IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東洋新薬の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】発泡性皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20231002BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 33/10 20060101ALI20231002BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20231002BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20231002BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20231002BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20231002BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20231002BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20231002BHJP
   A61P 17/08 20060101ALI20231002BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20231002BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231002BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/36
A61K8/63
A61K8/92
A61K31/19
A61K33/10
A61K47/44
A61P1/04
A61P3/02
A61P7/00
A61P9/10
A61P9/12
A61P17/08
A61P17/16
A61P29/00
A61Q19/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017205330
(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公開番号】P2018070610
(43)【公開日】2018-05-10
【審査請求日】2020-08-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2016207938
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】秋本 恵子
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
(72)【発明者】
【氏名】大塚 哲央
(72)【発明者】
【氏名】山下 実夏
【合議体】
【審判長】瀬良 聡機
【審判官】阪野 誠司
【審判官】野田 定文
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-319187(JP,A)
【文献】特開2000-297007(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0024510(KR,A)
【文献】是沢 猛,ラノリン中のコレステロールエステルについて,日本化粧品技術者会誌(1995),Vol.29,No.3,p.274-278
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99, A61Q 1/00-90/00, A61K 9/00, A61K 47/00, A61K 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質及び固形状及び/又は半固形状油剤を含有することを特徴とする発泡性皮膚外用剤であって、前記固形状及び/又は半固形状油剤が、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ラノリン酸フィトステリル、イソステアリン酸コレステリルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする発泡性皮膚外用剤。
【請求項2】
酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質、増粘剤及び固形状及び/又は半固形状油剤を含有することを特徴とする発泡性皮膚外用剤であって、前記固形状及び/又は半固形状油剤が、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ラノリン酸フィトステリル、イソステアリン酸コレステリルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする発泡性皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた発泡性を有し炭酸ガスの皮膚への透過性を高めたことを特徴とする発泡性皮膚外用剤に関し、さらに詳しくは、酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質を含有する発泡性皮膚外用剤において、固形状及び/又は半固形状油剤を炭酸ガスの皮膚吸収促進剤として配合することを特徴とする発泡性皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
古来より炭酸ガスには様々な効果があることが知られており、温泉療法などに広く利用されている。炭酸ガスの効果には、例えば、血流増加、保湿効果、抗炎症作用などがあり、疲労回復、痔疾、褥瘡、抹消動脈閉塞性疾患、高血圧などの病気に対する臨床効果が認められている(特許文献1参照)。
【0003】
このような効果を期待して、炭酸ガスを利用する種々の発泡性皮膚外用剤が提案されており、例えば、水溶性酸を含む粒状物(第1剤)と炭酸塩、水及び増粘剤を含む粘性組成物(第2剤)とを含む発泡性皮膚外用剤(特許文献2参照)や炭酸塩と有機酸と発熱物質と泡安定剤とを含有する発泡性パック化粧料(特許文献3参照)などが知られている。
【0004】
しかしながら、これらの発泡性皮膚外用剤においては、炭酸ガスの肌への物理刺激や発泡力、発泡持続性、液垂れ、伸展性、弾力性、粘り気、柔軟性といった剤型に基づく特性についての検討はなされている。本願出願人は、スクワラン等の液状油剤を用いることで炭酸ガスの経皮吸収効果があることを見出したが、炭酸ガスの経皮吸収効果については更なる検討が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平4-200512号公報
【文献】特開2013-014532号公報
【文献】特開平8-268828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明においては、優れた炭酸ガスの経皮吸収促進作用を有する経皮吸収促進剤を見出し、発泡性皮膚外用剤に配合することにより、炭酸ガスの皮膚や粘膜への吸収効果を高めた発泡性皮膚外用剤を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質及び増粘剤を含有する発泡性皮膚外用剤において、炭酸ガスの経皮吸収促進作用に優れた経皮吸収促進剤を見出すために、種々の検討を行った。その結果、固形状及び/又は半固形状油剤が優れた炭酸ガスの経皮吸収促進作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下に関するものである。
<1>酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質及び固形状及び/又は半固形状油剤を含有することを特徴とする発泡性皮膚外用剤。
<2>酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質、増粘剤及び固形状及び/又は半固形状油剤を含有することを特徴とする発泡性皮膚外用剤。
<3>酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質及び抱水性油剤を含有することを特徴とする発泡性皮膚外用剤。
<4>固形状及び/又は半固形状油剤が炭酸ガスの経皮吸収促進剤であることを特徴とする<1>~<2>のいずれかに記載の発泡性皮膚外用剤。
<5>抱水性油剤が炭酸ガスの経皮吸収促進剤であることを特徴とする<3>に記載の発泡性皮膚外用剤。
<6>発泡性皮膚外用剤を得るためのキットであって、酸性物質及び水を含有する第1剤と、炭酸ガス発生物質を含有する第2剤とを有し、第1剤又は第2剤のいずれか一方、又は両方に固形状及び/又は半固形状油剤を含有することを特徴とするキット。
<7>酸性物質を含有する第1剤と、炭酸ガス発生物質及び水を含有する第2剤とを有し、第1剤又は第2剤のいずれか一方、又は両方に固形状及び/又は半固形状油剤を含有することを特徴とするキット。
<8>酸性物質及び炭酸ガス発生物質を含有する第1剤と、水を含有する第2剤とを有し、第1剤又は第2剤のいずれか一方、又は両方に固形状及び/又は半固形状油剤を含有することを特徴とするキット。
<9>発泡性皮膚外用剤を得るためのキットであって、酸性物質及び水を含有する第1剤と、炭酸ガス発生物質を含有する第2剤とを有し、第1剤又は第2剤のいずれか一方、又は両方に抱水性油剤を含有することを特徴とするキット。
<10>酸性物質を含有する第1剤と、炭酸ガス発生物質及び水を含有する第2剤とを有し、第1剤又は第2剤のいずれか一方、又は両方に抱水性油剤を含有することを特徴とするキット。
<11>酸性物質及び炭酸ガス発生物質を含有する第1剤と、水を含有する第2剤とを有し、第1剤又は第2剤のいずれか一方、又は両方に抱水性油剤を含有することを特徴とするキット。
<12>水と同一剤中に増粘剤を含有することを特徴とする、<6>~<11>に記載のキット。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、優れた発泡性を有し炭酸ガスの皮膚への透過性を高めたことを特徴とする発泡性皮膚外用剤を提供することができる。特に、酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質及び炭酸ガスの経皮吸収促進剤を含有する発泡性皮膚外用剤において、固形状及び/又は半固形状油剤を炭酸ガスの皮膚吸収促進剤として配合することにより、炭酸ガスの皮膚への透過性を高めることができる。さらに、本発明によれば、優れた発泡性を有し炭酸ガスの皮膚への透過性と有効成分の皮膚への浸透性を高めた発泡性皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質及び炭酸ガスの経皮吸収促進剤を含有することを特徴とする発泡性皮膚外用剤であって、炭酸ガスの経皮吸収促進剤が固形状及び/又は半固形状油剤であることを特徴とする発泡性皮膚外用剤に関する。
【0011】
本発明に係る発泡性皮膚外用剤は、酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質及び炭酸ガスの経皮吸収促進剤を含有する発泡性皮膚外用剤である。本発明に係る発泡性皮膚外用剤は、酸性物質と炭酸ガス発生物質とが反応して炭酸ガスが発生し、これを皮膚(粘膜、頭皮及び頭髪も含む)に塗布した場合には、炭酸ガスの経皮吸収促進剤の経皮吸収促進作用により、十分な量の炭酸ガスを皮膚内部に浸透させることができ、経皮吸収促進剤を含有しない発泡性皮膚外用剤に比して優れた炭酸ガスの効果を得ることができる。
【0012】
本発明の発泡性皮膚外用剤は、全てを同一剤に含有する1剤式であっても良いし、2剤式のキットであっても良い。本発明の発泡性皮膚外用剤が1剤式の場合は使用時に水と混合して使用し、2剤式の場合はいずれか1以上の剤に水を含有するものが好ましい。
【0013】
本発明の発泡性皮膚外用剤が1剤式の場合は、顆粒状、細粒状又は粉末状であることが好ましい。これらの形状とすることにより固形状及び/又は半固形状油剤である経皮吸収促進剤を安定に配合することができ、水等の水溶性成分への溶解性に優れ、保存安定性や携帯性にも優れる。また、保存安定性の観点から実質的に水を含まないことが好ましい。
【0014】
本発明の発泡性皮膚外用剤が1剤式の場合、原料をそのまま配合する場合には粉末状であるが、一般的なマトリックス基剤を用いて造粒することにより、顆粒状あるいは細粒状とすることができる。上記粉末あるいは顆粒の製造方法は、特に限定されることはなく、乾式破砕造粒法や湿式破砕造粒法、流動層造粒法、高速攪拌造粒法、押し出し造粒法等の常法に従い製造できる。
【0015】
本発明の発泡性皮膚外用剤が2剤式の場合は、以下の形態を取り得る。
(1)酸性物質及び水を含有する第1剤と、炭酸ガス発生物質を含有する第2剤とを有するキット
(2)酸性物質を含有する第1剤と、炭酸ガス発生物質及び水を含有する第2剤とを有するキット
(3)酸性物質及び炭酸ガス発生物質を含有する第1剤と、水を含有する第2剤とを有するキット
(1)~(3)のキットにおいて、固形状及び/又は半固形状油剤は、第1剤又は第2剤のいずれか一方、又は両方に含まれていれば良い。
【0016】
(1)~(3)のキットが増粘剤を含有する場合は、第1剤又は第2剤のいずれか一方、又は両方に含まれていれば良いが、好ましくは水と同一剤中に含まれるのが良い。また、(1)、(2)のいずれかのキットにおいては、第1剤、第2剤のいずれも水を含む組成物とすることができる。
【0017】
本発明の発泡性皮膚外用剤は、使用後に組成物を除去し、拭き取ったり洗い流したりして使用するウォッシュオフタイプや、使用時に組成物をゲル化させ、固化させた後に剥がすピールオフタイプのいずれでも使用できるが、使用後の組成物の除去時、例えば洗い流しや拭き取り時に肌を擦りすぎる等の肌への負担がなく、しかも簡単に除去が可能なピールオフタイプが好ましい。
【0018】
以下、本発明で用いる成分について、具体的に説明する。
【0019】
<酸性物質>
本発明に用いられる酸性物質としては、有機酸、無機酸のいずれでもよく、これらの1種又は2種以上が用いられる。また、使用する酸性物質は、溶解性の観点から固形状、顆粒状、細粒状、粉末状であることが好ましい。
【0020】
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の直鎖脂肪酸又はその塩類、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸又はその塩類、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸又はその塩類、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α-オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のオキシ酸又はその塩類等が挙げられ、無機酸としては、リン酸、亜硫酸等の無機酸又はその塩類が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、安全性や溶解性の観点から、クエン酸又はその塩類、アスコルビン酸又はその塩類、リンゴ酸又はその塩類、コハク酸又はその塩類が好ましく、クエン酸又はその塩類がより好ましい。前記酸性物質は、発泡性皮膚外用剤中に0.1~30質量%で含有されることが好ましく、0.5~20質量%であることが特に好ましい。
【0021】
<炭酸ガス発生物質>
本発明に用いられる炭酸ガス発生物質としては、様々なものが特に限定されることなく使用できる。また、使用する炭酸ガス発生物質は、溶解性の観点から固形状、顆粒状、細粒状、粉末状であることが好ましい。
【0022】
前記炭酸ガス発生物質としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、セスキ炭酸ナトリウム等の炭酸塩、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム等の炭酸水素塩が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムが好ましく使用でき、程よい発泡力を実現することができる点で炭酸水素ナトリウムがより好ましい。前記炭酸ガス発生物質は、発泡性皮膚外用剤中に0.1~40質量%で含有されることが好ましく、0.5~30質量%であることが特に好ましい。
【0023】
本発明において、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質を同一剤内に配合する場合、原料をそのまま配合してもよいが、これらが物理的に互いに接触しないように配合され、共存することが保存安定性の点で好ましい。その共存化手段は特に限定されること無く、広く適用が可能である。
【0024】
前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質が互いに物理的に接触しないように配合する場合、例えば、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質とのいずれか一方又は両方に、これを包むコート層を設けてもよいし、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質とのいずれか一方又は両方をカプセル化してもよい。また、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質の間に、これらが直接接しないように前記酸性物質及び前記炭酸ガス発生物質を含有しない層を挟み、圧縮成形してもよい。
【0025】
以下に、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質の同一剤内への共存化手段について具体的に述べるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
[コート層形成]
コート層形成方法としては、例えば、酸性物質又は炭酸ガス発生物質の少なくとも一方においてコート層を形成させる方法を使用しても良い。コート層を設けることにより、同一剤内に前記酸性物質、前記炭酸ガス発生物質及びその他成分と共に共存させても、その製造時や保管時に予期せぬ炭酸ガス発生の恐れがないので、安定性、耐久性の点から好ましい。
【0027】
上記コート層を構成するに好ましい被覆剤としては、前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質と反応性が低いものであれば特に限定することなく使用することができる。例えば、油脂、脂肪酸、脂肪酸塩、アセチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、アクリル酸エチル-メタクリル酸共重合体、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、可溶性デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、小麦デンプン、糖類(例えば白糖、乳糖等)、クエン酸塩等が挙げられる。
【0028】
酸性物質と炭酸ガス発生物質に対する被覆剤の使用量は、酸性物質又は炭酸ガス発生物質に対して、好ましくは1~20質量%、さらに好ましくは1~10質量%である。
【0029】
コート層の被覆法は、粒子の被覆に通常用いられるものであれば、いずれの方法で行ってもよい。例えば、噴霧造粒や転動造粒等により、造粒と同時に被覆してもよく、粉末又は造粒物に油脂コーティング、造粒コーティング、輸送層法、パンコーティング、転動コーティング、流動コーティング又はドライコーティング等の方法を用いて被覆してもよい。コーティングの際、過度な熱や、物理的な力が加わったりすると、前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質が破壊されると共に、生成した被膜が壊れ、前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質の表面全体に上記脂質粉状体を均一にコーティングすることが難しくなるばかりか、表面に前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質が漏出し吸湿による固化、あるいは配合時に他成分へ及ぼす悪影響の原因ともなるので、コーティング条件はコート層及びコーティング対象が破壊されない程度のものとする必要がある。
【0030】
上記第一層及び第二層に含まれる前記酸性物質及び前記炭酸ガス発生物質は、そのまま使用してもよいし、それ以外に賦形剤、増粘剤等を混合して使用してもよい。第一層、第二層及び第三層に用いられる賦形剤、増粘剤等としては、上記顆粒剤の説明において記載したものを特に限定無く使用することができる。
【0031】
前記酸性物質及び炭酸ガス発生物質は、発泡性皮膚外用剤中に重量比で1:0.1~1:40の割合で含有されることが皮膚への刺激性の点から好ましく、1:0.5~1:20の割合で含有されることがより好ましく、1:1~1:10の割合で含有されることが更に好ましい。上記範囲を超えてしまうと発泡性皮膚外用剤として使用する際のpHが強酸性や強塩基性になるため、皮膚への刺激が強くなることが懸念されるため、ピーリング効果などを要しない場合には、上記の範囲とするのが好ましい。
【0032】
<固形状及び/又は半固形状油剤>
本発明においては、炭酸ガスの経皮吸収促進剤として固形状及び/又は半固形状油剤を用いる。本発明に用いられる固形状油剤とは、25℃において固体のものを言い、本発明に用いられる半固形状油剤とは、25℃においてペースト状又はゲル状のものを言う。固形状油剤、半固形状油剤はいずれも化粧品、医薬品、医薬部外品に使用されるものを用いることができる。本発明においては、製造性や炭酸ガスの経皮吸収促進作用、水溶性有効成分の経皮吸収促進作用の観点から、半固形状油剤を用いることが好ましい。
【0033】
本発明においては、固形状及び/又は半固形状油剤として、有効成分をより皮膚に浸透しやすくするために抱水性を有する油剤を使用することが好ましい。本発明で言う抱水性油剤とは、それ自体に水を抱え込むことのできる油剤のことを言う。本発明で使用する固形状及び/又は半固形状油剤の抱水力は特に限定されないが、油剤に対して50%以上が好ましく、100%以上、すなわち、自重以上の水を保持できるものが好ましく、特に好ましくは150%以上である。
【0034】
本発明で使用できる抱水性の固形状及び/又は半固形状油剤としては、例えば、例えば、パラフィンワックス(固形パラフィン)、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、バリコワックス、ポリエチレンワックス、シリコンワックス、カルナウバロウ、ビーズワックス(ミツロウ)、キャンデリラロウ、ジョジョバロウ、セラックロウ、鯨ロウ、モクロウ、イボタロウ、カポックロウ、ヌカロウ、ベイベリーロウ、サトウキビロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン等のロウ類、カカオ脂、硬化ヒマシ油、硬化油、水添パーム油、パーム油、硬化ヤシ油、ワセリン、各種の水添加動植物油脂、脂肪酸モノカルボン酸ラノリンアルコールエステル、POEコレステロールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEラノリンアルコールエーテル、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、コレステロール、パーム油、フィトステロール、セタノール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、長鎖分岐脂肪族アルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸等の長鎖脂肪酸、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、ノナン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸ジヒドロコレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル、ラノリン脂肪酸コレステリル、リシノール酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、オレイン酸ジヒドロフィトステリル、ノナン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、イソステアリン酸ジヒドロフィトステリル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、ラノリン脂肪酸フィトステリル、リシノール酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル等のステロールエステル、多価アルコール脂肪酸エステルが挙げられる。この中でも、炭酸ガスの経皮吸収促進作用や抱水性の点から、ロウ類、ステロールエステルが好ましく、ラノリン、オレイン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、イソステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、多価アルコール脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリルが特に好ましい。前記固形状及び/又は半固形状油剤は、発泡性皮膚外用剤中に0.0000001~20質量%で含有されることが好ましく、0.000001~10質量%であることがより好ましく、0.00001~5質量%であることが特に好ましい。
【0035】
<増粘剤>
本発明においては、増粘剤を用いることが好ましい。本発明に用いられる増粘剤としては、化粧品、医薬品、医薬部外品等で使用できる水溶性成分であれば特に限定されるものでなく、合成高分子、半合成高分子、天然高分子、粘土鉱物等が使用できる。
【0036】
合成高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリレーツ/アクリル酸アルキルクロスポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアルキルアクリルアミド/ポリアクリルアミドコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、プルロニックをはじめとする親水性合成高分子が挙げられる。
【0037】
半合成高分子としては、セルロース誘導体としては例えば、カルボキシメチルセルロース又はその塩類、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スルホン化セルロース誘導体などが挙げられる。その他の半合成高分子として、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸エチレングリコールエステル、デキストリン脂肪酸エステル、ゼラチン脂肪酸エステル、ゼラチン脂肪酸アミドなどが挙げられる。
【0038】
天然高分子としては、多糖類及びその誘導体、例えば、キサンタンガム、タマリンドガム、サクシノグリカン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、セルロース類、ガラクタン、アラビアガム、トラガントガム、マンナン、カードラン、アルギン酸又はその塩類、アラビアゴム、ペクチン、クインシード、デンプン、寒天、アルゲコロイド、コンドロイチン硫酸又はその塩類、キト酸及びその誘導体などが挙げられる。その他の天然高分子としては、核酸又はその塩類、リボ核酸又はその塩類、アルブミン、ゼラチン、シルクフィブロインなどが挙げられる。
【0039】
粘土鉱物としては、ラポナイト、ベントナイト、スメクタイトカオリナイト、モンモリロナイト等が挙げられる。
【0040】
上記増粘剤のなかでも、水等の水溶性成分にダマを生じず均一に溶解でき、且つ、溶け残りに起因する肌のざらつき感を緩和することができる増粘剤を用いることが好ましい。
【0041】
このような増粘剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース又はその塩類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、キサンタンガム、タマリンドガム、サクシノグリカン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、セルロース類、ガラクタン、アラビアガム、トラガントガム、マンナン、カードラン、アルギン酸又はその塩類、寒天、アルブミン等を挙げる事ができ、カルボキシメチルセルロース又はその塩類、ヒドロキシプロピルセルロース、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン、デンプン、アルブミンを用いることが好ましい。これらの増粘剤は単独でも使用することができるが、2種類以上を使用することが安定性の点で好ましい。
【0042】
前記増粘剤は、発泡性皮膚外用剤中に0.01~50質量%で含有されることが好ましく、0.1~30質量%であることがより好ましい。また、発泡性皮膚外用剤の固形分中に0.5~20質量%であることが好ましい。上記含有量が少ないと使用時に垂れ落ちを生じやすくなる場合や溶解時にざらつき感を生じやすくなる場合がある。
【0043】
<有効成分>
本発明においては、有効成分を含有することが好ましい。本発明における有効成分とは、水溶性の成分であり、皮膚に浸透して美容効果を発揮するものを言う。特に、半固形状油剤は水溶性有効成分を抱水する性質を有するため、有効成分がより皮膚に浸透しやすくなる。使用される有効成分としては、特に限定されることなく、化粧品、医薬品、医薬部外品等に用いられる薬剤や植物抽出物等を目的に応じ使用することができるが、皮膚への浸透性を高める観点から水溶性有効成分が好ましい。例えば、グリチルリチン酸又はその誘導体、アルブチン、胎盤抽出物等の美白剤、ビタミン類、アシタバ、アッケシソウ、アボカド、アマチャ、アルテア、アルニカ、アルガン、アロエ、アンズ、アンズ核、イチョウ、ウイキョウ、ウコン、ウーロン茶、エイジツ、エチナシ、エラスチン、エリンギウム、オウゴン、オウバク、オウレン、オオムギ、オトギリソウ、オドリコソウ、オランダカラシ、オレンジ、海藻、カモミラ、カロット、カワラヨモギ、甘草、カルカデ、カキョク、キウイ、キナ、キューカンバ-、グアノシン、クチナシ、クマザサ、クララ、クルミ、グレープフルーツ、クレマティス、クロレラ、クワ、ゲンチアナ、紅茶、酵母、ゴボウ、コメヌカ発酵、コムギ、コメ胚芽油、コンフリー、コラーゲン、コケモモ、サイシン、サイコ、サイタイ抽出液、サルビア、サボンソウ、ササ、サンザシ、サンショウ、シイタケ、ジオウ、シコン、シソ、シナノキ、シモツケソウ、シャクヤク、ショウブ根、シラカバ、シルク、スギナ、セイヨウキズタ、セイヨウサンザシ、セイヨウニワトコ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、セージ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、ダイズ、タイソウ、タイム、茶、チョウジ、チガヤ、チンピ、トウキ、トウキンセンカ、トウニン、トウヒ、ドクダミ、トマト、納豆、乳酸菌、ニンジン、ニンニク、ノバラ、ハイビスカス、バクモンドウ、パセリ、蜂蜜、ハマメリス、パリエタリア、ヒキオコシ、ビサボロール、ビワ、フキタンポポ、フキノトウ、ブクリョウ、ブッチャーブルーム、ブドウ、プラセンタ、プロポリス、ヘチマ、ベニバナ、ペパーミント、ボダイジュ、ボタン、ホップ、マツ、マロニエ、ミズバショウ、メリッサ、モモ、ヤグルマギク、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ヨクイニン、ヨモギ、ラベンダー、リンゴ、レタス、レモン、レンゲソウ、ローズ、ローズマリー、ローマカミツレ、ローヤルゼリー等の動植物由来成分等が挙げられる。植物由来成分を用いる場合は、その全草、葉(葉身、葉柄等)、果実(成熟、未熟等)、種子、花(花弁、子房等)、茎、根茎、根、塊根等を用いることができる。上記動植物由来成分は使用する原料を乾燥若しくは粉末化したものや、搾汁、水、エタノール、多価アルコールなどの溶媒を用いて常法により抽出したエキスを用いることもできる。搾汁やエキスは使用する形態に応じて溶媒を除去したり、賦形剤等と混合したものを使用することができる。また、動植物由来成分は乳酸菌等を用いて発酵させたものを用いることもできる。
【0044】
本発明においては、前記成分に加え、本発明に係る発泡性皮膚外用剤には用途や目的に応じ、発泡助剤、pH調整剤、油脂、香料、着色剤、酸化防止剤、防菌防かび剤、アルコール、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性剤、無機塩、滑沢剤、溶剤など通常皮膚外用剤に使用される成分を配合することができる。
【0045】
本発明の発泡性皮膚外用剤を保存する方法に特に制限はないが、化粧品、医薬品、医薬部外品等を保存する方法を用いることができ、水分を遮断し接触しない状態で保存されているのが良い。容器の具体例としては、密閉性、内容物の保存安定性、製造コスト等の点で、内面をポリエチレンテレフタレートでラミネートしたアルミスティック、アルミバッグ等の保存容器、チャック付きスタンドパウチ、内面をポリエチレンテレフタレートでラミネートしたアルミフィルム等で蓋をヒートシールしたポリエチレンテレフタレート製の保存容器等が好ましい。
【0046】
本発明に係る発泡性皮膚外用剤は、発生する炭酸ガスの経皮吸収性に優れるものであり、炭酸ガスを皮膚に吸収させることにより血流増加、保湿作用、抗炎症作用などを発揮し、保湿、肌の張りの改善、皮膚のくすみ改善、そばかす改善、肌の引き締め、痩身、発毛、創傷治癒、肌荒れの改善、ピーリングなどを目的とする化粧料や医薬品、医薬部外品として使用することができる。
【実施例
【0047】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
本発明の発泡性皮膚外用剤を得るためのキット、及び比較例の発泡性皮膚外用剤を得るためのキットを製造した。下記表1の組成に基づき、それぞれ各成分を混合し、均一に溶解することにより第1剤、第2剤を調製した。比較例は、油剤を使用しないもの(比較例1)、液状油剤であるスクワランを使用したもの(比較例2)とした。実施例1,2で使用したマカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルの抱水性は300%、ラノリンの抱水性は300%であった。得られた組成物は、第1剤は液状組成物、第2剤は粘性組成物であった。
【0049】
【表1】
【0050】
<経皮吸収促進効果の確認試験>
前記組成によって調製した炭酸ガス発泡性皮膚外用剤を用いて、各種経皮吸収促進剤の炭酸ガスの経皮吸収促進効果について確認試験を行った。前記組成によって調製した発泡性皮膚外用剤用キットの第1剤5gと第2剤10gを容器中にて混合し、パネラーの上腕(4cm×4cm)に全量塗布した。塗布5分後に組成物を除去後、タオルで軽く拭き取った。塗布前と塗布後の肌の色差(a値)をCR-400色差計(コニカミノルタ社製)にて測定した。経皮吸収促進剤を配合していない比較例1の塗布前後の色差(a値:赤み)の変化率を1とし、各組成物における使用前後の色差の変化率を算出した。変化率を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
表2より、実施例1,2を用いた場合の赤みの変化値は比較例1と比べて大きく、炭酸ガスの経皮吸収効果が知られているスクワラン(液状油)よりも優れたものであった。以上より、本発明に係る経皮吸収促進剤は炭酸ガスの肌への吸収を促進する効果に優れており、特に抱水性油剤を用いることにより、液状油剤と比較して顕著な効果を示すことが分かった。
【0053】
実施例3
【0054】
【表3】
【0055】
上記組成に従い、各成分を混合することで粉末状の発泡性皮膚外用剤を調製した。本発泡性皮膚外用剤20gを水20gと混合して使用したところ、優れた発泡性を示し、炭酸ガスの皮膚への吸収性も優れていた。
【0056】
実施例4
【0057】
【表4】
【0058】
上記組成に従い、各成分を混合することで粉末状の発泡性皮膚外用剤を調製した。ラノリン脂肪酸コレステリルの抱水性は230%であった。本発泡性皮膚外用剤25gを水15gと混合して使用したところ、優れた発泡性を示し、炭酸ガスの皮膚への吸収も優れていた。
【0059】
実施例5
【0060】
【表5】
【0061】
上記組成に従い、各成分を混合することで粉末状の発泡性皮膚外用剤を調製した。本発泡性皮膚外用剤15gを水30gと混合して使用したところ、優れた発泡性を示し、炭酸ガスの皮膚への吸収も優れていた。
【0062】
実施例6
【0063】
【表6】
【0064】
上記組成に従い、それぞれ各成分を混合し、均一に溶解することにより第1剤、第2剤を調製した。得られた組成物は、第1剤は液状組成物、第2剤は粘性組成物であった。ヒドロキシステアリン酸コレステリルの抱水性は330%であった。第1剤20gと第2剤20gと混合して使用したところ、優れた発泡性を示し、炭酸ガスの皮膚への吸収も優れていた。
【0065】
実施例7
【0066】
【表7】
【0067】
上記組成に従い、それぞれ各成分を混合し、均一に溶解することにより第1剤、第2剤を調製した。得られた組成物は、第1剤は液状組成物、第2剤は粘性組成物であった。第1剤15gと第2剤20gと混合して使用したところ、優れた発泡性を示し、炭酸ガスの皮膚への吸収も優れていた。
【0068】
実施例8
【0069】
【表8】
【0070】
上記組成に従い、それぞれ各成分を混合し、均一に溶解することにより第1剤、第2剤を調製した。得られた組成物は、第1剤は粘性組成物、第2剤は液状組成物であった。第1剤20gと第2剤10gと混合して使用したところ、優れた発泡性を示し、炭酸ガスの皮膚への吸収も優れていた。
【0071】
実施例9
【0072】
【表9】
【0073】
上記組成に従い、それぞれ各成分を混合し、均一に溶解することにより第1剤、第2剤を調製した。得られた組成物は、第1剤は液状組成物、第2剤は粘性組成物であった。第1剤10gと第2剤20gと混合して使用したところ、優れた発泡性を示し、炭酸ガスの皮膚への吸収も優れていた。
【0074】
実施例10
【0075】
【表10】
【0076】
上記組成に従い、第1剤、第2剤を調製した。第1剤は各成分を混合することで粉末状の組成物を得た。第2剤は各成分を混合し、均一に溶解することにより粘性組成物を得た。第1剤8gと第2剤24gと混合して使用したところ、優れた発泡性を示し、炭酸ガスの皮膚への吸収も優れていた。
【0077】
上記検討から明らかなように、本発明によれば優れた発泡性を有し炭酸ガスの皮膚への透過性を高めたことを特徴とする発泡性皮膚外用剤を提供することができる。特に、酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生物質及び炭酸ガスの経皮吸収促進剤を含有することを特徴とする発泡性皮膚外用剤において、経皮吸収促進剤として固形状及び/又は半固形状油剤を配合したことにより、炭酸ガスの皮膚への吸収を促進する効果に優れる発泡性皮膚外用剤を提供することができる。