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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】横方向の気流を可能にする誘導ヒーター
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20230929BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20230929BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022517283
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2020075886
(87)【国際公開番号】W WO2021053028
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】19198281.8
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-134701(JP,A)
【文献】特表2015-506170(JP,A)
【文献】中国特許第104095291(CN,B)
【文献】国際公開第2019/030363(WO,A1)
【文献】特表2017-533732(JP,A)
【文献】特表2017-515486(JP,A)
【文献】国際公開第2019/111103(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0149737(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/465
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞と、
誘導加熱装置であって、誘導コイルおよびサセプタ組立品を備える誘導加熱装置と、を備え、
ここで、前記サセプタ組立品が、前記空洞内に中央に配設された中央サセプタ配設と、前記中央サセプタ配設から距離を置きかつその周りに配設された周辺サセプタ配設と、を備え、ならびに以下の、前記中央サセプタ配設が、少なくとも二つの中央サセプタ間の横方向の気流を可能にする前記少なくとも二つの中央サセプタを含む;前記周辺サセプタ配設が、少なくとも二つの周辺サセプタ間の横方向の気流を可能にする前記少なくとも二つの周辺サセプタを含む;および前記中央サセプタ配設および前記周辺サセプタ配設の一方または両方が、一つ以上の多孔性のサセプタを含む;のうちの一つ以上、である、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記少なくとも二つの中央サセプタの間に少なくとも一つの間隙が設けられる、および前記少なくとも二つの周辺サセプタの間に少なくとも一つの間隙が設けられる、のうちの一方または両方である、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記間隙が、細長い間隙として構成される、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記間隙が、前記空洞の長手方向軸に平行に延びる、請求項2または3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記間隙が、横断方向の間隙として構成される、請求項2または3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記中央サセプタが細長い、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記中央サセプタの下流端部が、丸みを付けられている、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記中央サセプタ配設および前記周辺サセプタ配設の一方または両方が、前記空洞の中心長手方向軸の周りに配設されている、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記中央サセプタ配設および前記周辺サセプタ配設の一方または両方が中空であり、または前記中央サセプタ配設が、前記中央サセプタ間の中空空洞を画定する少なくとも二つの中央サセプタを含み、または、前記周辺サセプタ配設が、前記周辺サセプタ配設と前記中央サセプタ配設との間に環状の中空円筒形状の空洞を画定する、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記中央サセプタ配設および前記周辺サセプタ配設の一方または両方が、リング形状の断面を有するか、または前記中央サセプタ配設が、中空空洞をリング形状の断面で画定する少なくとも二つの中央サセプタを含むか、または前記周辺サセプタ配設が、中空空洞をリング形状の断面で画定する少なくとも二つの周辺サセプタを含む、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記周辺サセプタ配設が、細長いサセプタを含む、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記周辺サセプタ配設の下流端部が裾広がりである、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記周辺サセプタ配設が、前記中央サセプタ配設の内径よりも大きい内径を有する、請求項7または12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記中央サセプタ配設および前記周辺サセプタ配設が、同軸に配設されている、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは公知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度へとエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーなどの空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されてもよい。発熱体は抵抗発熱体であってもよい。近年では、エアロゾル形成基体を加熱するために誘導加熱の使用が提案されている。誘導コイルおよびサセプタ組立品を含む誘導加熱組立品は、エアロゾル形成基体を誘導加熱するために利用され得る。誘導加熱組立品の形状は、好ましくはサセプタ組立品の形状であり、気流に悪影響を与え得る。
【0003】
エアロゾル発生が改善されたエアロゾル発生装置を有することが望ましいであろう。誘導加熱が改善されたエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。加熱がより均質なエアロゾル発生装置を有することが望ましいであろう。気流が改善されたエアロゾル発生装置を有することが望ましいであろう。気流がより均質なエアロゾル発生装置を有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するための空洞を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。装置は、誘導加熱装置をさらに備える。誘導加熱装置は、誘導コイルおよびサセプタ組立品を備える。サセプタ組立品は、空洞内に中央に配設された中央サセプタ配設と、中央サセプタ配設から距離を置いてその周りに配設された周辺サセプタ配設とを備える。さらに、中央サセプタ配設は、少なくとも二つの中央サセプタ間の横方向の気流を可能にする少なくとも二つの中央サセプタを含む;周辺サセプタ配設は、少なくとも二つの周辺サセプタ間の横方向の気流を可能にする少なくとも二つの周辺サセプタを含む;ならびに中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の一方または両方は、一つ以上の多孔性のサセプタを含む;のうちの一つ以上。
【0005】
中央サセプタ配設を提供することにより、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の内部加熱が可能となる。周辺サセプタ配設を提供することにより、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の外部加熱が可能となる。一緒に、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の均一な加熱を可能にする。さらに、気流およびエアロゾル発生は、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の一方または両方の構成により、改善される。中央サセプタ配設の少なくとも二つの中央サセプタ、および周辺サセプタ配設の少なくとも二つの周辺サセプタの一方または両方の間に、横方向の気流を提供することは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と装置内に引き込まれた空気との間の接触面を増加させる。多孔性のサセプタを提供することは、追加的または代替的に、接触面を増加させ得る。
【0006】
用語「横方向の気流」は、それぞれのサセプタの長手方向軸に本質的に垂直な方向の気流を指す。このタイプの気流は、エアロゾル形成基体と空気とのより均一な接触を可能にすることによって、エアロゾル形成を強化し得る。横方向の気流に加えて、空洞の基部からの気流が提供されてもよい。この気流は、軸方向の気流であってもよい。軸方向の気流は、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品全体を通して流れてもよい。横方向の気流は、横方向の気流がサセプタを通過した後、エアロゾル発生物品に入る地点で、軸方向の気流と混合し得る。横方向の気流は、形成されたエアロゾルの冷却をもたらし得るか、または冷却を補助し得る。軸方向の気流と横方向の気流との間の所望の比は、エアロゾル形成およびエアロゾル温度を増強するように選択され得る。
【0007】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品が中央サセプタ配設と周辺サセプタ配設との間に挟まれ得るように、中空のエアロゾル発生物品として構成されることが好ましい。エアロゾル発生物品は、内側層を構成する第一の管状エアロゾル形成基体層と、第一の管状エアロゾル形成基体層を包囲して配設されて外側層を構成する第二の管状エアロゾル形成基体層とを備え得る。中央サセプタ配設は、第一の管状エアロゾル形成基体層を加熱するように構成され得る。周辺サセプタ配設は、第二の管状エアロゾル形成基体層を加熱するように構成され得る。エアロゾル発生物品については下記により詳細に説明する。
【0008】
中央サセプタ配設の中央サセプタのうちの一つ以上は、多孔性であってもよい。周辺サセプタ配設の周辺サセプタのうちの一つ以上は、多孔性であってもよい。中央サセプタおよび周辺サセプタのうちの一つ以上は、多孔性材料で作製されてもよい。多孔性材料は、サセプタが十分な機械的強度を有するように、空隙率を有してもよい。サセプタの機械的強度は、エアロゾル発生物品の挿入および除去中、ならびにエアロゾル発生装置の動作中に、サセプタが寸法的に安定している場合に十分であり得る。一つ以上の中央サセプタおよび周辺サセプタは、多孔性のため空気透過性に構成され得る。一つ以上の中央サセプタおよび周辺サセプタは、一つ以上の中央サセプタおよび周辺サセプタを通る横方向の気流を可能にするように構成され得る。中央サセプタおよび周辺サセプタのうちの一つ以上は、金属を含み得る。中央サセプタおよび周辺サセプタのうちの一つ以上は、金属から作製され得る。中央サセプタおよび周辺サセプタのうちの一つ以上は、固体の金属を含み得るか、または固体の金属から作製され得る。中央サセプタおよび周辺サセプタのうちの一つ以上は、横方向の気流を可能にするスリットまたは穴を含み得る。別の方法としてまたは追加的に、一つ以上の中央サセプタおよび周辺サセプタは、開多孔性の誘導加熱セラミック材料を含んでもよい。開多孔性の誘導加熱セラミック材料は導電性であり得る。別の方法としてまたは追加的に、開多孔性の誘導加熱セラミック材料は、強磁性またはフェリ磁性であってもよい。中央サセプタおよび周辺サセプタのうちの一つ以上は、ランタンドープチタン酸ストロンチウムまたはイットリウムドープチタン酸ストロンチウムなどの導電性セラミック材料を含んでもよく、またはそれらからなってもよい。多孔性の誘導加熱セラミック材料は、セラミックフェライトであってもよい。中央サセプタおよび周辺サセプタのうちの一つ以上は、セラミックフェライトなどの開多孔性の強磁性またはフェリ磁性のセラミック材料を含んでもよく、またはそれらからなってもよい。本明細書で使用される場合、フェライトは、ヘマタイト(Fe23)またはマグネタイト(Fe34)などの鉄酸化物、ならびに他の金属の酸化物に由来するフェリ磁性セラミック化合物である。一つ以上の中央サセプタおよび周辺サセプタの材料の空隙率は、20%~60%の範囲であり得る。
【0009】
「空隙率」という用語は本明細書で使用されるとき、サセプタ内の空隙空間の割合を意味する。サセプタの空隙率は、サセプタを通る横方向の気流を可能にするように選択されてもよい。空隙率は、追加的または代替的に、サセプタにスリットまたは穴を提供することによって影響され得る。好ましくは、サセプタの空隙率の値は、サセプタを通る、および好ましくはエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えるシステムを通る、所定の引き出し抵抗を提供するように選択される。サセプタを通る、および好ましくはエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えるシステムを通る、引き出し抵抗は、70mmWg~120mmWGの間であり得る。
【0010】
少なくとも二つの中央サセプタの間に少なくとも一つの間隙が設けられてもよい、および少なくとも二つの周辺サセプタの間に少なくとも一つの間隙が設けられてもよい、のうちの一方または両方。間隙は、中央サセプタ間の横方向の気流を可能にするように構成され得る。間隙は、周辺サセプタ間の横方向の気流を可能にするように構成され得る。複数の中央サセプタが提供される場合、中央サセプタの各々の間に間隙が提供されてもよい。複数の周辺サセプタが提供される場合、周辺サセプタの各々の間に間隙が提供されてもよい。
【0011】
間隙は細長い間隙として構成されてもよい。間隙は、空洞の長手方向中心軸に沿って延びるか、またはそれに平行に延びてもよい。中央サセプタおよび周辺サセプタのうちの一つ以上は、間隙によって互いに分離されてもよい。一つ以上の個別の中央サセプタおよび周辺サセプタは、間隙によって互いに距離を置いて配設されてもよい。間隙の数は、中央サセプタおよび周辺サセプタの数に対応してもよい。
【0012】
間隙は、横断方向の間隙として構成されてもよい。横断方向の間隙は、空洞の長手方向中心軸に沿って延びるか、またはそれに平行に延びる間隙に、代替的にまたは追加的に提供されてもよい。横断方向の間隙が提供される場合、一つ以上の中央サセプタと周辺サセプタとの間に、横断方向の間隙が提供されてもよい。結果として、一つ以上の中央サセプタおよび周辺サセプタが、空洞の長手方向中心軸に沿って、またはそれに平行に配設されてもよい。空洞の長手方向中心軸に沿って、またはそれに平行に延びる間隙と同様に、横断方向の間隙は、個別の中央サセプタまたは周辺サセプタを分離するように配設されてもよい。
【0013】
一つ以上の中央サセプタと周辺サセプタとの間に提供される一つの間隙または複数の間隙は、多孔性である中央サセプタおよび周辺サセプタの一つ以上に加えて提供され得る。気流、好ましくは横方向の気流は、個別のサセプタ間に間隙を提供することによって、および追加的にサセプタを多孔性のサセプタとして構成することによって、強化され得る。
【0014】
中央サセプタ配設は、少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、三つ以上の中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、四つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、四つの中央サセプタからなってもよい。中央サセプタのうちの少なくとも一つ、好ましくはすべては、細長くてもよい。
【0015】
中央サセプタは、細長くてもよい。中央サセプタは、空洞の長手方向中心軸に平行に配設されてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、各中央サセプタは、空洞の長手方向中心軸に平行に等距離に配設されてもよい。
【0016】
中央サセプタの下流端部は、丸みが付けられてもよく、好ましくは、空洞の中心長手方向軸に向かって内側に曲げられてもよい。複数の中央サセプタが提供され、好ましくは各中央サセプタの各下流端部は丸みが付けられてもよく、空洞の中心長手方向軸に向かって内側に曲げられてもよい。丸みのある端部は、中央サセプタ配設の上へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にし得る。丸みのある端部の代わりに、端部は、空洞の長手方向中心軸に向かって先細りまたは面取りされてもよい。
【0017】
中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の一方または両方は、空洞の中心長手方向軸の周りに配設されてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、中央サセプタは、空洞の中心長手方向軸の周りにリング形状の向きに配設されてもよい。エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入される時、エアロゾル発生物品は、中央サセプタ配設の配設によって、空洞の中央にくるようにしてもよい。周辺サセプタ配設は、中央サセプタ配設の周りに配設され得る。周辺サセプタ配設が複数の周辺サセプタを含む場合、各周辺サセプタは、空洞の中心長手方向軸に平行に等距離に配設されてもよい。
【0018】
中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の一方または両方は、中空であってもよい。中央サセプタ配設は、中央サセプタ間の中空空洞を画定する少なくとも二つの中央サセプタを含んでもよい。周辺サセプタ配設は、周辺サセプタ配設と中央サセプタ配設との間に環状の中空円筒形状の空洞を画定し得る。
【0019】
中央サセプタ配設の中空構成は、中空の中央サセプタ配設内への気流を可能にし得る。本明細書に記載されるように、好ましくは、中央サセプタ配設は、少なくとも二つの中央サセプタを備える。好ましくは、間隙が、少なくとも二つの中央サセプタの間に提供される。結果として、中央サセプタ配設を通した気流が可能になり得る。気流は、空洞の長手方向中心軸に平行な、またはそれに沿った方向に可能になり得る。間隙によって、横方向に気流が可能になり得ることが好ましい。横方向の気流は、中央サセプタ間の間隙を通した入ってくる空気とエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体との間の接触に起因して、エアロゾル発生を可能にし得る。中央サセプタ配設の加熱は、エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入された時に、中空の中央サセプタ配設内のエアロゾル発生をもたらし得る。中央サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の第一の管状エアロゾル形成基体層を加熱するように構成されてもよい。中央サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の内部を加熱するように構成されてもよい。エアロゾルは、中空の中央サセプタ配設を通して下流方向に引き出されてもよい。
【0020】
環状の中空円筒形状の空洞は、エアロゾル発生物品の挿入のための空洞であってもよい。中央サセプタ配設は、環状の中空円筒形状の空洞内に配設されてもよい。環状の中空円筒形状の空洞は、エアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよい。
【0021】
中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の一方または両方は、リング形状の断面を有してもよい。中央サセプタ配設は、中空空洞をリング形状の断面で画定する少なくとも二つの中央サセプタを含んでもよい。周辺サセプタ配設は、中空空洞をリング形状の断面で画定する少なくとも二つの周辺サセプタを含んでもよい。
【0022】
中央サセプタ配設は、管状であってもよい。中央サセプタ配設が少なくとも二つの中央サセプタを含む場合、中央サセプタは管状中央サセプタ配設を形成するように配設されてもよい。気流は、中央サセプタ間の間隙を通る中央サセプタ配設を通して実現されることが好ましい。
【0023】
周辺サセプタ配設は、細長い、好ましくはブレード形状のサセプタ、または円筒形状のサセプタを含み得る。周辺サセプタ配設は、少なくとも二つのブレード形状のサセプタを備えてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞を包囲して配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の内部に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時にエアロゾル発生物品を保持するために配設されてもよい。周辺サセプタ配設の下流端部は裾広がりであってもよい。ブレード形状のサセプタは、ブレード形状のサセプタの中へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にするために、裾広がりの下流端を有してもよい。空気は、ブレード形状のサセプタの間を通って空洞内に流れてもよい。個別のブレード形状サセプタ間に間隙が提供されてもよい。空気は、その後、エアロゾル発生物品と接触するか、またはそれに進入してもよい。空気によるエアロゾル発生物品の均一な貫通は、このようにして達成されてもよく、それによってエアロゾル発生を最適化する。周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の第二の管状エアロゾル形成物質層を加熱するように構成されてもよい。周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の外部を加熱するように構成されてもよい。
【0024】
周辺サセプタ配設は、中央サセプタ配設の内径よりも大きい内径を有してもよい。周辺サセプタ配設と中央サセプタ配設との間に、環状の中空円筒形状の空洞を配設し得る。中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設は同軸に配設され得る。
【0025】
エアロゾル発生装置は、電源を備えてもよい。電源は直流(DC)電源であってもよい。電源は、誘導コイルに電気的に接続されてもよい。一実施形態において、電源は、約2.5ボルト~約4.5ボルトの範囲のDC供給電圧と、約1アンペア~約10アンペアの範囲のDC供給電流とを有するDC電源(約2.5ワット~約45ワットの範囲のDC電源に対応)である。有利なことに、エアロゾル発生装置は、DC電源によって供給されるDC電流を交流電流に変換するための直流から交流への(DC/AC)インバータを備えてもよい。DC/ACコンバータは、クラスD、クラスCまたはクラスEの電力増幅器を含み得る。電源は、交流電流を提供するように構成されてもよい。
【0026】
電源は再充電可能なリチウムイオン電池などの電池であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。電源は、エアロゾル発生装置の一回以上の使用のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間の間エアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0027】
誘導コイルへの電源は高周波で動作するように構成されてもよい。高周波で動作させるには、クラスEの電力増幅器が好ましい。本明細書で使用される「高周波振動電流」という用語は、500キロヘルツ~30メガヘルツの周波数を有する振動電流を意味する。高周波振動電流は、約1メガヘルツ~約30メガヘルツの周波数を有してもよく、約1メガヘルツ~約10メガヘルツの周波数を有することが好ましく、約5メガヘルツ~約8メガヘルツの周波数を有することがより好ましい。
【0028】
別の実施形態において、電力増幅器のスイッチング周波数は、より低いkHz範囲、例えば、100kHz~400KHzであってもよい。クラスDまたはクラスCの電力増幅器が使用される実施形態では、このkHz範囲のスイッチング周波数は特に有利である。スイッチングトランジスタは、ランプアップおよびランプダウンタイム、ダウンタイム、およびオンタイムを有する。したがって、クラスDの電力増幅器において、一組の二つまたは四つの(対で動作する)スイッチングトランジスタを使用する場合、より低いkHz範囲のスイッチング周波数は、電力増幅器の破壊を避けるために、次のトランジスタがランプアップする前に一つのトランジスタに必要なダウンタイムを考慮に入れることになる。
【0029】
誘導加熱装置は、誘導によって熱を生成するように構成されてもよい。誘導加熱装置は、誘導コイルおよびサセプタ組立品を含む。単一の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ組立品が提供されてもよい。単一の誘導コイルより多くの誘導コイルが提供されることが好ましい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ組立品より多くのサセプタ組立品が提供されることが好ましい。本明細書に記載されるように、サセプタ組立品は、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設を含む。誘導コイルは、サセプタ組立品を包囲してもよい。第一の誘導コイルは、サセプタ組立品の第一の領域を包囲し得る。第二の誘導コイルは、サセプタ組立品の第二の領域を包囲し得る。誘導コイルによって包囲された領域は、以下でより詳細に説明するように、加熱ゾーンとして構成されてもよい。
【0030】
エアロゾル発生装置は磁束集中器を備えてもよい。磁束集中器は、高い透磁率を有する材料から作製されてもよい。磁束集中器は、誘導加熱装置を包囲して配設されてもよい。磁束集中器は、磁力線を磁束集中器の内部に集中させ、それによって誘導コイルによるサセプタ組立品の加熱効果を増大させる場合がある。
【0031】
エアロゾル発生装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一の誘導コイルへ、および第二の誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、誘導コイルへと供給される電流、そしてそれ故に誘導コイルによって発生される磁界強度を制御するように構成されてもよい。
【0032】
電源およびコントローラは、誘導コイル、好ましくは第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに接続され、そして誘導コイルの各々に互いに独立して交流電流を提供するように構成されてもよく、これにより使用時に、誘導コイルは各々、交番磁界を生成する。これは、電源およびコントローラが、第一の誘導コイルに単独で、第二の誘導コイルに単独で、または、両方の誘導コイルに同時に交流電流を提供することができ得ることを意味する。異なる加熱プロファイルは、そのようにして達成され得る。加熱プロファイルは、それぞれの誘導コイルの温度を指してもよい。高温に加熱するために、交流電流を両方の誘導コイルに同時に供給してもよい。より低い温度に加熱するため、またはエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の一部分のみを加熱するために、交流電流を第一の誘導コイルのみに供給してもよい。その後、交流電流は、第二の誘導コイルのみに供給されてもよい。
【0033】
コントローラは、誘導コイルおよび電源に接続されてもよい。コントローラは、電源から誘導コイルへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。コントローラは、マイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路であってもよい。コントローラは、さらなる電子構成要素を備えてもよい。コントローラは、誘導コイルへの電流供給を調節するよう構成されてもよい。電流は、エアロゾル発生装置の起動後、誘導コイルに連続的に供給されてもよく、または断続的に(毎回の吸煙ごとなど)供給されてもよい。
【0034】
電源およびコントローラは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの各々に供給される交流電流の振幅を独立して変化させるように構成されてもよい。この構成では、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって生成された磁界の強度は、各コイルに供給される電流の振幅を変化させることによって独立して変化されてもよい。これは、好都合なことに、可変加熱効果が容易にする場合がある。例えば、コイルのうちの一方または両方に提供される電流の振幅は、起動中に増加されて、エアロゾル発生装置の開始時間を減少させてもよい。
【0035】
コントローラは、DC/ACコンバータの入力側の電流供給をチョップすることができるように構成されてもよい。このようにして、誘導コイルに供給される電力は、従来の負荷サイクル管理の方法によって制御され得る。
【0036】
エアロゾル発生装置の第一の誘導コイルは、第一の回路の一部を形成してもよい。第一の回路は、共鳴回路であってもよい。第一の回路は、第一の共鳴周波数を有してもよい。第一の回路は、第一のコンデンサーを備えてもよい。第二の誘導コイルは、第二の回路の一部を形成してもよい。第二の回路は、共鳴回路であってもよい。第二の回路は、第二の共鳴周波数を有してもよい。第一の共鳴周波数は、第二の共鳴周波数とは異なってもよい。第一の共鳴周波数は、第二の共鳴周波数と同一であってもよい。第二の回路は、第二のコンデンサーを備えてもよい。共鳴回路の共鳴周波数は、それぞれの誘導コイルのインダクタンスおよびそれぞれのコンデンサーの静電容量に依存する。
【0037】
エアロゾル発生装置の空洞は、開放端を有してもよく、エアロゾル発生物品はその中へと挿入される。開放端は、近位端であってもよい。空洞は、開放端とは反対側に閉鎖端を有してもよい。閉鎖端は、空洞の基部であってもよい。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口の提供を除いて閉じられていてもよい。空洞の基部は平坦であってもよい。空洞の基部は円形状であってもよい。空洞の基部は、空洞の上流に配設されてもよい。開放端は、空洞の下流に配設されてもよい。空洞は、細長い延長を有してもよい。空洞は、長手方向中心軸を有してもよい。長手方向は、長手方向中心軸に沿って開放端と閉鎖端との間に延びる方向であってもよい。空洞の長手方向中心軸は、エアロゾル発生装置の長手方向軸と平行であってもよい。
【0038】
空洞は、加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は、円筒形状を有してもよい。空洞は、中空円筒形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は、楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の外径に対応する内径を有してもよい。
【0039】
本明細書で使用される「長さ」という用語は、エアロゾル発生装置の、またはエアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の長手方向における主要な寸法を指す。
【0040】
本明細書で使用される「幅」という用語は、エアロゾル発生装置の、またはエアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の、その長さに沿った特定の場所での、横断方向における主要な寸法を指す。「厚さ」という用語は、幅と直角を成す横断方向における寸法を指す。
【0041】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部である。
【0042】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、システムの近位端またはユーザー端でマウスピースを吸うまたは吸煙するユーザーによって直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を備える物品は、たばこスティックと称される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞内に挿入可能であってもよい。
【0043】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生させる装置を指す。
【0044】
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書でさらに説明および図示される通りのエアロゾル発生物品と、本明細書でさらに説明および図示される通りのエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムでは、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置は協働して、呼吸に適したエアロゾルを発生する。
【0045】
本明細書で使用される「近位」という用語は、ユーザー端、またはエアロゾル発生装置の口側端を指し、また「遠位」という用語は、近位端の反対側の端を指す。空洞を参照する時、「近位」という用語は、空洞の開放端に最も近い領域を指し、また「遠位」という用語は、閉鎖端に最も近い領域を指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。
【0047】
本明細書で使用される「サセプタ組立品」とは、変動磁界に供された時に加熱する導電性素子を意味する。これはサセプタ組立品内で誘起された渦電流、ヒステリシス損失、または渦電流とヒステリシス損失の両方の結果であり得る。使用中に、サセプタ組立品は、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と熱的に接触して、または密接に熱的に近接して位置する。このように、エアロゾル形成基体は、エアロゾルが形成されるように、サセプタ組立品によって加熱される。
【0048】
サセプタ組立品は、対応する誘導コイルの形状に対応する形状を有してもよい。サセプタ組立品は、サセプタ組立品を誘導コイルの内側に配設することができるように、対応する誘導コイルの直径より小さい直径を有してもよい。
【0049】
「加熱ゾーン」という用語は、加熱ゾーン内、または加熱ゾーンの周りに定置されたサセプタ組立品が誘導コイルによって誘導加熱可能になるように、誘導コイルによって少なくとも部分的に包囲される空洞の長さの一部分を指す。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンを含み得る。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンへと分割されてもよい。第一の加熱ゾーンは、第一の誘導コイルによって包囲されてもよい。第二の加熱ゾーンは、第二の誘導コイルによって包囲されてもよい。三つ以上の加熱ゾーンが提供されてもよい。複数の加熱ゾーンが提供されてもよい。誘導コイルは、各加熱ゾーンに対して提供されてもよい。一つ以上の誘導コイルは、加熱ゾーンを包囲するように移動可能に配設されてもよく、また加熱ゾーンのセグメント化された加熱のために構成されてもよい。
【0050】
本明細書で使用される「コイル」という用語は全体を通して、「誘導コイル(inductive coil)」または「誘導コイル(induction coil)」または「インダクタ」または「インダクタコイル」という用語と互換可能である。コイルは、電源に接続された被駆動(一次)コイルであってもよい。
【0051】
加熱効果は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを独立して制御することによって変化する場合がある。同じ印加電流下で各コイルによって生成される磁界が異なるように、異なる構成を有する第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを提供することによって、加熱効果は変化し得る。例えば、同じ印加電流下で各コイルによって生成される磁界が異なるように、異なるタイプのワイヤから第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを形成することによって、加熱効果は変化し得る。同じ印加電流下で各コイルによって生成される磁界が異なるように、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを独立して制御することによって、および第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに異なる構成を提供することによって、加熱効果は変化し得る。
【0052】
誘導コイルは各々、少なくとも部分的に加熱ゾーンの周りに配置される。誘導コイルは、加熱ゾーンの領域内の空洞の周囲の周りに部分的にのみ延びてもよい。誘導コイルは、加熱ゾーンの領域内の空洞の周囲全体の周りに延びてもよい。
【0053】
誘導コイルは、空洞の周囲の一部の周りまたは空洞の周囲の周り全体に配置される平面状コイルであってもよい。本明細書で使用される「平面状コイル」は、コイルが置かれた表面に対して垂直である巻線の軸を有する、スパイラル状に巻かれたコイルを意味する。平面状コイルは、平坦なユークリッド平面内に置かれてもよい。平面状コイルは、曲面上に置かれてもよい。例えば、平面状コイルは、平坦なユークリッド平面内で巻かれ、そしてその後曲げられて曲面上に置かれてもよい。
【0054】
有利なことに、誘導コイルはらせん状である。誘導コイルは、らせん状であってもよく、また空洞が位置付けられる中央空間の周りに巻かれてもよい。誘導コイルは、空洞の周囲全体の周りに配置されてもよい。
【0055】
誘導コイルは、らせん状かつ同心であってもよい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは異なる直径を有してもよい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルはらせん状かつ同心であってもよく、また異なる直径を有してもよい。こうした実施形態では、二つのコイルのうちの小さい方は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうちの大きい方の中に少なくとも部分的に位置付けられてもよい。
【0056】
第一の誘導コイルの巻線は、第二の誘導コイルの巻線から電気的に絶縁されてもよい。
【0057】
エアロゾル発生装置は、一つ以上の追加的な誘導コイルをさらに備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、好ましくは異なる加熱ゾーンと関連付けられた追加的なサセプタと関連付けられることが好ましい、第三の誘導コイルおよび第四の誘導コイルをさらに備えてもよい。
【0058】
有利なことに、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは異なるインダクタンス値を有する。第一の誘導コイルは、第一のインダクタンスを有してもよく、第二の誘導コイルは、第一のインダクタンスより小さい第二のインダクタンスを有してもよい。これは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって生成された磁界が、所与の電流に対して異なる強度を有することになることを意味する。これにより、同じ振幅の電流を両方のコイルに適用する一方で、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによる異なる加熱効果を容易にする場合がある。このことは、エアロゾル発生装置の制御要件を減少させる場合がある。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが独立して起動される場合、より大きいインダクタンスを有する誘導コイルは、より小さいインダクタンスを有する誘導コイルとは異なる時間に起動されてもよい。例えば、より大きいインダクタンスを有する誘導コイルは、吸煙中などの動作中に起動されてもよく、より小さいインダクタンスを有する誘導コイルは、吸煙間などの動作と動作との間に起動されてもよい。有利なことに、これは、通常の使用と同じ電力を必要とすることなく、使用と使用との間の空洞内の高温の保守を容易にする場合がある。この「予熱」は、エアロゾル発生装置の使用の動作が再開されると、空洞が望ましい使用温度に戻るためにかかる時間を低減する場合がある。別の方法として、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが同じインダクタンス値を有してもよい。
【0059】
第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、同じタイプのワイヤから形成されてもよい。有利なことに、第一の誘導コイルは第一のタイプのワイヤから形成され、また第二の誘導コイルは、第一のタイプのワイヤと異なる第二のタイプのワイヤから形成される。例えば、ワイヤの組成または断面は異なってもよい。このように、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのインダクタンスは、全体的なコイルの幾何学的形状が同じである場合でさえも異なってもよい。これは、同じまたは類似のコイルの幾何学的形状を第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに対して使用することを可能にする場合がある。これは、よりコンパクトな配設を容易にする場合がある。
【0060】
第一のタイプのワイヤは、第一のワイヤ材料を含んでもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一のワイヤ材料とは異なる第二のワイヤ材料を含んでもよい。第一のワイヤ材料の電気特性と第二のワイヤ材料の電気特性とは異なってもよい。例えば、第一のタイプのワイヤは、第一の抵抗率を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の抵抗率とは異なる第二の抵抗率を有してもよい。
【0061】
誘導コイルのための適切な材料としては、銅、アルミニウム、銀、および鋼が挙げられる。誘導コイルは、銅またはアルミニウムから形成されることが好ましい。
【0062】
第一の誘導コイルが第一のタイプのワイヤから形成され、また第二の誘導コイルが第一のタイプのワイヤとは異なる第二のタイプのワイヤから形成される場合、第一のタイプのワイヤは、第二のタイプのワイヤとは異なる断面を有してもよい。第一のタイプのワイヤは、第一の断面を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の断面とは異なる第二の断面を有してもよい。例えば、第一のタイプのワイヤは、第一の断面形状を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の断面形状とは異なる第二の断面形状を有してもよい。第一のタイプのワイヤは、第一の厚さを有してもよく、第二のタイプのワイヤは、第一の厚さとは異なる第二の厚さを有してもよい。第一のタイプのワイヤおよび第二のタイプのワイヤの断面形状および厚さは異なってもよい。
【0063】
サセプタ組立品は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するのに十分な温度に誘導加熱され得るあらゆる材料から形成され得る。サセプタ組立品に関する以下の実施例および特徴は、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設のうちの一方または両方に適用され得る。サセプタ組立品に好適な材料には、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合体が挙げられる。好ましいサセプタ組立品は、金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ組立品は、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。適切なサセプタ組立品はアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ組立品は、5パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含んでもよく、20パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含み得ることが好ましく、50パーセント超または90パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含み得ることがより好ましい。好ましいサセプタ組立品は、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。本明細書に記載されるように、サセプタ組立品の個別のサセプタは、好ましくは多孔性に構成され得る。
【0064】
サセプタ組立品は、単一の材料層から形成されてもよい。単一の材料層は、鋼層であってもよい。
【0065】
サセプタ組立品は、非金属コア上に配置された金属層を有する非金属コアを含んでもよい。例えば、サセプタ組立品は、セラミックコアまたは基体の外表面上に形成された金属トラックを含み得る。
【0066】
サセプタ組立品は、オーステナイト鋼の層から形成されてもよい。ステンレス鋼の一つ以上の層は、オーステナイト鋼の層上に配設されてもよい。例えば、サセプタ組立品は、その上側面および下側面のそれぞれ上にステンレス鋼の層を有するオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。サセプタ組立品は、単一のサセプタ材料を含んでもよい。サセプタ組立品は、第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と密接な物理的接触をして配置されてもよい。第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料は密接に接触して分解できない単一のサセプタを形成してもよい。ある特定の実施形態では、第一のサセプタ材料はステンレス鋼であり、また第二のサセプタ材料はニッケルである。サセプタ組立品は、二層構造を有してもよい。サセプタ組立品は、ステンレス鋼層およびニッケル層から形成されてもよい。
【0067】
第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料との間の密接な接触は、任意の適切な手段によってなされてもよい。例えば、第二のサセプタ材料は、第一のサセプタ材料の上へとメッキ、堆積、被覆、クラッディング、または溶接されてもよい。好ましい方法としては、電気メッキ、亜鉛メッキ、およびクラッディングが挙げられる。
【0068】
第二のサセプタ材料は摂氏500度より低いキュリー温度を有してもよい。第一のサセプタ材料は、サセプタが交番電磁場内に定置された時に、サセプタを加熱するために主に使用されてもよい。任意の適切な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であってもよい。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。それ故に、第二のサセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル形成基体の発火点を下回るべきである。第二のサセプタ材料のために適切な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、好ましくは摂氏400度より低く、好ましくは摂氏380度よりも低く、または摂氏360度より低くなるように選択されてもよい。第二のサセプタ材料は所望の最高加熱温度と実質的に同じであるキュリー温度を有するように選択された磁性材料であることが好ましい。すなわち、第二のサセプタ材料のキュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、例えば、摂氏200度~摂氏400度の範囲内、または摂氏250度~摂氏360度の範囲内であってもよい。一部の実施形態では、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料とが共積層されることが好ましい場合がある。共積層は、任意の適切な手段によって形成され得る。例えば、第一のサセプタ材料の細片は第二のサセプタ材料の細片に溶接または拡散接合されてもよい。別の方法として、第二のサセプタ材料の層は第一のサセプタ材料の細片の上へと堆積またはメッキされてもよい。
【0069】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。システムは電気的に作動する喫煙システムであってもよい。システムは手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生装置は、およそ30ミリメートル~およそ150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生装置は、およそ5ミリメートル~およそ30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0070】
エアロゾル発生装置は、ハウジングを備え得る。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0071】
ハウジングはマウスピースを備えてもよい。ハウジングは、少なくとも一つの空気吸込み口を含み得る。ハウジングは、二つ以上の空気吸込み口を含み得る。マウスピースは、少なくとも一つの空気吸込み口と、少なくとも一つの空気出口と、を備えてもよい。マウスピースは、二つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口のうちの一つ以上は、エアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの温度を低減してもよく、またエアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの濃度を低減してもよい。
【0072】
別の方法として、マウスピースは、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。ユーザーは、エアロゾル発生物品、好ましくはエアロゾル発生物品の近位端を直接吸い得る。
【0073】
本明細書で使用される「マウスピース」という用語は、ハウジングの空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品からエアロゾル発生装置によって発生したエアロゾルを直接吸入するためにユーザーの口の中に入れられるエアロゾル発生装置の一部分を指す。
【0074】
空気吸込み口は、半開放入口として構成されてもよい。半開放入口は、空気がエアロゾル発生装置に入ることを可能にすることが好ましい。空気または液体は、半開放入口を通してエアロゾル発生装置から出るのを防止されてもよい。半開放入口は、例えば半透過性の膜であってもよく、空気については一方向でのみ透過性であるが、反対方向では気密かつ液密である。半開放入口はまた、例えば一方向弁であってもよい。半開放入口は、例えばエアロゾル発生装置の最小限の押圧、または弁もしくは膜を通過する空気の量といった特定の条件が満たされる場合にのみ、入口を通して空気を通過させることが好ましい。
【0075】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は、空洞と流体接続され、周囲空気が空洞内に引き込まれることを可能にする第一の空気吸込み口と、空洞と流体接続され、周囲空気が空洞内に引き込まれることを可能にする第二の空気吸込み口とをさらに含み得る。第一の空気吸込み口は、空洞の中央部分と流体接続されるように構成されてもよい。第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口の一方または両方は、複数の個別の空気吸込み口を含み得る。個別の空気吸込み口は、エアロゾル発生装置のハウジングの対向する側面に配設されてもよい。空洞の中央部分は、その中に中央サセプタ配設が配設される空洞の一部分であってもよい。空洞の中央部分は、中央サセプタ配設の中空内部であってもよい。第一の空気吸込み口は、周囲空気が第一の空気吸込み口を通して中央サセプタ配設の中空内部に引き込まれ得るように、中央サセプタ配設の中空内部と流体接続されるように構成されてもよい。第二の空気吸込み口は、空洞の周辺部分と流体接続されるように構成されてもよい。空洞の周辺部分は、周辺サセプタ配設を包囲する空洞の一部分であってもよい。別個の気流チャネルは、第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口によって提供されてもよい。第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口は、少なくともエアロゾル発生物品が空洞の中に挿入された時に、エアロゾル発生装置内で流体接続されない場合がある。エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入された時、第一の空気吸込み口は、周囲空気がエアロゾル発生物品の中空の管状内部を通して引き出されることを可能にし得る。中央サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の中空内部に配設されてもよい。エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に挿入された時、第二の空気吸込み口は、周囲空気がエアロゾル発生物品の周辺に引き出されることを可能にし得る。周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の周辺の周りに配設されてもよい。二つの別個の空気吸込み口によって、別個の気流が、エアロゾル発生物品の管状の中空内部を通して、およびエアロゾル発生物品の周辺からエアロゾル発生物品の中へ提供される。
【0076】
第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口を通る気流のうちの一方または両方は、別々に制御可能であり得る。第一の空気吸込み口を通る気流と第二の空気吸込み口を通る気流との比は、制御可能であり得る。第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口のうちの一方または両方は、コントローラによって制御可能であり得る。第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口のうちの一方または両方の断面積は、コントローラによって制御可能であり得る。
【0077】
加熱装置の動作は、吸煙検出システムによってトリガされてもよい。代替的に、加熱装置は、オンオフボタンを押すことによってトリガされ、ユーザーの吸煙の持続時間にわたって保持されてもよい。吸煙検出システムはセンサーとして提供されてもよく、これは気流センサーとして構成されて、気流速度を測定してもよい。気流速度は、ユーザーによってエアロゾル発生装置の気流経路を通して引き出される時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。開始はまた、ユーザーがボタンを起動する際に検出されてもよい。
【0078】
センサーはまた、吸煙中にユーザーによって装置の気流経路を通して引き出される、エアロゾル発生装置の内側の空気の圧力を測定するための圧力センサーとして構成されてもよい。センサーは、エアロゾル発生装置の外側の周囲空気の圧力とユーザーによって装置を通して引き出される空気の圧力との間の圧力差または圧力降下を測定するように構成されてもよい。空気の圧力は、空気吸込み口、装置のマウスピース、空洞(加熱チャンバー、または空気が通って流れるエアロゾル発生装置内の任意の他の通路もしくはチャンバーなど)において検出されてもよい。ユーザーがエアロゾル発生装置を吸う時、陰圧または真空が装置の内側に作り出され、この陰圧は圧力センサーによって検出されてもよい。「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力よりも相対的に低い圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーが装置を吸う時、装置を通して引き出される空気は、装置の外側の周囲空気の圧力より低い圧力を有する。吸煙の開始は、圧力差が所定の閾値を超える場合、圧力センサーによって検出されてもよい。
【0079】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を起動するためのユーザーインターフェース、例えばエアロゾル発生装置の加熱を開始するボタン、またはエアロゾル発生装置またはエアロゾル形成基体の状態を表示するディスプレイを含んでもよい。
【0080】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置で使用するための一つ以上のエアロゾル発生物品との組み合わせである。しかしながら、エアロゾル発生システムは、例えば電気的に作動するまたは電気式のエアロゾル発生装置内の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなど、追加的な構成要素を備えてもよい。
【0081】
本発明はさらに、本明細書に記載のエアロゾル発生装置、および本明細書に記載のエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備えるシステムに関する。
【0082】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品、好ましくはエアロゾル発生物品の基体部分は、第一の管状エアロゾル形成基体層を含み得る。第一の管状エアロゾル形成基体層は、円筒状の中空中心コアを画定し得る。エアロゾル発生物品、好ましくはエアロゾル発生物品の基体部分は、第二の管状エアロゾル形成基体層を含み得る。第二の管状エアロゾル形成基体層は、第一の管状エアロゾル形成基体層の周りに配設されてもよい。
【0083】
エアロゾル発生物品の基体部分は、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されてもよい。基体部分の挿入中、基体部分は、中央サセプタ配設と周辺サセプタ配設との間に挟まれてもよい。基体部分の挿入後、中央サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の基体部分の円筒状の中空中心コア内に配設されてもよい。中央サセプタ配設は、第一の管状エアロゾル形成基体層と接触してもよい。中央サセプタ配設は、第二の管状エアロゾル形成基体層と接触しない場合がある。第一の気流チャネルを通して中央サセプタ配設に引き出された周囲空気は、中央サセプタ配設によって加熱され得る。さらに、中央サセプタ配設は、第一の管状エアロゾル形成基体層を加熱し得る。第一の管状エアロゾル形成基体層の基体を揮発させることによって、エアロゾルが発生され得る。エアロゾルは、エアロゾル発生物品、特に、エアロゾル発生物品の均質化部分およびフィルター部分を通して下流に引き出されてもよい。エアロゾルは、中央サセプタ配設の中央サセプタ間に提供される間隙を通して引き出されてもよい。
【0084】
周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生装置の空洞へのエアロゾル発生物品部分の基体部分の挿入後に、エアロゾル発生物品の基体部分を包囲して配設されてもよい。周辺サセプタ配設は、第二の管状エアロゾル形成基体層と接触し得る。周辺サセプタ配設は、第一の管状エアロゾル形成基体層と接触しない場合がある。周囲空気は、第二の気流チャネルを通してエアロゾル発生物品の周辺に、そして周辺サセプタ配設に向かって引き出され得る。この空気は、周辺サセプタ配設によって加熱され得る。さらに、周辺サセプタ配設は、第二の管状エアロゾル形成基体層を加熱し得る。第二の管状エアロゾル形成基体層の基体を揮発させることによって、エアロゾルが発生され得る。このエアロゾルは、エアロゾル発生物品、特に第二の管状エアロゾル形成基体層、およびその後エアロゾル発生物品の均質化部分およびフィルター部分を通して下流に引き出され得る。
【0085】
第一の管状エアロゾル形成基体層の中央サセプタ配設の加熱作用によって発生されたエアロゾルは、第二の管状エアロゾル形成基体層の周辺サセプタ配設の加熱作用によって発生されたエアロゾルと混合し得る。エアロゾルは、エアロゾル発生物品の基体部分の下流で混合してもよい。エアロゾルは、エアロゾル発生物品の均質化部分で混合してもよい。
【0086】
第一の管状エアロゾル形成基体層は、第二の管状エアロゾル形成基体層とは異なってもよい。二つの層は、組成物、構造、または厚さにおいて異なり得る。組成物は、エアロゾル形成基体の風味、またはたばこなどのエアロゾル形成基体の材料のうちの一方または両方を含み得る。構造は、多孔性、開放発泡体、押出成形キャストリーフである一つ以上のエアロゾル形成基体を含み得る。
【0087】
第一の管状エアロゾル形成基体層および第二の管状エアロゾル形成基体層は、同軸に整列されてもよい。
【0088】
第一の管状エアロゾル形成基体層は、ニコチン含有層であってもよい。第一の管状エアロゾル形成基体層は、たばこを含まない場合がある。第二の管状エアロゾル形成基体層は、たばこ含有層であってもよい。第二の管状エアロゾル形成基体層は、ニコチンを含まないか、または無視できる量のニコチンを含むのみである場合がある。
【0089】
第一の管状エアロゾル形成基体層は、ゲル層であってもよい。第二の管状エアロゾル形成基体層は、ゲル層であってもよい。
【0090】
第一の管状エアロゾル形成基体層の融点は、第二の管状エアロゾル形成基体層の融点とは異なってもよい。
【0091】
第一の管状エアロゾル形成基体層のエアロゾル形成基体は、第二の管状エアロゾル形成基体層のエアロゾル形成基体とは異なってもよい。第一の管状エアロゾル形成基体層は、ニコチン層および風味層のうちの一方または両方として構成されることが好ましい。第二の管状エアロゾル形成基体層は、たばこおよびエアロゾル形成体を含む一次エアロゾル形成層として構成されることが好ましい。結果として、第二の管状エアロゾル形成基体層は、吸入可能なエアロゾルを発生するように構成されてもよく、第一の管状エアロゾル形成基体層は、エアロゾルの風味またはニコチン含有量などの特性に影響を与えるように構成されてもよい。
【0092】
第一の管状エアロゾル形成基体は、風味剤、好ましくはメントールを含んでもよい。
【0093】
膜は、第一の管状エアロゾル形成基体層と第二の管状エアロゾル形成基体層との間に配設されてもよい。膜は、フィルムとして構成されてもよい。膜は、箔として構成されてもよい。膜は、ベイパー、気体、またはエアロゾル透過性のいずれかであってもよい。膜は、エアロゾル透過性で構成されることが好ましい。膜は、フィルターとして構成されてもよい。膜は、エアロゾル中に含有されるが、より小さな粒子に対して透過性のある、より大きな粒子を濾過するように構成されてもよい。
【0094】
物品は、第一および第二の管状エアロゾル形成基体の下流に均質化部分をさらに備えてもよい。均質化部分は、フィルター部分であってもよい。均質化部分は、中空フィルター部分であってもよい。均質化部分は、中空アセテート管であってもよい。均質化部分は、エアロゾルの冷却のために構成されてもよい。均質化部分は、第一および第二の管状エアロゾル形成基体層のうちの一方または両方に直接当接してもよい。均質化部分は、第一および第二の管状エアロゾル形成基体層のうちの一方または両方と整列されてもよい。好ましくは、均質化部分は中空であり、均質化部分の内径は、第一の管状エアロゾル形成基体層の内径と同一であるか、または実質的に同一である。均質化部分は、風味剤を含んでもよい。均質化部分は、カプセルまたはディスクを含んでもよい。カプセルまたはディスクは、風味剤を含んでもよい。カプセルまたはディスクは、均質化部分内で中央に配設されてもよい。
【0095】
エアロゾル発生物品は、均質化部分の下流にマウスピースフィルターをさらに備えてもよい。マウスピースフィルターは、アセテートフィルターであってもよい。マウスピースフィルターは、アセテート塔から作製されてもよい。マウスピースフィルターは、円筒状フィルターであってもよい。マウスピースフィルターは、中空フィルターではない場合がある。マウスピースフィルターは、繊維、好ましくは直線状の長手方向低密度繊維を含み得る。
【0096】
第二の管状エアロゾル形成基体層は、ラッパーによって包囲され得る。ラッパーは、ラッピングペーパーから作製されてもよい。ラッパーは、シガレットラッピングペーパーから作製されてもよい。ラッパーは、標準的なシガレットラッピングペーパーから作製されてもよい。別の方法として、ラッパーはたばこ紙であってもよい。たばこ紙は、望ましくない方法で味覚に影響を与えることを避けるという利点を有し得る。ラッパーは、二つの開放端を有してもよい。二つの開放端は、ラッパーが第二の管状エアロゾル形成基体層の周りに巻かれた時に、重複する場合がある。二つの端部は、重複する領域内で接着剤によって結合されてもよい。ラッパーは、空気透過性であってもよい。
【0097】
本発明はさらに、エアロゾル発生物品を製造する方法に関し、方法は、
第一のエアロゾル形成基体の第一のシートを提供することと、
第一のシート上に第二のエアロゾル形成基体の第二のシートを提供することと、
第一のシートおよび第二のシートを転動させ、それによって中空の管状エアロゾル発生物品を形成することと、を含む。
【0098】
第一のエアロゾル形成基体を第一のシートとして提供すること、および第一のシート上に第二のエアロゾル形成基体を第二のシートとして提供することのうちの一方または両方とは別の方法として、押出成形プロセスが使用されてもよい。押出成形プロセスでは、第一のエアロゾル形成基体は、第二のエアロゾル形成基体とは別々に、または第二のエアロゾル形成基体と一緒に押出成形されてもよい。押出成形プロセスでは、第一のエアロゾル形成基体を押出成形して、第一の管状エアロゾル形成基体層を形成してもよい。押出成形プロセスでは、第二のエアロゾル形成基体を押出成形して、第二の管状エアロゾル形成基体層を形成してもよい。第二のエアロゾル形成基体層は、第一の管状エアロゾル形成基体層を包囲して配設されてもよい。押出成形プロセスによってエアロゾル発生物品を製造することは、第一および第二のエアロゾル形成基体のうちの一方または両方がゲルとして提供される場合に特に有益であり得る。
【0099】
第一および第二のシートは、シートの対向する縁部が接触するように転動されてもよい。第一および第二のシートを転動させる間、または転動後に、ラッピングペーパーは、エアロゾル形成基体の第二のシートの周りに巻かれてもよい。ラッピングペーパーは、空気透過性であってもよい。
【0100】
第一のシートを提供した後、膜を第一のシート上に定置してもよい。第二のシートは、膜上に提供されてもよい。膜は、フィルムまたは箔であってもよい。
【0101】
方法は、第一および第二の管状エアロゾル形成基体の下流に、本明細書に記載したような均質化部分を提供するさらなる工程を含み得る。
【0102】
方法は、均質化部分の下流に、本明細書に記載したようなマウスピースフィルターを提供するさらなる工程を含み得る。
【0103】
以下に記載されるエアロゾル形成基体は、第一の管状エアロゾル形成基体層および第二の管状エアロゾル形成基体層のエアロゾル形成基体のうちの一方または両方であってもよい。好ましくは、第一の管状エアロゾル形成基体層には、ニコチンまたは風味/風味剤含有エアロゾル形成基体が使用されてもよく、第二の管状エアロゾル形成基体層には、たばこ含有エアロゾル形成基体が使用されてもよい。
【0104】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。
【0105】
エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。
【0106】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に、高密度で、かつ安定なエアロゾルの形成を容易にし、またシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)である。エアロゾル形成体は、グリセリンであることが好ましい。存在する場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5重量パーセント以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、また乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0107】
エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置の空洞は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に部分的に受容されるように配設されてもよい。エアロゾル発生装置の空洞およびエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に完全に受容されるように配設されてもよい。
【0108】
エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周と、を有してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成セグメントはまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0109】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。一実施形態では、エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルの外径を有してもよい。一実施形態では、エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0110】
エアロゾル形成基体は、約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。一実施形態では、エアロゾル形成セグメントは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成セグメントは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0111】
エアロゾル発生セグメントは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。エアロゾル形成セグメントの外径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。一実施形態では、エアロゾル形成セグメントは、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0112】
エアロゾル発生物品はフィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、マウスピースフィルターとして構成されてもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。フィルタープラグは、中空セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態では、フィルタープラグはおよそ7ミリメートルの長さであるが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。
【0113】
エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。外側紙ラッパーは、本明細書に記載のラッピングペーパーとして構成されてもよい。外側紙ラッパーは、エアロゾル発生物品全体に延びてもよい。外側紙ラッパーは、エアロゾル発生物品の異なる要素を接続および保持するよう構成されてもよい。
【0114】
さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグとの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18ミリメートルであってもよいが、およそ5ミリメートル~およそ25メートルの範囲内であってもよい。
【0115】
エアロゾル発生装置は、弾力性のあるシール要素を備えてもよい。弾力性のあるシール要素は、空洞の下流端に配設されてもよい。弾力性のあるシール要素は、空洞の下流端を包囲して配設されてもよい。弾力性のあるシール要素は、円形状を有してもよい。弾力性のあるシール要素は、エアロゾル発生物品の挿入を容易にする漏斗形状を有してもよい。弾力性のあるシール要素は、エアロゾル発生物品の挿入後に、エアロゾル発生物品に圧力を印加して、エアロゾル発生物品を定位置に保持し得る。弾力性のあるシール要素は、エアロゾル発生物品を空洞内に挿入した後、エアロゾル発生物品に当接してもよい。弾力性のあるシール要素は、エアロゾル発生物品を通して漏れ出ることを除いて、空気が空洞から漏れ出ることを防止するために空気貫通不能であってもよい。
【0116】
エアロゾル発生物品は、断熱要素を備えてもよい。断熱要素は、空洞を包囲して配設されてもよい。断熱要素は、エアロゾル発生装置のハウジングと空洞との間に配設されてもよい。断熱要素は、管状であってもよい。断熱要素は、誘導加熱組立品と同軸に整列されてもよく、好ましくは、周辺サセプタ配設と同軸に整列されてもよい。
【0117】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明のその他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0118】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0119】
図1図1は、本発明によるエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の断面図を示す。
図2図2は、エアロゾル発生物品を挿入するためのエアロゾル発生装置の空洞の断面図を示す。
図3図3は、エアロゾル発生物品の一実施形態を示す。
図4図4は、エアロゾル発生装置を通る気流を示す。
【発明を実施するための形態】
【0120】
図1は、エアロゾル発生装置10およびエアロゾル発生物品12を示す。言い換えれば、図1は、エアロゾル発生装置10およびエアロゾル発生物品12を備えるエアロゾル発生システムを示す。
【0121】
エアロゾル発生装置10は、エアロゾル発生物品12の挿入のための空洞14を備える。エアロゾル発生物品12が空洞14の中に挿入された時、エアロゾル発生物品12の基体部分16が空洞14の中に挿入される。エアロゾル発生物品12のフィルター部分18は、空洞14から突き出ており、ユーザーはエアロゾル発生物品12のフィルター部分18を直接吸ってもよい。
【0122】
弾力性のあるシール要素20は、空洞14の下流端22に配設される。弾力性のあるシール要素20は、エアロゾル発生物品12の空洞14への挿入を補助し、エアロゾル発生物品12の空洞14の中への挿入後にエアロゾル発生物品12を保持するように構成される。弾力性のあるシール要素20は、漏斗形状を有する。弾力性のあるシール要素20は、空洞14の下流端22を包囲する円形状を有する。
【0123】
エアロゾル発生装置10は、誘導組立品を備える。誘導組立品は、誘導コイル24を含む。誘導組立品は、サセプタ組立品をさらに含む。サセプタ組立品は、中央サセプタ配設26および周辺サセプタ配設28を含み、これらから成ることが好ましい。中央サセプタ配設26は、周辺サセプタ配設28内に配設される。中央サセプタ配設26と周辺サセプタ配設28との間に、エアロゾル発生物品12の挿入のための空洞14が提供される。空洞14は、中空の管状円筒形状体積を有する。
【0124】
エアロゾル発生物品12は、中央サセプタ配設26と周辺サセプタ配設28との間に挟まれている。中央サセプタ配設26および周辺サセプタ配設28は、エアロゾル発生物品12を空洞14内に保持するように、相互に距離を置いて配設されてもよい。中央サセプタ配設26と周辺サセプタ配設28との間の距離は、エアロゾル発生物品12の外径とエアロゾル発生物品12の内径との間の距離と同一であってもよく、またはそれよりわずかに小さくてもよい。エアロゾル発生物品12の基体部分16は、中空の管状基体部分16であることが好ましい。結果として、エアロゾル発生物品12の基体部分16は、中央サセプタ配設26の上に押し付けられ得る。この場合、中央サセプタ配設26は、エアロゾル発生物品12の基体部分16の中空の管状体積の中へと貫通する。同時に、周辺サセプタ配設28は、エアロゾル発生物品12の基体部分16の周辺に当接する。
【0125】
図1はさらに、第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32を示す。第一の空気吸込み口30は、中央サセプタ配設26と流体接続される。中央サセプタ配設26は、中空であることが好ましい。第一の空気吸込み口30から、中央サセプタ配設26の中空内部に向かって、そしてエアロゾル発生装置10の空洞14から下流への気流が可能にされ得る。第二の空気吸込み口32は、周辺サセプタ配設28の周辺と流体接続される。エアロゾル発生物品12が空洞14の中に挿入された時、二つの別個の気流が提供される。第一の空気吸込み口30からの第一の気流は、エアロゾル発生物品12の中空内部体積を通して流れる。第二の空気吸込み口32からの第二の気流は、エアロゾル発生物品12の周辺から、エアロゾル発生物品12に流入し、さらに、エアロゾル発生装置10の空洞14から下流へ流れる。
【0126】
図3に示すエアロゾル発生物品12の基体部分16は、好ましくは、第一の管状エアロゾル形成基体層38および第二の管状エアロゾル形成基体層40を含む。第一の管状エアロゾル形成基体層38は、基体部分16の内側に配設され、かつ第二の管状エアロゾル形成基体層40によって包囲される。第一の管状エアロゾル形成基体層38は、ニコチンおよび風味基体のうちの一方または両方を含むことが好ましい。第二の管状エアロゾル形成基体層40は、たばこエアロゾル発生基体を含むことが好ましい。二つの別個の気流を提供することによって、第一の気流は、発生されたエアロゾルのニコチンおよび風味のうちの一方または両方に影響を与えるように調整されてもよく、第二の気流は、たばこ基体から所望のエアロゾルを発生するように調整されてもよい。
【0127】
第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32は、調節可能に構成されてもよい。特に、第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32のうちの一方または両方の断面積は、調節可能に構成され得る。このように、ニコチン含有量および風味などの発生されたエアロゾルの特性は、第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32のうちの一方または両方を通した気流を調整することによって調整され得る。
【0128】
第一の空気吸込み口30および第二の空気吸込み口32のうちの一方または両方を調整するために、エアロゾル発生装置10は、コントローラ42を備えてもよい。コントローラ42は、誘導組立品の動作を制御するようにさらに構成されてもよい。特に、コントローラ42は、電源から誘導コイル24への電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。電源44は、電池として構成されてもよい。
【0129】
図2は、エアロゾル発生装置10の近位部分をより詳細に示す。図2では、エアロゾル発生装置10の挿入のための空洞14を明確に見ることができる。空洞14内に、個々の中央サセプタ34を含む中央サセプタ配設26が配設される。中央サセプタ配設26を包囲して、複数の裾広がりのブレード形状周辺サセプタ36を含む周辺サセプタ配設28が配設される。
【0130】
サセプタ配設を包囲して、誘導コイル24が配設される。誘導コイル24は、空洞14を包囲する。空洞14の上流領域には、第一の気流チャネル46が配設される。第一の気流チャネル46は、第一の空気吸込み口30を中央サセプタ配設26の中空内部と流体接続する。第一の気流チャネル46に隣接して、第二の気流チャネル48が配設される。第二の気流チャネル48は、第二の空気吸込み口32を周辺サセプタ配設28の周辺と流体接続する。
【0131】
図3は、エアロゾル発生物品12、より具体的には、エアロゾル発生物品12の基体部分16の一実施形態を示す。エアロゾル発生物品12の基体部分16は、第一の管状エアロゾル形成基体層38を含む。第一の管状エアロゾル形成基体層38は、エアロゾル発生物品12の中空内部に隣接して配設される。第一の管状エアロゾル形成基体層38は、ニコチン層および風味層のうちの一方または両方として構成される。第一の管状エアロゾル形成基体層38を包囲して、第二の管状エアロゾル形成基体層40が配設される。第二の管状エアロゾル形成基体層40は、たばこ含有エアロゾル形成層として構成される。第一の管状エアロゾル形成基体層38と第二の管状エアロゾル形成基体層40との間に、フィルムまたは箔などの膜が提供されてもよい。第二の管状エアロゾル形成基体層40を包囲して、ラッピングペーパーが配設されてもよい。
【0132】
図4は、エアロゾル発生装置10を通した気流をより詳細に示す。気流は矢印によって示されている。二つの別個の気流チャネル46、48が提供される。第一の気流チャネル46は、第一の空気吸込み口30で開始し、中央サセプタ配設26の中空内部を第一の空気吸込み口30と流体接続する。第一の気流チャネル46からの空気は、中央サセプタ配設26の基部で中央サセプタ配設26に入る。中央サセプタ配設26の内側で、エアロゾルが形成され得る。エアロゾルは、第一の管状エアロゾル形成基体層38の加熱、ならびに中央サセプタ配設26による中央サセプタ配設26の内側の空気の加熱によって形成され得る。第一の管状エアロゾル形成基体層38の基体は、中央サセプタ配設26の加熱によって揮発される。空気と第一の管状エアロゾル形成基体層38との間の接触領域は、個々の中央サセプタ34間の間隙によって、および中央サセプタ34を多孔性サセプタとして提供することによって最適化され得る。揮発された基体は、中央サセプタ配設26を通して流れる空気に同伴される。発生されたエアロゾルは、中央サセプタ配設26を通して、エアロゾル発生物品12のフィルター部分18に向かって下流に流れる。フィルター部分18は、基体部分16に直接隣接し、かつその下流にあるエアロゾルを冷却するための中空アセテート管などの均質化部分50を含み得る。均質化部分の下流には、アセテートトウフィルター52が、エアロゾル発生物品12に提供されてもよい。
【0133】
第二の気流チャネル48は、第二の空気吸込み口32で開始する。第二の気流チャネル48は、エアロゾル発生物品12の空洞14の中への挿入後に、第二の空気吸込み口32をエアロゾル発生物品12の基体部分16の周辺と流体接続する。基体部分16の周辺は、空洞14の一部であってもよい。周辺サセプタ配設28は、基体部分16の周辺に配設され、好ましくは基体部分16と接触している。空気と第二の管状エアロゾル形成基体層40との間の接触領域は、個々の周辺サセプタ36の間の間隙によって、および周辺サセプタ36を多孔性サセプタとして提供することによって最適化され得る。第二の気流チャネル48からの空気は、周辺サセプタ配設28によって加熱された第二の管状エアロゾル形成基体層40の揮発された基体を同伴し得る。エアロゾルは、第二の管状エアロゾル形成基体層40を通して下流に引き出され得る。その後、エアロゾルは、エアロゾル発生物品12のフィルター部分18内に引き出され得る。エアロゾル発生物品12のフィルター部分18において、中央サセプタ配設26の加熱によってエアロゾル発生物品12内に発生されたエアロゾルは、第二の管状エアロゾル形成基体層40を加熱することによって周辺サセプタ配設28によって発生されるエアロゾルと混合し得る。ラッパーは、エアロゾル発生物品12の基体部分16の周りに配設されてもよい。ラッパーは、第二の気流チャネル48からの空気が第二の管状エアロゾル形成基体層40に入ることができるように、空気透過性であることが好ましい。
図1
図2
図3
図4