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特許7357447紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板及びその成形方法
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  • 特許-紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板及びその成形方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板及びその成形方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/28 20060101AFI20230929BHJP
   B32B 5/02 20060101ALI20230929BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20230929BHJP
   B32B 27/06 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
B32B5/28 Z
B32B5/02 B
B32B27/12
B32B27/06
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019000591
(22)【出願日】2019-01-07
(65)【公開番号】P2019162859
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】15/865,451
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チルダース, クリストファー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ボグッキ, グレッグ アール.
【審査官】福井 弘子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0023433(US,A1)
【文献】特表2013-501101(JP,A)
【文献】国際公開第2015/012238(WO,A1)
【文献】特表2013-531717(JP,A)
【文献】特開2016-216661(JP,A)
【文献】特表2013-505859(JP,A)
【文献】特開2014-069564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B29B 11/16
B29B 15/08-15/14
C08J 5/04-5/10
C08J 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板(150)であって、
熱可塑性プリプレグ材料(110)の少なくとも1つのプライと、
前記熱可塑性プリプレグ材料(110)の少なくとも1つのプライの側面上に位置決めされたポリマーフィルム(130)と
前記ポリマーフィルム(130)と前記熱可塑性プリプレグ材料(110)の少なくとも1つのプライとの間に配置された強化材料(120)の少なくとも1つのプライと
を含み、
前記ポリマーフィルム(130)、前記強化材料(120)の少なくとも1つのプライ及び前記熱可塑性プリプレグ材料(110)を統合するのに十分な、したがって、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板(150)を提供するのに十分な温度まで、前記ポリマーフィルム(130)、前記強化材料(120)の少なくとも1つのプライ及び前記熱可塑性プリプレグ材料(110)が加熱された後で、前記ポリマーフィルム(130)が、前記熱可塑性プリプレグ材料(110)に紫外線保護を与え
前記強化材料(120)の少なくとも1つのプライが、炭素繊維とガラス繊維のうちの選択された一方を含み、
前記ポリマーフィルム(130)の厚さが、約0.127mm(0.005インチ)と約0.254mm(0.010インチ)との間である、統合された熱可塑性複合材積層板(150)。
【請求項2】
前記熱可塑性プリプレグ材料(110)の少なくとも1つのプライの厚さが、約0.025mm(0.001インチ)と約0.356mm(0.014インチ)との間である、請求項1に記載の統合された熱可塑性複合材積層板(150)。
【請求項3】
前記ポリマーフィルム(130)の厚さが、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板(150)の総厚さの約0.1%と約15%との間である、請求項1又は2に記載の統合された熱可塑性複合材積層板(150)。
【請求項4】
前記ポリマーフィルム(130)の厚さが、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板(150)の総厚さの約2%と約4%との間である、請求項1からのいずれか一項に記載の統合された熱可塑性複合材積層板(150)。
【請求項5】
前記ポリマーフィルム(130)が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)のうちの選択された1つを含むポリマー成分と組み合された紫外線安定化成分を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の統合された熱可塑性複合材積層板(150)。
【請求項6】
紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板(150)を成形する方法であって、
熱可塑性プリプレグ材料(110)の少なくとも1つのプライを選択すること、
選択された前記熱可塑性プリプレグ材料(110)の少なくとも1つのプライの側面上に、強化材料(120)の少なくとも1つのプライを付けること、
前記強化材料(120)の少なくとも1つのプライ上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含むポリマーフィルム(130)を付けること、及び
前記熱可塑性プリプレグ材料(110)、付けられた前記強化材料(120)及び付けられた前記ポリマーフィルム(130)を統合して、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板(150)を提供することを含み、
前記強化材料(120)の少なくとも1つのプライが、炭素繊維とガラス繊維のうちの選択された一方を含み、
前記ポリマーフィルム(130)の厚さが、約0.127mm(0.005インチ)と約0.254mm(0.010インチ)との間である、方法。
【請求項7】
前記熱可塑性プリプレグ材料(110)の少なくとも1つのプライの反対側の側面上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含む別のポリマーフィルム(130)を付けることを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記熱可塑性プリプレグ材料、付けられた前記強化材料(120)及び付けられた前記ポリマーフィルムを統合して、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供することが、
連続圧縮成形、圧縮統合、スタンプ成形、オートクレーブ統合、及びオートクレーブ外統合のうちの1つから統合プロセスを選択することを含む、請求項又はに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、熱可塑性複合材料に関し、特に、紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板及びその成形方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性複合材積層板を製造するために熱可塑性複合材料を処理する既知の方法は、連続圧縮成形(continuous compression molding)として知られる製造方法を使用する。熱可塑性複合材積層板は、その後に、熱可塑性複合材部品へと成形され得る。この製造方法では、熱可塑性プリプレグ材料を熱可塑性複合材積層板へと統合するために、連続的なプロセスが提供される。熱可塑性複合材積層板は、単一の厚さ、複数の厚さ、又は変動する厚さを有し得る。
【0003】
熱可塑性複合材積層板を製造するために熱可塑性材料を処理する別の既知の方法は、圧縮統合(press consolidation)として知られる製造方法を使用する。それは、「静的」プロセス又は「シャトル」プロセスの何れかによって達成され得る。静的プロセスでは、熱可塑性プリプレグ材料が、加熱され、統合された熱可塑性積層板へとスマッシュされ、その後に冷却される、大きな表面面積の圧縮(press)が使用される。シャトルプロセスでは、熱可塑性プリプレグ材料が統合された熱可塑性複合材積層板へ変換される可変温度の複数の圧縮が使用される。
【0004】
両方の製造方法では、所望の特性を実現するために、統合された熱可塑性複合材積層板の冷却が制御される。統合された熱可塑性複合材積層板が未だ最終的な所望の形状でないならば、その後、積層板は最終的な所望の形状へ熱成形されて、熱可塑性複合材部品を提供し得る。熱可塑性複合材部品は、その耐用年数の間に紫外線放射に曝され得る。例えば、熱可塑性複合材部品は、航空宇宙の用途で使用される部品を含み得る。結果として、熱可塑性複合材部品は、その耐用年数の間に紫外線劣化による損傷が観察され得る。
【0005】
したがって、当業者は、航空宇宙の用途のための熱可塑性複合材部品を作るために、熱可塑性複合材料及び積層板を処理する分野での研究開発の努力を継続している。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板が提供される。紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板は、熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライを含む。紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板は、熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に位置決めされたポリマーフィルムも含む。ポリマーフィルムと熱可塑性プリプレグ材料を統合するのに十分な、したがって、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供するのに十分な温度まで、ポリマーフィルム及び熱可塑性プリプレグ材料が加熱された後で、ポリマーフィルムは、熱可塑性プリプレグ材料に紫外線保護を与える。
【0007】
別の一態様では、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を成形する方法が提供される。該方法は、熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライを選択すること、及び、選択された熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含むポリマーフィルムを付けることを含む。該方法は、熱可塑性プリプレグ材料及び付けられたポリマーフィルムを統合して、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供することも含む。
【0008】
更に別の一態様では、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材部品を成形する方法が提供される。該方法は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)のうちの選択された1つを含む、熱可塑性プリプレグ材料を選択することを含む。該方法は、カーボンブラック、二酸化チタニウム、ニッケル化合物、及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン誘導体のうちの選択された1つを含む、紫外線保護添加物を含む、ポリマーフィルムを、選択された熱可塑性プリプレグ材料の側面上に付けることも含む。該方法は、紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板を成形するのに十分な、したがって、統合された熱可塑性複合材部品を成形するのに十分な温度まで、選択された熱可塑性プリプレグ材料及び付けられたポリマーフィルムを加熱することを更に含む。
【0009】
他の態様は、以下の詳細な説明、添付の図面、及び別記の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】一実施形態による、材料プライの例示的なハイブリッドスタックの断面図である。
図1B】別の一実施形態による、材料プライの例示的なハイブリッドスタックの断面図である。
図1C図1Bの材料プライの例示的なハイブリッドスタックから成形された熱可塑性複合材積層板の斜視図である。
図2】一実施形態による、紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板を成形する例示的な方法を示すフロー図である。
図3】一実施形態による、紫外線保護を有する熱可塑性複合材部品を成形する例示的な方法を示すフロー図である。
図4】航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
図5】航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願は、紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板及びその成形方法を対象とする。特定の熱可塑性複合材積層板、成形方法、並びに積層板及び成形方法が実施される産業は、変動し得る。以下の開示は、様々な実施形態の種々の特徴を実行するための数々の実施形態又は実施例を提供するものであることを理解すべきである。本開示を簡略化するために、構成要素及び配置構成の具体例が説明される。これらは単なる例であり、限定するものではない。
【0012】
実施例のやり方で、以下の開示は、航空機のための熱可塑性複合材部品を成形するために使用される、紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板を説明する。熱可塑性複合材積層板、熱可塑性複合材積層板を成形する方法、及び熱可塑性複合材部品を成形する方法は、軍事及び宇宙の規制に従って、熱可塑性複合材積層板若しくは熱可塑性複合材部品又はそれらの両方を製造するために、相手先商標製品製造業者(OEM)によって実施され得る。
【0013】
図1Aを参照すると、一実施形態による、材料プライの例示的なハイブリッドスタック100の断面図が示されている。ハイブリッドスタック100は、熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライ、及びポリマーフィルム130を含む。熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライは、第1の主側面111と反対側の第2の主側面112とを含む。ポリマーフィルム130は、熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライの第1の主側面111と直接に接触する。
【0014】
図1Bを参照すると、別の一実施形態による、材料プライの例示的なハイブリッドスタック100の断面図が示されている。ハイブリッドスタック100は、熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライと、強化材料120の少なくとも1つのプライと、ポリマーフィルム130とを含む。熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライは、第1の主側面111と反対側の第2の主側面112とを含む。強化材料120の少なくとも1つのプライは、熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライの第1の主側面111とポリマーフィルム130との間にサンドウィッチされている。
【0015】
ポリマーフィルム130及び熱可塑性プリプレグ材料110は、ポリマーフィルム130と熱可塑性プリプレグ材料110(及びもし設けられているならば強化材料120の少なくとも1つのプライ)を統合するのに十分な温度まで加熱されて、図1Cで示されているように、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板150を提供する。簡略化及び説明目的で、図1Bの実施形態は、本明細書でより詳細に説明されることとなる。
【0016】
組成的に、単一のプライ又は複数のプライであり得る熱可塑性プリプレグ材料110は、様々な材料又は材料の組み合わせから形成することができる。ある実施形態では、熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)のうちの選択された1つを含む。
【0017】
ある実施形態では、強化材料120の少なくとも1つのプライが、カーボン繊維とガラス繊維のうちの選択された一方を含む。他の強化材料も可能である。
【0018】
ある実施形態では、ポリマーフィルム130が、例として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)のうちの少なくとも1つを含むポリマー成分と組み合された、紫外線安定化成分を含む。他のポリマー成分も可能である。ある実施形態では、紫外線安定化成分が、カーボンブラック、二酸化チタニウム、ニッケル化合物、及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン誘導体のうちの選択された1つを含む。他の紫外線安定化成分も可能である。
【0019】
ある実施形態では、ポリマーフィルム130が、任意選択的な強化構成要素を含む。それは、図1Bで(及び図1Aでも)実線132で概略的に示されている。ある実施形態では、任意選択的な強化材料132が、カーボン繊維とガラス繊維のうちの選択された一方を含む。強化構成要素の他の材料も可能である。
【0020】
ある実施形態では、ポリマーフィルム130の厚さ「X」が、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板150の総厚さの約0.1%と約15%との間である。ある実施形態では、ポリマーフィルム130の厚さXが、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板150の総厚さの約2%と約4%との間である。
【0021】
ある実施形態では、ポリマーフィルム130の厚さXが、約0.005インチと約0.010インチとの間である。ある実施形態では、熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライの厚さ「Y」が、約0.001インチと約0.014インチとの間である。
【0022】
熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライ、強化材料120の少なくとも1つのプライ、及びポリマーフィルム130は、統合された熱可塑性積層板150(図1C)へと成形され得る、多層ハイブリッドスタック100(図1B)を形成する。多層ハイブリッドスタック100は、3つのプライ(すなわち、熱可塑性プリプレグ材料110、強化材料120、及びポリマーフィルム130)を有するように示され説明されているが、熱可塑性プリプレグ材料110の第2の主側面112の側面上に位置決めされる、1以上の更なる熱可塑性プリプレグ材料のプライ、1以上の更なる強化材料のプライ、及び/又は更なるポリマーフィルムのプライなどの、更なるプライが、本開示の範囲から逸脱することなしに、図1Bの多層ハイブリッドスタック100内に含まれ得る。
【0023】
当業者は、熱可塑性複合材積層板150を成形するために使用されるハイブリッドスタック100の一部分だけが図1Cで示されていることを理解するだろう。ハイブリッドスタック100の全体のサイズ及び形状は、最終的な用途に応じ得る。例えば、開示されるハイブリッドスタック100は、航空機の部品として使用される熱可塑性複合材積層板を成形するために使用され、したがって、適切にサイズ決定され、形作られ、輪郭を決められ得る。更に、ハイブリッドスタック100は、実質的に平坦な構造として図1で示されているが、平坦ではないハイブリッドスタックも考慮されている。
【0024】
熱可塑性プリプレグ材料110、強化材料120、及びポリマーフィルム130のハイブリッドスタック100が統合された後で、図1Cで示されている紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板150が設けられる。それは、紫外線劣化による損傷に耐える能力が高い。統合後に、ポリマーフィルム130は、結果としての熱可塑性複合材積層板150から視覚で区別することができない。ポリマーフィルム130の用途は、紫外線保護だけではなく、他の利益も提供する。例えば、ポリマーフィルム130は(熱可塑性プリプレグ材料110と統合された後で)、下塗り及び/又は塗装が容易に付けられ得るところのポリマーに富んだ表面を提供する。更に、ポリマーに富んだ表面は、より低い融点を有する。それは、熱溶接を可能にする。
【0025】
別の一実施例として、強化材料120は、無機充填材料を含み得る。無機充填材料は、製造される結果としての熱可塑性複合材積層板150を、水、ガス、及び有機分子が浸透しにくいものとする。これは、無機充填材料が、水、ガス、及び有機分子が、熱可塑性複合材積層板150に浸透するために、その周りを移動しなければならないところの、隆起性の通路を提供するからである。更に、強化材料120は、選択される無機充填材料の特定の種類に応じて、電気的絶縁層として作用し得る。電気的絶縁の特徴は、ある用途では有利であり得る。例えば、本明細書で開示される熱可塑性複合材積層板150を有する航空機のパネルを作ることによって、航空機のパネル上で、接触する金属部品とのガルバニック腐食を妨げるための外側の繊維ガラス層の必要性を除去し得る。
【0026】
熱可塑性プリプレグ材料110の少なくとも1つのプライの材料とポリマーフィルム130の材料とは、各々、熱可塑性複合材積層板150の特定の用途に応じて、熱可塑性複合材積層板150内で紫外線によって誘起される応力を低減させるように、選択され適合され得る。
【0027】
以下の実施例は、一実施形態による、複合材積層板を熱可塑性成形する方法を示している。例示的な熱可塑性成形する方法は、説明を意図したものであり、本発明の範囲を限定するものでは全くない。
【0028】
図2を参照すると、一実施形態による、紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板を成形する例示的な方法を示すフロー図200が示されている。本明細書で開示される熱可塑性成形方法200は、例えば、FAAの規制(regulation)に従って採用され得る。熱可塑性複合材積層板を成形するためのFAAの規制の仕様は、既知であり、したがって、説明されない。
【0029】
ブロック210では、熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライが選択される。任意選択的に、ブロック215で示されているように、強化材料の少なくとも1つのプライが、選択された熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に付けられる。その後、ブロック220では、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含むポリマーフィルムが、選択された熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に付けられる。該プロセスは、ブロック230へ進み、熱可塑性プリプレグ材料と付けられたポリマーフィルムとが統合されて、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供する。ポリマーの鎖の絡み合い(polymer chain entanglement)により、ポリマーフィルムと熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライとの間に良好な接着性が存在する。その後、該プロセスは終了する。
【0030】
ある実施形態では、熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含むポリマーフィルムを付けることが、カーボンブラック、二酸化チタニウム、ニッケル化合物、及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン誘導体のうちの選択された1つを含む、紫外線保護添加物を選択することを含む。
【0031】
ある実施形態では、該方法は、熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの反対側の側面上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含む別のポリマーフィルムを付けることを更に含む。
【0032】
ある実施形態では、熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライを選択することが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)のうちの選択された1つを含む、ポリマーマトリックスを選択することを含む。
【0033】
ある実施形態では、熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含むポリマーフィルムを付けることが、選択されたポリマーマトリックスの融解温度に対応した(compatible with)紫外線安定化成分を選択することを含む。
【0034】
ある実施形態では、熱可塑性プリプレグ材料と付けられたポリマーフィルムとを統合して、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供することが、選択されたポリマーマトリックスの少なくとも融解温度までポリマーマトリックスを加熱することを含む。
【0035】
ある実施形態では、熱可塑性プリプレグ材料と付けられたポリマーフィルムとを統合して、紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供することが、連続圧縮成形、圧縮統合、スタンプ成形、オートクレーブ統合(autoclave consolidation)、及びオートクレーブ外統合(out-of-autoclave consolidation)のうちの1つから、統合プロセスを選択することを含む。
【0036】
上述された実施例の熱可塑性成形方法は、熱可塑性複合材積層板150を作るために適した製造システム又は装置を使用して実行され得る。熱可塑性複合材積層板を作るための数多くの製造システム又は装置は、既知であり、したがって、説明されない。
【0037】
図3を参照すると、一実施形態による、紫外線保護を有する熱可塑性複合材部品を成形する例示的な方法を示すフロー図300が示されている。本明細書で開示される熱可塑性成形方法300は、例えば、軍事及び宇宙の規制に従って採用され得る。
【0038】
ブロック310では、熱可塑性プリプレグ材料が選択される。選択される熱可塑性プリプレグ材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)のうちの選択された1つを含む。任意選択的に、ブロック315で示されているように、強化材料の少なくとも1つのプライが、選択された熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に付けられる。その後、ブロック320では、ポリマーフィルムが、選択された熱可塑性プリプレグ材料の側面上に付けられる。ポリマーフィルムは、カーボンブラック、二酸化チタニウム、ニッケル化合物、及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン誘導体のうちの選択された1つを含む、紫外線保護添加物を含む。その後、該プロセスは、ブロック330へ進み、紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板を成形するのに十分な、したがって、統合された熱可塑性複合材部品を成形するのに十分な温度まで、選択された熱可塑性プリプレグ材料及び付けられたポリマーフィルムが加熱される。その後、該プロセスは終了する。
【0039】
ある実施形態では、該方法が、熱可塑性複合材積層板を加熱して、紫外線保護を有する熱可塑性複合材部品の所望の形状を形成することを更に含む。
【0040】
ある実施形態では、紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板を成形するのに十分な、したがって、統合された熱可塑性複合材部品を成形するのに十分な温度まで、選択された熱可塑性プリプレグ材料及び付けられたポリマーフィルムを加熱することが、熱可塑性プリプレグ材料を溶かすために、摂氏約200度と摂氏約400度との間の温度まで、選択された熱可塑性プリプレグ材料及び付けられたポリマーフィルムを加熱することを含む。
【0041】
ある実施形態では、該方法が、選択された熱可塑性プリプレグ材料の側面上に選択されたポリマーフィルムを付ける前に、ポリマーフィルムに強化材料を追加することを更に含む。一実施例として、強化材料は、ポリマーフィルムの部分として形成され得る。
【0042】
本開示の実施例は、図4に示した航空機の製造及び保守方法1000、並びに図5に示した航空機1002に照らして説明することができる。製造前の段階では、例示的な方法1000は、ブロック1004で示した航空機1002の仕様及び設計と、ブロック1006で示した材料の調達とを含み得る。製造段階では、ブロック1008で示した航空機1002の構成要素及びサブアセンブリの製造と、ブロック1010で示したシステムインテグレーションとが行われる。その後、航空機1002はブロック1012で示した認可及び納品を経て、ブロック1014で示した運航に供される。運航期間中、航空機1002には、ブロック1016に示す定期的な整備及び保守が予定され得る。定期的な整備及び保守は、航空機1002の1以上のシステムの改変、再構成、改修などを含み得る。
【0043】
例示的な方法1000のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例:顧客)によって実行又は実施され得る。この明細書の解釈上、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含み得るがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されず、且つ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであり得る。
【0044】
図5に示されるように、例示的な方法1000(図4)によって製造された航空機1002は、複数の高レベルのシステム1020及び内装1022を有する機体1018を含むことができる。高レベルのシステム1020の例には、推進システム1024、電気システム1026、油圧システム1028、及び環境システム1030のうちの1以上が含まれ得る。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。本明細書で示され又は説明される熱可塑性複合材積層板及び熱可塑性成形方法は、これらのシステムの任意の組み合わせで採用され得る。
【0045】
更に、本明細書で示され又は説明される熱可塑性複合材積層板及び熱可塑性成形方法は、製造及び保守方法1000の任意の1以上の段階で採用することができる。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1008)に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機1002の運航(ブロック1014)期間中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の様態で製作又は製造され得る。更に、熱可塑性複合材積層板と熱可塑性成形方法、又はそれらの組み合わせのうちのうちの1以上の実施例は、製造段階(ブロック1010及び1012)中に利用され得る。同様に、熱可塑性複合材積層板と熱可塑性成形方法、又はそれらの組み合わせのうちの1以上の実施例は、例えば、限定しないが、航空機1002の運航(ブロック1014)中に、且つ整備及び保守段階(ブロック1016)で利用され得る。
【0046】
上述の例示的な方法に従って製造される紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板は、任意の種類の用途に適していることが明らかである。紫外線保護を有する熱可塑性複合材積層板は、紫外線放射に曝され、その耐用年数の間に紫外線劣化の損傷を被る、航空機の部品を製造するために使用されるときに、殊に有利である。例示的な航空機の部品は、胴体、主翼、尾部、ナセルなどを含むが、それらに限定されるものではない。紫外線保護は、航空機の部品の紫外線によって誘起される応力を低減させる。そのようにして、航空機の部品は、低減された応力でより高い温度で動作することができる。その結果は、航空機の部品が頻繁に交換される必要がないということである。これは、保守及び整備のコストを低くする。
【0047】
航空宇宙産業の例を示しているが、本明細書で開示されている原理は、自動車産業、海洋産業、及び建設産業などの他の産業にも適用され得る。したがって、本明細書で開示されている原理は、航空機1002に加えて、(例えば、陸上輸送体、海洋輸送体、宇宙輸送体などの)他の輸送体、更には他の種類の構造にも適用され得る。
【0048】
更に、上述の説明は、例示的な熱可塑性複合材積層板、熱可塑性複合材積層板を成形する例示的な方法、並びに軍事及び宇宙の規制に従ってOEM用の熱可塑性複合材部品を成形する例示的な方法を説明しているが、例示的な熱可塑性複合材積層板、例示的な熱可塑性複合材部品、及び成形方法は、適用可能な産業の基準に従って任意の産業において実施可能であると考えられ得る。
【0049】
更に、本発明は、以下の条項による実施形態を含む。
条項1
紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板であって、
熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライと、
前記熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に位置決めされたポリマーフィルムとを含み、
前記ポリマーフィルムと前記熱可塑性プリプレグ材料を統合するのに十分な、したがって、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供するのに十分な温度まで、前記ポリマーフィルム及び前記熱可塑性プリプレグ材料が加熱された後で、前記ポリマーフィルムが、前記熱可塑性プリプレグ材料に紫外線保護を与える、統合された熱可塑性複合材積層板。
条項2
前記ポリマーフィルムの厚さが、約0.005インチと約0.010インチとの間である、条項1に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項3
前記熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの厚さが、約0.001インチと約0.014インチとの間である、条項2に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項4
前記ポリマーフィルムの厚さが、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板の総厚さの約0.1%と約15%との間である、条項1に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項5
前記ポリマーフィルムの前記厚さが、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板の総厚さの約2%と約4%との間である、条項4に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項6
前記ポリマーフィルムが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)のうちの選択された1つを含むポリマー成分と組み合された紫外線安定化成分を含む、条項1に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項7
前記紫外線安定化成分が、カーボンブラック、二酸化チタニウム、ニッケル化合物、及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン誘導体のうちの選択された1つを含む、条項6に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項8
前記ポリマーフィルムが、強化構成要素を含む、条項7に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項9
前記強化構成要素が、カーボンブラックとガラス繊維のうちの選択された一方を含む、条項8に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項10
前記ポリマーフィルムと前記熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライとの間に配置された強化材料の少なくとも1つのプライを更に含む、条項1に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項11
前記強化材料の少なくとも1つのプライが、カーボンブラックとガラス繊維のうちの選択された一方を含む、条項10に記載の統合された熱可塑性複合材積層板。
条項12
条項1に記載の統合された熱可塑性複合材積層板を使用して製造された熱可塑性複合材部品。
条項13
紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を成形する方法であって、
熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライを選択すること、
選択された前記熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含むポリマーフィルムを付けること、及び
前記熱可塑性プリプレグ材料と付けられた前記ポリマーフィルムを統合して、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供することを含む、方法。
条項14
前記選択された熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含むポリマーフィルムを付けることが、
カーボンブラック、二酸化チタニウム、ニッケル化合物、及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン誘導体のうちの選択された1つを含む、紫外線保護添加物を選択することを含む、条項13に記載の方法。
条項15
前記熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの反対側の側面上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含む別のポリマーフィルムを付けることを更に含む、条項13に記載の方法。
条項16
前記熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライを選択することが、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)のうちの選択された1つを含む、ポリマーマトリックスを選択することを含む、条項13に記載の方法。
条項17
前記選択された熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に、ポリマー成分と紫外線安定化成分を含むポリマーフィルムを付けることが、
前記選択されたポリマーマトリックスの融解温度に対応した紫外線安定化成分を選択することを含む、条項16に記載の方法。
条項18
前記熱可塑性プリプレグ材料と前記付けられたポリマーフィルムを統合して、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供することが、
少なくとも前記選択されたポリマーマトリックスの前記融解温度まで、前記ポリマーマトリックスを加熱することを含む、条項17に記載の方法。
条項19
前記熱可塑性プリプレグ材料と前記付けられたポリマーフィルムを統合して、前記紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を提供することが、
連続圧縮成形、圧縮統合、スタンプ成形、オートクレーブ統合、及びオートクレーブ外統合のうちの1つから統合プロセスを選択することを含む、条項18に記載の方法。
条項20
紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材部品を成形する方法であって、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)のうちの選択された1つを含む、熱可塑性プリプレグ材料を選択すること、
選択された前記熱可塑性プリプレグ材料の少なくとも1つのプライの側面上に、カーボンブラック、二酸化チタニウム、ニッケル化合物、及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン誘導体のうちの選択された1つを含む、紫外線保護添加物を含む、ポリマーフィルムを付けること、並びに
紫外線保護を有する統合された熱可塑性複合材積層板を成形するのに十分な、したがって、統合された熱可塑性複合材部品を成形するのに十分な温度まで、前記選択された熱可塑性プリプレグ材料及び付けられた前記ポリマーフィルムを加熱することを含む、方法。
条項21
前記熱可塑性複合材積層板を加熱して、紫外線保護を有する前記熱可塑性複合材部品の所望の形状を形成することを更に含む、条項20に記載の方法。
条項22
前記選択された熱可塑性プリプレグ材料の側面上に、選択された前記ポリマーフィルムを付ける前に、前記ポリマーフィルムに強化材料を追加することを更に含む、条項20に記載の方法。
【0050】
開示されている熱可塑性複合材積層板及び成形方法の様々な実施形態が示され説明されたが、当業者は、本明細書を読むことで変形例を想起し得る。本出願は、かかる変形例を含み、且つ、特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5