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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】入力編集装置及び入力編集方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04883 20220101AFI20230929BHJP
【FI】
G06F3/04883
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020018192
(22)【出願日】2020-02-05
(65)【公開番号】P2021124971
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】臼井 孝
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-238690(JP,A)
【文献】特開2018-005421(JP,A)
【文献】特開2015-148947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画入力されたオブジェクトを表示可能な表示部と、
前記オブジェクトを前記表示部に表示するオブジェクト表示部と、
前記オブジェクトの軌跡をクラスタに分けて認識するクラスタ認識部と、
前記認識されたクラスタを区分けする区画を設定する区画設定部と、
前記設定された区画を前記表示部に表示する区画表示部と、
前記オブジェクトを前記表示部の第1表示領域に表示し、前記区画を前記表示部の第2表示領域に表示するように制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記オブジェクトと前記区画とを対応付けて、
前記区画を所定の規則に基づいて表示し、
前記区画が選択されたときは、選択された区画に対応付けられたオブジェクトを強調表示し、選択された区画に隣接する区画に対応付けられたオブジェクトを、前記選択された区画に対応付けられたオブジェクトに準ずる強調表示し、
選択された区画に対して操作が行われたときは、前記選択された区画に対応付けられたオブジェクトに対して、前記オブジェクトが表示された位置で前記操作を反映することを特徴とする入力編集装置。
【請求項2】
描画入力されたオブジェクトを表示可能な表示部と、
前記オブジェクトを前記表示部に表示するオブジェクト表示部と、
前記オブジェクトの軌跡をクラスタに分けて認識するクラスタ認識部と、
前記認識されたクラスタを区分けする区画を設定する区画設定部と、
前記設定された区画を前記表示部に表示する区画表示部と、
前記オブジェクトを前記表示部の第1表示領域に表示し、前記区画を前記表示部の第2表示領域に表示するように制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記オブジェクトと前記区画とを対応付けて、
前記区画を所定の規則に基づいて表示し、
前記区画が選択されたときは、選択された区画に対応付けられたオブジェクトを含む付近の領域を複製して、前記複製した領域を前記選択された区画に隣接してポップアップ表示し、
選択された区画に対して操作が行われたときは、前記選択された区画に対応付けられたオブジェクトに対して、前記オブジェクトが表示された位置で前記操作を反映することを特徴とする入力編集装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記区画に対して行われる操作について、前記オブジェクトに対応する書式を適用するものとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力編集装置。
【請求項4】
前記クラスタは、
前記オブジェクトの入力された軌跡の1ストロークであることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力編集装置。
【請求項5】
前記クラスタは、
前記オブジェクトの入力された軌跡のうち、連続して入力された軌跡同士が接触しているものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力編集装置。
【請求項6】
前記クラスタは、
前記オブジェクトの入力された軌跡のうち、連続して入力されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力編集装置。
【請求項7】
前記クラスタは、
前記オブジェクトの入力された軌跡のうち、垂直方向または水平方向の何れかの方向に投影するときに、前記オブジェクトの入力された軌跡の表示態様が変化した時点で、前記入力された軌跡を区切ることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力編集装置。
【請求項8】
隣接する区画同士は、間隔をとって表示され、
前記間隔は、一区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力された後、次の区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力される前までの非入力時間に応じて設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力編集装置。
【請求項9】
描画入力されたオブジェクトを表示する工程と、
前記オブジェクトを表示部に表示する工程と、
前記オブジェクトの軌跡をクラスタに分けて認識する工程と、
前記認識されたクラスタを区分けする区画を設定する工程と、
前記設定された区画を前記表示部に表示する工程と、
前記オブジェクトを前記表示部の第1表示領域に表示し、前記区画を前記表示部の第2表示領域に表示するように制御する工程と、
を備え、
前記オブジェクトと前記区画とを対応付けて、前記区画を所定の規則に基づいて表示し、 前記区画が選択されたときは、選択された区画に対応付けられたオブジェクトを強調表示し、選択された区画に隣接する区画に対応付けられたオブジェクトを、前記選択された区画に対応付けられたオブジェクトに準ずる強調表示し、
選択された区画に対して操作が行われたときは、前記選択された区画に対応付けられたオブジェクトに対して、前記オブジェクトが表示された位置で前記操作を反映することを特徴とする入力編集方法。
【請求項10】
描画入力されたオブジェクトを表示する工程と、
前記オブジェクトを表示部に表示する工程と、
前記オブジェクトの軌跡をクラスタに分けて認識する工程と、
前記認識されたクラスタを区分けする区画を設定する工程と、
前記設定された区画を前記表示部に表示する工程と、
前記オブジェクトを前記表示部の第1表示領域に表示し、前記区画を前記表示部の第2表示領域に表示するように制御する工程と、
を備え、
前記オブジェクトと前記区画とを対応付けて、前記区画を所定の規則に基づいて表示し、
前記区画が選択されたときは、選択された区画に対応付けられたオブジェクトを含む付近の領域を複製して、前記複製した領域を前記選択された区画に隣接してポップアップ表示し、
選択された区画に対して操作が行われたときは、前記選択された区画に対応付けられたオブジェクトに対して、前記オブジェクトが表示された位置で前記操作を反映することを特徴とする入力編集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力編集装置等に係り、特に、表示部に 描写入力されたオブジェクトを表示するとともに、容易に編集することを可能にした入力編集装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置として、手書き入力された軌跡の一部を選択して編集処理を行うようにしたものは知られている。従来技術として、例えば、手書き入力において、所望の線を正確に消去する情報処理装置が開示されている(特許文献1を参照。)。
【0003】
また、その他の従来技術として、例えば、情報処理装置として、一筆書きの手書き入力軌跡のみでいろいろなオブジェクト選択パターンを選べるようにしたものや(特許文献2を参照。)、表示装置として、直感的かつ簡便な操作で表示部に表示された線の消去をユーザが指示できるようにしたもの(特許文献3を参照。)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-24517号公報
【文献】特開2010-267079号公報
【文献】特開2013-12134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、編集処理を行う場合に、軌跡そのものを選択する(特許文献1の技術)、軌跡を囲む(特許文献2の技術)、軌跡に接触するような指定する(特許文献3の技術)等において、オブジェクトに対して触接操作を行うようにされている。
【0006】
そのため、電子黒板等の大画面では、書き込まれた軌跡の一部の消去や編集を行う際に、ユーザの手が届かない場合は、体を移動して操作する必要があった。
【0007】
また、スマートフォン等の小さな画面では、個々の軌跡を直接選択するのが困難な場合は、編集のたびに拡大/縮小を繰り返す必要があり、円滑な削除/訂正/編集作業ができないという問題があった。
【0008】
また、描画される軌跡が図や絵柄であれば、軌跡同士の接触や交差が多く複雑で、所望の軌跡を選択することは容易ではなかった。
【0009】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、容易にオブジェクトの軌跡を選択して編集処理を行うことができる入力編集装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る入力編集装置は、描画入力されたオブジェクトを表示可能な表示部と、前記オブジェクトを前記表示部に表示するオブジェクト表示部と、前記オブジェクトの軌跡をクラスタに分けて認識するクラスタ認識部と、前記認識されたクラスタを区分けする区画を設定する区画設定部と、前記設定された区画を前記表示部に表示する区画表示部と、前記オブジェクトを前記表示部の第1表示領域に表示し、前記区画を前記表示部の第2表示領域に表示するように制御する制御部と、を備え、前記制御部により、前記オブジェクトと前記区画とを対応付けて、前記区画を所定の規則に基づいて表示し、前記区画に対して選択的に操作が行われたときは、前記操作を前記区画に対応付けられたオブジェクトに反映することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る入力編集方法は、描画入力されたオブジェクトを表示する工程と、前記オブジェクトを前記表示部に表示する工程と、前記オブジェクトの軌跡をクラスタに分けて認識する工程と、前記認識されたクラスタを区分けする区画を設定する工程と、前記設定された区画を前記表示部に表示する工程と、前記オブジェクトを前記表示部の第1表示領域に表示し、前記区画を前記表示部の第2表示領域に表示するように制御する工程と、を備え、前記オブジェクトと前記区画とを対応付けて、前記区画を所定の規則に基づいて表示し、前記区画に対して選択的に操作が行われたときは、前記操作を前記区画に対応付けられたオブジェクトに反映することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る入力編集装置等によれば、表示部に、描画入力されたオブジェクトと、前記オブジェクトの軌跡をクラスタに区分けした区画とを表示して、前記区画に対して選択操作や編集操作等が行われたときに、前記区画に対応付けられたオブジェクトに反映することで、前記オブジェクトに対して直接操作することなく、容易に編集処理を行うことができる入力編集装置等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る入力編集装置の構成を示すブロック図である。
図2】入力編集装置を構成する表示部の表示画面の一例を示す説明図である。
図3】表示部に表示されるオブジェクトと当該オブジェクトに対応付けられた区画との表示状態の一例を示す説明図である。
図4】第2実施形態に係る入力編集装置の表示部に表示されるオブジェクトの一部を強調表示する一例を示す説明図である。
図5】(a)から(f)はオブジェクトの一部を強調表示するその他の例を示す説明図である。
図6】第3実施形態に係る入力編集装置の表示部に表示されるオブジェクトの一部を強調表示および準強調表示する一例を示す説明図である。
図7】第4実施形態に係る入力編集装置の表示部の表示画面の表示領域を一部の表示領域を除き非強調表示した一例を示す説明図である。
図8】第5実施形態に係る入力編集装置の表示部の表示画面に表示されたオブジェクトの一部をポップアップ表示する一例を示す説明図である。
図9】第6実施形態に係る入力編集装置の表示部の表示画面に表示された編集メニューのポップアップ表示の一例を示す説明図である。
図10】(a)から(i)は編集メニューの選択可能な項目の一例を示す説明図である。
図11】第7実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトと、オブジェクトを構成するクラスタと、クラスタの区画との関係を示す説明図である。
図12】第8実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタと、クラスタの区画との関係を示す説明図である。
図13】第9実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタとクラスタの区画との関係を示す説明図である。
図14】第10実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタとクラスタの区画との関係を示す説明図である。
図15】入力順に区別されたオブジェクトに対応付けられた区画を表示する一例を示す説明図である。
図16】入力時間で区別されたオブジェクトに対応付けられた区画を表示する一例を示す説明図である。
図17】オブジェクトの入力者で区別されたオブジェクトに対応付けられた区画を表示する一例を示す説明図である。
図18】第11実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタとクラスタの区画との関係を示す説明図である。
図19】第12実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタとクラスタの区画との関係を示す説明図である。
図20】第13実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタとクラスタの区画との関係を示す説明図である。
図21】第14実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトに対応付けられた隣接する区画と区画間の間隔との位置関係を示す説明図である。
図22】入力編集装置におけるオブジェクトに対応付けられた隣接する区画の位置関係の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の第1実施形態に係る入力編集装置の構成を示すブロック図、図2は入力編集装置を構成する表示部の表示画面の一例を示す説明図、図3は表示部に表示されるオブジェクトと当該オブジェクトに対応付けられた区画との表示状態の一例を示す説明図である。
【0015】
第1実施形態は、表示部に表示されたオブジェクトを選択、編集する入力編集装置であって、描画入力されたオブジェクトの軌跡をクラスタに分けて認識し、認識されたクラスタを区分けする区画を設定し、表示部にオブジェクトと区画とを対応付けて表示して、区画に対して選択、編集等が行われたときに、前記区画に対応付けられたオブジェクトに対して選択、編集等の処理を反映することを特徴とするものである。
【0016】
(入力編集装置の構成)
まず、第1実施形態に係る入力編集装置1の構成について説明する。
入力編集装置1は、図1に示すように、主に、表示部10と、オブジェクト表示部20と、クラスタ認識部30と、区画設定部40と、区画表示部50と、記憶部60と、制御部80と、を備えて構成されている。
【0017】
表示部10は、描画入力されたオブジェクトと、そのオブジェクトに対応付けられた区画を表示する。
オブジェクト表示部20は、前記オブジェクトを表示部10に表示する。
クラスタ認識部30は、前記オブジェクトの軌跡をクラスタに分けて認識する。
区画設定部40は、認識されたクラスタを区分けする区画を設定する。
区画表示部50は、設定された区画を表示部10に表示する。
【0018】
クラスタは、オブジェクトの軌跡を区分けする態様であって、例えば、(1)軌跡を構成するストローク(字画)で構成したもの、(2)構成的に連続して入力されたストロークの一集合(ストロークが接触した状態のもの)、(3)時間的に連続して入力されたストロークの一集合(例えば、単語やセンテンス等の一括りのもの)、(4)軌跡が垂直方向または水平方向で分離されるときの一集合(例えば、文章の改行や項目毎に生じる一括りのもの)、等を含む。クラスタに関する情報は、クラスタ情報として記憶部60に記憶される。
【0019】
区画は、上述したクラスタを区分けして矩形状に表現したものである。区画に関する情報は、区画情報として記憶部60に記憶される。
【0020】
第1実施形態では、表示部10は、図2に示すように、表示画面110において、オブジェクトを表示する第1表示領域111と、前記オブジェクトに対応付けられた区画を表示する第2表示領域112が設けられている。
【0021】
第2表示領域112は、表示画面110の下部に幅方向両側端にわたり設けられている。そして、表示画面110の第2表示領域112以外の領域を第1表示領域111としている。
【0022】
なお、第2表示領域112は、表示画面110とユーザとの位置関係に応じて、表示画面110の上部に設けてもよく、また、表示画面110の左右両端部に上下方向に縦表示となるように設けてもよい。
【0023】
また、第1実施形態では、第1表示領域111と第2表示領域112とを表示画面110上に表示しているが、第1表示領域111と第2表示領域112の表示態様は、同一画面上に限定されるものではない。
【0024】
記憶部60には、描画入力されたオブジェクトに関するオブジェクト情報210と、前記オブジェクトを構成するクラスタに関するクラスタ情報310と、前記クラスタを区分けする区画に関する区画情報410とが記憶される。
【0025】
制御部80は、第1表示領域111に、描画入力されたオブジェクトを主画像として表示し、第2表示領域112に、前記オブジェクトに対応付けられた区画を表示するように制御する。また、制御部80は、オブジェクトと区画とを対応付けて、区画を所定の規則に基づいて表示し、区画に対して選択操作や編集操作等が行われたときは、実行された操作を区画に対応付けられたオブジェクトに反映する。
【0026】
第1実施形態では、図2に示すように、表示部10における表示画面110の第1表示領域111には、手書きで描写入力された第1~第4オブジェクト211,212,213,214が表示されている。そして、第2表示領域112には、第1~第4オブジェクト211,212,213,214にそれぞれ対応付けられた第1~第4区画411,412,413,414が表示されている。それぞれの区画は、クラスタ情報に応じて複数の矩形状の区画が並設した状態で表示される。
【0027】
第1~第4オブジェクト211,212,213,214は、入力された軌跡(ストローク)を時系列に累積的に表示される。
【0028】
第1~第4区画411,412,413,414は、図中左方向から右方向へ時系列に累積的に表示されるとともに、第1~第4オブジェクト211,212,213,214の書式に応じた処理が施されている。書式に応じた処理として、例えば、色分けやパターン表示等が適用される。
【0029】
(入力編集装置によるオブジェクトの編集)
次に、入力編集装置1の表示部10に描画入力されたオブジェクトの選択、編集について説明する。表示部10に表示されたオブジェクトを選択、編集する場合は、オブジェクトに対応付けられた区画に対して選択、編集を行う。
【0030】
まず、描画入力されたオブジェクトとオブジェクトに対応付けされた区画について説明する。
【0031】
図2に示すように、表示部10の第1表示領域111に描画入力された第1~第4オブジェクト211,212,213,214は、クラスタ認識部30によりそれぞれ描画されるオブジェクトの軌跡(ストローク)をクラスタに分けて認識される。
【0032】
クラスタ認識部30により認識されたクラスタは、区画設定部40により区分けされて、第1~第4オブジェクト211,212,213,214のそれぞれに対応した複数の矩形状の区画からなる第1~第4区画411,412,413,414として設定される。
【0033】
区画設定部40により設定された第1~第4区画411,412,413,414は、区画表示部50により表示部10の第2表示領域112に表示される。
【0034】
具体的には、図3に示すように、第1オブジェクト211が黒色で表示されている場合は、第1区画411は黒色で表示される。第2オブジェクト212がカラー色で表示されている場合は、第2区画412はカラー色で表示される。第3オブジェクト213がハッチングで表示されている場合は、第3区画413はハッチングで表示される。
【0035】
そして、第1~第3オブジェクト211,212,213を編集する場合は、第1~第3区画411,412,413をそれぞれ選択して編集することで、編集操作された区画に対応したオブジェクトに対して編集処理が行われる。
【0036】
以上のように構成したので、第1実施形態によれば、入力編集装置1において、表示部10と、オブジェクト表示部20と、クラスタ認識部30と、区画設定部40と、区画表示部50と、制御部80とを備えて、オブジェクトに対応付けられた区画を設定して、表示部10にオブジェクトと区画とをともに表示して、表示部10に表示された区画に対して編集操作等を行うことで、オブジェクトに対して直接選択操作や編集操作等を行うことなく、オブジェクトの書式等を編集することができる。これにより、電子黒板等の大画面において、ユーザからの遠い位置にあるオブジェクトに対して、例えば、ユーザの手が届かない位置のオブジェクトに対して、容易に編集操作を行うことができる。また、スマートフォン等の小さな画面において、オブジェクトの軌跡を直接選択するのが困難な場合でも、オブジェクトに対応付けられた区画に対して編集操作を行うことで、目的のオブジェクトに対して編集操作を行うことができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。
第2実施形態は、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザにより区画が選択、操作されたときは、選択された区画に対応付けられたオブジェクトを強調表示するようにしたことを特徴とするものである。
【0038】
なお、説明の便宜上、第1実施形態と同一の機能を有する構成には、同一の番号を付して説明を省略する。
【0039】
図4は第2実施形態に係る入力編集装置の表示部に表示されるオブジェクトの一部を強調表示する一例を示す説明図、図5の(a)から(f)はオブジェクトの一部を強調表示するその他の例を示す説明図である。
【0040】
第2実施形態では、図4に示すように、入力編集装置1の表示部10の表示画面110に表示された第2オブジェクト212と第2区画412とにおいて、ユーザPにより第2区画412の一部区画412cが選択されると、第2区画412の一部区画412cと対応付けられた第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cとが強調表示される。
【0041】
ここでは、ユーザPにより第2区画412の一部区画412cが選択されたとき、第2区画412の一部区画412cの書式(色設定)が第2区画412の色とは異なる強調した色に変更されるとともに、第2区画412の一部区画412cと対応付けられた第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cが、第2区画412の一部区画412cと同様に他の区画の色とは異なる強調した色に変更される。
【0042】
これにより、第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cの色が第2オブジェクト212の色とは異なる強調された色表示となるために、第2区画412の一部区画412cとともに第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cが強調表示される。
【0043】
以下に、その他の強調表示する例を示す。
図5(a)に示す第2オブジェクト212の一部オブジェクト212c1は、点滅することで強調表示したものである。
【0044】
図5(b)に示す第2オブジェクト212の一部オブジェクト212c2は、破線で包囲することで強調表示したものである。
【0045】
図5(c)に示す第2オブジェクト212の一部オブジェクト212c3は、カラーマーキング等でハイライト表示することで強調表示したものである。
【0046】
図5(d)に示す第2オブジェクト212の一部オブジェクト212c4は、網点でマーキングすることで強調表示したものである。
【0047】
図5(e)に示す第2オブジェクト212の一部オブジェクト212c5は、文字を網点で表示することで強調表示したものである。
【0048】
図5(f)に示す第2オブジェクト212の一部オブジェクト212c6は、太文字で表示することで強調表示したものである。
【0049】
なお、強調表示は、上述した例に限定されるものではない。
【0050】
以上のように構成したので、第2実施形態によれば、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザPにより区画が選択されたときは、選択された区画に対応付けられたオブジェクトを強調表示するようにしたことで、編集対象となるオブジェクトを強調することができる。
【0051】
また、第2実施形態では、ユーザPにより区画が選択されたときに、第2区画412の一部区画412cとともに、第2区画412の一部区画412cと対応付けられた第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cを強調した色に変更するようにしたことで、区画と関連付けられたオブジェクトの位置関係が明確になり、ユーザにとって編集対象となるオブジェクトが認識し易くなる。
【0052】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。
第3実施形態は、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザにより区画が選択、操作されたときは、選択された区画に隣接する区画に対応付けられたオブジェクトを、前記選択された区画に対応付けられたオブジェクトに準ずる強調表示するようにしたことを特徴とするものである。
【0053】
なお、説明の便宜上、第1実施形態と同一の機能を有する構成には、同一の番号を付して説明を省略する。
【0054】
図6は第3実施形態に係る入力編集装置の表示部に表示されるオブジェクトの一部を強調表示および準強調表示する一例を示す説明図である。
【0055】
第3実施形態では、図6に示すように、入力編集装置1の表示部10の表示画面110に表示された第1~第4オブジェクト211,212,213,214と第1~第4区画411,412,413,414とにおいて、ユーザPにより第2区画412の一部区画412cが選択されると、第2区画412の一部区画412cと対応付けられた第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cが強調表示されるとともに、第2区画412の一部区画412cと隣接する第2区画412の一部区画412bおよび第3区画413の一部区画413nに対応付けられた第2オブジェクト212の一部区画212bおよび第3オブジェクト213の一部区画213nとが準強調表示される。
【0056】
ここでは、ユーザPにより第2区画412の一部区画412cが選択されたとき、第2区画412の一部区画412cが強調表示されるとともに、第2区画412の一部区画412cと隣接する第2区画412の一部区画412bおよび第3区画413の一部区画413nが第2区画412の一部区画412cに準じて強調表示される。
【0057】
以上のように構成したので、第3実施形態によれば、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザPにより区画が選択されたときは、選択された区画に隣接する区画に対応付けられたオブジェクトを、前記選択された区画に対応付けられたオブジェクトに準ずる強調表示することで、編集対象となるオブジェクトを含む周辺を強調することができる。
【0058】
また、第3実施形態では、ユーザPにより区画が選択されたときに、第2区画412の一部区画412cを強調表示するとともに、第2区画412の一部区画412cと隣接する第2区画412の一部区画412bおよび第3区画413の一部区画413nとを第2区画412の一部区画412cに準じて強調表示するようにしたので、区画と関連付けられたオブジェクトの位置関係がより明確になり、ユーザにとって編集対象となるオブジェクトがより認識し易くなる。
【0059】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図面を参照して説明する。
第4実施形態は、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザにより区画が選択されたときは、表示部10の表示画面110の表示領域のうち選択された区画に対応付けられたオブジェクト以外の表示領域を非強調表示するようにしたことを特徴とするものである。
【0060】
なお、説明の便宜上、第1実施形態と同一の機能を有する構成には、同一の番号を付して説明を省略する。
【0061】
図7は第4実施形態に係る入力編集装置の表示部の表示画面の表示領域を一部の表示領域を除き非強調表示した一例を示す説明図である。
【0062】
第4実施形態では、図7に示すように、入力編集装置1の表示部10に表示画面110において、第1~第4オブジェクト211,212,213,214に対応付けられた第1~第4区画411,412,413,414のうちから、ユーザPにより第2区画412の一部区画412cが選択されたときは、第2区画412の一部区画412cに対応付けられた第2オブジェクト212の一部オブジェクト212c以外の表示領域113を、いわゆるグレーアウトすることで非強調表示するようにしている。
【0063】
ここでは、ユーザPにより選択された第2区画412の一部区画412cと第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cとが表示領域113において強調表示される色で表示されている。
【0064】
以上のように構成したので、第4実施形態によれば、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザにより区画が選択されたときは、表示部10の表示画面110の表示領域のうち選択された区画に対応付けられたオブジェクト以外の表示領域113を非強調表示するようにしたことで、選択された区画に対応付けられたオブジェクトが逆に強調表示されるので、編集対象となるオブジェクトが認識し易くなる。
【0065】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図面を参照して説明する。
第5実施形態は、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザにより区画が選択されたときは、選択された区画に対応付けられたオブジェクトを含む近隣の表示領域を複製して、複製された表示領域の画像を前記選択された区画に隣接してポップアップ表示することを特徴とするものである。
【0066】
なお、説明の便宜上、第1実施形態と同一の機能を有する構成には、同一の番号を付して説明を省略する。
【0067】
図8は第5実施形態に係る入力編集装置の表示部の表示画面に表示されたオブジェクトの一部をポップアップ表示する一例を示す説明図である。
【0068】
第5実施形態では、図8に示すように、入力編集装置1の表示部10に表示画面110において、第1~第4オブジェクト211,212,213,214に対応付けられた第1~第4区画411,412,413,414のうちから、ユーザPにより第2区画412の一部区画412cが選択されたときは、第2区画412の一部区画412cに対応付けられた第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cを含む表示領域115を複製して、複製された表示領域115の画像115aを第2区画412の一部区画412cに隣接してポップアップ表示する。
【0069】
ユーザPにより選択された第2区画412の一部区画412cは強調表示されている。
第2区画412の一部区画412cに対応付けられた第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cは、第2区画412の一部区画412cと同様に強調表示されている。
【0070】
以上のように構成したので、第5実施形態によれば、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザPにより第2区画412の一部区画412cが選択されたときは、第2区画412の一部区画412aに対応付けられた第2オブジェクト212の一部オブジェクト212cを含む表示領域115を複製して、複製された表示領域115の画像115aを第2区画412の一部区画412cに隣接してポップアップ表示することで、ユーザPが操作可能な表示領域に編集対象となるオブジェクトを含む周辺を表示することができる。これにより、大型ディスプレイにおける視線移動により操作の連続性を損なうという問題を解消できる。
【0071】
なお、複製した表示領域115の画像115aのポップアップ表示は、拡大表示したものであってもよい。例えば、携帯端末などの小さな画面での操作においては、拡大表示することで、より緻密な選択、編集が可能になる。
【0072】
また、本実施形態では、編集対象となるオブジェクトを強調表示しているが、強調表示をしなくてもよい。また、編集対象となるオブジェクトを含む表示領域115の範囲を示す枠(例えば、図8中の2点鎖線の枠)を表示画面110に表示するようにしてもよい。
【0073】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について図面を参照して説明する。
第6実施形態は、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザにより区画が選択されたときは、選択された区画に隣接して編集メニューをポップアップ表示することを特徴とするものである。
【0074】
なお、説明の便宜上、第1実施形態と同一の機能を有する構成には、同一の番号を付して説明を省略する。
【0075】
図9は第6実施形態に係る入力編集装置の表示部の表示画面に表示された編集メニューのポップアップ表示の一例を示す説明図、図10(a)から(i)は編集メニューの選択可能な項目の一例を示す説明図である。
【0076】
第6実施形態では、図9に示すように、入力編集装置1の表示部10に表示画面110において、第1~第4オブジェクト211,212,213,214に対応付けられた第1~第4区画411,412,413,414のうちから、ユーザPにより第2区画412の一部区画412cが選択されたときは、編集可能な項目が表示された編集メニュー610をポップアップ表示する。
【0077】
編集メニュー610には、図9に示すように、アイコン610a~610iが選択可能に設けられている。
【0078】
アイコン610aは、図10(a)に示すように、星の画像が表示されたアイコンであって、お気に入り登録を行う。
【0079】
アイコン610bは、図10(b)に示すように、消しゴムの画像が表示されたアイコンであって、描画された画像を消去する。
【0080】
アイコン610cは、図10(c)に示すように、鍵の画像が表示されたアイコンであって、入力操作をロックする。
【0081】
アイコン610dは、図10(d)に示すように、鉛筆と線の画像が表示されたアイコンであって、描画入力される線の太さを設定する。
【0082】
アイコン610eは、図10(e)に示すように、矢印の画像が表示されたアイコンであって、指示したものを選択する。
【0083】
アイコン610fは、図10(f)に示すように、描画パターンの画像が表示されたアイコンであって、描画された画像の塗り(塗りつぶし)パターンを設定する。
【0084】
アイコン610gは、図10(g)に示すように、コピー処理を示す画像が表示されたアイコンであって、コピーを実行する。
【0085】
アイコン610hは、図10(h)に示すように、色鉛筆の画像が表示されたアイコンであって、描画線の色の変更を行う。
【0086】
アイコン610iは、図10(i)に示すように、線画とその影の画像が表示されたアイコンであって、描画線の影付き処理を行う。
【0087】
以上のように構成したので、入力編集装置1において、制御部80の機能として、ユーザにより区画が選択されたときは、選択された区画に隣接して編集メニュー610をポップアップ表示することで、編集メニュー610に表示されたアイコンを適宜選択することで、容易に所望の設定処理を行うことができる。
【0088】
なお、第6実施形態では、入力編集装置1において、編集メニュー610を、表示部10に表示されて選択された区画に隣接して表示しているが、編集メニュー610は、例えば、選択された区画に対応付けられたオブジェクトに隣接して表示してもよい。
また、選択された区画に対応付けられたオブジェクトを、さらに操作(クリック操作、タップ操作)したときに、編集メニュー610を当該オブジェクトに隣接して表示してもよい。
【0089】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について図面を参照して説明する。
第7実施形態は、入力編集装置1において、オブジェクトの軌跡を区分けするクラスタは、オブジェクトの入力された軌跡の1ストローク(字画)で構成したことを特徴とするものである。
【0090】
図11は第7実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトと、オブジェクトを構成するクラスタと、クラスタの区画との関係を示す説明図である。
【0091】
第7実施形態では、図11に示すように、入力編集装置1の表示部10に表示画面110に描画入力されるオブジェクトG1を、例えば、平仮名の「あ」とする。
オブジェクトG1を描画入力する軌跡は、3ストローク(3字画)で構成される。
【0092】
オブジェクトG1は、クラスタ認識部30により、横に1字画のクラスタC1と、斜めに1字画のクラスタC2と、「の」の字の1字画のクラスタC3とに分けて認識される。
【0093】
認識されたクラスタC1,C2,C3は、区画設定部40により、クラスタ毎に区画S1,S2,S3が設定される。
【0094】
区画S1,S2,S3は、それぞれ矩形状に構成される。区画S1,S2,S3のそれぞれの矩形の横幅(w)は、それぞれのクラスタの1字画の長さに応じて設定される。
【0095】
すなわち、区画S1の横幅(w)は、横に1字画の長さに応じてw1としている。
区画S2の横幅(w)は、斜めに1字画の長さに応じてw2としている。
区画S3の横幅(w)は、「の」の1字画の長さに応じてw3としている。
【0096】
以上のように構成したので、第7実施形態によれば、入力編集装置1において、オブジェクトG1の軌跡を区分けするクラスタを、オブジェクトの入力された軌跡の1ストローク(字画)で構成したクラスタC1,C2,C3と認識して、クラスタC1,C2,C3を区画S1,S2,S3として設定することで、区画毎に分離して扱うことができるので、細かい調整や修正、変更が可能になる。
【0097】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について図面を参照して説明する。
第8実施形態は、入力編集装置1において、オブジェクトの軌跡を区分けするクラスタは、オブジェクトの入力された軌跡のうち、連続して入力された軌跡同士が接触したストロークのものとすることを特徴とするものである。
【0098】
図12は第8実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタと、クラスタの区画との関係を示す説明図である。
【0099】
第8実施形態では、図12に示すように、入力編集装置1の表示部10に表示画面110に描画入力されるオブジェクトG10を、例えば、平仮名の「あめ」とする。
オブジェクトG10を描画入力する軌跡は、平仮名の「あ」と「め」の2文字で構成される。
【0100】
オブジェクトG10は、クラスタ認識部30により、連続して入力された軌跡同士が接触したストロークの平仮名1文字の「あ」のクラスタC11と、平仮名1文字の「め」のクラスタC12とに分けて認識される。
【0101】
認識されたクラスタC11,C12は、区画設定部40により、クラスタ毎に区画S11,S12が設定される。
【0102】
区画S11,S12は、それぞれ矩形状に構成される。区画S11,S12のそれぞれの矩形の横幅(w)は、それぞれのクラスタの連続して入力された軌跡同士が接触したストロークの長さに応じて設定される。
【0103】
すなわち、区画S11の横幅(w)は、「あ」の文字を構成するストロークの長さに応じてw11としている。
区画S12の横幅(w)は、「め」の文字を構成するストロークの長さに応じてw12としている。
【0104】
以上のように構成したので、第8実施形態によれば、入力編集装置1において、オブジェクトG10の軌跡を区分けするクラスタを、オブジェクトの入力された軌跡のうち、連続して入力された軌跡同士が接触したストロークで構成したものをクラスタC11,C12として認識して、クラスタC11,C12を区画S11,S12として設定することで、ストロークが連続して接触した区画毎に扱うことができるので、区画毎に形状のバランスを損なうことなく調整、修正、変更等を行うことができる。
【0105】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について図面を参照して説明する。
第9実施形態は、入力編集装置1において、オブジェクトの軌跡を区分けするクラスタは、オブジェクトの入力された軌跡のうち、連続して入力されたものとすることを特徴とするものである。
【0106】
オブジェクトが連続して入力された状態は、予め規定された時間を超える非入力時間を挟まないで連続して入力された状態とする。
【0107】
図13は第9実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタとクラスタの区画との関係を示す説明図である。
【0108】
第9実施形態では、図13に示すように、例えば、入力編集装置1の表示部10に表示画面110に描画入力されるオブジェクトG20を「〒639-1186 奈良県大和郡山市美濃庄町」とする。
オブジェクトG20を描画入力する連続した軌跡は、単語やセンテンスである「〒639-1186」のクラスタC21と、「奈良県大和郡山市美濃庄町」のクラスタC22との2つの集合体で構成される。
【0109】
オブジェクトG20は、クラスタ認識部30により、所定時間の間隔内で連続して入力された文字の集合体として「〒639-1186」のクラスタC21と、「奈良県大和郡山市美濃庄町」のクラスタC22とに分けて認識される。
【0110】
認識されたクラスタC21,C22は、区画設定部40により、クラスタ毎に区画S21,S22が設定される。
【0111】
区画S21,S22は、それぞれ矩形状に構成される。区画S21,S22のそれぞれの矩形の横幅(w)は、それぞれのクラスタの所定時間の間隔内で連続して入力された文字数に応じて設定される。
【0112】
すなわち、区画S21の横幅(w)は、「〒639-1186」のクラスタC21の文字数に応じてw21としている。区画S22の横幅(w)は、「奈良県大和郡山市美濃庄町」のクラスタC22の文字数に応じてw22としている。
【0113】
以上のように構成したので、第9実施形態によれば、入力編集装置1において、オブジェクトG20の軌跡を区分けするクラスタを、オブジェクトの入力された軌跡のうち、所定時間の間隔内で連続して入力された文字の集合体をクラスタC21,C22として認識して、クラスタC21,C22を区画S21,S22として設定することで、連続した文字の集合体として区画毎に扱うことができるので、単語やセンテンス毎に調整、修正、変更等を行うことができる。
【0114】
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について図面を参照して説明する。
第10実施形態は、入力編集装置1において、オブジェクトの軌跡を区分けするクラスタは、オブジェクトの入力された軌跡のうち、垂直方向または水平方向の何れかの方向に表示するときに、オブジェクトの入力された軌跡の表示態様が変化した時点で、前記入力された軌跡を区切ることを特徴とするものである。
【0115】
図14は第10実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタとクラスタの区画との関係を示す説明図である。
【0116】
第10実施形態では、図14に示すように、例えば、入力編集装置1の表示部10に表示画面110に描画入力されるオブジェクトG30を「〒639-1186 奈良県大和郡山市美濃庄町」とする。
【0117】
オブジェクトG30を描画入力する軌跡は、水平方向に入力されて、「〒639-1186」と入力された時点で、上方向に改行して、「奈良県大和郡山市美濃庄町」と入力されて構成される。
【0118】
オブジェクトG30は、「〒639-1186」と入力された時点で改行されて、次の段落で「奈良県大和郡山市美濃庄町」と入力されている。これにより、オブジェクトG30は、クラスタ認識部30により、「〒639-1186」をクラスタC31、「奈良県大和郡山市美濃庄町」のクラスタC32として分けて認識される。
【0119】
認識されたクラスタC31,C32は、区画設定部40により、クラスタ毎に区画S31,S32が設定される。
【0120】
クラスタC31を構成するオブジェクトの「〒639-1186」の高さはH1、クラスタC32を構成するオブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」の高さはH2で構成されている。
【0121】
区画S31,S32は、それぞれ矩形状に構成される。区画S31,S32のそれぞれの矩形の横幅(w)は、それぞれクラスタを構成するオブジェクトの高さに応じて設定される。
【0122】
すなわち、区画S31の横幅(w)は、クラスタC31のオブジェクト「〒639-1186」の高さH1に応じてw31としている。区画S32の横幅(w)は、クラスタC32のオブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」の高さH2に応じてw32としている。
【0123】
以上のように構成したので、第10実施形態によれば、入力編集装置1において、オブジェクトG30の軌跡を区分けするクラスタを、所定の規則に基づいて、オブジェクトの入力された軌跡を水平方向に表示するときに、オブジェクトの入力された軌跡が改行により表示態様が変化した時点で、オブジェクトG30が入力された軌跡を区切ってクラスタC31,C32として認識して、クラスタC31,C32を区画S31,S32として設定することで、改行や項目毎にオブジェクトを一括りにして調整、修正、変更等を行うことができる。
【0124】
また、第10実施形態では、区画S31,S32の矩形の横幅(w)を、それぞれクラスタを構成するオブジェクトの高さH1、H2に応じて設定するようにしたので、区画S31,S32の矩形の横幅(w)により、これに対応付けられたオブジェクトの大きさを容易に認識することができる。
【0125】
(区画の表示について)
ここで、入力編集装置1において、描画入力されたオブジェクトに対応した区画を表示する態様について図面を参照して説明する。
【0126】
図15は入力順に区別されたオブジェクトに対応付けられた区画を表示する一例を示す説明図、図16は入力時間で区別されたオブジェクトに対応付けられた区画を表示する一例を示す説明図、図17はオブジェクトの入力者で区別されたオブジェクトに対応付けられた区画を表示する一例を示す説明図である。
【0127】
(実施例1)
実施例1は、図15に示すように、描画入力されたオブジェクトG40に対して、クラスタ認識部30によりオブジェクトが入力された順にクラスタC41,C42を認識して、区画設定部40によりクラスタC41,C42を区分けする区画S41,S42を設定して、区画表示部50により区画S41,S42を並べて表示したものである。
【0128】
このように構成することで、簡単な規則によりオブジェクトG40に対応付けられた区画S41,S42を設定することができる。
【0129】
(実施例2)
実施例2は、図16に示すように、描画入力されたオブジェクトG50に対して、クラスタ認識部30によりオブジェクトが入力された時間に応じてクラスタC51,C52を認識して、区画設定部40によりクラスタC51,C52を区分けする区画S51,S52を設定して、区画表示部50により区画S51,S52を並べて表示したものである。
【0130】
このように構成することで、時間が経過した後にオブジェクトを描画入力した場合でも、描画した時間差等を直感的に認識することができる。
【0131】
(実施例3)
実施例3は、図17に示すように、描画入力されたオブジェクトG60に対して、クラスタ認識部30によりオブジェクトを入力した入力者に応じてクラスタC61,C62を認識して、区画設定部40によりクラスタC61,C62を区分けする区画S61,S62を設定して、区画表示部50により区画S61,S62を並べて表示したものである。
【0132】
このように構成することで、例えば、入力者毎に修正する権限を制限したり許可したりすることが可能になる。
【0133】
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について図面を参照して説明する。
第11実施形態は、入力編集装置1において、オブジェクトに対応付けられた区画の横幅は、区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡を入力するのに要する時間に基づき設定されることを特徴とするものである。
【0134】
図18は第11実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタとクラスタの区画との関係を示す説明図である。
【0135】
第11実施形態では、図18に示すように、例えば、入力編集装置1の表示部10に表示画面110に描画入力されるオブジェクトG70を「〒639-1186 奈良県大和郡山市美濃庄町」とする。
【0136】
オブジェクトG70を描画入力する軌跡は、クラスタ認識部30により、オブジェクトの「〒639-1186」をクラスタC71、オブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」のクラスタC72として分けて認識される。
【0137】
オブジェクトG70が描画入力される際に、クラスタC71を構成するオブジェクトの「〒639-1186」を入力するのに時間T1を要し、クラスタC72を構成するオブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」を入力するのに時間T2を要している。
【0138】
認識されたクラスタC71,C72は、区画設定部40により、クラスタ毎に区画S71,S72が設定される。
【0139】
区画S71,S72は、それぞれ矩形状に構成される。区画S71,S72のそれぞれの矩形の横幅(w)は、それぞれクラスタを構成するオブジェクトを入力するのに要する時間の長さに応じて設定される。
【0140】
すなわち、区画S71の横幅(w)は、クラスタC71のオブジェクト「〒639-1186」を入力するのに要する時間T1に応じてw71としている。区画S72の横幅(w)は、クラスタC72のオブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」を入力するのに要する時間T2に応じてw72としている。
【0141】
以上のように構成したので、第11実施形態によれば、入力編集装置1において、オブジェクトG70に対応付けられた区画S71,S72の区画の横幅(w)をそれぞれの区画に対応付けられたオブジェクトを入力するのに要する時間T1,T2に応じて設定することで、時系列に表示した場合に、実際のオブジェクト軌跡と区画との対応付けが明確に確認できる。
【0142】
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について図面を参照して説明する。
第12実施形態は、入力編集装置1において、オブジェクトに対応付けられた区画の横幅は、区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡の長さに基づき設定されることを特徴とするものである。
【0143】
図19は第12実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトとオブジェクトを構成するクラスタとクラスタの区画との関係を示す説明図である。
【0144】
第12実施形態では、図19に示すように、例えば、入力編集装置1の表示部10に表示画面110に描画入力されるオブジェクトG80を「〒639-1186 奈良県大和郡山市美濃庄町」とする。
【0145】
オブジェクトG80を描画入力する軌跡は、クラスタ認識部30により、オブジェクトの「〒639-1186」をクラスタC81、オブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」のクラスタC82として分けて認識される。
【0146】
オブジェクトG80において、クラスタC81を構成するオブジェクトの「〒639-1186」の軌跡の長さを軌跡長L1として、クラスタC82を構成するオブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」の軌跡の長さを軌跡長L2としている。
【0147】
認識されたクラスタC81,C82は、区画設定部40により、クラスタ毎に区画S81,S82が設定される。
【0148】
区画S81,S82は、それぞれ矩形状に構成される。区画S81,S82のそれぞれの矩形の横幅(w)は、それぞれクラスタを構成するオブジェクトの軌跡の長さに応じて設定される。
【0149】
すなわち、区画S81の横幅(w)は、クラスタC81のオブジェクト「〒639-1186」の軌跡長L1に応じてw81としている。区画S82の横幅(w)は、クラスタC82のオブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」の軌跡長L2に応じてw82としている。
【0150】
以上のように構成したので、第12実施形態によれば、入力編集装置1において、オブジェクトG80に対応付けられた区画S81,S82の区画の横幅(w)をそれぞれの区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡長L1,L2に応じて設定することで、区画に対応するオブジェクトをイメージし易くなる。
【0151】
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について図面を参照して説明する。
第13実施形態は、入力編集装置1において、オブジェクトに対応付けられた区画の横幅は、区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡の面積(太さ)に基づき設定されることを特徴とするものである。
【0152】
図20は第13実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトと、オブジェクトを構成するクラスタと、クラスタの区画との関係を示す説明図である。
【0153】
第13実施形態では、図20に示すように、例えば、入力編集装置1の表示部10に表示画面110に描画入力されるオブジェクトG90を「〒639-1186 奈良県大和郡山市美濃庄町」とする。
【0154】
オブジェクトG90を描画入力する軌跡は、クラスタ認識部30により、オブジェクトの「〒639-1186」をクラスタC91、オブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」のクラスタC92として分けて認識される。
【0155】
オブジェクトG90において、クラスタC91を構成するオブジェクトの「〒639-1186」の軌跡の線の太さを線太A1として、クラスタC92を構成するオブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」の軌跡の線の太さを線太A2としている。
【0156】
認識されたクラスタC91,C92は、区画設定部40により、クラスタ毎に区画S91,S92が設定される。
【0157】
区画S91,S92は、それぞれ矩形状に構成される。区画S91,S92のそれぞれの矩形の横幅(w)は、それぞれクラスタを構成するオブジェクトの線の太さに応じて設定される。
【0158】
すなわち、区画S91の横幅(w)は、クラスタC91のオブジェクト「〒639-1186」の線太A1に応じてw91としている。区画S92の横幅(w)は、クラスタC92のオブジェクトの「奈良県大和郡山市美濃庄町」の線太A2に応じてw92としている。
【0159】
以上のように構成したので、第13実施形態によれば、入力編集装置1において、オブジェクトG90に対応付けられた区画S91,S92の区画の横幅(w)をそれぞれの区画に対応付けられたオブジェクトの線太A1,A2に応じて設定することで、区画とこれに対応するオブジェクトとを認識し易くなる。
【0160】
なお、第13実施形態の変形例として、オブジェクトに対応付けられた区画の横幅(w)は、区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡に基づき設定された線太の値に、特定の係数を固定値として加算した値を横幅(w)の値としてもよい。
【0161】
(第14実施形態)
次に、第14実施形態について図面を参照して説明する。
第13実施形態は、入力編集装置1において、隣接するオブジェクトに対応付けられた区画同士は、間隔をとって表示され、その間隔は、一区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力された後、次の区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力される前までの非入力時間に応じて設定されることを特徴とするものである。
【0162】
図21は第14実施形態に係る入力編集装置において描画入力されるオブジェクトに対応付けられた隣接する区画と区画間の間隔との位置関係を示す説明図、図22は第14実施形態に係る入力編集装置におけるオブジェクトに対応付けられた隣接する区画の位置関係の変形例を示す説明図である。
【0163】
第14実施形態では、図21に示すように、隣接する区画S101,S102,S103において、区画S101と区画S102とは間隔w101をとって配置され、区画S102と区画103とは間隔w102をとって配置されている。
【0164】
間隔w101は、区画S101に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力された後、次の区画S102に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力されるまでの非入力時間を間隔で示すものである。
【0165】
間隔w102は、区画S102に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力された後、次の区画S103に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力されるまでの非入力時間を間隔で示すものである。
【0166】
ここで、間隔w102は、間隔w101よりも広い間隔を有している。これは、間隔w102に対応する非入力時間が、間隔w101に対応する非入力時間が長いことを示している。
【0167】
以上のように構成したので、第14実施形態によれば、入力編集装置1において、隣接するオブジェクトに対応付けられた区画同士は、一区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力された後、次の区画に対応付けられたオブジェクトの軌跡が入力されるまでの非入力時間に応じて、間隔をとって表示するようにしたことで、区画同士の時間的な位置関係が明確に表示することができる。これにより、例えば、映像と音声を用いる議事録を作成する場合などで、映像記録と音声記録との時間的な整合性をとることが容易にできる。
【0168】
なお、第14実施形態の変形例として、図22に示すように、隣接するオブジェクトに対応付けられた区画同士、例えば、区画S201,S202,S203の間隔をとらないようにしてもよい。この場合には、例えば、オブジェクトの編集を行うときに、区画の選択を容易に行うことができる。
【0169】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0170】
1 入力編集装置
10 表示部
20 オブジェクト表示部
30 クラスタ認識部
40 区画設定部
50 区画表示部
60 記憶部
80 制御部
110 表示画面
111 第1表示領域
112 第2表示領域
210 オブジェクト情報
310 クラスタ情報
410 区画情報
610 編集メニュー
610a~610i アイコン
A1,A2 線太
C1,C2,C3,C11,C12,C21,C22,
C31,C32,C41,C42,C51,C52,C61,
C62,C71,C72,C81,C82,C91,C92 クラスタ
G1,G10,G20,G30,G40,
G50,G60,G70,G80,G90 オブジェクト
L1,L2 軌跡長
S1,S2,S3 区画
S101,S102,S103,S201,S202,S203 区画
S11,S12,S21,S22,S31,S32,
S41,S42,S51,S52,S61,S62,
S71,S72,S81,S82,S91,S92 区画
T1,T2 時間
w101,w102 間隔
図1
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図10
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図20
図21
図22