(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】薬剤配送システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20231002BHJP
A61J 3/00 20060101ALN20231002BHJP
【FI】
G16H20/10
A61J3/00 310K
(21)【出願番号】P 2019168121
(22)【出願日】2019-09-17
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100182420
【氏名又は名称】冨永 宗平
(72)【発明者】
【氏名】大岩根 直樹
(72)【発明者】
【氏名】木阪 武史
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 宏成
(72)【発明者】
【氏名】杉村 多恵
(72)【発明者】
【氏名】辰本 裕樹
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-169890(JP,A)
【文献】特開2002-230162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61J 1/00-19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的知識を有する複数の有識者に関する有識者情報を格納する格納部と、
患者に関する患者情報が入力され、前記患者情報と、前記有識者情報とに基づいて、前記患者に薬剤を配送する前記有識者を選定する制御部と、を備え、
前記有識者は、製薬会社に属する医薬情報担当者であり、
前記有識者情報は、前記製薬会社が製造する薬剤に関する製造薬情報、および、医薬情報担当者が営業に回るルートに関するルート情報を含み、
前記患者情報は、前記患者に処方される薬剤に関する薬剤情報、前記患者が希望する配送先に関する配送位置情報、および、前記患者が調剤を希望する調剤薬局の位置に関する薬局位置情報を含み、
前記制御部は、
前記患者情報に含まれる前記薬剤情報と、前記有識者情報に含まれる前記製造薬情報とに基づいて、前記患者に処方される薬剤を製造する製薬会社に属する医薬情報担当者を抽出し、
前記医薬情報担当者が1人である場合、前記医薬情報担当者を、特定の患者に薬剤を配送する配送者に選定し、
前記配送位置情報及び前記薬局位置情報と、前記ルート情報とに基づいて、前記医薬情報担当者の前記ルートに、前記調剤薬局を訪れた後に前記配送先を訪れるように前記調剤薬局および前記配送先を組み込み、新たなルートを算出し、
前記医薬情報担当者が複数人である場合、前記配送位置情報及び前記薬局位置情報と、前記ルート情報とに基づいて、複数の前記医薬情報担当者のそれぞれの前記ルートに、前記調剤薬局を訪れた後に前記配送先を訪れるように前記調剤薬局および前記配送先を組み込み、新たな複数のルートを算出し、同一の患者に薬剤を配送する
前記複数のルートのうち、最も長さが短いルートを抽出し、そのルートを回る医薬情報担当者を、患者に薬剤を配送する配送者に選定する
ことを特徴とする、薬剤配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、患者は、医師による診察を受け、処方箋を受け取った後、薬局を訪れて、処方箋と引き換えに薬剤を受け取る。しかし、患者の身体的状況(例えば、体調、身体障害など)によれば、患者が、薬局を訪れて薬剤を受け取ることが困難である場合がある。
【0003】
そこで、例えば、宅配業者が、薬局にて処方薬を集荷して、患者に薬剤を宅配する処方薬の宅配システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、そのような処方薬の宅配システムでは、宅配業者が、集金とともに患者の体調について質疑して患者体調情報を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の処方薬の宅配システムでは、薬学的知識を有しない宅配業者が薬剤を宅配するために、患者は、服薬に関する説明を十分に受けることができない。
【0007】
また、服薬による作用および副作用の知見を、服薬期間において継続的に取得することが望まれるが、薬学的知識を有しない宅配業者では、そのような知見を正確に取得することは困難である。
【0008】
本発明は、患者に処方される薬剤に関する知識を有する有識者を薬剤の配送者に選定できる薬剤配送システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明[1]は、薬学的知識を有する複数の有識者に関する有識者情報を格納する格納部と、患者に処方される薬剤に関する薬剤情報と、前記有識者情報とに基づいて、前記患者に薬剤を配送する前記有識者を選定する制御部と、を備える、薬剤配送システムを含んでいる。
【0010】
このような構成によれば、制御部が、患者に処方される薬剤に関する薬剤情報と、薬学的知識を有する有識者に関する有識者情報とに基づいて、患者に薬剤を配送する有識者を選定する。そのため、患者に処方される薬剤に関する知識を有する有識者を、患者に薬剤を配送する配送者に選定することができる。
【0011】
その結果、配送者が、患者に対して服薬に関する説明を十分に提供できるとともに、服薬による作用および副作用の知見を正確に取得することができる。
【0012】
本発明[2]は、前記有識者は、製薬会社に属する医薬情報担当者であり、前記有識者情報は、前記製薬会社が製造する薬剤に関する製造薬情報を含み、前記制御部は、前記製造薬情報および前記薬剤情報に基づいて、前記患者に処方される薬剤を製造する前記製薬会社に属する前記医薬情報担当者を、前記患者に薬剤を配送する配送者に選定する、上記[1]に記載の薬剤配送システムを含んでいる。
【0013】
このような構成によれば、制御部は、製薬会社が製造する薬剤に関する製造薬情報、および、患者に処方される薬剤に関する薬剤情報に基づいて、患者に処方される薬剤を製造する製薬会社に属する医薬情報担当者を、患者に薬剤を配送する配送者に選定する。
【0014】
そのため、医薬情報担当者は、所属する製薬会社の薬剤に関する作用および副作用の知見を取得でき、製薬会社は、医薬情報担当者が取得した知見を、薬剤の改良および新たな薬剤の開発に利用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の薬剤配送システムによれば、患者に処方される薬剤に関する知識を有する有識者を薬剤の配送者に選定できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の薬剤配送システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【
図2】
図2Aは、
図1に示す有識者情報格納領域制に格納される有識者情報を説明するための説明図である。
図2Bは、
図1に示す制御部に入力される患者情報を説明するための説明図である。
【
図3】
図3Aは、
図2Aに示す有識者情報格納領域制に格納されるルート情報を説明するための説明図である。
図3Bは、
図1に示す制御部による配送者の選定を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を用いて、本発明の一実施形態としての薬剤配送システム1について説明する。
【0018】
図1に示すように、薬剤配送システム1は、薬学的知識を有する有識者を、患者に薬剤(医薬品)を配送する配送者に選定する。より詳しくは、薬剤配送システム1は、患者が処方される薬剤(医薬品)と、有識者が有する薬学的知識とに基づいて、患者が処方される薬剤についての薬学的知識を有する有識者を配送者に選定する。
【0019】
薬剤配送システム1は、制御部2と、格納部の一例としてのデータベース3とを備える。
【0020】
制御部2は、データベース3から情報を抽出可能である。制御部2は、データベース3に格納される情報に基づいて、複数の有識者から、患者に薬剤を配送する配送者を選定する。制御部2は、中央処理装置(CPU)、ROMおよびRAMなどを備える。
【0021】
データベース3は、有線および/または無線により、制御部2と通信可能に接続されている。本実施形態では、データベース3は、有識者情報格納領域5を備える。
【0022】
有識者情報格納領域5は、事前に登録される複数の有識者に関する有識者情報を格納する。有識者は、薬学的知識を有する人であって、例えば、薬剤師、医薬情報担当者などが挙げられる。本実施形態では、薬学的知識を有する有識者が、医薬情報担当者である場合について詳述する。医薬情報担当者は、製薬会社に所属しており、所属する製薬会社が製造する薬剤(製造薬)およびその薬剤に関する情報を、医師などの医療従事者に提供する。
【0023】
図2Aに示すように、有識者が医薬情報担当者である場合、有識者情報は、医薬情報担当者の氏名、医薬情報担当者が所属する製薬会社に関する会社情報、製薬会社が製造する薬剤に関する製造薬情報、および、医薬情報担当者が営業に回るルートに関するルート情報を含む。また、医薬情報担当者の氏名、会社情報、製造薬情報およびルート情報は、互いに関連付けられて有識者情報格納領域5に格納される。
【0024】
なお、
図2Aでは、便宜上、医薬情報担当者(有識者)の人数が、A~Cの3名であるが、医薬情報担当者(有識者)の人数は、特に制限されない。また、複数の医薬情報担当者は、互いに同じ製薬会社に属してもよく、互いに異なる製薬会社に属してもよい。
【0025】
会社情報は、医薬情報担当者が所属する製薬会社の名称を含む。製造薬情報は、製薬会社が製造する薬剤(以下、製造薬とする。)の種類を含む。製造薬は、例えば、薬局用医薬品であり、対象疾患毎に区分される。
図2Aでは、便宜上、製造薬として、降圧剤(高血圧治療薬)および強心剤が例示されるが、製造薬の種類は、特に制限されない。
【0026】
図3Aに示すように、ルートは、医薬情報担当者が訪問する複数の訪問先を含む。医薬情報担当者は、複数の訪問先を順に訪問して、医療従事者に製造薬と製造薬に関する情報とを提供する。訪問先として、例えば、病院および薬局などが挙げられる。なお、
図3では、便宜上、ルートに含まれる訪問先を三角として示す。また、A氏のルートをR1とし、B氏のルートをR2とし、C氏のルートをR3として示す。
【0027】
<配送者の選定>
次いで、薬剤配送システム1における配送者の選定について説明する。
【0028】
図1に示すように、薬剤配送システム1では、まず、所定の受付時間において、医師から処方箋を受け取った患者から患者情報を受け付けて、患者情報を制御部2に入力する。
【0029】
なお、患者情報は、例えば、オペレータが、電話端末などにより受け付けた後、制御部2と通信可能に接続される入力装置(図示せず)を操作することにより、制御部2に入力されてもよく、患者の情報携帯端末(例えば、スマートフォンなど)から送信されて、制御部2と通信可能に接続される通信部を介して、制御部2に入力されもよい。
【0030】
図2Bに示すように、患者情報は、患者の氏名と、患者に処方される薬剤に関する薬剤情報と、患者が希望する配送先(希望配送先)に関する配送位置情報と、患者が調剤を希望する調剤薬局(希望薬局)の位置に関する薬局位置情報と、を含む。
【0031】
薬剤情報は、詳しくは、患者に対して発行された処方箋に基づいて、薬剤師が調剤して、患者に処方される処方箋医薬品(以下、処方薬とする。)に関する。薬剤情報は、上記した製造薬情報と同様に、対象疾患毎に区分される処方薬の種類を含む。
図2Bでは、便宜上、処方薬として、降圧剤(高血圧治療薬)および強心剤が例示されるが、処方薬の種類は、特に制限されない。
【0032】
配送位置情報に含まれる配送先として、詳しくは、患者の住居の住所、患者が利用する介護関連施設の住所などが挙げられる。
【0033】
薬局位置情報は、詳しくは、患者のかかりつけの調剤薬局の位置に関し、調剤薬局の住所を含む。なお、調剤薬局は、上記した医薬情報担当者の訪問先と重複してもよいが、本実施形態では、互いに異なっている。
【0034】
そして、制御部2は、患者情報が入力される毎に、各患者の患者情報を、制御部2が備えるメモリに格納する。その後、受付時間が終了するまで、複数の患者の患者情報が、制御部2のメモリに蓄積される。本実施形態では、制御部2は、3人の患者D~Fからの患者情報が入力され、各患者の患者情報が、制御部2のメモリに蓄積されている。
【0035】
受付時間の終了後、
図2Aおよび
図2Bに示すように、制御部2は、データベース3から有識者情報を抽出する。次いで、制御部2は、患者情報と有識者情報とに基づいて、患者に薬剤を配送する有識者を選定する。
【0036】
詳しくは、制御部2は、患者情報に含まれる薬剤情報と、有識者情報に含まれる製造薬情報とに基づいて、患者に処方される薬剤を製造する製薬会社に属する医薬情報担当者を抽出する。言い換えれば、制御部2は、特定の患者に処方される薬剤(処方薬)と、製造会社が製造する製造薬とを比較して、処方薬と一致する製造薬を製造する製薬会社をピックアップし、その製薬会社に属する医薬情報担当者を抽出する。
【0037】
そして、患者に処方される薬剤を製造する製薬会社に属する医薬情報担当者が1人である場合、制御部2は、その医薬情報担当者を、特定の患者に薬剤を配送する配送者に選定する。その後、制御部2は、患者情報に含まれる配送位置情報および薬局位置情報と、有識者情報に含まれるルート情報とに基づいて、患者の希望薬局を訪れた後、希望配送先を訪れるように、ルートに希望薬局および希望配送先を組み込み、新たなルートを算出する。そして、制御部2は、ルート情報を更新して、新たなルートを有識者情報格納領域5に格納する。
【0038】
本実施形態では、患者Dに処方される強心剤を製造する製薬会社がY社であり、Y社に所属する医薬情報担当者がC氏1名である。そのため、医薬情報担当者Cが、患者Dに強心剤を配送する配送者に選定される。その後、
図3Bに示すように、制御部2は、患者Dの希望薬局を訪れた後、希望配送先を訪れるように、医薬情報担当者CのルートR3に、患者Dの希望薬局および希望配送先を組み込み、新たなルートR3-1を算出する。そして、制御部2は、ルート情報を更新して、ルートR3-1を有識者情報格納領域5に格納する。なお、
図3Aおよび
図3Bでは、便宜上、希望薬局を白丸で示し、希望配送先を黒丸で示し、希望薬局および希望配送先に関係する患者の氏名を記載する。
【0039】
また、患者に処方される薬剤を製造する製薬会社に属する医薬情報担当者が複数人である場合、制御部2は、配送位置情報および薬局位置情報と、ルート情報とに基づいて、複数の医薬情報担当者のそれぞれのルートに、患者の希望薬局および希望配送先を組み込み、新たな複数のルートを算出する。
【0040】
そして、制御部2は、同一の患者に薬剤を配送するルートのうち、最も長さが短いルートを抽出し、そのルートを回る医薬情報担当者を、患者に薬剤を配送する配送者に選定する。その後、制御部2は、ルート情報を更新して、選定された配送者のルートを有識者情報格納領域5に格納する。
【0041】
また、処方される薬剤が同一である患者が複数人である場合、患者情報の受け付けが早い順に、各患者に薬剤を配送する配送者が選定される。
【0042】
本実施形態では、
図2Aおよび
図2Bに示すように、患者Eおよび患者Fのそれぞれに処方される降圧剤を製造する製薬会社がX社であり、X社に所属する医薬情報担当者は、A氏およびB氏の2名である。そのため、制御部2は、配送位置情報および薬局位置情報と、ルート情報とに基づいて、ルートR1およびR2のそれぞれに、患者Eの希望薬局および希望配送先を組み込み、新たな複数(2つ)のルートを算出する。
【0043】
そして、
図3Bに示すように、制御部2は、算出した複数(2つ)のルートのうち、最も長さが短いルートR2-1を抽出し、ルートR2-1を回る医薬情報担当者Bを、患者Eに薬剤を配送する配送者に選定する。その後、制御部2は、ルート情報を更新して、ルートR2-1を有識者情報格納領域5に格納する。
【0044】
次いで、制御部2は、ルートR1およびR2-1のそれぞれに、患者Fの希望薬局および希望配送先を組み込み、新たな複数(2つ)のルートを算出する。そして、制御部2は、算出した複数(2つ)のルートのうち、最も長さが短いルートR1-1を抽出し、ルートR1-1を回る医薬情報担当者Aを、患者Fに薬剤を配送する配送者に選定する。その後、制御部2は、ルート情報を更新して、ルートR1-1を有識者情報格納領域5に格納する。
【0045】
以上によって、制御部2は、特定の患者が処方される薬剤についての薬学的知識を有する医薬情報担当者(有識者)を、特定の患者に薬剤を配送する配送者に選定する。
【0046】
その後、各配送者は、上記において算出されたルートに従って、特定の患者に薬剤を配送する。
【0047】
<作用効果>
図2Aおよび
図2Bに示すように、制御部2は、患者に処方される薬剤に関する薬剤情報と、薬学的知識を有する有識者に関する有識者情報とに基づいて、患者に薬剤を配送する有識者を選定する。そのため、患者に処方される薬剤に関する知識を有する有識者を、患者に薬剤を配送する配送者に選定することができる。
【0048】
その結果、配送者が、服薬に関する説明を十分に提供できるとともに、服薬による作用および副作用の知見を正確に取得することができる。
【0049】
また、制御部2は、製薬会社が製造する薬剤に関する製造薬情報、および、患者に処方される薬剤に関する薬剤情報に基づいて、患者に処方される薬剤を製造する製薬会社に属する医薬情報担当者を、患者に薬剤を配送する配送者に選定する。
【0050】
そのため、医薬情報担当者は、所属する製薬会社の薬剤に関する作用および副作用の知見を取得でき、製薬会社は、医薬情報担当者が取得した知見を、薬剤の改良および新たな薬剤の開発に利用することができる。
【0051】
<変形例>
上記した実施形態では、制御部2に入力された患者情報が、制御部2が備えるメモリに格納されるが、本発明は、これに限定されない。例えば、薬剤の配送を希望する患者の患者情報が、事前にデータベース3に格納されていてもよい。この場合、薬剤配送システム1は、病院に配置される端末機器をさらに備え、端末機器は、有線および/または無線により、制御部2と通信可能に接続されている。
【0052】
そして、医師が薬剤の配送を希望する患者に対する処方箋を発行したときに、端末機器は信号を制御部2に送信する。次いで、制御部2は、端末機器から信号を受信したときに、データベース3から患者情報および有識者情報を抽出して、上記と同様に配送者を選定し、ルートを算出する。
【0053】
また、上記した実施形態では、薬学的知識を有する有識者が、医薬情報担当者であるが、有識者は、これに限定されない。
【0054】
例えば、有識者が薬剤師である場合、有識者情報は、薬剤師の氏名、および、薬剤師が専門とする疾患に関する専門疾患情報を含む。そして、制御部2は、患者情報に含まれる薬剤情報と、有識者情報に含まれる専門疾患情報とに基づいて、患者に処方される薬剤が対象とする疾患を専門とする薬剤師を、患者に薬剤を配送する配送者に選定する。
【0055】
また、患者情報は、患者が薬剤を服薬する服薬時間をさらに含んでいてもよい。この場合、制御部2は、服薬時間に基づいて、配送者が服薬時間に希望配送先に到着するように、ルートを算出することができる。
【0056】
なお、薬剤配送システム1は、制御部2とデータベース3とを別々に備えてもよく、制御部2とデータベース3とを一体に備えるコンピュータとして構成されてもよい。
【0057】
これら変形例によっても、上記した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 薬剤配送システム
2 制御部
3 データベース