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特許7358050情報処理システム、及びその制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】情報処理システム、及びその制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20231002BHJP
   A61L 2/07 20060101ALI20231002BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20231002BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20231002BHJP
   A61B 90/00 20160101ALI20231002BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20231002BHJP
   A61L 101/22 20060101ALN20231002BHJP
   A61L 101/32 20060101ALN20231002BHJP
【FI】
G16H40/00
A61L2/07
A61L2/20 102
A61L2/20 106
A61L2/24
A61B90/00
A61G12/00 Z
A61L101:22
A61L101:32
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019005468
(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公開番号】P2020113206
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】392022064
【氏名又は名称】キヤノンメドテックサプライ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三木 瑶子
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロイチョウドゥーリ 澄人
(72)【発明者】
【氏名】成田 千里
(72)【発明者】
【氏名】西本 雄佑
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏嗣
(72)【発明者】
【氏名】原田 知広
【審査官】安井 雅史
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3199614(JP,U)
【文献】特開2008-200126(JP,A)
【文献】特開2018-205999(JP,A)
【文献】特開平06-142105(JP,A)
【文献】特開2017-182788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61L 2/00- 2/28
11/00-12/14
A61B 90/00-90/98
A61G 12/00
A61L 101:22
A61L 101:32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被滅菌物、及び前記被滅菌物の滅菌に関する情報を特定するための第1特定情報を読み取る読取手段と、
手術に関する手術情報の選択を受け付ける受付手段と、
前記読取手段により読み取られた、前記被滅菌物の包装材に用いたケミカルインジケーターの前記第1特定情報と、前記受付手段で選択を受け付けた手術情報とを関連付ける関連付手段と、
を備え、
前記ケミカルインジケーターは、前記滅菌により変色する変色部と、前記第1特定情報を示すコードを含む識別情報部とを有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記手術情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された手術情報と前記関連付手段により関連付けられた前記第1特定情報により特定される前記被滅菌物、及び前記被滅菌物の滅菌に関する情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記被滅菌物の滅菌に関する情報は、前記被滅菌物を滅菌した滅菌器による滅菌の処理結果、前記滅菌で使用したケミカルインジケーターに関する情報、及びバイオロジカルインジケーターに関する情報の少なくとも何れかを含む情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記関連付手段は、前記ケミカルインジケーターの前記第1特定情報と、前記手術情報とを関連付けた場合に、前記第1特定情報により特定される前記被滅菌物が払い出された場所を更新することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
被滅菌物、及び前記被滅菌物の滅菌に関する情報を特定するための第1特定情報を読み取る読取工程と、
手術に関する手術情報の選択を受け付ける受付工程と、
前記読取工程により読み取られた、前記被滅菌物の包装材に用いたケミカルインジケーターの前記第1特定情報と、前記受付工程で選択を受け付けた手術情報とを関連付ける関連付工程と、
を含み、
前記ケミカルインジケーターは、前記滅菌により変色する変色部と、前記第1特定情報を示すコードを含む識別情報部とを有することを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、及びその制御方法、プログラムに関し、特に、被滅菌物の滅菌に関する情報と、当該被滅菌物を用いる手術に関する手術情報とを関連付けるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、各手術器材に対してID番号を付与しておき、各手術器材を管理する方法について、提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、滅菌処理器12を特定するためのバーコードの識別標識71を備えたケミカルインジケーターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-178106号公報
【文献】特開2007-307088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、例えば、どの手術でどの器材(被滅菌物)を使用し、また、その器材は、どの滅菌方法の滅菌器でどのように滅菌され、滅菌後のインジケーターはどのような結果であり、そのインジケーターを誰が確認したのか等をユーザは把握することが出来なかった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、被滅菌物の滅菌に関する情報と、当該被滅菌物を用いる手術に関する手術情報とを関連付けるための仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被滅菌物、及び前記被滅菌物の滅菌に関する情報を特定するための第1特定情報を読み取る読取手段と、手術に関する手術情報の選択を受け付ける受付手段と、前記読取手段により読み取られた、前記被滅菌物の包装材に用いたケミカルインジケーターの前記第1特定情報と、前記受付手段で選択を受け付けた手術情報とを関連付ける関連付手段と、を備え、前記ケミカルインジケーターは、前記滅菌により変色する変色部と、前記第1特定情報を示すコードを含む識別情報部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被滅菌物の滅菌に関する情報と、当該被滅菌物を用いる手術に関する手術情報とを関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理システムのシステム構成の一例を示すである。
図2図1に示すサーバ101、手術管理システム122、クライアント端末102、106、109、113、116、119に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】組立・包装工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図4】滅菌工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図5】保管工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6】払出工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図7】開封工程・手術工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図8】開封工程・手術工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】回収工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図10】サーバ101が、各クライアント端末からの要求に応じて、滅菌管理レポートの出力(表示)する処理の一例を示すフローチャートである。
図11】器材セット選択画面1101の一例を示す図である。
図12】ケミカルインジケーター1205の一例を示す図である。
図13図13(A)は、切れ目1203で切る前のケミカルインジケーター1205の一例であり、図13(B)は、切れ目1203で切った後のケミカルインジケーター1205の一例である。
図14図14(A)は、包装材1401に、機材セットと包装内部用シート1301を入れた図の一例であり、図14(B)は、機材セットと包装内部用シート1301を入れた包装材1401に蓋をして、その蓋に包装外部用シート1302を貼り付けた図の一例である。
図15】サーバ101の外部メモリ等の記憶手段に記憶されているデータテーブルの一例を示す図である。
図16】各アラート画面(1600、1601、1603~1607)、及び器材の組み立て方法、及びメンテナンス方法、器材セットの包装内への置き方を示す表示画面(1602)の一例を示す図である。
図17】サイクルレポートの一例を示す図である。
図18】所定の条件の一例を示す図である。
図19】滅菌管理レポート1901の一例を示すである。
図20】手術情報(オーダー情報)2001の一例を示す図である。
図21】クライアント端末116に表示される手術情報(オーダー情報)2001の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0012】
図1に示す情報処理システムは、病院内に設置している各クライアント端末(102、106、109、113、116、119)と、サーバ101、手術管理システム122を含むシステムである。サーバ101、手術管理システム122は、病院内に設置してもよい。
【0013】
本実施形態では、各クライアント端末を病院内に設置する例として説明するが、病院ではなく滅菌を行う施設であればよい。サーバ101、手術管理システム122も同様に病院ではなく滅菌を行う施設に設置してもよい。
【0014】
病院内には、図1に示すように、中央材料室、洗浄室、組立エリア、滅菌エリア、既滅菌エリア、払出エリア、手術室/手術準備室を備えている。ここで、組立エリアと滅菌エリアは同一の部屋で、既滅菌エリアと払出エリアは同一の部屋として説明する。
【0015】
中央材料室には、クライアント端末102と、クライアント端末102と通信可能に接続された読取装置103と、クライアント端末102と通信可能に接続された撮像装置104とが設置されている。読取装置103は、後述するインジケーター(ケミカルインジケーター1205)の識別情報部(1202、1204)、及び変色部1201を撮影して読み取る装置である。すなわち、読取装置103は、識別情報部(1202、1204)、及び変色部1201を撮影してその画像を取得する撮像装置である。読取装置103は、当該画像を、クライアント端末102に送信してクライアント端末102は当該画像を取得する。クライアント端末102は、当該画像をサーバ101に送信する機能を備えている。また、読取装置103は、当該画像の中の識別情報部に記録された情報を読み取り、当該画像と共に当該情報をクライアント端末102に送信して、クライアント端末102がサーバ101に当該画像と当該情報を送信するようにすることもできる。図1に示す各読取装置、各クライアント端末は、これと同様の処理を行う機能を備えている。
【0016】
識別情報部(1202、1204)は、例えば、一次元コードや二次元コード等のコードである。識別情報部に記録された情報は、ケミカルインジケーター1205を識別する識別情報である。詳しくは後述するが、識別情報部に記録された情報としては、結果的に被滅菌物を特定するための情報として機能する情報である。ケミカルインジケーターを単にCIとも言う。また、撮像装置104は、デジタルカメラである。
【0017】
また、中央材料室は、手術室/手術準備室で使用された被滅菌物(器材、各器材のセット(器材セット))が回収され、当該器材セットの種類や器材の数を確認する部屋である。そのため、中央材料室における工程を回収工程という。
【0018】
洗浄室は、作業者(ユーザ)が、中央材料室で確認された器材を各アイテムに分解して、当該各アイテムを洗浄機105で洗浄する部屋である。洗浄室での工程を洗浄工程という。
【0019】
組立エリアでは、作業者(ユーザ)が、洗浄機105で洗浄された各アイテムを組み立てて器材とし、当該器材のセットを滅菌コンテナ等の包装材の中にセットして包装するエリアである。そのため、組立エリアにおける工程を組立・包装工程という。
【0020】
組立エリアには、読取装置107と、撮像装置108と、クライアント端末106とが設置されており、クライアント端末106は、読取装置107と撮像装置108と通信可能に接続されている。
【0021】
滅菌エリアでは、作業者(ユーザ)が、組立エリアで組み立てられ包装された器材セットを滅菌器112の滅菌室に入れて滅菌するエリアである。そのため、滅菌エリアにおける工程を滅菌工程という。
【0022】
滅菌エリアには、読取装置110と、クライアント端末109とを備え、クライアント端末109は、読取装置110と通信可能に接続されている。
【0023】
滅菌器112は、例えば、一般的なダブルドアの仕様になっており、滅菌エリアから滅菌器112の滅菌室に器材セットを入れることができ、滅菌器112の滅菌室で滅菌された器材セットは、後述する既滅菌エリアに滅菌室から直接取り出すことができるように構成されている。また、滅菌器112は、1台ではなく、複数種類の滅菌器が複数設置されており、過酸化水素ガスを滅菌ガスとして用いる種類の滅菌器や、水の高圧蒸気を滅菌ガスとして用いる種類の滅菌器、ホルマリンを滅菌ガスとして用いる滅菌器などがある。
【0024】
既滅菌エリアでは、作業者(ユーザ)が、滅菌器112の滅菌室で滅菌された器材セットを、滅菌室から直接取り出して保管するエリアである。そのため、既滅菌エリアにおける工程を保管工程という。
【0025】
既滅菌エリアには、読取装置114と、クライアント端末113とを備え、クライアント端末113は、読取装置114と通信可能に接続されている。
【0026】
払出エリアは、作業者(ユーザ)が、保管された器材セットを手術室/手術準備室に払い出すエリアである。そのため、払出エリアにおける工程を払出工程という。
【0027】
払出エリアには、読取装置117と、撮像装置118と、クライアント端末116とが設置されており、クライアント端末116は、読取装置117と撮像装置118と通信可能に接続されている。
【0028】
手術室/手術準備室では、作業者(ユーザ)が、払い出された器材セットを包装している包装材を開封して器材セットを確認して、当該器材セットを手術で用いる。そのため、手術室/手術準備室における工程を開封工程・手術工程という。
【0029】
手術室/手術準備室には、読取装置120と、撮像装置121と、クライアント端末119とが設置されており、クライアント端末119は、読取装置120と撮像装置121と通信可能に接続されている。
【0030】
手術室/手術準備室で使用された器材セットは、中央材料室に回収される。
【0031】
各クライアント端末(102、106、109、113、116、119)、滅菌器112、洗浄機105は、サーバ101と相互に通信可能に接続されており、サーバ101と手術管理システム122は、相互に通信可能に接続されている。各クライアント端末(102、106、109、113、116、119)は、サーバ101の入出力の端末(表示端末、入力端末)として機能する。
【0032】
器材、又は器材セットの被滅菌物の管理手順(流れ)としては、回収工程、洗浄工程、組立・包装工程、滅菌工程、保管工程、払出工程、開封工程・手術工程の順番である。すなわち、この順番で、以下の図3~9に示す処理が実行される。
図2
図2は、図1に示すサーバ101、手術管理システム122、クライアント端末102、106、109、113、116、119に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、情報処理装置は、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)203、RAM(Random Access Memory)202、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、および通信I/Fコントローラ208が接続される。
【0034】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0035】
ROM203あるいは外部メモリ211等の記憶装置は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本情報処理方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0036】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ211からRAM202にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0037】
入力コントローラ205は、入力装置209(入力デバイス)からの入力を制御する。入力装置209としては、キーボード、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイス等が挙げられる。
【0038】
なお、入力装置209がタッチパネルの場合、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができることとする。
【0039】
また、タッチパネルは、マルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0040】
ビデオコントローラ206は、ディスプレイ装置210などの外部出力装置への表示を制御する。ディスプレイは本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。なお、外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。また、前述のタッチ操作により受け付け可能な装置については、入力装置209を提供する。
【0041】
なお、ビデオコントローラ206は、表示制御を行うためのビデオメモリ(VRAM)を制御することが可能で、ビデオメモリ領域としてRAM202の一部を利用することもできるし、別途専用のビデオメモリを設けることも可能である。
【0042】
メモリコントローラ207は、外部メモリ211へのアクセスを制御する。外部メモリとしては、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、および各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)などのメモリ等を利用可能である。
【0043】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信、Wi-Fi、および3G回線、LTE回線を用いた通信が可能である。
【0044】
なお、外部メモリ211等の記憶装置は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0045】
また本実施形態における通信端末で行われる各種処理時の一時的なメモリエリアとしても利用可能である。
【0046】
尚、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
図3
次に、図3に示すフローチャートを用いて、組立・包装工程において、サーバ101が実行する処理について説明する。
【0047】
図3は、組立・包装工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図3に示す各ステップの処理は、サーバ101のCPUが、外部メモリ等の記憶手段に格納されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0049】
まず、洗浄工程において、ユーザが、洗浄機105で洗浄された器材セットの各器材を構成する各アイテムを洗浄機105から取り出す。
【0050】
サーバ101は、クライアント端末106に器材セット選択画面(図11)を表示する。
【0051】
図11は、器材セット選択画面1101の一例を示す図である。
【0052】
器材セット選択画面1101は、診療科目を選択するプルダウン1102と、プルダウン1102で選択された診療科目で用いられる器材セット名、当該機材セットの種類(モデル)、当該機材セットを構成する器材の数を表示する表示欄1103とを表示する画面である。
【0053】
サーバ101は、器材セット選択画面1101を介してユーザにより選択された診療科目をクライアント端末106から受け付けると、当該選択された診療科目に対応して器材セット情報1501に記憶されている器材セット名、器材セットの種類(モデル)、及び器材数を取得して、当該取得した情報をクライアント端末106の器材セット選択画面1101の表示欄1103に表示する。
【0054】
そして、ユーザは、表示欄1103に表示された器材セット名、器材セットの種類(モデル)、及び器材数のレコードを選択する。
【0055】
サーバ101は、表示欄1103を介してユーザにより選択された器材セット名、器材セットの種類(モデル)、及び器材数をクライアント端末106から受け付けると、当該受け付けた器材セット名、器材セットの種類(モデル)、及び器材数に対応して記憶された器材セット情報1501のレコードを特定する(S301)。
【0056】
ここで、図15に示す器材セット情報1501に示すデータテーブルについて説明する。
【0057】
図15に示す器材セット情報1501は、サーバ101の外部メモリ等の記憶手段に記憶されているデータテーブルである。
【0058】
器材セット情報1501には、「診療科目」、「機材セット名」、「機材セットの種類(モデル)」、「機材数」、「組立方法」、「包装内の置き方」、「メンテナンス方法」、「器材ごとの形状」、「滅菌方法」、「滅菌器」、「インジケーターの種類」の項目を含み、これらの項目が関連付けられて記憶されている。この「診療科目」には、診療科目を示すデータが記憶されており、「機材セット名」には、機材セット名のデータが記憶されている。また、「機材セットの種類(モデル)」には、当該機材セットの種類(モデル)を示すデータが記憶されている。「機材数」には、当該器材セットを構成する器材の数が記憶されている。また、「組立方法」には、当該器材を構成するアイテムを組み立てて当該器材を作る組立方法を示すデータが記憶されており、「包装内の置き方」には、当該組み立てた器材を包装内に置く位置や置き方を示すデータが記憶されている。
【0059】
また、「メンテナンス方法」には、機材セットのメンテナンス方法を示すデータが記憶されており、「器材ごとの形状」には、器材ごとの形状を示すデータ(形状情報)が記憶されている。すなわち、「器材ごとの形状」には、器材セットを構成する器材ごとに形状情報が記憶されている。また、「滅菌方法」には、当該器材セットの滅菌に適した滅菌方法として、過酸化水素ガスによる滅菌方法や高圧蒸気滅菌による滅菌方法などの滅菌方法が記憶されている。「滅菌器」には、当該滅菌方法により滅菌する滅菌器の機種や種類を示すデータが記憶されている。また、「インジケーターの種類」には、当該滅菌方法、及び当該滅菌器に用いるインジケーターの種類を示すデータが記憶されている。
【0060】
次に、読取装置107は、これから滅菌に使用する未使用のケミカルインジケーター1205の包装内部用シート1301の変色部1201と包装内部用の識別情報部1202とを撮影する。ここで撮影する対象のケミカルインジケーター1205は、包装材1401の内部に入れる包装内部用シート1301と、包装材1401の外部に貼り付ける包装外部用シート1302とで構成されるケミカルインジケーター1205である。そして、読取装置107は、撮影された画像をクライアント端末106に送信する。クライアント端末106は、当該画像を取得すると、当該画像をサーバ101に送信する。サーバ101は、当該画像を取得すると、当該画像の変色部の色値(色彩値)と、識別情報部1202に記録された識別情報とを読み取り取得する(S302)。
【0061】
図12は、ケミカルインジケーター1205の一例を示す図である。
【0062】
ここで、図12を用いて、ケミカルインジケーター1205の構成について説明する。
【0063】
ケミカルインジケーター1205は、包装内部用シート1301と、包装外部用シート1302との間に切り目1203が入っており、1枚のシートとして形成されている。この切れ目1203があることで、ユーザは、切れ目1203で切り取り、包装内部用シート1301と、包装外部用シート1302とを分け易くなる。
【0064】
包装内部用シート1301は、その表面に、機材セット等の被滅菌物を滅菌するための滅菌ガスにより変色する変色部1201と、識別情報部1202とを備えたシートであって、当該被滅菌物を包装する包装材(滅菌コンテナ等であり単にコンテナとも言う)の内部に配置されるシートである。変色部1201は、被滅菌物を滅菌するための滅菌ガスが接触することにより変色する。
【0065】
また、包装外部用シート1302は、その表面に識別情報部124を備えたシートであって、当該被滅菌物を包装する包装材の外部に配置されるシートである。ここで、外部とは、滅菌器の滅菌室の中ではあるものの包装材の外部の位置を意味する。例えば、包装外部用シート1302の裏面は、接着剤が塗布された接着部1207を備えているため、例えば、包装材の外面に貼り付けることができる。これにより、包装材から包装外部用シート1302が取れ難くなり、包装材と包装外部用シート1302との対応関係が間違い難くなる。
【0066】
また、識別情報部1202に記録された識別情報と、識別情報部1204に記録された識別情報は、同一の情報である。
【0067】
また、包装内部用シート1301の裏面は、図15に示す通り、接着部を備えていない非接着部1206である。これにより、包装材の内部の包装内部用シート1301の裏面側も滅菌器で滅菌し易くなる。
【0068】
図15の例では、包装内部用シート1301の裏面は、非接着部1206であるが、1206に接着部を設けるようにしてもよい。
【0069】
ユーザは、ケミカルインジケーター1205を、図13に示すように、切れ目1203で切り取り、包装内部用シート1301と、包装外部用シート1302とに分ける。
【0070】
図13(A)は、切れ目1203で切る前のケミカルインジケーター1205の一例であり、図13(B)は、切れ目1203で切った後のケミカルインジケーター1205の一例である。
【0071】
そして、ユーザは、図14に示すように、切れ目1203で切った後の包装内部用シート1301を、機材セット(例えば、器材A、器材B、器材Cのセット)と共に包装材1401の中に入れて、包装材1401の外面に包装外部用シート1302を貼り付ける。
【0072】
図14(A)は、包装材1401に、機材セットと包装内部用シート1301を入れた図の一例である。また、図14(B)は、機材セットと包装内部用シート1301を入れた包装材1401に蓋をして、その蓋に包装外部用シート1302を貼り付けた図の一例である。
【0073】
図3の説明に戻る。
【0074】
サーバ101は、S302で取得した変色部の色値(色彩値)が、未使用の変色部1201の初期色の色値(規定値(所定値))であるか否かを判定することにより、変色部1201の初期色が規定値を満たしているか否かを判定する(S303)。
【0075】
サーバ101は、S302で取得した変色部の色値(色彩値)が、未使用の変色部1201の初期色の色値(規定値(所定値))である(変色部の初期色が規定値を満たしている)と判定された場合には(S303:YES)、処理をS305に移行し、一方、S302で取得した変色部の色値(色彩値)が、未使用の変色部1201の初期色の色値(規定値(所定値))ではない(変色部の初期色が規定値を満たしていない)と判定された場合には(S303:NO)、処理をS304に移行する。
【0076】
サーバ101は、S304において、変色部の初期色が規定値を満たしていないことを示すアラートをクライアント端末106に出力する。具体的には、サーバ101は、変色部の初期色が規定値を満たしていない旨の表示を、クライアント端末106に表示させる(S304)。図16に示すアラート画面0(1600)は、S304でクライアント端末106に表示されるアラート画面の一例である。そして、処理をS302に戻す。
【0077】
サーバ101は、S305において、S302により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターであるか否かを判定する。
【0078】
具体的には、サーバ101は、S302で読み取られた識別情報により識別されるインジケーターを使用できる滅菌方法、滅菌器、又は当該インジケーターのインジケーターの種類を特定する。
【0079】
例えば、サーバ101は、S302で読み取られた識別情報の一部(例えば、識別情報の先頭の2桁の数字)が、図15のインジケーター情報1502に対応して記憶されているレコードを特定する。これにより、S302で読み取られた識別情報により識別されるインジケーターを使用できる滅菌方法、滅菌器、又は当該インジケーターのインジケーターの種類を特定する。
【0080】
図15のインジケーター情報1502は、「識別情報部の識別情報の一部」、「滅菌方法」、「滅菌器」、「インジケーターの種類」の項目を含んでいる。
【0081】
「識別情報部の識別情報の一部」には、識別情報の一部の情報(例えば、識別情報の先頭の2桁の数字)が記憶されている。この識別情報の一部の情報は、インジケーターを使用できる滅菌方法、滅菌器、又は当該インジケーターのインジケーターの種類を識別する情報である。また、「滅菌方法」には、当該識別情報により識別されるインジケーターを使用できる滅菌方法を示すデータが記憶されている。また、「滅菌器」には、当該識別情報により識別されるインジケーターを使用できる滅菌器を示すデータが記憶されている。また、「インジケーターの種類」には、当該識別情報により識別されるインジケーターを使用できるインジケーターの種類を示すデータが記憶されている。図15のインジケーター情報1502は、サーバ101の外部メモリ211等の記憶手段に記憶されている。
【0082】
次に、サーバ101は、S301で選択された器材セット名、及び器材セットの種類(モデル)に対応して、図15の器材セット情報1501に記憶されている滅菌方法、滅菌器、インジケーターの種類を特定する。
【0083】
そして、サーバ101は、S302で読み取られた識別情報の一部(例えば、識別情報の先頭の2桁の数字)から特定されたインジケーターの種類と、S301で選択された器材セット名、及び器材セットの種類(モデル)から特定されたインジケーターの種類とが同一か否かを判定することにより、S302により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターか否かを判定する。
【0084】
また、例えば、器材セット情報1501に「滅菌器」、及び「インジケーターの種類」の項目自体が無い場合には、サーバ101は、S301で選択された器材セット名、及び器材セットの種類(モデル)に対応して、図15の器材セット情報1501に記憶されている滅菌方法を特定し、当該滅菌方法に対応してインジケーター情報1502に記憶されているインジケーターの種類を特定する。また、サーバ101は、S302で読み取られた識別情報の一部が、インジケーター情報1502に対応して記憶されているインジケーターの種類を特定する。そして、サーバ101は、これらのインジケーターの種類が一致しているか否かを判定することにより、S302により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターか否かを判定する。
【0085】
サーバ101は、S302により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターであると判定された場合には(S305:YES)、処理をS306に移行し、一方、S305において、S302により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターではないと判定された場合には、処理をS307に移行する。
【0086】
サーバ101は、S307において、S302により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターではないことを示すアラートをクライアント端末106に出力する。具体的には、サーバ101は、図16に示すアラート画面1(1601)をクライアント端末106に表示させる(S307)。そして、処理をS302に戻す。
【0087】
サーバ101は、S306において、S302で読み取った識別情報と機材セットの情報との関連付処理を行う。
【0088】
具体的には、サーバ101は、S301で特定された器材セット情報1501のレコードに含まれる「診療科目」、「器材セット名」、「器材セットの種類(モデル)」、「器材ごとの形状」、「滅菌方法」、「滅菌器」、「インジケーターの種類」のデータを機材セットの情報として取得して、図15に示す滅菌管理テーブル1504のレコードに格納する。そして、サーバ101は、S302で読み取られた識別情報を、当該レコードの「包装用のインジケーターの識別情報部の識別情報」に格納する。
【0089】
次に、読取装置107が、これから滅菌に使用する未使用のケミカルインジケーター1205の包装内部用シート1301の変色部1201と包装内部用の識別情報部1202とを撮影する。ここで撮影する対象のケミカルインジケーター1205は、滅菌器の滅菌室内のコールドスポットに配置するケミカルインジケーターであり、例えば、PCD(process challenge device)に使用されるケミカルインジケーターである。(包装材1401の内部に入れたり、包装材1401の外部に貼り付けるものではない。)
そして、読取装置107は、撮影された画像をクライアント端末106に送信する。クライアント端末106は、当該画像を取得すると、当該画像をサーバ101に送信する。サーバ101は、当該画像を取得すると、当該画像の変色部の色値(色彩値)と、識別情報部1202に記録された識別情報とを読み取り取得する(S308)。
【0090】
そして、サーバ101は、S303と同様に、308で取得した変色部の色値(色彩値)が、未使用の変色部1201の初期色の色値(規定値(所定値))であるか否かを判定することにより、変色部1201の初期色が規定値を満たしているか否かを判定する(S309)。
【0091】
サーバ101は、S308で取得した変色部の色値(色彩値)が、未使用の変色部1201の初期色の色値(規定値(所定値))である(変色部の初期色が規定値を満たしている)と判定された場合には(S309:YES)、処理をS311に移行し、一方、S308で取得した変色部の色値(色彩値)が、未使用の変色部1201の初期色の色値(規定値(所定値))ではない(変色部の初期色が規定値を満たしていない)と判定された場合には(S309:NO)、処理をS310に移行する。
【0092】
サーバ101は、S310において、変色部の初期色が規定値を満たしていないことを示すアラートをクライアント端末106に出力する。具体的には、サーバ101は、変色部の初期色が規定値を満たしていない旨の表示を、クライアント端末106に表示させる(S310)。図16に示すアラート画面0(1600)は、S310でクライアント端末106に表示されるアラート画面の一例である。そして、処理をS308に戻す。
【0093】
サーバ101は、S311において、S308により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターであるか否かを判定する。具体的な判定方法は、S305と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0094】
サーバ101は、S308により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターであると判定された場合には(S311:YES)、処理をS313に移行し、一方、S308により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターではないと判定された場合には、処理をS312に移行する。
【0095】
サーバ101は、S312において、S308により識別情報が読み取られたケミカルインジケーターが、S301で選択された器材セットに対応する滅菌方法のインジケーターではないことを示すアラートをクライアント端末106に出力する。具体的には、サーバ101は、図16に示すアラート画面1(1601)をクライアント端末106に表示させる(S312)。そして、処理をS308に戻す。
【0096】
サーバ101は、S313において、S308で読み取ったコールドスポット用のケミカルインジケーターの識別情報と機材セットの情報との関連付処理を行う。
【0097】
具体的には、サーバ101は、S308で読み取ったコールドスポット用のケミカルインジケーターの識別情報を、S306で関連付処理を行ったレコードの「コールドスポット用のインジケーターの識別情報部の識別情報」に格納することにより、S308で読み取った識別情報と機材セットの情報との関連付処理を行う。
【0098】
次に、サーバ101は、S301で特定されたレコードの「組立方法」、「包装内の置き方」、「メンテナンス方法」の各データを取得する。そして、サーバ101は、当該データに基づいて、S301で受け付けた器材セットの種類(モデル)の当該器材セットの各器材を構成するアイテムを組み立てる組立方法を示すデータ、当該組み立てた器材を包装内に置く位置や置き方を示すデータ、及び当該機材セットのメンテナンス方法を示すデータを含む画面(1602)をクライアント端末106に表示させる(S314)。
【0099】
図16の1602の画面は、S314でクライアント端末106に表示させる画面の一例である。
【0100】
そして、ユーザは、S314で表示された画面を参照して、各アイテムを組み合わせて器材を組み立てて、各器材を滅菌コンテナ等の包装材に配置する。
【0101】
そして、撮像装置108は、包装材の蓋をする前の、各器材が配置された滅菌コンテナを上部から撮影することにより、滅菌コンテナに配置された各器材(器材セット)を撮影する。撮像装置108は、撮影された画像をクライアント端末106に送信して、クライアント端末106は、当該画像をサーバ101に送信する。そして、サーバ101は、当該画像をクライアント端末106から取得する(S315)。
【0102】
サーバ101は、S315で取得した画像を解析して、当該画像に含まれる各器材の器材セットの種類(モデル)、及び当該画像に含まれる器材の器材数を特定する(S316)。
【0103】
具体的には、サーバ101は、S315で取得した画像の中から、図15に示す器材セット情報1501の「器材ごとの形状」に記憶されているデータ(形状情報)に対応(一致)する器材を特定し、当該特定された器材の数(機材数)を特定する。そして、サーバ101は、当該特定された器材の機材セットの種類(モデル)を特定する。例えば、サーバ101は、図15に示す器材セット情報1501の「器材ごとの形状」に、器材セットを構成する器材ごとに形状情報が記憶されているため、当該特定された器材の「器材ごとの形状」のレコードの「器材セットの種類(モデル)」を特定することで、当該特定された器材の機材セットの種類(モデル)を特定することができる。
【0104】
そして、サーバ101は、S301で選択を受け付けた器材セットの種類、及び器材数と、S316で特定された器材セットの種類(モデル)、及び器材数とが一致しているか否かを判定する(S317)。
【0105】
具体的には、サーバ101は、S316で特定された器材数が、S301で特定されたレコードの「器材数」に記憶された器材数と一致し、かつ、S316で特定された器材セットの種類(モデル)が、S301で特定されたレコードの「器材セットの種類」(モデル)に記憶されたデータと一致するか否かを判定する。
【0106】
サーバ101は、S317で一致していないと判定された場合には(NO)、器材の種類、及び/又は器材数が異なる旨のアラートをクライアント端末106に出力する(S319)。
【0107】
具体的には、サーバ101は、図16に示すアラート画面2(1603)をクライアント端末106に表示させる。アラート画面2(1603)の例では、S301で選択された器材セットの種類(モデル)、及び/又は機材数が異なる旨を表示しているが、包装材に配置した器材が、S301で選択された器材セットの種類(モデル)の器材と異なる旨を表示することもできる。
【0108】
そして、サーバ101は、S319の処理を実行すると、処理をS301に戻す。
【0109】
サーバ101は、S317で一致していると判定された場合には(YES)、S317で一致していると判定された旨(判定結果)をクライアント端末106に出力(表示)して、処理をS301に戻す。
【0110】
そして、ユーザは、滅菌コンテナ等の包装材に、切り目1203で切り取った包装内部用シート1301を入れて、包装材の蓋をしめて、当該包装材の外面に包装外部用シート1302を貼り付ける。そして、組み立てられた器材セットを包装済みの被滅菌物として保管する。
図4
次に、図4に示すフローチャートを用いて、滅菌工程において、サーバ101が実行する処理について説明する。
【0111】
図4は、滅菌工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0112】
図4に示す各ステップの処理は、サーバ101のCPUが、外部メモリ等の記憶手段に格納されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0113】
滅菌工程では、組立エリアで保管された包装済みの被滅菌物(器材セット)を滅菌器で滅菌する場合に、当該器材セットに対応していない滅菌方法の滅菌器で滅菌することを防止するための処理を実行する。
【0114】
まず、読取装置110は、器材セットが包装された包装材の外面に貼り付けられた包装外部用シート1302を撮影して、包装外部用シート1302の識別情報部1204を含む画像を取得して、クライアント端末109に送信する。クライアント端末109は、当該画像を取得すると、当該画像をサーバ101に送信して、サーバ101は、当該画像を取得する。
【0115】
サーバ101は、当該画像に含まれる識別情報部1204から識別情報を読み取る。そして、サーバ101は、当該読み取られた識別情報から、当該器材セットの滅菌、及び当該識別情報のケミカルインジケーターの使用ができる滅菌方法、及び/又は滅菌器を特定する。
【0116】
具体的には、サーバ101は、当該読み取られた識別情報の一部(例えば、識別情報の先頭の2桁の数字)が、図15のインジケーター情報1502に対応して記憶されているレコードを特定する。これにより、当該器材セットの滅菌、及び当該識別情報のケミカルインジケーターの使用ができる滅菌方法、及び/又は滅菌器の種類を特定する(S401)。
【0117】
次に、ユーザは、当該器材セットの滅菌に使用しようとする滅菌器112に付された、又は表示された滅菌器の識別情報を読み取るために読取装置110を操作する。ここで言う識別情報は、当該滅菌器の滅菌方法、及び/又は滅菌器の種類を識別する識別情報である。
【0118】
読取装置110は、ユーザの操作に従い、滅菌器112に付された、又は表示された識別情報が記録された二次元コードや一次元コードなどの識別情報部を撮影して、当該識別情報部を含む画像を取得して、クライアント端末109に送信する。
【0119】
クライアント端末109は、当該画像を取得すると、サーバ101に送信して、サーバ101は、当該画像を取得する。サーバ101は、当該画像に含まれる識別情報部から滅菌器112の識別情報を読み取り取得する(S402)。
【0120】
そして、サーバ101は、S402で取得した識別情報により識別される滅菌方法が、S401で特定された滅菌方法であるか否かを判定する(S403)。これにより、S402で取得した識別情報が付された、又は表示された滅菌器が、S401で特定された滅菌方法の滅菌器であるか否かを判定することができる。
【0121】
S403では、サーバ101は、S402で取得した識別情報により識別される滅菌器の種類が、S401で特定された滅菌器の種類であるか否かを判定することもできる。すなわち、S402で取得した識別情報が付された、又は表示された滅菌器が、S401で特定された種類の滅菌方法であるか否かを判定することもできる。
【0122】
具体的には、サーバ101は、S402で取得した識別情報に対応して、図15に示す滅菌器情報1503に記憶された滅菌方法、滅菌器(滅菌器の種類)を特定する。これにより、S402で取得した識別情報により識別される滅菌方法、滅菌器(滅菌器の種類)を特定することができる。
【0123】
図15に示す滅菌器情報1503は、「滅菌器の識別情報」、「滅菌方法」、「滅菌器」、「インジケーターの種類」の項目で構成されるデータテーブルである。
【0124】
「滅菌器の識別情報」には、滅菌器の滅菌方法、滅菌器(滅菌器の種類)を識別するための識別情報のデータが記憶されており、「滅菌方法」には、当該識別情報により識別される滅菌器の滅菌方法を示すデータが記憶されており、「滅菌器」には、当該識別情報により識別される滅菌器の種類が記憶されている。また、「インジケーターの種類」には、当該識別情報により識別される滅菌方法、及び滅菌器の種類で使用可能なインジケーターの種類を示すデータが記憶されている。
【0125】
S403において、サーバ101は、S402で取得した識別情報から、滅菌器情報1503を参照して特定された滅菌方法が、S401で特定された滅菌方法であるか否かを判定する。このようにして、S402で取得した識別情報が付された、又は表示された滅菌器が、S401で特定された滅菌方法の滅菌器であるか否かを判定する。
【0126】
または、S402で取得した識別情報から、滅菌器情報1503を参照して特定された滅菌器の種類が、S401で特定された滅菌器の種類であるか否かを判定する。これにより、S402で取得した識別情報が付された、又は表示された滅菌器が、S401で特定された種類の滅菌方法であるか否かを判定する。
【0127】
そして、サーバ101は、S402で取得した識別情報から、滅菌器情報1503を参照して特定された滅菌方法が、S401で特定された滅菌方法である(S402で取得した識別情報が付された、又は表示された滅菌器が、S401で特定された滅菌方法の滅菌器である)と判定された場合(S403:YES)、または、S402で取得した識別情報から、滅菌器情報1503を参照して特定された滅菌器の種類が、S401で特定された滅菌器の種類である(S402で取得した識別情報が付された、又は表示された滅菌器が、S401で特定された種類の滅菌方法である)と判定された場合には(S403:YES)、包装済みの被滅菌物(器材セット)に対応する滅菌方法の滅菌器である旨をクライアント端末109に表示(出力)して、処理をS401に戻す。
【0128】
また、サーバ101は、S402で取得した識別情報から、滅菌器情報1503を参照して特定された滅菌方法が、S401で特定された滅菌方法ではない(S402で取得した識別情報が付された、又は表示された滅菌器が、S401で特定された滅菌方法の滅菌器ではない)と判定された場合(S403:NO)、または、S402で取得した識別情報から、滅菌器情報1503を参照して特定された滅菌器の種類が、S401で特定された滅菌器の種類ではない(S402で取得した識別情報が付された、又は表示された滅菌器が、S401で特定された種類の滅菌方法ではない)と判定された場合には(S403:NO)、包装済みの被滅菌物(器材セット)に対応する滅菌方法の滅菌器ではない旨のアラート画面(例えば、図16のアラート画面3(1604))をクライアント端末109に表示(出力)して(S404)、処理をS402に戻す。これにより、器材セットに対応していない滅菌方法の滅菌器で滅菌することを防止することができる。
【0129】
図16の1604のアラート画面3は、S404で出力されるアラート画面の一例である。
【0130】
また、アラート画面3(1604)には、S401で特定された滅菌方法、滅菌器の種類を、「包装材内の器材セットに対応する滅菌方法、及び滅菌器は、滅菌方法A、滅菌器Aになります。」のメッセージとして含めているため、適切な滅菌方法、及び滅菌器に、包装済みの器材セットを入れて滅菌することが出来る。
【0131】
S403でYESと判定され、包装済みの被滅菌物(器材セット)に対応する滅菌方法の滅菌器である旨をクライアント端末109に表示(出力)すると、ユーザは、包装済みの被滅菌物(器材セット)を滅菌器112の滅菌室に入れて、滅菌処理の開始指示を滅菌器112に対して行う。
図5
次に、図5に示すフローチャートを用いて、保管工程において、サーバ101が実行する処理について説明する。
【0132】
図5は、保管工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0133】
図5に示す各ステップの処理は、サーバ101のCPUが、外部メモリ等の記憶手段に格納されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0134】
保管工程では、滅菌器112で滅菌処理が行われた包装済みの被滅菌物(器材セット)を、滅菌器112の滅菌室から取り出して、保管する工程である。
【0135】
まず、サーバ101は、所定の情報が取得(入力)できていない旨のアラート(例えば、図16の1605に示すアラート画面4)をクライアント端末113に表示(出力)する(S501)。
【0136】
ここで、所定の情報とは、所定の条件を満たしたサイクルレポート(滅菌処理が適切に行われたことを示すサイクルレポート)、インジケーターの変色部の色値(色彩値)が、閾値を満たしていることを示す判定結果、及び、BI(バイオロジカルインジケーター)による滅菌の検査結果(判定結果や評価結果とも言う)である。
【0137】
図16の1605に示すアラート画面4は、S501でクライアント端末113に表示されるアラート画面の一例である。
【0138】
そして、ユーザは、滅菌の際に滅菌器112の滅菌室内に設置していたコールドスポット用のケミカルインジケーター1205(使用済)を取り出して、読取装置114は、当該取り出されたケミカルインジケーター1205を撮影して、当該ケミカルインジケーターの識別情報部(識別情報部1202か識別情報部1204の何れかの識別情報部)と、変色部1201とを含む画像を取得する。
【0139】
そして、読取装置114は、撮影された画像をクライアント端末113に送信する。クライアント端末113は、現在のユーザ(作業者)の作業者名の入力を受け付け、当該画像を取得すると、当該画像と現在のユーザ(作業者)の作業者名をサーバ101に送信する。サーバ101は、当該画像と作業者名を取得すると、当該画像の変色部の色値(色彩値)と、識別情報部に記録された識別情報とを読み取り取得する(S502)。
【0140】
そして、サーバ101は、S502で取得した変色部の色値(色彩値)が、使用済の変色部1201の所定の色値(閾値)であるか否かを判定することにより、変色部1201の色値が閾値を満たしているか否かを判定する(S503)。すなわち、S503では、S502で取得した変色部の色値(色彩値)が、所定の色値であるか否かを判定することで、変色部の変色が良好であるか、変色不良であるかを判定する。
【0141】
サーバ101は、S502で取得した変色部の色値(色彩値)が、使用済の変色部1201の所定の色値(閾値)である(変色部の変色が良好である)と判定された場合には(S503:YES)、処理をS505に移行し、一方、S502で取得した変色部の色値(色彩値)が、使用済の変色部1201の所定の色値(閾値)ではない(変色部の変色が不良である)と判定された場合には(S503:NO)、処理をS504に移行する。
【0142】
サーバ101は、S504において、変色部の変色が不良であることを示すアラート(例えば、図16に示すアラート画面6(1607))をクライアント端末113に表示(出力)する。
【0143】
これにより、ユーザは、コールドスポット用のケミカルインジケーターの変色部の変色不良を確認することができ、ユーザの目視により誤って、変色部の変色が良好と判断してしまうことを低減可能にすることができる。
【0144】
また、サーバ101は、S505において、滅菌器112が出力したサイクルレポートを入力する。入力方法としては、サイクルレポートを滅菌器112がサーバ101に送信してサーバ101に入力するか、ユーザが、サイクルレポートが記録された着脱可能な外部記録媒体を滅菌器112から取り出して、当該外部記録媒体をクライアント端末113に接続して、クライアント端末113がサイクルレポートをサーバ101に送信してサーバ101に入力する方法がある。
【0145】
ここで、サイクルレポートとは、滅菌器112が滅菌処理(滅菌の動作)を行った時間、処理内容(プロセス)、滅菌室内の気圧、当該プロセスを行った期間、滅菌室内の気温などの情報が時系列に記録されたレポートのことであり、その一例を図17に示す。
【0146】
図17は、サイクルレポートの一例を示す図である。
【0147】
図17に示すサイクルレポートには、図17に示す通り、滅菌処理を行った滅菌日、滅菌の動作モード、滅菌器の識別情報、使用した滅菌剤の有効期限、滅菌剤の製造番号も含む。
【0148】
サーバ101は、S505で入力されたサイクルレポートが、所定の条件を満たしているか否かを判定する(S506)。
【0149】
ここで、所定の条件とは、滅菌工程が正常に完了したかを判定するための条件である。所定の条件の一例を図18に示す。図18に示す所定の条件は、動作モードがソフトの場合は、「真空工程で2分以内で気圧が0.15Torrまで減圧されたか?」、「滅菌工程で6分間で気圧が75Torr以上に達したか?」の条件を示している。
【0150】
サーバ101は、S505で入力されたサイクルレポートが、所定の条件を満たしている(滅菌工程が正常に完了した)と判定された場合には(S506:YES)、S508において、BI(バイオロジカルインジケーター)の検査結果と、BIを確認したユーザの名前(確認者名)の入力をクライアント端末113から受け付ける。一方、S505で入力されたサイクルレポートが、所定の条件を満たしていない(滅菌工程が正常に完了しなかった)と判定された場合には、滅菌工程が正常に完了しなかった旨のアラートをクライアント端末113に出力(表示)し(S507)、処理をS501に戻す。
【0151】
図16に示すアラート画面5(1606)は、S507でクライアント端末113に表示されるアラートの一例である。
【0152】
サーバ101は、S509において、所定の情報を全て取得できたか否かを判定し、全て取得できたと判定された場合には(YES)、S501で表示されたアラート(例えば、アラート画面4(1605))の表示を消して(S510)、処理をS511に移行する。また、サーバ101は、S509で所定の情報を全て取得できていないと判定された場合には(NO)、処理をS501に戻す。
【0153】
次に、サーバ101は、S502で取得した識別情報(コールドスポット用のケミカルインジケーターの識別情報部の識別情報)を含む、滅菌管理テーブル1504のレコードに、(1)S505で入力されたサイクルレポート、(2)S502で入力された画像(変色部の撮影結果)、(3)S502で入力された確認者名、(4)S503の判定処理の判定結果(検査結果)、(5)S508で入力されたBIの検査結果(6)S508でBIの検査結果を入力した確認者名(ユーザ名)(7)現在日付(検査日付/滅菌管理レポート作成日付)の各データを関連付けて記録する。
【0154】
このとき、既に、機材セットの情報が、滅菌管理テーブル1504のレコードに記憶されているため、機材セットの情報と、当該(1)~当該(7)情報が関連付けられて記憶されることとなる。すなわち、(1)S505で入力されたサイクルレポートのデータは、滅菌管理テーブル1504の「サイクルレポート」に記憶され、(2)S502で入力された画像(変色部の撮影結果)のデータは、滅菌管理テーブル1504の「変色部の撮影結果」に記憶され、(3)S502で入力された確認者名のデータは、滅菌管理テーブル1504の「インジケータA(CI)の確認者(作業者名)」に記憶され、(4)S503の判定処理の判定結果(検査結果)のデータは、滅菌管理テーブル1504の「インジケータA(CI)の検査結果」に記憶され、(5)S508で入力されたBIの検査結果のデータは、滅菌管理テーブル1504の「インジケータ(BI)の検査結果」に記憶され、(6)S508でBIの検査結果を入力した確認者名(ユーザ名)のデータは、滅菌管理テーブル1504の「インジケータ(BI)の確認者」に記憶され、(7)現在日付(検査日付/滅菌管理レポート作成日付)のデータは、滅菌管理テーブル1504の「検査日付/滅菌管理レポート作成日付」に記憶される。
【0155】
そして、サーバ101は、S502で取得した識別情報(コールドスポット用のケミカルインジケーターの識別情報部の識別情報)を含む、滅菌管理テーブル1504のレコードの各データを含む滅菌管理レポート1901(例えば、図19)を生成して、出力する。
【0156】
滅菌管理レポート1901は、図19に示すように、滅菌管理レポート作成日付、作成時のエリア名、作業者名を含む書誌情報1902と、診療科目1903と、器材セットのリスト1904(器材セット名、器材セットの種類(モデル))と、コールドスポット用のケミカルインジケーターに関する情報1905と、BIに関する情報1907と、サイクルレポート1701とを含む。
【0157】
コールドスポット用のケミカルインジケーターに関する情報1905には、コールドスポット用のケミカルインジケーターの変色部の撮影結果1906と、ケミカルインジケータA(CI)の検査結果と、検査日と、インジケータA(CI)の確認者名(作業者名)とを含む。
【0158】
また、BIに関する情報1907には、インジケータ(BI)の検査結果と、検査日と、インジケータ(BI)の確認者名を含む。
【0159】
サーバ101は、生成した滅菌管理レポート1901をクライアント端末113に表示(出力)する(S511)。
【0160】
次に、サーバ101は、S502で取得した識別情報(コールドスポット用のケミカルインジケーターの識別情報部の識別情報)を含む、滅菌管理テーブル1504のレコードの「器材セットの場所(エリア)/ステータス」に記憶されるデータを「既滅菌エリア/滅菌完了」に変更する。すなわち、サーバ101は、S502で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードの各器材セットが保管されているエリアを示す情報として「既滅菌エリア」を、また、滅菌工程が正常に完了したことを示す情報として、「滅菌完了」を「器材セットの場所(エリア)/ステータス」に登録(更新)する。
【0161】
サーバ101は、S512の処理を実行すると、処理をS501に移行する。
【0162】
このように、滅菌器112による滅菌が終了した後に、ケミカルインジケーターを撮影することで、当該ケミカルインジケーターの識別情報から特定される器材セットと、当該ケミカルインジケーターの変色部の変色結果(変色部の変色の良しあし)と、入力されるサイクルレポートに基づく滅菌工程の完了結果(滅菌工程の良しあし)と、入力されるBIの検査結果(BIの検査の良しあし)とが関連付けられ、その関連付けられた状態のデータを出力するため、どの器材セットが、どのような滅菌の結果であるかをユーザは確認し易くなる。
図6
次に、図6に示すフローチャートを用いて、払出工程において、サーバ101が実行する処理について説明する。
【0163】
図6は、払出工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0164】
図6に示すS601~S607に示すステップの処理は、サーバ101のCPUが、外部メモリ等の記憶手段に格納されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0165】
また、図6に示すS608、S609に示すステップの処理は、手術管理システム122のCPUが、外部メモリ等の記憶手段に格納されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0166】
払出工程では、作業者(ユーザ)が、保管された器材セットを手術室/手術準備室に払い出す工程である。
【0167】
まず、サーバ101は、手術管理システム122から、手術管理システム122のメモリ等の記憶手段に記憶されている未払出しの図20に示す手術情報(オーダー情報)2001を取得する(S601)。すなわち、「払出状況」の項目が「未払出」の手術情報(オーダー情報)2001のレコードの情報を取得する。
【0168】
図20は、手術情報(オーダー情報)2001の一例を示す図である。
【0169】
図20に示す通り、手術情報(オーダー情報)2001には、「手術ID」、「患者情報」、「器材セット名」、「器材セットの種類(モデル)」、「手術日付」、「払出先(手術室/手術準備室)」、「払出状況」の項目から構成される。
【0170】
「手術ID」には、手術を識別するための識別情報(ID)が記憶され、「患者情報」には、患者名が記憶され、「器材セット名」には、当該手術で使用する器材セットの器材セット名が記憶され、「器材セットの種類(モデル)」には、当該手術で使用する器材セットの種類(モデル)を示すデータが記憶され、「手術日付」には、当該患者が手術を行う日付が記憶され、「払出先(手術室/手術準備室)」、当該手術を行う手術室、あるいは当該手術室の手術準備室が記憶され、「払出状況」には、当該器材セットの種類(モデル)が当該払出先に払い出し済みか否かを示すデータが記憶されている。
【0171】
そして、サーバ101は、S601で取得した手術情報(オーダー情報)2001を含む画面2101A(図21)をクライアント端末116に表示する(S602)。
【0172】
図21は、クライアント端末116に表示される手術情報(オーダー情報)2001の一例を示す図である。
【0173】
そして、ユーザは、手術情報(オーダー情報)2001を含む画面2101Aを確認して、払い出しが必要な器材を確認する。そして、読取装置117は、ユーザの操作に従い、保管工程で保管された器材セットの包装材の外面(外側)に貼り付けられた包装外部用シート1302の識別情報部1204を撮影する。そして、読取装置110は、識別情報部1204を含む画像を取得して、クライアント端末109に送信する。クライアント端末109は、当該画像を取得すると、当該画像をサーバ101に送信して、サーバ101は、当該画像を取得する。
【0174】
サーバ101は、当該画像に含まれる識別情報部1204から識別情報を読み取る(S603)。ここで、当該識別情報は、第1特定情報の適用例であり、被滅菌物、及び当該被滅菌物の滅菌に関する情報を特定するための情報である。また、S603は、読取手段の適用例であり、当該第1特定情報を読み取る。そして、サーバ101は、当該読み取られた識別情報に対応して、滅菌管理テーブル1504に記憶された器材セット名、及び器材セットの種類(モデル)を特定する。そして、サーバ101は、S601で取得した手術情報(現在、クライアント端末116に表示中の手術情報)のうち、当該特定された器材セット名、及び器材セットの種類(モデル)を含むレコードのみをクライアント端末116に表示する。図21の画面2101Bは、当該特定された器材セット名、及び器材セットの種類(モデル)を含むレコードのみをクライアント端末116に表示した画面の一例である。
【0175】
そして、クライアント端末116は、画面2101Bに表示される1又は複数の手術情報のうち、払い出しを行う手術情報の選択をユーザにより受け付けて、その選択された手術情報を示す情報をサーバ101に送信する。手術情報とは、手術情報(オーダー情報)2001の各レコード単位の情報を言う。
【0176】
サーバ101は、クライアント端末116から、当該選択された手術情報を示す情報を受け付けると(S604)、当該手術情報(オーダー情報)2001の手術IDを、S603で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードの「手術ID」に登録することで、器材セットの情報と、包装材に用いたケミカルインジケーターの識別情報と、コールドスポット用のケミカルインジケーターの識別情報と、滅菌管理レポートに含まれる各情報と、手術情報とを関連付ける(S605)。S604は、受付手段の適用例であり、手術に関する手術情報の選択を受け付ける。また、S605は、関連付手段の適用例であり、S603で読み取られた第1特定情報と、S604で選択を受け付けた手術情報とを関連付ける。
【0177】
そして、サーバ101は、S603で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードの「器材セットの場所(エリア)/ステータス」を、払出エリアを示すデータ(例えば、払出エリア)と、払い出し済みであることを示すデータ(例えば、払出済)とを組み合わせた「払出エリア/払出済」に更新して登録する(S606)。
【0178】
また、サーバ101は、当該手術IDを手術管理システム122に送信することで、手術情報の払出状況の更新要求を行う(S607)。
【0179】
手術管理システム122は、当該手術IDを受信すると(S608)、当該手術IDを含む手術情報(オーダー情報)2001のレコードの「払出状況」を、払い出し済みであることを示すデータ(例えば、払出済)に更新する(S609)。
【0180】
ユーザは、S604で、手術情報を選択すると、当該器材セットが包装された包装材を、当該払出先に払い出す。
【0181】
滅菌コンテナ等の包装材は、外から中を視認不可能になっているが、上述の通り、保管工程で保管された器材セットの包装材の外面(外側)に貼り付けられた包装外部用シート1302の識別情報部1204の識別情報を読み取ることで、当該識別情報に対応して記憶された器材セット名、及び器材セットの種類(モデル)の器材セット(包装材の中の器材セット)を確認することが出来るようになる。また、当該識別情報を読み取ることで、払い出しを必要とする払出先を容易に確認できると共に、効率的に払出状況の管理を行い易くなる。
図7
次に、図7に示すフローチャートを用いて、開封工程・手術工程において、サーバ101が実行する処理について説明する。
【0182】
図7は、開封工程・手術工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0183】
図7に示す各ステップの処理は、サーバ101のCPUが、外部メモリ等の記憶手段に格納されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0184】
図7に示す開封工程・手術工程では、払い出された器材セットを包装している包装材を作業者(ユーザ)が開封して、器材セットを確認する工程である。なお、本開封工程・手術工程は、手術前、あるいは、手術中に行う工程である。
【0185】
まず、ユーザは、クライアント端末119を操作して、これから行う手術の手術IDの送信指示を行う。
【0186】
サーバ101は、ユーザの操作に従いクライアント端末119が送信した手術IDの入力を受け付ける(S701)。
【0187】
そして、ユーザは、払い出された滅菌済みの器材セットが包装された包装材の蓋を開けて、包装内部用シート1301(使用済)を取り出す。そして、読取装置120は、当該取り出された包装内部用シート1301を撮影して、当該包装内部用シート1301の識別情報部1202と、変色部1201とを含む画像を取得する。
【0188】
そして、読取装置120は、撮影された画像をクライアント端末119に送信する。クライアント端末119は、当該画像を取得すると、当該画像をサーバ101に送信する。サーバ101は、当該画像を取得すると、当該画像の変色部の色値(色彩値)と、識別情報部に記録された識別情報とを読み取り取得する(S702)。
【0189】
そして、サーバ101は、S702で取得した変色部の色値(色彩値)が、使用済の変色部1201の所定の色値(閾値)であるか否かを判定することにより、変色部1201の色値が閾値を満たしているか否かを判定する(S703)。すなわち、S703では、S702で取得した変色部の色値(色彩値)が、所定の色値であるか否かを判定することで、変色部の変色が良好であるか、変色不良であるかを判定する。
【0190】
サーバ101は、S702で取得した変色部の色値(色彩値)が、使用済の変色部1201の所定の色値(閾値)である(変色部の変色が良好である)と判定された場合には(S703:YES)、処理をS705に移行し、一方、S702で取得した変色部の色値(色彩値)が、使用済の変色部1201の所定の色値(閾値)ではない(変色部の変色が不良である)と判定された場合には(S703:NO)、処理をS704に移行する。
【0191】
サーバ101は、S704において、変色部の変色が不良であることを示すアラート(例えば、図16に示すアラート画面6(1607))をクライアント端末119に表示(出力)する。そして、処理をS710に移行する。
【0192】
これにより、ユーザは、包装内のケミカルインジケーターの変色部の変色不良を確認することができ、ユーザの目視により誤って、変色部の変色が良好と判断してしまうことを低減可能にすることができる。
【0193】
そして、サーバ101は、S702で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードの「器材セットの場所(エリア)/ステータス」を、当該レコードの手術IDに対応して手術情報(オーダー情報)2001に登録されている「払出先」のデータ(例えば、手術室A)と、払い出し済みであることを示すデータ(例えば、払出済)とを組み合わせた「手術室A/払出済」に更新して登録する(S705)。
【0194】
そして、撮像装置121は、包装材の蓋が開いた、各器材が配置された滅菌コンテナを上部から撮影することにより、滅菌コンテナに配置された各器材(器材セット)を撮影する。撮像装置121は、撮影された画像をクライアント端末119に送信して、クライアント端末119は、当該画像をサーバ101に送信する。そして、サーバ101は、当該画像をクライアント端末119から取得する(S706)。
【0195】
サーバ101は、S316と同様に、S706で取得した画像を解析して、当該画像に含まれる各器材の器材セットの種類(モデル)、及び当該画像に含まれる器材の器材数を特定する(S707)。
【0196】
具体的には、サーバ101は、S706で取得した画像の中から、図15に示す器材セット情報1501の「器材ごとの形状」に記憶されているデータ(形状情報)に対応(一致)する器材を特定し、当該特定された器材の数(機材数)を特定する。そして、サーバ101は、当該特定された器材の機材セットの種類(モデル)を特定する。例えば、サーバ101は、図15に示す器材セット情報1501の「器材ごとの形状」に、器材セットを構成する器材ごとに形状情報が記憶されているため、当該特定された器材の「器材ごとの形状」のレコードの「器材セットの種類(モデル)」を特定することで、当該特定された器材の機材セットの種類(モデル)を特定することができる。
【0197】
そして、サーバ101は、S702で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードに含まれる器材セットの種類(モデル)、及び器材数(当該器材セットの種類(モデル)に対応して器材セット情報1501に記憶されている器材数)と、S707で特定された器材セットの種類(モデル)、及び器材数とが一致しているか否かを判定する(S708)。
【0198】
サーバ101は、S708で一致していないと判定された場合には(NO)、器材の種類、及び/又は器材数が異なる旨のアラートをクライアント端末106に出力する(S709)。
【0199】
S709では、例えば、サーバ101は、図16に示すアラート画面2(1603)をクライアント端末106に表示させる。S709において表示するアラート画面2(1603)では、S702で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードに含まれる器材セットの種類(モデル)、及び器材数と、S707で特定された器材セットの種類(モデル)、及び器材数とが異なる旨を表示する。そして、処理をS710に移行する。
【0200】
また、サーバ101は、S708で一致していると判定された場合には(YES)、処理をS710に移行する。
【0201】
そして、サーバ101は、S701で入力された手術IDを含む、滅菌管理テーブル1504の全てのレコードの器材セットに対して、S702からS708の処理を実行したかを判定することで、次の器材セットがあるか否かを判定する(S710)。サーバ101は、次の器材セットがあると判定された場合には(YES)、処理をS702に移行し、一方、次の器材セットがないと判定された場合には(NO)、処理をS711に移行する。
【0202】
サーバ101は、ユーザの操作に従いクライアント端末119から送信される器材の追加指示を受け付けたか否かを判定する(S711)。
【0203】
サーバ101は、クライアント端末119から器材の追加指示を受け付けていないと判定された場合には、処理をS701に戻す。一方、当該追加指示を受け付けたと判定された場合には、処理をS712に移行する。
【0204】
S708において、器材セットの種類(モデル)、及び器材数が一致していないと判定された場合は、器材が足りていない場合や、手術や患者等の状況に応じて、追加で必要となる器材が発生する場合がある。そのため、器材の追加指示を受け付けることができるようにしている。

ユーザは、追加で使用する滅菌済みの器材セットが包装された包装材の蓋を開けて、包装内部用シート1301(使用済)を取り出す。そして、読取装置120は、当該取り出された包装内部用シート1301を撮影して、当該包装内部用シート1301の識別情報部1202と、変色部1201とを含む画像を取得する。
【0205】
そして、読取装置120は、撮影された画像をクライアント端末119に送信する。クライアント端末119は、当該画像を取得すると、当該画像をサーバ101に送信する。サーバ101は、当該画像を取得すると、当該画像の変色部の色値(色彩値)と、識別情報部に記録された識別情報とを読み取り取得する(S712)。
【0206】
そして、サーバ101は、S712で取得した変色部の色値(色彩値)が、使用済の変色部1201の所定の色値(閾値)であるか否かを判定することにより、変色部1201の色値が閾値を満たしているか否かを判定する(S713)。すなわち、S713では、S712で取得した変色部の色値(色彩値)が、所定の色値であるか否かを判定することで、変色部の変色が良好であるか、変色不良であるかを判定する。
【0207】
サーバ101は、S712で取得した変色部の色値(色彩値)が、使用済の変色部1201の所定の色値(閾値)である(変色部の変色が良好である)と判定された場合には(S713:YES)、処理をS714に移行し、一方、S712で取得した変色部の色値(色彩値)が、使用済の変色部1201の所定の色値(閾値)ではない(変色部の変色が不良である)と判定された場合には(S713:NO)、処理をS715に移行する。
【0208】
サーバ101は、S715において、変色部の変色が不良であることを示すアラート(例えば、図16に示すアラート画面6(1607))をクライアント端末119に表示(出力)する。そして、処理をS701に移行する。
【0209】
これにより、ユーザは、包装内のケミカルインジケーターの変色部の変色不良を確認することができ、ユーザの目視により誤って、変色部の変色が良好と判断してしまうことを低減可能にすることができる。
【0210】
次に、サーバ101は、S712で取得された識別情報に対して、S701で入力された手術IDを登録して、手術情報と、当該識別情報とを関連付ける(S714)。
【0211】
具体的には、サーバ101は、S712で取得された識別情報(包装用インジケーターの識別情報部の識別情報)を含む、滅菌管理テーブル1504のレコードの「手術ID」に対して、S701で入力された手術IDを登録して、当該識別情報により識別される器材セットの情報と、当該器材を使用する手術の手術IDとを関連付ける。
【0212】
そして、サーバ101は、S701で入力された手術ID、S712で取得された識別情報(包装用インジケーターの識別情報部の識別情報)を含む、滅菌管理テーブル1504のレコードの「器材セット名」、及び「器材セットの種類(モデル)」のデータと、払出状況の更新要求を、手術管理システム122に送信して手術情報(オーダー情報)2001の払出状況を更新する(S716)。手術管理システム122は、当該データと、当該払出状況の更新要求を受信すると、当該データに含まれる手術IDのレコードを手術情報(オーダー情報)2001に作成して、当該作成したレコードに、既に登録されている当該手術IDの手術情報(オーダー情報)2001のレコードの患者名、手術日付、払出先を登録し、当該受信したデータに含まれる、「器材セット名」、及び「器材セットの種類(モデル)」のデータをそれぞれ登録する。また、当該作成したレコードの「払出状況」に「払出済」のデータを登録する。
【0213】
そして、サーバ101は、S705と同様に、S712で取得された識別情報(包装用インジケーターの識別情報部の識別情報)を含む、滅菌管理テーブル1504のレコードの「器材セットの場所(エリア/ステータス)」を、S705で登録したデータ(例えば、手術室A/払出済)に更新して登録する(S717)。
【0214】
そして、撮像装置121は、包装材(追加の器材セットが包装された包装材)の蓋が開いた、各器材が配置された滅菌コンテナを上部から撮影することにより、滅菌コンテナに配置された追加の各器材(器材セット)を撮影する。撮像装置121は、撮影された画像をクライアント端末119に送信して、クライアント端末119は、当該画像をサーバ101に送信する。そして、サーバ101は、当該画像をクライアント端末119から取得する(S718)。
【0215】
サーバ101は、S707と同様に、S718で取得した画像を解析して、当該画像に含まれる各器材の器材セットの種類(モデル)、及び当該画像に含まれる器材の器材数を特定する(S719)。
【0216】
そして、サーバ101は、S712で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードに含まれる器材セットの種類(モデル)、及び器材数(当該器材セットの種類(モデル)に対応して器材セット情報1501に記憶されている器材数)と、S707で特定された器材セットの種類(モデル)、及び器材数とが一致しているか否かを判定する(S720)。
【0217】
サーバ101は、S720で一致していないと判定された場合には(NO)、器材の種類、及び/又は器材数が異なる旨のアラートをクライアント端末106に出力する(S721)。
【0218】
S721では、例えば、サーバ101は、図16に示すアラート画面2(1603)をクライアント端末106に表示させる。S721において表示するアラート画面2(1603)では、S712で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードに含まれる器材セットの種類(モデル)、及び器材数と、S719で特定された器材セットの種類(モデル)、及び器材数とが異なる旨を表示する。そして、処理をS701に移行する。
【0219】
また、サーバ101は、S720で一致していると判定された場合には(YES)、処理をS701に移行する。
図8
次に、図8に示すフローチャートを用いて、開封工程・手術工程において、サーバ101が実行する処理について説明する。
【0220】
図8は、開封工程・手術工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0221】
図8に示す各ステップの処理は、サーバ101のCPUが、外部メモリ等の記憶手段に格納されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0222】
図8に示す開封工程・手術工程では、手術後に、手術で使用された器材セットの種類、及び器材数を確認する工程である。なお、本開封工程・手術工程は、手術後に行う工程である。
【0223】
まず、ユーザは、クライアント端末119を操作して、行った手術の手術IDの送信指示を行う。
【0224】
サーバ101は、ユーザの操作に従いクライアント端末119が送信した手術IDの入力を受け付ける(S801)。
【0225】
撮像装置121は、手術で使用した各器材(器材セット)を撮影する。撮像装置121は、撮影された画像をクライアント端末119に送信して、クライアント端末119は、当該画像をサーバ101に送信する。そして、サーバ101は、当該画像をクライアント端末119から取得する(S802)。
【0226】
サーバ101は、S316と同様に、S802で取得した画像を解析して、当該画像に含まれる各器材の器材セットの種類(モデル)、及び当該画像に含まれる器材の器材数を特定する(S803)。
【0227】
そして、サーバ101は、S801で入力された手術ID(あるいは、S702、又はS712で取得した識別情報)を含む滅菌管理テーブル1504のレコードに含まれる器材セットの種類(モデル)、及び器材数(当該器材セットの種類(モデル)に対応して器材セット情報1501に記憶されている器材数)と、S803で特定された器材セットの種類(モデル)、及び器材数とが一致しているか否かを判定する(S804)。
【0228】
サーバ101は、S804で一致していないと判定された場合には(NO)、器材の種類、及び/又は器材数が異なる旨のアラートをクライアント端末106に出力する(S806)。
【0229】
S806では、例えば、サーバ101は、図16に示すアラート画面2(1603)をクライアント端末106に表示させる。S806において表示するアラート画面2(1603)では、S801で入力された手術ID(あるいは、S702、又はS712で取得した識別情報)を含む滅菌管理テーブル1504のレコードに含まれる器材セットの種類(モデル)、及び器材数と、S707で特定された器材セットの種類(モデル)、及び器材数とが異なる旨を表示する。そして、処理をS801に移行する。
【0230】
また、サーバ101は、S804で一致していると判定された場合には(YES)、処理をS805に移行する。
【0231】
そして、サーバ101は、S801で入力された手術IDを含む、滅菌管理テーブル1504の全てのレコードの器材セットに対して、S802からS804の処理を実行したかを判定することで、次の器材セットがあるか否かを判定する(S805)。サーバ101は、次の器材セットがあると判定された場合には(YES)、処理をS802に移行し、一方、次の器材セットがないと判定された場合には(NO)、処理をS801に移行する。
図9
次に、図9に示すフローチャートを用いて、回収工程において、サーバ101が実行する処理について説明する。
【0232】
図9は、回収工程において、サーバ101が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0233】
図9に示す各ステップの処理は、サーバ101のCPUが、外部メモリ等の記憶手段に格納されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0234】
図9に示す回収工程では、手術で使用された器材セットを手術室/手術準備室から回収して、その器材セットの種類、及び器材数を確認する工程である。
【0235】
読取装置103は、手術に使用された器材セットの包装材の中からユーザにより取り出された包装内部用シート1301を撮影して、当該包装内部用シート1301の識別情報部1202を含む画像を取得する。
【0236】
そして、読取装置103は、撮影された画像をクライアント端末102に送信する。クライアント端末102は、当該画像を取得すると、当該画像をサーバ101に送信する。サーバ101は、当該画像を取得すると、当該画像内の識別情報部に記録された識別情報を読み取り取得する(S901)。
【0237】
サーバ101は、クライアント端末102から、当該識別情報を取得すると、S901で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードの「器材セットの場所(エリア)/ステータス」を、器材セットが回収される回収部屋である中央材料室であることを示すデータ(例えば、中央材料室)、及び、回収済みであることを示すデータ(例えば、回収済)に更新して登録する(S902)。
【0238】
そして、撮像装置104は、手術に使用された器材セットを撮影する。撮像装置104は、撮影された画像をクライアント端末102に送信して、クライアント端末102は、当該画像をサーバ101に送信する。そして、サーバ101は、当該画像をクライアント端末102から取得する(S903)。
【0239】
サーバ101は、S316と同様に、S903で取得した画像を解析して、当該画像に含まれる各器材の器材セットの種類(モデル)、及び当該画像に含まれる器材の器材数を特定する(S904)。
【0240】
具体的には、サーバ101は、S903で取得した画像の中から、図15に示す器材セット情報1501の「器材ごとの形状」に記憶されているデータ(形状情報)に対応(一致)する器材を特定し、当該特定された器材の数(機材数)を特定する。そして、サーバ101は、当該特定された器材の機材セットの種類(モデル)を特定する。例えば、サーバ101は、図15に示す器材セット情報1501の「器材ごとの形状」に、器材セットを構成する器材ごとに形状情報が記憶されているため、当該特定された器材の「器材ごとの形状」のレコードの「器材セットの種類(モデル)」を特定することで、当該特定された器材の機材セットの種類(モデル)を特定することができる。
【0241】
そして、サーバ101は、S901で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードに含まれる器材セットの種類(モデル)、及び器材数(当該器材セットの種類(モデル)に対応して器材セット情報1501に記憶されている器材数)と、S904で特定された器材セットの種類(モデル)、及び器材数とが一致しているか否かを判定する(S905)。
【0242】
サーバ101は、S905で一致していないと判定された場合には(NO)、器材の種類、及び/又は器材数が異なる旨のアラートをクライアント端末106に出力する(S907)。
【0243】
S907では、例えば、サーバ101は、図16に示すアラート画面2(1603)をクライアント端末106に表示させる。S907において表示するアラート画面2(1603)では、S901で取得した識別情報を含む滅菌管理テーブル1504のレコードに含まれる器材セットの種類(モデル)、及び器材数と、S904で特定された器材セットの種類(モデル)、及び器材数とが異なる旨を表示する。そして、処理をS901に移行する。
【0244】
また、サーバ101は、S905で一致していると判定された場合には(YES)、処理をS906に移行する。
【0245】
そして、サーバ101は、クライアント端末102から、次の器材セットがあるか否かの指示を受け付けて、当該受け付けた内容の情報に基づいて、次の器材セットがあるか否かを判定する(S906)。サーバ101は、次の器材セットがあると判定された場合には(YES)、処理をS903に移行し、一方、次の器材セットがないと判定された場合には(NO)、処理をS901に移行する。
図10
次に、図10に示すフローチャートを用いて、サーバ101が、各クライアント端末からの要求に応じて、滅菌管理レポートの出力(表示)処理について説明する。
【0246】
図10は、サーバ101が、各クライアント端末からの要求に応じて、滅菌管理レポートの出力(表示)する処理の一例を示すフローチャートである。
【0247】
図10に示す各ステップの処理は、サーバ101のCPUが、外部メモリ等の記憶手段に格納されたプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0248】
まず、クライアント端末は、ユーザにより、滅菌管理レポートの出力要求、及び、手術ID、又はケミカルインジケーターの識別情報部(1202、1204の何れか)に記録された識別情報の入力を受け付けると、当該手術ID、又は当該識別情報、及び、滅菌管理レポートの出力要求をサーバ101に送信する。
【0249】
ここでクライアント端末は、クライアント端末102、106、109、112、116、119の何れかの任意の端末である。
【0250】
サーバ101は、クライアント端末から、当該手術ID、又は当該識別情報、及び滅菌管理レポートの出力要求を受け付けると(S1001)、当該手術ID、又は当該識別情報を含む、滅菌管理テーブル1504のレコードを特定して、当該レコードに含まれる情報を取得する。S1001は、手術IDなどの手術情報を入力する入力手段の適用例である。
【0251】
そして、サーバ101は、当該取得した情報に基づいて、滅菌管理レポート(例えば、図19)を生成して、当該クライアント端末に表示するべく出力(送信)する(S1002)。
【0252】
そして、当該クライアント端末は、当該滅菌管理レポートを受信すると、当該滅菌管理レポートを表示部に表示する。
【0253】
これにより、任意のクライアント端末で、ケミカルインジケーターの識別情報部(1202、1204の何れか)に記録された識別情報に基づいて特定された器材セットの滅菌管理レポートを表示することができ、当該器材セットの滅菌の状況を容易に確認することが出来るようになる。
【0254】
S1002は、出力手段の適用例であり、S1001で入力された手術情報と関連付手段(S605)により関連付けられた第1特定情報により特定される被滅菌物、及び被滅菌物の滅菌に関する情報を出力する。
【0255】
ここで、被滅菌物の滅菌に関する情報は、被滅菌物を滅菌した滅菌器による滅菌の処理結果(サイクルレポート1701)、前記滅菌で使用したケミカルインジケーターに関する情報(図19の1905に示される情報)、及びバイオロジカルインジケーターに関する情報(図19の1907に示される情報)の少なくとも何れかを含む情報である。
【0256】
以上、本発明によれば、被滅菌物の滅菌に関する情報と、当該被滅菌物を用いる手術に関する手術情報とを関連付けることができる。
【0257】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0258】
また、本発明におけるプログラムは、図示したフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は当該処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0259】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0260】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0261】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0262】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0263】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0264】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0265】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0266】
101 サーバ
102 クライアント端末
103 読取装置
104 撮像装置
105 洗浄機
106 クライアント端末
107 読取装置
108 撮像装置
109 クライアント端末
110 読取装置
112 滅菌器
113 クライアント端末
114 読取装置
116 クライアント端末
117 読取装置
118 撮像装置
119 クライアント端末
120 読取装置
121 撮像装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21