトレーディングカードの市場価格の調査開始を指示する。これの指示を受けた作成部10は、通信部5を介してネットワーク100上の取引システム17に接続して、読み取ったトレーディングカードの取り引される市場情報を取得し、トレーディングカードの取引き価格を決定する(7)。
次に、作成部10は、評価したランクと取引情報とに基づいて評価画像に変換する処理を行い、認定シート情報(例えばQRコード)を作成する(8)。
【0084】
次に、制御部2は、作成した取引情報に対する印刷指示がなされているかどうかを判断し(9)、制御部2は、印刷指示がなされていると判断した場合、印刷部13にランク付けされた数値と、QRコードとを含む評価認定シートを印刷して(10)、本処理を終了する。
【0085】
一方、ステップ(9)において、制御部2は、印刷指示がなされていないと判断した場合、評価認定シートの情報を保存部18に保存して(11)、本処理を終了する。
【0086】
一方、ステップ(2)で、AI判定部8が読み取ったトレーディングカードが偽物であると判断した場合、制御部2は、表示部4に偽物判定結果を表示する(12)。なお、表示部4に偽物判定されたトレーディングカードの価値は、市場価格よりも大幅に安価な価格となるが、資産価値とは別の次元でトレーディングカードを集めるコレクターも存在するので、常に評価額がゼロになるとは限らない。
【0087】
図9は、本実施形態を示すトレーディングカードサービスシステムのグレーディング工程を示す図である。
【0088】
トレーディングカードを所有して、鑑定を希望するユーザは、本システムを運用する店舗へ出向き、受付窓口にトレーディングカードを提出し、鑑定依頼書に必要事項を記載して鑑定依頼を行うと、
図4に示した読取部7によるトレーディングカード読み取り工程→AI判定部8によるAI判定工程→評価部9,作成部10が協働する市場価格チェック工程→ランク付け部12によるグレード確定工程を実行して、預かったトレーディングカードと、鑑定結果の印刷結果と預かったトレーディングカードを返送する。
【0089】
郵送による送付の場合は、本出願人所管もしくは、その許諾を受けたホームページで、カード鑑定希望者が、鑑定申請を行い、金額を支払った後、カード鑑定を国内郵送依頼するための梱包キッドが郵送されてくる。
耐衝撃性を備えかつ、追跡可能な同梱包キッドに、鑑定依頼するカードを封入し、送付することで、遠隔地からも鑑定に依頼することができる。
【0090】
このようなトレーディングカードサービスシステムを提供することで、トレーディングカードのコレクターは、いつでも変動する資産価値を認識することが可能となる。
【0091】
なお、トレーディングカードを取引する団体自身が、トレーディングカードサービスシステムが鑑別したトレーディングカードの価値と、価格とを認定する書面を発行するサービスを加えてもよい。
なお、
図9に示した読取工程では、高精度マイクロスコープを利用するものとする。
図9に示す手順によれば、専門家を常駐させる必要なく鑑定処理コスト削減と、専門家の知見が俗人化するのを防止することができる。
【0092】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、鑑定を依頼したトレーディングカードの所有者は、現物であるトレーディングカード本体の資産価値を判断する結果物としてアクリルケースに収容されたトレーディングカード本体と、鑑定結果情報とが記された所定のフォーマットの評価シートがプラスチックケースにレイアウトされた状態で封印された鑑定物を確実に受け取ることができる。
【0093】
その際、所有者が鑑定物を鑑定サーバ502が管理する保管庫1000に預けることを選択した場合には、当該鑑定物を自前で管理することなく、新たな資産価値を創造するNFTに紐づくデジタルトレーディングカード情報が発行され、そのNFTに紐づくデジタルトレーディングカード情報を単位としてトレーディングカード情報の売買取引により、デジタルカード本体である物品を何ら物理的に移動させることなく、併用されるデジタルトレーディングカード(NFTコンテンツ)をネット市場で公開するという手法により、デジタルトレーディングカード情報を相場価格に連動して他の愛好家にそのNFTコンテンツの所有権を移転させることができる。
【0094】
〔第2の実施形態〕
上記第1実施形態では、1つの仮想通貨サーバによる仮想通貨支払いを可能とする例について説明したが、複数の仮想通貨ネットワークを利用することが可能なユーザ、例えばウォレット端末を操作して、ポルカッドに接続される複数の仮想通貨システムを扱える所有者には、それぞれの通過の取引レートを連動させてすべての仮想通貨による支払いを行えるように構成してもよい。
【0095】
図10は、本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける仮想通貨の役割を説明するブロック図である。
本実施形態では、Astar Network(アスターネットワーク)という仮想通貨の利用を想定しており、パラチェーン機能を持つポルカドット(リレーチェーン)等のようなブロックチェーンにスマートコントラクト機能を追加することにより、仮想通貨の垣根を越えて金利手数料なども含めて複合的なデジタルトレーディングカード情報に対する仮想通貨取引が可能となる。
【0096】
本実施形態では、所有するトレーディングカード本体TC-1をコアとして、当該トレーディングカード本体TC-1から作成されるデジタルトレーディングカードに紐づくNFTで管理することができ、かつ、所有者が依頼するトレーディングカード本体TC-1の保管状態に連動して、発行したNFT独自の仮想通貨取引を成立させることができる。
【0097】
また、NFTが発行されたデジタルトレーディングカード情報は、それ自体で市場経済上流通性が担保され、トレーディングカード本体とは、独立した仮想通貨取引で点々と所有者が入れ替わりながら取引が継続される。
ここで、本実施形態が示すトレーディングカードシステムでは、以下のNFTによる機能を提供することができる。
〔所有者情報の明確化機能〕
デジタルトレーディングカードの所有者を確認できる(各所有者限定)。
【0098】
また、NFT管理サーバ400は、NFT売買、NFT交換により、NFT所有者の所持する価値の合計を明確にし、トレーディングカードC-NFTによる資産額を明示することができる。例えばデジタルトレーディングカード情報に対するNFTを所有する所有者が、例えば5点分のNFT鑑定データを所有する場合、所有者のみが参照できる情報として、そのトレーディングカードC-NFTの資産額やトレーディングカードC-NFTの所有ランキング(SBT(Soul Bound Token))も確認することができる。
【0099】
さらに、NFT管理サーバ400は、TC公開サーバ700に接続する複数のTCサイトのトレーディングカード相場をリアルに反映した資産価値を算定してNFTが証明する取引価格が連動できる。
【0100】
〔NFT売買機能〕
その際、本システムによれば、鑑定サーバ502が鑑定していないトレーディングカード本体の取引価格情報をTC公開サーバ700に接続する複数のTCサイトから取得することが可能となり、価格自動変動制により、または価格指定販売によるNFT取引も可能となる。
【0101】
なお、鑑定サーバ502は、所有者が所有するトレーディングカード本体のNFT化依頼を受けて、上述したプロセスデジタルトレーディングカード情報を作成する際に、手数料を所有者から電子決済サーバ501を介して徴収することができる。
【0102】
〔NFTと現物カードと所有態様の一元管理機能〕
上述したように、トレーディングカード本体を所有する所有者は、鑑定サーバ502による鑑定後、鑑定結果が示された指標が付されてアクリルケースに封印された現物カードを所有することで、NFT化されたデジタルトレーディングカード情報を所有しないというトレーディングカード所有態様(1)と、アクリルケースに封印された現物カードを保管したまま、NFT化されたデジタルトレーディングカード情報をTC公開サーバ700上で閲覧可能として、他の所有者にNFT化されたデジタルトレーディングカード情報を買い取らせるトレーディングカード所有態様(2)を選択することができる。
【0103】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、鑑定されたトレーディングカード本体の取引では、1つ資産として多重所持されるという事態を回避できるが、当該鑑定されたデジタルトレーディングカード情報をNFT化することで、NFTトレーディングカードとして市場で流通させる資産とすることが可能となる。つまり、NFTトレーディングカードに対して新たな資産価値を付与して、何ら現物を世界中の愛好家に物理的に流通させることなく、NFTトレーディングカードの所有権を移転させて、取引負担を軽減し、かつ、所有権の移転処理を簡素化しながら、個人資産として運用が期待できる。
【0104】
また、トレーディングカード本体の所有者は、希少価値の高いトレーディングカードを自前で保管管理しなければならないが、本システムは、システムが保証する保管庫でトレーディングカード本体が厳重に保管管理されているため、盗難紛失防止が可能となる。
【0105】
〔第3の実施形態〕
図11は、本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける第1のデータ端末のレーディングカード鑑定処理方法を説明するフローチャートである。なお、(21)~(24)は各ステップを示し、各ステップは、データ端末装置200-1のCPU205がROM202に記憶される制御プログラムを実行することで実現される。
【0106】
CPU205は、ネットワーク100を介してトレーディングカードの鑑定依頼を鑑定サーバ502に対してメール等で行う(21)。この後、トレーディングカードの所有者は、トレーディングカード本体を郵送等により鑑定サーバ502の管理者に送付する。ここで、依頼には、トレーディングカード本体を返却する要求と、トレーディングカード本体を鑑定サーバ502が管理する保管庫へ保管し、その保管している期間、デジタルトレーディングカード情報(NFTが付与される)を閲覧して売買可能とするかの要求を選択できるように構成されているものとする。
【0107】
次に、CPU205は、鑑定サーバ502からネットワーク100を介して鑑定結果としてNFTを受領したかどうかを判断する(22)。ここで、NFTを受領したと判断した場合、トレーディングカード本体を鑑定サーバ502が管理する保管庫に預け入れたことを確認する。
【0108】
そして、トレーディングカード本体を別の愛好家に販売したいと考えた場合、保管庫に保管された鑑定済みのトレーディングカード収容体の回収を鑑定サーバ502に通知する(23)。
鑑定サーバ502の管理者から、現物である鑑定済みのトレーディングカード収容体を受領し(24)、処理を終了する。
【0109】
図12は、本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける鑑定サーバのレーディングカード鑑定処理方法を説明するフローチャートである。なお、(31)~(41)は各ステップを示し、各ステップは、鑑定サーバ502の制御部2が記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0110】
図11に示したトレーディングカードの所有者が操作するデータ端末装置200-1からトレーディングカードの鑑定依頼を受領し(31)、トレーディングカード本体を鑑定する鑑定サーバ502の管理者は、トレーディングカードの所有者から送付されたトレーディングカード本体(鑑定前なので、現物)を重量する。そして、制御部2は、
図9に示したプロセスに従い、トレーディングカード本体の鑑定処理を管理する(32)。次に、制御部2は、
図4において説明した鑑定プロセスを実行して送付されたトレーディングカード本体を評価(グレーディング)する(33)。その後、パッケージ部14で、評価シートと、トレーディングカード本体とがレイアウトされた状態でアクリルケース等に収容される。
【0111】
次に、制御部2は、カメラ102を制御して、収容されたトレーディングカード収容体を撮像する(34)。これにより、トレーディングカード本体の評価と並行して、デジタルトレーディングカード情報が作成され、データベース101に記憶される。
【0112】
次に、制御部2は、記憶されたデジタルトレーディングカード情報に対してNFTを発行し(35)、発行したNFTを記憶したデジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態でデータベース101に登録する(36)。なお、発行されたNFTは、
図5に示したように、分散台帳ネットワークシステム600上で管理される。
【0113】
デジタルトレーディングカード情報のNFT発行処理が終了したら、TC公開サーバ700上で登録されたデジタルトレーディングカード情報が一般に公開され、第2のデータ端末装置200-Nを操作するデジタルトレーディングカード愛好家が自由に閲覧可能となる。
【0114】
次に、閲覧したデジタルトレーディングカード情報を取引したい、デジタルトレーディングカード愛好家は、TC公開サーバ700上で取得したいデジタルトレーディングカードの買取を申し込むので、その買取依頼を受領すると(38)、
図1に示した仮想通貨サーバ500を利用するウォレットを操作することで、取引決済が実行される(39)。
【0115】
次に、制御部2は、仮想通貨サーバ500から取引にかかる支払いが完了したことの通知を受けて(40)、分散台帳ネットワークシステム600上で取引の成立したデジタルトレーディングカード情報の所有者情報を更新して(41)、処理を終了する。
【0116】
図13は、本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける第1のデータ端末のレーディングカード鑑定処理方法を説明するフローチャートである。なお、(51)~(55)は各ステップを示し、各ステップは、データ端末装置200-NのCPU205がROM202に記憶される制御プログラムを実行することで実現される。
【0117】
データ端末装置200-Nを操作するデジタルトレーディングカード情報を収集する愛好者は、TC公開サーバ700が提供するコンテンツガイド接続して(51)、登録された取引可能なデジタルトレーディングカード情報の一覧を端末の画面に表示する(52)。
【0118】
次に、データ端末装置200-Nを操作する愛好家は、画面表示されるデジタルトレーディングカード情報の一覧から買い取るデジタルトレーディングカードを選択する(53)。
【0119】
そして、データ端末装置200-Nを操作する愛好家は、所有するウォレットから仮想通貨サーバ500-1を利用して決済を完了させた後(54)、鑑定サーバ502が分散台帳ネットワークシステム600上で書き換えられて発行されたNFTを確認して(55)処理を終了する。
【0120】
図14は、本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおけるデータ端末装置のレーディングカード返却処理方法を説明するフローチャートである。なお、(61)~(67)は各ステップを示し、各ステップは、データ端末装置200-1のCPU205がROM202に記憶される制御プログラムを実行することで実現される。
【0121】
データ端末装置200-1のCPU205(
図4に示す構成では制御部2に対応する)は、保管庫1000で保管中のトレーディングカード本体の所有者が操作するデータ端末装置200-1から返却依頼を鑑定サーバ502へ通知した後(61)、データ端末装置200-1のCPU205は、例えば図示しない電子決済サービスを利用して、配送手数料の支払いを完了すると(62)、鑑定サーバ502は、分散台帳ネットワークシステム600上で管理されている当該トレーディングカード本体に紐づくデジタルトレーディングカード情報のNFTを消去するとともに、データベース101上で管理しているデジタルトレーディングカード情報を消去する。
その後、データ端末装置200-1のCPU205は、鑑定サーバ502からデジタルトレーディングカード情報を消去した旨の通知を受領する(63)。
次に、鑑定サーバ502の管理者から保管庫1000に保管されていたトレーディングカード本体(現物)がトレーディングカード本体の所有者に返送される。
これを、当該トレーディングカード本体の所有者が鑑定済みのトレーディングカード収容体を受領する(64)。
【0122】
返却された鑑定済みのトレーディングカード収容体を所有する所有者は、他のトレーディングカード愛好家からの問い合わせを受けて、ネットワーク100を介してデータ端末装置2-Nから買取依頼を受け付けると(65)、電子決済処理を受け付けて決済が終了したことを確認したら(66)、返却された鑑定済みのトレーディングカード収容体を売却先に配送して(67)、処理を終了する。
【0123】
図15は、本実施形態を示すトレーディングカードシステムにおける鑑定サーバのレーディングカード鑑定処理方法を説明するフローチャートである。なお、(71)~(77)は各ステップを示し、各ステップは、鑑定サーバ502の制御部2が記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0124】
データ端末装置2-Nを操作するトレーディングカード本体の所有者は、鑑定サーバ502に接続して、図示しないメニュー画面から前所有者が所有していたトレーディングカード収容体の買取を選択すると(71)、鑑定サーバ502は、買取を申し込んでいるデータ端末装置2-Nに対して買取依頼受領の通知を行う(72)。
【0125】
次に、新たにトレーディングカード収容体の登録するため、データ端末装置2-Nを操作するトレーディングカード本体の所有者から登録料の支払いが完了したことを確認したら(73)、新所有者が新規登録するトレーディングカード収容体が配送されてくるので、そのトレーディングカード収容体を受領したら(74)、上述した手順に従いトレーディングカード収容体をカメラ102で撮像し、鑑定済みのデジタルトレーディングカード情報(デジタルトレーディングカードのコンテンツ)を作成する(75)。
【0126】
次に、鑑定サーバ502は、NFT管理サーバ400がデジタルトレーディングカードのコンテンツに対して発行したNFTを受領して、作成済のデジタルトレーディングカードのコンテンツにNFTを紐づける付与処理を行う(76)。
次に、デジタルデジタルトレーディングカードのコンテンツをデータベース101に登録して(77)、本処理を終了する。
【0127】
なお、データベース101に登録したデジタルデジタルトレーディングカードのコンテンツは、TC公開サーバ700において、仮想通貨の支払いを実行可能なウォレット所有者により、閲覧とNFTが付与されたデジタルデジタルトレーディングカードのコンテンツの売買取引が可能となる。
本実施形態では、鑑定サーバ502がトレーディングカード本体の売買により、所有者が前所有者から第2のデータ端末を操作する新所有者に変更された後、新所有者が操作する第2のデータ端末から新たな鑑定依頼を受け付けた場合 、
作成機能で新たに作成したデジタルトレーディングカード情報を特定する新たなNFTを発行し、前記新たなNFTを前記デジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベース101に新規登録処理を行う。
なお、鑑定サーバ502は、TC公開サーバ700が提供するマーケットプレイス上で表示するデジタルトレーディングカードの取引価格を、ネットワーク100に接続される現物のトレーディングカード本体のみ売買する複数の売買サーバ上で公開される販売価格を取得して相場価格を調整するものとする。
【0128】
〔第3の実施形態の効果〕
本実施形態によれば、トレーディングカード所有者が鑑定サーバに鑑定を依頼してから、評価シートと、トレーディングカード本体とが収容されるトレーディングカード収容体が作成される際に、この作業に並行して当該トレーディングカード収容体を撮像した画像情報にNFTを発行して鑑定済みのトレーディングカード収容体を新たなデジタル資産として流通させるシステムを自在に構築することができる。
【0129】
しかも、トレーディングカード収容体の本体を鑑定サーバが管理する保管庫に預け入れられている間に限定して、トレーディングカード収容体を撮像して作成されるデジタルトレーディングカード情報にNFTを発行することで、デジタルトレーディングカード情報をNFTコンテンツとして取引を行うデジタル資産の流通サービスを新たに展開することが可能となる。
【0130】
〔第4の実施形態〕
上記実施形態では、鑑定物は、トレーディングカード本体と、評価シート(例えば鑑定結果証と呼ぶ場合がある)がカード本体が折曲がらないようにハードな塩ビシートに貼り付け可能)をアクリルケースに封印して管理し、何ら、カードゲームに利用しない場合を説明したが、愛好家によっては、そのカードゲームにより、トレーディングカードが何らかの損傷を受けて、資産価値が減少してもよいと考える場合もある。
【0131】
その際、本アクリルケースを機械的な密閉状態を開放する際に、その鑑定情報を無効とするように、上記評価シートが剥がれることで、無効化された情報が視覚化する仕組みを加える。
例えば評価シート上に付されたテープが機械的な密閉状態を開放と同時に剥がれることで、二重線が評価シートに明示する等が好例である。
なお、概念的には、トレーディングカードシステムで鑑定されたカードでも、再度開封してプレイ(対戦等)したいというニーズに対応するため、開封後であっても再度の鑑定受けられるように構成してもよい。
具体的には、上記第1の実施形態において説明した通り、トレーディングカードが鑑定された場合、鑑定されたトレーディングカード本体は、上記のような樹脂ケースに封印されて保管される。
ここで、上記樹脂ケースの上部には、一部が開口する蓋構造を備え、かつ、蓋構造に係合する本体側には、同樹脂の留め具があり、突起が留め具の穴に入り開かない構成となっている。このため、対戦するために封印されたトレーディングカードを所有者が取り出す再、樹脂をずらし、開ける必要がある。
この際、グレーディングされた内容が無効化されることを所有者に視覚的に認識させる必要があるため、上記留め具部分の上部において、所定幅の剥離テープ(剥がすと文字(開封済あるいは鑑定無効)が浮き出るテープ)横列方向に周囲を取り囲むようにシールを巻き付つけて樹脂上部の蓋構造が開口しないように固定する。
これにより、シールは以下のように開封すると、開封したことが明白になるシールを巻きつけることで、開封されたものなのかが一目瞭然になることで、シールで留め具が覆われている場合と、スールを剥がした場合とで、樹脂部の開口状態が明確となる。
【0132】
〔第4の実施形態の効果〕
本実施形態によれば、トレーディングカードが本来機能する場面、カード対戦ゲームにより使用される可能性にも柔軟に対応するとともに、一度鑑定した結果がカード開封処理により確実に無効化できる証明を発行することが可能となった。
なお、所有者がサイト鑑定サーバへの鑑定依頼を再度行うことで、上述したように鑑定結果を得ることができることは保証されている。
〔第5の実施形態〕
上記実施形態では、市場の鑑定品の現物のトレーディングカードの情報を受けて、トレーディングカードの取引価格を反省するシステムについて説明したが、
価格自動変動(市場価格連動:1.X倍等)または価格指定販売が選べる構成としてもよい。
これにより、トレーディングカードの価格の変更により、販売に際し、トレーディングカードが割高となったり、割安となったりといったリスクを下げることができる。
具体的には、NFTでの売却市場と中古市場の情報が連動しているため、複数の店舗(中古カード取扱店、古物商)向けに、一斉に売却出品時に情報公開できる。
また、店舗側向けに、売却出品時に情報公開ができるため、買い手がつきやすくなる(高額で買い取り手がつきやすくなる)。
また、店舗側は高額なカードほど利鞘が出やすく、100円のカードよりも、10,000,000円のカードの方がもちろん利益を出しやすい。そのため、買取する店舗側への機能としては、「買取価格と連動したシステムの中で、いくら以上のカードが出ると、連絡が入る」という通知機能を本システムに組み入れることも可能である。
なお、トレーディングカードの売却出品時に全て連絡がくるとパンクするため、出品情報で受け取る価格をコントロールすることも可能である。
〔カードを売却した一般の方の課題の実例〕
トレーディングカードの中古で売却を考える場合、オフラインでの対応の場合、中古ショップに所有するトレーディングカード本体を査定に出し、1枚ずつ鑑定させる。例えば5枚(トレーディングカードA~Eまで)のカードを売却したく、イ店に行くとトレーディングカードAは1000円、トレーディングカードBは500円…。計5000円であると仮定する。
ここで、トレーディングカード所有者は、どのトレーディングカードを売却すべきか否かについて決断しなければならず、買取ってもらうための戦術を考える必要に迫られる。
この際、上記所有者がイ店で所有するトレーディングカードを売却せず、次にロ店に持ち込んだ場合、例えば査定額が、トレーディングカードAは800円、トレーディングカードBは600円…。計5500円だったとする。
上記トレーディングカード所有者が結果的に、所有するトレーディングカードをロ店で売却したがトレーディングカードAについては、イ店で売却した方が高く売れたという場合も想定される。
このように、売却出品する側(一般カードユーザ)としても、複数の中古店舗が閲覧するサイトにて売却対象として見せることができることがメリットとなる。
〔第5の実施形態の高価〕
本実施形態によれば、トレーディングカード現物の取引において、上記所有者が本システムを利用して売却依頼する際、買取意志を示す店舗が複数店舗存在する場合には、すべての店舗に対して所有するトレーディングカード本体の情報を一斉に公開することで、買い手がつきや安くなるとともに、個別的に高価な買取を行う店舗を選択することができ、トレーディングカード本体を売りたい所有者にとって、より高額の販売利益が得られるサービスを提供することができる。
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0133】
(1)所定の通信媒体を介して、鑑定依頼者が操作する第1のデータ端末と、
前記鑑定依頼者から送付されるトレーディングカード本体を読み取ることで作成される鑑定情報と前記トレーディングカード本体とがレイアウトされた状態で撮像されるデジタルトレーディングカード情報を作成する作成機能と、前記作成機能で作成したデジタルトレーディングカード情報を特定するNFTを発行し、当該NFTを前記デジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベースに登録して管理する管理機能とを備える管理サーバと、を通信可能に接続したことを特徴とする。
【0134】
(2)前記管理サーバは、前記管理サーバの管理者が前記鑑定依頼者から送付されたトレーディングカード本体を保管庫に収容するか否かに基づいて、前記デジタルトレーディングカード情報を特定するNFTを前記第1のデータ端末に送付するかどうかを決定することを特徴とする。
【0135】
(3)前記管理サーバは、前記データベースに登録された前記NFTが紐づく前記デジタルトレーディングカード情報を所定のマーケットプレイス上で公開することを特徴とする。
【0136】
(4)前記管理サーバは、前記第1のデータ端末から前記トレーディングカード本体の持出連絡を受けることに基づいて、前記データベースに登録したデジタルトレーディングカード情報並びに前記NFTを消去することを特徴とする。
【0137】
(5)前記管理サーバは、所定の仮想通貨による手数料支払いを条件に、前記所定の通信媒体を介して前記マーケットプレイス上で公開された前記NFTが紐づく前記デジタルトレーディングカード情報に対する売買要求を買い手が操作する第2のデータ端末を介して受け付け、所定の仮想通貨による売買取引を確定するサービスを提供することを特徴とする。
【0138】
(6)前記管理サーバは、前記トレーディングカード本体の売買により、所有者が前記鑑定依頼者から第2のデータ端末を操作する新所有者に変更された後、前記新所有者が操作する第2のデータ端末から新たな鑑定依頼を受け付けた場合、
前記作成機能で新たに作成したデジタルトレーディングカード情報を特定する新たなNFTを発行し、前記新たなNFTを前記デジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベースに新規登録することを特徴とする。
【0139】
(7)前記管理サーバは、前記マーケットプレイス上で表示するデジタルトレーディングカードの取引価格を、前記所定の通信媒体に接続されるトレーディングカード本体を売買する複数の売買サーバ上で公開される販売価格を取得して相場価格を参考に、売却依頼者よりあらかじめ指定された指示に基づいて自動で調整することを特徴とする。
【0140】
(8)前記複数の取引価格態様の1つは、トレーディングカード取引市場における価格に自動変動する取引価格を採用することを特徴とする。
【0141】
(9)前記複数の取引価格態様の1つは、トレーディングカード取引市場における価格に自動変動する取引価格を採用することを特徴とする。
【0142】
(10)所定の通信媒体を介して、鑑定依頼者が操作する第1のデータ端末と、前記鑑定依頼者から送付されるトレーディングカード本体を読み取ることで作成される鑑定情報と前記トレーディングカード本体とがレイアウトされた状態で撮像されるデジタルトレーディングカード情報を作成する作成機能と、前記作成機能で作成したデジタルトレーディングカード情報を特定するNFTを発行し、当該NFTを前記デジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベースに登録して管理する管理機能を備える管理サーバとが通信可能に接続されたトレーディングカードシステムのNFT管理方法であって、前記トレーディングカード本体と、前記鑑定情報とをレイアウトして所定の透明ケースに封入したトレーディングカード本体に対する前記第1のデータ端末の鑑定依頼者からの保管要求の可否を判定して、前記データベースに登録した前記デジタルトレーディングカード情報および前記NFTを消去する消去ステップを備えることを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本実施形態では、トレーディングカードを取引媒体とする例を詳述したが、取引媒体として、セル画、ゲームソフト、コミック(漫画)なども取り扱うシステムとして構成することも可能である。
具体的には、セル画、ゲームソフト、コミック(漫画)は、規定サイズがあるので、トレーディングカードと同様に、真贋とグレーディングによる価値状態が大きく変わる要素を含む媒体であり、これらを総合的に扱うシステムとして構築することも可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 鑑定サーバ
7 読取部
8 AI判定部
9 評価部
10 作成部
11 保存部
12 ランク付け部
100 保管庫
400 NFT管理サーバ
501 電子決済サーバ
502 鑑定サーバ
【要約】
【課題】 市場で流通する現物としてのトレーディングカードに紐づくデジタル資産としてのトレーディングカードとを融合して、それぞれの取引活動を円滑に行えるシステムを構築すること。
【解決手段】 所定の通信媒体を介して、鑑定依頼者が操作するデータ端末装置200-1と、鑑定依頼者から送付されるトレーディングカード本体を読み取ることで作成される鑑定情報とトレーディングカード本体とがレイアウトされた状態で撮像されるデジタルトレーディングカード情報を作成する作成機能と、作成機能で作成したデジタルトレーディングカード情報を特定するNFTを発行し、当該NFTをデジタルトレーディングカード情報に紐づけた状態で所定のデータベースに登録して管理する管理機能とを備える鑑定サーバ502とを通信可能に接続したことを特徴とする。
【選択図】
図1