(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】コンパクトな火炎カーテンバーナ
(51)【国際特許分類】
F23D 14/22 20060101AFI20230929BHJP
F23D 14/58 20060101ALI20230929BHJP
F23D 14/56 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
F23D14/22 J
F23D14/58 D
F23D14/56 D
(21)【出願番号】P 2021556799
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2020051648
(87)【国際公開番号】W WO2020192983
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-11-08
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ポイノ、フィリペ
(72)【発明者】
【氏名】カダラン、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】グローエン、ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】ラべ、ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダンドリエッシェ、レミー
(72)【発明者】
【氏名】ポブル、ザビエ
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-155108(JP,A)
【文献】特開2002-276909(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0000343(US,A1)
【文献】実公昭40-018235(JP,Y1)
【文献】特開2017-156043(JP,A)
【文献】実公昭59-009149(JP,Y2)
【文献】特公昭59-001922(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 14/22
F23D 14/58
F23D 14/56
C03B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナ底部(3)とバーナ上部(4)との間において、且つ第1のバーナ端部(1)と第2のバーナ端部(2)との間で長手方向に延びるポストミックスバーナであって、
・前記バーナ底部(3)から前記バーナ上部(4)まで、且つ前記長手方向において前記第1のバーナ端部(1)から前記第2のバーナ端部(2)まで延びる中央仕切り壁(5)であって、前記長手方向に延び、且つ前記バーナ上部(4)の吐出面(10)で終端する壁ヘッド部(7)を前記バーナ上部(4)に向かって含む中央仕切り壁(5)、
・前記中央仕切り壁(5)の第1の側で前記バーナ底部(3)に隣接する第1の入口区画(102)及び前記第1の側の反対側の前記中央仕切り壁(5)の第2の側で前記バーナ底部(3)に隣接する第2の入口区画(202)、
・前記中央仕切り壁(5)の前記第1の側で前記バーナ上部(4)に隣接する第1の出口区画(103)及び前記中央仕切り壁(5)の前記第2の側で前記バーナ上部(4)に隣接する第2の出口区画(203)であって、前記第1の入口区画(102)は、その前記第1の側で前記中央仕切り壁(5)から延びる第1の分離プレート(109)によって前記第1の出口区画(103)から分離され、及び前記第2の入口区画(202)は、その前記第2の側で前記中央仕切り壁(5)から延びる第2の分離プレート(209)によって前記第2の出口区画(203)から分離される、第1の出口区画(103)及び第2の出口区画(203)、
・前記第1の入口区画(102)に通じ、且つ前記バーナの外側から前記第1の入口区画(102)に第1の流体を供給するように適合された第1の流体入口(101)及び前記第2の入口区画(202)に通じ、且つ前記バーナの外側から前記第2の入口区画(202)に第2の流体を供給するように適合された第2の流体入口(201)
を呈し、
・前記第1の分離プレート(109)は、前記第1の入口区画(102)を前記第1の出口区画(103)に流体的に接続する複数の第1の貫通通路(104)の第1のセットを呈し、第1の貫通通路(104)の前記第1のセットは、前記長手方向に延び、
・前記第2の分離プレート(209)は、前記第2の入口区画(202)を前記第2の出口区画(203)に流体的に接続する複数の第2の貫通通路(204)の第2のセットを呈し、第2の貫通通路(204)の前記第2のセットは、前記長手方向に延び、
・前記壁ヘッド部(7)は、前記吐出面(10)においてそれぞれ第1の吐出口(100)及び第2の吐出口(200)で終端する第1の出口通路(107)の第1のセット及び第2の出口通路(207)の第2のセットを呈し、前記第1の出口通路(107)は、前記第1の出口区画(103)を前記バーナ上部(4)の下流の領域(50)に流体的に接続し、及び前記第2の出口通路(207)は、前記第2の出口区画(203)を前記下流領域(50)に流体的に接続し、前記第1及び第2の吐出口(100、200)は、それぞれ前記吐出面(10)において前記長手方向に延びる、ポストミックスバーナ。
【請求項2】
前記第1の入口区画(102)は、前記第1の出口区画(103)の容積よりも大きい容積を有し、及び/又は前記第2の入口区画(202)は、前記第2の出口区画(203)の容積よりも大きい容積を有する、請求項1に記載のバーナ。
【請求項3】
第1の貫通通路(104)の前記第1のセットは、第1の貫通通路(104)の複数の離間された列を含み、第1の貫通通路(104)の前記列は、前記長手方向に延び、及び/又は第2の貫通通路(204)の前記第2のセットは、第2の貫通通路(204)の複数の離間された列を含み、第2の貫通通路(204)の前記列は、前記長手方向に延びる、請求項1又は2に記載のバーナ。
【請求項4】
前記吐出面(10)の前記第1の吐出口(100)は、前記長手方向に1つ又は2つ以上の第1の列において延び、前記吐出面(10)の前記第2の吐出口(200)は、前記長手方向に1つ又は複数の第2の列において延び、最も外側の列は、好ましくは、両方とも第1の列である、請求項1~3のいずれか一項に記載のバーナ。
【請求項5】
・第1の出口通路(107)の前記第1のセットは、第1の出口通路(107)の複数のフォーク状の第1のサブセット(110)を含み、それぞれの第1のサブセット(110)は、前記長手方向に垂直な平面に配置され、
・第2の出口通路(207)の前記第2のセットは、第2の出口通路(207)の複数のフォーク状の第2のサブセット(210)を含み、それぞれの第2のサブセット(210)は、前記長手方向に垂直な平面に配置され、
・前記第1及び/又は第2のサブセット(110、210)は、交互の第1及び第2のサブセット(110、210)の列を前記長手方向に一緒に画定する、請求項4に記載のバーナ。
【請求項6】
前記第1の吐出口(100)及び前記第2の吐出口(200)は、前記長手方向に1つ又は複数の列を一緒に形成し、前記1つ又は複数の列のそれぞれにおいて、第1の吐出口(100)は、第2の吐出口(200)と交互になる、請求項1~3のいずれか一項に記載のバーナ。
【請求項7】
・第1の出口通路(107)の前記第1のセットは、第1の出口通路(107)の複数のフォーク状の第1のサブセット(110)を含み、それぞれの第1のサブセット(110)は、前記長手方向と非ゼロ角度Θを形成する平面に配置され、
・第2の出口通路(207)の前記第2のセットは、第2の出口通路(207)の複数のフォーク状の第2のサブセット(210)を含み、それぞれの第2のサブセット(210)は、前記長手方向と前記非ゼロ角度Θを形成する平面に配置され、
・前記第1及び第2のサブセット(110、210)は、前記長手方向に交互の第1及び第2のサブセット(110、210)の列を一緒に画定する、請求項6に記載のバーナ。
【請求項8】
30°
【数1】
Θ
【数2】
60°、好ましくは40°
【数3】
Θ
【数4】
50°である、請求項7に記載のバーナ。
【請求項9】
前記下流領域(50)に向かって前記バーナ上部(4)から外方に突出し、且つ前記吐出面(10)において前記第1及び第2の吐出口(100、200)の両側で前記長手方向に延びる2つのリップ(11)をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のバーナ。
【請求項10】
前記第1の流体入口(101)は、ガス状燃焼酸化剤の供給源に流体的に接続され、前記第2の流体入口(201)は、ガス状燃料の供給源に流体的に接続される、請求項1~9のいずれか一項に記載のバーナ。
【請求項11】
前記ガス状燃焼酸化剤は、50体積%~100体積%の酸素、好ましくは少なくとも80体積%、より好ましくは少なくとも90体積%の酸素を含有し、及び/又は前記ガス状燃料は、天然ガス、プロパン、プロピレン、アセチレン、水素及び前記ガス状燃料の少なくとも2種の混合物から選択される、請求項10に記載のバーナ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のバーナによる燃焼方法であって、
・前記ガス状燃焼酸化剤は、前記第1の流体入口(101)に供給され、それにより、前記ガス状燃焼酸化剤は、前記第1の流体入口(101)から前記第1の入口区画(102)に、且つ前記第1の入口区画(102)から前記第1の貫通通路(104)を介して前記第1の出口区画(103)に、且つ前記第1の出口区画(103)から前記第1の出口通路(107)及び前記第1の吐出口(100)を介して前記下流領域(50)に流れ、
・前記ガス状燃料は、前記第2の流体入口(201)に供給され、それにより、前記ガス状燃料は、前記第2の流体入口(210)から前記第2の入口区画(202)に、且つ前記第2の入口区画(202)から前記第2の貫通通路(204)を介して前記第2の出口区画(203)に、且つ前記第2の出口区画(203)から前記第2の出口通路(207)及び前記第2の吐出口(200)を介して前記下流領域(50)に流れ、
・前記ガス状燃料は、前記下流領域(50)内において、前記長手方向に延びる火炎カーテンの形態において前記ガス状燃焼酸化剤で燃焼される、燃焼方法。
【請求項13】
ガス状燃料は、ガス状燃料噴射速度で前記下流領域(50)に吐出され、及び前記ガス状燃焼酸化剤は、酸化剤噴射速度で前記下流領域(50)に吐出され、前記ガス状燃料噴射速度と前記酸化剤噴射速度との間の比は、0.5~1.50の範囲、好ましくは0.8~1.2の範囲である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の燃焼方法の使用であって、前記下流領域(50)に配置された物体、好ましくはガラス又は熱可塑性ポリマーの物体を前記火炎カーテンによって火炎処理するための使用。
【請求項15】
前記物体は、シート、ボトル及び食器類、特にスピリッツボトル及び香水フラスコから選択される、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポストミックスバーナ、特に火炎カーテンを生成するために使用されるポストミックスバーナに関する。
【背景技術】
【0002】
このような火炎カーテンは、ガラス仕上げ(再燃焼若しくは研磨)又は特殊コーティング層の焼きなましなどの様々な火炎処理プロセスにおいて、或いは機械的特性の向上及び/又は製品の軽量化のために使用される。
【0003】
火炎カーテンの長手方向に配置された多数の個別の燃料及び酸化剤インジェクタを備えたポストミックス直線状バーナによって火炎カーテンを生成することは、当技術分野で特に知られている。
【0004】
バーナは、燃料と、酸化剤を用いて前記燃料を燃焼させるための酸化剤とを組み合わせるために使用される装置である。ポストミックスバーナの場合、燃料と酸化剤とは、バーナの下流に位置する燃焼ゾーンに別々に噴射され、燃料と酸化剤とは、燃焼が行われる前記下流の燃焼ゾーンで最初に互いに接触する。したがって、ポストミックスバーナは、燃料と酸化剤との混合物を下流の燃焼ゾーンに噴射するプレミックスバーナと異なる。
【0005】
多くの火炎処理プロセスでは、火炎カーテンの長さに沿って火炎処理が均一であることが重要であり、これは、火炎カーテンの長さに沿って火炎の形状及び速度が実質的に同じであることを必要とする。
【0006】
さらに、スペースの制限のために、コンパクトであり、且つ/又は軽量の操作しやすいバーナにより、そのような火炎カーテンを達成することが多くの場合に望ましいか又はさらに不可欠である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、少なくとも部分的に上記の要件を満たす改良されたバーナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これに対して、本発明は、高さHにわたってバーナ底部とバーナ上部との間において、且つ長さLにわたって第1のバーナ端部と第2のバーナ端部との間で長手方向に延びる直線状ポストミックスバーナを提案する。
【0009】
本発明によるバーナは、一方では前記バーナ底部からバーナ上部まで、且つ他方では長手方向において第1のバーナ端部から第2のバーナ端部まで延びる中央仕切り壁を呈する。
【0010】
中央仕切り壁は、長手方向に等しく延在し、且つバーナ上部の吐出面で終端する壁ヘッド部をバーナ上部に向かって含む。
【0011】
バーナは、バーナ底部に隣接し、且つ中央仕切り壁の第1の側に配置された第1の入口tを有する。バーナは、中央仕切り壁の第2の側でバーナ底部に隣接する第2の入口区画も有し、その第2の側は、中央壁に対して第1の側の反対側に位置する。
【0012】
同様に、バーナは、中央仕切り壁の第1の側でバーナ上部に隣接する第1の出口区画及び中央仕切り壁の反対側の第2の側でバーナ上部に隣接する第2の出口区画を有する。
【0013】
したがって、中央仕切り壁は、第1の入口区画を第2の入口区画から、且つ第1の出口区画を第2の出口区画から分離する。
【0014】
第1の入口区画は、その第1の側で中央仕切り壁から延びる第1の分離プレートによって第1の出口区画から分離される。第2の入口区画は、その第2の側で中央仕切り壁から延びる第2の分離プレートによって第2の出口区画から分離される。
【0015】
第1の流体入口は、第1の入口区画に通じ、及び第2の流体入口は、第2の入口区画に通じ、第1の入口は、バーナの外側から第1の入口区画に第1の流体を供給するように適合され、及び第2の入口は、バーナの外側から第2の入口区画に第2の流体を供給するように適合される。
【0016】
複数の第1の貫通通路の第1のセットは、第1の入口区画と第1の出口区画との間で第1の分離プレートに提供される。第1の貫通通路の前記第1のセットは、長手方向に好ましくは第1の分離プレートの全長にわたって延びる。これらの第1の貫通通路は、第1の入口区画を第1の出口区画に流体的に接続し、それにより、第1の流体入口を介して第1の入口区画に導入された第1の流体は、第1の入口区画から前記第1の貫通通路を介して第1の出口区画に流れることができる。
【0017】
第2の入口区画を第2の出口区画から分離する第2の分離プレートは、同様に、複数の第2の貫通通路の第2のセットを呈する。第2のセットは、同様に、長手方向に好ましくは第2の分離壁の全長にわたって延びる。第2の貫通通路は、第2の入口区画を第2の出口区画に流体的に接続し、第2の流体が第2の出口を介して第2の入口区画に供給されると、前記第2の流体は、第2の入口区画から前記第2の貫通通路を介して前記第2の出口区画に流れることができる。
【0018】
中央仕切り壁の壁ヘッド部には、バーナ上部の吐出面の第1の吐出口及び第2の吐出口でそれぞれ終端する第1の出口通路の第1のセット及び第2の出口通路の第2のセットが設けられる。第1の吐出口及び第2の吐出口は、それぞれバーナの吐出面において長手方向に沿って延びる。第1の出口通路は、第1の出口区画をバーナ上部の下流、したがってバーナの下流の領域に流体的に接続する。次に、第2の出口通路は、第2の出口区画を前記下流領域と流体的に接続する。したがって、第1の流体が第1の貫通通路を介して第1の出口区画に導入されると、前記第1の流体は、第1の出口区画から第1の出口通路及びそれらの第1の吐出口を介して下流領域に吐出され得る。第2の流体が第2の貫通通路を介して第2の出口区画に導入されると、第2の流体は、第2の出口区画から第2の出口通路及びそれらの第2の吐出口を介して下流領域に吐出され得る。したがって、第1の流体が燃焼酸化剤であり、及び第2の流体が燃料である場合、吐出された燃料が吐出された燃焼酸化剤で燃焼されるとき、火炎カーテンが下流ゾーン内に生成され得る。
【0019】
これに関連して、開口部及び通路などの多数の要素は、多数の要素が一緒になって長手方向に延びる要素の列又は帯を形成する場合、長手方向に延びると言われる。
【0020】
不均一な火炎カーテンは、特に、ポストミックスバーナが流体入口と、対応する流体吐出口の一部のみとの間に優先的な流体流路を呈する場合に発生する。
【0021】
当技術分野では、流体入口と複数の流体吐出口との間に大きい緩衝容積を使用することにより、優先的な流路形成を低減することが知られている。しかしながら、コンパクトなバーナが必要である場合、これは、選択肢ではない。
【0022】
出口通路内の圧力損失を増加させることにより、例えば出口通路の流れ断面を低減することにより、優先的な流路形成を低減することも当技術分野で知られている。ほとんどの製造プロセスは、特定の寸法未満で十分な精度で流路を形成することができず、断面が非常に小さい流路を形成するために必要な技術は、一般に、より高価である。さらに、出口通路の流れ断面は、個々の出口通路を介して十分な流体を依然として吐出できるようにする必要がある。結果として、出口通路における増加した圧力損失を使用して、優先的な流路形成を低減できる範囲には、限界がある。
【0023】
本発明によれば、優先的な流路形成のためのさらなるステップが使用され、このステップ中、それぞれの流体は、最初にバーナの入口区画に供給され、前記入口区画から、流体は、複数の貫通通路の第1のセットに分配され、この貫通通路を介して、流体は、第2の区画に導入され、その後、前記流体のための多数の出口通路を介して吐出される。入口区画と出口区画との間の貫通通路のセットは、バーナの長手方向に延びるため、流体は、出口区画に入る前に前記長手方向に沿って予め分配され、したがって前記出口区画における優先的な流路形成を実質的に回避する。
【0024】
本発明の特定の実施形態によれば、第1の入口区画は、第1の出口区画の容積よりも大きい容積を有し、及び/又は第2の入口区画は、第2の出口区画の容積よりも大きい容積を有し、好ましくはその両方である。好ましくは、第1の入口区画の内部容積対第1の出口区画の内部容積の比及び第2の入口区画の内部容積対第2の出口区画の内部容積の比は、1~3、より好ましくは1.5~2.5である。そのような実施形態は、第1及び/又は第2の流体の流れをそれぞれ第1及び第2の入口区画からそれぞれ第1及び第2の出口区画にそれらの間のそれぞれ第1及び第2の貫通通路を介してより均一に分配することを保証する。
【0025】
入口区画を対応する出口区画と流体的に接続する貫通通路のセットは、前記貫通通路の複数の離間された列を含み、それにより、前記列が再び長手方向に延びる場合、例えばプレートの貫通通路の一方の列が中央仕切り壁に隣接し、前記プレートの反対側の貫通通路のもう1つの列が特にバーナの長手方向外壁に隣接する場合、入口区画における優先的な流路形成を同じく低減することができる。
【0026】
したがって、本発明によるバーナにおいて、
・第1の貫通通路の第1のセットは、第1の貫通通路の複数の離間された列を有利に含み、第1の貫通通路の前記列は、長手方向に延び、及び/又は
・第2の貫通通路の第2のセットは、第2の貫通通路の複数の離間された列を有利に含み、第2の貫通通路の前記列は、長手方向に延びる。
【0027】
本発明によるバーナは、典型的には、バーナの入口区画ごとに単一の流体入口、すなわち単一の酸化剤入口及び単一の燃料入口を有する。したがって、このようなバーナは、火炎カーテンの使用を必要とするほとんどの設備に簡単に組み込むことができる。流体入口は、通常、5~50mmの内径を有する。それらは、特に、本技術及び/又は関連する領域で推奨される標準寸法の入口を備え得る。したがって、バーナと流体源との間の習慣的な接続を、特別なアダプタも大量のアダプタも必要とせずに使用することができる。
【0028】
流体入口は、通常、入口区画の長手方向の中央付近又は中央に配置される。本発明のバーナの空間要件を制限するために、第1の入口区画の流体入口は、バーナの長手方向中央のわずかに片側に配置され得、第2の入口区画の流体入口は、バーナの長手方向中央のわずかに反対側に配置され得る。その場合、この地点でのバーナの幅が2つの入口の外径の合計よりも小さくなるように、2つの入口を互いに対して配置することができる。
【0029】
場合により、入口区画に複数の流体入口が設けられる場合がある。しかしながら、これは、2つの制御された流体の流れを前記入口区画に供給するのに適した適合された流体供給設備を必要とする。
【0030】
本発明によるバーナは、好ましくは、中央の仕切り壁に関してある程度の対称性を示し、これは、より単純な設計も提供する。
【0031】
したがって、第1の入口区画は、好ましくは、中央仕切り壁に対して第2の入口区画の反対側に配置され、及び/又は第1の出口区画は、中央仕切り壁に対して第2の出口区画の反対側に配置される。
【0032】
燃料及び酸化剤のそれぞれの流量が許す場合、第1の入口区画は、中央仕切り壁に関して第2の入口区画に対して有利に対称であり得、及び/又は第1の出口区画は、中央仕切り壁に関して第2の出口区画に対して有利に対称であり得る。
【0033】
燃料及び酸化剤のそれぞれの流量が許す場合、バーナは、好ましくは、中央仕切り壁に関して対称であるが、場合により上述のように第1及び第2の流体入口を除く。
【0034】
第2の区画からの出口通路は、典型的には、0.3~3mm、好ましくは0.5~1.5mmの内径又は流れ断面を有する。上述のように、より小さい流れ断面は、個々の出口通路にわたる圧力損失を増加させ、対応する出口区画における優先的な流路形成を防ぐのに役立つ。出口通路の内径は、前記出口通路を通る必要な流量及び流速の関数としても選択される。その結果、第1の流体の出口通路(第1の出口区画から出る第1の出口通路)の内径は、第2の流体の出口通路(第2の出口区画から出る第2の出口通路)の内径と異なる可能性がある。
【0035】
有利には、出口通路の内径は、バーナの動作中、バーナ上部の下流の領域へのガス状燃料噴射速度対前記領域への酸化剤噴射速度の比が0.5~1.50の範囲、好ましくは0.8~1.2の範囲にあるように選択される。
【0036】
上に示したように、出口通路の第1及び第2のセットの吐出口は、バーナ上部の吐出面に沿ってバーナの長手方向に延びる。
【0037】
本発明のバーナの1つの特定の実施形態によれば、バーナは、第1の吐出口の長手方向の1つ又は複数の列及び第2の吐出口の長手方向の1つ又は複数の列を呈する。その場合、第1の吐出口は、長手方向に1つ又は複数の第1の列において延び、第2の吐出口は、長手方向に1つ又は複数の第2の列において延び、したがって、前記第1及び第2の列は、互いに平行である。この実施形態によれば、バーナは、交互の第1の列及び第2の列を有利に呈する。燃料の完全燃焼を保証するために、吐出口の最も外側の列が燃焼酸化剤を噴射するために使用される。したがって、第1の吐出口が燃焼酸化剤を噴射するために使用され、第2の吐出口がガス状燃料を噴射するために使用される場合、吐出口の最も外側の列は、好ましくは、第1の列、すなわち燃焼酸化剤を噴射する第1の吐出口の列である。
【0038】
バーナが複数の第1の列及び/又は複数の第2の列を含む場合、第1及び第2の流体をそれぞれ第1の吐出口のすべて及び第2の吐出口のすべてに実質的に均一に確実に分布することが重要である。
【0039】
それに対して以下が提案される:
・バーナが第1の吐出口の複数の第1の列を含む場合、第1の出口通路の第1のセットは、第1の出口通路の複数の実質的にフォーク状の第1のサブセットを含み(前記第1の出口通路は、フォーク状の第1サブセットの股を形成する)、それぞれの第1のサブセットは、長手方向に垂直な平面に配置され、及び
・バーナが第2の吐出口の複数の第2の列を含む場合、第2の出口通路の第2のセットは、第2の出口通路の複数の実質的にフォーク状の第2のサブセットを含み(前記第2の出口通路は、フォーク状の第2のサブセットの股を形成する)、それぞれの第2のサブセットは、長手方向に垂直な平面に配置される。
【0040】
第1及び/又は第2のサブセットは、長手方向の第1及び/又は第2のサブセットの列を画定する。
【0041】
バーナが複数の第1及び第2のサブセットを含む場合、第1及び第2のサブセットは、有利には、長手方向に延びる交互の第1及び第2のサブセットの列を一緒に画定する。
【0042】
例えば、バーナが、長手方向に垂直な2股のフォーク状の第1のサブセットの列(これにより、それぞれの第2のサブセットは、したがって、2つの第1の出口通路を含む)を第2の出口通路の単一の列と組み合わせて含む場合、バーナの吐出面に沿って長手方向に延びる以下の3つの列の出口開口部を得ることが可能である:第1の出口区画に最も近いそれぞれの第1のサブセットの出口通路に対応する第1の吐出口の第1の列、第2の出口通路の列に対応する第2の吐出口の列及び第1の出口区画から最も遠いそれぞれの第1のサブセットの出口通路に対応する第1の吐出口の第3の列。すでに先に示したように、そのような構成では、第1の吐出口の最も外側の列を使用して、燃焼酸化剤を下流領域に噴射することが好ましい。
【0043】
第1の吐出口の各列及び/又は第2の吐出口の各列は、好ましくは、長手方向に1cmあたり5~9つの吐出口、好ましくは1cmあたり6~7つの吐出口を含む。
【0044】
吐出口の隣接する列の吐出口は、有利には、互い違いの配置であり、これは、より均質な火炎カーテンにさらに寄与する。
【0045】
火炎カーテンは、バーナ上部の吐出面において長手方向に沿って延びる交互の第1及び第2の吐出口の1つ又は複数の列によっても生成され得る。
【0046】
交互の第1及び第2の吐出口の複数の列を有する1つのそのような実施形態によれば、
・第1の出口通路の第1のセットは、第1の出口通路の複数の実質的にフォーク状の第1のサブセットを含み、それぞれの第1のサブセットは、長手方向と非ゼロ角度Θを形成する平面に配置され、
・第2の出口通路の第2のセットは、第2の出口通路の複数の実質的にフォーク状の第2のサブセットを含み、それぞれの第2のサブセットは、長手方向と前記非ゼロ角度Θを形成する平面に配置され、
・第1及び第2のサブセットは、長手方向に交互の第1及び第2のサブセットの列を一緒に画定する。交互のサブセットの前記列は、次に、バーナの吐出面における交互の第1及び第2の吐出口の複数の列を画定する。
【0047】
例えば、各サブセットが2つの出口通路の2股フォークの形態を有し、交互の第1及び第2の吐出の2つの列を有する場合、バーナ上部の吐出面において長手方向に延びる交互の第1及び第2の吐出口の2つの列を有するバーナを製造することが可能である。
【0048】
最適な燃料燃焼を確実にするために、交互の吐出口の各列の最も外側の吐出口は、好ましくは、下流領域への燃焼酸化剤の噴射に使用される。
【0049】
サブセットと長手方向との間の角度Θは、有利には、30°~60°、好ましくは40°~50°、最も好ましくは45°である。
【0050】
好ましい実施形態によれば、吐出口の各列は、長手方向に1cmあたり5~9つの吐出口、好ましくは1cmあたり6~7つの吐出口を含む。
【0051】
実質的に均質な火炎カーテンを生成できることが本発明の目的であるため、第1の出口通路及び第1の吐出口は、通常、第1の流体がそれを通して下流領域に吐出されるとき、それぞれの第1の出口通路を通して同一の流れ抵抗を引き起こすようなサイズ及び設計であり、第2の出口通路及び第2の吐出口は、第2の流体がそれを通して下流領域に吐出されるとき、それぞれの第2の出口通路を通して同一の流れ抵抗を引き起こすようなサイズ及び設計である。結果として、第1の出口区画から個々の第1の出口開口部までの流路の長さが変化する場合、対応する第1の出口通路のサイズ及び/又は設計は、それに応じて適合され得る。例えば、より長い流路によって引き起こされる圧力損失を補償するために、より短い流路に対応する第1の出口通路の内径と比較して、より長い流路に対応する第1の出口通路に対してより広い内径を選択することができる。
【0052】
バーナの長さ(すなわち長手方向のバーナの寸法)は、利用可能なスペース、意図された用途及び所望の発火率に依存する。例えば、ガラス研磨の場合、バーナが長手方向に2つの列の吐出口を含む場合、1kWあたりのバーナの長さは、有用には、6~8mm、好ましくは7~7.5mmである。出口孔の列が増えると、それに応じて長さが短くなる。
【0053】
本発明によるポストミックスバーナは、通常、長手方向に直線的である。このようなバーナは、単に直線状ポストミックスバーナと呼ばれることが多い。
【0054】
しかしながら、本発明によるバーナは、長手方向にも湾曲し得る。そのような湾曲したバーナの製造及び使用は、例えば、湾曲した表面を有する多数の物体、例えばボトルを十分に高速でファイアポリッシュする必要がある場合に正当化され得る。
【0055】
バーナの高さ(すなわちバーナ底部からバーナ上部までのバーナの寸法)及びバーナの幅(すなわち中央仕切り壁に垂直な方向のバーナの寸法)は、通常、可能な限り小さく維持される(バーナの設置に必要なスペースが最小限になるように)。バーナの最小高さ及び最小幅は、優先的な流路が形成されることを回避するように十分大きくなければならない第1及び第2の入口区画並びに第1及び第2の出口区画の寸法によって少なくとも部分的に決定される。
【0056】
バーナの長さは、通常、10mm~500mmであり、バーナの幅は、通常、10~50mmである。
【0057】
必要な火炎カーテンの長さが、本発明による単一のバーナで達成できないような長さである場合、本発明による複数のバーナを使用して、典型的には当接して(エンドツーエンド配置で)前記火炎カーテンを生成することができる。
【0058】
使用中、本発明のポストミックスバーナの第1及び第2の流体入口の一方は、ガス状燃焼酸化剤の供給源に接続され、第1及び第2の流体入口の他方は、ガス状燃料の供給源に接続される。
【0059】
以下に別段の指示も示唆もない限り、第1の流体入口は、ガス状燃焼酸化剤の供給源に接続されていると見なされ、第2の流体入口は、ガス状燃料の供給源に接続されている。
【0060】
ガス状燃焼酸化剤は、好ましくは、50体積%~100体積%の酸素、より好ましくは少なくとも80体積%、最も好ましくは少なくとも90体積%の酸素を含有する。
【0061】
ガス状燃料は、天然ガス、プロパン、プロピレン、アセチレン、水素及び前記ガス状燃料の少なくとも2種の混合物から有利に選択される。したがって、本バーナは、天然ガス、プロパン、プロピレン、アセチレン、水素又は市販の混合物FLAMAL29(登録商標)のようなそれらの燃料の混合物などの多様な燃料で作動させることができる。バーナは、工業用酸素(純度>90%)で作動させることが好ましいが、50%までの低グレードの酸素で作動させることもできる。
【0062】
バーナは、好ましくは、316、304又は310グレードのステンレス鋼のような様々なグレードのステンレス鋼で作られ、その寿命を延ばすために有利にインコネルで作ることができる。実際、バーナは、非常に高温の過酷な環境で動作する。また、ガラス等をファイアポリッシュするためにバーナを使用する場合、堆積物がバーナに形成され、腐食及び/又は目詰まりの原因となることがある。
【0063】
バーナの興味深い実施形態は、下流領域に向かってバーナ上部から外方に突出する2つのリップを備える。前記リップは、吐出面の第1及び第2の吐出口の両側で長手方向に延びる。リップは、堆積物による目詰まりから吐出口を保護し、火炎カーテンの根元を保護する。
【0064】
本発明によるバーナの設計は、前記バーナを積層造形(一般に「3D印刷」と呼ばれる)による製造に非常に適したものとし、したがって溶接継ぎ目の必要性を回避し、より正確な製造を可能にすることが理解されるであろう。
【0065】
本発明によるポストミックスバーナは、様々な物体の火炎処理に適した実質的に均質な火炎カーテンを生成することを可能にし、これは、コンパクトであり且つ/又は軽量の操作が容易なバーナを意味し得る。
【0066】
本発明は、上記の実施形態のいずれか1つによるバーナによる燃焼方法にも関する。
【0067】
前記燃焼方法は、ガス状燃焼酸化剤をバーナの第1の流体入口に供給するステップであって、それにより、ガス状燃焼酸化剤は、第1の流体入口から第1の入口区画に、且つ第1の入口区画から第1の貫通通路を介して第1の出口区画に、且つ第1の出口区画から第1の出口通路及び第1の吐出口を介して下流領域に流れる、ステップを含む。
【0068】
さらに、ガス状燃料は、第2の流体入口に供給され、それにより、ガス状燃料は、第2の流体入口から第2の入口区画に、且つ第2の入口区画から第2の貫通通路を介して第2の出口区画に、且つ第2の出口区画から第2の出口通路及び第2の吐出口を介して下流領域に流れる。
【0069】
下流領域内において、ガス状燃料は、長手方向に延び、且つバーナの吐出面から離れる方に延びる火炎カーテンの形態においてガス状燃焼酸化剤で燃焼される。
【0070】
ガス状燃料は、第2の吐出口からガス状燃料噴射速度で下流領域に吐出され、及びガス状燃焼酸化剤は、第1の吐出口から酸化剤噴射速度で前記下流領域に吐出される。この方法の好ましい実施形態によれば、ガス状燃料噴射速度と酸化剤噴射速度との間の比は、0.5~1.50の範囲、好ましくは0.8~1.2の範囲である。
【0071】
すでに先に示したように、バーナの発火率は、6~8mm(バーナの長手方向で測定)あたり1kW、好ましくは7~7.5mmあたり1kWであり得る。
【0072】
生成された火炎は、例えば、特にファイアポリッシュ、エッジ溶融等により、前記下流領域の内側に配置された物体、特にガラス又は熱可塑性ポリマーの火炎処理に使用することができる。
【0073】
エッジ溶融は、鋭いエッジを軟化するために、例えば切断後のコップの縁を丸くするために使用される。例えば、高級ガラス製品の場合、表面の欠陥を取り除くために火による仕上げが使用され、物体の明るさを高めるためにファイアポリッシュが使用される。
【0074】
本発明によるプロセスによって火炎処理することができるガラス製品の例には、スピリッツボトル、香水フラスコ及び食器類が含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
火炎カーテンは、特定のコーティングの焼きなまし、特定の物体の機械的特性の改善及び/又は特定の物体の色を明るくするなど、他の火炎処理プロセスで使用することもできる。
【0076】
本発明及びその利点は、以下の非限定的な例に照らしてよりよく理解され、
図1~9が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】
図1は、本発明によるバーナの特定の実施形態の中断された上面図である。
【
図3】
図3は、
図5~9に示される垂直断面の位置を示す、
図1のバーナの中断された破断斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1のバーナの破断斜視図であり、バーナの様々な垂直レベルで水平方向に部分的に破断されている。
【
図6】
図6は、酸化剤入口にわたる垂直断面を有する請求項1のバーナ及び酸化剤出口通路のサブセットにわたる平面内のバーナの非斜視断面図である。
【
図8】
図8は、バーナの燃料及び酸化剤入口の両方にわたり、燃料出口通路のサブセットにわたる平面内における、請求項1に記載のバーナの非斜視断面図である。
【
図9】
図9は、吐出口の2つの列の一方の酸化剤吐出口で終端する酸化剤出口通路にわたり、且つ吐出口の2つの列の他方の前記酸化剤吐出口の反対側に位置する燃料吐出口で終端する燃料出口通路にわたる平面の非斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図示のバーナは、35kW直線状ポストミックスバーナであり、その第1の端部1と第2の端部2との間の長手方向の長さLが150mmであり、バーナ底部3とバーナ上部4との間の高さHが18mmであり、バーナの最も広い地点における幅Wが20mmである。バーナ上部4の吐出面10は、燃焼酸化剤のための167個の酸化剤吐出口(第1の吐出口)100と、燃料のための167個の燃料吐出孔200とを呈する。前記燃料及び酸化剤吐出口は、吐出面10において2つの平行な列11及び12に配置される。バーナは、燃料としての天然ガス及び燃焼酸化剤としての90%超の純度の酸素と共に使用するように設計されている。酸化剤吐出口100は、1mmの内径を有し、燃料吐出口200は、0.6mmの内径を有する。各列11及び12において、酸化剤吐出口100は、燃料吐出口200と交互になっている。隣接する列11及び12間において、一方の列11、12の各酸化剤吐出口100は、他方の列12、11の燃料吐出口200の隣に配置される。各列11、12の最も外側の吐出口は、酸化剤吐出口100である。
【0079】
バーナの酸化剤入口101(第1の流体入口)及び燃料入口201(第2の流体入口)は、バーナ底部3に位置する。両方とも10.2mmの直径D1及び0.8mmの直径D2を有する。下の図は、250mmの長さ(図の上面)に沿って互い違いに配置された167個の燃料のための孔(直径0.6mm)及び167個の酸化剤のための孔(直径1mm)から作られた35kWのためのFMT設計の例を呈する。
【0080】
図2及び4に明確に示されるように、流体入口101、102は、バーナの長手方向に対して90°未満の角度で互いに対して配置され、したがって長手方向中央に対してわずかにシフトされ、一方の入口101は、長手方向中央の一方の側にわずかに配置され、他方の入口102は、前記長手方向中央の反対側にわずかに配置される。結果として、入口は、バーナの幅W内に収まり、これによりバーナの必要なスペースが減り、バーナの設置が容易になる。
【0081】
図5及び6に示されるように、酸化剤(図中ではO2として参照される)は、酸化剤入口101を介してバーナ底部3でバーナに入り、酸化剤入口区画102に流入する。酸化剤入口区画102から、酸化剤は、酸化剤入口区画102を酸化剤出口区画103から分離する分離プレート109の酸化剤貫通通路104(第1の貫通通路)を介して酸化剤出口区画103に流入する。酸化剤貫通通路104は、バーナの長さL全体にわたって分配され、それにより、酸化剤は、単一の実質的に中央の酸化剤入口101を介して入口区画102に入るが、前記酸化剤は、バーナの長さL全体に分布する方法で酸化剤出口区画103に入る。図示の実施形態では、酸化剤貫通通路104は、バーナの長手方向に延びる2つの列に配置され、酸化剤貫通通路104の第1の長手方向の列は、バーナの中央仕切り壁5の近くに配置され、酸化剤貫通通路104の第2の長手方向の列は、バーナの外壁6に隣接して配置され、したがって酸化剤フィードの酸化剤出口区画103への長手方向の分布だけでなく、酸化剤フィードの酸化剤出口区画103への幅方向の分布も提供する。
【0082】
酸化剤出口区画103から、酸化剤は、開口部108を介して、中央仕切り壁5の壁ヘッド部7に位置し、バーナ上部4の吐出面10の酸化剤吐出口100で終端する酸化剤出口通路107(第1の出口通路)に流れる。酸化剤出口通路107(及び酸化剤出口区画からそれにつながる開口部108)は、バーナの長さLにわたって均一に分布している。
【0083】
図示の実施形態では、酸化剤吐出口100は、2つの平行な列11及び12に配置され、これらは、燃料吐出口200も含む。
【0084】
酸化剤を酸化剤出口区画103から2つの列の吐出口の出口通路107にわたって分配するために、酸化剤出口通路107の2股フォーク形状の酸化剤サブセット110(第1のサブセット)が存在し、前記サブセットは、バーナの長手方向と45°の角度を形成する。各酸化剤サブセット110は、酸化剤開口部108の1つを介して酸化剤出口区画103から酸化剤を供給される。各サブセット110内において、酸化剤は、下流領域50に吐出される前に、フォーク状構造の2股を形成する2つの酸化剤出口通路107に分割され、2つの酸化剤出口通路107の一方は、2つの列11、12の一方の酸素吐出口100で終端し、2つの酸化剤出口通路107の他方は、2つの列12、11の他方の酸化剤吐出口100で終端する。
【0085】
同様に、
図7及び8に示されるように、燃料(図中ではFとして参照される)は、燃料入口201(第2の流体入口)を介してバーナ底部3でバーナに入り、燃料入口区画202(第2の入口区画)に流入する。燃料入口区画202から、燃料は、バーナの長さL全体にわたって2つの長手方向の列、すなわちバーナの中央仕切り壁5に近い第1の長手方向列と、バーナの外壁6に隣接する第2の長手方向列とに分配されている、分離プレート/壁209の燃料貫通通路204(第2の貫通通路)を介して燃料出口区画203(第2の出口区画)に流入する。
【0086】
燃料出口区画203から、燃料は、開口部208を介して、中央仕切り壁5の壁ヘッド部7に位置し、バーナ上部4の吐出面10の燃料吐出口200で終端する燃料出口通路207(第2の出口通路)に流れる。燃料出口通路207は、バーナの長さLにわたって均等に分配されている。2つの平行な列11及び12は、燃料吐出口200及び酸化剤吐出口100の交互の配置を含む。
【0087】
前記列11、12の出口通路207に燃料を分配するために、燃料出口通路207の2股フォーク状の燃料サブセット210(第2のサブセット)が提供される。燃料サブセット210は、酸化剤サブセット110と平行であり、したがってバーナの長手方向と45°の角度を同じく形成する。一緒に、酸化剤及び燃料サブセット110、210は、長手方向に延びる交互の酸化剤及び燃料サブセットの列を形成する。各燃料サブセット210の内部において、燃料は、下流領域50に吐出される前に、フォーク状構造の2股を形成する2つの燃料出口通路207に分割される。前記2つの燃料出口通路207の一方は、2つの列11、12の一方の燃料吐出口200で終端し、2つの燃料出口通路207の他方は、2つの列12、11の他方の燃料出口開口部200で終端する。
【0088】
交互の酸化剤及び燃料サブセット110、210の列のために、酸化剤吐出口100及び燃料吐出口200は、各列11及び12内で交互になる。さらに、長手方向に対するサブセットの45°の角度のために、列11、12の一方の燃料吐出口200は、2つの列12、11の他方の酸化剤吐出口100の隣に配置され、逆も同様である。
【0089】
下流領域50内において、燃料吐出口200を介して吐出された燃料は、酸化剤吐出口100を介して吐出された酸化剤と混合し、それにより下流領域50内に火炎カーテンが形成され、前記火炎カーテンは、バーナの吐出面10から、一方では前記吐出面10から離れる方に、他方ではバーナの長手方向に延びる。
【0090】
図示のバーナでは、吐出口及び火炎カーテンの根元は、吐出面10の長手方向縁部に沿って延びる2つのリップ11によって保護されている。
【0091】
酸化剤又は燃料サブセット110、210のフォーク状構造が、それぞれ3つ以上、4つ以上の出口通路107、207に対応する3股以上又は4股以上を有する場合、フォーク状構造の股を形成する出口通路107、207にわたって実質的に均一な方法で酸化剤Oを酸化剤出口区画103から、燃料Fを燃料出口区画203から分配するようにしかるべき注意が払われる。これに対して、フォーク状構造は、出口通路107、207が流体連通している共通のベース容積111、211を備えることができ、ベース容積111、211は、出口通路107、207に向かうそれぞれ酸化剤O、燃料Fの分配チャンバとして機能する。ベース容積111、211及び開口部108、208の形状は、その目的のために適合させることができる。例えば、開口部108、208は、出口通路107、207の近くでより狭く、出口通路107、207から離れるほど広いことができ、それにより同じサブセット110、210の他の出口通路107、207を上回る開口部108、208に最も近い出口通路107、207への流体O、Fの優先経路の形成を回避するようにする。