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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】充電方法及び電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20230929BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20230929BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230929BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230929BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20230929BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20230929BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20230929BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20230929BHJP
【FI】
H02J7/04 F
H02J7/04 L
H02J7/10 L
H02J7/10 B
H02J7/10 H
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/62
B60L58/12
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2021575009
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2021074163
(87)【国際公開番号】W WO2022160182
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】熊 淑云
(72)【発明者】
【氏名】但 志▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 占良
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲衛▼平
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107317365(CN,A)
【文献】特開2014-195341(JP,A)
【文献】特開2012-019681(JP,A)
【文献】特開2018-026209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/04
H02J 7/10
H01M 10/48
H01M 10/44
B60L 50/60
B60L 53/14
B60L 53/62
B60L 58/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー電池を充電することに用いられる充電方法であって、
電力変換装置は、前記パワー電池のパルス充電パラメータを決定することに用いられる電池状態パラメータを取得するステップと、
前記電力変換装置は、前記パルス充電パラメータで算出される直流充電パラメータを含む充電情報を充電スタンドに送信するステップと、
前記電力変換装置は、前記充電スタンドによって前記直流充電パラメータに基づいて出力される直流電流を受信するステップと、
前記電力変換装置は前記パルス充電パラメータに基づいて、前記直流電流を前記パワー電池を充電するためのパルス電流に変換するステップと、
を含む、充電方法。
【請求項2】
前記電力変換装置は前記電池状態パラメータに基づいて、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含む前記パルス充電パラメータを決定するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記直流充電パラメータは、前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記電力変換装置は、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードであるパルス充電モードに入ることを決定するステップ、をさらに含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記電力変換装置は前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定するステップは、
前記電池温度が温度閾値以下であると、前記電力変換装置は前記パルス充電モードに入ることを決定するステップを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電力変換装置は前記パワー電池の電池状態パラメータを取得するステップは、
前記電力変換装置は前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信するステップを含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
パワー電池を充電することに用いられる充電方法であって、制御ユニット及び電力ユニットを含む電力変換装置に適用され、
前記制御ユニットは前記パワー電池の電池状態パラメータを取得するステップと、
前記制御ユニットは前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを取得するステップと、
前記制御ユニットは前記電力ユニットに前記パルス充電パラメータを伝送するステップと、
前記制御ユニットは、前記電力ユニットによって前記パルス充電パラメータに基づいて算出される直流充電パラメータを取得するステップと、
前記制御ユニットは、充電スタンドが直流電流を出力することに用いられる前記直流充電パラメータを前記充電スタンドに送信するステップと、
前記制御ユニットは、前記電力ユニットが前記直流電流を前記パワー電池を充電するためのパルス電流に変換するように制御することに用いられる出力開始命令を前記電力ユニットに送信するステップと、
を含む充電方法。
【請求項9】
前記パルス充電パラメータは、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記直流充電パラメータは、前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
前記制御ユニットは前記電池状態パラメータに基づいて、パルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードであるパルス充電モードに入ることを決定するステップをさらに含む請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記制御ユニットは前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定することは、
前記電池温度が温度閾値以下であると、前記制御ユニットは前記パルス充電モードに入ることを決定することを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御ユニットは前記パワー電池の電池状態パラメータを取得することは、
前記制御ユニットは前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信することを含む請求項8又は9に記載の方法。
【請求項15】
パワー電池を充電することに用いられる電力変換装置であって、
前記パワー電池の電池状態パラメータを取得することに用いられる処理ユニットと、
パルス充電パラメータによって算出される直流充電パラメータを含む充電情報を充電スタンドに送信することに用いられる通信ユニットと、
を含み、
前記通信ユニットはさらに、前記充電スタンドによって前記直流充電パラメータに基づいて出力される直流電流を受信することに用いられ、
前記処理ユニットはさらに、前記パルス充電パラメータに基づいて、前記直流電流を前記パワー電池を充電するためのパルス電流に変換することに用いられ、
前記電池状態パラメータは前記パルス充電パラメータを決定することに用いられる電力変換装置。
【請求項16】
前記処理ユニットはさらに、
前記電池状態パラメータに基づいて、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含むパルス充電パラメータを決定することに用いられる請求項15に記載の電力変換装置。
【請求項17】
前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む請求項15又は16に記載の電力変換装置。
【請求項18】
前記直流充電パラメータは、前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む請求項15又は16に記載の電力変換装置。
【請求項19】
前記処理ユニットはさらに、
前記電池状態パラメータに基づいて、パルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードであるパルス充電モードに入ることを決定することに用いられる請求項15又は16に記載の電力変換装置。
【請求項20】
前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記処理ユニットは具体的には、
前記電池温度が温度閾値以下であると、前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられる請求項19に記載の電力変換装置。
【請求項21】
前記通信ユニットはさらに、
前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信することに用いられる請求項15又は16に記載の電力変換装置。
【請求項22】
パワー電池を充電することに用いられる電力変換装置であって、
前記パワー電池の電池状態パラメータを取得することに用いられる制御ユニットを含み、
前記制御ユニットはさらに、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを取得することに用いられ、
前記制御ユニットはさらに、前記電力変換装置の電力ユニットに前記パルス充電パラメータを伝送することに用いられ、
前記制御ユニットはさらに、前記電力ユニットによって前記パルス充電パラメータに基づいて算出される直流充電パラメータを取得することに用いられ、
前記制御ユニットはさらに、充電スタンドが直流電流を出力することに用いられる前記直流充電パラメータを前記充電スタンドに送信することに用いられ、
前記制御ユニットはさらに、前記電力ユニットに出力開始命令を送信することに用いられ、前記出力開始命令は、前記電力ユニットが前記直流電流をパルス電流に変換することに用いられ、前記パルス電流は前記パワー電池を充電することに用いられる電力変換装置。
【請求項23】
前記パルス充電パラメータは、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含む請求項22に記載の電力変換装置。
【請求項24】
前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む請求項22又は23に記載の電力変換装置。
【請求項25】
前記直流充電パラメータは、前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む請求項22又は23に記載の電力変換装置。
【請求項26】
前記制御ユニットはさらに、
前記電池状態パラメータに基づいて、パルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードであるパルス充電モードに入ることを決定することに用いられる請求項22又は23に記載の電力変換装置。
【請求項27】
前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記制御ユニットは具体的には、
前記電池温度が温度閾値以下であると、前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられる請求項26に記載の電力変換装置。
【請求項28】
前記制御ユニットは具体的には、
前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信することに用いられる請求項22又は23に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はパワー電池の技術分野に関し、特に充電方法及び電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会におけるエネルギー不足や環境汚染の問題の深刻化に伴って、電気自動車は新エネルギー自動車として発売されると、各分野に幅広く注目されている。しかしながら、その充電問題は常にその発展を制限する主な要素となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、どのように電気自動車の正常な充電を確保するかは、早急に解決しなければならない課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は充電方法及び電力変換装置を提供し、電気自動車の正常な充電を効果的に確保することができる。
【0005】
第1態様によれば、パワー電池を充電することに用いられる充電方法を提供し、電力変換装置は、前記パワー電池のパルス充電パラメータを決定することに用いられる電池状態パラメータを取得するステップと、前記電力変換装置は、前記パルス充電パラメータで算出される直流充電パラメータを含む充電情報を充電スタンドに送信するステップと、前記電力変換装置は、前記充電スタンドによって前記直流充電パラメータに基づいて出力される直流電流を受信するステップと、前記電力変換装置は、前記パルス充電パラメータに基づいて、前記直流電流を前記パワー電池を充電するためのパルス電流に変換するステップと、を含む。
【0006】
上記技術的解決手段によれば、電力変換装置は充電スタンドとパワー電池との間に接続され、充電スタンドによって出力される直流電流をパルス電流に変換して、変換されたパルス電流をパワー電池に伝送することができ、このようにして、場合によっては充電スタンドの出力する電圧及び電流の範囲がパワー電池にマッチングできないという問題を回避することができ、それによりパワー電池の正常な充電を確保する。また、電池状態パラメータはパワー電池の状態を最もよく反映できるパラメータであってもよく、電池状態パラメータに基づいて変換されるパルス電流はパワー電池の正常な給電を効果的に確保することができる。
【0007】
いくつかの可能な実施例では、前記方法はさらに、前記電力変換装置が前記電池状態パラメータに基づいて、前記パルス充電パラメータを決定するステップを含み、前記パルス充電パラメータは、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0008】
上記技術的解決手段では、電力変換装置はその取得するパワー電池の電池状態パラメータに基づいて、対応するパルス充電パラメータを決定することができ、それによりパワー電池の様々な場合での様々な充電ニーズを満たすことができ、高い柔軟性及び適応性を有する。
【0009】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0010】
いくつかの可能な実施例では、前記直流充電パラメータは前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む。
【0011】
いくつかの可能な実施例では、前記方法はさらに、前記電力変換装置が前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定するステップを含み、前記パルス充電モードはパルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードである。
【0012】
電池状態パラメータはパワー電池の状態を最もよく反映できるパラメータであってもよいため、上記技術的解決手段は電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定することで、パルス充電モードに入る正確率を向上させることができる。
【0013】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記電力変換装置が前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定することは、前記電池温度が温度閾値以下であると、前記電力変換装置が前記パルス充電モードに入ることを決定することを含む。
【0014】
低温環境では、電力変換装置はパルス充電モードに入り、充電スタンドから出力される直流電流をパルス電流に変換することで、低温環境でリチウム電池を充電できない問題を回避する。従来の方法と比べて、上記技術的解決手段は電池パック内に増設装置を設置せずにパワー電池を予熱でき、それにより充電時間を大幅に短縮させ、電池温度を迅速に高め、パワー電池の充電効率を効果的に向上させることができる。さらに、電池パック内に加熱装置を設置する必要がないため、上記技術的解決手段はさらにパワー電池の重量及びコストを減らすことができる。
【0015】
いくつかの可能な実施例では、前記電力変換装置が前記パワー電池の電池状態パラメータを取得することは、前記電力変換装置が前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信することを含む。
【0016】
第2態様によれば、パワー電池を充電することに用いられる充電方法を提供し、前記方法は制御ユニット及び電力ユニットを含む電力変換装置に適用され、前記制御ユニットが前記パワー電池の電池状態パラメータを取得するステップと、前記制御ユニットが前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを取得するステップと、前記制御ユニットが前記電力ユニットに前記パルス充電パラメータを伝送するステップと、前記制御ユニットが、前記電力ユニットによって前記パルス充電パラメータに基づいて算出される直流充電パラメータを取得するステップと、前記制御ユニットが、前記充電スタンドが直流電流を出力することに用いられる前記直流充電パラメータを前記充電スタンドに送信するステップと、前記制御ユニットが前記電力ユニットに出力開始命令を送信するステップと、を含み、前記出力開始命令は前記電力ユニットが前記直流電流をパルス電流に変換するように制御することに用いられ、前記パルス電流は前記パワー電池を充電することに用いられる。
【0017】
いくつかの可能な実施例では、前記パルス充電パラメータは、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0018】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0019】
いくつかの可能な実施例では、前記直流充電パラメータは前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む。
【0020】
いくつかの可能な実施例では、前記方法はさらに、前記制御ユニットが前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定するステップを含み、前記パルス充電モードはパルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードである。
【0021】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記制御ユニットが前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定することは、前記電池温度が温度閾値以下であると、前記制御ユニットが前記パルス充電モードに入ることを決定することを含む。
【0022】
いくつかの可能な実施例では、前記制御ユニットが前記パワー電池の電池状態パラメータを取得することは、前記制御ユニットが前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信することを含む。
【0023】
第3態様によれば、パワー電池を充電することに用いられる電力変換装置を提供し、前記パワー電池のパルス充電パラメータを決定することに用いられる電池状態パラメータを取得することに用いられる処理ユニットと、パルス充電パラメータによって算出される直流充電パラメータを含む充電情報を前記充電スタンドに送信することに用いられる通信ユニットと、備え、前記通信ユニットはさらに、前記充電スタンドから前記直流充電パラメータに基づいて出力される直流電流を受信することに用いられ、前記処理ユニットはさらに、前記パルス充電パラメータに基づいて、前記直流電流を前記パワー電池を充電するためのパルス電流に変換することに用いられる。
【0024】
いくつかの可能な実施例では、前記処理ユニットはさらに、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含むパルス充電パラメータを決定することに用いられる。
【0025】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0026】
いくつかの可能な実施例では、前記直流充電パラメータは前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む。
【0027】
いくつかの可能な実施例では、前記処理ユニットはさらに、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードであるパルス充電モードに入ることを決定することに用いられる。
【0028】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記処理ユニットは具体的には、前記電池温度が温度閾値以下であると、前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられる。
【0029】
いくつかの可能な実施例では、前記通信ユニットはさらに、前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信することに用いられる。
【0030】
第4態様によれば、パワー電池を充電することに用いられる電力変換装置を提供し、前記パワー電池の電池状態パラメータを取得することに用いられる制御ユニットを備え、前記制御ユニットはさらに、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを取得することに用いられ、前記制御ユニットはさらに、前記電力変換装置の電力ユニットに前記パルス充電パラメータを伝送することに用いられ、前記制御ユニットはさらに、前記電力ユニットによって前記パルス充電パラメータに基づいて算出される直流充電パラメータを取得することに用いられ、前記制御ユニットはさらに、前記充電スタンドが直流電流を出力することに用いられる前記直流充電パラメータを前記充電スタンドに送信することに用いられ、前記制御ユニットはさらに、前記電力ユニットに出力開始命令を送信することに用いられ、前記出力開始命令は、前記電力ユニットが前記直流電流をパルス電流に変換するように制御することに用いられ、前記パルス電流は前記パワー電池を充電することに用いられる。
【0031】
いくつかの可能な実施例では、前記パルス充電パラメータはパルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0032】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0033】
いくつかの可能な実施例では、前記直流充電パラメータは前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む。
【0034】
いくつかの可能な実施例では、前記制御ユニットはさらに、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードである。
【0035】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記制御ユニットは具体的には、前記電池温度が温度閾値以下であると、前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられる。
【0036】
いくつかの可能な実施例では、前記制御ユニットは具体的には、前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信することに用いられる。
【0037】
第5態様によれば、電力変換装置を提供し、プロセッサ及びメモリを備える。該メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、該プロセッサは該メモリに記憶されたコンピュータプログラムを呼び出して実行し、上記第1態様又はその各実現形態における方法を実行することに用いられる。
【0038】
第6態様によれば、電力変換装置を提供し、プロセッサ及びメモリを備える。該メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、該プロセッサは該メモリに記憶されたコンピュータプログラムを呼び出して実行し、上記第2態様又はその各実現形態における方法を実行することに用いられる。
【0039】
第7態様によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムを記憶することに用いられ、前記コンピュータプログラムは上記第1態様又はその各実現形態における方法を実行することに用いられる。
【0040】
第8態様によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムを記憶することに用いられ、前記コンピュータプログラムは上記第2態様又はその各実現形態における方法を実行することに用いられる。
【0041】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では本願の実施例に用いられる図面を簡単に説明し、明らかなように、以下で説明される図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を必要とせずに、さらに図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本願の実施例に係る電力変換装置の応用アーキテクチャの模式図である。
図2】本願の実施例に係る充電方法の模式的フローチャートである。
図3図2に示される充電方法の具体的な模式的フローチャートである。
図4】本願の実施例に係る電力変換装置と充電スタンド及びBMSとの接続の模式図である。
図5】本願の他の実施例に係る充電方法の模式的フローチャートである。
図6図5に示される充電方法の具体的な模式的フローチャートである。
図7】本願の実施例に係る電力変換装置の模式的ブロック図である。
図8】本願の実施例に係る電力変換装置の他の模式的ブロック図である。
図9】本願の実施例に係る電力変換装置のさらに他の模式的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の図面を参照しながら本願の実施例の技術的解決手段を明確に説明し、明らかなように、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要とせずに取得するすべての他の実施例は、いずれも本願の保護する範囲に属する。
【0044】
特に定義されていない限り、本願に用いられる技術用語及び科学用語はすべて、当業者が一般的に理解する意味と同じである。本願では、出願の明細書に用いられる用語は具体的な実施例の目的を説明するものに過ぎず、本願を限定することを意図するものではない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の簡単な説明に用いられる用語「含む」、「有する」及びそれらのいずれかの変形は、非排他的包含を含むことを意図する。本願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面に用いられる用語「第1」、「第2」等は、異なるオブジェクトを区別することに用いられるものであり、特定の順序又は主副関係を説明することに用いられるものではない。
【0045】
本願に言及される「実施例」は、実施例を参照しながら説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書の各位置で現れる該語句は、必ずしも同じ実施例を指すとは限らず、さらに他の実施例と相互に排他的で独立した実施例又は代替の実施例でもない。当業者が明示的及び暗黙的に理解できるように、本願に説明される実施例が他の実施例と組み合わせてもよい。
【0046】
なお、本願の説明では、特に明確に規定及び限定されていない限り、用語「取り付ける」、「繋がる」、「接続する」、「アタッチする」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体に接続されてもよく、直接接続されてもよく、中間媒体によって間接的に接続されてもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0047】
本願の用語「及び/又は」は、単に関連オブジェクトの関連関係を説明するものであり、3つの関係が存在してもよいことを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、A及びBが同時に存在し、Bが単独で存在するという3つの状況を示す。また、本願の記号「/」は一般的には、前後の関連オブジェクトが「又は」の関係であることを示す。
【0048】
本願に現れる「複数」は、2つ以上を指し、同様に、「複数セット」は2セット以上を指し、「複数枚」は2枚以上を指す。
【0049】
パワー電池は、電力消費装置に電源を提供する電池である。選択可能に、パワー電池はパワー蓄電池であってもよい。電池の種類から言えば、該パワー電池はリチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池等であってもよく、本願の実施例では具体的に限定しない。電池の規模から言えば、本願の実施例のパワー電池はセル/電池単体であってもよく、電池モジュール又は電池パックであってもよく、本願の実施例では具体的に限定しない。選択可能に、電力消費装置は車両、船又は宇宙船等であってもよく、本願の実施例ではこれを限定しない。パワー電池の電池管理システム(Battery Management System、BMS)はパワー電池を安全に使用するように保護することに用いられる制御システムであり、充放電管理、高電圧制御、電池保護、電池データの収集、電池状態の評価等の機能を実行する。BMSはパワー電池と同一の機器/装置に統合して設置されてもよく、又は、BMSは単独な機器/装置としてパワー電池の外部に設置されてもよい。
【0050】
充電スタンドは、充電器とも呼ばれ、パワー電池を充電する装置である。充電スタンドはBMSの充電ニーズに応じて充電電力を出力して、パワー電池を充電することができる。例えば、充電スタンドは、BMSから送信された所要の電圧及び電流に応じて電圧及び電流を出力することができる。
【0051】
しかしながら、いくつかの特定のシーンにおいて、充電スタンドで出力できる電圧及び電流の範囲はパワー電池にマッチングすることができない。例えば、低温のシーンにおいて、充電スタンドで出力できる最小の電圧又は電流は、充電中にリチウム析出が発生することを引き起こす可能性があり、その結果、パワー電池を正常に充電することができなくなる。また、場合によっては、充電スタンドとパワー電池との間に電力の変換を行う必要があり、例えば、電圧の変化、電流の変化、電力状態の変化、電流、電圧、電力タイミングの変化等である。
【0052】
上記事情に鑑みて、本発明の実施例は電力変換装置を提供し、電力変換装置は充電スタンドとパワー電池との間に電力変換を行うことができる。充電スタンドとパワー電池との間に電力変換を行う必要がある場合、電力変換装置は充電スタンドによって出力される電力のタイプをパワー電池に必要な電力のタイプに変換する。例えば、該電力変換装置は充電スタンドによって出力される直流電力をパルス電力に変換し、或いは、電圧値を変化させ、電流値を変化させ、又は電圧及び電流のタイミングを変化させる等を行うことができ、それによりパワー電池の正常な充電を効果的に確保することができる。
【0053】
図1は本願の実施例に係る電力変換装置の応用アーキテクチャの模式図を示し、該応用アーキテクチャは電力変換装置10、充電スタンド20及び電力消費装置30を含み、例えば、電力消費装置30は図1に示される電気自動車であってもよい。明らかに、電力変換装置10は充電スタンド20と電力消費装置30との間に接続されて電力変換を行い、即ち電力変換装置10はそれぞれ充電スタンド20及び電力消費装置30に接続され、充電スタンド20は電力消費装置30に直接接続されていない。
【0054】
理解されるように、本願の実施例は電力変換装置の名称を具体的に限定しておらず、つまり、電力変換装置は他の名称と呼ばれてもよく、例えば、電力変換装置はパルス充電加熱装置と呼ばれてもよい。
【0055】
図2は本願の一実施例に係る充電方法100の模式的フローチャートを示す。理解されるように、図2のステップ又は操作は単に例示的なものであり、本願の実施例は他の操作又は図2の各種の操作の変形を実行することができる。また、図2の各ステップはそれぞれ、図2に示されている順序と異なる順序に従って実行されてもよく、且つ図2のすべての操作を実行する必要がない場合がある。
【0056】
図2に示される方法100は電力変換装置、例えば図1の電力変換装置10に適用できる。以下、電力消費装置を電気自動車として例示し、方法100を説明するが、理解されるように、本願の実施例はそれに限定されない。方法100は以下のステップの一部又は全部を含んでもよい。
【0057】
ステップ110では、電力変換装置はパワー電池の電池状態パラメータを取得する。
【0058】
電池状態パラメータはパワー電池の電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態(State of Charge、SOC)のうちの少なくとも1つのパラメータを含むがそれに限定されない。
【0059】
一例として、パワー電池のBMSは電力変換装置に電池状態パラメータを送信し、それにより電力変換装置は電池状態パラメータを取得することができる。
【0060】
別の例として、BMSは電池状態パラメータをクラウドに記憶することができ、電力変換装置はクラウドから電池状態パラメータを取得することができる。
【0061】
選択可能に、本願の実施例では、電池状態パラメータはパルス充電パラメータを決定することに用いられる。パルス充電パラメータは、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含んでもよい。
【0062】
別の例として、電力変換装置は電池状態パラメータを自ら決定することができる。例えば、電力変換装置は所定の方法で電池状態パラメータを自ら測定することができる。
【0063】
一実現形態において、電力変換装置は電池状態パラメータに基づいてパルス充電パラメータを決定することができる。例示的に、電力変換装置は、取得された電池状態パラメータ及び電池状態パラメータとパルス充電パラメータとの対応関係に基づいて、パルス充電パラメータを決定することができる。
【0064】
選択可能に、電池状態パラメータとパルス充電パラメータとの対応関係は、電力変換装置に事前に設定されたものであってもよい。例えば、電池状態パラメータとパルス充電パラメータとの対応関係は、表の形で電力変換装置に事前に設定されたものであってもよく、このように、電力変換装置は内部ルックアップテーブルによってパルス充電パラメータを決定することができる。例を挙げて説明すると、電池状態パラメータとパルス充電要求パラメータとの対応関係は表1に示されるようなものであってもよく、表1の第1行はSOCであり、第1列は電池温度であり、A、B及びCはパルス電流要求値である。電力変換装置はSOC、電池温度及び表1に基づいてパルス電流要求値を決定することができ、電池温度が-10℃で、SOCが30%であると、電力変換装置はパルス電流要求値をBとして決定することができる。
【0065】
【表1】
【0066】
理解されるように、表1は単に例示的なものであり、SOCは必ずしも0-100%ではなく、電池温度とSOCの勾配値も必ずしも表1に示されるものではない。さらに理解されるように、電池状態パラメータとパルス充電要求パラメータとの対応関係は線形関係であってもよく、非線形関係であってもよい。
【0067】
選択可能に、電池状態パラメータとパルス充電パラメータとの対応関係は、電力変換装置によって他の機器から取得されるものであってもよい。
【0068】
上記技術的解決手段では、電力変換装置は取得されるパワー電池の電池状態パラメータに基づいて、対応するパルス充電パラメータを決定することができ、それによりパワー電池の様々な状況における様々な充電ニーズを満たし、高い柔軟性及び適応性を有する。
【0069】
本願の実施例では、可能な実現形態として、電力変換装置は先ず、パルス充電モードに入り、次に取得される電池状態パラメータに基づいてパワー電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断することができる。電池状態パラメータがパルス充電条件を満たすと、パルス充電装置がステップ120を実行し、電池状態パラメータがパルス充電条件を満たさないと、パルス充電装置がパルス充電モードから直流充電モードに切り替える。
【0070】
パルス充電モードはパルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードであり、直流充電モードは定電圧又は定電流を用いる充電モードである。
【0071】
例を挙げて説明し、電池状態パラメータは電池温度を含む場合、電池温度が温度閾値(例示的に、温度閾値が5℃である)以下であると、電力変換装置はパワー電池の状態がパルス充電条件を満たすことを決定することができ、ステップ120を実行する。又は、電池状態パラメータはSOCを含む場合、SOCがSOC閾値以下であると、電力変換装置はパワー電池の状態がパルス充電条件を満たすことを決定することができ、ステップ120を実行する。さらに又は、電池状態パラメータは電池温度及びSOCを含む場合、電池温度が温度閾値以下であり且つSOCがSOC閾値以下であると、電力変換装置はパワー電池の状態がパルス充電条件を満たすことを決定することができ、ステップ120を実行する。
【0072】
電気自動車の低温環境下での充電問題を解決するために、現在市販されている一部の電気自動車のパワー電池にいずれも熱管理システムが配置されている。パワー電池の温度が低すぎる場合、熱管理システムは一部の電気エネルギーを熱エネルギーに転化することができ、それにより電池パック全体を加熱する。このような予熱の方法によってパワー電池は適切な温度になり、これを前提としてパワー電池を充電する。しかしながら、このような予熱の方法はパワー電池の温度を高めた後に充電するが、パワー電池の温度を高める限界があるため、電気自動車の低温環境下での充電時間が長すぎるという問題を徹底的に解決することができない。また、パワー電池に熱管理システムを配置することは、パワー電池の重量を増加させるだけでなく、さらにパワー電池のコストを増加させる。
【0073】
上記技術的解決手段では、低温環境において、電力変換装置はパルス充電モードであり、即ち充電スタンドから出力される直流電流をパルス電流に変換することができ、それによりパワー電池の正常な充電を実現できる。上記従来の方式に比べて、本願の実施例は電池パック内に増設装置を設置せずにパワー電池の予熱を行うことができ、それにより充電時間を大幅に短縮させ、電池温度が迅速に高くなり、パワー電池の充電効率を効果的に向上させる。さらに、電池パック内に加熱装置を設置する必要がないため、上記技術的解決手段はさらにパワー電池の重量及びコストを減らすことができる。
【0074】
逆に言えば、電池状態パラメータは電池温度を含む場合、電池温度が温度閾値より大きいと、電力変換装置はパワー電池の状態がパルス充電条件を満たさないことを決定することができ、電力変換装置はパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることができる。例えば、電力変換装置は動作モードを終了することができ、充電スタンドはパワー電池に直流電流を直接出力し、又は、電力変換装置は充電スタンドから出力された直流電流をパワー電池に転送することができる。
【0075】
他の可能な実現形態では、電力変換装置は先ず、直流充電モードに入り、次に取得される電池状態パラメータに基づいてパワー電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断することができる。電池状態パラメータがパルス充電条件を満たすと、パルス充電装置は直流充電モードからパルス充電モードに切り替え、電池状態パラメータがパルス充電条件を満たさないと、パルス充電装置は直流充電モードを継続的に維持する。
【0076】
他の可能な実施例では、電力変換装置は、電池状態パラメータを取得した後、電池状態パラメータに基づいてパルス充電モードに入るか又は直流充電モードに入るかを決定することができる。
【0077】
ステップ120では、電力変換装置は充電スタンド(又は充電器と呼ばれる)に充電情報を送信し、充電情報はパルス充電パラメータによって算出される直流充電パラメータを含む。
【0078】
パルス充電モードに入ってパルス充電パラメータを取得した後、電力変換装置はパルス充電パラメータに基づいて、パルス充電パラメータに対応する直流充電パラメータを決定することができる。直流充電パラメータは、制御対象の充電スタンドによって出力される出力電圧、制御対象の充電スタンドによって出力される出力電流及び充電モードのうちの少なくとも1つのパラメータを含んでもよい。充電モードは定電流モード又は定電圧モードであってもよい。
【0079】
具体的には、電力変換装置はパルス充電パラメータを取得した後、パルス充電パラメータに基づいて計算して直流充電パラメータを得ることができる。又は、電力変換装置はパルス充電パラメータと直流充電パラメータとの対応関係及びパルス充電パラメータに基づいて、パルス充電パラメータに対応する直流充電パラメータを決定することができる。
【0080】
その後、電力変換装置は充電スタンドに充電情報を送信することができ、充電情報は直流充電パラメータを含み、該充電情報をBMSの充電ニーズとすることができる。具体的には、電力変換装置は充電スタンドに第1メッセージを送信することができ、第1メッセージに含まれる内容は表2に示されている。
【0081】
【表2】
【0082】
選択可能に、方法100はさらに、電力変換装置は充電スタンドに出力許可命令を送信するステップを含み、該出力許可命令は、充電スタンドが直流電流を出力するように指示することに用いられる。電力変換装置はステップ120の後に充電スタンドに出力許可命令を送信してもよく、又は、電力変換装置はステップ120を実行すると同時に充電スタンドに出力許可命令を送信してもよく、即ち電力変換装置は同時に充電スタンドに充電情報及び出力許可命令を送信してもよい。
【0083】
ステップ130では、充電スタンドは電力変換装置に直流電流を出力し、それに対応して、電力変換装置は充電スタンドから出力される直流電流を受信することができる。
【0084】
充電スタンドは該充電情報を受信した後、直流充電パラメータに基づいて電力変換装置に直流電流を出力することができる。
【0085】
ステップ140では、電力変換装置はパルス充電パラメータに基づいて直流電流をパルス電流に変換し、パルス電流はパワー電池を充電することに用いられる。
【0086】
なお、本願の実施例のパルス電流はパルス電流波形又はパルス充電波形とも呼ばれてもよい。
【0087】
選択可能に、本願の実施例では、方法100はさらに、パルス充電プロセスにおいて、電力変換装置はパワー電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかをリアルタイムに判断するステップを含んでもよい。パワー電池の現在の時点の状態がパルス充電条件を満たすと、電力変換装置はパルス充電モードを継続的に維持し、パワー電池の現在の時点の状態がパルス充電条件を満たさないと、電力変換装置はパルス充電モードを終了する。
【0088】
一例として、電力変換装置は、予め設定された時間おきにパワー電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断することができる。例えば、電力変換装置は、1sおきにパワー電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断することができる。
【0089】
選択可能に、該予め設定された時間は電力変換装置及びBMSによってネゴシエートされたものであってもよい。
【0090】
選択可能に、該予め設定された時間は電力変換装置によって自ら決定されたものであってもよい。
【0091】
別の例として、電力変換装置は電池状態パラメータを取得すると、パワー電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断するようにしてもよい。つまり、電力変換装置は電池状態パラメータを取得するたびに、パワー電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断する。
【0092】
パワー電池の充電に適した最適なパルス電流を出力するために、方法100はさらに、電力変換装置がパルス充電パラメータをリアルタイムに調整するステップを含んでもよい。
【0093】
具体的には、BMSは電力変換装置に現在の時点の電池状態パラメータをリアルタイムに送信するようにしてもよい。例えば、パワー電池の電池状態が変化すると、BMSは電力変換装置に現在の時点の電池状態パラメータを送信する。又は、BMSは電力変換装置に現在の時点の電池状態パラメータを周期的に送信してもよい。電力変換装置は現在の時点の電池状態パラメータを受信した後、現在の時点の電池状態パラメータに基づいてパルス充電パラメータを決定することができる。このようして、決定するパルス充電パラメータはパワー電池の現在の時点の状態に対応し、それによりパワー電池の充電に適した最適なパルス電流を出力することができる。
【0094】
図3は方法100の具体的なフローチャートである。理解されるように、図3は単に当業者が本願の実施例をよりよく理解することを助けるものだけであり、本願の実施例の範囲を限定するものではない。
【0095】
210では、BMSは電力変換装置に電池状態パラメータを送信する。
【0096】
220では、電力変換装置はパルス充電モードに入るかどうかを判断する。
【0097】
例えば、電力変換装置は電池温度と温度閾値とを比較し、温度閾値が5℃であると仮定する。電池温度が5℃以下であると、電力変換装置はパルス充電モードに入ることを決定し、ステップ230を実行し、電池温度が5℃より大きいと、電力変換装置は直流充電モードに入る。
【0098】
230では、電力変換装置は電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを決定する。
【0099】
240では、電力変換装置はパルス充電パラメータに基づいて、直流充電パラメータを決定する。
【0100】
250では、電力変換装置は充電スタンドに充電情報を送信し、該充電情報は直流充電パラメータを含む。
【0101】
260では、電力変換装置は充電スタンドに出力許可命令を送信し、該出力許可命令は、充電スタンドが直流電流を出力するように指示することに用いられる。
【0102】
270では、充電スタンドは直流充電パラメータに基づいて、電力変換装置に直流電流を出力する。
【0103】
280では、電力変換装置は直流電流を受信した後、パルス充電パラメータに基づいて、直流電流をパルス電流に変換する。
【0104】
290では、電力変換装置はパワー電池にパルス電流を出力して、パワー電池を充電する。
【0105】
2100では、パルス充電プロセスにおいて、電力変換装置は現在の時点の電池状態パラメータに基づいて、パワー電池の現在の時点の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断する。
【0106】
パワー電池の現在の時点の状態がパルス充電条件を満たさないと、電力変換装置はステップ2110を実行し、パワー電池の現在の時点の状態がパルス充電条件を満たすと、電力変換装置はステップ230を実行し、現在の時点の電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを調整する。
【0107】
2110では、電力変換装置はパルス充電モードを終了する。
【0108】
本願の実施例は電力変換装置を充電スタンドとパワー電池との間に接続し、該電力変換装置は充電スタンドから出力される直流電流をパルス電流に変換し、次に変換したパルス電流をパワー電池に伝送することができ、このようにして、特定のシーンにおいて充電スタンドから出力される電圧と電流の範囲はパワー電池にマッチングすることができないという問題を回避することができ、それによりパワー電池の正常な充電を確保する。また、電池状態パラメータはパワー電池の状態を最もよく反映できるパラメータであってもよく、電池状態パラメータに基づいて変換されるパルス電流は、パワー電池の正常な給電を効果的に確保することができる。
【0109】
選択可能に、本願の実施例では、図4に示されるように、電力変換装置は制御ユニット及び電力ユニットを含んでもよく、図4の実線は電力線を示し、破線は通信線を示す。制御ユニットは、充電スタンド及びBMSの充電プロセスにおける状態を検出し、それぞれ通信線によって充電スタンド及びBMSに接続され、それによりそれぞれ充電スタンド及びBMSと情報交換を行うことに用いられる。また、制御ユニットはさらに通信線によって電力ユニットに接続されて、電力ユニットと情報交換を行い、且つ電力ユニットが電力変換を行うように制御する。例えば、通信線はコントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)通信線又はデイジーチェーン(daisy chain)通信線であってもよい。
【0110】
電力ユニットは、制御ユニットの命令に基づいて、充電スタンドから出力される電力タイプをパワー電池に必要な電力タイプに変換することに用いられる。電力ユニットは通信線によって制御ユニットに接続され、情報交換を行う。制御ユニットと電力ユニットとの間に通信プロトコルが設定されてもよく、例えば、通信の文法、セマンティクス及びタイミング等を定義し、それにより制御ユニットと電力ユニットとの間の正常な交換を確保する。
【0111】
制御ユニットに制御戦略が設定されてもよい。例えば、制御ユニットは充電スタンド及びBMSの充電メッセージを分析することによって、現在の充電プロセスの状態を決定し、それにより電力ユニットが対応する操作を行うように制御する。
【0112】
以下、図4に示される電力変換装置に基づいて、本願の実施例の他の充電方法を詳細に説明する。図5は本願の他の実施例の充電方法300の模式的フローチャートを示す。図5に示される方法300は図に示される電力変換装置に適用できる。方法300は以下のステップの一部又は全部を含んでもよい。
【0113】
ステップ310では、制御ユニットはパワー電池の電池状態パラメータを取得する。
【0114】
ステップ320では、制御ユニットは電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを取得する。
【0115】
ステップ330では、制御ユニットは電力ユニットにパルス充電パラメータを伝送する。
例えば、制御ユニットはCAN通信線によって、電力ユニットにパルス充電パラメータを伝送することができる。
【0116】
例えば、制御ユニットは電力ユニットに第2メッセージを送信することができ、該第2メッセージに含まれる内容は表3に示されてもよい。
【0117】
【表3】
【0118】
ステップ340では、電力ユニットはパルス充電パラメータに基づいて、直流充電パラメータを算出する。
【0119】
ステップ350では、制御ユニットは直流充電パラメータを取得する。
【0120】
選択可能に、電力ユニットは制御ユニットに直流充電パラメータを送信してもよく、それにより制御ユニットは直流充電パラメータを取得することができる。電力ユニットはメインCAN通信の方式によって、制御ユニットに直流充電パラメータを送信してもよい。
【0121】
選択可能に、電力ユニットは直流充電パラメータを算出した後、直流充電パラメータをクラウドに送信してもよく、制御ユニットはクラウドから直流充電パラメータを取得することができる。
【0122】
ステップ350では、制御ユニットは充電スタンドに直流充電パラメータを送信し、直流充電パラメータは、充電スタンドが直流電流を出力するように指示することに用いられる。
【0123】
ステップ360では、制御ユニットは電力ユニットに出力開始命令を送信し、該出力開始命令は、電力ユニットが直流電流をパルス電流に変換するように制御することに用いられ、パルス電流はパワー電池を充電することに用いられる。
【0124】
ステップ350とステップ360を同時に実行してもよく、又はステップ360をステップ350の後に実行してもよい。
【0125】
電力ユニットは出力開始命令を受信した後、電力ユニットはパルス充電パラメータに基づいて、充電スタンドから出力された直流電流をパルス電流に変換して、パワー電池を充電することができる。
【0126】
選択可能に、方法300はさらに、電池状態パラメータがパラメータ閾値に達すると、電池温度が10℃である場合、制御ユニットは電力ユニットに終了命令を送信することができることを含んでもよく、該終了命令は電力ユニットがパルス充電モードを終了するように指示することに用いられる。
【0127】
本願の実施例をより明確に説明するために、以下、図6を参照しながら方法300の具体的な実現プロセスを詳細に説明する。
【0128】
ステップ410では、BMSは制御ユニットに電池状態パラメータを送信する。
【0129】
ステップ420では、制御ユニットはパルス充電モードに入るかどうかを判断する。
【0130】
例えば、制御ユニットは電池温度と温度閾値とを比較し、温度閾値が5℃であると仮定する。電池温度が5℃以下であると、制御ユニットはパルス充電モードに入ることを決定し、電池温度が5℃より大きいと、制御ユニットは直流充電モードに入る。
【0131】
ステップ430では、制御ユニットは電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを決定する。
【0132】
例えば、制御ユニットは内部ルックアップテーブルによってパルス充電パラメータを決定することができる。
【0133】
ステップ440では、制御ユニットは電力ユニットにパルス充電パラメータを送信する。
【0134】
ステップ450では、電力ユニットはパルス充電パラメータに基づいて、直流充電パラメータを算出する。
【0135】
ステップ460では、電力ユニットは制御ユニットに直流充電パラメータを送信する。
【0136】
ステップ470では、制御ユニットは受信した直流充電パラメータを充電スタンドに転送する。
【0137】
ステップ480では、制御ユニットは充電スタンドに出力許可命令を送信し、該出力許可命令は充電スタンドが直流電流を出力するように指示することに用いられる。
【0138】
ステップ480はステップ470の後に実行されてもよく、ステップ470と同時に実行されてもよい。
【0139】
ステップ490では、制御ユニットは電力ユニットに出力開始命令を送信し、該出力開始命令は、前記電力ユニットが前記直流電流をパルス電流に変換するように制御することに用いられる。
【0140】
ステップ490はステップ470の後に実行されてもよく、ステップ470と同時に実行されてもよい。
【0141】
ステップ4100では、充電スタンドは直流充電パラメータに基づいて、電力ユニットに直流電流を出力する。
【0142】
充電スタンドは出力許可命令を受信した後、充電スタンドは直流充電パラメータに基づいて、電力ユニットに直流電流を出力することができる。
【0143】
ステップ4120では、電力ユニットは直流電流を受信した後、パルス充電パラメータに基づいて、直流電流をパルス電流に変換する。
【0144】
ステップ4120では、電力ユニットはパワー電池にパルス電流を出力して、パワー電池を充電する。
【0145】
ステップ4130では、パルス充電プロセスにおいて、制御ユニットは現在の時点の電池状態パラメータに基づいて、パワー電池の現在の時点の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断する。
【0146】
パワー電池の現在の時点の状態がパルス充電条件を満たさないと、制御ユニットはステップ4140を実行し、パワー電池の現在の時点の状態がパルス充電条件を満たすと、制御ユニットはステップ430を実行し、即ち現在の時点の電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを調整する。
【0147】
4140では、制御ユニットはパルス充電モードを終了する。
【0148】
理解されるように、以上、それぞれ方法100及び200を説明したが、方法100及び200は独立したものであることを意味するものではなく、各方法の説明は互いに参照されてもよい。矛盾がない場合において、方法100及び200の選択可能な解決手段を組み合わせて使用してもよく、又は方法100の関連する説明は方法200に適用できる。
【0149】
本願の実施例では、上記各プロセスの番号の大きさは実行の順序を意味しておらず、各プロセスの実行順序はその機能及び内部ロジックによって決定されるべきであり、本願の実施例の実施プロセスを限定するものではない。
【0150】
そして、矛盾がない限り、本願の説明する各実施例及び/又は各実施例の技術的特徴を任意に組み合わせることができ、組み合わせた後に得られる技術的解決手段も本願の保護範囲に含まれるべきである。
【0151】
以上のように、本願の実施例の充電方法を詳細に説明したが、以下、本願の実施例の電力変換装置を説明する。理解されるように、本願の実施例の電力変換装置は本願の実施例の充電方法を実行でき、対応する方法を実行する機能を有する。
【0152】
図7は本願の実施例に係る電力変換装置500の模式的ブロック図を示す。該電力変換装置500はパワー電池を充電することに用いられ、図7に示されるように、該電力変換装置500は処理ユニット510及び通信ユニット520を含んでもよい。
【0153】
処理ユニット510は、前記パワー電池の電池状態パラメータを取得することに用いられる。
【0154】
通信ユニット520は、前記充電スタンドに充電情報を送信することに用いられ、前記充電情報は、パルス充電パラメータによって算出される直流充電パラメータを含む。
【0155】
前記通信ユニット520はさらに、前記充電スタンドが前記直流充電パラメータに基づいて出力する直流電流を受信することに用いられる。
【0156】
前記処理ユニット510はさらに、前記パルス充電パラメータに基づいて、前記直流電流をパルス電流に変換することに用いられ、前記パルス電流は前記パワー電池を充電することに用いられる。
【0157】
前記電池状態パラメータは前記パルス充電パラメータを決定することに用いられる。
【0158】
選択可能に、本願の実施例では、前記処理ユニット510はさらに、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを決定することに用いられ、前記パルス充電パラメータは、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0159】
選択可能に、本願の実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0160】
選択可能に、本願の実施例では、前記直流充電パラメータは前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む。
【0161】
選択可能に、本願の実施例では、前記処理ユニット510はさらに、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードである。
【0162】
選択可能に、本願の実施例では、前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記処理ユニット510は具体的には、前記電池温度が温度閾値以下であると、前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられる。
【0163】
選択可能に、本願の実施例では、前記通信ユニット520はさらに、前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信することに用いられる。
【0164】
理解されるように、該電力変換装置500は該方法100の対応する操作を実現することができ、簡潔にするために、ここで繰り返して説明しない。
【0165】
図8は本願の実施例に係る電力変換装置600の模式的ブロック図を示す。該電力変換装置600はパワー電池を充電することに用いられ、図8に示されるように、該電力変換装置600は制御ユニット610を含んでもよい。
【0166】
制御ユニット610は、前記パワー電池の電池状態パラメータを取得することに用いられる。
【0167】
前記制御ユニット610はさらに、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電パラメータを取得することに用いられる。
【0168】
前記制御ユニット610はさらに、前記電力変換装置600の電力ユニット620に前記パルス充電パラメータを伝送することに用いられる。
【0169】
前記制御ユニット610はさらに、前記電力ユニット620によって、前記パルス充電パラメータに基づいて算出される直流充電パラメータを取得することに用いられる。
【0170】
前記制御ユニット610はさらに、前記充電スタンドに前記直流充電パラメータを送信することに用いられ、前記直流充電パラメータは前記充電スタンドが直流電流を出力することに用いられる。
【0171】
前記制御ユニット610はさらに、前記電力ユニット620に出力開始命令を送信することに用いられ、前記出力開始命令は、前記電力ユニット620が前記直流電流をパルス電流に変換するように制御することに用いられ、前記パルス電流は前記パワー電池を充電することに用いられる。
【0172】
選択可能に、本願の実施例では、前記パルス充電パラメータは、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間のうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0173】
選択可能に、本願の実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCのうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0174】
選択可能に、本願の実施例では、前記直流充電パラメータは前記充電スタンドの出力電圧及び/又は出力電流を含む。
【0175】
選択可能に、本願の実施例では、前記制御ユニット610はさらに、前記電池状態パラメータに基づいて、パルス充電モードに入ることを決定することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス式の電圧又はパルス式の電流を用いる充電モードである。
【0176】
選択可能に、本願の実施例では、前記電池状態パラメータは電池温度を含み、前記制御ユニット610は具体的には、前記電池温度が温度閾値以下であると、前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられる。
【0177】
選択可能に、本願の実施例では、前記制御ユニット610は具体的には、前記パワー電池の電池管理システムBMSから送信される前記電池状態パラメータを受信することに用いられる。
【0178】
理解されるように、該電力変換装置600は該方法300の対応する操作を実現することができ、簡潔にするために、ここで繰り返して説明しない。
【0179】
図9は本願の他の実施例に係る電力変換装置700の模式的ブロック図を示す。図9に示されるように、該電力変換装置700はメモリ710及びプロセッサ720を含む。メモリ710はプロセッサ720と結合され、プログラム命令を記憶することに用いられ、プロセッサ720はメモリ710に記憶されたプログラム命令を呼び出して、上記本願の各種の実施例に係る方法を実行することに用いられる。
【0180】
本願の実施例はさらに、コンピュータプログラムを記憶することに用いられるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムは上記本願の各種の実施例に係る方法を実行することに用いられる。
【0181】
なお、以上の実施例は単に本願の技術的解決手段を説明することに用いられ、それを限定するものではない。上記実施例を参照しながら本願を詳細に説明したが、当業者は、依然として上記各実施例に記載されている技術的解決手段に対して変更を行うことができ、又はその一部の技術的特徴に対して同等置換を行うことができるが、これらの変更や置換によって、対応する技術的解決手段の本質は本願の各実施例に係る技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱することがしないことを理解すべきである。
【符号の説明】
【0182】
10 電力変換装置
20 充電スタンド
30 電力消費装置
100 充電方法
200 方法
300 充電方法
500 電力変換装置
510 処理ユニット
520 通信ユニット
600 電力変換装置
610 制御ユニット
620 電力ユニット
700 電力変換装置
710 メモリ
720 プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9