(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】厚紙容器用梱包装置
(51)【国際特許分類】
B65B 35/56 20060101AFI20231002BHJP
B65B 5/10 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
B65B35/56
B65B5/10
(21)【出願番号】P 2019148205
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小関 善史
(72)【発明者】
【氏名】豊田 崇
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-099504(JP,U)
【文献】特開平07-069303(JP,A)
【文献】特開2003-026120(JP,A)
【文献】特公昭51-043426(JP,B1)
【文献】実開昭60-101419(JP,U)
【文献】実開昭58-143304(JP,U)
【文献】特開2010-247869(JP,A)
【文献】実開昭57-107706(JP,U)
【文献】特開平07-069434(JP,A)
【文献】国際公開第2013/117310(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/00
B65B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏一対の矩形形状の厚紙の3辺部が折り返し部を介して接続されていることにより、表裏一対の前記厚紙の間の部分に収容部が形成され、残りの一辺部を離間して開口させた収容口から収容物を前記収容部に収容できるようにした厚紙容器に、内容物を収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋を前記収容物として、該収納袋を、長辺部を上下に配置して所定数並べた状態で収容して梱包するための厚紙容器用梱包装置であって、
前記収納袋を、長辺部を上下に配置して並べた状態で、並べた方向に送り出す収納袋送り出しラインと、
各々の前記厚紙容器に収容される所定数毎の収納袋を載置させる、仕切り部によって複数の区画に仕切られた仕切り部材を、前記収納袋送り出しラインによる送り出し方向に沿った方向に、送り出し方向と垂直又は略垂直に前記仕切り部を配置して送り出す仕切り部材送り出しラインと、
前記厚紙容器を、前記収納袋送り出しラインによる送り出し方向に沿った方向に、前記収容口が形成される残りの一辺部を送り出し方向に配置して送り出す厚紙容器送り出しラインとを含んで構成されており、
前記収納袋送り出しラインと前記仕切り部材送り出しラインとの間に介在して、集積押出し装置が設けられており、
該集積押出し装置は、前記収納袋送り出しラインによって送り出されてくる、各々の前記厚紙容器に収容される所定数の収納袋を取り込んで、前記仕切り部材の送り出し方向の長さに納まるように集積した状態で、前記仕切り部材の上に押し出して載置させるようになっており、
且つ該集積押出し装置は、各々の前記厚紙容器に収容される所定数毎にまとめて取り込まれた前記収納袋のうちの、両側のサイド部分に配置される収納袋が、内側に傾いて斜めに配置されるように誘導する傾き誘導手段を備えており、
前記仕切り部材送り出しラインと前記厚紙容器送り出しラインとの間に介在して、押込み収容装置が設けられていると共に、前記厚紙容器送り出しラインに、前記押込み収容装置に近接させて収容口開口手段が設けられており、
該収容口開口手段によって開口された前記収容口に向けて、前記仕切り部材の上に載置された所定数の前記収納袋を、前記押込み収容装置によって前記仕切り部材と共に押し込んで、前記厚紙容器の前記収容部に収容する厚紙容器用梱包装置。
【請求項2】
前記収納袋を送り出し方向に複数並べた状態で前記収納袋送り出しラインに供給する、収納袋供給ロボットが設けられており、前記収納袋には、内容物として粉粒物が収納されており、前記収納袋供給ロボットは、前記収納袋を加振して内部に収納された粉粒物を分散させる加振機構を備えている請求項1記載の厚紙容器用梱包装置。
【請求項3】
前記集積押出し装置は、各々の前記厚紙容器に収容される所定数毎にまとめて取り込まれた前記収納袋を上方からプレスして、両側のサイド部分に配置される収容袋が、内側に傾いて斜めに配置された状態で前記仕切り部材の上に載置されるように強制する傾き強制手段を備えている
請求項1又は2記載の厚紙容器用梱包装置。
【請求項4】
前記押込み収容装置は、前記仕切り部材と当接する仕切り押込み部と、集積された所定数の前記収納袋と当接する収納袋押し込み部とを備えるプッシャーを含んで構成されている
請求項1~3のいずれか1項記載の厚紙容器用梱包装置。
【請求項5】
前記押込み収容装置のプッシャーによって集積された所定数の前記収納袋が前記収容口に挿入される際に、両側のサイド部分に配置される収容袋が、内側に傾いて斜めに配置された状態となるように案内する傾きガイド手段を備えている
請求項1~4のいずれか1項記載の厚紙容器用梱包装置。
【請求項6】
前記傾きガイド手段は、上部ガイド部と、側部ガイド部とを備えている
請求項5記載の厚紙容器用梱包装置。
【請求項7】
前記傾きガイド手段の前記上部ガイド部は、前記収容口開口手段の昇降架台部に支持されて設けられている
請求項6記載の厚紙容器用梱包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚紙容器用梱包装置に関し、特に、例えばメール便用厚紙容器等の厚紙容器に、内容物を包装した縦長矩形形状の好ましくはスティック状の扁平な収納袋を、所定数並べた状態で梱包するための厚紙容器用梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば粉粒状の食品や医薬品等を収容するための包装物品として、縦長矩形形状の扁平な収納袋が多用されている。このような縦長矩形形状の扁平な収納袋は、一般に直方体形状の箱に所定数の当該収納袋が並べて箱詰めされた状態で市販されている。このため、一定数量毎に縦長矩形形状の扁平な収納袋を重積した集積体を、効率良く箱詰めできるようにした分包多段重積機も開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1によれば、分包製造機と分包集積機とを結ぶコンベア上に、一定間隔でスティック状の分包を1個ずつ収容して配列するための多数の横溝が、移送方向に対して直角に形成されていて、分包を横溝に収容した状態で分包集積機に移送することや、互いに略平行に配列された一定数のガイドレーンがコンベアに沿って設けられ、これらのガイドレーンは、その一端部分がコンベア上の横溝と等しい間隔で配置されると共に、コンベアの移送方向に対して直角(従って、コンベア上のスティック状分包の長手方向と平行)に配置されることや、これら多数のガイドレーンはそれぞれの先端(出口端)側が下方に傾斜し且つ互いの間隔が狭められて、箱詰めされるべき箱状容器の開口部に連通するように配置されることや、コンベアの反対側には、コンベアによって移送された所定数の分包を横溝からガイドレーンに押し出すためのプッシャーが設けられていることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2によれば、多段重積機は、多段の可動載置棚を有する棚昇降装置と、分包集積機からの分包集積体を可動載置棚に順次押し入れる装入用押進手段と、2段以上に重積した分包集積体を受容するための搬出容器と、上下2段以上の載置棚上に載置した分包集積体を該搬出容器に一括して押し出す搬出用押進手段とを有していることが記載されている。
【0005】
特許文献1の分包集積装置では、分包集積機を使用する際に、コンベアによって並べて運ばれた所定数の分包は、ガイドレーンと対応する位置で、プッシャーによりガイドレーン側に押し出されて、ガイドレーンを滑り通って箱状容器の内部に収容されることで箱詰めされ、所定数の分包が箱詰めされた箱状容器は、別のコンベア上に押し出されて下流側に移動すると共に、次の空の箱状容器が別のコンベア上を上流側から移動して、ガイドレーンの先端部分に配置されるようになっている。
【0006】
さらに、従来の技術として、所定数の搬送物を並べた状態で搬送できるようにする集積コンベアが知られている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3の集積コンベアでは、搬送ベルトの搬送面に、複数の隔壁を立設してなる集積部を備えており、搬送方向に沿って供給コンベヤの下流から供給される所定数の搬送物を、順次隔壁の間に収容して、集積した状態で搬送できるようになっている。また、特許文献3の集積コンベアは、個別の駆動源によって独立して無端状に回転する、平行に並べて配置された一対の搬送ベルトからなり、一方の搬送ベルトに取り付けられた複数の隔壁による集積部に、供給コンベヤから供給される所定数の搬送物を収容するのと並行して、他方の搬送ベルトに取り付けられた複数の隔壁による集積部に収容された所定数の搬送物を、集積台への移送位置まで速やかに移動させて、プッシャーにより集積台へ送り出すことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実開昭62-99504号公報
【文献】特開2005-306454号公報
【文献】特開2015-9917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、近年、インターネット等の発達に伴って、需要者は、例えば通信販売により日用品等を購入することを好むようになっており、例えば粉粒状の食品や医薬品等の商品についても、縦長矩形形状の扁平な収納袋に収納された例えばスティック状の収納袋として、通信販売によりこれらの商品を購入する機会が多くなっている。また例えば粉粒状の食品や医薬品等が縦長矩形形状の扁平な収納袋に収納された商品は、表裏一対の矩形形状の厚紙の3辺部が折り返し部を介して接続されていることにより、表裏一対の厚紙の間の部分に収容部が形成され、残りの一辺部を離間して開口させた収容口から収容物を収容部に収容できるようにした、例えばメール便用厚紙容器等の厚紙容器に、所定数並べた状態で収容して、メール便や宅配便等によって、販売業者から需要者に配送されようにすることが好ましい。
【0009】
このようなことから、例えば販売業者において、作業員の手作業によることなく、メール便用厚紙容器等の厚紙容器に、内容物を収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋を、所定数並べた状態で効率良く収容して、梱包できるようにする装置の開発が望まれている。また、上述の特許文献1や特許文献2に記載された、一定数量毎にスティック状の収納袋を重積した収納袋集積体を、効率良く箱詰めできるようにする技術では、相当の大きさの開口幅を備える矩形形状の収容口から、六面体形状の箱体に一定数量のスティック状の収納袋を収容する際には有効に用いることができるが、表裏一対の矩形形状の厚紙の3辺部が折り返し部を介して接続されていることにより、表裏一対の厚紙の間の部分に収容部が形成され、残りの一辺部を離間して開口させた収容口から収容物を収容部に収容できるようにした厚紙容器に、内容物を収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋を、長辺部を上下に配置して所定数並べた状態で収容して梱包する際に使用するには、矩形形状の厚紙の残りの一辺部を離間して開口させた収容口の開口幅が、特に収容口の両端部分で狭くなることから、扁平な収納袋を所定数並べた状態で、表裏一対の厚紙の間の収容部にスムーズに押し込むことが困難になる。
【0010】
本発明は、表裏一対の矩形形状の厚紙の3辺部が折り返し部を介して接続されていることにより、表裏一対の厚紙の間の部分に収容部が形成され、残りの一辺部を離間して開口させた収容口から収容物を収容部に収容できるようにした厚紙容器に、内容物を収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋を、長辺部を上下に配置して所定数並べた状態で、表裏一対の厚紙の間の収容部にスムーズに押し込むことを可能にして、所定数の縦長矩形形状の扁平な収納袋を、並べた状態で厚紙容器に効率良く梱包することのできる厚紙容器用梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、表裏一対の矩形形状の厚紙の3辺部が折り返し部を介して接続されていることにより、表裏一対の前記厚紙の間の部分に収容部が形成され、残りの一辺部を離間して開口させた収容口から収容物を前記収容部に収容できるようにした厚紙容器に、内容物を収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋を前記収容物として、該収納袋を、長辺部を上下に配置して所定数並べた状態で収容して梱包するための厚紙容器用梱包装置であって、前記収納袋を、長辺部を上下に配置して並べた状態で、並べた方向に送り出す収納袋送り出しラインと、各々の前記厚紙容器に収容される所定数毎の収納袋を載置させる、仕切り部によって複数の区画に仕切られた仕切り部材を、前記収納袋送り出しラインによる送り出し方向に沿った方向に、送り出し方向と垂直又は略垂直に前記仕切り部を配置して送り出す仕切り部材送り出しラインと、前記厚紙容器を、前記収納袋送り出しラインによる送り出し方向に沿った方向に、前記収容口が形成される残りの一辺部を送り出し方向に配置して送り出す厚紙容器送り出しラインとを含んで構成されており、前記収納袋送り出しラインと前記仕切り部材送り出しラインとの間に介在して、集積押出し装置が設けられており、該集積押出し装置は、前記収納袋送り出しラインによって送り出されてくる、各々の前記厚紙容器に収容される所定数の収納袋を取り込んで、前記仕切り部材の送り出し方向の長さに納まるように集積した状態で、前記仕切り部材の上に押し出して載置させるようになっており、前記仕切り部材送り出しラインと前記厚紙容器送り出しラインとの間に介在して、押込み収容装置が設けられていると共に、前記厚紙容器送り出しラインに、前記押込み収容装置に近接させて収容口開口手段が設けられており、該収容口開口手段によって開口された前記収容口に向けて、前記仕切り部材の上に載置された所定数の前記収納袋を、前記押込み収容装置によって前記仕切り部材と共に押し込んで、前記厚紙容器の前記収容部に収容する厚紙容器用梱包装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0012】
本発明の厚紙容器用梱包装置は、前記収納袋を複数並べた状態で前記収納袋送り出しラインに供給する、収納袋供給ロボットが設けられており、前記収納袋には、内容物として粉粒物が収納されており、前記収納袋供給ロボットは、前記収納袋を加振して内部に収納された粉粒物を分散させる加振機構を備えていることが好ましい。
【0013】
本発明の厚紙容器用梱包装置は、前記集積押出し装置が、各々の前記厚紙容器に収容される所定数毎にまとめて取り込まれた前記収納袋のうちの、両側のサイド部分に配置される収納袋が、内側に傾いて斜めに配置されるように誘導する傾き誘導手段を備えていることが好ましい。
【0014】
本発明の厚紙容器用梱包装置は、前記集積押出し装置が、各々の前記厚紙容器に収容される所定数毎にまとめて取り込まれた前記収納袋を上方からプレスして、両側のサイド部分に配置される収容袋が、内側に傾いて斜めに配置された状態で前記仕切り部材の上に載置されるように強制する傾き強制手段を備えていることが好ましい。
【0015】
本発明の厚紙容器用梱包装置は、前記押込み収容装置が、前記仕切り部材と当接する仕切り押込み部と、集積された所定数の前記収納袋と当接する収納袋押し込み部とを備えるプッシャーを含んで構成されていることが好ましい。
【0016】
本発明の厚紙容器用梱包装置は、前記押込み収容装置のプッシャーによって集積された所定数の前記収納袋が前記収容口に挿入される際に、両側のサイド部分に配置される収容袋が、内側に傾いて斜めに配置された状態となるように案内する傾きガイド手段を備えていることが好ましい。
【0017】
本発明の厚紙容器用梱包装置は、前記傾きガイド手段が、上部ガイド部と、側部ガイド部とを備えていることが好ましい。
【0018】
本発明の厚紙容器用梱包装置は、前記傾きガイド手段の前記上部ガイド部が、前記収容口開口手段の昇降架台部に支持されて設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の厚紙容器用梱包装置によれば、表裏一対の矩形形状の厚紙の3辺部が折り返し部を介して接続されていることにより、表裏一対の厚紙の間の部分に収容部が形成され、残りの一辺部を離間して開口させた収容口から収容物を収容部に収容できるようにした厚紙容器に、内容物を収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋を、長辺部を上下に配置して所定数並べた状態で、表裏一対の厚紙の間の収容部にスムーズに押し込むことを可能にして、所定数の縦長矩形形状の扁平な収納袋を、並べた状態で厚紙容器に効率良く梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい一実施形態に係る厚紙容器用梱包装置の全体構成を説明する略示平面図である。
【
図2】
図2(a)は、収納袋供給ロボットによって、収納袋を複数並べた状態で収納袋送り出しラインに供給し、集積押出し部に向けて送り出す状況を説明する略示斜視図、
図2(b)は、収納袋供給ロボットの加振機構によって内部に収納された粉粒物が分散される収納袋の説明図である。
【
図3】
図3は、集積押出し装置のスライド盤部の構成を説明する斜視図である。
【
図4】
図4は、集積押出し装置の構成を説明する平面図である。
【
図5】
図5は、集積押出し装置によって、所定数の収納袋による集積体をスライド盤部上で移動させる状況を説明する略示斜視図である。
【
図6】
図6は、集積押出し装置に設けられた傾き誘導手段を説明する略示断面図である。
【
図7】
図7は、集積押出し装置に設けられた傾き強制手段を説明する略示断面図である。
【
図8】
図8(a)~(e)は、収容口開口手段及び押込み収容装置を用いて、仕切り部材送り出しラインにより送り出された所定数の収納袋が載置された仕切り部材を、厚紙容器送り出しライン上の厚紙容器に、所定数の収納袋と共に押し込む状況を説明する略示斜視図である。
【
図9】
図9(a)は、厚紙容器であるメール便用厚紙容器の、フラップ片を開放した状態の上面図、
図9(b)は、フラップ片を閉塞した状態の上面図である。
【
図10】
図10(a)は、仕切り部材の上面図、
図10(b)は仕切り部材の側面図、
図10(c)は
図10(a)のD-Dに沿った断面図、
図10(d)は、仕切り部材を形成するための板状シート材の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係る厚紙容器用梱包装置10は、例えば粉粒状のサプリメントを収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋50であるスティック状の収納袋(
図2(b)参照)を収容物として、これらの収納袋50を、長辺部50aを上下に配置して所定数並べた状態で、
図9(a)、(b)に示すような、表裏一対の矩形形状の厚紙51a,51bの3辺部が折り返し部51cを介して接続されていることにより、表裏一対の厚紙51a,51bの間の部分に収容部51dが形成され、残りの一辺部を離間して開口させた収容口51eから収納袋50を収容部51dに収容できるようにした厚紙容器51として、例えばメール便用の厚紙容器51に、効率良く収容して梱包できるようにするための装置として採用されたものである。
【0022】
すなわち、本実施形態では、例えばメール便用の厚紙容器51は、表裏一対の矩形形状の厚紙51a,51bの3辺部が、好ましくは線状の折り返し部51cを介して接続されていることにより、接続されていない残りの一辺部を離間して開口させた収容口51eは、特に両側の端部分において上下の開口幅が狭くなることで、長辺部50aを上下に配置して並べられた所定数の収納袋50のうち、特に両端部分の収納袋50が、収容口51eの開口縁部に引っ掛かり易くなって、所定数の収納袋50を整然と並べた状態で効率良く厚紙容器51に収容して梱包することは困難であったことから、本実施形態の厚紙容器用梱包装置10を用いることによって、このようなメール便用の厚紙容器51に、所定数の収納袋50を、長辺部50aを上下に配置して並べた状態で、効率良く収容して梱包することができるようにしている。
【0023】
そして、本実施形態の厚紙容器用梱包装置10は、表裏一対の矩形形状の厚紙51a,51bの3辺部が折り返し部51cを介して接続されていることにより、表裏一対の厚紙51a,51bの間の部分に収容部51dが形成され、残りの一辺部を離間して開口させた収容口51eから収容物を収容部51dに収容できるようにした厚紙容器51(
図9(a)、(b)参照)に、収納物を収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋50(
図2参照)を収容物として、これらの収納袋50を、長辺部50aを上下に配置して所定数並べた状態で収容して梱包するための梱包装置であって、
図1に示すように、収納袋50を、長辺部50aを上下に配置して並べた状態で、並べた方向に送り出す収納袋送り出しライン11と、各々の厚紙容器51に収容される所定数毎の収納袋50を載置させる、仕切り部52aによって複数の区画に仕切られた仕切り部材52(
図10(a)~(c)参照)を、収納袋送り出しライン11による送り出し方向Xに沿った方向に、送り出し方向Xと垂直又は略垂直に仕切り部52d,52eを配置して送り出す仕切り部材送り出しライン12と、厚紙容器51を、収納袋送り出しライン11による送り出し方向Xに沿った方向に、収容口51eが形成される残りの一辺部を送り出し方向Xに沿わせて配置して送り出す厚紙容器送り出しライン13とを含んで構成されている。
【0024】
また、収納袋送り出しライン11と仕切り部材送り出しライン12との間に介在して、集積押出し部Aに集積押出し装置20が設けられており、この集積押出し装置20は、
図2~
図5にも示すように、収納袋送り出しライン11によって送り出されてくる、各々の厚紙容器51に収容される所定数の収納袋50を取り込んで、仕切り部材52の送り出し方向Xの長さに納まるように集積した状態で、仕切り部材52の上に押し出して載置させるようになっている。
【0025】
さらに、仕切り部材送り出しライン12と厚紙容器送り出しライン13との間に介在して、押込み部Bに、
図8(c)~(e)に示すような押込み収容装置30が設けられていると共に、厚紙容器送り出しライン13には、押込み収容装置30に近接させて、
図8(a)~(e)に示すように、収容口開口手段36が押込み部Bに設けられている。この収容口開口手段36によって開口された収容口51eに向けて、仕切り部材52の上に載置された所定数の収納袋50を、押込み収容装置30によって仕切り部材52と共に押し込んで、厚紙容器51の収容部51dに収容するようになっている。
【0026】
さらにまた、本実施形態では、
図2(a)に示すように、収納袋送り出しライン11の上流側のロボット配置部C(
図1参照)に、収納袋50を送り出し方向Xに複数並べた状態で収納袋送り出しライン11に供給する、公知の収納袋供給ロボット40が設けられている。収納袋供給ロボット40は、内容物として粉粒物である例えば粉粒状のサプリメントが収納された収納袋50を加振して、内部に収納された粉粒物に粉偏りが生じないように分散させる(
図2(b)参照)、加振機構を備えている。
【0027】
本実施形態では、収容物である収納袋50を所定数並べた状態で収容する厚紙容器51は、メール便用の厚紙容器となっている。メール便用の厚紙容器51は、
図9(a)に示すように、表裏一対の矩形形状の厚紙51a,51bの3辺部が線状の折り返し部51cを介して接続されている。これによって厚紙容器51は、平坦に折り畳まれた状態から、残りの一辺部を離間することで収容口51eとして開口させて、開口した収容口51eを介して、表裏一対の矩形形状の厚紙51a,51bの間の部分の収容部51dに、収容物である所定数の収納袋50を、集積した状態で一体として収容できるようになっている。
【0028】
すなわち、メール便用の厚紙容器51は、所定の形状に裁断された例えば0.33mm程度の厚さの厚紙からなる一枚の板状シート材を、線状の折り返し部51cとなる折癖線に沿って折り返すと共に、接合代51fを、上面側の厚紙51aに重ねて接合することによって形成されている。また、本実施形態では、表裏一対の矩形形状の厚紙51a,51bの一方として、下面側の厚紙51bには、接続されていない残りの一辺部と連続して、収容部51dに所定数の収納袋50を収容した後に収容口51eを閉塞するための(
図9(b)参照)、フラップ片51gが設けられている。表裏一対の厚紙51a,51bの他方として、上面側の厚紙51aには、接続されていない残りの一辺部を凹状に切り欠いて形成された、収容口51eを拡幅させる切欠き凹部51hが形成されている。厚紙容器51は、
図1に示すように、好ましくは厚紙容器送り出しライン13の上流側に設けられた製函ラインの排出コンベア15aを介して送り出された後に、厚紙容器供給プッシャー15bによって押し出されることにより、収容口51eが形成される残りの一辺部を送り出し方向Xに沿わせて配置した状態で、厚紙容器送り出しライン13に、所定の間隔をおいて間欠的に連続して供給されることになる。
【0029】
メール便用の厚紙容器51に収容される収容物である収納袋50は、上述のように、例えば粉粒状のサプリメントを収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋となっている(
図2(b)参照)。収納袋50は、例えば合成樹脂製のフィルム材料を用いて形成されている。収納袋50は、例えば所定の矩形形状に裁断されたフィルム材料を、縦長の筒形状となるようにシール接合すると共に、縦長の一方の端部を平坦にシール接合して、内部に所定量の粉粒物を収納した後に、他方の端部を平坦にシール接合することによって、例えば縦長方向の長さが50~200mm程度、横幅が5~30mm程度の大きさの、収納物を封入した縦長矩形形状の扁平なスティック状の収納袋として形成することができる。収納袋50は、好ましくは収納袋送り出しライン11の上流側のロボット配置部C(
図1参照)に設けられた、後述する公知の収納袋供給ロボット40によって、収納袋搬送コンベア44から収納袋送り出しライン11に供給されるようになっている。
【0030】
所定数の収納袋50を載置させて、これらの収納袋50と共に厚紙容器51の収容部51dに収容される仕切り部材52は、
図10(a)~(d)に示すように、好ましくは厚紙からなる一枚の矩形形状に裁断された板状シート材52a(
図10(d)参照)を用いて形成されるようになっている。仕切り部材52には、矩形形状の長辺方向の両側の端部及びこれらの中間部分に、短辺方向と平行又は略平行な谷折れ線52b及び山折れ線52cを介して板状シート材52aが折り曲げられることにより形成された、三角形状の断面形状を備える立設仕切り部52d,52eが、板状シート材52aの一方の表面から立設して設けられている(
図10(a)~(c)参照)。立設仕切り部52d,52eは、メール便用の厚紙容器51の残りの一辺部を離間して開口させた収容口51eの、開口幅を超えない高さとなるように形成されている。
【0031】
すなわち、仕切り部材52は、例えば0.1~2mm程度の厚さの厚紙からなる一枚の矩形形状に裁断された板状シート材52a(
図10(d)参照)を用いて形成される。仕切り部材52は、好ましくは仕切り部材送り出しライン12の上流側に設けられた、シートプレス装置45(
図1参照)によって、シートホッパー46から供給される板状シート材52aをプレス加工することにより、
図10(a)~(c)に示すように、矩形形状の長辺方向の両側の端部及びこれらの中間部分に三角形状の断面形状を備える立設仕切り部52d,52eを立設させた、例えば横幅が100~500mm程度、縦幅が100~500mm程度の大きさの、2箇所の角部が斜めに面取りされた、横長の矩形状の平面形状を備えるように形成される。
【0032】
また、本実施形態では、仕切り部材52は、両側の端部の一対の端部立設仕切り部52d、及びこれらの中間部分の2箇所の中間部立設仕切り部52eによって、例えば3箇所の区画52fに仕切られており、各々の区画52fに、複数の収納袋50が、長辺部50aを上下に配置して並べた状態で載置されるようになっている(
図7参照)。端部立設仕切り部52d及び中間部立設仕切り部52eは、メール便用の厚紙容器51の残りの一辺部を離間して開口させた収容口51eの開口幅を超えない高さとして、例えば12mm程度の高さを有する、好ましくは二等辺三角形状の断面形状備えるように形成されている。特に、中間部立設仕切り部52eが、三角形の断面形状備えるように形成されていることで、中央部を挟んだ両側の区画52fに載置される収納袋50を、長辺部50aを上下に配置すると共に上部を中央部側に傾けた状態で、仕切り部材52に所定数の収納袋50を並べて載置させ易くすることが可能になる(
図10(c)参照)。
【0033】
仕切り部材52を形成する板状シート材52aには、好ましくは谷折れ線52b及び山折れ線52cのラインに沿って、ミシン目52g(
図10(d)参照)が設けられている。これによって、シートプレス装置45(
図1参照)により板状シート材52aをプレス加工して立設仕切り部52d,52eを形成する際の、作業性を向上させることが可能になる。シートプレス装置45によりプレス加工して得られた仕切り部材52は、例えばシート吸着部を備える吸着搬送装置(図示せず)を介して、持ち上げた状態で仕切り部材送り出しライン12の上方に搬送され、仕切り部52d,52eを送り出し方向Xと垂直又は略垂直に配置した状態で、仕切り部材送り出しライン12の上に順次敷設されることになる。
【0034】
本実施形態では、さらに、横長の矩形状の平面形状を備える仕切り部材52における、厚紙容器51の収容部51dへの挿入方向Yの先端側に位置する一方の長辺部の、端部立設仕切り部52dが形成された両側の端部角部分は、好ましくは端部立設仕切り部52dの部分で斜めに切り欠かれることにより面取りされた、テーパー状部分52hとなっている。仕切り部材52を形成する横長の矩形形状に裁断された板状シート材52aは、一方の長辺部の両側の角部分が斜めに切り取られた略矩形形状となるように形成されており(
図10(d)参照)、これによってシートプレス装置45により板状シート材52aをプレス加工して得られた仕切り部材52は、厚紙容器51の収容部51dへの挿入方向Yの先端側に位置する一方の長辺部の、端部立設仕切り部52dが形成された両側の端部角部分が、好ましくは斜めに切り欠かれて面取りされた、テーパー状部分52hとなっている。
【0035】
仕切り部材52における、厚紙容器51の収容部51dへの挿入方向Yの先端側に位置する両側の端部角部分が、斜めに面取りされたテーパー状部分52hとなっていることにより、仕切り部材52及び収納袋50を押し込んで厚紙容器51の収容部51dに収容する際に、仕切り部材52が、厚紙容器51の収容口51eの両端部分の開口縁部に衝突するのを、効果的に回避することが可能になる。
【0036】
そして、本実施形態では、収納袋50は、収納袋送り出しライン11の上流側のロボット配置部Cに設けられた公知の収納袋供給ロボット40によって、収納袋送り出しライン11に供給されるようになっている。すなわち、収納袋供給ロボット40は、
図2(a)に示すように、支持ロッド41に支持されて90°回転可能に設けられた縦長の把持プレート42を備えており、90°回転可能に設けられた把持プレート42の下面側には、平坦に寝かせた状態の収納袋50を各々着脱可能に把持する把持クリップ43が、把持プレート42の縦長方向に間隔をおいて複数設けられている。
【0037】
収納袋供給ロボット40の把持プレート42は、収納袋搬送コンベア44の搬送溝44bに平坦に寝かせた状態で搬送されてきた、搬送方向X’に縦長方向を沿わせると共、縦長方向と垂直な方向に間隔をおいて並べて配置された複数の収納袋50を、受渡しケース部44aにおいて、複数の把持クリップ43により各々把持して持ち上げることができるようになっている。収納袋供給ロボット40の把持プレート42は、受渡しケース部44aにおいて平坦に寝かせた状態の複数の収納袋50を各々把持して持ち上げた状態から、90°回転するように制御されることで、収納袋送り出しライン11の上流側部分を構成する横寝しコンベア部11aに、縦長方向を収納袋送り出しライン11による送り出し方向Xと垂直な方向に沿わせると共に、送り出し方向Xに並べて配置した状態で、把持した複数の収納袋50を、平坦に寝かせた状態のまま並べて供給できるようになっている。
【0038】
また、本実施形態では、収納袋供給ロボット40は、好ましくは把持プレート42が、当該把持プレート42を加振させることが可能な加振機構(図示せず。)を備えている。把持プレート42は、収納袋搬送コンベア44の下流側端部に配置された受渡しケース部44aから平坦に寝かせた状態の複数の収納袋50を持ち上げて、収納袋送り出しライン11に供給するまでの間に、加振機構によって把持した複数の収納袋50を加振するよう制御されるようになっている。これによって、
図2(b)に示すように、内部に収納された粉粒物である粉粒状のサプリメントを分散させて、粉偏りのない均一な状態で粉粒物が収納された収納袋50を、収納袋送り出しライン11の横寝しコンベア部11aに、平坦に寝かせた状態のまま並べて供給することが可能になる。またこれによって、所定数の収納袋50を、より安定した集積状態で、後述する集積押出し装置20によって、仕切り部材52の上に押し出して載置させたり、後述する押込み収容装置30によって、仕切り部材52と共に厚紙容器51の収容部51dに押し込んで、厚紙容器51に収容したりできるようになっている。
【0039】
収納袋供給ロボット40の把持プレート42によって、収納袋送り出しライン11の上流側部分を構成する横寝しコンベア部11aに並べて供給された収納袋50は、
図2(a)に示すように、無端状に回転駆動される当該横寝しコンベア部11aによる送り出し方向Xの下流側の端部に連設して設けられた、例えば特開2015-9917号公報に記載の公知の集積コンベアと同様の構成を備える横起しコンベア部11bに、受け渡されるようになっている。すなわち、横寝しコンベア部11aと共に袋送り出しライン11を構成する横起しコンベア部11bは、公知の集積コンベアと同様に、搬送ベルト11cの搬送面に、複数の隔壁11dを立設してなる集積部11eを備えており、上流側の横寝しコンベア部11aから送り込まれる平坦に寝かせた状態のまま並べられた複数の収納袋50の各々を、集積部11eを形成する各隣接する隔壁11dの間に順次挟み込むようにして、長辺部50aを上下に配置した横起し状態で、所定数、集積部11eに集積して収容できるようになっている。また、横起しコンベア部11bは、公知の集積コンベアと同様に、個別の駆動源によって独立して無端状に回転する、平行に並べて配置された一対の搬送ベルト11cを備えており、一方の搬送ベルト11cに取り付けられた複数の隔壁11dによる集積部11eに、横寝しコンベア部11aから供給される所定数の収納袋50を収容するのと並行して、他方の搬送ベルト11cに取り付けられた複数の隔壁11dによる集積部11eに収容された所定数の収納袋50を、集積押出し装置20の位置まで速やかに移動させ、プッシャーである押し出し枠部材22により押し出して、集積押出し装置20のスライド盤部21に取り込ませることができるようになっている(
図3、
図4参照)。
【0040】
本実施形態では、収納袋送り出しライン11と仕切り部材送り出しライン12との間に介在して、集積押出し部Aに設けられた集積押出し装置20は、例えば実開昭62-99504号公報に記載の収納袋集積装置の、押出手段、整列シュート、及びガイド部と同様の基本構成を備える装置となっている。集積押出し装置20は、
図4に示すように、収納袋送り出しライン11に沿って送り出された集積部11eから、所定数の収納袋50を取り込んで、仕切り部材送り出しライン12に沿って集積押出し装置20の位置まで送り出されてきた仕切り部材52に、取り込んだ所定数の収納袋50を、仕切り部材52の送り出し方向Xの長さに納まるように集積した状態で、仕切り部材52の上に押し出して載置させる機構を備えている。
【0041】
すなわち、集積押出し装置20は、収納袋送り出しライン11の横起しコンベア部11bの集積部11eから取り込んだ所定数の収納袋50を仕切り部材52に向けて順次スライド移動させる、従来の集積装置の整列シュート及びガイド部に相当するスライド盤部21と、スライド盤部21の上方に配置されて、収納袋送り出しライン11と仕切り部材送り出しライン12との間で送り出し方向Xと垂直な方向Zに進退可能な、従来の集積装置の押出手段に相当する押出し枠部材22とを含んで構成されている。なお、このような集積押出し装置20としては、より具体的には、例えば特開2003-95421号公報に記載の搬送装置を、収納袋50の形状や大きさに合わせて適宜改良を施して用いることができる。
【0042】
本実施形態では、スライド盤部21は、
図3~
図5に示すように、収納袋送り出しライン11側から仕切り部材送り出しライン12側に向けて送り出し方向Xの幅を狭めた、略等脚台形状の平面形状を備える整列シュート部21a,21bと、整列シュート部21a,21bの先端側に連設して配置された、仕切り部材52と同様の横幅を有し矩形状の平面形状を備える先端ガイド部21cとを備えている。整列シュート部21a,21bは、仕切り部材送り出しライン12による送り出し方向Xと垂直な方向の長さが、収納袋50の縦長方向の長さの2倍以上となるように設けられており、先端ガイド部21cは、仕切り部材送り出しライン12による送り出し方向Xと垂直な方向の長さが、収納袋50の縦長方向の長さと略同様となるように設けられている。
【0043】
整列シュート部21a,21bは、収納袋送り出しライン11による送り出し方向Xと垂直な方向に、収納袋送り出しライン11側の基端領域21aと、仕切り部材送り出しライン12側の中間領域21bとに区画分けできるようになっており、各々の領域21a,21bに、横起しコンベア部11bの集積部11eから取り込んだ所定数の収納袋50によるひとまとまりの集積体を、収容できるようになっている。
【0044】
また、整列シュート部21a,21bには、基端領域21a及び中間領域21bの各々に、メール便用の厚紙容器51に収容される所定数の収納袋50を、長辺部50aを上下に配置した横起し状態で並べて保持することを可能にする、所定数のスライド溝23が設けられている。スライド溝23は、収納袋送り出しライン11側の基端領域21aへの入り口部分において、横起しコンベア部11bの集積部11eを形成する各隣接する隔壁11dの間の間隔部分と、各々連通するように設けられている。スライド溝23は、整列シュート部21a、21bが仕切り部材送り出しライン12側に向けて送り出し方向Xの幅を徐々に狭めてゆくのに伴って、隣接するスライド溝23の中心間ピッチを徐々に狭めて行くように形成されており、仕切り部材送り出しライン12側の中間領域21bの縁部において、横起こしされて並べた状態で保持される所定数の収納袋50による集積体の横幅が、仕切り部材52の横幅と同様の横幅となるように集積した状態で、所定数の収納袋50を、先端ガイド部21cに送り出すことができるようになっている。
【0045】
先端ガイド部21cは、整列シュート部21a,21bの所定数のスライド溝23に沿って仕切り部材送り出しライン12に向けて送り出されて来た所定数の収納袋50による集積体を、スライド溝23から取り込んで、仕切り部材52の3箇所の区画52fに対応するように3分割した状態で一旦ストックすることにより、仕切り部材送り出しライン12上に配置された仕切り部材52に向けて、押出し枠部材22の進退によって所定数の収納袋50をまとめて押し出す際に、仕切り部材52の3箇所の区画52fに各々載置させ易くするようにガイドする部分となっている。
【0046】
先端ガイド部21cには、スライド溝は設けられておらず、当該先端ガイド部21cを横幅方向に3分割する位置に、一対の直角三角形状の断面形状を有する傾き案内リブ24が、傾き誘導手段として設けられている。傾き案内リブ24は、所定数毎にまとめて集積押出し装置20に取り込まれた収納袋50のうちの、両側のサイド部分に配置される収納袋50が、内側に傾いて斜めに配置されるように誘導する傾き誘導手段として機能するようになっている。一対の傾き案内リブ24は、
図6に示すように、直角三角形状の斜辺部を、先端ガイド部21cの横幅方向の外側に向けた状態で、仕切り部材送り出しライン12上に配置された仕切り部材52の一対の中間部立設仕切り部52eと各々連設するように(
図3参照)、先端ガイド部21cの短辺方向と平行に延設して設けられている。
【0047】
集積押出し装置20のスライド盤部21の先端ガイド部21cに、一対の直角三角形状の断面形状を有する傾き案内リブ24が、傾き誘導手段として設けられていることにより、押出し枠部材22によって整列シュート部21a,21bの中間領域21bから先端ガイド部21cに押し出される所定数の収納袋50による集積体のうちの、両側のサイド部分に配置される収納袋50が内側に傾いて斜めに配置されるように、スムーズに誘導することが可能になる。またこれによって、先端ガイド部21cから仕切り部材送り出しライン12上に配置された仕切り部材52に、押出し枠部材22によって所定数の収納袋50による集積体を押し出した際に、仕切り部材52の中央部を挟んだ両側の区画52fに配置される両側のサイド部分の複数の収納袋50が、内側に傾いて斜めに配置されるように効果的に誘導することが可能になる。
【0048】
本実施形態では、スライド盤部21と共に集積押出し装置20を構成する押出し枠部材22は、
図4に示すように、収納袋送り出しライン11の横起しコンベア部11bに設けられた集積部11eの送り出し方向Xの長さと、同様の幅方向の長さを有すると共に、収納袋50の縦長方向の長さの3倍以上の進退方向の長さを有する、矩形の枠形状に形成されている。押出し枠部材22は、矩形の枠形状を進退方向に略3等分割する位置に、進退方向と垂直に配置された一対の押出し仕切り部22bが設けられている。これによって、押出し枠部材22は、矩形の枠形状の進退方向の前後の一対の押出し辺部22aと、一対の押出し仕切り部22bとの4本の押出し部22a,22bによって、所定数の収納袋50による4体の集積体を、横起しコンベア部11bの集積部11eからスライド盤部21の整列シュート部21a,21bの基端領域21aに、基端領域21aから中間領域21bに、中間領域21bから先端ガイド部21cに、及び先端ガイド部21cから仕切り部材送り出しライン12に配置された仕切り部材52に、当該押出し枠部材22の進退及び上下動を繰り返しながら、順次同時に押し出すことができるようになっている。
【0049】
また、本実施形態では、集積押出し装置20に、スライド盤部21の先端ガイド部21cの上方に配置されて、先端ガイド部21cに隣接して設けられた公知の昇降機構(図示せず)による制御によって上下に昇降する、プレス装置25(
図7参照)が設けられている。プレス装置25は、
図7に示すように、先端ガイド部21cの中央部分の区画の上方に配置される中央プレス部25aと、両側のサイド部分の区画の上方に配置されるサイドプレス部25bとを備えている。プレス装置25は、押出し枠部材22によって、先端ガイド部21cにストックされた所定数の収納袋50による集積体を、仕切り部材送り出しライン12上の仕切り部材52に向けて押し出す際に、仕切り部材52の直前で下方に降下して、収納袋50による集積体を上方から僅かにプレスするよう制御されようになっている。
【0050】
各々のプレス部25a,25bの下面は、好ましくは柔らかい弾性体によって覆われている。また、両側のサイド部分の区画の上方に配置されるサイドプレス部25bは、その下面が、上方に向けて内側に傾斜する、傾斜面となっている。これによってプレス装置25は、収納袋50による集積体が仕切り部材52に載置される直前で、先端ガイド部21cから仕切り部材52に押し出される所定数の収納袋50を上方からプレスして、両側のサイド部分に配置される収納袋50が、内側に傾いて斜めに配置された状態で仕切り部材52の上に載置されるように強制する、傾き強制手段として機能するようになっている。
【0051】
本実施形態では、厚紙容器用梱包装置10は、さらに、仕切り部材送り出しライン12と厚紙容器送り出しライン13との間に介在して押込み部B(
図1参照)に設けられた、押込み収容装置30を備えていると共に、厚紙容器送り出しライン13には、押込み収容装置30に近接させて、収容口開口手段36が押込み部Bに設けられている。押込み収容装置30は、
図8(c)~(e)に示すように、仕切り部材52と当接する仕切り押込み部31aと、集積された所定数の収納袋50と当接する収納袋押し込み部31bとを備えるプッシャー31を含んで構成されている。プッシャー31は、仕切り部材送り出しライン12及び紙容器送り出しライン13と垂直に交差して、これらの上方に配置された案内レール部材(図示せず)に沿って、紙容器送り出しライン13に対して垂直な方向に進退スライド可能な支持基盤(図示せず)に支持された状態で、厚紙容器51への押込み位置まで張り出して設けられた昇降装置62の下方に、昇降ピストン62aを介して昇降可能に設けられている。
【0052】
プッシャー31は、下方に降下した状態で、これの仕切り押込み部31aを仕切り部材52に、収納袋押し込み部31bを集積された所定数の収納袋50に、後方から各々当接させると共に(
図8(c)参照)、案内レール部材60に沿った支持基盤及び昇降装置の前進に伴って、仕切り部材52や収納袋50を前方に押し出すことにより(
図8(d)参照)、収容口開口手段36によって開口された収容口51eに向けて仕切り部材52や収納袋50を押し込んで、これらの仕切り部材52や収納袋50を厚紙容器51に収容させるようになっている。プッシャー31は、仕切り部材52や収納袋50を押し込んだ後、上昇するように制御されると共に、支持基盤及び昇降装置62が案内レール部材に沿って後退するように制御されることで、元の位置に復帰するようになっている(
図8(e)参照)。プッシャー31が、仕切り押込み部31aと収納袋押し込み部31bとの2箇所の押込み部を備えていることにより、収容口開口手段36によって開口された縦幅の狭い収容口51eに、仕切り部材52及び集積された所定数の収納袋50を同時にスムーズに押し込むことが可能になる。
【0053】
収容口開口手段36は、
図8(a)~(e)に示すように、押込み収容装置30に近接させて、押込み部B(
図1参照)における厚紙容器送り出しライン13の上方に配置された昇降架台部36aと、昇降架台部36aに進退可能に支持されて上下に伸縮する、下端部に吸着部36cを備える一対の吸着ロッド36bとを含んで構成されている。収容口開口手段36の吸着ロッド36bは、押込み収容装置30のプッシャー31によって仕切り部材52及び集積された収納袋50を押し出す直前に下降して、厚紙容器送り出しライン13上の押込み位置に送り出された、平坦に畳まれた状態の厚紙容器51の上面側の厚紙51aを、吸着部36cにより吸着し、そのまま上昇するように制御されることによって、収容部51dに仕切り部材52及び収納袋50を挿入させる収容口51eを、開口させるようになっている(
図8(a)参照)。
【0054】
また、本実施形態では、厚紙容器用梱包装置10は、押込み収容装置30のプッシャー31によって集積された所定数の収納袋50が仕切り部材52と共に収容口51eに挿入される際に、両側のサイド部分に配置される収容袋50が、内側に傾いて斜めに配置された状態となるように案内する傾きガイド手段37を備えている。傾きガイド手段37は、上部ガイド部38と、側部ガイド部39とを含んで構成されている。
【0055】
傾きガイド手段37の上部ガイド部38は、仕切り部材52の送り出し方向Xの横幅と同様の送り出し方向Xの横幅を有する、帯板形状の部分であって、平板形状の平坦部38aの送り出し方向Xの両側の端部分に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜部38bを備えている。上部ガイド部38は、好ましくは昇降架台部38dに伸縮ロッド38cを介して支持されて、上下に進退可能に設けられている。上部ガイド部38は、収容口開口手段36によって厚紙容器51に収容口51eが開口された直後に、収容口51eの上縁部の内側に配置されるように下降するよう制御されて、収容口51eに仕切り部材52及び集積された収納袋50を挿入させる直前に、両側のサイド部分に配置される収容袋50が、内側に傾いて斜めに配置された状態となるように、両側の傾斜部38bによって姿勢強制するようになっている。
【0056】
傾きガイド手段37の側部ガイド部39は、押込み部B(
図1参照)における仕切り部材送り出しライン12上の厚紙容器51への押込み位置に配置される、仕切り部材52を挟んだ両側に設けられた、一対の押倒し部39aを含んで構成されている。側部ガイド部39は、仕切り部材送り出しライン12上の押込み位置に配置される仕切り部材52に、集積された状態で載置された所定数の収容袋50のうちの、両側のサイド部分に配置される収容袋50を、仕切り部材52の仕切り部52d,52eよりも上方に突出する部分において(
図8(b)参照)、各々の押倒し部39aによって内側に押し倒すことにより、仕切り部材52及び集積された収納袋50をプッシャー31によって収容口51eに向けて押し出す直前に、両側のサイド部分に配置される収容袋50が、内側に傾いて斜めに配置された状態となるように、両側の押倒し部39aによって姿勢強制するようになっている。
【0057】
上述の構成を備える本実施形態の厚紙容器用梱包装置10では、
図1に示すように、収納袋送り出しライン11を介して送り出される所定数毎の収納袋50を、集積押出し部Aにおいて、集積押出し装置20によって、仕切り部材送り出しライン12を介して送り出される各々の仕切り部材52に押し出して、集積した状態で載置させる。所定数毎の収納袋50が集積された状態で載置された仕切り部材52は、仕切り部材送り出しライン12を介して、厚紙容器51への押込み位置まで送り出された後に、押込み収容装置30によって、厚紙容器送り出しライン13を介して押込み部Bにおける押込み位置まで送り出された各々の厚紙容器51の収容部51dに、集積された収納袋50と共に、収容口51eを経て押し込まれることによって収容される。集積された所定数の収納袋50が仕切り部材52と共に収容された各々の厚紙容器51は、厚紙容器送り出しライン13を介して下流側の公知の梱包機構70による梱包位置まで送り出されて、例えば収容口51eがフラップ片51gをシール接合することにより閉塞されて、例えばメール便によって郵送可能な状態になる。
【0058】
そして、本実施形態の厚紙容器用梱包装置10によれば、表裏一対の矩形形状の厚紙51a,51bの3辺部が折り返し部51cを介して接続されていることにより、表裏一対の厚紙51a,51bの間の部分に収容部51dが形成され、残りの一辺部を離間して開口させた収容口51eから収容物を収容部51dに収容できるようにした、例えばメール便用の厚紙容器51に、内容物を収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋50を、長辺部50sを上下に配置して所定数並べた状態で、表裏一対の厚紙51a,51bの間の収容部51dにスムーズに押し込むことを可能にして、所定数の縦長矩形形状の扁平な収納袋50を、並べた状態で厚紙容器51に効率良く梱包することが可能になる。
【0059】
すなわち、本実施形態の厚紙容器用梱包装置10は、収納袋50を、長辺部50aを上下に配置して並べた状態で、並べた方向に送り出す収納袋送り出しライン11と、各々の厚紙容器51に収容される所定数毎の収納袋50を載置させる、仕切り部52aによって複数の区画に仕切られた仕切り部材52を、収納袋送り出しライン11による送り出し方向Xに沿った方向に送り出す仕切り部材送り出しライン12と、厚紙容器51を、収納袋送り出しライン11による送り出し方向Xに沿った方向に送り出す厚紙容器送り出しライン13と、収納袋送り出しライン11と仕切り部材送り出しライン12との間に介在して設けられた集積押出し装置20と、仕切り部材送り出しライン12と厚紙容器送り出しライン13との間に介在して設けられた押込み収容装置30と、押込み収容装置30に近接させて設けられた収容口開口手段36とを備えている。
【0060】
これらによって、本実施形態によれば、収納袋送り出しライン11を介して送り出されてくる、各々の厚紙容器51に収容される所定数の収納袋50を、集積押出し装置20により取り込んで、当該集積押出し装置20によって、取仕切り部材52の送り出し方向Xの長さに納まるように集積した状態で、仕切り部材52の上に押し出して載置させ、収容口開口手段36により開口された収容口51eに向けて、仕切り部材52の上に載置された所定数の収納袋50を、押込み収容装置30によって仕切り部材52と共に押し込んで、厚紙容器51の収容部51dに収容させることが可能になるので、例えばメール便用の厚紙容器51に、内容物を収納した縦長矩形形状の扁平な収納袋50を、長辺部50sを上下に配置して所定数並べた状態で、表裏一対の厚紙51a,51bの間の収容部51dにスムーズに押し込むことを可能にして、所定数の縦長矩形形状の扁平な収納袋50を、並べた状態で厚紙容器51に効率良く梱包することが可能になる。
【0061】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、厚紙容器は、表裏一対の矩形形状の厚紙の3辺部が線状の折り返し部を介して接続されていることにより、表裏一対の厚紙の間の部分に収容部が形成された、例えばメール便用の厚紙容器である必要は必ずしも無く、表裏一対の矩形形状の厚紙の3辺部がコの字断面形状の折り返し部を介して接続されていることにより、接続されていない残りの一辺部を離間して開口させた収容口が、特に両側の端部分において、上下の開口幅が狭くなっている厚紙容器であっても良い。
【符号の説明】
【0062】
10 厚紙容器用梱包装置
11 収納袋送り出しライン
11a 横寝しコンベア部
11b 横起しコンベア部
11c 搬送ベルト
11d 隔壁
11e 集積部
12 仕切り部材送り出しライン
13 厚紙容器送り出しライン
20 集積押出し装置
21 スライド盤部
21a 整列シュート部(基端領域)
21b 整列シュート部(中間領域)
21c 先端ガイド部
22 押し出し枠部材(プッシャー)
23 スライド溝
24 傾き案内リブ
25 プレス装置
25b サイドプレス部
30 押込み収容装置
31 プッシャー
31a 仕切り押込み部
31b 収納袋押し込み部
36 収容口開口手段
36c 吸着部
37 傾きガイド手段
38 上部ガイド部
38a 平坦部
38b 傾斜部
39 側部ガイド部
39a 押倒し部
40 収納袋供給ロボット
41 支持ロッド
42 把持プレート
43 把持クリップ
44 収納袋搬送コンベア
44a 受渡しケース部
44b 搬送溝
50 収納袋
50a 長辺部
51 厚紙容器
51d 収容部
51e 収容口
52 仕切り部材
52a 板状シート材
52d 端部立設仕切り部(仕切り部)
52e 中間部立設仕切り部(仕切り部)
52h テーパー状部分
52f 区画
70 梱包機構
X 送り出し方向
Y 挿入方向
Z 送り出し方向と垂直な方向