(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】有彩色化方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20231002BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231002BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20231002BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20231002BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20231002BHJP
A61K 8/88 20060101ALI20231002BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/34
A61K8/73
A61K8/81
A61K8/86
A61K8/88
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2022092190
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2017159375の分割
【原出願日】2017-08-22
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2016178174
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000166959
【氏名又は名称】御木本製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中野 章典
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-155222(JP,A)
【文献】特開2014-114290(JP,A)
【文献】特開2003-286138(JP,A)
【文献】特開2003-012458(JP,A)
【文献】特開2002-128639(JP,A)
【文献】特開2002-167322(JP,A)
【文献】特開2006-022026(JP,A)
【文献】特開2016-014012(JP,A)
【文献】特開平11-322570(JP,A)
【文献】特開平08-217632(JP,A)
【文献】特開昭60-038310(JP,A)
【文献】特開昭63-236527(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0012802(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00649834(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)直鎖状でアルキル鎖長が14~22である高級アルコールから選ばれる1種又は2種以上を0.1~10重量%と、
(B)界面活性剤
として、HLBが12.5~18.0であり、かつ、POEアルキルエーテル、POE・POPアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上と、
(C)水溶性高分子
として、アルギン酸Na、キサンタンガム、ヒアルロン酸Na、クインスシードガム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸Na、カルボキシメチルセルロースNa、高重合ポリエチレングリコール(平均分子量500万)、ポリグルタミン酸から選ばれる1種又は2種以上を0.00001~0.1重量%と、
(D)水
とを含有する化粧料において、パール光沢を有彩色化する有彩色化方法であって、
化粧料に、前記(A)成分と前記(B)成分と前記(D)成分とともに、前記(C)成分を配合することを特徴とする有彩色化方法。
【請求項2】
前記(D)成分を含む水相に、撹拌しつつ前記(A)成分および前記(B)成分を含む油相を加えた後、さらに、前記(C)成分を配合することを特徴とする請求項1に記載の有彩色化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有彩色のパール光沢のある外観を有し、温度変化などの影響を受けず長期間安定で外観上の優位性を持続する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品の審美性を高めるために、パール光沢を付与する技術として、薄板状のマイカ粒子を二酸化チタンで被覆したパール顔料や魚鱗粉、ジステアリン酸グリコールの晶析を利用したパール化剤などが利用されている。しかしながら、原料特性上パール顔料の配合はメイクアップ製品等に限定され、パール化剤も洗浄剤に限定的に利用されており、低粘度の化粧水等に安定なパール光沢を付与することができなかった。また、セラミド等の結晶性の高い成分を配合して化粧水にパール様光沢を付与する製剤技術も公開されているが、凝集沈殿など安定性に課題があり、パール光沢感も十分なものではなかった。
また、パール光沢は白色の光沢しかなくより美しい有彩色のパール光沢を有する化粧料が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-167041号公報
【文献】特開2010-241795号公報
【文献】特開2006-248925号公報
【文献】特開2002-128639号公報
【文献】特開平11-79933号公報
【文献】特開昭63-287718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、長期にわたり安定な有彩色のパール光沢を維持する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意検討した結果、以下の配合で有彩色のパール光沢を呈することを特徴とする化粧料を得ることができることを見出した。
(A)高級アルコール
(B)界面活性剤
(C)水溶性高分子0.00001~0.1重量%
(D)水
このことにより単に白色のパール光沢を呈する化粧料ではなく、有彩色で虹色のような化粧料が得られ、今までにない美しい化粧料が得られた。
有彩色のパール光沢を呈する化粧料得るために必要な物質は一般的な水溶性高分子であり特殊な原料を必要としない。
しかしながら、従来、水溶性高分子は粘度や保湿性を得るために配合するので従来このような微量の配合は行われておらず、まして有彩色のパール光沢を得るために水溶性高分子を微量配合することは行われていない。
以下に詳しく記載する。
(A)の高級アルコールは、直鎖状でアルキル鎖長が14~18であることが好ましい。例示すればミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ヤシ油アルコール等を1種又は2種以上の混合で利用できる。
その配合量は化粧料の0.1重量%~10重量%が好ましく、0.3重量%~3重量%がより好ましい。
また、アルキル鎖長が18を越える直鎖状アルコールや分岐状高級アルコールも配合可能であるが、種々の条件によって変化するが、アルキル鎖長が14~18の範囲である直鎖状の高級アルコールの配合量の30重量%以下、好ましくは20重量%以下にする。
【0006】
(B)界面活性剤は、(A)の高級アルコールとの組み合わせによってパール光沢の基になる板状ラメラ構造が形成できる組み合わせなら問題ない。HLBが10~20の界面活性剤を主として選択する。
特にHLB値が10~20の範囲であり、アルキル鎖長が10~24の範囲である直鎖状のPOEアルキルエーテル及び/又はPOE・POPアルキルエーテルが最適であることを見出した。
例示すればPOEデシルエーテル、POEラウリルエーテル、POEミリスチルエーテル、POEアルキル(12-14)エーテル、POEセチルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEトリデシルエーテル、POE・POPブチルエーテル、POE・POPデシルエーテル、POE・POPラウリルエーテル、POE・POPミリスチルエーテル、POE・POPアルキル(12-14)エーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPステアリルエーテル、POE・POPベヘニルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテル等を1種又は2種以上の混合で利用できる。
【0007】
本発明において、HLB値は、有機概念図におけるIOB×10で示される。前記有機概念図におけるIOBとは、前記有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
前記有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は、“Pharmaceutical Bulletin”, 1954, vol.2, 2, pp.163-173;「化学の領域」, 1957, vol.11, 10, pp.719-725;「フレグランスジャーナル」, 1981, vol.50, pp.79-82などで説明されている。即ち、全ての有機化合物の根源をメタン(CH4)とし、他の化合物は全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値及び無機性値を求める。この値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸にとった図上にプロットしていくものである。この有機概念図は、「有機概念図-基礎と応用-」(甲田善生著、三共出版、1984)などにも示されている。
(B)の界面活性剤の配合量は化粧料の0.1重量%~30重量%が好ましく、0.3重量%~10重量%がより好ましい。
【0008】
(C)の水溶性高分子はパール光沢を有彩色にする重要な原料である。本発明者が検討したところ、水溶性高分子の多くの種類の物質が利用できることがわかった。
例示すれば、 水溶性高分子がアルギン酸、キサンタンガム、ヒアルロン酸、クインスシードガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール(分子量2万~700万)、アラビアゴム、プルラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリグルタミン酸、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸或いはこれらの塩を挙げることができ、これらより1種又は2種以上を選択して使用する。
なお、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸は水溶性高分子の分子量は疎水基がない水溶性高分子より制限があるのは当然である。
化粧料に対する配合量は他の原料の種類や量によって変化し、さらに水溶性高分子の種類によっても変化すると予想されるので適宜選択する。
さらにパール光沢の有彩色の色調は各種の要因によって変化するが主に水溶性高分子の量によってコントロールさせるので希望する色調のパール光沢を得るための量を配合するが化粧料の0.00001~0.1重量%で選択され、さらにより好ましくは0.0001~0.01重量%から選択される。
上記より配合量が少なくても多くても有彩色のパール光沢を有する化粧料は得られない。
【0009】
(D)の水は化粧品に使用できる水であればよく、精製水、天然水、温泉水等を1種以上用いる。
【0010】
(A)~(D)以外の成分も配合可能であるが、ラメラ構造を阻害したりパール光沢が視認できないような成分は配合しない。
(A)~(D)以外の成分を例示すれば、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、シア脂、大豆油、ツバキ油、綿実油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂、スクワラン、ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、キャンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、これらの水素添加物等の各種油脂類、ロウ類。
コレステロール、ラノリン脂肪酸コレステリル、分岐脂肪酸(C12-31)コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、リシノール酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステル、ノナン酸コレステリル、酪酸コレステリル、酪酸ジヒドロコレステリル等のコレステロールまたはその誘導体、フィトステロール、ラノリン脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、12-ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、リシノール酸フィトステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル等のフィトステロールまたはその誘導体、ラノリン、吸着精製ラノリン、液状ラノリン、ラノリンアルコール,水素添加ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸等のラノリンまたはその誘導体、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル等のジペンタエリトリット誘導体、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、ミリストイルメチル-β-アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)等の抱水性油分。
パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、オレフィンオリゴマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、水添ポリブテン、水添ポリデセン、重質流動イソパラフィン等の鉱物油。
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル類。
ビタミンA油、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート、リボフラビン、ビタミンCジパルミテート、エルゴカルシフェロール、ビタミンE、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネート等の油溶性ビタミン類。
ユーカリ油、ノバラ油、ローマカミツレ油、ウイキョウ油、ハッカ油、ベルガモット油、ペパーミント油、スペアミント油、バジル油、タイム油、油溶性甘草エキス等の植物の油溶性成分。
【0011】
ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、ヒスチジン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等のアミノ酸類及びその塩並びに誘導体;ケラチン、コラーゲン、エラスチン、コンキオリン、シルク、大豆蛋白、小麦蛋白、カゼイン等の加水分解ペプチド或いはその水溶性誘導体;アスコルビン酸及びそのナトリウム等の塩等のビタミンC類;アスコルビン酸エチルエーテル等のアスコルビン酸アルキルエーテル、アスコルビン酸-2-グルコシド等のアスコルビン酸グルコシド及びその脂肪酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、パルミトイルアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、リン酸トコフェリルアスコルビル等のアスコルビン酸リン酸エステル塩等のアスコルビン酸誘導体;チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、コリン類等のビタミンB群類;パントテン酸、パンテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン等のその他ビタミン類;トコフェロールリン酸エステル等の水溶性ビタミンE類;アルブチン、α-アルブチン等のヒドロキノン配糖体及びそのエステル類;コウジ酸、エラグ酸塩、トラネキサム酸塩及びその誘導体、フェルラ酸塩及びその誘導体、プラセンタエキス、アセチルグルコサミン、グルタチオン、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、グアイアズレン、アラントイン、インドメタシン、カフェイン、α-リポ酸、ルチン及び配糖体等の誘導体;ヘスペリジン及び配糖体等の誘導体;グァバ、西河柳エキス等の各種植物エキス。
【0012】
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリトリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、グリセルグルコシド等の多価アルコール類。
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムの無機塩類。
グリコール酸、乳酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、多糖、キレート剤、防腐剤、色素等が例示され、必要に応じて配合できる。
【0013】
本発明の製造方法は、プロペラミキサー、パドルミキサー、ディスパーミキサー等の乳化機を用いて常法に従い調製可能である。すなわち、油相、水相をそれぞれ必要に応じて加温し、撹拌しつつ油相と水相を合わせていく。
【0014】
本発明のパール光沢を有する化粧料は、有彩色のパール光沢を帯びた外観を呈するものであり、形状は液状~乳液状が好ましく、例示すれば化粧水、乳液、美容液、浴用剤などであるが、パール光沢を有するものであれば剤型を問わない。
【実施例】
【0015】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
表1に実施例の組成を示す。(なお、配合量は重量%である)
なお、Cの水溶性高分子溶液を作成しておき、Bの水相、Aの油相をそれぞれ計量、加温溶解後、撹拌しつつBにAを徐々に加えた。さらにCの水溶性高分子溶液を加えて冷却して作成した。
なお、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体は水溶液としたのちpHを7.0にNaOH水溶液で調整した。
【0016】
【0017】
評価は、外観色調は目視で安定性は以下の方法で評価した。
安定性
50mLの透明ガラス容器に充填したサンプルを、5℃、25℃、40℃の恒温槽に1ヶ月間保管した後、それぞれのサンプルの経時変化を目視評価した。
(評価基準)
3:パール光沢感と色彩が、直後のパール光沢感と色彩と比較してほとんど同じであり、沈殿、分離等が見られない
2:パール光沢感と色彩が、直後のパール光沢感と色彩と比較してやや変化がある、又はわずかな沈殿、分離等が見られるが商品価値を損ねない範囲である
1:パール光沢感と色彩が、直後のパール光沢感と色彩と比較して明らかに変化がある、又は明らかな沈殿、分離等が見られ商品価値を損なっている
5℃、25℃、40℃の評点の平均点で判定した。
(判定)(評点の平均点)
◎:2.5点以上
○:2点以上2.5点未満
×:2点未満
【0018】
図1~3に示したように、水溶性高分子を配合していない他は実施例1と同一の配合で同一の作成方法の比較例に対して、有彩色のパール光沢を呈する化粧料が得られ、化粧品の外観性状に優位な特徴を持たせることができた。
勿論、実施例以外の水溶性高分子も同様に有彩色のパール光沢を呈する化粧料が得られることを確認した。
【0019】
さらに、これら実施例1~12と、水溶性高分子を配合していない他は実施例1と同一の配合で同一の作成方法の比較例の分光反射率を分光測色計(コニカミノルタ社製、CM-5)で測定した。(30mmφのシャーレに10ml試験品)
結果を
図4~6に示す。
いずれの実施例でも、特定の波長において顕著な極大ピークを示した。(比較例にはこのような明確な極大ピークはなかった)
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例1~4の写真です。(なお、実施例は右で、左には水溶性高分子を配合していない他は同一の配合で同一の作成方法の比較例である。)
【
図2】実施例5~8の写真です。(なお、実施例は右で、左には水溶性高分子を配合していない他は同一の配合で同一の作成方法の比較例である。)
【
図3】実施例9~12の写真です。(なお、実施例は右で、左には水溶性高分子を配合していない他は同一の配合で同一の作成方法の比較例である。)
【
図4】実施例1~4と比較例の分光反射率を360~740nmの波長で測定した結果をします。
【
図5】実施例5~8と比較例の分光反射率を360~740nmの波長で測定した結果をします。
【
図6】実施例9~12と比較例の分光反射率を360~740nmの波長で測定した結果をします。