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特許7357807表示素子封止材、有機EL素子封止材および表示素子封止シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】表示素子封止材、有機EL素子封止材および表示素子封止シート
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/844 20230101AFI20230929BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20230929BHJP
【FI】
H10K50/844
H10K59/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022557008
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(86)【国際出願番号】 JP2021037751
(87)【国際公開番号】W WO2022080372
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】P 2020172351
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 正利
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 宙
【審査官】藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-185272(JP,A)
【文献】特開2017-31383(JP,A)
【文献】特開2014-225380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/844
H10K 59/10
C08G 59/20
C08G 65/18
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成分と、オキセタン化合物と、硬化剤と、を含有し、
前記樹脂成分は、
エポキシ化ポリブタジエン樹脂と、
ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂と、
粘着性付与樹脂と、を含有する、表示素子封止材。
【請求項2】
前記エポキシ化ポリブタジエン樹脂の含有割合は、前記樹脂成分および前記オキセタン化合物との総和100質量部に対して、20質量部を超過し、35質量部未満である、請求項1に記載の表示素子封止材。
【請求項3】
前記ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂の含有割合は、前記樹脂成分および前記オキセタン化合物との総和100質量部に対して、20質量部を超過する、請求項1に記載の表示素子封止材。
【請求項4】
前記オキセタン化合物の含有割合は、前記樹脂成分および前記オキセタン化合物との総和100質量部に対して、5質量部を超過し、20質量部未満である、請求項1に記載の表示素子封止材。
【請求項5】
前記粘着性付与樹脂は、脂環族炭化水素樹脂および/またはテルペンフェノール樹脂を含む、請求項1に記載の表示素子封止材。
【請求項6】
請求項1に記載の表示素子封止材からなる、有機EL素子封止材。
【請求項7】
請求項1に記載の表示素子封止材からなる封止層を有する、表示素子封止シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子封止材、有機EL素子封止材および表示素子封止シートに関する。
【背景技術】
【0002】
表示素子を備える画像表示装置として、例えば、液晶ディスプレイ、および、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELとする。)ディスプレイが知られている。そのような画像表示装置では、表示素子がシール部材により封止されている。これによって、表示素子が大気中の水分などにより劣化することを抑制している。
【0003】
シール部材は、例えば、表示素子を封止樹脂組成物に埋め込んだ後、封止樹脂組成物を硬化して形成される。そこで、シール部材に、各種用途に応じた要求性能を付与すべく、封止樹脂組成物の組成が種々検討されている。
【0004】
例えば、フェノキシ樹脂と、シクロアルケンオキシド型脂環式エポキシ化合物と、硬化剤とを含有する有機EL表示素子封止用硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、分子量200~2,000の低分子量エポキシ樹脂と、分子量20,000~100,000の高分子量エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
これら封止樹脂組成物は、表示素子が埋め込まれた後、加熱により硬化して、表示素子を封止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2015/129670号
【文献】国際公開第2006/104078号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の有機EL表示素子封止用硬化性樹脂組成物の硬化物であるシール部材は、誘電率が高いために、例えば、有機ELディスプレイのタッチパネルに用いられると、シール部材に起因するノイズによりタッチパネルに誤作動が生じる場合がある。
【0009】
また、表示素子を封止するときに、特許文献2に記載のエポキシ樹脂組成物を加熱すると、エポキシ樹脂組成物が、硬化前に流動して所望の位置からズレて硬化するおそれがある。
【0010】
本発明は、初期硬化性の向上を図り、表示素子に対する位置ズレを抑制できながら、誘電率が比較的低いシール部材を形成できる表示素子封止材、有機EL素子封止材および表示素子封止シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明[1]は、樹脂成分と、オキセタン化合物と、硬化剤とを含有し、前記樹脂成分は、エポキシ化ポリブタジエン樹脂と、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂と、粘着性付与樹脂とを含有する、表示素子封止材を含む。
【0012】
本発明[2]は、前記エポキシ化ポリブタジエン樹脂の含有割合が、前記樹脂成分および前記オキセタン化合物との総和100質量部に対して、20質量部を超過し、35質量部未満である、上記[1]に記載の表示素子封止材を含む。
【0013】
本発明[3]は、前記ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂の含有割合が、前記樹脂成分および前記オキセタン化合物との総和100質量部に対して、20質量部を超過する、上記[1]または[2]に記載の表示素子封止材を含む。
【0014】
本発明[4]は、前記オキセタン化合物の含有割合が、前記樹脂成分および前記オキセタン化合物との総和100質量部に対して、5質量部を超過し、20質量部未満である、上記[1]から[3]のいずれか一項に記載の表示素子封止材を含む。
【0015】
本発明[5]は、前記粘着性付与樹脂が、脂環族炭化水素樹脂および/またはテルペンフェノール樹脂を含む、上記[1]から[4]のいずれか一項に記載の表示素子封止材を含む。
【0016】
本発明[6]は、上記[1]から[5]のいずれか一項に記載の表示素子封止材からなる、有機EL素子封止材を含む。
【0017】
本発明[7]は、上記[1]から[5]のいずれか一項に記載の表示素子封止材からなる封止層を有する、表示素子封止シートを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の表示素子封止材、有機EL素子封止材および表示素子封止シートは、エポキシ化ポリブタジエン樹脂と、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂と、粘着性付与樹脂と、オキセタン化合物とを含有する。そのため、初期硬化性の向上を図ることができ、表示素子に対する位置ズレを抑制できながら、誘電率が比較的低いシール部材を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の表示素子封止シートの一実施形態としての封止シートの側断面図である。
図2図2は、図1に示す封止層から形成されるシール部材を備える画像表示装置の一実施形態(インセル構造またはオンセル構造を有する態様)としてのタッチセンサ付き有機ELディスプレイの側断面図である。
図3図3は、画像表示装置の他の実施形態(アウトセル構造を有する態様)としてのタッチセンサ付き有機ELディスプレイの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<表示素子封止材>
本発明の表示素子封止材(以下、封止材とする。)は、後述する画像表示装置が備える表示素子を封止するための封止樹脂組成物(表示素子封止樹脂組成物)であって、硬化することにより後述するシール部材を形成する硬化性樹脂組成物である。封止材は、樹脂成分と、オキセタン化合物と、硬化剤とを含有する。
【0021】
(1)樹脂成分
樹脂成分は、必須成分として、エポキシ化ポリブタジエン樹脂と、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂と、粘着性付与樹脂とを含有する。
【0022】
(1-1)エポキシ化ポリブタジエン樹脂
エポキシ化ポリブタジエン樹脂は、ポリブタジエン骨格と、複数のエポキシ基とを有する多官能型エポキシ樹脂である。なお、多官能型エポキシ樹脂には、二官能エポキシ樹脂が含まれる(以下同様)。
【0023】
ポリブタジエン骨格は、1,3-ブタジエンの重合体から構成される分子鎖(主鎖)である。ポリブタジエン骨格は、1,2-ポリブタジエンの分子構造を含み、上記の分子鎖から分岐する側鎖を有する。
【0024】
エポキシ基は、ポリブタジエン骨格の側鎖に位置する。エポキシ基は、ポリブタジエン骨格に含まれる1,2-ポリブタジエンのビニル基を酸化することにより、導入される。
【0025】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂は、粘着性付与樹脂と相溶可能である。エポキシ化ポリブタジエン樹脂の溶解度パラメータ(以下、SP値とする。)は、例えば、9.0(cal/cm1/2以上10.0(cal/cm1/2以下である。SP値は、Million Zillion Software社の計算ソフトCHEOPS(version4.0)にて算出できる(以下同様)。なお、該計算ソフトで用いられる計算手法は、Computational Materials Science of Polymers(A.A.Askadskii、 Cambridge Intl Science Pub (2005/12/30))Chapter XIIに記載されている。
【0026】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂の数平均分子量(Mn)は、例えば、3,000以上、好ましくは、5,000以上、また、例えば、10,000以下、好ましくは、8,000以下である。数平均分子量(Mn)は、ポリスチレンを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めることができる(以下同様)。
【0027】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂におけるエポキシ当量は、例えば、100g/eq.以上、好ましくは、150g/eq.以上、また、例えば、300g/eq.以下、好ましくは、250g/eq.以下である。エポキシ当量は、JIS K7236:2001に準拠して測定できる(以下同様)。
【0028】
このようなエポキシ化ポリブタジエン樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0029】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂の含有割合は、樹脂成分およびオキセタン化合物との総和100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、20質量部を超過し、さらに好ましくは、22質量部以上、また、例えば、60質量部以下、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、40質量部以下、とりわけ好ましくは、35質量部未満、特に好ましくは、30質量部未満、最も好ましくは、28質量部以下である。
【0030】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂の含有割合が上記範囲であると、封止材の初期硬化性の向上を確実に図ることができながら、後述するシール部材の誘電率の低減を確実に図ることができる。
【0031】
(1-2)ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂
ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂は、例えば、複数のビフェニル骨格と、複数のエポキシ基とを有する多官能型エポキシ樹脂である。ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂は、好ましくは、複数のビフェニル骨格を含む分子鎖と、分子鎖の両末端に結合するエポキシ基とを有する2官能型エポキシ樹脂である。
【0032】
ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂は、より好ましくは、下記式(1)により示される。
【0033】
式(1)
【化1】

[式(1)中において、I、IIおよびIIIは、構成単位であり、IおよびIIIのそれぞれが末端単位、IIが繰り返し単位を示す。Rは、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を示す。]
【0034】
上記式(1)に示されるビフェニル骨格含有エポキシ樹脂は、ジヒドロキシビフェニル誘導体とエピクロロヒドリンとの共重合体であって、複数のビフェニル骨格を含む分子鎖と、分子鎖の両末端に結合するグリシジルエーテルユニットとを有する。
【0035】
上記式(1)のRとして示されるアルキル基として、例えば、炭素数1~6の直鎖アルキル基、および、炭素数3~6の分岐アルキル基が挙げられる。炭素数1~6の直鎖アルキル基として、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、および、ヘキシルが挙げられる。炭素数3~6の分岐アルキル基として、例えば、イソプロピル、イソブチル、および、tert-ブチルが挙げられる。
【0036】
上記式(1)のRのなかでは、好ましくは、水素原子およびメチル基が挙げられる。
また、式(1)の複数のRは、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。
【0037】
上記式(1)において、複数のRのうち、ベンゼン環の3位および5位に結合するRは、好ましくは、メチル基である。なお、複数のRのうち、ベンゼン環の2位および6位に結合するRは、好ましくは、水素原子である。
【0038】
また、上記式(1)に示されるビフェニル骨格含有エポキシ樹脂は、構成単位I~IIIに加えて、他の構成単位を含むこともできる。他の構成単位として、例えば、2価以上のポリオールに由来するポリオールユニット、ビスフェノールに由来するビスフェノールユニットなどが挙げられる。
【0039】
ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、200以上、好ましくは、250以上、また、例えば、100,000以下、好ましくは、90,000以下である。重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めることができる(以下同様)。
【0040】
ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂におけるエポキシ当量は、例えば、500g/eq.以上、好ましくは、1,000g/eq.以上、例えば、20,000g/eq.以下、好ましくは、16,000g/eq.以下である。
【0041】
このようなビフェニル骨格含有エポキシ樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0042】
ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂の含有割合は、樹脂成分およびオキセタン化合物との総和100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、15質量部以上、より好ましくは、20質量部を超過し、さらに好ましくは、22質量部以上、また、例えば、50質量部以下、好ましくは、40質量部以下、より好ましくは、30質量部以下である。
【0043】
ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂の含有割合が上記範囲であると、封止材の初期硬化性の向上をより確実に図ることができながら、後述するシール部材の誘電率の低減をより確実に図ることができる。
【0044】
(1-3)粘着性付与樹脂
粘着性付与樹脂を、封止材に含有させることにより、後述するシール部材の誘電率を維持できながら、封止材にタック性を付与することができる。粘着性付与樹脂は、環骨格(脂肪族環および/または芳香族環)を含有しており、エポキシ基を含有しない。
【0045】
粘着性付与樹脂として、例えば、石油系樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、および、ロジン樹脂が挙げられる。
【0046】
石油系樹脂として、例えば、国際公開第2020/031941号の[0056]および[0057]段落に記載の石油樹脂が挙げられる。
【0047】
テルペン樹脂として、例えば、国際公開第2020/031941号の[0058]段落に記載のテルペン系樹脂が挙げられる。
【0048】
フェノール樹脂として、例えば、国際公開第2020/031941号の[0059]段落に記載のフェノール樹脂が挙げられる。
【0049】
ロジン樹脂として、例えば、国際公開第2020/031941号の[0060]段落に記載のロジン樹脂が挙げられる。
【0050】
粘着性付与樹脂のなかでは、好ましくは、石油系樹脂、および、テルペン樹脂が挙げられる。
【0051】
石油系樹脂として、好ましくは、脂環族炭化水素樹脂が挙げられ、より好ましくは、エステル変性炭化水素樹脂が挙げられる。
【0052】
エステル変性炭化水素樹脂は、石油系炭化水素樹脂にエステル基が導入されている。石油系炭化水素樹脂は、ナフサ分解によって得られるC5留分から抽出されるジシクロペンタジエンを主原料とする。石油系炭化水素樹脂として、好ましくは、ジシクロペンタジエンの単独重合体が挙げられる。
【0053】
エステル変性炭化水素樹脂は、ジシクロペンタジエンに由来する脂肪族環と、エステル基を含む原子団とを有している。エステル基を含む原子団として、例えば、酢酸ビニルに由来する酢酸ビニルユニットが挙げられる。
【0054】
エステル変性炭化水素樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、500以上、また、例えば、10,000未満、好ましくは、4,000以下である。
【0055】
エステル変性炭化水素樹脂のケン価は、例えば、100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である。なお、ケン価は、JIS K0070に記載の方法に準拠して測定できる。
【0056】
テルペン樹脂として、好ましくは、テルペンフェノール樹脂が挙げられる。
【0057】
テルペンフェノール樹脂は、テルペン化合物と、フェノール化合物との共重合体(反応物)である。テルペンフェノール樹脂は、テルペン化合物とフェノール化合物とを、酸性触媒の存在下において、20℃~150℃で1~20時間反応させることにより調製される。酸性触媒として、例えば、塩酸、硫酸および陽イオン交換樹脂が挙げられる。
【0058】
テルペン化合物は、イソプレン(C)を構成単位とする炭化水素を主骨格として有する。テルペン化合物として、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネン、α-フェランドレン、β-フェランドレン、α-テルピネン、β-テルピネン、γ-テルピネン、テルピノーレン、ミルセン、アロオシメン、1,8-シネオール、1,4-シネオール、α-ターピネオール、β-ターピネオール、γ-ターピネオール、4-ターピネオール、サビネン、カンフェン、トリシクレン、パラメンテン-1、パラメンテン-2、パラメンテン-3、パラメンテン-8、パラメンタジエン類、Δ2-カレン、Δ3-カレン、カリオフィレン、および、ロンギフォーレンが挙げられる。テルペン化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0059】
フェノール化合物として、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、および、ビスフェノールFが挙げられる。フェノール化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。フェノール化合物のなかでは、好ましくは、フェノールが挙げられる。
【0060】
テルペンフェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)の範囲は、上記のエステル変性炭化水素樹脂の重量平均分子量(Mw)の範囲と同じである。
【0061】
このような粘着性付与樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0062】
粘着性付与樹脂は、好ましくは、脂環族炭化水素樹脂および/またはテルペンフェノール樹脂を含み、より好ましくは、脂環族炭化水素樹脂および/またはテルペンフェノール樹脂からなる。
【0063】
より詳しくは、粘着性付与樹脂は、後述するシール部材の誘電率低減の観点から好ましくは、脂環族炭化水素樹脂およびテルペンフェノール樹脂を含む。また、粘着性付与樹脂は、封止材の初期硬化性向上の観点から好ましくは、脂環族炭化水素樹脂からなる。
【0064】
粘着性付与樹脂のSP値は、例えば、8.8(cal/cm1/2以上、好ましくは、9.0(cal/cm1/2以上、また、例えば、11.5(cal/cm1/2以下、好ましくは、10.0(cal/cm1/2以下、より好ましくは、9.5(cal/cm1/2以下、さらに好ましくは、9.2(cal/cm1/2以下である。
【0065】
粘着性付与樹脂のSP値が上記範囲であると、後述するシール材の透明性の向上を図ることができる。
【0066】
粘着性付与樹脂の含有割合は、樹脂成分およびオキセタン化合物との総和100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、20質量部以上、また、例えば、50質量部以下、好ましくは、40質量部以下、より好ましくは、30質量部以下である。
【0067】
(1-4)任意の樹脂成分
また、樹脂成分は、任意成分として、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂をさらに含有することができる。
【0068】
ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂は、複数のビスフェノール骨格と、複数のエポキシ基とを有する多官能型エポキシ樹脂である。ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂は、好ましくは、複数のビスフェノール骨格を含む分子鎖と、分子鎖の両末端に結合するグリシジルエーテルユニットとを有する2官能型エポキシ樹脂である。
【0069】
ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールとエピクロロヒドリンとの共重合体である。
【0070】
ビスフェノールとして、例えば、ビスフェノールA、および、ビスフェノールFが挙げられ、好ましくは、ビスフェノールFが挙げられる。
【0071】
ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、800以上、好ましくは、900以上、10,000未満、好ましくは、8,000以下である。
【0072】
ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂におけるエポキシ当量は、例えば、100g/eq.以上、好ましくは、150g/eq.以上、例えば、2,000g/eq.以下、好ましくは、1500g/eq.以下である。
【0073】
ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂のSP値は、例えば、11.5(cal/cm1/2以上13.0(cal/cm1/2以下である。
【0074】
ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂の含有割合は、樹脂成分およびオキセタン化合物との総和100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上、また、例えば、40質量部以下、好ましくは、30質量部以下である。
【0075】
なお、樹脂成分は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記した特定の樹脂成分(エポキシ化ポリブタジエン樹脂、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂、粘着性付与樹脂、および、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂)以外の他の樹脂成分を含有することができる。
【0076】
他の樹脂成分として、例えば、脂環骨格含有エポキシ樹脂、スチレン系オリゴマー、ポリオレフィン、ポリクロロプレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、および、シリコーン樹脂が挙げられる。これら他の樹脂成分は、単独使用または2種以上併用することができる。樹脂成分において、他の樹脂成分の含有割合は、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下である。
【0077】
また、樹脂成分は、とりわけ好ましくは、他の樹脂成分を含有せず、エポキシ化ポリブタジエン樹脂と、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂と、粘着性付与樹脂と、必要に応じて、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂とからなる。
【0078】
(2)オキセタン化合物
オキセタン化合物は、カチオン重合性基としてオキセタニル基を有する。
【0079】
オキセタン化合物として、例えば、国際公開第2020/031941号の[0037]段落から[0053]段落に記載のオキセタン化合物が挙げられる。
【0080】
オキセタン化合物のなかでは、好ましくは、下記式(2)に示されるオキセタン化合物が挙げられる。
【化2】

[式(2)中において、Yは、酸素原子、硫黄原子または単結合を示す。Rは、水素原子、フッ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、アリル基、炭素数6~18のアリール基、フリル基またはエチニル基を示す。Rは、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数7~18のアラルキル基、炭素数2~6のアルキルカルボニル基、炭素数2~6のアルコキシカルボニル基、炭素数2~6のN-アルキルカルバモイル基、(メタ)アクリロイル基、または、下記式(3)に示すオキセタニル基含有原子団を示す。mは、1以上5以下の整数を示す。
]なお、(メタ)アクリロイル基として、アクリロイル基およびメタクリロイル基が挙げられる。
【0081】
上記式(2)におけるYのなかでは、好ましくは、酸素原子および硫黄原子が挙げられ、より好ましくは、酸素原子が挙げられる。
【0082】
上記式(2)におけるRのなかでは、好ましくは、水素原子、フッ素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、炭素数6~18のアリール基、フリル基およびエチニル基が挙げられ、より好ましくは、炭素数1~6のアルキル基が挙げられる。
【0083】
上記式(2)におけるRのなかでは、好ましくは、下記式(3)に示すオキセタニル基含有原子団が挙げられる。
【0084】
【化3】
【0085】
[式(3)中において、Rは、上記式(2)におけるRと同様の官能基を示す。mは、1以上5以下の整数を示す。]
【0086】
上記式(2)および式(3)におけるmは、好ましくは、1を示す。
【0087】
このようなオキセタン化合物として、例えば、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-(メタ)アリルオキシメチル-3-エチルオキセタン、(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4-フルオロ-〔1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4-メトキシ-〔1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-エチルヘキシル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、3-メタクリロキシメチル-3-エチロキセタン、および、3-エチル-3-〔(2-エチルヘキシルオキシ)メチル〕オキセタンが挙げられる。
【0088】
このようなオキセタン化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0089】
オキセタン化合物の分子量は、例えば、180以上、好ましくは、190以上、より好ましくは、200以上、また、例えば、400以下である。
【0090】
オキセタン化合物の酸素原子含有率は、例えば、15質量%以上、また、例えば、30質量%以下、好ましくは、25質量%以下、より好ましくは、20質量%以下である。なお、酸素原子含有率は、下記式(4)により算出できる。
【0091】
酸素原子含有率(質量%)=1分子中の酸素原子の合計質量/分子量×100・・・(4)
【0092】
オキセタン化合物の酸素原子含有率が上記範囲であると、後述するシール部材の誘電率の低減を安定して図ることができる。
【0093】
オキセタン化合物の含有割合は、樹脂成分およびオキセタン化合物との総和100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、より好ましくは、5質量部を超過し、さらに好ましくは、8質量部以上、また、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部未満、より好ましくは、15質量部未満、さらに好ましくは、12質量部以下である。
【0094】
オキセタン化合物の含有割合が上記範囲であると、後述するシール部材の初期硬化性の向上をより一層確実に図ることができながら、後述するシール部材の誘電率の低減をより一層確実に図ることができる。
【0095】
(3)硬化剤
硬化剤は、樹脂成分を重合させて封止材を硬化させる。硬化剤は、封止材を硬化できれば特に制限されない。硬化剤として、例えば、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、熱カチオン系硬化剤、および、光カチオン系硬化剤が挙げられる。
【0096】
硬化剤のなかでは、好ましくは、熱カチオン系硬化剤および光カチオン系硬化剤が挙げられる。
【0097】
熱カチオン系硬化剤および光カチオン系硬化剤のそれぞれは、上記したエポキシ化ポリブタジエン樹脂と、上記したビフェニル骨格含有エポキシ樹脂と、必要に応じて、上記したビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂との重合を開始させることが可能な化合物であれば特に制限されない。
【0098】
熱カチオン系硬化剤は、加熱により酸(カチオン)を発生する熱酸発生剤である。熱カチオン系硬化剤は、好ましくは、表示素子の耐熱温度である120℃以下で重合を開始させることが可能な化合物である。
【0099】
熱カチオン系硬化剤として、公知の熱カチオン重合開始剤を用いることができる。熱カチオン重合開始剤として、例えば、下記を対アニオンとする、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、4級アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、および、ヨードニウム塩が挙げられる。
対アニオンとして、例えば、AsF 、SbF 、PF 、BF 、B(C 、および、CFSO が挙げられる。
【0100】
光カチオン系硬化剤は、光照射により酸(カチオン)を発生する光酸発生剤である。光カチオン系硬化剤として、公知の光カチオン重合開始剤を用いることができる。光カチオン系硬化剤として、例えば、CPI-210S(サンアプロ社製)、および、IK-1(サンアプロ社製が挙げられる。
【0101】
このような硬化剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0102】
硬化剤のなかでは、とりわけ好ましくは、熱カチオン系硬化剤が挙げられ、特に好ましくは、4級アンモニウム塩が挙げられる。つまり、硬化剤は、とりわけ好ましくは、熱カチオン系硬化剤を少なくとも含有しており、光カチオン系硬化剤をさらに含有してもよく、光カチオン系硬化剤を含有しなくてもよい。
【0103】
硬化剤の含有割合は、樹脂成分およびオキセタン化合物との総和100質量部に対して、例えば、0.3質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
【0104】
(4)他の添加剤
封止材は、必要に応じて、他の添加剤として、シランカップリング剤を含有することができる。
【0105】
シランカップリング剤として、例えば、エポキシ基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、および、メタクリロイル基含有シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0106】
シランカップリング剤のなかでは、好ましくは、エポキシ基含有シランカップリング剤が挙げられる。
【0107】
エポキシ基含有シランカップリング剤として、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、および、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられ、より好ましくは、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0108】
シランカップリング剤の含有割合は、樹脂成分およびオキセタン化合物との総和100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上、例えば、30質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
【0109】
また、封止材は、さらに必要に応じて、他の添加剤として、レベリング剤、充填剤、重合開始助剤、老化防止剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、着色剤(染料、顔料)などを、適宜の割合で含有してもよい。
【0110】
<作用効果>
上記した封止材は、エポキシ化ポリブタジエン樹脂と、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂と、粘着性付与樹脂と、オキセタン化合物とを含有する。そのため、初期硬化性の向上を図ることができ、表示素子に対する位置ズレを抑制できながら、誘電率が比較的低いシール部材を形成できる。
【0111】
<表示素子封止シート>
上記した封止材は、そのまま単独で流通可能であり、産業上利用可能な製品であるが、取扱性の観点から好ましくは、表示素子封止シートとして流通する。
【0112】
図1を参照して、本発明の表示素子封止シートの一実施形態としての封止シート1について説明する。
【0113】
図1に示すように、封止シート1は、上記した封止材からなる封止層2と、ベースフィルム3と、離型フィルム4とを備える。なお、封止シート1は、画像表示装置を作製するための部品である。封止シート1は、表示素子および表示素子を搭載する基板を含まず、具体的には、封止層2と、ベースフィルム3と、離型フィルム4とからなる。封止シート1は、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
【0114】
封止層2に異物が付着することなどを防ぐため、封止シート1の保管時には、ベースフィルム3と、離型フィルム4とで封止層2が保護されていることが好ましい。なお、封止シート1の使用時には、ベースフィルム3と、離型フィルム4とは剥離される。
【0115】
封止層2は、上記した封止材の乾燥物であって、フィルム形状(平板形状)を有する。具体的には、封止層2は、所定の厚みを有し、前記厚み方向と直交する所定方向に延び、平坦な表面および平坦な裏面を有している。
【0116】
封止層2では、上記した樹脂成分(エポキシ化ポリブタジエン樹脂、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂)は反応しておらず、封止層2は、それらエポキシ成分を未硬化の状態で含有する。
【0117】
封止層2の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上、例えば、100μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0118】
ベースフィルム3は、封止シート1が後述するシール部材の形成に用いられるまでの間、封止層2を支持および保護するために、封止層2の裏面に剥離可能に貼着されている。
つまり、ベースフィルム3は、封止シート1の出荷・搬送・保管時において、封止層2の裏面を被覆するように、封止層2の裏面に積層される。ベースフィルム3は、封止シート1の使用直前において、封止層2の裏面から略U字状に湾曲するように引き剥がすことができる可撓性フィルムである。
【0119】
ベースフィルム3は、平板形状を有し、具体的には、所定の厚みを有し、前記厚み方向と直交する所定方向に延び、平坦な表面および平坦な裏面を有している。ベースフィルム3の貼着面(表面)は、必要により剥離処理されている。
【0120】
ベースフィルム3の材料として、例えば、樹脂材料が挙げられる。樹脂材料として、例えば、ポリエステル、および、ポリオレフィンが挙げられる。ポリエステルとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。ポリオレフィンとして、例えば、ポリエチレン、および、ポリプロピレンが挙げられる。樹脂成分のなかでは、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
【0121】
ベースフィルム3のなかでは、好ましくは、水分バリア性あるいはガスバリア性を有するフィルムが挙げられ、さらに好ましくは、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムが挙げられる。ベースフィルム3の厚みは、フィルムの材質にもより適宜選択されるが、表示素子などの被封止材への追従性を有する点などから、例えば、25μm~150μm程度とすることができる。
【0122】
離型フィルム4は、封止シート1がシール部材の形成に用いられるまでの間、封止層2を保護するために、封止層2の表面に剥離可能に貼着されている。つまり、離型フィルム4は、封止シート1の出荷・搬送・保管時において、封止層2の表面を被覆するように、封止層2の表面に積層される。離型フィルム4は、封止シート1の使用直前において、封止層2の表面から略U字状に湾曲するように引き剥がすことができる可撓性フィルムである。
【0123】
離型フィルム4は、平板形状を有し、具体的には、所定の厚みを有し、前記厚み方向と直交する所定方向に延び、平坦な表面および平坦な裏面を有している。また、離型フィルム4の貼着面(裏面)は、必要により剥離処理されている。離型フィルム4の材料として、例えば、ベースフィルム3と同様の樹脂材料が挙げられる。離型フィルム4の厚みは、フィルムの材質にもより適宜選択されるが、表示素子などの被封止材への追従性を有する点などから、例えば、25μm~150μm程度とすることができる。
【0124】
<表示素子封止シートの製造方法>
次に、封止シート1の製造方法について説明する。
【0125】
封止シート1を製造するには、例えば、上記した封止材を準備して、封止材をベースフィルム3の表面に公知の方法により塗工する。
【0126】
封止材は、上記した樹脂成分、オキセタン化合物、硬化剤および添加剤を、上記の割合で混合することにより準備される。また、封止シート1の製造において、封止材は、好ましくは、有機溶媒に希釈され、封止材のワニスが調製される。
【0127】
有機溶媒は、樹脂成分および硬化剤を均一に分散または溶解できれば特に制限されない。有機溶媒として、例えば、芳香族炭化水素類、ケトン類、エーテル類、エステル類、および、含窒素化合物類が挙げられる。
【0128】
有機溶媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0129】
有機溶媒のなかでは、好ましくは、ケトン類が挙げられる。ケトン類として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、および、メチルイソブチルケトンが挙げられ、好ましくは、メチルエチルケトンが挙げられる。有機溶媒がケトン類を含む場合、樹脂成分を均一に溶解することができる。
【0130】
封止材のワニスにおける固形分濃度は、例えば、30質量%以上、好ましくは、40質量%以上、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
【0131】
各成分は、例えば、ボールミルで分散したり、フラスコに装入して攪拌したり、三本ロールで混練することで、混合することができる。
【0132】
また、封止材の塗工方法として、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー、および、塗布ロールが挙げられる。
【0133】
次いで、封止材を乾燥して、必要に応じて有機溶媒を揮発させることで、塗膜を形成する。
【0134】
加熱温度は、封止材が硬化することなく乾燥する温度である。加熱温度は、例えば、20℃以上、好ましくは、90℃以上、また、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃未満である。加熱時間は、例えば、1分以上、好ましくは、2分以上、例えば、30分以下、好ましくは、15分以下である。
【0135】
これにより、塗膜が乾燥して、封止材から形成される封止層2が調製される。次いで、封止層2の表面に、離型フィルム4を貼り付ける。
【0136】
以上によって、封止シート1が製造される。
【0137】
<画像表示装置の製造>
そのような封止シート1は、画像表示装置の表示素子の封止に好適に利用される。表示素子として、例えば、有機EL素子が挙げられる。図2を参照して、画像表示装置の一実施形態としてのタッチセンサ付き有機ELディスプレイ(以下、有機ELディスプレイ10とする。)について説明する。本実施形態では、封止材は、有機EL素子封止材であり、封止シート1は、有機EL素子封止シートである。言い換えれば、有機EL素子封止材は、上記した封止材からなり、有機EL素子封止シートは、封止シート1からなる。
【0138】
なお、本実施形態では、画像表示装置としてタッチセンサ付き有機ELディスプレイを挙げるが、画像表示装置は、特に制限されない。画像表示装置として、例えば、液晶ディスプレイ(タッチセンサ付き液晶ディスプレイを含む)、および、有機ELディスプレイ(タッチセンサ付き有機ELディスプレイを含む)が挙げられる。
【0139】
有機ELディスプレイ10は、素子搭載ユニット11と、シール部材14と、カバーガラスまたはバリアフィルム15とを備える。
【0140】
素子搭載ユニット11は、基板13と、表示素子の一例としての有機EL素子12と、バリア層16と、図示しない電極とを備える。
【0141】
基板13は、有機EL素子12を支持している。基板13は、好ましくは、可撓性を有する。
【0142】
有機EL素子12は、公知の有機EL素子であり、基板13に搭載されている。有機EL素子12は、図示しないが、カソード反射電極と、有機EL層と、アノード透明電極とを備えている。
【0143】
バリア層16は、有機EL素子12を被覆しており、大気中の水分が有機EL素子12に接触することを抑制する。バリア層16は、第1無機バリア層17と、平坦化層19と、第2無機バリア層18とを備える。
【0144】
第1無機バリア層17は、有機EL素子12を囲むように、有機EL素子12の上面および側面に配置されている。第1無機バリア層17の材料として、例えば、金属酸化物、および、金属窒化物が挙げられる。金属酸化物として、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、および、酸化銅が挙げられる。金属窒化物として、例えば、窒化アルミニウム、および、窒化ケイ素が挙げられる。
【0145】
第1無機バリア層17の材料は、単独使用または2種以上併用することができる。第1無機バリア層17の材料のなかでは、好ましくは、金属窒化物、より好ましくは、窒化ケイ素が挙げられる。
【0146】
平坦化層19は、第1無機バリア層17の上面に配置されている。平坦化層19の材料として、公知の樹脂材料が挙げられる。
【0147】
第2無機バリア層18は、平坦化層19を囲むように、平坦化層19の上面および側面に配置されている。第2無機バリア層18の材料として、例えば、第1無機バリア層17と同様の材料が挙げられる。
【0148】
図示しない電極は、タッチセンサ付き有機ELディスプレイのセンサを構成する。図示しない電極は、基板13からシール部材14の間に位置する。例えば、図示しない電極は、基板13内に位置してもよく、有機EL素子12上に位置してもよい。
【0149】
シール部材14は、封止層2(封止材)の硬化物であって、バリア層16に被覆された有機EL素子12を封止している。シール部材14は、ベースフィルム3および離型フィルム4が剥離された封止層2から形成される。
【0150】
具体的には、ベースフィルム3および離型フィルム4が剥離された封止層2が、バリア層16に被覆された有機EL素子12を埋め込むように基板13に貼り付けられた後、封止層2の上面にカバーガラスまたはバリアフィルム15が貼り付けられる。
【0151】
その後、封止層2を、加熱して硬化させる。封止層2の加熱温度は、例えば、90℃以上、好ましくは、100℃以上、また、例えば、130℃以下、好ましくは、120℃以下である。このとき、封止層2が速やかに硬化して、シール部材14が、有機EL素子12および基板13に対して位置ズレすることなく、所望の位置に形成される。
【0152】
そのため、封止層2を、例えば、UV照射によって仮固定することなく、熱硬化のみによって、シール部材14を所望の位置に形成できる。その結果、画像表示装置の製造効率の向上を図ることができる。
【0153】
シール部材14の誘電率は、例えば、3.00以上、好ましくは、3.10以上、例えば、3.50以下、好ましくは、3.40以下、より好ましくは、3.20以下である。
なお、誘電率は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる。
【0154】
シール部材14の誘電率が上記下限以上であれば、材料選択の自由度の向上を図ることができる。シール部材14の誘電率が上記上限以下であれば、タッチセンサ付き有機ELディスプレイなどにおいて、誤作動が生じることを抑制できる。
【0155】
シール部材14のヘイズ値は、例えば、0.1%以上、例えば、15.0%以下、好ましくは、10.0%以下、より好ましくは、5.0%以下、さらに好ましくは、1.0%以下、とりわけ好ましくは、0.5%以下である。ヘイズ値は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる。
【0156】
シール部材14のヘイズ値が上記上限以下であれば、ディスプレイ(タッチセンサ付きディスプレイ含む)の視認性の向上を図ることができる。
【0157】
カバーガラスまたはバリアフィルム15は、シール部材14の上面に配置されている。カバーガラスまたはバリアフィルム15は、図示しないが、ガラス板と、ガラス板の下面に設けられ、タッチセンサ付き有機ELディスプレイのセンサを構成する電極を備えている。
【0158】
このような有機ELディスプレイ10は、有機EL素子12がセンサを構成する2つの電極の間に配置されるインセル構造、または、センサを構成する2つの電極のうち1つが有機EL素子12上に配置されるオンセル構造を有している。
<変形例>
【0159】
変形例において、上記の第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0160】
図1に示すように、封止シート1は、封止層2と、ベースフィルム3と、離型フィルム4とを備えるが、表示素子封止シートは、これに限定されない。表示素子封止シートは、封止層2を備えていれば、ベースフィルム3および/または離型フィルム4を備えなくてもよい。つまり、表示素子封止シートは、封止層2のみから構成されてもよく、また、封止層2と、ベースフィルム3および離型フィルム4のいずれか一方とを備えてもよい。
【0161】
図2に示すように、有機ELディスプレイ10は、バリア層16を備えるが、これに限定されない。有機ELディスプレイ10は、バリア層16を備えなくてもよい。
【0162】
また、有機ELディスプレイ10は、有機EL素子12が、センサを構成する2つの電極の間に配置されるインセル構造、または、2つの電極のうちの1つが、有機EL素子12上に配置されるオンセル構造を有するが、これに限定されない。
【0163】
例えば、図3に示すように、有機ELディスプレイ20は、センサを構成する2つの電極がシール部材14よりも上側に配置されるアウトセル構造を有してもよい。有機ELディスプレイ20は、上記した素子搭載ユニット11と、上記したシール部材14と、センサユニット25とを備える。
【0164】
センサユニット25は、シール部材14上に配置される。センサユニット25は、タッチセンサ付き有機ELディスプレイのセンサを構成する電極を備えている。なお、有機ELディスプレイ20では、基板13は、電極を備えていない。
【0165】
上記した各変形例についても、上記した実施形態と同様の作用効果を奏する。上記した実施形態および変形例は、適宜組み合わせることができる。
【実施例
【0166】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
【0167】
実施例1
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(商品名:エポリード PB3600、ダイセル社製、数平均分子量:5,900、SP値9.3、エポキシ当量:200g/eq.)と、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂のメチルエチルケトン溶液(商品名:jER-YX6954B35、固形分濃度35質量%、エポキシ当量:3,000~16,000g/eq.、三菱ケミカル社製)と、脂環族系炭化水素樹脂(粘着性付与樹脂、SP値9.0、商品名:Quintone1500、日本ゼオン社製)と、テルペンフェノール樹脂(粘着性付与樹脂、SP値9.3、商品名:YSポリスターK125、ヤスハラケミカル社製)と、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂(商品名:jER-4005P、三菱ケミカル社製、エポキシ当量:1070g/eq.)と、オキセタン化合物(商品名:OXT-221、東亞合成社製)と、熱カチオン系開始剤(商品名:CXC-1612、King Industries社製)と、シランカップリング剤(商品名:KBM-403、信越シリコーン社製)と、メチルエチルケトン(有機溶媒)とを、表1に示す処方で混合して、封止材のワニスを調製した。
【0168】
実施例2
実施例1と同様にして、封止材のワニスを調製した。実施例2では、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターK125)を添加せず、脂環族系炭化水素樹脂(商品名:Quintone1500)の添加量を表1に示す値に変更した。
【0169】
実施例3~5
実施例2と同様にして、封止材のワニスを調製した。実施例3~5では、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂のメチルエチルケトン溶液(商品名:jER-YX6954B35)の添加量を表1に示す値に変更するとともに、オキセタン化合物(商品名:OXT-221)の添加量を表1に示す値に変更した。
【0170】
実施例6
実施例2と同様にして、封止材のワニスを調製した。実施例6では、脂環族系炭化水素樹脂(商品名:Quintone1500)を、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターG125)に変更した。
【0171】
実施例7
実施例1と同様にして、封止材のワニスを調製した。実施例7では、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターK125)を、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターG125、SP値9.1、ヤスハラケミカル社製)に変更した。
【0172】
実施例8
実施例1と同様にして、封止材のワニスを調製した。実施例8では、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターK125)を、テルペンフェノール樹脂(粘着性付与樹脂、商品名:YSポリスターT130、SP値8.8、ヤスハラケミカル社製)に変更した。
【0173】
比較例1
実施例2と同様にして、封止材のワニスを調製した。比較例1では、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂のメチルエチルケトン溶液(商品名:jER-YX6954B35)を、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂(商品名:jER-4275、三菱ケミカル社製、ビスフェノールA骨格およびビスフェノールF骨格を含有、エポキシ当量:8,400~9,200g/eq.)に変更した。
【0174】
比較例2
実施例2と同様にして、封止材のワニスを調製した。比較例2では、脂環族系炭化水素樹脂(商品名:Quintone1500)を添加せず、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂(商品名:jER-4005P)の添加量を表1に示す値に変更した。
【0175】
比較例3
実施例2と同様にして、封止材のワニスを調製した。比較例3では、オキセタン化合物(商品名:OXT-221)を添加せず、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂(商品名:jER-4005P)の添加量を表1に示す値に変更した。
【0176】
比較例4
実施例2と同様にして、封止材のワニスを調製した。比較例4では、エポキシ化ポリブタジエン樹脂(商品名:エポリード PB3600)を添加せず、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂(商品名:jER-4005P)の添加量を表1に示す値に変更するとともに、オキセタン化合物(商品名:OXT-221)の添加量を表1に示す値に変更した。
【0177】
比較例5
比較例4と同様にして、封止材のワニスを調製した。比較例5では、オキセタン化合物(商品名:OXT-221)を、脂環骨格含有エポキシ樹脂(シクロアルケンオキシド型エポキシ樹脂、商品名:セロキサイド2021P、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、分子量:252.3、エポキシ当量:128~145g/eq.、ダイセル社製)に変更した。
【0178】
比較例6
比較例4と同様にして、封止材のワニスを調製した。比較例6では、オキセタン化合物(商品名:OXT-221)を、脂環骨格含有エポキシ樹脂(商品名:jER-YX8000、水添ビスフェノールA骨格含有エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製、エポキシ当量:205g/eq.)に変更した。
【0179】
比較例7
比較例5と同様にして、封止材のワニスを調製した。比較例7では、脂環族系炭化水素樹脂(商品名:Quintone1500)を添加せず、ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂(商品名:jER-4005P)の添加量を表1に示す値に変更した。
【0180】
<評価>
・誘電率
各実施例および各比較例の封止材のワニスを、塗工機によりPETフィルム(離型処理されたPETフィルム(商品名:ピューレックスA53、帝人デュポンフィルム社製、厚さ:38μm、ベースフィルム)上に塗工した後、窒素パージオーブンにて、90℃で3分間乾燥させて、厚さ15μmの封止層を形成した。
【0181】
次いで、封止層に、熱ラミネーターによりPETフィルム(離型処理されたPETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム社製、厚さ:38μm、離型フィルム)を80℃で貼り合せた。
【0182】
以上によって、ベースフィルムと、封止層と、離型フィルムとを備える封止シートを調製した。これを繰り返して、封止シートを、実施例および比較例毎に、2つずつ調製した。そして、同じ実施例または比較例に対応する2つの封止シートにおいて、離型フィルムを封止層から剥離した後、2つの封止層を厚み方向に互いに貼り合わせて、それらの厚さを30μmとした。
【0183】
次いで、互いに貼り合わされた2つの封止層を、片面のベースフィルムを剥離して100℃で1時間硬化させた後、もう片面のベースフィルムを、硬化後の封止層から剥離して測定用サンプルを得た。得られたサンプルの100kHzにおける誘電率を、LCRメーターHP4284A(アジレント・テクノロジー社製)を用いて、自動平衡ブリッジ法により測定した。その結果を表1に示す。
【0184】
・ヘイズ値
上記の誘電率の評価と同様にして、各実施例および各比較例の封止シートを調製した。そして、離型フィルムを封止層から剥離した後、封止層を100℃で1時間硬化させた。
次いで、ベースフィルムを、硬化後の封止層から剥離して測定用サンプルを得た。得られたサンプルのヘイズ値を、日本電色工業社製のヘーズメーターNDH2000を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0185】
・初期硬化性(位置ズレ評価)
1)未硬化状態の封止層の発熱量測定および発熱開始温度測定
上記の誘電率の評価と同様にして、各実施例および各比較例の封止シートを調製した。そして、封止用シートを、約50mm角に切り出して試験片を得た。試験片において、離型フィルムを封止層から剥離した後、封止層を、ピンセットにてベースフィルムより剥離した。次いで、封止層10mgを採取し、DSC測定用アルミセルに詰めて、測定試験サンプルを準備した。
【0186】
そして、昇温速度5℃/分、測定温度範囲:20℃~300℃にてDSCで、未硬化状態の封止層の発熱開始温度および発熱量を特定した。
【0187】
2)硬化温度110℃3分におけるエポキシ反応率(%)
上記と同様にして、DSCの測定試験サンプルを準備した。予め110℃に設定したオーブンに、測定試験サンプルを投入して3分後に取り出した。
【0188】
そして、昇温速度5℃/分、測定温度範囲:20℃~300℃にてDSCで、硬化状態の封止層の発熱量を特定した。そして、測定された発熱量から、下記に示す式より、硬化温度110℃におけるエポキシ反応率(%)を求めた。
【0189】
エポキシ反応率(%)=(未硬化状態の封止層の発熱量-硬化状態の封止層の発熱量)/未硬化状態の封止層の発熱量)×100
【0190】
その結果を表1に示す。なお、エポキシ反応率が比較的高いと、初期の硬化状態の封止層の粘度が高いために、表示素子に対する位置ズレが抑制できる。
【0191】
【表1】
【0192】
なお、各表中の略号の詳細を下記する。
PB3600:エポキシ化ポリブタジエン樹脂、商品名エポリード PB3600、ダイセル社製、
jER-YX6954B35:ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂のメチルエチルケトン溶液、三菱ケミカル社製、
Quintone1500:粘着性付与樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、SP値9.0、日本ゼオン社製、
K125:粘着性付与樹脂、テルペンフェノール樹脂、SP値9.3、商品名YSポリスターK125、ヤスハラケミカル社製、
G125:粘着性付与樹脂、テルペンフェノール樹脂、SP値9.1、商品名YSポリスターG125、ヤスハラケミカル社製、
T130:粘着性付与樹脂、テルペンフェノール樹脂、SP値8.8、商品名YSポリスターT130、ヤスハラケミカル社製、
OXT-221:オキセタン化合物、東亞合成社製、
CXC-1612:熱カチオン系開始剤、King Industries社製、
KBM-403:シランカップリング剤、信越シリコーン社製、
jER-4275:ビスフェノール骨格含有エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製、
セロキサイド2021P:脂環骨格含有エポキシ樹脂、シクロアルケンオキシド型エポキシ樹脂、ダイセル社製、
jER-YX8000:脂環骨格含有エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA骨格含有エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製。
【0193】
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記請求の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0194】
本発明の表示素子封止材、有機EL素子封止材および表示素子封止シートは、例えば、表示素子(有機EL素子)の封止において好適に用いられる。
【符号の説明】
【0195】
1 封止シート
2 封止層
図1
図2
図3