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  • 特許-コネクタホルダ及びワイヤハーネス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】コネクタホルダ及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20231002BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20231002BHJP
   H02G 3/16 20060101ALN20231002BHJP
【FI】
H01R13/52 B
H01R13/46 304P
H02G3/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020014594
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021121990
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】多賀野 正寛
(72)【発明者】
【氏名】江村 卓士
(72)【発明者】
【氏名】川地 康夫
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-061400(JP,A)
【文献】特開2006-149157(JP,A)
【文献】特開2018-064352(JP,A)
【文献】特開2015-126542(JP,A)
【文献】特開2005-229740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/533
H01B 7/00
H02G 3/08-3/20
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタを収容する収容部と、
前記収容部の上方を被覆する上方被覆部と、
前記上方被覆部の縁部に沿って前記上方被覆部の上面に立設され、車体側に固定される固定壁部と、
前記固定壁部を貫通し、前記上方被覆部の上部空間と前記上方被覆部の側方空間とを連通する排水孔と、
前記排水孔に対して前記側方空間側である排水側で対向する対向壁部と、
前記上方被覆部の前記縁部から延びて前記収容部の側方を被覆する側方被覆部と、
前記対向壁部から延びて前記側方被覆部の外側面に対向する延長壁部、及び、前記側方被覆部における前記延長壁部に対向する部位を含む排水路と、を備えたコネクタホルダ。
【請求項2】
車体への組付状態において、前記排水路の下端部が前記収容部よりも下側に位置する、請求項に記載のコネクタホルダ。
【請求項3】
前記上方被覆部の上面に立設され、前記固定壁部に繋がる立設壁部を備え、
前記立設壁部と前記固定壁部が繋がる部位が角部をなしており、
前記排水孔が前記角部に設けられている、請求項1又は請求項2に記載のコネクタホルダ。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のコネクタホルダと、
前記コネクタホルダの前記収容部に収容されたコネクタと、
前記コネクタに接続された電線と、を備えたワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタホルダ及びワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されたコネクタホルダは、コネクタを収容する収容部と、収容部の上方を被覆する上方被覆部とを備えており、収容部に収容されたコネクタの被水が上方被覆部によって抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-91733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなコネクタホルダでは、上方被覆部の上面の水が、上方被覆部の縁部からコネクタの収容部側に回り込むおそれがあるため、コネクタの被水を抑制する点において更なる改善の余地があった。
【0005】
そこで、コネクタの被水を抑制可能としたコネクタホルダ及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタホルダは、コネクタを収容する収容部と、前記収容部の上方を被覆する上方被覆部と、前記上方被覆部の縁部に沿って前記上方被覆部の上面に立設され、車体側に固定される固定壁部と、前記固定壁部を貫通し、前記上方被覆部の上部空間と前記上方被覆部の側方空間とを連通する排水孔と、前記排水孔に対して前記側方空間側である排水側で対向する対向壁部と、を備える。
【0007】
また、本開示のワイヤハーネスは、上記のコネクタホルダと、前記コネクタホルダの前記収容部に収容されたコネクタと、前記コネクタに接続された電線と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、コネクタの被水を抑制可能としたコネクタホルダ及びワイヤハーネスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態におけるワイヤハーネスの斜視図である。
図2図2は、同形態のワイヤハーネスの側面図である。
図3図3は、同形態のワイヤハーネスの側面図である。
図4図4は、同形態のコネクタホルダの平面図である。
図5図5は、同形態のコネクタホルダの要部拡大図である。
図6図6は、同形態のコネクタホルダの要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタホルダは、
[1]コネクタを収容する収容部と、前記収容部の上方を被覆する上方被覆部と、前記上方被覆部の縁部に沿って前記上方被覆部の上面に立設され、車体側に固定される固定壁部と、前記固定壁部を貫通し、前記上方被覆部の上部空間と前記上方被覆部の側方空間とを連通する排水孔と、前記排水孔に対して前記側方空間側である排水側で対向する対向壁部と、を備える。
【0011】
この構成によれば、上方被覆部の縁部に立設した固定壁部によって、上方被覆部の縁部から収容部側に水が回り込むことを抑制でき、その結果、コネクタの被水を抑制することが可能となる。また、排水孔の排水側が対向壁部によって被覆されているため、コネクタホルダが排水孔の排水側(側方空間側)から被水したときに、水が排水孔を通って上方被覆部側(上部空間側)に逆流することを対向壁部によって抑制できる。これにより、収容部に収容されたコネクタへの被水を好適に防ぐことが可能となる。
【0012】
[2]上記のコネクタホルダが、前記上方被覆部の前記縁部から延びて前記収容部の側方を被覆する側方被覆部と、前記対向壁部から延びて前記側方被覆部の外側面に対向する延長壁部、及び、前記側方被覆部における前記延長壁部に対向する部位を含む排水路と、を備えることが好ましい。この構成によれば、側方被覆部によってコネクタの被水を抑制できる。また、排水孔から排水されて対向壁部に付着した水を、排水路を通じて排水することができる。
【0013】
[3]車体への組付状態において、前記排水路の下端部が前記収容部よりも下側に位置することが好ましい。この構成によれば、排水路を通る水を、排水路の下端部から収容部の下方に排水することができ、その結果、収容部に収容されたコネクタの被水をより好適に抑制できる。
【0014】
[4]上記のコネクタホルダが、前記上方被覆部の上面に立設され、前記固定壁部に繋がる立設壁部を備え、前記立設壁部と前記固定壁部が繋がる部位が角部をなしており、前記排水孔が前記角部に設けられていることが好ましい。この構成によれば、上方被覆部の上面に付着した水を、固定壁部及び立設壁部によって角部に案内することが可能となるため、角部に形成された排水孔からの排水を促進することが可能となる。
【0015】
[5]また、本開示のワイヤハーネスは、上記のコネクタホルダと、前記コネクタホルダの前記収容部に収容されたコネクタと、前記コネクタに接続された電線と、を備える。
この構成によれば、排水孔の排水側が対向壁部によって被覆されているため、コネクタホルダが排水孔の排水側(側方空間側)から被水したときに、水が排水孔を通って上方被覆部側(上部空間側)に逆流することを対向壁部によって抑制できる。これにより、収容部に収容されたコネクタへの被水を好適に防ぐことが可能となる。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタホルダ及びワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。なお、本開示における平行とは、厳密な意味での平行を意味するものではなく、平行とみなされる範囲であれば本発明の効果を奏する範囲で幅を持つ意味である。また、本開示における垂直とは、厳密な意味での垂直を意味するものではなく、垂直とみなされる範囲であれば本発明の効果を奏する範囲で幅を持つ意味である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の車両用のワイヤハーネス10は、図示しない車体に固定されるコネクタホルダ11と、コネクタホルダ11に保持されたコネクタ12と、コネクタ12に接続された電線13と、を備えている。
【0018】
(コネクタホルダ11)
図1図2及び図3に示すように、コネクタホルダ11は、例えば合成樹脂材からなる射出成形品である。なお、図面中の互いに直交するXYZ軸におけるX軸は、コネクタホルダ11の奥行方向Xを表し、Y軸はコネクタホルダ11の幅方向Yを表し、Z軸はコネクタホルダ11の高さ方向Zを表している。コネクタホルダ11は、例えば金属製のブラケット14を介して車体に固定される。コネクタホルダ11は、高さ方向Zが鉛直方向に対して傾斜するように車体に組み付けられる。
【0019】
コネクタホルダ11は、コネクタ12を収容する収容部21と、収容部21の上方を被覆する上方被覆部22と、収容部21の側方を被覆する側方被覆部23と、を備えている。上方被覆部22及び側方被覆部23は、収容部21に収容されたコネクタ12に対する水掛かりを抑制している。
【0020】
図1図2及び図3には、一対の雄・雌コネクタが嵌合された状態の4つのコネクタ12が収容部21に収容されている状態を示している。なお、図2及び図3では電線13の図示を省略している。コネクタ12の雄・雌コネクタは、コネクタホルダ11の奥行方向Xに沿って収容部21に組み付けられている。また、電線13は、コネクタ12から奥行方向Xに沿って引き出されている。側方被覆部23は、コネクタ12の組付方向(言い換えると、コネクタ12に接続された電線13の長さ方向)と直交する側方を被覆している。
【0021】
(上方被覆部22及び側方被覆部23)
図2に示すように、コネクタホルダ11の奥行方向Xから見て、上方被覆部22と側方被覆部23とは、互いにL字状に略直交するように形成されている。上方被覆部22は、幅方向Yにおいて収容部21よりも広い大きさに形成されている。また、上方被覆部22は、平面視(上方視)において略長方形状をなす(図4参照)。上方被覆部22の大部分は、高さ方向Zと直交する略平面状(すなわちXY平面と平行な略平面状)をなしている。コネクタホルダ11が車体に組み付けられた状態においては、上方被覆部22は、鉛直方向に対して傾斜するようになっている。
【0022】
図3に示すように、上方被覆部22は、奥行方向Xにおいて収容部21よりも広い大きさに形成されている。側方被覆部23も同様に、奥行方向Xにおいて収容部21よりも広い大きさに形成されている。側方被覆部23は、上方被覆部22の幅方向Yの縁部22aに対して略直角をなすように繋がっている。側方被覆部23の大部分は、幅方向Yと直交する略平面状(すなわちXZ平面と平行な略平面状)をなしている。そして、側方被覆部23は、収容部21の幅方向Yの側方を被覆する。
【0023】
(固定壁部24)
図1図3に示すように、上方被覆部22の上面には、固定壁部24が立設されている。固定壁部24は、上方被覆部22の縁部22aに沿って設けられている。また、固定壁部24は、上方被覆部22の上面の垂直方向(すなわち高さ方向Z)に対して傾斜している。固定壁部24はブラケット14を介して車体(ピラーツーピラーメンバ)に固定される。ピラーツーピラーメンバの上方には、エアコンディショナに接続される空調用ダクトなどが位置している。ブラケット14のピラーツーピラーメンバに当接する上端部は、車幅方向に延出するフランジ状に形成されている。すなわち、例えば結露などによって空調用ダクトの表面に付着した水がピラーツーピラーメンバに落下し、そのピラーツーピラーメンバに付着した水は、ブラケット14を伝ってコネクタホルダ11の上方被覆部22に流れるようになっている。
【0024】
図1に示すように、固定壁部24の上方被覆部22側にブラケット14が配置され、固定壁部24とブラケット14がボルト15及びナット16によって締結固定される。なお、固定壁部24には、ボルト15が挿通される例えば金属製のカラー17を収容するカラー収容部25が形成されている(図3参照)。また、固定壁部24には、固定壁部24を厚さ方向に貫通する排水孔26が形成されている。なお、以下の説明では、固定壁部24における上方被覆部22側の側面を固定壁部24の表面と言い、その反対側の側面を固定壁部24の裏面と言う場合がある。
【0025】
(立設壁部31)
図3及び図4に示すように、上方被覆部22の上面には、固定壁部24の他に立設壁部31が立設されている。立設壁部31は、固定壁部24が形成された前記縁部22aに交わる上方被覆部22の縁部に沿って設けられている。立設壁部31は、上方被覆部22の縁部の幅方向Yの一端から他端までの略全体に亘って形成されている。平面視において、固定壁部24と立設壁部31とは、略直角をなすように互いに繋がっている。すなわち、立設壁部31は、上方被覆部22における奥行方向Xの一端部に繋がっており、立設壁部31と固定壁部24とが繋がる部位は角部32をなしている。コネクタホルダ11は、上方被覆部22の上面において角部32が最も低くなる傾斜姿勢で車体に固定される。
【0026】
図2及び図4に示すように、立設壁部31の幅方向Yの一端部は、幅方向Yに沿って固定壁部24の裏面側に延出する延出部33を有している。延出部33は、固定壁部24の裏面から幅方向Yに延出している。
【0027】
(排水孔26)
図2図3及び図5に示すように、固定壁部24には、固定壁部24を厚さ方向に貫通する排水孔26が形成されている。排水孔26は、固定壁部24を貫通することで、上方被覆部22の上部空間S1と上方被覆部22の側方空間S2とを連通している(図2参照)。なお、本実施形態では、固定壁部24の表面には格子状のリブ27が形成されており、奥行方向Xに沿った複数のリブ27によって分断される形で3つの排水孔26が形成されている。また、排水孔26は、固定壁部24と立設壁部31とがなす前記角部32に設けられている。すなわち、排水孔26は、コネクタホルダ11の車体組付状態において、上方被覆部22の傾斜の下流側に位置するようになっている。
【0028】
(対向壁部34)
図2及び図6に示すように、コネクタホルダ11は、延出部33から奥行方向Xに沿って延出する対向壁部34を備えている。対向壁部34は、固定壁部24の裏面に対向している。また、対向壁部34は、排水孔26の排水側(側方空間S2側)の開口に対して、排水孔26の貫通方向に対向している。排水孔26と対向壁部34との間の空隙は、奥行方向Xの一方側が延出部33によって塞がれている。
【0029】
(延長壁部35)
図1及び図2に示すように、コネクタホルダ11は、対向壁部34から延びて側方被覆部23の外側面(収容部21とは反対側の側面)に対向する延長壁部35を有している。延長壁部35は、側方被覆部23の外側面に沿って形成されている。また、コネクタホルダ11は、延長壁部35と側方被覆部23とを繋ぐ連結部36とを有している。連結部36は、延出部33から側方被覆部23側に延びる態様で形成されている。すなわち、連結部36は、延長壁部35と側方被覆部23との間の空隙における奥行方向Xの一方側を塞いでいる。そして、延長壁部35と、側方被覆部23の一部(詳しくは延長壁部35に対向する側方被覆部23の部位)と、連結部36とによって、排水路37が形成されている。
【0030】
図2に示すように、延長壁部35の上端は対向壁部34と繋がっており、延長壁部35の下端部は、側方被覆部23の下端部の近傍に位置している。延長壁部35の下端部と側方被覆部23の下端部は、排水路37の下端部37aを形成している。コネクタホルダ11が車体に組み付けられた状態において、排水路37の下端部37aは、収容部21よりも下側に位置している。詳述すると、車体組付状態のコネクタホルダ11に収容されたコネクタ12のうち、最も下側に位置するコネクタをコネクタ12aとし、そのコネクタ12aを保持する収容部21の部位を保持部21aとする。そして、排水路37の下端部37aは、収容部21の保持部21aよりも下側に位置している。
【0031】
本実施形態の作用について説明する。
コネクタホルダ11において、コネクタ12が収容された収容部21の上方が上方被覆部22によって被覆されているため、コネクタホルダ11の上方から飛散してきた水が、収容部21に収容されたコネクタ12に付着することを抑制できる。
【0032】
ここで、上方被覆部22の上面に付着した水は、上方被覆部22の傾斜によって、固定壁部24または立設壁部31に向かって流れ、固定壁部24または立設壁部31によって堰き止められるようになっている。これにより、上方被覆部22の縁部から収容部21側に水が回り込むことが、固定壁部24及び立設壁部31によって抑制されている。
【0033】
固定壁部24及び立設壁部31によって堰き止められた水は、上方被覆部22の傾斜によって角部32に向かって流れる。そして、角部32に達した水は、固定壁部24に形成された排水孔26を通じて固定壁部24の裏面側(側方空間S2側)に排水される。排水孔26から排出された水は、固定壁部24と対向壁部34との間を通り、その下側の排水路37へと導かれる。そして、水Wは排水路37を通って、排水路37の下端部37aからコネクタホルダ11の下方に排水されるようになっている。
【0034】
本実施形態の効果について説明する。
(1)コネクタホルダ11は、上方被覆部22に立設された固定壁部24を貫通し、上方被覆部22の上部空間S1と上方被覆部22の側方空間S2とを連通する排水孔26と、排水孔26に対して側方空間S2側である排水側で対向する対向壁部34と、を備える。この構成によれば、上方被覆部22の縁部22aに立設した固定壁部24によって、上方被覆部22の縁部22aから収容部21側に水が回り込むことを抑制でき、その結果、コネクタ12の被水を抑制することが可能となる。また、コネクタホルダ11が排水孔26の排水側(側方空間S2側)から被水した場合でも、排水孔26の排水側が対向壁部34によって被覆されているため、水が排水孔26を通って上部空間S1側に逆流することを対向壁部34によって抑制できる。これにより、収容部21に収容されたコネクタ12への被水を好適に防ぐことが可能となる。
【0035】
(2)コネクタホルダ11は、上方被覆部22の縁部から延びて収容部21の側方を被覆する側方被覆部23と、対向壁部34から延びて側方被覆部23の外側面に対向する延長壁部35、及び、側方被覆部23における延長壁部35に対向する部位を含む排水路37と、を備えている。この構成によれば、側方被覆部23によって、幅方向Yの側方から飛散してくる水によるコネクタ12の被水を抑制できる。また、排水孔26から排水されて対向壁部34に付着した水を、排水路37を通じて排水することができる。
【0036】
(3)コネクタホルダ11が車体に組み付けられた状態において、排水路37の下端部37aが収容部21よりも下側に位置している。この構成によれば、排水路37を通る水を、排水路37の下端部37aから収容部21の下方に排水することができ、その結果、収容部21に収容されたコネクタ12の被水をより好適に抑制できる。
【0037】
(4)コネクタホルダ11は、固定壁部24に繋がる立設壁部31を上方被覆部22の上面に備え、立設壁部31と固定壁部24が繋がる部位が角部32をなしている。そして、排水孔26が角部32に設けられている。この構成によれば、上方被覆部22の上面に付着した水を、固定壁部24及び立設壁部31によって角部32に案内することが可能となるため、角部32に形成された排水孔26からの排水を促進することが可能となる。
【0038】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・対向壁部34を固定壁部24側に繋ぐ延出部33の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、延出部33と立設壁部31とが奥行方向Xにおいて同位置に設けられ、延出部33が立設壁部31と連続する構成としたが、延出部33を立設壁部31に対して奥行方向Xにずれた位置に設けてもよい。また、上記実施形態では、対向壁部34と固定壁部24との間の空隙の上端部が開放されているが、対向壁部34と固定壁部24とを繋ぐ延出部33によって、当該空隙の上端部を塞ぐように構成してもよい。
【0039】
・上記実施形態では、排水孔26の奥行方向Xにおける形成位置を、固定壁部24の奥行方向Xの端部(角部32)に設定したが、これに限らず、コネクタホルダ11の組付姿勢や、上方被覆部22及び収容部21などの構成によっては、固定壁部24の奥行方向Xの中央部などに排水孔26を形成してもよい。
【0040】
・排水路37の下端部37a(排水位置)は必ずしも収容部21より下側に位置する必要は無く、コネクタホルダ11の組付姿勢や、上方被覆部22及び収容部21などの構成に応じて、排水路37の下端部37aの位置を変更してもよい。
【0041】
・コネクタホルダ11の組付姿勢や、上方被覆部22及び収容部21などの構成に応じて、側方被覆部23及び延長壁部35を省略可能である。
・コネクタホルダ11の組付姿勢や、上方被覆部22及び収容部21などの構成に応じて、立設壁部31を省略可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 ワイヤハーネス
11 コネクタホルダ
12 コネクタ
12a コネクタ
13 電線
14 ブラケット
15 ボルト
16 ナット
17 カラー
21 収容部
21a 保持部
22 上方被覆部
22a 縁部
23 側方被覆部
24 固定壁部
25 カラー収容部
26 排水孔
27 リブ
31 立設壁部
32 角部
33 延出部
34 対向壁部
35 延長壁部
36 連結部
37 排水路
37a 下端部
S1 上部空間
S2 側方空間
W 水
X 奥行方向
Y 幅方向
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6