(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】色安定化された活性物質を有するナノエマルジョン
(51)【国際特許分類】
A61K 9/107 20060101AFI20231002BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20231002BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20231002BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231002BHJP
A61K 31/215 20060101ALI20231002BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20231002BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20231002BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231002BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20231002BHJP
A61K 31/07 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
A61K9/107
A61K8/67
A61K8/06
A61Q19/00
A61K31/215
A61P17/00
A61K8/92
A61K8/34
A61K31/05
A61K31/07
(21)【出願番号】P 2019566882
(86)(22)【出願日】2018-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2018066640
(87)【国際公開番号】W WO2019011618
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-04-21
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ルー,アンジン
(72)【発明者】
【氏名】モアデル,ティーノッシュ
(72)【発明者】
【氏名】チュアン,コンリン
(72)【発明者】
【氏名】ザヴォルク,ウィリアム
【審査官】長谷川 茜
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1002433(KR,B1)
【文献】特開2017-81896(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0119560(US,A1)
【文献】国際公開第2014/131871(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61Q
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドユース組成物中に存在する活性物質に起因する組成物の変色を低下させることによりエンドユース組成物の色安定性を改善する方法であって、該方法は、分散されたナノエマルションがその中に分散されたエンドユース組成物を調製することを含み、ナノエマルションは、10.34214から41.36854メガパスカル(1500~6000 psi)に設定された均質化圧力で高圧粉砕機を用いて、
(a)
活性物質
(b)
水
(c)水溶性保湿剤
(d)油、及び
(e)乳化剤
を混合することにより調製され、
前記活性物質が前記油中に可溶性であり、前記ナノエマルジョンが0.05~1.5ミクロン未満の粒径を有し、少なくとも30重量%の油を含むことを特徴とし、前記油が鉱油であり、前記活性物質が
プロピオン酸レチニルであり、
前記水溶性保湿剤がグリセリンである、前記方法。
【請求項2】
前記乳化剤が7~17のHLBを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナノエマルジョンが0.1~0.8ミクロンの粒径を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチノイン酸前駆体のような活性物質を安定化するナノエマルジョンを対象とする。より具体的には、本発明は、好ましくは水連続型であり、エンドユース皮膚効果組成物中に分散されるのに適したナノエマルジョンを対象とする。該ナノエマルジョンは、少なくとも30重量%の油を含み、驚くべきことに、ナノエマルジョン中に存在する活性物質の色安定性を改善する。
【背景技術】
【0002】
多くの消費者は、局所組成物の塗布に頼る方法を介して皮膚効果を与えることが望ましいと考えている。消費者が顔の線及びしわ並びに顔の上にあるしみのような有色の斑点を減らすことによってより若く見えるようにしたいと願う場合には、このことが特に当てはまる。
【0003】
皮膚の老化(内因性及び光による老化の両方)を最小限に抑えることは、例えば、レチノイン酸前駆体、レゾルシノールなどの活性物質を有する組成物を用いて、しばしば試みられる。このような組成物は、皮膚に対して効果を与えることができるが、このような活性物質の不安定性は、通例、配合物の変色をもたらし、消費者にこのような組成物への不満を抱かせる。製品がもはや有効でないという危惧のために、変色する製品は、しばしば、消費者による製品の廃棄をもたらすので、これは真実である。
【0004】
活性物質を有する安定な皮膚効果組成物であって、該組成物が皮膚に効果を与えるのに適しており、該組成物中に存在する活性物質に起因する早期の変色の量が低下した皮膚効果組成物を開発することに対する関心が増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、レゾルシノール及びレチノイン酸前駆体のような安定化された活性物質を有する皮膚効果組成物を対象とする。本発明の組成物は、驚くべきことに、皮膚刺激を引き起こさずに局所的に適用することが可能であり、低下した変色を呈しながら、同時に優れた皮膚効果を与える。本発明は、エンドユース皮膚効果組成物を生成するために、本体成分中に分散されるのに適した活性成分を有するナノエマルジョンを含む。ナノエマルジョンは少なくとも30重量%の油を含み、熱、酸素、紫外光などへの活性物質の曝露から生じる活性物質の分解を抑制することによって、驚くべきことに、ナノエマルジョンがその中に配合されたエンドユース組成物の色安定性を改善する。
【0006】
追加情報
皮膚を処置するための配合物を作製するための取り組みが開示されている。米国特許第4,826,828号明細書には、揮発性シリコーンを有するレチノール含有組成物が記載されている。
【0007】
皮膚を処置するための配合物を作製するためのさらに別の取り組みが開示されている。米国特許出願公開第2010/0305218号明細書には、有効物質送達担体として適した水中油ナノエマルジョンが記載されている。
【0008】
皮膚を処置するための配合物を作製するためのさらに別の取り組みが開示されている。英国特許第10905347号明細書には、変形しやすいナノカプセルが記載されている。
【0009】
米国特許第6,863,897号明細書、米国特許第6,869,598号明細書及び米国特許第6,858,217号は全て、レゾルシノールを有する局所組成物を記載している。韓国特許第101002433号明細書には、活性物質を有するナノエマルジョンが記載されている。
【0010】
上記追加情報のいずれもが、本発明において特許請求の範囲に記載されているような安定化された活性物質を有する組成物を記載していない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様において、本発明は、ナノエマルジョンであって、
(a)活性物質と、
(b)水と、
(c)水溶性保湿剤と、
(d)油と、
(e)乳化剤と
を含み、
活性物質が油中に可溶性であり、ナノエマルジョンが0.05ミクロンから1.5ミクロン未満の粒径を有し、及び少なくとも30重量%の油を含む、
ナノエマルジョンを対象とする。
【0012】
第2の態様において、本発明は、エンドユース皮膚効果組成物であって、該組成物中に分散された少なくとも25重量%の本発明の第1の態様のナノエマルジョンを含むエンドユース皮膚効果組成物を対象とする。
【0013】
第3の態様において、本発明は、本発明の第1の態様に記載されているナノエマルジョン中に活性物質を有するエンドユース皮膚効果組成物を調製することによって組成物の変色を防止する方法を対象とする。
【0014】
本発明の全ての他の態様は、以下に記載されている詳細な説明と実施例を検討すれば容易に明らかとなるであろう。
【0015】
本明細書において使用される皮膚とは、足(feet)、顔、首、胸、背中、腕、脇の下、手、脚(leg)、臀部及び頭皮(毛髪を含む。)上の皮膚を含むものとする。本発明のエンドユース皮膚効果組成物には、クリーム、ローション、香油(balm)、美容液(serum)、体臭防止剤及び制汗剤、シャンプー、コンディショナー、棒及び液体の洗浄製品が含まれる。好ましい実施形態において、本発明のエンドユース組成物は、リーブオンクリーム又はローションのようなリーブオン組成物であり、特に、顔及び/又は手に塗布されるべきリーブオン組成物である。
【0016】
本明細書において用いられる活性物質は、(レゾルシノール誘導体などのような)皮膚に有用な効果を与える油溶性物質又はレチノイン酸前駆体のような皮膚に有用な効果を与える物質の前駆体を意味する。したがって、活性物質とは、皮膚の特性を改善するために、本発明に記載されているナノエマルジョンの油相中に配合するのに適した物質である。レチノイン酸前駆体は、酸化されたときに、(特に皮膚を浸透した後に)レチノイン酸に転化し得る成分を意味する。このような成分の例には、レチノール、レチナール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、ヒドロキシアナサチルレチノエート(hydroxyanasatil retinoate)(すなわち、Retextra(登録商標))これらの混合物などが含まれる。明示的に別段の記載がなければ、本明細書中に記載されている全ての範囲は、その中に包含される全ての範囲を含むものとする。含むという用語は、実質的にからなる及びからなるという用語を包含するものとする。疑義を避けるため、例えば、レチノイン酸前駆体及びレゾルシノールを含む組成物は、実質的にレチノイン酸前駆体及びレゾルシノールからなる組成物並びにレチノイン酸前駆体及びレゾルシノールからなる組成物も含むものとする。別段の記載がなければ、本明細書で用いられる全ての百分率は、重量によるものとする。エンドユース皮膚効果組成物は、消費者によって、そのまま(例えば局所的に)適用することができる組成物を意味する。皮膚に有益な効果を与えるのに適している本発明のエンドユース皮膚効果組成物は、本発明に記載されているナノエマルジョンを分散された形態で保持しており、エンドユース組成物と互換的に使用され得る。エンドユース組成物は、ナノエマルジョンを保持するための本体成分として、エマルジョン又は構造化水を有し得る。エンドユース組成物は、油連続型又は水連続型であり得るが、水連続型の本体成分及びエンドユース組成物が好ましい。色安定性は、45℃で8週を経た後に可視的な色の変化がないこと、特に、Hunter L,a,b比色計を用いて、同じく8週後に45℃で両組成物を評価した後に、同組成物のマクロエマルジョンに対して測定される10%以下の△E(すなわち、色の変化がより少ない)を意味する。レゾルシノール誘導体は、環構造上及び/又はレゾルシノールの水酸基上の少なくとも1つの水素が、例えば、アルキル基で置換されていることを意味する。本明細書で使用されるナノエマルジョンは、0.05から1.5ミクロン未満の粒径を有するエマルジョンを意味する。ナノエマルジョンは、エンドユース皮膚効果組成物を生成するために、エマルジョン又は構造化水に添加され、エマルジョン又は構造化水中に分散されたエマルジョンも意味する。マクロエマルジョンは、1.5ミクロン以上の粒径を有することを意味する。本明細書で使用される粒径は、ナノエマルジョン粒子の(不完全球体の容積平均に基づいて)測定可能な最大直径を意味する。構造化水は、少なくとも0.2重量%の増粘剤を有し、1,500~100,000cpsの粘度を有する水を意味するものと定義される。本明細書中で言及される粘度は、Brookfield Viscometer(DV-1+)、25℃の試料温度、20RPM、RVG、30秒で得られる。
【0017】
操作実施例及び比較例中のもの、又は明示的に別段の記載がある場合を除き、物質の量若しくは比率又は物質の条件及び/若しくは物理的特性及び/若しくはその使用を表す本説明中の数字は全て、「約」という語によって修飾されているものと理解しなければならない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明における使用に適した活性物質に関しての唯一の制約は、ナノエマルジョンの内相内の油中で活性物質が可溶性であることである。使用に適した好ましい活性物質は、レチノイン酸前駆体である。本発明において使用され得るレチノイン酸前駆体の実例には、式
【化1】
【0019】
によって表されるものが含まれ、
式中、各Rは、独立に、水素又はC
1-6アルキル基であり、Xは、
【化2】
【0020】
であり、さらに、式中、各R’は、水素又はC1-C3アルキルであり、nは0~16(好ましくは、1~5)の整数である。
【0021】
好ましくは、レチノイン酸前駆体は、レチノール、レチナール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル又はこれらの混合物である。パルミチン酸レチニル(n=14)、R=CH
3、R’=H
【化3】
【0022】
は、好ましいレチノイン酸前駆体である。プロピオン酸レチニルが最も好ましい。
【化4】
【0023】
使用に適したさらに別のレチノイン酸前駆体は、Molecular Design Internationalによって供給されているような、Retextra(登録商標)の名称で市販されているヒドロキシアナサチルレチノエートである。ヒドロキシアナサチルレチノエートは、本明細書中に記載されている前駆体との混合物中で使用してもよい。
【0024】
使用に適した他の好ましい活性物質には、レゾルシノール(ベンゼンジオール)及び4-エチルレゾルシノール、4-ヘキシルレゾルシノール、4-フェニルエチルレゾルシノール、4-シクロペンチルレゾルシノール、4-シクロヘキシルレゾルシノール、4-イソプロピルレゾルシノールこれらの混合物などのようなレゾルシノールの誘導体が含まれる。使用に適したさらなるレゾルシノール誘導体は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2016/0000669A1号明細書に記載されているような5-置換レゾルシノール誘導体である。これらのさらなるレゾルシノール類は、式
【化5】
【0025】
によって表され、式中、R’’及びR’’’は、各々独立に、アルキル、アルケニル、アリール又はハロゲンである。好ましい5-置換されたレゾルシノールには、4-シクロヘキシル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、4-イソプロピル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、これらの混合物などが含まれる。
【0026】
典型的には、本発明のナノエマルジョン中で使用される活性物質の量は、ナノエマルジョンの総重量に基づいて、0.001~10%、好ましくは0.01~6%、最も好ましくは0.05~3.5%であり、これらの中に包含される全ての範囲を含む。
【0027】
水は、典型的には、ナノエマルジョンの10重量%~70重量%未満、好ましくは12重量%~65重量%、最も好ましくは19~55重量%を占め、これらの中に包含される全ての範囲を含む。好ましい実施形態において、ナノエマルジョンは、0.1~0.8ミクロン、好ましくは0.1~0.6ミクロンの粒径を有する。最も好ましい実施形態において、本発明に記載されているナノエマルジョンは、水連続型である。
【0028】
本発明のナノエマルジョン中での使用に適した保湿剤は、水溶性であり、存在する水とともに相の一部を形成する保湿剤である。ナノエマルジョン中での使用に適した保湿剤の実例には、グリセリン、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、そこの混合物などが含まれる。
【0029】
典型的には、本発明のナノエマルジョン中での使用に適した保湿剤は、ナノエマルジョンの約0.5~50重量%、好ましくは1~40重量%、最も好ましくは1~35重量%を占め、これらの中に包含される全ての範囲を含む。このような保湿剤は、エンドユース皮膚効果組成物の一部を形成する本体成分中で、ただし、通常はナノエマルジョン中での使用に関して記された量の半分で使用され得る。
【0030】
本発明のナノエマルジョンは、その中に油溶性活性物質が溶解されるようにするため、油のような化粧品的に許容される担体を有し得る。ナノエマルジョン用のこのような本体成分が構造化水でない場合にエンドユース皮膚効果組成物を作製するために、ナノエマルジョンと組み合わせて使用される本体成分の連続相又は内相を形成する上で、このような油を使用してもよい。
【0031】
エンドユース皮膚効果組成物の本体成分については、水が最も好ましい担体である。水の量は、エンドユース皮膚効果組成物の本体成分の総重量に基づいて、1~75重量%未満、好ましくは5~70重量%未満、最も好ましくは35~65重量%、最適には40~65重量%の範囲であり得、これらの中に包含される全ての範囲を含む。通常、本発明のエンドユース組成物は、水及び油エマルジョンであり、最も好ましくは水中油種のものである。しかしながら、油中水エマルジョン、特に、油中水及び高内相エマルジョンとして一般的に分類されるものは1つの選択肢である。本発明のナノエマルジョンに対して本体成分として作用するのに適した高内相エマルジョンの実例は、本発明の譲受人が有する米国特許出願公開第2008/0311058号明細書及び米国特許第8,425,882号明細書に記載されている。
【0032】
鉱油、シリコーン油、エステル及びアルコールは、本明細書に記載されているエンドユース皮膚効果組成物のナノエマルジョン及び本体成分中で使用され得る。これらの物質の量は、合計して、本発明のエンドユース皮膚効果組成物の本体成分の0.1~75重量%未満、好ましくは0.1~45重量%、最も好ましくは1~20重量%の範囲であり得、これらの中に包含される全ての範囲を含む。ナノエマルジョンについては、典型的には、ナノエマルジョンは、ナノエマルジョンの総重量に基づいて、少なくとも30重量%の油、好ましくは30~65%、最も好ましくは36~60重量%の油を含み、これらの中に包含される全ての範囲を含む。
【0033】
本発明のエンドユース皮膚効果組成物のナノエマルジョン及び本体成分中での使用に適したシリコーン油は、揮発性及び不揮発性種に分けることができる。本明細書において使用される「揮発性」という用語は、常温で測定可能な蒸気圧を有する物質を表す。好ましくは、揮発性シリコーン油は、3~9個、好ましくは4~5個のケイ素原子を含有する環状又は直鎖ポリジメチルシロキサンから選択される。
【0034】
直鎖揮発性シリコーン物質は、一般的には、25℃で5センチストーク未満の粘度を有するのに対して、環状物質は、典型的には、約10センチストーク未満の粘度を有する。
【0035】
担体材料として有用な不揮発性シリコーン油には、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン及びポリエーテルシロキサンコポリマ-が含まれる。本明細書おいて有用な実質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンには、例えば、25℃で5~100,000センチポアズの粘度を有する(ジメチコーンのような)ポリジメチルシロキサンが含まれる。
【0036】
しばしば好ましいシリコーン源は、シクロペンタシロキサンとジメチコノール溶液である。
【0037】
以下のものが適切なエステルに属する。
【0038】
(1)パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソナノン酸イソノニル(isononyl isonanonoate)、ミリスチン酸オレイル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸オレイル及びオレイン酸オレイルのような10~20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニル又はアルキルエステル;
(2)エトキシ化脂肪アルコールの脂肪酸エステルなどの、エーテル-エステル;
(3)エチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200~6000)モノ及びジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシ化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪エステル、エトキシ化グリセリルモノステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの多価アルコールエステル;
(4)蜜ろう、鯨ろう、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリルなどのろうエステル;並びに
(5)ダイズステロール及びコレステロール脂肪酸エステルがその例であるステロールエステル。
【0039】
しばしば、カプリル・カプリン酸トリグリセリドなどの油が担体として好ましい。
【0040】
(本体成分が構造化水でない場合に)本発明のエンドユース皮膚効果組成物を生成するために使用されるナノエマルジョンと本体成分中での使用に適した乳化剤は、4~17のHLBを有し得る。油連続型エマルジョン及びナノエマルジョンが所望される場合には、使用される乳化剤のHLBは4~6であり得る。好ましくは、エマルジョンは、7~17、好ましくは7~16、最も好ましくは8~14のHLBを有し、これらの中に包含される全ての範囲を含む。(エンドユース組成物に対して使用される本体成分中の)乳化剤の総濃度は、組成物の約0.1~40重量%、好ましくは1~20重量%、最も好ましくは1~5重量%の範囲であり得、これらの中に包含される全ての範囲を含む。ナノエマルジョン内で使用される乳化剤の総量は、典型的には5~18重量%、好ましくは6~15重量%、最も好ましくは7~11重量%であり、これらの中に包含される全ての範囲を含む。乳化剤は、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び両性活性物質からなる群から選択され得る。特に好ましい非イオン性のものは疎水性物質の1モル当たり約2~約100モルのエチレンオキシド若しくはプロピレンオキシドと縮合された、C10-C20脂肪アルコール又は酸疎水性物質;2~20モルのアルキレンオキシドと縮合されたC2-C10アルキルフェノール;エチレングリコールのモノ及びジ脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセリド;ソルビタン、モノ及びジC8-C20脂肪酸;及びポリオキシエチレンソルビタン並びにこれらの組み合わせを有するものである。アルキルポリグリコシド及び糖脂肪アミド(例えば、メチルグルコンアミド)も、適切な非イオン性乳化剤である。
【0041】
好ましい陰イオン性乳化剤には、アルキルエーテルサルフェート及びスルホネート、アルキルサルフェート及びスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキル及びジアルキルスルホサクシネート、C8-C20アシル
イセチオネート、C8-C20アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート並びにこれらの組み合わせが含まれる。
【0042】
使用され得る陽イオン性乳化剤には、例えば、パルタミドプロピルトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド及びこれらの混合物が含まれる。有用な両性乳化剤には、ココアミドプロピルベタイン、C12-C20トリアルキルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム及びラウロジアンホ酢酸ナトリウム又はこれらの混合物が含まれる。
【0043】
一般的に好ましい乳化剤には、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリコール、ステアラミドAMP、ステアリン酸PEG-100、セチルアルコール及びヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/スクアランのような乳化/増粘添加物並びにこれらの混合物が含まれる。
【0044】
特に好ましい実施形態において、ナノエマルジョン中で使用される乳化剤は、Tween(登録商標)40(モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン)である。別の特に好ましい実施形態において、本発明のナノエマルジョンは、活性物質に起因するエンドユース組成物の変色を防止するために使用される。
【0045】
潜在的に有害な微生物の成長に対して保護するために本発明のエンドユース皮膚効果組成物のナノエマルジョン及び本体成分中に、望ましくは、防腐剤を組み込むことができる。本発明の組成物のための適切な伝統的防腐剤は、p-ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。より最近になって使用されるようになったその他の防腐剤には、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩及び様々な第四級アンモニウム化合物が含まれる。化粧品化学者は、適切な防腐剤に精通しており、保存効力試験を満たすために及び製品の安定性を付与するために、定型作業として適切な防腐剤を選択することができる。特に好ましい防腐剤は、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、フェノキシエタノール、ヒドロキシアセトフェノア(hydroxyacetophenore)、1,2-オクタンジオール、エチルヘキシルグリセリン、ヘキシレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム及びベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の使用並びに防腐剤とエマルジョン中の他の成分間で起こり得る不適合性に関心を持って選択されるべきである。エンドユース皮膚効果組成物のナノエマルジョン又は本体成分を問わず、好ましくは、防腐剤は、ナノエマルジョン及びエンドユース皮膚効果組成物の総重量の0.01重量%~2重量%の範囲の量で使用され、これらの中に包含される全ての範囲を含む。1,2-オクタンジオールとフェノキシエタノール又はブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルとフェノキシエタオール(phenoxyethaol)の組み合わせが好ましく、フェノキシエタノールが、フェノキシエタノールとの防腐剤の組み合わせの総重量の35~65重量%を占める。
【0046】
本発明のエンドユース皮膚効果組成物のナノエマルジョン及び本体成分中に、増粘剤を含めてもよい。特に有用なのは、多糖類である。例には、デンプン、天然/合成のガム及びセルロース誘導体が含まれる。デンプンの代表は、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウム及びオクテニルコハク酸デンプンアルミニウムなどの化学的に修飾されたデンプンである。タピオカデンプンが、しばしば好ましい。適切なガムには、キサンタン、スクレロチウム、ペクチン、カラヤ、アラビア、寒天、グアー、カラギーナン、アルギネート及びこれらの組み合わせが含まれる。適切なセルロース誘導体には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれる。合成ポリマーは、有効な増粘剤のさらに別のクラスである。このカテゴリーには、Carbomerなどの架橋されたポリアクリレート、Sepigel 305などのポリアクリルアミド並びにSimulgel EG及びArlstoflex AVCなどのタウレートコポリマーが含まれ、これらのコポリマーは、それぞれのINCI命名法によって、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム及びアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドンコポリマーとして特定される。増粘に適した別の好ましい合成ポリマーは、Seppicによって市販されており、Simulgel INS100の名称で販売されているアクリレートをベースとするポリマーである。
【0047】
エンドユース皮膚効果組成物のナノエマルジョン及び本体成分中で使用される場合、エマルジョンの場合、増粘剤の量は、エンドユース組成物のナノエマルジョン及び/又は本体成分の0.0~5重量%、好ましくは0.1~2重量%、最も好ましくは0.2~1.0重量%の範囲であり得、これらの中に包含される全ての範囲を含む。
【0048】
エンドユース皮膚効果組成物が構造化水中に分散されたナノエマルジョンである場合、構造化水は、典型的には、エンドユース皮膚効果組成物の総重量に基づいて、0.2~5重量%、好ましくは0.4~2.5重量%、最も好ましくは0.5~1.6重量%の増粘剤を含み、これらの中に包含される全ての範囲を含む。
【0049】
構造化水が本体成分である場合、構造化水は、構造化水の総重量に基づいて、典型的には35~75重量%、好ましくは40~70重量%、最も好ましくは45~65重量%の水であり、これらの中に包含される全ての範囲を含む。典型的には、エンドユース皮膚効果組成物を生成するために、エンドユース皮膚効果組成物の総重量に基づいて、少なくとも25重量%、しばしば約30~60重量%、好ましくは35~60重量%、最も好ましくは40~50重量%のナノエマルジョンがエマルジョン本体成分又は構造化水本体成分に添加され、これらの中に包含される全ての範囲を含む。
【0050】
(ナノエマルジョンであるか本体成分であるかを問わず)本明細書中に記載されている油及び水相は、その中において可溶性である追加可能な添加物(一般的には組成物の変色に寄与しない皮膚効果剤又は活性物質)を含み得る。実例は、ビタミンB2、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンE、葉酸及びビオチンのようなビタミン類である。ビタミン類の誘導体も使用され得る。例えば、ビタミンC誘導体には、テトライソパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム及びアスコルビルグリコシドが含まれる。ビタミンEの誘導体には、酢酸トコフェリル、パルミチン酸トコフェリル及びリノール酸トコフェリルが含まれる。DL-パンテノール及び誘導体も使用され得、ビタミンD及びKも選択肢である。いずれかの相の中に存在する場合、追加してもよいビタミン類の総量は、エンドユース皮膚効果組成物のナノエマルジョン及び/又は本体成分の0.0~10重量%、好ましくは0.001~1重量%、最適には0.01~0.5重量%の範囲であり得る。
【0051】
本発明での使用に適した追加してもよい他の添加物には、α及び/又はβ-ヒドロキシ酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ペトロセリン酸、共役リノール酸、クレアチン、クレアチニン、レチノイドブースター(例えば、クリンバゾール、ビフォナゾール、ファルネソール、グリチルレチン酸(glycyrrchetinic acid)、ウルソール酸、ゲラニルゲラニオール、オレイルベタイン、ヘキサノイルスフィンゴシン)これらの混合物などが含まれる。使用される場合、このような添加物は、合計して、エンドユース組成物のナノエマルジョン及び/又は本体成分の約0.001~約12重量%を占める。
【0052】
エンドユース皮膚効果組成物中には、角層剥離促進物質が存在し得てもよい。実例は、α-ヒドロキシカルボン酸、β-ヒドロキシカルボン酸である。「酸」という用語は、遊離の酸のみならず、その塩及びC1-C30アルキル又はアリールエステル並びに環状又は直鎖ラクトン構造を形成するための脱水から生成されるラクトンも含むものとする。代表的な酸は、グリコール酸及びその誘導体、乳酸及びリンゴ酸である。サリチル酸は、β-ヒドロキシカルボン酸の代表例である。存在する場合、これらの物質の量は、個別に、ナノエマルジョン及び本体成分の0.01~15重量%の範囲であり得る。
【0053】
様々なハーブ抽出物を本発明のナノエマルジョン及び/又はエンドユース組成物中に含めてもよい。抽出物は水溶性又は水に不溶性のいずれでもあり得、したがって、それぞれ、親水性又は疎水性である溶媒中に保持され得る。水及びエタノールは、好ましい抽出物溶媒である。抽出物の実例には、緑茶、ノコギリソウ(yarrow)、カモミール、カンゾウ(licorice)、アロエベラ、ブドウ種子、ウンシュイミカン(citrus unshui)、ヤナギ樹皮(willow bark)、セージ(sage)、タイム(thyme)及びローズマリーからの抽出物が含まれる。典型的には、存在する場合、抽出物は、エンドユース組成物のナノエマルジョン及び/又は本体成分の約0.01~2重量%を占める。
【0054】
同じく使用に適し得るものには、キレート剤(例えば、EDTA)、乳白剤(50~1200nm、好ましくは50~350nmの粒径のTIO2など)、C8-22脂肪酸で置換された糖類、リポ酸、レチノキシトリメチルシラン(SilCare IM-75の商標でClariant Corp.から入手可能)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)及びこれらの組み合わせのような物質が含まれる。セラミド(CeramideI、Ceramide3、Ceramide36及びCeramide6)及び疑似セラミドも有用であり得る。これらの物質の量は、本発明のエンドユース組成物のナノエマルジョン及び/又は本体成分の0.000001~10重量%、好ましくは0.0001~1重量の範囲であり得る。
【0055】
本発明のエンドユース組成物のナノエマルジョン及び/又は本体成分中に、日焼け止め活性物質も含め得る。特に好ましいのは、Parsol MCXとして入手可能なp-メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、Parsol 1789として入手可能なAvobenzene及びベンゾフェノン-3、別称Oxybenzoneのような物質である。マイクロファイン二酸化チタン、オクトクリレン、酸化亜鉛、ポリエチレン及び様々な他のポリマーなどの無機の日焼け止め活性物質が使用され得る。
【0056】
存在する場合、日焼け止め剤の量は、一般に、エンドユース組成物のナノエマルジョン及び/又は本体成分の0.1~30重量%、好ましくは0.5~20重量%、最適には0.75~10重量%の範囲であり得る。
【0057】
本発明のエンドユース皮膚効果組成物中には、香料、保留剤及び研磨剤(abrasives)を含めてもよい。これらの物質の各々は、エンドユース組成物のナノエマルジョン及び/又は本体成分の約0.05~約5重量%、好ましくは0.1~3重量%の範囲であり得る。
【0058】
本発明のナノエマルジョン及び/又はエンドユース組成物中では、慣用の緩衝剤/pH調製物質が使用され得る。これらには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、クエン酸及び/シトレート/クエン酸緩衝剤のような一般的に使用される添加物が含まれる。特に好ましい実施形態において、本発明のエンドユース組成物のナノエマルジョン及び本体成分のpHは、4~8、好ましくは4.25~7.75、最も好ましくは6~7.5であり、これらの中に包含される全ての範囲を含む。
【0059】
本発明に記載されているナノエマルジョンは、Q Sonica、Mettler及びEpiShearTMの名称で販売されているもののような、市販の超音波処理器を用いて、水、油、活性物質、保湿剤及び乳化剤を混合することによって調製され得る。しばしば好ましい技術には、1500~6000psi、好ましくは1750~3500psi、最も好ましくは1850~2500psiに設定された均質化圧力での(これらの中に包含される全ての範囲を含む。)、BEE internationalからNano DeBEEの名称で販売されているものなどの高圧粉砕機の使用が含まれる。本発明中で記載されているマクロエマルジョンは、Silverson L4Rミキサーとして市販されているものなどの標準的なローター/ステーター式ミキサーを用いて作られ得る。
【0060】
本発明のエンドユース組成物を作製する場合、市販の破砕機を用いて、中程度の剪断及び大気圧下で所望の成分が混合される。
【0061】
ナノエマルジョン及びエンドユース皮膚効果組成物の粘度は、1500~100,000cps、好ましくは3000~75,000cps、最も好ましくは5,000~20,000cpsであり、これらの中に包含される全ての範囲を含む。
【0062】
本発明のエンドユース皮膚効果組成物を保存し、配達するために、幅広い梱包が使用され得る。梱包は、しばしば、パーソナルケアの最終用途の種類に依存する。例えば、リーブオンスキンローション及びクリーム、シャンプー、コンディショナー及びシャワージェルは、一般に、閉鎖手段によって覆われた吐出末端に開口部を有するプラスチック容器を使用する。典型的な閉鎖手段は、ねじ蓋、非エアロゾル式ポンプ及び押し上げ式の蝶番付き蓋である。制汗剤、体臭防止剤及び脱毛剤のための梱包には、吐出末端上に回転塗布式の球を有する容器が含まれ得る。または、これらの種類のパーソナルケア製品は、前進後退機構(propel repel mechanism)を有する容器に入った組成物形態で配達され得る。噴霧剤によって加圧されており、スプレーノズルを有する金属の缶は、制汗剤、シェービングクリーム及びその他のパーソナルケア製品用の梱包としての役割を果たす。
【0063】
以下の実施例は、本発明の理解を促進するために提供されている。これらの実施例は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0064】
[実施例]
卓上型Silverson L4Rローター/ステーター式ミキサーを用いて、特定された成分を混合することによってマクロエマルジョンを作製した。2000psiに圧力を設定したBEE InternationalのNano DeBEE高圧破砕機に得られたマクロエマルジョンを通過させることによって、ナノエマルジョンを作製した。得られたエマルジョンは、表記の粒径を有していた。全ての試料は、0.6重量%のプロピオン酸レチニルを有していた。
【表1】
【0065】
[実施例2]
中程度の剪断(常温及び大気圧)下で、実施例1中で特定されたエマルジョンを、以下に特定されている構造化水本体成分と混合することによって、エンドユーススキンケア組成物を作製した。
【表2】
【0066】
[実施例3]
表IIにおいて作製されたエンドユース皮膚効果組成物の色安定性を、4及び8週目に評価した。温度は45℃で一定に保った。色安定性を評価するために使用された装置は、Hunter L,a,b比色計であった。
【表3】
【0067】
表III中の上記結果は、予想外のことに、本発明のナノエマルジョンを含む活性物質を作製すると、活性物質から生じる色の不安定性が、エンドユース皮膚効果組成物において軽減されることを示している。