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特許7357989区間型除荷点接続法による杭の急速載荷試験方法
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  • 特許-区間型除荷点接続法による杭の急速載荷試験方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】区間型除荷点接続法による杭の急速載荷試験方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/303 20060101AFI20231002BHJP
   E02D 1/00 20060101ALI20231002BHJP
   E02D 33/00 20060101ALI20231002BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
G01N3/303 D
E02D1/00
E02D33/00
G01L5/00 F
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023545915
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 JP2022044886
【審査請求日】2023-07-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和 4年 6月30日 ウェブサイトのアドレス:https://confit.atlas.jp/guide/event/jgs57/participant_login?eventCode=jgs57
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398021607
【氏名又は名称】株式会社地盤試験所
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】山本 伊作
(72)【発明者】
【氏名】亀井 秀一
(72)【発明者】
【氏名】松本 樹典
(72)【発明者】
【氏名】小林 剛
(72)【発明者】
【氏名】林 世峻
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-234648(JP,A)
【文献】特開2007-139454(JP,A)
【文献】特開2013-117092(JP,A)
【文献】高野公作、亀井秀一、樋口靖、山本伊作、中山敦,“杭の急速載荷試験における解析手法に関する考察”,地盤工学研究発表会発表講演集(CD-ROM),日本,地盤工学会,2015年,Vol.50th,ROMMUNNO.161
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00 - 3/62
E02D 1/00
E02D 33/00
G01L 5/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭頭に重錘を落下させ、前記重錘による荷重と前記杭頭の変位から杭の荷重-変位関係を求める杭の急速載荷試験方法において、前記杭の複数深度にひずみ計と加速度計を設置しておき、前記重錘の落下高さhを変化させて、前記杭頭に対する複数回の急速載荷試験を行い、以下のステップにより、杭の荷重-変位関係を求めることを特徴とする区間型除荷点接続法による杭の急速載荷試験方法。
(1) 前記複数回の急速載荷試験において、杭の複数深度に設置された前記ひずみ計と加速度計によって得られた測定データを用いて、各回について、杭区間ごとの急速荷重Frapidと杭の変位量wの関係を求めるステップ。
(2)各回について、杭区間ごとの地盤抵抗力Rsoilと杭の変位量wの関係を求め、杭の最大変位点となる除荷点とこのときの除荷点荷重RULPを算出するステップ。
(3) 上記(2)で得られた各回の除荷点と除荷点荷重RULPを用いて、除荷点接続法による前記杭区間ごとの静的抵抗力Rと変位量wの関係を求め、その非線形モデル化を行うステップ。
(4) 上記(3)で求めた各杭区間の地盤抵抗の非線形モデルを用いて、杭全体に対する荷重伝達法による荷重-変位解析を行うステップ。
【請求項2】
請求項1記載の区間型除荷点接続法による杭の急速載荷試験方法において、前記(4)の荷重-変位解析を行うステップにおいて、前記杭における軸力分布も同時に解析することを特徴とする区間型除荷点接続法による杭の急速載荷試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭頭に重錘を落下させ、重錘落下による荷重と杭頭の変位との関係から杭の静的な荷重-変位関係を求める杭の急速載荷試験方法に関するものである。より具体的には、杭の複数深度にひずみ計と加速度計を設置しておき、重錘の落下高さhを変化させて、杭頭に対する複数回の急速載荷試験を行い、杭の荷重-変位関係を求める解析方法において、新たな解析手法を用いることにより、より精度の高い荷重-変位関係を求めることができるようにした杭の急速載荷試験方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の杭の急速載荷試験方法・解析方法に関する特許文献としては、例えば、特許文献1-3が挙げられる。
【0003】
特許文献1には、杭頭に重錘を落下させて杭頭に打撃力を加え、杭の沈下剛性と支持力を求める急速載荷試験方法において、重錘と杭頭との間に、比重が0.35以上0.5以下の材料からなる緩衝材を介在させることで、より小さい荷重で精度の高い試験結果が得られるようにした技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、地中に打設された杭の支持力を推定するのに必要なデータとして、信頼性の高いデータを短時間でかつ簡単に得ることができる杭の急速載荷試験装置として、杭頭を打撃する重錘と杭頭と重錘との間に、複数の金属板と当該金属板間に挟まれる高分子材料とを積層して形成されクッション材を介在させる杭の急速載荷試験装置が開示されている。
【0005】
特許文献3には、杭頭を打撃する重錘と杭頭と重錘との間に、クッション材を介在させる場合において、杭頭に落下して跳ね上る重錘を素早くキャッチして繰り返しバウンドするのを停止できるようにし、信頼性の高いデータを短時間でかつ簡単に得ることができるようにした杭の急速載荷試験装置が開示されている。
【0006】
このような杭の急速載荷試験方法に関しては、日本国内において、杭の急速載荷試験が動的な載荷試験法として地盤工学会基準(JGS1815-2002)に追加され20年が経過した。杭の急速載荷試験方法が載荷試験基準に追加された2002年まで、急速載荷試験の加力装置は反力体慣性力方式が多くを占めていたが、加力装置の改良が進んだ現在、国内の試験のほとんどが軟クッション重錘落下方式で実施されている。
【0007】
これに伴って、載荷回数も計画最大荷重を1回載荷する方法から、ハンマー落下高さを段階的に上げる複数回載荷となっている。そのため、解析方法も除荷点(ULP)法から、ULP法で必要とされる減衰定数Cを求める必要がなく除荷点を結ぶだけで静的な荷重-変位量関係が得られる除荷点接続法(ULPC法)が主流となっている。
【0008】
このようにして、急速載荷試験の解析法として除荷点接続法(ULPC法)が普及した結果、杭全長を剛体と見なす一質点系モデルの解析について課題となる事例が出ている。そのため、一質点系で挙動していないと判断される場合の慣性力の評価として、杭体に設置した複数の加速度の平均値を用いる方法や杭先端の加速度相当まで低減させる方法等、いくつかの解析方法が提案されている。
【0009】
また、非特許文献1では、慣性力の評価を考慮した解析法の一つとしてSULP法を提案している。SULP法の概念図を図1に示す。
【0010】
SULP法は杭にひずみ計が複数深度に設置された場合に適用できる手法である。ひずみ計設置深度で区間を設定し、区間毎に急速荷重と変位量を求め除荷点法を適用する。この解析結果から得られる区間静的抵抗力を合算するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】日本国特開2002-303570号公報
【文献】日本国特開2005-068802号公報
【文献】日本国特許第6613430号公報
【非特許文献】
【0012】
【文献】Gray Mullins et al. (2002):Advancements in Statnamic data regression techniques、International Deep Foundations Congress、Orlando、Florida、USA、pp.1-16.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したSULP法は杭全体で加速度・速度・変位の大きさの違いや時間差が生じる場合でも、杭を区間で区切ることで解析対象の杭長が短くできるため、除荷点法の解析条件である剛体仮定により近づけることができ、実際の現象に近い状態の杭区間の慣性力と地盤抵抗を算定することができるという利点がある。
【0014】
しかしながら、異なる時刻、すなわち異なる区間変位量で求められた抵抗力であるため、区間静的抵抗力を単純に合算し杭頭荷重とすることは、支持力が過大評価となる可能性がある。
【0015】
また、ひずみ計から区間変位量を求め、その2階微分により加速度を求めていることから、慣性力の評価に微分による誤差の影響を受ける可能性がある。
【0016】
本発明では、このような課題に対する新たな解析法として、SULP法を拡張させた区間型除荷点接続法(Segmental Unloading Point Connection method)(「SULPC法」と呼ぶ。)を提案し、杭全体で加速度の大きさの違いや時間差が生じる場合でも、慣性力の定量的な評価ができ、より精度の高い荷重-変位関係を求めることができる杭の急速載荷試験方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の区間型除荷点接続法による杭の急速載荷試験方法は、杭頭に重錘を落下させ、前記重錘による荷重と前記杭頭の変位から杭の荷重-変位関係を求める杭の急速載荷試験方法において、前記杭の複数深度にひずみ計と加速度計を設置しておき、前記重錘の落下高さhを変化させて、前記杭頭に対する複数回の急速載荷試験を行い、以下のステップにより、杭の荷重-変位関係を求めるようにしたものである。
【0018】
(1) 前記複数回の急速載荷試験において、杭の複数深度に設置された前記ひずみ計と加速度計によって得られた測定データを用いて、各回について、杭区間ごとの急速荷重Frapidと杭の変位量wの関係を求めるステップ。
【0019】
(2)各回について、杭区間ごとの地盤抵抗力Rsoilと杭の変位量wの関係を求め、杭の最大変位点となる除荷点とこのときの除荷点荷重RULPを算出するステップ。
【0020】
(3) 上記(2)で得られた各回の除荷点と除荷点荷重RULPを用いて、除荷点接続法による前記杭区間ごとの静的抵抗力Rと変位量wの関係を求め、その非線形モデル化を行うステップ。
【0021】
(4) 上記(3)で求めた各杭区間の地盤抵抗の非線形モデルを用いて、杭全体に対する荷重伝達法による荷重-変位解析を行うステップ。
【0022】
本発明における解析法(SULPC法)は前述したように、SULP法を拡張させたもので、杭体にひずみ計・加速度計を複数深度に設置された場合に適用できる手法である。
【0023】
図2の概念図および次の式(1)に示すように、杭はひずみ計・加速度計の設置位置で分割され、この区間毎に解析を行う。
【数1】
【0024】
図2および式(1)において、
n:杭区間数
i:区間
soili: i区間の地盤抵抗力
wi: i区間の静的地盤抵抗成分
vi: i区間の動的地盤抵抗成分
rapidi: i区間に作用する急速荷重
i:i断面における急速荷重
i:i区間の杭体質量
α:i区間の杭体の加速度
【0025】
解析は、まず区間毎の地盤抵抗力と加速度計から求めた変位量で除荷点を求め、これを従来の除荷点接続法(ULPC法)と同様に、区間毎の静的抵抗力-変位量関係にし、荷重伝達法で静的な荷重-変位関係や軸力分布を求める手順で行う。解析のフロ-を図2に、解析結果のイメ-ジを図4図6に示す。本発明における解析法(SULPC法)の特徴は以下の通りである。
【0026】
SULP法が除荷点法による1回の打撃結果から静的抵抗力-変位量関係を求めるのに対し、本発明における解析法(SULPC法)は試験結果から得られた複数の除荷点をつなげて各区間の荷重-変位関係を求めるため、減衰定数Cを仮定する必要はなく、初期沈下剛性や最大抵抗力までの荷重-変位量関係を得ることができる。
【0027】
本発明における解析法(SULPC法)は杭体への複数の加速度計設置を前提にしている。そのため、SULP法の特徴である杭の剛体仮定の考え方を踏襲した上で、より正確な各区間の杭慣性力および荷重-変位関係が求められる。
【0028】
本発明における解析法(SULPC法)は区間静的抵抗力-変位量関係を非線形ばねにモデル化し、荷重伝達法によって杭頭荷重-変位量関係や軸力分布を得ることができる。このため、各深度に生じた杭体変位に応じた静的抵抗力が得られるため、SULP法のような区間静的抵抗力の単純合算は行わない。
【0029】
このように、本発明における解析法(SULPC法)は杭全体で加速度の大きさの違いや時間差が生じる場合でも、慣性力の定量的な評価ができ、精度の高い杭頭荷重-変位量関係や軸力分布を得ることができる。
【0030】
本発明における解析法(SULPC法)は、図2に示すように区間で分割した杭長毎に除荷点を求めることから、区間で相対載荷時間Tr≧5を満たせば、一質点系モデルの適用範囲となり波動現象の影響を無視できることになる。つまり、杭全長で相対載荷時間Tr≧5を満たす必要はなくなる。
【0031】
なお、動的載荷試験には急速載荷試験と衝撃載荷試験があり、この2つは杭体に発生する波動を無視できるかどうかで分類される。この分類は載荷時間の長さで決まり、杭体中を伝わる波が何往復しているかで定義されている。この波が載荷時間中に杭を何往復しているかが相対載荷時間Trであり、杭を1往復する時間を1とした載荷時間で計算される。相対載荷時間が5未満なら衝撃載荷試験、5以上で500よりも少なければ急速載荷試験、500以上であれば静的載荷試験に分類される。
【0032】
=t/(2L/c)
:相対載荷時間
:載荷時間
L:杭長
■c:縦波の伝播速度
【発明の効果】
【0033】
杭の複数深度にひずみ計と加速度計を設置しておき、重錘の落下高さhを変化させて、杭頭に対する複数回の急速載荷試験を行い、杭の荷重-変位関係を求める解析方法において、本発明で提案する解析法(SULPC法)を用いることで、杭全体で加速度の大きさの違いや時間差が生じる場合でも、慣性力の定量的な評価ができ、より精度の高い荷重-変位関係を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】従来のSULP法の概念図である。
図2】本発明で用いる新たな解析法(SULPC法)の概念図である。
図3】本発明で用いる新たな解析法(SULPC法)のフロ-図である。
図4】区間毎の急速荷重Frapid-区間変位量w関係を示すグラフである。
図5】一打撃から求まる区間毎の地盤抵抗力Rsoil-区間変位量w関係を示すグラフである。
図6】全打撃から求まる区間毎の静的抵抗力Rw-区間変位量w関係を示すグラフである。
図7】試験杭近傍の土質柱状図と試験杭の根入れ状態を示す図である。
図8】押込み試験の荷重サイクルを示す図である。
図9】押込み試験の荷重-変位量関係を示す図である。
図10】急速荷重・変位・速度・加速度の時刻歴(h=3.0m)を示すグラフである。
図11】区間毎の地盤抵抗力-変位量関係(h=3.0m)を示すグラフである。
図12】区間毎の静的抵抗力-変位量関係(h=3.0m)を示すグラフである。
図13】杭頭の荷重-変位量関係を示す図である。
図14】軸力分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の急速載荷試験方法の合理性を検討するために行った試験について説明する。この試験は本発明における解析法(SULPC法)による杭の荷重-変位量の解析結果を示し、押込み試験結果との比較・考察を行ったものである。
【0036】
〔試験杭の仕様・地盤概要・載荷試験手順〕
表1に試験杭の仕様を、図7に試験杭近傍の土質柱状図と試験杭の根入れ状態を示す。支持層は風化岩と強風化岩であり、深度20m以深のN値は50以上である。杭の施工はダウンザホ-ルハンマー工法で、杭先端から1D0区間は根固めコンクリ-トが打設されており閉塞されている。
【0037】
【表1】
【0038】
杭頭付近(L1)にはひずみ計と加速度計を設置した。地中部はL2~L4にひずみ計、L3、L4には加速度計を設置した。各測定点でひずみ計を軸対称位置に2点設置した。風化岩層区間L3~L4の杭外周表面には、杭頭の荷重が杭先端まで十分伝達できるよう、杭先端から0.8m区間を除き摩擦低減材を塗布した。
【0039】
杭の載荷試験は、杭施工後29日間の養生を経て押込み試験を実施し、押込み試験後90日経過してから急速載荷試験を実施した。
【0040】
〔押込み試験結果〕
図8に押込み試験の荷重サイクルを示す。最初に段階載荷方式で行い、その後に連続載荷方式で行った。連続載荷方式の最大荷重は段階載荷方式の最大荷重と同じ荷重とした。図9に押込み試験の荷重-変位量関係を示す。
【0041】
〔急速載荷試験結果〕
急速載荷試験は質量44tonの重錘を用いた軟クッション重錘落下方式にて実施した。試験はハンマー落下高h=0.25mからh=3.0mまで計7回実施した。
【0042】
図10に最大落下高h=3.0mの急速荷重・変位・速度・加速度の時刻歴を示す。同図に示すように相対載荷時間Tr=t/(2L/c)(ここでtは載荷継続時間)は7.1であり試験基準を満足している。なお、L2は加速度計を設置しなかったため、L1とL3の加速度の測定データからL2との距離で加重平均した値を用いている。
【0043】
図7に示すL1~L4のひずみ計設置区間(4区間)で分割し、本発明における解析法(SULPC法)で解析を行った。
【0044】
図11に本発明における解析法(SULPC法)による最大落下高h=3.0mの時の区間毎の地盤抵抗力-変位量関係図を示す。同図より除荷点を求め、除荷点接続法(ULPC法)を用いて各落下高の除荷点を接続し、静的抵抗力-変位量関係を求めた。この結果を図12に示す。
【0045】
図12の区間毎の静的抵抗力-変位量関係を非線形ばねにモデル化し荷重伝達法にて杭頭の荷重-変位量関係を求めた。この結果を図13に示す。同図には連続載荷方式の荷重-変位量関係も併せて示す。本発明における解析法(SULPC法)で解析した荷重-変位量曲線は、押込み試験(連続載荷方式)とほぼ同様の結果となった。特に、初期の沈下剛性は連続載荷試験結果とほぼ一致した。
【0046】
また、荷重伝達法で求めた軸力分布を図14に示す。本発明における解析法(SULPC法)で求めた軸力分布は連続載荷方式の結果とよく一致した。このことは、本発明における解析法(SULPC法)で得られた静的抵抗力-変位量関係やモデル化した非線形ばね曲線の設定(図12)が適切であったことを示している。
【要約】
本発明は従来のSULP法を拡張した杭の急速載荷試験方法であり、杭の複数深度にひずみ計と加速度計を設置し、重錘の落下高さhを変化させて、杭頭に対する複数回の急速載荷試験を行い、ひずみ計および加速度計によって得られた測定データを用いて、各回について杭区間ごとの急速荷重Frapidと杭の変位量wの関係を求め、各回について杭区間ごとの地盤抵抗力Rsoilと杭の変位量wの関係を求め、杭の最大変位点となる除荷点とこのときの除荷点荷重RULPを算出し、各回の除荷点と除荷点荷重RULPを用いて、除荷点接続法による杭区間ごとの静的抵抗力Rと変位量wの関係を求める。このようにして求めた各杭区間の地盤抵抗の非線形モデルを用いて、杭全体に対する荷重伝達法による荷重-変位解析を行う。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14