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  • 特許-アセロラ乾燥粉末およびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】アセロラ乾燥粉末およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 19/00 20160101AFI20230929BHJP
   A23B 7/022 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
A23L19/00 A
A23B7/022
A23L19/00 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023518888
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2022046948
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2022015240
(32)【優先日】2022-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505126610
【氏名又は名称】株式会社ニチレイフーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】田邊 英矢
(72)【発明者】
【氏名】上東 純
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0359254(US,A1)
【文献】特開2006-051035(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02268871(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 19/00
A23B 7/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/FSTA/AGRICOLA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する混合工程を含む、アセロラ乾燥粉末を製造する方法。
【請求項2】
前記アルカリ剤が水酸化マグネシウムをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合工程において、前記アセロラ果汁中の固形分と前記アルカリ剤との合計を100質量%とした場合の、前記アルカリ剤の含有量が5~15質量%である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記アセロラ果汁中の固形分と前記アルカリ剤との合計を100質量%とした場合の、前記アルカリ剤の含有量が6~7質量%である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アセロラ果汁中の固形分と前記アルカリ剤との合計を100質量%とした場合の、前記アルカリ剤の含有量が7質量%である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記アルカリ剤における酸化マグネシウムの含有量が、14~86質量%である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記アルカリ剤における酸化マグネシウムの含有量が、20~80質量%である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記アルカリ剤における酸化マグネシウムの含有量が、29~71質量%である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記アルカリ剤が、酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムのみから構成される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記アルカリ剤における酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとの質量比が、酸化マグネシウム:水酸化マグネシウム=5:9である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1または2に記載の方法により製造される、アセロラ乾燥粉末。
【請求項12】
食品組成物である、請求項11に記載のアセロラ乾燥粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アセロラ乾燥粉末およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な組成物において果物の成分を配合することが行われている。例えば、食品組成物においては、その風味を向上させる目的で果物の成分を配合することが行われている。また、化粧組成物においては、その機能性を向上させる目的で果物の成分を配合することが行われている。
【0003】
ところで、アセロラは、ビタミンCやポリフェノールを豊富に含むことが知られており、これらの成分に起因する抗酸化作用による、加工食品の品質保持・日持ち向上効果や、健康や美容の増進効果が奏され得ることから、従来、そのような効果を期待して飲食品や化粧品の成分として用いられている。特に、近年の消費者の健康志向や天然志向の高まりに伴い、人工的に合成された成分ではなく、天然由来の成分の使用が好まれるようになったことと相俟って、ビタミンCやポリフェノール等の成分を豊富に含む天然物であるアセロラやその加工物の需要が今後さらに高まると考えられる。
【0004】
アセロラを食品や化粧品等に配合する場合、アセロラの加工物(例えば、果汁、果汁粉末等)として配合されるのが一般的であり、アセロラ加工物の製造に関して様々な技術の試みが行われている。例えば、特許文献1には、アセロラ果汁の乾燥粉末を得る方法が開示されている。
【0005】
アセロラ果汁の乾燥粉末を得るにあたっては、乾燥粉末の収率が問題の1つとなる。しかしながら、特許文献1に開示される技術を含む従来技術においては、アセロラ果汁の乾燥粉末の製造条件、特にアセロラ果汁と混合するアルカリ剤の種類の違いによる収率の違いについては特に検討・開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2015/327587A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような状況下、アセロラ果汁の乾燥粉末を得る方法として、乾燥粉末の収率を向上させる方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、アセロラ果汁の乾燥粉末の製造において、アセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する工程を経ることによって、乾燥粉末の高い収率が達成され得ることを見出した。本開示はこのような知見に基づくものである。
【0009】
一つの態様によれば、アセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する混合工程を含む、アセロラ乾燥粉末を製造する方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示のアセロラ乾燥粉末の製造方法によれば、従来の製造方法により得られるアセロラ乾燥粉末と比較して、アセロラ乾燥粉末を高い収率で得ることができる。
【0011】
本開示は、天然ビタミンCが豊富なアセロラ乾燥粉末の供給を通して、食の安全・安心を提供し、持続可能な社会の実現を推進する一翼を担うものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示のアセロラ乾燥粉末の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[定義]
本開示において、アセロラ乾燥粉末の収率とは、原料となるアセロラ果汁中の固形分と混合されるアルカリ剤の固形分との合計質量に対する、得られるアセロラ乾燥粉末の質量を百分率で表した値をいう。
【0014】
本開示において、アセロラ乾燥粉末の組成とは、アセロラ乾燥粉末を構成する成分およびその量の割合(含有量)をいう。一つの実施形態において、アセロラ乾燥粉末の組成が良好であるとは、アセロラ乾燥粉末が、従来の製造方法により得られるアセロラ乾燥粉末と比較して、ビタミンCを同等以上に含有すること、または、ビタミンC以外の成分(例えば、アルカリ剤)の含有量がより低くアセロラ果汁の固形分の比率が高いことをいう。
【0015】
本開示において、アセロラ乾燥粉末の性状とは、アセロラ乾燥粉末の色、水分値、吸湿性、貯蔵安定性、粒度分布および真球度をいう。また、本開示において、アセロラ乾燥粉末の性状が良好であるとは、アセロラ乾燥粉末が、従来の製造方法により得られるアセロラ乾燥粉末と比較して、アセロラ乾燥粉末の色、水分値、吸湿性、貯蔵安定性、粒度分布および真球度の性状の少なくとも1つが良好であることをいう。
【0016】
本開示において、アセロラ乾燥粉末の色は、アセロラ乾燥粉末の明度として表すことができる。明度とは、色の明るさの度合いであり、明度が高いほど明るく、明度が低いほど暗い。すなわち、明度の値が100の場合は白色であり、値が0の場合は黒色である。明度は、分光測色計CM-600d(KONIKA MINOLTA社製)を用いて測定される。
【0017】
アセロラ乾燥粉末の明度は、好ましくは76.0以上である。アセロラ乾燥粉末の明度の閾値を76.0に設定するのは、以下の理由による。本開示のアセロラ乾燥粉末は、品質保持、日持ち向上効果、健康・美容の増進効果を奏し得るものであり、食肉等の食品に添加される場合や、タブレット等の健康食品に添加される場合がある。そして、アセロラ乾燥粉末を食品や健康食品に添加した場合には、アセロラ乾燥粉末の明度が高い(すなわち、100に近い)ほど、得られる最終製品に対する色の付与の影響を小さくできるために好ましい。また、アセロラ乾燥粉末をそのまま製品とする場合にも、粉末の色調のロット差を限りなく小さいことが望ましい。これらのことから、本開示においては、アセロラ乾燥粉末の好ましい明度を76.0以上と設定する。
【0018】
本開示において、アセロラ乾燥粉末の水分値は、1.0~1.5gのアセロラ乾燥粉末を105℃で3時間乾燥させた場合に、該乾燥前のアセロラ乾燥粉末と比較して減少した質量の比率として算出される。具体的には、1.0gのアセロラ乾燥粉末を105℃で3時間乾燥させた後のアセロラ乾燥粉末の質量がXgである場合、該アセロラ乾燥粉末の水分値は、
アセロラ乾燥粉末の水分値=(1.0-X)/1.0×100
として算出される。
【0019】
アセロラ乾燥粉末の水分値は、好ましくは7.0質量%以下である。アセロラ乾燥粉末の水分値の閾値を7.0質量%に設定するのは、以下の理由による。一般に、乾燥粉末の水分値は、該乾燥粉末の乾燥状態を最もよく反映する指標の一つであり、水分値の低い乾燥粉末は、その製造過程(例えば、スプレードライ技術等)において十分に乾燥した粉末が形成されたことを示す。スプレードライ技術を用いて製造された従来のアセロラ乾燥粉末は、水分値が7.0質量%を超える場合があり、そのため得られたアセロラ乾燥粉末が保管中等に凝集して塊が生じるという問題があった。これらのことから、本開示においては、アセロラ乾燥粉末の好ましい水分値を7.0質量%以下と設定する。
【0020】
[アセロラ乾燥粉末の製造方法]
一つの態様によれば、アセロラ乾燥粉末の製造方法(以下、「本開示の製造方法」ともいう。)が提供される。本開示の製造方法は、アセロラ果汁と、必要に応じて水と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを撹拌して、均一に混合する工程を含む。水は、アセロラ果汁が有する固形分の濃度を調製するために用いる。本開示の製造方法によれば、従来の製造方法により得られるアセロラ乾燥粉末と比較して、良好な組成を有するアセロラ乾燥粉末(以下、「本開示のアセロラ乾燥粉末」ともいう。)を高い収率で得ることができる。
【0021】
本開示の製造方法に用いられるアセロラ果汁は、アセロラ果実を原料とするものであり、果実を圧搾、磨砕等して得られる液体であれば特に限定されず用いることができる。アセロラ果汁としては、果皮や果肉由来の不溶性の固形分を含まないクリア果汁の他、果皮や果肉由来の不溶性の固形分を含む混濁果汁を用いることもできる。
【0022】
本開示の製造方法において用いられるアルカリ剤における酸化マグネシウムの含有量は、アルカリ剤の全質量に対して、好ましくは10~100質量%、より好ましくは20~100質量%、より一層好ましくは30~100質量%、特に好ましくは35~100質量%、例えば40~100質量%である。
【0023】
一つの実施形態において、本開示の製造方法において用いられるアルカリ剤は、酸化マグネシウムに加えて水酸化マグネシウムをさらに含む。本開示の製造方法において用いられるアルカリ剤における水酸化マグネシウムの含有量は、例えば、1~90質量%、10~80質量%、20~60質量%等とすることができる。
【0024】
酸化マグネシウムは水酸化マグネシウムと比較して、果汁中の成分との反応性が高いと考えられる。したがって、後述する実施例に示すように、酸化マグネシウムは水酸化マグネシウムと比較してより少量の添加で、アセロラ果汁およびアルカリ剤を含む混合溶液を至適pHに近づけることが可能であり、結果としてアセロラ乾燥粉末中のビタミンC含有量を高めることができると考えられる。
【0025】
別の実施形態において、本開示の製造方法は、アセロラ果汁と、水酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する工程をさらに含む。本工程を行うタイミングは、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、アセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する工程の前または後に行われてもよく、同工程と同時に行われてもよい。また、本工程が、アセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する工程と同時に行われる場合、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤と水酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを独立してアセロラ果汁と混合してもよく、両者を混合したアルカリ剤とアセロラ果汁とを混合してもよい。好ましい実施形態において、アセロラ果汁と、水酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する工程をさらに含む場合、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤と水酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合したアルカリ剤と、アセロラ果汁とを混合する。
【0026】
アセロラ果汁と混合されるアルカリ剤の量は、本開示の効果が奏される限り特に限定されない。アルカリ剤をアセロラ果汁に添加してpHが4~6の混合溶液を得ることで、スプレードライしやすい効果が得られ、加えて好ましい性状を有するアセロラ粉末を得ることができる。アルカリ剤の添加量は、アルカリ果汁とアルカリ剤とを混合する場合において、アセロラ果汁中の固形分とアルカリ剤との合計を100質量%とした場合の、アルカリ剤の含有量を、好ましくは5~15質量%、より好ましくは6~10質量%、より一層好ましくは6~7質量%とする。アセロラ果汁中の固形分は、乾燥した結果、アセロラ乾燥粉末の大部分を構成する。別の表現をすれば、アセロラ乾燥粉末におけるアセロラ果汁中の固形分と、アルカリ剤との総含有量を100%とした場合のアルカリ剤の含有量が、好ましくは5~15質量%、より好ましくは6~10質量%、より一層好ましくは6~7質量%である。
【0027】
好ましい実施形態において、アセロラ果汁とアルカリ剤とを混合することにより、得られるアセロラ乾燥粉末のpHを4~6に調整する。アセロラ乾燥粉末のpHをこのような範囲に調整することにより、高い収率に加えて、色(明度)等の性状も良好なアセロラ乾燥粉末を得ることができる。なお、アセロラ乾燥粉末のpHは、上述したアセロラ果汁とアルカリ剤とを混合する工程においてそれらの混合割合を適宜変更することにより調整されてもよく、食品衛生上許容可能な方法(例えば、pHを変化させ得る他の成分の添加等)により調整されてもよく、これらを組み合わせることにより調製されてもよい。
【0028】
アセロラ果汁とアルカリ剤(および、任意に他の成分)とを混合する方法は、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、食品の製造において通常行われる方法を用いることができる。例えば、市販の混合撹拌機を用いて、室温で、回転数1,000~7,500rpmで10~240分間回転させて撹拌・混合することによって行うことができる。
【0029】
一つの実施形態において、本開示の製造方法は、上述したアセロラ果汁とアルカリ剤との混合物を濾過する工程を含む。アセロラ果汁とアルカリ剤との混合物を濾過する方法は、本開示の効果が奏される限り特に限定されず、自然濾過、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過、珪藻土ろ過等の食品の製造において通常行われる方法を用いることができる。例えば、市販の濾過装置、およびメッシュ#20~400のストレーナー、開口径0.2~10μmのメンブレンフィルターもしくはデプスフィルターまたは珪藻土を用いて濾過することによって行うことができる。
【0030】
アセロラ果汁とアルカリ剤との混合物またはその濾液を乾燥粉末にする方法は、本開示の効果が奏される限り特に限定されないが、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、マイクロ波減圧乾燥等の公知の方法を用いることができる。一つの好ましい実施形態において、アセロラ果汁とアルカリ剤との混合物またはその濾液は、噴霧乾燥法を用いて液滴にされ、乾燥される。噴霧乾燥法は、具体的には、アセロラ果汁とアルカリ剤との混合物またはその濾液を、塔内に液滴として噴霧して、熱風により乾燥することにより行われる。液滴の噴霧には、例えば、加圧式噴霧ノズル、回転式噴霧ノズル、回転円盤(ロータリーアトマイザー)等が用いられる。回転円盤(ロータリーアトマイザー)が用いられる場合、その好ましい回転数は、例えば、10,000~30,000rpmとすることができる。また、熱風の温度は、好ましくは100~250℃、より好ましくは110~200℃、より一層好ましくは120~180℃である。また、冷却後のドライヤーチャンバー出口の温度は、好ましくは20~120℃、より好ましくは50~100℃である。
【0031】
本開示の製造方法の一つの好ましい実施形態は、
(a)アセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する工程、
(b)上記工程(a)で得られたアセロラ果汁とアルカリ剤との混合物を濾過する工程、
(c)上記工程(b)で得られた濾液を液滴にする工程、および
(d)上記工程(c)で得られた液滴を乾燥させ、サイクロンで乾燥粉末を回収する工程
を含む。
【0032】
上述した通り、本開示の製造方法によれば、従来の製造方法と比較して、アセロラ乾燥粉末を高い収率で得ることができる。加えて、本開示の製造方法によれば、良好な組成を有するアセロラ乾燥粉末を得ることができる。
【0033】
本開示において、アセロラ乾燥粉末の製造方法について収率が高いとは、当該アセロラ乾燥粉末の製造方法において、従来の製造方法と比較して、同程度またはそれ以上の収率が達成されることをいう。一つの実施形態において、本開示の製造方法においては80質量%以上の収率が達成され、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上の収率が達成される。
【0034】
[アセロラ乾燥粉末]
本開示の製造方法により製造されるアセロラ乾燥粉末は、混合するアルカリ剤の量(混合割合)を低く抑えることができるため、高濃度のビタミンCを保持することができる。具体的には、本開示のアセロラ乾燥粉末は、従来の製造方法により得られるアセロラ乾燥粉末と比較して、ビタミンCの含有量が同程度またはそれ以上である。本開示のアセロラ乾燥粉末は、ビタミンCの含有量が好ましくは34質量%以上、より好ましくは35質量%以上、より一層好ましくは35.5質量%以上、特に好ましくは36質量%以上である。ビタミンCの含有量を高めるためには、果汁中のビタミンC含有量が高いほど良く、ビタミンCを高含有するアセロラ品種(例えば、NRA309等)から得られるアセロラ果汁を用いるほか、緑熟果を用いると良い。
【0035】
アセロラ乾燥粉末中のビタミンCの含有量は、日本食品成分分析表2015年版(七訂)分析マニュアルに基づき高速液体クロマトグラフ法で、あるいはインドフェノール法により測定できる。
【0036】
一つの好ましい実施形態において、本開示のアセロラ乾燥粉末は、従来の製造方法により得られるアセロラ乾燥粉末と比較して、色(明度)や吸湿性、貯蔵安定性、粒度分布および真球度の各性状の少なくとも1つが良好である。さらに好ましい実施形態において、本開示のアセロラ乾燥粉末は、従来の製造方法により得られるアセロラ乾燥粉末と比較して色(明度)が良好であり、さらに吸湿性、貯蔵安定性、粒度分布および真球度の各性状の少なくとも1つ、特に好ましくは各性状の全てが良好である。
【0037】
本開示の製造方法により得られるアセロラ乾燥粉末は、そのまま、または他の材料と組み合わせて用いることができる。一つの実施形態において、本開示のアセロラ乾燥粉末は、そのまま、あるいはカプセルに封入して、または打錠することにより錠剤等に加工して食品(食品組成物)として用いることができる。また、別の実施形態において、本開示のアセロラ乾燥粉末は、他の食品材料または食品に配合して用いることができる。本開示のアセロラ乾燥粉末は高いビタミンCの含有量を示すことから、ビタミンCの配合が求められる食品材料または食品に好適に配合して用いることができる。
【0038】
一つの実施形態において、本開示のアセロラ乾燥粉末は、化粧品に配合して用いることができる。本開示のアセロラ乾燥粉末は高いビタミンCの含有量を示すことから、ビタミンCの配合が求められる化粧品に好適に配合して用いることができる。
【実施例
【0039】
以下の実施例に基づいて本開示についてより具体的に説明するが、本開示の各態様はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0040】
調製例1:アセロラ濃縮果汁の調製
アセロラ果実100kgを搾汁・脱パルプ・濃縮してクリア濃縮果汁に加工し、蒸発残留物の量、すなわち固形分が30~45質量%となるようにアセロラ濃縮果汁を調製した。以下、すべての試験区および比較区において、上記の手順により調製した同一ロットのアセロラ濃縮果汁を原料として用いた。
【0041】
調製例2:アセロラ乾燥粉末の調製1
調製例1で得られたアセロラ濃縮果汁を6群に分け、下記表1の試験区1~6に示す組成となるように水および各種アルカリ剤を添加し、T.K.ロボミックス(田島化学機械株式会社製)を用いて撹拌、混合した(図1のS1に対応する手順)。撹拌・混合後、濾過前のpHを表1に示す。pHが3程度のアセロラ果汁にアルカリ剤を添加して、pHが4~6の混合溶液を得ている。なお、アセロラ果汁のpHを調整せずに乾燥させると、飴が固まったような乾燥物となり、良好なアセロラ乾燥粉末が得られないことを確認している。次いで、得られた各群の混合物をストレーナーまたはガラス濾紙(GA-100、ADVANTEC製)を用いて濾過し、濾液を回収した(図1のS2に対応する手順)。次いで、得られた各群の濾液を、回転式噴霧ノズルを用いて噴霧法により液滴化し、熱風入口温度170℃、出口温度85℃~91℃の条件で熱風乾燥させ、サイクロンで回収し、各アセロラ乾燥粉末を得た(図1のS3に対応する手順)。一方、調製例1で得られたアセロラ濃縮果汁を用いて、米国特許出願公開第2015/327587A1号公報に開示されるExample 1に従って、下記表1に示す組成となるように水およびアルカリ剤(水酸化マグネシウム)を添加して、同様に比較区1のアセロラ乾燥粉末を得た。なお、表1には、アセロラ果汁中の固形分とアルカリ剤との総含有量を100質量%とした場合における、アルカリ剤の質量が占める割合を、アセロラ果汁と混合されるアルカリ剤の量として示す。試験区1~6のアルカリ剤としては、酸化マグネシウムを単独で、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせた混合物を用いた。また、比較区1としては、水酸化マグネシウムを単独で用いた。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例1:アセロラ乾燥粉末の収率とビタミンC含有量の評価1
試験区1~6および比較区1の各アセロラ乾燥粉末の製造方法について、それぞれ粉末収率を算出した。また、各アセロラ乾燥粉末について、それぞれのビタミンC含有量を、インドフェノール法を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0044】
表1に示す結果から、アセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する工程を含む、試験区1~6の各アセロラ乾燥粉末の製造方法においては、比較区1のアセロラ乾燥粉末の製造方法と比較して、粉末収率とビタミンC含有量が両立されていることが分かる。また、前者では、より少量のアルカリ剤で濾過前の混合溶液のpHを上げることができ、至適範囲であるpH4~6に調整しやすかったことが分かる。これは、酸化マグネシウムは水酸化マグネシウムと比較して反応性が高いため生じる効果と推測される。
【0045】
実施例2:アセロラ乾燥粉末の色(明度)の評価1
試験区1~6および比較区1の各アセロラ乾燥粉末について、それらの色について、目視による確認で、比較区1との比較で明度が同等または高いものを「○」と評価し、明度がより低いものを「△」と評価した。結果を表1に示す。
【0046】
表1に示す結果から、アセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する工程を含む方法により製造された試験区1~4の各アセロラ乾燥粉末は、アセロラ果汁と、水酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する工程を含む方法により製造された比較区1のアセロラ乾燥粉末と比較して明度が同等または高いことが分かった。一方、試験区5~6の各アセロラ乾燥粉末は、比較区1のアセロラ乾燥粉末と比較して明度が低く、茶褐色を呈していたことから、アセロラ乾燥粉末の製造方法においてはアルカリ剤の添加量がより少ない方が、アセロラ果汁の乾燥粉末の色の観点で有利であることが分かる。
【0047】
以上に示す結果から、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤を用いて製造された本開示のアセロラ乾燥粉末は、水酸化マグネシウム単独からなるアルカリ剤を用いて製造された従来のアセロラ乾燥粉末と比較して、収率が高く、かつ良好な組成(高いビタミンC含有量)を有することが示された。さらに、アルカリ剤の組成や、アセロラ果汁とアルカリ剤との混合物のpHを調整することにより、色(明度)等の性状についても良好なアセロラ乾燥粉末が得られることが示唆された。
【0048】
調製例3:アセロラ乾燥粉末の調製2
調製例1で得られたアセロラ濃縮果汁を12群に分け、下記表2の試験区7~18に示す組成となるように水および各種アルカリ剤を添加し、撹拌機(スリーワンモータ、新東科学株式会社製)を用いて撹拌、混合した(図1のS1に対応する手順)。撹拌・混合後、濾過前のpHを表2に示す。pHが3程度のアセロラ果汁にアルカリ剤を添加して、pHが4~6の混合溶液を得ている。なお、アセロラ果汁のpHを調整せずに乾燥させると、飴が固まったような乾燥物となり、良好なアセロラ乾燥粉末が得られないことを確認している。次いで、得られた各群の混合物をストレーナーまたはガラス濾紙(GA-100、ADVANTEC製)を用いて濾過し、濾液を回収した(図1のS2に対応する手順)。次いで、得られた各群の濾液を、回転式噴霧ノズルを用いて噴霧法により液滴化し、熱風入口温度170℃、出口温度92℃~98℃の条件で熱風乾燥させ、サイクロンで回収し、各アセロラ乾燥粉末を得た(図1のS3に対応する手順)。一方、調製例2で得られた比較区1のアセロラ乾燥粉末を比較区2のアセロラ乾燥粉末として準備した。なお、表2には、アセロラ果汁中の固形分とアルカリ剤との総含有量を100質量%とした場合における、アルカリ剤の質量が占める割合を、アセロラ果汁と混合されるアルカリ剤の量として示す。試験区7~18のアルカリ剤としては、酸化マグネシウムもしくは水酸化マグネシウム単独、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとの混合物を用いた。また、比較区2としては、水酸化マグネシウムを単独で用いた。
【0049】
【表2】
【0050】
実施例3:アセロラ乾燥粉末の収率とビタミンC含有量の評価2
試験区7~18および比較区2の各アセロラ乾燥粉末の製造方法について、それぞれの粉末収率を算出した。また、各アセロラ乾燥粉末について、それぞれのビタミンC含有量を、インドフェノール法を用いて測定した。粉末収率が最も高かった試験区10の収率を100とし、各試験区および比較区について、粉末収率の相対値を求めた。また、粉末収率の相対値とビタミンC含有量とを乗算し、各試験区および比較区のアセロラ乾燥粉末におけるビタミンC含有量の相対値を算出した。結果を表2に示す。
【0051】
表2に示す結果から、試験区7~18の各アセロラ乾燥粉末は、比較区2のアセロラ乾燥粉末と比較して、粉末収率が安定的に高いだけでなく、高いビタミンC含有量(34質量%以上)をも実現していることが分かる。すなわち、アルカリ剤として、酸化マグネシウムを単独で用いた場合、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組わせて用いた場合には、粉末収率、および得られる粉末のビタミンCの総量のいずれも高いことが示された。一方、アルカリ剤として水酸化マグネシウムを単独で用いた場合には、粉末収率が低く、結果として得られる粉末のビタミンCの総量が低いことが示された。
【0052】
特に、試験区10および試験区18の結果から、アルカリ剤として酸化マグネシウムが単独で用いられる場合には、粉末収率、および得られる粉末のビタミンCの総量の点で、アルカリ剤の含有量は6~7質量%であることが好ましい条件と言える。また、試験区8~9および11~17の結果から、アルカリ剤として酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとが組み合わせて用いられる場合には、粉末収率、および得られる粉末のビタミンCの総量の点で、アルカリ剤の含有量は6~7質量%であることが好ましい条件と言える。すなわち、アルカリ剤として、酸化マグネシウムを単独で用いた場合、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせて用いた場合のいずれにおいても、アルカリ剤の含有量は6~7質量%であることが好ましい条件と言える。
【0053】
なお、表2には示していないが、アルカリ剤として、酸化マグネシウムを単独で用いた場合、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせて用いた場合のいずれにおいても、アルカリ剤の含有量が6質量%未満であると、粉末収率が低下することを確認している。この理由は、アルカリ剤の含有量が6質量%未満の場合、アセロラ果汁に対するアルカリ剤の量が十分でなく、アルカリ剤と反応しないままのアセロラ果汁が生じるからと推測される。さらに、アルカリ剤の含有量が6質量%未満の場合、粉末収率が不安定であることも確認している。
【0054】
また、表2には示していないが、アルカリ剤として、酸化マグネシウムを単独で用いた場合、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせて用いた場合のいずれにおいても、アルカリ剤の含有量が7質量%を超えると、粉末収率が十分に向上しないことを確認している。この理由は、アルカリ剤の含有量が7質量%を超える場合、アセロラ果汁に対するアルカリ剤の量が過剰になるからと推測される。さらに、アルカリ剤の含有量が7質量%を超える場合、アセロラ乾燥粉末の明度が低いことも確認している。
【0055】
実施例4:アセロラ乾燥粉末の色(明度)の評価2
試験区7~18および比較区2の各アセロラ乾燥粉末について、上述した実施例2と同様の方法により明度を測定した。結果を表2に示す。
【0056】
表2に示す結果から、アルカリ剤として酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせて用いた試験区7~9および11~17の各アセロラ乾燥粉末は、いずれも明度が76.0以上と安定的に優れていたのに対し、アルカリ剤として酸化マグネシウムを単独で用いた試験区18のアセロラ乾燥粉末は、明度が76.0未満であった。
【0057】
実施例3および4の結果から、アルカリ剤として酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせて用いる場合、これらを6~7質量%の合計含有量で用いることが、アセロラ乾燥粉末の高い収率に加え、アセロラ乾燥粉末の高い明度(すなわち、明度76.0以上)を達成することができるため、より好ましい条件と言える。また、酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせて用いる場合には、アルカリ剤中の酸化マグネシウムの含有量が14~86質量%(下限値:試験区11、上限値:試験区17)であることが好ましい条件と言える。
【0058】
実施例5:アセロラ乾燥粉末の水分値の評価
表2に示す結果から、試験区11~18の各アセロラ乾燥粉末は、いずれも水分値が安定的に7.0質量%以下であるため好ましい。すなわち、アルカリ剤が酸化マグネシウム単独であっても、酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとの混合物であっても、アルカリ剤の合計含有量は7質量%であることが、高い粉末収率を得られるのに加え、低い水分値なので好ましい。
【0059】
実施例6:アセロラ乾燥粉末の総合評価
実施例4および実施例5の結果から、試験区11~17の各アセロラ乾燥粉末が、粉末収率、明度および水分値のいずれについても優れている。すなわち、アルカリ剤として酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせて用いる場合には、アルカリ剤中の酸化マグネシウムの含有量が14~86質量%(下限値:試験区11、上限値:試験区17)であることが好ましい条件と言える。
【0060】
試験区11~17において、粉末収率が110質量%を超え、明度が76.5を超え(閾値:76.0)、水分値が7.0質量%以下であるという観点から、試験区12~16の各アセロラ乾燥粉末がこれらを満たすため、特に好ましい条件と言える。すなわち、アルカリ剤として酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせて用いる場合には、アルカリ剤中の酸化マグネシウムの含有量が29~71質量%(下限値:試験区12、上限値:試験区16)であることが好ましい条件と言える。さらに、粉末収率の相対値が特に高いという観点から、アルカリ剤として酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとを組み合わせて用い、アルカリ剤中の酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとの質量比(酸化マグネシウム:水酸化マグネシウム)が5:9、すなわち酸化マグネシウムの含有量が36質量%(試験区13)であることが最も好ましい条件の一つと言える。
【0061】
以上の結果から、酸化マグネシウムを含有するアルカリ剤を用いて製造した本開示のアセロラ乾燥粉末は、水酸化マグネシウム単独からなるアルカリ剤を用いて製造した従来のアセロラ乾燥粉末と比較して、収率が高く、良好な組成(高いビタミンC含有量)を有することが示された。さらに、アルカリ剤の組成や、アセロラ果汁とアルカリ剤との混合物のpHを調整することにより、色(明度)等の性状についても良好なアセロラ乾燥粉末が得られることが示唆された。
[産業上の利用可能性]
【0062】
本開示によれば、従来の製造方法により得られるアセロラ乾燥粉末と比較して、良好な組成を有するアセロラ乾燥粉末を、高い収率で製造することができる。
【0063】
[付記]
本開示の要旨の1つは以下である。
固形分が30~45質量%であるアセロラ濃縮果汁と、水と、アルカリ剤を添加・混合して、pHが4~6の混合溶液を得る。この混合溶液を濾過して得た濾液を、スプレードライ法により乾燥し、アセロラ乾燥粉末を得る。
アセロラ濃縮果汁に代えて、濃縮していないアセロラ果汁を用いてもよい。濃縮果汁の使用は、アセロラ果汁を収穫地から粉末製造工場へ輸送するコストや、製造工場での保管コストを小さくできるので好ましい。アセロラ濃縮果汁は、固形分濃度が大きく、撹拌等の処理がしにくいため、水を添加して固形分濃度を低下させる。
アルカリ剤としては、酸化マグネシウム単独、または酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムを組み合わせた混合物が用いられる。アルカリ剤をアセロラ果汁に添加してpHが4~6の混合溶液を得ることで、スプレードライしやすい効果が得られ、加えて好ましい性状を有するアセロラ粉末を得ることができる。アルカリ剤の添加量は、アセロラ果汁中の固形分とアルカリ剤との合計を100質量%とした場合の、アルカリ剤の含有量を、例えば5~15質量%とする。
【0064】
[項目1]
アセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する混合工程を含む、アセロラ乾燥粉末を製造する方法。
[項目2]
前記アルカリ剤が水酸化マグネシウムをさらに含む、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記混合工程において、前記アセロラ果汁中の固形分と前記アルカリ剤との合計を100質量%とした場合の、前記アルカリ剤の含有量が5~15質量%である、項目1または2に記載の方法。
[項目4]
前記アセロラ果汁中の固形分と前記アルカリ剤との合計を100質量%とした場合の、前記アルカリ剤の含有量が6~7質量%である、項目3に記載の方法。
[項目5]
前記アセロラ果汁中の固形分と前記アルカリ剤との合計を100質量%とした場合の、前記アルカリ剤の含有量が7質量%である、項目3に記載の方法。
[項目6]
前記アルカリ剤における酸化マグネシウムの含有量が、14~86質量%である、項目1~5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
前記アルカリ剤における酸化マグネシウムの含有量が、20~80質量%である、項目1~6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
前記アルカリ剤における酸化マグネシウムの含有量が、29~71質量%である、項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
前記アルカリ剤が、酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムのみから構成される、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
前記アルカリ剤における酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとの質量比が、酸化マグネシウム:水酸化マグネシウム=5:9である、項目9に記載の方法。
[項目11]
項目1~10のいずれか一項に記載の方法により製造される、アセロラ乾燥粉末。
[項目12]
食品組成物である、項目11に記載のアセロラ乾燥粉末。
【要約】
[課題]アセロラ乾燥粉末を高い収率で得るためのアセロラ乾燥粉末の製造方法を提供する。
[解決手段]アセロラ乾燥粉末の製造において、原料となるアセロラ果汁と、酸化マグネシウムを含むアルカリ剤とを混合する。
図1