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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】濃度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/61 20060101AFI20231002BHJP
   G01N 21/03 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
G01N21/61
G01N21/03 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020569533
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(86)【国際出願番号】 JP2020001917
(87)【国際公開番号】W WO2020158506
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2019016404
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100137648
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢一
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 正明
(72)【発明者】
【氏名】田中 一輝
(72)【発明者】
【氏名】滝本 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】西野 功二
(72)【発明者】
【氏名】池田 信一
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-139428(JP,A)
【文献】特開2018-25499(JP,A)
【文献】特開2011-163676(JP,A)
【文献】特開平7-103895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/61
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが流れる流路を有する測定セルと、
前記測定セルへの入射光を発する光源と、
前記測定セルから出射した光を検出する光検出器と、
前記測定セル内のガス圧力を検出する圧力センサと、
前記測定セル内のガス温度を検出する温度センサと、
前記圧力センサの出力と、前記温度センサの出力と、前記光検出器の出力と、予めメモリに格納された複数の吸光係数とに基づいて前記ガスの濃度を演算する演算回路と
を備え、
前記演算回路は、前記温度センサの出力に基づいて前記複数の吸光係数から決定された基準ガスの吸光係数を用いて濃度を演算するように構成されており、ガスの種類ごとに設定された補正ファクタを用いて、前記基準ガスの吸光係数を補正して濃度を演算するように構成されている、濃度測定装置。
【請求項2】
前記演算回路は、前記温度センサの出力と、前記光源が発する測定光のピーク波長とに基づいて決定された前記基準ガスの吸光係数を用いて濃度を演算するように構成されている、請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項3】
3つの温度と3つの測定光のピーク波長との組み合わせに対応する9つの前記基準ガスの吸光係数のうちのいずれかを用いて濃度を演算するように構成されている、請求項2に記載の濃度測定装置。
【請求項4】
前記演算回路は、前記補正ファクタによって補正された吸光係数αを用いて、下記の式に基づいて前記ガスの濃度Cを求めるように構成されており、下記の式において、I0は測定セルに入射する入射光の強度、Iは測定セルを通過した光の強度、Rは気体定数、Tは測定セル内のガス温度、Lは測定セルの光路長、Pは測定セル内のガス圧力である、請求項1から3のいずれかに記載の濃度測定装置。
C=ln(I0/I)×(R・T)/(α・L・P)
【請求項5】
前記基準ガスは、アセトンガスである、請求項1から4のいずれかに記載の濃度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃度測定装置に関し、特に、測定セルを通過した光の強度を検出することによって測定セル内のガスの濃度を測定する濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機金属(MO)等の液体材料や固体材料から生成された原料ガスを半導体製造装置へと供給するガス供給ラインの途中に組み込まれ、流れるガスの濃度を測定するように構成された濃度測定装置(いわゆるインライン式濃度測定装置)が知られている。
【0003】
この種の濃度測定装置では、測定ガスが流れる測定セルに、光入射窓を介して光源から所定波長の光を入射させ、測定セル内を通過した光を受光素子で受光することによって吸光度を測定している。また、測定した吸光度から、ランベルト・ベールの法則に従って測定ガスの濃度を求めることができる(例えば、特許文献1~3)。
【0004】
本明細書において、測定ガスの濃度を検出するために用いられる種々の透過光検出構造を広く、測定セルと呼んでいる。測定セルには、ガス供給ラインから分岐して別個に配置されたセル構造だけでなく、特許文献1~3に示されるようなガス供給ラインの途中に設けられたインライン式の透過光検出構造も含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-219294号公報
【文献】国際公開第2018/021311号
【文献】特開2018-25499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
測定セル内のガス濃度を吸光度に基づいて測定するためには、ガスの吸光特性に適合した波長を有する光を、測定セルに入射させる必要がある。また、測定ガスの濃度は、ランベルト・ベールの式に基づき、吸光係数(ガスの吸光のしやすさを示す係数)を用いて、演算によって求められる。このときに用いられる吸光係数は、濃度測定の前に予め求められたものであり、ガスの種類や測定光の波長に関連付けられたものである。
【0007】
しかしながら、本発明者の実験によれば、測定セル内のガスの温度や、濃度測定装置の装置ごとの特性差(以下、機差と呼ぶ)によって、同じガス種であっても吸光特性が異なるものとなる場合があり、このときには、従来の方法では測定精度が低下するおそれがあることがわかった。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、測定精度が向上した濃度測定装置を提供することをその主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態による濃度測定装置は、ガスが流れる流路を有する測定セルと、前記測定セルへの入射光を発する光源と、前記測定セルから出射した光を検出する光検出器と、前記測定セル内のガス圧力を検出する圧力センサと、前記測定セル内のガス温度を検出する温度センサと、前記圧力センサの出力と、前記温度センサの出力と、前記光検出器の出力と、予めメモリに格納された複数の吸光係数とに基づいて前記ガスの濃度を演算する演算回路とを備え、前記演算回路は、前記温度センサの出力に基づいて前記複数の吸光係数から決定された吸光係数を用いて濃度を演算するように構成されている。
【0010】
ある実施形態において、前記演算回路は、前記温度センサの出力と、前記光源が発する測定光のピーク波長とに基づいて決定された吸光係数を用いて濃度を演算するように構成されている。
【0011】
ある実施形態において、前記演算回路は、3つの温度と3つの測定光のピーク波長との組み合わせに対応する9つの吸光係数のうちのいずれかを用いて濃度を演算するように構成されている。
【0012】
ある実施形態において、前記演算回路は、決定された吸光係数αを用いて、下記の式に基づいて前記ガスの濃度Cを求めるように構成されており、下記の式において、I0は測定セルに入射する入射光の強度、Iは測定セルを通過した光の強度、Rは気体定数、Tは測定セル内のガス温度、Lは測定セルの光路長、Pは測定セル内のガス圧力である。
C=ln(I0/I)×(R・T)/(α・L・P)
【0013】
ある実施形態において、前記演算回路は、ガスの種類ごとに設定された補正ファクタを用いて、基準ガスの吸光係数を補正して濃度を演算するように構成されている。
【0014】
ある実施形態において、前記基準ガスは、アセトンガスである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によれば、ガスの温度や装置の機差による精度低下を防止して、より正確に濃度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る濃度測定装置の全体構成を示す模式図である。
図2】300nmのピーク波長を有する発光素子の分光スペクトルA1と、100℃、130℃、および、150℃で100%アセトンガスを流したときの透過率特性B1~B3を示す図である。
図3】一定の吸光係数を用いた場合のガス温度による誤差の発生を示す図である。
図4】測定光の波長(300nm)に対応するものとして、3つの温度T1(100℃)、T2(130℃)、T3(150℃)ごとに設定された吸光係数を示す表である。
図5】3つの異なるピーク波長を有する測定光の分光スペクトルA1、A2、A3およびガス温度ごとの透過率特性B1、B2、B3を示す図である。
図6】3つの測定光の波長L1(297.5nm)、L2(300nm)、L3(302.5nm)ごと、および、3つの温度T1(100℃)、T2(130℃)、T3(150℃)ごとに設定された9つの吸光係数を示す表である。
図7】(a)は測定光の波長および温度ごとに設定された補正ファクタ(MOファクタ)を示す表であり、(b)は補正ファクタの傾向の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
図1は、本発明の実施形態で用いられる濃度測定装置100の全体構成を示す図である。濃度測定装置100は、ガス供給ラインに組み込まれる測定セル4を有するガスユニット50Aと、ガスユニット50Aと離間して配置され光源1および演算回路8などを有する電気ユニット50Bとを備えている。ガスユニット50Aと電気ユニット50Bとは、光ファイバ10a、10bおよびセンサケーブル(図示せず)によって接続されている。
【0019】
ガスユニット50Aは、測定ガスの種類によって例えば100℃~150℃程度にまで加熱される可能性がある。ただし、ガスユニット50Aは、必ずしも高温で使用するとは限らず、常温(室温)や常温以下のガスを用いる場合は、高温にならない(加熱しない)状態で使用する場合もある。また、ガスユニット50Aと離間する電気ユニット50Bは、典型的には室温に維持されている。電気ユニット50Bには、濃度測定装置100に動作制御信号を送信したり、濃度測定装置100から測定濃度信号を受信したりする外部制御装置が接続されていてもよい。
【0020】
ガスユニット50Aには、測定ガスの流入口4a、流出口4bおよび長手方向に延びる流路4cを有する測定セル4が設けられている。また、測定セル4の一方の端部には、透光性の窓部(ここでは透光性プレート)3が設けられ、測定セル4の他方の端部には反射部材5が設けられている。なお、本明細書において、光とは、可視光線のみならず、少なくとも赤外線、紫外線を含み、任意の波長の電磁波を含み得る。また、透光性とは、測定セル4への入射光に対する内部透過率が濃度測定を行い得る程度に十分に高いことを意味する。
【0021】
測定セル4の窓部3は、押さえ部材によってセル本体2に固定されており、押さえ部材には、光ファイバ10aが接続されたコリメータ6が取り付けられている。コリメータ6は、光源1からの光を測定セル4に平行光として入射させることができ、また、反射部材5からの反射光を受光することができる。コリメータ6は、測定セル4を流れる測定対象のガスが高温のときにも高精度に濃度測定を行えるように設計されていることが好ましい。
【0022】
測定セル4の流入口4aと流出口4bとは、流路4cの両側(紙面における流路4cの左側と右側)に配置され、ガス供給ラインに組み込まれたときに、ガスユニット50Aは全体として水平方向にガスを流すように構成されている。一方、流路4cは、ガス供給ラインにおける全体の流れ方向に直交する方向に延びている。本明細書では、このような構成を、縦型の測定セル4と呼んでおり、縦型の測定セル4を用いれば、ガス供給ラインに組み込まれたときに省スペース化を実現できるとともに、メンテナンスがしやすいという利点が得られる。なお、図示する測定セル4では、流入口4aが反射部材5の近傍に配置され、流出口4bが窓部3の近傍に配置されているが、他の態様において、流入口4aが窓部3の近傍に配置され、流出口4bが反射部材5の近傍に配置されていてもよい。また、流路4cは必ずしも全体の流れ方向に対して直交する方向に延びなければならないと言う事はない。
【0023】
窓部3としては、紫外光等の濃度測定に用いる検出光に対して耐性および高透過率を有し、機械的・化学的に安定なサファイアが好適に用いられるが、他の安定な素材、例えば石英ガラスを用いることもできる。測定セル4のセル本体2(流路形成部)は例えばSUS316L製である。
【0024】
また、反射部材5は、セル本体2の下面において、押さえ部材により固定されている。反射部材5の反射面は、入射光の進行方向または流路の中心軸に対して垂直になるように設けられている。
【0025】
反射部材5は、例えばサファイアプレートの裏面にスパッタリングによって反射層としてのアルミニウム層が形成された構成を有していてもよい。また、反射部材5は、反射層として誘電体多層膜を含むものであってもよく、誘電体多層膜を用いれば、特定波長域の光(例えば近紫外線)を選択的に反射させることができる。誘電体多層膜は、屈折率の異なる複数の光学被膜の積層体(高屈折率薄膜と低屈折率薄膜との積層体)によって構成されるものであり、各層の厚さや屈折率を適宜選択することによって、特定の波長の光を反射したり透過させたりすることができる。
【0026】
また、誘電体多層膜は、任意の割合で光を反射させることができるため、例えば、入射光が反射部材5によって反射される際、入射した光を100%反射するのではなく、一部(例えば10%)は透過するようにし、反射部材5の下部(流路4cに接する面とは反対側の面)に設置した光検出器などによって、透過した光を受光することもでき、透過した光を参照光として利用し、参照光検出器9の代替とすることも可能である。
【0027】
また、本実施形態のガスユニット50Aには、測定セル4内を流れる測定ガスの圧力を検出するための圧力センサ20と、測定ガスの温度を測定するための温度センサ22とが設けられている。ガスユニット50Aは、濃度測定時の測定ガスの圧力および温度を測定することができるように構成されている。
【0028】
圧力センサ20および温度センサ22の出力は、図示しないセンサケーブルを介して電気ユニット50Bの演算回路8に入力される。温度センサ22は、複数が設けられていてもよい。温度センサ22としては、測温抵抗体以外にも、サーミスタや熱電対などを用いることもできる。圧力センサ20としては、例えば、圧力検知面を形成するダイヤフラムを備えたシリコン単結晶センサチップ内蔵型の圧力センサが用いられる。圧力センサ20および温度センサ22は、測定セル4内の流路4cに存在するガスの圧力および温度を測定できる限り、任意の位置に設けられていてよい。
【0029】
他方、電気ユニット50Bには、測定セル4内に入射させる光を発生する光源1と、測定セル4から出射した光を受光する測定光検出器7と、測定光検出器7が出力する検出信号(受光した光の強度に応じた信号)に基づいて測定ガスの濃度を演算するように構成された演算回路8と、光源1からの参照光を受光する参照光検出器9とが設けられている。
【0030】
光源1は、本実施形態では、互いに異なる波長の紫外光を発する2つの発光素子(ここではLED)1A、1Bを備えている。発光素子1A、1Bには、発振回路を用いて異なる周波数の駆動電流が流され、周波数解析(例えば、高速フーリエ変換やウェーブレット変換)を行うことによって、測定光検出器7が検出した検出信号から、各波長成分に対応した光の強度を測定することができる。発光素子1A、1Bとしては、LED以外の発光素子、例えばLD(レーザダイオード)を用いることもできる。また、複数の異なる波長の合波光を光源に用いる代わりに、単一波長の光源を利用することもでき、この場合、合波器や周波数解析回路は省略することができる。発光素子は、3つ以上設けられていてもよいし、設けたうちの選択された任意の発光素子のみを用いて入射光を生成するように構成されていてもよい。光源1には測温抵抗体が取り付けられていてもよい。さらに、発光素子が発する光は、紫外光にかぎらず可視光や赤外光であっても良い。
【0031】
光源1および参照光検出器9はビームスプリッタ11に取り付けられている。ビームスプリッタ11は、光源1からの光の一部を参照光検出器9に入射させるとともに、残りの光を測定セル4へと導くように機能する。測定光検出器7および参照光検出器9を構成する受光素子としては、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタが好適に用いられる。
【0032】
演算回路8は、例えば、回路基板上に設けられたプロセッサやメモリなどによって構成され、入力信号に基づいて所定の演算を実行するコンピュータプログラムを含み、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実現され得る。なお、図示する態様では演算回路8は、電気ユニット50Bに内蔵されているが、その構成要素の一部(CPUなど)または全部が電気ユニット50Bの外側の装置に設けられていてもよいことはいうまでもない。
【0033】
濃度測定装置100において、光源1からの光は、光ファイバ10aによって測定セル4の窓部3に導光される。また、測定セル4において、反射部材5によって反射された光は、光ファイバ10bによって測定光検出器7に導光される。本実施形態では、測定セル4に導光するための光ファイバ10aと、測定セル4から出射した光を導光するための光ファイバ10bとが別個に設けられており、これによって、迷光の影響を低減することができる。
【0034】
ただし、別の態様において、光ファイババンドルなどの入射光用と出射光用とを兼ねる一本の光伝送部材を用いて、光源および測定光検出器と、測定セルとを接続するようにしてもよい。このような一本の光伝送部材を用いる反射型の濃度測定装置は、例えば、特許文献2に開示されており、本発明の他の実施形態において、同様の構成を採用することも可能である。
【0035】
以上に説明した測定セル4において、測定セル4内を往復する光の光路長は、窓部3と反射部材5との距離の2倍によって規定することができる。濃度測定装置100において、測定セル4に入射され、その後、反射部材5によって反射された波長λの光は、測定セル4内の流路4cに存在するガスによって、ガスの濃度に依存して吸収される。そして、演算回路8は、測定光検出器7からの検出信号を周波数解析することによって、当該波長λでの吸光度Aλを測定することができ、さらに、以下の式(1)に示すランベルト・ベールの法則に基づいて、吸光度Aλからモル濃度CMを算出することができる。
Aλ=-log10(I/I0)=α’LCM ・・・(1)
【0036】
上記の式(1)において、I0は測定セルに入射する入射光の強度、Iは測定セル内のガス中を通過した光の強度、α’はモル吸光係数(m2/mol)、Lは測定セルの光路長(m)、CMはモル濃度(mol/m3)である。モル吸光係数α’は物質によって決まる係数である。I/I0は、一般に透過率と呼ばれており、透過率I/I0が100%のときに吸光度Aλは0となり、透過率I/I0が0%のときに吸光度Aλは無限大となる。
【0037】
なお、上記式における入射光強度I0については、測定セル4内に吸光性のガスが存在しないとき(例えば、紫外光を吸収しないガスが充満しているときや、真空に引かれているとき)に測定光検出器7によって検出された光の強度を入射光強度I0とみなしてよい。
【0038】
測定セル4の光路長Lは、上記のように、窓部3と反射部材5との距離の2倍として規定することができるので、光入射窓と光出射窓とを測定セルの両端部に備える濃度測定装置に比べて、2倍の光路長を得ることができる。これにより、小型化したにも関わらず、測定精度を向上させることができる。また、濃度測定装置100では、測定セル4の窓部3の側のみで光の入射および出射を行うので、部品点数を削減し得る。
【0039】
以上に説明したように、濃度測定装置100は、ランベルト・ベールの式(1)を用いて、ガスのモル濃度CMを求めることが可能である。ただし、より測定精度を向上させるために、本実施形態では、予め設定された唯一のモル吸光係数α’を用いて式(1)からモル濃度CMを求めるのではなく、温度センサ22によって出力された温度などに基づいて選択された吸光係数を用い、また、温度センサ22の出力や圧力センサ20の出力も参照してガスの濃度を求めるようにしている。なお、吸光係数は、濃度測定を行う前の出荷時等に予めメモリなどに格納しておくことによって、濃度測定時にメモリから読み出して用いることができる。
【0040】
以下、本実施形態において、既知の濃度を有するアセトンガスを流すことにより、濃度演算に用いる吸光係数を求める方法について説明する。なお、以下では、測定に用いる光として、アセトンガスの濃度に対応して吸光される所定の波長を有する光(具体的には近紫外線)が用いられ、吸光係数についても当該波長に対応するものを求めている。アセトンガスの場合、測定光の波長は、例えば290nm~310nmに設定される。
【0041】
上述したように、ランベルト・ベールの式(1)により、下記の式(1a)が成り立つ。式(1a)において、ランベルト・ベールの式(1)と同様に、I0は入射光強度、Iは透過光強度、αはモル吸光係数、Lは光路長、CMは測定対象となるガス(ここではアセトン)のモル濃度である。この式(1a)は、光路長が一定の場合に、吸光度が、モル濃度に比例することを示しており、モル吸光係数αは、モル濃度と吸光度との関係を示す一次関数の傾き(その物質の吸光のしやすさ)に対応する。
【数1】
【0042】
なお、上記の式(1a)におけるモル吸光係数αは、透過率(I/I0)の自然対数を用いたときのモル吸光係数αであり、前述の式(1)における透過率(I/I0)の常用対数を用いたときのモル吸光係数α’(吸光度Aλに対応するモル吸光係数)に対して、α’=0.434αの関係を有するものである。これは、log10e=0.434であるからである。以下、例示的に透過率の自然対数ln(I/I0)を用いる場合のモル吸光係数αについて説明するが、透過率の常用対数log10(I/I0)を用いる場合のモル吸光係数α’についても同様の説明が適用されることは言うまでもない。
【0043】
上記のアセトンのモル濃度CMは、単位体積当たりのガスの物質量を指すので、CM=n/Vと表すことができる。ここで、nはガスの物質量(mol)すなわちモル数であり、Vは体積(m3)である。そして、測定対象がガスであるので、理想気体の状態方程式PV=nRTから、モル濃度CM=n/V=P/RTが導かれ、これを上記の式(1)に代入し、また、-ln(I/I0)=ln(I0/I)を適用すると、下記の式(2)が導かれる。式(2)において、Rは気体定数=0.0623(Torr・m3/K/mol)であり、Pは圧力(Torr)であり、Tは温度(K)である。
【数2】
【0044】
ここで、圧力センサ20が検出できる圧力は、アセトンとキャリアガスとを含む混合ガスの全圧Ptotal(Torr)である。一方、吸収に関係するガスはアセトンのみであり、上記の式(2)における圧力Pは、アセトンの分圧Paceに対応する。そこで、アセトンの分圧Paceを、ガス全体中におけるアセトン濃度Cace(体積%:以下、単に%と示す)と全圧Ptotalとによって表した式であるPace=Ptotal・Caceを用いて式(2)を表すと、圧力および温度を考慮したアセトンの濃度(%)と吸光度との関係は、アセトンの吸光係数αaceを用いて、下記の式(3)によって表すことができる。
【数3】
【0045】
また上記の式(3)を変形することによって、下記の式(4)が導かれる。
【数4】
【0046】
したがって、上記の式(3)または(4)によれば、既知のアセトン濃度Caceを有するガス(例えばキャリアガスを含まない100%濃度のアセトンガス)を流したときの、各測定値(ガス温度T、全圧Ptotal、および透過光強度I)に基づいて、測定光波長におけるアセトン濃度(%)に対応する吸光係数αaceが得られることがわかる。
【0047】
また、求められた吸光係数αaceをメモリに格納しておくことによって、上記式(4)に従って、(T、Ptotal、I)の測定結果に基づいて、未知濃度のアセトンの濃度を演算により求めることが可能である。上記式(3)および(4)は、測定対象が気体(ここではアセトンガス)であることを考慮して、ランベルト・ベールの式に対して理想気体の状態方程式を適用し、また、濃度測定装置100の圧力センサ20および温度センサ22が測定可能なガス圧力(全圧Ptotal)およびガス温度Tも用いてガス濃度(%)を求めるものとして導出された式である。
【0048】
なお、100%濃度のアセトンガスを流したときに求められた吸光係数αaceを用いて濃度の演算を行った場合、既知濃度(設定濃度)と、演算による出力濃度との関係が、一律でない場合もある。この場合には、設定濃度と出力濃度との関係を補正する補正値Jx(100%濃度の時は1)を濃度x%ごとに予め設定しておき、測定された透過率に基づいて決定された補正値Jx用いて直線性補正を行った上で、補正濃度を出力するようにしてもよい。
【0049】
上記のように、アセトンの吸光係数αaceを予め求めておくことによって、測定値(T、Ptotal、I)からアセトン濃度を演算により求めることが可能である。しかしながら、本発明者の実験によれば、上記の式(3)または(4)を用いたとしても、アセトンの温度の違いによって、濃度測定の誤差が異なるものになることが確認された。なお、上記式(4)は、ガス温度Tも考慮に入れた式ではあるが、実験の結果、さらなる補正を行うことが、より正確に濃度を測定するためには好ましいことがわかった。
【0050】
ガスの温度によって測定誤差に違いが生じる原因の一つとしては、同じ濃度のアセトンガスであっても、ガスの温度によって測定される透過率(I/I0)が異なることが挙げられる。
【0051】
図2は、300nmにピーク強度を有する発光素子(LED)の分光スペクトルA2(測定セルでの吸光がないときの検出光のスペクトル)と、いずれも100%濃度のアセトンガスを流したときの温度による透過率特性B1、B2、B3の違いを示す図である。横軸は波長(nm)であり、縦軸は、分光スペクトルA2では光の強度(より具体的には、最大強度Imaxで規格化した強度)であり、透過率特性B1~B3では透過率(I/I0)である。透過率特性B1はガス温度が100℃の場合を示し、透過率特性B2はガス温度が130℃の場合を示し、透過率特性B3はガス温度が150℃の場合を示している。なお、図2に示される透過率特性B1~B3は、100%濃度のアセトンガスを流したときの検出光の分光スペクトル(図示せず)を、アセトンガスによる吸収がないときの検出光の分光スペクトルA2で除算した結果を透過率として示している。
【0052】
図2に示すように、100%濃度のアセトンガスは、使用時の主たるガス温度(以下、基準温度と呼ぶことがある)である130℃のときの透過率特性B2に比べて、100℃のときの透過率特性B1の方が、より高くなる傾向がある。また、150℃のときの透過率特性B3は、透過率特性B2に比べて、より低くなる傾向がある。この傾向は、測定光として想定される例えば290~310nmの紫外光に対して同様である。
【0053】
このため、同じ100%濃度のアセトンガスを流しているにも関わらず、ガスの温度によって、透過率ひいては吸光度が異なるものとして測定され得る。より詳細には、図2に示すように300nmにピークを有する分光スペクトルA1の光を用いて測定を行った場合において、アセトンの濃度自体は同じ100%で一定であるにも関わらず、ガス温度が130℃のときには透過率がτ2の値となり、ガス温度が100℃のときには透過率がτ1の値となり、ガス温度が150℃のときには透過率がτ3の値となる。
【0054】
したがって、100%濃度で130℃のアセトンガスを流したときに求めた吸光係数αaceを用いて、上記の式(4)に従って濃度演算を行うと、100℃または150℃のガスの濃度は正確に求められないことがある。これは、同じ濃度であっても、吸光のされやすさが、ガスの温度によって異なってしまっているからである。
【0055】
この問題を解決するために、本実施形態では、各温度での吸光係数αaceを予め求めておくとともに、これらを温度に関連付けられた複数の吸光係数αaceとしてメモリに格納しておき、濃度測定を行うときには、そのときの計測されたガス温度に基づいて、適切な吸光係数αaceを決定して使用するようにしている。
【0056】
図3は、100%濃度で130℃のアセトンガスによって得られた吸光係数αaceT2を用いて100℃(=T1)、130℃(=T2)、150℃(=T3)のアセトンガスの濃度演算を行ったときの演算濃度と、実際のアセトン濃度との誤差の関係を表したグラフC1~C3である。横軸は、実際のアセトン濃度(既知の設定濃度)を示しており、縦軸は実際のアセトン濃度からのずれの大きさをフルスケール誤差(%)で示している。
【0057】
グラフC2で示すように、アセトンガスの温度が130℃のときには、吸光係数αaceT2を用いたときの演算濃度と、実際の濃度との間の誤差は0になる(言い換えると、誤差が0となるような吸光係数αaceT2が用いられている)。一方、グラフC1に示すように、100℃のアセトンガスの場合、130℃における吸光係数αaceT2を用いて演算により求めた濃度と、実際の濃度との間には誤差が生じる。同様に、グラフC3に示すように、150℃のアセトンガスの場合、130℃における吸光係数αaceT2を用いて演算により求めた濃度と、実際の濃度との間には誤差が生じる。
【0058】
より具体的には、100℃のアセトンガスについては過大な吸光係数αaceT2が用いられたために、式(4)からわかるように、演算濃度としては実際の濃度よりも小さい値が出力され、また、150℃のアセトンガスについては過少な吸光係数αaceT2が用いられたために、演算濃度としては実際の濃度よりも大きい値が出力され、これによってグラフC1およびC3に示す誤差が生じている。
【0059】
上記の誤差の大きさは、100%濃度のアセトンガスを流したときに最も大きくなり、0%濃度のアセトンガスを流したとき(すなわち吸光なし)のときには0となり、また、濃度と誤差の大きさとは直線的な関係を有している。したがって、100%濃度のときの基準温度以外の吸光係数αaceT1、αaceT3をも予め求めておき、これらを用いて100℃近傍、150℃近傍のガスの濃度演算を行うようにすれば、いずれの濃度についても誤差の少ない演算結果を得ることができることがわかる。
【0060】
吸光係数αaceT1およびαaceT3は、吸光係数αaceT2と同様に、それぞれ、100℃および150℃の100%濃度アセトンガスを流したときの各測定値(T、Ptotal、I)から、式(3)および(4)に従って演算により求めることができる。
【0061】
図4の表は、測定光波長(LEDピーク波長(nm))が300nmであるときのセル温度(℃)ごとの吸光係数を示し、上記のようにして、300nmの測定光を用いて100℃、130℃、150℃のそれぞれのアセトンガスについて、式(4)から求められた吸光係数αaceT1、αaceT2、αaceT3が求められ、全てがメモリに格納される。
【0062】
なお、上記には、各温度での吸光係数を全てメモリに格納しておく態様を説明したが、これに限られず、基準となる130℃の吸光係数を基準吸光係数として格納するとともに、各温度での補正係数を格納しておき、測定温度に基づいて決定された補正係数を乗じた吸光係数を用いて、濃度の演算を行うようにしてもよい。
【0063】
また、上記には3つの温度T1、T2、T3のそれぞれについて吸光係数を求めておく態様を説明したが、本発明の実施形態はこれに限られるものではない。2つ以上の任意の数の、ガス温度に関連付けられた吸光係数を用いることによって、ガス温度に依存して発生する濃度測定の誤差を低減し得る。また、2つの温度T1、T2について吸光係数αT1、αT2がそれぞれ設定されているときに、測定温度がT1とT2の間であった場合には、直交平面座標(T1、αT1)と(T2、αT2)と結ぶ直線式に測定温度を代入することによって吸光係数を求めることもできる。
【0064】
次に、上記のガス温度だけでなく、測定光の波長に対しても、異なる吸光係数を設定する態様について説明する。
【0065】
図5は、3つの異なるピーク波長(297.5nm、300.0nm、および、302.5nm)を有する測定光の分光スペクトルA1、A2、A3と、温度による透過率特性B1、B2、B3とを示す図である。図5は、図2にさらに、濃度測定装置の機差によって生じる測定光の分光スペクトルの違いを追加したものである。
【0066】
また、図6は、ガスの温度T1、T2、T3および測定光の波長L1、L2、L3の組み合わせについて、それぞれ設定された9個の吸光係数αaceL1T1、αaceL1T2、αaceL1T3、αaceL2T1、αaceL2T2、αaceL2T3、αaceL3T1、αaceL3T2、αaceL3T3を示す表である。
【0067】
図5に示すように、同じ設計によって作製された濃度測定装置であっても、測定光の実際のピーク波長はわずかに異なることがある。これは、光源(LED)のピーク波長自体が最初から異なっていることも多いためである。また、特に紫外線LEDのスペクトルは、使用時間の経過とともに、初期のスペクトルから変動することも考えられる。
【0068】
この場合に、初期に設定された300nmの波長に対する吸光係数αaceL2を、異なる波長(ここでは、297.5nmおよび302.5nm)の測定光を用いたときの測定結果に適用して濃度演算を行った場合には、演算濃度に誤差が生じる可能性がある。これは、上記の温度のときと同様に、同じ100%濃度のアセトンガスであっても、測定光波長によって、透過率が異なるものになるからである。具体的には、図5に示すように、同じ100%濃度、130℃のアセトンガスの場合にも、測定光ピーク波長が300nmのときには透過率τ2となるのに対して、297.5nmのときにはτ4の値となり、302.5nmの時にはτ5の値となる。
【0069】
したがって、図6に示すように、温度T1、T2、T3および波長L1、L2、L3のそれぞれに基づいて決定される9つのマトリクス状の吸光係数を予め設定し、メモリに記憶しておくことによって、それぞれの場合でのより正確な濃度測定が可能になる。もちろん、9つ以上の吸光係数を設定しておいてもよいし、マトリクスに記載の吸光係数の間の値が観察されたときには、最も近い吸光係数を選択するか、あるいは、マトリクスの値に対して補正を行うことによって適切な吸光係数を決定してもよい。
【0070】
このように、波長L1、L2、L3のそれぞれで異なる吸光係数を用いることによって、機差による測定光波長の違いによらず濃度測定が可能である。濃度測定装置は、濃度測定を行う前に、予め測定光波長のピークを検出する工程を行っておくことによって、当該装置で用いるべき吸光係数を決定することができる。
【0071】
また、上記にはアセトンガスを用いたときの濃度測定について説明したが、他の種類のガスについても同様に、温度または測定光波長に関連付けた複数の吸光係数を予め設定しておくことによって、濃度測定の精度を向上させ得る。他の種類のガスの濃度測定を行う場合、上記のように予め吸光係数を設定しておいてもよいが、アセトンガスに対する吸光係数をメモリに格納しておくとともに、ガスの種類に応じて吸光係数を補正することによって、当該ガス種に対する吸光係数を決定してもよい。
【0072】
図7(a)は、図6に示したアセトンガスの吸光係数のマトリクスに対応する、補正ファクタのマトリクスを示す図である。図7(a)に示すように、メモリに格納されている9つのアセトンガスの吸光係数に対して、3つの温度と3つの測定光波長との組み合わせに対応する9つの補正ファクタ(以下、MOファクタと呼ぶことがある)が設定されている。各補正ファクタは、測定対象のガスについて測定した吸光係数を、アセトンガスの吸光係数によって除算することによって求めることができる。このように、9つのアセトンガスの吸光係数を基準ガス(ここではアセトンガス)の吸光係数としてメモリに格納しておくとともに、測定ガス(ここでは有機金属(MO)ガス)の種類ごとに補正マトリクスを設定することによって、種々のガスに対応して、濃度測定をより正確に行い得る。なお、濃度測定装置の光学系の設計などによって生じる濃度測定誤差は、出荷前等に、基準ガスを用いて吸光係数を求める過程で予め校正しておくことができ、出荷後に測定ガスの濃度を測定するときの機差による誤差は抑制される。
【0073】
図7(b)は、MOファクタ(補正ファクタ)と、温度および測定光波長との関係の一例を示す図である。図7(b)に示す例では、温度が高くなる程、補正ファクタが大きくなり、測定光波長が長くなる程、補正ファクタが大きくなっている。このような傾向は、図2に示したアセトンガスと同様の透過率特性を有するガスに関して、補正ファクタを求めたときに示される傾向である。ただし、異なる透過率特性を有するガスについては、他の傾向が示されることもあることは言うまでもない。
【0074】
以上、本発明の実施形態による濃度測定装置を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定解釈されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、測定に用いられる光としては、ガスの種類に応じて、紫外領域以外の波長領域の光を利用することも可能である。
【0075】
また、上記には反射部材を用いる反射型の濃度測定装置を説明したが、反射部材を用いることなく、測定セルの一端側から入射光を入射させ、測定セルの他端側から測定光を取り出すように構成された透過型の濃度測定装置を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の実施形態に係る濃度測定装置は、半導体製造装置などに対して用いられ、種々のガスの濃度を測定するために好適に利用される。
【符号の説明】
【0077】
1 光源
2 セル本体
3 窓部
4 測定セル
4a 流入口
4b 流出口
4c 流路
5 反射部材
6 コリメータ
7 測定光検出器
8 演算回路
9 参照光検出器
10a 光ファイバ(入射光用)
10b 光ファイバ(出射光用)
20 圧力センサ
22 温度センサ
50A ガスユニット
50B 電気ユニット
100 濃度測定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7