(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/239 20180101AFI20230929BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20230929BHJP
F21S 43/241 20180101ALI20230929BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20230929BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230929BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20230929BHJP
【FI】
F21S43/239
F21S43/14
F21S43/241
F21V8/00 310
F21V8/00 340
F21V8/00 330
F21Y115:10
F21W103:20
(21)【出願番号】P 2020020465
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】扇谷 一慶
(72)【発明者】
【氏名】松村 直哉
(72)【発明者】
【氏名】村木 和史
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-191707(JP,A)
【文献】特開2018-060809(JP,A)
【文献】特開2015-049977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/239
F21S 43/14
F21S 43/241
F21V 8/00
F21Y 115/10
F21W 103/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具であって、
光源と、
前記光源の光進行方向前方に配置されて前記光源からの光を放射状に拡げるレンズ本体と、
前記レンズ本体の前面に形成されて前記レンズ本体からの光を拡散させる外側拡散レンズ面と、
前記レンズ本体において凹設されかつ光の放射方向に対して交差する方向に延設された凹部と、
前記凹部の前面または後面の少なくとも一方に形成されて前記光源からの光を前記外側拡散レンズ面に向けて拡散する内側拡散レンズ面を有し、
前記凹部は、円弧線上に延設されている車両用灯具。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用灯具であって、
前記内側拡散レンズ面は、前記凹部の前記後面に形成され、かつ前記前面に形成されていない車両用灯具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用灯具であって、
前記レンズ本体は、扇形状であって、径方向に延出する側面を有し、
光を反射する反射部が前記側面に沿って配置される車両用灯具。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用灯具であって、
前記内側拡散レンズ面が前記反射部の前端よりも前方に位置している車両用灯具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の車両用灯具であって、
前記レンズ本体の厚み方向において前記凹部から外れた高さにおいて前記凹部の前部と後部を橋渡す橋渡し部を有する車両用灯具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の車両用灯具であって、
前記光源は、LEDである車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。車両用灯具は、例えば自動車等の車両が具備する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、一般に車両の進路変更を周囲に知らせるためのターンシグナルランプや、車両の制動を後方の車両等へ知らせるためのストップランプ等の車両用灯具を具備する。車両用灯具は、光を発する光源と、光源からの光を外方へ照射する発光面を有する。発光面は、車体の外面に沿って例えば水平方向に長い幅広の形状を有する。
【0003】
特許文献1~3に開示される車両用灯具は、光源である電球とインナーレンズと発光面を有する。インナーレンズは、電球と発光面の間に配置される。インナーレンズは、前面と後面それぞれに光を拡散させる拡散レンズ面(例えば拡散ステップ、拡散カット)を有する。拡散ステップは、複数の微小な凹凸で構成される。拡散ステップは、例えば鋸歯状の凹凸を有するフレネルステップ、多面体の凹凸を有するプリズムステップ、円柱状の凹凸を有するシリンドリカルステップである。光源からの光は、放射状に拡がり、インナーレンズに到達する。インナーレンズの拡散ステップによって光が拡散される。これにより発光面を均一に光らせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭63-39808号公報
【文献】実開平5-27903号公報
【文献】特開平9-180516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし光源が光を発していない際に車両用灯具を外方から見たとき、灯具の表面に位置する発光面が均一に見えない場合がある。外方から見た発光面は、インナーレンズの拡散レンズ面によって拡散して見映えが均一に見える場合もあるが、十分に均一に見えない場合もある。例えばインナーレンズの外側形状に大きな段差を生じる凹凸形状がある場合、インナーレンズの奥側に位置する光源や基板がある場合に、これらが原因で灯具の発光面に色ムラや黒筋が見える場合がある。そのため光源が光を発していない際において車両用灯具の表面が均一に見え易い車両用灯具が従来望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの特徴によると車両用灯具は、光源と、光源の光進行方向前方に配置されて光源からの光を放射状に拡げるレンズ本体を有する。レンズ本体の前面にレンズ本体からの光を拡散させる外側拡散レンズ面が形成される。レンズ本体は、凹設されかつ光の放射方向に対して交差する方向に延設された凹部を有する。凹部の前面または後面の少なくとも一方には、光源からの光を外側拡散レンズ面に向けて拡散する内側拡散レンズ面が設けられる。
【0007】
したがってレンズ本体を外方から見ると外側拡散レンズ面と内側拡散レンズ面を通して奥側の物体を見ることになる。換言すると、奥側の物体を内側拡散レンズ面と外側拡散レンズ面を通して2回拡散された光として見ることになる。そのため外方から見たレンズ本体の表面は、一様あるいは均一に近い明るさ及び色として見える。かくして光源が光を発していない際において車両用灯具の表面が均一に見えることができる。
【0008】
本開示の他の特徴によるとレンズ本体は、扇形状であって、径方向に延出する側面を有し、光を反射する反射部が側面に沿って配置される。したがって反射部は、レンズ本体の表面(光進行方向前面)に向く。これにより反射部は、光源からの光を確実かつ効率良く前方へ導くことができる。また外方から見た際の視線も反射部によって反射されて視線経路がレンズ本体の見映えを均一にさせ易くなる。
【0009】
本開示の他の特徴によるとレンズ本体の厚み方向において凹部から外れた高さにおいて凹部の前部と後部を橋渡す橋渡し部を有する。したがって凹部の前方領域のレンズ本体と凹部の後方領域のレンズ本体を橋渡し部によって一体にできる。しかも橋渡し部は、光が伝わる凹部から外れた高さに設けられる。これによりレンズ本体を外方から見て橋渡し部が見えてしまうのを防ぐことができる。
【0010】
本開示の他の特徴によると光源は、LEDである。したがって照射角度の小さい光源からの光を放射方向に拡げつつ均一に拡散させることができる。これにより消費電力の小さいLEDを利用して、例えば幅広形状の発光面を均一に光らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る車両用灯具(灯具)を具備する自動車の後部の概略斜視図である。
【
図2】車両用灯具を車両後方(光進行方向前方)からの正面図である。
【
図3】
図2中のIII-III線断面矢視図である。
【
図5】車両用灯具のインナーレンズの下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の好ましい実施形態を
図1~5を参照して下記に詳しく説明する。説明中の同じ参照番号は、重複する説明をしないが、同じ機能を有する同じ要素を意味する。
図1は、左方かつ奥行き方向を前進方向とする自動車を示す。車両1の後部の下方にバンパ2が設けられる。バンパ2は、左右両側にランプ部(灯具)3を有する。ランプ部3は、車両用灯具としてバックアップランプ4とターンシグナルランプ5を有する。バックアップランプ4は、車両1を後退させる際に点灯する。バックアップランプ4は、車両1の後退を周囲へ知らせることができる。あるいは車両1の後方の障害物等の視認性を良くできる。左右1対のターンシグナルランプ5は、いずれか一方を点滅させることができる。これにより車両1の進路変更を周囲に知らせることができる。あるいは左右1対のターンシグナルランプ5を同時に点滅させることもできる。
【0013】
図1に示すようにランプ部3は、バックアップランプ4とターンシグナルランプ5を取り付けるためのハウジング6を有する。ハウジング6は、車両1の後方から見て左右に長い。バックアップランプ4は、車両1の後方から見て略円形の発光面4aを有する。ターンシグナルランプ5は、車両1の後方から見て例えば左右に長い概ね平行四辺形の発光面5aを有する。発光面4a,5aは、車両1の後方へ光を発する。
【0014】
図3,4に示すようにハウジング6は、バンパ2の外形に沿って概ね左右方向に延出する。ハウジング6は、車両1の左右側端へ近づくにしたがって車両1の前進方向へわずかに傾斜する。ハウジング6は、略箱形のレンズ収容室6cを内部に有する。レンズ収容室6cの前面には、前後方向に開口した窓部6aが設けられる。ハウジング6の前部には、アウターレンズ20が取付けられる。アウターレンズ20は、バックアップランプ4(
図1参照)とターンシグナルランプ5とともにハウジング6の前面を覆う。アウターレンズ20は、光の進行方向の厚さが略一定で設けられる板状部材である。アウターレンズ20は、透明な樹脂、ガラス等で一体に成形される。アウターレンズ20は、無色であっても良く、例えば赤色、灰色等の有色であっても良い。
【0015】
図1,4に示すようにハウジング6は、バックアップランプ4とターンシグナルランプ5の下方にリフレクタ9を有する。リフレクタ9は、外方から入射した光を散乱させつつ反射させる反射面を有する。リフレクタ9の反射面は、車両1の後方を向く。リフレクタ9は、例えば車両1に後続する車両の照明が車両1へ向けて照射された光を反射する。リフレクタ9は、例えば夜間に走行する車両1の位置を後続の車両等に知らせることができる。
【0016】
以下の説明において発光面5aが発する光の進行方向に基づいて前後方向を規定する。すなわち車両の前後方向と光の進行方向は、この例では逆になる。上下左右方向については車両1に基づいて規定する。
図3~5に示すようにターンシグナルランプ5は、インナーレンズ10とLED保持部8を有する。円筒状のLED保持部8の前端にLED(光源)7が取付けられる。LED7は、光を前方へ向けて発光し、光が指向性を有して小さい照射角度で発せられる。LED保持部8の前部には、ハウジング6に取付けるための嵌合部8aが設けられる。
【0017】
図3~5に示すようにインナーレンズ10は、レンズ収容室6cに収容される。インナーレンズ10は、無色透明の樹脂、ガラス等で構成される。インナーレンズ10は一部材で成形される。インナーレンズ10は、上下方向を板厚方向とする平板状のレンズ本体10aを有する。レンズ本体10aの板厚は略一定である。レンズ本体10aは、上面視で後方から前方へ向けて放射状に拡がる扇形状である。レンズ本体10aの後面11は、略垂直に起立する。後面11は、上面視でレンズ本体10aの内方へ向けて凹状の円弧形状である。
【0018】
図3~5に示すようにレンズ本体10aの前面12は略垂直に起立する。前面12は、上面視でレンズ本体10aの外方を向いて凸状の円弧形状である。前面12の全体にわたって外側拡散レンズ面12aが形成される。外側拡散レンズ面12aは、いわゆる拡散ステップと称される複数の微小な凹凸で構成される。外側拡散レンズ面12aが有する複数の微小な凸面は、略同じ大きさで略円弧状に張出す。外側拡散レンズ面12aの複数の凸面は、扇形状のレンズ本体10aの周方向及び上下方向に略等間隔で束になっている。複数の凸面の間に溝が形成される。そのため外側拡散レンズ面12aが有する複数の溝は、レンズ本体10aの周方向及び上下方向に略等間隔で配列される。外側拡散レンズ面12aは、レンズ本体10aに入射する光またはレンズ本体10aから出ていく光を各種方向に拡散させる。
【0019】
図5に示すようにレンズ本体10aは、左右の両端に側面13を有する。側面13は、垂直に起立した平面状である。側面13は、前面12の左右両端と後面11の左右両端の間で延出する。各側面13に沿って反射板(反射部)21が配置される。反射板21の表面21aは、鏡面状の平面である。反射板21は、表面21aをレンズ本体10aへ向けて側面13と平行に隣接する。反射板21は、側面13の後端から側面13の前端の近くまで延出する。
【0020】
図3~5に示すようにレンズ本体10aは、下方に開口し上方へ向けて凹設された凹部14を有する。凹部14は、レンズ本体10aの板厚と略同じ深さまで凹設される。凹部14は、レンズ本体10aの左端領域から右端領域まで前面12と略平行かつLED7を中心とした略円弧状に延設される。凹部14は、後面11よりも前面12に近い位置に形成される。凹部14の後面14aと前面14bは、略垂直に起立する。後面14aと前面14bは、凹部14が開口する下方へ向けてテーパ状にわずかに拡がる。後面14aと前面14bは、互いに略平行に延出する。後面14aは、反射板21の前端、少なくとも1つの反射板21の前端よりも前方に配置される。凹部14は、側面13との間にレンズ本体10aが凹設されていない前後方向の連結部を有する。
【0021】
図3,5に示すように前面14bは、凹凸のない平滑な円弧状の面に形成される。一方、後面14aには、全体にわたって内側拡散レンズ面15が形成される。内側拡散レンズ面15は、いわゆる拡散ステップと称される複数の微小な凹凸で構成される。内側拡散レンズ面15の凹凸は、水平方向あるいは円弧方向に所定の間隔で並列した三角柱状である。したがって内側拡散レンズ面15は、平面視で鋸歯状である。内側拡散レンズ面15の凹凸の溝深さは、凹部14の中央領域で小さく、凹部14の左右領域へ向かうほど大きい。内側拡散レンズ面15を構成する微小な各レンズ面は、それぞれ垂直に起立する。内側拡散レンズ面15は、レンズ本体10aに入射する光またはレンズ本体10aから出ていく光を各種方向に拡散させる。
【0022】
図4,5に示すようにインナーレンズ10は、凹部14の上面よりも上方に配置された橋渡し部16を有する。橋渡し部16は、凹部14の上方全体を覆う。橋渡し部16は、レンズ本体10aの上部から上方へ張出す。橋渡し部16は、後面14aから後方のレンズ本体10aと、前面14bから前方領域のレンズ本体10aを橋渡しする。インナーレンズ10は、凹部14の前面14bに沿って下方へ延びた延出部17を有する。
【0023】
図2~4に示すように窓部6aの開口形状は、左右に長い概ね平行四辺形であり発光面5aの外形に相当する。窓部6aの上端と下端には、後方(車両内側)へ向けて水平に張出した張出部6bが設けられる。レンズ収容室6cの後面には、前後方向に円形状に開口した嵌合孔6dが設けられる。
【0024】
図3,4に示すようにLED保持部8は、不図示のパッキンを介在させて嵌合部8aを嵌合孔6dに嵌合させることでレンズ収容室6cの後部に取付けられる。インナーレンズ10は、レンズ収容室6cに収容されてLED7の後方かつアウターレンズ20の前方に配置される。レンズ本体10aは、扇形状がLED7を中心にして放射する位置に配置される。前面12は、上下の張出部6bの間に配置される。上下の張出部6bは、橋渡し部16と延出部17の近傍まで延長する。橋渡し部16及び延出部17と各張出部6bをラップさせて互いの隙間を埋めることで、ターンシグナルランプ5の内部を外方から見えない構造にできる。
【0025】
図3に示すようにターンシグナルランプ5の発光面5aを外方から見ると、外側拡散レンズ面12aと内側拡散レンズ面15を通してレンズ本体10aの奥側の物体を見ることになる。拡散された光は、外側拡散レンズ面12aと内側拡散レンズ面15を通ることになる。外側拡散レンズ面12aと内側拡散レンズ面15で2回拡散された光は、発光面5aの各領域で均一な明るさで見える。
【0026】
上述するようにターンシグナルランプ5は、
図3,4に示すようにLED7と、レンズ本体10aを具備するインナーレンズ10を有する。レンズ本体10aは、LED7の光進行方向前方に配置されてLED7からの光を放射状に拡げる。レンズ本体10aの前面12にレンズ本体10aからの光を拡散させる外側拡散レンズ面12aが形成される。レンズ本体10aは、凹設されかつ光の放射方向に対して交差する方向に延設された凹部14を有する。凹部14の前面14bまたは後面14aの少なくとも一方には、LED7からの光を外側拡散レンズ面12aに向けて拡散する内側拡散レンズ面15が設けられる。
【0027】
したがってレンズ本体10aを外方から見ると外側拡散レンズ面12aと内側拡散レンズ面15を通して奥側の物体を見ることになる。換言すると、奥側の物体を内側拡散レンズ面15と外側拡散レンズ面12aを通して2回拡散された光として見ることになる。そのため外方から見たレンズ本体10aの前面12は、一様あるいは均一に近い明るさ及び色として見える。かくしてLED7が光を発していない際においてターンシグナルランプ5の発光面5aが均一に見えることができる。
【0028】
図3に示すように凹部14は、LED7を中心とした円弧線上に延設される。したがって凹部14の各箇所におけるLED7までの距離が略同じになる。これによりレンズ本体10aを外方から見ると、凹部14より奥側の領域が概ね均一に見える。かくしてレンズ本体10aの前面12、およびターンシグナルランプ5の発光面5aがムラの少ない状態、すなわちより均一な状態に見え得る。
【0029】
図4に示すようにレンズ本体10aの厚み方向において凹部14から外れた高さにおいて凹部14の前面14bと後面14aを橋渡す橋渡し部16を有する。したがって凹部14の前方領域のレンズ本体10aと凹部14の後方領域のレンズ本体10aを橋渡し部16によって一体にできる。しかも橋渡し部16は、光が伝わる凹部14から外れた高さに設けられる。これによりレンズ本体10aの前面12の面直方向からLED7を見たとき、どの方向からも同じ断面を通ってLED7を見ることになるため、より均一に見える。
【0030】
図3に示すようにターンシグナルランプ5の光源は、LED7である。したがって照射角度の小さいLED7からの光を放射方向に拡げつつ均一に拡散させることができる。これにより消費電力の小さいLED7を利用して、例えば幅広形状の発光面5aを均一に光らせることができる。
【0031】
以上説明した本実施形態の車両用灯具には様々な変更を加えることができる。車両用灯具として車両1の後方に設けられたターンシグナルランプ5を例示した。これに代えて、例えばストップランプ、クリアランスランプ、テールランプ、車両前方のターンシグナルランプ等の車両用灯具に適用しても良い。さらに車両用灯具に限らず、例えば船舶用の灯具、室外用または室内用の照明器具等に適用しても良い。レンズ本体10aは、上述するように径方向と交差する方向に延設する1つの凹部14と1列の内側拡散レンズ面15を有する。これに代えて、例えば凹部をレンズ本体の径方向に複数列並べても良い。あるいは内側拡散レンズ面をレンズ本体の径方向に複数列並べる構成であっても良い。レンズ本体10aは、上述するように側面13と凹部14の間に凹設されていない前後方向の連結部を有する。これに代えて、例えば凹部14を側面13まで延設する構成としても良い。
【0032】
内側拡散レンズ面15は、上述するように微小な三角柱状の凹凸が所定の間隔で並列して形成される。これに代えて内側拡散レンズ面の形状を変更しても良く、例えば円弧状に張出す微小な凹凸が並列して形成されていても良い。あるいは内側拡散レンズ面の凹凸がランダムな間隔で並列して形成されていても良い。上述するように車両用灯具5は、光源としてLED7を有する。これに代えて、例えばHID(高圧水銀ランプ)等の照射角度の小さい光源を適用しても良い。
【符号の説明】
【0033】
1…車両
2…バンパ
3…ランプ部(灯具)
4…バックアップランプ(車両用灯具)、4a…発光面
5…ターンシグナルランプ(車両用灯具)、5a…発光面
6…ハウジング、6a…窓部、6b…張出部、6c…レンズ収容室、6d…嵌合孔
7…LED(光源)
8…LED保持部、8a…嵌合部
9…リフレクタ
10…インナーレンズ、10a…レンズ本体
11…後面
12…前面、12a…外側拡散レンズ面
13…側面
14…凹部、14a…後面、14b…前面、
15…内側拡散レンズ面
16…橋渡し部
17…延出部
20…アウターレンズ
21…反射板(反射部)、21a…表面