(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】肌着
(51)【国際特許分類】
A41C 3/10 20060101AFI20231002BHJP
A41C 3/12 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
A41C3/10 B
A41C3/12 Z
(21)【出願番号】P 2021563587
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 JP2020002359
(87)【国際公開番号】W WO2021117259
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2019225572
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519446344
【氏名又は名称】前田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】前田 誠
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0008214(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0259301(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0031705(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ側に突起する一対のカップ部と、
線材と、
前記一対のカップ部の麓部の間に配置される線材長さ調節部と
を備え、
前記線材は、前記カップ部の前記線材長さ調節部側の反対側から前記線材長さ調節部まで延び、
前記線材長さ調節部は、リールおよび回転操作可能なダイヤルを有し、
前記ダイヤルが回転操作されることによって前記線材が前記リールに巻き付けられて前記線材の長さが短くされ、前記ダイヤルが前側に引かれることによって前記線材の長さが初期状態の長さに戻されることができ、
前記線材は、正面視において、前記カップ部の頂点から真下に向かう方向において前記カップ部の頂点から1cm以上2cm以下の範囲内の点を通り、前記カップ部の前記線材長さ調節部側の反対側において前記カップ部の頂点よりも低い位置に固定されている
肌着。
【請求項2】
同じ側に突起する一対のカップ部と、
線材と、
前記一対のカップ部の麓部の間に配置される線材長さ調節部と
を備え、
前記線材は、前記カップ部の前記線材長さ調節部側の反対側から前記線材長さ調節部まで延び、
前記線材長さ調節部は、リールおよび回転操作可能なダイヤルを有し、
前記ダイヤルが回転操作されることによって前記線材が前記リールに巻き付けられて前記線材の長さが短くされ、前記ダイヤルが前側に引かれることによって前記線材の長さが初期状態の長さに戻されることができ、
前記線材は、正面視において、前記カップ部の頂点から真下に向かう方向において前記カップ部の頂点から1cm以上2cm以下の範囲内の点を通り、前記カップ部の前記線材長さ調節部側の反対側において前記線材長さ調節部と同じ高さ位置に固定されている
肌着。
【請求項3】
同じ側に突起する一対のカップ部と、
線材と、
前記一対のカップ部の麓部の間に配置される線材長さ調節部と
を備え、
前記線材は、前記カップ部の前記線材長さ調節部側の反対側から前記線材長さ調節部まで延び、
前記線材長さ調節部は、外部端末からの命令を受信する通信部と、前記外部端末からの命令に応じて前記一対のカップ部の前記線材長さ調節部側の反対側から前記線材長さ調節部までにおける前記線材の長さを調節する駆動部とを有する
肌着。
【請求項4】
前記線材長さ調節部は、心拍数を計測する心拍計測部をさらに有し、
前記通信部は、前記心拍計測部で計測された心拍数を前記外部端末に送信する、
請求項
3に記載の肌着。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌着に関する。
【背景技術】
【0002】
「一対のカップ部、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部、ウイング部、及び端部が該一対のカップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部を備えたブラジャーにおいて、該カップ部が少なくともパッドを有し、該パッドが、パッド上縁、若しくはパッド下縁、又はこれらの両者に沿って延びるパッド高応力部であって、パッドのバストトップ部の伸張応力S1に対するパッド高応力部の伸張応力S2の比S2/S1が2/1~80/1であるパッド高応力部を有する、ブラジャー」が過去に提案されている(例えば、特開2014-163018号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運動時等において、ブラジャーを着用していても着用者の胸部が揺れてしまうことが多い。着用者の胸部が揺れることで、運動時等における動作が妨げられると共に、クーパー靭帯が損傷して着用者の胸部が下垂するおそれが生じる。特許文献1に記載されるようなパッド上下縁の高応力部の規定では、着用者の胸部の揺れを十分に軽減できるとは言い難い。
【0005】
本発明の課題は、着用者の胸部の揺れを軽減することができる肌着を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面に係る肌着は、一対のカップ部と、線材と、線材長さ調節部とを備える。一対のカップ部は同じ側に突起する。線材長さ調節部は、一対のカップ部の麓部の間に配置される。そして、線材は、カップ部の線材長さ調節部側の反対側から線材長さ調節部まで延びている。線材長さ調節部は、一対のカップ部の線材長さ調節部側の反対側から線材長さ調節部までにおける線材の長さを調節することができる。なお、ここにいう「肌着」は、カップ部を有する衣類(例えば、ブラジャー、タンクトップ等のスポーツウェア、水着、ボディースーツ、キャミソール等)である。
【0007】
上記構成によれば、線材長さ調節部および線材によって、着用者の胸部を押さえるつけることできる。したがって、この肌着では、着用者の胸部の揺れを軽減することができる。
【0008】
本発明の第2局面に係る肌着は第1局面に係る肌着であって、線材は、正面視において、カップ部の頂点の高さ位置よりも低い位置を通るとともに、カップ部の下端部の高さ位置より高い位置を通る。なお、ここで、正面視において、線材はカップ部の頂点から真下に向かう方向においてカップ部の頂点から1cm以上2cm以下の範囲内の点を通ることが好ましく、1.5cm以上2cm以下の範囲内の点を通ることがより好ましい。
【0009】
上記構成によれば、着用者の胸部の下側を押さえつけることができる。このため、この肌着では、着用者の胸部の下垂を防いで着用者の胸部の揺れを軽減することができる。
【0010】
本発明の第3局面に係る肌着は第1局面または第2局面に係る肌着であって、線材は、カップ部内を通る。
【0011】
上記構成によれば、線材をカップ部内に隠すことができるので、肌着の外観が損なわれないようにすることができる。また、上記構成によれば、線材を着用者の肌に直接触れないようにすることができる。このため、この肌着では、着用者に不快感を与えないようにすることができる。
【0012】
本発明の第4局面に係る肌着は第1局面から第3局面のいずれか1局面に係る肌着であって、線材長さ調節部は、通信部と駆動部とを有する。通信部は、外部端末からの命令を受信する。駆動部は、外部端末からの命令に応じて一対のカップ部の線材長さ調節部側の反対側から線材長さ調節部までにおける線材の長さを調節する。
【0013】
上記構成によれば、外部端末(例えば、スマートフォン端末、タブレット端末、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等)を操作して駆動部(例えば、小型モータ等)を駆動させることができるので、着用者は、線材長さ調節部を触らずに一対のカップ部の線材長さ調節部側の反対側から線材長さ調節部までにおける線材の長さを調節することができる。
【0014】
本発明の第5局面に係る肌着は第4局面に係る肌着であって、線材長さ調節部は、心拍計測部をさらに有する。心拍計測部は、心拍数を計測する。通信部は、心拍計測部で計測された心拍数を外部端末に送信する。
【0015】
上記構成によれば、心拍計測部(例えば、電極を設置して心電を検出する心電式、血流変化を検出する光学式等)で着用者の心拍数を計測することができるので、着用者は、心拍数を意識しながら運動等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係るブラジャーの正面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るブラジャーの平面図である。なお、本図は、肩ストラップ部等いくつかの部材を省略する等して簡略化されている。
【
図4】本発明の実施の形態に係る線材調節部および外部端末の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<本発明の実施の形態に係るブラジャーの構造>
本発明の実施の形態に係るブラジャー100は、
図1に示されるように、主に、カップ部110、肩ストラップ部120、土台部130、カップ支持部140、ベルト部150、ワイヤー長さ調節部160およびワイヤー170等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0018】
(1)カップ部
カップ部110は、着用者の胸部を覆う釣鐘形状の部位であって、
図1および
図2に示されるように、同じ側に突起するように左右一対に設けられる。カップ部110は主にカップ表布とカップ裏布から構成されており、カップ表布とカップ裏布との間にはワイヤー170(後述)が通っている。なお、カップ部110には、
図1および
図2に示されるように、膨らみの頂点111が存在する。
【0019】
(2)肩ストラップ部
肩ストラップ部120は、カップ部110とベルト部150(後述)とに接続される部位であって、
図1に示されるように、左右一対に設けられる。また、肩ストラップ部120は、伸縮性を有する素材によって形成されている。なお、カップ部110からベルト部150までにおける肩ストラップ部120の長さを調節するために、アジャスター等の長さ調節具が肩ストラップ部120に設けられてもよい。
【0020】
(3)土台部
土台部130は、一対のカップ部110を連結するための部位であって、
図1および
図2に示されるように、カップ支持部140(後述)に接続されている。
【0021】
(4)カップ支持部
カップ支持部140は、カップ部110を支持するための部位であって、
図1および
図2に示されるように、カップ部110の下辺部に沿って設けられる部位である。なお、金属や樹脂等から形成される保形用ワイヤーがカップ支持部140内に収容されてもよい。
【0022】
(5)ベルト部
ベルト部150は、着用者の背部を覆う帯状の部位であって、
図1に示されるように、土台部130の横方向外側に接続されている。なお、ここで、ベルト部150は、着用者の背部でホック等の係止具で係止されず、一連に形成されている。また、ベルト部150は、伸縮性を有する素材によって形成されている。
【0023】
(6)ワイヤー長さ調節部
ワイヤー長さ調節部160は、ワイヤー170の長さLを調節するための部位であって、
図1および
図2に示されるように、一対のカップ部110の麓部の間かつ土台部130の前側に設けられている。なお、ここで、ワイヤー170の長さLは、ワイヤー170自身の長さではなく、カップ部110のワイヤー長さ調節部160側の反対側に存在する点P(Q)からワイヤー長さ調節部160までにおけるワイヤー170の長さのことである。なお、本実施の形態にかかるブラジャー100において、点Pおよび点Qは、
図1および
図2に示されるように、カップ支持部140の外側部位に位置している。また、ワイヤー長さ調節部160は、例えば、リールや回転操作可能なダイヤル等から構成されているものである。このような構成によれば、ダイヤルが着用者の肌側に押されている状態においてダイヤルを回転操作してワイヤー170をリールに巻き付けることでワイヤー170の長さLを短くすることができ、ダイヤルを前側に引くことでワイヤー170の長さLを初期状態の長さに戻すことができる。ここで、初期状態は、ワイヤー長さ調節部160によってワイヤー170の長さLを短くしていない状態をいう。このようなワイヤー長さ調節部160として、商業的に入手可能なもの(例えば、ボアテクノロジー社が製造販売しているBoa(登録商標)、株式会社ジャパーナが製造販売しているTGF(登録商標)等)を適宜選択して用いることができる。
【0024】
(7)ワイヤー
ワイヤー170は、金属や樹脂等から形成される部位である。なお、
図1および
図2に示されるように、1本のワイヤー170が、点P(Q)からワイヤー長さ調節部160を介して点Q(P)まで延びている。ここで、ワイヤー170の端部は、それぞれ点Pおよび点Qにおいて動かないように固定されている。また、ワイヤー170は、
図1および
図2に示されるように、正面視において、カップ部110の頂点111の高さ位置よりも低い位置を通り、カップ部110の下端部112の高さ位置よりも高い位置を通っている。なお、このとき、ワイヤー170は、正面視において、カップ部110の頂点111から真下に向かう方向Vにおいてカップ部110の頂点111から1cm以上2cm以下の範囲内の点を通ることが好ましく、1.5cm以上2cm以下の範囲内の点を通ることがより好ましい。また、ワイヤー170は、カップ部110内(カップ表布とカップ裏布との間)を通っており、初期状態ではカップ部110の湾曲に沿っている。また、ワイヤー170の直径は0.5mm以上2mm以下の範囲内であることが好ましく、1mm以上2mm以下の範囲内であることがより好ましい。
【0025】
上述のように、ワイヤー長さ調節部160およびワイヤー170が構成されることで、ワイヤー長さ調節部160によってワイヤー170の長さLを短くした場合に、ワイヤー170がカップ部110のカップ裏布の膨らみを潰し、着用者の胸部を押さえつけることができる。
【0026】
<本発明の実施の形態に係るブラジャーの特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係るブラジャー100では、1本のワイヤー170が、点P(Q)からワイヤー長さ調節部160を介して点Q(P)まで延びている。そして、ワイヤー長さ調節部160は、一対のカップ部110の麓部の間に配置され、ワイヤー170の長さLを調節することができる。このため、このブラジャー100では、着用者の胸部を押さえつけることができる。したがって、このブラジャー100では、着用者の胸部の揺れを軽減することができる。
【0027】
(2)
本発明の実施の形態に係るブラジャー100では、ワイヤー170は、正面視において、カップ部110の頂点111から真下に向かう方向Vにおいてカップ部110の頂点111から1cm以上2cm以下の範囲内の点を通っている。このため、このブラジャー100では、着用者の胸部の下側を押さえつけることができる。したがって、このブラジャー100では、着用者の胸部の下垂を防いで着用者の胸部の揺れを軽減することができる。
【0028】
(3)
本発明の実施の形態に係るブラジャー100では、ワイヤー170をカップ部110内(カップ表布とカップ裏布との間)に隠すことができるので、ブラジャー100の外観が損なわれないようにすることができる。また、このブラジャー100では、ワイヤー170を着用者の肌に直接触れないようにすることができる。このため、このブラジャー100では、着用者に不快感を与えないようにすることができる。
【0029】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係るブラジャー100では、ワイヤー170はカップ部110内を通っていた。しかし、ワイヤー170が、カップ部110の肌側またはカップ部110の前側を通るようにしてもよい。なお、ワイヤー170がカップ部110の肌側を通るようにした場合、ワイヤー170をカップ部110の肌側に通すためのワイヤーループ等をカップ部110の内側に設けることが好ましい。ただし、このようなワイヤーループ等は設けられなくてもよい。
【0030】
(B)
先の実施の形態に係るブラジャー100では、1本のワイヤー170が点P(Q)からワイヤー長さ調節部160を介して点Q(P)まで延びていた。しかし、1本のワイヤーが点Pからワイヤー長さ調節部160まで延び、もう1本のワイヤーが点Qからワイヤー長さ調節部160まで延びるようにしてもよい。
【0031】
(C)
先の実施の形態に係るブラジャー100では、土台部130の一部が一対のカップ部110の麓部の間に設けられていた。しかし、
図3に示されるように、土台部130は設けられなくてもよい。かかる場合、ワイヤー170だけで一対のカップ部110を連結するか、カップ部110とワイヤー長さ調節部160とを接着する等して一対のカップ部110を連結することになる。
【0032】
(D)
先の実施の形態に係るブラジャー100では、肩ストラップ部120がカップ部110とベルト部150とに接続されていた。また、カップ支持部140がカップ部110の下辺部に沿って設けられていた。また、ベルト部150が土台部130の横方向外側に接続されていた。しかし、
図3に示されるように、肩ストラップ部120、カップ支持部140またはベルト部150は設けられなくてもよい。なお、肩ストラップ部120およびベルト部150が設けられない場合、ブラジャー100が着用者の胸部から落ちないようにするために粘着性と弾力性を有する素材(例えば、シリコン等)からカップ部110が形成されるとよい。
【0033】
(E)
先の実施の形態に係るブラジャー100では、ベルト部150は、着用者の背部でホック等の係止具で係止されず、一連に形成されていた。しかし、土台部130の横方向外側から延びるベルト部同士をホック等の係止具によって係止できるようにし、着用時の締め付け具合を微調整できるようにしてもよい。
【0034】
(F)
先の実施の形態に係るブラジャー100では、ワイヤー長さ調節部160は、例えば、リールや回転操作可能なダイヤル等から構成され、ダイヤルを回転操作してワイヤー170をリールに巻き付けることでワイヤー170の長さLを短くしていた。しかし、ワイヤー長さ調節部160は、リールやダイヤル等からなる構成に限られず、ワイヤー170の長さLを短くすることができる構成であればよい。
【0035】
(G)
先の実施の形態では本発明がブラジャー100に適用されたが、本発明は、カップ部を有する衣類(例えば、タンクトップ等のスポーツウェア、水着、ボディースーツ、キャミソール等)に適用されてもよい。
【0036】
(H)
先の実施の形態に係るワイヤー長さ調節部160は、
図4に示されるように、通信部161、制御部162、駆動部163および心拍計測部164等をさらに有するように構成されてもよい。また、
図4に示されるように、ワイヤー長さ調節部160と外部端末200とを通信できるようにしてもよい。ここで、通信部161は、外部端末200と無線通信行うための通信インターフェイスであって、制御部162からのデータ(例えば、着用者の心拍数等)を外部端末200に送信したり、外部端末200からのデータ(例えば、ワイヤー長さ調節部160に対する命令等)を受信したりして制御部162に受け渡したりする。制御部162は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)であって、ワイヤー長さ調節部160の各部を制御する。駆動部は、例えば小型モータ等であって、外部端末200からの命令を受けた制御部162によって制御されて駆動し、ワイヤー170の長さLを調節する。心拍計測部は、例えば、電極を設置して心電を検出する心電式のセンサや血流変化を検出する光学式のセンサ等であって、着用者の心拍数を計測する。なお、
図4には図示されていないが、ワイヤー長さ調節部160は、記憶部をさらに有している。記憶部は、各種のRAM(Random Access Memory)や各種のROM(Read Only Memory)等であって、制御部162によって実行されるプログラムや各種データ等を記憶する。外部端末200は、例えばスマートフォン端末、タブレット端末、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等であって、ワイヤー長さ調節部160に対する命令等を送信したり、心拍計測部164で計測された心拍数を受信してディスプレイ等に表示したりする。
【0037】
ここで、外部端末200を操作して駆動部163を駆動させてワイヤー170の長さLを調節する場合について説明する。まず、制御部162は、通信部161を介して外部端末200から、ワイヤー170の長さLを調節するための命令を受信する。次に、制御部162は、受信した命令に応じて駆動部163を駆動させる。そして、駆動部163が駆動することで、ワイヤー170の長さLを調節することができる。このように、当変形例を適用した場合、着用者は、ワイヤー長さ調節部160を触らずにワイヤー170の長さLを調節することができる。すなわち、この変形例に係るブラジャーは、その上に服を着用した後であっても、ワイヤー170の長さLを調節することができ、便利である。
【0038】
ここで、心拍計測部164で着用者の心拍数を計測する場合について説明する。まず、制御部162は、心拍計測部164に着用者の心拍数を計測させる。次に、制御部162は、通信部161を介して、外部端末200に計測した心拍数を送信する。そして、外部端末200は、受信した心拍数をディスプレイ等に表示する。なお、心拍計測部164は、常に着用者の心拍数を計測していてもよいし、外部端末200からの命令があってから着用者の心拍数の計測を開始してもよい。また、心拍計測部164は、ワイヤー長さ調節部160に構成されずに、別個独立して先の実施の形態に係るブラジャー100に構成されてもよい(かかる場合、別個独立した心拍計測部164は、外部端末200と無線通信するための通信部等を有する。)。このように、当変形例を適用した場合、着用者は、心拍数を意識しながら運動等を行うことができる。
【0039】
(I)
先の実施形態では特に言及しなかったが、音楽再生機能、通話機能、ランニングやサイクリング等における速度や距離の計測機能、電子支払いシステム等の機能を実現するための構成が、先の実施の形態に係るブラジャー100のワイヤー長さ調節部160に組み込まれてもよい。かかる場合、変形例(H)に記載のような通信部161、制御部162、記憶部および外部端末200等が構成されていることが好ましい。音楽再生機能については、例えば骨伝導スピーカを利用することによって、記憶部に記憶された音楽を再生することができる。通話機能については、例えば骨伝導スピーカやマイクを利用することによって実現することができる。ランニングやサイクリング等における速度や距離の計測機能については、例えばGPSを利用することによって実現することができる。この計測機能では、ブラジャー100の着用者が通過したルート等から速度や距離を計測することができる。計測した速度や距離の結果は外部端末200に表示されることが好ましい。電子支払いシステムについては、例えば通信部161等による通信を行うことで実現することができる。
【0040】
<備考>
なお、上記変形例(A)~(I)は各例単独で適用されてもよいし、複数の例が組み合わされて適用されてもよい。
【符号の説明】
【0041】
100 ブラジャー(肌着)
110 カップ部
111 頂点
112 下端部
120 肩ストラップ部
130 土台部
140 カップ支持部
150 ベルト部
160 ワイヤー長さ調節部(線材長さ調節部)
161 通信部
162 制御部
163 駆動部
164 心拍計測部
170 ワイヤー(線材)
200 外部端末
L 長さ
P,Q 点
V 方向