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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】殺菌処理方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/06 20060101AFI20230929BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20230929BHJP
   B65D 81/20 20060101ALI20230929BHJP
   B65B 55/04 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
B65B55/06 C
B65D77/20 C
B65D81/20 F
B65B55/04 H
B65B55/04 S
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019223896
(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公開番号】P2021091458
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000152480
【氏名又は名称】株式会社日阪製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】浜田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】今村 恵
(72)【発明者】
【氏名】堤 隆一
(72)【発明者】
【氏名】御船 和徳
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-118004(JP,A)
【文献】実開昭54-162502(JP,U)
【文献】特開2015-213483(JP,A)
【文献】特開平02-042964(JP,A)
【文献】特開2009-120247(JP,A)
【文献】特開2006-248544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/04
B65B 55/06
B65B 55/14
A23L 3/00
A23L 3/02
A23L 3/10
A23L 3/16
B65D 77/20
B65D 81/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に収容された内容物を殺菌用ガスによって殺菌処理する殺菌処理方法であって、
前記容器本体は、上方に開口を有する収容部と、前記収容部の開口縁から外向きに延びるフランジ部であって、前記開口を覆う蓋部材と一次シール工程においてシールされる一次シール予定領域と、前記蓋部材と二次シール工程においてシールされることで内容物が完全に封止される二次シール予定領域と、上面が該フランジ部の上面のうち最も上方に位置するフランジ上部と、上面が該フランジ上部の上面よりも下方に位置するフランジ下部と、前記一次シール予定領域よりも内側に位置し前記フランジ部を貫通する貫通孔が設けられる貫通予定領域と、を有するフランジ部と、を備えており、
前記殺菌処理方法は、
前記収容部に内容物を収容する収容工程と
前記フランジ部の貫通予定領域に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記蓋部材と前記一次シール予定領域とをシールする一次シール工程と、
前記内容物を殺菌用ガスに晒すことで殺菌する殺菌工程と、
前記蓋部材と前記フランジ部の二次シール予定領域とをシールする二次シール工程と、を備えており、
前記一次シール工程では、前記フランジ上部によって支持された前記蓋部材と前記フランジ下部との間に外部と前記収容部内との間で気体が流通可能に形成される流通路が形成され、
前記殺菌工程では、該流通路を介して前記収容部内に殺菌用ガスを流通させ、
前記二次シール工程では、前記蓋部材と前記二次シール予定領域とがシールされることにより前記流通路を閉塞して内容物を完全に封止する、
ことを特徴とする殺菌処理方法。
【請求項2】
前記貫通孔形成工程では、前記貫通予定領域の一部に裂け目を形成することにより、前記貫通孔は形成される、請求項1に記載の殺菌処理方法。
【請求項3】
前記貫通予定領域は、上方に向けて膨出した湾曲面を有しており、
前記湾曲面の上端が、前記フランジ上部を構成している、請求項2に記載の殺菌処理方法。
【請求項4】
前記貫通予定領域は、下方に凹んだ凹部であり、前記貫通孔形成工程では、前記裂け目が該凹部内に形成される、請求項2に記載の殺菌処理方法。
【請求項5】
前記フランジ部が、前記収容部の開口縁の全周に設けられ、
前記貫通予定領域は複数設けられるとともに、前記収容部を挟む対向位置に配置されている、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の殺菌処理方法。
【請求項6】
容器本体に収容された内容物を殺菌用ガスによって殺菌処理する殺菌処理方法であって、
前記容器本体は、上方に開口を有する収容部と、前記収容部の開口縁から外向きに延びるフランジ部であって、前記開口を覆う蓋部材と一次シール工程においてシールされる一次シール予定領域と、前記蓋部材と二次シール工程においてシールされることで内容物が完全に封止される二次シール予定領域とを備えており、
前記殺菌処理方法は、
前記収容部に内容物を収容する収容工程と、
前記蓋部材と前記一次シール予定領域とをシールする一次シール工程と、
前記内容物を殺菌用ガスに晒すことで殺菌する殺菌工程と、
前記蓋部材と前記フランジ部の二次シール予定領域とをシールする二次シール工程と、を備えており、
前記一次シール工程では、前記蓋部材と前記フランジ部との間に外部と前記収容部内との間で気体が流通可能に形成される流通路が形成され、
前記殺菌工程では、該流通路を介して前記収容部内に殺菌用ガスを流通させ、
前記二次シール工程では、前記蓋部材と前記二次シール予定領域とがシールされることにより前記流通路を閉塞して内容物を完全に封止し、
前記殺菌処理方法は、
前記一次シール工程よりも前に、前記フランジ部の前記一次シール予定領域よりも内側に前記フランジ部を貫通する貫通孔であって、前記流通路の一部となるように構成されている貫通孔を形成する貫通孔形成工程を備える、ことを特徴とする殺菌処理方法。
【請求項7】
前記貫通孔形成工程では、前記フランジ部の一部に裂け目を形成することにより、前記貫通孔は形成されている、請求項に記載の殺菌処理方法。
【請求項8】
前記フランジ部は、前記裂け目を境界として前記フランジ部の一部が上方に向けて変形されることによって形成されるフランジ上部を有し、
前記一次シール工程では、前記フランジ上部により支持される前記蓋部材と前記フランジ部との間に前記流通路が形成される、請求項に記載の殺菌処理方法。
【請求項9】
前記上方に向けて変形される前記フランジ部の一部が、上方に向けて膨出した湾曲面を有する、請求項に記載の殺菌処理方法。
【請求項10】
前記フランジ部は、上面が該フランジ部の上面のうち最も上方に位置するフランジ上部を有し、
前記一次シール工程では、前記フランジ上部により支持される前記蓋部材と前記フランジ部との間に前記流通路が形成される、請求項6又は請求項に記載の殺菌処理方法。
【請求項11】
前記フランジ部が、前記収容部の開口縁の全周に設けられ、
前記貫通孔は複数設けられるとともに、前記収容部を挟む対向位置に配置されている、請求項~請求項10のいずれか1項に記載の殺菌処理方法。
【請求項12】
前記一次シール予定領域の上面は、前記フランジ部の上面のうち最も上方に位置し、
前記二次シール予定領域の上面は、前記一次シール予定領域の上面よりも下方に位置し、
前記フランジ部は、前記蓋部材と前記一次シール予定領域とがシールされた際に、前記二次シール予定領域の上面と前記蓋部材の下面との間に隙間が形成されるように構成され、
前記隙間が、前記流通路の一部となるように構成されている、請求項に記載の殺菌処理方法。
【請求項13】
さらに、前記流通路を介して前記収容部内に不活性ガスを供給するガス置換工程を備える、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の殺菌処理方法。
【請求項14】
さらに、前記流通路を介して前記収容部内に不活性ガスを供給するガス置換工程を備える、ガス置換工程を備え、
前記ガス置換工程において、前記貫通孔より不活性ガスを供給する、請求項1~請求項12のうちいずれか1項に記載の殺菌処理方法。
【請求項15】
前記二次シール工程では、前記容器本体の載置される金型が用いられ、
前記ガス置換工程では、該金型に設けられたガス供給路を介して前記不活性ガスが前記収容部内に供給される、請求項14に記載の殺菌処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌処理方法に関し、例えば惣菜などの食品を内容物として包装し殺菌処理する際に好適に使用し得る殺菌処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
包装食品には、食品工場等で調理・加工された食品が開口を有する容器内に収容され、該容器にトップシートやかぶせ蓋をした状態で流通されるものがある。しかし、トップシートやかぶせ蓋を用いた包装食品は、完全に密封されたものではないため、外気が容器内へ侵入する可能性がある。従って、これらの包装食品の日持ちは概ね1~2日と非常に短く、廃棄ロス率が非常に高い(製品歩留まりが悪い)という問題がある。
【0003】
最近、このような包装食品として、容器と蓋とがヒートシールされるなど容器内が完全に密封されて日持ちを延ばした包装食品が流通するようになっている。中には、冷蔵保存することで日持ちが2週間を超える包装食品もある。
【0004】
しかしながら、ヒートシール等で容器を密封することで外部からの細菌の浸入を防ぐことはできても、成形容器の内部は完全無菌の状態ではない。従って、流通過程において環境が変化することで容器内の細菌が繁殖する可能性は十分に考えられる。そのため、日持ちをさらに長くするためには、食品工場での作業環境をできるだけ無菌状態に近づけるべく、清浄度を厳しく管理することが要求される。従来、食品を容器に収容した状態で加熱殺菌した後、クリーンルーム(無菌室)内で該容器本体を蓋部材で密閉する方法が提案されており(特許文献1)、例えば、調理・加工された食品を取り扱う作業環境の清浄度は、NASA規格クリーンルームの10000あるいは1000レベルといったハイレベルまで管理される場合もある。しかし、このようなクリーンルームを導入する場合、空調設備の設置やその維持管理には多大なコストがかかるという問題がある。
【0005】
また、食品以外にも、製品として市場に流通させる前に殺菌処理すべき対象物が種々存在し、それらの対象物を効率良く殺菌処理することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平9-9937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、包装容器内に収容した内容物を殺菌処理する際に好適に使用し得る殺菌処理方法を提供することを課題とし、例えば、内容物の一例である食品の殺菌処理に好適に使用され、食品の品質保持期間を長くしうる殺菌処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る殺菌処理方法は、容器本体に収容された内容物を殺菌用ガスによって殺菌処理する殺菌処理方法であって、前記容器本体は、上方に開口を有する収容部と、前記収容部の開口縁から外向きに延びるフランジ部であって、前記開口を覆う蓋部材と一次シール工程においてシールされる一次シール予定領域と、前記蓋部材と二次シール工程においてシールされることで内容物が完全に封止される二次シール予定領域と、上面が該フランジ部の上面のうち最も上方に位置するフランジ上部と、上面が該フランジ上部の上面よりも下方に位置するフランジ下部と、前記一次シール予定領域よりも内側に位置し前記フランジ部を貫通する貫通孔が設けられる貫通予定領域と、を有するフランジ部と、を備えており、前記殺菌処理方法は、前記収容部に内容物を収容する収容工程と前記フランジ部の貫通予定領域に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記蓋部材と前記一次シール予定領域とをシールする一次シール工程と、前記内容物を殺菌用ガスに晒すことで殺菌する殺菌工程と、前記蓋部材と前記フランジ部の二次シール予定領域とをシールする二次シール工程と、を備えており、前記一次シール工程では、前記フランジ上部によって支持された前記蓋部材と前記フランジ下部との間に外部と前記収容部内との間で気体が流通可能に形成される流通路が形成され、前記殺菌工程では、該流通路を介して前記収容部内に殺菌用ガスを流通させ、前記二次シール工程では、前記蓋部材と前記二次シール予定領域とがシールされることにより前記流通路を閉塞して内容物を完全に封止する、ことを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、殺菌工程から二次シール工程までの間、収容部内は流通路を介してのみ外界と流通するだけであるため、収容部内に細菌等が侵入する機会が大幅に低減される、従って、クリーンルームのような大掛かりな設備を導入しなくとも収容部内に細菌が侵入することを効果的に防止して、賞味期限や消費期限が十分に長い包装容器を提供できる。また、二次シール予定領域が蓋部材とシールされることで流通路が閉塞されるように構成されているので、蓋部材とのシールにより、包装容器が内容物を完全に封止できるため、容器本体及び蓋部材以外の部材を使用しなくても内容物を封止できる。
【0010】
また、前記殺菌処理方法の前記貫通孔形成工程では、前記貫通予定領域の一部に裂け目を形成することにより、前記貫通孔は形成されてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、貫通予定領域に貫通孔を形成した際にフランジ部の一部が破断してフランジ部の破片が生じることがない。よって、収容部内にフランジ部の破片が混入することを防止できる。
【0012】
また、前記殺菌処理方法では、前記貫通予定領域は、上方に向けて膨出した湾曲面を有しており、前記湾曲面の上端が、前記フランジ上部を構成してもよい。
【0013】
かかる構成によれば、一次シール予定領域と蓋部材とがシールされると、前記湾曲面が蓋部材を傷つけることなく支持可能である。
【0014】
また、前記貫通予定領域は、下方に凹んだ凹部であり、前記貫通孔形成工程では、前記裂け目が該凹部内に形成されてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、貫通孔を形成する際に、下方に凹んだ貫通予定領域を上方から穿孔することで、貫通予定領域の穿孔された部位が、フランジ部の他の領域よりも下方に向いたまま保持されやすく、よって、この部位により貫通孔が閉塞されることを防ぐことができる。
【0016】
また、前記殺菌処理方法では、前記フランジ部が、前記収容部の開口縁の全周に設けられ、前記貫通予定領域は複数設けられるとともに、前記収容部を挟む対向位置に配置されてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、収容部を挟む対向位置に貫通予定領域が配置されているため、この位置に貫通孔を設けると、貫通孔を介して収容部の両側から殺菌用ガスを流通させることにより、食品の加熱むらを抑制できる。
【0018】
本発明の別の殺菌処理方法は、容器本体に収容された内容物を殺菌用ガスによって殺菌処理する殺菌処理方法であって、前記容器本体は、上方に開口を有する収容部と、前記収容部の開口縁から外向きに延びるフランジ部であって、前記開口を覆う蓋部材と一次シール工程においてシールされる一次シール予定領域と、前記蓋部材と二次シール工程においてシールされることで内容物が完全に封止される二次シール予定領域とを備えており、前記殺菌処理方法は、前記収容部に内容物を収容する収容工程と、前記蓋部材と前記一次シール予定領域とをシールする一次シール工程と、前記内容物を殺菌用ガスに晒すことで殺菌する殺菌工程と、前記蓋部材と前記フランジ部の二次シール予定領域とをシールする二次シール工程と、を備えており、前記一次シール工程では、前記蓋部材と前記フランジ部との間に外部と前記収容部内との間で気体が流通可能に形成される流通路が形成され、前記殺菌工程では、該流通路を介して前記収容部内に殺菌用ガスを流通させ、前記二次シール工程では、前記蓋部材と前記二次シール予定領域とがシールされることにより前記流通路を閉塞して内容物を完全に封止する、ことを特徴とする。
【0019】
かかる構成によれば、殺菌工程から二次シール工程までの間、収容部内は流通路を介してのみ外界と流通するだけであるため、収容部内に細菌等が侵入する機会が大幅に低減される、従って、クリーンルームのような大掛かりな設備を導入しなくとも収容部内に細菌が侵入することを効果的に防止して、賞味期限や消費期限が十分に長い包装容器を提供できる。また、二次シール予定領域が蓋部材とシールされることで流通路が閉塞されるように構成されているので、蓋部材とのシールにより、包装容器が食品を完全に封止できるため、容器本体及び蓋部材以外の部材を使用しなくても内容物を封止できる。
【0020】
また、前記殺菌処理方法において、前記一次シール工程よりも前に、前記フランジ部の前記一次シール予定領域よりも内側に前記フランジ部を貫通する貫通孔であって、前記流通路の一部となるように構成されている貫通孔を形成する貫通孔形成工程を備えてもよい。
【0021】
かかる構成によれば、一次シール工程後の状態において、殺菌用ガスがフランジ部の下方から流通路の一部となる前記貫通孔を介して収容部内まで流通することで、収容部内の食品の殺菌が可能である。
【0022】
さらに、前記殺菌処理方法の前記貫通孔形成工程では、前記フランジ部の一部に裂け目を形成することにより、前記貫通孔は形成されてもよい。
【0023】
かかる構成によれば、貫通孔を設ける際にフランジ部の一部が破断することがなくフランジ部の破片が生じることがない。よって、収容部内にフランジ部の破片が混入することを防止できる。
【0024】
また、前記殺菌処理方法では、前記フランジ部は、前記裂け目を境界として前記フランジ部の一部が上方に向けて変形されることによって形成されるフランジ上部を有し、前記一次シール工程では、前記フランジ上部により支持される前記蓋部材と前記フランジ部との間に前記流通路が形成されてもよい。
【0025】
かかる構成によれば、フランジ部に裂け目を形成することにより貫通孔とフランジ上部とを同時に形成できる。
【0026】
さらに、前記殺菌処理方法では、前記上方に向けて変形される前記フランジ部の一部が、上方に向けて膨出した湾曲面を有していてもよい。
【0027】
かかる構成によれば、一次シール予定領域と蓋部材とがシールされると、前記湾曲面が蓋部材を傷つけることなく支持可能である。
【0028】
また、前記殺菌処理方法では、前記フランジ部は、上面が該フランジ部の上面のうち最も上方に位置するフランジ上部を有し、前記一次シール工程では、前記フランジ上部により支持される前記蓋部材と前記フランジ部との間に前記流通路が形成されてもよい。
【0029】
かかる構成によれば、一次シール工程を行ってから二次シール工程が行われるまでの間、即ち、内容物を殺菌する際に、前記フランジ上部により蓋部材が支持されるため、形成された流通路を介して収容部内により確実に殺菌用ガスを流通させることができる。
【0030】
また、前記殺菌処理方法では、前記フランジ部が、前記収容部の開口縁の全周に設けられ、前記貫通孔は複数設けられるとともに、前記収容部を挟む対向位置に配置されてもよい。
【0031】
かかる構成によれば、収容部を挟んで配置された貫通孔を介して、収容部の両側から殺菌用ガスを流通させることにより、食品の加熱むらを抑制できる。
【0032】
また、前記殺菌処理方法では、前記一次シール予定領域の上面は、前記フランジ部の上面のうち最も上方に位置し、前記二次シール予定領域の上面は、前記一次シール予定領域の上面よりも下方に位置し、前記フランジ部は、前記蓋部材と前記一次シール予定領域とがシールされた際に、前記二次シール予定領域の上面と前記蓋部材の下面との間に隙間が形成されるように構成され、前記隙間が、前記流通路の一部となるように構成されてもよい。
【0033】
かかる構成によれば、一次シール工程を行ってから二次シール工程が行われるまでの間、即ち、食品を殺菌する際に、二次シール予定領域の上面よりも一次シール予定領域の上面が上方に位置することから、一次シール予定領域が流通路の一部となる前記隙間を保持するため、一次シール予定領域は隙間が閉塞されない状態を確実に維持して、貫通孔を介して収容部内に殺菌用ガスを流通させることができる。
【0034】
また、前記殺菌処理方法は、さらに、前記流通路を介して前記収容部内に不活性ガスを供給するガス置換工程を備えてもよい。
【0035】
かかる構成によれば、不活性ガスにより収容部内から空気を排出ことにより、殺菌された内容物を長期にわたって品質保持可能である。
【0036】
また、前記殺菌処理方法は、さらに、前記流通路を介して前記収容部内に不活性ガスを供給するガス置換工程を備え、前記ガス置換工程において、前記貫通孔より不活性ガスを供給してもよい。
【0037】
かかる構成によれば、殺菌用ガスを供給する貫通孔が、不活性ガスを供給する部位を兼ねるため、殺菌工程後の包装容器に対してガス置換工程を容易に行うことができる。
【0038】
また、前記殺菌処理方法の前記二次シール工程では、前記容器本体の載置される金型が用いられ、前記ガス置換工程では、該金型に設けられたガス供給路を介して前記不活性ガスが前記収容部内に供給されてもよい。
【0039】
かかる構成によれば、二次シール工程後の金型に載置された包装容器に対してガス置換工程を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0040】
以上より、本発明によれば、内容物を殺菌処理する際に好適に使用でき、殺菌された内容物を長期にわたって品質保持可能な殺菌処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明の殺菌処理方法で用いられる包装容器の一実施形態に係る模式図であり、図1(a)は前記包装容器の平面図であり、図1(b)は前記包装容器の側面図である。
図2図2は、図1のII-II位置における断面図である。
図3図3は、前記殺菌処理方法における各工程を示す図である。
図4図4は、前記包装容器の貫通孔形成工程及び食品収容工程後の模式図であり、図4(a)は前記包装容器の平面図であり、図4(b)は前記包装容器の側面図である。
図5図5は、図4のV-V位置における断面図である。
図6図6は、前記包装容器の一次シール工程後の模式図であり、図6(a)は前記包装容器の平面図であり、図6(b)は前記包装容器の側面図である。
図7図7は、図6のVII-VII位置における断面図である。
図8図8は、前記包装容器の二次シール工程後の模式図であり、図8(a)は前記包装容器の平面図であり、図8(b)は前記包装容器の側面図である。
図9図9は、図8のIX-IX位置における断面図である。
図10図10は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る模式図であり、図10(a)は前記包装容器の平面図であり、図10(b)は図10(a)のX-X位置における断面図である。
図11図11は、前記包装容器の貫通孔形成工程後の模式図であり、図11(a)は前記包装容器の平面図であり、図11(b)は図11(a)のXI-XI位置における断面図である。
図12図12は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る一次シール工程後の模式図であり、図12(a)は前記包装容器の平面図であり、図12(b)は図12(a)のXII-XII位置における断面図である。
図13図13は、前記包装容器の別実施形態に係る二次シール工程後の模式図であり、図13(a)は前記包装容器の平面図であり、図13(b)は図13(a)のXIII-XIII位置における断面図である。
図14図14は、図12に示す包装容器の二次シール工程後の模式図であり、図14(a)は前記包装容器の平面図であり、図14(b)は図14(a)のXIV-XIV位置における断面図である。
図15図15は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る一次シール工程後の模式図であり、図15(a)は前記包装容器の平面図であり、図15(b)は図15(a)のXV-XV位置における断面図である。
図16図16は、前記包装容器の別実施形態に係る二次シール工程後の模式図であり、図16(a)は前記包装容器の平面図であり、図16(b)は図16(a)のXVI-XVI位置における断面図である。
図17図17は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る模式図であり、図17(a)は貫通孔形成工程前の前記包装容器の平面図であり、図17(b)は貫通孔形成工程後の前記包装容器の平面図である。
図18図18は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る一次シール工程後の模式図であり、図18(a)は前記包装容器の平面図であり、図18(b)は図18(a)のXVIII-XVIII位置における断面図である。
図19図19は、前記包装容器の二次シール工程後の模式図であり、図19(a)は前記包装容器の平面図であり、図19(b)は図19(a)のXXIX-XIX位置における断面図である。
図20図20は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る一次シール工程後の模式図であり、図20(a)は前記包装容器の平面図であり、図20(b)は図20(a)のXXX-XX位置における断面図である。
図21図21は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る一次シール工程後の模式図であり、図21(a)は前記包装容器の平面図であり、図21(b)は図21(a)のXXI-XXI位置における断面図である。
図22図22は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る一次シール工程後の模式図であり、図22(a)は前記包装容器の平面図であり、図22(b)は図22(a)のXXII-XXII位置における断面図である。
図23図23は、前記包装容器の二次シール工程後の模式図であり、図23(a)は前記包装容器の平面図であり、図23(b)は図23(a)のXXIII-XXIII位置における断面図である。
図24図24は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る貫通孔形成工程後の模式図であり、図24(a)は前記包装容器の平面図であり、図24(b)は図24(a)のXXIV-XXIV位置における断面図である。
図25図25は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る貫通孔形成工程後の模式図であり、図25(a)は前記包装容器の平面図であり、図25(b)は図25(a)のXXV-XXV位置における断面図である。
図26図26は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る貫通孔形成工程後の模式図であり、図26(a)は図24の変形例を示す平面図であり、図26(b)は図25の変形例を示す一部平面図である。
図27図27は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る貫通孔形成工程後の模式図であり、図27(a)は図24の変形例を示す断面図であり、図27(b)は図25の変形例を示す断面図である。
図28図28は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る貫通孔形成工程後の模式図であり、図28(a)は前記包装容器の平面図であり、図28(b)は図28(a)のXXVIII-XXVIII位置における断面図である。
図29】前記包装容器における貫通孔形成工程を説明するための断面図であり、図29(a)は貫通孔形成工程前の状態を示し、図29(b)はフランジ部に裂け目を形成する工程を示し、図29(c)はフランジ上部を形成する工程を示し、図29(d)はフランジ上部形成後の状態を示す。
図30図30は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る模式図であり、図30(a)は貫通孔形成工程前の前記包装容器の平面図であり、図30(b)は図30(a)の断面図であり、図30(c)は貫通孔形成工程後の断面図である。
図31図31は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る模式図であり、図31(a)は貫通孔形成工程前の前記包装容器の平面図であり、図31(b)は図31(a)の断面図であり、図31(c)は貫通孔形成工程後の断面図である。
図32図32は、本発明の殺菌処理方法で用いられる別の包装容器に係る貫通孔形成工程後の模式図であり、図32(a)は第一の変形例を示す模式図であり、図32(b)は第二の変形例を示す模式図であり、図32(c)は第三の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の一実施形態について、図1図9を参照しつつ説明する。図1及び図2は、本発明に係る殺菌処理方法で用いられる包装容器の一実施形態を示した図である。また、図3は本発明に係る殺菌処理方法の一実施形態を説明するための図であり、図4図9はこの殺菌処理方法の各工程を順に示した図である。
【0043】
まず、本発明の一実施形態に係る殺菌処理方法で用いられる包装容器の構造について説明する。この包装容器は、内部に収容された内容物の一例としての食品を、殺菌用ガスの一例としての加熱蒸気に晒すことで殺菌し、その後該内容物(例えば、食品)を封止して包装食品として流通させるための殺菌処理用の包装容器である。図1及び図2に示すように、包装容器1は、上方に開口20を有する収容部2と、収容部2の開口縁21から外向きに延びるフランジ部3とを含む容器本体4を備える。
【0044】
以下、包装容器1における上下方向は、図1図2図4図9における上下方向と一致している。また、フランジ部3における内側及び外側は、フランジ部3における開口縁21から近い側及び遠い側と一致している。
【0045】
容器本体4は、図1(a)及び図1(b)に示すように、蓋部材により閉塞可能な容器である。本実施形態の容器本体4は、トレー形状であるが、カップ形状、ボトル形状等、任意の形状のものを採用することができる。また、容器本体4の材質は、合成樹脂である。容器本体4の厚みは、部位によって不均一であるが、いずれの部位においても同じであってもよい。本実施形態の容器本体4では、フランジ部3の厚みが、収容部2の厚みよりも大きい。なお、本実施形態の容器本体4では、収容部2及びフランジ部3は、一部材で構成されている。具体的に、容器本体4は、一枚のシートを成形することで構成されている。
【0046】
また、本実施形態の蓋部材は、柔軟性を有する。蓋部材は、例えば、合成樹脂製のフィルム材で構成される。具体的に、蓋部材を構成するフィルム材は、二軸延伸されたプラスチック製のフィルム材である。
【0047】
収容部2は、食品を収容する部位である。本実施形態の収容部2は、下方に位置する底板22を含む。また、収容部2は、底板22の外周縁から上方に延びる側壁23を含む。
【0048】
底板22は、例えば、角が丸められた矩形板状である。また、底板22は、食品と接触する底板上面220と、容器本体4を載置面に載置する際にこの載置面に載置される面である底板下面221とを有する。
【0049】
底板上面220は、凹凸形状を有する。具体的に、底板上面220の四つの角部を除く中央部には、底板上面220から上方に向けて突設された複数の底板突起部222が設けられている。また、底板上面220の四つの角部は、それぞれ角部の頂点に近い部位ほど上方に位置する底板傾斜面223で構成されている。
【0050】
底板突起部222の各々は、略均等または不均等の間隔に配置されており、一対の底板突起部222、222の間には気体、例えば蒸気が流通する蒸気流通部が形成されている。底板突起部222は、容器本体4に収容される内容物を、例えば点接触または線接触の様式で支持し、底板突起部222と内容物との間の接触面積が可能な限り低減されるように設計されている。
【0051】
図1(a)に示す実施形態では、底板突起部222、222の間に形成された複数の蒸気流通部が略均等の間隔で配置されている。このような構成によれば、容器本体4に収容された内容物(例えば、食品)を殺菌用ガス(例えば、蒸気)で殺菌する際、底部に形成された蒸気流通路を通って、内容物の上面および側面だけでなく、当該内容物の下面からも蒸気を流入させることができる。これにより、蒸気による内容物のより均等かつ効率的な殺菌が可能となる。
【0052】
底板突起部222の高さは、必ずしも限定されないが、容器底部の内側最下面(すなわち、容器本体4の内表面における最も下方の高さ)を基準にして、例えば2mm以上、3mm以上、または4mm以上である。そして底板突起部222の高さは、必ずしも限定されないが、容器底部の内側最下面を基準にして、例えば、15mm以下、13mm以下、または10mm以下である。底板突起部222の高さがこのような範囲内にあることにより、蒸気流通路に蒸気がより一層流入し易くなり、内容物の下面側の蒸気殺菌をより効果的に行うことができる。
【0053】
底板突起部222の高さは、容器本体4の深さ(すなわち、容器本体4の開口20から鉛直方向における内表面の最も下方の部分までの距離)の10%以上40%以下であることが好ましい。当該構成によれば、蒸気流通路の断面積が増加するため、蒸気流通路に蒸気がより一層流入しやすくなり、内容物の下面側の蒸気殺菌をより効果的に行うことができる。
【0054】
底板傾斜面223は、収容部2の角部をなくすために設けられている。例えば、底板傾斜面223は、収容部2内に収容された食品を取り出す際に、この食品が底板22の角部近傍に溜まることを防ぎ、この食品を収容部2から取り出しやすくする。また、底板傾斜面223は、底板突起部222と間隔をあけた状態で配置されている。
【0055】
側壁23は、例えば、上方に位置する部位ほど平面視において広がるように構成されている。側壁23の上端縁は、収容部2の開口縁21を構成している。
【0056】
フランジ部3は、蓋部材とシールされる部位である。フランジ部3は、例えば、開口縁21の周方向の全周に設けられている。本実施形態のフランジ部3は、略板状であり、平面視において収容部2を囲むように環状に配置されている。具体的には、フランジ部3は、平面視において四か所の角部を有する環状である。
【0057】
また、フランジ部3は、図2に示すように、上方を向いたフランジ上面30と、下方を向いたフランジ下面35と、を有する。さらに、フランジ部3は、開口20を覆う蓋部材と一次シール工程においてシールされる一次シール予定領域31と、蓋部材と二次シール工程においてシールされる二次シール予定領域32と、を有する。また、フランジ部3は、フランジ上部33と、フランジ下部34と、を有する。フランジ上部33は、フランジ上面30のうち最も上方に位置するフランジ上部上面330を有する。フランジ下部34は、フランジ上部上面330よりも下方に位置するフランジ下部上面340を有する。
【0058】
本実施形態のフランジ部3は、フランジ部3を貫通する貫通孔が設けられる貫通予定領域36を有する(図1(a)参照)。本実施形態では、貫通孔、即ち貫通予定領域36は、一次シール予定領域31よりも内側に位置する。貫通予定領域36に設けられる貫通孔は、フランジ下面35とフランジ上面30との間を貫通する。また、本実施形態のフランジ部3では、貫通予定領域36が複数設けられている。
【0059】
なお、フランジ部3に設けられる貫通予定領域36の数は、一つでもよいが、フランジ部3内に気体を流入させる貫通孔、及び、フランジ部3内から気体を流出させる貫通孔の両方をフランジ部3に設けることが好ましいため、複数であることが好ましい。具体的には、このフランジ部3では、貫通予定領域36がフランジ部3の角部の数と同じ数(例えば本実施形態では四つ)設けられている。
【0060】
一次シール予定領域31は、フランジ部3の一部であり、蓋部材とフランジ部3とを一次シール工程によって仮シールするための領域である。一次シール工程は、収容部2に食品を収容した後であって収容した食品の殺菌前に行われる。
【0061】
本実施形態の一次シール予定領域31は、フランジ部3の外周部に位置している。また、一次シール予定領域31は、開口縁21の周方向において連続している。具体的には、一次シール予定領域31は、フランジ部3の外周部における外周縁よりも内側で、周方向において連続して延びている。より具体的には、一次シール予定領域31は、フランジ部3の外周部における外周縁よりも内側で、開口縁21の周方向全周に亘って連続して延びている。
【0062】
二次シール予定領域32は、密封工程としての二次シール工程において、蓋部材とフランジ部3とがシールされる領域である。二次シール工程は、収容部2に収容した食品を殺菌した後に行われる。二次シール予定領域32は、フランジ部3の少なくとも一部である。さらに、二次シール予定領域32は、一次シール予定領域31と重複する(同じ)領域を含んでいてもよい。本実施形態の二次シール予定領域32は、フランジ部3の全域である。
【0063】
フランジ部3のフランジ上面30の上下方向における位置(高さ)は、フランジ部3がフランジ上部33やフランジ下部34を含むことにより不均一になっている(図1(b)参照)。
【0064】
フランジ上部33は、上面が相対的に上方に位置する部位である。本実施形態のフランジ上部上面330は、フランジ下部上面340よりも例えば、1mm以上上方に位置している。該フランジ上部33は、一次シール工程を行った後であって二次シール工程を行う前に、蓋部材をフランジ下部上面340よりも上方に支持しうる。
【0065】
具体的には、フランジ上部33は、フランジ部3を部分的に下方から上方に向けて押し出すことで形成される凸部である。これにより、フランジ上部上面330は、上方に向けて突出している。本実施形態のフランジ上部33は、中空であるが、中実であってもよい。
【0066】
本実施形態のフランジ部3には、異なる形状のフランジ上部33が設けられている。具体的には、図1(a)に示すように、フランジ上部33は、平面視において楕円形状を有する第一フランジ上部33Aと、平面視において円形状を有する第二フランジ上部33Bと、を含む。第一フランジ上部33Aおよび第二フランジ上部33Bは、いずれも、フランジ上部上面330が湾曲面状を有する凸部である。また、第一フランジ上部33Aおよび第二フランジ上部33Bは、いずれも、高さ(上下方向における寸法)が、平面視における外径よりも小さい凸部である。
【0067】
また、本実施形態のフランジ上部33は、貫通予定領域36の近傍に設けられている。例えば、フランジ上部33の少なくとも一つは、貫通予定領域36よりも内側に設けられている。本実施形態のフランジ上部33は、全て、貫通予定領域36よりも内側に設けられている。具体的には、フランジ上部33は、各貫通予定領域36の内側に複数(例えば、一対ずつ)設けられている。フランジ上部33は、各貫通予定領域36に対応するようにその内側に一つずつ設けられていてもよいが、一次シール工程を行った後に、蓋部材を複数のフランジ上部33で支持することが好ましいため、複数設けられることが好ましい。
【0068】
フランジ下部34は、上面が相対的に下方に位置する部位である。本実施形態のフランジ下部34は、フランジ部3のうち前記フランジ上部33を除いた部位である。
【0069】
貫通予定領域36は、例えば、収容部2を挟む対向位置に配置されている。フランジ部3が四か所に角部を有する環状である場合、貫通予定領域36は、平面視においてフランジ部3の各角部にそれぞれ1か所ずつ、合計4か所に形成することが好ましい。各貫通予定領域36の形状は、いずれも等しくすることが好ましい。
【0070】
また、本実施形態において、貫通予定領域36は、下方に凹んだ凹部である。また、貫通予定領域36は、平面視において円形状である。具体的には、貫通予定領域36は、下方に向かって略半球状に凹んだ凹部である。
【0071】
本実施形態における貫通予定領域36の凹部には、さらに溝部360が形成されている。具体的には、貫通予定領域36の上面361は、下方に向けて凹んでおり該上面361には下方に凹んだ溝部360が設けられている。
【0072】
溝部360の形状は、例えば、貫通予定領域36のうち最も下に位置する点である最下点において交差する(例えば、この最下点において略直交する)十字状である。換言すると、溝部360は、平面視において、貫通予定領域36の中心から放射状に広がる形状を有する。溝部360の幅(溝部360の延びる方向と直交する方向における寸法)は、例えば、0.5mmである。
【0073】
次に、本発明の一実施形態に係る殺菌処理方法について説明する。本実施形態に係る殺菌処理方法は、容器本体4に収容された内容物を殺菌用ガスによって殺菌処理する殺菌処理方法である。容器本体4は、上述のように、上方に開口20を有する収容部2と、収容部2の開口縁21から外向きに延びるフランジ部3であって、開口20を覆う蓋部材と一次シール工程においてシールされる一次シール予定領域31と、蓋部材5と二次シール工程においてシールされることで内容物が完全に封止される二次シール予定領域32と、上面が該フランジ部の上面のうち最も上方に位置するフランジ上部33と、上面が該フランジ上部の上面よりも下方に位置するフランジ下部34と、一次シール予定領域31よりも内側に位置しフランジ部3を貫通する貫通孔が設けられる貫通予定領域36と、を有するフランジ部3と、を備えている。
【0074】
また、本実施形態に係る殺菌処理方法は、収容部2に内容物を収容する収容工程と、フランジ部3の貫通予定領域36に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、蓋部材と一次シール予定領域31とをシールする一次シール工程と、内容物を殺菌用ガスに晒すことで殺菌する殺菌工程と、蓋部材とフランジ部3の二次シール予定領域32とをシールする二次シール工程と、を備える。本実施形態の殺菌処理方法は、さらに、ガス置換工程を備える。
【0075】
なお、本実施形態の殺菌処理方法において、一次シール工程では、フランジ上部33によって支持された蓋部材とフランジ下部34との間に外部と収容部2内との間で気体が流通可能に形成される流通路が形成され、殺菌工程では、該流通路を介して収容部内に殺菌用ガスを流通させ、二次シール工程では、蓋部材と二次シール予定領域32とがシールされることにより流通路を閉塞して内容物を完全に封止する。
【0076】
一実施形態における殺菌処理方法は、食品を内容物とし、主たる工程として、収容工程、貫通孔形成工程、一次シール工程、殺菌工程、及び、二次シール工程を順に行う。より具体的には、図3に示すように、食品収容工程(ステップS1)、貫通孔形成工程(ステップS2)、一次シール工程(ステップS3)、脱気工程(ステップS4)、殺菌工程(ステップS5)、冷却工程(ステップS6)、ガス置換工程(ステップS7)、及び、二次シール工程(ステップS8)を順に行う。以下、この一実施形態における各工程について説明する。また、本実施形態の方法としては、上記実施形態の包装容器1を用いた場合について説明する。
【0077】
まず、図4(a)及び図4(b)に示すように、包装容器1に食品Fを収容する食品収容工程を行った後に、フランジ部3の一次シール予定領域31よりも内側に、貫通予定領域36を貫通する貫通孔38を形成する貫通孔形成工程を行う。食品Fとしては、例えば、日配食品、即ち食品工場等で調理、加工された食品やチルド加工食品等の任意の食品を採用することができる。
【0078】
本実施形態の貫通孔形成工程では、図5に示すように、貫通予定領域36の一部に、裂け目380が形成されることにより、貫通孔38が形成される。本実施形態の貫通孔形成工程により、貫通予定領域36は、貫通予定領域36の外周縁363がフランジ部3の貫通予定領域36の周囲の領域と連続し、且つ、この周囲の領域よりも下方に位置する。換言すると、貫通予定領域36は、貫通予定領域36の外周縁363を境界にしてフランジ部3の貫通予定領域36の周囲の領域よりも下方に位置する。
【0079】
なお、本実施形態の貫通孔形成工程では、裂け目380は、貫通予定領域36を上方から裂くことにより形成される。裂け目380を形成する際には、例えば、先端に穿孔針を備えた穿孔用治具(図示せず)を用い、該穿孔針を貫通予定領域36に突き刺す方法を採用することができる。穿孔針は、貫通予定領域36に設けられた溝部360により案内されて、貫通予定領域36の最下点に刺さり、貫通予定領域36は溝部360に沿って裂ける。その結果、貫通予定領域36は、十字状の裂け目380を境界に四つの部位に分かれる。
【0080】
続いて、図6(a)及び図6(b)に示すように、収容部2の開口20を覆う蓋部材5と、フランジ部3の一次シール予定領域31とをシールする一次シール工程を行う。本実施形態の一次シール工程は、フランジ部3の外周部である一次シール予定領域31と蓋部材5とを、フランジ部3の外周部の周方向において線状にシールする工程である。また、この一次シール工程において、蓋部材5は、例えばヒートシール機(図示せず)を用いることにより一次シール予定領域31に熱溶着される。
【0081】
さらに、図7に示すように、フランジ部3と蓋部材5との間に形成される流通路Rを介して収容部2内に加熱蒸気Sを流通させて、食品Fを加熱蒸気Sに晒すことで殺菌する殺菌工程を行う。
【0082】
なお、本実施形態では、殺菌工程を株式会社日阪製作所製、短時間調理殺菌装置RIC(以下、単にRICともいう)を用いて行う場合について説明する。ここで、短時間調理殺菌装置RIC(図示せず)とは、処理対象となる容器入りの食品を収容可能な処理槽と、該処理槽へ蒸気を供給する蒸気供給装置と、該処理槽内を脱気して真空状態とする減圧装置と、該処理槽内を加熱する加熱装置とを備えたものである。
【0083】
本実施形態の殺菌処理方法では、殺菌工程の前に収容部2内を脱気する脱気工程を行う。脱気工程を行う際には、トレー上に食品Fを収容し蓋部材5を一次シールした包装容器1を複数個並べ、さらに該トレーを上下方向に複数段積み重ねた状態でRICを構成する処理槽内に収容する。処理槽の蓋を閉じて処理槽を密封した後、該処理槽内を真空状態まで脱気する。処理槽内が真空状態まで脱気されると、流通路Rを介して収容部2内の空気も脱気され、収容部2内も処理槽内と同じ真空状態となる。
【0084】
殺菌工程では、処理槽内に殺菌用ガスとして加熱蒸気Sを供給するとともに処理槽内の温度を、例えば、100℃~145℃とする。処理槽内に供給された加熱蒸気Sは、フランジ部3の下方から流通路R(貫通孔38及び隙間C)を介して、収容部2内に流通する。これにより、収容部2内に収容された食品Fは、加熱蒸気Sにより殺菌される。
【0085】
本実施形態の殺菌処理方法では、殺菌工程の後に食品Fを冷却する冷却工程を行う。冷却工程では、前記処理槽内を減圧して加熱蒸気Sを排出し、さらに該処理槽内を真空状態とすることで該水分が蒸発して食品Fから潜熱が奪われ、食品Fが冷却される。
【0086】
さらに、冷却工程の後、前記処理槽の蓋をあけて食品Fが収容された包装容器1をトレーとともに取り出す。
【0087】
その後、好ましくはガス置換工程を実施する。該ガス置換工程では、流通路Rを介して収容部2内に、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、これらのうち複数の混合ガスなどの不活性ガスを供給する。
【0088】
なお、本実施形態のガス置換工程及び二次シール工程は、包装容器1がヒートシール機の金型に載置された状態で行われる。該金型には、包装容器1を載置したときに容器本体4に形成された貫通孔38を介して不活性ガスを供給可能な供給路が設けられている。本実施形態のガス置換工程では、4か所の貫通孔38のうちの何れか一つの貫通孔38に金型の供給路を介して不活性ガスが供給される。また、該金型には、残る3つの貫通孔38に対応する位置にも空気排出用の排出路が形成されており、供給された不活性ガスにより押し出された包装容器1内の空気は、該排出路を介して外部へと放出される。
【0089】
ガス置換工程を行った後、図8(a)及び図8(b)に示すように、蓋部材5と二次シール予定領域32とをシールする二次シール工程を行う。これにより、包装容器1と蓋部材5と食品Fとで構成される包装食品6が得られる。
【0090】
本実施形態の二次シール工程は、フランジ部3の外周部である二次シール予定領域32と蓋部材5とを、面状にシールする工程である。二次シール工程において、蓋部材5は、ヒートシール機(図示せず)を用いることにより二次シール予定領域32に熱溶着される。
【0091】
本実施形態では、ヒートシール機は、容器本体4が載置されガス置換を行った前記金型(受け金型)と、上方から蓋部材5を押さえる金型(ヒートシール用金型)と、を備えており、二次シール工程は、ガス置換後受け金型に包装容器を載置したまま速やかにシールを行うため、包装容器1内の酸素濃度を極めて低い状態に維持することができる。
【0092】
なお、包装容器1の二次シール予定領域32はフランジ部3の全域であるため、二次シールを行う際に、フランジ部3の全域は上下方向から加圧されて、図9に示すように、貫通孔38が閉塞されるとともに、フランジ上部33も潰れて隙間Cも閉塞される。本実施形態の殺菌処理方法で用いられる包装容器1では、二次シール後の包装容器1において、貫通孔38は蓋部材5のみにより閉塞されているが、二次シールを行う際に、上面が平坦面となっている金型にフランジ部3を載置した状態で、フランジ部3の全域を上下方向から加圧することにより、二次シール後の包装容器1において、貫通孔38が蓋部材5に加えて変形した(潰れた)貫通予定領域36により閉塞されてもよい。また、二次シールを行う際に、フランジ部3のうちフランジ上部33を除く全域を上下方向から加圧してもよい。この場合、フランジ上部33は潰れず残った状態で、隙間Cが閉塞される。
【0093】
以上の殺菌処理方法では、殺菌工程から二次シール工程までの間、収容部2内は流通路Rを介してのみ外界と流通するだけであるため、収容部2内に細菌等が侵入する機会が大幅に低減される、従って、クリーンルームのような大掛かりな設備を導入しなくとも収容部2内に細菌が侵入することを効果的に防止して、賞味期限や消費期限が十分に長い包装容器1を提供できる。また、二次シール予定領域32が蓋部材5とシールされることで流通路Rが閉塞されるように構成されているので、蓋部材5とのシールにより、包装容器1が食品Fを完全に封止できるため、容器本体4及び蓋部材5以外の部材を使用しなくても食品Fを封止できる。
【0094】
本実施形態の殺菌処理方法において、包装容器1では、貫通予定領域36の一部に裂け目380を形成することで貫通孔38を設けると(図5参照)、貫通孔38の形成時にフランジ部3の一部が破断することがなくフランジ部3の破片が生じない。よって、収容部2内にフランジ部3の破片が混入することを防止できる。
【0095】
また、本実施形態の殺菌処理方法で用いられる包装容器1では、貫通予定領域36が下方に凹んだ凹部であるため(図2参照)、貫通孔38を形成する際に、この凹んだ貫通予定領域36に穿孔針を突き刺すことで、貫通予定領域36の穿孔された部位が、フランジ部3の他の領域よりも下方に位置したままで保持され(図5参照)、この下方に位置した状態から上方に戻りにくい。これにより貫通孔38が閉塞されることを防ぐことができ、フランジ部3の二次シール予定領域32と蓋部材5とがシールされるまで、貫通孔38の貫通状態を維持することができる。
【0096】
さらに、本実施形態の殺菌処理方法で用いられる包装容器1では、収容部2を挟む位置に貫通予定領域36が配置されているため(図1(a)参照)、この位置に貫通孔38を設けると、貫通孔38を介して収容部2の両側から殺菌用ガスとしての加熱蒸気を流通させることにより(図4(a)参照)、食品Fの加熱むらを抑制できる。
【0097】
本実施形態の殺菌処理方法は、流通路Rを介して収容部2内に不活性ガスを供給するガス置換工程を備え、ガス置換工程において、貫通孔38より不活性ガスを供給する、即ち、殺菌用ガスを供給する貫通孔38が、不活性ガスを供給する部位を兼ねるため、殺菌工程後の包装容器1に対してガス置換工程を容易に行うことができる。
【0098】
また、本実施形態の殺菌処理方法の二次シール工程では、容器本体4の載置される受け金型が用いられ、ガス置換工程では、受け金型に設けられたガス供給路を介して不活性ガスが収容部2内に供給されるため、二次シール工程後の受け金型に載置された包装容器1に対してガス置換工程を容易に行うことができる。
【0099】
なお、本発明の殺菌処理方法において使用する包装容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0100】
上記実施形態のフランジ上部33A、33Bは、いずれも、高さ(上下方向における寸法)が、平面視における外径よりも小さい凸部であったが、これに限らない。図10及び図11に示すように、フランジ部3に、高さと平面視における外径が略等しい第三フランジ上部33Cが設けられることが考えられる。第三フランジ上部33Cは、平面視において、円形状である。
【0101】
上記実施形態の貫通孔38は、フランジ部3の貫通予定領域36に穿孔針を突き刺すこと(即ち、貫通予定領域36を破断すること)により形成されたが、これに限らない。例えば、貫通孔38が、フランジ部3の貫通予定領域36を打ち抜くことにより形成されることが考えられる。
【0102】
貫通孔形成工程においてフランジ部3の貫通予定領域36を打ち抜くことにより、貫通孔38が形成されると、図12(a)及び図12(b)に示すように、貫通予定領域36は、フランジ部3から取り除かれる。この構成では、貫通孔形成工程を行ってから二次シール予定領域32のシールが行われるまでの間、殺菌用ガスとしての加熱蒸気Sの貫通孔38への流通が貫通予定領域36により妨げられることが無いため、加熱蒸気Sは貫通孔38をスムーズに流通することができる。
【0103】
上記実施形態の包装容器1では、フランジ上部33が貫通予定領域36の内側に位置し、一次シール予定領域31が貫通予定領域36の外側に位置する、即ち、フランジ上部33と一次シール予定領域31とが離間していたが、フランジ上部33が、一次シール予定領域31を兼ねてもよい。一次シール予定領域31は貫通予定領域36よりも外側に位置する必要があるため、この構成では、複数のフランジ上部33の少なくとも一つが、貫通予定領域36の外側に位置することになる。例えば、フランジ上部33は、貫通予定領域36の外側に位置し且つ一次シール予定領域31を兼ねる第四フランジ上部33Dを有することが考えられる。
【0104】
フランジ上部33は、凸条の第四フランジ上部33Dであってもよい。また、フランジ上部33では、第四フランジ上部33Dの上面のように、上面(フランジ上部上面330)が平坦面であってもよい(図12(b)参照)。フランジ上部33が凸条である場合、例えば、開口縁21の周方向に連続して設けられてもよい。具体的に、フランジ上部33は、開口縁21の周方向において全周に連続して設けられる凸条であることが考えられる。
【0105】
上記実施形態の包装容器1では、二次シール予定領域32がフランジ部3の全域に設けられていたが、フランジ部3の一部に設けられていてもよい。上述したフランジ上部33が一次シール予定領域31を兼ねる構成において(図12(a)及び図12(b)参照)二次シール工程を行った後の状態を表す図13(a)及び図13(b)に示すように、フランジ下部34のうち一次シール予定領域31よりも内側に位置する領域が、二次シール予定領域32を兼ねることが考えられる。
【0106】
さらに、上記実施形態の包装容器1では、二次シール工程において面シールを行っていたが、開口縁21の周方向において全周に連続する線シールにより行われてもよい。例えば、図14(a)及び図14(b)に示すように、線シールを行ってもよい。この場合、二次シール予定領域32は、上方に突出する凸条であることが考えられる。
【0107】
また、この場合、二次シール予定領域32の上面は、フランジ上部上面330(一次シール予定領域31を兼ねる第四フランジ上部33Dの上面)よりも下方に位置する。さらに、フランジ部3は、蓋部材5と一次シール予定領域31とがシールされた際に、二次シール予定領域32の上面と蓋部材5の下面との間に隙間Cが形成されるように構成されている。これにより、一次シール工程を行った後であって二次シール工程を行うまでの間、即ち、食品Fを殺菌する際に、フランジ上部上面330により支持される蓋部材5とフランジ下部上面340との間に隙間Cが生じ、第一フランジ上面230がこの隙間Cを保持して隙間Cが閉塞されない状態を確実に維持することにより、加熱蒸気Sが流通路Rを介して収容部2内に流通する。
【0108】
上記実施形態では、フランジ部3にフランジ上部33のような凸部が設けられていたが、下方に凹んだ凹部が設けられていてもよく、図15(a)及び図15(b)に示すように、フランジ部3にフランジ下部34として溝部39が設けられていてもよい。例えば、溝部39は、開口縁21に沿って周方向に連続することが考えられる。具体的に、溝部39は、開口縁21の周方向において全周に連続することが考えられる。
【0109】
このようにフランジ部3に凹部が設けられる構成では、この凹部に貫通予定領域36が設けられてもよい。例えば、フランジ部3の溝部39に貫通予定領域36が設けられることが考えられる。具体的に、開口縁21の周方向において全周に連続した溝部39のうち、収容部2を挟んで対向する一対の辺に、貫通予定領域36がそれぞれ設けられることが考えられる。この場合、各辺に設けられる貫通予定領域36は、例えば、収容部2を挟む対向位置に配置される。この構成では、貫通孔形成工程を行うと、フランジ部3の溝部39に貫通孔38が設けられる。
【0110】
また、この場合、一次シール予定領域31は、フランジ部3の溝部39の外側(フランジ上部33)に、開口縁21の周方向において連続して設けられることが考えられる。具体的には、一次シール予定領域31は、開口縁21の周方向において全周に連続することが考えられる。
【0111】
上述したフランジ部3の溝部39に貫通予定領域36が設けられる構成において(図15(a)及び図15(b)参照)、図16(a)及び図16(b)に示すように、二次シール予定領域32は、フランジ部3の溝部39の内側に、開口縁21に沿って周方向において連続して設けられることが考えられる。具体的には、二次シール予定領域32は、開口縁21の周方向において全周に連続することが考えられる。以上の構成のフランジ部3では、一次シール予定領域31の内側に貫通予定領域36が設けられた溝部39が配置され、さらに、溝部39の内側に二次シール予定領域32が配置される。
【0112】
また、貫通予定領域36は、フランジ部3の複数の角のうち一部の角のみに設けられてもよい。例えば、図17(a)に示すように、貫通予定領域36が、フランジ部3の角のうち収容部2を挟む位置に一対のみ設けられてもよい。この場合、貫通孔38は、図17(b)に示すように、フランジ部3の角のうち収容部2を挟む位置の一対の角のみに設けられる。
【0113】
さらに、フランジ上部33は、半球形状のようなマウンド形状の凸部の第五フランジ上部33Eであってもよい。なお、フランジ上部33は、円錐状、円錐台状、円柱状、多角柱状、多角錘状等その他の形状であってもよい。
【0114】
上記実施形態の収容部2の底板22は、略矩形板状であったが、略正方形板状であることが考えられる。なお、底板22は、四角形板状以外にも、その他の多角形板状や円板状等であってもよい。
【0115】
上記実施形態の包装容器1では、フランジ部3に貫通予定領域36が設けられ、貫通孔形成工程を行うことでフランジ部3に貫通孔38が設けられていたが、フランジ部3に貫通予定領域36が設けられなくてもよい。このような構成として、図18図21の構成等が考えられる。
【0116】
本発明のこのような一実施形態に係る殺菌処理方法は、容器本体4に収容された内容物を殺菌用ガスによって殺菌処理する殺菌処理方法である。本実施形態の殺菌処理方法で用いられる容器本体4は、上方に開口20を有する収容部2と、収容部2の開口縁21から外向きに延びるフランジ部3であって、開口20を覆う蓋部材5と一次シール工程においてシールされる一次シール予定領域31と、蓋部材5と二次シール工程においてシールされることで内容物が完全に封止される二次シール予定領域32とを備えている。
【0117】
また、本実施形態に係る殺菌処理方法は、収容部2に内容物を収容する収容工程と、蓋部材5と一次シール予定領域31とをシールする一次シール工程と、内容物を殺菌用ガスに晒すことで殺菌する殺菌工程と、蓋部材5とフランジ部3の二次シール予定領域32とをシールする二次シール工程と、を備える。さらに、一次シール工程では、蓋部材5とフランジ部3との間に外部と収容部2内との間で気体が流通可能に形成される流通路Rが形成され、殺菌工程では、流通路Rを介して収容部2内に殺菌用ガスを流通させ、二次シール工程では、蓋部材5と二次シール予定領域32とがシールされることにより流通路Rを閉塞して内容物を完全に封止する。
【0118】
例えば、図18(a)及び図18(b)に示すように、フランジ部3は、蓋部材5と一次シール工程においてシールされる一次シール予定領域31を有し、且つ、蓋部材5と一次シール予定領域31とがシールされた際に、蓋部材5との間に外部と収容部2内との間で気体が流通可能な流通路Rが形成されるように構成されていることが考えられる。この構成では、フランジ上部33が、フランジ部3の四つの角部に隙間をあけた状態で、開口縁21の周方向に長尺状に延びる凸条である。また、フランジ上部33が、一次シール予定領域31を兼ねる。さらに、図19(a)及び図19(b)にも示すように、フランジ下部34のうち開口縁21の周方向において全周に連続して設けられた部位が、二次シール予定領域32を兼ねる。
【0119】
この場合、一次シール予定領域31の上面(例えば、フランジ上部上面330)は、フランジ上面30のうち最も上方に位置し、二次シール予定領域32の上面(例えば、フランジ下部上面340のうち開口縁21の周方向において全周に連続して設けられた部位)は、一次シール予定領域31の上面(例えば、フランジ上部上面330)よりも下方に位置する。また、フランジ部3は、蓋部材5と一次シール予定領域31とがシールされた際に、二次シール予定領域32の上面(例えば、フランジ下部上面340)と蓋部材5の下面との間に隙間Cが形成されるように構成され、隙間Cが、流通路Rの一部となるように構成されている。
【0120】
上記実施形態の包装容器1では、一次シール工程が線シールにより行われていたが、少なくとも一点をシールするスポットシールにより行われてもよい。例えば、図20(a)及び図20(b)に示すように、フランジ部3には、第六フランジ上部33Fとして凸部が複数設けられ、第六フランジ上部33Fが一次シール予定領域31を兼ねることが考えられる。フランジ上部33Fの形状は、例えば、円錐台状である。また、フランジ上部33Fは、フランジ部3の四つの角部と、フランジ部3の各辺の中央とに設けられることが考えられる。このように、複数の一次シール予定領域31が開口縁21の周方向において隙間を空けて設けられる場合、一次シール工程を行った後に加熱蒸気Sがこの周方向における一次シール予定領域31同士の隙間を介して、収容部2内に流通するため、十分な量の加熱蒸気Sを収容部2内に流通させることができる。
【0121】
例えば、図21(a)及び図21(b)に示すように、フランジ部3にフランジ下部34として凹部が複数設けられてもよい。フランジ下部34は、開口縁21の周方向において隙間をあけて配置され、例えば、フランジ部3の四つの角部に位置することが考えられる。この場合、フランジ上部33は、フランジ部3の各辺に位置する。この構成において、フランジ上部33は、一次シール予定領域31を兼ねている。また、この構成では、一次シール工程を行った後、蓋部材5の下面とフランジ下部上面340の間に隙間Cが生じ、この隙間Cがフランジ部3の四つの角部に位置しているため、加熱蒸気Sがフランジ部3の四つの角部から収容部2内に流通する。
【0122】
上記実施形態の包装容器1では、フランジ部3に形成される各貫通孔38の形状や大きさは同じであったが、異なっていてもよい。例えば、図22(a)及び図22(b)に示すように、フランジ部3の四つの角部のうち隣り合う一対の角部に貫通孔38Aが設けられ、フランジ部3の四つの角部のうち前記隣り合う一対の角部以外の一対の角部に貫通孔38Aと異なる大きさの貫通孔38Bが設けられることが考えられる。貫通孔38Aの直径は、貫通孔38Bの直径よりも大きい。
【0123】
また、フランジ上部33は、平面視においてU字状や円弧状の凸条であってもよい。例えば、貫通孔38Aの外側に位置する第七フランジ上部33Gは、平面視においてU字状の凸条であることが考えられる。第七フランジ上部33Gは、貫通孔38Aの外周のうち外側に位置する部位に沿って設けられている。なお、貫通孔38Aの内側には、複数(例えば、三つ)の第五フランジ上部33Eが、開口縁21に沿って設けられている。なお、この包装容器1では、一次シール予定領域31は、フランジ部3の外周縁である。
【0124】
このように、一次シール予定領域31の内側において、貫通孔38Aの外側及び内側の両方の位置に、フランジ上部33が設けられているため、貫通孔38Aの外側及び内側において、フランジ上部上面330が蓋部材5を支持するため、貫通孔38Aと蓋部材5との間に隙間Cが生じたまま保持され、よって、貫通孔38Aが閉塞されることを防ぐことができる。
【0125】
上記実施形態では、フランジ部3に凹部として溝部39が設けられていたが、スポット状の凹部39が設けられてもよい。例えば、凹部39は、フランジ部3の四つの角部に設けられることが考えられる。また、凹部39の底に貫通孔38Bが設けられてもよい。
【0126】
さらに、二次シール工程を行った後に、フランジ部3のうち貫通孔38を含む一部を取り除いてもよい。例えば、上述したフランジ部3の四つの角部に貫通孔38が設けられる構成において(図22(a)及び図22(b)参照)、図23(a)及び図23(b)に示すように、フランジ上部33Eと貫通孔38との間に二次シール予定領域32を設けて、二次シール工程を行った後に、貫通孔38と二次シール予定領域32との間の切断線Lで、フランジ部3を切断することが考えられる。一次シール予定領域31と二次シール予定領域32との間に、貫通孔38が位置する構成では、フランジ部3のうち貫通孔38の周囲に水滴が溜まりやすいが、フランジ部3のうち貫通孔38を含む一部を取り除くことで、このような水滴が包装容器1に影響することを防ぐことができる。
【0127】
なお、図23では、切断線Lがフランジ部3の四つの角部を切り取るように設けられていたが、貫通孔38と二次シール予定領域32との間において延び、且つ、開口縁21の周方向において全周に連続して切り取るように設けられてもよい。即ち、切断線Lが、フランジ部3の貫通孔38を含む外周部を切り取るように設けられてもよい。
【0128】
上記実施形態の貫通予定領域36は、平面視において円形状であったが、楕円形状等の長尺状等であってもよく、この場合、貫通孔38はスリット状等であることが考えられる。また、上記実施形態の貫通孔38は、十字状の溝部360を設けた貫通予定領域36に裂け目380を形成したり、貫通予定領域を打ち抜いたりすることにより形成されていたが、他の方法により形成されてもよい。
【0129】
また、図24(a)及び図24(b)に示すように、フランジ部3に、平面視においてU字状の裂け目380を形成することで、各貫通孔38が形成されることが考えられる。この構成では、フランジ部3は、裂け目380を境界としてフランジ部3の一部(例えば、貫通予定領域36)が上方に向けて変形されることによって形成される第八フランジ上部33Hであって、上面が該フランジ部3の上面30のうち最も上方に位置する第八フランジ上部33Hを有する。また、第八フランジ上部33Hにより蓋部材5とフランジ部3との間に流通路Rが形成される、具体的には、貫通予定領域36に、U字状の裂け目380を形成し、裂け目380の基端部同士を結ぶ直線381を境界にして、U字状の裂け目380の内側部分がフランジ部3の他の領域よりも上方に折り曲げられることで、貫通孔38が形成されるとともに、第八フランジ上部33Hが形成される。また、貫通孔38の近傍に、第二フランジ上部33Bが設けられてもよい。
【0130】
また、図25(a)及び図25(b)に示すように、フランジ部3に、一本の線状の裂け目380を形成することで、各貫通孔38が形成されることが考えられる。この構成では、貫通予定領域36が、裂け目380の両端から延びる一対の直線381を境界にして、フランジ部3の貫通予定領域36以外の領域よりも上方に持ち上げられることで、貫通孔38が形成されるとともに、第八フランジ上部33Hが形成される。
【0131】
このように、貫通予定領域36が、フランジ部3の貫通予定領域36以外の領域よりも上方に変形されることで、貫通孔38が形成される構成では、フランジ部3の下方から加熱蒸気Sが収容部2に流通する際に、加熱蒸気Sにより貫通予定領域36が持ち上がったままで保持されやすいため、貫通孔38を開放した状態で維持しやすい。
【0132】
また、図26(a)及び図26(b)に示すように、貫通予定領域36が、フランジ部3の貫通予定領域36以外の領域よりも上方に位置することで、貫通孔38が形成されるとともに、第八フランジ上部33Hが形成される構成において、貫通孔38の近傍に第三フランジ上部33Cが設けられてもよい。
【0133】
さらに、図27(a)及び図27(b)に示すように、貫通予定領域36を上方へ変形させる際には、フランジ部3と貫通予定領域36との境界382に上部から治具を用いて窪みを形成し、該窪みを起点として貫通予定領域36を上方へと変形させることが好ましい。この場合、フランジ部3の境界382が折れ曲がりやすくなり、貫通予定領域36が持ち上がった状態で保持されやすい。
【0134】
かかる構成によれば、フランジ部3の一部が裂け目380を境界として変形されることによって第八フランジ上部33Hが形成され、第八フランジ上部33Hにより流通路Rが形成されるため、加熱蒸気Sがこの流通路Rを介して収容部2内に流通可能である。
【0135】
さらに、図28(a)及び図28(b)に示すように、貫通孔38が形成された際に第八フランジ上部33Hとなるように構成されている場合には、フランジ部3にフランジ上部33として第八フランジ上部33Hのみが設けられていてもよい。かかる構成によれば、フランジ部3に第八フランジ上部33Hの他に、別途フランジ上部33が形成されていなくても、フランジ部3に裂け目380を形成して貫通孔38を形成するだけで、加熱蒸気Sが流通する流通路Rを形成することができる。
【0136】
なお、貫通孔38が形成された際に貫通予定領域36が第八フランジ上部33Hとなる構成では、例えば、以下のような工程により貫通孔38を形成すればよい。まず、図29(a)に示すように、フランジ部3に裂け目380を形成するための位置決めを行い、図29(b)に示すように、剪断用の治具により裂け目380を形成する。さらに、図29(c)に示すように、貫通予定領域36の境界382に窪みを形成する治具を打ち込み、その衝撃で図29(d)に示すように貫通予定領域36を上方へ変形させて貫通孔38を形成することができる。
【0137】
図30(a)及び図30(b)に示すように、貫通予定領域36は、上方に向けて突出する凸部であり、凸部の上端が、第八フランジ上部33Hを構成してもよい。また、貫通予定領域36は、例えば、上方に向けて膨出した湾曲面を有することが考えられる。この貫通予定領域36では、湾曲面の上端が第八フランジ上部33Hを構成している。本実施形態の貫通予定領域36は、椀状である。この貫通予定領域36の上面の全域は、湾曲面である。また、貫通予定領域36の外周縁は、円弧状の部位と、直線状の部位と、を有する。本実施形態の貫通予定領域36の外周縁では、円弧状の部位は、直線状の部位よりも内側に配置されている。また、この構成では貫通予定領域36の外周縁の一部(例えば、円弧状の部位)に裂け目380を形成して、貫通予定領域36を上方に向けて変形することで、図30(c)に示すように、貫通予定領域36が上方に向けて凸状の湾曲面となる。
【0138】
なお、貫通予定領域36が上方に突出する凸部である場合、凸部の上面の全域が湾曲していない傾斜面であってもよく、凸部の上面の一部のみが湾曲面であってもよい。例えば、図31(a)及び図31(b)に示すように、貫通予定領域36は、上面の上部が上方に向けて膨出した湾曲面である凸部であり、湾曲面の上端が、第八フランジ上部33Hを構成してもよい。なお、貫通予定領域36の上面の下部は傾斜面である。貫通予定領域36の外周縁は、角が丸まった矩形状である。また、この構成では貫通予定領域36の外周縁の一部(例えば、外周縁のうち外側に位置する一辺を除く部位、即ち、矩形状の外周縁のうち三辺及び一対の角部)に裂け目380を形成して、貫通予定領域36を上方に向けて変形することで、図31(c)に示すように、貫通予定領域36が上方に向けて膨出した湾曲面となる。
【0139】
このように、上方に向けて変形されるフランジ部3の一部(例えば、貫通予定領域36)が、上方に向けて膨出した湾曲面である構成では、一次シール予定領域31と蓋部材5とがシールされると、フランジ部3に裂け目380を形成することで上方に向けて折り曲げられた凸状の湾曲面が蓋部材5を損傷することなく安定的に支持可能である。
【0140】
上記実施形態では、図24図31の包装容器1において、貫通予定領域36は裂け目380を境界にしてフランジ部3の他の領域よりも上方に位置していたが、下方に位置することで貫通孔38が形成されてもよい。この場合、フランジ部3のうち貫通予定領域36以外の部位は、フランジ上部33を構成してもよい。
【0141】
上記実施形態の包装容器1では、フランジ部3の角部に貫通孔38が配置されていたが、図32(a)に示すように、フランジ部3の角部以外の領域に貫通孔38が配置されていてもよい。また、上記実施形態の包装容器1は、一つの収容部2を備えていたが、図32(b)~図32(c)に示すように、複数の収容部2を備えていてもよい。この場合、貫通孔38は、隣り合う収容部2の間(収容部2に挟まれる領域)に配置されることが考えられる。
【0142】
上記実施形態の包装容器1では、フランジ部3に貫通予定領域36が設けられていたが、貫通予定領域36の代わりに、フランジ部3に予め貫通孔38が設けられていてもよい。この場合、包装食品6の製造方法は、貫通孔形成工程を含まず、食品収容工程、一次シール工程、殺菌工程、及び、二次シール工程を含むことになる。
【0143】
上記実施形態の包装食品の製造方法では、食品収容工程、貫通孔形成工程、一次シール工程、殺菌工程、及び、二次シール工程が順に行われていたが、貫通孔形成工程を行った後に食品収容工程を行ってもよい。
【0144】
上記実施形態のフランジ部3は、開口縁21の周方向の全周に設けられていたが、この周方向において途切れた状態で(間隔をあけて)設けられてもよい。
【0145】
上記実施形態の包装容器1では、収容部2とフランジ部3とは一部材で構成されていたが別部材で構成されてもよい。例えば、容器本体4は、別部材として収容部2及びフランジ部3を形成し、収容部2やフランジ部3を接着剤で接着することにより、収容部2とフランジ部3とが接続されて構成されることが考えられる。
【0146】
また、本発明においては、殺菌対象物として種々の内容物を収容することができる。内容物は、例えば、保存または輸送にあたり、細菌、塵埃等の汚染物や酸素との接触を所望しない物品であり、食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、医療用機器、衛生用品、理化学用品、バイオ関連用品などが包含される。中でも、食品が好ましく、特に高温高圧下での蒸気殺菌において外観および品質を保持し得る食品(例えば、収容の際に固形である食品)が好ましい。
【0147】
また、本発明において使用する殺菌用ガスとして、上記実施形態では加熱蒸気を用いたが、内容物に応じてオゾンガス、酸化エチレン、ホルムアルデヒド、酢酸、酸化エチレン、二酸化塩素等の他の殺菌作用のあるガスを使用してもよい。
【符号の説明】
【0148】
1…包装容器、2…収容部、3…フランジ部、4…容器本体、5…蓋部材、6…包装食品、20…開口、21…開口縁、22…底板、23…側壁、30…フランジ上面、31…一次シール予定領域、32…二次シール予定領域、33…フランジ上部、33A…第一フランジ上部、33B…第二フランジ上部、33C…第三フランジ上部、33D…第四フランジ上部、33E…第五フランジ上部、33F…第六フランジ上部、33G…第七フランジ上部、33H…第八フランジ上部、34…フランジ下部、35…フランジ下面、36…貫通予定領域、38、38A、38B…貫通孔、39…溝部(凹部)、220…底板上面、221…底板下面、222…底板突起部、223…底板傾斜面、230…第一フランジ上面、330…フランジ上部上面、340…フランジ下部上面、360…溝部、361…上面、362…下面、363…外周縁、380…裂け目、381…直線、382…境界、C…隙間、F…食品、L…切断線、R…流通路、S…加熱蒸気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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