(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20231002BHJP
【FI】
E02F9/00 B
(21)【出願番号】P 2020131698
(22)【出願日】2020-08-03
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100142871
【氏名又は名称】和田 哲昌
(74)【代理人】
【識別番号】100094743
【氏名又は名称】森 昌康
(74)【代理人】
【識別番号】100175628
【氏名又は名称】仁野 裕一
(72)【発明者】
【氏名】稲岡 成樹
(72)【発明者】
【氏名】江畑 義浩
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 峻
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-207531(JP,A)
【文献】特開2005-061040(JP,A)
【文献】特開2019-065521(JP,A)
【文献】米国特許第10626895(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00- 9/18
E02F 9/24- 9/28
E02F 3/28- 3/413
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームと、
前記車体フレームに対して旋回軸周りに回動可能に取り付けられたキャブフレームと、
前記キャブフレーム上に設けられた掛止金具と、
前記旋回軸を中心とする径方向に対して前記掛止金具と前記旋回軸との間に設けられ、前記キャブフレーム上に設けられた留め金と、
ホース設置部材と、
油圧ホースと、
を備え、
前記ホース設置部材は、
前記留め金に着脱可能な係止部と、
前記掛止金具に引っ掛けるように構成された延伸部と、
前記係止部と前記延伸部とを接続する梁部と、
前記油圧ホースが貫通するように構成された第1開口部を有し、前記梁部上に設けられた第1ホース係止部材と、
を有する作業車両。
【請求項2】
前記ホース設置部材は、前記油圧ホースが貫通するように構成された第2開口部を有し、前記第1ホース係止部材と前記延伸部との間において前記梁部上に設けられた第2ホース係止部材をさらに有する、請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記第2開口部の大きさは、前記第1開口部の大きさ以上である、
請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記ホース設置部材は、前記第1ホース係止部材と前記第2ホース係止部材とを接続する第1追加梁部をさらに有する、
請求項
2または3に記載の作業車両。
【請求項5】
前記ホース設置部材は、前記掛止金具に引っ掛けるように構成され、前記第1追加梁部に接続された追加延伸部をさらに有する、
請求項4に記載の作業車両。
【請求項6】
前記第1ホース係止部材と前記第2ホース係止部材とは、U字型に折り曲げられた棒状部材にて形成される、
請求項
2から5のいずれかに記載の作業車両。
【請求項7】
前記ホース設置部材は、前記第1ホース係止部材と前記第2ホース係止部材とを接続する第2追加梁部をさらに有する、
請求項6に記載の作業車両。
【請求項8】
前記留め金は、前記係止部をボルトで留めるためのボルト孔を有する、
請求項1から7のいずれかに記載の作業車両。
【請求項9】
前記留め金は、前記係止部を引っ掛けるためのステーをさらに有する、
請求項1から8に記載の作業車両。
【請求項10】
前記掛止金具は、U字型フックであって、
前記延伸部は、前記U字型フックの開口部に挿入される、
請求項1から9に記載の作業車両。
【請求項11】
前記第1開口部と
前記第2開口部とを貫通するように構成された複数の追加油圧ホースをさらに有し、前記油圧ホースと前記複数の追加油圧ホースとは、2列以上の列と、2行以上の行とに配列されている、請求項
2から
7に記載の作業車両。
【請求項12】
前記油圧ホースと前記複数の追加油圧ホースとは、前記第2開口部に対して前記第1開口部との反対側において束ねられる、
請求項11に記載の作業車両。
【請求項13】
前記油圧ホースと前記複数の追加油圧ホースとは、前記第1開口部に対して前記第2開口部との反対側において束ねられる、
請求項11または12に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、キャビンが開閉自在である作業車両において、キャビン内の操作レバーと油圧アクチュエータとを連結するパイロットホースを、中継部材を介して接続する構造を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中継部材を削除することは作業車両の製造コスト削減において有利であるが、パイロットホースが長くなるためにホースの取り付けの作業負担が大きくなる。このため、ホースの取り付けの作業負担を軽減することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係る作業車両は、車体フレームと、キャブフレームと、掛止金具と、留め金と、ホース設置部材と、油圧ホースと、を備える。キャブフレームは、車体フレームに対して旋回軸周りに回動可能に取り付けられる。掛止金具は、キャブフレーム上に設けられる。留め金は、旋回軸を中心とする径方向に対して掛止金具と旋回軸との間に設けられ、キャブフレーム上に設けられる。ホース設置部材は、係止部と、延伸部と、梁部と、第1ホース係止部材とを有する。係止部は、留め金に着脱可能である。延伸部は、掛止金具に引っ掛けるように構成される。梁部は、係止部と延伸部とを接続する。第1ホース係止部材は、油圧ホースが貫通する第1開口部を有し、梁部上に設けられる。
【発明の効果】
【0006】
本願に開示される技術によれば、例えば、長い油圧ホースの取り付けの作業負担を軽減することが可能な作業車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】
図3は、作業車両のキャビンの外装カバーを取り除いたときの側面図である。
【
図4】
図4は、ホース設置部材の付近の拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4において複数の油圧ホースを取り除いた図である。
【
図6】
図6は、
図5においてホース設置部材10を取り除いた図である。
【
図7】
図7は、ホース設置部材の拡大斜視図である。
【
図10】
図10は、複数の油圧ホース、第1集束部材、及び、第2集束部材を示した拡大斜視図である。
【
図11】
図11は、複数の油圧ホース、第1集束部材、及び、第2集束部材を示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、図中において同じ符号は、対応するまたは実質的に同一の構成を示している。
<実施形態>
<全体構成>
【0009】
図1及び
図2を参照すると、作業車両1、例えばコンパクトトラックローダは、車体フレーム2と、走行装置3と、作業装置4と、キャビン5とを備えている。車体フレーム2は、走行装置3、作業装置4、及び、キャビン5を支持する。図示の実施形態では、走行装置3は、履帯式の走行装置である。このため、走行装置3は、駆動輪31、従動輪32、33、及び、転輪34を含む。ただし、走行装置3は、履帯式走行装置に限定されない。走行装置3は、例えば、前輪/後輪走行装置であってもよいし、前輪と後部クローラとを有する走行装置であってもよい。作業装置4は、作業装置4の末端(distal end)に器具(work equipment)(バケット)41を含む。作業装置4の基端(proximal end)は、車体フレーム2の後部に取り付けられている。作業装置4は、バケットピボット軸43を介してバケット41を回転可能に支持するための一対のアーム機構42を含む。一対のアーム機構42のそれぞれは、リンク44とアーム45を含む。
【0010】
リンク44は、支点軸(fulcrum shaft)46の周りで車体フレーム2に対して回転可能である。アーム45は、ジョイント軸(joint shaft)47の周りでリンク44に対して回転可能である。作業装置4は、複数のアームシリンダ48と少なくとも1つの器具シリンダ(equipment cylinder)49とをさらに含む。複数のアームシリンダ48のそれぞれは、車体フレーム2およびアーム45に回転可能に接続され、リンク44およびアーム45を移動させて、バケット41を昇降させる。少なくとも1つの器具シリンダ49は、バケット41を傾けるように構成される。キャビン5は、車体フレーム2の前部に取り付けられている。作業車両1は、キャビン5の前方、側方に、それぞれ、前窓51、外装カバー52を備え、キャビン5は、キャブフレーム53によって定義される。作業車両1は、キャビン5内に運転席54および操作レバー55を含む。キャブフレーム53は、
図2に示されるように、車体フレーム2上の回動軸(rotational shaft)RSL及びRSR周りに回転可能である。
図1及び
図2では、回動軸RSL及びRSRによって規定される共通の旋回軸(pivot)A
XCを図示している。つまり、キャブフレーム53は、車体フレーム2に対して旋回軸A
XC周りに回動可能に取り付けられている。
【0011】
なお、本願に係る実施形態において、前後方向DFB(前方向DF/後方向DB)とは、キャビン5の運転席54に着座したオペレータから見て前後方向(前方向/後方向)を意味する。左方向DL、右方向DR、幅方向DWとは、当該オペレータから見てそれぞれ、左方向、右方向、左右方向を意味する。上方向DU、下方向DD、高さ方向DHとは、当該オペレータから見て上方向、下方向、高さ方向を意味する。作業車両1の前後/左右(幅)/上下(高さ)方向とは、それぞれ、当該オペレータから見た前後/左右(幅)/上下(高さ)方向と一致するものとする。
【0012】
図1は、作業車両1の右側を示している。
図2に示すように、車体フレーム2は、車体中央面Mに対して概ね面対称であり、一対のアーム機構42のうち、車体中央面Mに対して右側に設けられるアーム機構42が第1アーム機構42Rとして、車体中央面Mに対して左側に設けられるアーム機構42が第2アーム機構42Lとして示されている。車体中央面Mに対して右側に設けられるリンク44が第1リンク44Rとして示されている。車体中央面Mに対して右側に設けられるアーム45が第1アーム45Rとして、車体中央面Mに対して左側に設けられるアーム45が第2アーム45Lとして示されている。車体中央面Mに対して右側に設けられる支点軸46が第1支点軸46Rとして、車体中央面Mに対して左側に設けられる支点軸46が第2支点軸46Lとして示されている。車体中央面Mに対して右側に設けられるジョイント軸47が第1ジョイント軸47Rとして、車体中央面Mに対して左側に設けられるジョイント軸47が第2ジョイント軸47Lとして示されている。
【0013】
図1及び
図2を参照すると、作業車両1は、車体フレーム2の後部に設けられたエンジン6、及び、油圧ポンプ7をさらに備える。エンジン6は、油圧ポンプ7を駆動する。油圧ポンプ7は、走行装置3および作業装置4に接続された油圧アクチュエータ(複数のアームシリンダ48、少なくとも1つの器具シリンダ49、駆動輪31を駆動する油圧モータ等)を駆動するために作動油を吐出するように構成されている。エンジン6は、作業車両1の幅方向D
Wにおいて、一対のアーム機構42の間に設けられている。作業車両1は、エンジン6を覆うためのカバー8をさらに備える。作業車両1は、車体フレーム2の後端に設けられているボンネットカバー9をさらに備える。ボンネットカバー9は、開閉可能であり、保守員がエンジン6などの保守作業を行うことができる。
【0014】
図3は、
図1において作業車両1のキャビン5の外装カバー52を取り除いたときの側面図である。
図3では、外装カバー52以外に一対のアーム機構42及び一部の車体フレーム2についての図示も省略している。
図3を参照すると、作業車両1は、操作レバー55によって操作される油圧制御弁71と、油圧制御弁71に接続される複数の油圧ホース72とを含む。複数の油圧ホース72は、油圧ポンプ7と油圧制御弁71とを連結する第1油圧ホース73と、油圧アクチュエータ(複数のアームシリンダ48、少なくとも1つの器具シリンダ49、駆動輪31を駆動する油圧ポンプ等)と油圧制御弁71とを連結する第2油圧ホース74とを含む。具体的には、油圧アクチュエータは、複数のアームシリンダ48及び少なくとも1つの器具シリンダ49を含む。なお、以降の実施形態において、複数の油圧ホース72のうちの1つを油圧ホース72aとし、残りを複数の追加油圧ホース72bとしてもよい。
【0015】
作業車両1は、複数の油圧ホース72を取り付けるためのホース設置部材10をさらに備える。
図4は、ホース設置部材10の付近の拡大斜視図である。
図5は、
図4において複数の油圧ホース72を取り除いた図である。
図6は、
図5においてホース設置部材10を取り除いた図である。
図3及び
図6を参照すると、作業車両1は、キャブフレーム53上に設けられた掛止金具56と留め金57とを備える。掛止金具56は、U字型フックである。留め金57は、旋回軸A
XCを中心とする径方向(例えば、前後方向D
FB)に対して掛止金具56と旋回軸A
XCとの間に設けられる。掛止金具56と留め金57はキャブフレーム53に溶接されている。
【0016】
図7は、ホース設置部材10の拡大斜視図である。
図8は、ホース設置部材10の側面図である。
図9は、ホース設置部材10の上面図である。
図3~5及び7~9を参照すると、ホース設置部材10は、係止部11と、延伸部12と、追加延伸部13と、梁部14と、第1追加梁部15と、第1ホース係止部材16と、第2ホース係止部材18と、第2追加梁部20とを有する。係止部11は、留め金57に着脱可能である。係止部11は、L字型の板状部材によって形成される。係止部11は、図示しないボルトを通すための貫通孔11Hを有する。
【0017】
図4~6に示されるように、留め金57は、係止部11を図示しないボルトで留めるためのボルト孔57Hを有する。
図4及び
図5に示されるように、係止部11が留め金57に装着されるとき、貫通孔11Hは、ボルト孔57Hと同軸上に位置する。留め金57は、係止部11を引っ掛けるためのステー57Sをさらに有する。係止部11を留め金57に装着するときは、ステー57Sに係止部11を引っ掛けてボルトをボルト孔57Hに螺合することによって係止部11を留め金57に留めることができる。係止部11がボルトによって留め金57に留められることで、作業車両1の振動によってホース設置部材10が掛止金具56及び留め金57から外れることが抑止される。
【0018】
図5に示されるように、延伸部12は、掛止金具56に引っ掛けるように構成される。具体的には、延伸部12は、掛止金具56のU字型フックの開口部に挿入される。同様に、追加延伸部13は、掛止金具56に引っ掛けるように構成される。具体的には、追加延伸部13は、掛止金具56のU字型フックの開口部に挿入される。延伸部12及び追加延伸部13は、棒状部材(bar)から成る。梁部14は、係止部11と延伸部12とを接続する。梁部14も棒状部材から成る。係止部11及び延伸部12は、例えば、梁部14に溶接によって取り付けられる。ただし、係止部11、延伸部12、及び、梁部14は、鋳型等によって一体成形されてもよい。
【0019】
図5及び
図7~9に示されるように、第1ホース係止部材16は梁部14上に設けられる。第1追加梁部15は、第1ホース係止部材16に接続される。具体的には、梁部14と、第1ホース係止部材16と、第1追加梁部15とは、1つの棒状部材を折り曲げることによって形成される。つまり、梁部14と、第1ホース係止部材16と、第1追加梁部15とは、一体に形成される。追加延伸部13は、第1追加梁部15に接続される。第2ホース係止部材18は、第1ホース係止部材16と延伸部12との間において梁部14上に設けられる。第2ホース係止部材18は、第1追加梁部15にも接続される。具体的には、延伸部12と、第2ホース係止部材18と、追加延伸部13とは、1つの棒状部材を折り曲げることによって形成される。この折り曲げられた棒状部材に、梁部14と第1追加梁部15とが一体となった棒状部材が、例えば、溶接によって接続される。ただし、これらの2つの棒状部材が、鋳型等によって一体成形されてもよい。第2追加梁部20は、第1ホース係止部材16と第2ホース係止部材18とを接続する。具体的には、第2追加梁部20は、例えば、第1ホース係止部材16の下端と第2ホース係止部材18の下端とに溶接によって接続される。ただし、第2追加梁部20と上述する2つの棒状部材が、鋳型等によって一体成形されてもよい。第2追加梁部20は板状部材(plate)から成る。
【0020】
第1ホース係止部材16と第2ホース係止部材18とは、U字型に折り曲げられた棒状部材にて形成される。これによって、
図4及び
図7に示されるように、第1ホース係止部材16は、複数の油圧ホース72(油圧ホース72a、複数の追加油圧ホース72b)が貫通するように構成された第1開口部17を有する。第2ホース係止部材18は、複数の油圧ホース72(油圧ホース72a、複数の追加油圧ホース72b)が貫通するように構成された第2開口部19を有する。第2開口部19の大きさは、第1開口部17の大きさ以上である。第1ホース係止部材16は、キャビン5が旋回軸A
XC周りに所定角度回転され、キャビン5の下方空間が外部からアクセス可能になった状態において、第1ホース係止部材16は、複数の油圧ホース72を引っ掛けるように構成されている。これによって、複数の油圧ホース72が下方にそることが抑止される。
【0021】
図3及び
図4に示されるように、油圧ホース72aと複数の追加油圧ホース72bとは、2列以上の列と、2行以上の行とに配列されている。具体的には、複数の油圧ホース72(油圧ホース72a、複数の追加油圧ホース72b)は、3行2列で配置されている。このため、作業車両1は、複数の油圧ホース72を束ねるための第1集束部材21及び第2集束部材25をさらに備えている。第1集束部材21は、複数の油圧ホース72の長さ方向において、ホース設置部材10と、油圧ポンプ7または油圧アクチュエータとの間に設けられる。したがって、油圧ホース72aと複数の追加油圧ホース72bとは、第1開口部17に対して第2開口部19との反対側において束ねられる。第2集束部材25は、複数の油圧ホース72の長さ方向において、ホース設置部材10と、油圧制御弁71との間に設けられる。したがって、油圧ホース72aと複数の追加油圧ホース72bとは、第2開口部19に対して第1開口部17の反対側において束ねられる。
【0022】
図10及び
図11は、複数の油圧ホース72、第1集束部材21、及び、第2集束部材25を示した拡大斜視図である。
図10及び
図11においては、車体フレーム2、キャブフレーム53、及び、ホース設置部材10等の図示を省略している。
図11及び
図12を参照すると、第1集束部材21は、第1列区分部22と、第2列区分部23と、集結部24とを含む。第1列区分部22と、第2列区分部23と、集結部24とは1つの棒状部材を折り曲げることによって形成される。第1列区分部22及び第2列区分部23は、複数の油圧ホース72のそれぞれの列を区分する。集結部24は、第1列区分部22と第2列区分部23との間において、複数の油圧ホース72を1つの束にまとめる。
【0023】
第2集束部材25は、第3列区分部26と、第1案内部27と、第2案内部28と、第3案内部29とを含む。第3列区分部26は、第1棒部材26aと第2棒部材26bと第3棒部材26cとを有し、第1棒部材26aと第2棒部材26bとで複数の油圧ホース72のうちの1つの列の油圧ホースを挟み、第1棒部材26aと第3棒部材26cとで複数の油圧ホース72のうちの別の列の油圧ホースを挟むことによって複数の油圧ホース72のそれぞれの列を区分する。第1案内部27は、第4棒部材27aと第5棒部材27bとを有し、第4棒部材27aと第5棒部材27bとの間に複数の油圧ホース72を案内する。第2案内部28は、第6棒部材28aと第7棒部材28bとを有し、第6棒部材28aと第7棒部材28bとの間に複数の油圧ホース72を案内する。第3案内部29は、第3案内部29の右側に複数の油圧ホース72を案内する。第3棒部材26cと、第4棒部材27aと、第6棒部材28aと、第3案内部29とは1つの棒状部材を折り曲げることによって形成され、第1棒部材26aと、第2棒部材26bと、第5棒部材27bと、第7棒部材28bとはこの折り曲げられた棒状部材に溶接によって接続される。
【0024】
複数の油圧ホース72は、第1集束部材21、第2集束部材25等によって2列以上の列と2行以上の行とに配列されることによって複数の油圧ホース72の曲率の変化を概ね等しくすることができる。このため、キャビン5の回動時の複数の油圧ホース72の弛みを合わせることができる。
<実施形態の作用及び効果>
【0025】
本実施形態では、作業車両1は、車体フレーム2と、キャブフレーム53と、掛止金具56と、留め金57と、ホース設置部材10と、油圧ホース72aとを備える。ホース設置部材10は、係止部11と、延伸部12と、梁部14と、第1ホース係止部材16とを備える。第1ホース係止部材16は油圧ホース72aが貫通するように構成された第1開口部17を有する。これによって、車体フレーム2もしくはキャブフレーム53に取り付けられたホースガイドに油圧ホース72aを通す代わりにあらかじめ複数の油圧ホース72が取り付けられたホース設置部材10をキャブフレーム53に取り付けることができるため、複数の油圧ホース72の設置が容易となる。特に、中継部材が排されることによって長くなったパイロットホースの設置が容易となる。
<実施形態の変形例>
【0026】
上述の実施形態において、延伸部12及び掛止金具56の構成は、係止部11及び留め金57の構成と同じであってもよい。係止部11及び留め金57の構成は、ボルト以外の別の着脱可能な固定方法であってもよい。このような固定方法としては例えば圧入などの方法も考えられる。追加延伸部13、第1追加梁部15、第2追加梁部20、及び、ステー57Sの少なくとも1つは省略されてもよい。また、第1開口部17と第2開口部19とのうちの一方が省略されてもよく、第1開口部17と第2開口部19とが入れ替わっていてもよい。実施形態において丸棒状に示されている部材は、角棒状の部材であってもよい。係止部11の位置が左右反対であってもよい。
【0027】
本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0028】
「~部材」、「~部」、「~要素」、「~体」、および「~構造」という文言は、単一の部分や複数の部分といった複数の意味を有し得る。
【0029】
「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在することを暗に意味するわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在することを暗に意味するわけではない。
【0030】
程度を表す「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言は、実施形態に特段の説明がない限りにおいて、最終結果が大きく変わらないような合理的なずれ量を意味し得る。本願に記載される全ての数値は、「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言を含むように解釈され得る。
【0031】
本願において「A及びBの少なくとも一方」という文言は、Aだけ、Bだけ、及びAとBの両方を含むように解釈されるべきである。
【0032】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。