(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】分別可能な打栓式ヒンジキャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 47/12 20060101AFI20231002BHJP
【FI】
B65D47/12 300
(21)【出願番号】P 2020116052
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000134372
【氏名又は名称】株式会社トーヨー工芸工業
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】小平 孝一郎
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-072807(JP,A)
【文献】実開平05-034151(JP,U)
【文献】特開2001-192053(JP,A)
【文献】特開2015-085976(JP,A)
【文献】特開2002-154567(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0255043(US,A1)
【文献】特開平11-236065(JP,A)
【文献】登録実用新案第3106502(JP,U)
【文献】登録実用新案第3159126(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/00 - 47/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口部外周を密封する中蓋と、該中蓋にヒンジを介して開閉自在に装着された上蓋とを備え、中蓋のヒンジの周囲に弱化ラインを形成した分別可能な打栓式ヒンジキャップにおいて、
前記弱化ラインは、中蓋のヒンジに近接した容器口部に接する面を切欠いて形成した内側切欠きラインと、中蓋の外側の面を切り欠いて形成した外側切欠きラインとが中蓋の肉厚を介して表裏に構成されており、
内側切欠きラインは、ヒンジの横幅に沿って水平方向に向けて設けられた第一横弱化ライン
と、第一横弱化ラインから斜め下方の外側切欠きラインの上端方向に向けて形成された傾斜弱化ラインとで山形状の弱化ラインになるように構成され、
外側切欠きラインは、ヒンジの左右いずれか一方又は両方の側で垂直方向に向けて形成された縦弱化ラインを有することを特徴とする分別可能な打栓式ヒンジキャップ。
【請求項2】
前記外側切欠きラインは、前記傾斜弱化ラインの端部側から水平方向に向けて形成される第二横弱化ラインを備えた請求項1記載の分別可能な打栓式ヒンジキャップ。
【請求項3】
前記縦弱化ラインは、前記ヒンジの左側で前記第二横弱化ラインの端部側から垂直方向に沿った左縦弱化ラインと、前記ヒンジの右側で前記第二横弱化ラインの端部側から垂直方向に沿った右縦弱化ラインとを備えた請求項2記載の分別可能な打栓式ヒンジキャップ。
【請求項4】
前記外側切欠きラインにおいて、前記右縦弱化ラインの下端部から水平方向に向けて形成された第三横弱化ラインを備えた請求項3記載の分別可能な打栓式ヒンジキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば調味料等を収納する容器に強固に打栓されたヒンジキャップを、分別の際に容器から簡単に取り外すことができる分別可能な打栓式ヒンジキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
醤油や食用油等の調味料用の容器には高い密封性が必要なため、瓶やPETボトルが使用されていることが多い。また、このような容器を施蓋する打栓式ヒンジキャップにおいても容器の口部に強固に打栓されている。中でも、麺つゆのような内容物は、瓶の殺菌後ホット充填されるため、極めて高い密封性能を備えた打栓式ヒンジキャップが求められる。
【0003】
この打栓式ヒンジキャップを分別廃棄する場合、強固に密封されたヒンジキャップを容器から取り外す必要がある。そこで従来では、ヒンジの付け根箇所の近傍に、ヒンジの引っ張りによって外筒を破断するための各種の弱化線を設けている。ところが、調味料用の容器のように、強固に密封されたヒンジキャップでは、弱化線からの引き裂きが困難になり、ヒンジを引っ張るとヒンジのみが千切れてしまう、所謂、ヒンジ切を起こす恐れがあった。
【0004】
そこで、強固に密封されたヒンジキャップでも、ヒンジ切が起こらないように回収可能な分別回収容易なヒンジキャップが提案されている(特許文献1)。このヒンジキャップによると、比較的肉厚に形成されたヒンジキャップでも、複数種類の弱化線を設けて各弱化線の切り裂き方向を変えることで、弱化線からの引き裂きを容易にするというものである。
【0005】
一方、ヒンジキャップを容器に打栓する際の嵌合力の低下を防止する合成樹脂製容器蓋が特許文献2に記載されている。一般に、ヒンジキャップを強固に打栓すると、この打栓時に生じる圧力でヒンジキャップに嵌合力の低下を招く恐れがあるが、この容器蓋によると打栓時の嵌合力の低下を防止することができるというものである。
【0006】
すなわち、ヒンジキャップの嵌合部分に設けた肉薄状の深溝が打栓時のダメージを受けやすいので、この肉薄状の深溝内に挿入するシール突起を設け、深溝とシール突起とを一体化することで、打栓時の深溝及びその近傍部分における嵌合力が補強されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2001-192053号公報
【文献】特許第4430925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のごとく、複数の弱化線を設けて切り裂き方向を変えることで、弱化線からの引き裂きを容易にすることが可能になっている。ところが、打栓時に、これら複数の弱化線が嵌合力の低下を招く要因になっている。すなわち、これらの弱化線は、容器の口部に接する側を切り欠いて形成したものであるから、強固に打栓したときに、弱化線の幅が伸びて開き易い状態になっている。特に、この弱化線は、ヒンジの周囲付近に設けるものであるから、打栓時に弱化ラインが伸びてしまうと、ヒンジの位置に狂いが生じ、上蓋が回転する際の支点がずれて上蓋が閉まらなくなることもある。
【0009】
一方、特許文献2では、肉薄状の深溝内に挿入するシール突起を設け、深溝とシール突起とを一体化することで、打栓時の深溝及びその近傍部分における嵌合力を補強することができる。しかしながら、この容器蓋を分別する際は、この弱化部を切り離すように構成したものである。そのため、シール突起の基部に設けた僅かな弱化部では、容器から容器蓋を取り外す作業が困難にならざるを得ない。特に、調味料用容器のごとく、強固に密封されたヒンジキャップを、このような僅かな弱化部で切り離すことは極めて困難である。
【0010】
このように分別可能な打栓式ヒンジキャップには、打栓時の嵌合力の低下を防止する強度と、分別廃棄する際のヒンジキャップの切り取り易さとが同時に求められている。そこで本発明は、上述の課題を解消すべく創出されたもので、打栓時における嵌合力の低下を防止する強度と、分別廃棄の際の簡単な切り取り易さとを兼ね備えた分別可能な打栓式ヒンジキャップの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決すべく本発明の第1の手段は、容器Pの口部P1外周を密封する中蓋1と、該中蓋1にヒンジ2を介して開閉自在に装着された上蓋3とを備え、中蓋1のヒンジ2の周囲に弱化ラインを形成した分別可能な打栓式ヒンジキャップにおいて、前記弱化ラインは、中蓋1のヒンジ2に近接した容器口部に接する面を切欠いて形成した内側切欠きライン10と、中蓋1の外側の面を切り欠いて形成した外側切欠きライン20とが中蓋1の肉厚を介して表裏に構成されており、内側切欠きライン10は、ヒンジ2の横幅に沿って水平方向に向けて設けられた第一横弱化ライン11と、第一横弱化ライン11から斜め下方の外側切欠きライン20の上端方向に向けて形成された傾斜弱化ライン12とで山形状の弱化ラインになるように構成され、外側切欠きライン20は、ヒンジ2の左右いずれか一方又は両方の側で垂直方向に向けて形成された縦弱化ライン22を有するものである。
【0013】
第2の手段の前記外側切欠きライン20は、前記傾斜弱化ライン12の端部側から水平方向に向けて形成される第二横弱化ライン21を備えたものである。
【0014】
第3の手段の前記縦弱化ライン22は、前記ヒンジ2の左側で前記第二横弱化ライン21の端部側から垂直方向に沿った左縦弱化ライン22Aと、前記ヒンジ2の右側で前記第二横弱化ライン21の端部側から垂直方向に沿った右縦弱化ライン22Bとを備えたものである。
【0015】
第4の手段は、前記外側切欠きライン20において、前記右縦弱化ライン22Bの下端部から水平方向に向けて形成された第三横弱化ライン23を備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1のごとく、弱化ラインは、中蓋1のヒンジ2に近接した容器口部に接する面を切欠いて形成した内側切り欠きライン10と、中蓋1の外側の面を切り欠いて形成した外側切り欠きライン20とが中蓋1の肉厚を介して表裏に構成されており、内側切欠きライン10は、ヒンジ2の横幅に沿って水平方向に向けて設けられた第一横弱化ライン11を有し、外側切り欠きライン20は、ヒンジ2の左右いずれか一方又は両方の側で垂直方向に向けて形成された縦弱化ライン22を有するものであるから、打栓時に、弱化ラインの幅が広がり難くなり、ヒンジキャップを強固に打栓した際に嵌合力の低下を防止することができる。
【0017】
すなわち、中蓋1の口部P1に接する面を切欠いて略水平方向に形成した内側切欠きライン10は、打設時に、中蓋1が口部P1の円周方向に伸びる際に、内側切欠きライン10の長さは伸びても内側切欠きライン10の幅は広がり難い状態となる。
【0018】
一方、外側切欠きライン20は、口部P1に直接接しておらず、中蓋1の肉厚を介した外側にある。この中蓋1の肉厚が外側切欠きライン20の広がりを防止し、打栓時に、弱化ラインの幅が広がり難くなる。このように、内側切欠きライン10と外側切欠きライン20は、打設時の中蓋1の嵌合力の低下を防止する。
【0019】
更に、中蓋1の口部P1に接する面を切欠いて略水平方向に形成した内側切欠きライン10は、ヒンジ2の近傍に水平方向に向けて形成されているので、このヒンジ2を介して直接中蓋1を内側から容易に切り離すことができる。しかも、内側切欠きライン10と外側切欠きライン20との端部相互が中蓋1の肉厚を介して表裏で近接するので、この内側切欠きライン10から外側切欠きライン20へと切り離しが連続する構成になっている。この結果、ヒンジ2の周囲が広く切り離されるので、ヒンジ2のみに荷重が集中せずに済み、ヒンジ切が生じる虞も解消した。
【0020】
また、内側切欠きライン10は、ヒンジ2の横幅に沿って設けられた第一横弱化ライン11と、該第一横弱化ラインから斜め下方の外側切欠きライン20に向けて形成された傾斜弱化ライン12とを備えているので、ヒンジ2を開いて内側切欠きライン10を切り裂いて行く際に、第一横弱化ライン11に集中した荷重が、第一横弱化ライン11から傾斜弱化ライン12に分散されることにより、中蓋1を内側から切り取る際の弱化ラインの切り離しが容易になると共に、外側切欠きライン20に向けての切り離しが可能になる。すなわち、傾斜弱化ライン12は、第一横弱化ライン11を切り離した勢いがそのまま周囲に伝わるので、中蓋1の切り離し部分を広げることができると共に、外側切欠きライン20への切り離しを自然に繋げることができる。
【0021】
しかも、第一横弱化ライン11と左右の傾斜弱化ライン12とで山形状の弱化ラインになるように構成したことで、これらの弱化ラインに沿って高い剛性を保つことが可能になる。
【0022】
請求項2のごとく、外側切欠きライン20は、傾斜弱化ライン12の端部側から水平方向に向けて形成される第二横弱化ライン21と、該第二横弱化ライン21からヒンジ2の左右いずれか一方又は両方の側で略垂直方向に向けて形成される縦弱化ライン22と、を備えているので、内側切欠きライン10を切り開いた荷重が、外側弱化ライン20の第二横弱化ライン21と縦弱化ライン22とに切り裂きが切れ目なくスムーズに引き継がれるものである。
【0023】
請求項3のように、縦弱化ライン22は、ヒンジ2の左側で第二横弱化ライン21の端部側から略垂直方向に沿った左縦弱化ライン22Aと、ヒンジ2の右側で第二横弱化ライン21の端部側から略垂直方向に沿った右縦弱化ライン22Bとを備えているので、これらの縦弱化ライン22を設けた中蓋1の内側面、すなわち、口部P1との接触面は密着されることになり、従来のように弱化ラインが直接口部P1に触れないので、口部P1との密着性はより高くなる。しかも、左縦弱化ライン22Aと右縦弱化ライン22Bとをヒンジ2の周囲に組み合わせて設けることで、より切り裂き易くなっている。
【0024】
請求項4のごとく、外側切欠きライン20において、前記右縦弱化ライン22Bの下端部から水平方向に向けて形成された第三横弱化ライン23を備えたことで、中蓋1をより広い範囲で切り離すことが可能になる。
【0025】
このように、本発明によると、打栓時における嵌合力の低下を防止する強度と、分別の際の簡単な切り取り易さとを兼ね備えることが可能になるなどといった産業上有益な種々の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の中蓋を各弱化ラインから切り離した状態の斜視図である。
【
図2】本発明キャップの縦弱化ラインを示す要部斜視図である。
【
図3】本発明キャップの一実施例を示す平面図である。
【
図4】本発明キャップの一実施例を示す側断面図である。
【
図5】本発明の
内側切欠きラインを中蓋の内側から見た要部切欠斜視図である。
【
図6】本発明の
外側切欠きラインを中蓋の外側から見た要部切欠斜視図である。
【
図7】本発明の縦弱化ラインを中蓋の外側から見た要部切欠斜視図である。
【
図8】本発明キャップの弱化ラインを示す要部切欠平断面図である。
【
図9】(イ)~(ハ)は本発明キャップを容器から取外す手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明キャップは、例えば、麺つゆ等のホット充填にも対応するように強固に打栓される分別可能な打栓式ヒンジキャップである。
【0028】
本発明キャップの基本構成として、容器Pの口部P1外周を密封する中蓋1と、該中蓋1にヒンジ2を介して着脱自在に装着された上蓋3とを備えている(
図4参照)。そして、
中蓋1のヒンジ2の周囲に弱化ラインを形成することで、分別時には、この弱化ラインを切り離して容器Pの口部P1から中蓋1を取り外すものである(
図1参照)。
【0029】
図示のキャップは、中蓋1の内周面に嵌合突条4を周設し、容器Pの口部P1内に嵌入する内方リング5を備えている(
図4参照)。更に、プルリング6を引き上げると破断部7が破断して内容物が抽出筒8から抽出される打栓式ヒンジキャップを示している(
図3参照)。尚、このキャップは図示例に限定されるものではなく、打栓式ヒンジキャップの構成であれば、設計変更は自由に行える。
【0030】
本発明の弱化ラインは、
内側切欠きライン10と
外側切欠きライン20とで構成されている(
図1参照)。
内側切欠きライン10は、
中蓋1の口部P1に接する内側の面を切欠いた弱化ラインである(
図5参照)。一方、
外側切欠きライン20は、ヒンジ2の近傍に略垂直方向に向けて形成されている(
図6参照)。そして、これらの
内側切欠きライン10と
外側切欠きライン20との端部相互が中蓋1の肉厚を介して表裏で重なるように構成されている(
図8参照)。
【0031】
内側切欠きライン10は、更に、第一横弱化ライン11と傾斜弱化ライン12とを備えている(
図5参照)。第一横弱化ライン11は、ヒンジ2の横幅に沿って水平方向に向けて設けられている。図示の第一横弱化ライン11は、ヒンジ2の横幅より短い長さに形成することで、打栓時のダメージをヒンジ2で防ぐように形成している。
【0032】
更に、この第一横弱化ライン11は、ヒンジ2の横幅中央に位置しているので、分別時に、上蓋3をもってヒンジ2を引いた力が第一横弱化ライン11にダイレクトに伝わる(
図9(イ)参照)。また、弱化ラインの中では一番高い位置に水平に形成されているので、ヒンジ2を引く力で容易に切れ易くなっている。そして、この第一横弱化ライン11から他の弱化ラインに向けて切れ進んでいくものである(
図5参照)。
【0033】
一方、傾斜弱化ライン12は、第一横弱化ライン11から斜め下方の
外側切欠きライン20に向けて形成された弱化ラインである(
図5参照)。この傾斜弱化ライン12は、第一横弱化ライン11を切り離した勢いがそのまま周囲に伝わるので、中蓋1の切り離し部分を広げることができると共に、
外側切欠きライン20への切り離しを自然に繋げることができる(
図8参照)。
【0034】
また、この傾斜弱化ライン12は、第一横弱化ライン11と左右の傾斜弱化ライン12とで略山形状の弱化ラインになるように構成することで、高い剛性を保つことができる(
図5参照)。そのため、切り裂き性向上のために第一横弱化ライン11を深く形成しても、打栓時の伸びや変形を防止し、ヒンジ2の回転支点がずれて上蓋3が閉まらない等の虞を解消し、また、使用時の不意な破損を防止する。
【0035】
外側切欠きライン20は、更に、第二横弱化ライン21、縦弱化ライン22、第三横弱化ライン23を備えている(
図1、
図6参照)。
【0036】
第二横弱化ライン21は、
内側切欠きライン10の端部側から水平方向に向けて形成されている(
図1参照)。図示例の第二横弱化ライン21は横弱化ラインの中では最下部にあり、傾斜弱化ライン12からの切り裂きを縦弱化ライン22に続行させるものである。
【0037】
縦弱化ライン22は、この第二横弱化ライン21からヒンジ2の左右いずれか一方又は両方の側で略垂直方向に向けて形成された弱化ラインである。図示の縦弱化ライン22は、左縦弱化ライン22Aと右縦弱化ライン22Bとを備えている(図7参照)。
【0038】
左縦弱化ライン22Aは、第二横弱化ライン21の左端部側からヒンジ2の左側で略垂直方向に沿った弱化ラインである(
図6参照)。更に、左縦弱化ライン22Aの上部には切欠部24があり、左縦弱化ライン22Aの切り始まりはこの切欠部24から容易に切り裂くことができる(
図2参照)。また、左縦弱化ライン22Aは、中蓋1の外側面側を切欠いているので、口部P1との密着面側を切り欠いて形成した弱化ラインと比べて、口部P1との密着性はより高いものとなっている(
図8参照)。
【0039】
一方、右縦弱化ライン22Bは、第二横弱化ライン21の右端部側から略垂直方向に沿った弱化ラインである(
図6参照)。この右縦弱化ライン22Bは第二横弱化ライン21の右端とつながるようにヒンジ2の右側に沿って設けている(
図7参照)。
【0040】
この右縦弱化ライン22Bは、左縦弱化ライン22A上に設けた切欠部24と左右対称の位置に設けた切欠部25から始まる位置に設けている(
図7参照)。これらの切欠部24、切欠部25が伸びることで、左縦弱化ライン22Aや右縦弱化ライン22Bなどの他の弱化ラインが切れ易いようサポートをしている。
【0041】
更に、第三横弱化ライン23は、右縦弱化ライン22Bの下端部から水平方向に向けて形成された弱化ラインであり、中蓋1の切り離し範囲を広げるように形成されている(
図6参照)。第一横弱化ライン11と第二横弱化ライン21、更に第三横弱化ライン23の全ての横弱化ラインを切り裂くことで、中蓋1は1/3周ほど切り離されることになり、口部P1から容易に取り外すことができる(
図1参照)。
【0042】
図9は、分別廃棄時に中蓋1を切り裂く工程を示している。まず、上蓋3を手前に引いて第一横弱化ライン11から各弱化ラインを切り裂いていく(同図(イ)参照)。次に、左縦弱化ライン22Aを切り裂き全ての弱化ラインを開放する(同図(ロ)参照)。最後に、解放した中蓋1の壁に指をかけ、親指を支えにしてキャップを容器Pから取り除く(同図(ハ)参照)。
【0043】
尚、本発明の構成は図示例に限定されるものではなく、中蓋1、ヒンジ2、上蓋3等の各構成や、内側切欠きライン10及び外側切欠きライン20の位置や寸法等は、本発明の主旨を変更しない範囲で任意に変更することができる。
【符号の説明】
【0044】
P 容器
P1 口部
1 中蓋
2 ヒンジ
3 上蓋
4 嵌合突条
5 内方リング
6 プルリング
7 破断部
8 抽出筒
10 内側切欠きライン
11 第一横弱化ライン
12 傾斜弱化ライン
20 外側切欠きライン
21 第二横弱化ライン
22 縦弱化ライン
22A 左縦弱化ライン
22B 右縦弱化ライン
23 第三横弱化ライン
24 切欠部
25 切欠部